特許第6959046号(P6959046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959046
(24)【登録日】2021年10月11日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】充放電制御回路およびバッテリ装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20211021BHJP
   H02H 3/087 20060101ALI20211021BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20211021BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   H02J7/02 J
   H02H3/087
   H01M10/44 P
   H01M10/48 P
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-125291(P2017-125291)
(22)【出願日】2017年6月27日
(65)【公開番号】特開2018-110509(P2018-110509A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2020年4月21日
(31)【優先権主張番号】特願2016-255308(P2016-255308)
(32)【優先日】2016年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】桜井 敦司
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴士
(72)【発明者】
【氏名】安田 和秀
【審査官】 原 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0169785(US,A1)
【文献】 特開2016−019302(JP,A)
【文献】 特開2003−111288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/42−10/48
H02H3/08−3/253
H02J7/00−7/12
7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1外部端子及び第2外部端子の間に互いに並列に接続された第1二次電池及び第2二次電池の充放電を制御する充放電制御回路であって、
前記第1二次電池の第1電極が接続される第1電源端子と、
前記第2二次電池の第1電極が接続される第2電源端子と、
前記第1二次電池の第2電極及び前記第2二次電池の第2電極がそれぞれ接続される第3電源端子と、
前記第1電源端子の電位と前記第3電源端子の電位とに基づいて、前記第1二次電池の電圧を検出する第1電圧検出部と、
前記第2電源端子の電位と前記第3電源端子の電位とに基づいて、前記第2二次電池の電圧を検出する第2電圧検出部と、
前記第1電源端子と前記第2電源端子を接続して、接続後の電位を出力する接続回路と、
前記接続回路から出力される電位と前記第3電源端子から供給される電位との電位差を電源電圧として動作し、前記第1電圧検出部による検出結果及び前記第2電圧検出部による検出結果に基づいて、前記第1二次電池及び前記第2二次電池の充放電を制御する制御部と、を備え
前記接続回路は、
第1端子が前記第1電源端子に接続され、第2端子が前記制御部に接続される第1抵抗と、
第1端子が前記第2電源端子に接続され、第2端子が前記制御部に接続される第2抵抗と、を備える充放電制御回路。
【請求項2】
第1外部端子及び第2外部端子の間に互いに並列に接続された第1二次電池及び第2二次電池の充放電を制御する充放電制御回路であって、
前記第1二次電池の第1電極が接続される第1電源端子と、
前記第2二次電池の第1電極が接続される第2電源端子と、
前記第1二次電池の第2電極及び前記第2二次電池の第2電極がそれぞれ接続される第3電源端子と、
前記第1電源端子の電位と前記第3電源端子の電位とに基づいて、前記第1二次電池の電圧を検出する第1電圧検出部と、
前記第2電源端子の電位と前記第3電源端子の電位とに基づいて、前記第2二次電池の電圧を検出する第2電圧検出部と、
前記第1電源端子と前記第2電源端子を接続して、接続後の電位を出力する接続回路と、
前記接続回路から出力される電位と前記第3電源端子から供給される電位との電位差を電源電圧として動作し、前記第1電圧検出部による検出結果及び前記第2電圧検出部による検出結果に基づいて、前記第1二次電池及び前記第2二次電池の充放電を制御する制御部と、を備え
前記接続回路は、
