(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定部は、所定のデータが前記転送経路を介して転送されるときの転送結果の期待値と、前記所定のデータが前記転送経路を介して転送された転送結果とを比較して、前記転送経路の異常の有無を判定する
請求項1に記載の撮像素子。
前記所定のデータが前記転送経路を介して転送される際、前記所定のデータは、前記転送経路に対応する前記格納部に書き込まれると共に、転送され、前記判定部は、前記所定のデータが前記転送経路を介して転送された転送結果と前記期待値とを比較して、前記転送経路の異常の有無を判定する
請求項3に記載の撮像素子。
前記判定部は、前記期待値を所定値とした場合の、前記所定のデータを1および0としたときのそれぞれの転送結果と前記期待値とを比較し、それぞれの前記転送経路の異常の有無を判定する
請求項4に記載の撮像素子。
前記切替部は、前記判定結果に基づいて、前記異常が有ると判定された転送経路を除く、前記複数の転送経路および前記救済転送経路を、前記所定のビット数の時刻コードの転送に使用する転送経路として切り替える
請求項4に記載の撮像素子。
前記切替部は、前記判定結果に基づいて、前記異常が有ると判定されたビットの転送経路を切り離し、前記異常が有ると判定されたビットより下位のビットの時刻コードの転送には、前記異常が有ると判定されたビットより下位のビットの前記複数の転送経路および前記救済転送経路を使用するように転送経路を切り替える
請求項6に記載の撮像素子。
前記所定のデータが前記転送経路を介して転送される際、前記所定のデータは、前記転送経路に対応する前記格納部に書き込まれた後、読み出されると共に、転送され、前記判定部は、前記所定のデータが前記転送経路を介して、前記格納部に書き込まれた後、読み出されて、転送された転送結果と前記期待値とを比較して、前記転送経路に対応する前記格納部の異常の有無を判定する
請求項3に記載の撮像素子。
前記判定部は、前記期待値を所定値とした場合の、前記所定のデータを1および0としたときのそれぞれの転送結果と前記期待値とを比較し、それぞれの前記転送経路に対応する前記格納部の異常の有無を判定する
請求項8に記載の撮像素子。
前記判定部は、前記所定のデータが前記転送経路を介して転送された転送結果と前記期待値とを比較して、前記転送経路の異常の有無を判定した後、前記所定のデータが前記転送経路を介して、前記格納部に書き込まれた後、読み出されて、転送された転送結果と前記期待値とを比較して、前記転送経路に対応する前記格納部の異常の有無を判定し、
前記切替部は、前記判定結果に基づいて、前記異常が有ると判定された転送経路、および格納部を除く、前記複数の転送経路と対応する前記格納部および前記救済転送経路と対応する前記救済格納部を、前記所定のビット数の時刻コードの転送、および書き込み、または、転送、書き込み、および読み出しに使用する転送経路と対応する格納部として切り替える
請求項10に記載の撮像素子。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
また、以下の順序で説明を行う。
1.固体撮像装置の概略構成例
2.画素の詳細構成例
3.複数基板構成1
4.複数基板構成2
5.時刻コード転送部を制御する詳細な構成
6.データライン選択回路の詳細な構成例
7.時刻コード転送部の構成例
8.判定回路およびERR情報格納ラッチの構成例
9.不良検出救済処理
10.電子機器への適用例
11.固体撮像装置の使用例
【0031】
<1.固体撮像装置の概略構成例>
図1は、本開示に係る固体撮像装置の概略構成を示している。
【0032】
図1の固体撮像装置1は、半導体として例えばシリコン(Si)を用いた半導体基板11に、画素21が2次元アレイ状に配列された画素アレイ部22を有する。画素アレイ部22には、時刻コード発生部26で生成された時刻コードを各画素21に転送する時刻コード転送部23も設けられている。そして、半導体基板11上の画素アレイ部22の周辺には、画素駆動回路24、DAC(Digital Analog Converter)25、時刻コード発生部26、垂直駆動回路27、出力部28、及びコントローラ29が形成されている。
【0033】
2次元アレイ状に配列された画素21のそれぞれには、
図2を参照して後述するように、画素回路41とADC42が設けられており、画素21は、画素内の受光素子(例えば、フォトダイオード)で受光した光量に応じた電荷信号を生成し、デジタルの画素信号SIGに変換して出力する。
【0034】
画素駆動回路24は、画素21内の画素回路41(
図2)を駆動する。DAC25は、時間経過に応じてレベル(電圧)が単調減少するスロープ信号である参照信号(基準電圧信号)REFを生成し、各画素21に供給する。時刻コード発生部26は、各画素21が、アナログの画素信号SIGをデジタルの信号に変換(AD変換)する際に使用される時刻コードを生成し、対応する時刻コード転送部23に供給する。時刻コード発生部26は、画素アレイ部22に対して複数個設けられており、画素アレイ部22内には、時刻コード発生部26に対応する数だけ、時刻コード転送部23が設けられている。即ち、時刻コード発生部26と、そこで生成された時刻コードを転送する時刻コード転送部23は、1対1に対応する。
【0035】
垂直駆動回路27は、画素21内で生成されたデジタルの画素信号SIGを、タイミング生成回路29aから供給されるタイミング信号に基づいて、所定の順番で出力部28に出力させる制御を行う。画素21から出力されたデジタルの画素信号SIGは、出力部28から固体撮像装置1の外部へ出力される。出力部28は、黒レベルを補正する黒レベル補正処理やCDS(Correlated Double Sampling;相関2重サンプリング)処理など、所定のデジタル信号処理を必要に応じて行い、その後、外部へ出力する。
【0036】
コントローラ29は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータなどによって構成されるタイミング生成回路29aを備えており、生成した各種のタイミング信号を、画素駆動回路24、DAC25、垂直駆動回路27等に供給させる。また、コントローラ29は、時刻コード転送部23の駆動を制御するリピータ回路101(
図5)の動作を制御する。
【0037】
固体撮像装置1は、以上のように構成されている。なお、
図1では、上述したように、固体撮像装置1を構成する全ての回路が、1つの半導体基板11上に形成されるように描かれているが、固体撮像装置1を構成する回路は、
図3,
図4を参照して後述するように、複数枚の半導体基板11に分けて配置されている。
【0038】
<2.画素の詳細構成例>
図2は、画素21の詳細構成例を示すブロック図である。
【0039】
画素21は、画素回路41とADC(Analog Digital Converter)42で構成されている。
【0040】
画素回路41は、受光した光量に応じた電荷信号をアナログの画素信号SIGとしてADC42に出力する。ADC42は、画素回路41から供給されたアナログの画素信号SIGをデジタル信号に変換する。
【0041】
ADC42は、比較回路51とデータ記憶部52で構成される。
【0042】
比較回路51は、DAC25から供給される参照信号REFと画素信号SIGを比較し、比較結果を表す比較結果信号として、出力信号VCOを出力する。比較回路51は、参照信号REFと画素信号SIGが同一(の電圧)になったとき、出力信号VCOを反転させる。
【0043】
比較回路51は、差動入力回路61、電圧変換回路62、及び正帰還回路(PFB:Positive Feedback)63により構成される。
【0044】
