(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の絶縁層と、前記複数の絶縁層に形成される複数の金属層と、前記複数の絶縁層のうちの少なくとも一つの絶縁層を貫通し、前記複数の金属層のうちの少なくとも二つの金属層を接続させる複数のビアと、を含み、
第1領域と、動作の際に前記第1領域よりも温度が高くなる第2領域とを含む第1電子部品に接続可能な複数のパッドが最外層の表面の金属層に形成された回路基板において、
キャビティが備えられ、コア層を含むコア部と、
前記キャビティに少なくとも一部が挿入され、熱伝導性物質で形成された熱伝達用構造体と、
前記熱伝達用構造体及び前記コア部を覆う絶縁層と、を含み、
前記コア層はグラファイトを含み、前記熱伝達用構造体の側面と接触し、
前記熱伝達用構造体は、上面と下面とを含む柱形状を有し、
前記上面から前記下面まで貫通する機能孔が備えられ、前記絶縁層を形成する物質が前記機能孔に充填され、
前記熱伝達用構造体の表面には、前記熱伝達用構造体と前記絶縁層とが密着するように、プライマー層が備えられ、
前記プライマー層を貫通する第1ビア及び第2ビアが形成された、回路基板。
前記複数のパッドには熱が通過する第1パッド及び電気信号が通過する第2パッドが含まれ、前記第1結合部材は、前記第1パッドに接続可能に形成され、前記第2パッドに接続する導体は、前記熱伝達用構造体に接続しない請求項10に記載の回路基板。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、添付した図面を参照して本発明の構成及び作用効果をより詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る回路基板100を概略的に示す断面図であり、
図2は、本発明の他の実施形態に係る回路基板100を概略的に示す断面図であり、
図3は、本発明の一実施形態に係る回路基板100の平面形状を概略的に示す図であり、
図4は、本発明の一実施形態に係る回路基板100を概略的に示す水平断面図であり、
図5は、本発明の他の実施形態に係る回路基板100を概略的に示す水平断面図である。
【0015】
本発明の一実施形態に係る回路基板100は、第1熱伝達用構造体110を含み、第1熱伝達用構造体110は絶縁部120に挿入される。ここで、第1熱伝達用構造体110は、熱伝導性の高い材料で形成される。そして、第1熱伝達用構造体110は、かたまり状に形成される。一実施形態において第1熱伝達用構造体110は、上面と下面とを含む円柱、楕円柱または多角柱形状に形成されることができる。また、第1熱伝達用構造体110は、銅などの金属材質で形成されることができる。 他の実施形態において第1熱伝達用構造体110は、黒鉛、グラファイト、グラフェンなど熱伝導性の高い非金属材質で形成されることもできる。
【0016】
一方、第1熱伝達用構造体110には機能孔THが備えられる。この機能孔THは、第1熱伝達用構造体110の上面から下面まで延長された一種の貫通孔である。この機能孔THは、回路基板100の製造過程または回路基板100の使用過程中に回路基板100に加えられる熱的変化のために発生し得る反りを緩衝する役割を担うことができる。
【0017】
回路基板100に含まれる導電性物質及び絶縁性物質のそれぞれは、互いに異なる熱膨脹率を有し得る。このため、回路基板100に急激な温度変化が加えられると、収縮率または膨脹率の差により回路基板100が曲がることが発生し、このような現象を反りと称する。ここで、本発明の一実施形態に係る回路基板100に含まれる第1熱伝達用構造体110は、その内部を貫通する機能孔THが備えられるので、第1熱伝達用構造体110の周りに印加される変形力の少なくとも一部が機能孔THに吸収され、反りを低減することができる。
【0018】
他の一方で、機能孔THの内部には絶縁物質を充填することができる。また、一実施形態における該絶縁物質は、第1熱伝達用構造体110の外部を取り囲む絶縁部120と同じ物質であってもよい。これにより、機能孔THに充填した絶縁物質が第1熱伝達用構造体110の上面及び下面に備えられる絶縁部120と一体となるように形成可能であり、その結果、第1熱伝達用構造体110と絶縁部120との間の密着力を向上できる。
