(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回路基板上に搭載されるコネクタの場合、たとえ相手側コネクタが共通であったとしても、回路基板側における多様な設置環境に適応すべく、多様な品ぞろえが求められる。しかしながら、多様な品ぞろえを実現するためには、品種ごとに製造設備が必要となるので、大きな設備投資が必要となる。
【0005】
本開示は、設備投資を抑制しつつ、多様な設置環境に適応可能なコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るコネクタは、コネクタ本体と、コネクタ本体と回路基板との間に介在するコネクタ中継体と、を備え、コネクタ本体は、第一方向において互いに対向する導電性の第一端子及び第二端子と、所定のコネクタを電気的に接続可能な第一接続部と、コネクタ中継体と電気的に接続される第二接続部と、を有し、コネクタ中継体は、第一方向において互いに対向する導電性の第一中継用端子及び第二中継用端子と、第二接続部に接続され、第一中継用端子を第一方向の一方側から第一端子に接触させ、第二中継用端子を第一方向の他方側から第二端子に接触させる中継用接続部と、を有する。
【0007】
このコネクタは、所定のコネクタを接続可能なコネクタ本体と、コネクタ中継体とに分離可能である。このため、例えば規格化された所定のコネクタ等に適応させるべきコネクタ本体を共通化しつつ、コネクタ中継体を回路基板における設置環境に応じて変更することができる。コネクタ本体及びコネクタ中継体に分離可能な構造によれば、各々の構造を一体型コネクタ(コネクタ本体及びコネクタ中継体が分離不能なコネクタ)に比較して単純化することが可能である。このため、コネクタ中継体の多品種化は、一体型コネクタの多品種化に比較して少ない設備投資で実現可能である。従って、設備投資を抑制しつつ、多様な設置環境に適応可能なコネクタを提供することができる。
【0008】
コネクタ本体は、第一方向に直交する第二方向に並ぶ複数の第一端子と、第二方向に並ぶ複数の第二端子と、複数の第一端子と複数の第二端子との間に配置された導電性の板状部材からなるグランドプレートと、グランドプレートを包んで複数の第一端子及び複数の第二端子をそれぞれ絶縁状態で保持する保持部と、を有してもよく、コネクタ中継体は、第二方向に並ぶ複数の第一中継用端子と、第二方向に並ぶ複数の第二中継用端子と、導電性のグランド端子と、複数の第一中継用端子、複数の第二中継用端子、及びグランド端子をそれぞれ絶縁状態で保持する中継用保持部と、を有してもよく、中継用接続部は、複数の第一中継用端子を第一方向の一方側から複数の第一端子にそれぞれ接触させ、複数の第二中継用端子を第一方向の他方側から複数の第二端子にそれぞれ接触させ、グランド端子をグランドプレートに接触させてもよい。
【0009】
複数の端子と複数の端子とが導電性の板状部材を介して対向する構成の製造には、複数の端子と複数の端子とが他の導電性の部材を介さずに対向する構成の製造に比較して複雑な設備が必要となる傾向がある。複数の端子と複数の端子とが導電性の板状部材を介して対向する構成を、コネクタ本体側に組み込むことにより、コネクタ中継体の多品種化の設備投資をより確実に抑制することができる。
【0010】
グランド端子は、複数の第一中継用端子及び複数の第二中継用端子が対向する方向で重なる領域の外に配置されていてもよく、グランドプレートは、複数の第一端子及び複数の第二端子が対向する方向で重なる領域から張り出した張出部を有してもよく、中継用接続部は、グランド端子を張出部に接触させてもよい。この場合、複数の第一中継用端子及び複数の第二中継用端子が対向する方向で重なる領域内にグランド端子を配置するのに比較して、コネクタ中継体をより単純な設備で製造可能となるので、コネクタ中継体の多品種化の設備投資をより確実に抑制することができる。
【0011】
グランド端子は、第二方向において複数の第一中継用端子及び複数の第二中継用端子よりも外に配置されており、張出部は、第二方向において複数の第一端子及び複数の第二端子よりも外に張り出していてもよい。この場合、コネクタ中継体をより単純な設備によって製造可能となるので、コネクタ中継体の多品種化の設備投資をより確実に抑制することができる。
【0012】
本開示の他の側面に係るコネクタ本体は、第一方向において互いに対向する導電性の第一端子及び第二端子と、所定のコネクタを電気的に接続可能な第一接続部と、コネクタ中継体を介して回路基板と電気的に接続される第二接続部と、を備え、コネクタ中継体は、第一方向において互いに対向する導電性の第一中継用端子及び第二中継用端子を備え、第二接続部は、第一端子を第一方向の一方側から第一中継用端子に接触させ、第二端子を第一方向の他方側から第二中継用端子に接触させる。
【0013】
第一方向に直交する第二方向に並ぶ複数の第一端子と、第二方向に並ぶ複数の第二端子と、複数の第一端子と複数の第二端子との間に配置された導電性の板状部材からなるグランドプレートと、グランドプレートを包んで複数の第一端子及び複数の第二端子をそれぞれ絶縁状態で保持する保持部と、を備えてもよく、コネクタ中継体は、第二方向に並ぶ複数の第一中継用端子と、第二方向に並ぶ複数の第二中継用端子と、導電性のグランド端子と、複数の第一中継用端子、複数の第二中継用端子、及びグランド端子をそれぞれ絶縁状態で保持する中継用保持部と、を備えてもよく、第二接続部は、複数の第一端子を第一方向の一方側から複数の第一中継用端子にそれぞれ接触させ、複数の第二端子を第一方向の他方側から複数の第二中継用端子にそれぞれ接触させ、グランドプレートをグランド端子に接触させてもよい。
