(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記組み合わせが所定の組み合わせの場合において、前記画像情報判別部が取得したイエロートナーの濃度が所定の大きさ以上の場合に、前記加熱定着条件としての前記定着部が前記加熱定着する際の温調温度を補正することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
前記制御部は、所定の種類の記録材に前記トナー像を加熱定着する場合であって、前記組み合わせが所定の組み合わせの場合には、前記加熱定着条件の切り替えとして、複数の前記所定の種類の記録材に対して前記トナー像を連続的に加熱定着させる際における記録材の搬送間隔を広げることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0010】
[実施例1]
図1は、本実施例の画像形成装置100の要部概略断面を示す図である。本実施例では、本発明をインライン方式のカラープリンタに適用した場合について説明するが、本発明
が適用可能な画像形成装置は、本実施例で示したものに限定されるものではない。本実施例の画像形成装置100は、入力された画像情報信号に応じて、電子写真方式により、転写材、例えば記録用紙、OHPシート、布などに画像を形成し、出力することができる。なお、画像情報信号は、画像形成装置本体2と通信可能に接続された、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などの外部ホスト機器から与えられる。画像情報信号は、フォーマッタ61(不図示)を介して後述する画像形成に用いられるトナー色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色を用いた画像情報に変換され、CPU60に送られる。なお、
図1において、画像形成装置100のうちプロセスカートリッジ1を除いた部分を画像形成装置本体2とする。
【0011】
画像形成装置100は、上述の画像情報を元に、画像形成のプロセスとして、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色の画像を形成する。これら各色の画像形成を行うプロセスカートリッジ1(1Y、1M、1C、1Bk)は、転写体としての図中矢印方向に周回移動する中間転写ベルト22に沿って直列に複数配置され、上記各色の画像を形成するための第1〜第4の画像形成部を構成している。つまり、
図1中下から順に、縦一列に配置されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに対応して中間転写ベルト22によって転写画像が搬送され、2次転写ローラ26により転写材(記録材)S上にトナー像を転写する。これにより、フルカラー画像を形成し得る構成になっている。
【0012】
なお、本実施例では、各色用の画像形成部は、形成する画像の色が異なる他は、実質的に同一の構成を有するので、以下、特に区別を要しない場合は、各色用の画像形成部に属する要素であることを示す添え字Y、M、C、Bkを省略して総括的に説明する。
【0013】
各画像形成部は、それぞれ像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(感光ドラム)10を備えている。感光ドラム10の表面は、感光ドラム10に従動して回転する帯電手段としての帯電ローラ11によって一様に帯電される。次いで、露光手段としての露光装置12が画像情報信号に応じて光信号により走査露光することによって、感光ドラム10の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像には、次いで現像手段としての現像装置13によって現像剤としてのトナーが付着され、静電潜像は現像剤像(トナー像)として可視像化される。
【0014】
帯電ローラ11は、その電極を介して高圧電源(図示せず)により電圧が印加されることにより、感光ドラム10の表面を一定の電位で一様に帯電させる。また、帯電ローラ11は、感光ドラム10の表面に所定の押圧力で圧接され、感光ドラム10の回転に伴い従動回転しながら感光ドラム10を帯電させる。露光手段としての例えばレーザスキャナ12は、一様に帯電された感光ドラム10の表面に、画像信号源の画像信号により変調された光信号を供給し、画像信号に対応した静電潜像を形成する。
【0015】
現像装置13は、現像剤を感光ドラム10に搬送する現像剤担持体としての現像ローラ16を感光ドラム10に接触させて現像を行う(接触現像方式)。すなわち、所定量のトナーを、感光ドラム10と現像ローラ16との接触部(現像部)において感光ドラム10上に形成された静電潜像側に移行付着させ、静電潜像に対応した可視画像を形成する。ここで、所定量のトナーとは、感光ドラム10上に形成された静電潜像による明暗部電位と現像ローラ16に印加されるバイアス電圧との関係に基づいたものである。
【0016】
