(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、溶着フィルムは透明であり透光性を有する。よって、タンクの壁の一部が溶着フィルムで構成されている場合、画像記録装置の外部から画像記録装置の内部へ進入した光が、溶着フィルムを介してタンク内に進入するおそれがある。これにより、光学センサがタンク内のインク残量を誤検知するおそれがある。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タンク内の液体残量の誤検知を低減することができる画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係る画像記録装置は、液体を貯留する第1貯留室を有するカートリッジと、上記カートリッジと接続可能であって、上記カートリッジと接続された状態において上記カートリッジより第1向きに位置しており、上記第1貯留室から流入する液体を貯留する第2貯留室を有するタンクと、上記第2貯留室から供給された液体をノズルから吐出する記録部と、上記第2貯留室に貯留された液体の液面が所定位置になったことを光学的に検知する検知部と、上記第2貯留室内への光の進入を抑制する遮光部材と、を備える。上記タンクは、上記第2貯留室の一部を区画する本体と、上記本体に溶着されており、上記第2貯留室の上記第1向きの側面を区画する第1フィルムと、を備える。上記遮光部材は、上記第1フィルムより上記第1向きに位置している。
【0008】
本構成によれば、第1フィルムより第1向きに、遮光部材が配置されている。これにより、画像記録装置の外部から画像記録装置の内部へ進入した光が第1フィルムを介して第2貯留室に進入する可能性を低くすることができる。
【0009】
また、遮光部材が第1フィルムより第1向きに配置されていることにより、第1フィルムが保護される。これにより、第1フィルムの破損の可能性を低くすることができる。
【0010】
(2) 上記遮光部材は、フィルム状の第2フィルムを備える。
【0011】
本構成によれば、遮光部材を薄く構成することができる。そのため、遮光部材の配置に要するスペースを小さくすることができる。
【0012】
(3) 上記第2フィルムは、黒色である。
【0013】
本構成によれば、遮光部材の遮光性を向上させることができる。
【0014】
(4) 本発明に係る画像記録装置は、装着された上記カートリッジを支持可能であって上記タンクが固定されたリフィルケースを備える。上記第2フィルムは、上記リフィルケースに固定されている。
【0015】
本構成によれば、タンク及び第2フィルムの双方がリフィルケースに固定されている。そのため、第2フィルムの第1フィルムに対する位置ずれを低減することができる。また、本構成によれば、リフィルケースがカートリッジを支持可能であり、タンクがリフィルケースに固定されている。そのため、カートリッジがタンクに接続される際の位置ずれを低減することができる。
【0016】
(5) 上記遮光部材は、少なくとも、上記第2貯留室における上記検知部による検知位置を上記第1向きから覆っている。
【0017】
本構成によれば、遮光部材の配置範囲を小さくすることができる。
【0018】
(6) 上記遮光部材は、上記第1向きと直交する第2向きにおいて、上記本体の側面の少なくとも一部を当該本体の外側から更に覆っている。
【0019】
第2貯留室に貯留された液体残量が検知部によって光学的に検知される場合、本体は、ポリプロピレンなどの透光性を有する材質であることが好ましい。本体が透光性を有する材質である場合、画像記録装置の外部から画像記録装置の内部へ進入した光が本体を介して第2貯留室に進入するおそれがある。これにより、検知部が第2貯留室に貯留された液体残量を誤検知するおそれがある。本構成によれば、遮光部材は、第1フィルムのみならず、第1向きと直交する第2向きにおいて、本体の側面の少なくとも一部を当該本体の外側から更に覆っているため、光が本体を介して第2貯留室へ進入する可能性を低くすることができる。
【0020】
(7) 上記遮光部材は、液体を吸収する吸収体を備える。
【0021】
本構成によれば、液体を吸収するための吸収体を遮光部材として兼用することができる。
【0022】
(8) 上記吸収体は、上記第1フィルムより上記第1向きに位置する第1吸収体と、上記カートリッジと上記タンクとの接続位置の下方に位置し、上記第1吸収体と接続された第2吸収体と、を備える。
【0023】
通常、カートリッジやタンクに貯留された液体の多くは、カートリッジとタンクとの接続位置から漏れる。本構成によれば、接続位置から漏れた液体を第2吸収体が吸収することができる。また、第2吸収体が吸収した液体を第1吸収体が吸収することができる。また、第1吸収体は、光の第2貯留室への進入を阻害できる。また、第1吸収体は、第1フィルムを保護することができる。
【0024】
(9) 例えば、上記カートリッジは、上記第1貯留室を大気に連通させる第1大気連通部を備える。上記タンクは、上記第2貯留室を大気に連通させる第2大気連通部を備える。上下方向において、上記第1貯留室と上記第2貯留室とは、少なくとも一部が重複している。
【0025】
(10) 例えば、上記本体は、上記第1向きと交差する第2向きに対向する一対の側壁を備える。上記検知部は、上記一対の側壁を挟むように位置している。
【0026】
(11) 例えば、本発明に係る画像記録装置は、上記第2貯留室に位置しており、上記第2貯留室に貯留された液体の液面が上記所定位置以下になったことを条件として移動する移動部材を備える。上記検知部は、上記移動部材の移動を検知する。
【0027】
(12) 本発明に係る画像記録装置は、上記タンク、上記記録部、及び上記検知部が内部に位置する装置筐体を備える。上記装置筐体は、白色である。