アノード端子が前記第1電源端子に接続され、カソード端子が前記制御部に接続される第1定電流ダイオードと、
アノード端子が前記第2電源端子に接続され、カソード端子が前記制御部に接続される第2定電流ダイオードと、を備える充放電制御回路。
【請求項3】
請求項1または2に記載の充放電制御回路と、
前記第1二次電池と、
前記第2二次電池と、
前記第1外部端子と、
前記第2外部端子と、
前記制御部によって制御され、前記第1二次電池に対する充放電電流を制御する第1充放電制御スイッチと、
前記制御部によって制御され、前記第2二次電池に対する充放電電流を制御する第2充放電制御スイッチと
を備えるバッテリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電制御回路およびバッテリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制御部(制御回路)を有する充放電制御回路(バッテリ状態監視回路)と、複数の二次電池(バッテリ)とを備えるバッテリ装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載されたバッテリ装置では、直列に接続された複数の二次電池の充放電電流の制御が、充放電制御回路の制御部によって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−159811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたバッテリ装置では、複数の二次電池が直列に接続されているが、代わりに、複数の二次電池が並列に接続される場合が考えられる。
特許文献1に記載されたバッテリ装置では、充放電制御回路の制御部は、二次電池の充放電電流によって動作する。また、特許文献1に記載されたバッテリ装置では、複数の二次電池が直列に接続されているため、複数の二次電池のうちの1つの二次電池に脱落、内部オープンなどの異常が発生した場合に、充放電制御回路の制御部が充放電を制御できなくなることがある。
【0005】
特許文献1に記載されたバッテリ装置では、1つの二次電池に異常が発生した場合に、他の二次電池と外部端子(出力端子)との間の接続が遮断される。そのため、充放電制御回路の制御部が充放電を制御できなくなっても、特に問題は発生しない。
【0006】
ところが、複数の二次電池が並列に接続される例では、1つの二次電池に異常が発生した場合に、他の二次電池と外部端子(出力端子)との間の接続が遮断されるわけではない。そのため、複数の二次電池が並列に接続される例では、1つの二次電池に異常が発生した場合に充放電制御回路の制御部が充放電を制御できなくなると、バッテリ装置が不安定な状態になってしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、並列に接続された複数の二次電池のうちの1つの二次電池に異常が発生した場合においても制御部が充放電電流の制御を行うことができる充放電制御回路およびバッテリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の充放電制御回路は、充放電制御回路は、第1二次電池の第1電極が接続される第1電源端子と、第1二次電池に並列接続された第2二次電池の第1電極が接続される第2電源端子と、第1二次電池及び第2二次電池の第2電極が接続される第3電源端子と、第1電源端子と第2電源端子とを接続して接続後の電位を出力する接続回路と、接続回路から出力される電位と第3電源端子から供給される電位との電位差を電源電圧として動作し、第1二次電池及び第2二次電池の充放電を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の充放電制御回路によれば、制御部と電源端子の間に接続回路を備えたので、並列に接続された複数の二次電池のうちの1つの二次電池に異常が発生した場合においても、制御部が充放電電流の制御をすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る充放電制御回路が適用されたバッテリ装置の機能構成を示す図である。
図2】第2実施形態に係る充放電制御回路が適用されたバッテリ装置の機能構成を示す図である。
図3】第3実施形態に係る充放電制御回路が適用されたバッテリ装置の機能構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
以下、図を参照して充放電制御回路10の実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る充放電制御回路10が適用されたバッテリ装置1の機能構成を示す図である。
【0012】
