【文献】
SATO,Hajime,Preliminary study of hair form of Japanese head hairs using image analysis,Forensic Science International, [online],Volume 131, Issues 2-3,2003年01月29日,Pages 202-208,[令和2年9月23日検索], インターネット <URL:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0379073802004504>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
毛髪用製品の消費者は、多くのヘアケアブランドの製品の範囲が次第に大きくなっているという事実もあって、大量の利用可能な製品から選択をすることができる。
【0003】
これらの製品の範囲は、シャンプー、コンディショナー、トリートメントおよびスタイリングの製品を含む様々な製品のカテゴリを網羅し得る。各製品カテゴリ内で、ブランドは、所与の目的の髪質に対する特定のニーズに対処すべく選択された各バージョンの成分を含む多数のバージョンの製品を製造することができる。例えば、所与の髪質は、ストレートヘア、ウェーブのある髪、縮れ毛、濃い髪、くせ毛、薄い髪、色処置された髪、およびダメージのある髪の1つ以上を含むことができる。
【0004】
その目的とする髪質用に、明確に、各バージョンの製品を市販し得る。しかし、実際にどの髪質に属しているのかを消費者が正確に特定しづらい場合があり、そのため膨大に選択肢が並んでいることで混乱する可能性がある。消費者があるバージョンの製品を選択するとき、その選択は通常、自分自身の髪質の自らの認識だけに基づいており、特に、広告や、友人や家族との相対的な比較などの外的な要因に基づいている場合、その認識が不正確な場合がある。さらに、「濃い髪」や「薄い髪」などの用語は、誤って解釈される可能性がある。例えば、消費者は個々の毛髪が多く生えていることがあるが、個々の毛髪が各々平均直径よりも細いことがある。
【0005】
毛髪用製品の最適な選択は、消費者が自分の髪をどのようなスタイルにするかに依存し得る。例えば、消費者は自然の縮毛を有するが、髪をドライヤーで乾かしてストレートにすることもある。このような状況では、消費者が自分のスタイリング後の髪質を分類するのを困難だと思う場合がある。消費者は、毛髪が縮れているか、ストレートか、その間にあるとみなすことが可能である。
【0006】
したがって、現在の市場では、消費者が誤って自らを特定の髪質に割り当てて、特定のバージョンの製品を選択することが容易であり、その成分は実際の毛髪の特性に最も適合しているものではない場合がある。このように最適に満たないバージョンの製品を選択することは、顧客の低い満足度につながる可能性がある。
【0007】
したがって、毛髪用製品の消費者が、ヘアケア用製品のどのバージョンが自分に最も適しているかについて、より正確で情報に基づく選択ができるようにする必要性がある。
【発明の概要】
【0008】
裸眼または従来の光学顕微鏡を用いて、毛髪の太さや曲率などの巨視的な特徴の評価を得ることは可能であるが、このような検査は、様々な使用者の視力に差異があることなどから、常に、信頼できるものではない。したがって、そのような巨視的な検査に基づいてヘアケア製品を選択することは、ヘアケア製品の最適な選択、および結果として得られる顧客の満足につながる可能性が低い。最も広い意味で、本発明は、使用者の識別に頼らない、使用者の髪質の指標を測定するための、より信頼性があり、かつ使い易い方法/システムを提供することによって、この問題に対処する。したがって、焦点の合ったヘアケアの推奨が、最小限の人間の入力を必要とする方法で、自動的に得られ、それを提供するスキームは使用者により異ならない。
【0009】
本発明は、第1の態様によれば、使用者の髪質の指標を測定する方法であって、モバイル機器を準備するステップと;1つ以上の基準マーカを含む基準カードを準備するステップと;基準カードの表面に1本以上の使用者の毛髪を準備するステップと;モバイル機器を用いて前述の1本以上の毛髪の1つ以上の画像を取得するステップと;基準カードに沿って1本以上の毛髪のそれぞれのパスを識別するステップと;各毛髪のカーブをその識別されたパスから計算するステップとを含む方法を提供することによって、これを達成する。
【0010】
このように、本発明の第1の態様は、モバイル機器と、1つ以上の基準マーカを含む基準カードとを使用する使用者の髪質の指標を測定する方法であって、
基準カードの表面に1本以上の使用者の毛髪を準備するステップと;
モバイル機器を用いて前述の1本以上の使用者の毛髪の1つ以上の画像を取得するステップと;
基準カードに沿って1本以上の毛髪のそれぞれのパスを識別するステップと;各毛髪のカーブをその識別されたパスから計算するステップと
を含む方法を提供することができる。
【0011】
本出願において、「髪質」という用語は、とりわけ、毛髪の太さまたは直径、または毛髪の曲率、カーブまたは縮れ(そのような用語は、交換可能に使用され得る)を示すと理解され得る。
【0012】
したがって、カーブの計算に加えて、取得された画像から毛髪の太さまたは直径を計算することもできる。取得された画像からこれらを計算することにより、本発明の第1の態様の方法を使用せずに、例えば毛髪を目視で調べるだけで使用者が自分で得ることができる毛髪の太さおよび曲率の非常に粗い推定値よりも、良好な結果を得ることができる。
【0013】
