(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Gは−X−Yであり、Yは、随意に置換されたアダマンチル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、クロマニル、インダニル、インドリル、ナフチル、1,2−ジヒドロナフチル、フェニル、ピリジル、テトラヒドロキノリニル、テトラリニル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル、または、チオクロマニルであり、あるいは、Gは、−X−Yであり、Yは、クロロ、フルオロ、フルオロアルキル、ニトロで置換されたフェニル、あるいは、随意に置換されたアルキル、アルキニル、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル、あるいは、−Rb−ORa、−Rb−OC(O)−Ra、−Rb−OC(O)−ORa、−Rb−OC(O)−N(Ra)2、−Rb−N(Ra)2、−Rb−C(O)Ra、−Rb−C(O)ORa、−Rb−O−Rc−C(O)N(Ra)2、−Rb−N(Ra)C(O)ORa、−Rb−N(Ra)C(O)Ra、−Rb−N(Ra)S(O)tRa、−Rb−S(O)tORa、−Rb−S(O)tORaまたは−Rb−S(O)tN(Ra)2であり、
ここで、それぞれのRaは、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、
それぞれのRbは、独立して、直接結合、あるいは、直鎖または分枝鎖のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖であり、
それぞれのRcは、直鎖または分枝鎖のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖であり、
tは1または2である、請求項1に記載の化合物。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコル、および試薬等に限定されず、したがって変更しうることを理解されたい。本明細書に使用される術語は、特定の実施形態だけについて記述するためのものであり、本発明の範囲を制限するようには意図されず、本発明の範囲はもっぱら請求項によって定義される。
【0036】
特定されたすべての特許および他の刊行物は、記載および開示のために参照によって本明細書に組込まれ、例えば、本発明に関連して使用され得るこのような刊行物に記載された方法論は、本明細書に提示されるものと矛盾する用語の定義を提供するものではない。これらの刊行物は、本出願の出願日前の開示のためにのみ提供される。この点に関するいずれも、本発明者らは、先行発明によって、または他の何らかの理由で、そのような開示に先行する権利を有しないという承認として解釈されてはならない。これらの文書の内容に関する日付または表現に関するすべての記述は、出願人が入手可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確性についての承認を構成するものではない。
【0037】
本明細書および請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に他を示していない限り、複数形の言及を含む。この明細書の全体にわたって、別段の指定の無い限り、「含む(comprise)」「含む(comprises)」および「含む(comprising)」は、排他的ではなく包括的に使用され、記載された整数または整数の群は、1つ以上の他の記載されていない整数または整数の群を含むことができる。用語「または(or)」は、例えば「どちらか(either)」によって修飾されない限り、包括的である。したがって、文脈がそうでない旨を示さない限り、単語「または(or)」は特定のリストのいずれか1つの部分を意味し、またそのリストの部分の任意の組み合わせを含む。実施例以外で、または他に指示がある場合を除き、本明細書で使用される成分または反応条件の量を表すすべての数字は、すべての場合において「約(about)」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。
【0038】
標題は便宜のみのために提供され、いかなる方法でも本発明を制限するように解釈されるものではない。別段の定めのない限り、本明細書に使用されるすべての技術用語と科学用語は当業者に一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に使用される術語は、特定の実施形態だけについて記述するためのものであり、本発明の範囲を制限するようには意図されず、本発明の範囲はもっぱら請求項によって定義される。別段の定めがない限り、化合物への言及はその薬学的に許容可能な塩を含む。用語「化合物」は、文脈によって他に特定されない限り、その化合物の薬学的に許容可能な塩を包む。本開示がより容易に理解され得るように、特定の用語が定義される。追加の定義は詳細な説明の全体にわたって述べられる。
【0039】
定義
「随意の」または「随意に」とは、これより後に記載される事象または状況が生じることもあれば生じないこともあること、および本記載が事象または状況が生じた際の例と、事象または状況が生じない際の例を含むことを意味している。例えば、「随意に置換されたアリール」は、アリール基が置換されることもあれば置換されないこともあること、およびその記載が置換したアリールラジカルと置換を含まないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。部分、ラジカルまたは置換基のリストでは、リストの始めに「随意に置換される」の使用が表示され、リストのすべてのメンバーは随意に置換される。一般に、文脈または言葉がそうでないことを示さない限り、本明細書に記載の化学基またはラジカルは、随意に置換される。
【0040】
「アルキル」は、概して、炭素原子および水素原子のみからなり、不飽和を含有せず、概して1乃至15の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖(例えば、C
1−C
15アルキル)を指す。特定の実施形態において、アルキルは1〜8の炭素(例えばC
1−C
8アルキル)を含む。他の実施形態において、アルキルは1〜5の炭素(例えばC
1−C
5アルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは1つの炭素原子(例えばC
1アルキル)(例えばメチル)または2つの炭素(例えばC
2アルキル)(例えばエチル)を含む。他の実施形態において、アルキルは5〜15の炭素原子(例えばC
5−C
15アルキル)を含む。他の実施形態において、アルキルは5〜8の炭素原子(例えばC
5−C
8アルキル)を含む。他の実施形態において、アルキル基は、メチル、エチル、1−プロピル(n−プロピル)、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、1−ブチル(n−ブチル)、1−メチルプロピル(sec−ブチル)、2−メチルプロピル(イソ−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、1−ペンチル(n−ペンチル)から選択される。アルキルは、典型的には、単結合によって分子の残りに結合する。特に明記しない限り、アルキル基は、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ(oximo)、トリメチルシラニル(trimethylsilanyl)、−OR
a、−SR
a、−OC(O)−R
a、−N(R
a)
2、−C(O)R
a、−C(O)OR
a、−C(O)N(R
a)
2、−N(R
a)C(O)OR
a、− OC(O)−N(R
a)
2、−N(R
a)C(O)R
a、−N(R
a)S(O)
tR
a、−S(O)
tOR
a、−S(O)
tR
aまたは−S(O)
tN(R
a)
2、などの少なくとも1つの置換基によって随意に置換され、ここで、tは1または2であり、ここで、それぞれのR
aは、独立して、水素、または、随意に置換されたアルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、ここで、上述のように、R
aはそれ自体随意に置換される。例えば、いくつかの実施形態では、R
aは、ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで置換される。これらおよび他の置換基は、当該技術では公知である。例えばWO2014089364、WO2014100463、WO2014100818、WO2014164708、WO2014151945、WO2014151106、WO2015058160、WO2015089192、WO2015168466、WO2015200709、WO2015200843、WO2016004105、WO2016003917、WO2016037005、WO2016044342、WO2016044138、WO2016044429、WO2016168682、WO2016172618を参照。
【0041】
「アルコキシ」は、式−O−アルキルの酸素原子を介して結合したラジカルを指し、ここで、アルキルは、上で定義したアルキル鎖であり;および、特に明記しない限り、アルコキシ基を含む部分は、アルキルについて記載したように、随意に置換される。
【0042】
「アルケニル」は、炭素原子および水素原子のみからなり、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含み、および2〜12の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指す。特定の実施形態において、アルケニルは、2〜8の炭素原子を含む。他の実施形態において、アルケニルは、2〜4の炭素原子を含む。アルケニルは、単結合、例えば、エチニル(即ち、ビニル)、プロプ−1−エニル(即ちアリール)、but−1−エニル、ペント−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニルなどにより、分子の残りに付けられる。本明細書で特段の定めのない限り、アルキル基は、アルキルについて記載されたように、随意に置換される。
【0043】
「アルキニル」は、炭素原子と水素原子からなる、少なくとも1つの炭素炭素三重結合を含む、2〜12の炭素原子を有する、直線または分枝鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指す。特定の実施形態において、アルキニルは2〜8の炭素原子を含む。他の実施形態において、アルキニルは2〜4の炭素原子を含む。アルキニルは単結合によって分子の残りに結合し、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどである。特段の定めのない限り、アルキニル基は、アルキルについて記載されたように、随意に置換される。
【0044】
「アルキレン」「アルキレン鎖」「アルキル鎖」または「アルキルリンカー」は、ラジカル基に分子の残りを結合し、および、炭素と水素のみからなり、不飽和を含まず、1〜12の炭素原子、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、nブチレンなどを有する、直鎖または分枝鎖の二価の炭化水素鎖を指す。アルキルについての言及は、文脈によって示されるようなそのような鎖またはリンカーを指し得る。同様に、「アルキニレン鎖」は、分子の残りをラジカル基に連結させる直鎖または分子鎖の二価炭化水素鎖を指し、これは、炭素と水素のみからなり、少なくとも1つの炭素炭素三重結合を含み、2〜12の炭素原子を有している。これらの炭化水素鎖は、アルキルについて記述されるように、随意に置換される。
【0045】
「アリール」は、Huckel理論に従って非局在化(4n+2)π−エレクトロン系を含む芳香族単環式または多環式炭化水素環系を指す。アリールは、水素および炭素、概して5〜18個の炭素原子、のみを含み、環系中の環の少なくとも1つが完全に不飽和である。アリールはベンゼン、フルオレン、インダン、インデン、テトラリンおよびナフタリンを含んでいる。特段明記されない限り、用語「アリール」または接頭辞「ar」(「アラルキル(aralkyl)」においてのように)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、シアノ、ニトロ、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアラルキル、随意に置換されたアラルケニル、随意に置換されたアラルキニル、随意に置換されたカルボシクリル、随意に置換されたカルボシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールアルキル、−R
b−OR
a、−R
b−OC(O)−R
a、−R
b−OC(O)−OR
a、−R
b−OC(O)−N(R
a)
2、−R
b−N(R
a)
2、−R
b−C(O)R
a、−R
b−C(O)OR
a、−R
b−C(O)N(R
a)
2、−R
b−O−R
c−C(O)N(R
a)
2、−R
b−N(R
a)C(O)OR
a、−R
b−N(R
a)C(O)R
a、−R
b−N(R
a)S(O)
tR
a、−R
b−S(O)
tOR
a、−R
b−S(O)
tR
a、または−R
b−S(O)
tN(R
a)
2、から独立して選択される1つ以上の置換基によって随意に置換されるアリールを含み、ここで、tは1または2であり、ここで、それぞれのR
aは、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール(随意に1つ以上のハロ基で置換される)、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、それぞれのR
bは、独立して、直接結合あるいは直鎖または分枝鎖のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖であり、R
cは直鎖または分枝鎖アルキル鎖またはアルケニレン鎖であり、ここで上記置換基の各々は、別段の定めのない限り、随意に置換される。追加の置換基はアルキル(alkly)について記述された通りである。
【0046】
「アラルキル」とは、式−R
c−アリールを指し、ここでR
cは、上で定義したアルキルまたはアルキル鎖(例えば、アルキルリンカー)、例えば、メチレン、エチレンなどである。アラルキルのアルキル鎖部分は、アルキルについて上述したように、随意に置換される。アラルキルラジカルのアリール部分は、アリール基について記載されるように、随意に置換される。
【0047】
「アラルケニル」は、式−R
d−アリールを有する基を指し、ここでR
dは、上に定義されるようなアルケニレン鎖である。アラルケニルラジカルのアリール基部分は、アリール基について上に記載されるように随意に置換される。アラルケニルラジカルのアルケニレン鎖部分は、アルケニレン基について上に定義されるように随意に置換される。
【0048】
「アラルキニル」は式−R
e−aryl−アリールのラジカルを指し、R
eは上に定義されるアルキニレン鎖である。アラルキニルラジカルのアリール部分は、アリール基について上記に記載されるように、随意に置換される。アラルキニルラジカルのアルキニレン鎖部分は、アルキニレン鎖について上記に定義されるように、随意に置換される。
【0049】
「アラルコキシ」は式−O−R
c−アリールの酸素原子を通じて結合した基を指し、R
cは例えばメチレン、エチレンなど上に定義されるようなアルキル鎖である。アラルキルのアルキル鎖部分は、アルキル鎖について上に記載されるように随意に置換される。アラルキルオキシのアリール部分は、アリール基について上に記載されるように随意に置換される。
【0050】