バッテリ装置1は、充放電制御回路10と、第1二次電池B1と、第2二次電池B2と、第1外部端子EB+と、第2外部端子EB−と、放電制御スイッチSD1と、充電制御スイッチSC1と、放電制御スイッチSD2と、充電制御スイッチSC2と、抵抗Rとを備えている。
【0013】
第1二次電池B1と、第2二次電池B2とは、二次電池Bを構成する。第1二次電池B1は、第1電極B11と、第2電極B12とを備えている。第2二次電池B2は、第1電極B21と、第2電極B22とを備えている。
第1外部端子EB+と、第2外部端子EB−とは、外部端子EBを構成する。
【0014】
放電制御スイッチSD1と充電制御スイッチSC1とは、第1充放電制御スイッチを構成する。放電制御スイッチSD2と充電制御スイッチSC2とは、第2充放電制御スイッチを構成する。
【0015】
バッテリ装置1は、二次電池Bに充電されている電力を外部端子EBを介して外部に供給し、外部端子EBを介して外部から供給される電力を二次電池Bに充電する。バッテリ装置1は、必要に応じた並列数の二次電池Bを備える。
【0016】
充放電制御回路10は、第1電源端子VSS1と、第2電源端子VSS2と、第3電源端子VDDと、放電制御端子DOと、充電制御端子COと、過電流検出端子VMと、第1電圧検出部111と、第2電圧検出部112と、接続回路14と、制御部12と、ドライバ13とを備えている。
【0017】
第1電圧検出部111と、第2電圧検出部112とは、電圧検出部11を構成する。接続回路14は、第1抵抗141と、第2抵抗142とを備えている。第1抵抗141は、第1端子141aと、第2端子141bとを備えている。第2抵抗142は、第1端子142aと、第2端子142bとを備えている。
【0018】
第1外部端子EB+は、第1二次電池B1の第2電極B12と、第2二次電池B2の第2電極B22と、充放電制御回路10の第3電源端子VDDに接続されている。第1二次電池B1の第1電極B11は、充放電制御回路10の第1電源端子VSS1と、放電制御スイッチSD1の一方の端子に接続されている。第2二次電池B2の第1電極B21は、充放電制御回路10の第2電源端子VSS2と、放電制御スイッチSD2の一方の端子に接続されている。放電制御スイッチSD1は、他方の端子が充電制御スイッチSC1の一方の端子に接続され、放電制御端子DOの信号で制御される。放電制御スイッチSD2は、他方の端子が充電制御スイッチSC2の一方の端子に接続され、放電制御端子DOの信号で制御される。充電制御スイッチSC1は、他方の端子が第2外部端子EB−に接続され、充電制御端子COの信号で制御される。充電制御スイッチSC2は、他方の端子が第2外部端子EB−に接続され、充電制御端子COの信号で制御される。過電流検出端子VMは、抵抗Rを介して第2外部端子EB−に接続されている。
【0019】
第1電圧検出部111は、第1電源端子VSS1と、第3電源端子VDDと、過電流検出端子VMと、制御部12に接続されている。第2電圧検出部112は、第2電源端子VSS2と、第3電源端子VDDと、過電流検出端子VMと、制御部12に接続されている。接続回路14の第1抵抗141は、第1端子141aが第1電源端子VSS1に接続され、第2端子141bが制御部12に接続されている。接続回路14の第2抵抗142は、第1端子142aが第2電源端子VSS2に接続され、第2端子142bが制御部12に接続されている。制御部12は、ドライバ13に接続されている。ドライバ13は、放電制御端子DOと充電制御端子COに接続されている。
【0020】
第1電圧検出部111は、第1電源端子VSS1の電位と第3電源端子VDDの電位とに基づいて第1二次電池B1の電圧を検出する。また、第1電圧検出部111は、図1に示す例では、第1電源端子VSS1と過電流検出端子VMの間の電圧に基づいて第1充放電制御スイッチに流れる過電流を検出する。
【0021】
第2電圧検出部112は、第2電源端子VSS2の電位と第3電源端子VDDの電位とに基づいて第2二次電池B2の電圧を検出する。また、第2電圧検出部112は、図1に示す例では、第2電源端子VSS2と過電流検出端子VMの間の電圧に基づいて第2充放電制御スイッチに流れる過電流を検出する。
【0022】
接続回路14は、第1電源端子VSS1と第2電源端子VSS2とを第1抵抗141及び第2抵抗142を介して接続し、接続後の電位を制御部12に出力する。
制御部12は、第1電圧検出部111による検出結果及び第2電圧検出部112による検出結果に基づいて、第1二次電池B1及び第2二次電池B2の充放電電流を制御する信号を出力する。また、制御部12は、接続回路14から出力される電位と第3電源端子VDDから供給される電位との電位差を電源電圧として動作する。
【0023】
ドライバ13は、制御部12が出力する信号に基づいて、充電制御端子COから充電制御スイッチSC1及び充電制御スイッチSC2を制御する信号を出力し、放電制御端子DOから放電制御スイッチSD1及び放電制御スイッチSD2を制御する信号を出力する。
