(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6957610
(24)【登録日】2021年10月8日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】医薬品用途のための多層ビーズ
(51)【国際特許分類】
A61K 9/48 20060101AFI20211021BHJP
A61K 9/58 20060101ALI20211021BHJP
A61K 31/5575 20060101ALI20211021BHJP
A61K 31/558 20060101ALI20211021BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20211021BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20211021BHJP
A61K 47/06 20060101ALI20211021BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20211021BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20211021BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20211021BHJP
A61K 47/18 20060101ALI20211021BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20211021BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20211021BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20211021BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20211021BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20211021BHJP
A61P 1/10 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
A61K9/48
A61K9/58
A61K31/5575
A61K31/558
A61K47/02
A61K47/04
A61K47/06
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/18
A61K47/20
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/38
A61P1/10
【請求項の数】69
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2019-516182(P2019-516182)
(86)(22)【出願日】2017年10月5日
(65)【公表番号】特表2019-529467(P2019-529467A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】IB2017001383
(87)【国際公開番号】WO2018065826
(87)【国際公開日】20180412
【審査請求日】2020年7月29日
(31)【優先権主張番号】62/405,131
(32)【優先日】2016年10月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501131276
【氏名又は名称】スキャンポ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Sucampo AG
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ティワリ, ディーパック
(72)【発明者】
【氏名】平田 隆
(72)【発明者】
【氏名】原田 康弘
【審査官】
藤代 亮
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭59−042313(JP,A)
【文献】
特開昭63−077821(JP,A)
【文献】
特表2008−534530(JP,A)
【文献】
特表2010−502591(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/038691(WO,A1)
【文献】
特表2004−527567(JP,A)
【文献】
特表2004−519412(JP,A)
【文献】
特表2012−523427(JP,A)
【文献】
特開2005−139085(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0348263(US,A1)
【文献】
特表2013−501810(JP,A)
【文献】
特表2017−504590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
・IPC
A61K 9/48
A61K 9/58
A61K 31/5575
A61K 31/558
A61K 47/02
A61K 47/04
A61K 47/06
A61K 47/10
A61K 47/12
A61K 47/14
A61K 47/18
A61K 47/20
A61K 47/26
A61K 47/32
A61K 47/36
A61K 47/38
A61P 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層ビーズを含む、医薬用途のための組成物であって、前記多層ビーズが、
(a)コア粒子;
(b)前記コア粒子の表面にコーティングした任意のバリア層;
(c)前記コア粒子、または存在する場合、前記バリア層の表面にコーティングした薬物含有ポリマー層であって、前記薬物含有ポリマー層が
(i)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに
(ii)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;からなる、前記薬物含有ポリマー層;
(d)前記薬物含有ポリマー層の表面にコーティングした任意のシーラント層;ならびに
(e)所望により、前記薬物含有ポリマー層、または存在する場合、前記シーラント層の外側にある1つ以上の外側層;を含む、前記組成物。
【請求項2】
前記薬物が、
(−)−7−[(2R,4aR,5R,7aR)−2−(1,1−ジフルオロペンチル)−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル]ヘプタン酸、(ルビプロストン);
(−)−7−{(2R,4aR,5R,7aR)−2−[(3S)−1,1−ジフルオロ−3−メチルペンチル]−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル}ヘプタン酸、(コビプロストン);
(+)−イソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エノエート、(イソプロピルウノプロストン);
(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸;
(−)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタン酸;及び
(E)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタ−2−エン酸;からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記薬物がルビプロストンである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記薬物含有ポリマー層が、前記薬物と前記ポリマーの前記混合物、または前記ポリマー中の前記薬物の固体分散体である、請求項1、2または3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記多層ビーズ中に存在する前記薬物の量が、0.01μg〜0.2μgの範囲である、請求項1、2、3または4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記薬物が、0.2部ポリマー当たり1部薬物から10,000部ポリマー当たり1部薬物までの範囲の薬物対ポリマーの相対量で前記薬物含有ポリマー層中に存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記薬物含有ポリマー層が、前記ポリマー中の前記薬物の固体分散体である、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
前記コア粒子が、微結晶セルロース粒子、シリカ粒子及び糖粒子からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
バリア層を有し、前記バリア層が、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
シーラント層を有し、前記シーラント層が、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
メタクリレート系ポリマーからなる群から選択される1つ以上の外側の外側層を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の複数の多層ビーズと薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項13】
前記複数の多層ビーズが、カプセル、サッシェまたはパウチ中に含まれる、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
組み合わせた前記複数の多層ビーズが前記薬物の単位用量である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項15】
胃腸障害を治療する方法において使用するための、請求項12、13または14のいずれか一項に記載の前記医薬組成物であって、前記方法は、前記胃腸障害の治療を必要とする患者に、前記医薬組成物を経口投与する工程を含む、医薬組成物。
【請求項16】
前記方法が、前記医薬組成物を水中にまたは柔らかい食物上に撒くことと、前記患者に前記撒かれた多層ビーズを含有する前記水または前記食物を嚥下させることと、の工程を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記胃腸障害が、慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘及び便秘型過敏性腸症候群からなる群から選択される障害を含む、機能障害性2型クロライドチャネルに関連する、請求項15または16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
胃腸障害を治療するための請求項12、13または14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記胃腸障害が、慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘、便秘型過敏性腸症候群及び小児機能性便秘からなる群から選択される障害を含む、機能障害性2型クロライドチャネルに関連する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
(a)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに
(b)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;からなる、ポリマー中の薬物の固体分散体。
【請求項21】
前記薬物が、
(−)−7−[(2R,4aR,5R,7aR)−2−(1,1−ジフルオロペンチル)−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル]ヘプタン酸、(ルビプロストン);
