(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のポンプ式注出具の実施形態について、図面を参照しつつ例示説明する。
【0020】
本明細書及び特許請求の範囲においては、「上方」、「下方」は
図1に示す姿勢における「上方」、「下方」を意味するものとする。
【0021】
図1に示す本発明の一実施の形態のポンプ式注出具1は、容器2の口部2aに装着して使用され、当該容器2に収容されている内容物を注出するものである。ポンプ式注出具1は、装着部10、ポンプ20及びノズルヘッド30を有している。
【0022】
装着部10は、合成樹脂材料により、上方側の端部に内向きのフランジ10aを一体に備えた円筒状に形成されており、内周面に設けられた雌ねじ10bが口部2aの外周面に設けられた雄ねじ2bにねじ結合することで容器2の口部2aに着脱自在に装着される。
【0023】
ポンプ20は、筒状の外形を有するシリンダー21、シリンダー21の下部に取り付けられた吸引管22、シリンダー21の上端から上方に向けて突出するとともにシリンダー21の内部に向けて押下げ可能な円筒状のステム23、シリンダー21の内部に上下動自在に装着されてステム23が押し下げられるとステム23とともに下方に移動してシリンダー21の内部の内容物をステム23の上端から吐出させるピストン24と、ピストンガイド25を介してステム23とピストン24とを上方に向けて付勢するスプリング26と、吸引管22とシリンダー21の内部との間を開閉する逆止弁27とを有している。なお、ステム23はシリンダー21と同軸に配置されている。
【0024】
シリンダー21の上部には径方向外方に向けて突出する環状のフランジ21aが一体に設けられている。ポンプ20は、フランジ21aが容器2の口部2aの上端に配置されたパッキン28と、口部2aにねじ止めされた装着部10のフランジ10aとの間に挟持されることで、容器2の口部2aに固定されて口部2aを通して容器2の内部に吊り下げられた状態に支持される。
【0025】
ポンプ20は、ステム23が下方に向けて押し下げられることにより作動する。すなわち、ステム23が下方に向けて押し下げられると、ステム23の下端により押されてピストン24が下方に移動してシリンダー21の内部に充填されている内容物がステム23から上方に向けて吐出される。一方、ステム23の押下げが解除されると、スプリング26の付勢力によりピストンガイド25とともにステム23とピストン24が上方に向けて押されて元の位置に復帰する。ピストン24が上方に移動するとシリンダー21の内部が負圧になり、逆止弁27が開いて容器2に収容されている内容物が吸引管22を通してシリンダー21の内部に吸引される。
【0026】
シリンダー21の側壁には、フランジ21aよりも下方の位置に連通口21bが設けられており、ステム23の外側に配置された外筒部材29をシリンダー21に対して上下方向に移動させることにより、連通口21bを開閉させることができる。
【0027】
シリンダー21のフランジ21aの上側の部分は、装着部10のフランジ10aよりも上方に突出する筒体部21cとなっており、筒体部21cにはアダプター40が装着されている。
【0028】
アダプター40は、フランジ21aとの間に装着部10のフランジ10aを保持して装着部10のポンプ20からの抜けを防止する環状のストッパ部41を有している。口部2aに装着されていない状態において、装着部10はフランジ21aとストッパ部41との間でフランジ10aが保持された状態でポンプ20に対して回動自在となっている。これにより、装着部10を容器2の口部2aに装着する作業を容易に行い得るようにすることができる。
【0029】
ノズルヘッド30は、操作部31、連結筒部32、ノズル33及び絞り部34を備えている。ノズルヘッド30は、合成樹脂材料の射出成形により、操作部31、連結筒部32、ノズル33及び絞り部34が一体に形成された合成樹脂製の射出成形品となっている。
【0030】
操作部31は、略円形の天板部31aと天板部31aの外周縁から下方に向けて延びる円筒状の周壁部31bとを有する。操作部31の天板部31aに下方に向けた押下げ力を加えることで、ノズルヘッド30を押下げ操作することができる。
【0031】
