(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0014】
[画像形成装置の全体構成]
図1に示す画像形成装置1は、本発明に係るシート搬送装置を備える画像形成装置の一実施形態であり、本体筐体2と、シートカセット10及びシート搬送部20を有する供給ユニット3と、本体筐体2に設けられ、シートカセット10を収容するシートカセット収容部2aと、画像形成ユニット5と、駆動力を供給するモータ40及びモータ40の駆動力を伝達する伝達機構41を有する駆動部4(
図2参照)と、制御部6(
図6参照)とを備えている。シート搬送装置は、本体筐体2、シートカセット10、シート搬送部20、シートカセット収容部2a、駆動部4、及び制御部6等により構成されている。
【0015】
以下の説明においては、
図1における「左側」、「右側」、「紙面手前側」、及び「紙面奥側」を、それぞれ画像形成装置1の「後側」、「前側」、「右側」、及び「左側」と規定する。また、
図1における「上側」及び「下側」を、それぞれ画像形成装置1の「上側」及び「下側」と規定する。
【0016】
本体筐体2は略直方体形状に形成される箱体であり、供給ユニット3、画像形成ユニット5、駆動部4、及び制御部6を収容している。本体筐体2の下部は、シートカセット10を着脱可能に収容するシートカセット収容部2aとして構成されている。本体筐体2は、第2筐体の一例である。
【0017】
供給ユニット3は、画像形成装置1の下部に配置され、シートカセット10に収容されるシート18をシート搬送部20によって画像形成ユニット5に搬送するものである。
【0018】
シートカセット10は、シートカセット収容部2aの所定の位置に収容された状態となる収容位置と、シートカセット収容部2aから分離されてシートカセット収容部2aに収容されていない状態となる分離位置との間で変位可能に構成されている。収容位置にあるシートカセット10は、前方へ移動することにより分離位置に変位し、分離位置にあるシートカセット10は、後方へ移動することにより収容位置に変位する。
また、供給ユニット3は、シートカセット10がシートカセット収容部2aに収容された状態にあるか又は収容されていない状態にあるかを検出するカセットセンサ93(
図6参照)を備えている。
【0019】
図1、
図2に示すように、シートカセット10は、シート18を収容するカセット本体11と、カセット本体11内に配置され、シート18を支持するとともに、最下位置となる第1位置と前記第1位置よりも上側の位置となる第2位置との間で移動可能に構成される圧板12と、カセット本体11内における圧板12の下方に配置され、圧板12と常に接触しながら、圧板12を第1位置と第2位置との間で移動させる押上板13とを有している。カセット本体11は第1筐体の一例である。
【0020】
圧板12は、カセット本体11に、後端部の回動支点12aを中心として回動可能に支持されており、回動支点12aを中心に回動することで、圧板12の前端部を上下方向に移動することが可能となっている。
【0021】
押上板13は、カセット本体11に、後端部の回動支点13aを中心として回動可能に支持されており、回動支点13aを中心に回動することで、圧板12を第1位置と第2位置との間で移動させることが可能となっている。押上板13においては、前端部が圧板12の下面と接触する接触部13bとなっている。押上板13は、モータ40からの駆動力により駆動される。
圧板12及び押上板13は、亜鉛メッキ鋼板により形成されている。なお、圧板12及び押上板13は、必ずしも亜鉛メッキ鋼板製である必要はなく、ほかの金属や導電性樹脂等の導体で形成してもよい。
【0022】
伝達機構41は、モータ40からの駆動力を押上板13に伝達するための機構であり、
図2に示すように、カセット本体11の左右一側の外側面11aに配置されている。
伝達機構41は、モータ40に接続される圧板駆動ギア42とかみ合う圧板移動ギア411と、圧板移動ギア411の駆動力伝達方向における下流側に配置され圧板移動ギア411とかみ合うギア412aと、ギア412aと同軸に配置されギア412aと一体的に回転するギア412bと、ギア412bの駆動力伝達方向における下流側に配置されギア412bとかみ合うギア413とを備えている。ギア413は押上板13に接続されている。
【0023】
圧板移動ギア411にはモータ40からの駆動力が圧板駆動ギア42を介して入力され、圧板駆動ギア42に入力された駆動力はギア412a、ギア412b及びギア413を介して押上板13に伝達され、押圧板13を駆動する。
【0024】
圧板12が第1位置にあるときに押上板13がモータ40により駆動されて上方へ回動すると、押上板13は、接触部13bと圧板12の下面とが接触した状態を保ちながら圧板12を上側へ移動させる。最下位置にある圧板12は、押上板13により、圧板12上に支持されるシート18が給紙可能となる給紙可能位置まで上側へ移動される(
図1に示す状態)。
【0025】
図3に示すように、押上板13は、圧板12の回動位置にかかわらず常に圧板12と接触していて、押上板13と圧板12とは電気的に接続されているが、圧板12の押上板13が接触する部分には、導電性グリス121が塗布されている。つまり、圧板12の下面には導電性グリス121が塗布されており、押上板13の接触部13bは、圧板12の導電性グリス121が塗布されている部分に接触している。
このように、圧板12の押上板13が接触する部分に導電性グリス121を塗布することで、圧板12と押上板13とを安定して電気的に接続することが可能となっている。
【0026】
圧板駆動ギア42は本体筐体2に設けられており、シートカセット10が収容位置にあるときに、圧板駆動ギア42と伝達機構41の圧板移動ギア411とがかみ合って、モータ40からの駆動力が伝達機構41に入力されるように構成されている。
一方、シートカセット10が分離位置にあるときには、圧板駆動ギア42と圧板移動ギア411とが切り離されて、モータ40からの駆動力が伝達機構41に入力されないように構成されている。
【0027】
シートカセット10が収容位置にあるときにおいて、第1位置にある圧板12が押上板13により第2位置まで上側へ移動された後は、モータ40と圧板駆動ギア42との間に設けられる逆転防止機構により、圧板駆動ギア42が逆回転することが防止されるため、モータ40の回転が停止したとしても、圧板12は第2位置に保持されることとなる。
一方、圧板12が押上板13により第2位置まで上側へ移動された状態で、収容位置にあるシートカセット10が分離位置に変位すると、圧板駆動ギア42と圧板移動ギア411とのかみ合いが解除されるため、圧板12が最下位置となる第1位置まで下降する。
【0028】
シート搬送部20は、シートカセット10に保持されるシート18を一枚ずつ分離して取り出し、画像形成ユニット5へ向けて搬送する機構であり、ピックアップローラ21、分離ローラ22、分離パッド23、搬送ローラ24a、及びレジストローラ25を備えている。
【0029】
ピックアップローラ21は、圧板12により給紙可能位置まで上側へ移動されたシート18を取り出すためのローラであり、圧板12の前端部の上方に配置されている。圧板12上に載置されたシート18は、給紙可能位置まで上側へ移動された状態では、その上端がピックアップローラ21に適度な圧力で圧接して給紙可能な状態となっている。
【0030】
押上板13により上側へ移動される圧板12は、圧板12上にシート18が支持されている場合は、支持されるシート18の上端がピックアップローラ21に圧接する給紙可能位置まで上側へ移動すると、その上側への移動が停止される。
【0031】
また、圧板12は、圧板12上にシート18が支持されていない場合は、上下方向の移動可能範囲における最上位置に達すると上側への移動が停止するように構成されている。この場合、圧板12の上下方向の移動可能範囲における最上位置は、例えば圧板12がピックアップローラ21に圧接する位置に設定されている。
【0032】
分離ローラ22は、ピックアップローラ21よりもシート18の搬送方向下流側に配置されており、分離パッド23は、分離ローラ22に対向配置されるとともに分離ローラ22に向けて付勢されている。
ピックアップローラ21により取り出されたシート18は、分離ローラ22側へ送り出され、分離ローラ22と分離パッド23との間で1枚ずつに分離されて、搬送ローラ24aに向けて搬送される。
【0033】
搬送ローラ24aは、シート18に搬送力を付与するローラであり、分離ローラ22よりもシート18の搬送方向下流側に配置されている。搬送ローラ24aの対向位置には、紙粉取りローラ24bが配置されている。搬送ローラ24aに向けて搬送されてきたシート18は、搬送ローラ24aと紙粉取りローラ24bとで挟持され、レジストローラ25へ向けて搬送される。
【0034】
レジストローラ25は、搬送ローラ24aよりもシート18の搬送方向下流側に配置されており、搬送されるシート18の先端の移動を、レジストローラ25に対向配置されるレジストコロ26との間で規制して一旦停止させた後、所定のタイミングにて転写位置に向けて搬送する。
【0035】
画像形成ユニット5は、供給ユニット3よりもシート18の搬送方向下流側に配置され、供給ユニット3から搬送されてきたシート18に画像を形成するものである。
画像形成ユニット5は、供給ユニット3から搬送されてきたシート18の表面に画像を転写するプロセスカートリッジ50と、プロセスカートリッジ50の感光体ドラム54の表面を露光する露光ユニット60と、プロセスカートリッジ50によりシート18に転写された画像を定着させる定着ユニット70とを備えている。
【0036】
プロセスカートリッジ50は、本体筐体2におけるシートカセット収容部2aよりも上方に配置されており、現像剤収容室51と、供給ローラ52と、現像ローラ53と、感光体ドラム54と、転写ローラ55等とを備えている。
【0037】
露光ユニット60は、レーザダイオード、ポリゴンミラー、レンズ、及び反射鏡等を備えており、画像形成装置1に入力された画像データに基づいてレーザ光を感光体ドラム54へ向けて照射することにより、感光体ドラム54の表面を露光する。
【0038】
現像剤収容室51には現像剤となるトナーが収容されている。現像剤収容室51に収容されたトナーは、図示しない撹拌部材により撹拌されながら供給ローラ52に送られる。供給ローラ52は、現像剤収容室51から送られてくるトナーをさらに現像ローラ53へ供給する。
【0039】
現像ローラ53は、供給ローラ52に密着して配置されており、供給ローラ52から供給されるとともに図示しない摺接部材により正帯電されたトナーを担持する。また、現像ローラ53には、図示しないバイアス印加手段により正の現像バイアスが印加される。
【0040】
感光体ドラム54は、現像ローラ53に隣接して配置されている。感光体ドラム54の表面は、図示しない帯電器により一様に正帯電された後、露光ユニット60により露光される。感光体ドラム54の露光された部分は他の部分よりも電位が低くなり、感光体ドラム54に画像データに基づく静電潜像が形成される。
そして、静電潜像が形成された感光体ドラム54の表面に、正に帯電されたトナーが現像ローラ53から供給されることにより、静電潜像が顕像化されて現像剤像となる。
【0041】
