特許第6957040号(P6957040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6957040まつ毛エクステンション人工毛の装着方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6957040
(24)【登録日】2021年10月8日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】まつ毛エクステンション人工毛の装着方法
(51)【国際特許分類】
   A41G 5/02 20060101AFI20211021BHJP
【FI】
   A41G5/02
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-123(P2019-123)
(22)【出願日】2019年1月4日
(65)【公開番号】特開2020-109220(P2020-109220A)
(43)【公開日】2020年7月16日
【審査請求日】2021年3月25日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 愛媛新聞の平成30年12月28日付朝刊第11面にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516274944
【氏名又は名称】小西 空
(74)【代理人】
【識別番号】100112988
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 一宏
(72)【発明者】
【氏名】小西 空
【審査官】 程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−033270(JP,A)
【文献】 特開2010−024579(JP,A)
【文献】 特開2018−127725(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/105469(WO,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−1542325(KR,B1)
【文献】 バインドロック,バインドロック,日本,Magie,2018年07月13日,[令和3年5月24日検索]、インターネット<URL:https://lovemagie.com/2018/07/13/post−181/>
【文献】 これぞ、バインドロックの構造,これぞ、バインドロックの構造,日本,株式会社リクルート,2018年07月05日,[令和3年5月24日検索]、インターネット<URL:https://beauty.hotpepper.jp/kr/slnH000384593/blog/bidA020533468.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41G 5/02
A41G 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本又は三本のエクステンション用人工毛と一本の支持用人工毛を用意する第一のステップと、
前記二本又は三本のエクステンション用人工毛のうちの第一のエクステンション用人工毛の付け根に球状に接着剤を付ける第二のステップと、
前記第一のエクステンション用人工毛の付け根をまつ毛の上方からまつ毛の付け根の左右いずれか寄りに固定する第三のステップと、
前記二本又は三本のエクステンション用人工毛のうちの第二のエクステンション用人工毛の付け根を前記まつ毛の上方から前記第一のエクステンション用人工毛が固定されていない左右いずれか寄りに固定する第四のステップと、
前記一本の支持用人工毛の付け根に球状に接着剤を付ける第五のステップと、
前記第一のエクステンション用人工毛と前記第二のエクステンション用人工毛が固定された前記まつ毛の上方から、前記まつ毛の付け根に一回接着剤を付ける第六のステップと、
前記まつ毛の略真下に前記一本の支持用人工毛を回り込ませ、前記支持用人工毛の水平面との角度を前記まつ毛の水平面との角度に略一致させた状態にて、前記まつ毛の下方から前記まつ毛の付け根のみに前記支持用人工毛の付け根のみを固定する第七のステップ
を含む、まつ毛エクステンション人工毛の装着方法。
【請求項2】
前記二本又は三本のエクステンション用人工毛は、その最大径がまつ毛より細径に形成されており、
