(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の選択部は、前記記憶媒体に記憶された評価情報に基づいて、過去の評価結果が前記第1のユーザの現在の評価結果と同一で、かつ前記過去から現在までの期間に評価結果が前記過去の評価結果より改善しているユーザを前記第2のユーザの候補として選択する、
請求項3に記載の健康管理支援装置。
前記複数のユーザの各々について、前記記憶されたユーザの生活習慣を表す情報に基づいて当該ユーザの健康状態の維持又は改善への取り組み度合いを示すスコアを計算するスコア計算部を、さらに具備し、
前記第2の選択部は、前記選択された第2のユーザの候補の中から、当該候補について計算された前記スコアに基づいて前記第2のユーザを選択する、
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の健康管理支援装置。
前記第2の選択部は、前記スコアに基づいて、現在のスコアが第1のしきい値以上で、かつ当該現在のスコアの過去のスコアに対する改善量が第2のしきい値以上のユーザを、前記第2のユーザとして選択する、
請求項5に記載の健康管理支援装置。
前記ユーザの健康状態を表す情報は、健康診断の結果を表す情報と、当該健康診断の結果を表す情報をその検査項目ごとに予め定義された判定基準に基づいて複数段階で評価した結果を示す検査項目別の評価情報と、当該検査項目別の評価情報をもとに決定された総合評価情報とを含み、
前記第1の選択部は、前記総合評価情報が予め設定された総合評価基準に満たないユーザを前記第1のユーザとして選択し、
前記第2の選択部は、前記検査項目別の評価情報に基づいて、特定の検査項目について、過去の評価結果が前記第1のユーザの現在の評価結果と同一でかつ前記過去から現在までの期間に評価結果が前記過去の評価結果より改善しているユーザを、前記第2のユーザの候補として選択する、
請求項1または2に記載の健康管理支援装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載された発明は、ユーザ本人の生体情報とユーザ本人の行動ログを参照して行動アドバイスを生成しユーザ本人に提示するものとなっている。このため、行動ログが未記録だったり、記録されていても情報量が不足している状態では、有益な行動アドバイスを提供することができない。
【0005】
この発明は、一側面では、上記事情に着目してなされたもので、健康状態の改善が望まれるユーザに対し、ユーザ本人の行動ログ情報を頼ることなく適切な支援情報を提供できるようにした健康管理支援装置、方法およびプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一態様に係る健康管理支援装置は、複数のユーザの各々に関連付けて、当該ユーザの健康状態を表す情報と生活習慣を表す情報とを記憶する記憶媒体と、前記記憶された健康状態を表す情報に基づいて、前記複数のユーザの中から健康管理の支援対象となる第1のユーザを選択する第1の選択部と、前記記憶された健康状態を表す情報と、前記記憶された生活習慣を表す情報とに基づいて、前記複数のユーザの中から、前記選択された第1のユーザにとって目標となる健康状態を有する第2のユーザを選択する第2の選択部と、前記選択された第2のユーザの生活習慣を表す情報を前記記憶媒体から読み出し、当該読み出された生活習慣を表す情報に基づいて前記第1のユーザの健康管理を支援するための支援情報を生成する支援情報生成部と、前記生成された支援情報を出力する情報出力部と、を備える。
【0007】
上記構成によれば、例えば、健康状態の改善が望まれるユーザが支援対象ユーザとして選択されると共に、当該支援対象ユーザにとって健康管理の手本となる目標ユーザが選択され、当該目標ユーザの生活習慣に基づいて生成される健康管理支援情報が、上記支援対象ユーザに提供される。このため、支援対象ユーザに対し当該ユーザにとって有益な健康管理支援情報を自動的に提供することが可能となる。またユーザにとっては、他者の生活習慣を手本として自身の生活習慣の改善に取り組むことが可能となる。
【0008】
上記一態様に係る健康管理支援装置において、前記ユーザの健康状態を表す情報は、ユーザの属性情報を含み、前記第2の選択
部は、前記属性情報に基づいて、前記第1のユーザと属性が所定の範囲内で一致するユーザを前記第2のユーザの候補として選択するようにしてもよい。
【0009】
この構成によれば、目標ユーザの候補を選択する際に、支援対象ユーザと属性が所定範囲内で一致するユーザが目標ユーザの候補として選択される。このため、支援対象ユーザに対し、属性が一致する目標ユーザの生活習慣に基づく健康管理支援情報を提供することができる。
【0010】
上記一態様に係る健康管理支援装置において、前記ユーザの健康状態を表す情報は、健康診断の結果を表す情報と、当該健康診断の結果を表す情報を予め定義された判定基準に基づいて複数段階で評価した結果を示す評価情報とを含み、前記第1の選択部は、前記評価情報が予め設定された評価基準に満たないユーザを前記第1のユーザとして選択し、前記第2の選択部は、前記第1のユーザに対する評価情報を前記複数のユーザに対する評価情報と対比することで、前記複数のユーザから前記第2のユーザの候補を選択するように構成してもよい。
【0011】
