(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記網状シートは、犬の体を包み込むとき、前記網状シートの内側に犬の胴体を位置し、前記網状シートの外側に犬の頭を突き出し可能な頭通し用穴(32)を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の犬用理容器具。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明による実施例を図面に基づいて説明する。
第4実施例は参考例に相当する。
【0008】
(第1実施例)
本発明の第1実施例による犬用理容器具について
図1から
図7に基づいて説明する。
図1と
図3に示す犬用理容器具は、空気を通すことが可能な多数の通孔を有する網状シート1であり、透視可能な網状シート本体2から構成される。
網状シート本体2は、犬の体を包み込むように覆うことが可能で、下端6に開口部53を有する。網状シート本体2の通孔は、空気を通し、犬の抜毛が容易に通過しない程度の大きさである。
網状シート本体2は、前方向の網状シート前上面3、網状シート前下面4、及び後方向の網状シート後面5により構成される。
【0009】
開口調節具11は、網状シート1の開口部53の開口度を調節可能な紐13と、網状シート本体2の下端6を内側に折り込み、内側に紐13を通す紐通し穴を形成する縫製部12を有する。紐通し穴の入口と出口から飛び出す紐13の両端は、網状シート前下面4の下端6の入口および出口から抜き出してある。これにより、紐13の両端の抜き出し長さを伸縮させ、紐の有効長さを調節し結ぶことで、網状シート本体2の開口部53の大きさを調節する。
【0010】
内筒網21は、一端が網状シート本体2の穴22に接続し、外側空間から穴22を経由して内側空間へと続く内筒網21を有し、他端23が内側空間に延びている。
内筒網21の内径は、人の左手と左腕を通すことが可能な大きさである。穴22に人の左手を通すことにより犬を直接触ることが可能となり犬の安全確認や犬の体毛が乾燥したか否か確認可能である。
【0011】
首紐31は、網状シート本体2の前面上部に形成される頭通し用穴32の周囲に節度感をもって閉じる伸縮可能なゴムバンドが縫製されている。頭通し用穴32の内径は、犬の頭を通す大きさである。頭通し用穴32の大きさは、ゴムバンドの伸縮により調節可能となる。
網状シート1の装着時、頭通し用穴32に犬の頭を通し、犬の首に素材の柔軟な伸縮可能なゴムバンドとなる首紐31を装着する。これにより、頭通し用穴32から犬の頭を外部へ突出させ、犬の呼吸や快活、快感、快楽を保持させる。
頭通し用穴32から犬の頭を突出させることで、犬の頭は網状シート1の外側空間、犬の胴体は網状シート1の内側空間に位置する。また、頭通し用穴32から犬の頭を引っ込めると、犬の頭と犬の胴体は網状シート1の内側空間に位置することになる。
【0012】
網状シート1の前面で開閉可能なファスナ40は、網状シート本体2に取り付けられる。開閉可能なファスナ40は、犬の離脱用開口を形成するもので、ファスナ左引手41、ファスナ右引手42、ファスナ務歯左部43、ファスナ務歯右部44から構成される。網状シート本体2の前面中間部の水平方向前半分を占める開口を開閉可能なファスナ40が縫製され、ファスナ右引手42とファスナ左引手41によりファスナ務歯43、44は両端両方向へ開閉可能となる。
【0013】
網状シート1の水平方向前半分の開閉可能なファスナ40の開口部は、
図2、
図6に示すように、網状シート1のファスナ全開時には犬の体全体が通る開口の大きさとなる。犬の頭が胴体とともに網状シート本体2の内側空間に入った後、閉状態のファスナ左引手41、ファスナ右引手42を両側に開く方向に移動し、ファスナ務歯43,44を開く。犬は体全体をファスナ全開時の開口部を通して網状シート本体2の外側空間へ通り抜けられる。網状シート本体2から犬を離脱するとき、
図6に示す開口から矢印54の方向に犬を外に逃がす。
【0014】
次に、犬用理容器具としての網状シートの使い方について
図1から
図7に基づいて説明する。
【0015】