データ記憶部52には、比較回路51から出力信号VCOが入力される他、垂直駆動回路27から、画素信号の書き込み動作であることを表すWR信号、画素信号の読み出し動作であることを表すRD信号、及び、画素信号の読み出し動作中における画素21の読み出しタイミングを制御するWORD信号が、垂直駆動回路27から供給される。また、データ記憶部52には、時刻コード転送部23を介して、時刻コード発生部26で生成された時刻コードも供給される。
【0045】
データ記憶部52は、WR信号及びRD信号に基づいて、時刻コードの書き込み動作と読み出し動作を制御するラッチ制御回路71、時刻コードを記憶するラッチ記憶部72、およびラッチ記憶部72にエラーが発生した場合、その救済を目的とした救済Bitラッチ記憶部73で構成される。
【0046】
ラッチ制御回路71は、時刻コードの書き込み動作においては、比較回路51からHi(High)の出力信号VCOが入力されている間、時刻コード転送部23から供給される、単位時間ごとに更新される時刻コードをラッチ記憶部72に記憶させる。そして、参照信号REFと画素信号SIGが同一(の電圧)になり、比較回路51から供給される出力信号VCOがLo(Low)に反転されたとき、供給される時刻コードの書き込み(更新)を中止し、最後にラッチ記憶部72に記憶された時刻コードをラッチ記憶部72に保持させる。ラッチ記憶部72に記憶された時刻コードは、画素信号SIGと参照信号REFが等しくなった時刻を表しており、画素信号SIGがその時刻の基準電圧であったことを示すデータ、即ち、デジタル化された光量値を表す。
【0047】
参照信号REFの掃引が終了し、画素アレイ部22内の全ての画素21のラッチ記憶部72に時刻コードが記憶された後、画素21の動作が、書き込み動作から読み出し動作に変更される。
【0048】
ラッチ制御回路71は、時刻コードの読み出し動作においては、読み出しタイミングを制御するWORD信号に基づいて、画素21が自分の読み出しタイミングとなったときに、ラッチ記憶部72に記憶されている時刻コード(デジタルの画素信号SIG)を、時刻コード転送部23に出力する。時刻コード転送部23は、供給された時刻コードを、列方向(垂直方向)に順次転送し、出力部28に供給する。
【0049】
救済Bitラッチ記憶部73は、ビット単位で記憶されるラッチ記憶部72のうち、エラーが発生するビットのラッチを救済するラッチ記憶部である。したがって、救済Bitラッチ記憶部73は、ラッチ記憶部72のビット単位の構成と同一の構成である。
【0050】
時刻コード転送部23は、時刻コードを構成するビット毎に転送経路が設けられており、ラッチ記憶部72についても、ビット毎にラッチが設けられた構成である。さらに、時刻コード転送部23を構成するビット毎の転送経路と、ラッチ記憶部72を構成するビット毎のラッチは、それぞれ対になっている。そして、ビット毎の転送経路、および、ラッチのうちの少なくともいずれかにエラーが発生する場合、すなわち、不良が発生した場合、不良となったラッチと転送経路に代えて、救済Bitラッチ記憶部73のビット単位のラッチと、対応する時刻コード転送部23の転送経路(
図5の救済Bit用の時刻コード転送1bit列142)とが用いられる。
【0051】
救済Bitラッチ記憶部73、および救済Bit用の時刻コード転送1bit列142は、少なくとも1ビット分以上設けられる。
【0052】
<3.複数基板構成1>
固体撮像装置1は、複数枚の半導体基板11に回路が作り分けられており、例えば、
図3で示される固体撮像装置1のような構成でもよい。
【0053】
図3は、上側基板11Aと下側基板11Cの2枚の半導体基板11を積層することで固体撮像装置1を構成する概念図を示している。
【0054】
上側基板11Aには、フォトダイオード91を含む画素回路41が少なくとも形成されている。下側基板11Cには、時刻コードを記憶するデータ記憶部52と時刻コード転送部23が少なくとも形成されている。上側基板11Aと下側基板11Cは、例えば、Cu-Cuなどの金属結合などにより接合される。
【0055】
<4.複数基板構成2>
図3は、固体撮像装置1を2枚の半導体基板11で構成した例であるが、3枚の半導体基板11で構成することもできる。
【0056】
図4は、上側基板11A、中間基板11B、及び、下側基板11Cの3枚の半導体基板11を積層することで、固体撮像装置1を構成する概念図を示している。
【0057】
上側基板11Aには、フォトダイオード91を含む画素回路41と、比較回路51の少なくとも一部の回路が形成されている。下側基板11Cには、時刻コードを記憶するデータ記憶部52と時刻コード転送部23が少なくとも形成されている。中間基板11Bには、上側基板11Aに配置されない比較回路51の残りの回路が形成されている。上側基板11Aと中間基板11B、及び、中間基板11Bと下側基板11Cは、例えば、Cu-Cuなどの金属結合などにより接合される。
【0058】
<5.時刻コード転送部を制御する詳細な構成>
次に、
図5を参照して、時刻コード転送部23を制御する詳細な構成について説明する。
【0059】
時刻コード転送部23を制御する構成は、リピータ回路101−1乃至101−nと呼ばれる。リピータ回路101−1乃至101−nは、時刻コード転送部23が設けられている数だけ設けられており、
図5においてはn個が設けられている。尚、リピータ回路101−1乃至101−nを特に区別する必要がない場合、単に、リピータ回路101と称し、その他の構成についても同様に称する。
【0060】
リピータ回路101は、時刻コード発生部26、時刻コード転送部23、データライン選択回路121,122、判定回路123−0乃至123−n、ERR情報格納ラッチ124、および、FUSE情報生成回路125を備えている。
【0061】
時刻コード転送部23には、1ビットずつ(n+1)ビット分の転送経路が設けられており、
図5においては、時刻コードの0bit目のデータの転送経路である時刻コード転送1bit列141−0(Bit_0)乃至時刻コードのnbit目のデータを転送する時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nが、それぞれ転送経路として表されている。すなわち、時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nは、時刻コードのnビット目(bit_n)のデータを転送する転送経路であることが表されている。また、
図5においては、時刻コードは、(n+1)ビットから構成される場合の例が示されているが、これ以外のビット数であってもよい。
【0062】
さらに、時刻コード転送部23には、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nとは別に、いずれかの転送経路においてエラーが発生した場合において、その転送経路を救済するための時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nと同一の構成からなる救済用の転送経路として時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が設けられている。
図5においては、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が1ビット分のみ設けられている例が示されているが、2ビット以上の複数ビット分設けられるようにしてもよい。ただし、以降の説明においては、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142は、1ビット分のみが設けられている、
図5の例に則して説明を進めるものとする。
【0063】
