特許第6957862号(P6957862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6957862
(24)【登録日】2021年10月11日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】後処理装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/04 20060101AFI20211021BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20211021BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20211021BHJP
   B27F 7/17 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   B65H37/04 D
   B65H7/02
   G03G15/00 431
   B27F7/17
【請求項の数】14
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-213880(P2016-213880)
(22)【出願日】2016年10月31日
(65)【公開番号】特開2017-114679(P2017-114679A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2019年8月20日
(31)【優先権主張番号】特願2015-249545(P2015-249545)
(32)【優先日】2015年12月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 利夫
(72)【発明者】
【氏名】亀田 太志
(72)【発明者】
【氏名】千明 義雄
(72)【発明者】
【氏名】杉原 進平
【審査官】 松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−016946(JP,A)
【文献】 特開2007−186299(JP,A)
【文献】 特開2007−210754(JP,A)
【文献】 特開2006−035326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 37/00−37/06
B65H 7/00−7/20
B65H 43/00−43/08
G03G 15/00
B27F 1/00−7/38
B25C 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
針で用紙を綴じるステープラと、制御手段とを備えた後処理装置であって、
前記ステープラは、
用紙を貫通した針の針足をカットするカット部でカットされたカット針を収納するカット針収納部と、
前記カット針収納部に収納されたカット針の量を検知するカット針量検知部を備え、
前記制御手段は、前記カット針量検知部で検知されたカット針の量に基づく制御を行うと共に、決められた綴じ回数毎に前記ステープラを移動させて、前記カット針収納部に収納されたカット針を均す動作を行う
ことを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記ステープラを満載検知位置に移動させてカット針の量が満載であるか否かの検知を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
針で用紙を綴じるステープラと、制御手段とを備えた後処理装置であって、
前記ステープラは、
用紙を貫通した針の針足をカットするカット部でカットされたカット針を収納するカット針収納部と、
前記カット針収納部に収納されたカット針の量を検知するカット針量検知部を備え、
前記カット針収納部を前記ステープラから着脱可能な位置が待機位置であり、
前記制御手段は、前記カット針量検知部で検知されたカット針の量に基づく制御を行う
ことを特徴とする後処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、カット針の量が満載であることを検知した回数を計数し、カット針の量が満載であることを検知した回数が所定の回数以上である満載検知閾値に到達すると、カット針の量が満載であると判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の後処理装置。
【請求項5】
針で用紙を綴じるステープラと、制御手段とを備えた後処理装置であって、
前記ステープラは、
針が収納される針収納部と、
前記針収納部に収納された針の残量を検知する針検知部と、
用紙を貫通した針の針足をカットするカット部でカットされたカット針を収納するカット針収納部とを備え、
前記制御手段は、前記針検知部で検知された針の残量に基づき、カット針の回収の操作を誘導する通知を行う
ことを特徴とする後処理装置。
【請求項6】
前記ステープラは、前記カット針収納部が前記ステープラに対して着脱可能とされ、
前記制御手段は、前記カット針収納部が着脱される間の実打回数、綴じ処理の回数または枚数に基づき、前記カット針収納部に収納されたカット針の量を判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項7】
針で用紙を綴じるステープラと、制御手段とを備えた後処理装置であって、
開閉可能な扉と、前記扉の開閉を検知する安全検知部を備え、
前記ステープラは、
用紙を貫通した針の針足をカットするカット部でカットされたカット針を収納するカット針収納部と、
前記カット針収納部に収納されたカット針の量を検知するカット針量検知部を備え、
前記制御手段は、前記安全検知部で前記扉が開いたことを検知すると、前記カット針量検知部の電源供給を継続する
ことを特徴とする後処理装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記安全検知部で前記扉が開いたことを検知すると、カット針の回収の操作を誘導する通知を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の後処理装置。
【請求項9】
前記制御手段は、カット針を満載と検知する量を変更可能とした
ことを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記ステープラでカット針の量が満載であるか否かの検知を行う満載検知条件が設定され、満載検知条件を満たすと判断すると、カット針の満載検知を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項11】
前記満載検知条件は振動収束時間であり、前記制御手段は、前記ステープラで用紙を綴じる動作の後、または、前記ステープラの移動の後、振動収束時間が経過すると、カット針の量が満載であるか否かの検知を行う
ことを特徴とする請求項10に記載の後処理装置。
【請求項12】
針で用紙を綴じるステープラと、制御手段とを備えた後処理装置であって、
前記ステープラは、用紙を貫通した針の針足をカットするカット部でカットされたカット針を収納するカット針収納部を備え、
前記制御手段は、前記カット針収納部に収納されたカット針を均す動作を、決められた綴じ回数毎に前記ステープラを移動させて行わせる
ことを特徴とする後処理装置。
【請求項13】
用紙に画像を形成して出力する画像形成装置と、
当該画像形成装置に接続されて、前記用紙に後処理を施す請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の後処理装置を備えた
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項14】
用紙に画像を形成して出力する画像形成装置と、
当該画像形成装置に接続されて、前記用紙に後処理を施す請求項1〜請求項4、または、請求項6〜請求項11の何れか1項に記載の後処理装置を備え、
前記後処理装置の前記制御手段は、
前記カット針収納部に収納されたカット針の量が満載であることが、前記カット針収納部に収納されたカット針の量を検知する前記カット針量検知部で検知されると、
前記画像形成装置又は前記後処理装置で実行中の用紙処理のジョブについて、残りの前記用紙処理のジョブの実行可否を判断し、前記残りの用紙処理のジョブを実行又は停止させる
ことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の用紙を針で綴じるステープラが搭載された後処理装置、後処理装置が画像形成装置に接続された画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
後処理装置に使用される電動のステープラでは、想定される最大枚数の用紙を綴じることが可能な長さの針足を有した針を収納しておき、綴じ枚数が少ない場合等は、針足をカットして綴じる技術が提案されている。
【0003】
後処理装置に搭載される従来のステープラでは、カット針収納部は後処理装置側に設けられ、ステープラに設けたカット針の排出路にカット針を一時的に貯めておき、所定のタイミングでステープラをカット針収納部の位置に移動させ、ステープラからカット針収納部へカット針を排出していた(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
また、針を収納する針カートリッジにカット針収納部を備える技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63−72001号
【特許文献2】特開2006−26859号公報