【0019】
また、第1熱伝達用構造体110が黒鉛、グラファイト、グラフェンなどで形成された場合は、内部に絶縁物質が充填された機能孔THが、黒鉛、グラファイト、グラフェンとの層間結合力を向上させる機能を果たすこともできる。
【0020】
一方、機能孔THは、第1熱伝達用構造体110の中心部付近に形成されることにより、反りの緩衝効果をさらに確保するとともに絶縁部120との密着力の向上を極大化することができる。
【0021】
他の一方で、回路基板100における第1熱伝達用構造体110が位置する領域の反りの方向や程度を考慮して機能孔THの位置を決定することができる。
【0022】
また、機能孔THの直径が大きすぎると、第1熱伝達用構造体110の熱伝達性能が充分に確保されにくく、機能孔THの直径が小さすぎると、上述した反りの低減機能が低下し、または密着力の向上機能が低下する場合がある。
【0023】
他の実施形態では、第1熱伝達用構造体110の表面にプライマー(primer)層111を備えることができる。このプライマー層111は、絶縁部120と第1熱伝達用構造体110との間の密着力を向上させる役割をすることができる。ここで、プライマー層111は、イソプロピルアルコール(IsoPropyl Alcohol;IPA)及びシラン(silane)を含むプライマーで形成されることができる。シランは、アクリル(acryl)系シラン、エポキシ(epoxy)系シラン、イミダゾル(imidazole)系シラン、メルカプト(mercapto)系シランなどを含むことができる。
【0024】
また、プライマー層111は、MPS(3−(trimethoxysilyl)propylmethacrylate)で形成することもでき、プライマー層111にはシラン系添加剤を添加できる。
【0025】
一実施形態で、絶縁部120は、1層の絶縁層で構成されるかまたは複数の絶縁層で構成されることができる。
図1には、絶縁部120が3層の絶縁層10、121、121'で構成され、中心部に位置する絶縁層がコア部10である場合が示されているが、これに限定されることはない。
【0026】
一実施形態で第1熱伝達用構造体110は、絶縁部120の中間に位置する。
図1及び
図2に示すようにコア部10が備えられた場合は、コア部10を貫通するキャビティC1が備えられ、キャビティC1内に第1熱伝達用構造体110を挿入することができる。
【0027】
一実施形態において、絶縁部120に形成されるビアが第1熱伝達用構造体110に接触することができる。
【0028】
以下では、第1熱伝達用構造体110の上部に位置するビアを第1ビアV1、下部に位置するビアを第2ビアV2と称する。このとき、絶縁部120には少なくとも一つの金属パターンが備えられてもよく、以下では、第1ビアV1と接触する金属パターンを第1金属パターン131、第2ビアV2と接触する金属パターンを第2金属パターン141と称する。また、絶縁部120には、第4ビアV4及び第5ビアV5が備えられることが可能であり、第4ビアV4の一端と接触する金属パターンを第3金属パターン133、第5ビアV5の他端と接触する金属パターンを第4金属パターン142と称する。
【0029】
一実施形態で第1熱伝達用構造体110は、熱を保持する機能を果たすことができ、このような機能は、第1熱伝達用構造体110の体積が大きいほど増加する。このため、
図1に示すように、第1熱伝達用構造体110を柱形状に形成することができる。このように、柱形状に形成されることにより、下面の面積が同じであれば、第1熱伝達用構造体110の体積を最大化することができる。そして、第1熱伝達用構造体110の下面及び上面の形状が多角形、特に四角形であると、第1熱伝達用構造体110の下面及び上面の形状が円形や楕円形である場合に比べて、第1電子部品500の小型化の傾向や回路基板100の小型化、パターンピッチ(pattern pitch)の微細化などに応えることができる。
【0030】