現像装置13は、感光ドラム10に接触する現像ローラ16、現像ローラ16にトナーを供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ18を現像容器(現像装置13本体)内に有する。また、現像ローラ16上に供給するトナーを規制する現像剤規制部材としての現像ブレード17も現像容器内に有する。現像ローラ16は、感光ドラム10の表面
に接触して感光ドラム10の回転に伴い回転するように構成され、現像容器から一部外部に露出するように配置されている。現像ブレード17は、現像ローラ16に当接するよう構成される。この現像ブレード17と現像ローラ16との当接部の間にトナーを通過させて規制することにより、現像ローラ16上にトナーの薄層を形成し、且つ、当接部での摩擦によりトナーに十分な摩擦帯電電荷(トリボ)を付与する。
【0017】
例えば、フルカラー画像は次のような順序で形成される。まず、各画像形成部において転写手段としての1次転写ローラ21に所定の転写バイアスが印加される。これによりそれぞれの画像形成部の感光ドラム10と1次転写ローラ21とが対向する転写部において、感光ドラム10上に形成された各色のトナー像が中間転写ベルト22に転写される。中間転写ベルト22上に転写された像は、2次転写ローラ26により転写材S上に多重転写され、転写材S上にフルカラーの未定着画像が形成される。
その後、トナー像が転写された転写材Sは、定着部としての定着装置30に搬送されて、転写材Sへの未定着画像の定着が行われる。
【0018】
図2は、定着装置の概略断面構成図である。定着装置30は、定着フィルム加熱方式の加熱装置であり、通常、次のように構成される。まず31は、簿肉の耐熱性樹脂(例えばポリイミド等)で構成された定着フィルムである。定着フィルム31の一方面側にヒータホルダ32により固定支持して配置されたヒータ33を配置し、定着フィルム31を介してヒータ33に加圧ローラ34を圧接させ、定着ニップNを形成する。35は、ヒータ33の当接させた温度検知素子としてのサーミスタである。また36は、ヒータ33への通電を行うトライアックである。トライアック36は、ヒータ33へ電力を供給できるよう繋がっている(不図示)。ヒータ33の温度は、サーミスタ35により温度が検知され、検知された温度は、本体制御部であるCPU60へ送られる。CPU60は、その温度情報をもとにトライアック36によりヒータ33への電力供給を制御することで、ヒータ33を所定の定着温調温度に制御する。この定着フィルム31を介してヒータ33と加圧ローラ34が圧接された定着ニップNに未定着画像が転写された記録材Sを通過させることで、トナーよりなる未定着画像が熱と圧を受けて記録材S上に加熱定着される。そして画像が定着された転写材Sは搬出され、排紙トレー37に積載されて画像形成は終了する。
【0019】
以下、本実施例に係る画像形成装置本体4に着脱可能なプロセスカートリッジ1の構成を説明する。画像形成装置本体2とプロセスカートリッジ1とを合わせたもの全体が、画像形成装置100となる。
【0020】
転写時に転写されずに感光ドラム10上に残った転写残トナーは、クリーニング装置14によって、廃トナー容器に回収され、感光ドラム10上はクリーニングされる。クリーニング装置14は、像担持体のクリーニング手段であり、クリーニング部材であるクリーニングブレードと廃トナー容器とを有する。
【0021】
本実施例では、感光ドラム10は直径30mmであり、周速度100mm/secで図中矢印方向に回転駆動される。この感光ドラム10表面は帯電ローラ11により一様に帯電される。
帯電ローラ11には、高圧電源である帯電バイアス電源(図示せず)より−1150Vの直流電圧が印加され、感光ドラム10の表面は、約−600Vの暗部電位で一様に帯電される。本実施例では、帯電バイアスとして、直流バイアスを用いたが、帯電バイアスとして、直流成分に交流成分を重畳したバイアスを用いてもよい。
この感光ドラム10の表面に静電潜像を形成するには、画像形成装置本体2に入力された画像データに応じて、露光装置12よりON/OFF制御されたレーザを用いる。なお、感光ドラム10の表面を走査露光することで、明部電位は約−80Vとなる。
【0022】
現像装置13は、上述した通りの構成であり、接触現像方式により、感光ドラム10上の静電潜像を、感光ドラム10の帯電極性と同帯電極性(本実施例では負極性)のトナーを用いて反転現像する。
更に説明すると、現像装置13は、まず現像剤として1成分現像剤である負帯電性の非磁性トナー(1成分トナー)を収容した現像容器(現像装置13本体)に、現像剤担持体としての現像ローラ16を備える。また、現像剤規制部材としての現像ブレード17、現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ18及び現像剤撹拌搬送手段としての攪拌羽根(不図示)を備えて構成されている。
本実施例では、現像ローラ16は、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属からなる芯金に、弾性層を設けて構成されており、外径16mmである。本実施例では、現像ローラ16は、周速度160mm/secで駆動手段(図示せず)により回転駆動される。
【0023】
