(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6957032
(24)【登録日】2021年10月8日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】汲み出し・滴下方式の指濡らし器
(51)【国際特許分類】
B43M 11/00 20060101AFI20211021BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
B43M11/00 B
B65D83/00 G
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-216109(P2018-216109)
(22)【出願日】2018年11月19日
(65)【公開番号】特開2020-82405(P2020-82405A)
(43)【公開日】2020年6月4日
【審査請求日】2020年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】317019889
【氏名又は名称】吉田 哲男
(72)【発明者】
【氏名】吉田 哲男
【審査官】
金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】
実開平07−003760(JP,U)
【文献】
特開2018−130680(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3026802(JP,U)
【文献】
特開2017−149125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43M 11/00
B65D 83/00
B05B 11/00−11/06
B05C 5/00− 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水ボトルと受け皿からなるカップ型自動給水器と、前記受け皿に溜まった水を汲み出す
ための汲み出し機構と、前記汲み出し機構により汲み出した水を滴下させる滴下機構と、
人の指の有無を検出する指検出センサとから構成され、所定の場所で人の指を検出した場
合にこれと同期して、その指先に微量の水を滴下することを特徴とする汲み出し・滴下方
式の指濡らし器。
【請求項2】
前記汲み出し機構および滴下機構として、一方の端部にカップ状容器を有し、他方の端部
に排出ノズルを有する柄杓状の汲み出し樋のほぼ中央部を回転させる機構とし、通常は前
記カップ状容器を前記受け皿の水中に沈めておき、所定の場所で人の指先を検出した場合
にこれと同期して、前記柄杓状の汲み出し樋を回転させ、前記カップ状容器の水を前記柄
杓状の汲み出し樋の排出ノズルから滴下させることを特徴とする、特許請求項1に記載の
汲み出し・滴下方式の指濡らし器。
【請求項3】
前記汲み出し機構および滴下機構として、カップ状容器を回転自在に保持した釣瓶状汲み
出し具のカップ状容器を前記受け皿の水中に沈めておき、所定の場所で人の指先を検出し
た場合にこれと同期して、前記カップ状容器を水中から引き揚げて所定の場所に移動させ、
その場所で滴下機構によりカップ状容器を反転させて、カップ状容器中の水を所定の場所
に滴下させることを特徴とする、特許請求項1に記載の汲み出し・滴下方式の指濡らし器。
【請求項4】
前記汲み出し機構および滴下機構として、衝撃発生器に結合された棒あるいはパイプの先
端部を所定の深さだけ前記受け皿の水中に沈めておき、所定の場所で人の指先を検出した
場合にこれと同期して、前記棒あるいはパイプを水中から引き揚げて所定の場所に移動さ
せ、その場所で前記衝撃発生器により前記棒あるいはパイプに衝撃を加えて前記棒あるい
はパイプに表面張力により付着した水を所定の場所に滴下させることを特徴とする、特許