【特許文献3】特開2006−168185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来は、カット針の回収のため、ステープラを後処理装置側に設けられているカット針収納部の位置に移動させる必要があり、針で用紙を綴じる冊子の生産性が低下する。また、ステープラに設けられた排出路に一時的に貯められたカット針の本数が多いと、ステープラがカット針収納部の位置に移動していない状態で、排出路からカット針が後処理装置内に漏れる可能性があった。
【0007】
針カートリッジにカット針収納部を備える構成では、カット針収納部に収納できるカット針の量が少なく、針カートリッジに収納されている針が無くなる前に、カット針収納部からカット針を回収する必要があった。また、従来、カット針収納部に収納したカット針の量が検知されず、カット針収納部に収納したカット針の量が満載になったことを検知、通知することができなかった。
【0008】
本発明は、そのような課題を解決するためなされたもので、所定量のカット針の収納を可能としたステープラを備え、収納したカット針の量に基づく制御を可能とした後処理装置、後処理装置が画像形成装置に接続された画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、針で用紙を綴じるステープラと、制御手段とを備えた後処理装置であって、ステープラは、用紙を貫通した針の針足をカットするカット部でカットされたカット針を収納するカット針収納部と、カット針収納部に収納されたカット針の量を検知するカット針量検知部を備え、制御手段は、カット針量検知部で検知されたカット針の量に基づく制御を行うと共に、決められた綴じ回数毎にステープラを移動させて、カット針収納部に収納されたカット針を均す動作を行う後処理装置である。
また、本発明は、針で用紙を綴じるステープラと、制御手段とを備えた後処理装置であって、ステープラは、用紙を貫通した針の針足をカットするカット部でカットされたカット針を収納するカット針収納部と、カット針収納部に収納されたカット針の量を検知するカット針量検知部を備え、カット針収納部をステープラから着脱可能な位置が待機位置であり、制御手段は、カット針量検知部で検知されたカット針の量に基づく制御を行う後処理装置である。
更に、本発明は、針で用紙を綴じるステープラと、制御手段とを備えた後処理装置であって、ステープラは、針が収納される針収納部と、針収納部に収納された針の残量を検知する針検知部と、用紙を貫通した針の針足をカットするカット部でカットされたカット針を収納するカット針収納部とを備え、制御手段は、針検知部で検知された針の残量に基づき、カット針の回収の操作を誘導する通知を行う後処理装置である。
また、本発明は、針で用紙を綴じるステープラと、制御手段とを備えた後処理装置であって、開閉可能な扉と、扉の開閉を検知する安全検知部を備え、ステープラは、用紙を貫通した針の針足をカットするカット部でカットされたカット針を収納するカット針収納部と、カット針収納部に収納されたカット針の量を検知するカット針量検知部を備え、制御手段は、安全検知部で扉が開いたことを検知すると、カット針量検知部の電源供給を継続する後処理装置である。
【0010】
また、本発明は、針で用紙を綴じるステープラと、制御手段とを備えた後処理装置であって、ステープラは、用紙を貫通した針の針足をカットするカット部でカットされたカット針を収納するカット針収納部を備え、制御手段は、カット針収納部に収納されたカット針を均す動作を、決められた綴じ回数毎にステープラを移動させて行わせる後処理装置である。
【0011】
また、本発明は、用紙に画像を形成して出力する画像形成装置と、画像形成装置に接続されて用紙に後処理を施す上述した後処理装置を備えた画像形成システムである。
【0012】
本発明では、カット針がステープラに設けたカット針収納部に収納される。カット針収納部に検知されたカット針の量が検知され、カット針の量に基づく通知制御、制限制御が行われる。また、カット針収納部に収納されたカット針を均す動作が、決められた綴じ回数毎にステープラを移動させて行われる。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、カット針収納部をステープラに備えたことで、後処理装置内でのステープラの位置によらず、カット針をカット針収納部に収納することができる。これにより、カット針の回収のため、ステープラを特定の位置に移動させる動作が不要であり、針で用紙を綴じる冊子の生産性が向上する。
【0014】
また、カット針収納部は、ステープラに対して着脱可能な構成としたことで、カット針の回収を、カット針収納部をステープラから取り外して行える、これにより、カット針の回収時に、カット針を後処理装置内に落とす等の不具合の発生を抑制できる。
【0015】
更に、カット針収納部に収納したカット針の量が検知されることで、カット針の量に基づく制限制御、通知制御を行うことができ、カット針が満載になったことを検知、通知することができる。更に、カット針収納部に収納されたカット針を均すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施の形態の画像形成システムの概要を示す構成図である。
図2】本実施の形態の後処理装置の一例を示す構成図である。
図3】針で用紙を綴じる動作の一例を示す説明図である。
図4】カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの一例を示す側面図である。
図5】カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの一例を示す斜視図である。
図6】カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの一例を示す側面図である。
図7】カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの一例を示す側面図である。
図8】カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの一例を示す背面図である。
図9】カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの動作例を示す構成図である。
図10】カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの変形例を示す側面図である。
図11】カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの変形例を示す側面図である。
図12】カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの変形例を示す背面図である。
図13】カット針満載検知を行う第1の実施の形態の変形例のステープラの動作例を示す構成図である。
図14】カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの他の変形例を示す側面図である。
図15】カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの他の変形例を示す側面図である。
図16】カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの他の変形例を示す下面図である。
図17】カット針満載検知を行う第1の実施の形態の他の変形例のステープラの動作例を示す構成図である。
図18】カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの一例を示す側面図である。
図19】カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの一例を示す側面図である。
図20】カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの一例を示す背面図である。
図21】カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの動作例を示す構成図である。
図22】カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの動作例を示す構成図である。
図23】カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの動作例を示す構成図である。
図24】カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの動作例を示す構成図である。
図25】カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの動作例を示す構成図である。
図26】カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの変形例を示す側面図である。
図27】カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの変形例を示す側面図である。
図28】カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの変形例を示す背面図である。
図29】カット針満載検知を行う第2の実施の形態の変形例のステープラの動作例を示す構成図である。
図30】カット針満載検知を行う第2の実施の形態の変形例のステープラの動作例を示す構成図である。
図31】カット針満載検知を行う第2の実施の形態の変形例のステープラの動作例を示す構成図である。
図32】カット針満載検知を行う第2の実施の形態の変形例のステープラの動作例を示す構成図である。