感光ドラム10に形成された静電潜像は、現像時に、感光ドラム10の表面に接触している現像ローラ16に担持されたトナーによって、その接触部(現像部)において可視像化されトナー像とされる。このとき、現像ローラ16には、現像電圧印加手段としての不図示の高圧電源から−250V〜−400Vの直流電圧が印加され、負極性に帯電したトナーが、現像ローラ16から感光ドラム10上に形成された静電潜像に転移される。なお現像電圧としては、直流成分に交流成分を重畳したバイアスを用いてもよい。
【0024】
現像ローラ16の上方において、現像剤規制部材としての現像ブレード17が現像容器に支持されている。現像ブレード17は、その自由端側の先端近傍を現像ローラ16の外周面に面接触状態で当接するように設けられている。
本実施例では、現像ブレード17の当接方向は、当接部に対して先端側が現像ローラ16の回転方向上流側に位置する、所謂、カウンタ方向である。また、本実施例では、現像ブレード17は、バネ弾性を有する厚さ0.1mmのリン青銅板を、現像ローラ16の表面に対して所定の線圧で当接している。この現像ブレード17により、現像ローラ16に対する現像ブレード17の圧接力を維持し、摩擦帯電させることで、負帯電性のトナーに対する帯電性を持たせる。
【0025】
本実施例においては、現像装置13とともに、回転駆動される感光ドラム10、感光ドラム10の表面を一様に帯電させる帯電ローラ11、及びクリーニング装置14を枠体によって一体的にまとめて現行プロセスカートリッジ1を構成する。各色用のプロセスカートリッジ1Y、1M、1C、1Bkは、画像形成装置本体2が備える装着手段を介して、画像形成装置本体2に対し着脱可能である。なお、クリーニング装置14は、クリーニングブレードを支持しており、現像装置13は現像ローラ16、現像ブレード17、トナー供給ローラ18を支持している。なお、プロセスカートリッジは、この態様に限定されない。すなわち、像担持体を帯電させる帯電手段、感光体に現像剤を供給する現像手段、像担持体をクリーニングするクリーニング手段のうち少なくとも1つと、像担持体を一体的にカートリッジ化したものであればよい。そして、このカートリッジ化したものを画像形成装置本体に対して着脱可能としたものであればよい。
【0026】
23は、プロセスカートリッジに装着されたカートリッジメモリである。カートリッジメモリ23は、データを記憶するための記憶素子M(不図示)と、記憶素子Mに対してデータを読み出し及び書き込みを制御するメモリ制御部(不図示)とを有している。記憶素子Mとしては不揮発性のメモリであればよく、例えばNVRAM、EEPROM、FeRAMなどを用いることが可能である。
この記憶素子Mには、プロセスカートリッジ1に用いられているトナーの熱特性情報としてトナーの記録材に対する定着性の程度に関する定着性情報が記憶されている。トナーの定着性は一般にトナーを構成する材料が軟化する転移温度やトナーが溶融したときの流動性を示すメルトインデクス(以降MIと略して表記する)やトナーの粒径などの因子が
影響する。記憶素子Mに書き込まれる定着性情報としてはこれら因子の情報をそのまま書き込んでもよいし、これらの因子から総合的に判断される別の定着性指標を用いてそれを書き込んでもよい。
【0027】
24は、画像形成装置本体2に取り付けられたカートリッジメモリ23の情報を読み取るための読取部としてのメモリ読み取り部である。メモリ読み取り部24は、画像形成装置本体2の制御部であるCPU60に直結しており、カートリッジメモリ23に記憶された定着性情報はメモリ読み取り部24から読み取られたのち、CPU60に伝達されることで画像形成装置100の制御に反映される。
【0028】
(実施例1の特徴)
次に、本発明の実施例1について、画像形成装置100のプロセスカートリッジ各色に定着性の異なる2水準のトナーが各々存在する例を基にその構成を説明する。
【0029】
本実施例では各色トナーの量産による定着性ばらつきを2つの水準に分類している。すなわち各色において、定着性が比較的良好なトナーをトナーA、比較的悪目のトナーをトナーB、の2水準に分類した。トナーの量産によるばらつきは、トナー自体の粒径、トナーのMIのばらつきやトナーを構成する樹脂の柔らかくなる温度のばらつきなど、複合的な要因で生じる。
本実施例で用いた各色のトナーA、Bを調べた所、その定着性はどの色も加熱定着装置の定着温度として20℃違っていた。なお、ここでいう定着性としては、ハーフトーンパッチ濃度の濃度低下率をみることで調べた。具体的には、各色において反射濃度計(XLite)濃度が0.7になるように設定した5mm×5mmのハーフトーンパッチ画像を、温調温度をふりながらプリントしたのち、シルボン紙(小津産業製)でこすったときの濃度低下率である。
【0030】
これらトナーA、トナーBそれぞれを充填したプロセスカートリッジ(以降カートリッジと略記する)をY(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン),K(黒)の各色で用意した。すなわち色YでトナーAを充填したものをカートリッジ1Ya、トナーBを充填したものを1Ybとして、同様にM色はカートリッジ1Ma、1Mb、C色は1Ca、1Cb、K色は1Ka、1Kbとして用意した。さらにそれぞれのカートリッジメモリ23にはトナーAないしトナーBのどちらが入っているかを記憶させた。