また、図示されているように第1熱伝達用構造体110は、第1ビアV1〜第7ビアV7のような一般のビアに比べて体積が非常に大きい。このため、第1熱伝達用構造体110の表面、特に上面や下面にはビアが複数接触することが可能である。すなわち、第1熱伝達用構造体110の上面及び下面の面積自体が通常のビアよりも大きいだけでなく、全体体積も2倍以上大きい。これにより、熱源から熱を迅速に吸収し、第1熱伝達用構造体110と接続している他の経路に分散させることができる。また、第1熱伝達用構造体110の厚さを増加させると、第1熱伝達用構造体110とホットスポット(hot spot)との間の距離が減少し、ホットスポットの熱が第1熱伝達用構造体110に移動する時間をさらに短縮できる。
【0031】
一実施形態において、回路基板100の一方には、第1電子部品500を実装することができる。また、回路基板100は、メインボードなどの付加基板800の一方に実装されることができる。ここで、第1電子部品500は、アプリケーションプロセッサなどの部品であってもよく、動作の際に熱が発生し得る。
【0032】
一方、第1電子部品500が動作することにより熱が発生するが、第1電子部品500で発生した熱を感知すると、他の領域に比べて相対的に発熱がひどくて温度が高く測定される領域が存在する。このような領域をホットスポットと称したりする。このようなホットスポットは、回路基板100のうちの所定の領域に形成されることがあり、特に第1電子部品500の一地点または複数地点を中心にホットスポットが形成されることがある。また、このようなホットスポットは、第1電子部品500の電源端子付近や、スイチング(switching)素子が相対的に密集している領域に形成できる。
【0033】
他の一方で、第1電子部品500は、相対的に高性能の仕様(specification)を有する領域と、相対的に低性能の仕様を有する領域とをそれぞれ含むことができる。例えば、クロックスピード(clock speed)が1.8GHzであるコアが接続しているプロセッサと、クロックスピードが1.2GHzであるコアが接続しているプロセッサとが、第1電子部品500に領域を異にして備えられることができる。
【0034】
図3を参照すると、一実施形態で第1電子部品500は、第1単位領域510及び第2単位領域520を含むことができる。第1単位領域510は、第2単位領域520に比べてより速い速度で演算過程を行い、これにより、第1単位領域510は、第2単位領域520よりも多い電力を消耗することになり、また第1単位領域510は、第2単位領域520よりも多い熱が発生し得る。
【0035】
本発明の一実施形態に係る回路基板100には、ホットスポットに隣接した領域に第1熱伝達用構造体110が位置する。これにより、ホットスポットで発生した熱を迅速に伝達受け、回路基板100の他の領域や、回路基板100が結合するメインボード(例えば、
図1の付加基板800)などの他の装置(device)に熱を迅速に分散させることができる。
【0036】
一実施形態で第1熱伝達用構造体110の少なくとも一部は、第1電子部品500の垂直下方領域に位置する。
【0037】
一方、本発明の一実施形態に係る回路基板100は、第2電子部品200をさらに備えることができる。ここで、第2電子部品200は、キャパシタ(capacitor)、インダクター(inductor)、抵抗などの素子であってもよい。
【0038】
第1電子部品500がアプリケーションプロセッサである場合、電源ノイズを低減するために、キャパシタなどが第1電子部品500と接続することができる。このとき、キャパシタと第1電子部品500との間の経路が短くなるほど電源ノイズの低減効果が増大する。
【0039】
このため、第2電子部品200の少なくとも一部は、第1電子部品500の垂直下方領域に位置してもよく、これにより、電源ノイズの低減効果を高めることができる。
【0040】
一実施形態では、第1電子部品500の垂直下方領域に第1熱伝達用構造体110の大部分が位置してもよい。また、第1熱伝達用構造体110の上面の面積は、第1電子部品500の上面の面積よりも小さくてもよい。さらに、第1熱伝達用構造体110の上面の面積は、第1電子部品500のホットスポットの領域の幅に対応するように決められることができる。
【0041】
これにより、ホットスポットの熱が第1熱伝達用構造体110に迅速に移動することができる。また、回路基板100の軽量化及び反りの低減に有利となる。それだけではなく、第1熱伝達用構造体110を回路基板100に配置する工程の効率性が向上できる。
【0042】