図33】カット針満載検知を行う第2の実施の形態の変形例のステープラの動作例を示す構成図である。
図34】本実施の形態の画像形成システムの制御機能の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明のステープラが搭載された後処理装置、後処理装置を備えた画像形成システムの実施の形態について説明する。
【0018】
<画像形成システム及び後処理装置の構成例>
図1は、本実施の形態の画像形成システムの概要を示す構成図、図2は、本実施の形態の後処理装置の一例を示す構成図である。
【0019】
本実施の形態の画像形成システム500Aは、画像形成装置501Aと、少なくとも1種類の処理が可能な後処理装置502Aを備える。画像形成装置501Aは、装置内または外部の図示しない給紙部から繰り出した用紙Pに画像を形成して出力する。画像形成装置501Aは、本例では、走査露光による静電潜像の形成、トナーによる静電潜像の現像、トナーの用紙への転写及び定着により用紙Pに画像を形成する。
【0020】
本実施の形態の後処理装置502Aは、綴じ部503Aに、後述する各実施の形態のステープラ1Rの何れかを備える。綴じ部503Aは、画像形成装置501Aから出力された用紙Pを積載する積載部504Aを備える。
【0021】
図2は、後処理装置502Aの綴じ部503Aを上側から見た図である。ステープラ1Rは、図2に示すように、積載部504Aに積載された用紙Pの一方の角部を綴じる第1の位置Pp1、用紙Pの辺PLに沿った任意の箇所を綴じる第2の位置Pp2、用紙Pの他方の角部を綴じる第3の位置Pp3に、図示しない移動部により移動する。本例では、第1の位置Pp1は、ホームポジション(HP)である基準位置を兼ねる。
【0022】
<針で用紙を綴じる動作例>
図3は、針で用紙を綴じる動作の一例を示す説明図である。ステープルと称す針10Aは、図3(a)に示すように、針クラウン11Aの両端が一の方向に折り曲げられて、針足12Aが形成される。
【0023】
針10Aは、針クラウン11Aが押圧されることで、図3(b)に示すように、針足12Aが用紙Pを貫通し、針クラウン11Aが用紙Pに接する。針足12Aが用紙Pを貫通した針10Aは、図3(c)に示すように、針足12Aを折り曲げた際に互いに重なり合う針足12Aの余剰分がカットされる。なお、針足12Aからカットされたカット針13Aを収納する構成については後述する。
【0024】
針足12Aが所定の長さにカットされた針10Aは、図3(d)に示すように、用紙Pを貫通した針足12Aが折り曲げられて、用紙Pが針10Aで綴じられる。
【0025】
<カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの構成例>
図4図5は、カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの一例を示す斜視図、図6図7は、カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの一例を示す側面図、図8は、カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの一例を示す背面図、図9は、カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの動作例を示す構成図である。
【0026】
第1の実施の形態のステープラ1Raは、針10Aの供給及び打ち出しが行われる針打出ユニット2Rと、針打出ユニット2Rとの協働で、図3(c)に示す針10Aの針足12Aのカット及び図3(d)に示す針足12Aの折り曲げを行って、用紙Pを針10Aで綴じる綴じユニット3Rを備える。
【0027】
針打出ユニット2Rは針打出部の一例で、針10Aが収納された針収納部である針カートリッジ100Rが着脱可能に取り付けられる収納部20Rと、針カートリッジ100Rから針10Aを繰り出す繰り出し部21Rと、針10Aを用紙Pに打ち込む打出部22Rを備える。
【0028】
針10Aは、本例では、直線状の複数本の針10Aが接着により一体とされた針シートとして提供され、複数の針シートが積載されて針カートリッジ100Rに収納される。打出部22Rは、針シートの搬送方向の最先端の1本の針10Aを打ち出す動作に連動して、2本目もしくは3本目の針10Aを成形する。なお、針カートリッジ100Rは、針シートが着脱可能なリフィルに収納される形態で供給されても良い。
【0029】
綴じユニット3Rは綴じ部の一例で、用紙Pを貫通した針10Aの針足12Aを、所定の長さでカットするカット部30Rと、用紙Pを貫通し、所定の長さにカットされた針10Aの針足12Aを、用紙Pの方向へ折り曲げるクリンチャ部31Rを備える。
【0030】
ステープラ1Raは、針打出ユニット2Rと綴じユニット3Rとの間に、用紙Pを挟持する用紙挟持部4Rを備える。用紙挟持部4Rは、針打出ユニット2Rの打出部22Rと、綴じユニット3Rのクリンチャ部31Rが設けられたステープラ1Raの一方の側に設けられる。
【0031】
後処理装置502Aでは、図1に示すように、積載部504Aで傾斜を利用して用紙Pを整列させて積載するため、ステープラ1Raは、用紙挟持部4Rにおいて用紙Pが挿抜される開口側が、上側となる向きに傾斜させて、もしくは、水平に実装される。
【0032】
ステープラ1Raは、図2に示すように、綴じ位置の切り替え等で後処理装置502A内を移動することにより、向きは一定しない。そこで、用紙挟持部4Rが設けられる側をステープラ1Raの正面側とし、用紙挟持部4Rが設けられる側と反対側を背面側とする。また、綴じユニット3Rが設けられる側をステープラ1Raの上面側とし、針打出ユニット2Rが設けられる側をステープラ1Raの下面側とする。
【0033】
用紙挟持部4Rは、針10Aによる用紙Pの綴じ位置が、打出部22Rとクリンチャ部31Rとの間に位置できるようにするため、ステープラ1Raの正面側と、左右の両側面の3方向が開口した形状である。
【0034】
ステープラ1Raは、針打出ユニット2Rの繰り出し部21R及び打出部22Rと、綴じユニット3R、綴じユニット3Rのカット部30R及びクリンチャ部31Rを駆動する駆動部5Rを備える。
【0035】
駆動部5Rは、針打出ユニット2Rに設けられた図示しないモータに駆動されるカム51Rと、カム51Rの動作を各部に伝達するリンク部53Rを備える。
【0036】
ステープラ1Raは、カム51Rの動作がリンク部53R等を介して綴じユニット3Rに伝達されることで、針打出ユニット2Rと綴じユニット3Rが離接する方向に相対移動する。本例は、軸32Rを支点とした回転動作で、綴じユニット3Rが針打出ユニット2Rに対して離接する方向に移動する。
【0037】
ステープラ1Raは、カム51Rが一方向に回転する動作で、綴じユニット3Rが針打出ユニット2Rに近づく方向に移動して、所定のタイミングで用紙Pを用紙挟持部4Rで挟持する。また、ステープラ1Raは、カム51Rが更に一方向に回転する動作で、所定のタイミングで綴じユニット3Rが針打出ユニット2Rから離れる方向に移動して、用紙挟持部4Rでの用紙Pの挟持を解除する
【0038】
また、ステープラ1Raは、カム51Rの動作がリンク部53R等を介して繰り出し部21R及び打出部22Rに伝達され、カム51Rが1方向に回転する動作で、針カートリッジ100Rに収納された針10Aを繰り出し部21Rにより繰り出し、繰り出された針10Rの最先端の1本を、用紙挟持部4Rで挟持された用紙Pに打出部22Rで打ち込んで、針10Aの針足12Aを用紙Pに貫通させる。また、2本目もしくは3本目の針10Aを成形する。
【0039】
更に、ステープラ1Raは、カム51Rの動作がリンク部53R等を介してカット部30R及びクリンチャ部31Rに伝達され、カム51Rが一方向に回転する動作で、用紙Pを貫通した針10Aの針足12Aをカット部30Rで所定の長さでカットし、所定の長さにカットされた針10Aの針足12Aをクリンチャ部31Rで折り曲げる。
【0040】
ステープラ1Raは、カット部30Rでカットされたカット針13Aを収納するカット針収納部6Rを備える。カット針収納部6Rは、用紙挟持部4Rが設けられた側と反対のステープラ1Raの背面側に、ステープラ1Raに対して着脱可能に取り付けられる。
【0041】
カット針収納部6Rは、2本の回収路60R、60Rを備え、ステープラ1Raに取り付けられると、収納部20Rに着脱される針カートリッジ100Rの着脱経路を塞がないように、2本の回収路60R、60Rが収納部20Rの両側に配置される。
【0042】
カット針収納部6Rは、針カートリッジ100Rに収納可能な本数の針10Aの針足12Aを最大の長さでカットした場合においても、全てのカット針13Aを収納可能な大きさを有する。
【0043】
また、カット針収納部6Rは、後処理装置502A内におけるステープラ1Raの位置によらず、カット針収納部6Rの本体部分が、回収路60Rあるいは回収路60Rの一方あるいは両方より下側に位置するように構成される。
【0044】
ステープラ1Rは、カット部30Rでカットされたカット針13Aをカット針収納部6Rに誘導する排出路33Rを綴じユニット3Rに備える。排出路33Rは、収納部20Rに着脱される針カートリッジ100Rの着脱経路を塞がないように、本例では、カット部30Rに連通した1本の排出路33Rが2本の排出路33R、33Rに分かれて、収納部20Rの左右両側に配置される。
【0045】
ステープラ1Raは、一方の排出路33Rの排出口34Rと、カット針収納部6Rの一方の回収路60Rの回収口61Rが連通し、他方の排出路33Rの排出口34Rと、カット針収納部6Rの他方の回収路60Rの回収口61Rが連通する。
【0046】