基準カードの表面に1本以上の使用者の毛髪を準備するステップは、基準カードの表面に単にカードを置くことを含むことができる。本発明による方法では、後述するように、毛髪を表面に平らに固定する必要がない。このことは、所与の毛髪の直径およびカーブの両方に関する計算を歪める可能性がある。
【0014】
取得される画像は、それぞれが関連する光強度値を有する複数のピクセルを含むことができる。画像は、基準カードの表面上の各毛髪の幾何学的形状を含み、これは画像内のその毛髪の形状を表し、画像内のピクセルの光強度を使用して検出することができる。言い換えれば、各毛髪は、取得された画像内の関連する幾何学的形状を有する。毛髪の幾何学的形状は、パス情報(または「パス」)および寸法情報(または「寸法」)を含むと考えてもよい。寸法情報は、問題の毛髪の直径または太さを含むことが好ましい。パスは、全長に沿ったすべての点における所与の毛髪の方向、すなわち所与の毛髪が画像を経るルートを表す。パス情報と寸法情報は、分けることが可能であると好ましい。
【0015】
したがって、毛髪の直径は、毛髪の幾何学的形状から計算されてもよい。識別されたパスは、毛髪の直径の計算にも有用である。例えば、取得された画像においてそれ自体の上を交差している縮毛、すなわち毛髪のパスがそれ自体交差している縮毛を考慮されたい。ここでは、毛髪のパスの識別は、数本の毛髪が互いに交差しているのではなく、1本の毛髪だけが存在していてそれ自体が交差しているということが、確実に分かるようにしている。したがって、毛髪のパスの識別は、余分な直径の計算が実行されないことを保証する。基準カード上に複数の毛髪がある場合も同様の状況が発生する。ここで、各毛髪のパスの識別は、各毛髪の直径の計算が確実に行われ、少なすぎる計算も多すぎる計算も行わないようにする。前の2つの例では、パスが識別されると、直径の計算は、それぞれの各毛髪の幾何学的形状から実行され得る。
【0016】
上記から理解されるように、1本以上の毛髪の位置合わせは必要ではなく、複数の毛髪を使用する場合、いかなる毛髪の重なりまたは交差があっても問題ではない。本発明のパス識別ステップに起因して、単一の毛がそれ自体の上を交差しても問題ではない。
【0017】
このように、特許請求しているシステムは、毛髪の定量分析のための、単純ではあるが正確な機構を提供する。実際の測定を行うことにより、消費者は自分の髪質を正確に識別する可能性がより高くなる。結果として、その識別に基づいて、髪質の定性的記述から生じるエラーが防止できるので、消費者は毛髪に最適な製品を選択する可能性がより高くなる。したがって、顧客が満足する見込みは高まる。
【0018】
好都合なことに、システムは自宅で使用者自身が実施することができ、いずれの複雑で高価な実験設備も必要ではない。
【0019】
基準カード上の基準マーカは、特に毛髪の寸法に関して画像の較正を可能にする。
【0020】
例えば、基準マーカは、その後の画像処理において、特に毛髪の直径の計算において使用され得る既知の寸法を示すことができる。具体的には、毛髪の直径の計算は、取得された画像における毛髪の直径(例えば、幾何学的形状からの)と、(1または複数の)基準マーカによって示される既知の寸法との比較を含むことができる。したがって、基準マーカに関する情報は、好ましくは、直径または他の幾何学的特性の計算に使用する。基準マーカの他の有益な特徴は、本発明の他の構造的および機能的特徴を参照して、本出願のさらに後ろに記載する。
【0021】
本発明の任意選択の特徴をこれから説明する。それらは単独で、または本発明の任意の態様と任意に組み合わせて適用可能である。
【0022】
有利には、基準カードは、任意の種類の取り付け部分または(1または複数の)接着領域を含む必要はない。これは、縮毛の任意の測定に特に有利である。なぜなら、縮毛は固有の弾力性を有し、したがってカードに取り付けることがより困難な可能性があるからである。
【0023】
画像を取得するステップは、画像が機器の焦点から外れているように見える場合に、再焦点合わせステップを含むことができる。
【0024】
1つ以上の画像を取得することは、単にモバイル機器を基準カードの上に保持し、おそらくモバイル機器の専用ボタンまたはタッチスクリーンの要素を使用して、画像取込み機能を作動させることによって実行できてもよい。
【0025】
モバイル機器は、基準カード上の1本以上の毛髪の画像を取込むためのデジタル撮像機器(例えばカメラ)を備えることができる。このように、モバイル機器は、画像を取込み、さらにそれを取得して処理するように構成されている。デジタル撮像機器に加えて、モバイル機器はディスプレイを含むことができる。
【0026】
ディスプレイは、デジタル撮像機器を使用して取込まれた取得画像を表示するように構成してもよい。モバイル機器は、画像のライブラリを記憶するデータベースを含むことができ、好ましくは、モバイル機器は、デジタルの画像取込み機器を使用して取得された画像をデータベースに記憶するように構成され得る。モバイル機器は、さらなる処理のためにデータベースから画像を検索するように構成されてもよく、ここで前述のさらなる処理は、1本以上の毛髪の1つ以上の画像を取得するステップに続いて実行される、本明細書に開示される任意の方法ステップを含み得る。1つ以上の画像を取得するステップが、モバイル機器上にデジタル撮像機器の入力のリアルタイムビューを(例えば、ディスプレイ上に)もたらすステップと;リアルタイムビューの上に重ねて、1つ以上の基準マーカのうちの1つ以上と同じ形状を有するオーバーレイをもたらすステップとを含んでいてもよい。
【0027】