犬の体をシャンピングし(S91)、水洗いし、タオルで体毛の水分を拭き取る。
他方、
図4と
図5に示すように床400に台脚101が置かれる台100の上に犬の体を載せる。犬の体の上に網状シート1を被せ(S92)、犬の胴体は網状シート1の内側空間に位置し、頭通し用穴32から犬の頭を網状シート1の外側空間に出す。
【0016】
次いで、台100に固定されるアーム200の上部に繋がれるリード201を首紐31付近の網状シート本体2に掛ける。これにより、犬が台100の上から落下するのを防止する。
網状シート1の下端6の開口部53は台100を覆う。縫製部12を通す紐13の有効長さを調節し、紐13の先端部を結ぶことで、開口部53の開口度を調節する。網状シート1は台100の周囲に係止される。
【0017】
乾燥開始前、網状シート1の開閉可能なファスナ40は閉じている。
乾燥を開始するとき(S93)、
図5に示すように、台100の後方向に操作者が立ち、右手に持つドライヤ300から吹き出す温風を網状シート本体2の外側から通孔に通し、網状シート本体2の内側の犬の体毛に吹き付ける。これにより、犬の体毛を乾燥する。このとき、操作者の左手は、網状シート本体2の穴22から内筒網21の内部を通し、他端23から犬の体に直接触れ、犬の体の乾燥度合いを点検する。犬の体毛の乾燥の際生じた体毛からの抜毛は網状シート1の内側空間に取り込まれる。
【0018】
犬の体全体が乾燥したら、ドライヤ300のスイッチをオフに切り替え、乾燥を終了する(S94)。乾燥した後、網状シート1の首紐31から犬の頭を解除する(S95)。その後、頭通し用穴32から網状シート本体2の内側空間に犬の頭を引っ込め、
図6に示すように、ファスナ40のファスナ左引手41とファスナ右引手42を両端に開け、ファスナ開口部を全開にする(S96)。網状シート内側52の開口部から矢印54方向の外側空間に犬を逃す(S97)。
【0019】
網状シート本体2の中において、犬の体毛の抜毛は網状シート本体2の内部空間内で収まり、台100の上あるいは床400の上に落ちる。このため、抜毛は、部屋の空間に浮遊することもなく飛散することもなく、台100の上または床400に落ちる。したがって、清掃が容易に行える(S98)。
【0020】
(第2実施例)
次に第2実施例を
図8に基づいて説明する。
網状シート61は、網状シート本体62に2個の内筒網63、64を有し、内筒網外穴65、66から内筒網内穴67、68へ網状シート本体62の内側空間に延びる筒状網を設けている。
【0021】
この第2実施例では、網状シート本体62は、内筒網63、64を有することで、網状シート本体62の外側空間から内筒網外穴65から内筒網内穴67へ内筒網63を経由して、左手を通すことができるだけでなく、網状シート本体62の外側空間から内筒網外穴65、66から内筒網内穴67、68へ内筒網63、64を経由して、左手と右手の両手を独立して網状シート本体62の内部空間に通すことができる。これにより、網状シート本体62の内部空間の犬の体毛に右手と左手がそれぞれ直接接触可能となる。
【0022】
この第2実施例の他の基本的構成は、第1実施例と同様である。
台100に載せた犬の体に網状シート61を被せ、網状シート61の頭通し用穴32より犬の頭を突出させる。犬の頭は網状シート61の外側空間に位置し、犬の胴体は網状シート61の内側空間に位置する。
犬の首にアーム200からのリード201を結び、台100から犬が離脱しないようにする。
【0023】
ドライヤ300を用いて犬の体を乾かす際、ドライヤ300から吹き出す温風は、網状シート本体62の外側空間から通孔を通して内側空間に吹き抜け、犬の体毛に当たることで、犬の体毛を乾燥させる。
犬の体毛を乾燥する際、網状シート61の外側空間から網状シート61の右側面の内筒網外穴66から内筒網内穴68に人の右手を通し、網状シート61の内側空間の犬の体を直接触ることで、犬の体毛の乾燥度合を確認する。
【0024】
同様に網状シート61の外側空間から網状シート61の左側面の内筒網穴65から内筒網内穴67に人の左手を通し、網状シート61の内側空間の犬の体を直接触ることで、犬の体毛の乾燥度合を確認する。