連結筒部32はステム23よりも小径の円筒状となっており、天板部31aの下方側に周壁部31bと同軸に配置されている。連結筒部32は、その外周面がステム23の内周面に密着するようにステム23の先端内側に嵌合固定されている。これにより、連結筒部32は、その内側空間がステム23の内側空間に連通するようにステム23に連結されている。
【0032】
連結筒部32の外周面には、それぞれ当該外周面の全周に亘って延びる上下一対のシール部32aが設けられている。シール部32aを設けたことでステム23と連結筒部32との連結部分からの内容物の漏れ出しを防止することができるとともに連結筒部32のステム23からの離脱を防止することができる。
【0033】
ノズル33は筒状となっており、その末端側は連結筒部32の上端と天板部31aとの間に配置され、そこから連結筒部32に対して傾斜した方向に延びて周壁部31bの外側に突出している。図示する場合では、上下方向(垂直方向)に延びる連結筒部32に対してノズル33は水平よりやや上方に向けて傾斜した角度で延びている。ノズル33の内側空間は、末端において連結筒部32の内側空間に連結している。ノズル33の先端側はやや下方に向けて曲げられており、その先端開口は注出口33aとなっている。ノズル33の末端側の周囲には、天板部31aの下面から延びる複数のリブ31c(便宜上、
図1においては1つのみを示す)が周方向に間隔を空けて並べて設けられている。
【0034】
ステム23の上端は天板部31aの下面に設けられたリブ31c及びノズル33の下壁33bの下面に当接している。これにより、ノズルヘッド30が下方に向けて押し下げられると、その押下げ力がステム23に伝達されて当該ステム23がノズルヘッド30とともに下方に押し下げられる。ノズルヘッド30とともにステム23が押下げ操作されてポンプ20が作動し、容器2に収容されている内容物がステム23の上端から吐出されると、当該内容物は連結筒部32の内側及びノズル33の内側を通って注出口33aから外部に注出される。すなわち、連結筒部32の内側は第1注出流路35a、ノズル33の内側は第2注出流路35bとなっており、これらからなる注出流路35を通ってステム23から吐出された内容物が注出口33aにまで送られるようになっている。
【0035】
ノズルヘッド30には周壁部31bと連結筒部32との間においてこれらと同軸となって天板部31aの下面から突出する被保持筒部36が一体に設けられている。被保持筒部36の内周面には雌ねじ36aが一体に設けられている。
【0036】
これに対し、アダプター40には、ストッパ部41から上方に突出する保持筒部42が設けられ、保持筒部42の外周面には雄ねじ42aが一体に設けられている。
【0037】
図2に示すように、ノズルヘッド30を下方に向けて下方側のストローク端にまで押し下げ、被保持筒部36の雌ねじ36aをアダプター40の保持筒部42の雄ねじ42aにねじ結合させることで、ノズルヘッド30をアダプター40に隣接する位置にまで押し下げられた押下げ位置に保持することができる。流通時等においてノズルヘッド30を押下げ位置に保持した状態とすることで、ポンプ式注出具1をコンパクト化して、ポンプ式注出具1が装着された容器2の流通時等における体積を減少させることができるとともに、流通時等において誤ってノズルヘッド30が押下げ操作されて内容物が注出されてしまうことを防止することができる。
【0038】
図1に示すように、絞り部34は注出流路35の途中に設けられ、注出流路35の断面積を狭めている。本実施の形態においては、絞り部34は、連結筒部32の上端にノズル33の下壁33bに沿って延びて設けられて連結筒部32の上端を覆う壁状の部分すなわち壁部34aと、壁部34aに設けられて当該壁部34aを連結筒部32の軸方向に沿って貫通する円形の流通孔34bとを有する構成とされている。なお、注出流路35の壁部34aよりも上流側部分(ポンプ20側の部分)が第1注出流路35aであり、注出流路35の壁部34aよりも下流側部分(注出口33a側の部分)が第2注出流路35bである。
【0039】
壁部34aはノズル33の下壁33bに沿って設けられてノズル33の上面に対向しており、流通孔34bはその開口がノズル33の当該上面に向けられている。なお、壁部34aは、ノズル33の下壁33bが平坦に形成されている場合には平坦な壁状とされ、ノズル33の下壁33bが湾曲した円弧状に形成されている場合にはこれに対応した円弧状に形成されることができる。
