特許第6957379号(P6957379)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6957379
(24)【登録日】2021年10月8日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】間仕切パネル
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/00 20060101AFI20211021BHJP
   E06B 3/72 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   E05D15/00 G
   E06B3/72
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-18562(P2018-18562)
(22)【出願日】2018年2月5日
(65)【公開番号】特開2019-135366(P2019-135366A)
(43)【公開日】2019年8月15日
【審査請求日】2021年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【弁理士】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】土山 和功
(72)【発明者】
【氏名】高橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】安立 直也
(72)【発明者】
【氏名】渡部 寛人
(72)【発明者】
【氏名】小林 隆久
【審査官】 芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−2580(JP,A)
【文献】 特開2016−148168(JP,A)
【文献】 特開2009−84950(JP,A)
【文献】 特開2016−69916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00−15/58
E06B 3/54− 3/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に設けられる誘導路に吊支部材を介して吊支され、前記誘導路に沿って移動可能な間仕切パネルであって、
前記間仕切パネルは、間隔をおいて対向配置される一対のパネル部材と、前記パネル部材の上下方向に亘って延び、該一対のパネル部材の側端縁に沿って配置される一対のパネル支持体と、一対の前記パネル支持体の上端部を接続する上部横フレームと、を備え、前記一対のパネル支持体と前記上部横フレームとで前記一対のパネル部材の下方に開放する開口部が形成されており、
前記開口部を閉塞するカバー部材が着脱可能に取付けられていることを特徴とする間仕切パネル。
【請求項2】
前記一対のパネル部材は、透光性を有することを特徴とする請求項1に記載の間仕切パネル。
【請求項3】
前記パネル支持体は、板状を成し、一対の前記パネル部材間に配置されており、
一対の前記パネル部材と前記パネル支持体とは、上下方向に延びる粘着材により固着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の間仕切パネル。
【請求項4】
前記カバー部材の長手方向には、一対の前記パネル部材の下端縁を収容する溝部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の間仕切パネル。
【請求項5】
前記カバー部材は、前記パネル支持体に対して該カバー部材の長手方向に延びるネジで固定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の間仕切パネル。
【請求項6】
前記カバー部材には、該カバー部材と床との間を閉塞可能な閉塞機構が取付けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の間仕切パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス、会議室、ショールーム、店舗等の室内を所定の区画に仕切って使用するための間仕切パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス、会議室、ショールーム、店舗等の室内は、天井に設けられたレールに吊支され、該レールに沿って移動可能な間仕切パネルを連接して所定の区画に仕切って、所望の小区画のレイアウトを実現している。