【0025】
網状シート61の1カ所より2カ所の内筒網穴65、66の方が犬を直接触る面積が拡大することにより、的確に乾燥具合を確認し乾きむらを抑制し乾燥度合を高める。
犬の体毛乾燥の際、ドライヤ300の温風の風圧による犬の体毛からの抜毛は犬の周囲の空間に飛散や浮遊することなく、犬を覆う網状シート61の内側空間へ取り込まれる。抜毛は、台100または床400の上に落下する。
したがって、乾燥の際に犬の体から離脱した体毛のうち、空間に浮遊する体毛が抑制されるから、台100と床400に集まる体毛の割合が多いから、体毛の処理がしやすいという効果は大きい。
【0026】
なお、犬の体毛乾燥後は、網状シート61のアーム200からの犬の首のリード201を解除し、網状シート61の頭通し用穴32から犬の首の網状シート61の伸縮可能なゴムバンドによる首紐31を解除し、網状シート61の内側空間に犬の体全体が位置する。次いで、網状シート61の開閉可能な開口部のファスナ引手41,42を開け、ファスナ務歯43,44を開け前方の開口部を全開にする。犬は、網状シート61の内側空間から前方開口部を通して外側空間へと離脱する。
【0027】
(第3実施例)
次に第3実施例を
図9に基づいて説明する。
第3実施例の網状シート71の頭通し用穴は設けていない。
この第3実施例では、網状シート71を犬の体に被せ犬の胴体だけでなく犬の頭も網状シート71の内側空間に位置したまま、ドライヤ300を用いて犬の体毛を乾燥させることが可能である。網状シート71の頭通し用穴を設けないことにより、犬の体全体が網状シート71の内側空間に位置し、犬の胴体の体毛の抜毛を網状シート71の内側空間に取り込むだけでなく、犬の頭の体毛の抜毛をも網状シート71の内側空間に取り込むことができる。
この第3実施例の他の基本的構成は、第1実施例と同様である。
台100に乗せた犬の体全体に網状シート71を被せ、犬の体全体は網状シート71の内側空間に位置する。犬の首に網状シート71の上からアーム200からのリード201を結び、台100から犬が離脱しないようにする。
【0028】
ドライヤ300を用いて犬の体を乾かす際、ドライヤ300から吹き出す温風は、網状シート本体72の外側空間から通孔を通して内側空間に吹き抜け、犬の体毛に当たることで、犬の体毛を乾燥させる。
犬の体毛を乾燥する際、網状シート71の外側空間から網状シート71の右側面の穴22に人の右手を通し、網状シート71の内側空間の犬の体を直接触ることで、犬の体毛の乾燥度合を確認する。
網状シートの頭通し用穴を設けていないことで、犬の胴体だけでなく犬の頭の体毛からの抜毛をも網状シート71の内側空間に取り込むことが可能となり、空間に浮遊する体毛がより抑制され、台100と床400に集まる体毛の割合が多くなり体毛の処理がしやすいという効果を高める。
犬の体毛乾燥の際、ドライヤ300の温風の風圧による犬の体毛からの抜毛は犬の周囲の空間に飛散や浮遊することなく、犬を覆う網状シート71の内側空間へ取り込まれる。抜毛は、台100または床400の上に落下する。
したがって、乾燥の際に犬の体から離脱した体毛のうち、空間に浮遊する体毛が抑制されるから、台100と床400に集まる体毛の割合が多いから、体毛の処理がしやすいという効果は大きい。
【0029】
なお、犬の体毛乾燥後は、網状シート71のアーム200からの犬の首のリード201を解除し、網状シート71の開閉可能な開口部のファスナ引手41,42を開け、ファスナ務歯43,44を開け前方の開口部を全開にする。犬は、網状シート71の内側空間から網状シート71の前方開口部を通して外側空間へと離脱する。
網状シートの頭通し用穴を設けないことで、犬用理容器具はより簡易的な構造となり、網状シート装着時と網状シート離脱時において犬の頭を網状シート通し用穴に突出と引込の動作が不要となるまま使用可能という網状シート71の使用方法においての煩わしさを解消する効果が高まる。
【0030】
(第4実施例)
次に第4実施例を
図10に基づいて説明する。
第4実施例の網状シート81の水平方向前半分の開閉可能なファスナによる離脱用開口は設けていない。
