(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記医療画像を生成することは、前記医療画像と関連付けられる第1のボクセルのための第1の値と、前記医療画像と関連付けられる第2のボクセルのための第2の値とを反復して調節することを含み、前記調節することは、前記第1の残留飛程に基づく、請求項1に記載の方法。
前記方法は、前記第1の追跡検出器上の粒子の衝突ごとに別個の幾何学的外皮を用いて前記医療画像のための初期画像近似を選択することをさらに備え、前記医療画像を生成することは、前記初期画像近似にさらに基づく、請求項1に記載の方法。
前記初期画像近似は、(i)前記第1の追跡検出器、前記ビームシステム、もしくは残留飛程検出器のうちの少なくとも1つに基づくデータ、(ii)CT画像、または、(iii)他のモダリティーからの画像、のうちの1または複数に基づく、請求項4に記載の方法。
ボクセルよりも大きいステップを用いるボクセル境界の間の線形補間に基づいて、1または複数の接触ボクセルのための可変弦長を決定することをさらに備える、請求項2に記載の方法。
ボクセル境界に交わるステップをセグメントへさらに分けることに基づいて、1または複数の接触ボクセルのための可変弦長を決定することをさらに備える、請求項2に記載の方法。
水等価経路長(WEPL)測定値および/または追跡平面間の横向きの偏向の測定値に基づいて、未知の分布形状を有する粒子を反復して除去することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
前記医療画像を生成することは、前記医療画像と関連付けられる第1のボクセルのための第1の値と、前記医療画像と関連付けられる第2のボクセルのための第2の値とを反復して調節することを含み、調節することは、前記第1の残留飛程に基づく、請求項15に記載の1または複数の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
前記第1の追跡検出器上の粒子の衝突ごとに別個の幾何学的外皮を用いて前記医療画像のための初期画像近似を選択するための命令をさらに備え、前記医療画像を生成することは、前記初期画像近似にさらに基づく、請求項15に記載の1または複数の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
前記初期画像近似は、(i)前記第1の追跡検出器、前記ビームシステム、もしくは残留飛程検出器のうちの少なくとも1つに基づくデータ、(ii)CT画像、または、(iii)他のモダリティーからの画像、のうちの1または複数に基づく、請求項19に記載の1または複数の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
ボクセルよりも大きいステップを用いるボクセル境界の間の線形補間に基づいて、1または複数の接触ボクセルのための可変弦長を決定するための命令をさらに備える、請求項16に記載の1または複数の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
ボクセル境界に交わるステップをセグメントへさらに分けることに基づいて、1または複数の接触ボクセルのための可変弦長を決定することをさらに備える、請求項16に記載の1または複数の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
水等価経路長(WEPL)測定値および/または追跡平面間の横向きの偏向の測定値に基づいて、未知の分布形状を有する粒子を反復して除去することをさらに備える、請求項15に記載の1または複数の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
前記経路は、追跡検出器の衝突と、撮像される物体の幾何学的外皮上の推定される粒子入口点および粒子出口点との間の直線補間を含む、請求項15に記載の1または複数の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
前記医療画像を生成することは、前記医療画像と関連付けられる第1のボクセルのための第1の値と、前記医療画像と関連付けられる第2のボクセルのための第2の値とを反復して調節することを含み、調節することは、前記第1の残留飛程に基づく、請求項30に記載の計算システム。
前記第1の追跡検出器上の粒子の衝突ごとに別個の幾何学的外皮を用いて前記医療画像のための初期画像近似を選択するための命令をさらに備え、前記医療画像を生成することは、前記初期画像近似にさらに基づく、請求項30に記載の計算システム。
前記初期画像近似は、(i)前記第1の追跡検出器、前記ビームシステム、もしくは残留飛程検出器のうちの少なくとも1つに基づくデータ、(ii)CT画像、または、(iii)他のモダリティーからの画像、のうちの1または複数に基づく、請求項34に記載の計算システム。
ボクセルよりも大きいステップを用いるボクセル境界の間の線形補間に基づいて、1または複数の接触ボクセルのための可変弦長を決定するための命令をさらに備える、請求項31に記載の計算システム。
ボクセル境界に交わるステップをセグメントへさらに分けることに基づいて、1または複数の接触ボクセルのための可変弦長を決定するための命令をさらに備える、請求項31に記載の計算システム。
水等価経路長(WEPL)測定値および/または追跡平面間の横向きの偏向の測定値に基づいて、未知の分布形状を有する粒子を反復して除去するための命令をさらに備える、請求項30に記載の計算システム。
前記経路は、追跡検出器の衝突と、撮像される物体の幾何学的外皮上の推定される粒子入口点および粒子出口点との間の直線補間を含む、請求項30に記載の計算システム。
単一方向から射影された粒子に由来する中間3次元マップが、第1のカラムに沿った複数のボクセルを合計して前記3次元マップを2次元マップである医療画像に潰すさらなるステップにおいて用いられる、請求項1に記載の方法。
単一方向から射影された粒子に由来する中間3次元マップが、第1のカラムに沿った複数のボクセルを合計して前記3次元マップを2次元マップである医療画像に潰すためのさらなる命令とともに用いられる、請求項15に記載の1または複数の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
単一方向から射影された粒子に由来する中間3次元マップが、第1のカラムに沿った複数のボクセルを合計して前記3次元マップを2次元マップである医療画像に潰すために用いられる、請求項30に記載の計算システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
数枚の図にわたって、対応する参照番号は、対応する部分を示す。図中の構成要素は必ずしも寸法通りではなく、その代わりに本発明の主要なものを図示することに重点が置かれる。本明細書で述べられる具体例は、本発明の実施形態を図示し、かつそのような具体例は、本発明の範囲をいかようにも限定するものとして解釈されるべきではない。
【0018】
(詳細な説明)
本開示の概念が種々の変形物および代替形態を許容しながら、その具体的な例示的実施形態が、図面において例として示され、かつ本明細書において詳細に説明される。しかし、本開示の概念を開示される特定の形態へ限定する意図はなく、その反対に、本開示の真意および範囲に属する全ての変形物、均等物および代替物をカバーするという意図があることが理解されるはずである。
【0019】
陽子(および他の粒子)放射線治療は、処置計画のために、相対阻止能(RSP)(水のエネルギ損失に対する材料内でのビームのエネルギ損失)の観点での患者の3次元マップを要求する。この情報は、イオンビームの飛程を調節するために用いられる。いくつかの場合では、これらのマップはX線CT走査から取得される。そのようなマップは、X線吸収(ハウンズフィールド)単位のRSPへの変換に関する不確実性を導入し、かつ患者の不均質性が追加の不確実性を追加する。さらに、金属製インプラントまたは他の高密度材料は、陰影アーチファクトおよび縞になることを引き起こし得る。
【0020】