(−)−7−{(2R,4aR,5R,7aR)−2−[(3S)−1,1−ジフルオロ−3−メチルペンチル]−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル}ヘプタン酸、(コビプロストン);
(+)−イソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エノエート、(イソプロピルウノプロストン);
(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸;
(−)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタン酸;及び
(E)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタ−2−エン酸;からなる群から選択される、請求項20に記載の固体分散体。
【請求項22】
前記薬物がルビプロストンである、請求項21に記載の固体分散体。
【請求項23】
前記薬物が、0.2部ポリマー当たり1部薬物から10,000部ポリマー当たり1部薬物までの範囲の薬物対ポリマーの相対量で存在する、請求項20〜22のいずれか一項に記載の固体分散体。
【請求項24】
前記薬物が、胃腸障害を治療するために薬学的に有効な量で存在する、請求項20〜23のいずれか一項に記載の固体分散体及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項25】
(a)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに
(b)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;からなるポリマー中の薬物の固体製剤。
【請求項26】
前記薬物が、
(−)−7−[(2R,4aR,5R,7aR)−2−(1,1−ジフルオロペンチル)−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル]ヘプタン酸、(ルビプロストン);
(−)−7−{(2R,4aR,5R,7aR)−2−[(3S)−1,1−ジフルオロ−3−メチルペンチル]−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル}ヘプタン酸、(コビプロストン);
(+)−イソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エノエート、(イソプロピルウノプロストン);
(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸;
(−)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタン酸;及び
(E)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタ−2−エン酸;からなる群から選択される、請求項25に記載の固体製剤。
【請求項27】
前記薬物がルビプロストンである、請求項26に記載の固体製剤。
【請求項28】
前記薬物が、0.2部ポリマー当たり1部薬物から10,000部ポリマー当たり1部薬物までの範囲の薬物対ポリマーの相対量で存在する、請求項25〜27のいずれか一項に記載の固体製剤。
【請求項29】
前記薬物が、胃腸障害を治療するために薬学的に有効な量で存在する、請求項25〜28のいずれか一項に記載の固体製剤及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項30】
前記医薬組成物が、37℃及び200回転数/分にて、810mlの中性水及び90mlの1N HCl中で、USP2型溶解装置で測定したとき、30分以内に投与剤形で含まれる前記薬物の量の少なくとも70%を放出する、固体剤形である、請求項12〜19、24及び29のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
5〜8の範囲のpHで不溶性であり及び1〜4の範囲のpHで可溶性である、または6〜8の範囲のpHで不溶性であり及び1〜5の範囲のpHで可溶性であるポリマーを含む、外側層を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
前記層がスプレーコーティングされている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
請求項1〜10に記載の組成物を製造する方法であって、前記層をスプレーコーティングすることを含み、前記スプレーコーティングのために使用する溶媒がアセトンである、方法。
【請求項34】
前記スプレーコーティングが30℃を超えない温度で実行される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
コーティング層が45℃を超えない温度で乾燥される、請求項33または34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
請求項25に記載のポリマー中の薬物の前記固体製剤であって、前記固体製剤が粒子形態である前記固体製剤と、所望により1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、固体医薬製剤。
【請求項37】
37℃及び200回転数/分にて、810mlの中性水及び90mlの1N HCl中で、USP2型溶解装置で測定したとき、30分以内に、ルビプロストンまたはその薬学的に許容される塩、互変異性異性体、もしくは15−ヒドロキシルビプロストンである代謝物の少なくとも70%を放出する、請求項36に記載の固体医薬製剤。
【請求項38】
前記薬学的に許容される賦形剤が、1つ以上の充填剤、増量剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸着剤、潤滑剤、可塑剤または緩衝剤である、請求項36に記載の固体医薬製剤。
【請求項39】
前記薬学的に許容される賦形剤が、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ケイ酸、アルジネート、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アラビアゴム、グリセロール、寒天、炭酸カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、複合ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、パラフィン、四級アンモニウム化合物、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、カオリン、ベントナイト、タルク、ポリエチレングリコール、またはこれらの混合物である、請求項38に記載の固体医薬製剤。
【請求項40】
前記薬学的に許容される賦形剤が、タルク、ポリエチレングリコールまたはこれらの組み合わせである、請求項39に記載の固体医薬製剤。
【請求項41】
慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘、及び便秘型過敏性腸症候群の治療を必要とする患者において、慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘、及び便秘型過敏性腸症候群を治療するための、請求項36に記載の固体医薬製剤。
【請求項42】
前記患者が小児患者または高齢患者である、請求項41に記載の固体医薬製剤。
【請求項43】
前記医薬組成物が固体の経口投与剤形である、請求項12〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記固体経口投与剤形が24μgのルビプロストンを含有する、請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項45】
37℃及び200回転数/分にて、810mlの中性水及び90mlの1N HCl中で、USP2型溶解装置で測定したとき、30分以内に前記投与剤形中に含まれる前記薬物の量の少なくとも70%を放出する、請求項44に記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記医薬製剤中に含有される前記薬学的に許容される賦形剤が、1つ以上の充填剤、増量剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸着剤、潤滑剤、可塑剤または緩衝剤である、請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記薬学的に許容される賦形剤が、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ケイ酸、アルジネート、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アラビアゴム、グリセロール、寒天、炭酸カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、複合ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、パラフィン、四級アンモニウム化合物、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、カオリン、ベントナイト、タルク、ポリエチレングリコール、またはこれらの混合物である、請求項46に記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記薬学的に許容される賦形剤が、タルク、ポリエチレングリコールまたはこれらの組み合わせである、請求項47に記載の医薬組成物。
【請求項49】
慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘、便秘型過敏性腸症候群及び小児機能性便秘の治療を必要とする患者において、慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘、便秘型過敏性腸症候群及び小児機能性便秘を治療するための、請求項43〜48のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項50】
前記患者が小児患者または高齢患者である、請求項49に記載の医薬組成物。
【請求項51】
a.微結晶セルロース粒子を含む、コア粒子;
b.前記コア粒子の表面にコーティングされるバリア層であって、前記バリア層がビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む、前記バリア層;
c.前記バリア層の表面にコーティングされる薬物含有ポリマー層であって、前記薬物含有ポリマー層が、ルビプロストン、またはその薬学的に許容される塩、互変異性異性体、もしくは15−ヒドロキシルビプロストンである代謝物の治療上有効な量、及びビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む、前記薬物含有ポリマー層;
d.前記薬物含有ポリマー層の表面にコーティングされるシーラント層であって、前記シーラント層がビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む、前記シーラント層;及び
e.前記シーラント層の表面にコーティングされる外側層であって、前記外側層がメタクリル酸ブチルを含むコポリマーを含む、前記外側層;を含む多層ビーズ。
【請求項52】
前記バリア層、前記外側層またはそれらの任意の組み合わせが、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項51に記載の多層ビーズ。
【請求項53】
前記1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が、タルク、ポリエチレングリコールまたはこれらの組み合わせである、請求項52に記載の多層ビーズ。
【請求項54】
前記1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が、前記多層ビーズの任意の2つの層の間に含まれる、請求項51に記載の多層ビーズ。
【請求項55】
前記1つ以上の薬学的に許容される賦形剤がタルクである、請求項54に記載の多層ビーズ。
【請求項56】
前記ルビプロストンが、前記ポリマー中の前記薬物の混合物としての前記薬物含有ポリマー層中に存在する、請求項51に記載の多層ビーズ。