一方、第1電子部品500の垂直下方領域に第2電子部品200の大部分が位置してもよい。この場合、第1電子部品500の垂直下方領域のうち、上述した第1熱伝達用構造体110が位置しない領域に第2電子部品200が位置してもよい。また、第1熱伝達用構造体110は、第2電子部品200に比べてホットスポットに近い領域に位置することができる。
【0043】
図1から
図4を参照すると、コア部10に備えられたキャビティC1、C2の内部に、第1熱伝達用構造体110と第2電子部品200を挿入できることが理解できる。すなわち、コア部10に第1キャビティC1及び第2キャビティC2が備えられ、第1キャビティC1には第1熱伝達用構造体110が挿入され、第2キャビティC2には第2電子部品200が挿入されることができる。また、第1電子部品500の垂直下方領域において、第1熱伝達用構造体110と第2電子部品200とが隣接するように配置されることができ、特に第1熱伝達用構造体110は、
図3に示すホットスポットの付近に集中的に配置できることが理解できる。
【0044】
一方、
図5は、絶縁部120にコア部10がない場合の平面形状を概略的に示す図である。
【0045】
これにより、第2電子部品200による電源ノイズの低減効果を最大化しながら、ホットスポットの熱を迅速に移動させることができる。
【0046】
一実施形態で第1電子部品500は、ソルダS(solder)などにより回路基板100に結合することができる。このとき、第1電子部品500は、ソルダSにより、上述した第1金属パターン131、第3金属パターン133、第7金属パターン134などに結合することができる。
【0047】
また、回路基板100の第2金属パターン141、第4金属パターン142、第5金属パターン143、第6金属パターン144などは、ソルダSを媒介にしてメインボードなどの付加基板800に接続することができる。
【0048】
一実施形態において、第2金属パターン141と付加基板800との間には、一般的なソルダSではなく、第1熱伝達用構造体110と類似の材質や形状に形成された第3熱伝達用構造体L1が備えられることができる。すなわち、第1熱伝達用構造体110の熱を付加基板800に迅速に伝達するために、一般的なソルダSよりも熱伝導性の大きい物質で、かたまり状の第3熱伝達用構造体L1を用いて第2金属パターン141と付加基板800とを接続させることができる。また、第3熱伝達用構造体L1の熱を迅速に受けて分散または発散するように、付加基板800に放熱部L2を備えることができる。この放熱部L2は、付加基板800の上面方向に露出し、必要によって下面方向にも露出して熱発散効率を向上させることができる。
【0049】
一方、回路基板100の最外層に備えられ、他の電子部品、例えば、上述した第1電子部品500または付加基板800などと接続する金属パターンをパッド(pad)と称する。ここで、最外層の金属層には、パッド以外にも各種回路パターンなどが備えられることが可能であり、ソルダレジスト層(図示せず)を備えることにより、これらの回路パターンや絶縁部120などを保護することができる。ここで、外部装置との接続を必要とするパッドは、少なくとも一部がソルダレジスト層の外部に露出することができる。このように、ソルダレジスト層の外部に露出したパッドと外部装置の端子との間には、ソルダSやワイヤ(図示せず)などの結合部材が備えられており、物理的結合が行われる。
【0050】
図1に示されているように、第1から第7金属パターンが絶縁部120の外面に露出するように備えられる場合、第1から第7金属パターンは、上述したパッドとして理解することができる。また、ソルダレジスト層の外部に露出した金属パターンの表面には、ニッケル−金(Ni−Au)メッキ層など様々な表面処理層を備えることができる。
【0051】
また、図示されていないが、第1金属パターン131の外面を覆う絶縁層、及びこの絶縁層の外面に形成されたパッドがさらに備えられ、この絶縁層を貫通するビアにより第1金属パターン131とパッドとが接続することもできる。つまり、必要によって、絶縁層及び金属層を含むビルドアップ層をさらに備えることができる。この場合、上述した第1金属パターン131は、パッドではなく、回路基板100の最外層の金属層に形成されたパッドとビアなどにより接続することができる。
【0052】
