【実施例1】
【0016】
(実施例1のプリンタUの全体構成の説明)
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の要部の説明図である。
図1、
図2において、実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、プリンタの本体U1と、プリンタの本体U1に媒体を供給する供給装置の一例としてのフィーダーユニットU2と、画像が記録された媒体が排出される排出装置の一例としての排出ユニットU3と、プリンタの本体U1と排出ユニットU3との間を接続する接続部の一例としてのインターフェースモジュールU4と、利用者が操作を行う操作部UIと、を有する。
【0017】
(実施例1のマーキングの構成の説明)
図1、
図2において、前記プリンタの本体U1は、プリンタUの制御を行う制御部Cや、プリンタUの外部に図示しない専用のケーブルを介して接続された情報の送信装置の一例としてのプリント画像サーバCOMから送信された画像情報を受信する図示しない通信部、媒体に画像を記録する画像記録部の一例としてのマーキング部U1a等を有する。前記プリント画像サーバCOMには、ケーブルまたはLAN:Local Area Network等の回線を通じて接続され、プリンタUで印刷される画像の情報が送信される画像の送信装置の一例としてのパーソナルコンピュータPCが接続されている。
前記マーキング部U1aは、像保持体の一例としてY:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の各色用の感光体Py,Pm,Pc,Pkと、W:白の感光体Pwと、写真画像等を印刷する場合に画像に光沢を出すための透明画像用の感光体Ptと、を有する。感光体Py〜Ptは、表面が感光性の誘電体で構成されている。
【0018】
図1、
図2において、黒色の感光体Pkの周囲には、感光体Pkの回転方向に沿って、帯電器CCk、潜像の形成装置の一例としての露光機ROSk、現像器Gk、一次転写器の一例としての一次転写ロールT1k、像保持体用の清掃器の一例としての感光体クリーナCLkが配置されている。他の感光体Py,Pm,Pc,Pw,Ptの周囲にも同様に、帯電器CCy,CCm,CCc,CCw,CCt、露光機ROSy,ROSm,ROSc,ROSw,ROSt、現像器Gy,Gm,Gc,Gw,Gt、一次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1w,T1t、感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLw,CLtが配置されている。
マーキング部U1aの上部には、収容容器の一例として、現像器Gy〜Gtに補給される現像剤が収容されたトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kk,Kw,Ktが着脱可能に支持されている。
【0019】
各感光体Py〜Ptの下方には、中間転写体の一例であって、像保持体の一例としての中間転写ベルトBが配置されており、中間転写ベルトBは、感光体Py〜Ptと一次転写ロールT1y〜T1tとの間に挟まれる。中間転写ベルトBの裏面は、駆動部材の一例としてのドライブロールRdと、張力付与部材の一例としてのテンションロールRtと、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRwと、従動部材の一例としての複数のアイドラロールRfと、二次転写用の対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、可動部材の一例としての複数のリトラクトロールR1と、前記一次転写ロールT1y〜T1tにより支持されている。
中間転写ベルトBの表面には、ドライブロールRdの近傍に、中間転写体の清掃器の一例としてのベルトクリーナCLBが配置されている。
【0020】
バックアップロールT2aには、中間転写ベルトBを挟んで、二次転写部材の一例としての二次転写ロールT2bが対向して配置されている。また、バックアップロールT2aには、バックアップロールT2aに現像剤の帯電極性とは逆極性の電圧を印加するために、接触部材の一例としてのコンタクトロールT2cが接触している。実施例1の二次転写ロールT2bには、右下方に配置された駆動部材の一例としての駆動ロールT2dとの間に、搬送部材の一例としての搬送ベルトT2eが張架されている。
前記バックアップロールT2a、二次転写ロールT2b、コンタクトロールT2cにより、転写器の一例としての2次転写器T2が構成されており、一次転写ロールT1y〜T1t、中間転写ベルトB、2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1,B,T2が構成されている。
【0021】
