(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6957730
(24)【登録日】2021年10月8日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】スキンケアブラシ用の自己作動使用オドメーターのシステム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
A46B 15/00 20060101AFI20211021BHJP
【FI】
A46B15/00 Z
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-505143(P2020-505143)
(86)(22)【出願日】2018年7月30日
(65)【公表番号】特表2020-529244(P2020-529244A)
(43)【公表日】2020年10月8日
(86)【国際出願番号】US2018044417
(87)【国際公開番号】WO2019027921
(87)【国際公開日】20190207
【審査請求日】2020年2月5日
(31)【優先権主張番号】15/665,300
(32)【優先日】2017年7月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド・キース・ブルーワー
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル・ティモシー・アラゴン
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・デイヴィッド・プール
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・イー・アクリッジ
【審査官】
石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】
特表2016−538892(JP,A)
【文献】
特開2003−052723(JP,A)
【文献】
特開平07−151613(JP,A)
【文献】
特開平05−072054(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0359324(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動パーソナル器具とともに使用するためのスキンブラシヘッドであって、
内面、外面、および前記内面と前記外面との間の光が透過する窓部分を有する本体と、
前記本体の前記外面に結合された処理アプリケータであって、皮膚部分に処理を施すように構成された、処理アプリケータと、
前記スキンブラシヘッドと関連付けられた交換インジケータであって、前記交換インジケータが、染料を拡散することによって、継続時間が経過したことを示すように構成される、交換インジケータと、
前記内面から延びる作動部材と、
を含み、
前記交換インジケータは、前記スキンブラシヘッドが使用されたある継続時間の後に、使用者に前記スキンブラシヘッドの交換を勧めるために、前記窓部分を通して表示を提供するように構成され、
前記作動部材は、前記電動パーソナル器具に前記スキンブラシヘッドを最初に取り付けると、前記染料の拡散を開始するように構成されており、前記継続時間が、前記電動パーソナル器具に前記スキンブラシヘッドを最初に取り付けると始まる、スキンブラシヘッド。
【請求項2】
前記外面から見た場合に、前記窓部分が前記使用者に見えるように、前記窓部分が、前記処理アプリケータの空隙内に置かれる、請求項1に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項3】
前記継続時間が経過すると、前記染料が、前記窓部分を通して見える境界まで拡散する、請求項1または2に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項4】
前記境界に達する前記継続時間が、約30日〜180日である、請求項1から3のいずれか一項に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項5】
前記境界に達する前記継続時間が、60日〜120日である、請求項1から4のいずれか一項に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項6】
前記境界に達する前記継続時間が、85日〜95日である、請求項1から5のいずれか一項に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項7】
前記交換インジケータが、前記本体の前記内面に配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項8】