例えば、前記第2の選択部は、前記記憶媒体に記憶された評価情報に基づいて、過去の評価結果が前記第1のユーザの現在の評価結果と同一であってかつ前記過去から現在までの期間に評価結果が前記過去の評価結果より改善しているユーザを前記第2のユーザの候補として選択する。
【0012】
以上の構成によれば、支援対象ユーザの選択および目標ユーザの選択は、健康診断の結果に含まれている評価情報に基づいて行われる。これにより複雑な情報処理を必要とすることなく、支援対象ユーザおよび目標ユーザを適切に選択することが可能となる。例えば、健康診断の結果について、過去に現在の支援対象ユーザと同様の評価がなされたものの上記過去から現在までの期間に評価が改善されているユーザが目標ユーザの候補として選択されるので、支援対象ユーザにとっては、自身の現在の健康状態を過去に経験しその後改善した経験を持つ他者ユーザを目標として、自身の健康状態の改善に取り組むことが可能となる。
【0013】
上記一態様に係る健康管理支援装置において、前記複数のユーザの各々について、前記記憶されたユーザの生活習慣を表す情報に基づいて当該ユーザの健康状態の維持又は改善への取り組み度合いを示すスコアを計算するスコア計算部をさらに具備し、前記第2の選択部は、前記選択された第2のユーザの候補の中から、当該候補について計算された前記スコアに基づいて前記第2のユーザを選択するようにしてもよい。
【0014】
例えば、第2の選択部は、前記スコアに基づいて、現在のスコアが第1のしきい値以上で、かつ当該現在のスコアの過去のスコアに対する改善量が第2のしきい値以上のユーザを、前記第2のユーザとして選択する。
【0015】
以上の構成によれば、目標ユーザの候補の中から、現在の生活習慣スコアが高く、かつ生活習慣スコアの改善度合いが高いユーザが、目標ユーザとして選定されるので、手本としてより好ましい生活習慣に基づく健康管理支援情報を支援対象ユーザに提示することが可能となる。
【0016】
上記一態様に係る健康管理支援装置において、前記ユーザの健康状態を表す情報は、健康診断の結果を表す情報と、当該健康診断の結果を表す情報をその検査項目ごとに予め定義された判定基準に基づいて複数段階で評価した結果を示す検査項目別の評価情報と、当該検査項目別の評価情報をもとに決定された総合評価情報とを含み、前記第1の選択部は、前記総合評価情報が予め設定された総合評価基準に満たないユーザを前記第1のユーザとして選択し、前記第2の選択部は、前記検査項目別の評価情報に基づいて、特定の検査項目について、過去の評価結果が前記第1のユーザの現在の評価結果と同一でかつ前記過去から現在までの期間に評価結果が前記過去の評価結果より改善しているユーザを、前記第2のユーザの候補として選択するようにしてもよい。
より具体的には、前記第1の選択部は、前記現在の評価情報の判定区分が「要経過観察」と判定されたユーザを支援対象ユーザとして選択し、前記第2の選択部は、前記選択された支援対象ユーザと性別および年齢層が一致し、過去の評価情報の判定区分が前記選択された支援対象ユーザの現在の判定区分である「要経過観察」と一致し、かつ現在の評価情報の判定区分が「正常」または「ほぼ正常」に改善されているユーザを、目標ユーザとして選択する。
【0017】
上記構成によれば、検査項目別に、過去の評価結果が支援対象ユーザの現在の評価結果と同一でかつ前記過去から現在までの期間に評価結果が前記過去の評価結果より改善しているユーザが、前記
目標ユーザの候補として選択される。このため、支援対象ユーザにとっては、改善が望まれると評価された検査項目についてその後改善した経験を持つ他者ユーザを目標として、自身の健康状態の改善に取り組むことが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、健康状態の改善が望まれるユーザに対し、ユーザ本人の行動ログ情報を頼ることなく適切な支援情報を提供できるようにした健康管理支援装置、方法およびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の一側面に係る実施の形態(以下、「一実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する実施形態は、あらゆる点においてこの発明の例示に過ぎない。この発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、この発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0021】
[適用例]
まず、この発明が適用される場面の一例について説明する。
(構成)
図1は、この適用例に係る健康管理支援装置の機能構成を模式的に例示したものである。この健康管理支援装置1は、例えば健康管理支援サービスを行う事業者が運用するサーバコンピュータにより実現される。
【0022】
健康管理支援装置1は、健康状態情報記憶部2と、生活習慣情報記憶部3と、第1の選択部としての支援対象ユーザ選択部4と、第2の選択部としての目標ユーザ選択部5と、健康管理支援情報生成部6と、情報出力部7とを備える。
【0023】