「カルボシクリル」は、炭素と水素の原子のみからなり、概して縮合した環系または架橋した環系を含み、3〜15の炭素原子を有する、安定した非芳香族の単環式または多環式の炭化水素グループを指す。特定の実施形態において、カルボシクリルは3〜10の炭素原子を含む。他の実施形態において、カルボシクリルは3〜7の炭素原子を含む。カルボシクリルは、単結合によって分子の残りに結合している。カルボシクリル基は、完全に飽和していても部分的に飽和していてもよい。完全に飽和したカルボシクリル基は「シクロアルキル」とも呼ばれることがある。単環式シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。不飽和カルボシクリルは「シクロアルケニル」とも呼ばれることがある。単環式シクロアルケニルの例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルが含まれる。多環式カルボシクリルには、例えば、アダマンチル、ノルボルニル(すなわち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル、デカリニル、7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]−ヘプタニル、などが含まれる。特に明記しない限り、「カルボシクリル」という用語は、独立して選択された上記のような1つ以上の置換基で随意に置換される、上述のカルボシクリルを含む。
【0051】
「カルボシクリルアルキル」は、式−R
c−カルボシクリルの基を指し、ここでR
cは、上述のように、随意に置換されるアルキル鎖である。同様に、「カルボシクリルアルキニル」は、式−R
c−カルボシクリルの基を指し、ここでR
cは、上に定義されるように、随意に置換されるアルキニレン鎖である。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基はシクロアルキル基であり、ここで、アルキル鎖について上に定義されるように、カルボシクリルアルキニルのアルキニルレン鎖の部分は随意に置換される。
【0052】
「カルボシクリルシクリルアルコキシ」は、式O−R
c−カルボシクリルの酸素原子を通じて結合したラジカルを指し、R
cは、アルキルについて上に定義されるように、随意に置換されるアルキル鎖である。
【0053】
本明細書で使用されるように、「カルボン酸生物学的等価体」は、カルボン酸部分として同様の物理的、生物学的、および/または化学的な特性を示す官能基または部分を指す。カルボン酸生物学的等価体の例としては、限定されないが、以下が挙げられる。
【0055】
「ハロ」または「ハロゲン」はブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードの置換基を指す。
【0056】
「フルオロアルキル」は、上に定義されるように1つ以上のフルオロラジカルによって置換されるアルキルラジカルを指し、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロメチル−2−フルオロエチルなどである。フルオロアルキルラジカルのアルキル部分は、アルキルについて上に定義されるように随意に置換され得る。
【0057】
「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素、および硫黄から選択される2〜12の炭素原子と1〜6つのヘテロ原子を含む、安定した3乃至18員の非芳香族環ラジカルを指す。本明細書において具体的に別段の定めの無い限り、ヘテロシクリルラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であり、これは縮合または架橋した環系を含み得る。ヘテロシクリルラジカルにおけるヘテロ原子は随意に酸化されることもある。1つ以上の窒素原子は、存在する場合、随意に四級化される。ヘテロシクリルラジカルは、部分的または完全に飽和される。ヘテロシクリルは、環の任意の原子を介して分子の残りに結合することもある。こうしたヘテロシクリルラジカルの例としては、限定されないが、アゾカニル、クロメニル、シンノリニル、ジオキソラニル、チエニル−[1,3]−ジチアニル、デカヒドロキノリル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオカニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、および1,1−ジオキソ−チオモルホリニルが挙げられる。特に明記しない限り、用語「ヘテロシクリル」には、本明細書に記載の1つ以上の置換基で随意に置換される上記で定義したヘテロシクリル基が含まれる。
【0058】
「N−ヘテロシクリル」または「N−結合ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの窒素を含む、上に定義されるようなヘテロシクリルラジカルを指し、分子の残りに対するヘテロシクリルラジカルの結合点はヘテロシクリルラジカル中の窒素原子を介する。N−ヘテロシクリルラジカルは、ヘテロシクリルラジカルについて上記に記載されるように、随意に置換される。こうしたN−ヘテロシクリルラジカルの例としては、限定されないが、1−モルホリニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、1−ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、およびイミダゾリジニルが挙げられる。
【0059】
「C−ヘテロシクリル」または「C−結合ヘテロシクリル」は、少なくとも1つのヘテロ原子を含む上に定義されるようなヘテロシクリルラジカルを指し、分子の残りに対するヘテロシクリルラジカルの結合点はヘテロシクリルラジカル中の炭素原子を介する。C−ヘテロシクリルラジカルは、ヘテロシクリルラジカルについて上に記載されるように、随意に置換される。そのようなC−ヘテロシクリルラジカルの例は、限定されないが、2−モルホリニル、2−または3−または4−ピペリジニル、2−ピペラジニル、2−または3−ピロリジニルなどを含む。
【0060】
「ヘテロシクリルアルキル」は、式−R
c−ヘテロシクリルのラジカルを指し、R
cは、上に定義されるようなアルキレン鎖である。ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルは、窒素原子にてアルキルラジカルに随意に結合する。上に定義されるように、ヘテロシクリルアルキルのアルキル鎖およびヘテロシクリルアルキル基のヘテロシクリル部分は、上述のように、それぞれ随意に置換されてもよい。
【0061】
「ヘテロシクリルアルコキシ」は、式−O−R
c−ヘテロシクリルの酸素原子を通じて結合したラジカルを指し、R
cは、上に定義されるようなアルキレン鎖である。ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルは、窒素原子にてアルキルラジカルに随意に結合する。ヘテロシクリルアルコキシのアルキル鎖は、アルキルについて上で定義されるように、随意に置換される。ヘテロシクリルアルコキシのヘテロシクリル部分は、ヘテロシクリル基について上に定義されるように、随意に置換される。
【0062】
「ヘテロアリール」は、2〜17個の炭素原子および窒素、酸素および硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を概して含む3〜18員の芳香族環に由来する部分を指し、環系中の環の少なくとも1つは完全に不飽和であり、すなわち、それは、Huckel理論に従い、環状の、非局在(4n+2)π−エレクトン系を含む。ヘテロアリールは、単環式、二環式、三環式、または、四環式の環系であってもよく、縮合または架橋した環系を含む。ヘテロアリール基中のヘテロ原子は、随意に酸化される。1つ以上の窒素原子は、存在する場合、随意に四級化される。ヘテロアリールは、環の任意の原子を介して分子の残りに結合することもある。特に明記しない限り、ヘテロアリールは、本明細書に記載の1つ以上の置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリールの例は、限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]−チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル、ベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]シノリニル、6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]−シクロヘプタ[1,2−ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、フロ[3,2−c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−シクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、5,8 メタノ 5,6,7,8 テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6−ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a−オクタ−ヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2−d]−ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、6,7,8,9,−テトラヒドロ−5Hシクロ−ヘプタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6,7,8テトラヒドロピリド[4,5 c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、チエノ[3,2−d]ピリミジニル、チエノ[2,3−d]ピリジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)、が挙げられる。
【0063】
「N−ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素を含むヘテロアリールを指し、分子の残りに対するヘテロアリールの結合点はヘテロアリールラジカル中の窒素原子を介する。上に記述されるように、N−ヘテロアリールは随意に置換される。
【0064】
「C−ヘテロアリール」は、分子の残りに対するヘテロアリールの結合点はヘテロアリール中の炭素原子を介するヘテロアリールを指す。C−ヘテロアリールは、ヘテロアリールについて上に記載されるように、随意に置換される。
【0065】
「ヘテロアリールアルキル」は式−R
c−ヘテロアリール基を指し、R
cは上に定義されるようなアルキレン鎖である。ヘテロアリールが窒素含有ヘテロアリールである場合、ヘテロアリールは、窒素原子にてアルキルラジカルに随意に結合する。ヘテロアリールアルキルラジカルのアルキレン鎖は、アルキレン鎖について上に定義されるように随意に置換される。ヘテロアリールアルキルラジカルのヘテロアリール部分は、ヘテロアリール基について上に定義されるように随意に置換される。
【0066】
「ヘテロアリールアルコキシ」は式−O−R
c−ヘテロアリールの酸素原子を通じて結合したラジカルを指し、R
cはアルキル鎖である。ヘテロアリールが窒素含有ヘテロアリールである場合、ヘテロアリールは、窒素原子にてアルキルラジカルに随意に結合する。ヘテロアリールアルコキシのアルキル鎖は、アルキルについて上で定義されるように、随意に置換される。ヘテロアリールアルコキシのヘテロアリール部分は、ヘテロアリールについて上に定義されるように、随意に置換される。
【0067】
本明細書で開示される化合物は1つ以上の不斉中心を含むことがあり、ゆえに、絶対的な立体化学の観点から(R)−または(S)−として定義されることがあるエナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性体の形態を生じさせることがある。別段の定めのない限り、本明細書に開示される化合物のすべての立体異性形態が本開示によって企図されている。本明細書に記載される化合物は、アルケン二重結合を含むとき、および別段の定めがない限り、本開示が、EおよびZの幾何異性体(例えば、シス又はトランス)の両方を含むことが意図される。同様に、すべての起こり得る異性体、そのラセミ体や光学的に純粋な形態、およびすべての互変異性体も含まれるよう意図されている。用語「幾何異性体」は、アルケン二重結合のEまたはZの幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)を指す。「位置異性体」との用語は、ベンゼン環のまわりのオルト−、メタ−、およびパラ−異性体などの、中心環のまわりの構造異性体を指す。
【0068】
「互変異性体」とは、ある分子の1つの原子から同じ分子の別の原子までのプロトン移動が可能である分子を指す。本明細書で示される化合物は、特定の実施形態では互変異性体として存在することもある。互変異性化が可能な状況では、互変異性体の化学平衡が存在する。互変異性体の正確な割合は、物理的状態、温度、溶媒、およびpHを含む複数の因子に依存する。互変異性平衡のいくつかの例は、次のものを含む:
【0070】
「薬学的に許容可能な塩」は酸付加塩と塩基付加塩の両方を含んでいる。本明細書に記載される化合物のいずれか1つの薬学的に許容可能な塩は、あらゆる薬学的に適切な塩の形態を包含するよう意図されている。これらの化合物のうちのいずれか1つの薬学的に許容可能な塩は、当技術分野で周知なものとして、酸および塩基付加塩などの薬学的に許容可能な塩を含む、全ての薬学的に適切な塩の形態を含むように意図される。例えば、WO2014089364、WO2014100463、WO2014100818、WO2014164708、WO2014151945、WO2014151106、WO2015058160、WO2015089192、WO2015168466、WO2015200709、WO2015200843、WO2016004105、WO2016003917、WO2016037005、WO2016044342、WO2016044138、WO2016044429、WO2016168682、WO2016172618を参照。
【0071】
さらに、本明細書に記述された化合物は、「プロドラッグ」として産生されてもよく、または製剤されてもよい。プロドラッグは、投与された時は不活性であり得るが、生理学的条件下で、または加水分解によって(すなわち、インビボ)生物学的に活性な化合物に変換される化合物であり;したがって、プロドラッグは生物学的に活性な化合物の薬学的に許容可能な前駆物質である。プロドラッグ組成物には、被験体中での可溶性、組織適合性または遅延放出という長所がありうる。プロドラッグはまた、このようなプロドラッグが被験体に投与される時に、活性化合物をインビボで放出する共有結合担体の使用について参照する。活性化合物のプロドラッグは、通常の操作またはインビボのいずれかで修飾が親活性化合物に切断されるような方法で、活性化合物に存在する官能基を修飾することによって、調製されることができる。例えば、プロドラッグは、活性化合物のプロドラッグが哺乳動物の被験体に投与されると、ヒドロキシ、アミノ、またはメルカプトの基が切断されて、それぞれ遊離ヒドロキシ、遊離アミノ、または遊離メルカプトの基を形成する任意の基に結合される化合物を含む。プロドラッグの例には、活性化合物中のアルコールまたはアミンの官能基の酢酸塩、カルボン酸塩、ギ酸塩および安息香酸塩誘導体が含まれる。例えば、Bundgard,DESIGN OF PRODRUGS,at 7 9,21 24(Elsevier,Amsterdam,1985);Higuchi et al.,Pro drugs as Novel Delivery Systems,14 A.C.S.Symposium Series;BIOREVERSIBLE CARRIERS IN DRUG DESIGN(Edward B.Roche(Ed.),Am.Pharm.Assoc.and Pergamon Press,1987)、を参照。
【0072】
従って、本明細書に使用されるように、「化合物」または「式」または「式Iの組成物」などへの言及は、その言及内に、薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、N酸化物、立体異性体、互変異性体、放射性同位体の濃縮または重水素化バージョン、またはそのプロドラッグ、を含む。
【0073】