【0028】
本構成によれば、装置筐体が白色である。そのため、画像記録装置の外部の光が装置筐体を透過して画像記録装置の内部へ進入し易い。しかし、本構成によれば、遮光部材によって、画像記録装置の外部から画像記録装置の内部へ進入した光が第1フィルムを介してタンク内に進入する可能性を低くすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、第2貯留室に貯留された液体残量の誤検知を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、複合機10が使用可能に水平面に設置された姿勢(
図1の姿勢であって、「使用姿勢」と表記することがある。)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の開口13が設けられている面を前面として前後方向8が定義され、複合機10を前面から見て左右方向9が定義される。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。前後方向8及び左右方向9は、直交している。前後方向8のうち、後方は第1向きの一例である。左右方向9のうち、右方は第2向きの一例である。
【0032】
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10(画像記録装置の一例)は、概ね直方体形状である。複合機10は、インクジェット記録方式で用紙12(
図2参照)に画像を記録するプリンタ部11を下部に有している。プリンタ部11は、前面14Aに開口13が形成された筐体14(装置筐体の一例)を有している。本実施形態において、筐体14は白色である。なお、筐体14は白色以外の色であってもよい。
【0033】
図2に示されるように、筐体14の内部には、給送ローラ23と、給送トレイ15と、排出トレイ16と、搬送ローラ対25と、記録部24と、排出ローラ対27と、プラテン26と、カートリッジケース101(
図1(B)及び
図5参照、リフィルケースの一例)と、タンク103(
図5参照)と、液面センサ195(検知部の一例、
図7参照)と、フィルム50(遮光部材の一例、
図5参照)と、吸収体60(遮光部材の一例、
図5参照)とが配置されている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。なお、
図1に示される状態が、複合機10の使用姿勢である。
【0034】
[給送トレイ15、排出トレイ16、給送ローラ23]
図1に示されるように、給送トレイ15は、開口13を通じて前後方向8に沿ってユーザによって複合機10に対して挿入及び脱抜される。開口13は、筐体14の前面14Aにおける左右方向9の中央部に位置する。
図2に示されるように、給送トレイ15は、積層された複数の用紙12を支持可能である。
【0035】
排出トレイ16は、給送トレイ15の上方に配置されている。排出トレイ16は、排出ローラ対27によって排出された用紙12を支持する。
【0036】
給送ローラ23は、給送トレイ15に支持された用紙12を搬送路17へ給送する。給送ローラ23は、給送用モータ(不図示)によって駆動される。
【0037】
[搬送路17]
図2に示されるように、搬送路17は、その一部がプリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって形成される空間を指す。搬送路17は、給送トレイ15の後端部から後方に延びる経路である。搬送路17は、プリンタ部11の後部において上方に延びつつ前方にUターンし、記録部24とプラテン26との間の空間を経て排出トレイ16に至る経路である。搬送ローラ対25及び排出ローラ対27の間における搬送路17は、左右方向9における複合機10の概ね中央部に設けられており、且つ前後方向8に延びている。搬送路17内における用紙12の搬送向きは、
図2において一点鎖線の矢印で示されている。
【0038】
[搬送ローラ対25]
図2に示されるように、搬送ローラ対25は、搬送路17に配置されている。搬送ローラ対25は、互いに対向する搬送ローラ25A及びピンチローラ25Bを有する。搬送ローラ25Aは、搬送用モータ(不図示)によって駆動される。ピンチローラ25Bは、搬送ローラ25Aの回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送用モータの正転によって正回転する搬送ローラ25A及びピンチローラ25Bに挟持されて搬送向き(前向き)に搬送される。
【0039】
[排出ローラ対27]
図2に示されるように、排出ローラ対27は、搬送路17における搬送ローラ対25より搬送向きの下流に配置されている。排出ローラ対27は、互いに対向する排出ローラ27A及び拍車27Bを有する。排出ローラ27Aは、搬送用モータ(不図示)によって駆動される。拍車27Bは、排出ローラ27Aの回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送用モータの正転によって正回転する排出ローラ27A及び拍車27Bに挟持されて搬送向き(前向き)に搬送される。
【0040】
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、搬送路17における搬送ローラ対25及び排出ローラ対27の間に配置されている。記録部24は、搬送路17を挟んでプラテン26と上下方向7に対向配置されている。記録部24は搬送路17の上方に位置し、プラテン26は搬送路17の下方に位置している。記録部24は、キャリッジ22と、記録ヘッド21とを備えている。
【0041】