【請求項57】
前記多層ビーズ中に存在する前記ルビプロストンの量が、0.01μg〜0.2μgである、請求項56に記載の多層ビーズ。
【請求項58】
前記多層ビーズ中に存在する前記ルビプロストンの量が、0.02μg〜0.1μgである、請求項57に記載の多層ビーズ。
【請求項59】
前記多層ビーズ中に存在する前記ルビプロストンの量が、0.04μg〜0.08μgである、請求項58に記載の多層ビーズ。
【請求項60】
前記ルビプロストンが、0.2部ポリマー当たり1部ルビプロストンから10,000部ポリマー当たり1部ルビプロストンの範囲の量で前記薬物含有ポリマー中に存在する、請求項56に記載の多層ビーズ。
【請求項61】
前記ルビプロストンが、0.2部ポリマー当たり1部ルビプロストンから1,000部ポリマー当たり1部ルビプロストンの範囲の量で前記薬物含有ポリマー中に存在する、請求項56に記載の多層ビーズ。
【請求項62】
前記ルビプロストンが、0.2部ポリマー当たり1部ルビプロストンから500部ポリマー当たり1部ルビプロストンの範囲の量で前記薬物含有ポリマー中に存在する、請求項56に記載の多層ビーズ。
【請求項63】
前記ルビプロストンが、0.2部ポリマー当たり1部ルビプロストンから400部ポリマー当たり1部ルビプロストンの範囲の量で前記薬物含有ポリマー中に存在する、請求項56に記載の多層ビーズ。
【請求項64】
前記ルビプロストンが、0.2部ポリマー当たり1部ルビプロストンから200部ポリマー当たり1部ルビプロストンの範囲の量で前記薬物含有ポリマー中に存在する、請求項56に記載の多層ビーズ。
【請求項65】
請求項51に記載の複数の前記多層ビーズを含む、カプセル。
【請求項66】
前記多層ビーズ中に存在する前記ルビプロストンの量が、1μg〜75μgである、請求項65に記載のカプセル。
【請求項67】
前記多層ビーズ中に存在する前記ルビプロストンの量が24μgである、請求項66に記載のカプセル。
【請求項68】
慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘、または便秘型過敏性腸症候群の治療を必要とする患者において、慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘、または便秘型過敏性腸症候群を治療するための、請求項65に記載のカプセル。
【請求項69】
前記患者が小児患者または高齢患者である、請求項68に記載のカプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層ビーズ、及びその調製のための方法、及びその医薬品用途に関する。更に具体的には、本発明は、薬物含有ポリマー層を有する多層ビーズに関し、前記薬物は、15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬または13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬であり、前記ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物であり、胃腸障害を治療するために使用される。
【背景技術】
【0002】
脂肪酸誘導体は、ヒト及び他の哺乳動物の組織または器官で認められ、広範囲の生理的活性を示す。プロスタグランジンは、式(A)に示すようにプロスタン酸骨格を有する脂肪酸誘導体の一種である。
【化1】
【0003】
いくつかの合成プロスタグランジン(PG)の類似体は、改変したプロスタン酸骨格及び種々の化学修飾を有する。このような類似体の一次構造は、5員環部分に従ってPGA、PGB、PGC、PGD、PGE、PGF、PGG、PGH、PGI及びPGJと分類され、それらはオメガ鎖の不飽和結合の数及び位置によってサブタイプに更に分類されることができる。
【0004】
PGE
1誘導体は、胃腸障害を治療するために使用する。例えば、15−ケト−16−ハロゲンプロスタグランジン化合物は、下剤として有効である(米国特許第5,317,032号)。ルビプロストン(別名13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−PGE
1)は、病状(例えば、成人の慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘及び過敏性腸症候群)の治療のために使用するAmitiza(登録商標)製剤の医薬品有効成分(「API」または「原薬」)である。ルビプロストンは、2型クロライドチャネル(ClC−2)を活性化し、胃腸管の漿膜から粘膜側への塩化物を多く含む液体の分泌を増やす。
【0005】
一般にプロスタグランジンは水不溶性であり、水の存在下で著しく不安定になる。更にプロスタグランジンは、それ自体が不安定である、またはほとんどの固体または溶媒の存在下で不安定である。このような課題に取り組むために、15−ケト−16−ジフルオロプロスタグランジン化合物及びグリセリド(それは化合物の安定性を維持できる)などの溶媒を含む、カプセル化製剤が記載された(米国特許第6,583,174号)。Amitizaは、米国特許第8,026,393号に記載したように、高い貯蔵安定性を備えた軟ゼラチンカプセル剤中の中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)によって調製される。
いくつかの患者集団(例えば、小児または高齢者)は、カプセルまたはタブレットを嚥下することができない。これは、治療の可能性を難しくする、低減する、またはそれを除外するおそれがある。プロスタグランジンが容易に投与されて、このような患者集団に貢献できる新規な製剤を開発する必要性がある。本発明は、その必要性に取り組む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,317,032号明細書
【特許文献2】米国特許第6,583,174号明細書
【特許文献3】米国特許第8,026,393号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、薬物含有ポリマー層を有する医薬品用途のための多層ビーズに関し、前記薬物は、15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬または13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬であり、前記ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物である。更に広い意味で、本発明は、薬物として使用されて及び米国特許第8,026,393号の式Iに記載される脂肪酸誘導体に適用でき、その内容は明示的に参照により組み込まれる。本発明は更に、複数の多層ビーズを含有する医薬組成物に関し、胃腸障害、特に小児の胃腸障害、嚥下障害のある高齢者及び個人を治療するために使用する。
【0008】
本発明は、
(a)コア粒子;
(b)コア粒子の表面にコーティングした任意のバリア層;
(c)コア粒子、または存在する場合、バリア層の表面にコーティングした薬物含有ポリマー層であって、
薬物含有ポリマー層が、
(i)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに
(ii)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;から本質的になる、薬物含有ポリマー層;
(d)薬物含有ポリマー層の表面にコーティングした任意のシーラント層;ならびに
(e)所望により、薬物含有ポリマー層、または存在する場合、シーラント層の外側にある1つ以上の外側層;を含む、医薬品用途のための多層ビーズを提供する。
【0009】
本発明は、複数の多層ビーズ及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。組み合わせた複数の多層ビーズは薬物の治療上有効な量に相当し、薬物の単位用量でもよい。このような医薬組成物は、通常固体経口投与剤形の形で呈示される。
【0010】
本発明は更に、治療を必要とする患者に、本発明による医薬組成物の多層ビーズの治療上有効な量を経口投与する工程を含む、胃腸障害を治療する方法に関する。
【0011】
本発明の別の実施形態は、(a)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに(b)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;から本質的になるポリマー中の薬物の固形剤または固体分散体に関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】実施例10に記載されている溶解特性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、薬物含有ポリマー層を有する医薬品用途のための多層ビーズに関し、前記薬物は、15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬または13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬であり、前記ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物である。更に広い意味で、本発明は、薬物として使用されて及び米国特許第8,026,393号の式Iに記載される脂肪酸誘導体に適用でき、その内容は明示的に参照により組み込まれる。本発明は、このようなビーズ及び製剤が、薬物を安定させて、薬物含有ポリマー層の外に薬物が移動するのを防ぐのに驚くほど効果的である発見に基づく。本発明は更に、複数の多層ビーズを含有する医薬組成物に関し、それは胃腸障害、特に小児及び高齢者の胃腸障害を治療するために使用される。
【0014】
15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬は当該技術分野において周知であり、胃腸障害を治療するのに効果的なことは周知である。これらの薬(それは脂肪酸誘導体である)は、公開されたPCT出願第WO2016/067620号及び米国特許第6,414,016号に記載されており、その開示は本明細書に参照により組み込まれる。これらの薬の代表的な例としては、
(−)−7−[(2R,4aR,5R,7aR)−2−(1,1−ジフルオロペンチル)−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル]ヘプタン酸、(ルビプロストン);
(−)−7−{(2R,4aR,5R,7aR)−2−[(3S)−1,1−ジフルオロ−3−メチルペンチル]−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル}ヘプタン酸、(コビプロストン);
(+)−イソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エノエート、(イソプロピルウノプロストン);
(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸;
(−)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタン酸;及び
(E)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタ−2−エン酸;が挙げられるが、これらに限定されない。本発明は、15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬の新規の製剤を提供する。15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬は、薬物自体、薬物の薬学的に許容される塩、または薬物の代謝物もしくはプロドラッグ、ならびに薬物の異性体(互変異性体を含む)及び異性体の混合物を含む。好ましくは、薬物はルビプロストンであり、その薬学的に許容される塩類、異性体、代謝物またはプロドラッグを含む。例えば15−ヒドロキシルビプロストンは、米国特許第6,956,056号に記載のとおり、ルビプロストンの代謝物である。ルビプロストンのアミドプロドラッグは、米国特許第7,064,148号に記載される。
【0015】