健康状態情報記憶部2は、複数のユーザの健康状態を表す情報を記憶するために使用される。健康状態を表す情報は、例えば健康診断の結果を示す情報からなり、ユーザの属性情報と、健診結果を示すデータと、当該データを予め定義されている基準値に基づいて複数段階で評価した評価情報(判定区分)とを含んでいる。ユーザの属性情報には少なくとも年齢および性別が含まれるが、他に職業や居住地、既往症等を表す情報を含んでいてもよい。評価情報としての判定区分は、健康診断を行う医療機関、健康保険組合あるいは自治体により定義され、例えばA〜Hの8段階、1〜5の5段階、A〜Dの4段階で表される。なお、健診結果を表す情報は、例えば、健康診断を行う医療機関、または当該医療機関により得られた健診結果を表す情報を管理する事業者のデータベースから収集することができる。
【0024】
生活習慣情報記憶部3は、複数のユーザの生活習慣を表す情報を記憶するために使用される。生活習慣を表す情報は、ユーザの日常生活における複数の要素、例えば食事や睡眠、運動等を表す情報を含む。具体的には、「食事」は回数と時間帯、献立の内容等により、「睡眠」は睡眠時間により、「運動」は活動量によりそれぞれ表すことができる。生活習慣を表す情報は、例えば上記要素ごとにその計測値をスコア化したものとして表される。
【0025】
支援対象ユーザ選択部4は、上記健康状態情報記憶部2に記憶された健康状態情報に含まれる判定区分を予め設定された基準と比較し、判定区分が基準に満たないユーザを、健康状態の改善が望まれるユーザを支援対象ユーザとして選択する処理を行う。
【0026】
目標ユーザ選択部5は、上記健康状態情報記憶部2に記憶された健康状態情報と、上記生活習慣情報記憶部3に記憶された生活習慣情報とに基づいて、上記選択された支援対象ユーザの健康状態を改善する際に目標となるユーザを選択する処理を行う。この目標ユーザの選択は、例えば健康状態情報に含まれるユーザの属性情報と、健診結果の判定区分と、生活習慣スコアとを、選択条件として用いて行われる。具体的には、支援対象ユーザと属性情報が所定の範囲内で一致し、健診結果の判定区分が正常と判定される基準区分以上であり、かつ生活習慣スコアがしきい値以上となるユーザが、目標ユーザとして選択される。なお、生活習慣スコアは、ユーザの健康状態の維持又は改善への取り組み度合いを示すもので、例えばユーザごとにその生活習慣情報に基づいて計算することができる。
【0027】
健康管理支援情報生成部6は、上記選択された目標ユーザの生活習慣情報を用いて、上記支援対象ユーザに適した健康管理支援情報を生成する処理を行う。健康管理支援情報は、例えば、目標ユーザの生活習慣の内容と、この内容に基づくアドバイス情報とを含む。
【0028】
情報出力部7は、上記生成された健康管理支援情報を、支援対象ユーザの端末へ電子メール等により送信する処理を行う。宛先アドレスは、例えばユーザの健康状態を表す情報に含まれる属性情報を利用することにより取得することができる。
【0029】
(動作)
上記健康管理支援装置1は、例えば以下のように動作する。
すなわち、ある事業所の従業員群に係る集団健診の結果を表す情報が、医療機関のサーバから上記健康管理支援装置1へ送られ、健康状態情報記憶部2に記憶されたとする。そうすると、先ず支援対象ユーザ選択部4により、上記記憶された健康診断の結果を表す情報をもとに、例えば判定区分が「要経過観察」となっている従業員が支援対象ユーザとして選択される。
【0030】
次に、目標ユーザ選択部5において、健康状態情報記憶部2に記憶されている健康診断の結果を表す情報をもとに、例えば、上記支援対象ユーザと性別および年齢層が一致し、かつ健診結果の過去の判定区分が上記支援対象ユーザの現在の判定区分(「要経過観察」)に対応し、かつ現在の判定区分が「正常」または「略正常」に改善されている従業員が、目標ユーザの候補として選択される。そして、上記目標ユーザの候補のうち、現在の生活習慣スコアが第1のしきい値以上で、かつ現在の生活習慣スコアが過去の生活習慣スコアより第2のしきい値以上改善されているユーザが、目標ユーザとして決定される。
【0031】
続いて、健康管理支援情報生成部6において、例えば、上記目標ユーザとして決定された従業員の現在の生活習慣情報と、アドバイス情報とからなる健康管理支援情報が生成され、この生成された健康管理支援情報が、情報出力部7により上記支援対象のユーザの端末へ電子メール等を用いて送信される。
【0032】
(効果)
従って、上記健康管理支援装置1によれば、例えば、集団健診を受けた従業員群の中から、健診結果が「要経過観察」と判定された従業員が、健康管理の支援対象ユーザとして選択される。また、上記従業員群の中で、当該選択された支援対象ユーザと性別および年齢層が一致し、また健診結果の過去の判定区分が上記支援対象ユーザの現在の判定区分(「要経過観察」)と一致し、かつ現在の判定区分が「正常」または「略正常」に改善されている従業員が、目標ユーザの候補として選択される。そして、この選択された目標ユーザの候補のうち、現在の生活習慣スコアが第1のしきい値以上で、かつ現在の生活習慣スコアが過去の生活習慣スコアより第2のしきい値以上改善されているユーザが、目標ユーザとして決定される。そして、当該目標ユーザの生活習慣に基づいて生成された支援情報が、生活習慣の手本として上記支援対象ユーザに提示される。
【0033】
この結果、健診結果が「要経過観察」と判定されたユーザに対し、健診結果の評価が改善された経歴を持つ他者の生活習慣を、手本として提示することが可能となる。このため、「要経過観察」と判定されたユーザは、上記手本となる他者の生活習慣を参考にして自身の生活習慣の改善に取り組むことが可能となる。
【0034】