2次転写器T2の下方には、媒体の一例としての記録シートSが収容される収容部の一例として給紙トレイTR1,TR2が設けられている。各給紙トレイTR1,TR2の右斜め上方には、取出部材の一例としてのピックアップロールRpと、捌き部材の一例としての捌きロールRsとが配置されている。捌きロールRsから、記録シートSが搬送される搬送路SHが延びており、搬送路SHに沿って、記録シートSを下流側に搬送する搬送部材の一例としての搬送ロールRaが複数配置されている。
2つの給紙トレイTR1,TR2からの搬送路SHが合流した位置に対して記録シートSの搬送方向の下流側には、不要部の除去装置の一例として、記録シートSを予め設定された圧力で挟んで下流側に搬送して、記録シートSの縁の不要部の除去、いわゆる、バリ取りを行うバリ取り装置Btが配置されている。
【0022】
バリ取り装置Btの下流側には、通過する記録シートSの厚みを計測して、記録シートSが複数枚重なっている状態、いわゆる重送を検知するための検知装置Jkが配置されている。重送の検知装置Jkの下流側には、姿勢の補正装置の一例として、記録シートSの搬送方向に対する傾斜、いわゆるスキューを補正する補正ロールRcが配置されている。補正ロールRcの下流側には、2次転写器T2への記録シートSの搬送時期を調整する調整部材の一例としてのレジストレーションロールRrが配置されている。
なお、フィーダーユニットU2にも、給紙トレイTR1,TR2やピックアップロールRp、捌きロールRs、搬送ロールRaと同様に構成された給紙トレイTR3,TR4等が設けられており、給紙トレイTR3,TR4からの搬送路SHは、プリンタの本体U1の搬送路SHに、重送の検知装置Jkの上流側で合流する。
【0023】
搬送ベルトT2eに対して、記録シートSの搬送方向の下流側には、媒体の搬送装置の一例としての搬送ベルトHBが複数配置されている。
搬送ベルトHBに対して、記録シートSの搬送方向の下流側には、定着装置Fが配置されている。
定着装置Fの下流側には、記録シートSを冷却する冷却装置Coが配置されている。
冷却装置Coの下流側には、記録シートSに圧力を加えて、記録シートSの湾曲、いわゆるカールを補正するデカーラーHdが配置されている。
デカーラーHdの下流側には、記録シートSに記録された画像を読み取る画像読取装置Scが配置されている。
【0024】
画像読取装置Scの下流側には、インターフェースモジュールU4に向けて延びる搬送路SHから分岐する搬送路の一例としての反転路SH2が形成されており、反転路SH2の分岐部には、搬送方向の切替部材の一例としての第1のゲートGT1が配置されている。
反転路SH2には、正逆回転可能な搬送部材の一例としてのスイッチバックロールRbが複数配置されている。スイッチバックロールRbの上流側には、反転路SH2の上流部から分岐して、搬送路SHの反転路SH2との分岐部よりも下流側に合流する搬送路の一例としての接続路SH3が形成されている。反転路SH2と接続路SH3との分岐部には、搬送方向の切替部材の一例としての第2のゲートGT2が配置されている。
【0025】
前記反転路SH2の下流側には、冷却装置Coの下方に、記録シートSの搬送方向を反転、いわゆる、スイッチバックさせるための折り返し路SH4が配置されている。折り返し路SH4には、正逆回転可能な搬送部材の一例としてのスイッチバックロールRbが配置されている。また、折り返し路SH4の入口には、搬送方向の切替部材の一例としての第3のゲートGT3が配置されている。
なお、折り返し路SH4の下流側の搬送路SHは、各給紙トレイTR1,TR2の搬送路SHに合流している。
【0026】
インターフェースモジュールU4には、排出ユニットU3に向けて延びる搬送路SHが形成されている。
排出ユニットU3には、排出される記録シートSが積載される積載容器の一例としてのスタッカトレイTRhが配置されており、搬送路SHから分岐してスタッカトレイTRhに延びる排出路SH5が設けられている。なお、実施例1の搬送路SHは、排出ユニットU3の右方に、図示しない追加の排出ユニットや後処理装置が追加して装着された場合に、追加された装置に対して記録シートSが搬送可能に構成されている。
【0027】
(マーキングの動作)
前記プリンタUでは、パーソナルコンピュータPCから送信された画像情報を、プリント画像サーバCOMを介して受信すると、画像形成動作であるジョブが開始される。ジョブが開始されると、感光体Py〜Ptや中間転写ベルトB等が回転する。
感光体Py〜Ptは、図示しない駆動源により回転駆動される。
帯電器CCy〜CCtは、予め設定された電圧が印加されて、感光体Py〜Ptの表面を帯電させる。
露光機ROSy〜ROStは、制御部Cからの制御信号に応じて、潜像を書き込む光の一例としてのレーザー光Ly,Lm,Lc,Lk,Lw,Ltを出力して、感光体Py〜Ptの帯電された表面に静電潜像を書き込む。
現像器Gy〜Gtは、感光体Py〜Ptの表面の静電潜像を可視像に現像する。
トナーカートリッジKy〜Ktは、現像器Gy〜Gtにおける現像に伴って消費された現像剤の補給を行う。
【0028】
一次転写ロールT1y〜T1tは、現像剤の帯電極性とは逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体Py〜Ptの表面の可視像を中間転写ベルトBの表面に転写する。