図3に示されるように、キャリッジ22は、前後方向8に離間する位置において各々が左右方向9に延設されたガイドレール82、83に支持されている。ガイドレール82、83は、プリンタ部11のフレーム(不図示)に支持されている。キャリッジ22は、ガイドレール83に設けられた公知のベルト機構に連結されている。ベルト機構は、キャリッジ駆動用モータ(不図示)によって駆動される。ベルト機構に連結されたキャリッジ22は、キャリッジ駆動用モータの駆動によって左右方向9に沿って往復移動する。キャリッジ22の移動領域は、
図3の一点鎖線で示されるように、搬送路17より右方及び左方にまで及ぶ。
【0042】
キャリッジ22からは、インクチューブ20とフレキシブルフラットケーブル84とが延出されている。
【0043】
インクチューブ20は、タンク103(
図5参照)と記録ヘッド21とを接続するものである。インクチューブ20は、カートリッジケース101(
図1(B)及び
図5参照)に装着された各インクカートリッジ30(カートリッジの一例、
図6参照)に貯留されたインク(液体の一例)をタンク103を介して記録ヘッド21に供給する。各色(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)のインクが流通する4本のインクチューブ20が、各インクカートリッジ30に対応して設けられており、これらが束ねられた状態でキャリッジ22と接続されている。
【0044】
フレキシブルフラットケーブル84は、図示されていないメイン基板と記録ヘッド21とを電気的に接続するものである。メイン基板には、CPU、RAM、ROMなどからなる制御部が実装されている。制御部は、複合機10の動作を制御する。フレキシブルフラットケーブル84は、制御部から出力される制御信号を記録ヘッド21に伝達する。
【0045】
図2に示されるように、キャリッジ22は、記録ヘッド21を搭載している。記録ヘッド21の下面(プラテン26に対向する面)には、複数のノズル29が形成されている。記録ヘッド21には、インクカートリッジ30からインクが供給される。記録ヘッド21は、ノズル29からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ22が左右方向9へ往復移動しているときに、ノズル29からプラテン26へ向けてインク滴が吐出される。これにより、搬送ローラ対25に搬送されてプラテン26に支持されている用紙12にインク滴が着弾し、用紙12に画像が記録される。
【0046】
[プラテン26]
図2に示されるように、プラテン26は、搬送路17における搬送ローラ対25及び排出ローラ対27の間に配置されている。プラテン26は、搬送路17を挟んで記録部24と上下方向7に対向配置されている。プラテン26は、搬送ローラ対25によって搬送される用紙12を下方から支持する。
【0047】
[カバー87]
図1に示されるように、筐体14の前面14Aの右部に、開口85が形成されている。
図4(A)に示されるように、開口85の後方には、
図5に示されるカートリッジケース101とタンク103とフィルム50と吸収体60とを収容可能な収容空間86が形成されている。
図4(B)に、カートリッジケース101とタンク103とフィルム50と吸収体60とが収容空間86に収容された筐体14が示されている。
図1に示されるように、筐体14には、カバー87が、開口85を覆うようにして取り付けられている。カバー87は、開口85を閉塞する閉塞位置(
図1(A)に示される位置)と、開口85を開放する開放位置(
図1(B)に示される位置)との間を、左右方向9に延びる回動軸線87A(回動中心)周りに回動可能である。
【0048】
[カートリッジケース101]
図5に示されるように、カートリッジケース101は、箱形状である。カートリッジケース101は、天面101Aと、底面101Bと、後面(不図示)と、開口112とを備える。天面101Aは、カートリッジケース101の内部空間の天部を区画している。底面101Bは、カートリッジケース101の内部空間の底部を区画している。後面は、天部と底面101Bとをつないでいる。開口112は、後面と前後方向8に対向する位置に設けられている。開口112は、筐体14の前面14A(
図1参照)に露出し得る。筐体14の前面14Aは、ユーザが複合機10を使用するときに対面する面である。
【0049】
筐体14の開口85(
図1参照)及びカートリッジケース101の開口112を通じて、インクカートリッジ30(
図1(B)及び
図6参照)がカートリッジケース101へ挿抜される。インクカートリッジ30は、カートリッジケース101の底面101Bに設けられたガイド溝109に、インクカートリッジ30の下端部が挿入されることによって、前後方向8へ案内される。
【0050】
カートリッジケース101には、内部空間を上下方向7に長い4つの空間に仕切り分ける3つのプレート104が設けられている。プレート104によって仕切り分けられた4つの空間それぞれにインクカートリッジ30が収容される。本実施形態では、ブラックのインクが貯留されたインクカートリッジ30、マゼンタのインクが貯留されたインクカートリッジ30、シアンのインクが貯留されたインクカートリッジ30、及びイエローのインクが貯留されたインクカートリッジ30が、4つの空間に収容される。カートリッジケース101の底面101Bは、収容したインクカートリッジ30を支持している。
【0051】
[インクカートリッジ30]
図6に示されるインクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。1つのインクカートリッジ30は、カートリッジケース101の4つの空間のうちの1つに装着される。つまり、カートリッジケース101には、空間と同数のインクカートリッジ30(4つのインクカートリッジ30)が装着可能である。