しかも、上記目標ユーザの選定に当たって、支援対象ユーザと性別および年齢層が一致し、かつ健診結果について過去に同様の判定がなされたものの現在は改善されているユーザが目標ユーザの候補として選択されるので、支援対象ユーザと状況が類似するユーザを目標ユーザの候補として選定することができる。
【0035】
さらに、目標ユーザの候補の中から、現在の生活習慣スコアが高く、かつ生活習慣スコアの改善度合いの高いユーザが、目標ユーザとして選定されるので、手本としてより好ましい生活習慣を支援対象ユーザに提示することができる。
【0036】
[第1の実施例]
(構成)
図2は、この発明の第1の実施例に係る健康管理支援装置を含むシステムの概略構成図である。
このシステムは、複数の医療情報サーバDSV1〜DSVnと、複数のユーザ端末TM1〜TMkを、ネットワークNWを介して健康管理支援装置SSVに接続可能としたものである。
【0037】
医療情報サーバDSV1〜DSVnは、例えば、健康診断を行う医療機関、または当該医療機関により得られた健診結果を表す情報を管理する事業者のデータサーバからなり、上記健診結果を表す情報をネットワークNWを介して健康管理支援装置SSVへ送信する。健診結果を表す情報は後述する。
【0038】
ユーザ端末TM1〜TMkは、例えば、センサを有するウェアラブル端末、またはスマートフォン等の携帯情報端末の少なくとも一方を有する。そして、上記複数のセンサにより測定されたユーザの生活習慣に係る測定データ、またはユーザ自身が手入力した自身の生活習慣の申告データを、ネットワークNWを介して健康管理支援装置SSVへ送信する機能を有する。
【0039】
生活習慣に係る測定データとしては、例えば、食事データ、運動データおよび睡眠データが含まれる。食事データは、例えば、献立を表すデータ、食事時間および食事回数等を含む。運動データは、例えば、歩数、移動距離および活動量により表される。睡眠データは、例えば睡眠時間を表すデータを含む。なお、食事データには飲酒量や週当たりの飲酒回数等を含めることもできる。
【0040】
またユーザ端末TM1〜TMkは、健康管理支援装置SSVから電子メール等により送信される自端末宛ての健康管理支援情報を受信し、当該支援情報を記憶すると共に表示器に表示する機能も有している。
【0041】
健康管理支援装置SSVは、例えば健康管理支援サービスを行う事業者が運用するクラウドまたはサーバコンピュータからなり、以下のように構成される。
図3はその機能構成を示すブロック図である。
【0042】
健康管理支援装置SSVは、制御ユニット10と、記憶ユニット20と、通信インタフェース部30とを備えている。通信インタフェース部30は、ネットワークNWを介して上記医療情報サーバDSV1〜DSVnおよびユーザ端末TM1〜TMkとの間でデータの送受信を行う。
【0043】
記憶ユニット20は、記憶媒体として、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の随時書込および読み出しが可能な不揮発性メモリと、DRAMなどの揮発メモリを用い、この実施例を実現する上で必要なデータベースとして、健康情報データベース21を備えている。
【0044】
健康情報データベース21は、ユーザの識別情報(ユーザID)に関連付けて、その属性情報と、健診結果を表す情報(健診情報)と、生活習慣を表す情報(生活習慣情報)と、生活習慣をスコア化した情報(生活習慣スコア)とを記憶するために使用される。これらの情報は、健診が行われるごとに最新の情報に更新されるが、前回の検診時に得られた情報は消去されずに残される。
【0045】
属性情報は、例えばユーザ本人の性別と年齢を含む。なお、属性情報には、他に職業や居住地、既往症等を表す情報を含めてもよい。また、属性情報にはユーザの氏名や、連絡先の電話番号と電子メールアドレス情報も含まれる。
【0046】
健診情報は、検査項目ごとの検査値を示す検査データと、当該検査データに対する総合評価結果を表す判定区分を含む。判定区分は、検査データを基準値に基づいて複数段階で評価したものであり、基準値は例えば日本人間ドック協会のガイドラインに基づいて設定される。判定区分は、健康診断を行う医療機関、健康保険組合あるいは自治体により異なり、例えばA〜Hの8段階、1〜5の5段階、A〜Dの4段階で表される。
【0047】
生活習慣情報は、ユーザ端末TM1〜TMkから送信された情報であり、先に述べたように、例えば、ユーザの日常の食事や睡眠、運動等を表す情報を含む。具体的には、「食事」は回数と時間帯、献立の内容等により、「睡眠」は睡眠時間により、「運動」は活動量によりそれぞれ表される。
【0048】
生活習慣スコアは、ユーザの健康状態の維持又は改善への取り組み度合いを示すもので、例えばユーザごとにその生活習慣情報に基づいて計算される。この生活習慣スコアの計算方法については後述する。
【0049】
制御ユニット10は、ハードウェアとしてCPU(Central Processing Unit)および作業メモリを有し、第1の実施例を実施する上で必要な制御機能として、健診情報取得制御部11と、生活習慣情報取得制御部12と、スコア算出部13と、支援対象ユーザ選択部14と、目標ユーザ選択部15と、支援情報送信制御部16とを備えている。これらの制御機能部は、いずれも図示しないプログラムメモリに格納されたプログラムを上記CPUに実行させることにより実現される。
【0050】