【0040】
流通孔34bの断面積(流路断面積)は、注出流路35の断面積すなわち第1注出流路35a及び第2注出流路35bの何れの断面積よりも小さくなっている。したがって、注出流路35は、その途中において、絞り部34によって流路断面積が狭められている。
【0041】
図3に示すように、本実施形態のポンプ式注出具1を、内容物を収容した容器2の口部2aに装着し、操作部31の天板部31aに下方に向けた押下げ力を付与してノズルヘッド30を押下げ操作することにより、ポンプ20を作動させて容器2に収容されている内容物をノズル33の注出口33aから外部に注出させることができる。また、ノズルヘッド30の押下げ操作を解除すると、スプリング26の付勢力によりノズルヘッド30がステム23とともに元の位置(
図1に示す位置)に復帰し、容器2に収容されている内容物がシリンダー21の内部に吸引される。したがって、ノズルヘッド30の押下げ操作と元の位置への復帰とを繰り返すことで、所望の量の内容物をノズル33の注出口33aから外部に注出させることができる。
【0042】
ここで、本実施形態のポンプ式注出具1では、注出流路35の途中に絞り部34を設けているので、ポンプ20の作動によりステム23から連結筒部32の第1注出流路35aに向けて吐出された内容物は、第1注出流路35aを通った後、絞り部34に達して第1注出流路35aよりも流路断面積が小さい流通孔34bを通過して第2注出流路35bに向けて流れることになる。したがって、絞り部34が設けられない場合に比べて、内容物は第1注出流路35aから第2注出流路35bへ向けて流れ難くなるので、第1注出流路35aにおける内容物の圧力が高くなってノズルヘッド30を押下げ操作する際の抵抗力が大きくなる。よって、同一の押下げ力でノズルヘッド30を押下げ操作した場合に、ノズルヘッド30の速度は低下することになるので、ポンプ20の単位時間当たりの吐出量が減少し、絞り部34が設けられない場合に比べて、ノズル33の注出口33aから注出される内容物の勢いは弱められることになる。
【0043】
このように、本実施形態のポンプ式注出具1では、注出流路35の途中に絞り部34を設けたことにより、ノズルヘッド30を押下げ操作する際の抵抗力を高めて、ノズル33の注出口33aから注出される内容物の勢いを弱めることができる。したがって、ノズルヘッド30を押下げ操作して内容物を注出する際に、内容物が適度な勢いでノズル33の注出口33aから注出されるようにして、内容物が過度な勢いで注出されて周囲に飛散してしまうことを防止することができる。
【0044】
上記効果は、容器2に収容される内容物が、例えば洗口剤、消毒用アルコール、やさい用洗剤のように、実使用温度における粘度が6mPa・s以下の内容物つまり水様の液体である場合に特に有効に発揮される。ここで、実使用温度とは、5℃〜40℃である。
【0045】
また、本実施形態では、絞り部34の壁部34aを連結筒部32の上端にノズル33の上面に対向するように設けて、流通孔34bの開口をノズル33の上面に向けるようにしているので、流通孔34bから第2注出流路35bに向けて吐出された内容物は、直接ノズル33に沿って第2注出流路35bを流れることなく、ノズル33の上面に当たってから向きを変えてノズル33に沿って第2注出流路35bを流れ、注出口33aに向かうことなる。これにより、流通孔34bから第2注出流路35bに向けて吐出された内容物の勢いをさらに低減させて、内容物が過度な勢いで注出されて周囲に飛散してしまうことをさらに確実に防止することができる。
【0046】
図4に示すように、絞り部34の壁部34aに設けられる流通孔34bは、流通孔34bの内周面の注出口33aの側の部分が、下方から上方に向けて徐々に注出口33aから離れる方向に傾斜するテーパ面34cとされた構成とすることもできる。このような構成により、流通孔34bにおける内容物の流れを不均一として、さらに内容物が流通孔34bを流れ難くすることができる。また、流通孔34bを流れる内容物の一部が、テーパ面34cにより流通孔34bからノズル33の末端壁33cの側に向けて吐出されることになるので、流通孔34bから第2注出流路35bに向けて吐出された内容物の勢いをさらに低減させて、内容物が過度な勢いで注出されて周囲に飛散してしまうことをさらに確実に防止することができる。