このような間仕切パネルにあっては、連接された際に室内が天井から床に亘って仕切られ閉塞感を与えることがあるため、間仕切パネルを構成するパネル材にガラス板等の透光パネル部材を用いて室内空間に開放感を演出するものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に示される間仕切パネルは、間仕切パネルの厚み方向に対向して配設される一対の透光パネル部材と、一対の透光パネル部材の周囲を取り囲むいわゆる四方枠形状の枠体と、を備えている。枠体は、一対の透光パネル部材の荷重を支持しており、吊支部材により天井に設けられるレールに吊支されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4981582号公報(第5頁、第8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように対向して一対の透光パネル部材が配置される間仕切パネルにあっては、内部のクリーニングや枠体の補修などのメンテナンスを行う場合がある。しかしながら、特許文献1にあっては、四方枠形状の枠体に嵌め込まれる一対の透光パネル部材の荷重を、枠体を構成する下部横フレームが支持する構造となっている。そのため、間仕切パネルの使用状態では下部横フレームを取外すことが実質的にできず、間仕切パネルを吊支した状態で内部にアクセスすることができなかった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、吊支した状態で内部にアクセスすることができる間仕切パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の間仕切パネルは、
天井に設けられる誘導路に吊支部材を介して吊支され、前記誘導路に沿って移動可能な間仕切パネルであって、
前記間仕切パネルは、間隔をおいて対向配置される一対のパネル部材と、前記パネル部材の上下方向に亘って延び、該一対のパネル部材の側端縁に沿って配置される一対のパネル支持体と、一対の前記パネル支持体の上端部を接続する上部横フレームと、を備え、前記一対のパネル支持体と前記上部横フレームとで前記一対のパネル部材の下方に開放する開口部が形成されており、
前記開口部を閉塞するカバー部材が着脱可能に取付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、一対のパネル部材の荷重を一対のパネル支持体と上部横フレームとで支持しているため、間仕切パネルに対してカバー部材を着脱することができ、カバー部材を取外して開口部が開放することで、間仕切パネルを吊支した状態で内部にアクセスすることができる。
【0008】
前記一対のパネル部材は、透光性を有することを特徴としている。
この特徴によれば、間仕切パネルの内部においてカバー部材の上に堆積した塵埃などの異物を、カバー部材を取外すことで除去することができるので、間仕切パネルの美観を保つことができる。
【0009】
前記パネル支持体は、板状を成し、一対の前記パネル部材間に配置されており、
一対の前記パネル部材と前記パネル支持体とは、上下方向に延びる粘着材により固着されていることを特徴としている。
この特徴によれば、高い支持強度且つ簡単な構造でパネル支持体と一対のパネル部材とを一体化できる。
【0010】
前記カバー部材の長手方向には、一対の前記パネル部材の下端縁を収容する溝部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、一対のパネル部材が離間または近接する方向に移動することを防止できる。
【0011】
前記カバー部材は、前記パネル支持体に対して該カバー部材の長手方向に延びるネジで固定されていることを特徴としている。
この特徴によれば、間仕切パネルを吊支した状態であってもカバー部材を取外しやすい。
【0012】
前記カバー部材には、該カバー部材と床との間を閉塞可能な閉塞機構が取付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、カバー部材を取外せば、閉塞機構のメンテナンスを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例における移動間仕切装置を示す正面図である。
図2】間仕切パネルの構造を示す分解斜視図である。
図3】上部閉塞部材及び下部閉塞部材の収納状態を示す縦断面図である。
図4】上部閉塞部材及び下部閉塞部材の閉塞状態を示す縦断面図である。
図5】上部フレームと縦フレームとの連結構造を拡大して示した分解斜視図である。