データライン選択回路121,122は、コントローラ29におけるデータライン選択信号生成回路113からの選択信号に基づいて、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−n、および時刻コード転送1bit列(救済Bit)142を切り替えて、時刻コード発生部26により発生された時刻コードの各ビットのデータを転送させる。そして、データライン選択回路122は、各ビットの転送結果REP_out0乃至REP_outnを、それぞれ判定回路123−0乃至123−nおよびコントローラ29に出力する。
【0064】
時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nのいずれの転送経路にもエラーが発生していない場合、データライン選択信号生成回路113からの信号に基づいて、データライン選択回路121,122は、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nを使用して時刻コードの各ビットのデータを転送させる。しかしながら、後述する不良検出救済処理により、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nのいずれかのビットの転送経路においてエラーが発生した場合、エラーが発生したビットの転送経路を切り離し、救済用の時刻コード転送1bit列(救済Bit)142を利用して時刻コードの各ビットのデータを転送させる。
【0065】
判定回路123−0乃至123−nは、それぞれ時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの転送結果を期待値と比較し、転送経路毎のエラーの発生の有無を判定し、判定結果をERR情報格納ラッチ124に格納させる。
【0066】
ERR情報格納ラッチ124は、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの各ビットの、すなわち、転送経路毎のエラーの発生の有無をラッチすると共に、コントローラ29からのアドレス情報に基づいて、判定結果をFUSE情報生成回路125に供給する。
【0067】
FUSE情報生成回路125は、ERR情報格納ラッチ124より供給される判定結果に基づいて、各転送経路におけるエラーの有無を示す判定結果の情報からなるFUSE情報を生成してFUSE回路112に格納させると共に、制御信号生成回路111に出力する。
【0068】
制御信号生成回路111は、FUSE情報にエラーを発生させる転送経路が含まれる場合、データライン選択信号生成回路113に対して、救済措置として、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nのうちエラーの発生した転送経路を切り離して、代わりに救済用の時刻コード転送1bit列(救済Bit)142を用いて転送経路を組み替える指示を示す制御信号を供給する。
【0069】
データライン選択信号生成回路113は、データライン選択回路121,122に対して選択信号を供給して、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−n、および時刻コード転送1bit列(救済Bit)142のいずれか(n+1)ビット分の転送経路に切り替えて、時刻コードを転送するように制御する。
【0070】
より詳細には、デフォルトにおいて、データライン選択信号生成回路113は、データライン選択回路121,122を制御して、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nからなる転送経路を用いて、(n+1)ビット分の時刻コードを転送させる。
【0071】
また、制御信号生成回路111より救済措置を実施することを示す選択信号からなる制御信号を受け付けるとき、データライン選択信号生成回路113は、FUSE回路112に記憶されているFUSE情報を読み出して、転送経路である時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nのうち、エラーの発生した転送経路を切り離し、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142を用いて、(n+1)ビットの時刻コードを転送させるように、データライン選択回路121,122を制御する。
【0072】
<6.データライン選択回路の詳細な構成例>
次に、
図6を参照して、データライン選択回路121,122の詳細な構成例について説明する。
【0073】
データライン選択回路121,122は、それぞれ(n+1)ビット分のスイッチSW0乃至SWnを備えている。スイッチSW0乃至SWnは、それぞれが転送経路毎、すなわち、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142、および時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nのそれぞれに接続された端子142aおよび141a−0乃至141a−nが並べられた端子間に設けられており、隣接する端子を切り替えることができる構成となっている。
【0074】
この結果、デフォルトにおいて、データライン選択回路121,122は、
図6で示されるように、スイッチSW0乃至SWnをそれぞれの対応する転送経路である、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nのそれぞれの端子141a−0乃至141a−nに接続する。スイッチSW0乃至SWnが、このように接続されているとき、図中の左部に設けられた時刻コード転送1bit列(救済Bit)142の端子142aには、スイッチSW0が接続されていないので、救済用の転送経路である時刻コード転送1bit列(救済Bit)142は使用されない状態であることが示される。
【0075】
例えば、時刻コードの0ビット目のデータの転送経路である時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0にエラーが発生した場合、データライン選択回路121,122は、データライン選択信号生成回路113からの選択信号に基づいて、スイッチSW0を制御して、図中の左側の救済用の転送経路である時刻コード転送1bit列(救済Bit)142の端子142aに接続する。
【0076】
この結果、エラーの発生した時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0に代えて、救済用の転送経路である時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が用いられて、時刻コードの0ビット目のデータが転送される。
【0077】
また、例えば、時刻コードの1ビット目のデータの転送経路である時刻コード転送1bit列(Bit_1)141−1にエラーが発生した場合、データライン選択回路121,122は、データライン選択信号生成回路113からの選択信号に基づいて、スイッチSW0,SW1を制御して、それぞれ図中の左側の救済用の転送経路である時刻コード転送1bit列(救済Bit)142、および時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0の端子142,141a−1に接続する。
【0078】
この結果、時刻コードの1ビット目のデータは、エラーを起こした時刻コード転送1bit列(Bit_1)141−1に代えて、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0により転送され、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0の転送経路で転送されていた時刻コードの0ビット目のデータは、救済用の転送経路である時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が用いられて転送される。