感光体クリーナCLy〜CLtは、一次転写後に感光体Py〜Ptの表面に残留した現像剤を除去して清掃する。
中間転写ベルトBは、感光体Py〜Ptに対向する一次転写領域を通過する際に、T,W,Y,M,C,Kの順に、画像が転写されて積層され、2次転写器T2に対向する2次転写領域Q4を通過する。なお、単色画像の場合は、1色のみの画像が転写されて2次転写領域Q4に送られる。
【0029】
ピックアップロールRpは、受信した画像情報の大きさや記録シートSの指定と、収容された記録シートSの大きさや種類等に応じて、記録シートSの供給が行われる給紙トレイTR1〜TR4から記録シートSを送り出す。
捌きロールRsは、ピックアップロールRpから送り出された記録シートSを1枚ずつ分離して捌く。
バリ取り装置Btは、通過する記録シートSに予め設定された圧力を印加してバリを除去する。
重送の検知装置Jkは、通過する記録シートSの厚さを検知することで、記録シートSの重送を検知する。
補正ロールRcは、通過する記録シートSを、図示しない壁面に接触させてスキューを補正する。
レジストレーションロールRrは、中間転写ベルトBの表面の画像が2次転写領域Q4に送られる時期に合わせて、記録シートSを送り出す。
【0030】
2次転写器T2は、コンタクトロールT2cを介してバックアップロールT2aに予め設定された現像剤の帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加され、記録シートSに中間転写ベルトBの画像を記録シートSに転写する。
ベルトクリーナCLBは、2次転写領域Q4で画像が転写された後の中間転写ベルトBの表面に残留した現像剤を除去して清掃する。
搬送ベルトT2e,HBは、2次転写器T2で画像が転写された記録シートSを表面に保持して下流側に搬送する。
【0031】
定着装置Fは、加熱部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、加熱ロールFhの内部には、熱源の一例としてのヒータが収容されている。定着装置Fは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとが接触する領域を通過する記録シートSを加圧しながら加熱して、記録シートSの表面の未定着画像を定着する。
冷却装置Coは、定着装置Fで加熱された記録シートSを冷却する。
デカーラーHdは、冷却装置Coを通過した記録シートSに圧力を加えて、記録シートSの湾曲、いわゆるカールを除去する。
画像読取装置Scは、デカーラーHdを通過した記録シートSの表面の画像を読み取る。
【0032】
デカーラーHdを通過した記録シートSは、両面印刷が行われる場合には、第1のゲートGT1が作動して、反転路SH2に搬送され、折り返し路SH4でスイッチバックされて、搬送路SHを通じて、レジストレーションロールRrに再送され、2面目の印刷が行われる。
スタッカトレイTRhに排出される記録シートSは、搬送路SHを搬送され、スタッカトレイTRhに排出される。このとき、記録シートSの表裏が反転された状態でスタッカトレイTRhに排出される場合、搬送路SHから反転路SH2に一旦搬入され、記録シートSの搬送方向の後端が第2のゲートGT2を通過後、第2のゲートGT2が切り替わってスイッチバックロールRbが逆回転をして、接続路SH3を搬送されてスタッカトレイTRhに搬送される。
スタッカトレイTRhは、記録シートSが積載され、記録シートSの積載量に応じて、最上面が予め設定された高さとなるように、積載板TRh1が自動的に昇降する。
【0033】
(実施例1の制御部の説明)
図3は実施例1の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図である。
図3において、プリンタの本体U1の制御部Cは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/Oを有する。また、制御部Cは、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリを有する。また、制御部Cは、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリを有する。また、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置を有する。したがって、実施例1の制御部Cは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されている。よって、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0034】
(プリンタの本体U1の制御部Cに接続された信号出力要素)
前記プリンタの本体U1の制御部Cは、操作部UIや画像読取装置Sc、濃度センサSN1、湿度センサSN2等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
