特許第6957097号(P6957097)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6957097-浴室用電子装置 図000002
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  • 特許6957097-浴室用電子装置 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6957097
(24)【登録日】2021年10月8日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】浴室用電子装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20211021BHJP
【FI】
   H04N5/64 511F
   H04N5/64 571Q
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-166458(P2017-166458)
(22)【出願日】2017年8月31日
(65)【公開番号】特開2019-47232(P2019-47232A)
(43)【公開日】2019年3月22日
【審査請求日】2020年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】荒木 洋一
【審査官】 西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−211718(JP,A)
【文献】 特開2004−214318(JP,A)
【文献】 特開2008−236303(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0185537(US,A1)
【文献】 特開2016−086015(JP,A)
【文献】 特開2008−236302(JP,A)
【文献】 特開2008−219447(JP,A)
【文献】 特開2007−085050(JP,A)
【文献】 特開2016−113867(JP,A)
【文献】 特開2016−009073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内の壁面に取り付けられる本体と、この本体に対して着脱自在に取り付けられ、本体の前面と側面とを覆う化粧カバーとを備えると共に、本体の後面外周縁に、本体を上記壁面に取り付けた状態で本体の後面と壁面との間への湯水の浸入を防止するコーキング剤を充填する浴室用電子装置において、上記化粧カバーを本体に取り付けた状態で化粧カバーが上記充填されたコーキング剤を覆い、本体が上記壁面に取り付けられた状態で、コーキング剤が化粧カバーによって覆い隠され、外部に露出しないように構成されたことを特徴とする浴室用電子装置。
【請求項2】
上記本体の後面外周縁に、上記コーキング剤を充填するための凹部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の浴室用電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室用テレビのように、浴室内の壁面に取り付けられる浴室用電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の浴室用電子機器として、例えば浴室用テレビでは、ケーシングの内部に電子基板が内蔵されているので、ケーシングは水密に形成して、壁面に固定されている浴室用テレビに湯水が掛かってもケーシング内部に湯水が浸入しないように形成されている。また、そのケーシングを壁面に固定するためにケーシングにはビスが挿通される取付穴が設けられる場合があり、ビスで固定したままの状態では固定用のビスが露出してデザイン性が損なわれる。
【0003】
そこで、壁面に固定されたケーシングに対して前方から着脱自在の化粧カバーを装着して、上記ビスを隠すと共に、浴室用テレビ全体のデザイン性を高めたものが知られいている。なお、このものでは、固定されたケーシングの後面と浴室の壁面との間に湯水が浸入しないように、ケーシングの後面外周縁に凹部を設け、ケーシングを壁面に取り付けた状態でその凹部内にコーキング剤を充填して、ケーシングの後面と壁面との間への湯水の浸入を防止するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−211718号公報(0042,図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記コーキング剤を充填するための凹部は、ケーシングに化粧カバーを装着した状態で外部に露出する。すなわち、上記従来のものでは、ケーシングを壁面に取り付け、さらにケーシングに化粧カバーを装着した状態で凹部にコーキング剤を充填するように構成されている。
【0006】
ところが、このような構成では、充填したコーキング剤が、浴室用テレビを使用している間、常に目に触れることになり、浴室用テレビのデザイン性を低下させることになる。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、コーキング剤を用いてもデザイン性が損なわれることのない浴室用電子装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明による浴室用電子装置は、浴室内の壁面に取り付けられる本体と、この本体に対して着脱自在に取り付けられ、本体の前面と側面とを覆う化粧カバーとを備えると共に、本体の後面外周縁に、本体を上記壁面に取り付けた状態で本体の後面と壁面との間への湯水の浸入を防止するコーキング剤を充填する浴室用電子装置において、上記化粧カバーを本体に取り付けた状態で化粧カバーが上記充填されたコーキング剤を覆い、本体が上記壁面に取り付けられた状態で、コーキング剤が化粧カバーによって覆い隠され、外部に露出しないように構成されたことを特徴とする。
【0009】
上記構成では、上記本体と壁面との間に湯水の浸入がないようにコーキング剤を充填するが、その充填されたコーキング剤を化粧カバーが覆うので、コーキング剤が目に触れることがない。
【0010】
なお、上記本体の後面外周縁に、上記コーキング剤を充填するための凹部を形成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明は、上記凹部にコーキング剤を充填してもそのコーキング剤が化粧カバーによって隠されるので、壁面に取り付けられた状態での浴室用電子装置のデザイン性が損なわれることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】浴室用テレビが壁面に取り付けられている状態を示す図
図2】化粧カバーを含めた浴室用テレビの構造を示す分解斜視図
図3】充填されたコーキング剤の周辺を示す拡大図
図4】他の実施の形態におけるコーキング剤の周辺を示す拡大図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照して、1は本発明による浴室用電子装置の一例である浴室用テレビである。この浴室用テレビ1は浴室の壁面Wに固定されるものであり、浴室用テレビ1を構成する要素のひとつである化粧カバー2が着脱自在に取り付けられている。
【0014】
図2を合わせて参照して、前ケース31と後ケース32とが水密に結合されて本体であるケーシングが形成される。そのケーシング内には電子回路等が実装された電子基板4が内蔵されている。この電子基板4には画像表示部41が設けられており、その画像表示部41は前ケース31に形成された透明な窓部33に臨んでいる。そして、その窓部33は化粧カバー2に形成した開口21に後方から嵌まるので、画像表示部41に映し出されるテレビ画像を鑑賞することができる。
【0015】
後ケース32の後面の周縁には、後述するコーキング剤を充填するための凹部5が形成されている。本実施の形態では、後ケース32の後面の周縁を大きく面取りすることにより凹部5を形成した。
【0016】
図3を参照して、前ケース31と後ケース32とを合わせたケーシングを壁面Wに固定した状態で、この凹部5内にシリコン系のコーキング剤6を充填する。このコーキング剤6は後ケース32と壁面Wとの双方に接着するので、後ケース32と壁面Wとの間に湯水が浸入することを防止することができる。凹部5内にコーキング剤6を充填して所定時間経過することによってコーキング剤6が硬化すると、化粧カバー2をケーシングに取り付ける。すると、化粧カバー2は図3に示すように凹部5を覆うように形成されているので、凹部5内に充填されたコーキング剤6も化粧カバー2によって隠されることになる。その結果、化粧カバー2が装着されている状態であればコーキング剤6が目に触れることがない。
【0017】
ところで、上記実施の形態では、コーキング剤6を充填するための凹部5を形成したが、図4に示すように、凹部を形成することなくコーキング剤6を充填してもよい。ただし、その構成ではコーキング剤6が後ケース32の側面より外側に盛り上がることになるので、化粧ケース2の内面にリブ22を形成して、化粧カバー2と本体との間にコーキング剤6用のスペースを確保するようにしてもよい。また、浴室用電子装置として浴室用テレビを例に説明したが、風呂用リモコンなど、他の電子装置に適用することができる。
【0018】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0019】
1 浴室用テレビ
2 化粧カバー
4 電子基板
5 凹部
6 コーキング剤
31 前ケース
32 後ケース
W 壁面
図1
図2
図3
図4