これにより、カット部30Rから一方の排出路33Rを通るカット針13Aが、回収口61Rから回収路60Rを通りカット針収納部6Rに収納される。また、カット部30Rから他方の排出路33Rを通るカット針13Aが、回収口61Rから回収路60Rを通りカット針収納部6Rに収納される。
【0047】
排出路33Rは、後処理装置502A内におけるステープラ1Raの位置によらず、排出路33Rと排出路33Rの少なくとも一方が、カット部30Rより排出口34R、34Rが低くなるように構成される。
【0048】
排出路33R(33R、33R)は、綴じユニット3Rに設けられることで、軸32Rを支点とした綴じユニット3Rの回転動作で移動する。これに対し、カット針収納部6Rは、針打出ユニット2Rに取り付けられることで、綴じユニット3Rに対して移動しない。
【0049】
そこで、一方の排出路33Rの排出口34R及び他方の排出路33Rの排出口34Rを、軸32Rの近傍に配置して、軸32Rを支点とした綴じユニット3Rの回転動作での排出口34R、34Rの移動量を少なく抑える。
【0050】
また、カット針収納部6Rの一方の回収口61Rに、一方の排出路33Rの排出口34Rが入り込む形態とし、かつ、回収口61Rの開口の範囲内で排出口34Rが移動できる構成とする。同様に、カット針収納部6Rの他方の回収口61Rに、他方の排出路33Rの排出口34Rが入り込む形態とし、かつ、回収口61Rの開口の範囲内で排出口34Rが移動できる構成とする。
【0051】
ステープラ1Ra及び後処理装置502Aは、カット針量検知部94Rを備える。カット針量検知部94Rはカット針量検知部であるカット針満載検知手段の一例で、接触可動部95Ra、95Raと、接触可動部95Ra、95Raを検知するセンサ96R、96Rと、接触可動部95Ra、95Raを付勢するバネ97Ra、97Raを備える。
【0052】
接触可動部95Raは、カット針収納部6Rの一方の回収路60Rに側方から突出し、カット針13Aの積載方向に沿った上下方向に移動可能に設けられる。接触可動部95Raは、バネ97Raにより下方に向けて押圧される。センサ96Rは、接触可動部95Raの有無を検知することで、カット針13Aの量が満載か否かを検知する。センサ96Rは、本例では、非満載位置に移動した接触可動部95Raを検知する位置に設けられる。
【0053】
接触可動部95Raは、カット針収納部6Rの他方の回収路60Rに側方から突出し、カット針13Aの積載方向に沿った上下方向に移動可能に設けられる。接触可動部95Raは、バネ97Raにより下方に向けて押圧される。センサ96Rは、接触可動部95Raの有無を検知することで、カット針13Aの量が満載か否かを検知する。センサ96Rは、本例では、非満載位置に移動した接触可動部95Raを検知する位置に設けられる。
【0054】
接触可動部95Raは、用紙の挟持、針の打出し、クリンチを行う駆動部を構成するカム51Rの動作がリンク部53Rを介して伝達され、カム51Rの動作で昇降する。接触可動部95Raは、用紙の挟持、針の打出し、クリンチを行う駆動部を構成するカム51Rの動作がリンク部53Rを介して伝達され、カム51Rの動作で昇降する。
【0055】
<カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの作用効果例>
後処理装置に搭載される従来のステープラでは、カット針収納部は後処理装置側に設けられ、ステープラに設けたカット針の排出路にカット針を一時的に貯めておき、所定のタイミングでステープラをカット針収納部の位置に移動させ、ステープラからカット針収納部へカット針を排出していた。
【0056】
このように、従来は、カット針の回収のため、ステープラを後処理装置側に設けられているカット針収納部の位置に移動させる必要があり、針で用紙を綴じる冊子の生産性が低下する。また、ステープラに設けられた排出路に一時的に貯められたカット針の本数が多いと、ステープラがカット針収納部の位置に移動していない状態で、排出路からカット針が後処理装置内に漏れる可能性があった。
【0057】
これに対し、ステープラ1Raでは、カット針収納部6Rをステープラ1Raに備えたことで、後処理装置502A内でのステープラ1Raの位置によらず、カット針13Aをカット針収納部6Rに収納することができる。これにより、カット針の回収のため、ステープラ1Raを特定の位置に移動させる動作が不要であり、針で用紙を綴じる冊子の生産性が向上する。
【0058】
また、カット針収納部6Rは、針カートリッジ100Rに収納可能な本数の針10Aの針足12Aを最大の長さでカットした場合においても、全てのカット針13Aを収納可能な大きさで、十分な容量を持つので、針10Aを補充するタイミングまで、カット針13Aの回収を行う必要がない。これにより、ステープラ1Raからカット針13Aを回収する回数を減らすことができ、カット針13Aの回収のために画像形成システム500Aの動作を停止させる回数を減らすことができるので、針で用紙を綴じる冊子の生産性が向上する。
【0059】
ステープラ1Raでは、針で用紙を綴じる動作でカム51Rが回転すると、リンク部53Rの動作で接触可動部95Raが昇降すると共に、リンク部53Rの動作で接触可動部95Raが昇降する。
【0060】
カット針収納部6Rに収納されているカット針13Aの量が少ない場合、接触可動部95Raは、バネ97Raにより下方に向けて押圧されて非満載検知位置に移動しており、センサ96Rで検知される。また、接触可動部95Raは、バネ97Raにより下方に向けて押圧されて非満載検知位置に移動しており、センサ96Rで検知される。よって、カット針13Aの量が満載ではないことが検知できる。
【0061】
カット針収納部6Rに収納されているカット針13Aの量が満載となると、接触可動部95Raは非満載検知位置まで下降できずに上昇した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。また、接触可動部95Raは非満載検知位置まで下降できずに上昇した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。よって、カット針13Aの量が満載であることが検知できる。
【0062】
図2等で説明した後処理装置502Aでは、ステープラ1Raの位置によって、図9に示すように、ステープラ1Raが傾斜した状態となる。このような場合、本例では、カット針収納部6Rの一方の回収路60R側では、カット針13Aの積載高さが低くなる。このため、接触可動部95Raは非満載検知位置まで下降し、センサ96Rで検知される。一方、カット針収納部6Rの他方の回収路60R側では、カット針13Aの積載高さが高くなる。このため、接触可動部95Raは非満載検知位置まで下降できずに上昇した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。よって、ステープラ1Raが傾斜した場合でも、カット針13Aの量が満載であるか否かを正確に検知できる。
【0063】
また、センサ96R、96Rを後処理装置502Aに備えることで、カット針収納部6Rがステープラ1Raに取り付けられていないと、接触可動部95Ra、95Raが非検知となる。これにより、カット針の量が満載であることを検知する満載検知と、カット針収納部6Rの有無の検知を、同一の検知部で兼用できる。
【0064】
カット針収納部6Rは、図5に示すように、ステープラ1Raに対して着脱可能な構成としたことで、カット針13Aの回収を、カット針収納部6Rをステープラ1Raから取り外して行える、これにより、カット針13Aの回収時に、カット針13Aを後処理装置502A内にこぼれ落とす等の不具合の発生を抑制できる。
【0065】
カット針収納部6Rの着脱は、本例では、図2に示す第1の位置Pp1にステープラ1Raを移動させ、扉505Aを開くことで行われる。また、カット針13Aの回収は、カット針収納部6Rの回収口61R、61Rから、または、図示しない開閉可能な排出口から行われる。また、カット針収納部6R自体を交換しても良い。
【0066】
ステープラ1Raでは、カット針収納部6Rを取り付けた状態で、針カートリッジ100Rの着脱が可能である。これにより、図2に示す第1の位置Pp1にステープラ1Raを移動させ、扉505Aを開くことで、カット針収納部6Rを取り外すことなく、針カートリッジ100Rを着脱して、針10Aの補充等を行うことができる。
【0067】
また、カット針収納部6Rは、ステープラ1Raの背面側に取り付けられるので、カット針収納部6Rの容量を増やしても、針カートリッジ100Rの大きさに制約を及ぼすことが抑制され、カット針収納部6Rを備えていない構成と比較して、針10Aの収納本数を維持あるいは増加させることができる。
【0068】
なお、図2に示すように、ステープラ1Raを所定の綴じ位置に移動させる動作で、ステープラ1Raが往復移動することにより、カット針収納部6Rに収納されたカット針13Aには、左右方向の力が掛かる。これにより、カット針収納部6R内で、カット針13Aの片寄りを抑制して、カット針13Aを略均等な高さに均して収納できる。
【0069】
収納されているカット針13Aが片寄ることにより嵩が増えると、カット針13Aの満載検知で処理を停止する構成では、カット針収納部6Rにまだ残容量があっても、カット針13Aを収納することができず、カット針収納部6Rを有効に使用できない。これに対し、カット針13Aの片寄りを抑制して、カット針13Aを略均等な高さに均して収納できることで、収納されているカット針13Aの片寄りに起因する誤検知等を抑制することができ、カット針収納部6Rを有効に使用することができる。
【0070】
後処理装置502Aに搭載されたステープラ1Raは、図1に示すように、用紙挟持部4R側が上向きとなるように傾斜し、かつ、図2に示すように、綴じ位置に合わせて移動する。このため、ステープラ1Raの位置により、排出路33Rと排出路33Rの傾斜、排出路33Rと排出路33Rとの間の高さ、カット針収納部6Rの傾斜、回収路60Rと回収路60Rとの間の高さが変化する。