転写ローラ55は、感光体ドラム54に対向配置され、図示しないバイアス印加手段により負の転写バイアスが印加される。転写ローラ55の表面に転写バイアスがされている状態で、現像剤像が形成された感光体ドラム54と転写ローラ55との間(転写位置)でシート18を挟持しなから搬送することにより、感光体ドラム54の表面に形成された現像剤像がシート18の表面に転写される。
【0042】
定着ユニット70は、加熱ローラ71と押圧ローラ72とを備えている。加熱ローラ71はモータ40からの駆動力により回転駆動され、加熱ローラ71は図示しない電源から電力を供給することで加熱される。押圧ローラ72は加熱ローラ71に対向配置されており、加熱ローラ71に密着して従動回転する。現像剤像が転写されたシート18が定着ユニット70に搬送されてくると、加熱ローラ71と押圧ローラ72との間でシート18を挟持しながら搬送し、シート18に現像剤像を定着させる。
【0043】
排出ユニット8は、画像形成ユニット5よりもシート18の搬送方向下流側に配置され、画像形成ユニット5により画像が形成されたシート18を本体筐体2の外部へ排出するものである。排出ユニット8は、排出ローラ81と、排出トレイ82とを備えている。排出ローラ81は一対のローラであり、定着ユニット70から搬送されてくるシート18を本体筐体2の外部へ向けて排出する。排出トレイ82は本体筐体2の上面に形成されており、排出トレイ82には排出ローラ81により本体筐体2の外部に排出されたシート18が堆積される。
【0044】
また、画像形成装置1は、圧板12が第1位置から上側へ移動された際に圧板12に支持されているシート18に接触して、シート18が圧板12の上側への移動により所定の移動位置まで到達したことを検出するシートセンサ9を備えている。
図4、
図11に示すように、シートセンサ9は、接触子91と検出器92とアクチュエータ93とを備えたセンサである。接触子91は回動中心91aを中心として回動可能に構成されており、圧板12が上側へ移動された際に圧板12上に支持されているシート18と接触して回動するように構成されている。
【0045】
検出器92は、電力の供給を受けると光を発する光源である発光素子からなる発光部92a、及び発光部92aから発せられる光を受光して検出する受光素子からなる受光部92bを有するフォトインタラプタである。
アクチュエータ93は、回動軸91aを中心として接触子91と一体的に回動可能であり、回動軸91aを中心として回動することにより、発光部92aと受光部92bとの間に介在する位置と、発光部92aと受光部92bとの間に介在しない位置とに変位可能に構成されている。
【0046】
アクチュエータ93は、接触子91が圧板12上に支持されているシート18と接触していないときには、発光部92aと受光部92bとの間に介在しない位置に変位し、接触子91が圧板12上に支持されているシート18と接触して回動したときには、発光部92aと受光部92bとの間に介在する位置に変位する。
【0047】
アクチュエータ93が発光部92aと受光部92bとの間に介在しない位置にあるときには、発光部92aから発せられる光が受光部92bにより受光され、シートセンサ9は、圧板12上に支持されているシート18を検出しない。
アクチュエータ93が発光部92aと受光部92bとの間に介在する位置にあるときには、発光部92aから発せられる光がアクチュエータ93により遮られて、発光部92aから発せられる光は受光部92bにより受光されない。この場合、シートセンサ9は、圧板12上に支持されているシート18を検出する。
【0048】
つまり、アクチュエータ93は、シート18に接触することにより変位し、シート18に接触するときには発光部92aと受光部92bとの間に位置して発光部92aから発せられる光を遮り、シート18に接触しないときには発光部92aと受光部92bとの間に位置せず発光部92aから発せられる光を遮らない。
【0049】
このような構成により、シートセンサ9は、圧板12が上側へ移動された際にシート18を検出することが可能となっている。
具体的には、例えば
図4(a)に示すように、圧板12が第1位置に位置している状態では、接触子91は圧板12上に支持されたシート18と接触せず回動しないため、アクチュエータ93は発光部92aと受光部92bとの間に介在しない位置に変位する。従って、発光部92aから発せられる光が受光部92bにより受光され、シートセンサ9はシート18を検出しない。
【0050】
これに対し、
図4(b)に示すように、圧板12が第1位置から上側へ移動して接触子91がシート18に接触すると、接触子91が回動中心91aを中心に回動して、アクチュエータ93は発光部92aと受光部92bとの間に介在する位置に変位する。従って、発光部92aから発せられる光は、アクチュエータ93により遮られて受光部92bにより受光されなくなり、シートセンサ9によりシート18が検出される。
【0051】
また、圧板12が押上板13を介してモータ40からの駆動力により上側へ移動される場合、圧板12の上側への移動は、接触子91がシート18に接触した後も継続される。
図4(c)に示すように、接触子91がシート18に接触した後に圧板12が上側へ移動されると、圧板12上に支持されるシート18の上端がピックアップローラ21に接触する。ピックアップローラ21は上下移動可能に構成されており、ピックアップローラ21に当接したシート18により上方へ押し上げられる。
【0052】
シート18によりピックアップローラ21が押し上げられると、モータ40からの駆動力の押上板13への伝達がクラッチにより切断されて、圧板12の上側への移動が停止する。この圧板12の上側への移動が停止した位置が、シート18の上端がピックアップローラ21に圧接して給紙可能となる、給紙可能位置である。
【0053】
画像形成装置1においては、第1位置にある圧板12が、シートセンサ9がシート18を検出する位置まで上側へ移動した際の圧板12の上側への移動量に基づいて、シートカセット10に収容されているシート18の枚数を算出するように構成されている。この場合、圧板12の上側への移動量は、例えばモータ40の回転数に基づいて算出される。
【0054】
一方、シートセンサ9は、圧板12上にシート18が載置されていない状態では、圧板12が接触子91の位置まで上側へ移動したとしても接触子91が回動せず、シート18の検出を行わないように構成されている。
【0055】
具体的には、
図2に示すように、圧板12に、圧板12を貫通する穴99を形成している。圧板12における穴99の位置は、圧板12上にシート18が載置されていない状態では圧板12が上側へ移動しても接触子91がその穴99に入り込んで回動しない位置であり、かつ、圧板12上にシート18が載置されている状態ではシート18により穴99が覆われ、圧板12が上側へ移動した際に接触子91がシート18に接触して回動する位置である。
【0056】
例えば
図5(a)に示すように、シート18が載置されていない圧板12が第1位置に位置している状態では、接触子91は圧板12と接触せず回動しないため、アクチュエータ93は発光部92aと受光部92bとの間に介在しない位置に変位する。この場合、発光部92aから発せられる光が受光部92bにより受光されるため、シートセンサ9はシート18を検出しない。
【0057】
また、シート18が載置されていない圧板12が、
図5(b)に示す位置まで上側へ移動された状態では、圧板12の一端部は接触子91の下端よりも高位置に位置しているが、接触子91は圧板12に形成された穴99に入り込んだ状態となるため回動しない。従って、アクチュエータ93は発光部92aと受光部92bとの間に介在しない位置にあって、発光部92aから発せられる光が受光部92bにより受光されるため、シートセンサ9はシート18を検出しない。
【0058】
図5(b)に示す位置まで上側へ移動された圧板12はさらに上側へ移動されると、
図5(c)に示すように、ピックアップローラ21に当接する。ピックアップローラ21に当接した圧板12は、ピックアップローラ21を押し上げる。
圧板12によりピックアップローラ21が押し上げられると、モータ40からの駆動力の押上板13への伝達がクラッチにより切断されて、圧板12の上側への移動が停止する。この圧板12の上側への移動が停止したときの圧板12の移動位置は、圧板12の移動可能範囲における最上位置となる。
【0059】
このように、圧板12に穴99を形成して、圧板12を上側へ移動させたときの接触子91の回動動作の有無を検出器92により検出することで、圧板12上にシート18が載置されているか否かの判別を行うことが可能となっている。
【0060】
制御部6は、モータ40の動作を制御するとともに、モータ40からの駆動力により押上板13を介して圧板12を上側へ移動させる場合において、モータ40の回転数等の回転量を測定し、測定した回転量に基づいてシートカセット10に収容されるシート18の枚数を算出するものであり、本体筐体2内に設けられている。
【0061】
図6に示すように、制御部6には、モータ40、シートセンサ9、及びカセットセンサ93が接続されている。また、画像形成装置1は、モータ40の回転数を示す回転パルス信号を出力する回転パルス信号出力部95を備えており、回転パルス信号出力部95は制御部6に接続されている。
【0062】
シートセンサ9は、発光部92aから発せられる光を受光部92bが受光したときに第1信号を出力し、発光部92aから発せられる光を受光部92bが受光しないときに第2信号を出力する。
制御部6は、シートセンサ9から出力される第1信号及び第2信号、並びに回転パルス信号出力部95から出力される回転パルス信号を受信可能に構成されている。
【0063】
[シート枚数Sを算出するための構成の第1実施形態]
次に、シート搬送装置における、シート枚数Sを算出するための構成の第1実施形態について説明する。
図2、
図7、
図8に示すように、シートカセット10は、カセット本体11に設けられて圧板12の裏面に接触可能な第1弾性部材14と、カセット本体11に設けられて押上板13の裏面に接触する第2弾性部材15とを有している。
【0064】
第1弾性部材14は、第1端14aが、圧板12が第1位置にある場合は圧板12から分離し、圧板12が第1位置から第2位置へ向う向きに移動した場合に圧板12に接触するように構成されている。第1弾性部材14は、弾性を有する導体により形成されている。第1弾性部材14の第2端14bは、カセット本体11の外に突出している。
【0065】
具体的には、
図9に示すように、第1弾性部材14は、例えばカセット本体11の左右一側の側部に配置されるトーションバネにより構成されており、第1弾性部材14の第1端14aは、圧板12における回動支点12aよりも後方に位置する部分の縁部12bに接触可能となっている。第1弾性部材14の第1端14aは、第1弾性部材14の弾性力により上方へ付勢されており、カセット本体11に形成される係止部11kに係止して、それ以上上方へ回動することが規制されている。
【0066】
図9(a)に示すように、圧板12が第1位置にあるときには、第1弾性部材14と圧板12とは接触しておらず分離しているため、第1弾性部材14の第1端14aと圧板12の縁部12bとの間には隙間が存在している。
一方、