本明細書で使用されるように、「処置」または「処置すること」または「和らげること」または「寛解させること」は、本明細書では交換可能に使用される。こうした用語は、治療の有用性または予防的な利益を含むがこれに限定されない有益な結果または望ましい結果を得るための手法を指す。「治療効果」は、処置されている基礎疾患の根絶または寛解を意味する。同様に、治療効果は、患者が依然として基礎疾患による影響を受け得るにもかかわらず、患者の改善が観察されるように、基礎疾患に関連する生理学的症状の1つ以上の根絶または寛解により達成される。予防効果に関して、組成物は、疾患の診断が行われなくとも、特定の疾患を進行させる危険のある患者に、または疾患の生理学的な症状の1つ以上を報告する患者に投与され得る。
【0074】
用語「調節する」は、ヒストン脱メチル化に関して、ヒストンデメチラーゼの酵素活性が、対照と比較して本明細書に記載の置換トリアゾリルピリジン誘導体化合物との接触によって変化するプロセスを意味する。活性レベルは、ヒストンデメチラーゼの特定の細胞または分子のコンテキストに応じて、増加または減少(すなわち阻害)してもよい。オリジナルの、無変調の活性は、活性がないことを含む、あらゆる種類の活性であってもよい。「活性を調節する」という用語は、例えば、アポトーシスで終わる経路を含む、細胞経路(例えば、シグナル伝達経路)の機能の増加をもたらすヒストンデメチラーゼ活性の任意の変化を含む。酵素活性は、ゼロ(存在しないまたは測定不能な活性)からある量まで増加し得る;あるいは、より典型的には、ある量から測定不能な少量またはゼロまで減少することができる。活性の調整は、例えば、置換されたトリアゾリルピリジン誘導体化合物がヒストンデメチラーゼの酵素活性を阻害する時のIC
50として、表現されることができる(実施例を参照)。
【0075】
置換されたトリアゾルピリジン誘導体化合物
ヒストンデメチラーゼ酵素を阻害する置換された化合物が本明細書に記載されている。これらの化合物とこれらの化合物を含む組成物は、癌や腫瘍性疾患の処置に役立つ。したがって、本明細書に記載される化合物は、膵癌、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、肺癌、胃癌、白血病、または黒色腫などを処置するのに役立つことがある。上記のように、他に記載のない限り、化合物への全ての言及は、その薬学的に許容される塩を含む。
【0076】
少なくとも1つの実施形態は、式Iの構造を有する化合物を提供し、
【0077】
【化7】
式中、式Iの化合物はその薬学的な塩類を含み、および、
式中、R
1は、ハロゲン、CH
2G、NHGまたはOGであり、
式中、Gは水素、アルキル、または−X−Yであり、
ここで、Xは水素または−C
1アルキレンであり、
Yは、随意に置換されたアラルキル、アラルケニル、アラルキニル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アダマンチル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、クロマニル、インダニル、インドリル、ナフチル、随意に置換された1,2−ジヒドロナフチル、フェニル、ピリジル、テトラヒドロキノリニル、テトラリニル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル、または、チオクロマニル、または、−R
b−OR
a、−R
b−OC(O)−R
a、−R
b−OC(O)−OR
a、−R
b−OC(O)−N(R
a)
2、−R
b−N(R
a)
2、−R
b−C(O)R
a、−R
b−C(O)OR
a、−R
b−OvR
c−C(O)N(R
a)
2、−R
b−N(R
a)C(O)OR
a、−R
b−N(R
a)C(O)R
a、−R
b−N(R
a)S(O)
tR
a、−R
b−S(O)
tOR
a、−R
b−S(O)
tOR
a、または−R
b−S(O)
tN(R
a)
2であり、
ここで、それぞれのR
aは、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、
それぞれのR
bは、独立して、直接結合、または直鎖または分枝鎖のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖であり、
それぞれのR
cは、直鎖または分枝鎖のアルキレン鎖またはアルケニレン鎖であり、tは1または2であり;
R
2はハロゲンまたはCF
3であり;および、
R
5は、水素、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、CHF
2、CH
2F、CF
3、CH
2OH、CHCH
3OHまたはC(CH
3)
2OHである。
【0078】
式Iの化合物のいくつかの実施形態において、R
1はフルオロである。
【0079】
式Iの化合物のいくつかの実施形態において、R
2はCF
3である。
【0080】
式Iの化合物のいくつかの実施形態において、R
5は水素である。
【0081】
式Iの化合物のいくつかの実施形態において、Yは、アルキル、アルキニル、クロロ、フルオロ、フルオロアルキル、ニトロ、または、随意に置換されたアラルキル、アラルケニル、アラルキニル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、または−R
b−OR
a、−R
b−OC(O)−R
a、−R
b−OC(O)−OR
a、−R
b−OC(O)−N(R
a)
2、−R
b−N(R
a)
2、−R
b−C(O)R
a、−R
b−C(O)OR
a、−R
b−OvR
c−C(O)N(R
a)
2、−R
b−N(R
a)C(O)OR
a、−R
b−N(R
a)C(O)R
a、−R
b−N(R
a)S(O)
tR
a、−R
b−S(O)
tOR
a、−R
b−S(O)
tOR
a、または−R
b−S(O)
tN(R
a)
2、で随意に置換されたフェニルであり、ここで、それぞれのR
aは、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり;それぞれのR
bは、独立して、直接結合、あるいは直鎖または分枝鎖のアルキル鎖またはアルケニル鎖であり;それぞれのR
cは、直鎖または分枝鎖のアルキルまたはアルケニル鎖であり;tは1または2である。
【0082】
別の実施形態は、R
1がアルキル基である式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
1がメチルである式Iの化合物を提供する。
【0083】
別の実施形態は、R
1がカルボシクリルまたはカルボシクリルアルキルである式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
1はカルボシクリル(C
1−C
6アルキル)である式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
1がカルボシクリルエチルまたはカルボシクリルメチルである、式Iの化合物を提供する。
【0084】
別の実施形態は、R
1が、カルボシクリル(C
1−C
6アルキル)であり、カルボシクリルが、、ハロゲン、ヒドロキシ、−CN、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルアルキルまたはヘテロシクリルアルキルから選択される1つ以上の基で随意に置換される1,2,3,4テトラヒドロナフチルである、式Iの化合物を提供する。
【0085】
別の実施形態は、R
1が随意に置換されたヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルである、式Iの化合物を提供する。
【0086】
別の実施形態は、R
1が随意に置換されたヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである、式Iの化合物を提供する。
【0087】
別の実施形態は、R
1が随意に置換されたアリールまたはアラルキルである、式Iの化合物を提供する。
【0088】
別の実施形態は、R
1が随意に置換されたアラルキルであり、アラルキルはアリール(C
1−C
6アルキル)である、式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
1が随意に置換されたアラルキルであり、アラルキルはアリールエチルまたはアリールメチルである、式Iの化合物を提供する。
【0089】
別の実施形態は、Yは随意に置換されるアリールまたはアラルキルであり、アリールは、少なくとも1つのハロゲン、ヒドロキシ、−CN、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルアルキル、またはヘテロシクリルアルキルで随意に置換されるフェニルである、式Iの化合物を提供する。
【0090】
別の実施形態は、Yは随意に置換されるアリールまたはアラルキルであり、アリールは、少なくとも1つのハロゲン、ヒドロキシ、−CN、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルアルキル、またはヘテロシクリルアルキルで随意に置換されるナフチルである、式Iの化合物を提供する。
【0091】
別の実施形態は、Yが水素、ハロゲン、−CNまたは少なくとも1つのフルオロで随意に置換されたアルキルである、式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、Xが水素である式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
1はフルオロである式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
1がクロロである式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
1がヨードである式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、Yが−CNである式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
2が−CF
3である式Iの化合物を提供する。
【0092】
別の実施形態は、R
1が水素またはアリールである式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
1が水素である式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
1がアリールである式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
1がアリールであり、アリールが、少なくとも1つのハロゲン、ヒドロキシ、−CN、アルキル、アルコキシル、−O−(シクロアルキルアルキル)、アルキルアミノ、アリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルアルキル、またはヘテロシクリルアルキルで随意に置換されるフェニルである、式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
1はアリールであり、アリールは、ハロゲン、アルコキシ、または−O−(シクロアルキルアルキル)から選択される1つ以上の基で置換されるフェニルである式Iの化合物を提供する。別の実施形態は、R
5が水素である式Iの化合物を提供する。
【0093】
少なくとも一つの実施形態では、式Iの化合物は以下の構造を有し:
【0095】
式中、G、R
2およびR
5は上述された通りである。
【0096】
少なくとも一つの実施形態では、式Iの化合物は以下の構造を有し:
【0098】
式中、R
2とR
5は上述の通りであり;および、
Zは、独立して、少なくとも1つの水素、ハロゲン、−OH、−CN、随意に置換されたC
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシル、C
3−C
7カルボシクリル、C
3−C
7カルボシクリルオキシ、C
4−C
12カルボシクリルアルキル、C
4−C
12カルボシクリルアルコキシ、C
1−C
6アルキニル、C
1−C
6アルケニル、C
6−C
10アリール、C
6−C
10アリールオキシ、C
6−C
10アリール−S−、C
7−C
14アラルコキシ、ヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシである。
【0099】
式Ibの化合物のいくつかの実施形態において、Zは少なくとも1つのハロゲンである。化合物のいくつかの実施形態において、Zは少なくとも1つのフルオロである。いくつかの実施形態では、R
2はCF
3である。いくつかの実施形態では、R
5は水素である。
【0100】
式Ibの化合物の別の実施形態では、Zは、独立して、少なくとも1つの、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、NH
2、NHR
d、N(R
d)
2、NHC(O)R
d、NHC(O)OR
d、NHC(O)NHR
d、NHC(O)N(R
d)
2、NHS(O)
2R
d、NR
dC(O)R
d、NR
dC(O)OR
d、NR
dC(O)NHR
d、NR
dC(O)N(R
d)
2、NR
dS(O)
2R
d、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、またはヘテロアリールアルキルであり;ここで、それぞれのR
dは、独立して、アルキル、アリール、アラルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、あるいはヘテロアリールアルキルであある。
【0101】
式Ibの化合物のいくつかの実施形態において、R
2はCF
3であり、Zのうちの1つはフルオロであり;Zのうちの1つは、随意に置換された、直鎖、分岐鎖、または環状のC1−C6アルキルであり、および、R
5は水素である。化合物のいくつかの実施形態において、R
2はCF
3であり、Zのうちの1つはフルオロであり、Zのうちの1つは、随意に置換された、直鎖、分岐鎖、または環状のC1−C6アルコキシであり、および、R
5は水素である。化合物のいくつかの実施形態において、R
2はCF
3であり、Zのうちの1つはフルオロであり、Zのうちの1つはトリフルオロメチルオキシであり、R
5は水素である。式Iの化合物のいくつかの実施形態において、R
2はCF
3であり、Zのうちの1つはフルオロであり、Zのうちの1つはフェニルメトキシであり、R
5は水素である。化合物のいくつかの実施形態において、R
2はCF
3であり、Zのうちの1つはフルオロでああり、Zのうちの1つはNHR
dまたはN(R
d)
2であり、R
5は水素である。化合物のいくつかの実施形態において、R
2はCF
3であり、R
1はNHGであり、ここで、Gは−X−Yであり、Xは−C
1アルキレンであり、R
5は水素である。
【0102】
少なくとも一つの実施形態は、式IIの構造を有する化合物を提供し:
【0104】
式中、式IIの化合物はその薬学的に許容可能な塩を含み、および、
式中、R
2がハロゲンまたはCF
3であり;
R
3とR
4は、各々独立して、水素、ハロゲン、−OH、−OR
6、−N(R
6)
2、アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アラルキル、またはヘテロアリールアルキルであり、
ここで、それぞれのR
6は、独立して、水素、アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アラルキル、またはヘテロアリールアルキルであり;
および、R
5は、水素、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、−CHF
2、−CH
2F、−CF
3、−CH
2OH、−CHCH
3OHまたは−C(CH
3)
2OHである。
【0105】
いくつかの実施形態は、R
2がCF
3である式IIの化合物を提供する。いくつかの実施形態は、R
5が水素である式IIの化合物を提供する。
【0106】
他の実施形態は、R
4が随意に置換されたC
1−C
4アルキルである式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
4がC
1−C
4アルキルであり、アルキルは少なくとも1つのフルオロと置換される、式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
4がCH
2F、CHF
2またはCF
3である式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