前記処理アプリケータが、複数の剛毛を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項9】
前記本体が、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ゴム、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、HYTREL(登録商標)、ポリウレタン、コポリエステル、および他の熱可塑性物質またはポリマーのうちの1つ以上の材料から製造される、請求項1から8のいずれか一項に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項10】
スキンブラシヘッドであって、
窓部分を有する本体と、
前記窓部分に隣接した中央の空隙を形成する前記本体の外面に結合された複数の剛毛であって、皮膚部分に処理を施すように構成された、複数の剛毛と、
前記スキンブラシヘッドと関連付けられた交換インジケータと、
内面から延びる作動部材と、
を含み、
前記交換インジケータは、前記スキンブラシヘッドが使用されたある継続時間の後に、使用者に前記スキンブラシヘッドの交換を勧めるために、前記窓部分を通して表示を提供するように構成され、
前記作動部材は、前記スキンブラシヘッドを最初に取り付けると、染料の拡散を開始するように構成されている、スキンブラシヘッド。
【請求項11】
前記継続時間が経過すると、前記染料が、前記窓部分を通して見える境界まで拡散する、請求項1から10のいずれか一項に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項12】
前記境界に達する前記継続時間が、約30日〜180日である、請求項1から11のいずれか一項に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項13】
前記境界に達する前記継続時間が、60日〜120日である、請求項1から12のいずれか一項に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項14】
前記境界に達する前記継続時間が、85日〜95日である、請求項1から13のいずれか一項に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項15】
前記窓部分が、前記交換インジケータの少なくとも一部分を拡大するように構成されたレンズを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のスキンブラシヘッド。
【請求項16】
前記本体が、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ゴム、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、HYTREL(登録商標)、ポリウレタン、コポリエステル、および他の熱可塑性物質またはポリマーのうちの1つ以上の材料から製造される、請求項1から15のいずれか一項に記載のスキンブラシヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケア器具とともに使用するのに好適な交換インジケータを有する、ブラシヘッドなどのワークピースに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア器具とともに使用する交換インジケータを有する、ブラシヘッドなどのワークピースが、従来技術から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9,107,486号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、パーソナルケア器具とともに使用するのに好適な交換インジケータを有する、スキンケアブラシ用の自己作動使用オドメーターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本開示は特に、パーソナルケア器具とともに使用するのに好適な交換インジケータを有する、ブラシヘッドなどのワークピースの代表的な実施形態を対象とする。交換インジケータは概して、ある継続時間が経過した後に、ブラシヘッドが交換されることを勧める表示を使用者に提供する。ブラシヘッドは、推奨される交換のための継続時間の進行状況および継続時間が経過したことの表示を見るための、外面から見ることができる窓を含む。いくつかの実施形態では、継続時間は、ブラシヘッドが最初にパーソナルケア器具に装着されるとき開始される。
【0006】