下記で説明される例示的技術は、整合の不確実性を低減させ、飛程の不確実性を低減させ、かつ、より多くのイオン方向を用いて処置ごとに腫瘍へより高い線量を送達するより複雑な処置を可能とする。陽子の阻止能の直接測定の利益に加えて、陽子撮像は、類似の分解能のX線画像に対してはるかにより少ない線量を患者へ堆積させる。撮像および処置の両方のための陽子ビームの使用は、患者の配置および質保証手法を能率化し、整合の不確実性を低減させ、かつ飛程の不確実性を低減させる。
【0021】
陽子軌道は、複数のクーロン散乱に起因して直線から逸脱し、従って、最適な空間解像度で画像を形成することは、X線放射線写真法についてよりも複雑である。
【0022】
下記で説明されるテクノロジのいくつかの実施形態は、大量の分析の必要性、ならびに、キャリブレーションを適用し生データを陽子経路および残留飛程へ変換することを避ける。いくつかの実施形態は、データ獲得直後の処置の直前の確認のために、画像が即時に生産されることを可能とし、これは、以前は可能ではなかった。
【0023】
図1は、本テクノロジによる陽子放射線写真法システムの実施形態であるシステム100を描写する。いくつかの例では、陽子(ただし、重イオン等の他の粒子も用いられ得る)のペンシルビーム102(代替として、幅広のビームも、本テクノロジの変更物で用いられ得る)は、源(
図2参照)から生成または抽出され、かつ走査要素(
図2参照)によりフィールドにわたって走査される。例えば、ペンシルビーム102は、
図1にでは人間の頭部である着目物体104の領域にわたって走査される。物体104に入射するときのペンシルビーム102の位置は、追跡検出器106からのデータに基づいて決定され得、 追跡検出器106は、下記で詳細に説明されるように、陽子が追跡検出器106を横切る場所で光子を生成する。同様にして、物体104から出射するときのペンシルビーム102の位置は、追跡検出器108からのデータを用いて決定され得る。追跡検出器106および108は、それらの間に物体104が位置付けられることを可能とするように離間されることに留意されたい。いくつかの実施形態では、1つの追跡検出器のみが必要とされるか、または、2もしくはそれより多い追跡検出器が物体104の片側もしくは両側で用いられる。単一の追跡検出器のみの場合では、ペンシルビームの方向は、各々のイオンについての方向を決定するために用いられ得る。追跡検出器106および108についての潜在的な設計は、下記でより詳細に説明される。
【0024】
残留飛程検出器110は、追跡検出器108に隣接して位置付けられる。残留飛程検出器110は、(
図1において箱で表される)シンチレータ材料112を含む。一例では、シンチレータ材料は、米国テキサスのEljen Technology of Sweetwaterによって販売されるものであり得る。ペンシルビーム102の陽子が、追跡検出器108へ向く表面を通ってシンチレータ材料112に入射するとき、陽子がシンチレータ材料112との相互作用からエネルギを損失するため、陽子は(
図1において破線で表される)光子114を生成する。それから、これらの光子は、追跡検出器108へ向く表面と反対側のシンチレータ材料112の表面上の、シンチレータ材料110へ結合された光子検出器(
図2および
図5)によって収集され得る。光子検出器の結合が、
図1において円116で描写される。光子検出器によって生成される信号は、陽子がシンチレータ材料112に入射したときの陽子の残留エネルギに比例する。陽子の初期エネルギ、ならびに陽子が物体104に入射したときおよび物体104から出射したときの陽子の場所と組み合わされたこの情報は、多くの追加の陽子についての同様の情報と共に、物体104の画像118を生成するために用いられ得る。本テクノロジを用いる陽子断層写真法システムにおいて複数の陽子エネルギおよび/または異なる角度(例えば、100個の異なる角度)における陽子を用いることによって、3D画像も生産され得る。
【0025】
基準軸122は、ペンシルビーム102がz軸に沿って走行しており、かつ追跡検出器106および108はz軸に垂直であることを示していることに留意されたい。下記で説明される
図2および
図3は、同一の基準軸に関して説明される。
【0026】
図2は、追加の詳細と共に、かつ基準軸122によって示されるように異なる視野から
図1のシステム100を描写する。
図2へ参照すると、システム100は、ペンシルビーム102を生成または抽出する源202を含む。走査要素204は、ペンシルビーム102を操向するために用いられ、かつ走査磁石204aおよび204bを含む。走査磁石204aは、基準軸122に対して定義されるようなx方向に、ペンシルビーム102を走査し、かつ走査磁石204b(
図2の視野では隠されている第2のマグネット)は、基準軸122に対して定義されるようなy方向に、ペンシルビーム102を走査する。概して、走査要素106は、ペンシルビーム102が任意のパターンで、かつ、源202により決定されるように、任意の時点での任意の初期エネルギで、フィールドの全体にわたって走査可能であるようにプログラム可能である。この例では、源202は、ペンシルビーム102の陽子の初期エネルギを制御または変化させることが可能である。走査の間、フィールドの範囲は、概して、システム100の第1の追跡検出器106、第2の追跡検出器108または残留飛程検出器114の平面寸法によって限定される。例示的なフィールド面積は、10×10cm
2から38.4×38.4cm
2を含む。
【0027】
追跡検出器および撮像される物体の異なる横断位置での異なる初期エネルギを用いることによって、イオンの残留飛程は低く保たれ得、かつ残留飛程検出器の深さは小さく保たれ得る。例えば、初期エネルギは、特定の経路に沿った物体の厚さまたは密度に関係なく、撮像されるフィールドにわたって0cmと10cmとの間の残留飛程を保つように選択され得る。可能な初期エネルギにおける飛程が大きいほど、より小さい残留飛程検出器が可能であり得る。
【0028】
追跡検出器106のための設計のいくつかの例では、ペンシルビーム102の陽子が第1の追跡検出器106を横切るときに、陽子が基板206のいずれかの側面のファイバと相互作用する。具体的には、基板206の各々の側面は、例えば、ファイバの2つの層、すなわち、1側面上のファイバ208と、基板206の反対側の側面上のファイバ210とを含む。ファイバ208および210は、陽子がファイバに衝突したときに、ファイバのシンチレーティング性質によって、1または複数の光子が生成されるようなシンチレーティングファイバであり得る。これらの光子は、光検出器212によって捕捉され、これは、検出された光子に基づく電気信号を生成する。電気信号は、計算システム214へ送信される。光子を生産したファイバ208および210の場所および配向を知ることによって、追跡検出器106を横切った陽子の場所が、計算システム214によって決定され得る。加えて、計算システム214はまた、陽子が追跡検出器106を通過した場所を決定または確認するために、走査要素204からのデータを用い得る。場所が知られると、ペンシルビーム102の初期方向ベクトルも、源202の焦点に基づいて決定され得る。
【0029】
いくつかの例では、ファイバ208は、ファイバ210に垂直に配向される。光検出器212が、ファイバ208のうちの1つのファイバおよびファイバ210のうちの1つのファイバを陽子が通過したことを示し、かつ計算システム214がこれら2つのファイバの場所を知る場合、計算システム214は、陽子が追跡検出器106を横切った追跡検出器106上のX−Y座標が、2つのファイバの交点にあることを決定し得る。加えて、
図3に関して下記でより詳細に説明されるように、ファイバ208のファイバまたはファイバ210のファイバが、光検出器212において必要とされる検出器の数を低減させるために共に接続される場合、走査要素204からのデータまたは走査要素204へ送られる命令に基づくペンシルビーム102の推定される予期位置は、陽子が追跡検出器106を横切ったX−Y座標を決定する際に用いられ得る。
【0030】
ペンシルビーム102の陽子が物体104を横切るとき、物体104におけるペンシルビーム102の方向の誇張された変化として