【0079】
すなわち、エラーが発生した場合、エラーが発生したビットの転送経路が切り離されて、救済用の転送経路である時刻コード転送1bit列(救済Bit)142を用いることで、エラーが発生したビットよりも、下位のビット(
図6中の左側のビット)のデータの転送経路については、スイッチSW0乃至SWnが制御されることにより、それぞれ下位の方向に1ビットずつ(
図6中の左側に1ビットずつ)転送経路がずらされて、(n+1)ビット分の時刻データの転送経路が再構成される。
【0080】
<7.時刻コード転送部の構成例>
時刻コード転送部23の具体的な構成例について説明する。
【0081】
時刻コード転送部23は、DFF群151−1乃至151−n、DFF(D型フリップフロップ回路)152、Latch52R−1乃至52R−n、およびLatch52L−1乃至52L−nおよびクロック信号転送経路153より構成される。
【0082】
クロック信号転送経路153は、2個単位で設けられた複数のインバータ群により構成され、クロック信号MCLKを順次時刻コード発生部26に向けて転送する。
【0083】
DFF(D型フリップフロップ回路)群151−1乃至151−nは、クロック信号転送経路153より供給されるクロック信号に同期して、時刻コード発生部26より発生される時刻コードの各ビットを転送し、Latch52R−1乃至52R−n、およびLatch52L−1乃至52L−nに書き込む、または、Latch52R−1乃至52R−n、およびLatch52L−1乃至52L−nに書き込まれたデータを読み出して、DFF152を介してコントローラ29に転送する。
【0084】
Latch52R−1乃至52R−n、およびLatch52L−1乃至52L−nは、DFF群151−1乃至151−nより転送されてくる時刻データのうち、各画素の画素信号に対応する時刻コードをラッチする。また、Latch52R−1乃至52R−n、およびLatch52L−1乃至52L−nは、ラッチした画素信号に対応する時刻コードの各ビットを、DFF群151−1乃至151−n、およびDFF152からなる転送経路を介してコントローラ29に出力する。
【0085】
より詳細には、DFF群151−1乃至151−nを構成する、各DFF群151の個々のDFFにより1ビットずつの転送経路が、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−n、および時刻コード転送1bit列(救済Bit)142の転送経路を構成する。
【0086】
従って、
図7においては、時刻コード発生部26により発生された時刻コードの各ビットのデータが、DFF群151−nを構成する各DFFに出力され、クロック信号転送経路153より供給されるクロック信号に基づいて、順次、DFF群151−1、DFF群151−2、・・・DFF群151−nの順序で転送されて、DFF152からコントローラ29に出力される。
【0087】
DFF群151−1乃至151−nを構成する個々のDFFにより構成される1ビットずつの転送経路には、
図2で示される画素21内のデータ記憶部52に対応する、
図7のLatch52R−1乃至52R−n、およびLatch52L−1乃至52L−nが接続されている。
図7においては、1つの転送経路で2画素の画素信号に対応する時刻コードを転送するため、ラッチがそれぞれLatch52L,52Rが設けられた構成例が示されている。尚、以降においては、各転送経路に1画素のデータ記憶部52が接続されている構成例について、すなわち、L,Rのいずれか1個のみが接続されている構成例について説明を進めるものとする。
【0088】
すなわち、
図2で示されるように、データ記憶部52には、ラッチ記憶部72、および救済Bitラッチ記憶部73が設けられており、ラッチ記憶部72には、時刻データの各ビット単位のラッチが設けられている。同様に、救済Bitラッチ記憶部73にも救済Bitのビット数に対応するラッチが設けられている。ただし、この例では、救済Bitは1ビットであるものとする。
【0089】
ラッチ記憶部72における各ビットのラッチ、および救済Bitラッチ記憶部73における各ビットのラッチは、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−n、および時刻コード転送1bit列(救済Bit)142に対応付けられている。
【0090】
従って、
図6を参照して説明したように、転送経路である時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−n、および時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が切り替えられるときは、対応するデータ記憶部52における、ラッチ記憶部72、および救済Bitラッチ記憶部73で使用される各ビットのラッチも切り替えられる。
【0091】
<8.判定回路およびERR情報格納ラッチの構成例>
次に、
図8を参照して、判定回路123、およびERR情報格納ラッチ124の構成例について説明する。
【0092】
判定回路123は、スイッチ171、インバータ172乃至174、AND回路175,176、およびOR回路177より構成される。また、ERR情報格納ラッチ124は、フリップフロップ回路より構成される。
【0093】
スイッチ171は、期待値として予め設定されるHiまたはLowを切り替えて、インバータ172に出力する。
【0094】
インバータ172は、スイッチ171より供給される期待値の反転信号を、インバータ173、およびAND回路176に出力する。
【0095】
インバータ173は、インバータ172の出力の反転信号をAND回路175に出力する。すなわち、インバータ173は、期待値そのものをAND回路175に出力する。
【0096】
インバータ174は、時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの転送結果REP_outの反転信号をAND回路175に出力する。
【0097】
AND回路175は、インバータ173,174のそれぞれの出力信号のANDを取ってOR回路177に出力する。すなわち、AND回路175は、期待値と、転送結果REP_outの反転信号とが一致するとき、Hiの信号を出力する。
【0098】
AND回路176は、時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの転送結果REP_outと、インバータ172の出力信号とのANDの論理結果をOR回路177に出力する。すなわち、AND回路176は、期待値の反転信号と、転送結果REP_outとが一致するとき、Hiの信号を出力する。
【0099】
OR回路177は、AND回路175,176のそれぞれの出力信号のORの論理結果をフリップフロップ回路からなるERR情報格納ラッチ124に出力してERR情報としてラッチさせる。
【0100】
図8のような構成により、判定回路123は、期待値と、時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの転送結果REP_outとが一致するとき、Lowを出力する。一方、期待値と、時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの転送結果REP_outとが一致しないとき、Hiを出力する。
【0101】
そして、OR回路177の判定結果が、ERR情報格納ラッチ124にラッチされることになる。
【0102】
<9.不良検出救済処理>
次に、
図9のフローチャートを参照して、不良検出救済処理について説明する。
【0103】
