(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記報知制御部は、前記検出間隔が前記特定部によって特定された報知間隔よりも長い場合に、前記第1行動を表わす情報と、前記第2行動を表わす情報とを前記報知とともに通信端末に送信する、請求項3に記載の見守りシステム。
前記報知制御部は、前記検出間隔が前記特定部によって特定された報知間隔よりも長いか否かに応じて、前記第2行動の報知態様を変える、請求項1に記載の見守りシステム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0016】
<第1の実施の形態>
[見守りシステム500の構成]
図1を参照して、見守りシステム500の装置構成について説明する。
図1は、見守りシステム500の装置構成の一例を示す図である。
【0017】
見守りシステム500は、たとえば、介護を必要とする被介護者10を見守るために用いられる。被介護者10は、たとえば、高齢者や患者などである。
図1に示されるように、見守りシステム500は、見守り装置としての室内端末100と、管理サーバー200と、介護者用の携帯端末300とを含む。
【0018】
管理サーバー200は、室内端末100および携帯端末300とネットワーク接続されている。室内端末100および管理サーバー200の間の通信は、有線通信で実現されてもよいし、無線通信で実現されてもよい。室内端末100および管理サーバー200の通信が有線通信で実現される場合、室内端末100および管理サーバー200は、たとえば、LAN(Local Area Network)ケーブルにより繋がれる。室内端末100および管理サーバー200の通信が無線通信で実現される場合、無線通信の規格としては、たとえば、WifiやBluetooth(登録商標)などが採用される。
【0019】
管理サーバー200と携帯端末300との間の通信は、無線通信により実現される。無線通信の規格としては、たとえば、WifiやBluetoothなどが採用される。携帯端末300は、介護者11のために準備されたものである。
【0020】
室内端末100は、たとえば、医療施設、介護施設、宅内などに設置される。室内端末100は、カメラ105を備える。
図1には、被介護者10およびベッド20がカメラ105によって天井から撮影されている様子が示されている。
【0021】
室内端末100は、カメラ105から得られた一連の画像に基づいて被介護者10の様々な行動を検出する。一例として、検出され得る行動は、被介護者10の起床、離床、転落、臥床、入床、立ち上がり、および呼吸停止などである。カメラ105から得られる画像は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。
【0022】
室内端末100は、報知対象の行動を検出すると、当該行動の種類を示す情報を管理サーバー200に送信する。たとえば、報知対象の行動として起床が検出されると、管理サーバー200は、被介護者10が起床したことを介護者11の携帯端末300に報知する。携帯端末300は、たとえば、スマートフォンやタブレット端末である。被介護者10の起床が携帯端末300に報知されることにより、介護者11は、被介護者10がベッド20から立ち上がることを支援することができ、被介護者10の起床時に生じる転倒などを未然に防ぐことができる。
【0023】
なお、
図1には、見守りシステム500が1つの室内端末100を備えている例が示されているが、見守りシステム500は、複数の室内端末100を備えてもよい。また、
図1には、見守りシステム500が1つの管理サーバー200を備えている例が示されているが、見守りシステム500は、複数の管理サーバー200を備えてもよい。さらに、
図1には、室内端末100と管理サーバー200とが別個の装置として構成されているが、室内端末100と管理サーバー200とは一体的に構成されてもよい。
【0024】
また、
図1には、カメラ105が天井に設定されている例が示されているが、カメラ105の設置場所は、天井に限定されない。カメラ105は、被介護者10をカメラ105の視野に含むことが可能な場所に設置されればよい。たとえば、カメラ105は、側壁に設置されてもよい。
【0025】
[室内端末100による行動検出処理]
図2を参照して、室内端末100による行動検出処理について説明する。
図2は、被介護者10を撮影して得られた入力画像30A〜30Eを示す図である。
【0026】
室内端末100は、カメラ105から得られた入力画像30A〜30Eを解析して、被介護者10の複数種類の行動を検出することができる。室内端末100が検出可能な行動の種類は、たとえば、起床、離床、転倒、入床、臥床を含む。起床とは、被介護者10がベッド20上で起き上がる行動のことをいう。離床とは、被介護者10がベッド20から離れている状態のことをいう。転倒とは、被介護者10が床に倒れている状態のことをいう。入床とは、被介護者10がベッド20に近付いてからベッド20に入るまでの行動のことをいう。臥床とは、被介護者10がベッド20で横たわる行動のことをいう。
【0027】
一例として、室内端末100は、カメラ105から逐次得られる入力画像から被介護者10を含む人物領域を順次検出し、当該人物領域の位置とベッド領域41との位置関係に基づいて、被介護者10の行動を特定する。ベッド領域41は、後述する方法で予め設定されている。
【0028】
より具体的には、入力画像30Aに示されるように、室内端末100は、人物領域の位置がベッド領域41内からベッド領域41の端部に移動したことに基づいて、被介護者10の起床を検出する。異なる言い方をすれば、室内端末100は、人物領域がベッド領域41内に含まれている状態からベッド領域41の端部に重なっている状態になったことに基づいて、被介護者10の起床を検出する。
【0029】
入力画像30Bに示されるように、室内端末100は、人物領域の位置がベッド領域41の端部からベッド領域41外に移動したことに基づいて、被介護者10の離床を検出する。異なる言い方をすれば、室内端末100は、人物領域がベッド領域41の端部に重なっている状態からベッド領域41に重なっていない状態になったことに基づいて、被介護者10の離床を検出する。
【0030】
入力画像30Cに示されるように、室内端末100は、人物領域の位置がベッド領域41外にあり、順次検出される人物領域の位置が一定時間(たとえば、10秒)以上所定範囲内に留まっている場合に、被介護者10の転倒を検出する。好ましくは、被介護者10が転倒する場合、被介護者10の移動量が瞬間的に大きくなるので、室内端末100は、被介護者10の転倒の検出条件に、被介護者10の移動量が瞬間的に大きくなることを加えてもよい。すなわち、室内端末100は、人物領域が所定閾値を上回った後に、人物領域の位置が一定時間(たとえば、10秒)以上所定範囲内に留まっている場合に、被介護者10の転倒を検出する。
【0031】
入力画像30Dに示されるように、室内端末100は、人物領域の位置がベッド領域41外からベッド領域41の端部に移動したことに基づいて、被介護者10の入床を検出する。異なる言い方をすれば、室内端末100は、人物領域がベッド領域41に重なっていない状態からベッド領域41の端部に重なっている状態になったことに基づいて、被介護者10の入床を検出する。
【0032】
入力画像30Eに示されるように、室内端末100は、人物領域の位置がベッド領域41の端部からベッド領域41内に移動したことに基づいて、被介護者10の臥床を検出する。異なる言い方をすれば、室内端末100は、人物領域がベッド領域41の端部に重なっている状態からベッド領域41内に含まれる状態になったことに基づいて、被介護者10の臥床を検出する。
【0033】
このように、室内端末100は、被介護者10を撮影して得られた入力画像から被介護者10の複数種類の行動を検出することができる。なお、室内端末100が検出可能な行動の種類は、起床、離床、転倒、入床、臥床に限定されない。たとえば、室内端末100が検出可能な行動の種類は、被介護者10の呼吸停止をさらに含んでもよい。この場合、室内端末100は、天井に設けられた超音波センサの出力に基づいて、被介護者10の呼吸停止を検出する。より具体的には、超音波センサは、ベッド20に寝ている被介護者10に超音波を発信し、その反射波を受信する。超音波センサは、超音波を発信してから受信するまでの時間に基づいて、被介護者10までの距離を検出する。被介護者10が呼吸をしている場合には、検出される距離は周期的に変化し、被介護者10の呼吸が停止した場合には当該距離の周期的な変化が停止する。この点に着目して、室内端末100は、超音波センサからの距離が周期的に変化していた状態から所定範囲に収まっている状態に変化したことに基づいて、被介護者10の呼吸停止を検出する。