図9(b)に示すように、圧板12が第1位置から第2位置へ向う向きに移動すると、圧板12の縁部12bは下方へ移動して、第1弾性部材14の第1端14aと接触する。縁部12bが第1端14aと接触した後、圧板12がさらに第2位置へ向う向きに移動すると、第1弾性部材14の第1端14aは圧板12の縁部12bにより付勢力に抗して下方へ押圧される。
【0067】
第1弾性部材14の第1端14aが圧板12の縁部12bと接触することにより、第1弾性部材14と圧板12とが電気的に接続される。例えば、圧板12が亜鉛メッキ鋼板をプレス成形することにより形成されている場合、圧板12の板面は導電性が低い表面被膜により覆われている。しかし、圧板12の縁部12bは、プレス成形時の切断面となるため前記表面被膜に覆われておらず、高い導電性を有している。
従って、第1弾性部材14の第1端14aを圧板12の縁部12bと接触させることで、第1弾性部材14と圧板12とを確実に接触させて、第1弾性部材14と圧板12とを安定して電気的に接続することが可能となっている。
【0068】
第1弾性部材14の第2端14bは、カセット本体11における左右一側の外側面11aよりも左右外側にまで延出している。カセット本体11の左右の外側面11a、11bには、それぞれ左右外側に突出するリブ11cが形成されている。左右一側の外側面11aに形成されるリブ11cには、上下方向に貫通する貫通孔11dが形成されている。第1弾性部材14の第2端14bは、第1弾性部材14の弾性力により下方へ付勢されており、その付勢力により貫通孔11dを通じてリブ11cの下方へ突出可能に構成されている。
【0069】
図3に示すように、第2弾性部材15の第1端15aは、押上板13の上下方向の変位に追随して押上板13の裏面に接触するように構成されている。第2弾性部材15は、弾性を有する導体により形成されている。
第2弾性部材15は、例えばトーションバネにより構成されており、押上板13とカセット本体11の底面との間に圧縮状態で配置されている。第2弾性部材15の第2端15bは、カセット本体11の外部に突出している。具体的には、第2端15bは、カセット本体11の底面11eよりも下方へ突出している。カセット本体11の底面11eには貫通孔11fが形成されており(
図8参照)、第2弾性部材15の第2端15bは、貫通孔11fを通じて底面11eの下方に突出している。
【0070】
本体筐体2の左右両側部には、それぞれ前後方向へ延出する側部フレーム201が設けられている(
図8参照)。シートカセット収容部2aにおける左右の側部フレーム201には、側部フレーム201から左右内側へ向かって突出するレール201aがそれぞれ形成されている。カセット本体11のリブ11cは、レール201aの上面を摺動可能に構成されており、シートカセット10を収容位置と分離位置との間で変位させる際には、リブ11cがレール201a上を摺動しながらシートカセット10が移動することとなっている。つまり、レール201aは、シートカセット10を収容位置と分離位置との間で変位させる際に、シートカセット10を案内する案内部材である。
【0071】
本体筐体2のシートカセット収容部2aは、第1電極26と第2電極27とを有する。
シートカセット10の貫通孔11dと第1弾性部材14の第2端14bとは、シートカセット10が収容位置にある場合に、第1弾性部材14の第2端14bが第1電極26と接触する位置に設けられている。
シートカセット10の貫通孔11fと第2弾性部材15の第2端15bとは、シートカセット10が収容位置にある場合に、第2弾性部材15の第2端15bが第2電極27と接触する位置に設けられている。
【0072】
第1電極26は、本体筐体2における右側のレール201aに設けられる導体製の板状部材である。第1電極26は、カセット本体11における左右一側の外側面11aのリブ11cに形成される貫通孔11dの下方に配置されている。
第1電極26は、シートカセット10が収容位置にあるときに、貫通孔11dから下方へ突出する第1弾性部材14の第2端14bと接触する。第1電極26は、第1弾性部材14が第1弾性部材14の弾性に抗して撓むように、第2端14bに対して圧接状態で接触している。また、第1弾性部材14の第2端14bは、第1電極26に対して、シートカセット10の変位方向となる前後方向へ摺動可能に接触している。
第1電極26は、シートセンサ9と電気的に接続されている。
【0073】
第2電極27は、シートカセット収容部2aの下部において左右方向に延出し、左右の側部フレーム201間に架け渡されるフレームにて構成されている。第2電極27は導体製の部材にて構成されており、本体筐体2を補強している。
第2電極27は、シートカセット10の下方における第2弾性部材15の第2端15bが突出している箇所に配置され、接地されている。第2電極27は、第2弾性部材15が第2弾性部材15の弾性に抗して撓むように、第2弾性部材15の第2端15bに対して圧接状態で接触している。また、第2弾性部材15の第2端15bは、第2電極27に対して、シートカセット10の変位方向となる前後方向へ摺動可能に接触している。
【0074】
第1弾性部材14の第2端14bが第1電極26に対して前後方向へ摺動可能に接触するとともに、第2弾性部材15の第2端16bが第2電極27に対して前後方向へ摺動可能に接触していることで、
図7に示すようにシートカセット10が収容位置にあるときには確実に第1弾性部材14と第1電極26、及び第2弾性部材15と第2電極27とを接触させることができる一方で、
図10に示すようにシートカセット10を収容位置から分離位置に変位させるときには、第1弾性部材14と第1電極26、及び第2弾性部材15と第2電極27との接続を容易に解除することが可能となっている。
【0075】
また、シートカセット10が収容位置にあるときに、第1弾性部材14の第1端14aと圧板12の縁部12bとが接触することにより、第1電極26と第2電極27とが電気的に接続され、第1弾性部材14の第1端14aと圧板12の縁部12bとが分離することにより、第1電極26と第2電極27とが電気的に接続されなくなる。
【0076】
図11に示すように、シートセンサ9の検出器92はセンサ基板90に実装されている。検出器92の発光部92aは例えばLEDにて構成されており、LEDのカソードKはSGNDに接続されている。
【0077】
センサ基板90には第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2が実装されており、LEDのアノードAには、第1トランジスタTr1のコレクタC2、及び第2トランジスタTr2のコレクタC3が接続されている。第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2は、スイッチング素子として用いられている。
第1トランジスタTr1のエミッタE2には電圧V_bias1が印加されており、第2トランジスタTr2のエミッタE3には電圧V_bias2が印加されている。電圧V_bias1及び電圧V_bias2は、例えば3.3Vに設定されている。
【0078】
第1トランジスタTr1のベースB2は制御部6に接続されている。制御部6は供給指令を出力可能であり、第1トランジスタTr1のベースB2には制御部6からの供給指令が入力される。第1トランジスタTr1は、ベースB2に供給指令が入力されるとオンする。第1トランジスタTr1がオンすると発光部92aに電力が供給され、発光部92aが発光する。つまり、制御部6から出力される供給指令は、シートセンサ9の発光部92aに電力供給を行うための指令である。
【0079】
第2トランジスタTr2のベースB3はスイッチSWを介してSGNDに接続されており、スイッチSWが閉じてベースB3とSGNDとが接続されると、第2トランジスタTr2がオンする。第2トランジスタTr2がオンすると発光部92aに電力が供給され、発光部92aが発光する。また、スイッチSWが開いた状態では、第2トランジスタTr2がオフして発光部92aに電力が供給されなくなり、発光部92aは発光しない。
【0080】
検出器92の受光部92bは例えばフォトトランジスタにて構成されており、フォトトランジスタのエミッタE1はSGNDに接続されている。フォトトランジスタのコレクタC1は制御部6に接続されており、所定の電圧にプルアップされている。
受光部92bにおいては、発光部92aからの光を受光したときに、コレクタC1とエミッタE1とが導通して制御部6に第1信号を出力し、発光部92aからの光を受光しないときには、コレクタC1とエミッタE1とが導通せずに、制御部6に第2信号を出力する。
【0081】
スイッチSWは、第1弾性部材14の第1端14aと圧板12の縁部12bとで構成されており、第1端14aと縁部12bとが接触するとスイッチSWが閉じた状態となり、第1端14aと縁部12bとが接触せずに分離するとスイッチSWが開いた状態となる。
【0082】
シートカセット10が収容位置にあるときに第1弾性部材14と接続される第1電極26は、センサ基板90における第2トランジスタTr2のベースB3と接続される接続端子90aに接続されている。そして、センサ基板90の接続端子90aからスイッチSWに至る接続回路90bは、接続端子90a側から順に第1電極26及び第1弾性部材14により構成されている。また、スイッチSWからSGNDに至る接続回路90cは、スイッチSW側から順に圧板12、押上板13、第2弾性部材15及び第2電極27により構成されている。
さらに、センサ基板90の接続端子90aからSGNDへ至る、接続回路90b、スイッチSW、及び接続回路90cにより、スイッチ機構が全体的に構成されている。
【0083】
このように構成されるシートセンサ9は、発光部92aが電力の供給を受けている場合であって、かつアクチュエータ93が発光部92aと受光部92bとの間に位置せずにシート18を検出しない場合には、検出器92の発光部92aが発光するとともに、受光部92bが発光部92aからの光を受光するため、第1信号を出力する。
【0084】
また、シートセンサ9は、発光部92aが電力の供給を受けている場合であって、かつアクチュエータ93が発光部92aと受光部92bとの間に位置してシート18を検出する場合には、検出器92の発光部92aが発光するが、発光部92aからの光はアクチュエータ93により遮られて受光部92bによって受光されないため、第2信号を出力する。
【0085】
さらに、シートセンサ9は、発光部92aが電力の供給を受けていない場合には、検出器92の発光部92aが発光せず、受光部92bが光を受光しないため、第2信号を出力する。
【0086】
このとき、発光部92aが電力の供給を受ける場合は、圧板12と第1弾性部材14の第1端14aとが分離することにより第1電極26と第2電極27とが電気的に接続されていない場合において、第1トランジスタTr1が制御部6から供給指令を受信した場合、及び圧板12と第1弾性部材14の第1端14aが接触することにより第1電極26と第2電極27とが電気的に接続された場合である。
なお、第1電極26と第2電極27とが電気的に接続されている場合は、第1トランジスタTr1が制御部6から供給指令を受けているか、受けていないかにかかわらず、発光部92aは電力の供給を受ける。
【0087】
また、発光部92aが電力の供給を受けない場合は、圧板12と第1弾性部材14の第1端14aとが分離することにより第1電極26と第2電極27とが電気的に接続されていない場合において、第1トランジスタTr1が制御部6から供給指令を受信しない場合である。