【0014】
グランド端子は、複数の第一中継用端子及び複数の第二中継用端子が対向する方向で重なる領域の外に配置されていてもよく、グランドプレートは、複数の第一端子及び複数の第二端子が対向する方向で重なる領域から張り出した張出部を有してもよく、第二接続部は張出部をグランド端子に接触させてもよい。
【0015】
グランド端子は、第二方向において複数の第一中継用端子及び複数の第二中継用端子よりも外に配置されていてもよく、張出部は第二方向において複数の第一端子及び複数の第二端子よりも外に張り出していてもよい。
【0016】
本開示の更に他の側面に係るコネクタ中継体は、第一方向において互いに対向する導電性の第一中継用端子及び第二中継用端子と、コネクタ本体と電気的に接続される中継用接続部と、回路基板と電気的に接続される基板接続部と、を備え、コネクタ本体は、第一方向において互いに対向する導電性の第一端子及び第二端子と、所定のコネクタを電気的に接続可能な第一接続部と、中継用接続部に接続される第二接続部と、を備え、中継用接続部は、第一中継用端子を第一方向の一方側から第一端子に接触させ、第二中継用端子を第一方向の他方側から第二端子に接触させる。
【0017】
第一方向に直交する第二方向に並ぶ複数の第一中継用端子と、第二方向に並ぶ複数の第二中継用端子と、導電性のグランド端子と、複数の第一中継用端子、複数の第二中継用端子、及びグランド端子をそれぞれ絶縁状態で保持する絶縁性の中継用保持部と、を備えてもよく、コネクタ本体は、第二方向に並ぶ複数の第一端子と、第二方向に並ぶ複数の第二端子と、複数の第一端子と複数の第二端子との間に配置された導電性の板状部材からなるグランドプレートと、グランドプレートを包んで複数の第一端子及び複数の第二端子をそれぞれ絶縁状態で保持する保持部と、を備えてもよく、中継用接続部は、複数の第一中継用端子を第一方向の一方側から複数の第一端子にそれぞれ接触させ、複数の第二中継用端子を第一方向の他方側から複数の第二端子にそれぞれ接触させ、グランド端子をグランドプレートに接触させてもよい。
【0018】
グランド端子は、複数の第一中継用端子及び複数の第二中継用端子が対向する方向で重なる領域の外に配置されており、グランドプレートは、複数の第一端子及び複数の第二端子が対向する方向で重なる領域から張り出した張出部を有し、中継用接続部はグランド端子を張出部に接触させてもよい。
【0019】
グランド端子は、第二方向において複数の第一中継用端子及び複数の第二中継用端子よりも外に配置されており、張出部は、第二方向において複数の第一端子及び複数の第二端子よりも外に張り出していてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、設備投資を抑制しつつ、多様な設置環境に適応可能なコネクタを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
〔コネクタ〕
図1及び
図2に示すコネクタ1は、回路基板に設置して用いられるリセプタクルコネクタである。例えばコネクタ1は、例えばUSB Type−C規格のリセプタクルコネクタである。コネクタ1は、回路基板(不図示)の片面に設置され(以下、この面を「設置面」という。)、設置面に平行な方向に沿ってプラグコネクタを着脱可能にするように構成されている。以下において、「上下」は、設置面が上向きとなっている場合の上下を示す。「前後左右」は、相手コネクタとなるプラグコネクタ(不図示)が接続される側を前側とし、それと対向する側を後側とした場合の方向を意味する。
【0024】
コネクタ1は、所定のコネクタを接続可能なコネクタ本体100と、コネクタ本体100と回路基板との間に介在する(すなわちコネクタ本体100と回路基板との接続に介在する)コネクタ中継体200と、を備える。上記「所定のコネクタ」は、例えばUSB Type−C規格のプラグコネクタである。
【0025】
図3及び
図4に示すように、コネクタ本体100は、ベース部101と、第一接続部102と、第二接続部103とを有する。
【0026】
第一接続部102は、ベース部101の前側に設けられている。第一接続部102には、上記プラグコネクタを前方から接続可能である。プラグコネクタは、第一接続部102への接続により、コネクタ本体100と電気的に接続される。
【0027】
第二接続部103は、ベース部101の後側に設けられている。第二接続部103は、コネクタ中継体200の前方からコネクタ中継体200に接続可能である。コネクタ中継体200への第二接続部103の接続により、コネクタ本体100とコネクタ中継体200とが電気的に接続される。
【0028】
以下、コネクタ本体100の構造を例示する。コネクタ本体100は、複数の第一端子110と、複数の第二端子120と、第一グランドプレート130と、第二グランドプレート140と、第三グランドプレート150と、保持部160と、シェル170とを有する。第一端子110及び第二端子120は金属材料により構成され、導電性を有する。第一端子110と第二端子120とは、第一方向D1(例えば上下方向)において互いに対向する。一例として、第一端子110は第二端子120の上に位置している。
【0029】
複数の第一端子110は、第一方向D1に直交する第二方向D2(例えば左右方向)に沿って並んでいる(
図7参照)。第一端子110は、第一部分111及び第二部分112を有する。第一部分111は、第一接続部102及びベース部101に亘って前後方向に延びている。第二部分112は、第一部分111の後端に連なり、第二接続部103に位置する。