請求項1に記載の汲み出し・滴下方式の指濡らし器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパー等での買い物で購入品を袋詰めする薄いポリ袋の口を開ける場合や、レジのスタッフが薄いポリ袋の口を開ける場合や紙幣を数える場合などに、どこにも触れることなく人の指先を微量の清潔な水で湿らせるために用いられる指濡らし器に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパー等での買い物で購入品を袋詰めする薄いポリ袋の口を開こうとした場合、指先が乾燥していてうまく開けられない場合が多い。スーパー等では、サービスとして、購入品を袋詰めする台の上に濡れた濡れタオルなどを置いている場合が多いが、不特定多数の人がその濡れタオルに指を付けて使用するため衛生上問題であった。また、濡れているはずのタオルが乾燥してしまっている場合も多く、その場合には自分の指先を舐めるなどして指先を湿らせることもあり、これも不衛生であった。
また、店のレジのスタッフが薄いポリ袋の口を開ける場合や紙幣を数える場合などにも、同様に、濡れタオルや濡れた海綿で指先を濡らしている場合が多く、これも不衛生であった。
また、ポリ袋を開くためや、紙幣を数えるために指を濡らす場合、直径3mm〜4mmの水滴、すなわち約10μlの水があれば十分であり、あまり水の量が多いと、手や台が水に濡れてしまって返って不都合である。
【0003】
指先を濡らすために、例えば、特許文献1に記載された指先濡らし器具では、台座にアトマイザを、ノズルを上向きにして横置きに装着し、ノズルの位置に指先をかざした状態で、手のひらでアトマイザのレバーを押すことにより、テコの働きでアトマイザのノズルより水が霧状になって吹き出して指先を適度に濡らすように構成されている。
【0004】
また、特許文献2に記載された指先濡らし器具では、上面を開放とする容器に水溶液を充填して、ボール状体をその水溶液に浮かせて蓋体によりボール状体の一部が円弧状に突出するように回転可能に形成し、このボール状体を回転させてその湿潤部分を指で触れることで、指先を適度に濡らすように構成されている。
【0005】
また、特許文献3記載された指先濡らし器具では、水を入れる容器と、容器に被さる蓋と、蓋を貫通して上方に付勢される押圧部材とを有し、押圧部材には吐水口が設けられており、押圧部材の上部には手の指幅より狭い溝が設けられ、溝内に 吐水口が設けられて、押圧部材を押すことによって、容器内の水の一部が吐水口から噴出し、指先を濡らすように構成されている。
【0006】
しかし、特許文献1、 特許文献2、および特許文献3で開示されている指濡らし器は、いずれも、指先あるいは手のひらが指濡らし器に直接触れ、不特定多数の人がこれらを使用するために、細菌やウイルスの感染の危険があった。
【0007】
以上に示した従来の手濡らし器とは別に、最近、適量の食器洗い用液体洗剤を、食器洗い用スポンジをかざすだけで自動的に滴下する装置が販売されている。しかしながら、食器洗い用液体洗剤の適量は1〜2ml程度と、指濡らし用に使用するのには約100倍〜200倍多く、同じ方式で、約10μl程度の微量の水滴を滴下させるのは原理的にほぼ不可能である。
【0008】
一方、極微量の液体あるいは粘性流体を吐出させることが可能な業務用のディスペンサーも広く使用されている。業務用のディスペンサーは、水のように低粘度の液体から接着剤などの高粘度の液体までのいろいろな液体を、最少で数百pl(ピコリットル)からの吐出が可能であり、液体の量としては、指濡らし用としても適しているが、装置の価格が格段に高く、スーパーの各買い物袋詰め台に設置することは設置コストの面から不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009-072748号公報
【特許文献2】特開2006-150933号公報
【特許文献3】特開2012-250427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、1回の水滴の滴下量が10μl程度で、人がどこにも触れることなく指先を微量の清潔な水で湿らせることが可能で、さらに、原理および機構、構造が簡単で、スーパーなどの各レジや買い物袋詰め台に設置が可能な低価格の指濡らし器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、給水ボトルと受け皿からなるカップ型自動給水器と、前記受け皿に溜まった水を汲み出すための汲み出し機構と、前記汲み出し機構により汲み出した水を滴下させる滴下機構と、人の指の有無を検出する指検出センサとから構成され、所定の場所で人の指を検出した場合にこれと同期して、その指先に微量の水を滴下することを特徴とする汲み出し・滴下方式の指濡らし器が得られる。