4がCF
3である式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
5がHである式IIの化合物を提供する。
【0107】
別の実施形態は、R
4がアリールである式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
4がヘテロアリールである式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、式IIの化合物を提供し、式中、R
4はアリールであり、それぞれのアリールは、ハロゲン、アルコキシ、カルボシクリルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、アラルキルオキシ、またはヘテロアリールアルコキシ、で独立して随意に置換される。別の実施形態は、式IIの化合物を提供し、式中、R
4はアリールであり、アリールは、ハロゲン、アルコキシ、カルボシクリルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、アラルコキシ、またはヘテロアリールアルコキシ、で随意に置換される。
【0108】
別の実施形態は、R
3が水素である式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
3がアルキルである式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
2がメチルである式IIの化合物を提供する。
【0109】
別の実施形態は、式IIの化合物を提供し、式中、R
3は随意に置換されたカルボシクリルまたはカルボシクリルアルキルである。別の実施形態は、式IIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、R
3はカルボシクリル(C1−C6アルキル)である。別の実施形態は、式IIの化合物を提供し、式中、R
3はカルボシクリル(C1−C6アルキル)であり、および、C1−C6アルキルはエチルまたはメチルである。
【0110】
別の実施形態は、式IIの化合物を提供し、式中、R
3は随意に置換されたカルボシクリル(C
1−C
6アルキル)であり、カルボシクリルは、少なくとも1つのハロゲン、ヒドロキシ、−CN、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アルキルアミノ、アリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルアルキル、またはヘテロシクリルアルキルで随意に置換された1,2,3,4−テトラヒドロナフチルである。
【0111】
別の実施形態は、式IIの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、R
3は随意に置換されたヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルである。別の実施形態は、式IIの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、R
3は随意に置換されたヘテロシクリル(C
1−C
6アルキル)である。
【0112】
別の実施形態は、R
3が随意に置換されたヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
3が随意に置換されたヘテロシクリルアルキルであり、R
4とR
5が水素である式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
3が随意に置換されたシクリルアルキルであり、R
4とR
5が水素である式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
3がフェニルオキシメチルであり、R
4とR
5が水素である、式IIの化合物を提供する。
【0113】
別の実施形態は、式IIの化合物を提供し、式中、R
3は随意に置換されたヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、ヘテロアリールは、少なくとも1つのハロゲン、ヒドロキシ、−CN、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アルカミノ(alkamino)、アリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルアルキル、またはヘテロシクリルアルキルで随意に置換されたピリジンまたはピリミジンである。
【0114】
別の実施形態は、式IIの化合物を提供し、式中、R
3は随意に置換されたヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、少なくとも1つのハロゲン、ヒドロキシ、−CN、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アルキルアミノ、アリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルキルで随意に置換されたクロマニルである。
【0115】
別の実施形態は、式IIの化合物を提供し、式中、R
3は随意に置換されたヘテロアリールアルキルであり、ヘテロアリールは、少なくとも1つのハロゲン、ヒドロキシ、−CN、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アルキルアミノ、アリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルキルで随意に置換されたクロマニルを含む。別の実施形態は、R
3がエチルまたはメチルである式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
3がアリールまたはアラルキルである式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
5が水素である式IIの化合物を提供する。
【0116】
別の実施形態は、式IIの化合物を提供し、式中、R
3は随意に置換されたアリールまたはアラルキルであり、アリールは、少なくとも1つのハロゲン、ヒドロキシ、−CN、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アルカミノ、アリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルキルで随意に置換されたフェニルである。別の実施形態は、式IIの化合物を提供し、式中、R
2はアリールまたはアラルキルであり、アリールは、少なくとも1つのハロゲン、アルコキシ、アルキルで随意に置換されたフェニルである。
【0117】
別の実施形態は、R
3が随意に置換されたアラルキルであり、アラルキルはアリール(C
1−C
6アルキル)である式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、式IIの化合物を提供し、式中、R
3がアラルキルであり、アラルキルはアリール(C
1−C
6アルキル)であり、アリールは、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ、−CN、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アルキルアミノ、アリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルアルキル、またはヘテロシクリルアルキルで随意に置換されたフェニルである。別の実施形態は、R
3がアラルキルであり、アラルキルはアリール(C
1−C
6アルキル)であり、(C
1−C
6アルキル)はエチルまたはメチルである、式IIの化合物を提供する。
【0118】
別の実施形態は、式IIの化合物を提供し、式中、R
3はアラルキルであり、アラルキルは、少なくとも1つのハロゲンヒドロキシ、−CN、アルキル、アルコキシル基、シクロアルキルアルコキシ、アルキルアミノ、アリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルアルキル、またはヘテロシクリルアルキルで随意に置換されたナフチルを含む。別の実施形態は、アラルキルがさらにC
1アルキレンまたはC
2アルキレンを含む、式IIの化合物を提供する。
【0119】
別の実施形態は、R
1またはR
5は水素である式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
1とR
5の両方が水素である式IIの化合物を提供する。
【0120】
別の実施形態は、R
3がアリールである式IIの化合物を提供する。別の実施形態は、R
3が水素またはアリールである式IIの化合物を提供する。
【0121】
別の実施形態は、式IIの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、R
3はアリールであり、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、−CN、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アルキルアミノ、アリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルアルキル、またはヘテロシクリルアルキルから選択される1つ以上の基で随意に置換されたフェニルである。別の実施形態は、式IIの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、R
1はアリールであり、アリールは、ハロゲン、アルコキシ、またはシクロアルキルアルコキシから選択される1つ以上の基で随意に置換されたフェニルである。
【0122】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物は、表1で提供される構造を有する。
【0124】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は表2で提供される構造を有し、ここで、RはCl、FまたはCF
3である。
【0128】
置換されたトリアゾリルピリジン誘導体化合物の調製
【0129】
本明細書に記載される反応で使用される化合物は、市販の化学製品および/または化学の文献に記載される化合物から始まる、当業者に知られている有機合成技術によって作られる。「市販の化学製品」は、Acros Organics(Pittsburgh,Pa.,US)、Aldrich Chemical(Milwaukee,Wis.,US;includes Sigma Chemical and Fluka)、Apin Chemicals Ltd.(Milton Park,UK)、Avocado Research(Lancashire,UK)、BDH Inc.(Toronto,CA)、Bionet(Cornwall,UK)、Chemservice Inc.(West Chester,Pa.,US)、Crescent Chemical Co.(Hauppauge,N.Y.,US)、Eastman Organic Chemicals、Eastman Kodak Company(Rochester,N.Y.,US)、Fisher Scientific Co.(Pittsburgh,Pa.,US)、Fisons Chemicals(Leicestershire,UK)、 Frontier Scientific(Logan,Utah,US)、ICN Biomedicals,Inc.(Costa Mesa,Cal.,US)、Key Organics(Cornwall,UK)、Lancaster Synthesis(Windham,N.H.,US)、Maybridge Chemical Co.Ltd.(Cornwall,UK)、Parish Chemical Co.(Orem,Utah,US)、Pfaltz & Bauer,Inc.(Waterbury,Conn.,US)、 Polyorganix(Houston,Tex.,US)、Pierce Chemical Co.(Rockford,Ill.,US)、Riedel de Haen AG(Hanover,DE)、Spectrum Quality Product,Inc.(New Brunswick,N.J.,US)、TCI America(Portland,Or.,US)、Trans World Chemicals,Inc.(Rockville,Md.,US)、およびWako Chemicals USA,Inc.(Richmond,Va.,US)、を含む、標準的な商業的供給元から得られる。
【0130】
当業者に知られている方法は、様々な文献やデータベースによって特定される。本明細書に記載の化合物の調製に有用な反応物の合成を詳述する、または、その調製を記載する文献への参照を提供する、適切な参考文献および論文がある。例えば、以下を参照。SYNTHETIC ORGANIC CHEM.(John Wiley & Sons,Inc.,N.Y.);Sandler et al.,ORGANIC FUNCTIONAL GROUP PREP.,2nd Ed.(Academic Press,N.Y.,1983);House,MODERN SYNTHETIC REACTIONS,2nd Ed.(W.A.Benjamin,Inc.,Menlo Park,Calif.,1972);Gilchrist,HETEROCYCLIC CHEM.,2nd Ed.(John Wiley & Sons,N.Y.,1992);March,ADVANCED ORGANIC CHEM.:REACTIONS,MECHANISMS & STRUCTURE,4th Ed.,(Wiley Interscience,N.Y.,1992).本明細書に記載される化合物の調製に役立つ反応物の合成を詳述する、または、調製について記載した記事を参照する追加の適切な参照が、当該技術分野で公知である。例えば、以下を参照。Fuhrhop & Penzlin,ORGANIC SYNTH.:CONCEPTS,METHODS,STARTING MAT’LS,2nd Revised & Enlarged Ed.(John Wiley & Sons,ISBN:3 527−29074−5,1994);HOFFMAN,ORGANIC CHEM.,INTERMEDIATE TEXT(Oxford Univ.Press,ISBN 0−19−509618−5,1996);Larock,COMPREHENSIVE ORGANIC TRANSFORMATIONS:GUIDE TO FUNCTIONAL GROUP PREPARATIONS,2nd Ed.(Wiley−VCH,ISBN:0 471−19031−4,1999);March,ADVANCED ORGANIC CHEM.:REACTIONS,MECHANISMS,& STRUCTURE,4th Ed.(John Wiley & Sons,ISBN:0−471−60180−2,1992);MODERN CARBONYL CHEM.(Otera(Ed.),Wiley−VCH,ISBN:3−527−29871−1,2000);Patai,PATAI’S 1992 GUIDE TO CHEM.OF FUNCTIONAL GROUPS(Interscience ISBN:0−471−93022−9,1992);Solomons,ORGANIC CHEM.,7th Ed.(John Wiley & Sons,ISBN:0−471−19095−0,2000);Stowell,INTERMEDIATE ORGANIC CHEM.,2nd Ed.(Wiley−Interscience,ISBN:0−471−57456−2,1993);INDUSTRIAL ORGANIC CHEM.:STARTING MATERIALS & INTERMEDIATES:ULLMANN’S ENCYCLOPEDIA(John Wiley & Sons,ISBN:3−527−29645−X,1999)in 8 volumes;ORGANIC REACTIONS(1942−2000)(John Wiley & Sons),in over 55 volumes;CHEM.FUNCTIONAL GROUPS(John Wiley & Sons),in 73 volumes.