この第4実施例では、犬の体を通す網状シート開口は下端6のみとなる。これにより、網状シート81を犬の体に装着する際に犬の体に被せた開口と同様の開口から犬の体毛乾燥後犬の体を離脱させることが可能となる。
この第4実施例の他の構成は、第1実施例と同様である。
台100に載せた犬の体に網状シート81を被せ、網状シート81の頭通し用穴32より犬の頭を突出させる。犬の頭は網状シート81の外側空間に位置し、犬の胴体は網状シート81の内側空間に位置する。
犬の首にアーム200からのリード201を結び、台100から犬が離脱しないようにする。
【0031】
ドライヤ300を用いて犬の体を乾かす際、ドライヤ300から吹き出す温風は、網状シート本体82の外側空間から通孔を通して内側空間に吹き抜け、犬の体毛に当たることで、犬の体毛を乾燥させる。
犬の体毛を乾燥する際、網状シート81の外側空間から網状シート81の右側面の穴22に人の右手を通し、網状シート81の内側空間の犬の体を直接触ることで、犬の体毛の乾燥度合を確認する。
犬の体毛乾燥の際、ドライヤ300の温風の風圧による犬の体毛からの抜毛は犬の周囲の空間に飛散や浮遊することなく、犬を覆う網状シート81の内側空間へ取り込まれる。抜毛は、台100または床400の上に落下する。
したがって、乾燥の際に犬の体から離脱した体毛のうち、空間に浮遊する体毛が抑制されるから、台100と床400に集まる体毛の割合が多いから、体毛の処理がしやすいという効果は大きい。
なお、犬の体毛乾燥後は、網状シート81のアーム200からの犬の首のリード201を解除し、網状シート81の頭通し用穴32から犬の首の網状シート81の伸縮可能なゴムバンドによる首紐31を解除し、網状シート81の内側空間に犬の体全体が位置する。次いで、網状シート81を上方向に持ち上げることで、網状シート81の下端6の開口部53より網状シート81を犬の体より離脱させる。
網状シートの水平方向前半分の開閉可能なファスナによる離脱用開口を設けないことで、犬用理容器具はより簡易的な構造となり、網状シート装着時と網状シート離脱時において装着と離脱の開口が同一となるまま使用可能という網状シート81の使用方法においての煩わしさを解消する効果が高まる。
【0032】
(第5実施例)
次に第5実施例の犬用理容器具を
図11に基づいて説明する。
第5実施例の網状シート91は、第1実施例の網状シート本体2に比べ、網状シート本体92の下端96を下方に延長した例である。
網状シート本体92は、犬を載せる台100の下方で延長し、この延長部97の下端96の開口部93の開口を絞っている。
これにより、犬の体毛から脱毛した抜毛は、台100の上、及び網状シート本体92の延長部97の内面98に集められる。
【0033】
(その他の実施例)
本発明の犬用理容器具を構成する網状シートは、犬の体に被せたときの開口部の大きさは、小型犬、中型犬、大型犬の大きさに対応するように定めることができる。開口調節具は、紐でなくともよく、開口部から外に抜毛が流出するのを抑制するよう開口度を絞る構成であってもよい。内筒は、網状のものでなくともよく、個数も限定されない。また、チワワ、柴犬など抜毛の多い犬種に適用すると効果は顕著である。
本発明は、グルーミングにおいてシャンプーした後にドライングする場合だけでなく、トリミング後にドライングする場合にも適用することができる。
【0034】
以上、本発明は、上記実施例になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態で実施可能である。
【解決手段】 犬の体を覆うことが可能な網状シート1は、網状シート本体2が空気を通す多数の通孔を有する。網状シート1は、網状シート本体2の開口部53の開口度を調節可能な紐13と、穴22から手を通すことが可能な内筒21とを備える。犬の体を網状シート1により包み込むとき、網状シート1の通孔を通して外から内に温風を通し、網状シート1の内側空間の犬の体毛を乾燥させると、犬の体から抜けた抜毛を網状シートの内側空間に取り込む。犬の体に被せた網状シートの内側空間に犬の抜毛が閉じられるから、抜毛が空中に飛散または浮遊するのを抑制する。したがって、犬の周りの人体に与える悪影響が抑えられる。