【0088】
画像形成装置1においては、第1トランジスタTr1、第2トランジスタTr2、及びスイッチSWを含む回路により、シートセンサ9の発光部92aに電力を供給する電力供給回路SCが構成されている。
また、画像形成装置1においては、シートカセット10、本体筐体2、シートカセット収容部2a、第1電極26、第2電極27、シート搬送部20、駆動部4、シートセンサ9、回転パルス信号出力部95、制御部6、及び電力供給回路SCによりシート搬送装置が構成されている。
【0089】
なお、本実施形態においては、圧板12及び押上板13は亜鉛メッキ鋼板により形成されているが、必ずしも亜鉛メッキ鋼板で形成する必要はなく、ほかの金属や導電性樹脂等の導体で形成してもよい。また、圧板12及び押上板13は、必ずしも全体が導体により形成されている必要はなく、圧板12と第1弾性部材14の第1端14aとが接触した際に第1電極26と第2電極27とが導通する構成であれば、導体と不導体とを組み合わせた構成でもよい。例えば、圧板12及び押上板13は樹脂板と金属板を貼りあわせた構造でも良い。
【0090】
[シート枚数Sを算出するための制御の第1実施形態]
画像形成装置1においては、シートカセット10に収容されるシート18の枚数(以降、「シート枚数S」と記載する)を制御部6により算出可能に構成されており、シート枚数Sを算出するために、以下のような制御を行っている。
シート枚数Sを算出するための制御においては、シート枚数Sを算出する際の算出誤差を小さくするとともに、シート枚数Sを算出する際に押上板13や圧板12を移動させる機構(以降、「圧板移動機構」と記載する)に故障が生じているか否かを検出することが可能となっている。
【0091】
(シートカセット10挿入時におけるシート枚数Sの更新処理S100)
まず、分離位置に変位しているシートカセット10を、シートカセット収容部2aの収容位置まで挿入した際のシート枚数Sの更新処理S100について説明する。
【0092】
図12に示すように、分離位置にあるシートカセット10を収容位置まで挿入すると(S101)、シートカセット10側の第1弾性部材14とシートカセット収容部2a側の第1電極26とが接触して導通するとともに、シートカセット10側の第2弾性部材15とシートカセット収容部2a側の第2電極27とが接触して導通する(S103)。
また、シートカセット10を収容位置まで挿入した時点では、圧板12が第1位置に変位していて、圧板12の縁部12bと第1弾性部材14の第1端14aとが分離しているため、第1電極26と第2電極27とは電気的に接続されておらず、シートセンサ9は第2信号を出力している(S105)。
【0093】
ここで、分離位置にあるシートカセット10を収容位置まで挿入した場合、シートカセット10の状態としては、シートカセット収容部2aに対するシートカセット10の挿抜が行われ、かつ圧板12にシート18が支持されており、かつ圧板移動機構に故障が生じていない第1状態と、シートカセット収容部2aに対するシートカセット10の挿抜が行われ、かつ圧板12にシート18が支持されておらず、かつ圧板移動機構に故障が生じていない第2状態と、シートカセット収容部2aに対するシートカセット10の挿抜が行われ、かつ圧板12にシート18が支持されている又は圧板12にシート18が支持されておらず、かつ圧板移動機構に故障が生じている第3状態とが存在する。
【0094】
この「圧板移動機構に故障が生じている」状態とは、圧板12を上側へ移動させるためにモータ40を駆動した際に、圧板12が正常に移動しない等の理由により、センサ基板90の接続端子90aから接続回路90b、スイッチSW、及び接続回路90cを通じてSGNDへ至るスイッチ機構の少なくとも一部に、電気的に接続されていない箇所が存在している状態のことをいう。
【0095】
具体的には、例えば、伝達機構41の圧板移動ギア411が破損又は欠損していて、モータ40に接続される圧板駆動ギア42と圧板移動ギア411とが正常にかみ合っておらず、モータ40からの駆動力が伝達機構41に伝達されずに圧板12が上側へ移動しない状態が挙げられる。
また、例えば、第1弾性部材14が変形又は欠損していて、圧板12が第1位置から第2位置へ向う向きに移動した場合に圧板12に接触せず、第1弾性部材14と圧板12とが電気的に接続されないため、スイッチSWが閉状態にならない場合が挙げられる。
【0096】
図14、
図15、
図16には、それぞれシートカセット10が第1状態、第2状態、第3状態にある場合の、シート枚数Sを算出する際における、第1トランジスタTr1に対する電圧V_bias1の印加状態、スイッチSWの開閉状態、第2トランジスタTr2に対する電圧V_bias2の印加状態、制御部6からの供給指令の出力状態、シートセンサ9からの第1信号及び第2信号の出力状態を示すタイミングチャートを記載している。
【0097】
図14、
図15、
図16に示すように、シートカセット10を収容位置まで挿入した時点では、シートカセット10が第1状態、第2状態、第3の状態にある場合の全てにおいて、シートセンサ9は第2信号を出力している(S105)。
この状態において、制御部6から第1トランジスタTr1に供給指令が送信される(S107)。制御部6から供給指令が送信されると、シートセンサ9の発光部92aに電力が供給され、発光部92aが発光する。つまり、圧板12が第1位置に変位していてスイッチSWが開状態にあるときに、制御部6から供給指令を出力することで、発光部92aを強制的に点灯させる。
【0098】
発光部92aが発光すると、圧板12が第1位置に変位していてアクチュエータ93はシート18を検出していないため、発光部92aからの光が受光部92bにより受光されて、シートセンサ9から第1信号が出力される(S109)。この場合、シートカセット10が第1状態、第2状態、第3の状態にある場合の全てにおいて、シートセンサ9は第1信号を出力する。
【0099】
その後、制御部6は供給指令の送信を停止する(S111)。供給指令が停止されると、発光部92aから光が発せられなくなる。つまり、制御部6が供給指令を停止することで、発光部92aの強制点灯を解除する。発光部92aから光が発せられなくなると、受光部92bが光を受光しなくなるため、シートセンサ9からは第2信号が出力される(S113)。この場合、シートカセット10が第1状態、第2状態、第3の状態にある場合の全てにおいて、シートセンサ9は第2信号を出力する。
【0100】
制御部6は、供給指令を停止して、シートセンサ9が第2信号を出力した後に、モータ40を起動する(S115)。モータ40が起動されると、モータ40からの駆動力により押上板13が上方へ回動され、圧板12の上側への移動が開始される(S117)。
制御部6は、モータ40を起動した後に、シートセンサ9が第1出力信号を出力しているか否かの判定を行う(S119)。
【0101】
制御部6は、ステップS119においてシートセンサ9が第1出力信号を出力していると判定した場合、現在制御部6に保持されているシート枚数Sを0枚にリセットするとともに(S121)、制御部6に備えられモータ40の回転数を計測するカウンタCの値を0にリセットする(S123)。
【0102】
制御部6は、ステップS119においてシートセンサ9が第1出力信号を出力していると判定して、シート枚数S及びカウンタCの値をリセットした後(S121、S123)に、カウンタCのインクリメントを開始して、モータ40の回転数を計測し始める(S125)。つまり、
図19に示すように、制御部6は、シートセンサ9から受信した信号が第2信号から第1信号に切り替わった時点から、回転パルス信号出力部95から受信したモータ40の回転数を示す回転パルス信号の数の計測を開始する。
【0103】
この場合、圧板12が第1位置にある状態でモータ40が起動されると(S115)、押上板13がモータ40により駆動されて圧板12が上側への移動を開始するが、圧板12が上側への移動を開始すると、第1弾性部材14の第1端14aと圧板12の縁部12bとが接触して、第1電極26と第2電極27とが電気的に接続されることとなる。第1電極26と第2電極27とが電気的に接続されると、シートセンサ9の発光部92aが発光する。
【0104】
また、モータ40の起動時には、圧板12は第1位置にあって、アクチュエータ93は発光部92aと受光部92bとの間に介在しない位置に変位しているため、発光部92aからの光が受光部92bによって受光されることとなる。
これによって、シートセンサ9からの出力信号が第2信号から第1信号に切り替わり、制御部6は、シートセンサ9から受信した信号が第2信号から第1信号に切り替わると、切り替わった時点からモータ40の回転数を数え始める。
【0105】
なお、ステップS119においてシートセンサ9が第1出力信号を出力していると判定される場合は、シートカセット10が第1状態、第2状態にある場合である。
また、カウンタCは、制御部6に設けられており、例えば回転パルス信号出力部95から出力される回転パルス信号を受信する毎にカウント値を+1することにより、モータ40の回転数を数えるように構成されている。
【0106】
一方、制御部6は、ステップS119においてシートセンサ9が第1出力信号を出力していないと判定した場合、第1トランジスタTr1への供給指令の送信を停止した時点から所定時間が経過したか否かの判定を行う(S127)。
制御部6は、ステップS127において前記所定時間が経過していないと判定した場合は、再度ステップS119を実行する。
【0107】
また、制御部6は、ステップS127において前記所定時間が経過したと判定した場合は、圧板12が上側に移動していない状態にある等、圧板移動機構に故障が生じていると判断する(S129)。
つまり、第1トランジスタTr1への供給指令の送信を停止した時点から所定時間が経過してもシートセンサ9が第1出力信号を出力していない場合は、モータ40を起動しても圧板12が正常に上側へ移動せずに、スイッチSWが閉状態に切り替わらない等の理由により、シートセンサ9の発光部92aが発光しない状態であるため、制御部6は圧板移動機構に故障が生じていると判断する。
このように、制御部6が圧板移動機構に故障が生じていると判断する場合は、シートカセット10が第3状態にある場合である。
【0108】
制御部6は、圧板移動機構に故障が生じていると判断すると、圧板移動機構に故障が生じている旨の情報を外部に報知する(S131)。故障が生じている旨の情報の報知は、例えば前記情報を、画像形成装置1が備える表示部に表示することにより行ったり、画像形成装置1が備えるスピーカーから音声を発することにより行ったりすることができる。
制御部6は、圧板移動機構に故障が生じている旨の情報を報知した後、モータ40を停止して(S133)、シート枚数Sの更新処理S100を終了する。
【0109】
図13に示すように、制御部6は、モータ40の回転数の計測を開始した後、シートセンサ9が第2信号を出力しているか否かの判定を行う(S135)。つまり、
図19に示すように、制御部6は、シートセンサ9から受信した信号が第1信号から第2信号に切り替わったか否かの判定を行う。
【0110】