【0131】
特定の類似した反応物は米国化学学会のChemical Abstract Serviceによって調製された既知の化学製品のインデックスによって識別されることもあり、これはほとんどの公立図書館や大学図書館で利用可能であり、同様に、オンラインデータベースでも利用可能である(詳細についてはワシントンDCのthe American Chemical Societyに連絡されてもよい)。既知ではあるがカタログで市販されていない化学物質は、慣習化学合成室(custom chemical synthesis house)によって調製され得、そこでは、標準の化学合成室(例えば、上記に記載のもの)の多くは、慣習合成サービスを提供している。本明細書に記載される置換された複素環誘導体化合物の医薬品の塩の調製と選択についての参考文献は、P.H.Stahl & C.G.Wermuth “Handbook of Pharmaceutical Salts”,Verlag Helvetica Chimica Acta,Zurich,2002である。
【0132】
置換された複素環の誘導体の合成のための一般法も公知である。例えば、以下を参照。WO2009158396;WO200563768;WO2006112666;Briet et.al.,58 Tetrahedron 5761(2002);WO200877550;WO200877551;WO200877556;WO200712421;WO200712422;US200799911;WO200877550;Havera et al.,42 J.Med.Chem.3860(1999);WO200429051;US20090054434。置換された複素環の誘導体の合成のさらなる例が知られている。例えば、以下を参照。WO2012/171337;WO2011/044157;WO2009/097567;WO2005/030791;EP203216;Becknell et al.,21 Bioorg.Med.Chem.Letts.7076(2011);Svechkarev et al.,Visnik Kharkivs’kogo Natsional’nogo Univ.im.V.N.Karazina,770:201(2007);Coskun et al.,35 Synth.Commun.2435(2005);Alvarez et al.,15 Sci.Synth.839(2005);Kihara et al.,53 Heterocycl.359(2000);Couture et al.,7 J.Chem.Soc’y,Perkin Transact.1:Org.Bio−Org.Chem.789(1999);Kihara et al.,48 Heterocycles 2473(1998);Couture et al.,52 Tetrahed.4433(1996);Couturre et al.,37 Tetrahed.Lett.3697(1996);Natsugari et al.,38 J.Med.Chem.3106(1995);Moehrle et al.,321 Archiv Pharm.759(Weinheim,DE)321:759(1988);Gore et al.,3 J.Chem.Soc’y,Perkin Transact.1:Org.Bio−Org.Chem.481(1972−1999)(1988);Narasimhan et al.,3 J.Chem.Soc’y,Chem.Commun.191(1987);Henry et al.,40 J.Org.Chem.1760(1975);Berti,90 Gazzetta Chim.Italiana559(1960);Berti et al.,49 Annal.Chim.2110(Rome,Italy)(1959);Berti et al.,49 Annal.Chim.1253(Rome,Italy)(1959);WO 2012000595;Couture et al.,52 Tetrahed.4433(1996);WO2010069504;WO2010069504;WO2006030032;WO2005095384;US20050222159;WO2013064984;Mishra et al.,2013 Eur.J.Org.Chem.693(2013);Vachhani et al.,69 Tetrahed.359(2013);Xie et al.,45 Eur.J.Med.Chem.210(2010);Mukaiyama et al.,15 Bioorg.Med.Chem.868(2007);JP2005/089352;Wang et al.,9 Molec.574(2004);WO2000023487;US20060287341;CN103183675;Hares et al.,32 Egyptian J.Pharm.Sci.303(1991);DE2356005;DE2133898;DE2133998;米国特許3,816,422号;DE2011970;Staehle et al.,8 Justus Liebigs Annalen der Chem.1275(1973)。
【0133】
本明細書に開示される置換された複素環の誘導体の化合物の合成のための追加の方法は、当業者に容易に利用可能である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される置換された複素環の誘導体の化合物は、次のスキーム1および2に記載の一般的な合成経路によって調製され、これは当業者には例示的であり、限定するものではない。
【0135】
上記のスキーム1を参照すると、3−フルオロ−4−ヨードピリジン(1−0)は、電子レンジの中で、130度などの上昇した温度で、トルエン中において、触媒量のPd(0)の存在下で、スズ試薬、トリブチルスタニル−3,3,3−トリフルオロ−1−プロピンとのスティルカップリング反応を経て、(1−2)を得る。次いで、これを、t−ブチルアルコールまたはトルエンなどの有機溶媒中で還流しながら1−アジドメチル−4−メトキシ−ベンゼンと加熱し、−P−メトキシベンジル保護(PMB−保護)(PMB−protected)トリフルオロメチルトリアゾル中間体(1−4a)および(1−4b)の混合物を得る。180℃などの高温でジメチルスルホキシド(DMSO)中においてK
2CO
3がある状態で、アミンで3−フルオロ基を置換することにより、混合物(1−5a)および(1−5b)を得て、次いで、これを一晩室温(RT)で、または50℃でより短い期間で、トリフルオロ酢酸(TFA)で処理して、最終生成物(1−6)を得る。
【0137】
上記のように、化合物2−9などの化合物を調製する方法がスキーム2で提供される。このアプローチによれば、2−フルオロ−4−ヨードピリジンを、上昇した温度(例えば約60℃から100℃)下で、エタノールなどのアルコール性溶媒中で、ヒドラジン水和物で処置し、中間物(2−1)を得る。続いて、酢酸の存在下で還流するまで加熱したアルコール性溶媒(エタノールなど)の混合物中でアセトアセチルエステルで反応させることで、環化したヒドロキシピラゾールピリジン中間物(2−3)が得られる。PMBによるヒドロキシ基の保護に続いて、中間物(2−4)は、電子レンジの中で、120度などの上昇した温度で、トルエン中において、触媒量のPd(0)の存在下で、スズ試薬、トリブチルスタニル−3,3,3−トリフルオロ−1−プロピンとのスティルカップリング反応を経て、(2−6)を得る。次いで、これを、t−ブチルアルコールまたはトルエンなどの有機溶媒中で還流しながら1−アジドメチル−4−メトキシ−ベンゼンと加熱し、PMB−保護トリフルオロメチルトリアゾル中間体(2−8a)および(2−8b)の混合物を得て、これを、室温でTFAで一晩、または50℃でより短い期間で処理して、最終生成物(2−9)を得る。
【0138】
上記の反応手順またはスキームの各々において、様々な置換基を、本明細書で教示されるそれ以外の様々な置換基のなかから選択することもある。
【0139】
医薬組成物
上述のように、特定の実施形態では、本明細書に記載の置換されたトリアゾリルピリジンの誘導体の化合物はそれの純粋な化学薬品または塩として投与されてもよい。他の実施形態では、本明細書に記載の置換されたトリアゾリルピリジン誘導体化合物は、医薬組成物の中に調製され、ここで、置換されたトリアゾリルピリジン誘導体化合物は、周知である、選択された投与経路および標準的な製薬実務に基づいて選択された、少なくとも1つの薬学的に許容可能または薬学的に適切な賦形剤(本明細書では薬学的に適切な(または許容可能な)担体、生理的に適切な(または許容可能な)賦形剤または生理的に適切な(または許容可能な)担体とも呼ばれる)と結合する。例えば、REMINGTON:SCI.& PRACTICE PHARM.21ST ED.(Gennaro,Mack Pub.Co.,Easton,PA,2005)を参照。
【0140】
従って、本明細書では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とともに、少なくとも1つの置換された複素環の誘導体の化合物、または、その立体異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、そのN−オキシドを含む医薬組成物が提供される。賦形剤(または担体)は、賦形剤が組成物の他の活性薬剤または賦形剤と適合性である場合には許容可能または適切であり、組成物のレシピエント(すなわち被験体)に有害ではなく、特定の剤形に必要とされる良好な実験室慣行の下で調製される。
【0141】
1つの実施形態は、式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を提供する。一実施形態は、式IIの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を提供する。
【0142】
特定の実施形態において、本明細書に記載されるトリアゾルピリジン誘導体化合物は、例えば、合成プロセスの1つ以上の工程で作られる汚染中間物または副産物などの他の有機的な小分子を約5%未満または約1%未満または約0.1%未満含んでいるという点で、実質的に純粋である。
【0143】
適切な経口剤形としては、例えば、ハードまたはソフトなゼラチン、メチルセルロース、あるいは消化管で容易に溶ける別の適切な材料の錠剤、丸剤、小袋、またはカプセルが挙げられる。例えば、薬学的グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、滑石、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどの医薬品グレードを含む適切な無毒の固体担体が使用され得る。例えば、REMINGTON,2005を参照。
【0144】
本明細書に記載されるような少なくとも1つの置換されたトリアゾルピリジン誘導体化合物を含む組成物の投与量は、患者(例えばヒト)の状態、すなわち、疾患の段階、全体的な健康状態、年齢、および医療分野の当業者が投与量を決定するために利用する他の因子に応じて変動し得る。
【0145】
医薬組成物は、医学の当業者によって決定されるように、処置を受ける(または予防される)疾患に適切なやり方で投与されてもよい。適切な投与量および投与の適切な持続時間と頻度は、患者の疾病、患者の疾患のタイプおよび重症度、活性成分の特定の形態、および投与の方法などの因子によって決定される。一般に、適切な投与量および処置のレジメンは、より頻繁な完全寛解または部分寛解、またはより長い無病生存および/または全生存率、または症状の重症度の低下などの、治療上のおよび/または予防的な恩恵(例えば、臨床結果の改善)をもたらすのに十分な量で組成物を提供する。一般に、実験モデルおよび/または臨床試験を使用して、適量が決定され得る。適量は、患者の体重、重量、または血液量に依存し得る。経口量は典型的には1日当たり1−4回またはそれ以上、約1.0mg−約1000mgまでの幅がある。
【0146】
ヒストンデメチラーゼ
染色質は染色体を構成するDNAとタンパク質の複合体である。ヒストンはクロマチンの主要なタンパク質成分であり、DNAが巻き付くスプールとして作用する。クロマチン構造の変化は、ヒストンタンパク質の共有結合修飾、および非ヒストンの結合タンパク質によって影響される。ヒストンを様々な部位で共有結合的に修飾することができる複数のクラスの酵素が知られている。
【0147】
従って、クロマチン構造は、高度に凝縮されたクロマチンに効率的に生じないことがある遺伝子転写の調節に重大な役割を果たす。クロマチン構造は、ヒストンタンパク質、特にヒストンH3およびH4に対する、一連の翻訳後修飾によって、および最も一般的にはコアヌクレオソーム構造を越えて伸長する「ヒストン尾部」内で制御される。これらの翻訳後修飾には、アセチル化、メチル化、リン酸化、リボシル化SUMO化、ユビキチン化、シトルリン化、脱アミノ化およびビオチン化が含まれる。ヒストン尾部に加えて、ヒストンH