【0030】
第二部分112は、接触部113と、連結部114と、導入部115とを含む。接触部113は、コネクタ中継体200に対して電気的に接続される部分である。連結部114は、第一部分111と接触部113との間に介在し、上方に膨らむように湾曲している。連結部114は、コネクタ中継体200との接続時に弾性変形し、その反発力によって接触部113を下方に押し付けるように機能する。導入部115は、接触部113から更に後方に延びており、後方へ向かうに従って第二端子120から遠ざかるように(上方に向かうように)傾斜しており、コネクタ中継体200との接続における案内部として機能する。
【0031】
複数の第二端子120は、第二方向D2に沿って並んでいる(
図7参照)。第一部分121は、第一接続部102及びベース部101に亘って前後方向に延びている。第二部分122は、第一部分121の後端に連なり、第二接続部103に位置する。
【0032】
第二部分122は、接触部123と、連結部124と、導入部125とを含む。接触部123は、コネクタ中継体200に対して電気的に接続される部分である。連結部124は、第一部分121と接触部123との間に介在し、下方に膨らむように湾曲している。連結部124は、コネクタ中継体200との接続時に弾性変形し、その反発力によって接触部123を上方に押し付けるように機能する。導入部125は、接触部123から更に後方に延びており、後方へ向かうに従って第一端子110から遠ざかるように(下方に向かうように)傾斜しており、コネクタ中継体200との接続における案内部として機能する。
【0033】
第一グランドプレート130、第二グランドプレート140及び第三グランドプレート150は金属の板状部材からなり、導電性を有する。第一グランドプレート130は、
図11に示すように、複数の第一端子110と複数の第二端子120との間に配置される。例えば第一グランドプレート130は、
図10に示すように、本体部131と、張出部132,133とを含む。
【0034】
本体部131は、複数の第一端子110と、複数の第二端子120との間を仕切るように前後方向及び左右方向に広がっている。
図7に示すように、張出部132,133は、複数の第一端子110及び複数の第二端子120が対向する方向(上下方向)で重なる領域(すなわち、複数の第一端子110及び複数の第二端子120と重なる領域)から張り出している。
【0035】
例えば張出部132,133は、
図7に示すように後方から見て、第二方向D2において複数の第一端子110及び複数の第二端子120よりも外に張り出している。張出部132は、本体部131の後端部分から左方に張り出した第一部分134と、第一部分134から後方に張り出した第二部分135とを含む。張出部133は、本体部131の後端部分から右方に張り出した第一部分136と、第一部分136から後方に張り出した第二部分137とを含む。
【0036】
図3及び
図4に戻り、第二グランドプレート140は、第一グランドプレート130との間に複数の第一端子110を挟むように配置される。例えば第二グランドプレート140は、第一部分141と第二部分142とを含む。第一部分141は、上方から複数の第一端子110に対向するように、前後方向及び左右方向に広がっている。第二部分142は、第一部分141の後端に連なり、第一部分141よりも更に上方に膨出している。
【0037】
第三グランドプレート150は、第一グランドプレート130との間に複数の第二端子120を挟むように配置される。例えば第三グランドプレート150は、第一部分151と第二部分152とを含む。第一部分151は、下方から複数の第二端子120に対向するように、前後方向及び左右方向に広がっている。第二部分152は、第一部分151の後端に連なり、第一部分151よりも更に下方に膨出している。
【0038】
保持部160は、第一グランドプレート130を包んで複数の第一端子110及び複数の第二端子120をそれぞれ絶縁状態で保持する。例えば保持部160は、電気絶縁性の材料(例えば樹脂材料)により構成されており、複数の第一端子110と第一グランドプレート130との間、複数の第一端子110と第二グランドプレート140との間、複数の第二端子120と第一グランドプレート130との間、及び複数の第二端子120と第三グランドプレート150との間に介在する。これにより、複数の第一端子110と第一グランドプレート130との間、複数の第一端子110と第二グランドプレート140との間、複数の第二端子120と第一グランドプレート130との間、及び複数の第二端子120と第三グランドプレート150との間がそれぞれ電気的に絶縁されている。
【0039】
また、保持部160は、隣り合う第一端子110の間に隙間を保つように複数の第一端子110を保持し、隣り合う第二端子120の間に隙間を保つように複数の第二端子120を保持する。これにより、隣り合う第一端子110の間、及び隣り合う第二端子120の間がそれぞれ電気的に絶縁されている。
【0040】
保持部160は、ベース部161と、ベース部161から前方に突出した第一突出部163と、第一突出部163から更に前方に突出した第二突出部164とを含む。
【0041】
ベース部161は、複数の第一端子110の第一部分111と、複数の第二端子120の第一部分121と、第一グランドプレート130とを包む。ベース部161の上面161aは、第二グランドプレート140の第二部分142を上方に露出させた状態で保持する。ベース部161の下面161bは、第三グランドプレート150の第二部分152を下方に露出させた状態で保持する。