【0012】
また、本発明によれば、前記汲み出し機構および滴下機構として、一方の端部にカップ状
容器を有し、他方の端部に排出ノズルを有する柄杓状の汲み出し樋のほぼ中央部を回転さ
せる機構とし、通常は前記カップ状容器を
前記受け皿の水中に沈めておき、所定の場所で
人の指先を検出した場合にこれと同期して、前記柄杓状の汲み出し樋を回転させ、前記カ
ップ状容器の水を前記柄杓状の汲み出し樋の排出ノズルから滴下させることを特徴とする、
特許請求項1に記載の汲み出し・滴下方式の指濡らし器が得られる。
【0013】
また、本発明によれば、前記汲み出し機構および滴下機構として、カップ状容器を回転自
在に保持した釣瓶状汲み出し具のカップ状容器を
前記受け皿の水中に沈めておき、所定の
場所で人の指先を検出した場合にこれと同期して、前記カップ状容器を水中から引き揚げ
て所定の場所に移動させ、その場所で滴下機構によりカップ状容器を反転させて、カップ
状容器中の水を所定の場所に滴下させることを特徴とする、特許請求項1に記載の汲み出
し・滴下方式の指濡らし器が得られる。
【0014】
さらに、本発明によれば、前記汲み出し機構および滴下機構として、衝撃発生器に結合さ
れた棒あるいはパイプの先端部を所定の深さだけ
前記受け皿の水中に沈めておき、所定の
場所で人の指先を検出した場合にこれと同期して、前記棒あるいはパイプを水中から引き
揚げて所定の場所に移動させ、その場所で前記衝撃発生器により前記棒あるいはパイプに
衝撃を加えて前記棒あるいはパイプに表面張力により付着した水を所定の場所に滴下させ
ることを特徴とする、特許請求項1に記載の汲み出し・滴下方式の指濡らし器が得られる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、清潔な水が入った給水ボトルを指濡らし器にセットし、濡らしたい指1本か2本を指濡らし器の所定の場所にかざすだけで、一滴あるいは数滴の水が指先を濡らすため、人は、指濡らし器のどこにも触れることなく、指先を濡らすことができ、容易にポリ袋などを開けたり、紙幣を数えたりすることができる。
【0016】
また、本発明によれば、指先を濡らす水は、清潔な水を入れた専用の給水ボトルを用いて、カップ型自動給水器を構成し、カップ型自動給水器を含む、前記汲み出し機構部、および滴下機構部を樹脂製カバーなどで覆うことにより、外部からごみやほこりが入り込むのを防ぎ、水の汚染を防ぐことができる。
【0017】
また、本発明によれば、前記柄杓状の汲み出し樋や、釣瓶状汲み出し具や、衝撃発生器に結合された棒あるいはパイプ、などの移動に用いる電磁駆動装置としては、簡単な構造のDCモータや単純動作の電磁ソレノイドを用いた構造としているため、安価な部材を使用した簡単な構造で微量の水滴を滴下する装置を構成することが可能になるとともに、指をかざした時の所定の短い時間だけ、電磁駆動装置に電流が流れる構成としているため、駆動回路の電源として乾電池を用いても長時間使用することができる。
【0018】
また、ポリ袋などを開くために必要な一回の水滴の滴下量は約10μlあれば十分なので、例えば50mmlの給水ボトルを使用した場合でも、単純計算で、5,000回の水滴の滴下が可能となり、一人が平均5回指先を濡らしたと仮定した場合でも、1,000人の使用が可能となり、ボトルの交換作業量は、1日に少なくとも数回行っている従来の濡れた布の交換作業量に比較して大幅に改善される。
【0019】
また、本発明によれば、1回の水滴の滴下量が10μl程度で、人がどこにも触れることなく指先を微量の清潔な水で湿らせることが可能で、さらに、原理および機構、構造が簡単で、スーパーなどのレジや各買い物袋詰め台に設置が可能な低価格の指濡らし器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】は、本発明の汲み出し、滴下方式の指濡らし器の構造例を示す断面図
【
図2】は、本発明の汲み出し、滴下方式の指濡らし器の、他の構造例を示す断面図
【
図3】は、本発明の汲み出し、滴下方式の指濡らし器の、他の構造例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の汲み出し、滴下方式の指濡らし器の構造例を示す断面図であり、