図6に示されているインクカートリッジ30の姿勢は、使用姿勢の複合機10のカートリッジケース101に装着された状態での姿勢である。
【0052】
インクカートリッジ30は、略直方体形状である。インクカートリッジ30は、全体として、左右方向9に沿った寸法が短く、上下方向7及び前後方向8それぞれに沿った寸法が、左右方向9に沿った寸法よりも長い扁平形状である。
【0053】
図11に示されるように、インクカートリッジ30は、その内部にインクを貯留可能なインク室33(第1貯留室の一例)を備える。インクカートリッジ30において、少なくとも前壁41が、インク室33に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有する。前壁41は、インク室33の前面を区画している。前壁41は、インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着された状態において、筐体14の前面14Aに露出し得る(
図1(B)参照)。これにより、インクカートリッジ30の外部から前壁41を介してインク室33に貯留されているインクの液面を視認可能である。
【0054】
インクカートリッジ30は、インク供給部34を備える。インク供給部34は、インクカートリッジ30の段差壁49から後方へ突出している。インク供給部34は、円筒形状の外形をなしている。インク供給部34の内部空間は、インク室33と連通している。インク供給部34の先端(後端)に、インク供給口71が形成されている。インク供給口71は、インク供給部34の内部空間とインクカートリッジ30の外部とを連通している。
【0055】
インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着された状態において、インク供給部34は、タンク103と接続される。これにより、インク室33に貯留されたインクは、インク供給部34の内部空間を介して、タンク103へ供給される。
【0056】
インク供給部34は、内部空間にバルブ77及びコイルバネ78を備えている。バルブ77は、前後方向8に沿って移動することにより、インク供給口71を開閉する。コイルバネ78はバルブ77を後方へ付勢している。したがって、外力が付与されていない状態において、バルブ77は、インク供給口71を閉じている。その結果、インク室33内のインクがインク供給口71から外部へ漏れることが防止されている。一方、インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着された状態では、バルブ77が後述するインクニードル102に押されることによってコイルバネ78の付勢力に抗して前方へ移動して、インク供給口71は開かれる。これにより、インク室33内のインクがインク供給口71から外部へ流出することが可能となる。
【0057】
なお、インク供給口71が閉じられる手段は、バルブ77及びコイルバネ78に限らない。例えば、インク供給口71にシールが貼られていてもよい。そして、インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着される際に、タンク103のインクニードル102がシールに突き刺されることによって、インク室33内のインクがインク供給口71からインクニードル102の内部空間へ流出することが可能となってもよい。
【0058】
インクカートリッジ30は、大気連通部(第1大気連通部の一例)を備える。大気連通部は、大気連通口96と大気流路36とを備える。大気連通口96は、インクカートリッジ30の上壁39に形成されている。大気連通口96は、インクカートリッジ30の外部と連通している。大気流路36の一端は、貫通孔46を介してインク室33と連通している。大気流路36の他端は、大気連通口96と連通している。これにより、大気連通部は、インク室33を大気に連通させている。なお、大気流路36には、インクの流通を閉塞し且つ大気の連通を許容する半透膜97が貼られている。
【0059】
[タンク103]
図5及び
図7に示されるように、タンク103は、内部にインクが貯留される貯留室121(第2貯留室の一例、
図8参照)を有する箱形状の本体151と、本体151の後面に溶着されるフィルム152(第1フィルムの一例)とを備える。
【0060】
本体151は、その右下端部及び左下端部(詳細には、後述する右壁155の下端部及び左壁156の下端部から突出した突部)に開口161を備えている。一方、カートリッジケース101は、その後面の右下端部及び左下端部に、ねじ切りされた孔(不図示)を備えている。
図8に示されるように、ネジ162が、後方から開口161を貫通して、当該孔に螺合される。これにより、タンク103は、カートリッジケース101に固定される。カートリッジケース101に固定されたタンク103は、カートリッジケース101及びカートリッジケース101に装着されたインクカートリッジ30の後方に位置する。つまり、
【0061】
図7及び
図8に示されるように、本体151は、上壁153と、下壁154と、右壁155と、左壁156と、前壁157と、3つの内壁158と、4組の一対の側壁159とを備える。上壁153は、貯留室121の天面を区画している。下壁154は、貯留室121の底面を区画している。右壁155は、貯留室121の右面を区画している。左壁156は、貯留室121の左面を区画している。前壁157は、貯留室121の前面を区画している。以上より、本体151は、貯留室121の後面以外を区画している。
【0062】
図8に示されるように、3つの内壁158は、貯留室121を4つに仕切り分けている。4つの貯留室121の各々は、カートリッジケース101の4つの空間の各々に対応して設けられている。