図6】下部フレームと縦フレームとの連結構造を拡大して示した分解斜視図である。
図7】(a)は上部フレームと縦フレームとの連結構造を拡大して示した上面図、(b)は同じく側面図である。
図8】(a)は下部フレームと縦フレームとの連結構造を拡大して示した下面図、(b)は同じく側面図である。
図9】縦フレームによるガラスパネルの支持構造を示す上面視における断面図である。
図10】(a)は、傾斜させた間仕切パネルの下端部を示した縦断面図であり、(b)は、(a)の間仕切パネルから下部フレームを取外す態様を示した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る間仕切パネルを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0015】
実施例に係る間仕切パネルにつき、図1から図10を参照して説明する。以下、図1の紙面手前側及び図3の紙面右側を移動間仕切装置の正面側(前方側)とし、その前方側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
【0016】
間仕切パネル1は、例えば、オフィス、会議室、ショールーム、店舗等の建物内の室内を所定の区画に仕切るために用いられるものであり、図1に示されるように、本実施例では、複数の間仕切パネル1,1,…を組み合わせて移動間仕切装置10を構成している。
【0017】
移動間仕切装置10は、室内空間の天井面Rに設けられるレール3(誘導路)に沿って移動可能な一対の吊支部材9,9により上端が吊支される複数の間仕切パネル1,1,…から主に構成され、間仕切パネル1,1,…をレール3に沿って所定の位置まで手動で順次移動させ、間仕切パネル1,1,…を左右方向(進行方向)に一列に連接させることができるとともに、後述する上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12がレール3及び床面Fに向けて押し付けられることにより天井面Rから床面Fに亘って室内空間を仕切ることができるようになっている。
【0018】
図2に示されるように、間仕切パネル1は、前後に間隔をおいて対向配置される一対のガラスパネル4,4(パネル部材)と、ガラスパネル4,4を一体に保持する枠部材5(上部フレーム6(上部横フレーム)、縦フレーム7,7(パネル支持体)及び下部フレーム8(カバー部材))と、上部フレーム6及び下部フレーム8に収納される上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12と、上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12を進退動作させる進退機構(図示略)と、から主に構成される二重ガラスパネル構造を成し、パネル材として透明のガラスパネル4が使用されることにより、間仕切パネル1によって仕切られる室内空間の開放感を演出することができるとともに、強度や遮音性に優れている。尚、本実施例では、ガラスパネル4,4と枠部材5とが一体化されてパネル本体20を構成しており、上部閉塞部材11または下部閉塞部材12とそれぞれに対応する各進退機構とが一体化されて上部閉塞機構または下部部閉塞機構を構成している。
【0019】
図3を用いて、先ずガラスパネル4の構造について説明する。ガラスパネル4は、2枚の透明な板ガラス41,41を重合して強化された合わせガラスとなっている。尚、板ガラス41,41は、透明度の高いポリカーボネートやアクリル樹脂製を使用してもよい。
【0020】
次いで、枠部材5の構造について説明する。図2に示されるように、枠部材5は、ガラスパネル4,4の上下方向に亘って延び、該一対のガラスパネル4,4の側端縁に沿って配置される一対の縦フレーム7,7と、一対の縦フレーム7,7の上端部を接続する上部フレーム6と、一対の縦フレーム7,7の下端部に固定される下部フレーム8と、から主に構成され、一対のガラスパネル4,4の上下左右端に沿って配置される、いわゆる四方枠形状を成している。尚、ガラスパネル4,4と枠部材5との接続については、後に詳述する。
【0021】
縦フレーム7は、間仕切パネル1の上下方向に延びる被覆部材70と、間仕切パネル1の上下方向に延び被覆部材70により被覆される芯部材71と、から主に構成され、左右方向に厚みを有する板状を成し、ガラスパネル4,4の間に配設されている。被覆部材70は、アルミ合金等の金属製の押出成形品であり、芯部材71は、左右方向に厚みを有する鋼製の板材である。
【0022】