図1(a)
は、汲み出し過程、
図1(b)は、滴下過程を示している。
図1において、給水ボトル01が、受け皿02に下向きに装着され
、カップ型自動給水器を
構成しており、給水ボトル01の水03は、給水ボトル01と受け皿02の連結部に設けた開
口部04を通して、受け皿02に流れ出し、その水位は、カップ型自動給水器の原理により、
ほぼ前記開口部04の上端部の高さで一定となる。
【0022】
図1において、一方の端部にカップ状容器05を有し、他方の端部に排水ノズル06を有する柄杓状の汲み出し樋07は、そのほぼ中央部が前記受け皿02の縁部08で回転自在に支持され、さらに、柄杓状の汲み出し樋07のより排水ノズル06側の位置09に引き棒10が回転自在に装着されている。前記引き棒10の他方の端部11は、吸引型電磁ソレノイド12(以下単に電磁ソレノイド12と言う)の駆動軸13と回転自在に結合されている。また、駆動軸13の他方の端部は、摩擦力を発生されるためのダッシュポット14に結合されている。
図1において、電磁ソレノイド12が非通電の状態では、駆動軸13は、電磁ソレノイド12に装着されているコイルバネ15により、上方に付勢され、
図1(a)に示すように、カップ状容器05は、受け皿02の水面以下に沈んでおり、カップ状容器05には水が満たされる。
【0023】
図1(b)は、電磁ソレノイド12が通電状態になった場合の状態を示している。
図1(b)では、
図を見やすくするために、
図1(a)と同じ部分の符号を省略している。
図1(b)において、指
検出センサ(図示せず)が所定の場所で人の指先を検出すると、これに同期して電磁ソレノ
イド12が通電され、駆動軸13が電磁ソレノイド12に引き込まれ、引き棒10により、柄
杓状の汲み出し樋07が、
受け皿02の縁部の支持部08を軸として回転し、カップ状容器
05の水は、柄杓状の汲み出し樋07の中を通って、排水ノズル06から滴下される。
【0024】
図1において、電磁ソレノイド12の駆動軸13の一方の端部にダッシュポット14が接続されているのは、電磁ソレノイド12に駆動電流が通電されたときに駆動軸13が吸引される速度を抑制するためである。ダッシュポット14を用いることにより、駆動軸13が吸引される速度が遅くなり、その結果、柄杓状の汲み出し樋07の回転速度も遅くなり、カップ状容器05の水が、容器から飛び出すことなく、樋を通って、排水ノズル06から滴下されることになる。
【0025】
図1においては、柄杓状の汲み出し樋07は、そのほぼ中央部が前記受け皿02の縁部08で回転自在に支持され、引き棒10を介して、吸引型電磁ソレノイド12により、回転駆動力が与えられる構造となっているが、前記受け皿02の縁部08 の回転軸に直接モータで回転駆動力を与える構造としても良い。
この場合、構造は単純化されるが、回転角を制御するための角度センサが必要になる。
【0026】
図2は、本発明の汲み出し、滴下方式の指濡らし器の、他の構造例を示す断面図であり、
図2(a)は、汲み出し過程、
図2(b)は、滴下過程を示している。
図2において、給水ボトル01が、受け皿02に下向きに装着されており、給水ボトル01の水03は、給水ボトル01と受け皿02の連結部に設けた開口部04を通して、受け皿02に流れ出し、その水位は、カップ型自動給水器の原理により、ほぼ開口部04の上端部の高さで一定のレベルとなる。
【0027】
図2(a)では、カップ状容器釣り具16の先端に装着されたカップ状容器17は、カップ状容器釣り具16と一体になって移動子18に所定の角度で回転自在に保持されて、移動子18は、ガイド枠19に沿って、下側位置センサ20と上側位置センサ21の間をモータ22に直結したネジの回転により移動するように構成されている。
【0028】
図2において、指検出センサ(図示せず)が所定の場所で人の指先を検出しないときは、移
動子18はガイド枠19の下側位置センサ20の位置にあり、
図2(a)からわかるように、カッ
プ状容器17は
受け皿02の水中にあり、カップ状容器17には水が満たされている。
指検出センサが人の指先を検出すると、これに同期してモータ22が回転し移動子を下側位
置センサ20の位置から上側位置センサ21まで移動させる。移動子18が上側位置センサ21