【0031】
4色それぞれ2水準のトナーが存在するのでカートリッジの組み合わせは全部で16通りある。本実施例では、加熱定着条件の切り替えとして、それらのカートリッジの組み合わせを考慮した定着温調温度に設定を行うことで、組み合わせに応じた適切な定着性を得られるようにした。以下、その具体的な構成と効果を表1、表2を用いて説明していく。
【0032】
カートリッジの組み合わせに応じて定着温調温度を表1のように決めた。本発明の発明者らは鋭意検討の結果、本発明の画像形成装置100でシート上に形成される未定着画像の色のうち最下層(紙面に直接接触する位置)に来る色が定着性に最も感度のある色であること、すなわち黒色が最も感度のある色であることを見出した。すなわち、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン),K(黒)の各トナーのうち、中間転写ベルト22に対して最後にトナー像が転写されるトナーである。なお、本実施例と異なり、中間転写体を介さず直接記録材へトナー像を転写する装置構成においては、上記各トナーのうち最初にトナー像が記録材に転写される色のトナーとなる。そのため、決め方としては、表1に示すようにまず黒色のトナー(ブラックトナー)を優先した。
すなわち、黒色にトナーAを用いている場合は、一部の組み合わせを除き上記トナーAとトナーBの定着温度差分20℃の中で原則低い側(トナーAより)の温度にしている。逆に黒色にトナーBを用いている場合は、一部の組み合わせを除き原則高い側(トナーB
より)の温度にしている。また、Y(Yellow)色は、目立ちにくいことから定着温調温度へ与える影響は相対的に小さくした。そして、M(Magenda)色とC(Cyan)色は、黒色ほどではないもののY色よりもコールドオフセットおよびホットオフセットした場合に目立つため、定着温調温度へ与える影響は相対的に黒色よりも弱くかつY色よりも強く設定した。
【0034】
このように黒色がトナーAである場合は、表1中の4のケースを除き定着温調温度が190℃〜198℃の範囲に収めている。逆に黒色がトナーBである場合は、表1中の3のケースを除き定着温調温度が202℃〜210℃の範囲に収めている。
【0035】
図3は、本実施例の画像形成装置における定着温調温度決定のフローチャートである。
図9は、本実施例の画像形成装置本体2の制御部60、カートリッジメモリ23、メモリ読み取り部24とトライアックの関係を示すブロック図である。まず、外部PCからプリント信号と画像情報がフォーマッタ61を介して本体制御部CPU60へ送られると、CPU60は、カートリッジメモリ23の情報を、メモリ読み取り部24を介して読み取る(
図3Step1)。次に、CPU60は、読み取ったカートリッジ内のトナーがトナーAないしトナーBのどちらが用いられているかを色ごとに判断し、カートリッジの組み合わせを判断する(
図3Step2)。さらに、CPU60は、判別されたカートリッジ組み合わせに応じて定着温調温度を設定する(
図3Step3)。そして、CPU60は、トライアック36を介して定着装置30への通電を制御し、所定の定着温調温度に制御することでカートリッジの組み合わせに応じた加熱定着処理を行う。
【0036】
(比較例1)
カートリッジの組み合わせに関係なく一律に定着温調温度を決めた。定着温調温度としてはトナーBの温度(下限温度)であるLow1(190℃)に合わせた。
【0037】
(比較例2)
カートリッジの組み合わせに関係なく一律に定着温調温度を決めた。定着温調温度としてはトナーAの温度(上限温度)であるHigh2(210℃)に合わせた。
【0038】
(比較例3)
カートリッジの全部の組み合わせに関係なく一律に温調温度を決めた。温調温度としては上限温度(High2;210℃)と下限温度(Low1;190℃)の中間(Mid200℃)に合わせた。
【0039】
以下、表2に実施例1、比較例1、比較例2そして比較例3における具体的なカートリ
ッジの組み合わせと温調温度の関係を一覧にして載せておく。
【0041】
次に、実際に表2に示した実施例1、比較例1、比較例2、そして比較例3それぞれの構成で画像をプリントしてその定着性を比較したテスト結果を以下の表3に示す。
【0042】
なお、テスト方法としては常温常湿環境(20℃、55%)にて、ISO/IEC19798のテスト画像(5枚1組、A4)を用いて、A4紙(80g普通紙)にコールドスタートの連続プリント5枚を行い、その定着性を確認した。表2中の〇は、ホットオフセット、コールドオフセットいずれの発生もないことを表している。〇△は、わずかにホットオフセットが発生していることを示し、△、△×、×の順でより悪いレベルのホットオフセットが発生していることを表している。
また、〇△は、わずかにコールドオフセットが発生していることを示しており、△、△×、×の順でより悪いレベルのコールドオフセットが発生していることを示している。
【0044】
表3の結果から、本実施例1構成によれば、一部の組み合わせでコールドオフセットおよびホットオフセットがでているものの、いずれもわずかな発生に収まっていることがわかる。