図2で描写されるように、陽子が散乱され得る。陽子が物体104から出射した後、陽子が追跡検出器108を横切る出射場所は、追跡検出器106に関して上記で説明されたのと同様の態様で決定され得る。追跡検出器106と同様に、追跡検出器108は、基板216上のファイバを含む。具体的には、基板216の各側面は、例えば、ファイバの2つの層、すなわち1側面上のファイバ218および基板216の他の側面上のファイバ220を含む。ファイバ218および220は、陽子がファイバと衝突するときに、ファイバのシンチレーティング性質によって、1または複数の光子が生成されるようなシンチレーティングファイバであり得る。これらの光子は光検出器222によって捕捉され得、光検出器222は検出された光子に基づく電気信号を生成し得る。電気信号は、計算システム214へ送信される。光子を生産したファイバ218および220の場所および配向を知ることによって、第1の追跡検出器108を横切った陽子の場所は、計算システム214によって決定され得る。加えて、計算システム214はまた、陽子が追跡検出器108を通過した追跡検出器108上の場所を決定または確認するために、走査要素204からの情報を用い得る。
【0031】
いくつかの例では、ファイバ218は、ファイバ220に垂直に配向される。光検出器222は、陽子がファイバ218のうちの1つのファイバおよびファイバ220のうちの1つのファイバを通過したことを指し示し、かつ、計算システム214がこれら2つのファイバの場所を知っている場合、計算システム214は、陽子が追跡検出器108を横切った追跡検出器108上のX−Y座標が、2つのファイバの交点であることを決定し得る。加えて、光検出器222において必要とされる検出器の数を低減させるために、ファイバ218のファイバまたはファイバ220のファイバが共に接続される場合、走査要素204からのデータまたは走査要素204へ送られる命令に基づくペンシルビーム102の推定または予期される位置は、
図3に関して下記でより詳細に説明されるように、陽子が追跡検出器108を横切った追跡検出器108上のX−Y座標を決定する際に用いられ得る。
【0032】
追跡検出器の例示的設計が説明された一方で、他の設計が可能である。例えば、ファイバが十分に硬い場合、ファイバは基板を用いることを避けるために共に固着され得る。別の例として、追跡検出器106においてファイバ208および210は、基板206の同一の側面上に置かれ得るか、または、ファイバ208および210は、相互の隣に置かれる別個の基板上に置かれ得る。
【0033】
ペンシルビーム102の陽子が残留飛程検出器110に入射するとき、それらは、シンチレータ材料112に衝突し、かつ光子検出器224によって収集される光子を生成する(4つの光子検出器が
図2において描写されるが、システム100は、
図1においてシンチレータ材料112への光子検出器結合を表す円によって示されるような、16個の光子検出器を含む)。光子検出器224は例えば、光電子増倍管または他の同様のデバイスである。光子検出器224は、収集された光子の数に基づいて電気信号を生成し、計算システム214へ提供される電気信号を生成し、計算システム214は合計エネルギ等の値を計算し得る。電気信号、および、潜在的に他の情報(陽子が物体104から出射しかつ追跡検出器108を横切ったX−Y座標等)に基づいて、計算システム214は、物体104から出射した後にシンチレータ材料112に入射したペンシルビーム102の陽子についての残留エネルギを決定し得る。
【0034】
陽子は表面226を介してシンチレータ材料112に入射する。生成された光子は、光子がシンチレータ材料112の表面228から出射するときに、光子検出器224によって収集される。シンチレータ材料112の寸法は、陽子がシンチレータ材料112を通過することが対抗されてシンチレータ材料112内で停止することを確実にするように選択され得る。これは、ペンシルビーム102の陽子が数ナノ秒内に多くのシンチレーション光子を生成することを確実にする。表面226、表面230、表面232および/または
図2に描写されていないシンチレータ材料112の他の2つの表面は、いくつかの例では、反射防止材料または光子吸収材料で覆われている(例えば、堆積、コーティングまたは隣に配置される)。例えば、シンチレータ材料112の壁は、黒く塗装される。反射防止材料は、主としてシンチレータ材料112の壁で散乱されなかった直接光子が、光子検出器224で収集されることを確実にする。反射防止材料は、シンチレータ材料112の異なる表面上に異なる材料を含み得る。一例では、反射防止材料は、Eljen Technology EJ510B black paintであり得る。反射防止材料は、材料に接触する光子の90%またはそれよりも多くを吸収し得る。反射防止材料が、システム100の高速動作に追加する。
【0035】
複数の光子検出器の使用はまた、光子が物体104から出射した場所についての追加の位置データを取得する潜在性を提供する。例えば、
図1へ参照すると、光子検出器が、円116(合計で16個)で示されるように、シンチレータ材料112へ結合される場合、光子がシンチレータ材料112に入射した場所に最も近い光子検出器は、最も強い信号を生産するはずである。最も強い信号を生産する光子検出器の位置が、追跡検出器108および光検出器222から生成される信号によって示される位置と相関しない場合、非弾性散乱等の拒絶されるべき事象が存在し得る。
【0036】
図3は、追跡検出器106および108(
図1および
図2)を実施するために用いられ得る追跡検出器の2つの断面を描写する。断面300は、基準軸122に描写されるようなz軸およびx軸に平行な平面に沿った追跡検出器を描写する。断面302は、基準軸122に描写されるようなy軸およびx軸に平行な平面に沿った同一の追跡検出器を描写し、断面302の平面は、断面300の平面に垂直でもある。加えて、断面302は、断面300に比べてズームアウトされている。断面300では、陽子の方向は経路304によって描写されるようにz軸に沿う。断面302では、陽子の方向は図から出て行く方向である。
【0037】
断面300において描写されるように、追跡検出器は基板306を含み、基板306は、一方の側にファイバの2つの層308および310をそれぞれ有し、かつ、他方の側にファイバの2つの層312および314をそれぞれ有する。ファイバの層308および310は、ファイバの層312および314に垂直に並べられている。他のファイバは視界から遮られているため、ファイバの層308のうちの1つのファイバおよびファイバの層310のうちの1つのファイバのみが可視である。ファイバの層312はファイバ312a−312hを含み、かつファイバの層314はファイバ314a−314hを含む。
図3に描写されるように、基板の各側のファイバの層は、1つの層(例えば層312)のファイバが隣接する層(例えば層314)内の2つのファイバの間に位置付けられるように、相互からオフセットされ得る。つまり、1つの層内のファイバは、単一のファイバの幅の約半分だけ他の層からオフセットされ得る。この並べ方では、1つの層内の2つのファイバの間の界面を通って進む陽子は、次の層内ファイバの中央も通って進むはずであり、結果としてより高い効率となる。他の設計は、追加のファイバの層または単一のファイバの層のみを有し得る。
【0038】
隣接する層のファイバが単一の光検出器チャンネルへ接続するように、それらは、共にバンドリングされ得る。例えば、
図3へ参照すると、ファイバ312aおよび314aが光検出器の単一のチャンネルへ接続するように、ファイバ312aおよび314aは、ファイバダブレット316内へ共にバンドリングされ得る。いくつかの場合では、ファイバ312aおよび314aの出力が共に検出され得るように、並列でファイバ312aおよび314aの端を組み合わせることによって、バンドリングすることが発生する。
【0039】
複数のファイバまたはファイバダブレットは、論理ストリップで編成され得る。例えば、ファイバ312a−312dがそれぞれファイバ314a−314dと共にバンドリングされて4つのファイバダブレットを形成する場合、4つのファイバダブレットはストリップ318として扱われ得る。同様にして、ファイバ312e−312hがそれぞれファイバ314e−314hと共にバンドリングされて4つのファイバダブレットを形成する場合、4つのファイバダブレットはストリップ320として扱われ得る。ストリップは、64個のファイバまたはファイバダブレット等の、より多くのファイバまたはファイバダブレットを含み得る。
【0040】
光検出器において要求されるチャンネルの数をさらに低減させるために、基板306の一方の側のストリップ内に同様に位置付けられたファイバまたはファイバダブレットが共にバンドリングされ得、かつ、光検出器の単一のチャンネルへ接続され得る。この場合では、ペンシルビームの予期される場所との組み合わせにおける、ストリップ内で光子を生成したファイバまたはファイバダブレットの場所が、例えば1mm