【0034】
他にも、室内端末100が検出可能な行動の種類は、被介護者10の入室や退室をさらに含んでもよい。この場合、ドア位置を示すドア領域が入力画像内において予め設定されている。室内端末100は、人物領域が室内からドア領域に移動したことに基づいて、被介護者10の退室を検出し、人物領域が室外からドア領域に移動したことに基づいて、被介護者10の入室を検出する。
【0035】
[報知の抑制処理]
上述のように、室内端末100は、複数種類の行動を検出することができる。室内端末100が検出可能な行動の種類が増えると、介護者への報知回数が多くなり、介護者の負担が増えてしまう。そのため、室内端末100は、介護者にとって必要な検出結果を報知しつつ、検出結果の報知を抑制する。
【0036】
図3および
図4を参照して、室内端末100による行動の報知の抑制処理について説明する。
図3は、検出された行動と、報知される行動との関係を時系列に示す図である。
【0037】
図3(A)に示されるように、時刻T1において、室内端末100は、報知対象の行動「起床」を検出したとする。これにより、室内端末100は、被介護者の行動「起床」を介護者の携帯端末300に報知する。
【0038】
時刻T2において、室内端末100は、報知対象の行動「起床」を再び検出したとする。行動「起床」が何度も報知されると、介護者の負担が増加してしまう。そのため、室内端末100は、行動の組み合わせごとに報知間隔を規定している情報(以下、「報知間隔情報」ともいう。)に基づいて、2回目に検出された行動「起床」を報知するか否かを判断する。
【0039】
図4は、報知間隔情報124の一例である報知間隔情報124Aを示す図である。
図4に示されるように、報知間隔情報124Aにおいて、一連の行動の組み合わせごとに報知間隔が規定されている。報知間隔とは、報知の抑制時間のことをいう。すなわち、検出された行動間の間隔が規定されている報知間隔よりも短い場合には、検出された行動の報知が抑制される。
【0040】
以下では、説明の便宜のために、検出された行動の前後関係を矢印「→」で示す。すなわち、矢印「→」の前に記載された行動が先の行動を示し、矢印「→」の後に記載された行動が後の行動を示す。たとえば、「行動A→行動B」と記載した場合には、行動Aが行われた後に行動Bが行われたことを示す。
【0041】
報知間隔情報124Aに示されるように、「起床→起床」の組み合わせには、報知間隔t1が関連付けられている。「起床→離床」の組み合わせには、報知間隔t2が関連付けられている。「離床→起床」の組み合わせには、報知間隔t3が関連付けられている。「離床→離床」の組み合わせには、報知間隔t4が関連付けられている。報知間隔t1〜t4は、予め設定されていてもよいし、ユーザによって任意に変更されてもよい。
【0042】
室内端末100は、被介護者の報知対象の「起床」(第1行動)を検出し、続いて被介護者の報知対象の「起床」(第2行動)を検出した場合に、報知間隔情報124Aに規定されている報知間隔t1〜t4の中から、「起床→起床」の組み合わせに対応付けられている報知間隔t1を特定する。報知間隔t1は、たとえば、「1分」である。
【0043】
図3(A)に示されるように、室内端末100は、1回目の「起床」が検出されてから2回目の「起床」が検出されるまでの検出間隔ΔT1が報知間隔t1よりも短い場合に、2回目の「起床」の報知を抑制する。これにより、1回目の「起床」は介護者に報知され、2回目の「起床」の報知は抑制されるので、室内端末100は、介護者にとって必要な検出結果を報知しつつ、検出結果の報知を抑制することができ、介護者の負担を軽減することができる。
図3(A)の例では、室内端末100は、同一の行動を短期間の間に複数回報知することを抑制することができる。
【0044】
なお、報知を抑制することは、報知対象の行動を報知しないことだけでなく、通常時(すなわち、1回目の「起床」の報知時)よりも報知のレベルを下げることなどを含む。報知のレベルを下げることは、たとえば、報知の音声を通常よりも下げることや、報知メッセージの内容を簡略化することを含む。
【0045】
図3(B)に示されるように、室内端末100は、1回目の「起床」が検出されてから2回目の「起床」が検出されるまでの検出間隔ΔT2が報知間隔情報124Aに基づいて特定された報知間隔t1よりも長い場合には、2回目の「起床」を報知する。これにより、検出間隔が空いた場合に、報知対象の行動が介護者の携帯端末300に報知される。
【0046】
このように、室内端末100は、1回目の「起床」が検出された時点で、「起床」が検出されたことを報知する。その後、室内端末100は、2回目の「起床」が検出された時点で、1回目の「起床」と2回目の「起床」との検出間隔が報知間隔t1よりも長い場合に、2回目の「起床」が検出されたことを報知する。一方で、室内端末100は、2回目の「起床」が検出された時点で、1回目の「起床」と2回目の「起床」との検出間隔が報知間隔t1よりも短い場合に、2回目の「起床」が検出されたことを報知しない。
【0047】
図5を参照して、検出された行動が
図3の例とは異なる場合における報知の抑制処理について説明する。
図5は、検出された行動と、報知される行動との関係を時系列に示す図である。
【0048】
時刻T5において、室内端末100は、報知対象の行動「起床」を検出したとする。時刻T
5よりも前に行動は検出されていないので、室内端末100は、行動「起床」を検出したことを介護者の携帯端末300に報知する。
【0049】
時刻T6において、室内端末100は、報知対象の行動「離床」を検出したとする。このことに基づいて、室内端末100は、報知間隔情報124Aに規定されている報知間隔t1〜t4の中から、前回の行動検出結果「起床」と今回の行動検出結果「離床」との組み合わせ「起床→離床」に関連付けられている報知間隔t2を特定する。
図5(A)および
図5(B)の例では、行動「起床」が検出されてから行動「離床」が検出されるまでの検出間隔ΔT5が、特定された報知間隔t2よりも長いので、室内端末100は、行動「離床」を介護者の携帯端末300に報知する。
【0050】
時刻T7において、室内端末100は、行動「起床」を検出したとする。このことに基づいて、室内端末100は、報知間隔情報124Aに規定されている報知間隔t1〜t4の中から、前回の行動検出結果「離床」と今回の行動検出結果「起床」との組み合わせ「離床→起床」に関連付けられている報知間隔t3を特定する。
【0051】
図5(A)の例では、室内端末100は、行動「離床」が検出されてから行動「起床」が検出されるまでの検出間隔ΔT6が特定された報知間隔t3よりも短いので、行動「起床」の報知を抑制する。
図5(B)の例では、室内端末100は、行動「離床」が検出されてから行動「起床」が検出されるまでの検出間隔ΔT7が特定された報知間隔t3よりも長いので、行動「起床」を介護者の携帯端末300に報知する。
【0052】
[報知の抑制処理(変形例)]
報知間隔情報124に規定される報知対象の行動は、2種類に限定されない。たとえば、報知間隔情報124には、3種類以上の行動が報知対象として規定されてもよい。以下では、
図6および
図7を参照して、報知間隔情報124に報知対象の行動が3種類以上規定されている場合における、報知の抑制処理について説明する。
【0053】
図6は、検出された行動と、報知される行動との関係を時系列に示す図である。図
6に示されるように、時刻T21において、室内端末100は、報知対象の行動「離床」を検出したとする。時刻T21よりも前に行動は検出されていないので、室内端末100は、行動「離床」を検出したことを介護者の携帯端末300に報知する。
【0054】
時刻T22において、室内端末100は、報知対象の行動「転倒」を検出したとする。このとき、室内端末100は、報知間隔情報124に基づいて、検出された行動「転倒」を報知するか否かを判断する。
【0055】