【0071】
そこで、ステープラ1Raは、図2に示す第1の位置Pp1、第2の位置Pp2あるいは第3の位置Pp3の何れに移動しても、排出路33Rと排出路33Rの少なくとも一方が、カット部30Rより排出口34R、34Rが低くなるように構成される。また、カット針収納部6Rは、後処理装置502A内におけるステープラ1Raの位置によらず、カット針収納部6Rの本体部分が、回収路60Rあるいは回収路60Rの一方あるいは両方より下側に位置するように構成される。
【0072】
これにより、ステープラ1Raが綴じ動作で第1の位置Pp1、第2の位置Pp2あるいは第3の位置Pp3の何れに移動しても、カット部30Rでカットされたカット針13Aが、カット部30Rと、排出路33R及び排出路33Rに滞留することを抑制できる。また、排出路33R及び排出路33Rから排出されたカット針13Aが、回収路60R及び回収路60Rに滞留することを抑制できる。よって、カット部30Rでカットされたカット針13Aを、カット針収納部6Rに収納できる。
【0073】
ステープラ1Raで用紙Pを綴じる動作では、軸32Rを支点とした回転動作で綴じユニット3Rが移動することで、排出路33R及び排出路33Rが移動する。排出路の排出口の移動量が大きくなると、排出口が連結されるカット針収納部の回収口が、排出口の移動範囲に合わせた大きさとする必要があるので、ステープラが大型化する。
【0074】
これに対し、一方の排出路33Rの排出口34R及び他方の排出路33Rの排出口34Rを、軸32Rの近傍に配置することで、排出口34R及び排出口34Rの移動量を少なく抑えることができ、ステープラ1Raの小型化を図ることができる。
【0075】
また、カット針収納部6Rの一方の回収口61Rに、一方の排出路33Rの排出口34Rが入り込む形態とし、かつ、回収口61Rの開口の範囲内で排出口34Rが移動できる構成とした。同様に、カット針収納部6Rの他方の回収口61Rに、他方の排出路33Rの排出口34Aが入り込む形態とし、かつ、回収口61Rの開口の範囲内で排出口34Rが移動できる構成とした。これにより、カット針収納部6Rと排出路33Rとの連結部分でのカット針13Aの外部への漏れを抑制することができる。
【0076】
<カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの変形例>
図10図11は、カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの変形例を示す側面図、図12は、カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの変形例を示す背面図、図13は、カット針満載検知を行う第1の実施の形態の変形例のステープラの動作例を示す構成図である。
【0077】
変形例のステープラ1Rbは、ステープラ1Raと同様に、針打出ユニット2Rと綴じユニット3Rを備え、針打出ユニット2Rと綴じユニット3Rとの間に、用紙Pを挟持する用紙挟持部4Rを備える。
【0078】
ステープラ1Rbは、カット針量検知部94Rを備える。カット針量検知部94Rはカット針満載検知手段の一例で、接触可動部95Rb、95Rbと、接触可動部95Rb、95Rbを検知するセンサ96R、96Rと、接触可動部95Rb、95Rbを付勢するバネ97Rb、97Rbを備える。
【0079】
接触可動部95Rbは、カット針収納部6Rの一方の回収路60Rに回収口61Rから入り込んで上方から突出し、カット針13Aの積載方向に沿った上下方向に移動可能に設けられる。接触可動部95Rbは、バネ97Rbにより下方に向けて押圧される。センサ96Rは、接触可動部95Rbの有無を検知することで、カット針13Aの量が満載か否かを検知する。センサ96Rは、本例では、非満載位置に移動した接触可動部95Rbを検知する位置に設けられる。
【0080】
接触可動部95Rbは、カット針収納部6Rの他方の回収路60Rに回収口61Rから入り込んで上方から突出し、カット針13Aの積載方向に沿った上下方向に移動可能に設けられる。接触可動部95Rbは、バネ97Rbにより下方に向けて押圧される。センサ96Rは、接触可動部95Rbの有無を検知することで、カット針13Aの量が満載か否かを検知する。センサ96Rは、本例では、非満載位置に移動した接触可動部95Rbを検知する位置に設けられる。
【0081】
接触可動部95Rbは、用紙の挟持、針の打出し、クリンチを行う駆動部を構成するカム51Rの動作がリンク部53Rを介して伝達され、カム51Rの動作で昇降する。接触可動部95Rbは、用紙の挟持、針の打出し、クリンチを行う駆動部を構成するカム51Rの動作がリンク部53Rを介して伝達され、カム51Rの動作で昇降する。
【0082】
<カット針満載検知を行う第1の実施の形態の変形例のステープラの作用効果例>
ステープラ1Rbでは、針で用紙を綴じる動作でカム51Rが回転すると、リンク部53Rの動作で接触可動部95Rbが昇降すると共に、リンク部53Rの動作で接触可動部95Rbが昇降する。
【0083】
カット針収納部6Rに収納されているカット針13Aの量が少ない場合、接触可動部95Rbは、バネ97Rbにより下方に向けて押圧されて非満載検知位置に移動しており、センサ96Rで検知される。また、接触可動部95Rbは、バネ97Rbにより下方に向けて押圧されて非満載検知位置に移動しており、センサ96Rで検知される。よって、カット針13Aの量が満載ではないことが検知できる。
【0084】
カット針収納部6Rに収納されているカット針13Aの量が満載となると、接触可動部95Rbは非満載検知位置まで下降できずに上昇した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。また、接触可動部95Rbは非満載検知位置まで下降できずに上昇した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。よって、カット針13Aの量が満載であることが検知できる。
【0085】
図2等で説明した後処理装置502Aでは、ステープラ1Rbの位置によって、図13に示すように、ステープラ1Rbが傾斜した状態となる。このような場合、本例では、カット針収納部6Rの一方の回収路60R側では、カット針13Aの積載高さが低くなる。このため、接触可動部95Rbは非満載検知位置まで下降し、センサ96Rで検知される。一方、カット針収納部6Rの他方の回収路60R側では、カット針13Aの積載高さが高くなる。このため、接触可動部95Rbは非満載検知位置まで下降できずに上昇した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。よって、ステープラ1Rbが傾斜した場合でも、カット針13Aの量が満載であるか否かを正確に検知できる。
【0086】
<カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの他の変形例>
図14図15は、カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの他の変形例を示す側面図、図16は、カット針満載検知を行う第1の実施の形態のステープラの他の変形例を示す下面図、図17は、カット針満載検知を行う第1の実施の形態の他の変形例のステープラの動作例を示す構成図である。
【0087】
他の変形例のステープラ1Rcは、ステープラ1Raと同様に、針打出ユニット2Rと綴じユニット3Rを備え、針打出ユニット2Rと綴じユニット3Rとの間に、用紙Pを挟持する用紙挟持部4Rを備える。
【0088】
ステープラ1Rcは、カット針量検知部94Rを備える。カット針量検知部94Rはカット針満載検知手段の一例で、接触可動部95Rc、95Rcと、接触可動部95Rc、95Rcを検知するセンサ96R、96Rと、接触可動部95Rc、95Rcを変位させるリンク98Rc、98Rcと、接触可動部95Rc、95Rcをリンク98Rc、98Rcを介して付勢するバネ97Rc、97Rcを備える。
【0089】
接触可動部95Rcは、カット針収納部6Rの一方の回収路60Rに側方から突出し、前後方向に移動可能に設けられる。リンク98Rcは、軸99Rcを支点に回転し、接触可動部95Rcを前後方向に移動させる。接触可動部95Rcは、リンク98Rcを介してバネ97Rcにより後方に向けて押圧される。センサ96Rは、接触可動部95Rcの有無を検知することで、カット針13Aの量が満載か否かを検知する。センサ96Rは、本例では、非満載位置に移動した接触可動部95Rcを検知する位置に設けられる。
【0090】
接触可動部95Rcは、カット針収納部6Rの他方の回収路60Rに側方から突出し、前後方向に移動可能に設けられる。リンク98Rcは、軸99Rcを支点に回転し、接触可動部95Rcを前後方向に移動させる。接触可動部95Rcは、リンク98Rcを介してバネ97Rcにより後方に向けて押圧される。センサ96Rは、接触可動部95Rcの有無を検知することで、カット針13Aの量が満載か否かを検知する。センサ96Rは、本例では、非満載位置に移動した接触可動部95Rcを検知する位置に設けられる。
【0091】