本開示の態様によれば、電動パーソナル器具とともに使用するためのスキンブラシヘッドが提供される。スキンブラシヘッドは概して、内面、外面、および内面と外面との間で光が透過する窓部分を有する本体と、本体の外面に結合された処理アプリケータであって、皮膚部分に処理を施すように構成され得る、処理アプリケータと、スキンブラシヘッドと関連付けられた交換インジケータであって、スキンブラシヘッドが使用されるある継続時間の後に、使用者にスキンブラシヘッドの交換を勧めるために窓部分を通して表示を提供するように構成され、この継続時間は、電動パーソナルケア器具にスキンブラシヘッドを最初に取り付けると始まってもよい、交換インジケータと、を含む。
【0007】
本開示の他の態様によれば、スキンブラシヘッドが提供される。スキンブラシヘッドは、概して、窓部分を有する本体と、窓部分に隣接した中央の空隙を形成する、本体の外面に結合された複数の剛毛であって、皮膚部分に処理を施すように構成され得る、複数の剛毛と、スキンブラシヘッドと関連付けられた交換インジケータであって、スキンブラシヘッドが使用されるある継続時間の後に、使用者にスキンブラシヘッドの交換を勧めるために窓部分を通して表示を提供するように構成された、交換インジケータと、を含む。
【0008】
本明細書で開示する態様のいずれかによれば、窓部分は、外面から見られるとき、使用者によって窓部分が見えるように、処理アプリケータの空隙内に置かれてもよい。
【0009】
本明細書で開示する態様のいずれかによれば、交換インジケータは、染料を拡散することによって、継続時間が経過したことを示すように構成されてもよい。
【0010】
本明細書で開示する態様のいずれかによれば、スキンブラシヘッドは内面から延び、電動パーソナル器具にスキンブラシヘッドを最初に取り付けると、染料の拡散を開始するように構成された作動部材をさらに含んでもよい。
【0011】
本明細書で開示する態様のいずれかによれば、染料は、継続時間が経過すると、窓部分を通して見える境界まで拡散してもよい。
【0012】
本明細書で開示する態様のいずれかによれば、境界に達する継続時間は、約30日〜180日であってもよい。
【0013】
本明細書で開示する態様のいずれかによれば、境界に達する継続時間は、60日〜120日であってもよい。
【0014】
本明細書で開示する態様のいずれかによれば、境界に達する継続時間は、85日〜95日であってもよい。
【0015】
本明細書で開示する態様のいずれかによれば、交換インジケータは、本体の内面に配置されてもよい。
【0016】
本明細書で開示する態様のいずれかによれば、処理アプリケータは、複数の剛毛を含んでもよい。
【0017】
本明細書で開示する態様のいずれかによれば、本体は、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ゴム、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、HYTREL(登録商標)、ポリウレタン、コポリエステル、および他の熱可塑性物質またはポリマーのうちの1つ以上の材料から製造されてもよい。
【0018】
本明細書で開示する態様のいずれかによれば、スキンブラシヘッドは、内面から延び、スキンブラシヘッドを最初に取り付けると、染料の拡散を開始するように構成された作動部材をさらに含んでもよい。
【0019】
本明細書で開示する態様のいずれかによれば、窓部分は、交換インジケータの少なくとも一部分を拡大するように構成されたレンズを含んでもよい。
【0020】
本概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明する概念の抜粋を簡略化して紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲の決定に役立つものとして使用されることを意図するものでもない。
【0021】
開示する主題の前述の態様および付随する利点の多くは、添付の図面とともに行う、以下の詳細な説明への参照により、より良く理解されるようになると、より容易に諒解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の態様によるブラシヘッドの一例の、好適なパーソナルケア器具から分解されたブラシヘッドを示す、等角図である。
【
図2】作動部材が最初の第1の位置にあるパーソナルケア器具の駆動ボスから分解されたブラシヘッドを示す、
図1のブラシヘッドの側断面図である。
【
図3】作動部材が継続時間測定を開始するための第2の位置にあるパーソナルケア器具の駆動ボスに装着されたブラシヘッドを示す、
図1のブラシヘッドの側断面図である。
【
図4】ブラシヘッドが本開示の態様による交換インジケータの一例を有する、
図1のブラシヘッドの中央アセンブリの底面図である。
【
図5a】開位置の保持ドアを示す、