【0063】
図7に示されるように、4組の一対の側壁159は、4つの貯留室121の各々に対応して設けられている。一対の側壁159は、前壁157から前方へ突出している。前壁157における一対の側壁159が突出している部分は、前壁157の他の部分よりも後方に位置している。一対の側壁159は、左右方向9に対向している。一対の側壁159の間の空間は、貯留室121の一部となっている。
【0064】
図11に示されるように、貯留室121の上端は、カートリッジケース101に装着されたインクカートリッジ30のインク室33の上端と概ね同じ高さである。貯留室121の下端は、カートリッジケース101に装着されたインクカートリッジ30のインク室33の下端よりも下方に位置する。
【0065】
なお、貯留室121とインク室33とは、上下方向7において少なくとも一部が重複していればよい。この条件を満たすのであれば、貯留室121の上端は、カートリッジケース101に装着されたインクカートリッジ30のインク室33の上端よりも上方または下方に位置していてもよい。また、貯留室121の下端は、カートリッジケース101に装着されたインクカートリッジ30のインク室33の下端よりも上方または概ね同じ高さに位置していてもよい。
【0066】
図8に示されるように、本体151の後端部に、4つの溝122が形成されている。4つの溝122の各々は、4つの貯留室121の各々に対応して設けられており、溝122の一端は、貯留室121の下端部と連通している。溝122は、一端から上方へ延び、本体151の上部において左方へ屈曲している。そして、溝122の他端は、本体151の左端部において、インクチューブ20と接続されている。
【0067】
図5に示されるフィルム152は、本体151の後面に溶着されている。溶着されたフィルム152は、貯留室121の後面(第2貯留室の第1向きの側面の一例)を区画している。また、溶着されたフィルム152は、溝122を閉塞する。これにより、貯留室121とインクチューブ20とを連通するインク流路123(
図8参照)が、溝122とフィルム152とによって形成される。
【0068】
図7に示されるように、本体151は、4つの大気連通部124(第2大気連通部の一例)を備える。4つの大気連通部124の各々は、4つの貯留室121の各々に対応して設けられている。
【0069】
大気連通部124は、貫通孔125と、大気流路126と、大気連通口127とを備える。貫通孔125は、前壁157の上部に形成されている。大気流路126は、前壁157の前面に形成されている。大気流路126は、ラビリンス形状である。大気流路126の一端は、貫通孔125を介して貯留室121と連通している。大気流路126の他端は、大気連通口127を介してタンク103の外部と連通している。これにより、大気連通部124は、貯留室121を大気に連通させている。なお、貫通孔125を塞ぐように、半透膜118が溶着されている。
【0070】
図7に示されるように、本体151の前壁157の下部には、前方へ突出した4つの突部200が形成されている。
図11に示されるように、各突部200には、中空のインクニードル102が取り付けられている。つまり、インクニードル102は、4本形成されている。4つのインクニードル102の各々は、4つの貯留室121の各々に対応して設けられている。インクニードル102は、貯留室121と連通している。インクニードル102は、前壁157から前方へ突出している。カートリッジケース101の後面には、貫通孔106が形成されている。インクニードル102は、貫通孔106を貫通してカートリッジケース101の内部空間に突出している。インクニードル102は、カートリッジケース101に装着されたインクカートリッジ30のインク供給部34に進入する。これにより、タンク103は、インクカートリッジ30と接続される。
【0071】
インクニードル102の内部空間には、バルブ114及びコイルバネ115が配置されている。コイルバネ115はバルブ114を前方へ付勢している。インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着されていない状態では、インクニードル102の先端はバルブ114によって閉じられている。これにより、貯留室121内のインクがインクニードル102から外部へ漏れることが防止されている。なお、インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着されていない状態では、コイルバネ115に付勢されたバルブ114の前端部は、インクニードル102の先端よりも前方へ突出している。一方、インクカートリッジ30がカートリッジケース101に装着された状態では、バルブ114の前端部がインクカートリッジ30のバルブ77に押されることによって、インクニードル102の先端は開かれる。これにより、貯留室121は、インクニードル102及びインク供給部34を介してインク室33と連通される。
【0072】
本実施形態では、インクカートリッジ30のインク室33は大気連通部(大気連通口96と大気流路36)によって大気開放されており、タンク103の貯留室121は大気連通部124によって大気開放されている。よって、インクニードル102がインク供給部34に進入すると、インクカートリッジ30のインク室33に貯留されたインクが、水頭差によってインク供給部34を介してタンク103の貯留室121へ流出する。そして、貯留室121は、インク室33から流入したインクを貯留する。貯留室121に貯留されたインクは、インク流路123を介してインクチューブ20へ流出し、記録ヘッド21へ供給される。
【0073】
[移動部材190]
図8及び