前記一本の支持用人工毛はまつ毛と略同一の幅を備えており、前記一本の支持用人工毛の付け根の付近にはまつ毛に接着させるための凹面が設けられており、
前記第一のステップにおいてはまつ毛の付け根の左寄りに前記第一のエクステンション用人工毛が固定され、
前記第二のステップにおいてはまつ毛の付け根の右寄りに前記第二のエクステンション用人工毛が固定され、
前記第四のステップは前記第二のエクステンション用人工毛の付け根に新たに接着剤を球状に付けることなく行われる、
請求項1に記載のまつ毛エクステンション人工毛の装着方法。
【請求項3】
前記支持用人工毛の中央から先端寄りの部分を引き上げることにより、前記支持用人工毛を前記まつ毛に略密着させる第八のステップ
をさらに含む、請求項1又は2に記載のまつ毛エクステンション人工毛の装着方法。
【請求項4】
前記第八のステップが完了した際に、前記まつ毛を上方から見ると、第一のエクステンション用人工毛の先端と第二のエクステンション用人工毛の先端の間に前記まつ毛及び前記支持用人工毛が存在する、
請求項3に記載のまつ毛エクステンション人工毛の装着方法。
【請求項5】
前記第のステップにおける前記まつ毛の付け根への接着剤の付加は、真上ではなく右上方又は左上方から行われる、請求項1乃至4のいずれかに記載のまつ毛エクステンション人工毛の装着方法。
【請求項6】
前記第一のステップ乃至前記第八のステップの結果、接着剤が前記まつ毛の付け根の周囲を覆い、前記第一のエクステンション用人工毛、前記第二のエクステンション用人工毛及び前記支持用人工毛の全ての付け根に前記接着剤が接触している、請求項1乃至5のいずれかに記載のまつ毛エクステンション人工毛の装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、まつ毛に装着するためのまつ毛エクステンション人工毛に関し、特にまつ毛エクステンション人工毛の装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より美容の一分野として、まつ毛に人工毛を装着することによりまつ毛の長さを延長して、まつ毛のボリューム感を増大させることにより目を大きく見せることがわが国においても広く行われている。このまつ毛に装着するための人工毛は、髪の長さを延長するために髪に装着する人工毛と同様にエクステンションと呼ばれており、まつ毛の太さよりも細径のものが使用されることが多い。
【0003】
上記のようなまつ毛エクステンション人工毛の装着方法としては、一本のまつ毛に対して一本の人工毛をグルー(接着剤)により順次接着していくことが一般的であるが、装着効率や装着の容易性を向上させるための工夫も種々考案されている。例えば特開2016−33270号公報は、まつ毛の太さよりも細径のエクステンション人工毛を、まつ毛に対して所定の角度を有するように順次固定していく方法を開示している。また、特許第6130571号公報は、複数のエクステンション人工毛を予め接着剤により連結しておき、これを中間用人工毛を介してまつ毛に固定する方法を開示している。
【0004】
しかしながらこれらの先行技術に係る方法は、いずれも施術に掛かる時間や安定性等において欠点がある。例えば特開2016−33270号公報に開示される方法の場合には、エクステンション用人工毛を一本ずつ特定の角度で固定していくことは施術者の高い熟練度を有する上に長い時間を要する。また、特許第6130571号公報に開示される方法の場合には、まつ毛に固定される全ての人工毛が上方から接着されているため安定性に欠け、例えば人工毛に対して側方から力が加わる場合に人工毛が外れる現象が起きやすい。
【特許文献1】特開2016−33270号公報
【特許文献2】特許第6130571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、従来のまつ毛エクステンション人工毛の装着方法における人工毛の安定性の問題を解決しながらも、人工毛の装着に掛かる時間を許容可能な範囲に抑えることである。