【0042】
第一突出部163は、複数の第一端子110の第一部分111と、複数の第二端子120の第一部分121と、第一グランドプレート130とを包む。第一突出部163の上面163aは、第二グランドプレート140の第一部分141を上方に露出させた状態で保持する。第一突出部163の下面163bは、第三グランドプレート150の第一部分151を下方に露出させた状態で保持する。
【0043】
第二突出部164は、第一グランドプレート130を包む。第二突出部164の上面164aは、複数の第一端子110の第一部分111を上方に露出させた状態で保持する。第二突出部164の下面164bは、複数の第二端子120の第一部分121を下方に露出させた状態で保持する。
【0044】
ベース部161は、上述したベース部101の一部を構成し、第一突出部163及び第二突出部164は、上述した第一接続部102の一部を構成する。第一接続部102は、第二突出部164において露出した複数の第一端子110の第一部分111及び複数の第二端子120の第一部分121をプラグコネクタの複数の端子(不図示)にそれぞれ接触させる。第一端子110の第二部分112と、第二端子120の第二部分122と、第一グランドプレート130の張出部132,133とは、ベース部161の後面より後ろに位置し、上記第二接続部103の一部を構成する。
【0045】
シェル170は、コネクタ本体100の外殻を構成する。シェル170は、金属材料により構成され、導電性を有する。例えばシェル170は、
図7に示すように、本体部171と、複数の接合代172と、基板接続部173,174とを含む。
【0046】
本体部171は、前後方向に沿った筒状体であり、保持部160を包囲する。本体部171の上部は第二グランドプレート140の第二部分142に接触し、本体部171の下部は第三グランドプレート150の第二部分152に接触している。これにより、第二グランドプレート140及び第三グランドプレート150とシェル170とが電気的に接続されている。
【0047】
また、
図7に示すように後方から見て、本体部171の左部は張出部132の第一部分134の端部に接触し、本体部171の右部は張出部133の第一部分136の端部に接触している。これにより、第一グランドプレート130とシェル170とが電気的に接続されている。
【0048】
複数の接合代172は、本体部171の周方向の複数個所からそれぞれ後方に張り出している。基板接続部173,174は、本体部171の左右にそれぞれ設けられた脚状部分であり、回路基板への固定に利用可能である。例えば、基板接続部173,174は、回路基板のグランド用の導電路に半田付け等により固定される。
【0049】
図3〜
図6に示すように、コネクタ中継体200は、ベース部201と、中継用接続部202と、基板接続部203とを有する。
【0050】
中継用接続部202は、ベース部201の前側に設けられている。中継用接続部202には、上記コネクタ本体100を前方から接続可能である。コネクタ本体100は、中継用接続部202への接続により、コネクタ中継体200と電気的に接続される。
【0051】
基板接続部203は、ベース部201の下側に設けられている。基板接続部203は、上方から回路基板に接続可能である。回路基板への基板接続部203の接続により、回路基板とコネクタ中継体200とが電気的に接続される。
【0052】
以下、コネクタ中継体200の構造を例示する。コネクタ中継体200は、複数の第一中継用端子210と、複数の第二中継用端子220と、二つのグランド端子230と、中継用保持部240と、第一シェル260と、第二シェル270とを有する。
【0053】
第一中継用端子210及び第二中継用端子220は金属材料により構成され、導電性を有する。第一中継用端子210と第二中継用端子220とは、第一方向D1において互いに対向する。一例として、第一中継用端子210は第二中継用端子220の上に位置している。コネクタ本体100の第一端子110と第二端子120とが、第一グランドプレート130を介して対向しているのに対し、第一中継用端子210と第二中継用端子220とは、他の導電性の部材を介することなく対向している。
【0054】
複数の第一中継用端子210は、第二方向D2に沿って並んでいる(
図8参照)。第一中継用端子210は、第一部分211及び第二部分212を有する。第一部分211は、中継用接続部202及びベース部201に亘って前後方向に延びている。第二部分212は、第一部分211の後端から下方に延び、その下端部は基板接続部203に位置している。
【0055】
複数の第二中継用端子220は、第二方向D2に沿って並んでいる。第二中継用端子220は、第一部分221及び第二部分222を有する。第一部分221は、中継用接続部202及びベース部201に亘って前後方向に延びている。第二部分222は、第一部分221の後端から下方に延び、その下端部は基板接続部203に位置している。
【0056】
第一中継用端子210の第二部分212及び第二中継用端子220の第二部分222の基板接続部203における配置等は、回路基板の回路パターンに応じて設定されている。第二部分212,222の下端部は、例えば、回路基板に形成されたスルーホールへの挿入を可能とすべく下方に突出していてもよいし、回路基板の設置面への接続を可能とすべく屈曲していてもよい。
【0057】
例えば