これにより、ホットスポットで発生した熱が、第1金属パターン131−第1ビアV1−第1熱伝達用構造体110−第2ビアV2−第2金属パターン141の経路を経て付加基板800に迅速に伝達されることができる。
【0053】
他の一方で、第1電子部品500の端子のうち第1金属パターン131に接続する端子が信号送受信用端子である場合は、第1ビアV1、第1熱伝達用構造体110、第2ビアV2、第2金属パターン141を含む経路は、信号伝送機能を果たすことができる。このとき、第2金属パターン141に接続する付加基板800の接続パッドまたは端子も信号伝送機能を果たすことができる。
【0054】
一方、第1電子部品500の端子のうち、第1金属パターン131に接続する端子が信号送受信用端子ではない場合、第1ビアV1、第1熱伝達用構造体110、第2ビアV2、第2金属パターン141を含む経路は、図示されていないが、別の接地端子(ground terminal)と電気的に接続することができる。このとき、第2金属パターン141に接続する付加基板800の接続パッドまたは端子も、図示されていないが、別の接地端子と電気的に接続することができる。ここで、接地端子は、回路基板100や付加基板800のうちの少なくとも一つに備えられることができる。
【0055】
また、第1電子部品500の端子のうち第1金属パターン131に接続する端子が電源端子である場合、第1ビアV1、第1熱伝達用構造体110、第2ビアV2、第2金属パターン141を含む経路は、図示されていないが、別の電源提供回路と電気的に接続することができる。このとき、第2金属パターン141に接続する付加基板800の接続パッドまたは端子も、図示されていないが、別の電源提供回路と電気的に接続することができる。ここで、電源提供回路は、回路基板100や付加基板800のうちの少なくとも一つに備えられることができる。
【0056】
また、第1電子部品500の端子のうち第1金属パターン131に接続する端子は、ダミー端子であることができる。このとき、ダミー端子は、第1電子部品500の熱を第1電子部品500の外部に伝達する通路としての機能のみを行うものであってもよい。
【0057】
上述したように、第1電子部品500の端子は、信号入出力用、電源入出力用及び熱放出用端子に分けられる。ここで、特定の端子がそれぞれ一つの機能のみを行うものである必要はない。つまり、信号や電源を入出力しながらも熱放出に活用することもできる。但し、第1電子部品500のホットスポット領域に備えられる端子が熱放出機能を行う場合、ホットスポットの熱がより迅速に排出できる。このように熱放出機能を果たす端子に、上述した結合部材が接触する。ここで、第1金属パターン131に接触する結合部材を第1結合部材と称し、第2金属パターン141に接触する結合部材を第2結合部材と称する。
【0058】
第1結合部材が第1金属パターン131に接触することにより、ホットスポットと第1熱伝達用構造体110との間の熱の移動がより円滑になることができる。
【0059】
一実施形態において、第1熱伝達用構造体110に電気的に接続する第1電子部品500の少なくとも一端子が熱放出機能のみを果たすダミー端子であってもよい。この場合、第1電子部品500の端子のうち信号伝送のみのための他の端子が第1熱伝達用構造体110に接続する場合、信号損失を生じさせ得る。このため、第1電子部品500の端子のうち信号伝送のみのための端子は、第1熱伝達用構造体110に電気的に接続しないようにすることが可能である。すなわち、第1電子部品500の端子のうち信号伝送のみのための端子に接続するパッドと接続するビアや回路パターンなどは、第1熱伝達用構造体110に電気的に接続しないようにすることができる。
【0060】
図1から
図5を参照すると、本発明の一実施形態に係る回路基板100は、コア部10を含むことができる。コア部10は、回路基板100の剛性を補強し、反りによる問題を緩和する役割をすることができる。また、熱伝導性の大きい物質をコア部10に含めることにより、上述したホットスポットなどの局所的に発生した熱を回路基板100の他の部分に迅速に分散させて、過熱による問題を緩和することもできる。
【0061】
一方、コア部10の上面には、第1上部絶縁層121が備えられ、コア部10の下面には、第1下部絶縁層121'が備えられることができる。また、必要によって、