具体的には、まつ毛の中心から360度いずれの角度の力が掛かる場合においても比較的均一な安定性をもたらしながら、平均的な施術者であれば十分施術可能な装着方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるまつ毛エクステンション人工毛の装着方法は、二本又は三本のエクステンション用人工毛と一本の支持用人工毛を用意する第一のステップと、前記二本又は三本のエクステンション用人工毛のうちの第一のエクステンション用人工毛の付け根に球状に接着剤を付ける第二のステップと、前記第一のエクステンション用人工毛の付け根をまつ毛の上方からまつ毛の付け根の左右いずれか寄りに固定する第三のステップと、前記二本又は三本のエクステンション用人工毛のうちの第二のエクステンション用人工毛の付け根を前記まつ毛の上方から前記第一のエクステンション用人工毛が固定されていない左右いずれか寄りに固定する第四のステップと、前記一本の支持用人工毛の付け根に球状に接着剤を付ける第五のステップと、前記第一のエクステンション用人工毛と前記第二のエクステンション用人工毛が固定された前記まつ毛の上方から、前記まつ毛の付け根に軽く一回接着剤を付ける第六のステップと、前記まつ毛の略真下に前記一本の支持用人工毛を回り込ませ、前記支持用人工毛の水平面との角度を前記まつ毛の水平面との角度に略一致させた状態にて、前記まつ毛の下方から前記まつ毛の付け根に前記支持用人工毛の付け根を固定する第七のステップを含み、これにより上記課題を解決する。
【0007】
本発明によるまつ毛エクステンション人工毛の装着方法においては、前記二本又は三本のエクステンション用人工毛は、その最大径がまつ毛より細径に形成されており、前記一本の支持用人工毛はまつ毛に近い幅を備えており、前記一本の支持用人工毛の付け根の付近にはまつ毛に接着させるための凹面が設けられており、前記第一のステップにおいてはまつ毛の付け根の左寄りに前記第一のエクステンション用人工毛が固定され、前記第二のステップにおいてはまつ毛の付け根の右寄りに前記第二のエクステンション用人工毛が固定され、前記第四のステップは前記第二のエクステンション用人工毛の付け根に新たに接着剤を球状に付けることなく行われてもよい。
【0008】
本発明によるまつ毛エクステンション人工毛の装着方法は、前記支持用人工毛の中央から先端寄りの部分を引き上げることにより、前記支持用人工毛を前記まつ毛に略密着させる第八のステップをさらに含んでいてもよい。
【0009】
前記第八のステップが完了した際に、前記まつ毛を上方から見ると、第一のエクステンション用人工毛の先端と第二のエクステンション用人工毛の先端の間に前記まつ毛及び前記支持用人工毛が存在し、前記まつ毛の先端及び前記支持用人工毛の先端の高さが、共に第一のエクステンション用人工毛の先端の高さ、及び第二のエクステンション用人工毛の先端の高さより高くてもよい。
【0010】
本発明によるまつ毛エクステンション人工毛の装着方法においては、前記第六のステップにおける前記まつ毛の付け根への接着剤の付加が、真上ではなく右上方又は左上方から行われてもよい。また、前記第一のステップ乃至前記第八のステップの結果、接着剤が前記まつ毛の周囲を覆い、前記第一のエクステンション用人工毛、前記第二のエクステンション用人工毛及び前記支持用人工毛の全ての付け根に前記接着剤が接触していてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のまつ毛エクステンション人工毛の装着方法によれば、比較的短い施術時間にて高い安定性の装着を行うことが可能である。特に、まつ毛の付け根の上下から接着剤が付けられた後に下方の支持用人工毛が引き上げられることにより、まつ毛の付け根と人工毛の付け根が接着剤により包まれる(360°ラッピング)ことにより、まつ毛の付け根と人工毛の付け根の間の固定が安定したものとなる。また、まつ毛の直下に支持用のフラット人工毛があることにより、エクステンション人工毛の装着の安定性が増加する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、まつ毛エクステンション人工毛が装着される前における、まつ毛及び人工毛の概略斜視図である。図1には、二本のエクステンション人工毛11,13と、まつ毛14と、フラット人工毛15が示されている。
【0014】
二本のエクステンション人工毛11,13は、通常ポリブチレンテレフタレート樹脂から構成されており、その最大径がまつ毛14の直径より小さくなるように形成されている。ここでいう最大径とは、エクステンション人工毛11,13をその長さ方向に対して略垂直に切断した際に扁平な断面を有する場合には断面の最大長を指し、円形の断面を有する場合には断面の直径を指す。例えば、エクステンション人工毛11,13が円形の断面を有する場合には、好適には断面の直径はまつ毛14の直径の三分の一から五分の一である。前記にかかわらず、エクステンション人工毛11,13の材質はポリエステル、ナイロン等の各種の化学繊維又は天然繊維であってもよい。図示されるように、好適にはエクステンション人工毛11,13の先端は二つに分かれているが、分かれていなくてもよい。まつ毛14は、通常まつ毛エクステンション人工毛を装着する対象となる人間のまつ毛であるが、例えばウマ、ウシ等、人間以外の動物がまつ毛エクステンション人工毛装着の対象となる場合には当該動物のまつ毛である。