ステップS11において、コントローラ29は、各ビットの判定回路123のスイッチ171を制御して、期待値をLowに設定する。
【0104】
ステップS12において、コントローラ29は、データライン選択信号生成回路113を制御して、データライン選択回路121,122におけるスイッチSW0乃至SWnを時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの端子141a−0乃至141a−n、および時刻コード転送1bit列(救済Bit)142の端子142aのうちの(n+1)ビット分のいずれかに接続させる。
【0105】
例えば、デフォルトの場合、スイッチSW0乃至SWnは、それぞれを時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの端子141a−0乃至141a−nに接続させる。また、不良の転送経路が予め検出されている場合については、スイッチSW0乃至SWnは、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの端子141a−0乃至141a−n、および時刻コード転送1bit列(救済Bit)142の端子142aのうちの不良の転送経路を除く(n+1)ビット分の端子に接続される。ただし、不良検出救済処理は、製造完了時になされることが想定されるので、ステップS12の処理については、通常、デフォルトでの処理とされる。
【0106】
そして、コントローラ29は、時刻コード発生部26を制御して、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの各転送経路に対して、時刻コードの各ビットのデータを0にして出力させる。
【0107】
ステップS13において、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの各転送経路を構成するDFF群151が、順次、時刻コードをデータ記憶部52のラッチ記憶部72の各ビットのラッチに書き込む処理を繰り返すと共に、転送し、各ビットの判定回路123−0乃至123−nに対して転送結果REP_out0乃至REP_outnとして出力する。このとき、必要に応じて、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142の転送経路を構成するDFF群151が、順次、時刻コードを救済bitラッチ記憶部73の救済ビットに対応するラッチにも書き込む処理を繰り返すと共に、転送し、対応するビットの判定回路123に対して転送結果REP_outとして出力する。
【0108】
ステップS14において、コントローラ29は、各ビットの判定回路123を制御して、期待値と転送結果とが一致するか否かを判定させ、判定結果をERR情報格納ラッチ124に格納させる。ここでは、各ビットの期待値がLowとされ、時刻コードの各ビットの転送結果REP_out0乃至REP_outnが0であることが正しいので、一致しない場合(REP_out0乃至REP_outnが1である場合)、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nを構成する転送経路上に異常が発生しているものとみなされ、処理は、ステップS15に進む。
【0109】
ステップS15において、コントローラ29は、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が残されているか否かを判定する。ここでは、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142は、1ビットであり、例えば、最初の処理では、1ビットの時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が残されていることになるので、処理は、ステップS16に進む。
【0110】
ステップS16において、コントローラ29は、ERR情報格納ラッチ124に対してアドレス情報を供給して、FUSE情報生成回路125にエラーが発生しているビットの情報であるERR情報を供給させる。FUSE情報生成回路125は、ERR情報に基づいて、エラーが発生している転送経路を示すFUSE情報を生成して、FUSE回路112に格納させると共に、制御信号生成回路111に対してエラーが発生したことを通知する。
【0111】
ステップS17において、制御信号生成回路111は、切替制御信号を生成して、データライン選択信号生成回路113に通知する。
【0112】
ステップS18において、データライン選択信号生成回路113は、切替制御信号により、FUSE回路112に格納されたFUSE情報に基づいて、データライン選択回路121,122を制御し、
図6を参照して説明したように、スイッチSW0乃至SWnを切り替えて、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nのうち、エラーが発生していない転送経路と、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142により構成される転送経路とを利用して(n+1)ビットの時刻コードの転送経路を再構成する。
【0113】
尚、ステップS14において、期待値と転送結果REP_outとが一致する場合、異常が検出されないので、ステップS15乃至S18の処理はスキップされる。
【0114】
ステップS19において、コントローラ29は、時刻コード発生部26を制御して、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの各転送経路に対して、時刻コードの各ビットのデータを1にして出力させる。
【0115】
ステップS20において、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの各転送経路を構成するDFF群151が、順次、時刻コードをデータ記憶部52のラッチ記憶部72に書き込む処理を繰り返すと共に、転送し、各ビットの判定回路123に対して転送結果REP_outとして出力する。このとき、必要に応じて、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142の転送経路を構成するDFF群151が、順次、時刻コードを救済bitラッチ記憶部73の救済ビットに対応するラッチにも書き込む処理を繰り返すと共に、転送し、対応するビットの判定回路123に対して転送結果REP_outとして出力する。
【0116】
ステップS21において、コントローラ29は、各ビットの判定回路123を制御して、期待値と転送結果とが一致するか否かを判定させ、判定結果をERR情報格納ラッチ124に格納させる。ここでは、各ビットの期待値がLowとされ、時刻コードの各ビットの転送結果REP_out0乃至REP_outnが1であることが正しいので、一致する場合(転送結果REP_out0乃至REP_outnが0である場合)、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nを構成する転送経路上に異常が発生しているものとみなされ、処理は、ステップS22に進む。
【0117】
ステップS22において、コントローラ29は、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が残されているか否かを判定する。時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が残されている場合、処理は、ステップS23に進む。
【0118】