操作部UIは、電源の投入部の一例としての電源ボタンUI1や、表示部の一例としての表示パネルUI2、入力部の一例としての数字入力部UI3、矢印入力部UI4、基本補正情報の設定実行ボタンUI5等を備えている。
読取り部材の一例としての画像読取装置Scは、画像読取装置Scの位置を通過する画像を読み取る。
濃度検出部材の一例としての濃度センサSN1は、現像器Gy〜Gtの内部に収容された現像剤のトナー濃度を検出する。
湿度検出部材の一例としての湿度センサSN2は、プリンタUの環境湿度を検出する。
【0035】
(プリンタの本体U1の制御部Cに接続された被制御要素)
プリンタの本体U1の制御部Cは、主駆動源の駆動回路D1や、電源回路E、その他の図示しない制御要素に接続されている。制御部Cは、各回路D1,E等へ、それらの制御信号を出力している。
D1:主駆動源の駆動回路
主駆動源の駆動回路D1は、主駆動源の一例としてのメインモータM1を介して感光体Py〜Ptや中間転写ベルトB等を回転駆動する。
【0036】
E:電源回路
前記電源回路Eは、現像用の電源回路Ea、帯電用の電源回路Eb、転写用の電源回路Ec、定着用の電源回路Ed等を有している。
Ea:現像用の電源回路
現像用の電源回路Eaは、現像器Gy〜Gtの現像ロールに現像電圧を印加する。
Eb:帯電用の電源回路
帯電用の電源回路Ebは、帯電器CCy〜CCtそれぞれに感光体Py〜Pt表面を帯電させるための帯電電圧を印加する。
Ec:転写用の電源回路
転写用の電源回路Ecは、一次転写ロールT1y〜T1tや二次転写ロールT2bに転写電圧を印加する。
Ed:定着用の電源回路
定着用の電源回路Edは、定着装置Fの加熱ロールFhにヒータ加熱用の電力を供給する。
【0037】
(プリンタの本体U1の制御部Cの機能)
プリンタの本体U1の制御部Cは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、制御部Cは次の機能を有している。
C1:画像形成の制御手段
画像形成の制御手段C1は、パーソナルコンピュータPCから入力された画像情報に応じて、プリンタUの各部材の駆動や各電圧の印加時期等を制御して、画像形成動作であるジョブを実行する。
C2:駆動源の制御手段
駆動源の制御手段C2は、主駆動源の駆動回路D1を介してメインモータM1の駆動を制御し、感光体Py〜Pt等の駆動を制御する。
【0038】
C3:電源制御手段
電源制御手段C3は、各電源回路Ea〜Edを制御して、各部材へ印加される電圧や、各部材へ供給される電力を制御する。すなわち、実施例1の電源制御手段C3は、転写用の電源回路Ecを制御して、コンタクトロールT2cを介して二次転写ロールT2bに印加される転写電圧の制御も行う。
【0039】
C4:トナー濃度の取得手段
トナー濃度の取得手段C4は、濃度センサSN1の検知結果に基づいて、現像条件の一例としてのトナー濃度を取得する。
C5:湿度情報の取得手段
湿度情報の取得手段C5は、湿度センサSN2の検知結果に基づいて、現像条件の一例としての環境湿度を取得する。
【0040】
図4は実施例1の現像条件に基づいて濃度補正値の補正を行う補正倍率の一覧表である。
C6:補正テーブルの記憶手段
条件補正情報の記憶手段の一例としての補正テーブルの記憶手段C6は、現像条件に基づいて、補正情報の一例としての濃度補正値の補正を行うために、条件補正情報の一例としての補正テーブルを記憶する。
図4において、実施例1の補正テーブルは、現像条件の一例としてのトナー濃度と環境湿度に対して、それぞれ記憶されている。また、実施例1の補正テーブルでは、TED:Trail Edge Deletionと、STV:Starvationに対応して、TED用の条件補正情報の一例としてのTED倍率と、STV用の条件補正情報の一例としてのSTV倍率とを記憶する。実施例1では、予め実験により、TED倍率とSTV倍率が、トナー濃度と環境湿度に応じて導出、設定されている。
【0041】
図5はTEDの発生メカニズムの説明図であり、
図5Aは画像部が現像領域を通過している状態の説明図、
図5Bは白紙部(背景画像部)が現像領域を通過している状態の説明図、
図5CはTEDが発生した状態の説明図である。
図5において、TEDは、例えば、ハーフトーン画像等の画像部1等に続けて白紙部(背景画像部)2が現像領域3を通過する場合、すなわち、高濃度の画像に続けて低濃度の画像が通過する場合に、境界部分、いわゆるエッジ部分で発生しやすい。
図5Aにおいて、画像部1が現像領域3を通過する際に、現像剤保持体の一例としての現像ロール4の表面に保持された現像剤5が画像部1に移行して、潜像が可視像に現像される。
【0042】
図5Bにおいて、後続の白紙部2が現像領域3に到達すると、現像剤5は白紙部2に移行しないが、現像電圧を受けて現像剤5中に分極6が発生する。