オーバーレイが基準マーカと同じ形状を有するとき、これは、オーバーレイがリアルタイムビューに示された基準マークと重なるように、使用者がモバイル機器を位置決めできることを確実にする。その結果、画像が取得されるときに所望の位置合わせが達成され得る。リアルタイムビューで基準マークとオーバーレイを並べることにより、基準カードからの所望の向きおよび所望の距離の両方を達成することができる。明らかに、これは、取得された画像に望ましい解像度を提供するか、より広い視野を可能にするような(すなわち、1本以上の毛髪が、取得された画像内に完全に示されるのを確実にする)方向/距離を選択することができるため、有利である。したがって、この方法のいくつかの実施形態では、1本以上の使用者の各毛髪の全体が、1つ以上の基準マーク内に提供される。すなわち、いかなる毛髪のどの部分も1つ以上の基準マーカの外に存在していない。
【0028】
第1の画像取込みステップの間に第1の基準マーカと位置合わせするための第1のオーバーレイが提供され、第2の画像取込みステップの間に第2の基準マーカと位置合わせするための第2のオーバーレイが提供されていてもよい。
【0029】
前述の1本以上の使用者の毛髪の画像を取得するステップが、基準カード上の1本以上の毛髪の、基準カードから第1の距離で撮影される第1の画像を取得するステップと;基準カード上の同じ1本以上の毛髪の、基準カードから第2の距離で撮影される第2の画像を取得するステップとを含み、第2の距離が第1の距離よりも短くてもよい。
【0030】
異なる距離で2つの画像を撮影することにより、異なるレベルのズームが達成される。より拡大された画像、すなわち、第2の画像は、1本以上の毛髪のより近接した視界を提供し、したがって、例えば画像内のエッジの識別、または画像からの直径の計算(または幾何学的形状)にとって有利であり得るより高度な解像度をもたらし得る。同様に、第2の距離からのクローズアップ画像はまた、第2の画像内に示される1本以上の毛髪のパスのより正確な判定を可能にし得る。
【0031】
対照的に、(より大きい)第1の距離から得た第1の画像は、より広い視界を可能にする。このように、第1の画像は、1本以上の使用者の各毛髪のより大きな割合、好ましくはすべてを含む。これにより、それぞれの各毛髪のより長い長さにわたってパスを識別することが可能になる。画像に含まれる毛髪の範囲を最大限にすることにより、(例えば、毛髪がそれ自体の上を交差し、また他の毛髪と交差することを考慮しながら)正確な数の毛髪をより確実に識別することを保証できる。これはまた、毛髪のカーブを計算する実施形態においても特に有用である。なぜなら、それぞれの各毛髪に対してより多くのデータ(すなわち、より長い長さにわたるデータ)が利用可能であるからである。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1の基準マーカは第1の画像と共に(第1の距離で)使用され、第2の基準マーカは第2の画像と共に(第2の距離で)使用される。この場合の基準マーカは、前述したように、第1および第2のオーバーレイに関連付けられてもよい。第1および第2の基準マーカが存在することは、第2の画像に対する第1の画像の適切な位置合わせを保証する。やはり、ここでの「位置合わせ」とは、距離と方向の両方の組み合わせを示す。具体的には、第2の画像を取得する際のモバイル機器の位置に対する、第1の画像を取得する際のモバイル機器の位置の、適切な位置合わせを保証する。第1の基準マーカのサイズは、第1のオーバーレイと位置合わせしているときに、モバイル機器が第1の距離にあるように選択されてもよい。同様に、第2の基準マーカのサイズは、第2のオーバーレイと位置合わせしているときに、モバイル機器が第2の距離にあるように、選択することができる。第1および第2の距離は、予め定めていてもよいし、使用者が設定してもよい。
【0033】
同様に、第1および第2の基準マーカの形状は、それらが個々のオーバーレイと位置合わせするときに、モバイル機器が基準カードに対して同じ向きになるように選択することができる。これにより、画像が同じ方向から取得され、したがって、第1および第2の画像が、同じ投影を有する所定の毛髪または複数の毛髪を示すことを確実にする。その結果、また重要なことに、これは、第1および第2の画像における1本以上の毛髪の幾何学的形状が同じであり、異なるズームのレベルで見るものであることを意味する。これは、パスが実質的に不変で、理想的には完全に不変であり、第2の画像は第1の画像に対して相対的であることを意味する。これは、1本以上の毛髪を基準カードに固定する必要がなく、そのためわずかに異なる角度からの投影が大幅に異なるものになる可能性があるため、特に重要である。
【0034】
説明したように、所与の髪質は、ストレートヘア、ウェーブのある髪、縮れ毛、濃い髪、くせ毛、薄い髪、色処置された髪、およびダメージのある髪の1つ以上を含むことができる。髪質を特定する際に改善された精度を提供するために、髪質の複数の指標を測定することが望ましい場合がある。例えば、本発明の方法は、使用者の毛髪の縮れの1つ以上の特性、ならびに毛髪の直径などの他の指標を測定することができる。適切な毛髪用製品を選択する際には、髪質の複数の指標に関する知識が特に有用である。例えば、まっすぐな濃い髪に最適な製品は、薄い縮毛、濃い縮毛、または細いストレートヘアには最適ではない場合がある。
【0035】
画像から毛髪の縮れを計算するための縮れアルゴリズムは、縮れている全長の大半が画像内にあるときに最良の結果を与えることができる。直径を計算するために使用されるような他のアルゴリズムは、毛髪の直径あたりのピクセル数が最大になるときに最良の結果を与えることができる。したがって、髪質の複数の指標の測定が望ましい場合、2つの別個の画像を得ることによって全体的な結果を改善することができる。1つはより大きな取込み領域にわたり撮影し、もう1つはクローズアップするのである。第2の画像を形成するクローズアップは、好ましくは、その取込む領域内のズームインした領域から取得する。