一方、比較例1では、全てAカートリッジを用いた場合(1の場合)と、Y色のみBカートリッジにした場合(2の場合)を除き、それ以外全ての組み合わせでコールドオフセットが発生している。なおかつ、比較例1では、Bカートリッジの数が増えるにつれてその発生レベルが悪化する傾向があることがわかる。
また、比較例2では、全てBカートリッジを用いた場合(9の場合)と、Y色のみAカートリッジにした場合(10の場合)を除き、それ以外全ての組み合わせでホットオフセットが発生している。なおかつ、比較例2では、Aカートリッジの数が増えるにつれてその発生レベルが悪化していることがわかる。
また、比較例3では、比較例1や比較例2ほどレベルは悪くないものの、実施例1構成よりレベルの悪いコールドオフセットないしホットオフセットが出てしまうことがわかる。
【0045】
[実施例2]
実施例1では、プリント画像に用いられている色を判断せずトナーAおよびトナーBを用いたカートリッジの色組み合わせだけを考慮し定着温調温度設定を行った。これに対し、本発明の実施例2では画像で使われる色も考慮し、定着性の異なるトナーが用いられたカートリッジの組み合わせに応じた定着温調温度設定を行う。これにより一層ホットオフセットやコールドオフセットの無い良好な画像形成装置が得られる。
【0046】
本実施例の基本的なハード構成(画像形成装置構成、カートリッジ構成、トナー構成)
は実施例1と同じである。異なるのは特定のカートリッジの組み合わせを判断した場合にプリント画像の色情報(濃度情報)も参照して定着温調温度の画像補正を行うため、画像情報を判別する画像情報判別部としての役割をフォーマッタに持たせたことである。以下、その具体的な構成と効果を説明していく。実施例2において、以下で特に説明しない事項は実施例1と同様である。
【0047】
図4は、実施例2の画像形成装置における定着温調温度決定のフローチャートである。
図10は、本実施例の画像形成装置本体2の制御部60、カートリッジメモリ23、メモリ読み取り部24、画像情報判別部としてのフォーマッタとトライアック36の関係を示すブロック図である。まず、外部PCからプリント信号と画像情報がフォーマッタ61を介して本体制御部CPU60へ送られると、CPU60は、カートリッジメモリ23の情報を、メモリ読み取り部24を介して読み取る(
図4Step1)。次に、CPU60は、読み取ったカートリッジ内のトナーがトナーAないしトナーBのどちらが用いられているかを色ごとに判断し、カートリッジの組み合わせを判断する(
図4Step2)。そして、CPU60は、その組み合わせが特定の組み合わせかを判断する(
図4Step3)。特定の組み合わせの場合には、
図4Step5へ進み、特定の組み合わせでないと判断した場合は、その組み合わせに対応する定着温調温度を表4に従って決定していく(
図4Step4)。
【0049】
表4中のLow1、Low2、Mid1、Mid2、High1、High2各名称のさす具体的な温調温度は実施例1と同じで表1に示した温度のことである。
【0050】
なお、特定の組み合わせとは、上記表4中のNo.5、6、13、14(表4において灰色に塗りつぶして示した箇所)のことである。これらの組み合わせの場合には、プリント画像をさらに判断し、温調温度の補正を行う定着温調温度の画像補正を行う。この定着温調温度の画像補正を行うことが、本実施例が実施例1と異なる部分である。
【0051】
図4Step3にて画像形成装置内のカートリッジの組み合わせが、これら特定の組み合わせであるとCPU60が判断した場合には、CPU60はフォーマッタ61からプリント画像におけるY色濃度の画像情報を取得する(
図4Step5)。
【0052】
ここで、Y色濃度(イエロートナーの濃度情報)として、フォーマッタ61は、プリント画像をY、M、C、Kの4色に変換したときに、プリント画像を形成するピクセルの中でY色の最大濃度を検出する。そして、CPU60は、この最大濃度が50%以上であるか否かを判断し(
図4Step6)、Yesの場合には以下表5に従い定着温調温度の画
像補正を行い(
図4Step7)、Noの場合には定着温調温度の画像補正は行わない(
図4Step8)。
【0054】
表4中の特定の組み合わせNo.5、6、13、14に対してこの温調補正を行う理由は、これらの組み合わせでは、Y色の濃度によって定着性が異なる結果となったためである。例えば、表4中の5ないし6の組み合わせの場合には、実施例1ではLow2温調になっていたが、この場合にはY色の濃度が比較的高い部分において、コールドオフセットがわずかに発生した。このような傾向は、Y色だけが単独でBカートリッジであるようなケース(たとえば表4中のNo.2)では見られなかったが、M色ないしC色もBカートリッジである場合だけで見られた。これはY色だけがBカートリッジである場合はコールドオフセットに対して、Y色以外にもM色ないしC色がBカートリッジである場合よりも相対的にマージンがあるためと思われる。そして、50%以上の濃度によって変わるのは、オフセットした場合のY色は、相対的に他の色とくらべて目立ちにくいためと思われる。また、50%より少ない場合は、オフセットトナーがあっても視認されにくく、ようやく50%以上の濃度になって視認性されるようになるためと思われる。
【0055】