また、縦フレーム7,7の側部には、それぞれ側部カバー部材76,77が取付けられている。隣接した間仕切パネル1,1が左右方向に連設される際には、側部カバー部材76,77同士が直接接触するため、ガラスパネル4,4の両側端面を保護できるようになっている。尚、側部カバー部材76は、右側に凹む凹部76aを有し、側部カバー部材77は、凹部76aに嵌合可能な凸部77aを有している。また、側部カバー部材76の凹部76aにはゴム等の弾性部材76b(図9参照)が設けられており、隣接した間仕切パネル1,1が左右方向に連設される際には、側部カバー部材76の凹部76aと側部カバー部材77の凸部77aと嵌合により該弾性部材76bが圧接されるため、隣接する間仕切パネル1,1間における密閉性及び遮音性が高められている。
【0023】
図3に示されるように、上部フレーム6は、アルミ合金等の金属製の押出成形品であり、下面側の前後に長手方向に沿って設けられる凹溝部61,61と、上面側の前後略中央部に長手方向に沿って設けられる上部チャンネル部62と、を備えている。凹溝部61は、側方から見て下向きコ字状を成し、ガラスパネル4,4の上端部を上方から嵌合している。上部チャンネル部62は、側方から見て上向きコ字状を成し、上部閉塞機構を収容している。
【0024】
また、図7(a)に示されるように、上部フレーム6は、左右方向に貫通して延びる溝6dを備え、上部フレーム6の左右両端部には、鋼製の上部芯部材63,63(左側のみ図示)が固定されている。詳しくは、溝6dを構成する上壁部6fには、その前後方向中央部に左右方向に沿って切り欠かれたスリット6gが形成されており、前後に分断されている。スリット6gの左右端部には、スリット6gの左右方向中央部よりも前後方向に幅広な幅広部6hが形成されている。また、上部芯部材63は、左右方向に延びる基部63aと、該基部63aの左右方向略中央部には、上方向に突出し吊支部材9を接続可能な筒状の接続部63bと、基部63aにおける接続部63bよりも右側に設けられるネジ孔63c,63cと、が設けられている。
【0025】
左側の上部芯部材63は、上部フレーム6の左端部から溝6dに挿入される。接続部63bの外径は、スリット6gの幅広部6hの前後幅よりも小さく、スリット6gの左右方向中央部よりも大きいため、上部芯部材63を溝6dに挿入したときに接続部63bが幅広部6hの右端部に接触することで、溝6dへの挿入深度が位置決めされる。
【0026】
また、溝6dへの挿入深度が位置決めされた上部芯部材63は、上壁部6fに接触した状態でネジ孔63c,63cを用いて図示しないネジにより上部フレーム6と固定されており、上部芯部材63と上壁部6fとが上下に相対移動することが防止されている。尚、右側の上部芯部材63も左側の上部芯部材63と同様の形態で上部フレーム6に固定されている(図示略)。
【0027】
図3に戻って、下部フレーム8は、アルミ合金等の金属製の押出成形品であり、上面側の前後に長手方向に沿って設けられる凹溝部81,81(溝部)と、下面側の前後略中央部に長手方向に沿って設けられる下部チャンネル部82と、を備えている。凹溝部81は、側方から見て上向きコ字状を成し、ガラスパネル4,4の下端部を下方から嵌合している。下部チャンネル部82は、側方から見て下向きコ字状を成し、下部閉塞機構を収容している。
【0028】
また、図8に示されるように、下部フレーム8は、上部フレーム6を略上下反転した構成であり、溝8d、下壁部8f、スリット8g及び幅広部8hが形成されている。同様に、下部芯部材83は、上部芯部材63を略上下反転し且つ接続部63bを省略した構成であり、基部83a、ネジ孔83c,83cと、が設けられている。そのため、上部フレーム6及び上部芯部材63と同様に、下部フレーム8には、溝8dへの挿入された下部芯部材83が下壁部8fに接触した状態でネジ孔83c,83cを用いて図示しないネジにより下部フレーム8と固定されており、下部芯部材83と下壁部8fとが上下に相対移動することが防止されている。
【0029】
次に、上部閉塞機構及び下部閉塞機構について説明する。図2図4に示されるように、上部閉塞部材11は、アルミ合金等の金属製の押出成形品であり、上部フレーム6と略同一寸法で左右方向に延びており、側方から見て下向きコ字形状を成している。下部閉塞部材12は、アルミ合金等の金属製の押出成形品であり、下部フレーム8と略同一寸法で左右方向に延びており、側方から見て上向きコ字形状を成している。
【0030】
図1に戻って、上部閉塞部材11は、上部フレーム6の上部チャンネル部62に収納された状態において、パネル本体20よりも左側(間仕切り位置への進行方向)に向かって左端部(先端部)が突出している。下部閉塞部材12も同様に、下部チャンネル部82に収納された状態において、パネル本体20よりも左側(間仕切り位置への進行方向)に向かって左端部(先端部)が突出している。