図4の中央アセンブリの底部側等角図である。
【
図5b】閉位置の保持ドアを示す、
図4の中央アセンブリの底部側等角図である。
【
図6】本開示の態様による交換インジケータ窓の一例を有する、パーソナルケア器具に結合されたブラシヘッドの上面図である。
【
図7a】ブラシヘッドが交換を必要としているときを示す、ある時間長(time duration)にわたる交換インジケータ内の染料の進行状況を示す、
図6のブラシヘッドの中央アセンブリの上面図である。
【
図7b】ブラシヘッドが交換を必要としているときを示す、ある時間長にわたる交換インジケータ内の染料の進行状況を示す、
図6のブラシヘッドの中央アセンブリの上面図である。
【
図7c】ブラシヘッドが交換を必要としているときを示す、ある時間長にわたる交換インジケータ内の染料の進行状況を示す、
図6のブラシヘッドの中央アセンブリの上面図である。
【
図7d】ブラシヘッドが交換を必要としているときを示す、ある時間長にわたる交換インジケータ内の染料の進行状況を示す、
図6のブラシヘッドの中央アセンブリの上面図である。
【
図8】パーソナルケア器具の一例をブロック図形式で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明はスキンケアに関係する、より詳細には、対象者の任意の外側身体部位の皮膚処理のためのパーソナルケア器具とともに使用するのに好適な、交換可能なブラシヘッドに関係するデバイスの例を示す。交換可能なブラシヘッド、またはワークピースの例には、ブラシヘッドが交換されることを勧める表示を使用者に提供することができる、交換インジケータが含まれる。本明細書のいくつかの例では、ブラシヘッド交換は、日常使用の約三カ(3)月後に勧められるが、他のスケジュールされた交換プロトコルが使用されてもよい。
【0024】
いくつかの例では、スケジュールされた交換継続時間が経過したという目に見える合図を使用者が受け取るように、交換インジケータは、ブラシヘッドに一体化され得る。この点について、交換インジケータは、交換インジケータの目に見える合図部分をブラシヘッドの本体内の窓の下に位置付けて、ブラシヘッドの本体の内面に結合され得る。交換インジケータは、染料拡散/吸い上げ(wicking)タイプを含むことができ、染料は、ブラシヘッドの推奨される交換の継続時間に対応するレートで広がる。従来の染料拡散インジケータは一般に、例えば破裂すると染料の拡散を開始し、それによって継続時間の測定を開始する染料充填ブリスター(dye-filled blister)などの、トリガ機構を含む。そのような染料拡散交換インジケータの一例には、様々な例の中でも特に、TIMESTRIP(登録商標)(Timestrip UK Ltd, Cambridge, United Kingdomの様々な製品の商標)が含まれる。いくつかの実施形態では、トリガ機構は、ブラシヘッドがパーソナルケア器具に取り付けられると、自動的に始動される。
【0025】
前述の窓は、指定された継続時間が経過したことを示す、少なくとも1つの境界に向かった染料の進行状況を使用者が観察できるように、ブラシヘッドの面の間の光透過を可能にするように構成される。窓は概して、使用者がブラシヘッドの剛毛に目を向けるとき見えるように、ブラシヘッドの剛毛の空隙内にある。いくつかの実施形態では、窓は、ブラシヘッド本体の材料から形成されるが、他の実施形態では、窓は開いていて、交換インジケータへの穴(aperture)として構成される。
【0026】
次に
図1を参照すると、本開示の態様に従って形成された、全体的に20として指定されるワークピースの一例が示されている。ワークピース20は、器具22などのパーソナルケア器具とともに使用するのに好適である。図示の実施形態では、ワークピース20は、スキンブラシヘッド(以下では「ブラシヘッド20」)の形態である。以下でより詳細に説明するように、ブラシヘッド20は中央アセンブリ60を含み、中央アセンブリ60は、
図6および
図7a〜
図7dに示すように、ブラシヘッド20の交換を勧める視覚的合図を使用者に提供する窓92を含む。使用中、中央部分60は、対象者の皮膚に処理を施す、例えば洗浄、マッサージ、角層除去(exfoliate)などを行うために、対象者の皮膚の上でパーソナルケア器具22によって、回転、往復運動、振動などを行われ得る。
【0027】
次に
図1〜
図3を参照して、ブラシヘッド20の一例についてより詳細に説明する。