制御部6は、ステップS135においてシートセンサ9が第2信号を出力していると判定した場合、カウンタCのインクリメントを停止し(S137)、カウンタCのインクリメントを開始してから停止するまでのカウント値を求める。
制御部6は、求めたカウンタCのカウント値を用いてシート枚数Sの算出処理S300を実行することにより更新後のシート枚数Sを算出する。
【0111】
なお、受光部92bが発光部92aからの光を受光して第1信号を出力している状態のシートセンサ9は、圧板12上に支持されているシート18の上面に接触子91が接触し、発光部92aからの光がアクチュエータ93に遮られて受光部92bに受光されなくなることにより、第2信号を出力する状態へ切り替わる。
つまり、制御部6が、ステップS135においてシートセンサ9が第2信号を出力していると判定する場合は、シートカセット10が第1状態にある場合である。
【0112】
一方、制御部6は、ステップS135においてシートセンサ9が第2信号を出力していないと判定した場合は、カウンタCのカウント値が予め設定された最大値であるCmaxよりも大きいか否かの判定を行う(S139)。
制御部6は、ステップS139においてカウンタCのカウント値がCmaxよりも大きいと判定した場合は、カウンタCのインクリメントを停止する(S141)。
【0113】
カウンタCのカウント値がCmaxよりも大きくなる状態は、シート18を支持していない圧板12がピックアップローラ21に当接する位置まで上側へ移動した状態である。
つまり、制御部6が、ステップS139においてカウンタCのカウント値がCmaxよりも大きいと判定する場合は、シートカセット10が第2状態にある場合である。
なお、制御部6は、ステップS139においてカウンタCのカウント値がCmaxよりも大きいと判定した場合、シート枚数Sは更新せずに、ステップS121において0にリセットしたままの状態を保持する。
【0114】
制御部6は、ステップS139においてカウンタCのカウント値がCmaxよりも大きくないと判定した場合は、ステップS135に戻って、シートセンサ9が第2信号を出力しているか否かの判定を再度実行する。
【0115】
制御部6は、シート枚数Sの算出処理S300が完了した後、又はステップS141においてカウンタCのインクリメントを停止した後に、制御部6に保持されているシート枚数Sが0枚であるか否かの判定を行う(S143)。
【0116】
制御部6は、ステップS143において制御部6に保持されるシート枚数Sが0枚ではないと判定した場合、印刷準備が完了したと判断し(S145)、モータ40を停止して(S147)、シート枚数Sの更新処理を終了する。
また、制御部6は、ステップS143において制御部6に保持されるシート枚数Sが0枚であると判定した場合、画像形成装置1の表示部に「シートなし」である旨の表示を行った後(S149)、モータ40を停止して(S147)、シート枚数Sの更新処理S100を終了する。
【0117】
このように、シート枚数Sの更新処理S100においては、駆動部4を制御することにより押上板13を変位させて圧板12を上側へ移動させる前に、制御部6から電力供給回路SCに供給指令を送信したことに応じて、制御部6がシートセンサ9から第1信号を受信した場合であって、かつ、制御部6が供給指令の送信を停止するとともに駆動部4を押圧板13を上側へ移動させるように制御したときに、電力供給回路SCへの前記供給指令の送信を停止した時点から所定時間が経過してもシートセンサ9から第1信号を受信しない場合は、制御部6が圧板移動機構に故障が生じていると判断して報知するように構成されている。
これにより、圧板12の上側への移動量に基づいてシート枚数Sを算出する前に、圧板移動機構に故障が生じているか否かを検出することが可能となっている。
【0118】
なお、シート枚数Sの更新処理が終了した時点、又はシート枚数Sの更新処理が終了した後に、画像形成装置1に画像形成の指示が入力されると、制御部6により画像形成ユニット5等が駆動されて、シート18に対して画像形成が行われる。
この場合、制御部6は、1枚のシート18をシートカセット10から取り出す毎に、シート枚数Sを現在のシート枚数から1を減じた値に決定する(S=S−1)。
【0119】
上述のように、画像形成装置1においては、シートカセット10が分離位置にあるときに、圧板12は第1位置に変位するように構成されている。従って、シート枚数Sの更新処理S100においては、例えばシートカセット10が収容位置から分離位置に引き出されて、再度収容位置に戻されたときに、確実に、圧板12と第1弾性部材14の第1端14aとが接触して第1電極26と第2電極27とが電気的に接続されたことを検出した後に、モータ40の回転数に基づいて圧板12の上側への移動量を算出することが可能となっている。
【0120】
また、第1電極26は本体筐体2のレール201aに配置される板状部材であり、第2電極27は、シートカセット収容部2aの下部に配置されるフレームであるため、装置構成を複雑にすることなく第1電極26及び第2電極27を配置することができ、シート搬送装置の小型化を阻害することがない。
【0121】
(シート枚数Sの算出処理S300)
次に、シート枚数Sの算出処理S300について説明する。
図17に示すように、シート枚数Sの算出処理S300においては、まず、制御部6は、シートセンサ9から受信した信号が第2信号から第1信号に切り替わった時点から、シートセンサ9から受信した信号が第1信号から第2信号に切り替わるまでのシート積載高さHを算出する(S301)。
具体的には、インクリメントを開始してから(S125)、インクリメントを停止するまで(S137)の間にカウントしたカウンタCの値に、定数Aを乗じ、定数Bを加算することによって、シート積載高さHを算出する。
【0122】
この場合、定数Aは負の値であり、カウンタCの値とシート積載高さHとの比例定数である。
定数Bは正の値であり、圧板12が最下位置(第1位置)にある状態で、圧板12の上面にシートセンサ9がシート18を検出する位置までシートを積載した場合のシート積載高さに等しい値である。
【0123】
カウンタCの値は、インクリメントを開始してから(S125)、インクリメントを停止するまで(S137)の間の圧板12の上側への移動量に対応する値である。また、シート積載高さHは圧板12の上側への移動量に対応しており、圧板12の上側への移動量が大きくなるに従って、シート積載高さHの値は小さくなる。
【0124】
以上をまとめると、シート積載高さHは下記の数式にて表わされる。
(シート積載高さH)={(定数A)×(カウンタCの値)}+(定数B)・・・(式1)
(シート積載高さH)と(カウンタCの値)の関係をグラフに描くと、
図18のようになる。
【0125】
次に、制御部6は、シート積載高さHを、シート18の厚み(シート厚)tで除算することにより、シート積載高さHに対応するシート18の枚数Sを算出する(S302)。
この場合、シート厚tは、カセット本体11に収容されるシート18の厚みに対応した値が制御部6に予め設定されている。
【0126】
このように、画像形成装置1が備えるシート搬送装置においては、制御部6は、回転パルス信号出力部95から出力される回転パルス信号の数に基づいて圧板12上のシート積載高さHを算出する際に、シートセンサ9から受信した信号が第2信号から第1信号に切り替わった時点から、回転パルス信号出力部95から受信した回転パルス信号の数を数えはじめるため、カウンタCにより計測されるモータ40の回転数には、モータ40が押上板13の駆動を開始してから、押上板13が実際に動作を開始するまでの回転数は含まれないこととなる。
【0127】
これにより、モータ40の駆動開始から押上板13が実際に動作を開始するまでに生じるモータ40の回転数のばらつきを、カウンタCの計測値から除去することができ、シート積載高さHに基づいて圧板12上のシート枚数Sを求めるときに、求められるシート枚数Sの誤差を抑えることが可能となっている。
【0128】
また、回転パルス信号の数に基づいてシート積載高さHを算出して圧板12上のシート枚数Sを求める際に、シートセンサ9から受信した信号を用いて圧板12の上側への移動開始を検出しているため、専用のセンサを用いる必要がなく、装置構成を簡単にしてコストアップを抑制することが可能となっている。
圧板12上のシート積載高さHが精度よく求められることから、シート積載高さHとシート厚tに基づいて算出する圧板上のシート枚数Sも精度よく求めることができる。
【0129】
(電源オン時におけるシート枚数Sの更新処理S200)
次に、電源オフ状態にある画像形成装置1が電源オンされた際における、シート枚数Sの更新処理S200について説明する。
【0130】
電源オンされた時点の画像形成装置1においては、前回電源がオフされてから今回電源がオンされるまでの間(電源オフ時)にシートカセット収容部2aに対するシートカセット10の挿抜が行われなかった状態、つまりシートカセット10がシートカセット収容部2aの収容位置に挿入されたままとなっていた状態と、電源オフ時にシートカセット収容部2aに対するシートカセット10の挿抜が行われた状態、つまり収容位置にあるシートカセット10が分離位置まで抜き出された後に再度収容位置に挿入された状態とが存在する。
【0131】
電源オフ時にシートカセット10の挿抜が行われなかった場合、圧板12にシート18が支持されており、圧板12に支持されるシート18が給紙可能位置まで上側へ移動されて、圧板12と第1弾性部材14の第1端14aとが接触するとともに、シートセンサ9によりシート18が検出されている状態であれば、画像形成装置1が電源オンされた時点においてシートセンサ9は第2信号を出力する。
【0132】
この場合、シートカセット10は、シートカセット収容部2aに対するシートカセット10の挿抜が行われておらず、かつ圧板12にシート18が支持されており、かつ圧板移動機構に故障が生じていない第4状態となっている。
図22には、シートカセット10が第4状態にある場合の、シート枚数Sを算出する際における、第1トランジスタTr1に対する電圧V_bias1の印加状態、スイッチSWの開閉状態、第2トランジスタTr2に対する電圧V_bias2の印加状態、制御部6からの供給指令の出力状態、シートセンサ9からの第1信号及び第2信号の出力状態を示すタイミングチャートを記載している。
【0133】
また、電源オフ時にシートカセット10の挿抜が行われなかった場合、圧板12にシート18が支持されておらず、圧板12が最上位置まで移動して、圧板12と第1弾性部材14の第1端14aとが接触するとともに、シートセンサ9によりシート18が検出されていない状態であれば、画像形成装置1が電源オンされた時点においてシートセンサ9は第1信号を出力する。
【0134】
この場合、シートカセット10は、シートカセット収容部2aに対するシートカセット10の挿抜が行われておらず、圧板12にシート18が支持されておらず、かつ圧板移動機構に故障が生じていない第5状態となっている。
図23には、シートカセット10が第5状態にある場合の、シート枚数Sを算出する際における、第1トランジスタTr1に対する電圧V_bias1の印加状態、スイッチSWの開閉状態、第2トランジスタTr2に対する電圧V_bias2の印加状態、制御部6からの供給指令の出力状態、シートセンサ9からの第1信号及び第2信号の出力状態を示すタイミングチャートを記載している。