2AおよびH3のコアを修飾することができる。クロマチン中のヒストンの機能を考慮すると、ヒストン修飾は、遺伝子発現、DNA複製、DNA修復、および染色体凝縮などの多様な生物学的過程に不可欠である。
【0148】
タンパク質は、リジンのアミノ基とアルギニンのグアニジノ基上のメチル化によって翻訳後に修飾可能であるか、あるいはアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、あるいはタンパク質のC末端上でカルボキシメチル化可能である。翻訳後のタンパク質メチル化は、RNAプロセシング、受容体媒介性のシグナル伝達、および細胞分化などの様々な細胞プロセスに関与している。翻訳後のタンパク質メチル化は、ヒストン上に生じることが広く知られており、こうした反応は、ヒストンメチルトランスフェラーゼによって触媒されることが知られており、これによって、メチル基をS−アデノシルメチオニン(SAM)からヒストンまで移動させる。ヒストンメチル化は、ヘテロクロマチン形成、X染色体不活性化、および転写調節を含む多様な生物学的プロセスに関与することが知られている。Lachner et al.,116 J.Cell Sci.2117−24(2003);Margueron et al.,15 Curr.Opin.Genet.Devel.163−76(2005)。
【0149】
一般に転写活性化と相関するアセチル化とは異なり、ヒストンメチル化が転写の活性化または抑制を引き起こすかどうかは、メチル化の特定の部位とメチル化の程度(例えば、特定のヒストンリジン残基がモノメチル化されるか、ジメチル化されるか、またはトリメチル化されるかどうか)に依存する。ヒストン残基H3K9、H3K27およびH4K20のメチル化は、一般に遺伝子サイレンシングに関連しており;および、H3K4、H3K36、およびH3K79のメチル化は、一般に、活性遺伝子発現に関連する。さらに、H3K4のトリメチル化とジメチル化は、一般に、活性転写した遺伝子の転写開始部位を示すが、一方でH3K4のモノメチル化は転写エンハンサー配列に関連付けられる。
【0150】
「デメチラーゼ」または「タンパク質デメチラーゼ」は、本明細書では、アミノ酸側鎖から少なくとも1つのメチル基を取り除く酵素を指す。いくつかのデメチラーゼは、ヒストン上で作用し、例えば、ヒストンH3またはH4のデメチラーゼとして作用する。例えば、H3デメチラーゼは、H3K4、H3K9、H3K27、H3K36、またはH3K79の1つ以上を脱メチル化し得る。代替的に、H4デメチラーゼは、ヒストンH4K20を脱メチル化し得る。デメチラーゼは、モノ−、ジ−またはトリ−メチル化された基質のいずれかを脱メチル化することができると知られている。さらに、ヒストンデメチラーゼは、(例えば、細胞ベースのアッセイにおいて)メチル化されたコアヒストン基質、モノヌクレオソーム基質、ジヌクレオソーム基質、またはオリゴヌクレオソーム基質、または、ペプチド基質、またはクロマチン上で作用することができる。
【0151】
発見された最初のリジンデメチラーゼは、リジン特異的デメチラーゼ1(LSD1/KDM1)であり、これは、フラビンをモノメチル化H3K4およびジメチル化H3K4またはモノメチル化H3K9およびジメチル化H3K9の脱メチル化に補助因子として使用する。Jumonji C(JmjC)ドメイン含有ヒストンデメチラーゼの第2のクラスが予測され、ホルムアルデヒド放出アッセイがH3K36デメチラーゼを同定したときに確認された。このヒストンデメチラーゼは、ヒストンデメチラーゼ1(JHDM1/KDM2A)を含むJmjCドメインと命名された。
【0152】
さらなるJmjCドメイン含有タンパク質が続いて同定され、これらは、系統発生的に7つのサブファミリーへ分類可能である:JHDM1、JHDM2、JHDM3、JMJD2、JARID、PHF
2/PHF8、UTX/UTY、またはJmjCドメインに分けることができる。
【0153】
FBXL10とFBXL11
F−boxおよびロイシンリッチリピートタンパク質10(FBXL10)と、F−boxおよびロイシンリッチリピートタンパク質11(FBXL11)とは、ヒドロキシル化ベースの機序を介してヒストンH3を脱メチル化する多機能なF−boxファミリータンパク質である。リジン(K)特異的なデメチラーゼ2B(KDM2B)またはJumonji Cドメイン含有ヒストンデメチラーゼ1B(JHDM1B)としても知られているFBXL10は、ヒストンH3のトリメチル化されたH3K4とジメチル化されたH3K36を優先的に脱メチル化するが、モノメチル化およびトリメチル化されたH3K36に対する活性は弱いか全くない。FBXL10は3つの領域:触媒JMJCドメイン、Fボックスドメイン、およびCXXC DNA結合ドメインを包含している。N末端JMJCドメインは、ヒドロキシル化に基づく機構によって脱メチル反応を触媒するために、鉄とα−ケトグルタル酸塩を配位結合させる。CXXC DNA結合ドメインにより、FBXL10は、リボソームRNAの転写領域に優先的に結合して、リボソームRNA遺伝子転写の抑制を引き起こし、これは最終的には細胞の成長と増殖の阻害を引き起こす。FBXL10は、急性骨髄性白血病、膀胱癌および膵臓腺癌において過剰発現される。さらに、FBXL10は、幹細胞分化に必須の後生的レギュレーターとして活性なタンパク質をコードするポリコーム標的遺伝子の発現を調節し、したがって腫瘍形成にFBXL10を関与させる。
【0154】
KDM2AまたはJHDM1Aとも呼ばれるFBXL11は、モノ−メチル化およびジ−メチル化されたH3K36を脱メチル化する。FBXL11 CXXC DNA結合ドメインは非−メチル化DNAを認識し、特異的にH3K36メチル化を取り除くCpGアイランド領域を標的とする。さらに、FBXL11は、異質染色質状態を維持し、有糸分裂中にセントロメアの完全性とゲノムの安定を保持する。さらに、FBXL11はNF−KBの重要な負の制御因子である。FBXL11の過剰発現は非小細胞肺癌細胞系(NSCLC)で観察されており、そこでは、FBXL11は、細胞株中のDUSP3発現を抑制することにより、リン光体−ERK1/2をアップレギュレートする。FBXL11による糖新生の遺伝子発現の負の制御により、血糖ホメオスタシスの維持に必要不可欠な2つの律速糖新生酵素の抑制がもたらされる。
【0155】
従って、少なくとも1つの追加の実施形態は、ヒストンデメチラーゼ酵素を式Iまたは式IIの化合物と接触させる工程を含む、ヒストン−デメチラーゼ酵素を阻害するための方法を提供する。追加の実施形態では、ヒストンデメチラーゼ酵素を阻害する方法を提供し、ここで、ヒストンデメチラーゼ酵素はJmjCドメインを含む。さらに別の追加の実施形態では、ヒストンデメチラーゼ酵素を阻害するための方法を提供し、ここで、ヒストンデメチラーゼ酵素はFBXL10またはFBXL11である。
【0156】
処置の方法
一般に、または1つ以上の特定の標的遺伝子のいずれかに対して、細胞または被験体中の脱メチル化を調節する方法が本明細書で開示される。脱メチル化は、以下を含むがこれに限定されない、様々な細胞機能を制御するために調節され得る:分化;増殖;アポトーシス;腫瘍形成、白血病誘発または他の癌化事象;脱毛;または性分化。例えば、特定の実施形態は、FBXL10またはFBXL11の活性を調節することにより、必要としている被験体のヒストンメチル化または脱メチル化によって制御される疾患を処置する方法を提供する。
【0157】
実施形態はさらに、本明細書に開示される、病状、病気、障害、感染症、または疾病、特に癌、炎症性疾患またはウイルス性疾患における、タンパク質メチル化、遺伝子発現、細胞増殖、細胞分化、またはインビトロでのアポトーシスを調節する治療的な方法を提供し、該方法は、医薬組成物中において投与されうる、本明細書に記載の、薬学的に活性または治療上有効な量の少なくとも1つの置換されたトリアゾリルピリジンの誘導体の化合物を、このような治療を必要とする被験体に投与する工程を含む。
【0158】
実施形態はさらに、癌、腫瘍性疾患、または他の増殖性の疾患、に罹患しているヒトなどの被験体を処置する方法を提供する。該方法は、本明細書に記載の、治療上有効な量の少なくとも1つの置換されたトリアゾリルピリジンの誘導体の化合物を、このような処置を必要とする被験体に投与する工程を含み、これは、デメチラーゼを阻害し、一般に遺伝子発現を調節することによって機能して、様々な細胞効果を調節し、特に遺伝子発現を誘導または抑制し、細胞増殖を停止させ、細胞分化を誘導し、または、アポトーシスを誘導する。
【0159】
実施形態はさらに、治療上有効な量の少なくとも1つの置換されたトリアゾリルピリジンの誘導体の化合物を、このような処置を必要とする哺乳動物、特にヒト、に投与することによって、癌、腫瘍性疾患、またはヒストンデメチラーゼ活性によって少なくとも部分的に媒介される別の増殖性障害を処置または改善するための方法に関する。いくつかの態様において、本実施形態の方法によって処置される疾病は癌である。
【0160】
さらなる実施形態では、被験体において癌を処置するための方法があり、ここで、癌は、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、胃癌、白血病、膀胱癌、肺癌または黒色腫である。
【0161】
他の実施形態と使用は、本開示を考慮すれば当業者には明白である。以下の実施例は、様々な実施形態の例証となるものとしてのみ提供され、いかなる方法でも本発明を制限するようには解釈されないものとする。
【実施例】
【0162】
他に特に明記のない限り、商用サプライヤーから受け取った試薬および溶媒を使用した。無水溶媒および炉乾燥したガラス製品を、湿気または酸素感受性の合成変換に使用した。収率を最適化しなかった。反応時間はおおよそであり、最適化されたものではない。他に特に明記のない限り、カラムクロマトグラフイーおよび薄層クロマトグラフィー(TLC)を、シリカゲル上で実行した。スペクトルはppm(δ)で与え、結合定数Jはヘルツで報告した。プロトンスペクトルについては、溶媒ピークを、参照ピークとして使用した。
【0163】
調製物1A:3−フルオロ−4−(3,3,3−トリフルオロプロプ−1−イン−1−イル)ピリジン
【0164】
【化13】
【0165】
トルエン(15mL)中の3−フルオロ−4−ヨードピリジン(1g、4.48mmol)、1−トリブチルスタニル−3,3,3−トリフルオロ−1−プロピン(2.3 g、5.38mmol、90%)およびPd(PPh3)4(259mg、0.045mmol)の混合物を、電子レンジ中でN2下で130℃で5時間加熱した。混合物を濃縮し、シリカゲル(EtOAc/Hex=0%−20%)上でフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(260mg、31%)を得た。[M+H]calculated for C
8H
3F
4N:190;found:190。
【0166】
調製物1B:3−フルオロ−4−{1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾル−4−イル}ピリジンおよび3−フルオロ−4−{1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾル−5−y}ピリジン
【0167】
【化14】
【0168】
t−ブタノール(10mL)中の3−フルオロ−4−(3,3,3−トリフルオロプロプ−1−イン−1−イル)ピリジン(260mg、1.37mmol)および1−アジドメチル−4−メトキシ−ベンゼン(4mL、2mmol、メチルt−ブチルエーテル中0.5M)の溶液を、80度で2時間加熱した。溶液を濃縮し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/Hex=0%−20%)により精製して、標記化合物の混合物(110mg、23%)を得た。[M+H]calc’d for C
16H
12F
4N
4O:353;found:353。
【0169】
<実施例1>3−フルオロ−4−[5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾル−4−イル]ピリジン
【0170】
【化15】
【0171】