図11に示されるように、移動部材190が、タンク103の4つの貯留室121の各々に配置されている。移動部材190は、貯留室121内に配置された支持部材189によって、回動可能に支持されている。なお、移動部材190は、支持部材189以外、例えばタンク103の右壁155や左壁156や内壁158によって支持されていてもよい。
【0074】
図11に示されるように、移動部材190は、フロート67と、フロート67から上方へ突出した被検知部69とを備えている。フロート67は、貯留室121に貯留されたインクよりも比重が小さい材料によって形成されている。被検知部69は、一対の側壁159の間に配置されている。被検知部69は、上下方向7及び前後方向8に延びた板状に構成されている。被検知部69は、液面センサ195(
図7参照)の発光部から出力された光を遮光する材料によって形成されている。
【0075】
貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置より高い位置にある状態において、移動部材190は、フロート67に働く浮力によって、矢印58の向きに回動する。このとき、被検知部69は、後述する液面センサ195(
図7参照)と同じ高さに位置する。本実施形態において、所定位置は、インクニードル102を前後方向8に見たときのインクニードル102の内部空間の中心と同じ高さである。もちろん、所定位置は、前述の高さと異なる高さであってもよい。
【0076】
貯留室121に貯留されたインクが消費されることによって、インクの液面が所定位置以下の高さとなると、移動部材190は、液面に追随して矢印59の向きに回動する。これにより、被検知部59は、液面センサ195よりも低い位置に移動する。
【0077】
[液面センサ195]
図7に示される液面センサ195は、移動部材190の被検知部69の移動を検知することによって、貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置になったことを光学的に検知するものである。液面センサ195は、一対の側壁159の上方に配置された基板131(
図5参照)に実装されている。
【0078】
本実施形態において、液面センサ195は、発光部及び受光部を備える。発光部及び受光部は、左右方向9に間隔を空けて、タンク103の一対の側壁159を挟むように配置されている。発光部は、一対の側壁159よりも右方または左方の一方に配置されている。受光部は、一対の側壁159よりも右方または左方の他方に配置されている。発光部から出力される光の光路は、左右方向9に一致する。発光部と受光部との間には、移動部材190の被検知部69が位置し得る。貯留室121における発光部と受光部との間の位置(発光部から出力される光の光路であって、被検知部69が位置し得る位置)は、検知位置の一例である。つまり、貯留室121における一対の側壁159の間の位置は、検知位置の一例である。なお、貯留室121を区画する壁のうち、少なくとも発光部から受光部へ向かう光が通る部分、つまり少なくとも一対の側壁159は、透光性を有する部材で構成されている。
【0079】
液面センサ195は、発光部から出力された光が受光部で受光されたか否かに応じて異なる検知信号を出力する。例えば、液面センサ195は、発光部から出力された光が受光部で受光できない(すなわち、受光強度が所定の強度未満である)ことを条件として、ローレベル信号(「信号レベルが閾値レベル未満の信号」を指す。)を出力する。ここで、液面センサ195が実装されている基板131は、制御部が実装されているメイン基板(不図示)とケーブル197によって電気的に接続されている。そして、液面センサ195は、ローレベル信号を制御部(不図示)へ出力する。一方、液面センサ195は、発光部から出力された光が受光部で受光できた(すなわち、受光強度が所定の強度以上である)ことを条件として、ハイレベル信号(「信号レベルが閾値レベル以上の信号」を指す。)を制御部へ出力する。
【0080】
貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置より高い位置にある状態において、移動部材190の被検知部69は、発光部と受光部との間に位置する。このとき、発光部から出力された光が受光部で受光できない(または減衰されて受光部に到達する)ため、液面センサ195は、ローレベル信号を制御部へ出力する。一方、貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置以下の高さである状態において、移動部材190の被検知部69は、発光部と受光部との間から退避した位置にある。このとき、発光部から出力された光が受光部で受光できる(または減衰されずに受光部に到達する)ため、液面センサ195は、ハイレベル信号を制御部へ出力する。
【0081】
[フィルム50]
図5に示されるように、フィルム50は、フィルム状である。フィルム50は、透光性を有さない材質、または透光性を有していてもフィルム152よりも透光性が低い材質である。フィルム50は、黒色である。フィルム50は、タンク103に貼り付けられたフィルム152より厚みがある。なお、フィルム50は、黒以外の色(例えば白色や銀色)であってもよい。また、フィルム50は、フィルム152以下の厚みでもよい。
【0082】
フィルム50は、第1部分51と、第2部分52と、2つの突部53とを備えている。第1部分51と、第2部分52と、2つの突部53とは、一体に形成されている。
【0083】
第1部分51は、上下方向7及び左右方向9に延びている。第2部分52は、第1部分51の下端から前方へ突出している。第2部分52は、前後方向8及び左右方向9に延びている。突部53は、第1部分51の右端および左端から左右方向9へ突出している。
【0084】