本発明は、医薬品有効成分(API)として15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬または13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬を含有する、医薬品用途のための多層ビーズに関する。
図1は、本発明の多層ビーズを示す。本発明の多層ビーズには、
(a)コア粒子[101];
(b)コア粒子の表面にコーティングした任意のバリア層[102];
(c)コア粒子、または存在する場合、バリア層の表面にコーティングした薬物含有ポリマー層[103]であって、
薬物含有ポリマー層[103]が、
(i)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに
(ii)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;から本質的になる、薬物含有ポリマー層[103];
(d)薬物含有ポリマー層の表面にコーティングした任意のシーラント層[104];ならびに
(e)所望により、薬物含有ポリマー層、または存在する場合、シーラント層の外側にある1つ以上の外側層[105];がある。このような層の数及び組成は、例えばビーズの放出及び安定性特性を改良するために及びその味を遮蔽するために、当業者によって調節されることができる。しかし、本明細書で例証される外側層が好ましい。
【0016】
多層ビーズは通常、直径またはその最長軸に沿って約2000〜約3000マイクロメートルの最大サイズを有する。例えば、最大サイズは約500〜約1000マイクロメートルである、または最大サイズは約700〜約950マイクロメートルである。コア粒子と同様に、多層ビーズは通常、球状形または回転楕円形であるが、他の形状(例えば細長い形状またはひし形状)を有してもよい。小児用医薬品として使用されるとき、本発明の多層ビーズの直径または最長軸は、小児への投与のためのUSFDAサイズ要件に、またはスプリンクル製剤として適合しなければならない。例えば、目標ビーズサイズは最大2.5mmであり、最大サイズ2.8mmに対してそのサイズ全体で10パーセント未満の差異を有する。USFDA Guidance for Industry,”Size of Beads in Drug Products Labeled for Sprinkle”,May2012を参照のこと。本発明の多層ビーズ中に存在する薬物の量は、約0.01μg〜約0.2μg、約0.02μg〜約0.1μg、または約0.04μg〜約0.08μgの範囲であり得る。ただし、各ビーズの量は特定の医薬組成物中に存在するビーズの治療的に所望の用量及び数に適応することができる。
【0017】
コア粒子[101]は、ビーズ製剤を作製する医薬分野で使用する、任意のコア粒子でもよい。球状または回転楕円状の粒子が通常、使用されるが、コア粒子は、本発明の多層ビーズの他の層でコーティングできる任意の形状でもよい。コア粒子は、約100〜1,500μm、約200〜700μmまたは約350〜500μmの範囲の直径または最長軸を有することができる。本発明の多層ビーズで使用可能である代表的なコア粒子は、微結晶セルロース粒子、シリカ粒子及び糖粒子である。球状形及び直径範囲を有する微結晶セルロース粒子は、Cellets(登録商標)の商品名で販売されている。Cellets(登録商標)100は100〜200μmの範囲の粒径を有する球状微結晶性セルロース球体であり、Cellets(登録商標)350は350〜500μmの範囲の粒径を有する球状微結晶性セルロース球体であり、Cellets(登録商標)500は500〜710μmの範囲の粒径を有する球状微結晶性セルロース球体であり、Cellets(登録商標)1000は1000〜1400μmの範囲の粒径を有する球状微結晶性セルロース球体である。
【0018】
本発明の多層ビーズで、任意のバリア層[102]はコア粒子の表面にコーティングされることができる。このバリア層の目的は、薬物含有ポリマー層[103]をコア粒子[101]から分離して、薬物とコアの接触を最小限にするまたはそれを防ぐことである。実施例1aで以下に示すように、薬物とコア粒子[101]との接触は、薬物の分解及び医薬製剤の効力の喪失を引き起こす場合がある。バリア層は通常、ポリマー層である。バリア層の望ましい機能を実行する、任意の薬学的に許容されるポリマーも使用できる。好ましくは、ポリマーはポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー(PVP−VA)またはそれらの混合物である。種々の標準PVP及びPVP−VAは、市販されている(例えば、BASF製のKollidon(登録商標)17PF及びKollidon(登録商標)VA)。任意の市販の薬学的に許容されるPVPもしくはPVP−VAまたはそれらの組み合わせを、ポリマーマトリックスとして使用できる。
【0019】
本発明の多層ビーズのAPIである、15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬または13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬は、薬物含有ポリマー層[103]中に位置する。本発明のよる薬物含有ポリマー層は、(i)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに(ii)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;から本質的になる。薬物含有ポリマー層[103]にて、薬物は非結晶固体もしくは結晶性固体として存在できる、または薬物は固体賦形剤マトリックス中に分子的に分散することができる。薬物は、0.2部ポリマー当たり約1部薬物から、200部ポリマー当たり、400部ポリマー当たり、500部ポリマー当たり、1,000部ポリマー当たり及び10,000部ポリマー当たり約1部薬物までの範囲の薬物対ポリマーの相対量で薬物含有ポリマー層中に存在する。
【0020】
薬物含有ポリマー層[103]は、薬物とポリマーの単純な混合、またはポリマー中の薬物の固体分散体でもよい。固体分散体は、一成分が別の成分のマトリックス中に分散する、少なくとも2つの成分を有する固体組成物である。例えば、薬物は、ポリマーマトリックス中に固体として分散する。本明細書で使用する場合、固体分散体は固溶体も含み、そこで一成分は、他の成分の固体マトリックス中に分子的に分散する。例えば、薬物は、賦形剤マトリックス中に分子的に分散する。
【0021】
薬物含有ポリマー層[103]は、薬物及びポリマーから本質的になる。前記層は、本発明の多層ビーズ中の他の層のように、加工助剤または賦形剤(例えば後述するもの)を含むことができる。薬物含有ポリマー層[103]は、それが多層ビーズ中の他の層内から浸出し得るまたは分解し得るように、前記層内で薬物を動態化する成分を含んではならない。このような薬物含有ポリマー層の混合物は、薬物が治療有効性を保持するように、薬物含有ポリマー層中の薬物の安定性に影響を及ぼす可能性がある、賦形剤を含まない。本発明の薬物含有ポリマー層及び多層ビーズが、応力安定性試験条件下であっても特に安定性があることが見いだされた。55℃で10日間保存条件へ曝露した後、本発明の多層ビーズは、薬物の薬学的有効性または効力の少なくとも75〜80%を保持する。したがって本発明の多層ビーズは、患者への投与に適した状態または条件のままであり、劣化生成物を潜在的に阻害することなく治療に有効である。
【0022】
本発明の多層ビーズで、任意のシーラント層[104]は、薬物含有ポリマー層[103]の表面にコーティングされることができる。バリア層[102]と同様に、このシーラント層の目的は、存在する場合、薬物含有ポリマー層[103]を外側層[105]から分離して、薬物が多層ビーズから浸出するのを最小限に抑えるまたはそれを防ぐことである。実施例1で以下に示すように、薬物と外側層ポリマーとの接触は、薬物の分解及び医薬製剤の効力の喪失を引き起こす場合がある。シーラント層は通常、ポリマー層である。シーラント層の望ましい機能を実行する、任意の薬学的に許容されるポリマーも使用できる。代表的なポリマーはポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー(PVP−VA)またはそれら混合物である。種々の標準PVP及びPVP−VAは、市販されている(例えば、BASF製のKollidon(登録商標)17PF及びKollidon(登録商標)VA)。任意の市販の薬学的に許容されるPVPもしくはPVP−VAまたはそれらの組み合わせを、ポリマーマトリックスとして使用できる。
【0023】
本発明の多層ビーズで、同じポリマーは、それらが存在するとき、バリア層[103]、薬物含有ポリマー層[103]及びシーラント層[104]を形成できる。このような多層ビーズで、これらの全3層は、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物でもよい。実際には、バリア層[102]及びシーラント層[104]は、同じポリマーまたはポリマーの混合物を使用して薬物含有ポリマー層[104]を挟む。他の層が本発明の多層ビーズ内に組み込まれる場合、ポリマーのバリア層[103]/薬物含有ポリマー層[103]/シーラント層[104]のこの組み合わせは、前記層の目的及び多層ビーズの安定性を達成するために維持できる。
【0024】
その放出及び/または味覚特性を改良し、水及び酸素浸透性を低減し、及び/または破壊または欠けに耐えるために粒子に機械的構造を提供するために、本発明の多層ビーズは1つ以上の外側層[105]も任意に含むことができる。このようなコーティングは、当該技術分野において周知である。例えば、味覚を遮蔽するまたは中性pHで溶解を防ぐが、酸性環境での急速な溶解を許容するコーティングは、それが医薬組成物の一部として投与された後、胃の環境に達するまで、多層ビーズの溶解または崩壊を防ぐために使用できる。例えば、このようなポリマーは、6〜8の範囲のpHで不溶性であり及び1〜5の範囲のpHで可溶性である、または5〜8の範囲のpHで不溶性であり及び1〜4の範囲のpHで可溶性である。メタクリル酸及びメチルメタクリル酸塩系に基づく広範囲のコポリマー系は市販されている(例えば、Evonik製のEUDRAGIT(登録商標)ポリマー)。本発明の多層ビーズで、外側層は、メタクリル酸ブチルを含むコポリマーを含む。好ましくは、EUDRAGIT(登録商標)E100(メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸メチルのコポリマー)が、外側層として使用される。
【0025】
上述した多層ビーズの層は、当該技術において周知のように、薬学的に許容される賦形剤から選択されるコーティング容易化のための添加剤を含むことができる。例えば、前記層のうちの1つ以上は、可塑剤及び潤滑剤(例えばPEG及びポリエチレングリコール)を含むことができる。可塑剤は、例えば、グリセリン、クエン酸アセチルトリブチル、ポリエチレングリコール、アセチルクエン酸トリエチル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ヒマシ油プロピレングリコール、ジアセチル化モノグリセリド、ソルビトールソルビタン溶液、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、トリアセチン、クエン酸トリブチル及びクエン酸トリエチルを含む。更に各層は、静電気防止剤または静電抑制剤(例えばタルク及び二酸化ケイ素)を撒かれてもよい。このような材料は当該技術分野において周知の方法及び量で使用される。それらは実質的に薬物及び多層ビーズの安定性を妨げず、好ましくは薬物の安定性を改善して、薬物含有ポリマー層から移動するのを防ぐ。
【0026】
好ましい実施形態にて、本発明の多層ビーズには、
(a)コア粒子[101];
(b)コア粒子の表面にコーティングしたバリア層[102];
(c)コア粒子、または存在する場合、バリア層の表面にコーティングした薬物含有ポリマー層[103]であって、
薬物含有ポリマー層が、
(i)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに
(ii)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;から本質的になる、薬物含有ポリマー層;
(d)薬物含有ポリマー層の表面にコーティングしたシーラント層[104];ならびに