接触可動部95Rcは、用紙の挟持、針の打出し、クリンチを行う駆動部を構成するカム51Rの動作がリンク部53R及びリンク98Rcを介して伝達され、カム51Rの動作で前後移動する。すなわち、リンク98Rcがカム51R、リンク部53Rによって回動されたとき、接触可動部95Rcは、バネ100Rによって前方に押圧されて移動する。なお、バネ97Rcのバネ力は、バネ100Rのバネ力より大きく設けられており、カム51Rが待機位置へ戻ることで、バネ100Rのバネ力により、接触可動部95Rcが後方に待機する。また、接触可動部95Rcは、用紙の挟持、針の打出し、クリンチを行う駆動部を構成するカム51Rの動作がリンク部53R及びリンク98Rcを介して伝達され、カム51Rの動作で前後移動する。すなわち、リンク98Rcがカム51R、リンク部53Rによって回動されたとき、接触可動部95Rcは、バネ100Rによって前方に押圧されて移動する。なお、バネ97Rcのバネ力は、バネ100Rのバネ力より大きく設けられており、カム51Rが待機位置へ戻ることで、バネ100Rのバネ力により、接触可動部95Rcが後方に待機する。
【0092】
<カット針満載検知を行う第1の実施の形態の他の変形例のステープラの作用効果例>
ステープラ1Rcでは、針で用紙を綴じる動作でカム51Rが回転すると、リンク部53Rの動作で接触可動部95Rcが前後方向に移動すると共に、リンク部53Rの動作で接触可動部95Rcが前後方向に移動する。
【0093】
カット針収納部6Rに収納されているカット針13Aの量が少ない場合、接触可動部95Rcは、バネ97Rcにより後方に向けて押圧されて非満載検知位置に移動しており、センサ96Rで検知される。また、接触可動部95Rcは、バネ97Rcにより後方に向けて押圧されて非満載検知位置に移動しており、センサ96Rで検知される。よって、カット針13Aの量が満載ではないことが検知できる。
【0094】
カット針収納部6Rに収納されているカット針13Aの量が満載となると、接触可動部95Rcは非満載検知位置まで移動できずに前方に移動した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。また、接触可動部95Rcは非満載検知位置まで移動できずに前方に移動した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。よって、カット針13Aの量が満載であることが検知できる。
【0095】
図2等で説明した後処理装置502Aでは、ステープラ1Rdの位置によって、図17に示すように、ステープラ1Rcが傾斜した状態となる。このような場合、本例では、カット針収納部6Rの一方の回収路60R側では、カット針13Aの積載高さが低くなる。このため、接触可動部95Rcは非満載検知位置まで移動し、センサ96Rで検知される。一方、カット針収納部6Rの他方の回収路60R側では、カット針13Aの積載高さが高くなる。このため、接触可動部95Rcは非満載検知位置まで移動できずに前方に移動した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。よって、ステープラ1Rcが傾斜した場合でも、カット針13Aの量が満載であるか否かを正確に検知できる。
【0096】
<カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの構成例>
図18図19は、カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの一例を示す側面図、図20は、カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの一例を示す背面図、図21図25は、カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの動作例を示す構成図である。
【0097】
ステープラ1Rdは、ステープラ1Raと同様に、針打出ユニット2Rと綴じユニット3Rを備え、針打出ユニット2Rと綴じユニット3Rとの間に、用紙Pを挟持する用紙挟持部4Rを備える。
【0098】
ステープラ1Rdは、カット針量検知部94Rを備える。カット針量検知部94Rはカット針満載検知手段の一例で、接触可動部95Rd、95Rdと、接触可動部95Rdを検知するセンサ96Rと、接触可動部95Rd、95Rdを変位させるリンク98Rd、98Rdと、接触可動部95Rd、95Rdを付勢するバネ97Rd、97Rdを備える。
【0099】
接触可動部95Rdは、カット針収納部6Rの一方の回収路60Rに側方から突出し、カット針13Aの積載方向に沿った上下方向に移動可能に設けられる。リンク98Rdは、軸99Rdを支点に回転し、接触可動部95Rdを上下方向に移動させる。接触可動部95Rdは、バネ97Rdにより下方に向けて押圧される。センサ96Rは、接触可動部95Rdの有無を検知することで、カット針13Aの量が満載か否かを検知する。センサ96Rは、本例では、非満載位置に移動した接触可動部95Rdを検知する位置に設けられる。
【0100】
接触可動部95Rdは、カット針収納部6Rの他方の回収路60Rに側方から突出し、カット針13Aの積載方向に沿った上下方向に移動可能に設けられる。リンク98Rdは、軸99Rdを支点に回転し、接触可動部95Rdを上下方向に移動させる。接触可動部95Rdは、バネ97Rdにより下方に向けて押圧される。
【0101】
接触可動部95Rdは、用紙の挟持、針の打出し、クリンチを行う駆動部を構成するカム51Rの動作がリンク部53R及びリンク98Rdを介して伝達され、カム51Rの動作で昇降する。接触可動部95Rdは、用紙の挟持、針の打出し、クリンチを行う駆動部を構成するカム51Rの動作がリンク部53R及びリンク98Rdを介して伝達され、カム51Rの動作で昇降する。リンク98Rdとリンク98Rdは、軸98Rで連結されて連動する。
【0102】
<カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの作用効果例>
ステープラ1Rdでは、カット針収納部6Rに収納されているカット針13Aの量が少ない場合、接触可動部95Rdは、バネ97Rdにより下方に向けて押圧されて非満載検知位置に移動しており、センサ96Rで検知される。また、リンク98Rdとリンク98Rdが軸98Rで連結されて連動するので、接触可動部95Rdは、バネ97Rdにより下方に向けて押圧されて非満載検知位置に移動する。よって、カット針13Aの量が満載ではないことが検知できる。
【0103】
針で用紙を綴じる動作でカム51Rが回転すると、図21に示すように、リンク部53R、リンク98Rdの動作で接触可動部95Rdが上昇する。また、図22に示すように、リンク部53R、リンク98Rdの動作で接触可動部95Rdが上昇する。
【0104】
針で用紙を綴じる動作でカム51Rが更に回転すると、カット針収納部6Rに収納されているカット針13Aの量が満載である場合、図23に示すように、接触可動部95Rdは非満載検知位置まで下降できずに上方に移動した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。また、図24に示すように、接触可動部95Rdは非満載検知位置まで下降できずに上方に移動した位置で停止する。よって、カット針13Aの量が満載であることが検知できる。
【0105】
図2等で説明した後処理装置502Aでは、ステープラ1Rdの位置によって、図25に示すように、ステープラ1Rdが傾斜した状態となる。このような場合、本例では、カット針収納部6Rの回収路60R側では、カット針13Aの積載高さが高くなる。このため、接触可動部95Rdは非満載検知位置まで移動できずに上に移動した位置で停止する。
【0106】
これに対し、カット針収納部6Rの回収路60R側では、カット針13Aの積載高さが低くなる。但し、リンク98Rdとリンク98Rdが軸98Rで連結されて連動するので、カット針13Aの積載高さによらず、接触可動部95Rdは非満載検知位置まで移動できずに上に移動した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。これにより、ステープラ1Rdの傾斜の向きによらず、1つのセンサでカット針13Aの量が満載であるか否かを正確に検知できる。
【0107】
<カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの変形例>
図26図27は、カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの変形例を示す側面図、図28は、カット針満載検知を行う第2の実施の形態のステープラの変形例を示す背面図、図29図33は、カット針満載検知を行う第2の実施の形態の変形例のステープラの動作例を示す構成図である。
【0108】
ステープラ1Reは、ステープラ1Raと同様に、針打出ユニット2Rと綴じユニット3Rを備え、針打出ユニット2Rと綴じユニット3Rとの間に、用紙Pを挟持する用紙挟持部4Rを備える。
【0109】
ステープラ1Rdは、カット針量検知部94Rを備える。カット針量検知部94Rはカット針満載検知手段の一例で、接触可動部95Re、95Reと、接触可動部95Reを検知するセンサ96Rと、接触可動部95Re、95Reを変位させるリンク98Re、98Reと、接触可動部95Re、95Reをリンク98Re、98Reを介いて付勢するバネ97Re、97Reを備える。
【0110】
接触可動部95Reは、カット針収納部6Rの一方の回収路60Rに側方から突出し、前後方向に移動可能に設けられる。リンク98Reは、軸99Reを支点に回転し、接触可動部95Reを前後方向に移動させる。接触可動部95Reは、リンク98Reを介してバネ97Reにより後方に向けて押圧される。センサ96Rは、接触可動部95Reの有無を検知することで、カット針13Aの量が満載か否かを検知する。センサ96Rは、本例では、非満載位置に移動した接触可動部95Reを検知する位置に設けられる。
【0111】
接触可動部95Reは、カット針収納部6Rの他方の回収路60Rに側方から突出し、前後方向に移動可能に設けられる。リンク98Reは、軸99Reを支点に回転し、接触可動部95Reを前後方向に移動させる。接触可動部95Reは、リンク98Reを介してバネ97Reにより後方に向けて押圧される。