健診情報取得制御部11は、上記医療情報サーバDSV1〜DSVnから送信されるユーザの健診情報(判定区分を含む)を、通信インタフェース部30を介して受信する。そして、当該健診情報をユーザIDと関連付けて健康情報データベース21に記憶させる処理を行う。なお、健康情報の取得方式は、医療情報サーバDSV1〜DSVnから健康情報が送信されるごとに当該健診情報を受信するプッシュ方式と、医療情報サーバDSV1〜DSVnに対し送信要求を送信して健診情報を取得するポーリング方式のいずれであってもよい。
【0051】
生活習慣情報取得制御部は、例えば、上記健診情報の取得に応動して、該当するユーザ端末TM1〜TMkに対し生活習慣情報の送信要求を送り、当該要求に応じてユーザ端末TM1〜TMkから送信された生活習慣情報を通信インタフェース部30を介して受信する。そして、当該生活習慣情報をユーザIDに関連付けて健康情報データベース21に記憶させる処理を行う。
【0052】
スコア算出部13は、上記健康情報データベース21に記憶された生活習慣情報に基づいて、ユーザごとに健康状態の維持又は改善への取り組み度合いを示す生活習慣スコアを算出する。そして、算出した生活
習慣スコアを、ユーザIDと関連付けて健康情報データベース21に記憶させる処理を行う。
【0053】
支援対象ユーザ選択部14は、上記健康情報データベース21に健康情報が記憶された複数のユーザの中から、健診情報の判定区分が例えば「要経過観察」となっているユーザを健康管理の支援対象ユーザとして選択する処理を行う。
【0054】
目標ユーザ選択部15は、以下の処理機能を有する。
(1) 上記健康情報データベース21に記憶されている属性情報をもとに、上記支援対象ユーザ選択部14により選択された支援対象ユーザと性別および年齢層が一致するユーザを選択する処理。
【0055】
(2) 上記健康情報データベース21に記憶されている健診情報を参照し、その検査データに対する前回の判定区分が上記支援対象ユーザの今回の判定区分(「要経過観察」)に対応し、かつ今回の判定区分が「正常」または「略正常」に改善されているユーザを、目標ユーザ候補として選択する処理。
【0056】
(3) 上記健康情報データベース21に記憶されている生活習慣スコアを参照し、上記選択した目標ユーザ候補の中で、今回の生活習慣スコアが第1のしきい値以上で、かつ今回の生活習慣スコアが前回の生活習慣スコアより第2のしきい値以上改善されているユーザを、目標ユーザとして決定する処理。
【0057】
支援情報送信制御部16は、上記決定された目標ユーザの生活習慣情報を上記健康情報データベース21から読み出し、この生活習慣情報にアドバイスメッセージを付加した健康管理支援情報を生成する。そして、上記支援対象ユーザの属性情報に含まれるアドレス情報を使用し、当該支援対象ユーザの端末へ、上記生成された健康管理支援情報を送信する処理を行う。
【0058】
(動作)
次に、以上のように構成された健康管理支援装置SSVの動作を説明する。
図4は、健康管理支援装置SSVによる健康管理支援制御の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0059】
(1)健診情報の取得
例えば医療機関において、各ユーザについて健康診断が行われると、この健診により得られた検査データと、当該検査データに対し医師が判定した総合評価を示す判定区分が、健診情報として、医療情報サーバDSV1〜DSVnに一旦蓄積される。
【0060】
健康管理支援装置SSVは、健診情報取得制御部11の制御の下、ステップS11において健診情報の取得タイミングになると、医療情報サーバDSV1〜DSVnに対し、一斉もしくは順次健診情報の送信要求を送信する。これに対し医療情報サーバDSV1〜DSVnは、自己宛の送信要求を受信すると、前回送信要求を受信してから今回の送信要求を受信するまでの期間に蓄積された各ユーザの未送信の健診情報を、要求元の健康管理支援装置SSVへ送信する。
【0061】
健康管理支援装置SSVの健診情報取得制御部11は、上記医療情報サーバDSV1〜DSVnから送信された健診情報を、ステップS12において通信インタフェース部30を介して取り込み、この健診情報をユーザIDに関連付けて健康情報データベース21に格納する。なお、このとき、前回受信した健診情報は、消去せずに健康情報データベース21に残す。
【0062】
以後同様に、健康管理支援装置SSVの健診情報取得制御部11は、健診情報の取得タイミングになるごとに医療情報サーバDSV1〜DSVnに対し送信要求を送信し、未取得の健診情報を取得して健康情報データベース21に格納する。
【0063】
(2)生活習慣情報の取得
ユーザ端末TM1〜TMkでは、ユーザの生活習慣に係る情報として、例えば食事データ、運動データ、睡眠データが生成され、端末内のメモリに蓄積される。食事データは、例えば、献立データ、食事時間および食事回数等を含み、献立データは料理サイトからレシピをダウンロードしたり、実際に調理した料理または食材をカメラで撮影することにより得られる。食事時間および食事回数は、1日における上記献立データのダウンロード時刻とダウンロード回数により特定することが可能であるが、ユーザが手操作で入力するようにしてもよい。
【0064】
運動データは、例えば歩数、移動距離または活動量により表され、これらはウェアラブル端末またはスマートフォンに搭載された加速度センサ、位置センサまたは活動量計等により測定できる。睡眠データは、例えば睡眠時間を表すデータを含み、この睡眠時間は光センサおよび加速度データにより得ることができる。