図9に示すように、第一中継用端子210の第二部分212は、第二中継用端子220の第二部分222よりも後方に位置している。複数の第二部分212は、左右方向に沿って並んでおり、それぞれの下端部は後方に屈曲している。複数の第二部分222は、左右方向に沿って千鳥状に並んでおり(すなわち、前後方向における位置を交互にずらしつつ左右方向に並んでおり)、それぞれの下端部は下方に突出している。
【0058】
グランド端子230は金属の板状部材からなり、導電性を有する。グランド端子230は、複数の第一端子110及び複数の第二端子120が対向する方向(上下方向)で重なる領域(すなわち、複数の第一中継用端子210及び複数の第二中継用端子220と重なる領域)の外に配置されている。例えばグランド端子230は、第二方向D2において複数の第一中継用端子210及び複数の第二中継用端子220よりも外に配置されている。より具体的に、一つのグランド端子230は複数の第一中継用端子210及び複数の第二中継用端子220よりも左に配置されており、他の一つのグランド端子230は複数の第一中継用端子210及び複数の第二中継用端子220よりも右に配置されている。
【0059】
図5及び
図6に示すように、グランド端子230は、第一部分231、第二部分232、第三部分233及び第四部分234を有する。第一部分231は、ベース部201において上下方向に延び、その下端部は基板接続部203に位置している。
【0060】
第二部分232及び第三部分233は上下に並び、それぞれ第一部分231から前方に突出している。第二部分232及び第三部分233の先端部は、中継用接続部202に位置している。後述のように、第二部分232及び第三部分233は、上記第一グランドプレート130の張出部132,133を挟む。第二部分232の先端部の内縁(第三部分233側の縁)は、第三部分233に向けて膨らんでおり、この部分が張出部132,133の上面に接触する。以下、この部分を接触部232aという。第三部分233の先端部の内縁(第二部分232側の縁)は、第二部分232に向けて膨らんでおり、この部分が張出部132の下面に接触する。以下、この部分を接触部233aという。
【0061】
第四部分234は、第二部分232及び第三部分233よりも下に位置し、第一部分231から前方に突出している。後述のように、第四部分234は、グランド端子230の位置決めに用いられる。
【0062】
中継用保持部240は、複数の第一中継用端子210、複数の第二中継用端子220、及びグランド端子230をそれぞれ絶縁状態で保持する。例えば中継用保持部240は、電気絶縁性の材料(例えば樹脂材料)により構成されており、複数の第一中継用端子210と複数の第二中継用端子220との間、複数の第一中継用端子210とグランド端子230との間、及び複数の第二中継用端子220とグランド端子230との間に介在する。これにより、複数の第一中継用端子210と複数の第二中継用端子220との間、複数の第一中継用端子210とグランド端子230との間、及び複数の第二中継用端子220とグランド端子230との間がそれぞれ電気的に絶縁されている。
【0063】
また、中継用保持部240は、隣り合う第一中継用端子210同士の間に隙間を保つように複数の第一中継用端子210を保持し、隣り合う第二中継用端子220の間に隙間を保つように複数の第二中継用端子220を保持する。これにより、隣り合う第一中継用端子210の間、及び隣り合う第二中継用端子220の間がそれぞれ電気的に絶縁されている。
【0064】
中継用保持部240は、ベース部241と、ベース部241から前方に突出した突出部242と、ベース部241から前方に突出して突出部242を囲む周壁部243と、周壁部243の前面に形成された第一溝部245,246(
図8参照)と、ベース部241の後面に形成された第二溝部251,252(
図14参照)とを有する。
【0065】
ベース部241は、左右方向に延びており、複数の第一中継用端子210及び複数の第二中継用端子220を保持する。ベース部241は、各第一中継用端子210の第一部分211及び第二部分212の回路基板への接続部を除いた部分を包み、各第二中継用端子220の第一部分221及び第二部分222の回路基板への接続部を除いた部分を包む。
【0066】
突出部242は、複数の第一部分211と、複数の第一部分221との間に介在する。突出部242の上面242aは、複数の第一部分211を上方に露出させた状態で保持する。突出部242の下面242bは、複数の第一部分221を下方に露出させた状態で保持する。
【0067】
周壁部243は、突出部242との間に、空間244を構成する。空間244は、第一端子110の第二部分112及び第二端子120の第二部分122を受け入れる。
【0068】
第一溝部245,246は、前方から見て、周壁部243の右部及び左部にそれぞれ形成されている。第一溝部245,246は左右方向に沿い、前方及び空間244に開放されている(
図8参照)。第一溝部245,246は、上記第一グランドプレート130の張出部132,133をそれぞれ受け入れる。
【0069】
第二溝部251,252は、
図2に示すように後方から見て、ベース部241の左部及び右部にそれぞれ形成されている。第二溝部251,252は、上下方向に沿い、後方及び下方に開放されている。
【0070】
第二溝部251,252の底部(第二溝部251,252内の前側部分)は、
図6に示すように、周壁部243に達しており、隔壁253によって上側の第一空間254及び下側の第二空間255に区画されている。第二溝部251の第一空間254は、第一溝部245と交わり、第二溝部252の第一空間254は第一溝部246と交わっている。