【0036】
基準カードが、第1の画像を取得するときに、モバイル決断を基準カードと位置合わせするための第1の基準マーカと;第2の画像を取得するときに、モバイル機器を基準カードと位置合わせするための第2の基準マーカとを備えていてもよい。
【0037】
第1の基準マーカは、外部マーカ、例えば矩形または他の多角形の形態をとることができる。矩形のマーカの1つの利点は、モバイル機器上で利用可能な全ピクセルを最適化するモバイル機器のスクリーンと同じ相対的な寸法で形成することができることである。
【0038】
第1の基準マーカは、外周を囲む実線であってもよいし、境界を形成するために基準カードの外周から分離されていてもよい。
【0039】
基準カードは、例えば雑誌の広告または記事に、マーケティング資料の一部として提供することができる。
【0040】
複数の使用者の毛髪が基準カードの表面に提供されていてもよい。
【0041】
単一の毛髪を測定することができる。しかし、複数の毛髪を測定すると、ある人物の頭部から得た毛髪間に差異があることにより、より一貫性がある読取り値が得られることができる。
【0042】
使用者の毛髪のうちの少なくとも3本が基準カードの表面に提供されていてもよい。
【0043】
毛髪の得られた(1または複数の)画像は、3本の毛髪すべてを含む単一の画像であってもよい。第1および第2の画像を撮影する場合、毛髪は2つの画像の間で移動しない。
【0044】
所与の毛髪のパスを識別することは、モバイル機器によって取得された画像のその毛髪の幾何学的形状におけるパスの識別を示す。幾何学的形状の識別は、取得された画像内の毛髪の位置を検出する初期ステップを含むことができる。そのような検出は、取得された画像内のピクセルの光強度値に基づいていてよい。毛髪の位置が検出されると、それが形成するパスは、例えば多項式のフィッテ
ィングを用いてパラメータ化してもよい。しかし、毛髪のパスが識別できる方法の他の多くの例が存在する。
【0045】
例えば、他の実施形態では、基準カードに沿って1本以上の毛髪のそれぞれのパスを識別するステップが、画像にエッジ検出アルゴリズムを適用するステップと;毛髪に沿った複数の点において1本以上の毛髪の中心線を特定するステップと;複数の点に適合を用いるステップとを含んでいてもよい。
【0046】
複数の点に適合を用いるステップは、多項式適合を用いるステップを含んでいてもよい。
【0047】
使用者の髪質の指標を測定する方法は、1つ以上の取得した画像から1本以上の毛髪の直径を抽出するステップをさらに含んでいてもよい。
【0048】
本発明の第2の態様によれば、使用者の髪質を測定するためのシステムが提供され、システムは、モバイル機器(20)と;1つ以上の基準マーカを含む基準カード(10)とを備え;モバイル機器が、それぞれが使用者の1本以上の毛髪の画像である、1つ以上の画像を取得する;基準カードに沿った1本以上の毛髪のそれぞれのパスを識別する;および各毛髪のカーブをその識別されたパスから計算するように構成される。
【0049】
(1または複数の)画像を毛髪測定値に変換するためのモバイル機器の構成は、非一時的なコンピュータ可読媒体に有形に具体化されたコンピュータプログラム製品の形態をとることができ、コンピュータプログラム製品は、モバイル機器のデジタル撮像機器によって撮影された画像を、縮れおよび/または直径などの毛髪の指標の測定値に変えることを必要とする第1の態様の方法のステップを実行するための指示を含む。
【0050】
例えば、コンピュータプログラムは、モバイル機器にダウンロード可能なアプリであってもよい。
【0051】
「モバイル機器」という用語は、「携帯式電子デバイス」、具体的には、視覚的な入力を受信するように構成された携帯式電子デバイスを意味すると理解され得る。したがって、モバイル機器は、携帯電話、タブレット、ファブレット、ラップトップ、またはデジタルカメラなどの任意の電子機器であり得る。本出願で前述したように、モバイル機器は、基準カードに取り付けられたヒトの毛髪の画像を取込むためのデジタル撮像機器(例えばカメラ)を備えることができる。このように、モバイル機器は、画像を取込み、さらに処理するように構成されている。
【0052】
基準カードの面は、測定される毛髪とカードの面との間の色のコントラストを可能な限り大きくするために、白色に着色していてもよい。白色の面は、濃い色の毛髪(例えば、茶色、黒色)に対して、特に最適である。金髪またはグレーの毛髪については、色のコントラストを逆にするために、濃い色の面を含むことが好ましい場合がある。白い背景の面と、黒い背景の面とを備えさせることによって、単一の基準カードを複数の髪色で使用するように構成してもよい。白と黒は例として使用しており、他の明色または暗色に換えることもできる。
【0053】
基準カードは、その使用またはアプリケーションの使用に関する指示を含み得るものであってもよい。また、特許請求された方法を実行するためのコンピュータプログラム(アプリケーション)をダウンロードするためのウェブサイトのリンクおよび/または指示を含むことができる。
【0054】
基準カードは無光沢の面を有していてもよい。この面は、無光沢の印刷用紙の粗さ以上の粗さを有することができる。これは、35%未満のTAPPIの75度での光沢値に対応してもよく、さらにより好ましくは、これは10%以下のTAPPIの75度での光沢値に対応してもよい。
【0055】