2のファイバを用いるときに、0.3mm以内まで正確にペンシルビームの位置が特定されるように用いられ得る。例えば、ペンシルビームの予期される場所は、陽子があることを予期されるストリップを決定するために用いられ得、かつ光子を生産するファイバまたはファイバダブレットは、ストリップ内での陽子の場所を識別するために用いられ得る。
【0041】
上記で説明されたバンドリングすることの2つのタイプ(すなわち、異なる層の隣接するファイバをバンドリングすること、および、異なるストリップのファイバまたはファイバダブレットをバンドリングすること)は、本テクノロジの異なる変更物において、共にまたは別個に用いられ得る。
【0042】
断面302は、ストリップ318、320、322および324を描写し、そのそれぞれが複数のファイバダブレットを含む。例えば、ストリップ318は、上記で説明されたように、ファイバ312a−312dおよびファイバ314a−314dから作製される4つのファイバダブレット(例えばファイバダブレット316)を含む。同様にして、ストリップ318はファイバダブレット326を含み、ストリップ320はファイバダブレット328を含み、ストリップ322はダブレット330を含み、かつストリップ324はファイバダブレット332を含む。ファイバダブレット318、320、322および324は、ストリップ318、320、322および324内で同一の位置に位置付けられるため、これらのファイバダブレットの出力は、共にバンドリングされ得、かつ単一のチャンネル(すなわちチャンネル336)を介して光検出器334へ接続され得る。光検出器334は、追跡検出器のストリップ内で同一の位置を有するファイバダブレットのグループへ各々接続される数個のチャンネル(示されていない)を含む。光検出器334は、光検出器334のチャンネル(例えばチャンネル336)によって受け取られるような追跡検出器のファイバ内で生成される光子を表現する計算システム338への電気信号を提供する。
【0043】
追跡検出器の例示的な設計が
図3において説明された一方で、バンドリングする同一の設計が、追跡検出器の他の構成において用いられ得る。例えば、
図3の追跡検出器に関して、ファイバが十分に硬い場合、ファイバ層308、310、312および314は、基板を用いることを避けるために共に固着され得る。別の例として、ファイバ層308および310は、基板306の、ファイバ層312および314と同一の側に置かれ得る。別の例では、ファイバ層308および310は、ファイバ層312および314と別個の基板上に置かれ得、かつ2つの基板は相互に隣に置かれ得る。
【0044】
計算システム214(
図2)は、陽子放射線写真法システムから収集されたデータから画像を生産するために、本テクノロジの実施形態を実施し得る。例示的な実施形態では、計算システム214は、粒子測定値から迅速に画像を生産するために、パイプライン化された処理技術を実施する。
【0045】
図4は、陽子放射線写真法システム100等の放射線写真法システムを用いて放射線写真法画像または断層写真法画像を生産するための例示的な技術のためのプロセス400のフローチャートを描写する。プロセス400は、例えば
図5において描写される、入射する陽子線の方向を表す射影ボクセルを用いる反復技術を説明する。プロセスの他の変更物では、立方体ボクセルまたは他の座標系が用いられる。陽子放射線写真法システム100の計算システム214について、プロセス400が下記で説明される。しかし、プロセスは陽子または放射線写真法に限定されない。
【0046】
ブロック402では、計算システム214は、ビームシステム(例えばペンシルビーム)における追跡検出器106および108(
図1)の場所および整合を決定する。
図5では、例えば、走査ペンシルビームは、焦点502から陽子を操向する。焦点は、x方向およびy方向に走査され得る。イオン処置設備は、既知の焦点を有し、かつビームシステムを横切るアイソセンタの平面内の既知の座標へビームを送達するように較正された操向を有する。ビームシステムにおける追跡検出器の位置が既知である場合には、追跡検出器内の局所座標は、アイソセンタに対する座標へ変換され得る。
【0047】
個別の陽子のスポットのセットから成り立つテストパターンは、例えば、システム100(
図1)における追跡検出器106および108(または追跡検出器の他の構成)を整合するために用いられ得る。x−y平面内のスポットのn×n配列(例えば、nは典型的には2から5の範囲であるが、他の整数を採用し得る)は、スポット当たり約1000個の粒子(またはスポット当たり1000のオーダーの粒子)と共に、この整合のために用いられ得る。放射線写真法については、これは1方向からなされ得る。断層写真法については、例えば90度の差で、これらのテストパターンのうちの2またはそれより多くが用いられ得る。1つの選択肢は、撮像データのサブセットとしてテストパターンのためのデータを選択することである。または、テストパターンデータは、専用のデータであり得る。
【0048】
上流および下流の追跡平面(それぞれ、追跡平面106および108)の最大12個の異なる回転および平行移動が存在し得る。具体的には、3つの平行移動は各々の平面について(すなわち、x、yおよびz軸に沿って)であり、かつ3つの回転は各々の平面について(すなわち同一の軸の各々の周り)である。(例えば、2つの平面が単一のボディとして動くように)平面が比較的よく整合されている場合、これは6つの整合パラメータへ低減され得る。完璧に整合された検出器については、各々のスポットの外挿法推定は、xおよびy座標内の既知の焦点へ正確に収束する。12個のパラメータのうちのいずれかの不一致は、外挿法推定おける異なる効果および衝突検出器要素のパターンを有する。例えば、いずれかの追跡平面がビーム軸について回転されている場合、x方向またはy方向での走査は、追跡検出器内の一定のxオフセットまたはyオフセットに帰着しない。別の例について、いずれかの追跡検出器が、ビームに沿った予期されるz位置にない場合、焦点面がz方向に変位して見える。別の例について、検出器がx軸もしくはy軸について回転させられるか、またはx平面もしくはy平面において平行移動させられている場合、焦点は、x方向またはy方向に変位して見える。別の例について、追跡検出器の相対的な不整合は、スポットが共通の焦点へ収束しないように見えることを引き起こし得る。これらの効果は、テストパターンを用いるビームシステム内に検出器を配置するために用いられ得る。
【0049】
1つの整合アルゴリズムは、射影平面内の任意の4点(無限遠にある点を含む任意の4点であり、そのうちの3つは同一線上にない)が、射影変換を用いて任意の他の4点へ変換され得るという、射影幾何学からの定理の派生物である。射影変換は、全ての直線を保存し、かつ、縮尺、回転および平行移動を含む。2D射影変換は、3D回転の2D上への射影を含む。2D射影平面では、点は、縮尺係数に特有である均一な3タプル[x、y、w]により表される。デカルト座標の点から射影点を作り出すために、w=1にセットすることが十分である。射影点からデカルト座標の点への変換は、wで除すことにより、(無限遠にない点のために)達成される。
【0050】
平面内の4つの測定される点の位置および4つの所望の位置により、2つのセットの間の射影変換を表す3×3行列を直接的に解くことが可能である。実質的には、変換は、測定される座標系における全ての点を採用し、かつユークリッド変換の組み合わせと一致する方法でそれらを所望の座標系へ変換する。この手法は、位置ノイズに敏感であり得る。実務上、コンピュータビジョン界においてバンドル調整として公知のプロセスである、非線形最適化を通して単一の射影変換を堅実に導くために、多くの対応する点のペアのセットが用いられる。
【0051】
1つの実施では、25個の完全に分離された数千の陽子のスポットが、整合の目的のために各々発射される。平均スポット位置は、上流および下流の検出器平面の両方における各々のスポットのために計算される。これらの点が、測定される点である。検出器およびビーム幾何学の知識と共に整合のための加速器計画を用いて、上流および下流の検出器平面における各々の理論的スポット中心について、位置が計算される。これらは、理想点位置と称される。射影変換は、測定された座標系から、検出器平面の各々のための理想的な座標系に計算される。