【0071】
第二溝部251,252は、
図6及び
図14に示すように、グランド端子230を収容する。第一空間254は、グランド端子230の第二部分232及び第三部分233を収容する。第二空間255は、グランド端子230の第四部分234を収容する。第二空間255に第四部分234が圧入されることにより、第二溝部251,252内におけるグランド端子230の位置が定まる。
【0072】
グランド端子230は、第二溝部251,252に後方から挿入(圧入)される。第二溝部251,252は、グランド端子230を下方から挿入(圧入)し得るように構成されていてもよい。
【0073】
ベース部241は、
図4、
図8及び
図14に示すように、上述したベース部201の一部を構成し、突出部242、周壁部243、空間244、第一溝部245,246及び第二溝部251,252は、上述した中継用接続部202を構成する。第一中継用端子210の第二部分212の下端部、第二中継用端子220の第二部分222の下端部、及びグランド端子230の第一部分231の下端部は、ベース部241の下面より下に位置し、上記基板接続部203を構成する。
【0074】
中継用接続部202は、コネクタ本体100の第二接続部103に接続され、複数の第一中継用端子210を第一方向D1の一方側から複数の第一端子110にそれぞれ接触させ、複数の第二中継用端子220を第一方向D1の他方側から複数の第二端子120にそれぞれ接触させ、グランド端子230を第一グランドプレート130に接触させる。
【0075】
換言すると、第二接続部103は、中継用接続部202に接続され、複数の第一端子110を第一方向D1の一方側から複数の第一中継用端子210にそれぞれ接触させ、複数の第二端子120を第一方向D1の他方側から複数の第二中継用端子220にそれぞれ接触させ、第一グランドプレート130をグランド端子230に接触させる。
【0076】
具体的に、中継用接続部202の空間244は、複数の第一端子110の第二部分112、及び複数の第二端子120の第二部分122を前方から受け入れる。中継用接続部202の突出部242は、複数の第一中継用端子210の第一部分211、及び複数の第二中継用端子220の第一部分221と共に、後方から複数の第二部分112及び複数の第二部分122の間に挿入され、複数の第一部分211を下方から複数の第二部分112にそれぞれ接触させ、複数の第一部分221を上方から複数の第二部分122にそれぞれ接触させる。
【0077】
中継用接続部202の第一溝部245,246は、
図7に示す第一グランドプレート130の張出部132,133をそれぞれ受け入れる。第一溝部245は、
図5に示すように、第二溝部251の第一空間254との交差部まで張出部132を導入する。これにより、グランド端子230が張出部132に接触する。具体的には、張出部132がグランド端子230の第二部分232及び第三部分233の間に進入し、第二部分232の接触部232aが張出部132の上面に接触し、第三部分233の接触部233aが張出部132の下面に接触する。同様に、第一溝部246は、第二溝部252の第一空間254との交差部まで張出部133を導入し、これによりグランド端子230が張出部133に接触する。すなわち、中継用接続部202はグランド端子230を張出部132,133に接触させ、第二接続部103は張出部132,133をグランド端子230に接触させる。
【0078】
基板接続部203は、回路基板と電気的に接続される。例えば、第一中継用端子210の第二部分212の下端部は、回路基板の回路に、半田付け等によって電気的に接続される。第二中継用端子220の第二部分222の下端部も、回路基板の回路に、半田付け等によって電気的に接続される。グランド端子230の第一部分231の下端部は、回路基板の回路のグランド用の導電路に、半田付け等によって電気的に接続される。
【0079】
第一シェル260及び第二シェル270は、コネクタ中継体200の外殻を構成する。第一シェル260及び第二シェル270は、金属材料により構成され、導電性を有する。
【0080】
第一シェル260は、
図2及び
図8に示すように、本体部261と、基板接続部262,263とを含む。本体部261は、ベース部241の上面、左面及び右面を覆う。基板接続部262,263は、
図2に示すように後方から見て、本体部261の左部及び右部からそれぞれ下方に突出しており、回路基板への固定に利用可能である。例えば、基板接続部262,263は、回路基板のグランド用の導電路に半田付け等により固定される。第二シェル270は、ベース部241の下面を覆う。
【0081】
第二接続部103と中継用接続部202とが接続された状態において、第一シェル260及び第二シェル270には、シェル170の接合代172が接触する。これにより、シェル170と、第一シェル260及び第二シェル270とが電気的に接続される。溶接又はロー付け等により、接合代172を第一シェル260及び第二シェル270に固定してもよい。
【0082】
〔コネクタの製造手順〕
続いて、コネクタ本体100及びコネクタ中継体200の製造手順を例示する。
【0083】
(コネクタ本体の製造手順)
上述したように、コネクタ本体100の複数の第一端子110と複数の第二端子120とは、第一グランドプレート130を介して対向している。このように、複数の端子と複数の端子とが導電性の板状部材を介して対向する構成の製造には、複数の端子と複数の端子とが他の導電性部材を介さずに対向する構成の製造に比較して、複雑な設備が求められる傾向がある。例えば、インサート成形中における各端子及び板状部材との位置ずれを防止すべく、インサート成形を複数回に分けて実行することが必要となる場合がある。この場合、複数回のインサート成形用に複数組の金型が必要となる。