図7は、報知間隔情報124の一例である報知間隔情報124Bを示す図である。報知間隔情報124Bに示されるように、「起床→起床」の組み合わせには、報知間隔t5が関連付けられている。「起床→離床」の組み合わせには、報知間隔t6が関連付けられている。「起床→転倒」の組み合わせには、報知間隔t7が関連付けられている。「起床→呼吸停止」の組み合わせには、報知間隔t8が関連付けられている。「離床→起床」の組み合わせには、報知間隔t9が関連付けられている。「離床→離床」の組み合わせには、報知間隔t10が関連付けられている。「離床→転倒」の組み合わせには、報知間隔t11が関連付けられている。「離床→呼吸停止」の組み合わせには、報知間隔t12が関連付けられている。「転倒→起床」の組み合わせには、報知間隔t13が関連付けられている。「転倒→離床」の組み合わせには、報知間隔t14が関連付けられている。「転倒→転倒」の組み合わせには、報知間隔t15が関連付けられている。「転倒→呼吸停止」の組み合わせには、報知間隔t16が関連付けられている。「呼吸停止→起床」の組み合わせには、報知間隔t17が関連付けられている。「呼吸停止→離床」の組み合わせには、報知間隔t18が関連付けられている。「呼吸停止→転倒」の組み合わせには、報知間隔t19が関連付けられている。「呼吸停止→呼吸停止」の組み合わせには、報知間隔t20が関連付けられている。
【0056】
一連の行動として生じ得る可能性が低い行動の組み合わせであるほど、関連付けられる報知間隔は長くなる。たとえば、「起床→離床」が生じる可能性は高いが、「転倒→起床」が生じる可能性は低い。この場合、「転倒→起床」に関連付けられている報知間隔t13は、「起床→離床」に関連付けられている報知間隔t5よりも長くなるように設定される。これにより、生じ得る可能性が低い一連の行動については報知が抑制され、生じ得る可能性が高い一連の行動については報知が実行される。
【0057】
時刻T22において、行動「転倒」が検出されたことに基づいて、室内端末100は、報知間隔情報124Bに規定されている報知間隔t5〜t20の中から、前回の行動検出結果「離床」と今回の行動検出結果「転倒」との組み合わせ「離床→転倒」に関連付けられている報知間隔t11を特定する。
図6の例では、行動「離床」が検出されてから行動「転倒」が検出されるまでの検出間隔ΔT11が特定された報知間隔t11よりも長いので、室内端末100は、行動「転倒」を介護者の携帯端末300に報知する。
【0058】
時刻T23において、室内端末100は、報知対象の行動「転倒」を検出したとする。このことに基づいて、室内端末100は、報知間隔情報124Bに規定されている報知間隔t5〜t20の中から、前回の行動検出結果「転倒」と今回の行動検出結果「転倒」との組み合わせ「転倒→転倒」に関連付けられている報知間隔t15を特定する。
図6の例では、前回の行動「転倒」が検出されてから今回の行動「転倒」が検出されるまでの検出間隔ΔT12が、特定された報知間隔t15よりも短いので、室内端末100は、今回検出された行動「転倒」の報知を抑制する。
【0059】
時刻T24において、室内端末100は、報知対象の行動「起床」を検出したとする。このことに基づいて、室内端末100は、報知間隔情報124Bに規定されている報知間隔t5〜t20の中から、前回の行動検出結果「転倒」と今回の行動検出結果「起床」との組み合わせ「転倒→起床」に関連付けられている報知間隔t13を特定する。
図6の例では、前回の行動「転倒」が検出されてから今回の行動「起床」が検出されるまでの検出間隔ΔT13が、特定された報知間隔t13よりも短いので、室内端末100は、今回検出された行動「起床」の報知を抑制する。
【0060】
時刻T25において、室内端末100は、報知対象の行動「離床」を検出したとする。このことに基づいて、室内端末100は、報知間隔情報124Bに規定されている報知間隔t5〜t20の中から、前回の行動検出結果「起床」と今回の行動検出結果「離床」との組み合わせ「起床→離床」に関連付けられている報知間隔t6を特定する。
図6の例では、前回の行動「起床」が検出されてから今回の行動「離床」が検出されるまでの検出間隔ΔT14が、特定された報知間隔t6よりも短いので、室内端末100は、今回検出された行動「離床」の報知を抑制する。
【0061】
時刻T26において、室内端末100は、報知対象の行動「離床」を検出したとする。このことに基づいて、室内端末100は、報知間隔情報124Bに規定されている報知間隔t5〜t20の中から、前回の行動検出結果「離床」と今回の行動検出結果「離床」との組み合わせ「離床→離床」に関連付けられている報知間隔t10を特定する。
図6の例では、前回の行動「離床」が検出されてから今回の行動「離床」が検出されるまでの検出間隔ΔT15が、特定された報知間隔t10よりも短いので、室内端末100は、今回検出された行動「離床」の報知を抑制する。
【0062】
なお、
図7に示される報知間隔情報124Bでは、2つの行動の組み合わせごとに報知間隔が規定されているが、3つ以上の行動の組み合わせごとに報知間隔が規定されてもよい。この場合、3つ以上の行動の組み合わせにおいて行動間ごとに報知間隔が規定されてもよいし、3つ以上の行動の組み合わせに対して1つの報知間隔が規定されてもよい。
【0063】
ある局面において、「行動A→行動B→行動C」の組み合わせにおいて、「行動A→行動B」間には報知間隔tABが関連付けられており、「行動B→行動C」間には報知間隔tBCが関連付けられている。室内端末100は、行動A〜Cを順に検出した場合、行動Aが検出されてから行動Bが検出されるまでの検出間隔が報知間隔tABよりも長く、行動Bが検出されてから行動Cが検出されるまでの検出間隔が報知間隔tBCよりも長い場合に、行動Cが検出されたことを報知する。そうでない場合には、室内端末100は、行動Cの報知を抑制する。
【0064】
他の局面において、「行動A→行動B→行動C」の組み合わせにおいて、1つの報知間隔tが関連付けられている。室内端末100は、行動A〜Cを順に検出した場合、行動Aが検出されてから行動Bが検出されるまでの検出間隔が報知間隔tよりも長く、行動Bが検出されてから行動Cが検出されるまでの検出間隔が同一の報知間隔tよりも長い場合に、行動Cが検出されたことを報知する。そうでない場合には、室内端末100は、行動Cの報知を抑制する。
【0065】
[見守りシステム500の機能構成]
図8を参照して、見守りシステム500の機能について説明する。
図8は、見守りシステム500の機能構成の一例を示すブロック図である。
図8に示されるように、見守りシステム500は、見守り装置としての室内端末100と、管理サーバー200と、介護者用の携帯端末300とで構成されている。以下では、室内端末100、管理サーバー200、および携帯端末300の機能について順に説明する。
【0066】
(室内端末100の機能構成)
図8に示されるように、室内端末100は、機能構成として、人物検出部150と、行動検出部152と、特定部154と、報知制御部158とを含む。
【0067】
人物検出部150は、被介護者を撮影して得られた入力画像から、被介護者を含む人物領域を検出する。
図9を参照して、人物検出処理の一例について説明する。人物検出部150は、たとえば、背景差分処理により人物領域を検出する。
図9は、背景差分処理を概略的に示す概念図である。
【0068】
図9に示されるように、人物検出部150は、人物が写っていない背景画像35Aを予め取得しておく。人物検出部150は、背景画像35Aと同じ視点から被介護者10を撮影して得られた入力画像35Bを取得すると、入力画像35Bから背景画像35Aを差分する。これにより、人物検出部150は、入力画像35Bから背景を除いた背景差分画像36を得ることができる。人物検出部150は、背景差分画像36から所定値以上の画素値を有する領域を抽出し、当該領域に外接する矩形領域を人物領域12とする。
【0069】
人物領域12の位置は、たとえば、人物領域12の頂点の座標値(たとえば、左上隅の座標値)と、人物領域12の横幅および縦幅とで表わされる。あるいは、人物領域12の位置は、人物領域12の対角の2頂点の座標値(たとえば、左上の座標値と右下の座標値)で表わされてもよい。
【0070】
なお、人物領域12は、
図9示される方法とは異なる方法で抽出されてもよい。たとえば、人物検出部150は、被介護者10の特徴的な部分(すなわち、特徴量)をテンプレートとして予め準備しておき、入力画像35Bを走査することにより当該テンプレートと類似する領域を探索する。人物検出部150は、入力画像35B内でテンプレートと類似する領域を探索できた場合には、当該領域を人物領域12とする。他にも、人物検出部150は、フレーム間差分、オプティカルフロー、トラッキング、またはその他の画像処理技術を利用して人物領域12を抽出してもよい。