図2に示されているように、第2上部絶縁層122及び第2下部絶縁層122'をさらに備えることもできる。
【0062】
一実施形態でコア部10には、第2熱伝達用構造体が含まれてもよい。例えば、コア部10は、グラファイトまたはグラフェンなどで形成された第1コア層11を含むことができる。ここで、グラファイトなどは、XY平面方向への熱伝導度が非常に高く、これにより、熱を効果的でかつ迅速に拡散させることができる。
【0063】
一実施形態で第2熱伝達用構造体は、第1熱伝達用構造体110の側面に直接接触することができる。例えば、コア部10に備えられた第1キャビティC1から第2熱伝達用構造体の側面が露出され、第1熱伝達用構造体110が第1キャビティC1に接触することができる。他の実施形態では、第2熱伝達用構造体と第1熱伝達用構造体110との間に熱伝導性の高い物質が備えられることができる。このとき、熱伝導性の高い物質として、熱界面材料(Thermal Interface Material;TIM)を適用できる。この熱界面材料には、高分子−金属複合材料、セラミック複合材料及び炭素系複合材料などが含まれ得る。例えば、エポキシと炭素繊維充填剤とを混合した物質(熱伝導度、約660W/mk)、窒化シリコン(silicon nitride;Si
3N
4、熱伝導度、約200〜320W/mk)、エポキシと窒化ホウ素(boron nitride;BN、熱伝導度、約19W/mk)を熱界面材料として適用できる。これにより、第1熱伝達用構造体110に流入された熱が、垂直方向に移動されるだけでなく、第2熱伝達用構造体を介して水平方向にも迅速に分散されることができる。
【0064】
このように、第1熱伝達用構造体110と第2熱伝達用構造体とが直接接触するか、あるいは熱界面材料を媒介にして接続することにより、第1電子部品500などの熱が第1熱伝達用構造体110に迅速に移動された後、下方のみに伝達される場合に比べて、熱がより迅速に分散されることができる。また、回路基板100の観点からは、ホットスポットなどの特定領域のみに過度に温度が上昇する場合に比べて、回路基板100の全体にかけて熱が均等に分散されることにより、回路基板100に搭載された各種部品や要素のそれぞれの温度偏差が緩和されるので、信頼性を向上させることができる。また、回路基板100の全体に迅速に熱が分散されるので、回路基板100の全体が一種の放熱板の役割を行い、結果的に放熱面積が増加する効果を奏することができる。
【0065】
一実施形態でコア部10の表面には、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2などが備えられることができ、コア部10を貫通するスルービア(through via;TV)を介して第1回路パターンP1と第2回路パターンP2とが電気的に接続することができる。また、第1回路パターンP1は、第4ビアV4により第3金属パターン133と接続することができ、第2回路パターンP2は、第5ビアV5により第4金属パターン142と接続することができる。そして、第3金属パターン133は、ソルダSにより第1電子部品500と接続することができ、第4金属パターン142は、ソルダSにより付加基板800の接続パッド810と接続することができる。これにより、第1電子部品500と付加基板800との間に電気的信号を送受信できる経路をさらに確保することができる。
【0066】
一方、第1コア層11の一面には第2コア層12が備えられ、第1コア層11の他面には第3コア層13が備えられることができる。一実施形態において、第2コア層12及び第3コア層13のうちの少なくとも一つは、プリプレグ(PrePreG;PPG)などの絶縁物質で形成されることができる。他の実施形態においては、第2コア層12及び第3コア層13は、銅やインバー(invar)などの金属で形成されることができる。また他の実施形態では、第1コア層11がインバーで形成され、第2コア層12及び第3コア層13が銅で形成されることもできる。ここで、第2コア層12及び第3コア層13のうちの少なくとも一つが導電性物質で形成された場合は、コア部10の表面に第1回路パターンP1や第2回路パターンP2などが備えられることにより意図しない経路に信号が伝送される問題もあるので、コア部10の表面に絶縁性を確保するための手段を備えることができる。