【0015】
フラット人工毛15は、まつ毛14の直径とほぼ同じ幅を有する人工毛であり、その材質は通常エクステンション人工毛11,13と同様である。フラット人工毛15の付け根には二つの凹面が設けられているため、フラット人工毛15の付け根は比較的扁平な断面を有する(図5参照)。前記凹面の一つは、フラット人工毛15をまつ毛14に接着するための凹面15aである。図示されるように、好適にはエクステンション人工毛11,13の付け根の各断面もフラット人工毛15の断面と同様に比較的扁平な形状を有し、その大きさはフラット人工毛15の断面より小さい。しかしながら、エクステンション人工毛11,13及びフラット人工毛15の各断面の形状及び大きさは前記に限られず、例えばエクステンション人工毛11,13の断面が円形であっても良いのは上述した通りである。なお、一般に「付け根」は天然毛の毛根やこれに相当する人工毛の終端を指すものと考えられるが、説明の便宜上、本明細書においては「付け根」は厳密な終端を指さず、天然毛及び人工毛の終端付近の領域を指す。
【0016】
本発明の方法によるまつ毛エクステンション人工毛の装着に先立っては、まず二本(後述するように一本のまつ毛に固定するエクステンション人工毛の本数が三本である場合には三本)のエクステンション人工毛11,13の付け根に球状に接着剤12を付ける作業を行う。接着剤12は、まつ毛エクステンション人工毛の施術を行う美容業界において一般に「グルー」と呼ばれており、通常シアノアクリレート系の接着剤が用いられる。しかしながら、接着剤12の材質は前記に限られず、ゴム等の天然物又は各種合成樹脂等の任意の材質が用いられてもよい。
【0017】
次に図2は、二本のまつ毛エクステンション人工毛の付け根が上方からまつ毛に固定された状態を示す斜視図である。最初にエクステンション人工毛11の付け根が、図1に示される接着剤12の作用により、図2に示される位置関係の通り、まつ毛14の付け根の左寄りに固定される。ここで言う「左寄り」とは、まつ毛の先端からまつ毛の付け根方向に伸びるまつ毛の中心軸(不図示)を中央とした場合に、上方から見て左方に寄っていることを指す。また、まつ毛のエクステンション人工毛11の付け根は、まつ毛14の付け根の上方からまつ毛14の付け根に付加されて固定される。
【0018】
次に、エクステンション人工毛13の付け根は、図2に示される位置関係の通り、まつ毛14の付け根の右寄りに固定される。まつ毛14の付け根に付加される前には、エクステンション人工毛13の付け根には接着剤が付けられていないが、図1に示される接着剤12はまつ毛14の付け根に付加される際にエクステンション人工毛11の付け根の側方にある程度はみ出すため、はみ出した接着剤を利用してエクステンション人工毛13の付け根を固定することができる。ここで言う「右寄り」とは、まつ毛の先端からまつ毛の付け根方向に伸びるまつ毛の中心軸(不図示)を中央とした場合に、上方から見て右方に寄っていることを指す。また、エクステンション人工毛13の付け根は、エクステンション人工毛11と同様に、まつ毛14の付け根の上方からまつ毛14の付け根に付加されて固定される。
【0019】
図2に示されるように、以上の施術終了時点における、エクステンション人工毛11,13の先端間の距離は例えば3.5mm程度であるが、エクステンション人工毛11,13の長さによって前記距離は変動し得る。また、エクステンション人工毛11,13の付け根に近い終端とまつ毛14の付け根に近い終端の間の距離は好適には0.5mm程度である。
【0020】
なお、施術の都合によっては、最初に固定されるエクステンション人工毛11の付け根はまつ毛14の付け根の右寄りに固定されても良い。この場合には、次に固定されるエクステンション人工毛13の付け根はまつ毛14の付け根の左寄りに固定される。
【0021】
次に図3は、二本のまつ毛エクステンション人工毛の付け根が上方から固定されたまつ毛の付け根に接着剤が付けられ、一本のフラット人工毛の付け根に球状に接着剤が付けられた状態を示す斜視図である。上述の手順によりまつ毛エクステンション人工毛11,13の付け根がそれぞれまつ毛14の付け根に固定された後に、上方からまつ毛14の付け根に接着剤16が付けられる。ここでの接着剤16の付加は、好適には真上からではなく左上又は右上からの付加が望ましく、適量を一回付けるような軽い付加が望ましい。一方、図3の下方に示されるように、フラット人工毛15の凹面15aの上には、球状に接着剤17が付けられる。接着剤16,17の付加の順序は上述の通りであっても良いし、接着剤17の付加を先に行ってもよい。