【0135】
さらに、電源オフ時にシートカセット10の挿抜が行われた場合は、圧板12が第1位置に変位して、圧板12と第1弾性部材14の第1端14aとが分離した状態となっており、画像形成装置1が電源オンされた時点においてシートセンサ9は第2信号を出力する。この場合、シートカセット10は、前述の第1状態、第2状態、又は第3状態となっている。
【0136】
図20に示すように、制御部6は、画像形成装置1が電源オンされると(S201)、シートセンサ9が第2信号を出力しているか否かの判定を行う(S203)。
制御部6は、ステップS203においてシートセンサ9が第2信号を出力していない、つまり第1信号を出力していると判定した場合、シートカセット10が第5状態にあると判断して、
図21に示すように、画像形成装置1の表示部に「シートなし」である旨の表示を行った後(S257)、シート枚数Sの更新処理S200を終了する。
【0137】
一方、制御部6は、ステップS203においてシートセンサ9が第2信号を出力していると判定した場合、第1トランジスタTr1に供給指令を送信する(S205)。
制御部6は、供給指令を送信した後に、シートセンサ9が第1信号を出力しているか否かの判定を行う(S207)。
制御部6が供給指令を送信すると、シートセンサ9の発光部92aが強制発光され、発光部92aからの光が受光部92bにより受光されるとシートセンサ9は第1信号を出力し、発光部92aからの光が受光部92bにより受光されないとシートセンサ9は第2信号を出力する。
【0138】
制御部6は、ステップS207においてシートセンサ9が第1信号を出力していないと判定した場合、圧板12にシート18が支持されており、且つ電源オフ時にシートカセット10の挿抜が行われなかったと判断する(S209)。
制御部6が供給指令を送信した場合にシートセンサ9が第1信号を出力せずに第2信号を出力するのは、シートセンサ9の発光部92aが発光しているにもかかわらず、発光部92aからの光がアクチュエータ93に遮られて受光部92bに受光されない状態となっているためである。つまり、シートカセット10は第4状態にあり、制御部6は、圧板12にシート18が支持されるとともに、電源オフ時にシートカセット10の挿抜が行われなかったものと判断する。
【0139】
この場合、シート枚数Sの更新は行わずに、電源がオフされる前に制御部6に保持されていたシート枚数Sを継続して使用する(S211)。
その後、制御部6は、印刷準備が完了したと判断し(S213)、モータ40を停止して(S215)、シート枚数Sの更新処理S200を終了する。
【0140】
一方、制御部6は、ステップS207においてシートセンサ9が第1信号を出力していると判定した場合、供給指令の送信を停止する(S217)。
制御部6が、ステップS207においてシートセンサ9が第1信号を出力していると判定する場合は、シートカセット10が第1状態、第2状態、又は第3状態にある場合である。
【0141】
また、ステップS217において制御部6が供給指令の送信を停止すると発光部92aの強制点灯が解除され、受光部92bが発光部92aからの光を受光しなくなるため、シートセンサ9は第2信号を出力する(S219)。この場合、シートカセット10が第1状態、第2状態、第3状態にある場合の全てにおいて、シートセンサ9は第2信号を出力する。
【0142】
制御部6は、供給指令を停止して、シートセンサ9が第2信号を出力した後に、モータ40を起動する(S221)。モータ40が起動されると、モータ40からの駆動力により押上板13が上方へ回動され、圧板12の上側への移動が開始される(S223)。
制御部6は、モータ40を起動した後に、シートセンサ9が第1出力信号を出力しているか否かの判定を行う(S225)。
【0143】
制御部6は、ステップS225においてシートセンサ9が第1出力信号を出力していると判定した場合、現在制御部6に保持されているシート枚数Sを0枚にリセットするとともに(S227)、制御部6に備えられモータ40の回転数を計測するカウンタCの値を0にリセットする(S229)。
【0144】
制御部6は、ステップS225においてシートセンサ9が第1出力信号を出力していると判定して、シート枚数S及びカウンタCの値をリセットした後(S227、S229)に、カウンタCのインクリメントを開始して、モータ40の回転数を計測し始める(S231)。つまり、
図19に示すように、制御部6は、シートセンサ9から受信した信号が第2信号から第1信号に切り替わった時点から、回転パルス信号出力部95から受信したモータ40の回転数を示す回転パルス信号の数の計測を開始する。
なお、ステップS225においてシートセンサ9が第1出力信号を出力していると判定される場合は、シートカセット10が第1状態、第2状態にある場合である。
【0145】
一方、制御部6は、ステップS225においてシートセンサ9が第1出力信号を出力していないと判定した場合、第1トランジスタTr1への供給指令の送信を停止した時点から所定時間が経過したか否かの判定を行う(S233)。
制御部6は、ステップS233において前記所定時間が経過していないと判定した場合は、再度ステップS225を実行する。
【0146】
また、制御部6は、ステップS233において前記所定時間が経過したと判定した場合は、圧板12が上側に移動していない状態にある等、圧板移動機構に故障が生じていると判断する(S235)。
このように、制御部6が圧板移動機構に故障が生じていると判断する場合は、シートカセット10が第3状態にある場合である。
【0147】
制御部6は、圧板移動機構に故障が生じていると判断すると、圧板移動機構に故障が生じている旨の情報を外部に報知する(S237)。故障が生じている旨の情報の報知は、例えば前記情報を、画像形成装置1が備える表示部に表示することにより行ったり、画像形成装置1が備えるスピーカーから音声を発することにより行ったりすることができる。
制御部6は、圧板移動機構に故障が生じている旨の情報を報知した後、モータ40を停止して(S239)、シート枚数Sの更新処理S200を終了する。
【0148】
図21に示すように、制御部6は、モータ40の回転数の計測を開始した後、シートセンサ9が第2信号を出力しているか否かの判定を行う(S241)。つまり、
図19に示すように、制御部6は、シートセンサ9から受信した信号が第1信号から第2信号に切り替わったか否かの判定を行う。
【0149】
制御部6は、ステップS241においてシートセンサ9が第2信号を出力していると判定した場合、カウンタCのインクリメントを停止し(S243)、カウンタCのインクリメントを開始してから停止するまでのカウント値を求める。
制御部6は、求めたカウンタCのカウント値を用いてシート枚数Sの算出処理S300を実行することにより更新後のシート枚数Sを算出する。
なお、制御部6が、ステップS241においてシートセンサ9が第2信号を出力していると判定する場合は、シートカセット10が第1状態にある場合である。
【0150】
一方、制御部6は、ステップS241においてシートセンサ9が第2信号を出力していないと判定した場合は、カウンタCのカウント値が予め設定された最大値であるCmaxよりも大きいか否かの判定を行う(S245)。
制御部6は、ステップS245においてカウンタCのカウント値がCmaxよりも大きいと判定した場合は、カウンタCのインクリメントを停止する(S247)。
【0151】
制御部6が、ステップS245においてカウンタCのカウント値がCmaxよりも大きいと判定する場合は、シートカセット10が第2状態にある場合である。
制御部6は、ステップS245においてカウンタCのカウント値がCmaxよりも大きいと判定した場合、シート枚数Sは更新せずに、ステップS227において0にリセットしたままの状態を保持する。
【0152】
制御部6は、ステップS245においてカウンタCのカウント値がCmaxよりも大きくないと判定した場合は、ステップS241に戻って、シートセンサ9が第2信号を出力しているか否かの判定を再度実行する。
【0153】
制御部6は、シート枚数Sの算出処理S300が完了した後、又はステップS247においてカウンタCのインクリメントを停止した後に、制御部6に保持されているシート枚数Sが0枚であるか否かの判定を行う(S249)。
【0154】
制御部6は、ステップS249において制御部6に保持されるシート枚数Sが0枚ではないと判定した場合、印刷準備が完了したと判断し(S251)、モータ40を停止して(S253)、シート枚数Sの更新処理を終了する。
また、制御部6は、ステップS249において制御部6に保持されるシート枚数Sが0枚であると判定した場合、画像形成装置1の表示部に「シートなし」である旨の表示を行った後(S255)、モータ40を停止して(S253)、シート枚数Sの更新処理S200を終了する。
【0155】
シート枚数Sの更新処理が終了した時点、又はシート枚数Sの更新処理が終了した後に、画像形成装置1に画像形成の指示が入力されると、制御部6により画像形成ユニット5等が駆動されて、シート18に対して画像形成が行われる。
この場合、制御部6は、1枚のシート18をシートカセット10から取り出す毎に、シート枚数Sを現在のシート枚数から1を減じた値に決定する(S=S−1)。
【0156】
このように、画像形成装置1の電源がオンされた場合のシート枚数Sの更新処理S200においても、圧板12の上側への移動量に基づいてシート枚数Sを算出する前に、圧板移動機構に故障が生じているか否かを検出することが可能となっている。
また、回転パルス信号の数に基づいて圧板12の上側への移動量に対応するシート積載高さHを算出して圧板12上のシート枚数Sを求める際に、シートセンサ9から受信した信号を用いて圧板12の上側への移動開始を検出しているため、専用のセンサを用いる必要がなく、装置構成を簡単にしてコストアップを抑制することが可能となっている。
【0157】
[シート枚数Sを算出するための構成の第2実施形態]
次に、シート枚数Sを算出するための構成の第2実施形態について説明する。
シート枚数Sを算出するための構成の第2実施形態においては、センサ基板90における第1トランジスタTr1のベースB2の接続先が、制御部6ではなく、画像形成装置1が備えるクロックパルス信号出力部96である点が、第1実施形態と異なっている。第2実施形態の説明においては、主に第1実施形態と異なる部分について説明を行い、第1実施形態と共通する部分については適宜説明を省略する。
【0158】
図24に示すように、画像形成装置1はクロックパルス信号出力部96を備えており、クロックパルス信号出力部96は第1トランジスタTr1のベースB2に接続されている。クロックパルス信号出力部96は、一定の周期でクロックパルス信号を出力する信号出力部である。
図25に示すように、クロックパルス信号出力部96から出力されるクロックパルス信号は、所定の電位のオフ信号と、オフ信号よりも高電位のオン信号とが一定の周期で繰り返し現れるパルス信号であり、第1トランジスタTr1のベースB2に入力される。
【0159】
第1トランジスタTr1は、ベースB2にクロックパルス信号のオン信号が入力されるとオンする。第1トランジスタTr1がオンすると発光部92aに電力が供給され、発光部92aが発光する。