図5Cにおいて、感光体7よりも現像ロール4が高速で回転する場合、分極6の現像剤が白紙部2を追い抜いて、既に現像が行われた画像部1の領域に到達する。このときに、分極6が解消されていないと、画像部1に移行した現像剤が分極6の電荷に引き寄せられて、現像ロール4側に移行する。したがって、画像部1において、白紙部2の境界の部分では、印刷される画像の濃度が低下する現象、いわゆるTEDが発生する。
【0043】
図6はSTVの発生メカニズムの説明図であり、
図6Aはハーフトーン画像部が現像領域を通過している状態の説明図、
図6Bはベタ画像部が現像領域を通過している状態の説明図、
図6CはSTVが発生した状態の説明図である。
図6において、STVは、例えば、ハーフトーン画像等の画像部11等に続けてベタ画像部12が現像領域3を通過する場合、すなわち、低濃度の画像に続けて高濃度の画像が通過する場合に、エッジ部分で発生しやすい。
図6Aにおいて、画像部11が現像領域3を通過する際に、現像ロール4の表面に保持された現像剤5が画像部1に移行して、潜像が可視像に現像される。
【0044】
図6Bにおいて、後続のベタ画像部12が現像領域3に到達すると、多くのトナーがベタ画像部12に移行する。このとき、トナーが−の帯電極性の場合、多くの−極性のトナーが感光体7側に移行すると、現像ロール4側に残った現像剤5は全体として+の帯電極性となる。
図6Cにおいて、感光体7よりも現像ロール4が高速で回転する場合、+の帯電極性の現像剤5がベタ画像部12を追い抜いて、既に現像が行われた画像部11の領域に到達する。このときに、全体として+に帯電した現像剤5に引き寄せられて、画像部11のトナーが現像ロール4側に移行する。したがって、画像部11において、ベタ画像部12の境界の部分では、印刷される画像の濃度が低下する現象、いわゆるSTVが発生する。
【0045】
したがって、TEDおよびSTVは、共に画像の境界部分、エッジで発生する画像欠陥であり、エッジディフェクトと呼ばれることがある。
そして、TEDは、トナー濃度の変動では影響は殆ど受けないが、湿度が変動して現像剤の流動性が変動すると影響を受けることが本発明者らの実験で知見が得られた。また、STVはトナー濃度でも湿度でも影響を受けるとの知見も得られた。したがって、実施例1の補正テーブルの記憶手段C6では、トナー濃度と湿度という現像条件に応じて、TED倍率とSTV倍率がそれぞれ記憶されている。
【0046】
図7は実施例1の基本補正情報を導出する際に使用される画像の説明図である。
C7:サンプル画像の記憶手段
基本補正情報の導出用画像の記憶手段の一例としてのサンプル画像の記憶手段C7は、基本補正情報の導出用画像の一例としてのサンプル画像21を記憶する。
図7において、実施例1のサンプル画像21の一例では、予め設定された濃度の一例としての30%〜70%濃度のハーフトーンの何れか、もしくは複数Cinのハーフトーン画像部22の中央部に、濃度100%のベタ画像部23を有する。したがって、サンプル画像21の形成する方向24に対して、ベタ画像23の前側領域26においてSTVが発生し、ハーフトーン画像部22の後端部領域27においてTEDが発生しやすい。
【0047】
C8:サンプル画像の形成手段
サンプル画像の形成手段C8は、基本補正情報の設定実行ボタンUI5の入力がされた場合に、画像形成の制御手段C1を介して、予め設定された補正情報を作成するための画像の一例としてのサンプル画像21を印刷する。
C9:サンプル画像の取得手段
サンプル画像の取得手段C9は、画像読取装置Scがサンプル画像21を読み取った読み取り結果を取得する。
C10:エッジの検出手段
境界の検出手段の一例としてのエッジの検出手段C10は、画像部1,2,11,12,22,23の境界を検出する。実施例1のエッジの検出手段C10は、画像読取装置Scが読み取ったサンプル画像21において、各画像部22,23の境界を検出する。実施例1では、一例として、読み取った画像情報において、隣接する画素の濃度の値(画素値)が、予め設定された閾値以上の場合に、画像部22,23の境界であると検出する。なお、エッジの境界の検出については、従来公知であり、例えば、特許文献1,2等に記載の技術を適用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0048】
C11:読取り補正情報の導出手段
第1の導出手段の一例としての読取り補正情報の導出手段C11は、サンプル画像21の読み取り結果に基づいて、読取り補正情報を導出する。実施例1の読取り補正情報の導出手段C11は、読み取られたサンプル画像21のエッジから、前側領域26と後端部領域27とを判定し、前側領域26からSTV用の読取り補正情報を導出し、後端部領域27からTED用の読取り補正情報を導出する。実施例1では、一例として、後端部領域27のエッジ、すなわち、ハーフトーン画像部22の端から、x[個]分離れた画素において、濃度がb[%]と判定された場合に、ハーフトーン画像部22の濃度c[%]との濃度差y=(c−b)[%]を、TED用の読取り補正情報、すなわち、濃度の補正値として導出する。STVについても同様に、画素の位置x′と濃度補正値y′をSTV用の読取り補正情報として導出する。
【0049】