さらに、Y色のホットオフセットに対する寄与も全く同傾向であった。すなわち、例えば、表4中の13ないし14の組み合わせの場合には、Y色の濃度が比較的高い部分において、ホットオフセットがわずかに発生した。このような傾向は、Y色だけが単独でAカートリッジであるようなケース(たとえば表4中のNo.2)では見られなかったが、M色ないしC色もAカートリッジである場合にだけ見られた。
【0056】
実際に本実施例構成で画像をプリントした結果を以下の表6に示す。
【0058】
なお、テスト方法としては実施例1のときと同様に行った。すなわち、常温常湿環境(20℃、55%)にて、ISO/IEC19798の画像(5枚1組、A4)を用いて、A4紙(80g普通紙)にコールドスタートの連続プリント5枚を行い、その定着性を確認した。表2中の〇は、ホットオフセット、コールドオフセットいずれの発生もないことを表している。
【0059】
このように本実施例では全ての具体例でホットオフセットおよびコールドオフセットの発生が認められず。実施例1よりも良好な結果が得られた。
【0060】
本実施例では、表4の組み合わせの内、No5、6、13、14に対してプリント画像に基づく定着温調温度補正を用いているが、定着温調温度の決めるにあたってプリント画像を考慮する組み合わせが常にこれらに限定される訳ではないことは言うまでもない。例えば、カートリッジの組み合わせが表4中のNo2の組み合わせの場合に、画像検知手段によりプリント画像の濃度確認によりY色が使用されていないことが検出された場合には温調温度設定をLow2からLow1に下げる補正を行ってもよい。また、本実施例ではプリント画像におけるY色の濃度だけを検知し、定着温調温度に反映させたが、かかる構
成に限定されない。例えば、他の色でも濃度によるホットオフセットやコールドオフセットへの感度が顕著であれば、その色に対してもプリント画像における濃度判断を行い、定着温調温度に反映させて良いことは言うまでもない。
【0061】
[実施例3]
実施例1や実施例2では紙種を考慮していなかったが、本発明の実施例3では定着性の異なるトナーが用いられたカートリッジの組み合わせに加えて、プリントに用いる紙種も判断する紙種判断部を設け、紙の種類も判断し定着温調温度設定を行う。これにより特定の定着性のトナーが用いられたカートリッジの組み合わせと特定の紙種の組み合わせで発生する画像貼りつきを抑制する。
【0062】
本実施例の基本的なハード構成(画像形成装置構成、カートリッジ構成、トナー構成)は実施例1と同じである。実施例3において、以下で特に説明しない事項は実施例1と同様である。本実施例では高グロスが得られるように紙表面を平滑処理した専用紙(以降、グロス紙と表記)をプリントする専用のモードであるグロス紙モードを有している。ユーザは、紙種判定部(記録材判別部)である画像形成装置本体2に設置された入力パネルを用いて、プリント紙種をグロス紙に選択することで、グロス紙モードを用いたグロス紙へのプリントをすることができる。このグロス紙モードがプリント時に選択された際に画像形成装置はプロセススピードを通常の1/3の速度(33mm/秒)に遅くしてプリントを行う。
【0063】
グロス紙は一般に坪量が大きい(100g/m2以上)紙が多く、定着時に多くの熱を必要とする。そのため画像形成装置はプロセススピードを遅くし、スループット(TP)も普通紙よりも遅く設定し、ゆっくりじっくり加熱することでグロス紙への定着を行う。グロス紙にプリントされた画像は紙の高い平滑性のため、普通紙よりも高グロスが得られる。ただし、紙の平滑性が高いため密着しやすいことと、坪量が大きいため加熱されると冷却されにくいこともあり、連続プリントにより排紙トレー37上に連続して大量に積載される場合には貼りつきが発生しやすい傾向がある。貼りつきとは、排紙トレー37上に積載された紙上の定着されたトナー画像が、となりにある別の紙にもくっつくことではがれてしまい、画像が欠損する現象である。
【0064】
本実施例3では、グロス紙のスループットは基本的に5ppm(Page Per Minute;1分間に排出できる記録材の枚数)に設定してあるが、特定のカートリッジの組み合わせを検出した場合には貼りつきを回避するため、スループットを下げる。スループットを下げることで紙間(連続的に加熱定着する際の記録材の搬送間隔)が拡がり、排紙トレー37上に紙が積載されていく時間間隔が長くなることで積載された紙束の温度が上がりにくくなり、貼りつきの発生を抑制できるようになる。
【0065】
以下、実際に本実施例構成である具体例1と具体例2について以下順次説明していく。
【0066】
(実施例3具体例1)
図5は、本発明の実施例3の具体例1における定着温調温度決定およびスループット決定フローチャートである。
図11は、本実施例の画像形成装置本体2の制御部60、カートリッジメモリ23、メモリ読み取り部24、画像情報判別部としてのフォーマッタと紙種判定部としての入力パネルとトライアック36の関係を示すブロック図である。まず、外部PCからプリント信号と画像情報がフォーマッタ61を介して本体制御部CPU60へ送られると、CPU60は、プリントがグロス紙モードであるかどうかを判断する(Step1)。グロス紙モードでないと判断された場合には、実施例1と同じ様にしてStep2〜Step4までを行うが、グロス紙モードである場合にはStep5以降の貼りつき抑制のための制御を行う。