【0052】
未知の位置および向きの検出器平面との各々の陽子飛跡の相互作用を採用し、かつ、交点を、それらの理想的な位置にある検出器平面での対応する座標へ変えるために、画像再構築ステップにおいて射影変換が用いられる。各々の座標変換は、各々の検出器平面についての、陽子ごとの14の浮動点動作を伴う。この整合補正ステップは、事前処理ステップのうちの1つである。
【0053】
この手段によって、外部の整合および他の質保証ステップに頼ることなく、ビーム走査システムのアイソセンタ座標系において、画像が直接的に再構築され得る。これは、放射線写真が、患者整合チェックのため、および統合された陽子飛程のチェックのために用いられることを可能とする。
【0054】
この手段の変更物が、追跡検出器座標系をチェックするために用いられ得る。例えば、追跡検出器チャンネル(例えば、光検出器212および222へ接続されるチャンネル)がシンチレーティングファイバまたは他のタイプのストリップから成る場合、追跡検出器座標は、構築プロセスにおいて規定されるようなストリップの調査に基づき得る。再構築された検出器座標における平均的な変化をチェックしながら、x方向およびy方向において走査ペンシルビームをステッピングすることが、調査への精密な補正を提供し得る。
【0055】
ブロック404では、計算システム214は次に、個々の粒子のためのペンシルビームスポットの方向を決定する。追跡検出器内のイオン位置の測定は、読み出しチャンネルを節約するために、数個の個別の解を提供する。各々の解は、異なる位置および方向に対応する。イオンを含有するペンシルビームスポットの方向が既知である場合、正確な解が選ばれ得、かつイオンの位置および方向が既知となる。この不明確さを解決する数個の方法が存在する。核散乱等の問題を有する事象を拒絶するために、これらの方法のうちの1つ以上を一貫したチェックのために用いることが可能である。
【0056】
一例では、事象の時間は、加速器計画におけるその時間でのイオンビームの予期される操向と相関される。第1の事象の出現は、両方のシステムのための開始時間を確立し得る。2つのシステムの相対クロックレートは、規則的な時間で離間された事象のバーストを用いる特別な作業で較正され得る。衝突追跡チャンネル対時間のパターンは、加速器および検出器システムの相対クロックレートを更新するために監視され得る。例えば、ビームは、相対的なタイミングのチェックを可能とするために、短い時間差でオフにされ得る。
【0057】
別の例では、異なる解が、上流および下流の追跡検出器において異なる相対チャンネル衝突を有する。解は、イオンごとに確立され得るか、または時間内に近くにある多くのイオンにわたって平均化することによって見出され得る。
【0058】
別の例として、正しい解を見出すために、飛程検出器は、位置感度を有し得、かつ、イオンごとにまたは時間内に近くにある多くのイオンにわたって平均化することによって用いられ得る。この方法は、残留飛程検出器内の光子検出器の数およびレイアウトに依存し得る。
【0059】
ブロック406では、計算システム214は、不明確さを解決しながら、追跡検出器衝突をビームシステム内の粒子位置へ変換する。上記で説明されたように追跡検出器整合が既知となり、かつ上記で説明されたように不明確さが解決されると、局所追跡検出器座標は、ビームシステム内の座標へ変換され得る。上流の追跡器(例えば、追跡検出器106)については、イオン方向は位置からも既知となる。下流の追跡器(例えば、追跡検出器108)については、複数の散乱が方向を無作為化し得る。第2の下流の追跡検出器(示されていない)は方向を提供し得、さもなければ位置のみが既知である。いずれかのセットアップが用いられ得、第2の下流の追跡検出器が空間解像度を向上させる。
【0060】
ブロック408では、計算システム214が、残留飛程検出器110内の衝突を、較正された残留飛程測定値へ変換する。(追跡検出器106および108を含む)追跡システムから、システム依存の較正手段および位置依存の補正が与えられると、上記で説明されたような位置を用いて残留飛程が導かれ得る。核相互作用または他の問題を有するイオンを取り除くために、カットのセットを用いて良い事象が選択され得る。散乱される事象は、追跡検出器内の追加の衝突を時々残し得る。残留飛程検出器のデータは、イオン位置との一貫性および近くにあるイオンとの一貫性のためにチェックされ得る。
【0061】
ブロック410では、粒子についての水等価経路長(WEPL)を見出すために、粒子の初期運動エネルギが用いられる。参照によって本明細書に援用される米国特許出願公開第US2016/0338654A1号は、撮像される物体を横切った後に、残留飛程検出器内で各々の粒子の残留飛程がどのように個々に測定されるかの一例を詳細に説明する。システムに入射する前の陽子の初期合計飛程は、陽子ビームのために設定する運動エネルギと1対1の関係を有し、これは陽子治療設備によって設定かつ較正される。粒子のためのWEPLは、初期飛程と残留飛程との間で異なる。
【0062】
ブロック412では、計算システム214は随意に、任意の粒子が処理される前に、画像への初期近似を選ぶ。これは必ずしも要求されない(または追跡器間の単純な均質材料として捉えられ得る)が、反復アルゴリズムの収束を助け得、かつ粒子経路再構築の正確性を向上させ得る。イオンベースの放射線写真法または断層写真法のいずれかのために、診断的X線CT走査が利用可能であり得、かつ患者の境界または「外皮」を画定するために用いられ得る。阻止能への標準的な変換は、初期近似を提供し得る。イオン放射線写真法の場合、以前のイオン断層写真法走査が代わりに用いられ得る。視体積交差法も同様に用いられ得る。
【0063】
いくつかの場合では、以前のCT走査は、現在のイオン断層撮影機または放射線撮影機と同一の患者寝台で行われる。そうでない場合、以前の画像から寝台を取り除き、かつイオン画像のための寝台を代用することが可能であり得る。しかし、寝台は、低質量であるようにデザインされ、寝台への初期近似が完璧でない場合であっても、反復アルゴリズムは依然として収束するはずである。
【0064】
外皮が初期近似のために用いられ得る。外皮が正確に既知である場合、どのボクセルが反復アルゴリズムに関係するのかを画定するための境界としても用いられ得る。境界の外側のボクセルは、空気または寝台材料として固定値で定義され得るか、または寝台は境界の内側に含まれ得る。これは、体積のうちの多くが密度変化のためにサンプリングされないため、計算時間を低減させ、かつ収束を向上させる。
【0065】
断層写真法の場合では、予備画像が、フィルタリングされた逆投影法から効率的に取得され得、陽子経路への直線近似で取得され得る。これは、最終的な画像と類似するが劣等な空間解像度の画像を生産し、初期近似として用いられ得る。以前のCT走査が利用可能である場合、それは、患者の配置を確認するためにこの画像と比較され得る。
【0066】
放射線写真法の場合では、上流の検出器からアイソセンタまでのイオンを外挿法推定し、イオンをピクセル内へビニングし、かつピクセルのWEPLを平均化することによって、予備画像が形成され得る。以前のCT走査が利用可能である場合、予期される予備画像が導かれ得、かつ実際の予備画像と比較され得る。これは、患者の配置を確認するために用いられ得る。以前のCT走査が利用可能でない場合、ビーム経路に沿った長さを取得するために水の密度を仮定し、かつアイソセンタ上の中心にあることが仮定され、または、患者の配置の精査に基づくいくつかの他の仮定によって、近似外皮はWEPLと組み合わされた予備画像から構築され得る。さらなる洗練は、上流の平面と下流の平面との間の複数の散乱の量に基づき得る。放射線写真法の場合では、単一の方向から陽子を用いることで、2D画像を取得するための最終ステップは、例えば
図5で例示されたような、陽子線の方向における列に沿ったボクセルの合計を要求し、従って、中間の3Dマップを最終的な2D画像に潰す。
【0067】
近似外皮への随意の代替は、各々の陽子のための別個の外皮を用いることであり得、各々の外皮はその陽子のWEPLへ適合されたビーム経路に沿った長さを有する。この長さは、水の密度を仮定し得るか、または、幾何学的長さが以前の画像から既知である場合には、長さを固定するが仮定された材料の密度を調節されたい。形状は、任意の有効な陽子経路を含有するために十分に大きい箱であり得る。