【0022】
上記手順により接着剤16,17の付加が行われた後に、フラット人工毛15の凹面15aを下方からまつ毛14の付け根に付加し、その後フラット人工毛15の向き(付け根から先端への向き)をまつ毛14の向き(付け根から先端への向き)に略一致させる。換言すれば、ここでフラット人工毛15の水平面との角度をまつ毛14の水平面との角度に略一致させることになる。
【0023】
さらに、フラット人工毛15の先端寄りの部分がエクステンション人工毛11,13の各先端の間に入るように、フラット人工毛15の先端寄りの部分を上方に引き上げる。この手順により、フラット人工毛15の凹面15aに付けられた接着剤17(図3参照)がまつ毛14の付け根に対して上方に持ち上げられることとなり、上方からまつ毛14の付け根に付けられた接着剤16の引き合う性質(特に接着剤16がシアノアクリレート系である場合にはこの性質が強い)を利用して、エクステンション人工毛11,13、まつ毛14及びフラット人工毛15の付け根を接着剤により包むような効果(360°ラッピング)が得られる。
【0024】
図4は、二本のまつ毛エクステンション人工毛の付け根が上方から固定されたまつ毛の付け根に対し、さらにフラット人工毛の付け根が下方から固定された状態を示す斜視図である。図4に示される時点においては、まつ毛14の付け根が接着剤により包まれ、エクステンション人工毛11,13及びフラット人工毛15の付け根に接着剤が接触していることとなるが、図示の簡略化及び明確化のため、図4においては接着剤の図示を省略している。
【0025】
図5は、図4のA‐A´断面の状態を示す概略断面図である。図5に示されるように、まつ毛14の付け根は接着剤層18により包まれており、エクステンション人工毛11,13及びフラット人工毛15の付け根は接着剤層18に接触している。これにより、まつ毛14へのエクステンション人工毛11,13及びフラット人工毛15の固定の安定性が確保され、従来のエクステンション人工毛の装着方法と比較して良好な安定性を得ることができる。なお、接着剤層18は上述の施術手順を通じて接着剤12,16,17が融合して生じたものであることに留意されるべきである。
【0026】
以上述べたまつ毛エクステンション人工毛の装着方法において、その付け根が下方からまつ毛14の付け根に固定されるフラット人工毛15は、他の種類の人工毛、例えばエクステンション人工毛11,13と同様の寸法及び性質のものに置き換えられてもよい。この場合には、凹面15aに付加される接着剤17(図3)は、単に当該人工毛の付け根に付けられる。また、まつ毛14の付け根に上方からそれらの付け根が固定されるエクステンション人工毛の本数は二本に限られず、例えば三本であってもよい。この場合にはエクステンション人工毛11,13の付け根の間にもう一本のエクステンション人工毛の付け根を固定する。
【産業上の利用可能性】
【0027】
人間のまつ毛を対象とするまつ毛エクステンション人工毛の装着に適用することができる。その他、人間以外のまつ毛を有する動物に対するまつ毛エクステンションの装着や、人間の髪の毛及び体毛へのエクステンション人工毛の装着に適用することも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】まつ毛エクステンション人工毛が装着される前における、まつ毛及び人工毛の概略斜視図である。
図2】二本のまつ毛エクステンション人工毛の付け根が上方からまつ毛に固定された状態を示す斜視図である。
図3】二本のまつ毛エクステンション人工毛の付け根が上方から固定されたまつ毛の付け根に接着剤が付けられ、一本のフラット人工毛の付け根に球状に接着剤が付けられた状態を示す斜視図である。
図4】二本のまつ毛エクステンション人工毛の付け根が上方から固定されたまつ毛の付け根に対し、さらにフラット人工毛の付け根が下方から固定された状態を示す斜視図である。
図5図4のA‐A´断面の状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0029】
11,13 エクステンション用人工毛
12,16,17 接着剤
14 まつ毛
15 フラット人工毛
15a 凹面
18 接着剤層
図1
図2
図3
図4
図5