図2に示すように、ブラシヘッド20は、外向きの外面48を有する本体44を備える中央アセンブリ60を含む。図示の実施形態では、本体44は概ね円筒形の断面を有するが、他の幾何学的断面(すなわち三角形、楕円形、分葉形、正方形など)が採用されてもよい。本体44は、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ゴム、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、HYTREL(登録商標)、ポリウレタン、コポリエステルなどのプラスチックで作られ得るが、アルミニウム、チタンなどの軽金属を含む、他の材料が利用されてもよい。以下でより詳細に説明するように、本体44は、たとえば、パーソナルケア器具22の駆動ボス52などの構成要素と直接的または間接的にインターフェースするように構成され得る。
【0028】
中央アセンブリ60は、本体44の外面48に結合され、そこから外側に延びる処理アプリケータを含む。いくつかの実施形態では、処理アプリケータは、例えば
図2に示すように、複数の剛毛64の形態である。複数の剛毛64は、離間していることがあり、または
図1に示す実施形態では、複数の剛毛64は、1つ以上の房70を形成するために、互いにグループ化される(例えば20〜180の剛毛グループ化)ことがある。いずれの場合も、剛毛64は、本体44の外面48から上方に延び、剛毛先端部72として終わる。本開示のいくつかの実施形態での剛毛64は、約0.20インチ(5.08ミリメートル)から約1.2インチ(30.48ミリメートル)またはそれ以上の長さと、約0.002インチ(0.0508ミリメートル)から約0.020インチ(0.508ミリメートル)またはそれ以上の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、剛毛の1つのグループは、剛毛の別のグループよりも長い長さを有することができる。変化する長さの剛毛を備えたブラシヘッドの一例が、2013年4月12日出願の、特許文献1に記載されている。剛毛64は、限定はしないが、エラストマー、コエラストマー、ポリマー、コポリマー、およびそれらの混合または組合せを含む、様々な材料で作られ得る。
図1、
図5a、
図5b、
図6、および
図7a〜
図7dの中央アセンブリ60の図示の実施形態は、中央アセンブリに取り付けられた単一のより大きい剛毛を示しているが、図示の各剛毛64が房70を表し、
図2および
図3に全体的に示すように、任意の数の複数の剛毛64に分割され得ることを意図している。
【0029】
いくつかの実施形態では、剛毛64の1つ以上は、ソニックアプリケーション(sonic application)に好適な高性能を有するテクスチャリング添加剤とともに、DUPONT(商標)TYNEX(登録商標)、Supersoft HYTREL(登録商標)熱可塑性エラストマーフィラメントまたはDUPONT(商標)NATRAFIL(登録商標)ポリエステルなど、ポリブチレンテレフタレート(PBT)ポリエステルまたはTPE/PBT混合で作られてもよい。他の実施形態では、剛毛は、エラストマーで作られるか、またはこれを含むことがある。1つのそのような例には、エラストマー(たとえば、TPE)の内側コアおよびポリマー(たとえば、PBT)外側ジャケットが含まれる。本明細書では、DUPONT(商標)材料について、その商標名とともに言及するが、ポリプロピレン、DUPONT(商標)BYNEL(登録商標)などのポリエチレン、ならびにそれらの組合せまたは混合など、後発均等物および変形物もまた、使用に適している場合がある。
【0030】
いくつかの実施形態では、剛毛64は、限定はしないが、テクスチャ表面などを含む、中実円形、中空、矩形、菱形、中空、矩形、X字形、四葉形(quadralobal)を含む断面を有してもよい。音響共振特性を高める、または抗菌効果のための銀ゼオライトなど、追加の利点を与えることができる添加剤が追加されてもよい。以下でより詳細に説明するように、フィラメントの表面エネルギーを変更し、表面エネルギーを制御するために、添加剤が使用される場合もある。
【0031】
やはり
図2を参照すると、いくつかの実施形態のブラシヘッド20は、オプションの外側保持器76もまた含む場合がある。外側保持器76は、中央アセンブリ60を囲むようにサイズを調整され、構成された、中央の円筒形状の開口を形成する。いくつかの実施形態では、複数の剛毛64が、外側保持器76の外面から延びる。また他の実施形態では、保持器76には剛毛(たとえば、フィラメント)がなく、より装飾的な設計を有してもよい。本体44および外側保持器76は互いに、いくつかの実施形態では、パーソナルケア器具22へのブラシヘッド20の選択的取付けを可能にするように構成されたアタッチメントシステムを含む。
【0032】
上記で簡潔に説明したように、ブラシヘッド20は、全体的に
図4および
図5a〜
図5bの中央アセンブリ60の内面に結合されて示される、交換インジケータ90をさらに含む。図に示す実施形態では、交換インジケータ90は、ブラシヘッド20が最初にパーソナルケア器具22に取り付けられてからの時間長の視覚的表示を使用者に提供するために、交換インジケータ90に沿って拡散するおよび/または吸い上がる染料100を含む(たとえば、窓92内の染料100の拡散を示す、