【0071】
再び
図8を参照して、検出された人物領域12は、行動検出部152に順次出力される。行動検出部152は、検出された人物領域12の位置に基づいて、被介護者の複数種類の行動を検出することができる。一例として、行動検出部152は、被介護者の起床、離床、入床、臥床、転倒などを検出することができる。これらの行動の検出方法は、上述の
図2で説明した通りであるので、その説明については繰り返さない。行動検出部152によって検出された行動は、検出時刻に関連付けられた上で行動検出履歴126に書き込まれる。
【0072】
特定部154は、行動検出部152が被介護者の報知対象の第1行動を検出し、当該第1行動に続いて被介護者の報知対象の第2行動を検出した場合に、上述の報知間隔情報124(
図4参照)に規定されている報知間隔の中から、当該第1行動と当該第2行動との組み合わせに対応付けられている報知間隔を特定する。特定された報知間隔は、報知制御部158に出力される。
【0073】
時計部156は、行動検出部152による報知対象の行動の検出間隔を測定する。より具体的には、時計部156は、前回の報知対象の行動(第1行動)が検出されてから今回の報知対象の行動(第2行動)が検出されるまでの検出間隔を測定する。一例として、時計部156は、前回検出された行動の検出タイミングと、今回検出された行動の検出タイミングとの差を検出間隔として算出する。算出された検出間隔は、報知制御部158に出力される。
【0074】
報知制御部158は、時計部156によって測定された検出間隔が特定部154によって特定された報知間隔よりも長い場合に、今回検出された行動を報知する。このとき、報知制御部158は、報知対象の行動が検出されたことを示す通知を携帯端末300に送信する。好ましくは、報知制御部158は、前回検出された行動(第1行動)を表わす情報と、今回検出された行動(第2行動)を表わす情報とを当該通知(報知)とともに携帯端末300に送信する。一例として、報知制御部158は、前回検出された行動を表わす画像と、今回検出された行動を表わす画像とを含む一連の画像(すなわち、映像)を当該通知とともに携帯端末300に送信する。
【0075】
一方で、報知制御部158は、時計部156によって測定された検出間隔が特定部154によって特定された報知間隔よりも短い場合に、今回検出された行動の報知を抑制する。行動の報知を抑制する方法には、様々な抑制方法が採用される。
【0076】
ある局面において、報知制御部158は、時計部156によって測定された検出間隔が特定部154によって特定された報知間隔よりも長いか否かに応じて、検出された行動の報知態様を変える。すなわち、検出された行動の報知態様は、通常時と報知の抑制時とで変えられる。一例として、通常の報知時には、報知対象の行動が検出されたことを示す通知とともに報知対象の行動を写す映像が管理サーバー200に送信される。一方で、報知の抑制時には、報知対象の行動を写す映像は管理サーバー200に送信されずに、報知対象の行動が検出されたことを示す通知のみが管理サーバー200に送信される。
【0077】
さらに他の局面において、報知制御部158は、時計部156によって測定された検出間隔が特定部154によって特定された報知間隔よりも長いか否かに応じて、報知対象の行動が検出されたことを示す通知の送信先を変える。すなわち、通知先は、通常時と報知の抑制時とで変えられる。一例として、通常の報知時には、報知対象の行動が検出されたことを示す通知が携帯端末300に送信される。携帯端末300は、報知対象の行動が検出されたことを介護者に報知する。一方で、報知の抑制時には、報知対象の行動が検出されたことを示す通知が管理サーバー200に送信される。管理サーバー200は、受信した通知を記録する。すなわち、この場合には、報知対象の行動が検出されたことは、介護者には通知されない。
【0078】
(管理サーバー200の機能構成)
引き続き
図8を参照して、管理サーバー200の機能構成について説明する。
図8に示されるように、管理サーバー200は、機能構成として、通信部250と、受付部252とを含む。
【0079】
通信部250は、室内端末100から受信した報知判断結果を室内端末100から受信する。当該報知判断結果は、検出された行動を報知するか否かを示す情報や、当該行動の報知態様、当該行動の通知先などを含む。報知判断結果は、履歴情報224に書き込まれる。履歴情報224に書き込まれる情報は、たとえば、室内端末100を識別するための識別情報(たとえば、端末ID)、室内端末100によって検出された行動の種類などである。通信部250は、報知判断結果に従って、検出された行動を報知させるための命令(以下、「報知命令」ともいう。)を携帯端末300に送信する。
【0080】
受付部252は、被介護者の部屋を撮影して得られた入力画像に対してベッド領域の設定を受け付ける。ベッド領域の設定方法については後述する。設定されたベッド領域は、室内端末100に送信される。
【0081】
(携帯端末300の機能構成)
引き続き
図8を参照して、携帯端末300の機能構成について説明する。
図8に示されるように、携帯端末300は、機能構成として、報知部351を含む。
【0082】
報知部351は、管理サーバー200から受信した報知命令に従って、報知対象の行動が検出されたことを介護者に報知する。
【0083】
ある局面において、報知部351は、報知対象の行動が検出されたことを示すメッセージを携帯端末300のディスプレイに表示する。当該メッセージは、検出された行動の種類や、被介護者の名前、被介護者の部屋などを含む。
【0084】
他の局面において、報知部351は、報知対象の行動が検出されたことを示す音声を携帯端末300のスピーカから出力させる。当該音声は、検出された行動の種類や、被介護者の名前、被介護者の部屋などを含む。
【0085】
[見守りシステム500の制御構造]
図10を参照して、見守りシステム500の制御構造について説明する。
図10は、室内端末100の制御装置101(
図22参照)が実行する画像処理を示すフローチャートである。
図10の処理は、たとえば、室内端末100などのコンピュータによって実行される。他の局面において、処理の一部または全部が、管理サーバー200の制御装置201(
図22参照)、回路素子、その他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0086】
ステップS40において、制御装置101は、本実施の形態に従う見守りプログラムが実行されたことに基づいて初期化を行なう。
【0087】
ステップS50において、制御装置101は、見守り対象の被介護者を撮影して得られた入力画像を本実施の形態に従う見守りプログラムに入力する。
【0088】
ステップS60において、制御装置101は、上述の行動検出部152(
図8参照)として、被介護者の報知対象の行動を検出する。行動検出処理のフローについては後述する(
図11参照)。
【0089】
ステップS62において、制御装置101は、上述の特定部154(
図8参照)として、上述の報知間隔情報124(
図4参照)に規定されている報知間隔の中から、前回検出された報知対象の行動と、今回検出された報知対象の行動との組み合わせに対応付けられている報知間隔を特定する。
【0090】
ステップS64において、制御装置101は、上述の報知制御部158(
図8参照)として、前回検出された行動の検出タイミングから、今回検出された行動の検出タイミングまでの検出間隔がステップS62で特定された報知間隔よりも短いか否かを判断する。制御装置101は、当該検出間隔がステップS62で特定された報知間隔よりも短いと判断した場合(ステップS64においてYES)、制御をステップS66に切り替える。そうでない場合には(ステップS64においてNO)、制御装置101は、制御をステップS68に切り替える。
【0091】
ステップS66において、制御装置101は、報知制御部158として、検出された行動の報知を抑制する。報知を抑制する方法は、特に限定されない。たとえば、報知が禁止されることで、報知が抑制されてもよいし、報知のレベルが通常時よりも下げられることで、報知が抑制されてもよい。
【0092】
ステップS68において、制御装置101は、報知制御部158として、検出された行動を介護者の携帯端末300に報知する。
【0093】