ステップS23において、コントローラ29は、ERR情報格納ラッチ124に対してアドレス情報を供給して、FUSE情報生成回路125にエラーが発生しているビットの情報であるERR情報を供給させる。FUSE情報生成回路125は、ERR情報に基づいて、エラーが発生している転送経路を示すFUSE情報を生成して、FUSE回路112に格納させると共に、制御信号生成回路111に対してエラーが発生したことを通知する。
【0119】
ステップS24において、制御信号生成回路111は、切替制御信号を発生して、データライン選択信号生成回路113に通知する。
【0120】
ステップS25において、データライン選択信号生成回路113は、切替制御信号により、FUSE回路112に格納されたFUSE情報に基づいて、データライン選択回路121,122を制御し、スイッチSW0乃至SWnを切り替えて、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nのうち、エラーが発生していない転送経路と、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142により構成される転送経路とを利用して(n+1)ビットの時刻コードの転送経路を再構成する。
【0121】
尚、ステップS21において、期待値と転送結果REP_outとが一致しない場合、異常が検出されないので、ステップS22乃至S25の処理はスキップされる。
【0122】
ステップS26において、コントローラ29は、各ビットの判定回路123のスイッチ171を制御して、期待値をHiに設定する。
【0123】
ステップS27において、コントローラ29は、時刻コード発生部26を制御して、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの各転送経路に対して、時刻コードの各ビットのデータを0にして出力させる。
【0124】
ステップS28において、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの各転送経路を構成するDFF群151が、順次、時刻コードをデータ記憶部52のラッチ記憶部72に書き込む処理を繰り返す。このとき、必要に応じて、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142の転送経路を構成するDFF群151が、順次、時刻コードを救済bitラッチ記憶部73の救済ビットに対応する時刻コードのデータを書き込む処理を繰り返す。
【0125】
ステップS29において、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの各転送経路を構成するDFF群151が、順次、時刻コードをデータ記憶部52のラッチ記憶部72からラッチされているデータを読み出す処理を繰り返すと共に、転送し、各ビットの判定回路123に対して転送結果REP_outとして出力する。このとき、必要に応じて、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142の転送経路を構成するDFF群151が、順次、救済bitラッチ記憶部73の救済ビットに対応して書き込まれている時刻コードのデータを読み出す処理を繰り返すと共に、転送し、対応するビットの判定回路123に対して転送結果REP_outとして出力する。
【0126】
ステップS30において、コントローラ29は、各ビットの判定回路123を制御して、期待値と転送結果とが一致するか否かを判定させ、判定結果をERR情報格納ラッチ124に格納させる。ここでは、各ビットの期待値がHiとされ、時刻コードの各ビットの転送結果REP_out0乃至REP_outnが0であることが正しいので、一致する場合(転送結果REP_out0乃至REP_outnが1である場合)、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nを構成する転送経路に対応するビットのデータ記憶部52のラッチ記憶部72、または、救済bitラッチ記憶部73に異常が発生しているものとみなされ、処理は、ステップS31に進む。
【0127】
ステップS31において、コントローラ29は、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が残されているか否かを判定する。時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が残されている場合、処理は、ステップS16に進む。
【0128】
ステップS32において、コントローラ29は、ERR情報格納ラッチ124に対してアドレス情報を供給して、FUSE情報生成回路125にエラーが発生しているビットの情報であるERR情報を供給させる。FUSE情報生成回路125は、ERR情報に基づいて、エラーが発生している転送経路を示すFUSE情報を生成して、FUSE回路112に格納させると共に、制御信号生成回路111に対してエラーが発生したことを通知する。
【0129】
ステップS33において、制御信号生成回路111は、切替制御信号を発生して、データライン選択信号生成回路113に通知する。
【0130】
ステップS34において、データライン選択信号生成回路113は、切替制御信号により、FUSE回路112に格納されたFUSE情報に基づいて、データライン選択回路121,122を制御し、スイッチSW0乃至SWnを切り替えて、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nのうち、エラーが発生していない転送経路と、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142により構成される転送経路とを利用して(n+1)ビットの時刻コードの転送経路を再構成する。
【0131】
尚、ステップS30において、期待値と転送結果REP_outとが一致する場合、異常が検出されないので、ステップS31乃至S34の処理はスキップされる。
【0132】
ステップS35において、コントローラ29は、時刻コード発生部26を制御して、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの各転送経路に対して、時刻コードの各ビットのデータを1にして出力させる。
【0133】
ステップS36において、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの各転送経路を構成するDFF群151が、順次、時刻コードをデータ記憶部52のラッチ記憶部72に書き込む処理を繰り返す。このとき、必要に応じて、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142の転送経路を構成するDFF群151が、順次、救済bitラッチ記憶部73の救済ビットに対応する時刻コードのデータを書き込む処理を繰り返す。
【0134】
ステップS37において、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nの各転送経路を構成するDFF群151が、順次、時刻コードをデータ記憶部52のラッチ記憶部72からラッチされているデータを読み出す処理を繰り返すと共に、転送し、各ビットの判定回路123に対して転送結果REP_outとして出力する。このとき、必要に応じて、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142の転送経路を構成するDFF群151が、順次、救済bitラッチ記憶部73の救済ビットに対応して書き込まれている時刻コードのデータを読み出す処理を繰り返すと共に、転送し、対応するビットの判定回路123に対して転送結果REP_outとして出力する。
【0135】