【0024】
充電制御スイッチSC1は、第1二次電池B1に対する充電電流を制御する。充電制御スイッチSC2は、第2二次電池B2に対する充電電流を制御する。放電制御スイッチSD1は、第1二次電池B1による放電電流を制御する。放電制御スイッチSD2は、第2二次電池B2による放電電流を制御する。
【0025】
以下の説明においては、これらのスイッチを総称して「制御スイッチ」とも記載する。また、充電制御スイッチSC1及び充電制御スイッチSC2を総称して充電制御スイッチとも記載し、放電制御スイッチSD1及び放電制御スイッチSD2を総称して放電制御スイッチとも記載する。
これらの制御スイッチはいずれも、例えばFETスイッチであり、充放電制御回路10の制御に基づいてオン又はオフ動作する。
【0026】
制御部12は、電圧検出部11の検出結果に基づいて、ドライバ13を介して制御スイッチを制御することにより、二次電池Bの充放電を制御する。
以下、制御部12による制御の一例について説明する。
電圧検出部11の検出結果が「通常状態」を示す場合に、制御部12は、制御スイッチのそれぞれをオン状態に制御する。
【0027】
第1電圧検出部111の検出結果が「過充電」を示す場合、つまり、第1二次電池B1が過充電状態になった場合に、制御部12は充電制御スイッチをオフ状態に制御する。これにより、二次電池Bは、充電電流が遮断され、充電が停止する。
【0028】
第1電圧検出部111の検出結果が「過放電」を示す場合、つまり、第1二次電池B1が過放電状態になった場合に、制御部12は放電制御スイッチをオフ状態に制御する。これにより、二次電池Bは、放電電流が遮断され、放電が停止する。
【0029】
第2電圧検出部112の検出結果が「過充電」を示す場合、つまり、第2二次電池B2が過充電状態になった場合に、制御部12は充電制御スイッチをオフ状態に制御する。これにより、二次電池Bは、充電電流が遮断され、充電が停止する。
【0030】
第2電圧検出部112の検出結果が「過放電」を示す場合、つまり、第2二次電池B2が過放電状態になった場合に、制御部12は放電制御スイッチをオフ状態に制御する。これにより、二次電池Bは、放電電流が遮断され、放電が停止する。
【0031】
ここで、バッテリ装置1に故障が生じて、第1電源端子VSS1又は第2電源端子VSS2に対して電位が供給できなくなった場合について説明する。
一例として、第2二次電池B2の第1電極B21に接続されている導線が断線して、第2電源端子VSS2に電位が供給できなくなった場合について説明する。
【0032】
充放電制御回路10は、第2電源端子VSS2に第2二次電池B2の第1電極B21の電位が供給されない。このため、接続回路14は、第1電源端子VSS1の電位を出力する。従って、制御部12は、第3電源端子VDDの電位と第1電源端子VSS1の電位との電位差を電源電圧として動作する。
【0033】
つまり、充放電制御回路10は、接続回路14を備えることにより、第1電源端子VSS1および第2電源端子VSS2のいずれか一方から電位が供給されない状況になったとしても、制御部12を動作させることができる。
【0034】
また、第2二次電池B2に脱落または内部オープンなどの異常が発生した場合に、第1二次電池B1によって制御部12に電源電圧が供給されるので、制御部12は動作することができる。
【0035】
同様に、第1二次電池B1の導線が断線、または第1二次電池B1に脱落または内部オープンなどの異常が発生した場合に、第2二次電池B2によって制御部12に電源電圧が供給されるので、制御部12は動作することができる。
【0036】
以上説明したように、第1実施形態のバッテリ装置1は、並列に接続された複数の二次電池のうち、いずれかの二次電池の出力配線が断線したとしても、他の二次電池への充放電及び監視が可能である。
また、例えば、第1二次電池B1の内部で短絡してしまった場合、第2二次電池B2に第1二次電池B1と制御スイッチまたは接続回路14を経由して大電流が流れてしまう。
【0037】
このとき、接続回路14の抵抗値は、制御スイッチのオン抵抗値よりも大きく、また、接続回路14を経由する電流を十分に制限できる程度に大きくする。このようにすることで、電流の大部分は制御スイッチに経由することになる。更に、充放電制御回路10が過電流を検出して充電スイッチをオフした後も、接続回路14に流れる電流は十分に制限されるので、充放電制御回路10は損傷することがない。
同様に、第2二次電池B2の内部で短絡してしまった場合においても、充放電制御回路10は損傷することがない。
【0038】
また、例えば、過放電状態において放電制御スイッチがオフしている状態でも、第1二次電池B1と第2二次電池B2は第1抵抗141及び第2抵抗142を介して接続されているので、第1二次電池B1と第2二次電池B2の電圧のバランスを取ることができる、という効果もある。