【0031】
図3及び図4に示されるように、上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12は、レール3及び床面Fに対して進退動作するようになっている。また、上部閉塞部材11の上面側の前後及び下部閉塞部材12の下面側の前後には、長手方向に沿って延びるゴム製等のシール部材14が固着されており、特に図4に示されるように、上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12がレール3及び床面Fに近づく方向に延出した状態にあっては、シール部材14がそれぞれ上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12とレール3の下面及び床面Fとの間で圧接され、密閉性及び遮音性が高められる。尚、上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12を進退動作させる進退機構は、捻りコイルバネ、または捻りコイルバネ及びリンク部材を組み合わせたリンク機構等により構成されている。
【0032】
次に、ガラスパネル4,4と枠部材5との接続について図5図10に基づいて説明する。図5図10に示されるように、縦フレーム7は、ガラスパネル4,4間に配置され、縦フレーム7を構成する被覆部材70は、ガラスパネル4,4の対向面4a,4aに沿って上下方向に延びる支持面70a,70b(特に図9参照)が形成されており、ガラスパネル4,4と縦フレーム7とは、支持面70a,70bに沿って上下方向に延びる2条の透明な両面テープ75,75により固着されている(特に図9参照)。具体的には、図9に示されるように、支持面70a,70bには、ガラスパネル4,4側に突出する凸条部72,72がそれぞれ設けられており、凸条部72の突出側先端面72aには、上下方向に沿って両面テープ75,75が貼付されてガラスパネル4,4と縦フレーム7とが固着されている。尚、ガラスパネル4,4の上下両端部は、被覆部材70よりも上下に突出している(図3及び図4参照)。
【0033】
また、被覆部材70により被覆される芯部材71は、板状を成し、被覆部材70よりも上下方向に長尺に構成され、その上下両端部が被覆部材70よりも上下に突出している。芯部材71の上端部は、上部フレーム6の上部チャンネル部62(図3参照)よりも前後方向の寸法が小さく形成されており、上部フレーム6の前後方向略中央且つ上部フレーム6の長手方向内側に挿入された状態(図7(a)及び図9参照)で、上部フレーム6に対して該上部フレーム6の長手方向に延びる一対のネジ13,13で固定されている。
【0034】
さらに、芯部材71の上端部は、当該上端部の外側を覆う上面視略コ字状の上部カバー78とともに、上部フレーム6の長手方向に延びるネジ15で上部フレーム6に予め固定されている鋼製の上部芯部材63に対して固定されることより、上部フレーム6と縦フレーム7とが連結されている。上部芯部材63は、上部フレーム6の長手方向に沿って形成される溝6dに挿入され、該上部フレーム6に対して固定されており、上方から上部閉塞部材11を介して吊支部材9が接続されている(図7(b)参照)。尚、図7(b)においては、説明の便宜上、上部カバー78の構成の図示を省略している。
【0035】
次いで、下部フレーム8の取付けについて説明する。下部フレーム8は縦フレーム7,7に着脱可能に取付けられており、下部フレーム8を縦フレーム7,7に取付けることで、ガラスパネル4,4の下方に開放する開口部A(特に図10参照)は閉塞される。
【0036】
芯部材71の下端部には、下部フレーム8が取付けられている。この芯部材71の下端部は、下部フレーム8の下部チャンネル部82(図3参照)よりも前後方向の寸法が小さく形成されており、下部フレーム8の前後方向略中央且つ下部フレーム8の長手方向内側に挿入した状態(図8(a)参照)で、下部フレーム8に対して該下部フレーム8の長手方向に延びる一対のネジ17,17で固定されている(図8(b)参照)。
【0037】
さらに、芯部材71の下端部は、当該下端部の外側を覆う上面視略コ字状の下部カバー79とともに、下部フレーム8の長手方向に延びるネジ18で下部フレーム8に予め固定されている鋼製の下部芯部材83に対して固定されることより、下部フレーム8と縦フレーム7とが連結されている。下部芯部材83は、下部フレーム8の長手方向に沿って形成される溝8dに挿入され、該下部フレーム8に対して固定されている(図8(b)参照)。尚、図8(b)においては、説明の便宜上、下部カバー79の構成の図示を省略している。