ステップS70において、制御装置101は、本実施の形態に従う見守り処理を終了するか否かを判断する。たとえば、制御装置101は、管理者から処理の中止操作を受け付けた場合に、本実施の形態に従う見守り処理を終了すると判断する。制御装置101は、本実施の形態に従う見守り処理を終了すると判断した場合(ステップS70においてYES)、制御装置101は、
図10に示される処理を終了する。そうでない場合には(ステップS70においてNO)、制御装置101は、制御をステップS80に切り替える。
【0094】
ステップS80において、制御装置101は、次の入力画像をカメラ105(
図1参照)から取得する。ステップS80の処理が繰り返し実行されることで、時系列の入力画像が順次取得される。
【0095】
[行動検出フロー]
図11〜
図15を参照して、
図10のステップS60で実行される行動検出処理について詳細に説明する。
図11は、
図10のステップS60で実行される行動検出処理を示すフローチャートである。
図12は、
図11のステップS100で実行される転倒検出処理を示すフローチャートである。
図13は、
図11のステップS200で実行される起床検出処理を示すフローチャートである。
図14は、
図11のステップS300で実行される離床検出処理を示すフローチャートである。
図15は、
図11のステップS400で実行される呼吸停止検出処理を示すフローチャートである。
【0096】
図11を参照して、ステップS90において、制御装置101は、上述の人物検出部150(
図8参照)として、入力画像から人物領域を検出する。人物領域の検出方法は
図9で説明した通りであるので、その説明については繰り返さない。
【0097】
ステップS100において、制御装置101は、被介護者の転倒検出処理を実行する。
図12を参照して、転倒検出処理について説明する。
【0098】
ステップS110において、制御装置101は、被介護者の転倒を検出したか否かを判断する。一例として、制御装置101は、入力画像内における人物領域の位置がベッド領域外にあり、順次検出される人物領域の位置が一定時間(たとえば、10秒)以上所定範囲内に留まっている場合に、被介護者10の転倒を検出したと判断する。制御装置101は、被介護者の転倒を検出したと判断した場合(ステップS110においてYES)、制御をステップS112に切り替える。そうでない場合には(ステップS110においてNO)、
図12に示される転倒検出処理を終了する。
【0099】
ステップS112において、制御装置101は、被介護者の行動「転倒」を検出タイミングに関連付けた上で、行動検出履歴126(
図8参照)に書き込む。好ましくは、制御装置101は、被介護者の行動「転倒」を写す映像を行動検出履歴126にさらに書き込む。
【0100】
再び
図11を参照して、ステップS200において、制御装置101は、被介護者の起床を検出するための起床検出処理を実行する。
図13を参照して、起床検出処理について説明する。
【0101】
ステップS201において、制御装置101は、前回の行動検出結果が「起床前」の行動であるか否かを判断する。一例として、「起床前」の行動は、被介護者の「臥床」である。制御装置101は、被介護者の状態が「起床前」であると判断した場合(ステップS201においてYES)、制御をステップS210に切り替える。そうでない場合には(ステップS201においてNO)、制御装置101は、
図13に示される起床検出処理を終了する。
【0102】
ステップS210において、制御装置101は、被介護者の起床を検出したか否かを判断する。一例として、制御装置101は、入力画像内の人物領域の位置がベッド領域内からベッド領域の端部に移動したことに基づいて、被介護者の起床を検出したと判断する。制御装置101は、被介護者の起床を検出したと判断した場合(ステップS210においてYES)、制御をステップS212に切り替える。そうでない場合には(ステップS210においてNO)、
図13に示される起床検出処理を終了する。
【0103】
ステップS212において、制御装置101は、被介護者の行動「起床」を検出タイミングに関連付けた上で、行動検出履歴126(
図8参照)に書き込む。好ましくは、制御装置101は、被介護者の行動「起床」を写す映像を行動検出履歴126にさらに書き込む。
【0104】
ステップS214において、制御装置101は、被介護者の現在の状態を「起床後」に設定する。
【0105】
再び
図11を参照して、ステップS300において、制御装置101は、被介護者の離床を検出するための離床検出処理を実行する。
図14を参照して、離床検出処理について説明する。
【0106】
ステップS301において、制御装置101は、前回の行動検出結果が「離床前」の行動であるか否かを判断する。一例として、「離床前」の行動は、被介護者の「起床」である。制御装置101は、被介護者の状態が「離床前」であると判断した場合(ステップS301においてYES)、制御をステップS310に切り替える。そうでない場合には(ステップS301においてNO)、制御装置101は、
図14に示される離床検出処理を終了する。
【0107】
ステップS310において、制御装置101は、被介護者の離床を検出したか否かを判断する。一例として、制御装置101は、入力画像内の人物領域の位置がベッド領域の端部からベッド領域外に移動したことに基づいて、被介護者の離床を検出したと判断する。制御装置101は、被介護者の離床を検出したと判断した場合(ステップS310においてYES)、制御をステップS312に切り替える。そうでない場合には(ステップS310においてNO)、
図14に示される離床検出処理を終了する。
【0108】
ステップS312において、制御装置101は、被介護者の行動「離床」を検出タイミングに関連付けた上で、行動検出履歴126(
図8参照)に書き込む。好ましくは、制御装置101は、被介護者の行動「離床」を写す映像を行動検出履歴126にさらに書き込む。
【0109】
ステップS314において、制御装置101は、被介護者の現在の状態を「離床後」に設定する。
【0110】
再び
図11を参照して、ステップS400において、制御装置101は、被介護者の呼吸停止を検出するための呼吸停止検出処理を実行する。
図15を参照して、呼吸停止検出処理について説明する。
【0111】
ステップS401において、制御装置101は、ベッド上の天井に設けられた超音波センサから、当該センサから被介護者までの距離を取得する。
【0112】
ステップS410において、制御装置101は、被介護者の呼吸停止を検出したか否かを判断する。被介護者が呼吸をしている場合にはステップS401で取得される距離が周期的に変化し、被介護者の呼吸が停止した場合には当該距離の周期的な変化が停止する。この点に着目して、制御装置101は、超音波センサからの距離が周期的に変化していた状態から所定範囲に収まっている状態に変化したことに基づいて、被介護者10の呼吸停止を検出したと判断する。制御装置101は、被介護者の呼吸停止を検出したと判断した場合(ステップS410においてYES)、制御をステップS412に切り替える。そうでない場合には(ステップS
410においてNO)、制御装置101は、
図15に示される呼吸停止検出処理を終了する。
【0113】
ステップS412において、制御装置101は、被介護者の行動「呼吸停止」を検出タイミングに関連付けた上で、行動検出履歴126(
図8参照)に書き込む。好ましくは、制御装置101は、被介護者の行動「呼吸停止」を写す映像を行動検出履歴126にさらに書き込む。
【0114】
[見守りシステム500の画面遷移]
図16〜
図21を参照して、見守りシステム500に表示される画面例について説明する。
図16は、見守りシステム500の画面遷移図を示す図である。
【0115】
見守りシステム500は、本実施の形態に従う見守りプログラムを実行したときに、初期画面としてメイン画面410を表示する。管理者は、メイン画面410からは、設定モードトップ画面420または平常時画面440に遷移させることができる。管理者は、設定モードトップ画面420からは、メイン画面410または領域設定画面430に遷移させることができる。管理者は、領域設定画面430からは、設定モードトップ画面420に遷移させることができる。管理者は、平常時画面440からは、メイン画面410または報知時画面450に遷移させることができる。管理者は、報知時画面450からは、平常時画面440に遷移させることができる。
【0116】