【0065】
健康管理支援装置SSVは、生活習慣情報取得制御部12の制御の下、ステップS13において生活習慣情報の取得タイミングになると、ユーザ端末TM1〜TMkに対し、一斉もしくは順次生活習慣情報の送信要求を送信する。これに対しユーザ端末TM1〜TMkは、自己宛の送信要求を受信すると、直近に生成した生活習慣情報を、要求元の健康管理支援装置SSVへ送信する。
【0066】
健康管理支援装置SSVの生活習慣情報取得制御部12は、上記ユーザ端末TM1〜TMkから送信された生活習慣情報を、ステップS14において通信インタフェース部30を介して取り込み、この生活習慣情報をユーザIDに関連付けて健康情報データベース21に格納する。なお、このとき、前回受信した生活習慣情報は、消去せずに健康情報データベース21に残す。
【0067】
図6は、以上のようにして取得した、ユーザU1,U2,…の属性情報と、健診情報(検査データMD1,MD2,…および判定区分)と、生活習慣情報HC1,HC2,…の一例を示すものである。なお、
図6では、属性情報として性別と年齢を取得した場合を例示しているが、職業や居住地、既往症等を含めてもよい。属性情報は、健診情報から抽出することが可能であるが、ユーザ端末TM1〜TMkにおいてユーザが手入力した情報であってもよい。
【0068】
(3)生活習慣スコアの算出
健康情報データベース21において生活習慣情報が更新されると、健康管理支援装置SSVは、スコア算出部13の制御の下、ステップS15において、上記更新された生活習慣情報に基づいて生活習慣のスコアを計算する。
【0069】
例えば、食事データ、運動データおよび睡眠データのスコアをそれぞれα,β,γとしたとき、生活習慣スコアTscoreは
Tscore=w
1α+w
2β+w
3β
として計算できる。なお、w
1,w
2,w
3は重み係数であり、それぞれ生活習慣に及ぼす食事、運動および睡眠の影響の度合いに応じて決定される。
【0070】
食事データのスコアαは、例えば、献立データからカロリーおよび塩分量を推定し、このカロリーおよび塩分量の推定値に、一日の食事時間と食事回数に対応する係数を乗算することにより算出できる。運動データのスコアβは、例えば、歩数、移動距離および活動量に係数を掛けて合計することにより算出できる。睡眠データのスコアγは、睡眠時間に一定の係数を乗算することにより算出できる。
【0071】
なお、生活習慣スコアTscoreの算出に当たっては、上記食事データ、運動データおよび睡眠データの他に、健診情報に含まれるBMI(Body Mass Index)や血圧値等を加味するようにしてもよい。
【0072】
スコア算出部13は、以上のようにして算出された生活習慣スコアTscoreを、ユーザIDと関連付けて健康情報データベース21に格納する。
図6の例では、SC1,SC2,…がこれに相当する。なお、健康情報データベース21の生活習慣スコアの記憶領域には、前回の生活習慣スコアに対する今回の生活習慣スコアの増減値が併せて記憶される。この増減値は、生活習慣の改善度合いを示すもので、後に目標ユーザを選択する際の1つの指標として用いられる。
【0073】
(4)支援対象ユーザの選択
次に健康管理支援装置SSVは、支援対象ユーザ選択部14の制御の下、ステップS16において、健康情報データベース21に健康情報が記憶されている複数のユーザの中から、健康状態の改善が必要なユーザを一人選択する。
【0074】
例えば、健康情報データベース21から、ユーザごとに健康情報に含まれる判定区分を読み出し、この判定区分が「C=要経過観察」となっているユーザを選択する。なお、「C=要経過観察」に限らず、判定区分が「D=要医療」、「F=要治療継続」と評価されているユーザを選択するようにしてもよい。
【0075】
(5)目標ユーザの選択
続いて健康管理支援装置SSVは、目標ユーザ選択部15の制御の下、ステップS17において、健康情報データベース21に生活習慣情報が記憶されている複数のユーザの中から、上記選択された支援対象ユーザにとって健康状態の改善目標となるユーザを選択する処理を行う。
【0076】
図5は、上記目標ユーザの選択処理の手順と処理内容を示すフローチャートである。
目標ユーザ選択部15は、先ずステップS21において、上記健康情報データベース21に記憶されている属性情報を参照して、上記ステップS16により選択された支援対象ユーザと性別が一致するユーザを選択する。続いてステップS22において、上記ステップS21により選択された同性のユーザの中から、年齢層が一致するユーザを選択する。この結果、例えば支援対象ユーザが「54歳」の「男性」であれば、健康情報データベース21に登録されたユーザの中から、「50歳台」の「男性」ユーザが目標ユーザの候補として選択される。なお、選択対象の年齢層については、10歳刻みではなく5歳刻みでもよく、また支援対象ユーザと同一年齢またはその前後1歳違いのユーザに限ってもよい。
【0077】
目標ユーザ選択部15は、次にステップS23において、上記選択された同性でかつ年齢層が同一の目標ユーザ候補の中に、判定区分の条件を満たすユーザが存在するか否かを判定する。そして、条件に該当するユーザが存在すれば、ステップS24において上記目標ユーザ候補を上記判定区分の条件を満たすユーザに絞り込む。
【0078】