図9(A)に示されるように、カートリッジケース101の右後端部及び左後端部に形成された貫通孔105に突部53が貫通されることによって、フィルム50は、カートリッジケース101に固定される。
【0085】
フィルム50がカートリッジケース101に固定された状態において、第1部分51は、タンク103に貼り付けられたフィルム152を後方から覆っている。つまり、第1部分51は、フィルム152より後方に位置している。これにより、光がタンク103の後方からフィルム152を介して貯留室121に進入することが、第1部分51によって抑制される。
【0086】
フィルム50がカートリッジケース101に固定された状態において、第2部分52は、タンク103の下壁154を下方から覆っている。
【0087】
[吸収体60]
図5に示される吸収体60は、発泡ポリウレタンなどの多孔材料からなる。多孔材料に形成された孔にインクが進入することにより、インクは吸収体60に吸収される。
【0088】
吸収体60は、第1吸収体61と、第2吸収体62とを備える。
【0089】
図9(B)に示されるように、第1吸収体61は、タンク103の後方に位置している。これにより、タンク103の後方からフィルム152を介して光が貯留室121に進入することが、第1吸収体61によって抑制される。
【0090】
図11に示されるように、第2吸収体61は、少なくともインクカートリッジ30とタンク103との接続位置(詳細にはインク供給部34とインクニードル102との接続位置)の下方に位置している。本実施形態において、第2吸収体61は、カートリッジケース101及びタンク103の全域の下方に位置している。これにより、第2吸収体61は、当該接続位置から漏れたインクを吸収することができる。なお、
図11では、フィルム50、152の図示は省略されている。
【0091】
第2吸収体62の下端部は、第1吸収体61の後端部と接触している。つまり、第2吸収体62は、第1吸収体61と接続されている。これにより、第2吸収体62に吸収許容量以上のインクが吸収されるような事態が生じた場合であっても、第1吸収体61が第2吸収体62からインクを吸収することができる。
【0092】
なお、貯留室121への光の進入の抑制の観点から見れば、吸収体60は第1吸収体61のみで構成されていてもよい。しかし、インクの吸収の観点から見れば、吸収体60は本実施形態のように第2吸収体62を備えていることが望ましい。
【0093】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、フィルム152より後方に、フィルム50及び吸収体60が配置されている。これにより、複合機10の外部から複合機10の内部へ進入した光がフィルム152を介して貯留室121に進入する可能性を低くすることができる。
【0094】
また、フィルム50及び吸収体60がフィルム152より後方に配置されていることにより、フィルム152が保護される。これにより、フィルム152の破損の可能性を低くすることができる。
【0095】
また、本実施形態によれば、遮光部材をフィルム状のフィルム50とすることによって遮光部材を薄く構成することができる。そのため、遮光部材の配置に要するスペースを小さくすることができる。
【0096】
また、本実施形態によれば、フィルム50が黒色であるため、遮光性を向上させることができる。
【0097】
また、本実施形態によれば、タンク103及びフィルム50の双方がカートリッジケース101に固定されている。そのため、フィルム50のフィルム152に対する位置ずれを低減することができる。また、本実施形態によれば、カートリッジケース101がインクカートリッジ30を支持可能であり、タンク103がカートリッジケース101に固定されている。そのため、インクカートリッジ30がタンク103に接続される際の位置ずれを低減することができる。
【0098】
また、本実施形態によれば、インクを吸収するための吸収体60を遮光部材として兼用することができる。
【0099】
また、通常、インクカートリッジ30やタンク103に貯留されたインクの多くは、インクカートリッジ30とタンク103との接続位置から漏れる。本実施形態によれば、接続位置から漏れたインクを第2吸収体62が吸収することができる。また、第2吸収体62が吸収したインクを第1吸収体61が吸収することができる。また、第1吸収体61は、光の貯留室121への進入を阻害できる。また、第1吸収体61は、フィルム152を保護することができる。
【0100】
また、本実施形態によれば、筐体14が白色である。そのため、複合機10の外部の光が筐体14を透過して複合機10の内部へ進入し易い。しかし、本実施形態によれば、フィルム50及び吸収体60によって、複合機10の外部から複合機10の内部へ進入した光がフィルム152を介してタンク103内に進入する可能性を低くすることができる。
【0101】
[変形例]
上記実施形態では、
図9(A)に示されるように、フィルム50は、フィルム152の全体を後方から覆っていた。また、
図9(B)に示されるように、第1吸収体61は、フィルム152の全体を後方から覆っていた。しかし、フィルム50及び第1吸収体61は、フィルム152の一部のみを後方から覆っていてもよい。例えば、
図10(A)に示されるように、フィルム50は、フィルム152が貼り付けられた領域のうち、液面センサ195の配置位置以下の高さの領域のみを後方から覆っていてもよい。また、例えば、
図10(B)に示されるように、第1吸収体61は、フィルム152が貼り付けられた領域のうち、液面センサ195の配置位置以下の高さの領域のみを後方から覆っていてもよい。
【0102】
本変形例によれば、フィルム50及び第1吸収体61の配置範囲を小さくすることができる。
【0103】
上記実施形態では、