【0047】
図5、
図6に示すように、絞り部34は、壁部34aに互いに内径が相違する複数の流通孔34bが設けられた構成とすることもできる。
図5、
図6では、壁部34aに互いに内径が相違する3つの流通孔34bを設けた場合を示す。最も内径が大きい流通孔34bは壁部34aの最もノズル33の注出口33aから離れた位置に設けられ、他の2つの流通孔34bが最も内径が大きい流通孔34bよりも注出口33aの側に第2注出流路35bの幅方向に並べて設けられている。
【0048】
このような構成により、それぞれの流通孔34bから第2注出流路35bに向けて吐出される内容物の流速を互いに相違させて、第2注出流路35bにおける内容物の勢いをさらに低減させることができる。これにより、内容物が過度な勢いで注出されて周囲に飛散してしまうことをさらに確実に防止することができる。
【0049】
なお、本変形例においては、壁部34aに3つの流通孔34bを設けた場合を示すが、流通孔34bの個数は種々変更可能である。
【0050】
絞り部34を構成する壁部34aは、合成樹脂材料の射出成形によりノズルヘッド30と一体に形成することができる。これにより、絞り部34を備えたノズルヘッド30を容易に形成することができるようにして、ポンプ式注出具1のコストを低減することができる。
【0051】
図7、
図8に示すように、絞り部34は、それぞれ連結筒部32の内面に周方向に間隔を空けて並べて設けられるとともに第2注出流路35aに沿って延びる複数のリブ34dで構成することもできる。図示する場合では、絞り部34は、4本のリブ34dが連結筒部32の円筒状の内面に周方向に等間隔に並べて設けられた構成とされている。これらのリブ34dは、それぞれ横断面形状が矩形形状とされ、連結筒部32の内面から径方向に沿って一定の高さで突出しており、その上端は連結筒部32の上端すなわちノズル33の下壁33bの上面に一致している。
【0052】
このような構成の絞り部34によっても、第1注出流路35aと第2注出流路35bとの間において注出流路35の断面積を狭めて、ノズルヘッド30を押下げ操作する際の抵抗力を高めることができる。これにより、ノズルヘッド30を押下げ操作して内容物を注出する際に、ノズル33の注出口33aから注出される内容物の勢いを弱めて、内容物が過度な勢いでノズル33の注出口33aから注出されて当該内容物が周囲に飛散してしまうことを防止することができる。
【0053】
図7、
図8に示す変形例の絞り部34においては、それぞれのリブ34dは、連結筒部32に設けられた上下一対のシール部32aのうち、下方側のシール部32aよりも上方に設けられるのが好ましい。すなわち、それぞれのリブ34dの下端が下方側のシール部32aよりも上方に配置されるのが好ましい。
【0054】
このような構成により、絞り部34として複数のリブ34dを備えた構成を採用した場合であっても、下方側のシール部32aが設けられた連結筒部32の下端側部分が径方向内側に容易に弾性変形することができるようにして、連結筒部32をステム23の内側に嵌合する作業を容易に行い得るようにすることができる。
【0055】
なお、本変形例においては、連結筒部32の内側に4本のリブ34dを設けた場合を示すが、リブ34dの本数や断面形状、長さ等は種々変更可能である。
【0056】
絞り部34を構成するリブ34dは、合成樹脂材料の射出成形によりノズルヘッド30と一体に形成することができる。これにより、絞り部34を備えたノズルヘッド30を容易に形成することができるようにして、ポンプ式注出具1のコストを低減することができる。
【0057】
図9、
図10に示すように、絞り部34は、それぞれ連結筒部32の上端における内面に周方向に間隔を空けて並べて設けられるとともに、上方に向けて傾斜した複数枚の邪魔板34eで構成することもできる。図示する場合では、絞り部34は、4枚の邪魔板34eが連結筒部32の円筒状の内面に周方向に等間隔に並べて設けられた構成とされている。これらの邪魔板34eは、それぞれ略矩形の薄い板状となっており、連結筒部32の内面のノズル33の下壁33bの上面に沿う位置から径方向内側に向けてやや上方に傾斜した姿勢で第2注出流路35bの内部に突出している。