図7aから
図7dの遷移を参照)。実施形態では、染料100は、ブラシヘッド20の美的要求に応じて、任意の色、黒色、または白色とすることができる。
【0033】
次に
図5aおよび
図5bを参照すると、交換インジケータ90は、関節接合ドア(articulating door)82によって、中央アセンブリ60の内面に保持されて示され、関節接合ドア82は、ヒンジ88と、
図5bに示す閉位置で、関節接合ドア82を固定するように構成された保持タブ86と、を有する。交換インジケータ90を挿入するには、関節接合ドア82は保持タブ86で解除され、中央アセンブリ60から引き離され、ヒンジ88に関節接合する。
図5aは、交換インジケータ90が装着された開位置の関節接合ドア82を示す。交換インジケータ90が中央アセンブリ60の内面と適切な位置になると、関節接合ドア82は、保持タブ86を使用して内面に固定される。図示の実施形態では、2つの保持タブ86が示されているが、他の実施形態では、任意の数の保持タブ86が、関節接合ドア82を固定するために置かれる。いくつかの実施形態では、関節接合ドア82は、中央アセンブリ60から取外し可能である。他の実施形態では、交換インジケータ90は、任意の好適な固定構成(securement configuration)を使用して、例えば接着剤、ファスナー、磁石、機械的ロッキング、デュアルロックなどを用いて、中央アセンブリ60に固定される。
【0034】
図2および
図3に戻ると、いくつかの実施形態では、パーソナルケア器具22の駆動ボス52にブラシヘッド20を取り付けると、交換インジケータ90で染料100の拡散が始まる。関節接合ドア82は、パーソナルケア器具22にブラシヘッド20を取り付けると、駆動ボス52が作動部材50に接するように置かれた作動部材50を含む。この点について、作動部材50は、作動部材50が交換インジケータ90の継続時間開始機構84のインターフェースとなるように、駆動ボス52の接触によって回転される。図示の実施形態では、継続時間開始機構84は、パーソナルケア器具22にブラシヘッド20が取り付けられると、交換インジケータ90内の染料100を破裂させ、解放するように構成された、染料充填ブリスター(以下では「ブリスター84」)である。作動部材50がブリスター84に力を及ぼすように回転されると、ブリスター84内の染料100の圧力が増大して、膜(図示せず)を破裂させ、染料100を交換インジケータ90に解放し、ブラシヘッド20の交換のための継続時間の測定を開始する。交換インジケータ90がブリスター84を有する実施形態では、交換のための継続時間の測定は、中断または一時停止することができない。他の実施形態では、交換インジケータ90は、パーソナルケア器具22からブラシヘッド20を外すと、継続時間の測定を中断する。
【0035】
次に
図6および
図7a〜
図7dを参照して、窓92について次により詳細に説明する。窓92は、本体44内の中央アセンブリ60にある。窓92は、使用者が中央アセンブリ60の内面にある交換インジケータ90内の染料100を見ることができるように、中央アセンブリ60の内面と外面の間を光が透過することを可能にするように構成される。これらの実施形態では、窓92はさらに、皮膚からの改善組成物および/または汚染物質が使用中に交換インジケータ90に接触しないように、交換インジケータ90を保護する。他の実施形態では、窓92は、交換インジケータ90が開口から使用者によって直接見られるように開いている(すなわち、穴である)。さらなる実施形態では、窓92は、交換インジケータ90が拡大されて、たとえば、染料100の進行状況が、視力の低下した使用者に見えるように、または縮小されるように、凹レンズまたは凸レンズ構成を有する。これらの点について、レンズ形状は、交換インジケータ90の染料100を増強または濃くし得る。
【0036】
図のように、窓92は、染料100が使用者に見えるように置かれる。この点について、使用者が窓92を見ることができるように、剛毛64内の空隙66は、中央アセンブリ60の上面48に置かれる。いくつかの実施形態では、空隙66は実質的に円形であってもよいが、他の実施形態では、空隙66は、使用者による窓92の閲覧を可能にする任意の好適な形状である。他の実施形態では、空隙66は、剛毛64を窓92から離して傾けることによって作成されてもよい。これらの実施形態では、剛毛64は、5度以上傾けられてもよい。
【0037】
図7aから