このようにすると、カードによって吸収される光の量が増加する。したがって、カードからの光の反射は最小限に抑えられ、光源の反射による画像内の光点が低減する。これは、人工光で画像を撮影する場合に特に重要である。画像の輝点が画像の処理に影響を及ぼす場合があり、そのため基準カードの無光沢の面により、様々な明るさの条件または変化する明るさの条件で使用できるロバストなシステムが得られる。
【0056】
十分に明るい環境で画像を記録する場合、画像が記録される前に、モバイル機器のいかなるフラッシュをも無効にすることが特に望ましい。フラッシュが有用である場合(例えば、極端に明るさの乏しい環境の場合)、無光沢の面は、フラッシュの反射の結果として生じる輝点の影響を最小にするのに寄与する。
【0057】
基準カードが、モバイル機器を使用して第1の画像を取得するときに、モバイル決断を基準カードと位置合わせするための第1の基準マーカと;モバイル機器を使用して第2の画像を取得するときに、モバイル機器を基準カードと位置合わせするための第2の基準マーカとを備えていてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、基準カード自体のサイズおよび/または形状は、較正マーカの代わりにまたは較正マーカに加えて、基準マーカとして使用してもよい。基準カードの寸法は、高さ、長さ、または対角線上に対向する角の間の距離など、基準カード一部の他の任意の寸法を含むことができる。
【0059】
第2の基準マーカを、第1の基準マーカ内に配置していてもよい。これは、例えば、前述したように、第2の画像が第1の画像よりも小さい距離で撮影されることを保証することができる。
【0060】
モバイル機器は、画像を処理する前に、デジタル撮像機器によって撮影された画像を質の確認のために使用者に提示するように構成されていてもよい。
【0061】
本発明の第3の態様によれば、使用者の髪質の指標を測定するためのコンピュータプログラムと共に使用するための基準カードが提供され、基準カードは、モバイル機器を使用して第1の画像を取得するときに、モバイル決断を基準カードと位置合わせするための第1の基準マーカと;モバイル機器を使用して第2の画像を取得するときに、モバイル機器を基準カードと位置合わせするための第2の基準マーカとを含み;第2の基準マーカは、第1の基準マーカ内に配置する。そのような基準カードは、本発明の第1の態様の方法において使用してもよい。
【0062】
本発明の第4の態様によれば、使用者の髪質の指標を測定するためのコンピュータプログラムが提供され、コンピュータプログラムは、モバイル機器を使用して基準カード上の1本以上の毛髪の1つ以上の画像を取得するステップと;基準カードに沿って1本以上の毛髪のそれぞれのパスを識別するステップと;各毛髪のカーブをその識別されたパスから計算するステップとを実行するよう構成される。
【0063】
1つ以上の画像を取得するステップが、モバイル機器上にデジタル撮像機器の入力のリアルタイムビューをもたらすステップと;リアルタイムビューの上に重ねて、1つ以上の基準マーカのうちの1つ以上と同じ形状を有するオーバーレイをもたらすステップとを含んでいてもよい。
【0064】
このようにして、取得する画像を適切な距離および角度で確実に撮影する位置合わせの補助が得られ、解像度が十分で、視差の誤差が導入されないようにする。
【0065】
互換性がある場合には、本発明の第1の態様に関して上述した任意の特徴を、本発明の第2、第3および第4の態様のいずれかまたはすべてに含めることもでき、逆もまた同様である。本発明のさらなる任意の特徴を以下に記す。
【0066】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照しながら例として以下に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0068】
使用者の髪質の指標を測定するためのシステムを、以下に
図1〜
図3を参照して説明する。
【0069】
このシステムは、モバイル機器20および基準カード10を備える。基準カードは、カード上の第1の基準マーカ12aおよび第2の基準マーカ12b、12c、12d、12eを含む。
【0070】
第1の基準マーカ12aは、外側基準マーカを形成する。
図1に示す実施形態では、これは矩形である。矩形の相対的な寸法(すなわち、長さと幅との比)は、基準カードの外周の相対的な寸法と同じである。これらはまた、モバイル機器上のスクリーンの(すなわち、デジタル画像機器のピクセルのアレイの寸法の)相対的な寸法と同じである。
【0071】
第2の基準マーカは、アレイの複数の別個な基準マーカの配置から形成される。この場合、第2の基準マーカは、4つの別々に満たされた正方形を含み、4つすべての正方形は矩形のアレイに配置され、そのアレイは第1の基準マーカ内にある。
【0072】
複数の独立した基準マーカのアレイの外側にある点を繋げると、第1の基準マーカと同じ相対的な寸法を有する矩形の角を形成する。
【0073】
基準カード10は、測定が行われる前に毛髪を配置すべき面13を含む。
図1〜
図3の実施形態では、面と、その上に置かれた暗い色の髪(例えば、茶色い毛髪や黒髪)との間のコントラストを最大にするために、面は白色などの薄い色にしている。
【0074】
図2は、本発明の様々な態様および実施形態を実施するのに適したモバイル機器の例示的な実施形態を示す。モバイル機器は、図示した構成要素のすべてを含むことができるが、より多いまたはより少ない構成要素を含むのでもよい。
【0075】
モバイル機器20は、デジタル写真を記録するためのデジタルカメラなどのデジタル撮像機器60を含む。それらの写真は、メモリ22のデータ記憶部に記憶できる。
【0076】