【0068】
以前のCT走査に対応するために、本手技は典型的に、ビームシステム内の患者の慎重な配置および回転を伴う。以前のCT走査との予備陽子画像の比較が、患者の配置および回転を確認し得る。横方向のずれは単純な横方向のオフセットのように見える。陽子ビームが発散するとき、ビーム方向に沿ったオフセットは、大きさの違いのように見える。患者が回転させられる場合、画像が対応しないことがある。最良の適合を見出すために、多くの異なる回転を仮定する予期された画像を準備することが可能である。任意の有意のずれ、オフセットまたは回転が、初期近似において考慮に入れられるべきである(または患者が再び位置付けられるべきである)。
【0069】
ブロック414では、計算システム214は、追跡検出器106および108の間の粒子の経路を再構築する。外皮および初期近似、ならびに追跡測定値が与えられると、エネルギ損失および複数のクーロン散乱を統合する標準的な技術が、外皮内の陽子の最も確からしい経路(MLP)を見出すために用いられ得る。MLPの以前の使用は、陽子が入射したボクセルを検出するために、V
iボクセルのステップサイズを用いる。弦長が各々の入射されたボクセルへ割り当てられる。計算リソースを節約するために、各々のボクセルを通るイオンの単一の有効平均弦長が、各々のイオンのためのボクセル弦長ごとの計算の代わりに用いられ得る。しかし、この手技は、画像へノイズを加え、所与の画像の質のためにより多くの粒子、より多くの加速器時間、および、患者へのより多くの線量を要求する。結果として、画像を同一の画像の質と比べたときに、有効平均弦長手法は、より多くの計算時間を要する。
【0070】
一例では、ボクセル毎の弦長を用いた他のアルゴリズムに比べて計算時間を依然として低減させながら、画像ノイズのこの余分の源を避けるために、アルゴリズムが用いられる。横方向の複数の散乱のサイズが与えられると、長さ内の各々のセグメントの数個のボクセルと共に、正確性の有意な損失なしで、一連の直線セグメントが用いられ得る。セグメントの長さは、撮像する体積を通して一定であり得るか、または、それらは予期される複数の散乱に合わせて調整され得る。このことは、非常により長いステップサイズがMLPアルゴリズムのために用いられることを可能とし、従って計算時間を節約する。ステップ間の補間は、(x、y、z)座標において線形であり得るか、または、射影放射線撮影において用いられる(シータ1、シータ2、z)座標において線形であり得る。これらの直線セグメントでは、ボクセル境界を検出し、かつボクセル毎の弦長を割り当てることが簡単である。放射線写真法の場合では、zにおいてボクセル数の整数に対応するステップサイズを用いることによって、さらなる単純化が取得され得、それによって各々のセグメントがボクセルのz境界で終了する。
【0071】
各々の接触するボクセルのための可変弦長を計算するための方法の別の例では、
【0072】
その方法は、ボクセルの側面との線セグメントの交点の計算を伴わない。その方法は、再構築体積を通した以下のステッピング戦略に頼る。各々のステップは、ビーム方向に沿ったちょうど1ピクセルである。ビーム方向に沿った各々のステップは、2つの相接するボクセルの中心で開始および終了する。これらの条件は、ステップが常に少なくとも2ボクセルに及ぶことを確実にする。ステップが同一のボクセルで終了するか、または異なるボクセルで終わるかをチェックする必要はない。ステップがちょうど2ボクセルに及ぶ場合、各々のボクセルへ割り当てられる弦長は、2つの終了点の間の距離の半分だけ増加される。2つの終了点を接合する線が2ボクセルより多くに及ぶ場合、半完全な計算がなされる場所が存在する。線セグメントが多数のより小さいサブセグメントへ分割される。1つの実施では、我々は各々の1mmステップのために20のセグメントを用いた。各々のサブセグメントはそれから、どのボクセルにそれが属しているかをテストされた。そのボクセル内の弦長は、それから、そのボクセル内にあったサブセグメントの累積の長さで増加される。サブセグメントが2ボクセルにわたって及ぶ場合、サブセグメントの長さの半分で2つのボクセルの弦長が各々増加される。サブセグメントの数が増すと、より長い計算時間の費用がかかるが弦長近似は向上する。
【0073】
いくつかの実施形態では、MLPアルゴリズムは外皮を通る粒子経路のための終点を選ぶことに頼り、終点はほとんどの場合、外皮との飛跡の交点である。外皮の上流および下流の粒子の方向が既知である場合、これは追跡検出器から外皮への経路の簡単な外挿法推定を伴う。外皮の下流に単一の追跡検出器のみが存在する場合では、方向測定値でなく位置測定値を提供するため、いくつかの反復は、外皮との粒子経路の最も確からしい交点を見出すことを必要とされ得る。MLPは、粒子の任意の仮定される位置のための予期される方向を提供する。経路の外皮との下流の交点は、MLPが下流の追跡測定値を指す外皮上の点として選ばれ得る。
【0074】
ブロック415において、計算システム214は、核相互作用または他の問題に起因する外れWEPL測定値を有する事象を取り除くために、反復統計カットを用いる。まず、事象は、(典型的にはアイソセンタを遮断する)追跡検出器の間の所与の平面上のMLP推定位置による2次元ビン内へ分類される。断層写真法については、ビンは3次元であり、第3次元として回転角を有する。WEPLの平均および標準偏差(シグマ)はそれから、各々のビンについて計算される。平均から特定の数のシグマ(典型的には2または3)よりも多いWEPLを有する事象が取り除かれ、それから新たな平均およびシグマが残りの事象から計算される。このプロセスは、それ以上事象が取り除かれなくなるまで繰り返す。ビン内のWEPLの初期分布は、平均の周りに集中発生した大量の「良い」事象に続く、飛程検出器内の種々の深さでの核散乱から生じる「悪い」事象のロングテールをしばしば示す。この反復カット法は、「良い」事象のみが残るまで段階的にテールをカットするという効果を有する。この方法はまた、上流および下流の追跡平面の間の横向きの変位の測定値へ適用され得る。カットは、異なる初期エネルギを有する事象へ別個に適用され得る。
【0075】
飛程検出器は、その物理的境界と異なる、確実に測定し得る残留飛程についての下限および上限を有する。飛程検出器内で検出される全てのイオンが、この飛程内に属するわけではない。飛程が点在しているため、イオンは、残留飛程の分布で飛程検出器内に到着し、その平均は、患者を通るWEPLを決定するために用いられる。平均を偏らせないために、分布全体が検出器の測定可能な限界内にあることが重要である。それから、より厳格な限界のセットが、平均の残留飛程のために定義され得る。これらの限界は、所与の初期エネルギのための最小および最大の測定可能なWEPLを確立するために用いられる。複数のエネルギが用いられるとき、各々のエネルギが患者にとって有効である患者の区域、すなわち測定されるWEPLが限界内に属する患者の区域を決定する必要がある。
【0076】
X線CTデータは、患者を通るWEPLを推定し、かつ、各々のエネルギが用いられるべき領域を決定するために用いられ得る。しかし、ペンシルビームの広がりと不確実性のために追加されるマージンとに起因する、有意な重複が存在する。重複領域は、残留飛程分布の一部のみが測定される場合に問題があり得る。WEPLがエネルギにとって高過ぎる区域では、飛程分布の高位端におけるいくつかの事象は、依然として飛程検出器に到達し得る。WEPLがエネルギにとって低過ぎる区域では、分布の低位端におけるいくつかの事象が、残留飛程測定値についての上限内にあり得る。これらの事象を含むことは、重複するエネルギを有する区域内の偏ったWEPL分布を作り出すため、これらの事象を識別および除去することがソフトウェアのために必要である。
【0077】