【0112】
接触可動部95Reは、用紙の挟持、針の打出し、クリンチを行う駆動部を構成するカム51Rの動作がリンク部53R及びリンク98Reを介して伝達され、カム51Rの動作で前後移動する。すなわち、リンク98Reがカム51R、リンク部53Rによって回動されたとき、接触可動部95Reは、バネ100Rによって前方に押圧されて移動する。なお、バネ97Reのバネ力は、バネ100Rのバネ力より大きく設けられており、カム51Rが待機位置へ戻ることで、バネ100Rのバネ力により、接触可動部95Reが後方に待機する。また、接触可動部95Reは、用紙の挟持、針の打出し、クリンチを行う駆動部を構成するカム51Rの動作がリンク部53R及びリンク98Reを介して伝達され、カム51Rの動作で前後移動する。すなわち、リンク98Reがカム51R、リンク部53Rによって回動されたとき、接触可動部95Reは、バネ100Rによって前方に押圧されて移動する。なお、バネ97Reのバネ力は、バネ100Rのバネ力より大きく設けられており、カム51Rが待機位置へ戻ることで、バネ100Rのバネ力により、接触可動部95Reが後方に待機する。リンク98Reとリンク98Reは、軸98Rで連結されて連動する。
【0113】
<カット針満載検知を行う第2の実施の形態の変形例のステープラの作用効果例>
ステープラ1Reでは、カット針収納部6Rに収納されているカット針13Aの量が少ない場合、接触可動部95Reは、リンク98Reを介してバネ97Reにより後方に向けて押圧されて非満載検知位置に移動しており、センサ96Rで検知される。また、リンク98Reとリンク98Reが軸98Rで連結されて連動するので、接触可動部95Reは、リンク98Reを介してバネ97Reにより後方に向けて押圧されて非満載検知位置に移動する。よって、カット針13Aの量が満載ではないことが検知できる。
【0114】
針で用紙を綴じる動作でカム51Rが回転すると、図29に示すように、リンク部53R、リンク98Reの動作で接触可動部95Reが前方に移動する。また、図30に示すように、リンク部53R、リンク98Reの動作で接触可動部95Reが前方に移動する。
【0115】
針で用紙を綴じる動作でカム51Rが更に回転すると、カット針収納部6Rに収納されているカット針13Aの量が満載である場合、図31に示すように、接触可動部95Reは非満載検知位置まで移動できずに前方に移動した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。また、図32に示すように、接触可動部95Reは非満載検知位置まで移動できずに前方に移動した位置で停止する。よって、カット針13Aの量が満載であることが検知できる。
【0116】
図2等で説明した後処理装置502Aでは、ステープラ1Reの位置によって、図33に示すように、ステープラ1Reが傾斜した状態となる。このような場合、本例では、カット針収納部6Rの回収路60R側では、カット針13Aの積載高さが高くなる。このため、接触可動部95Reは非満載検知位置まで移動できずに前方に移動した位置で停止する。
【0117】
これに対し、カット針収納部6Rの回収路60R側では、カット針13Aの積載高さが低くなる。但し、リンク98Reとリンク98Reが軸98Rで連結されて連動するので、カット針13Aの積載高さによらず、接触可動部95Reは非満載検知位置まで移動できずに前方に移動した位置で停止し、センサ96Rで非検知となる。これにより、ステープラ1Reの傾斜の向きによらず、1つのセンサでカット針13Aの量が満載であるか否かを正確に検知できる。
【0118】
<本実施の形態の画像形成システムの制御機能例>
図34は、本実施の形態の画像形成システムの制御機能の一例を示す機能ブロック図である。画像形成システム500Aは、画像形成装置501Aと、上述したカット針量検知部94Rを備えたステープラ1Rが搭載された後処理装置502Aを備える。
【0119】
画像形成装置501Aは、システム全体を制御する制御手段としての主制御部600と、ユーザが作業情報等の設定入力を行う操作部602と、情報を表示する表示部603と、点灯、点滅等による通知を行う表示灯604と、警告音を鳴らすブザー605を備える。
【0120】
本実施の形態において、表示部603、表示灯604及びブザー605は、ユーザに情報を通知する通知手段の一例を示しており、これらに限られない。例えば、操作部602と表示部603は一体形成されたオペレーションパネルであってもよい。表示灯604は、表示部603の画面が点灯する構成であってもよいし、表示部603とは異なる部材が点灯する構成であってもよい。
【0121】
後処理装置502Aは、後処理装置502Aを制御する制御手段としての副制御部601と、ステープラ1Rを移動させる移動部606と、扉505Aの開閉を検知する安全検知部607を備える。また、後処理装置502Aは、ステープラ1Rを備え、ステープラ1Rは、駆動部5Aと、カット針量検知部94Rと、針カートリッジ100Rに収納された針10Aの有無及び残量を検知する針検知部608を備える。
【0122】
<本実施の形態の画像形成システムの動作例>
画像形成装置501Aは、本例では、走査露光による潜像の形成、トナーによる潜像の現像、トナーの用紙への転写及び定着により用紙に画像を形成する。
【0123】
後処理装置502Aは、針10Aの打出し、用紙枚数等に基づく針足12Aのカット、針足12Aの折り曲げにより用紙を綴じる動作が行われる。
【0124】
後処理装置502Aでは、主制御部600及び副制御部601により、針10Aの残量、カット針13Aの量が満載であることを検知する満載検知により所定の制御が行われる。また、カット針13Aの量が満載であることを検知する満載検知を正確に行うための制御が行われる。
【0125】
後処理装置502Aでは、用紙を綴じる動作を所定回数実行すると、ステープラ1Rを移動させる動作を行う。例えば、図2に示す第1の位置Pp1で綴じ動作を行う場合、ステープラ1Rは左右方向に傾斜している。このため、カット針収納部6Rが傾斜しているので、カット針収納部6Rに収納されるカット針13Aが片寄り、嵩に左右で差が生じる。
【0126】
そこで、用紙を綴じる動作を所定回数実行すると、移動部606を駆動して、ステープラ1Rを、本例では第2の位置Pp2で往復移動させることで、カット針収納部6Rに収納されたカット針13Aを均す動作を行う。往復移動の回数は、1回以上であれば良い。
【0127】
また、ステープラ1Rで用紙を綴じる動作の停止中、または、後処理装置502Aの待機中の任意のタイミングで、ステープラ1Rを往復移動させることとしても良い。この場合、用紙を綴じる動作の実行回数によらず、ステープラ1Rを往復移動させても良い。
【0128】
ステープラ1Rを往復移動させると、カット針収納部6Rに収納されたカット針13Aには、左右方向の力が掛かる。これにより、カット針収納部6R内で、カット針13Aの片寄りを抑制して、カット針13Aを略均等な高さに均して収納できる。よって、カット針収納部6Rの容量を有効に活用することができる。
【0129】
なお、上述したステープラ1Ra等では、一方の回収路60R側と他方の回収路60R側で、接触可動部95Raと接触可動部95Raが独立して動作できるので、センサ96R、センサ96Rの出力からカット針13Aの片寄の有無を判断できる。これにより、カット針13Aが片寄っていると判断すると、上述したステープラ1Rの往復移動による片寄りを均す動作を行っても良い。
【0130】
また、後処理装置502Aでは、ステープラ1Rが左右方向に傾斜しておらず、カット針13Aの量が満載であるか否かの検知を行うのに好適な位置である満載検知位置、本例では第2の位置Pp2にステープラ1Rを移動させて、カット針量検知部94Rによりカット針13Aの量が満載であるか否かを検知して、カット針13Aの満載検知を行う。
【0131】
まず、カット針収納部6R内でのカット針13Aの片寄りを解消するため、上述したように、用紙を綴じる動作を所定回数実行すると、ステープラ1Rを第2の位置Pp2で往復移動させる動作を行う。
【0132】
次に、ステープラ1Rを停止させる位置を判断し、本例では、ステープラ1Rを第2の位置Pp2に停止させ、カット針量検知部94Rによる満載検知を行う。これにより、カット針収納部6R内でのカット針13Aの片寄りを解消した状態で、カット針13Aの満載検知を行うことができるので、カット針13Aの量が満載であるか否かを検知する満載検知が正確に行える。
【0133】
なお、カット針13Aの満載検知が行われる第2の位置Pp2では、ステープラ1Rに対してカット針収納部6Rを着脱することができない。そこで、後処理装置502Aでは、ステープラ1Rの待機位置を、カット針収納部6Rの着脱可能位置とする。例えば、ステープラ1Rのホームポジションがカット針収納部6Rの着脱可能位置であれば、ステープラ1Rをホームポジション等、カット針収納部6Rの着脱可能位置まで移動させて待機する。これにより、カット針13Aの満載検知後等の所定のタイミングだけではなく、満載検知前の任意のタイミングであっても、カット針収納部6Rを着脱してカット針の回収が可能である。
【0134】
更に、ステープラ1Rが左右に傾斜した状態で綴じ動作を行うことで、カット針13Aの量が満載であることが検知された後、上述したカット針収納部6R内でのカット針13Aの片寄りを解消する動作によりカット針13Aの量が満載であることが非検知になる場合がある。
【0135】
そこで、複数回の綴じ動作の後、上述したようにステープラ1Rを往復移動させる動作を行ってカット針13Aの量が満載であるか否かの検知を行い、カット針13Aの量が満載であることを検知した回数を計数して、カット針13Aの量が満載であることを検知した回数が所定の回数以上である満載検知閾値以上となると、カット針13Aの量が満載であると判断する。これにより、カット針13Aの収容量が増加した段階で、より正確にカット針13Aの量が満載であるか否かの満載検知を行うことができる。