ステップS38において、コントローラ29は、各ビットの判定回路123を制御して、期待値と転送結果とが一致するか否かを判定させ、判定結果をERR情報格納ラッチ124に格納させる。ここでは、各ビットの期待値がHiとされ、時刻コードの各ビットの転送結果REP_out0乃至REP_outnが1であることが正しいので、一致しない場合(転送結果REP_out0乃至REP_outnが0である場合)、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nを構成する転送経路に対応するビットのデータ記憶部52のラッチ記憶部72、または、救済bitラッチ記憶部73に異常が発生しているものとみなされ、処理は、ステップS39に進む。
【0136】
ステップS39において、コントローラ29は、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が残されているか否かを判定する。時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が残されている場合、処理は、ステップS40に進む。
【0137】
ステップS40において、コントローラ29は、ERR情報格納ラッチ124に対してアドレス情報を供給して、FUSE情報生成回路125にエラーが発生しているビットの情報であるERR情報を供給させる。FUSE情報生成回路125は、ERR情報に基づいて、エラーが発生している転送経路を示すFUSE情報を生成して、FUSE回路112に格納させると共に、制御信号生成回路111に対してエラーが発生したことを通知する。
【0138】
ステップS41において、制御信号生成回路111は、切替制御信号を発生して、データライン選択信号生成回路113に通知する。
【0139】
ステップS42において、データライン選択信号生成回路113は、切替制御信号により、FUSE回路112に格納されたFUSE情報に基づいて、データライン選択回路121,122を制御し、スイッチSW0乃至SWnを切り替えて、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nのうち、エラーが発生していない転送経路と、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142により構成される転送経路とを利用して(n+1)ビットの時刻コードの転送経路を再構成する。
【0140】
尚、ステップS38において、期待値と転送結果REP_outとが一致する場合、異常が検出されないので、ステップS39乃至S42の処理はスキップされる。
【0141】
ステップS43において、コントローラ29は、FUSE回路112に格納されているFUSE情報を確定させる。
【0142】
尚、ステップS15,S22,S31,S39において、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142が残されていない場合、時刻コード転送部23は、エラーにより使用することができないので、処理を終了する。すなわち、この場合、時刻コード転送部23は適正に機能することができないので、固体撮像装置1は不良品として処理されることになる。
【0143】
以上の処理により、ステップS11乃至S25の処理により、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nのそれぞれに設定されている時刻コードが転送される転送経路上の異常の有無が判定されて、異常が発生している転送経路が検出されると、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142、および救済Bitラッチ記憶部73を利用して転送経路が再構築される。
【0144】
この際、発生する時刻コードを0および1に切り替えて不良検出がなされるので、転送経路上で0に固定されている異常や1に固定されている異常をそれぞれ検出することができる。
【0145】
また、ステップS26乃至S42の処理により、時刻コード転送1bit列(Bit_0)141−0乃至時刻コード転送1bit列(Bit_n)141−nのそれぞれに設定されている時刻コードが転送される転送経路に対応するビットの、データ記憶部52における、ラッチ記憶部72、および救済Bitラッチ記憶部73で使用されるラッチの異常の有無が判定されて、異常が発生しているラッチが検出されると、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142および救済Bitラッチ記憶部73を利用して転送経路に対応するラッチが再構築される。
【0146】
この際、発生する時刻コードを0および1に切り替えて不良検出がなされるので、転送経路上で0に固定されている異常や1に固定されている異常をそれぞれ検出することができる。
【0147】
すなわち、以上の処理においては、転送経路の異常と、ラッチの異常とをそれぞれ個別に判定し、いずれかに異常が検出された場合については、異常が検出されたビットの転送経路と、対応するラッチとが削除され、時刻コード転送1bit列(救済Bit)142により構成される転送経路と、対応するビットの救済Bitラッチ記憶部73のラッチとを用いて、転送経路と、そのラッチが併せて利用されて、転送経路とラッチとが再構築される。
【0148】
結果として、以上の不良検出救済処理を、製品出荷前などに実施することにより、高密度化する撮像素子の配線の断線等による歩留まりの低下を抑制することが可能となり、製品のコストを低減させることが可能となる。
【0149】
また、上述した不良検出救済処理については、製品出荷後に、例えば、製品を使用している際に定期的に実施し、不良が検出された時点で転送経路を切り替えるようにすることで、製品の耐久性を向上させることも可能となる。
【0150】
さらに、以上においては、FUSE回路112によりFUSE情報を固体撮像装置1内に搭載する構成としているが、製品検査時にFUSE情報のみデータとして取得し、そのデータをユーザにチップと合わせて出荷し、回路救済制御をユーザにて実施してもらうようにしてもよい。
【0151】
また、今回の例では救済用の転送経路そのものをチップ内に搭載するという構成を説明したが、例えば、ビット内で重要度が異なることを利用して、各ビットを重要度に応じて重み付けし、救済対象となるビットを所定の重みよりも大きな上位ビットに限定して、不良の発生した上位ビットを、重みの小さな、すなわち、重要度の低い下位ビットを救済ビットとして使用するようにしてもよい。このような構成にすることで、救済用の転送経路やラッチを特に設けることなく、重要度の高い上位ビットを救済することが可能となる。
【0152】
<10.電子機器への適用例>
上述した固体撮像装置1は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置、撮像機能を備えた携帯電話機、または、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
【0153】
図10は、本技術を適用した電子機器としての撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0154】
図10に示される撮像装置201は、光学系202、シャッタ装置203、固体撮像素子204、駆動回路205、信号処理回路206、モニタ207、およびメモリ208を備えて構成され、静止画像および動画像を撮像可能である。
【0155】
光学系202は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの光(入射光)を固体撮像素子204に導き、固体撮像素子204の受光面に結像させる。
【0156】
シャッタ装置203は、光学系202および固体撮像素子204の間に配置され、駆動回路205の制御に従って、固体撮像素子204への光照射期間および遮光期間を制御する。
【0157】