【0039】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態の充放電制御回路10について説明する。第2実施形態の充放電制御回路10は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の充放電制御回路10と同様に構成されている。従って、第1実施形態の充放電制御回路10と同様の構成については説明を省略する。
【0040】
図2は、第2実施形態に係る充放電制御回路10が適用されたバッテリ装置1の機能構成を示す図である。
接続回路14は、第1ダイオード143と、第2ダイオード144とを備えている。第1ダイオード143は、カソード端子143aと、アノード端子143bとを備えている。第2ダイオード144は、カソード端子144aと、アノード端子144bとを備えている。第1ダイオード143は、カソード端子143aが第1電源端子VSS1に接続され、アノード端子143bが制御部12に接続されている。第2ダイオード144は、カソード端子144aが第2電源端子VSS2に接続され、アノード端子144bが制御部12に接続されている。
【0041】
接続回路14をこのように構成した第2実施形態のバッテリ装置1は、第1実施形態と同様に、並列に接続された複数の二次電池のうち、いずれかの二次電池の出力配線が断線したとしても、他の二次電池への充放電及び監視が可能である。
【0042】
更に、第1二次電池B1または第2二次電池B2の内部で短絡してしまった場合、二次電池Bから接続回路14を経由した電流が流れることはないので、充放電制御回路10は損傷することがない。
【0043】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態の充放電制御回路10について説明する。第3実施形態の充放電制御回路10は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の充放電制御回路10と同様に構成されている。従って、第1実施形態の充放電制御回路10と同様の構成については説明を省略する。
【0044】
図3は、第3実施形態に係る充放電制御回路10が適用されたバッテリ装置1の機能構成を示す図である。
接続回路14は、第1定電流ダイオード145と、第2定電流ダイオード146とを備えている。第1定電流ダイオード145は、アノード端子145aと、カソード端子145bとを備えている。第2定電流ダイオード144は、アノード端子146aと、カソード端子146bとを備えている。第1定電流ダイオード145は、アノード端子145aが第1電源端子VSS1に接続され、カソード端子145bが制御部12に接続されている。第2定電流ダイオード146は、アノード端子146aが第2電源端子VSS2に接続され、カソード端子146bが制御部12に接続されている。
【0045】
接続回路14をこのように構成した第3実施形態のバッテリ装置1は、第1実施形態と同様に、並列に接続された複数の二次電池のうち、いずれかの二次電池の出力配線が断線したとしても、他の二次電池への充放電及び監視が可能である。
【0046】
また、例えば、第1二次電池B1の内部で短絡してしまった場合、接続回路14に流れる電流は第1定電流ダイオード145のピンチオフ電圧に制限されるので、そのピンチオフ電圧を適当な値に設定すれば、充放電制御回路10は損傷することがない。第2二次電池B2の内部で短絡してしまった場合も、同様に、充放電制御回路10は損傷することがない。
【0047】
また、第1実施形態と同様に、例えば、過放電状態において放電制御スイッチがオフしている状態でも、第1二次電池B1と第2二次電池B2は第1定電流ダイオード145及び第2定電流ダイオード146を介して接続されているので、第1二次電池B1と第2二次電池B2の電圧のバランスを取ることができる、という効果もある。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、二次電池の負極側に充放電スイッチを備え、二次電池の正極側を共通にしたバッテリ装置として説明したが、二次電池の正極側に充放電スイッチを備え、二次電池の負極側を共通にしたバッテリ装置としても良い。また例えば、放電制御スイッチSD1と放電制御スイッチSD2は共通に制御され、充電制御スイッチSC1と充電制御スイッチSC2は共通に制御するように構成したが、夫々単独に制御するような回路構成にしても良い。
【符号の説明】
【0049】
1…バッテリ装置、10…充放電制御回路、11…電圧検出部、111…第1電圧検出部、112…第2電圧検出部、12…制御部、13…ドライバ、14…接続回路、SD1…放電制御スイッチ、SC1…充電制御スイッチ、SD2…放電制御スイッチ、SC2…充電制御スイッチ
図1
図2
図3