第1トランジスタTr1は、ベースB2にクロックパルス信号のオフ信号が入力されるとオフする。第1トランジスタTr1がオフすると発光部92aに電力が供給されなくなり、発光部92aは発光しない。
【0160】
従って、オン信号とオフ信号とが一定の周期で繰り返し出力されるクロックパルス信号が第1トランジスタTr1に入力されることにより、クロックパルス信号に同期して発光部92aに電力が供給され、発光部92aはクロックパルス信号に同期して断続的に発光することとなる。
【0161】
このように、本実施形態における電力供給回路SCは、クロックパルス信号出力部96から出力されるクロックパルス信号を受信可能であり、圧板12と第1弾性部材14の第1端14aとが分離することにより第1電極26と第2電極27とが電気的に接続されていない場合において、クロックパルス信号を受信する場合には、クロックパルス信号に同期して発光部92aに電力を供給して発光部92aを断続的に発光させ、クロックパルス信号を受信しない場合には、発光部92aに電力を供給せず、圧板12と第1弾性部材14の第1端14aとが接触することにより第1電極26と第2電極27とが電気的に接続された場合には、発光部92aに電力を供給する。
【0162】
本実施形態においては、シートカセット10、本体筐体2、シートカセット収容部2a、第1電極26、第2電極27、シート搬送部20、駆動部4、シートセンサ9、回転パルス信号出力部95、クロックパルス信号出力部96、制御部6、及び電力供給回路SCによりシート搬送装置が構成されている。
【0163】
[シート枚数Sを算出するための制御の第2実施形態]
画像形成装置1は、シート枚数Sを算出するための構成の第2実施形態のように、クロックパルス信号出力部96を第1トランジスタTr1のベースB2に接続し、クロックパルス信号出力部96からのクロックパルス信号を第1トランジスタTr1のベースB2に入力するように構成した場合においても、上述したシート枚数Sの更新処理S100、シート枚数Sの更新処理S200、及びシート枚数Sの算出処理S300を、シート枚数Sを算出するための制御の第1実施形態の場合と同様に実行することが可能である。
【0164】
本実施形態におけるシート枚数Sの更新処理S100は、以下のように行われる。
図26に示すように、分離位置にあるシートカセット10を収容位置まで挿入すると(S101)、シートカセット10側の第1弾性部材14とシートカセット収容部2a側の第1電極26とが接触して導通するとともに、シートカセット10側の第2弾性部材15とシートカセット収容部2a側の第2電極27とが接触して導通する(S103)。
【0165】
また、シートカセット10を収容位置まで挿入した状態においては、電力供給回路SCがクロックパルス信号出力部96からのクロックパルス信号を受信し(S106)、
図25に示すように、シートセンサ9が第1信号を断続的に出力する(S108)。
ここで、「シートセンサ9が第1信号を断続的に出力する」とは、シートセンサ9がクロックパルス信号のオン信号とオフ信号とに同期して、第1信号と第2信号とを一定の周期で繰り返し出力することをいう。
【0166】
図25には、シートカセット10が第1状態にある場合の、シート枚数Sを算出する際における、第1トランジスタTr1に対する電圧V_bias1の印加状態、スイッチSWの開閉状態、第2トランジスタTr2に対する電圧V_bias2の印加状態、クロックパする信号出力部96からのクロックパルス信号の出力状態、シートセンサ9からの第1信号及び第2信号の出力状態を示すタイミングチャートを記載している。
分離位置にあるシートカセット10を収容位置まで挿入した場合、シートカセット10の状態としては、第1状態、第2状態、及び第3状態が存在しており、ステップS108では、第1状態、第2状態、及び第3状態の全ての状態においてシートセンサ9が第1信号を断続的に出力する。
【0167】
制御部6は、シートセンサ9が第1信号を断続的に出力した後に、モータ40を起動する(S115)。モータ40が起動されると、モータ40からの駆動力により押上板13が上方へ回動され、圧板12の上側への移動が開始される(S117)。
制御部6は、モータ40を起動した後に、シートセンサ9が第1出力信号を連続的に出力しているか否かの判定を行う(S120)。ここで、「シートセンサ9が第1出力信号を連続的に出力する」とは、クロックパルス信号のオン信号の長さよりも十分に長い時間、例えばクロックパルス信号のオン信号の複数倍以上の長さの時間だけ継続して第1信号を出力することをいう。
【0168】
制御部6は、ステップS120においてシートセンサ9が第1出力信号を連続的に出力していると判定した場合、シート枚数Sを算出するための制御の第1実施形態の場合と同様に、現在制御部6に保持されているシート枚数Sを0枚にリセットするとともに(S121)、制御部6に備えられモータ40の回転数を計測するカウンタCの値を0にリセットする(S123)。制御部6は、さらにカウンタCのインクリメントを開始して、モータ40の回転数を計測し始める(S125)。
【0169】
制御部6がモータ40の回転数を計測し始めた後は、シート枚数Sを算出するための制御の第1実施形態の場合と同様に、ステップS135〜S149が行われる(
図13参照)。
但し、ステップS135において行われるシートセンサ9が第2信号を出力しているか否かの判定は、より具体的には、シートセンサ9が連続的に第2信号を出力しているか否か、つまり、シートセンサ9が連続的に第1信号を出力している状態から連続的に第2信号を出力している状態へ切り替わったか否かの判定を行うものである。
【0170】
一方、制御部6は、ステップS120においてシートセンサ9が第1出力信号を連続的に出力していないと判定した場合、モータ40を起動して押圧版13の上側への移動を開始した時点から所定時間が経過したか否かの判定を行う(S128)。
制御部6は、ステップS128において前記所定時間が経過していないと判定した場合は、再度ステップS120を実行する。
【0171】
また、制御部6は、ステップS128において前記所定時間が経過したと判定した場合は、圧板12が上側に移動していない状態にある等、圧板移動機構に故障が生じていると判断する(S129)。
つまり、モータ40を起動して押圧版13の上側への移動を開始した時点から所定時間が経過してもシートセンサ9が第1出力信号を連続的に出力していない場合は、モータ40を起動しても圧板12が正常に上側へ移動せずに、スイッチSWが閉状態に切り替わらない等の理由により、シートセンサ9の発光部92aが連続的に発光しない状態であるため、制御部6は圧板移動機構に故障が生じていると判断する。
このように、制御部6が圧板移動機構に故障が生じていると判断する場合は、シートカセット10が第3状態にある場合である。
【0172】
制御部6は、ステップS129において圧板移動機構に故障が生じていると判断すると、シート枚数Sを算出するための制御の第1実施形態の場合と同様に、圧板移動機構に故障が生じている旨の情報を外部に報知し(S131)、その後モータ40を停止して(S133)、シート枚数Sの更新処理S100を終了する。
【0173】
また、本実施形態におけるシート枚数Sの更新処理S200は、以下のように行われる。
電源オンされた時点の画像形成装置1においては、電力供給回路SCはクロックパルス信号出力部96からのクロックパルス信号を受信しており、シートカセット10は前述の第1状態〜第5状態の何れかの状態にある。
シートカセット10が第1状態、第2状態、又は第3状態にあるときは、圧板12が第1位置に変位して、圧板12と第1弾性部材14の第1端14aとが分離した状態となっており、画像形成装置1が電源オンされた時点においては、シートセンサ9にはクロックパルス信号に同期して電力が供給され、シートセンサ9は第1信号を断続的に出力する。
【0174】
シートカセット10が第4状態にあるときには、圧板12が上側に移動して圧板12に支持されたシート18をシートセンサ9が検出している状態となっており、画像形成装置1が電源オンされた時点においては、シートセンサ9は第2信号を連続的に出力する。
シートカセット10が第5状態にあるときには、圧板12が最上位置まで移動してスイッチSWが閉状態になるとともに、シートセンサ9によりシート18が検出されていない状態となっており、画像形成装置1が電源オンされた時点においては、シートセンサ9は第1信号を連続的に出力する。
【0175】
図27に示すように、制御部6は、画像形成装置1が電源オンされると(S201)、シートセンサ9が第1信号を断続的に出力しているか否かの判定を行う(S204)。
制御部6は、ステップS204においてシートセンサ9が第1信号を断続的に出力していないと判定した場合は、シートセンサ9が第1信号を連続的に出力しているか否かの判定を行う(S206)。
制御部6は、ステップS206においてシートセンサ9が第1信号を連続的に出力していると判定した場合は、シートカセット10が第5状態にあると判断して、
図21に示すように、画像形成装置1の表示部に「シートなし」である旨の表示を行った後(S257)、シート枚数Sの更新処理S200を終了する。
【0176】
制御部6は、ステップS206においてシートセンサ9が第1信号を連続的に出力していないと判定した場合は、圧板12にシート18が支持されており、且つ電源オフ時にシートカセット10の挿抜が行われなかったと判断する(S209)。つまり、シートカセット10が第4状態にあると判断する。
この場合、シート枚数Sを算出するための制御の第1実施形態の場合と同様に、シート枚数Sの更新は行わずに、電源がオフされる前に制御部6に保持されていたシート枚数Sを継続して使用する(S211)。
その後、制御部6は、印刷準備が完了したと判断し(S213)、モータ40を停止して(S215)、シート枚数Sの更新処理S200を終了する。
【0177】
一方、制御部6は、ステップS204においてシートセンサ9が第1信号を断続的に出力していると判定した場合、モータ40を起動する(S221)。
制御部6が、ステップS204においてシートセンサ9が第1信号を断続的に出力していると判定する場合は、シートカセット10が第1状態、第2状態、又は第3の状態にある場合である。
【0178】
モータ40が起動されると、モータ40からの駆動力により押上板13が上方へ回動され、圧板12の上側への移動が開始される(S223)。
制御部6は、モータ40を起動した後に、シートセンサ9が第1出力信号を連続的に出力しているか否かの判定を行う(S226)。
【0179】
制御部6は、ステップS226においてシートセンサ9が第1出力信号を連続的に出力していると判定した場合、シート枚数Sを算出するための制御の第1実施形態の場合と同様に、現在制御部6に保持されているシート枚数Sを0枚にリセットするとともに(S227)、制御部6に備えられモータ40の回転数を計測するカウンタCの値を0にリセットする(S229)。制御部6は、さらにカウンタCのインクリメントを開始して、モータ40の回転数を計測し始める(S231)。
【0180】
制御部6がモータ40の回転数を計測し始めた後は、シート枚数Sを算出するための制御の第1実施形態の場合と同様に、ステップS241〜S255、S300が行われる(
図21参照)。