図示のモバイル機器20は、メモリ22および様々な他の構成要素と通信する中央処理装置(CPU)21を含む。
【0077】
図示されているモバイル機器20のこれらの他の構成要素は、電源23、ネットワークインターフェース24、ディスプレイ25、入出力インターフェース26、オーディオインターフェース27、フラッシュ28およびユーザコントロール29を含む。
【0078】
電源23は、モバイルインターフェースによって使用される電力を提供し、充電式バッテリおよび/または外部電源の形態をとることができる。
【0079】
ネットワークインターフェース24は、モバイル機器が任意の他のコンピューティングデバイスと直接的または間接的に通信するためのメカニズムを提供し、GPRS、GSM、TDMA、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、CDMA、WCDMA、Wi−Fi、3G、4G、ブルートゥース、または任意の他の無線通信プロトコルを含むがこれらに限定されない、1つ以上の通信プロトコルおよび技術と共に使用するように構成された回路を含む。
【0080】
ディスプレイ25は、LCD(液晶ディスプレイ)、プラズマディスプレイまたは任意の他の適切な電子ディスプレイとすることができ、人間の指またはスタイラスからの入力を受信するように構成された画面を含むことができるという点で、タッチセンシティブであってもよい。
【0081】
(1または複数の)入出力インターフェース26は、ヘッドフォンによりオーディオ情報などの情報を出力するための1つ以上のポートを含むことができるが、リモートコントロール信号を含む信号を受信するように構成された入力ポートであってもよい。
【0082】
オーディオインターフェース27は、典型的には、モバイル機器が信号を出力できるようにするスピーカと、アプリケーションを制御する際に使用するための音声制御入力を含むオーディオ信号をモバイル機器が受信できるようにするマイクロフォンとを含む。
【0083】
図示しているモバイル機器20は、写真が撮影されている最中のオブジェクトを照らすために、デジタル撮像機器と共に使用され得るフラッシュ28を含む。
【0084】
ユーザコントロール29は、使用者がモバイル機器の様々な機能を制御することを可能にする外部のボタンまたはスライダの形態をとることができる。
【0085】
機器に保存されたアプリケーションは、機器の様々な構成要素と相互作用するように構成してもよく、その結果、1つ以上のユーザコントロールからの入力を受信すると、デジタル撮像機器がトリガされ、オブジェクト(基準カード上の毛髪など)のデジタル写真が撮影される。次に、この画像をメモリに記憶し、記憶された画像を処理するために1つ以上のアルゴリズムを使用することができる。
【0086】
本明細書で説明するコンピュータプログラムは、メモリ22に記憶されたアプリケーションの形式をとることができる。
【0087】
モバイル機器は、外部コンピュータ30に直接、またはネットワーク40を介して接続することができ、そのため、外部コンピュータの計算モジュールによってコンピュータで広範な計算を実行することができる。外部コンピュータは、モバイル機器よりも強力であり、したがって、より速く計算を実行できる。
【0088】
モバイル機器20は、ネットワーク40を介して他のコンピュータと情報を交換するように構成することができる。ネットワークは、インターネットおよび/または1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含むことができる。
【0089】
図3に示すように、この情報の交換は、外部コンピュータ30の製品のデータベース33へのアクセスを含むことができる。製品のデータベースは、適切な製品のリスト、および製品が最も適している毛髪の直径の表示を含むことができる。この表示は、上側の直径閾値、下側の直径閾値、または適切な直径の範囲であり得る。
【0090】
このようにすると、基準カード10上の使用者の毛髪を撮影した画像から抽出された処理情報を、製品のデータベースの表示と比較および整合させることができる。次いで、選択基準を適用して、数値またはラベルに基づき使用者にとって最も適した製品を選択することができる。
【0091】
他の実施形態では、製品のデータベースは、モバイル機器のメモリ22内に記憶されてもよい。
【0092】
取得した測定値および/または製品の選択などの情報は、ネットワーク40を介して外部のサーバと通信することができることを理解されたい。例えば、使用者は、ソーシャルメディアのウェブサイトに情報を掲載することによって、その情報を他者と共有することができる。
【0093】
使用者の髪質の指標について測定する方法を、
図4〜
図17を参照しながら以下に説明するが、同様の参照符号は、
図1〜
図3に関して説明した特徴に対応する。
【0094】
基準カード10は、モバイル機器20と共に準備される。測定される毛髪は、基準カードの面13に毛髪を横たえるように基準カード10の上に配置される(s2)。毛髪を配置する方向は重要ではない。毛髪は、単に基準カードの上に落とすことができる。このステップは
図10でより詳細に示す。
【0095】
基準カード上の毛髪の第1の画像を、モバイル機器のデジタル撮像機器60を使用して撮影する(s3)。第1の基準マーカ12aは、画像を位置合わせするために使用する。これにより、画像が第1の距離で確実に撮影される。
【0096】
同じモバイル機器の同じデジタル撮像機器60を使用して、基準カード上の毛髪の第2の画像を撮影する(s4)。複数の独立したマーカ12b、12c、12d、12eの形態の第2の基準マーカは、画像を位置合わせするために使用される。これは、画像が第1の距離よりも短い第2の距離で撮影されることを保証する。