(e)薬物含有ポリマー層、または存在する場合、シーラント層の外側にある1つ以上の外側層[105];がある。本実施形態は、上述の本発明の多層ビーズの種々の他の態様を含むことができる。薬物は、ルビプロストン(またはその薬理学的に許容される塩、異性体、代謝物もしくはプロドラッグ)でもよい。
【0027】
本発明の多層ビーズは、当該技術分野において周知のコーティング技術(例えば流動床コーティング装置)を使用して、示した層を備えるコア粒子の連続コーティングによって調製される。各層はその成分の溶液または分散体として連続して適用されて、それから次のコーティングを適用する前に溶媒を除去するために乾燥されることができる。個々の層は、溶媒を使用してスプレーコーティングされる。スプレーコーティングのために使用する代表的な溶媒は、アセトンである。スプレーコーティングは、30℃を超えていない温度で実施され得る。コーティング層は、45℃を超えない温度で乾燥される。
【0028】
本発明は更に、本発明による複数の多層ビーズ及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物は、経口投与剤形、または開くことができる多層ビーズ及び投与されるビーズの包装でもよい。本発明の医薬組成物で、複数の多層ビーズは、カプセル、サッシェまたはパウチに含まれることができる。
【0029】
本発明は、ポリマー中の薬物の固形剤にも関する。ポリマー中の薬物の固形剤は、薬物とポリマーの単純な混合、またはポリマー中の薬物の固体分散体でもよい。本発明のよるポリマー中の薬物の固形剤は、(a)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに(b)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;から本質的になる固体分散体である。本発明のよるポリマー中の薬物の別の固形剤は、(a)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに(b)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;から本質的になる混合物である。
【0030】
本発明のよるポリマー中の薬物の固形剤は、粒子形状であり得て、(a)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに(b)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;から本質的になることができる。当業者は、投与方法、固形剤を含有する医薬製剤及び製造パラメーターに応じて適切な粒径を選択することが可能である。上限のように、粒子自体は、錠剤のサイズとほぼ同じ長さであり得る。
【0031】
本発明は更に、薬学的に許容される賦形剤と組み合わせた、ポリマー中の薬物の固形剤を含有する医薬組成物に関する。そのような医薬製剤で、ポリマー中の薬物の固形剤は、(a)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに(b)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;から本質的になる、粒子形状であり得る。ポリマー中の薬物の固形剤は、上述の1つ以上の層を備えた多層ビーズまたは単一剤形の両方のコアを形成できる。医薬組成物は、複数の多層ビーズを含むことができる。
【0032】
本発明の医薬組成物は、医薬製剤技術で周知の方法によって調製されることができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,(Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990)を参照(それは参照により本明細書に組み込まれる)。薬物含有ポリマー層以外のビーズの層及び剤形中の多層ビーズ自体は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤(例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム)、または、(a)充填剤または増量剤(例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸)、(b)結合剤(例えばセルロース誘導体、デンプン、アルジネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及びアラビアゴム)、(c)保湿剤(例えばグリセロール)、(d)崩壊剤(例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、複合ケイ酸塩及び炭酸ナトリウム)、(e)溶解遅延剤(例えばパラフィン)、(f)吸収促進剤(例えば四級アンモニウム化合物)、(g)湿潤剤(例えばセチルアルコール、及びモノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸マグネシウムなど)、(h)吸着剤(例えばカオリン及びベントナイト)、ならびに(i)潤滑剤(例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)もしくはこれらの混合物と混合されてもよい。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含み得る。許容可能な賦形剤は更に、多層ビーズの隣接層の間に存在してもよい。例えば賦形剤は、外側層及びシーラント層の間に、シーラント層及び薬物含有ポリマー層の間に、薬物含有ポリマー層とバリア層の間に、バリア層とコアの間に、またはそれらの組み合わせに存在してもよい。
【0033】
医薬製剤技術で周知の薬学的に許容されるアジュバントも、本発明の医薬組成物で使用できる。これらは、保存剤、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、乳化剤、及び分散剤を含むが、これらに限定されない。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸など)を含めることにより確実にされ得る。等張剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)を含有することが、望ましいこともあり得る。必要に応じて、本発明の医薬組成物は、少量の補助物質(例えば、湿潤または乳化剤、pH緩衝剤、酸化防止剤など(例えばクエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、ブチル化ヒドロキシトルエンなど))も含有してよい。
【0034】
本発明の医薬組成物は、輸送、保管及び流通を可能にするために、複数の多層ビーズ及び他の賦形剤を含有する経口投与剤形でもよい。投与剤形は、自由流動性形状、または錠剤形状(例えば、多層ビーズを放出する速崩壊型錠剤)のビーズを含むことができる。このような速崩壊型錠剤は、例えば多層ビーズに加えて崩壊剤を含むことができる。本発明の医薬組成物は、固体剤形(例えば錠剤または硬質カプセル(例えば下記の実施例で記載するように、ルビプロストンとPVPまたはPVP−PAの固溶体として調製される))でもよい。例えば、このような固体剤形は、37℃及び200回転数/分にて、810mlの中性水及び90mlの1N HCl中で、USP2型溶解装置で測定したとき、30分以内に投与剤形中に含まれる薬物の量の少なくとも約70%を放出することができるように、作製されることができる。
【0035】
経口投与のための固体剤形(例えばカプセル及び錠剤)は、当該技術分野において周知であり、薬学の当該技術分野において周知の任意の方法によって調製されることができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Philadelphia,Pa.(18th ed.1990)を参照のこと。錠剤は、所望により1つ以上の賦形剤と一緒に、圧縮または成形することにより作製され得る。圧縮錠剤は、所望により賦形剤(例えば結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、保存剤、界面活性または分散剤)と混合した粉末または顆粒などの自由流動形態の有効成分を、好適な機械中で圧縮して調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械で成形することにより作製され得る。錠剤は、所望によりコーティングしても溝をつけてもよく、その中の有効成分の緩徐または制御放出を提供するために調合され得る。本発明のカプセル剤形は、硬質カプセルであることができて、通常、動物由来のゼラチンまたは植物由来のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)から製造される。本発明の経口投与剤形のためのカプセルのサイズは、その成分を含むのに十分である任意のサイズであり得る。例えばカプセルは、サイズ5、4、3、2、1、0、OE、00、000、13、12、12el、11、10、7またはSu07であり得る。カプセルは、当該技術分野において周知の任意の好適方法を使用して、充填される。
【0036】
医薬組成物内の組み合わせた複数の多層ビーズは、治療を必要とする患者に投与するための治療に有効な量の薬物を含む。多層ビーズは、包装した(または別の適切な投与装置(例えば計量スプーン)によって投与される)用量でもよい。本発明の医薬組成物の複数の多層ビーズ中に存在する薬物の量は、約1μg〜約75μg、約4μg〜約50μg、もしくは約8μg〜約25μgの範囲であり得る、または特に8、12、16もしくは24μgであり得る。薬物の単位用量は、約1μg〜約1,500μg(例えば約1μg〜約100μg、例えば8μg〜約72μg)である。本発明の医薬組成物は、例えばルビプロストン(またはその薬学的に許容される塩、異性体、代謝物またはプロドラッグ)の8、12、16、24、48または72μgの単位用量形態を含む。
【0037】
本発明は更に、治療を必要とする患者に、本発明の医薬組成物の多層ビーズの治療上有効な量を経口投与する工程を含む、胃腸障害を治療する方法に関する。したがって本発明は、胃腸障害を治療するための本発明の医薬組成物の使用に関する。そのような胃腸障害の1つは便秘である。他の胃腸障害として、慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘及び便秘型過敏性腸症候群といった障害を含む、機能障害性2型クロライドチャネルに関連するものが挙げられるが、これらに限定されない。治療される胃腸障害は、炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎またはクローン病)でもよい。
【0038】
ルビプロストンの投与が承認されている、または様々な国家の監督機関によって将来承認され得る胃腸障害を治療するために、本発明による製剤が投与され得ることは想到されている。このような適応症としては、(a)成人の慢性特発性便秘(CIC)の治療、(b)成人のオピオイド誘発性便秘(OIC)の治療、(c)6〜17歳の患者の小児機能性便秘(PFC)の治療(本特許出願時点で米国のFDA認可申請中)、及び(d)18歳以上の女性の便秘型過敏性腸症候群(IBS−C)の治療が挙げられるが、これらに限定されない。嚥下障害がある、または従来の錠剤もしくはカプセルを嚥下するのが難しい患者、特に小児または患者に投与する場合、本発明によるビーズ製剤が有用であることが更に想到される。嚥下障害は、種々の障害(例えば、ポリオ後症候群、多発性硬化症、筋ジストロフィー、パーキンソン病、多発性筋炎、皮膚筋炎、食道痙攣及び強皮症)で生じることがあり得る。
【0039】
「胃腸障害の治療」、または、「胃腸障害を治療すること」は、治療コントロール(例えば予防、看護、症状の緩和、症状の減弱及び進行の停止)の任意の手段を含む。治療は、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1か月もしくは少なくとも2か月、または少なくとも6か月〜1年以上、本発明の医薬組成物を投与することを含む、「長期間」であり得る。医薬組成物は、治療の全期間毎日、または1〜数日の間隔で、及び1日当たり1回または複数回を投与することができる。
【0040】