メイン画面410、設定モードトップ画面420、領域設定画面430、平常時画面440、および報知時画面450は、たとえば、管理サーバー200のディスプレイや、介護者用の携帯端末300のディスプレイに表示される。
【0117】
以下では、メイン画面410、設定モードトップ画面420、領域設定画面430、平常時画面440、および報知時画面450の画面例について順に説明する。
【0118】
(メイン画面410)
図17は、メイン画面410の一例を示す図である。見守りシステム500は、本実施の形態に従う見守りプログラムを実行したときに、初期画面としてメイン画面410を表示する。
【0119】
メイン画面410は、行動検出処理の開始を受け付けるためのボタン412と、行動検出処理に関する設定画面を開くためのボタン414とを含む。見守りシステム500は、ボタン412の押下を検出した場合には、平常時画面440を表示する。また、見守りシステム500は、ボタン414の押下を検出した場合には、設定モードトップ画面420を表示する。
【0120】
(設定モードトップ画面420)
図18は、設定モードトップ画面420の一例を示す図である。設定モードトップ画面420は、見守りシステム500の初期設定時やメンテナンス時に表示される。
【0121】
設定モードトップ画面420は、行動検出処理に関するパラメータの設定を受け付ける。たとえば、設定モードトップ画面420は、カメラ105(
図1参照)のフレームレートに関するパラメータを受け付ける。また、設定モードトップ画面420は、カメラ105から出力される画像の明るさに関するパラメータを受け付ける。さらに、設定モードトップ画面420は、被介護者の行動の検出感度に関するパラメータを受け付ける。さらに、設定モードトップ画面420は、カメラ105を設置する天井の高さに関するパラメータを受け付ける。設定モードトップ画面420の「更新」ボタンが押下されると、各パラメータは、見守りシステム500に反映される。
【0122】
見守りシステム500は、ボタン422の押下を検出した場合には、領域設定画面430を表示する。見守りシステム500は、ボタン424の押下を検出した場合には、メイン画面410を表示する。
【0123】
設定モードトップ画面420は、他のパラメータの入力を受け付けてもよい。たとえば、設定モードトップ画面420は、カメラ105に関するパラメータとして、入力画像のコントラストに関するパラメータ、カメラのズーム調整に関するパラメータ、およびカメラのパンチルト調整に関するパラメータなどを受け付けてもよい。他にも、設定モードトップ画面420は、室内端末100から見守りシステム500に送信する画像の圧縮率などを受け付けてもよい。他にも、設定モードトップ画面420は、起床または入床などの行動を判別する時間帯などの設定を受け付けてもよい。
【0124】
(領域設定画面430)
図19は、領域設定画面430の一例を示す図である。領域設定画面430は、入力画像30に対するベッド領域41の設定を受け付ける。上述したように、設定されたベッド領域41は、行動検出処理で用いられる。
【0125】
領域設定画面430は、たとえば、点41A〜41Dの設定を受け付けることでベッド領域41の設定を受け付ける。一例として、点41A〜41Dは、マウス操作に連動するポインタ432によって入力される。見守りシステム500は、管理者によって設定されたベッド領域41を保存する操作を受け付けたことに基づいて、入力画像30内でベッド領域41を特定するための情報(たとえば、座標値など)を記憶する。
【0126】
なお、
図19では、ベッド領域41を設定する方法として、点41A〜41Dを設定する例について説明を行なったが、ベッド領域41は、他の方法で設定されてもよい。たとえば、領域設定画面430は、線の設定を受け付けることでベッド領域41の設定を受け付けてもよい。他の方法としては、領域設定画面430は、面の設定を受け付けることでベッド領域41の設定を受け付ける。この場合、管理者は、領域設定画面430に対するドラッグ操作によりベッド20が写っている範囲を指定する。このように、ベッド領域41の設定方法としては、ベッド領域とその他の領域との境界の一部または全部を指定することが可能な任意の方法が採用され得る。
【0127】
また、
図19では、ベッド領域41を設定する方法として、矩形の境界を設定する例について説明を行なったが、ベッド領域41は、他の形状で設定されてもよい。たとえば、ベッド領域41は、円形、楕円形、多角形(たとえば、六角形)などのその他の形状で設定されてもよい。あるいは、ベッド領域41の形状は、線、弧などであってもよい。当該線や弧は、所定の太さを有していてもよい。
【0128】
また、
図19では、ポインタ432でベッド領域41を設定する例について説明を行なったが、ベッド領域41は、タッチ操作などのその他の操作で設定されてもよい。
【0129】
また、
図19では、ベッド20に対してベッド領域41を設定する例について説明を行なったが、領域が設定される対象物は、ベッドに限定されない。たとえば、領域が設定される対象物は、布団などの寝具、ドア、椅子、被介護者によって利用されるその他の物体を含む。
【0130】
また、
図19では、ベッド領域41が管理者によって手動で設定される例について説明を行なったが、見守りシステム500は、エッジ抽出やテンプレートマッチングなどの画像処理によってベッド領域41を自動で検出してもよい。あるいは、見守りシステム500は、3Dセンサ、ベッド20の脚に取り付けられた位置センサ、圧力センサを有するカーペットなど、その他のセンサによってベッド領域41を検出してもよい。
【0131】
(平常時画面440)
図20は、平常時画面440の一例を示す図である。平常時画面440は、見守りシステム500による行動検出処理の実行中において、監視対象の被介護者10が危険を伴わない行動(たとえば、就寝など)をとっているときに表示される画面である。一例として、見守りシステム500は、被介護者10を撮影して得られた画像(映像)をそのまま平常時画面440として表示する。
【0132】
(報知時画面450)
図21は、報知時画面450の一例を示す図である。報知時画面450は、見守りシステム500による行動検出処理の実行中において、監視対象の被介護者10が危険を伴う行動をとったときに表示される画面である。見守りシステム500は、報知時画面450を表示する前に報知時画面450の表示の可否を管理者に問い合わせてもよい。
【0133】
図21に示されるように、見守りシステム500は、被介護者10が離床したことを検出したことに基づいて、被介護者10の離床を介護者に報知する。ある局面において、見守りシステム500は、メッセージ352によって被介護者10の離床を介護者に報知する。他の局面において、見守りシステム500は、音声などの音によって被介護者10の離床を介護者に報知する。さらに他の局面において、見守りシステム500は、被介護者10の離床の検出時における画像または映像を表示する。これにより、万が一、見守りシステム500が誤って報知を行なった場合であっても、介護者は、行動検出時における被介護者10の行動を画像または映像で確認できる。そのため、被介護者10の元に無駄に駆け付けずに済む。
【0134】
[見守りシステム500のハードウェア構成]
図22を参照して、見守りシステム500のハードウェア構成の一例について説明する。
図22は、見守りシステム500の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
【0135】
図22に示されるように、見守りシステム500は、室内端末100と、管理サーバー200と、介護者用の携帯端末300とで構成されている。管理サーバー200は、室内端末100および携帯端末300とネットワーク接続されている。
【0136】
以下では、室内端末100、管理サーバー200、および携帯端末300のハードウェア構成について順に説明する。
【0137】
(室内端末100のハードウェア構成)
図22に示されるように、室内端末100は、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104と、カメラ105と、記憶装置120とを備える。
【0138】
制御装置101は、室内端末100を制御する。制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
【0139】