例えば、健康情報データベース21に記憶されている健診情報を参照し、前回の判定区分が上記支援対象ユーザの今回の判定区分(例えば「C=要経過観察」)に対応し、かつ今回の判定区分が「A=正常」または「B=略正常」に改善されているユーザに、目標ユーザ候補を絞り込む。
【0079】
この結果、例えばいま健康情報データベース21に
図6に示す各ユーザに関する情報が記憶されているとすると、「50歳台」の「男性」ユーザU1,U2,U4,Uiの中から、前回の判定区分が「C=要経過観察」で、かつ今回の判定区分が「A=正常」または「B=略正常」に改善されているユーザU1,Uiが目標ユーザ候補として選択される。
【0080】
目標ユーザ選択部15は、さらにステップS25において、上記選択された目標ユーザ候補U1,Uiの中に、生活習慣スコアの条件を満たすユーザが存在するか否かを判定し、該当ユーザが存在すれば、ステップS26により当該ユーザを目標ユーザとして決定する。
【0081】
例えば、健康情報データベース21に記憶されている生活習慣スコアを参照し、上記ステップS24により選択された目標ユーザ候補U1,Uiの中で、今回の生活習慣スコアが第1のしきい値以上で、かつ今回の生活習慣スコアが前回の生活習慣スコアより第2のしきい値以上改善されているユーザを、目標ユーザとして決定する。
【0082】
図6を例にとると、目標ユーザ候補U1,Uiの、今回の生活習慣スコアがいずれも第1のしきい値以上だったとすると、生活習慣スコアの増減値が第2のしきい値(=例えば50)以上のユーザU1が目標ユーザとして決定される。なお、生活習慣スコアの条件を満たすユーザが複数存在する場合は、これらのユーザの中から生活習慣スコアが最も高いユーザあるいは上位の予め設定した人数のユーザが選択される。
【0083】
(6)健康管理支援情報の送信
健康管理支援装置SSVは、続いて支援情報送信制御部16の制御の下、ステップS18において、上記決定された目標ユーザの生活習慣情報を上記健康情報データベース21から読み出し、この生活習慣情報にアドバイスメッセージを付加した健康管理支援情報を生成する。そして、上記支援対象ユーザの属性情報に含まれるアドレス情報を使用し、当該支援対象ユーザの端末へ、上記生成された健康管理支援情報を送信する。
【0084】
例えば、
図6の例では、ユーザU1の生活習慣情報HC1(今回)が読み出され、当該生活習慣情報HC1(今回)に、支援対象ユーザの生活習慣に対する改善アドバイスメッセージが付加される。そして、この健康管理支援情報が支援対象ユーザの端末に蹴れて送信される。
【0085】
なお、上記改善アドバイスメッセージの内容は、例えば、目標ユーザの生活習慣スコアと支援対象ユーザの生活習慣スコアとを、その構成要素ごとに、例えば食事、運動および睡眠ごとに比較し、差が所定値以上の要素を特定して、当該要素に対応するメッセージとなるように定められる。メッセージは、例えば記憶ユニット20内のメッセージデータベース(図示せず)から、該当するものを選択することにより実現できる。
【0086】
健康管理支援装置SSVは、一人の支援対象ユーザに対する支援情報の送信が終了すると、ステップS19において、健康状態の改善が必要な全ユーザを選択し終わったか否かを判定する。そして、この判定の結果、未選択の支援対象ユーザが残っていれば、ステップS16に戻って未選択の次の支援対象ユーザを選択し、上記した(5)〜(6)による処理を繰り返し実行する。そして、健康状態の改善が必要な全ユーザの選択が終了すると、一連の処理を終了する。
【0087】
(効果)
以上詳述したように第1の実施例では、健康管理支援装置SSVにおいて、医療情報サーバDSV1〜DSVnからユーザの健診情報を取得して健康情報データベース21に格納すると共に、ユーザ端末TM1〜TMkから上記ユーザの生活習慣情報を取得して上記健康情報データベース21に格納し、ユーザごとに上記生活習慣情報をもとに健康状態の維持又は改善への取り組み度合いを示す生活習慣スコアを算出して上記健康情報データベース21に格納する。この状態で、上記健康情報データベース21に健康情報が記憶された複数のユーザの中から、健診情報の判定区分が例えば「要経過観察」となっているユーザを健康管理の支援対象ユーザとして選択すると共に、上記健康情報データベース21に記憶されている属性情報、健診情報および生活習慣スコアをもとに、上記支援対象ユーザにとって健康状態の改善の手本なる目標ユーザを選択する。そして、この選択した目標ユーザの生活習慣情報をもとに健康管理支援情報を生成して、上記支援対象ユーザの端末へ送信するようにしている。
【0088】
従って第1の実施例によれば、健診結果が「要経過観察」と判定されたユーザに対し、健診結果の評価が改善された経歴を持つ他のユーザの生活習慣を、手本として提示することが可能となる。このため、「要経過観察」と判定されたユーザは、上記手本となる他のユーザの生活習慣を参考にして自身の生活習慣の改善に取り組むことが可能となる。
【0089】
しかも、上記目標ユーザの選定に当たって、支援対象ユーザと性別および年齢層が一致し、かつ健診結果について前回と同様の評価がなされたものの今回は評価が改善されているユーザが目標ユーザの候補として選択されるので、支援対象ユーザと状況が類似するユーザを目標ユーザの候補として選定することができる。
【0090】
さらに、目標ユーザの候補の中から、現在の生活習慣スコアが高く、かつ生活習慣スコアの改善度合いの高いユーザが、目標ユーザとして選定されるので、手本としてより好ましい生活習慣を支援対象ユーザに提示することができる。