「薬物の治療上有効な量」とは、治療を必要とする患者の治療に役立つ反応を誘発する薬物の量を意味する。患者は一般的にヒト患者であるが、他の哺乳動物(例えば、ウマ、コンパニオンアニマル(イヌまたはネコ)、家畜及び獣医学的管理下の動物園の動物)も含むことができる。「治療上有効な量」は、年齢、体重、治療を受ける患者の状態、所望の治療効果、投与経路、治療期間などに基づいて決定できる。ルビプロストン(またはその薬学的に許容される塩、異性体、代謝質またはプロドラッグ)の代表的な治療上有効な量は、1日1回、2回もしくは3回4、8、12もしくは24μg、または1日1回もしくは2回48μgであり得る。
【0041】
医薬組成物の治療または使用方法は、医薬製剤中の多層ビーズを水中にまたは柔らかい食物上に撒くことと、患者に撒かれた多層ビーズを有する水または柔らかい食物を嚥下させることと、の工程を含むことができる。小児または高齢患者の胃腸障害を治療するとき、及び0〜17歳の個人及び/または嚥下障害を患っている個人の治療で、これは特に有用である。多層ビーズは更に、嚥下する前、多層ビーズの懸濁液を形成するために撹拌され得るまた振とうされ得る水(または別の適切な飲料)内に撒かれることができる。柔らかい食物は、最小限の咀嚼だけを必要とする、またはまったく咀嚼を必要としない食品(例えばアップルソース、ヨーグルト、アイスクリーム、カテージチーズ、ベビーフード、乳児用粉ミルクなど)を含むが、これらに限定されない。好ましくは複数の多層ビーズは、水及び/またはアップルソース内に撒かれることができる。本発明の多層ビーズは、水または柔らかい食物への曝露の後、少なくとも約1〜15分間、薬物の放出を阻止できるように作製され得る。したがって本発明の多層粒子及び医薬組成物は、中性懸濁液溶媒内での及び胃に達する前の生体内での薬物放出を遅延させる、またはそれを防ぐ。多層ビーズを含む本発明の医薬組成物は、従来のゲルカプセル製剤と比較するとき、悪心及び嘔吐に関連した有害事象について減少するという結果が得られる。
【実施例】
【0042】
材料
下記の実施例で、以下の材料を用いた。
【0043】
コロイド状シリカ:Aerosil(登録商標)R972 Pharma、高純度、非晶質、無水、疎水性コロイド状シリカ賦形剤、Evonik Industriesから入手可能。
【0044】
微結晶セルロース粒子(MCC球):Cellets(登録商標)350球状微結晶セルロース球、350〜500μmの範囲の粒径を有する、Glatt Pharmaceutical Servicesから入手可能。
【0045】
セバシン酸ジブチル(DBS)、可塑剤、油状(固体物質ではない)、Aldrichから入手可能。
【0046】
Eudragit E100、メタクリル酸及びメチルメタクリル酸塩を主成分としアニオン性コポリマー、Evonik Nutrition&Care Gmbh製。
【0047】
ルビプロストン、医薬品有効成分(API)。
【0048】
約6000ダルトンの分子量を有するポリエチレングリコール、PEG−6000、TCI Chemicalsから入手可能。
【0049】
ポリビニルピロリドン(PVP)(別名ポビドン)、Kollidon(登録商標)17PF USP、BASF製。
【0050】
ポリビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー(PVP−VA)(別名コポビドン)、Kollidon(登録商標)VA64 USP、BASF製。
【0051】
タルク、潤滑剤、BRENNTAG製。
【0052】
ラクトース、ラクトース一水和物、USP/JP、Maruishi Pharmaceuticalから入手可能。
【0053】
マンニトール:PEARLITOL(登録商標)200SD、Roquette製。
【0054】
グルコース、デキストロースUSP/グルコースJP、Waka Pure Chemical Industriesから入手可能。
【0055】
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、USP/JP、Nippon Sodaから入手可能。
【0056】
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(別名ヒプロメロース)USP/JP、Sigma Aldrichからの入手可能。
【0057】
微結晶セルロース粉末(MCC粉末):CEOLUS(登録商標)UF−702、Asahi Kasei製。
【0058】
コーンスターチ、USP/JP、Wako Pure Chemical Industriesから入手可能。
【0059】
マグネシウムアルミネートメタシリケート(MgAMS)、Tomita Pharmaceuticalから入手可能。
【0060】
実施例1A:ルビプロストン−賦形剤接触安定性試験
試験試料は、種々の賦形剤及びルビプロストン薬を使用して、約50:50の比率で試験用に調製した。それからこれらの調製した混合物は、55℃にて10日間、加速応力安定性条件に置かれた。10日後、これらの試料は、アッセイ(残留するルビプロストンの量)及びルビプロストンの分解が原因で発生する不純物を測定する、適切なHPLC方法によって解析された。結果を表1Aに示す。
【表1A-1】
【表1A-2】
【0061】
実施例1B:ルビプロストン−賦形剤接触安定性試験(固溶体)
追加の試験試料は、約50:50及び約99:1の比率で種々の賦形剤とルビプロストン薬を混合することによって調製した。固溶体は、ルビプロストン/MeCNと賦形剤/MeCNを混合して、この混合物を化合させて、それから溶媒を蒸発により除去することによって調製した。それから調製した混合物は、55℃にて10日間、加速応力安定性条件下に置かれた。10日後、これらの試料は、残留するルビプロストンの量、及びルビプロストンの分解の結果として発生する不純物を測定するためのHPLC方法によって解析された。
【0062】
50:50の溶液の結果を表1Bに示す。そこで安定性は、PVP、PVP−VA及びDBSを有する固溶体中のルビプロストンで比較的高かった。後者(DBS)は油状であり、顆粒及びビーズ上のフイルムコーティングとして使用する従来の可塑剤である。それは、安定剤としていくつかのルビプロストンビーズ製剤で有用であり得るが、好ましい成分ではない。
【0063】
99:1の固溶体での結果は、50:50の固溶体と比べてPVP及びPVP−VAを有する固溶体中のルビプロストンで比較的高い安定性を示す。いかなる特定の解釈に制約されることなく、ルビプロストン分子が、比較的増大した数の安定性向上型賦形剤分子によって囲まれると考えられる。
【表1B】
【0064】
実施例1C:ルビプロストン−賦形剤接触安定性試験(粉末の機械的混合)
試験試料は、約50:50及び約99:1の比率で種々の賦形剤とルビプロストン薬を直接(機械的に)混合することによって調製した。ルビプロストンと賦形剤を機械的に混合することは、従来のモーターを使用してそれらを混合することによって実施した。それから調製した混合物は、55℃にて10日間、加速応力安定性条件下に置かれた。10日後、これらの試料は、残留するルビプロストンの量、及びルビプロストンの分解の結果として発生する不純物を測定するための適切なHPLCによって解析された。結果を表1Cに示す。粉末を機械的に混合する結果として観察したルビプロストンにおける増加した安定性は、PVP及びPVP−VAを有する場合にのみ見られた。しかし、安定性の増加は、固溶体の実施例1Bで観察したほど十分なものではなかった。いかなる特定の解釈に制約されることなく、この結果は、比較的完全な混合ではなかったことが原因だったと考えられる。
【表1C】
【0065】
実施例2:ルビプロストン/ポリマー層安定性試験
ルビプロストン/ポリマー溶液は、アセトン中の10重量%固体で調製した(HPLC等級、EMD)。約2.5gの各ポリマー溶液は、アルミニウムパン(直径約10cm)内に移されて、厚さ約100μmの薬物/ポリマー層を形成するために、少なくとも4時間、40℃で乾燥した。得られた膜は、目視で膜の完全性を調べた。それからすべての膜は、55℃の強制空気対流式オーブン内に置かれて、10日後に外観変化について調べた。各個々の薬物/ポリマー膜の外観を表2にまとめる。
【表2-1】
【表2-2】
【0066】
実施例3:多層ビーズ製剤の調製
球状微結晶セルロース粒子(Cellets(登録商標)350)は、30〜60gスケールで、ボトムスプレー型流動床(VFC−LAB Micro Floコーター)コーティング処理を使用して、ポリマーバリア(PVPまたはPVP−VA)層、ルビプロストン(Lubi)/ポリマー層、封止コート(PVPまたはPVP−VA)及び水バリア外側層(ポリメタクリレートEudragit E100)によって、順次被覆した。表3は、ポリマー、スプレー溶液濃度、溶媒系、ならびに床温度(T
bed)、溶液供給速度(Q)及びノズル散布圧力(P)を含む処理パラメーターを報告する。コーティング重量は、総生成物重量(すなわち、ポリマー層及び基材の重量)で、ポリマー層の重量を割ることによって算出した。2次トレイ乾燥工程は、各層をコーティングした後、残留するアセトンを除去するために、一晩強制対流式オーブンで40℃にて実施した。
【表3】
【0067】
実施例4:多層ビーズ製剤及び粒径分布決定
コーティングしたビーズは、実施例3に記載のとおり調製した。コーティングの前後のビーズの経時的な粒径は、Aero Sユニットを備えるMalvern Mastersizer 300(Malvern Instruments)を使用するレーザー回折で測定した。D10、D50及びD90直径は、粉末の粒径分布を特性決定するために使用した。例えば、D50直径は、試料の質量の50%が小さい粒子からなる直径である。各コーティング工程の前後の粒径分布はレーザー回折を介して測定され、結果を以下の略称で表4に示す。Cellets=Cellets(登録商標)350、Lubi=ルビプロストン及びE=Eudragit(登録商標)E100。
【表4】
【0068】
表4に示すように、最終製品の粒径は通常1mmより小さく、それは水中の経口懸濁剤投与用、または柔らかい食物に散布するために好適なサイズである。
【0069】
実施例5:溶解試験
二段階溶解試験(すなわち、中性pH→胃pH)は、Distek Model 2100C USP2型溶解装置を使用して、実施例3で説明したように調製したコーティングしたビーズで行われ、投与方法、及び37℃に予熱した中性溶解媒体(1%のKolliphor RH40(BASF)を含有するHPLCグレード水)をシミュレーションする。すべての実験を2度追試した。試料の解析は、HPLC−MSを使用して行った。全3つの製剤は、1時間の中性の溶解媒体中で撹拌した後にごくわずかな薬物放出、及び1N HClを前記媒体に加えた後にほぼ即時の薬物放出を示す。このことは、多層ビーズが中性pH水に不溶性であることだけではなく、このような条件下で最小限の水透過性を有しており、次に周囲のpHが胃pHに低下すると、直ちに溶解して、媒体内へ薬物を放出することを示す。
【0070】
実施例6−多層ビーズの調製方法
以下の工程は、本発明の多層ビーズの他のバッチを調製するために使用した。
(a)流動床コーターに必要量の微結晶性セルロースビーズを入れること;
(b)アセトン中にPVP−VAを溶解させることとPEG6000水溶液を調製することとによって、サブコーティング溶液を調製すること;
(c)工程(b)の溶液にタルクを添加して、混合すること;
(d)工程(c)のコーティング溶液を噴霧すること;
(e)第1のコーティング層の後、ビーズを乾燥させること;
(f)ビーズを更に乾燥させて、溶媒を除去すること;
(g)流動床コーターにビーズを入れること;
(h)以前に調製したアセトン中のPVP−VA溶液内に必要量のルビプロストンを充填して、PEG6000及びタルクを加えること;
(i)工程(h)の溶液をビーズに噴霧すること;
(j)第2のコーティング層の後、ビーズを乾燥させること;
(k)ビーズを更に乾燥させて、溶媒を除去すること;
(l)流動床コーターにビーズを入れること;
(m)アセトン中のPVP−VAの封止コーティング溶液を調製し、PEG6000水溶液を調製して、タルクを混合すること;
(n)工程(m)の溶液をビーズに噴霧すること;
(o)第2のコーティング層の後、ビーズを乾燥させること;
(p)ビーズを更に乾燥させて、溶媒を除去すること;
(q)流動床コーターにビーズを入れること;
(r)アミノメタクリレート/アセトン溶液とPEG6000及びタルクを混合することによって、コーティング溶液を調製すること;
(s)工程(r)の溶液をビーズに噴霧すること;
(t)第2のコーティング層の後、ビーズを乾燥させること;
(u)ビーズを更に乾燥させて、溶媒を除去すること;
(v)ビーズを選別して、凝集塊及び微粉を除去すること。
【0071】