通信インターフェイス104には、アンテナ(図示しない)などが接続される。室内端末100は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、管理サーバー200、携帯端末300、その他の通信端末などを含む。室内端末100は、当該通信端末から見守りプログラム122をダウンロードできるように構成されてもよい。
【0140】
カメラ105は、たとえば、近赤外カメラである。近赤外カメラは、近赤外光を投光するIR(Infrared)投光器を含む。近赤外カメラが用いられることにより、夜間でも被介護者10が撮影され得る。あるいは、カメラ105は、可視光のみを受光する通常の監視カメラである。あるいは、カメラ105として、3Dセンサやサーモグラフィが用いられてもよい。室内端末100およびカメラ105は、
図22に示されるように一体的に構成されてもよいし、別個に構成されてもよい。
【0141】
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記憶媒体である。記憶装置120は、上述のベッド領域41、本実施の形態に従う見守りプログラム122、上述の報知間隔情報124、上述の行動検出履歴126、後述の通知設定128などを格納する。ベッド領域41、見守りプログラム122、報知間隔情報124、行動検出履歴126、および通知設定128の格納場所は、記憶装置120に限定されず、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、管理サーバー200や携帯端末300)などに格納されていてもよい。
【0142】
なお、見守りプログラム122は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う見守りプログラム122の趣旨を逸脱するものではない。さらに、見守りプログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが見守りプログラム122の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で室内端末100が構成されてもよい。
【0143】
(管理サーバー200のハードウェア構成)
引き続き
図22を参照して、介護者用の管理サーバー200のハードウェア構成について説明する。
【0144】
管理サーバー200は、制御装置201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェイス204と、表示インターフェイス205と、操作インターフェイス207と、記憶装置220とを含む。
【0145】
制御装置201は、管理サーバー200を制御する。制御装置201は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
【0146】
通信インターフェイス204には、アンテナ(図示しない)などが接続される。管理サーバー200は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、室内端末100、携帯端末300、その他の通信端末などを含む。管理サーバー200は、当該通信端末から見守りプログラム222をダウンロードできるように構成されてもよい。
【0147】
表示インターフェイス205は、ディスプレイ206と接続され、制御装置101などからの指令に従って、ディスプレイ206に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。ディスプレイ206は、被介護者に危険が生じていること示す信号を室内端末100から受信した場合に、そのことを示すメッセージや画像などを表示する。好ましくは、ディスプレイ206は、危険が生じている被介護者の部屋番号、当該被介護者の名前、当該被介護者に生じている危険の種類(たとえば、転倒など)を表示する。また、ディスプレイ206は、室内端末100の各種設定を行なうための設定画面などを表示する。
【0148】
操作インターフェイス207は、たとえば、USB(Universal Serial Bus)端子であり、入力デバイス208に接続される。操作インターフェイス207は、入力デバイス208からのユーザ操作を示す信号を受ける。入力デバイス208は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザの入力操作を受け付けることが可能なその他の装置である。
【0149】
記憶装置220は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記憶媒体である。記憶装置220は、本実施の形態に従う見守りプログラム222、上述の履歴情報224などを格納する。見守りプログラム222および履歴情報224の格納場所は、記憶装置220に限定されず、制御装置201の記憶領域(たとえば、キャッシュなど)、ROM202、RAM203、外部機器(たとえば、室内端末100や管理サーバー200)などに格納されていてもよい。
【0150】
なお、見守りプログラム222は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う見守りプログラム222の趣旨を逸脱するものではない。さらに、見守りプログラム222によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも2つのサーバーが見守りプログラム222の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で室内端末100が構成されてもよい。
【0151】
(携帯端末300のハードウェア構成)
引き続き
図22を参照して、介護者用の携帯端末300のハードウェア構成について説明する。
【0152】
携帯端末300は、制御装置301と、ROM302と、RAM303と、通信インターフェイス304と、ディスプレイ305と、記憶装置320とを含む。
【0153】
制御装置301は、携帯端末300を制御する。制御装置301は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
【0154】
制御装置301は、本実施の形態に従う見守りプログラム322などの各種プログラムを実行することで携帯端末300を制御する。制御装置301は、見守りプログラム322の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置320からROM302に見守りプログラム322を読み出す。RAM303は、ワーキングメモリとして機能し、見守りプログラム322の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0155】
通信インターフェイス304には、アンテナ(図示しない)などが接続される。携帯端末300は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、室内端末100、管理サーバー200などを含む。室内端末100は、アンテナを介してサーバーから見守りプログラム322をダウンロードできるように構成されてもよい。
【0156】
ディスプレイ305は、被介護者に危険が生じていること示す信号を管理サーバー200から受信した場合に、そのことを示すメッセージや画像などを表示する。好ましくは、ディスプレイ305は、危険が生じている被介護者の部屋番号、当該被介護者の名前、当該被介護者に生じている危険の種類(たとえば、転倒など)を表示する。ディスプレイ305は、タッチパネル(図示しない)に重ねられており、携帯端末300に対する各種操作をタッチ操作で受け付ける。
【0157】
記憶装置320は、たとえば、eMMC(Embedded MultiMediaCard)などの記憶媒体である。一例として、記憶装置320は、見守りプログラム322を格納する。見守りプログラム322の格納場所は、記憶装置320に限定されず、たとえば、制御装置301のキャッシュ、ROM302、RAM303、または他の通信機器などに格納されていてもよい。
【0158】
[小括]
以上のようにして、室内端末100は、行動の組み合わせごとに報知間隔を規定している報知間隔情報124(