【0136】
なお、カット針13Aの満載検知は、ステープラ1Rを第2の位置Pp2等の所定の位置に移動させて行うのみならず、常時行っても良い。ここでの常時とは、ステープラ1Rの位置によらず、所定の時間毎に行う場合も含む。
【0137】
後処理装置502Aでは、針カートリッジ100Rに収納された針10Aの残量が針検知部608で所定数となったと判断すると、動作を停止する、または所定枚数の綴じ動作を行う等の針残数に応じた制御が行われる。針カートリッジ100Rに収納された針10Aが減ると、カット針収納部6R内のカット針13Aの収容量が増加していると考えられる。そこで、針検知部608により、針カートリッジ100Rに収納された針10Aの残量が減ったことを検知するニアエンド検知や、針10Aの残量が尽きたことを検知するエンド検知が行われると、表示部603、表示灯604、ブザー605の何れか、または組み合わせで、カット針の回収を促す通知を行う。
【0138】
針10Aのエンド、ニアエンド検知が行われると、針10Aを補充する動作が行われることから、一度装置を停止して、扉505Aを開ける操作が行われる。カット針量検知部94Rによる満載検知の有無によらず、針10Aを補充するタイミングに合わせてカット針13Aの回収を促すことで、装置を停止させる回数を減らすことができる。
【0139】
カット針13Aを回収する動作では、カット針収納部6Rをステープラ1Rに対して着脱する動作が行われる。そこで、カット針収納部6Rが着脱される間隔と、カット針収納部6Rが着脱される間隔の間の実打回数、綴じ処理の回数、枚数等に基づき、カット針の残量を予測できる。これにより、カット針量検知部94Rによる満載検知の前の所定のタイミングで、カット針の回収を促す通知ができ、装置が稼働していないタイミングを利用して、カット針の回収を行うことができる。また、カットした針足の長さに基づき、カット針の量を予測しても良い。
【0140】
また、ジョブの設定時に、綴じる用紙の枚数、綴じ部数等から発生し得るカット針13Aの量を予測し、かつ、カット針収納部6Rに収納可能なカット針13Aの残量を予測して、ジョブの実行中にカット針13Aが満載になると判断すると、カット針13Aの満載検知の前の所定のタイミングで、カット針の回収を促す通知を行っても良い。
【0141】
後処理装置502Aでは、安全検知部607で扉505Aが開いたことを検知すると、電源の供給を停止する。但し、カット針収納部6Rでの検知が行えなくなると、満載検知の有無を出力できないので、安全検知部607で扉505Aが開いたことを検知すると、副制御部601とカット針量検知部94Rへの電源供給を継続する。これにより、扉505Aが開いた状態でも、満載検知を通知できる。
【0142】
また、安全検知部607で扉505Aが開いたことを検知すると、カット針の回収を促す通知を行っても良く、扉505Aの開閉回数と、カット針収納部6Rが着脱される回数、間隔から、カット針の残量を予測しても良い。更に、カット針13Aを満載と検知するカット針13Aの量を、操作部602でユーザが設定できるようにしても良い。
【0143】
このように、カット針収納部6Rに収納されるカット針の量を検知するカット針量検知部は、センサに限るものではなく、所定の動作をしたことの計数、検知等により主制御部600、副制御部601が判断することができる。
【0144】
また、カット針収納部6Rの重量、ステープラ1Rの重量を検知し、カット針の量を予測しても良い。
【0145】
更に、カット針量検知部94Rでカット針の満載検知と、カット針収納部6Rの着脱検知を行う構成では、カット針が満載であることの通知、カット針収納部6Rの取付が不十分であることの通知、カット針収納部6Rが取り付けられていないことの通知を合わせて行う。
【0146】
なお、カット針量検知部94Rでの所定の状態の検知と、実行中のジョブ、あるいは、状態の検知の前後の動作に基づき、カット針の満載検知かカット針収納部6Rの着脱状態の検知であるかを判断して、通知内容を変更する制御を行っても良い。
【0147】
すなわち、用紙を綴じるジョブの実行中に、カット針量検知部94Rでの検知があった場合、カット針の満載検知であると判断して、カット針が満載であると通知する。これに対し、後処理装置502Aの扉505Aが閉じたことを検知した直後に、カット針量検知部94Rでの検知があった場合、カット針収納部6Rの取付が不十分であること、カット針収納部6Rが取り付けられていないことも想定される。そこで、カット針が満載であることの通知、カット針収納部6Rの取付が不十分であることの通知、カット針収納部6Rが取り付けられていないことの通知を合わせて行う。
【0148】
カット針の満載が検知されると、画像形成システム500Aでは、実行中の用紙処理のジョブについて、残りの用紙処理のジョブを実行するか判断し、用紙処理のジョブの実行、停止を制御する。実行中のジョブは完了させ、カット針の回収を判断するまで、次のジョブは実行しない制御としても良い。実行中のジョブを完了させると、カット針の回収を促す通知を行う。また、実行中のジョブの残綴じ回数から、ジョブの実行が可能であるか判断しても良い。さらに、針足のカットを行わないジョブであれば、カット針の満載検知後もジョブを継続しても良い。また、カット針の満載が検知された後、何等かの要因でジョブが中断したと判断すると、カット針の回収を促す通知を行っても良い。
【0149】
更に、カット針の満載が検知されると、上述したように、ステープラ1Rを所定の位置で往復移動させることで、カット針収納部6Rに収納されたカット針13Aを均す動作を行って、実行中の用紙処理のジョブについて、残りの用紙処理のジョブを継続しても良い。
【0150】
これに対し、カット針の満載が検知された後、上述したカット針収納部6R内でのカット針13Aの片寄りを解消する動作により、カット針13Aの量が満載であることが非検知になる場合であっても、カット針の回収を判断するまで、ジョブは実行しない制御としても良い。
【0151】
カット針の満載が検知されると、ジョブ停止後、ステープラ1Rをホームポジション等、カット針収納部6Rの着脱可能位置まで移動させて待機する。
【0152】
後処理装置502Aでは、上述したように、カット針収納部6Rに収納されたカット針13Aの片寄を解消してから満載検知を行う、また、ステープラ1Rにおいて左右の傾きが生じない位置で満載検知を行う等、満載検知に適した条件が設定される。
【0153】
後処理装置502Aでは、ステープラ1Rで用紙を綴じる動作を行うと、ステープラ1Rが振動する。また、綴じ動作終了後も、ステープラ1Rの振動が所定の時間継続する。ステープラ1Rが振動していると、カット針収納部6Rに収納されたカット針13Aの上面が振動することで、カット針13Aの上面が一時的に満載位置に到達して、満載であると誤検知される可能性がある。
【0154】
そこで、満載検知条件として、ステープラ1Rで満載検知の誤検知の要因となる振動が発生し得る状態であるか判断し、ステープラ1Rで用紙を綴じる動作中、ステープラ1Rを綴じ位置等に移動中は、満載検知条件を満たさないとして満載検知を行わない。また、満載検知の誤検知の要因となる振動が、誤検知の要因とならない程度にまで低減する時間である振動収束時間が設定され、ステープラ1Rの動作開始後の所定のタイミングから、振動収束時間が経過するまでは満載検知を行わない。
【0155】
例えば、ステープラ1Rで用紙を綴じる動作の終了後、ステープラ1Rをホームポジション等に移動後、振動収束時間が経過すると、満載検知条件を満たすと判断し、カット針量検知部94Rでの検知を行う。ここで、カット針の満載検知位置がホームポジションと異なる場合は、ステープラ1Rを満載検知位置へ移動後、振動収束時間が経過すると、カット針量検知部94Rでの検知を行う。
【0156】
なお、後処理装置502Aに振動を検知する振動検知センサを備え、満載検知の誤検知の要因となる振動が検知されると、満載検知を行わないようにしても良い。
【0157】
また、後処理装置としては、ステープラ以外に、用紙に穴あけを行う装置、用紙を揃える装置、用紙を切断する装置、用紙を曲げる装置等がある。そこで、これらステープラ以外の後処理装置の動作が終了していない間に、カット針量検知部94Rでの検知を行う。また、これらステープラ以外の後処理装置についても振動収束時間を設定し、ステープラ以外の後処理装置の動作終了後、振動収束時間が経過すると、カット針量検知部94Rでの検知を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0158】
1R・・・ステープラ、10A・・・針、11A・・・針クラウン、12A・・・針足、13A・・・カット針、2R・・・針打出ユニット、20R・・・収納部、21R・・・繰り出し部、22R・・・打出部、3R・・・綴じユニット、30R・・・カット部、31R・・・クリンチャ部、32R・・・軸、33R(33R,33R)・・・排出路、34R,34R・・・排出口、4R・・・用紙挟持部、5R・・・駆動部、6R・・・カット針収納部、60R,60R・・・回収路、61RA,61R・・・回収口、94R・・・カット針量検知部、100R・・・針カートリッジ、600・・・主制御部、601・・・副制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
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図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34