の位置に到達すると、
図2(b)に示すように、カップ状容器釣り具16の途中の部分が、スト
ッパーピン23に当たって回転し、カップ状容器17が傾き、その場所で中の水が、滴下さ
れることになる。カップ状容器17のサイズを適切に選定することにより、所望の量の水滴
を滴下させることができる。
【0029】
図3は、本発明の汲み出し、滴下方式の指濡らし器の、他の構造例を示す断面図であり、
図3(a)は、汲み出し過程、
図3(b)は、滴下過程を示している。
図3において、給水ボトル01が、受け皿02に下向きに装着されており、給水ボトル01の水03は、給水ボトル01と受け皿02の連結部に設けた開口部04を通して、受け皿02に流れ出し、その水位は、カップ型自動給水器の原理により、ほぼ前記開口部04の上端部の高さで一定のレベルとなる。
図3では、水濡らし棒24が一体に結合された電磁ソレノイドからなる衝撃発生器25は移動子18に取り付けられている。移動子18は、ガイド枠19に沿って、下側位置センサ20と上側位置センサ21の間をモータ22に直結したネジの回転により移動するように構成されている。
【0030】
図3において、指検出センサ(図示せず)が所定の場所で人の指先を検出しないときは、移
動子18はガイド枠19の下側位置センサ20の位置にあり、
図2(a)からわかるように、水濡
らし棒24の先端部は、
受け皿02の水中にあり、水濡らし棒24は水に濡れている。
図3において、指検出センサ指先を検出すると、これに同期してモータ22が回転し移動子
18を下側位置センサ20の位置から上側位置センサ21まで移動させる。
図3(b)に示すよう
に、移動子18が上側位置センサ21の位置に到達すると、衝撃発生器25の電磁ソレノイド
に通電され、衝撃発生器25と一体になっている水濡らし棒24に衝撃が伝わり、水濡らし
棒24に表面張力により付着している水が、その位置で滴下されることになる。
【0031】
図3において、水濡らし棒24は、一本の円柱状でも良く、複数の円柱を束ねた構造でも良い。また、水濡らし棒24の表面に複数の凹凸が形成されていても良い。水濡らし棒24に付着する水の量、すなわち滴下される水の量は、水濡らし棒24の先端部の水に浸かる長さが一定の場合でも、水濡らし棒24のサイズや形状、棒の材質や表面状態により異なるため、事前に最適な材質、最適な寸法を決めておく必要がある。
【0032】
また、
図3においては、水滴を滴下させるための衝撃発生器25として電磁ソレノイドを用いているが、電磁ソレノイドを使用することなく、ガイド枠19の上側位置センサ21の近くに突起部を形成し、移動子18がこの突起部の部分を通過するときに、水濡らし棒24に衝撃が加わる構成としても良い。
【0033】
図2、および
図3に示した本発明の構造例においては、移動子18をガイド枠19に沿って、モータ22に直結したネジにより駆動しているが、移動子18の移動に、ガイド枠19に沿って回転するモータ22に装着されたプーリーとベルト(いずれも図示せず)を用いても良い。
また、移動子18の移動を、ガイド枠19を用いずに、回転する円板やアーム(いずれも図示せず)に移動子18を装着する構成としても良い。
【0034】
以上に説明した本発明の手濡らし器において、清潔な水の説明として、「清潔な水」としては、蒸留水などの精製水に加え、これらに微量のエチルアルコールなどの消毒、あるいは殺菌性液体を添加することで、より長期間、これらの水の変質を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0035】
01:給水ボトル
02:受け皿
03:給水ボトルの水
04:給水ボトルと受け皿の結合部に設けた開口部
05:カップ状容器
06:排水ノズル
07:柄杓状の汲み出し樋
08:受け皿02の縁部
09:柄杓状の汲み出し樋07のより排水ノズル06側の位置
10:引き棒10
11:引き棒10の他方の端部
12:電磁ソレノイド12
13: 電磁ソレノイド12の駆動軸
14:ダッシュポット
15:コイルバネ
16:カップ状容器釣り具
17:カップ状容器
18:移動子
19:ガイド枠
20:下側位置センサ
21:上側位置センサ
22:モータ22
23:ストッパーピン
24:水濡らし棒
25:衝撃発生器