図7dは、ブラシヘッド20がパーソナルケア器具22に装着された継続時間の測定の進行状況を示すための、交換インジケータ90内の染料100の遷移を示す。いくつかの実施形態では、交換インジケータは、交換のための部分的継続時間、例えば1カ月および2カ月をそれぞれ示すために、第1の境界94および第2の境界96を有してもよい。第1の境界94および第2の境界96は、窓92の表面に、または交換インジケータ90上に好適に配置されてもよい。上記で詳述した、TIMESTRIP(登録商標)によって提供されるインジケータは、概して、交換インジケータ90上に境界を含む。最初の装着より前に染料100は、ブリスター84内にあり、その後ブリスター84は、パーソナルケア器具22にブラシヘッド20を最初に取り付ける間に、作動部材50によって破裂される。
【0038】
図7aは、初期状態での窓92を通した交換インジケータ90構成を示し、染料100は窓92内にまだ見えない。
図7bは、第1の中間状態での窓92を通した交換インジケータ90構成を示し、染料100は第1の境界94まで窓92内に見える。
図7cは、第2の中間状態での窓92を通した交換インジケータ90構成を示し、染料100は第2の境界94まで窓92内に見える。
図7dは、最終状態での窓92を通した交換インジケータ90構成を示し、染料100は、経過した継続時間の終わり98まで窓92内に見える。いくつかの実施形態では、交換インジケータ90が関節接合ドア82の下の位置に配置されるとき、窓92を通した時間長の視覚的表示のために交換インジケータ90を正しい位置に合わせるために、中央アセンブリ60の内面上に計時機能(図示略)があってもよい。
【0039】
図示の実施形態では、窓92は長円形として示されているが、窓は、ブラシヘッド20がパーソナルケア器具22に取り付けられた継続時間を示すための任意の好適な形状とすることができる。他の実施形態では、窓92は適宜に、涙の形状、多角形状、曲線からなるなどである。いくつかの実施形態では、継続時間測定の様々な段階を示すために、複数の窓92が含まれてもよい。この点について、単一の窓が、中間継続時間および最終経過継続時間を各々示すために含まれてもよい。同様に、窓92は、ブラシヘッド交換の必要を示すシンボルもしくは文言の形式であってもよく、またはこれらを含んでもよい。図示の実施形態では、経過した継続時間の終わり98は、たとえば、ブラシヘッドを交換するためのユニバーサルシンボルを示すように構成され得る。別の実施形態では、窓92は、使用者への指示メッセージとして、たとえば「交換してください」などの文言を明記してもよい。
【0040】
一般に、ブラシヘッド20の実施形態は、日常使用の約三カ(3)月の後に、交換されることを推奨される。しかしながら、他の実施形態では、交換の任意の好適な継続時間が、本開示の範囲内である。たとえば、いくつかの実施形態では、交換インジケータ90内の染料100は、約30日〜180日の継続時間で交換ポイント98に達するように構成される。別の実施形態では、交換インジケータ90内の染料100は、約60日〜120日の継続時間で交換ポイント98に達するように構成される。さらなる実施形態では、交換インジケータ90内の染料100は、約85日〜95日の継続時間で交換ポイント98に達するように構成される。
【0041】
上記のように、ブラシヘッド20の例は、パーソナルケア器具とともに使用するのに好適である。その点において、ブラシヘッド20に振動を与えるために採用される場合があるパーソナルケア器具22の一例について、少し詳細に説明する。パーソナルケア器具22は、本開示の実施形態で実践され得る器具の1つのタイプであるが、ブラシヘッド20は、広範囲の振動、回転、および往復運動発生デバイスとともに使用するのに使用に好適であることは諒解されよう。
【0042】
次に
図1、
図2、および
図8を参照すると、パーソナルケア器具22の一例が示されている。器具22は、ハンドル部26とヘッド取付け部28とを有する本体24を含む。ヘッド取付け部28は、ブラシヘッド20などのワークピースまたはヘッドを器具22に選択的に取り付けるように構成されている。器具本体24は器具の動作構造体を収容している。
図8のブロック図の形に示されている通り、一実施形態における動作構造体は、駆動モーターアセンブリ30と、充電池などの電力貯蔵源32と、電力貯蔵源32から駆動モーターアセンブリ30へ電力を選択的に供給するように構成されており、配置されているオン/オフボタン36(
図1参照)を含む駆動制御部34と、を含む。いくつかの実施形態ではまた、駆動制御部34は、駆動モーターアセンブリ30への電力の供給を制御するように構成されている、プログラムされたマイクロコントローラまたはプロセッサなどの制御回路に連結されている電力調節ボタンまたはモード制御ボタン38(
図1参照)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態における駆動モーターアセンブリ30は、駆動シャフトまたは電機子42および駆動ボス52を介して、ブラシヘッド20を駆動する電気駆動モーター40を含む。