【0097】
(1または複数の)画像は、処理される前にメモリ22に記憶できる。
【0098】
画像が取得されると、そこから測定値が抽出される(s5)。
【0099】
以下で
図5〜
図9に関連して説明するように、測定値の抽出は、基準カードに沿って1本以上の毛髪の各々のパスを識別するステップと、各毛髪のカーブ、直径および他の指標をその識別されたパスから計算するステップとを含む。
【0100】
図5は、画像から測定値を抽出するためのプロセスの全体像(s5)を示す。示しているプロセスの例は、4つの主要な段階を含む:
・画像補正(s51);
・毛髪パス識別(s52);
・縮れ測定(s53);および
・直径測定(s54)。
【0101】
画像を補正するアルゴリズムと毛髪のパスを検出するアルゴリズムの部分は共有され、パスからのカーブおよび直径の計算は、以下でより詳細に説明するように、別個のものである。
【0102】
図6は、画像補正段階(s51)の例を示す。
【0103】
最初に、適合する閾値が画像に適用される(s51a)。
【0104】
次に、その閾値で輪郭を探し出し、それらの輪郭の階層を計算する(s51b)。
【0105】
第1または第2の基準マーカについて予想されたものと一致する輪郭が見出される(s51c)。
【0106】
示している例では、マーカ(第1の基準マーカまたは第2の基準マーカのいずれか)の4つの見出された角、および既知のサイズのマーカを用いてホモグラフィを計算し、歪められた画像とマーカの真のサイズとの間のマッピングをする(s51d)。画像は次に、マーカにより、バイキュービック補間で歪みなく表示されるように再マッピングさせる。
【0107】
図7は、毛髪パス識別段階(s53)の例を示す。
【0108】
第1に、画像は(例えば、デジタル撮像機器の光学的入力から緑色チャネルのみを取得することによって)グレースケールに変換する(s52a)。
【0109】
次いで、エッジ検出を行う(s52b。これは、ソーベルフィルタを適用することで実現できる。
【0110】
毛髪の中心線を、閾値距離内で反対向きに向く2つの強く平行なエッジの中心点であるものとして識別する(s52c)。
【0111】
次に、データを改善し、ノイズを除去するために、「ブリッジ」「閉路」および「細線化」などのモルフォロジーの演算を、中心点(候補点とも呼ばれる)について実行する(s52d)。
【0112】
接続された構成要素を使用して、接触していて(ムーア近傍という意味で)、接合部(すなわち、2本以上の毛髪間の交差)にないエッジを接合する(s52e)。
【0113】
各毛髪にカーブを生成するために、ラインをフィッテ
ィングさせる(s52f)。これは、中心点のピクセルにフィッテ
ィングさせて、それぞれが多数の直線「セグメント」から構成される多くの「カーブ」を生成することを含む。すべてのカーブを互いに比較し、それらの端が互いに接近して同様の方向にある場合にマージさせる。異常な結果を避けるために、所与の長さ閾値未満の非常に短いカーブが除去される。これは、それぞれの端のx座標およびy座標によって識別されるセグメントから構成されるカーブのリストを生成する。理想的な場合には、単一の毛髪の単一の毛髪のパスに、単一のカーブが対応する。
【0115】
まず、各カーブについて、曲率は、各計算について、その長さに沿った多くの点で計算する(s53a)。
【0116】
a.ウィンドウ内の隣接する点を、ガウシアンカーネルを使用して平均化する
b.多項式を、得られた点にフィッテ
ィングさせる(s53b)
c.多項式の曲率の関数を計算する。
【0117】
第2に、アルゴリズムは、すべてのカーブにわたる曲率中央値をリターンする(s53c)。
【0118】
第3に、アルゴリズムは各カーブの「距離指数」を計算する(s53d)。
【0119】
a.カーブの平均点を計算する
b.この平均点から各セグメントの距離を計算する
c.これらすべての距離の中央値を計算する
d.距離指数を、上記のcで計算された中央値とカーブの弧の長さの比として計算する
e.次いで、この数を、カーブの長さで重み付けする。
【0120】
図9は、直径測定段階(s54)の例を示す。縮れ測定の場合と同様に、これは識別されたヘアパスから得たデータを使用するので、最初にそれらを取得しなければならない(s54a)。
【0121】
各カーブについて、直径はそれに沿った多くの点で計算し、これは以下のように行う:
毛髪の方向は、(1または複数の)毛髪のパスから測定し(s54b)、これに対して断面を垂直に取得する(s54c)。
【0122】
バイキュービック補間、または他の適切な方法を使用して強度プロファイルを取得する(s54d)。
【0123】
強度プロファイルを、毛髪のエッジ(すなわち、毛の幅)を突き止めるために使用する(s54d)。2つのピークが強度プロファイルに見出され、これらの最大値を直径とする(s54e)。
【0124】
中央値を、毛髪の直径の平均を得るために、これらの全測定値から取得する。これは、1本の毛髪の複数の測定値に及ぶ中央値、または2本以上の毛髪における複数の測定値に及ぶ中央値であり得る。
【0125】
したがって、他の既知のタイプの直径測定とは異なり、毛髪カードに対して特定の方法で毛髪を位置合わせしたり配向したりする必要はない。これは、位置合わせすることが困難な場合のある縮毛または不規則な毛髪の直径測定に特に有利である。しかし、それはまた全髪質に対応する効率的な測定技術を提供する。
【0126】
この方法を実施するための使用者の操作は、
図10〜
図17を参照して理解することができる。これらの図では、
図1〜
図3に記載された特徴に対して同様の参照符号が使用される。
【0127】