【0067】
Step5では、CPU60は、カートリッジメモリ23の情報を、メモリ読み取り部24を介して読み取る。次に、Step6にてCPU60は、読み取ったカートリッジ内のトナーがトナーAないしトナーBのどちらが用いられているかを色ごとに判断し、カートリッジの組み合わせを判断する。そして、その組み合わせを判断した後に、対応する定着温調温度制御を以下の表7に従って決定していく。
【0069】
具体的に表7中の各温調温度制御名と温調温度の関係を以下表8に示しておく。
【0071】
本実施例3における温調温度の決め方は、上記実施例1と同じであり、温度の値だけがグロス紙に対して定着させるようグロス紙モードで決められたため異なっている。実際に
グロス紙(150g/m2、LTR)を用いて実施例1と同じ各色トナーAおよびトナーBの定着性を調べた結果、トナーAの定着温度は160℃、トナーBの定着温度は180℃であった。
【0072】
Step7にて温調温度を上記表7のように決めた後は、スループットを決める。すなわち、Step8にてカートリッジの組み合わせが貼りつきに不利な特定の組み合わせであるかを判断する。表9に記した様に特定の組み合わせである場合(表中のグレーに塗りつぶした欄の組み合わせの場合)にスループットを5ppmではなく4ppmにする。
【0074】
本発明者らは鋭意検討した結果、次のことを見出した。すなわち、トナーAは定着性が良いためトナーBよりも貼りつきに不利である。具体的には、グロス紙(150g/m2紙、LTR)を5ppmで通紙するとプリント画像を構成する同一ピクセル内トナーのうち、全ての色のトナーA濃度を合算した合算濃度が150%以上であると貼りつきが発生する。よって、貼りつきが不利な特定の組み合わせとしては、少なくとも2次色以上であり、かつトナーカートリッジの組み合わせとして2本以上のAカートリッジが用いられている場合となる。したがって、本実施例3具体例1では、表9に示した様に、全てがBカートリッジである場合と1本だけがAカートリッジである場合は、スループットを5ppmにし、Aカートリッジが2本以上用いられる場合は、スループットを4ppmとした。
【0075】
(実施例3具体例2)
本実施例3具体例2のハード構成、および定着温調温度設定は基本的に実施例3具体例1と同じである。ただ異なるのは、グロス紙モード使用時のスループット決定をカートリッジの組み合わせだけでなくプリント画像も検知して行うことである。そのためフォーマッタ61は実施例2と同様に画像判別部を兼ねた役割をする。
【0076】
上記表9に示した様に、本実施例3具体例2では、全てのカートリッジがAカートリッジである場合と、全てのカートリッジがBカートリッジである場合を除き、スループットを決めるための画像判別を行う。
【0077】
図6は、本実施例3具体例2における定着温調温度決定およびスループット決定フローチャートである。まず、外部PCからプリント信号と画像情報がフォーマッタ61を介して本体制御部CPU60へ送られると、CPU60は、プリントがグロス紙モードであるかどうかを判断する(Step1)。グロス紙モードでないと判断された場合には、実施例1と同じ様にStep2〜Step4までを行うが、グロス紙モードである場合にはStep5以降の貼りつき抑制のための制御を行う。
【0078】
Step5で、CPU60は、カートリッジメモリ23の情報を、メモリ読み取り部24を介して読み取る。次に、Step6にて、CPU60は、読み取ったカートリッジ内のトナーがトナーAないしトナーBのどちらが用いられているかを色ごとに判断し、カートリッジの組み合わせを判断する。そして、その組み合わせを判断した後に、対応する温調温度制御を先記表7に従って決定していく。
【0079】
Step7にて、定着温調温度を先記表7のように決めた後は、スループットを決める。すなわち、Step8にて、カートリッジの組み合わせを判断して全てがAカートリッジであるかどうかを判別し、Yesの場合はスループットを4ppmに設定する。つぎに、Step9にて、全てがBカートリッジであるかどうかを判別し、Yesの場合はスループットを5ppmに設定する。
【0080】
そして、トナーカートリッジが全てAないし全てBカートリッジである組み合わせ以外の組み合わせである場合には、Step10にてプリント画像判別を行う。すなわち、プリント画像におけるトナーAの濃度を調べる。
【0081】
Step10では、CPU60は、画像判別部としてのフォーマッタ61がプリント画像をY、M、C、Kの4色に変換した情報を元に、1ピクセルの中でAカートリッジを使っている色だけの合算濃度を検出する。この合算濃度が150%以上であると判断された場合にはスリープットを4ppmに設定する。一方、合算濃度が150%未満であると判断された場合にはスループットを5ppmに設定する。
【0082】
(比較例4)
本比較例4のハード構成は、実施例3具体例1の構成と同じである。異なるのは上記表9に示した様にすべてのカートリッジの組み合わせにおいてグロス紙モードのスループットを5ppmにしたことである。
【0083】