【0043】
ブラシヘッド20がヘッド取付け部28に取り付けられるとき、駆動モーターアセンブリ30は、ブラシヘッド20に動きを与えるように構成される。駆動モーターアセンブリ30は、一般に40〜350Hzの範囲内の可聴周波数で、3〜45度の範囲または振幅内で、ブラシヘッド20を前後に振動させて、ブラシヘッド20を動作させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ブラシヘッド20は、約80Hz〜約220Hzの周波数で、約6度〜約20度の範囲または振幅で、負荷状態または無負荷状態で動作できる。駆動モーターアセンブリ30によって洗浄ワークピース20に与えられる動作周波数および振動振幅は、それの目的とする用途および/またはブラシヘッドの慣性特性など、ブラシヘッドの特徴に部分的に応じて変更され得ることは了解されよう。
【0044】
同様の数字が同様の要素を参照する添付の図面に関して上記に記載した詳細な説明は、本開示の様々な実施形態の説明となることを意図しており、唯一の実施形態を表すことを意図していない。本開示で説明する各実施形態は、単に例または例示として提供しており、他の実施形態より好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。本明細書で提供する例示的な例は、網羅的であること、または開示する厳密な形態に本開示を限定することを目的とするものではない。同様に、本明細書で説明するいかなるステップも、同じまたは実質的に同様の結果を達成するために、他のステップ、またはステップの組合せと取り替え可能であってもよい。
【0045】
上記の説明では、本開示の例示的な実施形態の完全な理解を実現するために、具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本明細書で開示する実施形態は、具体的な詳細のすべてを具体化することなしに実践され得ることは、当業者には明らかであろう。いくつかの例では、周知のプロセスステップは、本開示の様々な態様を不必要に曖昧にしないために、詳細に説明されていない。さらに、本開示の実施形態は、本明細書で説明する特徴の任意の組合せを使用してもよいことは諒解されよう。
【0046】
本出願は、「前方」、「後方」、「前」、「後」、「上」、「下」、「右手」、「左手」、「側方」、「中間」、「中」、「外」、「拡張」、「前進」、「後退」、「近位」、「遠位」、「中央」など、方向への言及を含む場合がある。本出願におけるこれらの言及および他の同様の言及は、特定の実施形態の説明および理解を助けるのに役立つに過ぎず、これらの方向または位置に本開示を限定することを意図していない。
【0047】
本出願はまた、量および数に言及する。特に明記されていない限り、そのような量および数は、限定的と見なされてはならず、本出願と関連する可能な量または数の例示と見なされなければならない。またこの点について、本出願は、量または数に言及するために「複数の」という用語を使用する場合がある。この点について、「複数の」という用語は、1よりも大きい、たとえば、2、3、4、5などである任意の数であることを意図されている。「約」、「およそ」などの用語は、提示する値のプラスまたはマイナス5%を意味する。
【0048】
本開示の原理、代表的な実施形態、および動作モードについて、上記の説明で述べた。しかしながら、保護されるよう意図される本開示の態様は、開示する特定の実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。さらに、本明細書で説明する実施形態は、限定的ではなく例示的と見なされるべきである。本開示の趣旨から逸脱することなく、変形形態および変化形態が他者によって作成され、同等形態が採用され得ることは諒解されよう。したがって、そのような変形形態、変化形態、および同等形態はすべて特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨および範囲内に入ることが明確に意図される。
【符号の説明】
【0049】
20 ブラシヘッド
22 パーソナルケア器具
24 本体
26 ハンドル部
28 ヘッド取付け部
30 駆動モーターアセンブリ
32 電力貯蔵源
34 駆動制御部
36 オン/オフボタン
38 電力調節ボタンまたはモード制御ボタン
40 電気駆動モーター
42 駆動シャフトまたは電機子
44 本体
48 外面、上面
50 作動部材
52 駆動ボス
60 中央アセンブリ
64 剛毛
66 空隙
70 房
72 剛毛先端部
76 外側保持器
82 関節接合ドア
84 ブリスター
86 保持タブ
88 ヒンジ
90 交換インジケータ
92 窓
94 第1の境界
96 第2の境界
98 交換ポイント
100 染料