図10は、基準カード上に複数の毛髪を配置することによって、
図1の基準カードで測定される毛髪を準備する例を示す。
【0128】
図11は、モバイル機器20の指示表示を示す。指示表示は、第1の画像を取得するステップを実行するために必要なステップの指示を、使用者に与える。指示ページには、準備ができたときに画像取込みに進むために使用者がクリックできるリンクが含まれている。
【0129】
第1の距離での第1の画像の取込みが
図12にて見てとれる。モバイル機器のスクリーンは、モバイル機器のデジタル撮像機器(すなわち、カメラ)によって受信された光学的入力を示す。
図12から分かるように、モバイル機器で動作するコンピュータプログラム(アプリケーション)は、ライブ映像の上部にオーバーレイ112を提供する。オーバーレイは、第1の基準マーカと同じ相対的な寸法を有する。使用者は、画面上の取込みボタンを押して画像を記録する前に、オーバーレイボーダーの内側のエッジを、スクリーンを通して見たときの第1の基準マーカの外側のエッジと位置合わせする。
【0130】
図13は、第2の距離での第2の画像の取込みを示す。モバイル機器のスクリーンは、モバイル機器のデジタル撮像機器(すなわち、カメラ)によって受信された光学的入力を示す。
図13から分かるように、モバイル機器で動作するコンピュータプログラム(アプリケーション)は、ライブ映像の上部に第2のオーバーレイ112aを提供する。第2のオーバーレイは第2の基準マーカと同じ相対的な形状および寸法を有する。使用者は、画面上の取込みボタンを押して画像を記録する前に、オーバーレイボーダーの内側のエッジを、スクリーンを通して見たときの第1の基準マーカの外側のエッジと位置合わせする。
【0131】
図14は、さらなる使用者指示画面を示す。今回は、画像が撮影されたことを確認し、画像を表示し、分析のためにモバイル機器を外部コンピュータに接続するよう使用者に指示する。直接の接続は
図3に点線で示している。あるいは、外部コンピュータ30への接続は、ネットワーク40を介して達成することができる。
【0132】
図15は、モバイル機器から外部コンピュータのコンピュータモジュールにデータをケーブルを介して直接転送する一方法の例を示す。パーソナルコンピュータの代わりに大きな外部サーバを使用することができ、LANまたはWANなどのネットワーク40を介してこれらのサーバに接続できることが想定される。
【0133】
図16は、縮れカテゴリ、曲率中央値、平均距離指数、直径カテゴリおよび直径の中央値を含む、抽出された測定値の出力の例を示す。縮れカテゴリと直径カテゴリは、実際の測定値に基づいて割り当てられる。縮れカテゴリとそれらが割り当てられる方法の例を
図25に示す。これらは、縮れタイプの数値を簡単に参照できるように選択されている。直径カテゴリの例を
図27に示す。
【0134】
抽出された結果は、
図17に示すように、将来の参照のために外部コンピュータに保存することができる。
【0135】
図18は、縮れに従ってグループ化された入れ毛の毛髪の例を示す。これらの購入した入れ毛と結果として割り当てられた縮れカテゴリの関係を
図25に示す。
図19は、
図1の基準カード上に置かれた
図18の各グループから得た3本の毛髪を示す。
【0136】
図20は、毛髪の縮れを描写する全体像を示している。平均曲率、曲率分布、曲率の表示および最大曲率はすべて、
図21Aおよび
図21Bに関連して理解することができる。
【0137】
縮れ指数(および平均距離指数)は、
図22および
図23に関連して理解することができる。これらの図はまた、第1および第2の距離から2つの画像を取得する利点を間接的に示す。
図22および
図23のそれぞれの右側の画像は、中央領域を描く点線の円を含む。この点線の円では、2つの別々の毛髪があるように見える可能性もある。しかし、
図22および
図23のそれぞれの左側のように、さらにズームアウトされた別の画像も使用されている場合、これは実際には1本の縮毛が数回にわたり交差していることが明らかである。したがって、この知識により(すなわち、第1の画像から)、確実に余分な直径測定が行われないようにすることが可能である。
【0138】
図24は、測定された曲率に対して測定された距離指数がプロットされている、
図18および
図19に示される各髪質の縮れ測定結果を示す。
図25は、
図23と同じ縮れ測定値を示し、縮れカテゴリ1〜10が適用され、1は最もまっすぐであり、10は最も縮れている。
【0139】
図26は、異なる太さの毛髪のサンプルに関する直径測定結果の例を示す。アルゴリズムの測定直径を、実際の測定値(LSM平均直径)に対してプロットする。使用されるモバイル機器のタイプが結果の精度に影響することが判明した。タブレットを用いて得られた結果は良好な相関を示したが、測定された直径の間のマッピングは、携帯電話ほど1:1には近くない。これはカメラの品質に起因する可能性が高く、機器固有の補正係数が必要な可能性がある。したがって、直径測定は、機器のカメラの性能に大きく依存する。
【0140】
図27は、特徴付けのための直径範囲の例を示す。
【0141】
本発明を、上述の例示的な実施形態と関連して説明してきたが、本開示が与えられるとき、当業者には多くの均等な変更および変形が明らかであろう。したがって、上に示された本発明の例示的な実施形態は、例示的なものであり、限定的なものではないと考えられる。記載された実施形態に対する様々な変更が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得る。
【0142】
上記のすべての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。