C12:補正倍率の取得手段
条件補正情報の取得手段の一例としての補正倍率の取得手段C12は、現像条件に応じた条件補正情報を取得する。実施例1の補正倍率の取得手段C12は、トナー濃度と湿度に応じて、
図4に示す補正テーブルから、TED倍率α0およびSTV倍率β0を取得する。
C13:基本補正情報の導出手段
第2の導出手段の一例としての基本補正情報の導出手段C13は、読取り補正情報の導出手段C11で導出された読取り補正情報と、サンプル画像21を形成した場合の現像条件とに基づいて、基本補正情報を導出する。実施例1の基本補正情報の導出手段C13では、サンプル画像21から導出された読取り補正情報(x,y)、(x′,y′)と、サンプル画像21を印刷した際のトナー濃度および湿度に対応するTED倍率α0およびSTV倍率β0から、基本補正情報を導出する。一例として、トナー濃度が11%、湿度35%の場合、TED倍率α0は1.0となる。STV倍率β0は、トナー濃度に基づくものが1.1倍、すなわち、1倍に対して0.1倍(10%)高くし、湿度に基づくものも1.1倍であるため、実施例1では、1.2(=1倍+0.1倍+0.1倍)とする。そして、第1の基本補正情報の一例としてのTED用の基本補正情報として、y/α0=(c−b)を導出する。同様にして、第2の基本補正情報の一例としてSTV用の基本補正情報として、y′/β0=(c−b′)/1.2を導出する。したがって、実施例1において、基本補正情報は、現像条件の影響がない状態における、TEDやSTVの濃度補正の情報に相当する。
【0050】
図8は実施例1の既存の基本補正情報の説明図であり、
図8AはTED用の基本補正情報のグラフ、
図8BはSTV用の基本補正情報のグラフである。
なお、
図8は、横軸に画素の位置を取り、縦軸に濃度の補正値を取ったグラフである。
C14:既存補正情報の記憶手段
既存補正情報の記憶手段C14は、実験等で予め設定された基本補正情報の一例としての既存補正情報(X,Y),(X′,Y′)を記憶する。
図8において、実施例1では、プリンタUの機種に対して、実験等で予め複数回基本補正情報を導出しておき、その平均値から既存補正情報(X,Y),(X′,Y′)を導出し、記憶している。なお、実施例1では、濃度補正が大きな場合(補正が強い場合)と、中程度の場合と、補正が弱い場合の3種類の既存補正情報(X,Y),(X′,Y′)が予め導出され、記憶されている。
【0051】
C15:類似判定手段
類似判定手段C15は、既存補正情報(X,Y),(X′,Y′)が、基本補正情報の導出手段C13で導出された基本補正情報(x,y/α0)、(x′,y′/β0)に類似しているか否かを判別する。実施例1の類似判定手段C15は、一例として、TED用の場合、各位置x,Xにおける既存補正情報の濃度値と基本補正情報の濃度値y/α0、Yの相関係数を演算して、相関係数の値が予め設定された閾値(例えば、0.8)よりも大きい場合に、類似していると判定することが可能である。なお、既存補正情報と基本補正情報との類似の判定は、相関係数を使用する場合に限定されず、例えば、グラフの曲線について周波数解析を行う等、任意の判定方法で類似を判定することが可能である。また、相関係数を使用する場合も、全ての値に対して行わなくても、位置x,Xが5,10,15,20,…の場合のように、離散的に値を抽出して相関係数を導出して判定することで、処理負荷を軽減することも可能である。
【0052】
C16:基本補正情報の設定手段
基本補正情報の設定手段C16は、プリンタUで使用する基本補正情報の設定を行う。実施例1の基本補正情報の設定手段C16は、類似判定手段C15において、導出された基本補正情報(x,y/α0)、(x′,y′/β0)が、既存補正情報(X,Y),(X′,Y′)のいずれかに類似すると判定された場合は、類似すると判定された既存補正情報(X,Y),(X′,Y′)を、基本補正情報(X,Y),(X′,Y′)として設定する。一方、導出された基本補正情報(x,y/α0)、(x′,y′/β0)が既存補正情報(X,Y),(X′,Y′)のいずれにも類似していないと判定された場合は、導出された基本補正情報(x,y/α0)、(x′,y′/β0)を、プリンタUで使用する基本補正情報として設定する。
【0053】
C17:基本補正情報の記憶手段
基本補正情報の記憶手段C17は、基本補正情報の設定手段C16で設定された基本補正情報を記憶する。
C18:補正情報の設定手段
第3の導出手段の一例としての補正情報の設定手段C18は、現像条件に基づいて、画像形成で使用する補正情報を導出し、設定する。実施例1の補正情報の設定手段C18は、まず、画像形成時のトナー濃度と湿度を取得して、トナー濃度と湿度に応じたTED倍率α1およびSTV倍率β1を取得する。そして、取得した各補正倍率α1、β1と、基本補正情報の記憶手段C17に記憶された基本補正情報(x,y/α0)、(x′,y′/β0),(X,Y),(X′,Y′)から、画像形成で使用する補正情報(x,y・(α1/α0))、(x′,y′・(β1/β0),(X,Y・α1),(X′,Y′・β1)を導出する。すなわち、第1の補正情報の一例としてのTED用の補正情報(x,y・(α1/α0))(または(X,Y・α1))と、第2の補正情報の一例としてのSTV用の補正情報(x′,y′・(β1/β0))(または(X′,Y′・β1))を導出する。