【0038】
ここで、枠部材5は、剛性の高い鋼製の上部芯部材63と芯部材71とがL字状に連結されることにより、上部フレーム6と縦フレーム7との連結構造の構造強度を確保し、縦フレーム7,7により固着されるガラスパネル4,4の荷重を上部芯部材63,63及び芯部材71,71により支持している。
【0039】
すなわち、縦フレーム7,7と上部フレーム6とで実質的にガラスパネル4,4を支持している。そして、下部フレーム8は、ガラスパネル4,4の荷重を支持するため機能を必要としておらず、下部フレーム8を小さく構成することができる。これにより、後述するように下部フレーム8を取外す際に、間仕切パネル1を傾斜させる角度を小さくできる。
【0040】
次に、下部フレーム8の取外しについて主に図10に基づいて説明する。尚、本説明において、下部閉塞機構は収納状態にあるものとする。図8(a)に示される状態からネジ18とともに下部カバー79を取外し、図8(b)に示される状態となる。その後、ネジ17,17を取外し、吊支部材9,9を回動基準として間仕切パネル1の下端を後方側へと移動させ、間仕切パネル1を傾斜させ、図10(a)に示される状態となる。次に、図10(a)に示されるように、ガラスパネル4,4に沿って下方側に(矢印方向に)下部フレーム8を移動させることで、凹溝部81,81がガラスパネル4,4の下端部から離脱し、図10(b)に示されるように、下部フレーム8を間仕切パネル1から取外すことができる。尚、ネジ17,17,18及び下部カバー79は、間仕切パネル1を傾斜させた後、取外してもよい。
【0041】
一方、取外した下部フレーム8は、取外しの手順と逆の手順を行うことで間仕切パネル1に取付けることができる。
【0042】
以上説明したように、本実施例の間仕切パネル1は、一対のガラスパネル4,4の荷重を一対の縦フレーム7,7と上部フレーム6とで支持しているため、間仕切パネル1に対して下部フレーム8を着脱することができ、下部フレーム8を取外して開口部Aが開放することで、間仕切パネル1を吊支した状態で内部にアクセスすることができる。
【0043】
また、ガラスパネル4,4は透光性を有しているため、間仕切パネル1の内部において下部フレーム8の上に堆積した塵埃などの異物を、下部フレーム8を取外すことで除去することができるので、間仕切パネル1の美観を保つことができる。
【0044】
また、縦フレーム7は、板状を成し、一対のガラスパネル4,4間に配置されており、一対のガラスパネル4,4と縦フレーム7とは、上下方向に延びる両面テープ75,75により固着されているため、高い支持強度且つ簡単な構造で縦フレーム7と一対のガラスパネル4,4とを一体化できる。
【0045】
また、上部フレーム6及び下部フレーム8の長手方向には、一対のガラスパネル4,4の上下両端部をそれぞれ収容する凹溝部61,61または凹溝部81,81が設けられているため、間仕切パネル1を移動させるときや間仕切パネル1,1,…を連接させるときの衝撃などにより、一対のガラスパネル4,4が離間または近接する方向に移動することを防止できる。そのため、両面テープ75,75からガラスパネル4,4を剥がす方向に力が働くことを抑制でき、ガラスパネル4,4の剥がれ落ちを防止でき耐震性も向上する。
【0046】
また、下部フレーム8は、縦フレーム7に対して該下部フレーム8の長手方向に延びるネジ17,17,18で固定されているため、間仕切パネルを吊支した状態であってもカバー部材を取外しやすい。
【0047】
また、下部フレーム8には、該下部フレーム8と床面Fとの間を閉塞可能な下部閉塞機構が取付けられているため、下部フレーム8を取外せば、下部閉塞機構のメンテナンスを行うことができる。
【0048】
また、縦フレーム7,7において、芯部材71,71を鋼製等の剛性の高い素材により構成し、芯部材71,71を薄く構成したアルミ合金製の被覆部材70,70で被覆することにより、縦フレーム7,7を左右方向の厚みの薄い板状に構成しつつ、芯部材71,71により縦フレーム7,7の縦方向の強度を確保できる。
【0049】
また、上部フレーム6においても、一対の上部芯部材63,63を鋼製等の剛性の高い素材により構成し、上部芯部材63,63を薄く構成したアルミ合金製の上部フレーム6で被覆することにより、上部フレーム6全体を小さく構成しつつ、上部芯部材63,63により上部フレーム6の構造強度を確保できる。下部フレーム8および一対の下部芯部材83,83についても同様である。
【0050】