固体撮像素子204は、上述した固体撮像素子を含むパッケージにより構成される。固体撮像素子204は、光学系202およびシャッタ装置203を介して受光面に結像される光に応じて、一定期間、信号電荷を蓄積する。固体撮像素子204に蓄積された信号電荷は、駆動回路205から供給される駆動信号(タイミング信号)に従って転送される。
【0158】
駆動回路205は、固体撮像素子204の転送動作、および、シャッタ装置203のシャッタ動作を制御する駆動信号を出力して、固体撮像素子204およびシャッタ装置203を駆動する。
【0159】
信号処理回路206は、固体撮像素子204から出力された信号電荷に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路206が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ207に供給されて表示されたり、メモリ208に供給されて記憶(記録)されたりする。
【0160】
このように構成されている撮像装置201においても、上述した光学系202、シャッタ装置203、および固体撮像素子204に代えて、固体撮像装置1を適用することにより、高密度化に伴う歩留りの低下を抑制することが可能となる。
<11.固体撮像装置の使用例>
【0161】
図11は、上述の固体撮像装置1を使用する使用例を示す図である。
【0162】
上述したカメラモジュールは、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。
【0163】
・ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する装置
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、TVや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置
【0164】
尚、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
<1> 画素で受光した光量に応じた画素信号をデジタル信号に変換する際に使用する、所定のビット数の時刻コードを1ビット単位で転送する複数の転送経路と、
前記転送経路と同一の構成からなる救済転送経路と、
前記転送経路の異常の有無を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記複数の転送経路および前記救済転送経路のうちのいずれかに、前記所定のビット数の時刻コードの転送に使用する転送経路を切り替える切替部と
を含む撮像素子。
<2> 前記判定部は、所定のデータが前記転送経路を介して転送されるときの転送結果の期待値と、前記所定のデータが前記転送経路を介して転送された転送結果とを比較して、前記転送経路の異常の有無を判定する
<1>に記載の撮像素子。
<3> 前記複数の転送経路は、それぞれ対応する1ビット単位の前記時刻コードを格納する格納部を含む
<2>に記載の撮像素子。
<4> 前記所定のデータが前記転送経路を介して転送される際、前記所定のデータは、前記転送経路に対応する前記格納部に書き込まれると共に、転送され、前記判定部は、前記所定のデータが前記転送経路を介して転送された転送結果と前記期待値とを比較して、前記転送経路の異常の有無を判定する
<3>に記載の撮像素子。
<5> 前記判定部は、前記期待値を所定値とした場合の、前記所定のデータを1および0としたときのそれぞれの転送結果と前記期待値とを比較し、それぞれの前記転送経路の異常の有無を判定する
<4>に記載の撮像素子。
<6> 前記切替部は、前記判定結果に基づいて、前記異常が有ると判定された転送経路を除く、前記複数の転送経路および前記救済転送経路を、前記所定のビット数の時刻コードの転送に使用する転送経路として切り替える
<4>に記載の撮像素子。
<7> 前記切替部は、前記判定結果に基づいて、前記異常が有ると判定されたビットの転送経路を切り離し、前記異常が有ると判定されたビットより下位のビットの時刻コードの転送には、前記異常が有ると判定されたビットより下位のビットの前記複数の転送経路および前記救済転送経路を使用するように転送経路を切り替える
<6>に記載の撮像素子。
<8> 前記所定のデータが前記転送経路を介して転送される際、前記所定のデータは、前記転送経路に対応する前記格納部に書き込まれた後、読み出されると共に、転送され、前記判定部は、前記所定のデータが前記転送経路を介して、前記格納部に書き込まれた後、読み出されて、転送された転送結果と前記期待値とを比較して、前記転送経路に対応する前記格納部の異常の有無を判定する
<3>に記載の撮像素子。
<9> 前記判定部は、前記期待値を所定値とした場合の、前記所定のデータを1および0としたときのそれぞれの転送結果と前記期待値とを比較し、それぞれの前記転送経路に対応する前記格納部の異常の有無を判定する
<8>に記載の撮像素子。
<10> 前記救済転送経路は、転送する時刻コードをビット単位で格納する救済格納部をさらに含み、
前記切替部は、前記判定結果に基づいて、前記異常が有ると判定された格納部と、対応する転送経路を除く、前記複数の転送経路と対応する前記格納部および前記救済転送経路と対応する前記救済格納部を、前記所定のビット数の時刻コードの転送、書き込み、および読み出しに使用する転送経路と対応する格納部として切り替える
<8>に記載の撮像素子。
<11> 前記判定部は、前記所定のデータが前記転送経路を介して転送された転送結果と前記期待値とを比較して、前記転送経路の異常の有無を判定した後、前記所定のデータが前記転送経路を介して、前記格納部に書き込まれた後、読み出されて、転送された転送結果と前記期待値とを比較して、前記転送経路に対応する前記格納部の異常の有無を判定し、
前記切替部は、前記判定結果に基づいて、前記異常が有ると判定された転送経路、および格納部を除く、前記複数の転送経路と対応する前記格納部および前記救済転送経路と対応する前記救済格納部を、前記所定のビット数の時刻コードの転送、および書き込み、または、転送、書き込み、および読み出しに使用する転送経路と対応する格納部として切り替える
<3>に記載の撮像素子。
<12> 画素で受光した光量に応じた画素信号をデジタル信号に変換する際に使用する、所定のビット数の時刻コードを1ビット単位で転送する複数の転送経路と、
前記転送経路と同一の構成からなる救済転送経路とを含む撮像装置の制御方法であって、
前記転送経路の異常の有無を判定し、
判定結果に基づいて、前記複数の転送経路および前記救済転送経路のうちのいずれかに、前記所定のビット数の時刻コードの転送に使用する転送経路を切り替える
ステップを含む撮像素子の制御方法。
<13> 画素で受光した光量に応じた画素信号をデジタル信号に変換する際に使用する、所定のビット数の時刻コードを1ビット単位で転送する複数の転送経路と、
前記転送経路と同一の構成からなる救済転送経路と、
前記転送経路の異常の有無を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記複数の転送経路および前記救済転送経路のうちのいずれかに、前記所定のビット数の時刻コードの転送に使用する転送経路を切り替える切替部と
を含む撮像装置。
<14> 画素で受光した光量に応じた画素信号をデジタル信号に変換する際に使用する、所定のビット数の時刻コードを1ビット単位で転送する複数の転送経路と、
前記転送経路と同一の構成からなる救済転送経路と、
前記転送経路の異常の有無を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記複数の転送経路および前記救済転送経路のうちのいずれかに、前記所定のビット数の時刻コードの転送に使用する転送経路を切り替える切替部と
を含む電子機器。