実際に上記実施例3具体例1、実施例3具体例2および比較例4の構成を用いて、グロス紙(150g/m2、LTR)をそれぞれのグロス紙モードにて連続プリントし、貼りつきを調べたテスト結果を以下表10に示す。
【0084】
なお、テストは
図7および
図8に示す2種類の画像で各画像それぞれ1回ずつ、計2回行った。テスト画像1としては、
図7に示すベタ画像を用いた。すなわち、LTR用紙の左右両端5mm及び前後両端5mmの余白部を除く画像域の上半分がRed、下半分がGreenのベタ画像である。Redは、Yellow80%+Magenta80%の160%2次色であり、Greenは、Yellow80%+Magenta80%の160%2次色である。テスト画像2としては、
図8に示すベタ画像を用いた。すなわち、LTR用紙の左右両端5mm及び前後両端5mmの余白部を除く画像域の上半分がBlueで、下半分がProcessBlackのベタ画像である。Blueは、Magenta80%+Cyan80%の160%2次色であり、ProcessBlackは、Yellow20%+Magenta20%+Cyan20%+Black100%の160%4次色である。
【0085】
最初のテストは
図7に示すプリント画像1で実施し、もう一回画像を
図8に示すプリント画像2に変えて実施した。テスト方法としては常温環境のコールドスタート(定着装置が常温環境に十分になじんだ状態)にて上記それぞれの画像の片面プリント連続50枚プリントを実施し、排紙トレー上に50枚を10分間積載させたときの貼りつき有無を見た。
【0087】
表10では画像パターンの色を略記している。すなわち画像パターン1のRedをR、GreenをG、画像パターン2のBlueをB、ProcessBlackをP−Bkと略記した。また、表10では各画像の各色での貼りつき発生有無を示すとともに、それぞれの組み合わせでそれぞれの画像が何ppmのスループットで流れたかを示した。画像パターン1のスループットをTP1、画像パターン2のスループットをTP2と表記している。また表中の〇は貼りつきが発生していないことを、×は貼りつきが発生していることを示している。
【0088】
表10の結果から判るように、比較例4では表10中のNo.1からNo.4およびNo.13からNo.16の組み合わせで貼りつきが発生していたが、実施例3具体例1および実施例3具体例2ともに、どの組み合わせでも貼りつきが発生していない。また、実施例3具体例1ではNo.2〜No.4の組み合わせでは画像にかかわらず全て4ppmのスループットでプリントがされていたが、実施例3の具体例2では画像によっては4ppmよりも速い5ppmのスループットで流れていることが判る。
【0089】
要するに、グロス紙モードでプリントを行うユーザにとっては、実施例3具体例1および実施例3具体例2のどちら構成を用いても、比較例4と比べて貼りつきがない良好な画像の恩恵を得ることができる。特に、実施例3具体例2の構成を用いることで、実施例3
具体例1よりも画像によっては速いスループットのプリントができる恩恵を得ることができる。
【0090】
本実施例3においては、グロス紙(150g)における貼りつきを例にその効果を説明したが、紙種としては貼りつきが発生するものであれば(例えば、厚紙やOHTシートなど)、その対象紙種をプリントするモードで本実施例1〜3の対応をしてもよい。また、貼りつきの発生する合算濃度としては150%以上であったが、この値に限らず貼りつきの発生し始める値であれば良いことは言うまでもない。さらに、本実施例ではスループットを変更したが、連続プリントを断続的に行うように例えば50枚の連続プリントを5枚ごとに1分ウエイトを挟むなどして、まとまった冷却時間を設けて対応してもよい。すなわち、定着性を許容できる範囲で定着温調温度を下げる変更やこれらとの組み合わせでもよい。
【0091】
本発明の実施例1〜3では、カラー画像形成装置の各色カートリッジにおいて、それぞれ定着性の異なるトナーが2水準あって、それら2水準のトナーを入れた2種類のカートリッジが存在する場合を示したが、トナーの水準は2水準に限られない。各色それぞれ3水準以上、ないし色によっては1水準でもよい。要は、画像形成装置において定着性の異なるトナーがいずれかの色に複数水準存在する状況で、これらが他の色の定着性水準の異なるトナーと組み合わさって用いられた場合に、組み合わせに応じた最適な画像形成装置の制御を行えばよいと言うことである。組み合わせの検知は、画像形成装置がプロセスカートリッジに取り付けられた記憶素子から読み取り装置を介して情報を読み取ることで行う例を示したが、かかる構成には限定されない。プロセスカートリッジにおいてトナーを収容するトナー容器部分が独立して交換可能となっているカートリッジ構成においてトナー容器に設けられた記憶素子から情報を読み取るようにしてもよい。また、実施例3では紙種判別部としてユーザが入力する入力パネル62を用いたが、紙種を自動で検知する機構を用いて自動的にCPU60へ紙種情報を送信する構成にしてもよい。また、実施例2および実施例3具体例2では画像判別部の役割をフォーマッタ61が担ったがこれをCPU60が担ってもよい。
【0092】
上記各実施例は、それぞれの構成を可能な限り互いに組み合わせることができる。