本発明の多層ビーズの代表的な組成物を、表6に記載する。レーザー回折を使用した粒径試験は、0.752mmのD90粒径を示した。
【表6】
【0072】
実施例7−多層ビーズの調製方法
本発明の多層ビーズの別の代表的な組成物を表7に記載する。
【表7】
【0073】
実施例8−ビーズの安定性及び溶解
本発明の多層ビーズを、応力条件下での安定性について試験した。ビーズは、安定性測定のためのガラスバイアル中で10日間、55℃にて置かれた。二段階溶出試験(すなわち、中性pH→胃pH)を、ビーズで行った。パドル法(装置2)(37℃にてHCO−40:ポリオオキシ40水添ヒマシ油媒体(別名Kolliphor RH40(BASF))中に溶解(USP<711>))下にしたがって、溶解試験を行った。表8は、残留するルビプロストンの量、関連する分解物質の外観及び実施例7で記載したように調製したルビプロストンビーズの溶解性能を示す。ルビプロストン及び関連する分解物質の量は、HPLCでアッセイした。溶解試験の合格基準は、以下のとおりである。第1段階の目標−標示した量の20%以下が、界面活性剤(1%のHCO−40)を含有する水中に30分間放出される。第2段階の目標−標示した量の60%(Q)以上が、界面活性剤(1%のHCO−40)を含有する0.1N HCl中に60分間放出される。
【表8】
【0074】
実施例9−医薬組成物スプリンクルビーズカプセル
本発明の多層ビーズに、0.5重量%のタルクを混合した。サイズ0のヒプロメロースブルー/ホワイトスプリンクルカプセルに、多層ビーズとタルクの混合物を充填した。
【0075】
実施例10−溶解試験 スプリンクルビーズカプセル
二段階溶出試験(すなわち、中性pH→胃pH)を、上述のように調製したルビプロストンビーズを含有するスプリンクルビーズカプセルで行った。カプセルからの多層ビーズが、溶解媒体に撒かれて、溶解試験は実施例8に記載のとおり行われた。
図2は、中性の水生環境中の極小〜ゼロの薬物放出による溶解特性を示し、すべての残留する薬物が酸性の環境(胃など)で放出されることを示す。
【0076】
実施例11−スプリンクルビーズカプセルの安定性及び溶解
上述のとおり調製した多層ビーズによる24μgのルビプロストンを含有するヒプロメロースカプセル中のスプリンクルビーズは、安定性及び溶解について試験した。安定性試験は、乾燥剤を備えるHDPE蓋付き瓶を使用して行われた。25℃/RH60%及び40℃/RH75%にて最大3か月間の安定性データを、表9及び表10に示す。以下に示すように、バッチは良好な安定性を示す。
【表9-1】
【表9-2】
【表10】
【0077】
実施例12−アップルソースによるカプセル中のスプリンクルビーズの安定性
in−vitro試験は、意図した投与溶媒(アップルソース)中の薬物ルビプロストンの化学的適合性を確定するために行われた。1つのカプセルからのスプリンクルビーズ(24μgのルビプロストンを含有するビーズ)を、アップルソース(TREE TOPアップルソース(無糖)、5g(ティースプーン))と混合した。ビーズは室温に置かれて、0、5、10、20分にサンプリングした。
【0078】
アップルソースソース上にカプセルの内容物を撒いた後、ビーズは、デカンテーション及びすすぎ流し(水で)によって回収されて、ビーズのAPI内容物(アッセイ)を測定した。結果を下の表11に示す。これは、最大20分間アップルソースと混合したとき(最初の5分間で患者によって消費されると思われるが)、ビーズの良好な化学的適合性を示す。前記結果は、アップルソース上に撒かれるとき、機能性コーティング(酸溶解層)がビーズ製剤からAPIが漏出するのを防ぐことも確認する。
【表11】
【0079】
本発明は、上述のとおり、ならびに実施例及び図に関して、実質的にすべての実施形態及び変形物を含む。本発明の種々の実施形態が本明細書に開示されるが、改良及び変更は当業者の共通一般知識に従って本発明の範囲内であり得る。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
医薬用途のための多層ビーズであって、前記多層ビーズが、
(a)コア粒子;
(b)前記コア粒子の表面にコーティングした任意のバリア層;
(c)前記コア粒子、または存在する場合、前記バリア層の表面にコーティングした薬物含有ポリマー層であって、前記薬物含有ポリマー層が
(i)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに
(ii)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;から本質的になる、前記薬物含有ポリマー層;
(d)前記薬物含有ポリマー層の表面にコーティングした任意のシーラント層;ならびに
(e)所望により、前記薬物含有ポリマー層、または存在する場合、前記シーラント層の外側にある1つ以上の外側層;を含む、前記多層ビーズ。
(項目2)
前記薬物が、
(−)−7−[(2R,4aR,5R,7aR)−2−(1,1−ジフルオロペンチル)−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル]ヘプタン酸、(ルビプロストン);
(−)−7−{(2R,4aR,5R,7aR)−2−[(3S)−1,1−ジフルオロ−3−メチルペンチル]−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル}ヘプタン酸、(コビプロストン);
(+)−イソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エノエート、(イソプロピルウノプロストン);
(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸;
(−)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタン酸;及び
(E)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタ−2−エン酸;からなる群から選択される、項目1に記載の多層ビーズ。
(項目3)
前記薬物がルビプロストンである、項目1または2に記載の多層ビーズ。
(項目4)
前記薬物含有ポリマー層が、前記薬物と前記ポリマーの前記混合物、または前記ポリマー中の前記薬物の固体分散体である、項目1、2または3のいずれか一項に記載の多層ビーズ。
(項目5)
前記多層ビーズ中に存在する前記薬物の量が、約0.01μg〜約0.2μg、約0.02μg〜約0.1μg、または約0.04μg〜約0.08μgの範囲である、項目1、2、3または4のいずれか一項に記載の多層ビーズ。
(項目6)
前記薬物が、0.2部ポリマー当たり1部薬物から、200部ポリマー当たり、400部ポリマー当たり、500部ポリマー当たり、1,000部ポリマー当たり及び10,000部ポリマー当たり約1部薬物までの範囲の薬物対ポリマーの相対量で前記薬物含有ポリマー層中に存在する、項目1〜5のいずれか一項に記載の多層ビーズ。
(項目7)
前記薬物含有ポリマー層が、前記ポリマー中の前記薬物の固体分散体である、項目4に記載の多層ビーズ。
(項目8)
前記コア粒子が、微結晶セルロース粒子、シリカ粒子及び糖粒子からなる群から選択される、項目1〜7のいずれか一項に記載の多層ビーズ。
(項目9)
バリア層を有し、前記バリア層が、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーである、項目1〜8のいずれか一項に記載の多層ビーズ。
(項目10)
シーラント層を有し、前記シーラント層が、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーである、項目1〜9のいずれか一項に記載の多層ビーズ。
(項目11)
メタクリレート系ポリマーからなる群から選択される1つ以上の外側の外側層を有する、項目1〜10のいずれか一項に記載の多層ビーズ。
(項目12)
項目1〜11のいずれか一項に記載の複数の多層ビーズと薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
(項目13)
前記複数の多層ビーズが、カプセル、サッシェまたはパウチ中に含まれる、項目12に記載の医薬組成物。
(項目14)
組み合わせた前記複数の多層ビーズが前記薬物の単位用量であり、好ましくは、約1μg〜約1,500μg、約1μg〜約75μg、約4μg〜約50μg、もしくは約8μg〜約25μgの範囲である、または特に4、12、8、16もしくは24μgであり得る、項目12に記載の医薬組成物。
(項目15)
胃腸障害の治療を必要とする患者に、項目12、13または14のいずれか一項に記載の前記医薬組成物中の前記多層ビーズの治療上有効な量を経口投与する工程を含む、胃腸障害を治療する方法。
(項目16)
前記医薬組成物を水中にまたは柔らかい食物上に撒くことと、前記患者に前記撒かれた多層ビーズを含有する前記水または前記食物を嚥下させることと、の工程を含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記胃腸障害が、慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘及び便秘型過敏性腸症候群からなる群から選択される障害を含む、機能障害性2型クロライドチャネルに関連する、項目15または16に記載の方法。
(項目18)
胃腸障害を治療するための項目12、13または14のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
(項目19)
前記胃腸障害が、慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘、便秘型過敏性腸症候群及び小児機能性便秘からなる群から選択される障害を含む、機能障害性2型クロライドチャネルに関連する、項目18に記載の医薬組成物の使用。
(項目20)
(a)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに
(b)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;から本質的になる、ポリマー中の薬物の固体分散体。
(項目21)
前記薬物が、
(−)−7−[(2R,4aR,5R,7aR)−2−(1,1−ジフルオロペンチル)−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル]ヘプタン酸、(ルビプロストン);
(−)−7−{(2R,4aR,5R,7aR)−2−[(3S)−1,1−ジフルオロ−3−メチルペンチル]−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル}ヘプタン酸、(コビプロストン);
(+)−イソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エノエート、(イソプロピルウノプロストン);
(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸;
(−)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタン酸;及び
(E)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタ−2−エン酸;からなる群から選択される、項目20に記載の固体分散体。
(項目22)
前記薬物がルビプロストンである、項目21に記載の固体分散体。
(項目23)
前記薬物が、0.2部ポリマー当たり約1部薬物から、200部ポリマー当たり、400部ポリマー当たり、500部ポリマー当たり、1,000部ポリマー当たり及び10,000部ポリマー当たり約1部薬物までの範囲の薬物対ポリマーの相対量で存在する、項目20〜22のいずれか一項に記載の固体分散体。
(項目24)
前記薬物が、胃腸障害を治療するために薬学的に有効な量で存在する、項目20〜23のいずれか一項に記載の固体分散体及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
(項目25)
(a)15−ケトプロスタグランジン薬、13,14−ジヒドロプロスタグランジン薬及び13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジン薬からなる群から選択される薬物;ならびに
(b)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー;から本質的になるポリマー中の薬物の固体製剤。