3−フルオロ−4−{1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾル−4−イル}ピリジンおよび3−フルオロ−4−{1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾル−5−イル}ピリジン(50mg、0.14mmol)の混合物を、5mLのTFAに溶解し、50度で一晩撹拌した。溶媒を真空下で取り除いた後、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(25mg、77%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ7.68(1H,s),8.62(s,1H),8.81(s,1H)。Calc’d for C
8H
4F
4N
4:233;found:233。
【0172】
<実施例2>N−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−[5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾル−4−イル]ピリジン−3−アミン
【0173】
【化16】
【0174】
DMSO(2mL)中の3−フルオロ−4−{1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾル−4−イル}ピリジンおよび3−フルオロ−4−{1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾル−5−イル}ピリジン(28mg、0.08mmol)、5−クロロ−2−フルオロアニリン(17mg、0.12mmol)およびK
2CO
3(27mg、0.2mmol)の混合物を、電子レンジの中で180℃で5時間加熱した。反応混合物をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/Hex=0%−20%)で精製して中間体を得、5mLのTFAに溶解し、50℃で一晩攪拌した。溶媒を真空下で取り除いた後、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(5mg、17%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 6.81(1H,dd,J=2.5および7.2 Hz)、6.90(1H,m)、7.17(1H,dd,J=2.6および8.7 Hz)、7.40(1H,d,J=5.0 Hz)、8.35(1H,d,J=5.0 Hz),8.44(1H,s)。Calculated for C
14H
8ClF
4N
5:359;found:359。
【0175】
<実施例3>N−[(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)メチル]−4−[5−(トリフルオロメチル−1H−1,2,3−トリアゾル−4−イル]ピリジン−3−アミン
【0176】
【化17】
【0177】
調製物1Bから出発して、実施例2におけるような合成のための一般的な手順に従って、表題化合物を収率7%で調製した。1H NMR(400 MHz,DMSO d6):δ 1.64−1.75(4H,m),2.68(2H,m),3.08(1H,m),3.51(2H,m),7.09(3H,m),7.25(1H,m),7.39(1H,m),8.01(1H,d,J=4.6 Hz),8.29(1H,s)。[M+H]calculated for C
19H
18F
3N
5:374;found:374。
【0178】
調製物4A:2−ヒドラジニル−4−ヨードピリジン
【0179】
【化18】
【0180】
EtOH(160mL)中の2−フルオロ−4−ヨードピリジン(16g、71.74mmol)の溶液に、NH
2NH
2−H
2O(40mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。それを次に真空中で濃縮し、残留物をPE(200mL)で粉砕して、所望の生成物(16g、95%)を得た。[M+H]calculated for C
5H
6IN
3:235;found:235・
【0181】
調製物4B:3−[(4−クロロフェニル)メチル]−1−(4−ヨードピリジン−2−イル)−1H−ピラゾル−5−オル
【0182】
【化19】
【0183】
EtOH(20mL)中のエチル4−(4−クロロフェニル)−3−オキソブタノアート(2g、8.30mmol)の溶液に、EtOH(20mL)中の2−ヒドラジニル−4−ヨードピリジン(1.94g、8.30mmol)の溶液を50℃で加え、次いで、50℃で1時間撹拌した。次いで、5mLのCH
3COOHを加え、混合物を一晩還流し、次いで、濃縮し、および、残留物をDCMに溶解し、およびNa2CO3水溶液によって洗浄し、乾燥し、濃縮し、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA=5/1〜1/1)によって精製し、表題化合物(1.9g、56%)を得た。[M+H]calculated for C
15H
11ClIN
3O:412;found:412。
【0184】
調製物4C:2−{3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾル−1−イル}−4−ヨードピリジン
【0185】
【化20】
【0186】
DMF(20mL)中の3−[(4−クロロフェニル)メチル]−1−(4−ヨードピリジン−2−イル)−1H−ピラゾル−5−オルおよびK
2CO
3(470mg、3.41mmol)の混合物に、PMBCl(457mg、2.92mmol)を0度で加え、次いで、60度で1時間撹拌した。濃縮後、残留物をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA=10/1−3/1)により精製して、表題化合物(430mg、33%)を得た。[M+H]calc’d for C
23H
19ClIN
3O
2:532;found:532。
【0187】
調製物4D:2−{3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾル−1−イル} −4−(3,3,3−トリフルオロプロプ−1−イン−1−イル)ピリジン
【0188】
【化21】
【0189】
トルエン(15mL)中の、2−{3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾル−1−yl}−4−ヨードピリジン(430mg、0.81mmol)、1−トリブチルスタニル−3,3,3−トリフルオロ−1−プロピン(363mg、0.85mmol、90%)およびPd(Ph3)4(88mg、0.081mmol)の混合物を、電子レンジ中でN2下で120℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、シリカゲル上でフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA=10/1−3/1)により精製して、表題化合物(211mg、52%)を得た。[M+H]calculated for C
26H
19ClF
3N
3O
2:498;found:498。
【0190】
調製物4E:2−{3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾル−1−イル}−4−{1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾル−4 イル}ピリジンおよび2−{3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾル−1−イル}−4−{1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾル−5−イル}ピリジン
【0191】
【化22】
【0192】
トルエン(20mL)中の、2−{3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾル−1−イル}−4−(3,3,3−トリフルオロプロプ−1−イン−1−イル)ピリジン(210mg、0.42mmol)および1−アジド−メチル−4−メトキシ)−ベンゼン(71mg、0.42mmol)の溶液を22時間間還流した。溶液を濃縮し、シリカゲル上でフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA=10/1−3/1)により精製して、表題化合物の混合物(226mg、81%)を得た。[M+H]calculated for C
34H
28ClF
3N
6O
3:661;found,661。
【0193】
<実施例4>3−[(4−クロロフェニル)メチル]−1−{4−[5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾル−4−イル]ピリジン−2−イル}1H−ピラゾル−5−オル
【0194】
【化23】
【0195】
TFA(5mL)の中の、2−{3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−1H−ピラゾル−1−yl}−4−{1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾル−4−イル}ピリジン(120mg、0.18mmol)の溶液を50℃で1時間で撹拌し、濃縮後に残留物をprep−HPLC によって精製し、表題化合物(30mg、39%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO):δ 3.88(2H,s),5.24(1H,br),7.34−7.51(6H,m),8.60(1H,d,J=5.6 Hz)。[M+H]calculated for C
18H
12ClF
3N
6O:421;found:421。
【0196】
<実施例5>インビトロの酵素阻害アッセイ 本アッセイは、FBXL11、FBXL10およびPHF8のデメチラーゼ活性を阻害する試験化合物の能力を判定する。バキュロウィルス発現FBXL11(GenBank Accession#NM_012308、AA1−1162)を、BPS Bioscience(Cat#50102)から購入した。バキュロウィルス発現FBXL10(GenBank Accession#NM_032590、AA 1−650)を、BPS Bioscience(cat#50120)から購入した。バキュロウィルス発現PHF8(GenBank AccessionNP_055922.1)を、Active Motif(Cat#31435)から購入した。
【0197】
FBXL11アッセイ
FBXL11の活性を阻害する試験化合物の能力を、以下の反応条件下で384ウェルプレートフォーマットで判定した:50mMのHEPESpH7.3、0.005%のBrij35、0.5mMのTCEP、0.2mg/mlのBSA、50μMのL−アスコルビン酸ナトリウム、5μMの硫酸鉄(II)アンモニウムのアッセイ緩衝液中の0.15nMのFBXL11、30nMのH3K36me2−ビオチン標識化ペプチド(Anaspec cat#64442)、0.2μMのα−ケトグルタル酸。反応生成物は、50mMのHEPES(pH7.3)、10mMのNaCl、0.005%のBrij35、5mMのEDTA、2mg/mlのBSA中の検出試薬、抗H3K36me1抗体、AlphaScreen(登録商標)のストレプトアビジンコーティングしたドナービーズ、および、AlphaScreen(登録商標)プロテインA受容体ビーズを最終的に10μg/mlビーズになるまで加えた後に、AlphaScreen検出によって定量的に判定された。
【0198】
分析反応は以下により開始された:90nMのH3K36me2−ビオチン標識化ペプチドおよび0.6μMのα−ケトグルタル酸と3%DMSO中の3μlの11点連続希釈した阻害剤との混合物3μlを、384ウェルのProxiplate(Perkin Elmer)の各ウェルに加え、その後、3μlの0.45nMのFBXL11を加えて反応を開始させた。反応混合物を1時間室温でインキュベートし、50mMのHEPES(pH7.3)、10mMのNaCl、0.005%のBrij35、5mMのEDTA、2mg/mlのBSA中で抗H3K36me1抗体の適切な希釈液3μlを加えて終了させる。次いで、プレートを40分間室温でインキュベートし、その後、50mMのHEPES(pH7.3)、10mMのNaCl、0.005%のBrij35、5mMのEDTA、2mg/mlのBSA中に3ulの50μg/mlのAlphaScreen(登録商標)ストレプトアビジンでコーティングされたドナービーズとAlphaScreen(登録商標)プロテインA受容体ビーズを加えた。室温で最低2時間インキュベーションした後、AlphaScreenモードでEnVision Multilabel Readerによってプレートを読み取った。各ウェルのAlphaScreen信号を用いて阻害定数(IC