【0054】
C19:エッジの補正手段
画像の補正手段の一例としてのエッジの補正手段C19は、画像形成動作時に、補正情報の設定手段C18で設定された補正情報を使用して、画像の補正を行う。実施例1のエッジ補正手段C19は、受信した画像データから、エッジの検出手段C10と同様にしてエッジを検出する。そして、印刷される画像に、TEDやSTVが発生する恐れのある前側領域26や後端部領域27が存在した場合に、前側領域26や後端部領域27の画素の濃度を、補正情報を使用して補正する。なお、補正情報を使用してTEDに対応する画像の補正に関しては、従来公知であり、例えば、特許文献1,2等に記載されているので、詳細な説明は省略する。なお、STVも、TEDの場合と使用する補正情報が異なるだけで、同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
【0055】
(実施例1の流れ図の説明)
次に、実施例1のプリンタUにおける制御の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
【0056】
(基本補正情報設定処理のフローチャートの説明)
図9は実施例1の基本補正情報設定処理のフローチャートの説明図である。
図9のフローチャートの各ステップSTの処理は、前記プリンタUの制御部Cに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して実行される。
図9に示すフローチャートはプリンタUの電源投入により開始される。
【0057】
図9のST1において、操作部UIから基本補正情報の設定実行ボタンUI5の入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、サンプル画像21を出力する。そして、ST3に進む。
ST3において、画像読取装置Scでサンプル画像21を読み取る。そして、ST4に進む。
ST4において、読取りデータから読取り補正情報(x,y),(x′,y′)を作成する。そして、ST5に進む。
【0058】
ST5において、次の処理(1),(2)を実行して、ST6に進む。
(1)トナー濃度を取得する。
(2)湿度の情報を取得する。
ST6において、トナー濃度および湿度情報から補正倍率α0、β0を取得する。そして、ST7に進む。
ST7において、補正情報と補正倍率α0、β0から基本補正情報(x,y/α0),(x′,y′/β0)を導出する。そして、ST8に進む。
【0059】
ST8において、基本補正情報(x,y/α0),(x′,y′/β0)と、既存補正情報(X,Y),(X′,Y′)との相関係数を演算する。そして、ST9に進む。
ST9において、相関係数が閾値以上であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST10に進み、ノー(N)の場合はST11に進む。
ST10において、既存補正情報を基本補正情報として採用、設定する。そして、ST1に戻る。
ST11において、読取り補正情報から導出された基本補正情報を基本補正情報として採用、設定する。そして、ST1に戻る。
【0060】
(補正情報設定処理のフローチャートの説明)
図10は実施例1の補正情報設定処理のフローチャートの説明図である。
図10のフローチャートの各ステップSTの処理は、前記プリンタUの制御部Cに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して実行される。
図10に示すフローチャートはプリンタUの電源投入により開始される。
【0061】
図10のST21において、画像形成動作の一例としてのジョブが開始されたか否か、すなわち、実施例1では画像情報を受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に進む。ノー(N)の場合はST21を繰り返す。
ST22において、基本補正情報を取得する。そして、ST23に進む。
ST23において、次の処理(1),(2)を実行して、ST24に進む。
(1)トナー濃度を取得する。
(2)湿度の情報を取得する。
ST24において、トナー濃度および湿度情報から補正倍率α1、β1を取得する。そして、ST25に進む。
【0062】
ST25において、基本補正情報と補正倍率α1、β1から、補正情報を導出する。そして、ST26に進む。
ST26において、補正情報を使用して画像形成を行う。したがって、画像にTEDやSTVが発生する恐れのある前側領域26や後端部領域27が存在する場合に画像の補正を行う。そして、ST27に進む。
ST27において、ジョブが終了したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST27を繰り返し、イエス(Y)の場合はST21に戻る。