【0084】
以下、コネクタ本体100の製造手順が複数回のインサート成形を含む場合を例示する。まず、第一のインサート成形を行う。具体的には、第一グランドプレート130及び複数の第二端子120を第一の金型内に位置決めした状態にて、保持部160用の樹脂材料を第一の金型内に射出する。これにより、第一グランドプレート130及び複数の第二端子120を保持部160の中間成形物により一体化した第一成形体M1が得られる(
図10参照)。
【0085】
次に、第二のインサート成形を行う。具体的には、第一成形体M1及び複数の第一端子110を第二の金型内に位置決めした状態にて(
図11参照)、保持部160用の樹脂材料を第二の金型内に射出する。これにより、複数の第一端子110、第一グランドプレート130及び複数の第二端子120を保持部160により一体化した第二成形体M2が得られる(
図12参照)。
【0086】
次に、第二成形体M2の上下に第二グランドプレート140及び第三グランドプレート150をそれぞれ装着し(
図13参照)、更に第二成形体M2、第二グランドプレート140及び第三グランドプレート150にシェル170を装着する。以上でコネクタ本体100が完成する。
【0087】
(コネクタ中継体の製造手順)
上述したように、複数の第一中継用端子210と複数の第二中継用端子220とは、他の導電性の部材を間に介在させることなく対向している。このため、コネクタ中継体200は、コネクタ本体100の製造に比較して単純な設備で製造し得る。例えば、コネクタ中継体200の製造手順においては、コネクタ本体100の製造手順に比較してインサート成形の回数を削減し得る。
【0088】
以下、コネクタ中継体200の製造手順におけるインサート成形が一回である場合を例示する。まず、当該インサート成形により、複数の第一中継用端子210、複数の第二中継用端子220、第一シェル260、及び第二シェル270を一体化する。具体的には、複数の第一中継用端子210、複数の第二中継用端子220、第一シェル260、第二シェル270を金型内に位置決めした状態にて、中継用保持部240用の樹脂材料を当該金型内に射出する。これにより、複数の第一中継用端子210、複数の第二中継用端子220、第一シェル260、複数の第二シェル270を中継用保持部240により一体化した第一成形体M11が得られる(
図14参照)。
【0089】
次に、中継用保持部240の第二溝部251,252のそれぞれに、後方からグランド端子230を挿入し(
図14参照)、グランド端子230の第四部分234を第二空間255に圧入し、グランド端子230の第二部分232及び第三部分233を第一空間254内に収容する。以上でコネクタ中継体200が完成する。
【0090】
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、コネクタ1は、コネクタ本体100と、コネクタ本体100と回路基板との間に介在するコネクタ中継体200と、を備える。コネクタ本体100は、第一方向D1において互いに対向する導電性の第一端子110及び第二端子120と、所定のコネクタを電気的に接続可能な第一接続部102と、コネクタ中継体200と電気的に接続される第二接続部103と、を有する。コネクタ中継体200は、第一方向D1において互いに対向する導電性の第一中継用端子210及び第二中継用端子220と、第二接続部103に接続され、第一中継用端子210を第一方向D1の一方側から第一端子110に接触させ、第二中継用端子220を第一方向D1の他方側から第二端子120に接触させる中継用接続部202と、を有する。
【0091】
コネクタ1は、所定のコネクタを接続可能なコネクタ本体100と、コネクタ中継体200とに分離可能である。このため、規格化された所定のコネクタ等に適応させるべきコネクタ本体100を共通化しつつ、コネクタ中継体200を回路基板における設置環境に応じて変更することができる。コネクタ本体100及びコネクタ中継体200に分離可能な構造によれば、各々の構造を一体型コネクタ(コネクタ本体及びコネクタ中継体が分離不能なコネクタ)に比較して単純化することが可能である。このため、コネクタ中継体200の多品種化は、一体型コネクタの多品種化に比較して少ない設備投資で実現可能である。従って、設備投資を抑制しつつ、多様な設置環境に適応可能なコネクタ1を提供することができる。
【0092】
図15は、コネクタ中継体200の変形例を示す底面図である。このコネクタ中継体200においては、複数の第一中継用端子210の第二部分212及び複数の第二中継用端子220の第二部分222の両方が左右方向に沿って並んでいる。また、第二部分212の下端部及び第二部分222の下端部の両方が、回路基板の設置面への接続用に、後方に屈曲している。グランド端子230の第一部分231の下端部は、回路基板の設置面への接続用に、後方に向けて延在するように形成されている。
【0093】
基板接続部203における端子の配置及び形状を変更するのに加え、中継用接続部202に対する基板接続部203の高さを変更することで、回路基板に対するコネクタ本体100の高さを変更することも可能である。
【0094】
更に、基板接続部203に対する中継用接続部202の角度を変更し、回路基板に対するコネクタ本体100の角度を変更することも可能である。例えば、中継用接続部202をコネクタ中継体200の前方ではなく上方に形成してもよい。この場合、第一接続部102を上に向けた状態で、コネクタ本体100を上方から中継用接続部202に接続することが可能となる。