また、上部フレーム6に一体に取付けられる上部芯部材63,63に間仕切パネル1を吊支する吊支部材9,9が接続されることにより、上部芯部材63,63を被覆する上部フレーム6に必要な構造強度をより小さくすることができるため、上部フレーム6を薄く構成できる。
【0051】
このように、枠部材5が上部フレーム6、一対の縦フレーム7,7及び下部フレーム8が一体に連結された四方枠形状として構成されることにより、枠部材5の構造強度を確保しながら、間仕切パネル1における枠部材5の大きさを抑えることができる。このように、間仕切パネル1における枠部材5を薄く形成することができるため、ガラスパネル4,4のパネル面の領域が相対的に大きくなり、ガラスパネル4,4のパネル面の領域を広くとることで見栄えが良く、且つ視認性が良くなるので室内空間に開放感を演出することができる。
【0052】
尚、本実施例では、上部フレーム6に上部芯部材63を予め固定した後、上部芯部材63に縦フレーム7を固定する形態を例示したが、上部芯部材63と縦フレーム7を固定した後、上部芯部材63を上部フレーム6に固定するようにしてもよい。
【0053】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0054】
例えば、前記実施例では、ガラスパネル4,4が前後に2枚設けられる間仕切パネル1について説明したが、これに限られず、間仕切パネルは、ガラスパネル4が1枚または3枚以上の複数設けられるものであってもよい。
【0055】
また、前記実施例では、パネル部材としてガラスパネル4,4を利用する形態を例示したが、これに限られず、例えば、パネル部材は、透光性を有さない非透光パネル部材で構成されていてもよい。
【0056】
また、前記実施例では、枠部材5を構成する一対の縦フレーム7,7に対して一対のガラスパネル4,4がそれぞれ両面テープ75,75により固着されて支持されるものについて説明したが、これに限らず、ガラスパネル4,4は、縦フレーム7,7だけでなく、上部フレーム6に対して両面テープにより固着されていてもよい。また、上部フレーム6及び縦フレーム7,7に対するガラスパネル4,4の固着は、両面テープによるもの限らず、接着剤や粘着剤が使用されてもよい。また、一対のガラスパネル4,4と縦フレーム7,7とを固着する粘着材は、上下方向に分割されていてもよい。
【0057】
また、前記実施例では、下部フレーム8を取外す際に、間仕切パネル1を傾斜させる態様として説明したが、これに限らない。例えば、高さの低い箇所の床面があればその箇所まで間仕切パネル1を移動させ、間仕切パネル1を前後方向へ傾斜させることなく(略鉛直方向に吊支された状態で)取外してもよい。
【0058】
また、上部フレーム6及び下部フレーム8は、凹溝部61,61または凹溝部81,81が設けられているものに限らず、設けられていなくともよい。
【0059】
また、上部フレーム6に一体に取付けられる上部芯部材63,63は、左右に分割されるものに限らず、上部フレーム6の長手方向に亘って一体に構成されていてもよい。下部芯部材83,83についても同様に、下部フレーム8の長手方向に亘って一体に構成されていてもよい。
【0060】
また、上部芯部材63、下部芯部材83および芯部材71は、鋼製のものに限らず、少なくとも上部フレーム6及び被覆部材70を構成する素材(アルミ合金等)よりも剛性の高い素材から構成されていればよい。さらに、上部フレーム6及び被覆部材70は、アルミ合金製以外の金属や木材及び合成樹脂等から構成されていてもよい。
【0061】
また、上部フレーム6は、上部芯部材63,63が一体に取付けられていなくてもよく、この場合、縦フレーム7の芯部材71に吊支部材9が直結される。下部フレーム8についても同様に、下部芯部材83,83が一体に取付けられていなくともよい。
【0062】
また、下部フレーム8は、ネジ17,17,18で縦フレーム7に対して固定されている態様として説明したが、これに限らず、ネジ17,17またはネジ18だけ、あるいは他のネジやボルトナット、磁石、進退動作可能なフック等、縦フレーム7に対して着脱可能に固定されていればよい。
【符号の説明】
【0063】
1 間仕切パネル
3 レール(誘導路)
4 ガラスパネル(パネル部材)
6 上部フレーム(上部横フレーム)
7 縦フレーム(パネル支持体)
8 下部フレーム(カバー部材)
9 吊支部材
10 移動間仕切装置
12 下部閉塞部材
17 ネジ
18 ネジ
81 凹溝部(溝部)
A 開口部
R 天井面
F 床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10