図9(A)に示されるように、フィルム50は、タンク103の本体151を、フィルム152が貼り付けられた後方から覆っていた。また、
図9(B)に示されるように、第1吸収体61は、タンク103の本体151を、フィルム152が貼り付けられた後方から覆っていた。しかし、フィルム50及び第1吸収体61は、タンク103の本体151を、後方以外の向きからも更に覆っていてもよい。例えば、
図10(A)に示されるように、フィルム50は、タンク103の本体151の右壁155の右面(側面の一例)の後端下部を、右方(外側)から覆っていてもよい。また、例えば、
図10(B)に示されるように、第1吸収体61は、タンク103の本体151の右壁155の右面(側面の一例)の後端下部を、右方(外側)から覆っていてもよい。もちろん、フィルム50及び第1吸収体61は、タンク103の本体151の右壁155の全域を右方から覆っていてもよいし、右壁155以外の壁を外側から覆っていてもよい。
【0104】
貯留室121に貯留されたインク残量が液面センサ195によって光学的に検知される場合、本体151は、ポリプロピレンなどの透光性を有する材質であることが好ましい。本体151が透光性を有する材質である場合、複合機10の外部から複合機10の内部へ進入した光が本体を介して貯留室121に進入するおそれがある。これにより、液面センサ195が貯留室121に貯留されたインク残量を誤検知するおそれがある。本変形例によれば、フィルム50及び吸収体60は、フィルム152のみならず、左右方向9において本体151の側面の少なくとも一部を本体151の外側から更に覆っているため、光が本体151を介して貯留室121へ進入する可能性を低くすることができる。
【0105】
上記実施形態では、フィルム152は、タンク103の本体151の後面に貼り付けられていた。しかし、フィルム152は、当該後面以外(例えば右面)に貼り付けられていてもよい。この場合、フィルム152の貼り付け位置に合わせて、フィルム50や第1吸収体61の配置位置が変わることは言うまでもない。
【0106】
上記実施形態では、複合機10の筐体14の内部には、フィルム50及び吸収体60の双方が配置されていた。しかし、筐体14の内部には、フィルム50または吸収体60の一方のみが配置されていてもよい。
【0107】
上記実施形態では、複合機10は、遮光部材としてフィルム50及び吸収体60を備えていた。しかし、遮光部材は、フィルム50や吸収体60に限らない。例えば、遮光部材は、筐体14の一部を構成する壁であってもよい。例えば、当該壁は、筐体14の底面から上方へ突出しており、フィルム152を後方から覆う。なお、この場合、複合機10は、フィルム50及び吸収体60を備えていなくてもよい。
【0108】
上記実施形態では、移動部材190は、回動することによって移動していた。しかし、移動部材190は、回動以外、例えば上下方向7へのスライドによって移動してもよい。
【0109】
上記実施形態では、液面センサ195は、移動部材190の移動を検知するものであった。しかし、液面センサ195は、移動部材190の移動以外によって、貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置になったことを光学的に検知してもよい。
【0110】
例えば、貯留室121における所定位置と同じ高さに、プリズムが配置されてもよい。そして、貯留室121に貯留されたインクの液面がプリズムよりも上方か否かによってプリズムに入射する光の進行方向が異なることに基づいて、つまりプリズムに照射した光の透過状態に基づいて、貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置以下であるか否かが検知されてもよい。
【0111】
また、例えば、貯留室121における所定位置と同じ高さに移動部材190が配置されていなくてもよい。この場合、貯留室121に貯留されたインクの液面が液面センサ195の発光部よりも上方か否かによって、発光部から照射された光が一対の側壁159の一方を透過して貯留室121内に到達し、貯留室121内のインクにより減衰されることなく一対の側壁159の他方を透過して受光部に到達するか、または、貯留室121内のインクにより減衰されて受光部に到達するか(減衰されて受光部に到達できないか)に基づいて、つまり照射された光の減衰状態に基づいて、貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置以下であるか否かが検知されてもよい。
【0112】
上記実施形態では、インクカートリッジ30のインク室33に貯留されたインクが、水頭差によって、タンク103の貯留室121へ供給された。しかし、インクカートリッジ30からタンク103へのインクの供給は、水頭差によるものに限らない。例えば、インクカートリッジ30のインク室33からタンク103の貯留室121へ圧力がかけられることによって、インク室33から貯留室121へインクが供給されてもよい。
【0113】
上記実施形態では、複合機10は、4つのインクカートリッジ30を挿入可能に構成されていた。しかし、複合機10に挿入可能なインクカートリッジ30の数は、4つ以外の数であってもよい。なお、複合機10に挿入可能なインクカートリッジ30の数に応じて、カートリッジケース101の内部空間の数や、タンク103が備える貯留室121の数が変わることは言うまでもない。
【0114】
上記実施形態では、インクを液体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、インクに代えて、印刷時にインクに先立って用紙に吐出される前処理液、或いは記録ヘッド21のノズル29の乾燥を防止するために記録ヘッド21のノズル29近傍に噴霧される水等が、液体の一例であってもよい。