【0067】
一実施形態でコア部10の第2キャビティC2には、第2電子部品200が挿入される。そして、第2電子部品200は、第6ビアV6により第7金属パターン134と接続し、第7ビアV7により第6金属パターン144と接続することができる。一方、第2電子部品200は、インダクター、キャパシタなどの受動素子であってもよく、必要によって、集積回路(Integrated Circuit;IC)などの能動素子が第2電子部品200として搭載されることも可能である。特に、第2電子部品200がキャパシタである場合、第7金属パターン134と接続する第1電子部品500の端子は、電源端子であってもよい。すなわち、第2電子部品200がデカップリングキャパシタとして搭載されて、第1電子部品500の電源ノイズを低減する役割を行うことができる。
【0068】
この場合、第2電子部品200と第1電子部品500との間の経路が短くなるほどノイズの低減効果が向上するので、これのために本発明の一実施形態に係る回路基板100では、第2電子部品200の少なくとも一部が第1電子部品500の垂直下方領域に配置される。
【0069】
図示されていないが、コア部10を貫通するキャビティの代わりにコア部10の一部が凹んだリセス(recess)部が備えられてもよく、このリセス部に第1熱伝達用構造体110や第2電子部品200を挿入することができる。
【0070】
一方、
図1などを再び参照すると、第1熱伝達用構造体110の表面にプライマー層111が備えられた場合、上述した第1ビアV1や第2ビアV2は、プライマー層111も貫通し、第1熱伝達用構造体110と直接接触することができる。これにより、プライマー層111による熱伝達性能の減少を最小化することができる。ここで、プライマー層111に関する理解を容易にするために、図面にはプライマー層111の厚さを誇張して表現した場合もある。しかし、プライマー層111は、薄膜状に形成可能であり、実際の回路基板100においては、図示されたものよりも非常に薄い厚さを有することもある。したがって、本発明を理解するためには、図面での誇張された表現も考慮しなければならない。特に、
図1には、プライマー層111の下面が第2回路パターンP2と同一の平面に位置することに表現され、これにより、プライマー層111を除いた第1熱伝達用構造体110の下面が第2回路パターンP2よりも高い位置に位置することに表現されている。しかし、プライマー層111の厚さは、第2回路パターンP2の厚さや第1熱伝達用構造体110の厚さに比べて非常に小さいので、第1熱伝達用構造体110と第2回路パターンP2との位置関係を理解するにあたり、プライマー層111の厚さは無視できる。
【0071】
図6は、本発明の一実施形態により第1熱伝達用構造体110を製造する過程を説明するための図であり、
図7は、本発明の一実施形態により複数の第1熱伝達用構造体110を同時に製造する過程を説明するための図である。
【0072】
図6を参照すると、銅などの金属材質で形成された金属板MPを提供し、その後、金属板MP上にレジスト層Rを形成する。次に、第1熱伝達用構造体110の形状に対応するようにレジスト層Rをパターニング(patterning)して開口部H1−1、H1−2、H2−1、H2−2を形成し、その後、エッチング工程を行うことにより、エッチング孔E1、E2及び機能孔TH'を形成する。このとき、一つの金属板MPを用いて複数の第1熱伝達用構造体110を形成しようとする場合、後続工程の便宜のために、コネクティング部CNが残っている状態までにエッチング工程を行う。次に、レジスト層Rを除去した後、エッチングされた金属板MPを別のプレートPに配置し、コネクティング部CNを除去する。これにより、機能孔THがそれぞれ備えられた第1熱伝達用構造体110−1、110−2を製造することができる。このとき、
図6に示すように、上記第1熱伝達用構造体110の側面には、エッチングによる跡が残ることもある。すなわち、第1熱伝達用構造体110の側面が第1熱伝達用構造体110の内側に凹んだ凹状をなすことができる。また、図示されているように、金属板MPの上方及び下方にてそれぞれエッチング工程を行うことにより、機能孔THは砂時計形状の断面を有することができる。