ブロック415において、計算システム214は、最も低いエネルギの事象のみをまず考慮することによってこの問題に取り組み、このエネルギでは、測定できないほど高い残留飛程を有することが予期される事象は存在しない。統計的カット後に残るこのエネルギの事象は、ビニング平面上の位置および回転角に基づいて、ピクセル内へ分類される。これらの事象の有意なサンプルを含有するピクセルの場合、WEPLは、少なくともいくつかの事象が飛程検出器に到達するために高過ぎることはなかったことを示す。平均WEPLが、患者の部分的な放射線写真を与えるために用いられる。この平均WEPLが、最低エネルギ限界よりも高い場合、このエネルギは無効だと考えられる。より高いエネルギは、次に最も高いエネルギによって測定されるには平均WEPLが低すぎるこれらのピクセルのいずれかのためには無効だと思われる。次に、部分的な放射線写真は、残りのピクセル内の、次に最も高いエネルギの事象のみを用いて作製され、かつ、これは、WEPLがそのエネルギにとって高すぎる場合、およびWEPLが次により高いエネルギのために低すぎる場合を決定するために用いられる。プロセスは、有効な領域が全てのエネルギのために画定されるまで継続する。それらの有効な領域の外側にある事象は、最終的な再構築から除外される。
【0078】
時間を節約するために、1つの選択肢は、これらのカットを適用する目的のために、ビニング平面上の位置を決定するためだけにMLPをまず用いることである。ボクセルおよび弦長を含む完全なMLPプロセスはそれから、残りの事象へのみ適用され得る。
【0079】
ブロック416において、計算システム214は、上記のブロックから取得したデータ(例えば、位置データ、方向データ、およびエネルギデータ)に適合するように、画像のボクセルのRSP値を反復して調節する。種々のアルゴリズムが、粒子のリストを個々にまたはブロックで繰り返し処理し得、かつ粒子に適合するようにボクセルを調節し得る。システムは、粒子に適合し、かつ最終的な解を見出すために画像を反復して調節する。画像は、放射線写真法または断層写真法のいずれかのためであり得る。一例では、陽子放射線写真法は、追跡平面からの横断位置の情報を、残留飛程検出器からの飛程情報と組み合わせることによって形成される。陽子軌道は、複数のクーロン散乱に起因して直線から逸脱し、従って、最適な空間解像度を有する画像を形成することは、X線放射線写真についてよりも複雑である。反復代数技術は、Ax=B形式の行列方程式を用い得る。未知のRSP分布がxで表され、これは長さMが再構築体積内の合計ボクセル数に等しいベクトルである。AはN×M行列であり、行数Nは、陽子軌道の数と等しく、かつしばしばM(すなわち、ボクセルの数、または未知数)よりも2または3オーダー大きい。Bは、測定される飛程のベクトルか、またはN個の陽子の水等価経路長(WEPL)である。Aの各々の行は長さMである。しかし、陽子が横切ったボクセルのみへ、Aの中の0でない係数(弦長)を割り当てることによって、陽子の軌道が表される。再構築体積内の合計ボクセル数のうちの非常に少ない部分のみである任意の所与の陽子の場合、典型的に数百万のうちの数百のみである。陽子の数は、数百万から数十億の範囲であり得る。従って、方程式の系統は非常に大きく、過剰決定され、かつ、まばらである。現在の解は、陽子のリストにわたって繰り返される反復を伴い、測定される陽子の残留飛程と符合するように、陽子によって横切られるボクセルのRSPを調節する。
【0080】
放射線写真法については、患者の横断サイズ全体を閲覧することが所望され得るが、これは必ずしも必要とされない。断層写真法については、患者を通した全ての横断位置および角度(180度の範囲が十分である)でのイオンが、完全な3Dの再構築のために要求される。
図7で示されるように、これは、ビームシステムのフレームにおける患者の2回の通過で達成され得るが、通過の間で患者の横方向のずれを有する。固定されたビームおよび回転する患者について、これは回転する椅子の単純な横方向の変位である。回転するガントリーの場合では、患者は処置室のフレーム内を小さな半円状に動く。画像再構築の前に、患者の動きはイオン座標内でのずれとして考慮に入れられなければならない。
【0081】
図7は、大きい患者の場合において患者全体を走査するための2つの位置の使用を描写する(同一の技術が2つより多い位置をカバーするように拡大され得る)。各々の曲がった矢印は、異なる軸周りを回る患者のサイズを表す。回転する患者での走査ビームフレームでは、それは横方向に転位された回転の軸で単純に2つの回転を実行する。ガントリー上にあり、かつガントリーと共に回る走査ビームシステムを有するフレームでは、患者寝台は、ガントリーが患者の周りを周回するときに小さな半円状に動くようにプログラムされなければならないが、しかし、写真は走査ビームシステムを有するフレームにおいて静止して見られるのと同一に見え得る。
【0082】
上記で議論された方法、システム、およびデバイスは例である。種々の構成は、種々の方法のステップもしくは手段、または、システム構成要素を、適切に省略、代用または追加し得る。例えば、代替の構成では、本方法は説明されたのと異なる順序で遂行され得、かつ/または、種々のステージが追加、省略および/または組み合され得る。また、特定の構成に関して説明された特徴は、種々の他の構成において組み合され得る。構成の異なる側面および要素は、同様の態様で組み合わされ得る。また、テクノロジ進歩しており、従って要素の多くが例であり、本開示または請求項の範囲を限定しない。
【0083】
この説明は、例示的構成のみを提供し、請求項の範囲、適用可能性、または構成を限定しない。むしろ、構成の前述の説明は、説明された技術を実施するための実行可能な説明を当業者へ提供するであろう。種々の変化は、本開示の意図または範囲から出ることなく、要素の機能および配置においてなされ得る。
【0084】
また、構成はフロー図またはブロック図として描写されるプロセスとして説明され得る。各々は、連続するプロセスとして動作を説明し得るが、動作の多くは並行して、または同時に遂行され得る。加えて、動作の順序は再配置され得る。プロセスは、図中に含まれない追加のステップを有し得る。さらに、方法の例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組み合わせによって実施され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアまたはマイクロコードで実施されるとき、タスクを遂行するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、非一過性ストレージ媒体のような、非一過性コンピュータ可読媒体内に記憶され得る。いくつかの例では、1または複数のプロセッサが、説明されるタスクを遂行する。
【0085】
さらに、本明細書で説明される例示的実施形態は、ネットワーク化された計算システム環境内の計算デバイス内の論理動作として実施され得る。論理動作は、(i)計算デバイス上で起動する、一連のコンピュータ実施命令、ステップまたはプログラムモジュール、および(ii)コンピュータデバイス内で起動する、相互接続された論理またはハードウェアモジュールとして実施され得る。
【0087】
本明細書で説明された方法およびシステムの図示的な例が下記に提供される。方法およびシステムの実施形態は、下記に説明される例のうちの任意の1または複数、およびその任意の組み合わせを含み得る。
【0088】
例1は、医療画像を生成するためのコンピュータ実施方法である。方法は、粒子ビームシステムに関する第1の追跡検出器についての場所および整合を決定するステップを含む。ビームシステムから生成される第1の粒子の第1の位置は、第1の追跡検出器上で検出される粒子の衝突から決定される。第1の追跡検出器での第1の粒子の第1の方向が決定される。本方法は、残留飛程検出器上で検出される粒子の衝突から、第1の粒子の第1の残留飛程を決定するステップを含む。第1の粒子のための経路は、場所、整合、第1の位置および第1の方向に基づいて再構築される。医療画像は、第1の粒子についての再構築された経路および第1の粒子の第1の残留飛程に基づいて生成される。
【0089】
例2では、医療画像を生成することは、医療画像と関連付けられる第1のボクセルのための第1の値、および医療画像と関連付けられる第2のボクセルのための第2の値を反復して調節することであって、調節することは第1の残留飛程に基づく、ことを含むように、例1の主題がさらに構成される。
【0090】
例3では、第1の値および第2の値が相対阻止能値であるように、例2の主題がさらに構成される。
【0091】
例4では、第1のボクセルが、粒子ビームの方向に沿って射影されるように、例2の主題がさらに構成される。
【0092】
例5では、医療画像のために初期画像近似を選択することであって、医療画像を生成することは初期画像近似にさらに基づく、ことを含むように、例1の主題がさらに構成される。