但し、ステップS241において行われるシートセンサ9が第2信号を出力しているか否かの判定は、より具体的には、シートセンサ9が連続的に第2信号を出力しているか否か、つまり、シートセンサ9が連続的に第1信号を出力している状態から連続的に第2信号を出力している状態へ切り替わったか否かの判定を行うものである。
【0181】
一方、制御部6は、ステップS226においてシートセンサ9が第1出力信号を連続的に出力していないと判定した場合、モータ40を起動して押圧版13の上側への移動を開始した時点から所定時間が経過したか否かの判定を行う(S234)。
制御部6は、ステップS234において前記所定時間が経過していないと判定した場合は、再度ステップS226を実行する。
【0182】
また、制御部6は、ステップS234において前記所定時間が経過したと判定した場合は、圧板12が上側に移動していない状態にある等、圧板移動機構に故障が生じていると判断する(S235)。
つまり、モータ40を起動して押圧版13の上側への移動を開始した時点から所定時間が経過してもシートセンサ9が第1出力信号を連続的に出力していない場合は、モータ40を起動しても圧板12が正常に上側へ移動せずに、スイッチSWが閉状態に切り替わらない等の理由により、シートセンサ9の発光部92aが連続的に発光しない状態であるため、制御部6は圧板移動機構に故障が生じていると判断する。
このように、制御部6が圧板移動機構に故障が生じていると判断する場合は、シートカセット10が第3状態にある場合である。
【0183】
制御部6は、ステップS235において圧板移動機構に故障が生じていると判断すると、シート枚数Sを算出するための制御の第1実施形態の場合と同様に、圧板移動機構に故障が生じている旨の情報を外部に報知し(S237)、その後モータ40を停止して(S239)、シート枚数Sの更新処理S200を終了する。
【0184】
このように、本実施形態の場合は、制御部6は、シートセンサ9から出力される第1信号及び前記第2信号を受信可能であり、駆動部4を制御することにより押上板13を変位させて圧板12を上側へ移動させる前に、電力供給回路SCが受信したクロックパルス信号に応じてシートセンサ9から第1信号を断続的に受信した場合であって、かつ、駆動部4を押圧板13を上側へ移動させるように制御したときに、押圧板13の上側への移動を開始した時点から所定時間が経過してもシートセンサ9から連続的に第1信号を受信しない場合は、故障を報知するように構成されている。
【0185】
これにより、圧板12の上側への移動量に基づいて圧板12上に支持されているシート18の枚数を算出する前に、圧板移動機構に故障が生じているか否かを検出することが可能となっている。
特に、電力供給回路SCは、シート搬送装置が備えるクロックパルス信号出力部96から出力されるクロックパルス信号を受信することによりシートセンサ9の発光部92aに電力を供給するように構成されているため、制御部6から電力供給回路SCに対してシートセンサ9の発光部92aへの電力供給指令を送信するように構成した場合に比べて、制御部6の構成を簡単にすることができる。
【0186】
また、本実施形態において、制御部6は、回転パルス信号を受信可能であり、駆動部4を制御することにより押上板13を変位させて圧板12を上側へ移動させるときに、シートセンサ9から断続的に第1信号を受信している状態から連続的に第1信号を受信する状態へ切り替わった時点から、回転パルス信号出力部95から受信した回転パルス信号の数の計測を開始し、その後、シートセンサ9から連続的に第1信号を受信している状態から連続的に第2信号を受信する状態へ切り替わると回転パルス信号の数の計測を終了し、計測した回転パルス信号の数に基づいて、圧板12の上側への移動量に対応するシート積載高さHを算出する。
【0187】
これにより、シート枚数Sを算出する際の算出誤差を小さくすることが可能となっている。また、回転パルス信号の数に基づいてシート積載高さHを算出して圧板12上のシート枚数Sを求める際に、シートセンサ9から受信した信号を用いて圧板12の上側への移動の開始を検出しているため、専用のセンサを用いる必要がなく、装置構成を簡単にしてコストアップを抑制することが可能となっている。
【0188】
[本実施形態における効果]
本実施形態においては、画像形成装置1は上述のように構成されている。
つまり、画像形成装置1が備えるシート搬送装置は、カセット本体11、圧板12、押上板13、第1弾性部材14、及び第2弾性部材15を有するシートカセット10と、本体筐体2と、シートカセット収容部2aと、第1電極26と、第2電極27と、シート搬送部20と、駆動部4と、シートセンサ9と、制御部6と、電力供給回路SCと、を備える。制御部6は、シートセンサ9から出力される第1信号及び前記第2信号を受信可能であり、電力供給回路SCに供給指令を送信可能であり、駆動部4を制御することにより押上板13を変位させて圧板12を上側へ移動させる前に、電力供給回路SCに供給指令を送信したことに応じてシートセンサ9から第1信号を受信した場合であって、かつ、供給指令の送信を停止するとともに駆動部4を押圧板13を上側へ移動させるように制御したときに、電力供給回路SCへの供給指令の送信を停止した時点から所定時間が経過してもシートセンサ9から第1信号を受信しない場合は、故障を報知する。
【0189】
これにより、圧板12の上側への移動量に基づいてシート枚数Sを算出する前に、圧板移動機構に故障が生じているか否かを検出することが可能となる。
【0190】
また、シート搬送装置は、モータ40の回転量を示す回転パルス信号を出力する回転パルス信号出力部95を備え、制御部6は、回転パルス信号を受信可能であり、駆動部4を制御することにより押上板13を変位させて圧板12を上側へ移動させるときに、シートセンサ9から受信した信号が第2信号から第1信号へ切り替わった時点から、回転パルス信号出力部95から受信した回転パルス信号の数の計測を開始し、その後、シートセンサ9から受信した信号が第1信号から第2信号へ切り替わると回転パルス信号の数の計測を終了し、計測した回転パルス信号の数に基づいて、圧板12の上側への移動量を算出する。
【0191】
これにより、シート枚数Sを算出する際の算出誤差を小さくすることが可能である。また、回転パルス信号の数に基づいてシート積載高さHを算出して圧板12上のシート枚数Sを求める際に、シートセンサ9から受信した信号を用いて圧板12の上側への移動の開始を検出しているため、専用のセンサを用いる必要がなく、装置構成を簡単にしてコストアップを抑制することが可能である。
【0192】
また、シート搬送装置は、カセット本体11、圧板12、押上板13、第1弾性部材14、及び第2弾性部材15を有するシートカセット10と、本体筐体2と、シートカセット収容部2aと、第1電極26と、第2電極27と、シート搬送部20と、駆動部4と、シートセンサ9と、クロックパルス信号出力部96と、制御部6と、電力供給回路SCと、を備える。制御部6は、シートセンサ9から出力される第1信号及び前記第2信号を受信可能であり、駆動部4を制御することにより押上板13を変位させて圧板12を上側へ移動させる前に、電力供給回路SCが受信したクロックパルス信号に応じてシートセンサ9から第1信号を断続的に受信した場合であって、かつ、駆動部4を押圧板13を上側へ移動させるように制御したときに、押圧板13の上側への移動を開始した時点から所定時間が経過してもシートセンサ9から連続的に第1信号を受信しない場合は、故障を報知する。
【0193】
これにより、圧板12の上側への移動量に基づいてシート枚数Sを算出する前に、圧板移動機構に故障が生じているか否かを検出することが可能となっている。
特に、電力供給回路SCは、シート搬送装置が備えるクロックパルス信号出力部96から出力されるクロックパルス信号を受信することによりシートセンサ9の発光部92aに電力を供給するように構成されているため、制御部6から電力供給回路SCに対してシートセンサ9の発光部92aへの電力供給指令を送信するように構成した場合に比べて、制御部6の構成を簡単にすることができる。
【0194】
また、シート搬送装置は、モータ40の回転量を示す回転パルス信号を出力する回転パルス信号出力部95を備え、制御部6は、回転パルス信号を受信可能であり、駆動部4を制御することにより押上板13を変位させて圧板12を上側へ移動させるときに、シートセンサ9から断続的に第1信号を受信している状態から連続的に第1信号を受信する状態へ切り替わった時点から、回転パルス信号出力部95から受信した回転パルス信号の数の計測を開始し、その後、シートセンサ9から連続的に第1信号を受信している状態から連続的に第2信号を受信する状態へ切り替わると回転パルス信号の数の計測を終了し、計測した回転パルス信号の数に基づいて、圧板12の上側への移動量を算出する。
【0195】
これにより、シート枚数Sを算出する際の算出誤差を小さくすることが可能である。また、回転パルス信号の数に基づいてシート積載高さHを算出して圧板12上のシート枚数Sを求める際に、シートセンサ9から受信した信号を用いて圧板12の上側への移動の開始を検出しているため、専用のセンサを用いる必要がなく、装置構成を簡単にしてコストアップを抑制することが可能である。
【0196】
また、シートカセット10は、本体筐体2に収容された収容位置と、本体筐体2から分離された分離位置との間で変位可能であり、シートカセット10が分離位置にあるときに、圧板12は第1位置に変位する。
【0197】
これにより、例えばシートカセット10が収容位置から分離位置に引き出されて、再度収容位置に戻されたときに、確実に、圧板12と第1弾性部材14の第1端14aとが接触して第1電極26と第2電極27とが電気的に接続されたことを検出した後に、モータ40の回転数に基づいて圧板12の上昇量を算出することが可能となる。
【0198】
また、第1弾性部材14の第2端14bは、第1電極26に対してシートカセット10の変位方向へ摺動可能に接触し、第2弾性部材15の第2端15bは、第2電極27に対してシートカセット10の変位方向へ摺動可能に接触する。
これにより、シートカセット10が収容位置にあるときには確実に第1弾性部材14と第1電極26、及び第2弾性部材15と第2電極27とを接触させることができる一方で、シートカセット10を収容位置から分離位置に変位させるときには、第1弾性部材14と第1電極26、及び第2弾性部材15と第2電極27との接続を容易に解除することが可能となる。
【0199】
また、シートカセット収容部2aに、シートカセット10を案内するレール201aを備え、第1電極26は、レール201aに配置される板状部材であり、第2電極27は、シートカセット収容部2aの下部に配置されるフレームである。
これにより、装置構成を複雑にすることなく第1電極26及び第2電極27を配置することができ、シート搬送装置の小型化を阻害することがない。
【0200】
また、第1弾性部材14は、圧板12の縁部12bに接触する。
これにより、第1弾性部材14と圧板12とを確実に接触させて、第1弾性部材14と圧板12とを安定して電気的に接続することが可能となる。
【0201】
圧板12には導電性グリス121が塗布されており、押上板13は圧板12の導電性グリス121が塗布されている部分に接触する。
このように、圧板12の押上板13が接触する部分に導電性グリス121を塗布することで、圧板12と押上板13とを安定して電気的に接続することが可能となる。