図4参照)を予め保持している。室内端末100は、報知対象の第1行動を検出し、当該第1行動に続いて報知対象の第2行動を検出した場合に、報知間隔情報124に規定されている報知間隔の中から、当該第1行動と当該第2行動との組み合わせに対応付けられている報知間隔を特定する。室内端末100は、第1行動が検出されてから第2行動が検出されるまでの検出間隔が特定された報知間隔よりも短い場合に、第2行動の報知を抑制する。これにより、室内端末100は、短時間の間に関連する行動を介護者に報知することを抑制でき、介護者の負担を軽減することができる。
【0159】
<第2の実施の形態>
[概要]
第1の実施の形態に従う室内端末100は、1つの報知間隔情報124に基づいて、報知対象の行動を抑制するか否かを判断していた。これに対して、第2の実施の形態に従う室内端末100は、複数の報知間隔情報124に基づいて、報知対象の行動を抑制するか否かを判断する。
【0160】
第2の実施の形態に従う室内端末100のハードウェア構成などは、第1の実施の形態に従う室内端末100と同じであるので、以下ではそれらの説明については繰り返さない。
【0161】
[報知間隔情報124]
図23を参照して、第2の実施の形態に従う報知間隔情報124について説明する。
図23は、報知間隔情報124の一例である報知間隔情報124B,124Cを示す図である。
【0162】
第2の実施の形態に従う室内端末100は、複数の報知間隔情報124B,124Cを予め保持している。第2の実施の形態に従う室内端末100は、現在の動作モードに応じて、報知間隔情報の設定を、報知間隔情報124B,124Cのいずれか一方から他方に切り替える。
【0163】
より具体的には、室内端末100は、動作モードとして、抑制モードと、通常モードとを有する。現在の動作モードが抑制モードである場合には、室内端末100は、報知間隔情報124Bを用いる。現在の動作モードが
通常モードである場合には、室内端末100は、報知間隔情報124Cを用いる。
【0164】
報知間隔情報124Bについては
図7で説明した通りであるので、その説明については繰り返さない。報知間隔情報124Cにおいて、検出された報知対象の行動が全て報知されるように、報知間隔が設定されている。すなわち、報知間隔情報124Cにおいては、報知間隔t5〜t20が全て「0秒」に設定されている。
【0165】
室内端末100の動作モードは、予め定められた条件が満たされたか否かに応じて、切り替えられる。ある局面において、室内端末100は、予め定められた組み合わせの行動を短時間(たとえば、1秒間)に検出した場合に、動作モードを抑制モードに設定し、報知間隔情報の設定を報知間隔情報124Bに設定する。当該予め定められた組み合わせの行動は、たとえば、同一の行動(たとえば、「起床→起床」)や、生じる可能性が低い行動の組み合わせ(たとえば、「転倒→離床」)などである。一方で、室内端末100は、予め定められた行動を検出した場合に、動作モードを通常モードに設定し、報知間隔情報の設定を報知間隔情報124Cに設定する。当該予め定められた行動は、たとえば、被介護者の入室や退室などである。
【0166】
他の局面において、動作モードは、ユーザ操作によって切り替えられる。ユーザ操作によって動作モードが抑制モードに切り替えられたときに、室内端末100は、報知間隔情報の設定を報知間隔情報124Bに設定する。ユーザ操作によって動作モードが通常モードに切り替えられたときに、室内端末100は、報知間隔情報の設定を報知間隔情報124Cに設定する。
【0167】
なお、
図23では、報知間隔情報124Cにおける報知間隔が全て「0秒」に設定されている例について説明を行ったが、報知間隔情報124Cにおける報知間隔の一部が「0秒」に設定されていてもよい。また、報知間隔情報124Cにおける報知間隔は、必ずしも「0秒」に設定される必要はなく、報知間隔情報124Bにおける報知間隔よりも短ければよい(たとえば、報知間隔t6をマイナス「10秒」するなど)。
【0168】
また、準備される報知間隔情報124は、2つの報知間隔情報124B,124Cに限定されず、3つ以上の報知間隔情報が準備されてもよい。この場合、室内端末100は、動作モードとして、「抑制強」、「抑制中」、「抑制弱」を有し、現在の動作モードに応じて、対応する報知間隔情報を用いる。
【0169】
<第3の実施の形態>
[概要]
第1の実施の形態に従う室内端末100は、1種類の抑制方法で検出された行動の報知を抑制していた。これに対して、第3の実施の形態に従う室内端末100は、複数種類の抑制方法で検出された行動の報知を抑制する。
【0170】
第3の実施の形態に従う室内端末100のハードウェア構成などは、第1の実施の形態に従う室内端末100と同じであるので、以下ではそれらの説明については繰り返さない。
【0171】
[通知設定128]
図24を参照して、第3の実施の形態に従う室内端末100による通知設定について説明する。
図24は、第3の実施の形態に従う室内端末100が参照する通知設定128を示す図である。
【0172】
室内端末100は、動作モードとして、抑制モードと、通常モードとを有する。本実施の形態に従う室内端末100は、各動作モードに対して、さらに通知設定を受け付ける。一例として、室内端末100は、通知設定A〜Cのいずれかを受け付ける。
【0173】
通知設定Aが選択されている場合において、動作モードが通常モードであるときには、室内端末100は、検出された報知対象の行動を介護者の携帯端末300に通知する。通知設定Aが選択されている場合において、動作モードが抑制モードであるときには、室内端末100は、検出された報知対象の行動を介護者の携帯端末300に通知しない。このように、通知設定Aが選択されている場合には、室内端末100は、動作モードに応じて通知を実行するか否かを切り替える。
【0174】
通知設定Bが選択されている場合において、動作モードが通常モードであるときには、室内端末100は、検出された報知対象の行動を介護者の携帯端末300に通知しつつ、検出された行動を写す映像を管理サーバー200に保存する。通知設定Bが選択されている場合において、動作モードが抑制モードであるときには、室内端末100は、検出された報知対象の行動を介護者の携帯端末300に通知せずに、検出された行動を写す映像を管理サーバー200に保存する。このように、通知設定Bが選択されている場合には、室内端末100は、動作モードに応じて通知内容の品質を変える。
【0175】
通知設定Cが選択されている場合において、動作モードが通常モードであるときには、室内端末100は、検出された報知対象の行動を介護者の携帯端末300に通知する。通知設定Cが選択されている場合において、動作モードが抑制モードであるときには、室内端末100は、検出された報知対象の行動を介護者の管理サーバー200に通知する。このように、通知設定Cが選択されている場合には、室内端末100は、動作モードに応じて通知先を変える。
【0176】
<まとめ>
ある局面に従うと、見守り対象の人物の行動を報知することができる見守りシステムは、上記人物の複数種類の行動を検出することが可能な行動検出部と、行動の組み合わせごとに報知間隔を規定している情報を格納するための記憶部と、上記行動検出部が上記人物の報知対象の第1行動を検出し、当該第1行動に続いて上記人物の報知対象の第2行動を検出した場合に、上記情報に規定されている報知間隔の中から、当該第1行動と当該第2行動との組み合わせに対応付けられている報知間隔を特定するための特定部と、上記第1行動が検出されてから上記第2行動が検出されるまでの検出間隔が上記特定部によって特定された報知間隔よりも短い場合に、上記第2行動の報知を抑制するための報知制御部とを備える。
【0177】
好ましくは、上記報知制御部は、上記第2行動が検出された時点で、上記検出間隔が上記特定部によって特定された報知間隔よりも長い場合に、上記第2行動が検出されたことを報知し、上記第2行動が検出された時点で、上記検出間隔が上記特定部によって特定された報知間隔よりも短い場合に、上記第2行動が検出されたことを報知しない。
【0178】
好ましくは、上記報知制御部は、上記第1行動が検出された時点で、上記第1行動が検出されたことを報知する。
【0179】
好ましくは、上記報知制御部は、上記検出間隔が上記特定部によって特定された報知間隔よりも長い場合に、上記第1行動を表わす情報と、上記第2行動を表わす情報とを上記報知とともに通信端末に送信する。
【0180】
好ましくは、上記報知制御部は、上記検出間隔が上記特定部によって特定された報知間隔よりも長いか否かに応じて、上記第2行動の報知態様を変える。
【0181】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。