50)を決定する。
【0199】
FBXL10アッセイ
FBXL10の活性を阻害する試験化合物の能力を、以下の反応条件下で384ウェルプレートフォーマットで判定した:50mMのHEPESpH7.3、0.005%のBrij35、0.5mMのTCEP、0.2mg/mlのBSA、50μMのL−アスコルビン酸ナトリウム、5μMの硫酸鉄(II)アンモニウムのアッセイ緩衝液中の0.3nMのFBXL10、30nMのH3K36me2−ビオチン標識化ペプチド(Anaspec cat#64442)、0.2μMのα−ケトグルタル酸。反応生成物を、50mMのHEPES(pH7.3)、10mMのNaCl、0.005%のBrij35、5mMのEDTA、2mg/mlのBSA中の検出試薬、抗H3K36me1抗体、AlphaScreen(登録商標)のストレプトアビジンコーティングしたドナービーズ、および、AlphaScreen(登録商標)プロテインA受容体ビーズを最終的に10μg/mlビーズになるまで加えた後に、AlphaScreen検出によって定量的に判定した。
【0200】
分析反応は以下により開始された:90nMのH3K36me2−ビオチン標識化ペプチドおよび0.6μMのα−ケトグルタル酸との3%DMSO中の11点連続希釈した3μlの阻害剤との混合物3μlを、384ウェルのProxiplate(Perkin Elmer)の各ウェルに加え、続いて、3μlの0.9nM FBXL10を加えて、反応を生じさせた。反応混合物を1時間室温でインキュベートし、50mMのHEPES(pH7.3)、10mMのNaCl、0.005%のBrij35、5mMのEDTA、2mg/mlのBSA中で抗H3K36me1抗体の適切な希釈液3μlを加えて終了させる。次いで、プレートを40分間室温でインキュベートし、その後、50mMのHEPES(pH7.3)、10mMのNaCl、0.005%のBrij35、5mMのEDTA、2mg/mlのBSA中に3ulの50μg/mlのAlphaScreen(登録商標)ストレプトアビジンでコーティングされたドナービーズとAlphaScreen(登録商標)プロテインA受容体ビーズを加えた。室温で最低2時間インキュベーションした後、AlphaScreenモードでEnVision Multilabel Readerによってプレートを読み取った。各ウェルのAlphaScreen信号を用いて阻害定数(IC
50)を決定する。
【0201】
PHF8分析
PHF8の活性を阻害する試験化合物の能力を、以下の反応条件下で384のウェルプレートフォーマットで判定した:50mMのHEPES(pH7.3)、0.005%のBrij35、0.5mMのTCEP、0.2mg/mlのBSA、50μMのL−アスコルビン酸ナトリウム、および5μMの硫酸鉄IIアンモニウムのアッセイ緩衝液中の3nMのPHF8、200nMのH3K9me1−ビオチン標識化ペプチド(Anaspec cat#64358)、0.5μMのα−ケトグルタル酸。反応生成物を、それぞれ25nMと0.5nMの最終濃度でLANCE検出緩衝剤(PerkinElmer)中の5mMのEDTAの存在下で、検出試薬Phycolinkストレプトアビジン−アロフィコシアニン(プロザイム)とユーロビウム抗未修飾ヒストンH3リジン9/lysine27(H3K9/K27)抗体(PerkinElmer)の追加後に、TR−FRETによって定量的に判定した。
【0202】
分析反応は以下により開始された:3%DMSO中の600nMのH3K9me1−ビオチン標識化ペプチドおよび1.5μMのα−ケトグルタル酸と2μlの11点連続希釈した阻害剤との混合物2μlをプレートの各ウェルに加え、その後、2μlの9nMのPHF8を加えて、反応を開始させた。反応混合物を15分間室温でインキュベートし、50nMのPhycolinkストレプトアビジン−アロフィコシアニンと1nMのユーロビウム抗未修飾H3K9/K27抗体を含むLANCE検出緩衝剤中で5mMのEDTA6μlを加えることにより終了した。プレートを、RTで1時間のインキュベーション後に、TR−FRETモード(320nmの励起、615nmおよび665nmの放射)でEnVision Multilabel Readerで読み取った。各ウェルに対する比率を計算し(665/615)、それを阻害定数(IC
50)の決定に適合させた。
【0203】
<実施例6>インビトロの酵素阻害アッセイ このアッセイは、Jarid1B、JMJD2C、およびJMJD3のデメチラーゼ活性を阻害する試験化合物の能力を判定する。バキュロウィルス発現Jarid1B(GenBank Accession#NM_006618、AA 2−751)を、BPS Bioscience(Cat#50121)から購入したか、またはMolecularThroughputによってカスタムメイドした。バキュロウィルス発現JMJD2C(GenBank Accession#BC143571、AA 2−372)を、BPS Bioscience(Cat#50105)から購入した。バキュロウィルス発現JMJD3(GenBank Accession#NM_001080424,AA1043−end)を、BPS Bioscience(Cat#50115)から購入した。
【0204】
Jarid1Bアッセイ
Jarid1Bの活性を阻害する試験化合物の能力を、以下の反応条件下において384のウェルプレートフォーマットで判定した:50mMのHEPESpH7.3)、0.005%のBrij35、0.5mMのTCEP、0.2mg/mlのBSA、50μMのL−アスコルビン酸ナトリウム、および2μMの硫酸鉄(II)アンモニウムのアッセイ緩衝液中の0.8nMのJarid1B、300nMのH3K4me3−ビオチン標識化ペプチド(Anaspec cat#64357、2μMのα−ケトグルタル酸。LANCE検出緩衝液(PerkinElmer)中の5mMのEDTAの存在下で、検出試薬Phycolinkストレプトアビジン−アロフィコシアニン(Phycolink Streptavidin−allophycocyanin)(Prozyme)およびユーロピウム−抗−モノ−またはジ−メチル化ヒストンH3リジン4(H3K4me1−2)抗体(PerkinElmer)を、それぞれ、25nMおよび1nMの最終濃度で加えた後に、反応生成物をTR−FRETによって定量的に判定した。
【0205】
分析反応は以下により開始された:3%のDMSO中の900nMのH3K4me3−ビオチン標識化ペプチドの2μlおよび2μlの11ポイントの段階希釈した阻害剤を有する6μMのα−ケトグルタル酸の混合物を、プレートの各ウェルに加え、その後、2μlの2.4nM Jarid1Bを加え、反応を開始させた。反応混合物を、30分間室温でインキュベートし、50nMのPhycolinkストレプトアビジン−アロフィコシアニンおよび2nMのユーロピウム−抗−H3K4me1−2抗体を含有しているLANCE検出緩衝液の6μlの5mM EDTAを加えることによって終了した。室温で1時間のインキュベーション後に、TR−FRETモード(320nmの励起、615nmおよび665nmの放射)でプレートをEnVision Multilabel Readerで読み取った。各ウェルに対する比率を計算し(665/615)、それを阻害定数(IC
50)の決定に適合させた。
【0206】
JMJD2Cアッセイ
JMJD2Cの活性を阻害する試験化合物の能力を、以下の反応条件下において384のウェルプレートフォーマットで判定した:50mMのHEPESpH7.3)、0.005%のBrij35、0.5mMのTCEP、0.2mg/mlのBSA、50μMのL−アスコルビン酸ナトリウム、および2μMの硫酸鉄(II)アンモニウムのアッセイ緩衝液中の0.3nMのJMJD2C、300nMのH3K9me3−ビオチン標識化ペプチド(Anaspec cat#64360)、2μMのα−ケトグルタル酸。LANCE検出緩衝液(PerkinElmer)中の5mMのEDTAの存在下で、検出試薬Phycolinkストレプトアビジン−アロフィコシアニン(Prozyme)およびユーロピウム−抗−ジ−メチル化ヒストンH3リジン9(H3K9me2)抗体(PerkinElmer)を、それぞれ、50nMおよび1nMの終末濃度で加えた後に、反応生成物をTR−FRETによって定量的に判定した。
【0207】
分析反応は以下により開始された:3%のDMSO中の900nMのH3K9me3−ビオチン標識化ペプチドの2μlおよび2μlの11ポイントの段階希釈した阻害剤を有する6μMのα−ケトグルタル酸の混合物を、プレートの各ウェルに加え、その後、2μlの0.9nMのJMJD2Cを加え、反応を開始させた。反応混合物を、30分間室温でインキュベートし、100nMのPhycolinkストレプトアビジン−アロフィコシアニンおよび2nMのユーロピウム−抗−H3K9me2抗体を含有しているLANCE検出緩衝液に6μlの5mM EDTAを加えることによって終了させた。RTで1時間のインキュベーション後に、TR−FRETモード(320nmの励起、615nmおよび665nmの放射)でプレートをEnVision Multilabel Readerで読み取った。各ウェルに対する比率を計算し(665/615)、それを阻害定数(IC
50)の決定に適合させた。
【0208】
MJD3アッセイ
JMJD3の活性を阻害する試験化合物の能力を、以下の反応条件下で384のウェルプレートフォーマットで判定した:50mMのHEPESpH7.3、0.005%のBrij35、0.5mMのTCEP、0.2mg/mlのBSA、50μMのL−アスコルビン酸ナトリウム、5μMの硫酸鉄(II)アンモニウムのアッセイ緩衝液中の1nMのJMJD3、250nMのH3K27me3−ビオチン標識化ペプチド(Anaspec cat#64367)、1μMのα−ケトグルタル酸。50mMのHEPES(pH7.3)、10mMのNaCl、0.005%のBrij35、10mMのEDTA、2mg/mlのBSA中の、検出試薬抗H3K27me1抗体、5μg/mlのAlphaScreen(登録商標)のストレプトアビジンコーティングドナービーズ、および、5μg/mlのAlphaScreen(登録商標)プロテインA受容体ビーズを加えた後に、反応生成物をAlphaScreen検出によって定量的に判定する。
【0209】
分析反応は以下により開始された:750nMのH3K27me3−ビオチン標識化ペプチドと3μMのα−ケトグルタル酸と、3%DMSO中の3μlの11点連続希釈した阻害剤との混合物3μlを、384ウェルのProxiplate(Perkin Elmer)の各ウェルに加え、その後、3μlの3nMのJMJD3を加えて反応を開始させた。・反応混合物を20分室温でインキュベートし、50mMのHEPES(pH7.3)、10mMのNaCl、0.005%のBrij35、10mMのEDTA、2mg/mlのBSA中で抗H3K27me1抗体の適切な希釈液3μlを加えて終了させた。プレートを1時間RTでインキュベートし、その後、50mMのHEPES(pH7.3)、10mMのNaCl、0.005%のBrij35、10mMのEDTA、2mg/mlのBSA中に3μlの25μg/mlのAlphaScreen(登録商標)ストレプトアビジンでコーティングされたドナービーズとAlphaScreen(登録商標)プロテインA受容体ビーズを加えた。室温で最低2時間インキュベーションした後、AlphaScreenモードでEnVision Multilabel Readerによってプレートを読み取った。各ウェルのAlphaScreenシグナルを使用し、阻害定数(IC
50)を判定した。
【0210】
デメチラーゼ活性を阻害する能力が定量され、それぞれのIC
50値は、置換されたトリアゾリルピリジンの誘導体の化合物について判定された。表3は、本明細書に開示される様々な組成物のIC
50値を、μMで、提供し;ここで、生化学的アッセイIC
50データは以下の範囲で指定される:A:≦−0.10μM;B:>0.10μMから≦1.0μM;C:>1.0μMから≦10μM;および、D:>10μM。
【0211】
【表3】
【0212】
<実施例7>
医薬製剤:経口錠剤の調製
【0213】
錠剤は、式IまたはIIの48重量%の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、45重量%の微結晶性セルロース、5重量%の低置換ヒドロキシプロピルセルロース、および2重量%のステアリン酸マグネシウムの重量を混合することにより調製される。錠剤を直接的な圧縮によって調製する。圧縮錠剤の全重量は250mg−500mgで維持される。