(項目26)
前記薬物が、
(−)−7−[(2R,4aR,5R,7aR)−2−(1,1−ジフルオロペンチル)−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル]ヘプタン酸、(ルビプロストン);
(−)−7−{(2R,4aR,5R,7aR)−2−[(3S)−1,1−ジフルオロ−3−メチルペンチル]−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル}ヘプタン酸、(コビプロストン);
(+)−イソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エノエート、(イソプロピルウノプロストン);
(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸;
(−)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタン酸;及び
(E)−7−[(1R,2R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソシクロペンチル]ヘプタ−2−エン酸;からなる群から選択される、項目25に記載の固体製剤。
(項目27)
前記薬物がルビプロストンである、項目26に記載の固体製剤。
(項目28)
前記薬物が、0.2部ポリマー当たり約1部薬物から、200部ポリマー当たり、400部ポリマー当たり、500部ポリマー当たり、1,000部ポリマー当たり及び10,000部ポリマー当たり約1部薬物までの範囲の薬物対ポリマーの相対量で存在する、項目25〜27のいずれか一項に記載の固体製剤。
(項目29)
前記薬物が、胃腸障害を治療するために薬学的に有効な量で存在する、項目25〜28のいずれか一項に記載の固体分散体及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
(項目30)
前記医薬組成物が、37℃及び200回転数/分にて、810mlの中性水及び90mlの1N HCl中で、USP2型溶解装置で測定したとき、30分以内に投与剤形で含まれる前記薬物の量の少なくとも約70%を放出する、固体剤形である、前記先行医薬組成物のいずれか1つの医薬組成物。
(項目31)
5〜8の範囲のpHで不溶性であり及び1〜4の範囲のpHで可溶性である、または6〜8の範囲のpHで不溶性であり及び1〜5の範囲のpHで可溶性であるポリマーを含む、外側層を有する、項目1〜10のいずれか一項に記載の多層ビーズ。
(項目32)
前記層がスプレーコーティングされている、項目1〜10のいずれか一項に記載の多層ビーズ。
(項目33)
前記層がスプレーコーティングされており、前記スプレーコーティングのために使用する溶媒がアセトンである、項目32に記載の多層ビーズ。
(項目34)
前記スプレーコーティングが30℃を超えない温度で実行される、項目32または33に記載の多層ビーズ。
(項目35)
前記コーティング層が45℃を超えない温度で乾燥される、項目32〜34のいずれか一項に記載の多層ビーズ。
(項目36)
項目25に記載のポリマー中の薬物の前記固体製剤であって、前記固体製剤が粒子形態である前記固体製剤と、所望により1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、固体医薬製剤。
(項目37)
37℃及び200回転数/分にて、810mlの中性水及び90mlの1N HCl中で、USP2型溶解装置で測定したとき、30分以内に、ルビプロストンまたはその薬学的に許容される塩、異性体、代謝物もしくはプロドラッグの少なくとも70%を放出する、項目36に記載の固体医薬製剤。
(項目38)
前記薬学的に許容される賦形剤が、1つ以上の充填剤、増量剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸着剤、潤滑剤、可塑剤または緩衝剤である、項目36に記載の固体医薬製剤。
(項目39)
前記薬学的に許容される賦形剤が、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ケイ酸、アルジネート、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アラビアゴム、グリセロール、寒天、炭酸カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、複合ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、パラフィン、四級アンモニウム化合物、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、カオリン、ベントナイト、タルク、ポリエチレングリコール、またはこれらの混合物である、項目38に記載の固体医薬製剤。
(項目40)
前記薬学的に許容される賦形剤が、タルク、ポリエチレングリコールまたはこれらの組み合わせである、項目39に記載の固体医薬製剤。
(項目41)
慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘、及び便秘型過敏性腸症候群を治療する方法であって、前記方法が、その治療を必要とする患者に、項目36に記載の固体医薬組成物を投与する工程を含む、前記方法。
(項目42)
前記患者が小児患者または高齢患者である、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記医薬組成物が固体の経口投与剤形である、項目12〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(項目44)
前記固体経口投与剤形が24μgのルビプロストンを含有する、項目43に記載の固体経口投与剤形。
(項目45)
37℃及び200回転数/分にて、810mlの中性水及び90mlの1N HCl中で、USP2型溶解装置で測定したとき、30分以内に前記投与剤形中に含まれる前記薬物の量の少なくとも約70%を放出する、項目44に記載の固体経口投与剤形。
(項目46)
前記医薬製剤中に含有される前記薬学的に許容される賦形剤が、1つ以上の充填剤、増量剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸着剤、潤滑剤、可塑剤または緩衝剤である、項目43に記載の固体経口投与剤形。
(項目47)
前記薬学的に許容される賦形剤が、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ケイ酸、アルジネート、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アラビアゴム、グリセロール、寒天、炭酸カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、複合ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、パラフィン、四級アンモニウム化合物、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、カオリン、ベントナイト、タルク、ポリエチレングリコール、またはこれらの混合物である、項目46に記載の固体経口投与剤形。
(項目48)
前記薬学的に許容される賦形剤が、タルク、ポリエチレングリコールまたはこれらの組み合わせである、項目47に記載の固体経口投与剤形。
(項目49)
慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘、便秘型過敏性腸症候群及び小児機能性便秘を治療する方法であって、前記方法が、治療を必要とする患者に、項目43〜48のいずれか一項に記載の固体経口投与剤形を投与する工程を含む、前記方法。
(項目50)
前記患者が小児患者または高齢患者である、項目49に記載の方法。
(項目51)
a.微結晶セルロース粒子を含む、コア粒子;
b.前記コア粒子の表面にコーティングされるバリア層であって、前記バリア層がビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む、前記バリア層;
c.前記バリア層の表面にコーティングされる薬物含有ポリマー層であって、前記薬物含有ポリマー層が、ルビプロストン、またはその薬学的に許容される塩、異性体、代謝物もしくはプロドラッグの治療上有効な量、及びビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む、前記薬物含有ポリマー層;
d.前記薬物含有ポリマー層の表面にコーティングされるシーラント層であって、前記シーラント層がビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマーを含む、前記シーラント層;及び
e.前記シーラント層の表面にコーティングされる外側層であって、前記外側層がメタクリル酸ブチルを含むコポリマーを含む、前記外側層;を含む多層ビーズ。
(項目52)
前記バリア層、前記外側層またはそれらの任意の組み合わせが、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、項目51に記載の多層ビーズ。
(項目53)
前記1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が、タルク、ポリエチレングリコールまたはこれらの組み合わせである、項目52に記載の多層ビーズ。
(項目54)
前記1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が、前記多層ビーズの任意の2つの層の間に含まれる、項目51に記載の多層ビーズ。
(項目55)
前記1つ以上の薬学的に許容される賦形剤がタルクである、項目54に記載の多層ビーズ。
(項目56)
前記ルビプロストンが、前記ポリマー中の前記薬物の混合物としての前記薬物含有ポリマー層中に存在する、項目51に記載の多層ビーズ。
(項目57)
前記多層ビーズ中に存在する前記ルビプロストンの量が、約0.01μg〜約0.2μgである、項目56に記載の多層ビーズ。
(項目58)
前記多層ビーズ中に存在する前記ルビプロストンの量が、約0.02μg〜約0.1μgである、項目57に記載の多層ビーズ。
(項目59)
前記多層ビーズ中に存在する前記ルビプロストンの量が、約0.04μg〜約0.08μgである、項目58に記載の多層ビーズ。
(項目60)
前記ルビプロストンが、0.2部ポリマー当たり1部ルビプロストンから10,000部ポリマー当たり1部ルビプロストンの範囲の量で前記薬物含有ポリマー中に存在する、項目56に記載の多層ビーズ。
(項目61)
前記ルビプロストンが、0.2部ポリマー当たり1部ルビプロストンから1,000部ポリマー当たり1部ルビプロストンの範囲の量で前記薬物含有ポリマー中に存在する、項目56に記載の多層ビーズ。
(項目62)
前記ルビプロストンが、0.2部ポリマー当たり1部ルビプロストンから500部ポリマー当たり1部ルビプロストンの範囲の量で前記薬物含有ポリマー中に存在する、項目56に記載の多層ビーズ。
(項目63)
前記ルビプロストンが、0.2部ポリマー当たり1部ルビプロストンから400部ポリマー当たり1部ルビプロストンの範囲の量で前記薬物含有ポリマー中に存在する、項目56に記載の多層ビーズ。
(項目64)
前記ルビプロストンが、0.2部ポリマー当たり1部ルビプロストンから200部ポリマー当たり1部ルビプロストンの範囲の量で前記薬物含有ポリマー中に存在する、項目56に記載の多層ビーズ。
(項目65)
前記ルビプロストンが、0.2部ポリマー当たり1部ルビプロストンから200部ポリマー当たり1部ルビプロストンの範囲の量で前記薬物含有ポリマー中に存在する、項目56に記載の多層ビーズ。
(項目66)
項目51に記載の複数の前記多層ビーズを含む、カプセル。
(項目67)
前記多層ビーズ中に存在する前記ルビプロストンの量が、約1μg〜約75μgである、項目66に記載のカプセル。
(項目68)
前記多層ビーズ中に存在する前記ルビプロストンの量が約24μgである、項目67に記載のカプセル。
(項目69)
慢性特発性便秘、オピオイド誘発性便秘、または便秘型過敏性腸症候群を治療する方法であって、前記方法が、治療を必要とする患者に、項目66に記載のカプセルを投与する工程を含む、前記方法。
(項目70)
前記患者が小児患者または高齢患者である、項目69に記載の方法。