【0095】
以上に例示したように、コネクタ本体100を共通化しつつ、コネクタ中継体200を回路基板における設置環境に応じて様々な形態に変更することで、設備投資を抑制しつつ、多様な設置環境に適応可能なコネクタ1を提供することができる。
【0096】
ここで、コネクタ中継体200の中継用接続部202は、第一中継用端子210を第一方向D1の一方側から第一端子110に接触させ、第二中継用端子220を第一方向D1の他方側から第二端子120に接触させる。この接続構造によれば、第一端子110と第二端子120との対向配置、及び第一中継用端子210と第二中継用端子220との対向配置を、コネクタ本体100とコネクタ中継体200との接続部においてもそのまま利用することで、各端子形状を単純化し、設備投資の更なる抑制を図ることができる。
【0097】
更に、第一中継用端子210が第一端子110に接触する方向と、第二中継用端子220が第二端子120に接触する方向とが互いに逆向きであるため、第一中継用端子210と第一端子110との接触により第二中継用端子220と第二端子120との離間が防止され、第二中継用端子220と第二端子120との接触により第一中継用端子210と第一端子110との離間が防止される。このように、第一端子110及び第一中継用端子210の組と、第二端子120及び第二中継用端子220の組とで、相互に離間を防止し合う構成により、第一接続部102及び中継用接続部202の構造を単純化し、設備投資の更なる抑制を図ることもできる。
【0098】
なお、中継用接続部202は、第一中継用端子210を第一方向D1の一方側から第一端子110に接触させ、第二中継用端子220を第一方向D1の他方側から第二端子120に接触させる限り、どのように構成されていてもよい。例えば中継用接続部202は、第一中継用端子210を下方から第一端子110に接触させ、第二中継用端子220を上方から第二端子120に接触させる上記構成に代えて、第一中継用端子210を上方から第一端子110に接触させ、第二中継用端子220を下方から第二端子120に接触させるように構成されていてもよい。
【0099】
コネクタ本体100は、第一方向D1に直交する第二方向D2に並ぶ複数の第一端子110と、第二方向D2に並ぶ複数の第二端子120と、複数の第一端子110と複数の第二端子120との間に配置された導電性の板状部材からなる第一グランドプレート130と、第一グランドプレート130を包んで複数の第一端子110及び複数の第二端子120をそれぞれ絶縁状態で保持する保持部160と、を有してもよい。コネクタ中継体200は、第二方向D2に並ぶ複数の第一中継用端子210と、第二方向D2に並ぶ複数の第二中継用端子220と、導電性のグランド端子230と、複数の第一中継用端子210、複数の第二中継用端子220、及びグランド端子230をそれぞれ絶縁状態で保持する中継用保持部240と、を有してもよい。中継用接続部202は、複数の第一中継用端子210を第一方向D1の一方側から複数の第一端子110にそれぞれ接触させ、複数の第二中継用端子220を第一方向D1の他方側から複数の第二端子120にそれぞれ接触させ、グランド端子230を第一グランドプレート130に接触させてもよい。
【0100】
複数の端子と複数の端子とが導電性の板状部材を介して対向する構成の製造には、複数の端子と複数の端子とが他の導電性の部材を介さずに対向する構成の製造に比較して複雑な設備が必要となる傾向がある。複数の端子と複数の端子とが導電性の板状部材を介して対向する構成を、コネクタ本体100側に組み込むことにより、コネクタ中継体200の多品種化の設備投資をより確実に抑制することができる。
【0101】
グランド端子230は、複数の第一中継用端子210及び複数の第二中継用端子220が対向する方向(上下方向)で重なる領域の外に配置されていてもよく、第一グランドプレート130は、複数の第一端子110及び複数の第二端子120が対向する方向(上下方向)で重なる領域から張り出した張出部132,133を有してもよく、中継用接続部202は、グランド端子230を張出部132,133に接触させてもよい。この場合、複数の第一中継用端子及び複数の第二中継用端子が対向する方向(上下方向)で重なる領域内にグランド端子を配置するのに比較して、コネクタ中継体をより単純な設備で製造可能となるので、コネクタ中継体の多品種化の設備投資をより確実に抑制することができる。
【0102】
例えば、グランド端子230は、第二方向D2において複数の第一中継用端子210及び複数の第二中継用端子220よりも外に配置されており、張出部132,133は、第二方向D2において複数の第一端子110及び複数の第二端子120よりも外に張り出していてもよい。この場合、コネクタ中継体200をより単純な設備で製造可能となるので、コネクタ中継体200の多品種化の設備投資をより確実に抑制することができる。
【0103】
なお、この構成は、複数の第一中継用端子210及び複数の第二中継用端子220が対向する方向(上下方向)で重なる領域の外にグランド端子230を配置する構成の一例に過ぎない。例えばグランド端子230は、第二方向D2における第一中継用端子210及び第二中継用端子220の配列の間に配置されていてもよい。
【0104】
以上、実施形態を示したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。