【0063】
(実施例1の画像作成処理の機能)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、画像情報を受信してジョブが開始されると、基本補正情報と、現像条件に基づいて補正情報が導出される。そして、受信した画像情報において、エッジが検出され、前側領域26や後端部領域27が存在する場合には、補正情報を使用して画像の補正が行われる。
特許文献1,2に記載の従来技術では、補正情報は予め設定されており、現像条件、すなわち、トナー濃度や湿度が変化しても、共通の補正情報を使用して画像の補正を行っていた。したがって、実際に画像形成が行われる状況下では、補正が過剰になったり、補正が不足する場合があった。よって、補正で画質が十分に向上しない場合があった。
【0064】
これに対して、実施例1では、画像形成が行われる場合に、現像条件に応じた補正情報が設定される。したがって、特許文献1,2に記載の技術で発生していた過補正や補正不足が低減される。よって、実施例1では、特許文献1,2に記載の従来技術に比べて、画質が向上する。
また、実施例1では、補正情報は、現像条件の影響を除外した基本補正情報に基づいて設定されている。そして、基本補正情報は、サンプル画像21を出力して導出している。したがって、基本補正情報に基づく補正情報は、プリンタUの個体差も考慮された情報となっている。よって、現像器Gy〜Gtの個体差や、感光体や現像ロールの偏心の個体差、現像領域の間隔(すなわち、感光体Py〜Ptと現像ロールと間隔)の個体差といった現像条件も考慮された基本補正情報が導出される。よって、画像形成装置の機種に対して予め設定された補正情報を使用する特許文献1,2に記載の構成に比べて、適切な補正が行われやすい。したがって、画質も向上しやすい。
【0065】
さらに、実施例1では、基本補正情報を設定する際に、サンプル画像21から導出された基本補正情報が、既存補正情報と類似している場合は、既存補正情報を使用している。既存補正情報は、十分な数の基本補正情報の平均から導出されており、濃度補正が平均的で失敗が少なく、ノイズや検知ミス等が含まれている可能性が少ない。よって、類似を判別しない場合に比べて、画質が向上しやすい。
また、実施例1では、TEDとSTVで異なる補正情報を使用している。よって、TEDでもSTVでも共通する補正情報を使用する場合に比べて、画像欠陥の発生位置や発生原因に応じて適切な補正が可能である。したがって、画質が向上しやすい。
【0066】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてのプリンタUを例示したが、これに限定されず、例えば、複写機、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
【0067】
(H02)前記実施例において、6種類の現像剤を使用する画像形成装置を例示したがこれに限定されない。単色の画像形成装置や、5色以下、あるいは7色以上の現像剤を使用する画像形成装置にも適用可能である。また、中間転写ベルトBを使用する構成に限定されず、感光体Py〜Ptから直接用紙に転写する画像形成装置にも適用可能である。他にも、タンデム型の画像形成装置に限定されず、ロータリ型の画像形成装置にも適用可能である。
(H03)前記実施例において、現像条件の一例として、トナー濃度や湿度、プリンタUの構成部品の個体差を例示したが、これに限定されない。例えば、感光体Py〜Ptや現像ロールの回転速度や、現像剤の劣化度合い(現像剤の帯電電荷量や、現像剤が補給されない状態での現像装置の累積駆動時間等)、現像バイアス等も考慮して、補正情報を導出、設定可能である。
【0068】
(H04)前記実施例において、サンプル画像21を、搬送路SHに配置された画像読取装置Scで読み取る構成を例示したが、これに限定されない。例えば、複写機のようにプリンタ部と、読取り部材の一例としてのスキャナ部とを有する構成において、サンプル画像21が印刷されたシートを排出トレイに排出し、作業者がスキャナ部にシートをセットして読み取る構成とすることも可能である。
(H05)前記実施例において、サンプル画像21の具体的な構成や、既存補正情報が3種類準備されているといった具体的な構成は、例示した構成に限定されず、設計や仕様等に応じて適宜変更可能である。
(H06)前記実施例において、既存補正情報と類似の判断を行って、類似する場合に既存補正情報を使用する構成を例示したがこれに限定されない。既存補正情報を使用せず、読取り補正情報に基づく基本補正情報を使用することも可能である。
【0069】
(H07)前記実施例において、基本補正情報をサンプル画像21に基づいて導出することが望ましいが、これに限定されない。すなわち、既存補正情報を使用して、ジョブ毎に、現像条件に基づいて補正情報を導出する構成とすることも可能である。
(H08)前記実施例において、TED用の補正情報とSTV用の補正情報を使用することが望ましいが、共通の補正情報を使用することも可能である。