【0091】
[第2の実施例]
第1の実施例では、健診情報の判定区分が全検査項目を総合して評価した総合判定結果となっている場合を例にとって説明した。しかし、健診情報には、例えば
図7に示すように、総合判定区分とは別に、複数の検査項目を機能別にまとめて、これらの機能ごとに評価を行って判定区分を決める場合がある。
【0092】
そこで、支援対象ユーザを選択する際には、上記健診情報の総合判定区分に基づいて対象ユーザを選択し、一方目標ユーザを選択する際には、上記検査項目の機能別の判定区分を参照し、特定の検査項目の機能、例えば「肝機能」または「脂質代謝」について、過去の判定区分が支援対象ユーザの今回の判定区分と同一でかつ今回の判定区分が前回の判定区分より改善しているユーザを、目標ユーザの候補として選択するようにしてもよい。
【0093】
このようにすると、検査項目の機能別に、前回の判定区分が支援対象ユーザの今回の判定区分と同一でかつ今回の判定区分が前回の判定区分より改善しているユーザが、目標ユーザの候補として選択される。このため、支援対象ユーザにとっては、改善が望まれると評価された検査項目についてその後改善した経験を持つ他ユーザを目標として、自身の健康状態の改善に取り組むことが可能となる。
【0094】
なお、
図7の例では検査データを検査項目の機能別に評価し判定区分を設定した場合を例にとって説明したが、検査データを検査項目別に評価してそれぞれ判定区分を設定した健診情報を用いれば、支援対象ユーザにとって、さらに有益の高い支援情報を提供することが可能となる。
【0095】
[その他の実施例]
前記各実施例では、健診情報として、一般的な病院やクリニックで使用されるA〜Hの8段階評価された判定区分を利用して、支援対象ユーザおよび目標ユーザの選択を行う場合を例にとって説明したが、健康保険組合や管理する自治体が採用する1〜5の5段階評価の判定区分やA〜Dの4段階評価の判定区分を利用して、支援対象ユーザおよび目標ユーザの選択を行ってもよい。
【0096】
また、前記各実施例では健康管理支援装置SSVを、医療情報サーバDSV1〜DSVnに対し独立した装置とした場合を例にとって説明したが、健康管理支援装置SSVの機能を、医療情報サーバDSV1〜DSVnのいずれかに設けるようにしてもよい。
【0097】
さらに、前記各実施例では、目標ユーザの選択条件の1つとしてユーザの属性情報を用いたが、属性情報は必ずしも使用しなくてもよい。その他、支援対象ユーザおよび目標ユーザのそれぞれの選択条件、支援情報の内容、健康情報データベースの構成等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
【0098】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0099】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られるものではない。
(付記1)
ハードウェアプロセッサと、当該ハードウェアプロセッサと接続されるメモリとを有し、
前記メモリは、
複数のユーザの各々に関連付けて、当該ユーザの健康状態を表す情報と、生活習慣を表す情報とを記憶する記憶媒体を有し、
前記ハードウェアプロセッサは、
前記記憶された健康状態を表す情報に基づいて、前記複数のユーザの中から健康管理の支援対象となる第1のユーザを選択し、
前記記憶された健康状態を表す情報と、前記記憶された生活習慣を表す情報とに基づいて、前記複数のユーザの中から、前記選択された第1のユーザにとって目標となる健康状態を有する第2のユーザを選択し、
前記選択された第2のユーザの生活習慣を表す情報を前記記憶媒体から読み出し、当該読み出された生活習慣を表す情報に基づいて前記第1のユーザの健康管理を支援するための支援情報を生成し、
前記生成された支援情報を出力するように構成される、
健康管理支援装置。
【0100】
(付記2)
複数のユーザの各々に関連付けて当該ユーザの健康状態を表す情報および前記ユーザの生活習慣を表す情報をそれぞれ記憶する
記憶媒体を有するメモリと、少なくとも1つのハードウェアプロセッサとを備える健康管理支援装置が実行する健康管理支援方法であって、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサおよびメモリを用いて、前記記憶された健康状態を表す情報をもとに、前記複数のユーザから健康の支援対象となる第1のユーザを選択する過程と、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサおよびメモリを用いて、前記記憶された健康状態を表す情報と、前記記憶された生活習慣を表す情報とに基づいて、前記複数のユーザから、前記選択された第1のユーザにとって目標となる健康状態を有する第2のユーザを選択する過程と、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサおよびメモリを用いて、前記選択された第2のユーザの生活習慣を表す情報を前
記記憶媒体から読み出し、当該読み出された生活習慣を表す情報に基づいて前記第1のユーザの健康を支援するための支援情報を生成する過程と、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサおよびメモリを用いて、前記生成された支援情報を出力する過程と
を具備する健康管理支援方法。