【0093】
例6では、初期画像近似が、(i)第1の追跡検出器、ビームシステム、もしくは残留飛程検出器のうちの少なくとも1つに基づくデータ、(ii)CT画像、または(iii)他のモダリティーからの画像、のうちの1または複数に基づくように、例5の主題がさらに構成される。
【0094】
例7では、ボクセルよりも大きいステップを用いるボクセル境界の間の線形補間に基づいて、1または複数の接触ボクセルのための可変弦長を決定することを含むように、例2の主題がさらに構成される。
【0095】
例8では、場所および整合を決定することは、粒子ビームシステムのアイソセンタの周りの異なる位置でビームを向けることを含むように、例1の主題がさらに構成される。
【0096】
例9では、ボクセル境界に交わるステップをセグメントへさらに分けることに基づいて、1または複数の接触ボクセルのための可変弦長を決定することを含むように、例2の主題がさらに構成される。
【0097】
例10では、第1の追跡検出器上での第1の粒子の衝突の時間を、加速器計画におけるその時間での粒子ビームシステムの予期される操向と相関させることを含むように、例1の主題がさらに構成される。
【0098】
例11では、水等価経路長(WEPL)測定値に基づいて、反復して粒子を除去することを含むように、例1の主題がさらに構成される。
【0099】
例12では、画像の所与の領域のために、適切な初期エネルギの粒子を選択することを含むように、例1の主題がさらに構成される。
【0100】
例13は、複数の命令を備える1または複数の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体であり、その命令は、実行されることに応答して、粒子ビームシステムに関する第1の追跡検出器についての場所および整合を決定することと、第1の追跡検出器上の検出された粒子の衝突から、ビームシステムから生成された第1の粒子の第1の位置を決定することと、第1の追跡検出器での第1の粒子の第1の方向を決定することと、残留飛程検出器上の検出された粒子の衝突から、第1の粒子の第1の残留飛程を決定することと、場所、整合、第1の位置および第1の方向に基づいて、第1の粒子のための経路を再構築することと、第1の粒子についての再構築された経路、および、第1の粒子の第1の残留飛程に基づいて、医療画像を生成することとを、計算デバイスに行わせる。
【0101】
例14では、医療画像を生成することは、医療画像と関連付けられる第1のボクセルのための第1の値と、医療画像と関連付けられる第2のボクセルのための第2の値とを反復して調節することであって、調節することは第1の残留飛程に基づく、ことを含むように、例13の主題がさらに構成される。
【0102】
例15では、第1の値および第2の値が相対阻止能値であるように、例14の主題がさらに構成される。
【0103】
例16では、第1のボクセルが、粒子ビームの方向に沿って射影されるように、例14の主題がさらに構成される。
【0104】
例17では、医療画像のための初期画像近似を選択するための命令であって、医療画像を生成することは、初期画像近似にさらに基づく、命令を含むように、例13の主題がさらに構成される。
【0105】
例18では、初期画像近似は、(i)第1の追跡検出器、ビームシステム、もしくは残留飛程検出器のうちの少なくとも1つに基づくデータ、(ii)CT画像、または、(iii)他のモダリティーからの画像、のうちの1または複数に基づくように、例17の主題がさらに構成される。
【0106】
例19では、ボクセルよりも大きいステップを用いるボクセル境界の間の線形補間に基づいて、1または複数の接触ボクセルのための可変弦長を決定するための命令を含むように、例14の主題がさらに構成される。
【0107】
例20では、場所および整合を決定することは、粒子ビームシステムのアイソセンタの周りの異なる位置にビームを向けることを含むように、例13の主題がさらに構成される。
【0108】
例21では、ボクセル境界に交わるステップをセグメントへさらに分けることに基づいて、1または複数の接触ボクセルのための可変弦長を決定することを含むように、例14の主題がさらに構成される。
【0109】
例22では、第1の追跡検出器上の第1の粒子の衝突の時間を、加速器計画におけるその時間で粒子ビームシステムの予期される操向と相関させることを含むように、例13の主題がさらに構成される。
【0110】
例23では、水等価経路長(WEPL)測定値に基づいて粒子を反復して除去することを含むように、例13の主題がさらに構成される。
【0111】
例24では、画像の所与の領域のために、適切な初期エネルギの粒子を選択するための命令を含むように、例13の主題がさらに構成される。
【0112】
例25は、医療画像を生成するための計算システムである。計算システムは、1または複数のプロセッサと、内部に記憶される複数の命令を有するメモリとを含む。命令は、1または複数のプロセッサによって実行されると、粒子ビームシステムに関する第1の追跡検出器についての場所および整合を決定することと、第1の追跡検出器上の検出された粒子の衝突から、ビームシステムから生成された第1の粒子の第1の位置を決定することと、第1の追跡検出器での第1の粒子の第1の方向を決定することと、残留飛程検出器上の検出された粒子の衝突から第1の粒子の第1の残留飛程を決定することと、場所、整合、第1の位置および第1の方向に基づいて、第1の粒子のための経路を再構築することと、第1の粒子についての再構築された経路、および、第1の粒子の第1の残留飛程に基づいて、医療画像を生成することとを、計算システムに行わせる。
【0113】
例26では、医療画像を生成することは、医療画像と関連付けられる第1のボクセルのための第1の値と、医療画像と関連付けられる第2のボクセルのための第2の値とを反復して調節することであって、調節することは、第1の残留飛程に基づく、ことを含むように、例25の主題がさらに構成される。
【0114】
例27では、第1の値および第2の値が相対阻止能値であるように、例26の主題がさらに構成される。
【0115】
例28では、第1のボクセルは、粒子ビームの方向に沿って射影されるように、例26の主題がさらに構成される。
【0116】
例29では、医療画像のための初期画像近似を選択するための命令であって、医療画像を生成することは、初期画像近似にさらに基づく、命令を含むように、例25の主題がさらに構成される。
【0117】
例30では、初期画像近似は、(i)第1の追跡検出器、ビームシステム、もしくは残留飛程検出器のうちの少なくとも1つに基づくデータ、(ii)CT画像、または、(iii)他のモダリティーからの画像、のうちの1または複数に基づくように、例29の主題がさらに構成される。
【0118】
例31では、ボクセルよりも大きいステップを用いるボクセル境界の間の線形補間に基づいて、1または複数の接触ボクセルのための可変弦長を決定するための命令を含むように、例26の主題がさらに構成される。
【0119】
例32では、場所および整合を決定することは、粒子ビームシステムのアイソセンタの周りの異なる位置にビームを向けることを含むように、例25の主題がさらに構成される。
【0120】
例33では、ボクセル境界に交わるステップをセグメントへさらに分けることに基づいて、1または複数の接触ボクセルのための可変弦長を決定するための命令を含むように、例26の主題がさらに構成される。
【0121】
例34では、第1の追跡検出器上の第1の粒子の衝突の時間を、加速器計画におけるその時間での粒子ビームシステムの予期される操向と相関させることを含むように、例25の主題がさらに構成される。
【0122】
例35では、水等価経路長(WEPL)測定値に基づいて粒子を反復して除去するための命令を含むように、例25の主題がさらに構成される。
【0123】
例36では、画像の所与の領域のために、適切な初期エネルギの粒子を選択するための命令を含むように、例25の主題がさらに構成される。
【0124】
構造的特徴および/または方法論的作用に特有の言語で主題が説明されたが、付随の請求項において定義される主題は、上記で説明された特定の特徴または作用へ必ずしも限定されないことが、理解されるはずである。むしろ、上記で説明された特定の特徴および作用は、請求項を実施する形式の例として開示される。