【0058】
このような構成の絞り部34によっても、第1注出流路35aと第2注出流路35bとの間において注出流路35の断面積を狭めて、ノズルヘッド30を押下げ操作する際の抵抗力を高めることができる。これにより、ノズルヘッド30を押下げ操作して内容物を注出する際に、ノズル33の注出口33aから注出される内容物の勢いを弱めて、内容物が過度な勢いでノズル33の注出口33aから注出されて当該内容物が周囲に飛散してしまうことを防止することができる。
【0059】
絞り部34を構成する邪魔板34eは、合成樹脂材料の射出成形によりノズルヘッド30と一体に形成することができる。したがって、絞り部34を備えたノズルヘッド30を容易に形成することができるようにして、ポンプ式注出具1のコストを低減することができる。なお、邪魔板34eは、合成樹脂材料の射出成形により、連結筒部32の上端における内面にノズル33の下壁33bの上面に沿って形成された薄板部分を、後加工により、上方に向けて傾斜するように折り曲げて形成することもできる。これにより、連結筒部32の内面のノズル33の下壁33bの上面に沿う位置から径方向内側に向けてやや上方に傾斜した姿勢で第2注出流路35bの内部に突出する邪魔板34eをより容易に形成することができる。
【0060】
図11〜
図13に示すように、絞り部34は、ノズル33の末端において第2注出流路35bの内面からノズル33の軸方向に沿って突出して連結筒部32の上方に配置される邪魔板34fで構成することもできる。すなわち、邪魔板34fは、ノズル33の末端を構成する末端壁33cからノズル33の軸方向に沿って突出する断面矩形の形状に形成されている。また、
図12、
図13に示すように、邪魔板34fは、ノズル33の内周面に対して間隔を空けて配置されている。
【0061】
このような構成の絞り部34によっても、第2注出流路35bの末端において注出流路35の断面積を狭めて、ノズルヘッド30を押下げ操作する際の抵抗力を高めることができる。これにより、ノズルヘッド30を押下げ操作して内容物を注出する際に、ノズル33の注出口33aから注出される内容物の勢いを弱めて、内容物が過度な勢いでノズル33の注出口33aから注出されて当該内容物が周囲に飛散してしまうことを防止することができる。
【0062】
また、第1注出流路35aから第2注出流路35bに向けて流れる内容物は、邪魔板34fに当たって流れが乱されてから注出口33aに向けて第2注出流路35bを流れることになるので、第2注出流路35bを流れる内容物の勢いをさらに低減させて、ノズル33の注出口33aから注出される内容物の勢いをさらに確実に弱めることができる。
【0063】
絞り部34を構成する邪魔板34fは、合成樹脂材料の射出成形によりノズルヘッド30と一体に形成することができる。これにより、絞り部34を備えたノズルヘッド30を容易に形成することができるようにして、ポンプ式注出具1のコストを低減することができる。
【0064】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0065】
例えば、前記実施の形態においては、絞り部34を第1注出流路35aと第2注出流路35bとの連接部分に設けるようにしているが、注出流路35の途中に設けられていればよい。絞り部34を第2注出流路35bの側に設けるようにすれば、絞り部34を超えて流れた内容物をノズル33の内周面に当たるようにして、より効果的に内容物の勢いを低減させることができる。
【0066】
前記実施の形態においては、絞り部34の壁部34aに設けられる流通孔34bを円形としているが、これに限らず、流通孔34bの形状は、例えば矩形や多角形とするなど、種々変更可能である。
【0067】
ポンプ式注出具1が用いられる容器2は、実使用温度における粘度が6mPa・s以下の内容物を収容する用途に用いられるものであるのが好ましいが、実使用温度における粘度が6mPa・sよりも大きい他の内容物を収容する用途に用いられるものであってもよい。
【0068】
さらに、ポンプ20は上記した構成に限らず、ステム23が押し下げられることにより作動するものであれば、他の構成のものを採用することもできる。