(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、防臭弁を内蔵しない仮設トイレおよび防臭弁を内蔵する仮設トイレにはそれぞれ長所と短所があり、どちらの仮設トイレにも需要がある。災害時などにどちらの仮設トイレが設置されるかは、ケースバイケースである。そのため、立管を地中に埋設する施工時に、将来どちらの仮設トイレが利用されるかを予め特定することはできない。そこで、立管の施工時に、どちらの仮設トイレも利用可能なように準備しておくことが望ましい。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、地中に埋設された立管を、防臭弁を内蔵する仮設トイレおよび防臭弁を内蔵しない仮設トイレのいずれの汚水管としても利用可能とする仮設トイレ用管継手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る仮設トイレ用管継手は、地中に埋設された立管と前記立管に嵌合する蓋枠とを備える管路と、前記管路の上方に設置される仮設トイレとを接続する仮設トイレ用管継手であって、前記蓋枠に着脱可能に支持される閉鎖板部と、前記閉鎖板部を貫通する筒部と、前記筒部に設けられた防臭弁と、を備える。前記筒部の上部に、前記仮設トイレが接続可能な接続口が形成されている。前記仮設トイレ用管継手は、前記蓋枠に蓋が嵌め込まれているときに、前記蓋の下方に配置されるように構成されている。
【0009】
前記仮設トイレ用管継手では、立管を施工し、立管に蓋枠を嵌合した後、閉鎖板部を蓋枠に支持させる。そして、蓋枠に蓋を嵌め込む。これにより、立管の内部に仮設トイレ用管継手が収容される。災害時など、仮設トイレを設置する場合には、蓋枠から蓋を取り外す。防臭弁を内蔵しない仮設トイレを設置する場合、筒部の接続口に仮設トイレを接続する。これにより、防臭弁を内蔵しない仮設トイレを用いながら、臭気が漏れることを防ぐことができる。なお、ここで言う「仮設トイレを接続する」とは、仮設トイレを直接接続させる場合と、管または管継手等の他の部材を用いて間接的に接続させる場合との両方が含まれる。一方、防臭弁を内蔵する仮設トイレを設置する場合、仮設トイレ用管継手を蓋枠から取り外す。そして、仮設トイレを蓋枠および立管の上方に設置する。この仮設トイレには防臭弁が内蔵されているので、この場合も臭気が漏れることを防ぐことができる。よって、前記仮設トイレ用管継手を利用することにより、地中に埋設された既設の立管を、防臭弁を内蔵する仮設トイレおよび防臭弁を内蔵しない仮設トイレのいずれの汚水管としても利用することができる。
【0010】
本発明の好ましい一態様によれば、前記蓋枠は、筒部と、前記蓋が着脱可能に嵌め込まれる蓋嵌合部と、前記蓋嵌合部よりも下方にて前記筒部から径方向の内側に突出する環状部とを有している。前記閉鎖板部は、前記蓋枠に前記蓋が嵌め込まれているときに、前記蓋枠に固定されることなく前記環状部に載置されるように構成されている。
【0011】
上記態様によれば、閉鎖板部を蓋枠の環状部に載せるだけで、仮設トイレ用管継手を蓋枠に支持させることができる。仮設トイレ用管継手の蓋枠への着脱が容易である。よって、仮設トイレ用管継手を蓋枠にボルト等により着脱自在に固定する場合などに比べて、立管の施工時に仮設トイレ用管継手を容易に設置することができる。また、防臭弁を内蔵する仮設トイレを設置する際に、仮設トイレ用管継手を蓋枠から容易に取り外すことができ、仮設トイレを容易に設置することができる。
【0012】
本発明の好ましい一態様によれば、少なくとも前記閉鎖板部および前記筒部は合成樹脂製である。前記仮設トイレ用管継手は、錘を備えている。
【0013】
上記態様によれば、上記錘によって、閉鎖板部と蓋枠の環状部との間の密着性が高まる。よって、閉鎖板部と蓋枠の環状部との間の隙間から臭気が漏れることを、より確実に防止することができる。
【0014】
本発明の好ましい一態様によれば、前記仮設トイレ用管継手は、前記閉鎖板部の下面の周縁部に設けられたシール部材を備えている。
【0015】
上記態様によれば、上記シール部材により、閉鎖板部と蓋枠の環状部との間の密着性が高まる。よって、閉鎖板部と蓋枠の環状部との間の隙間から臭気が漏れることを、より確実に防止することができる。
【0016】
本発明の好ましい一態様によれば、前記仮設トイレ用管継手は、前記蓋に接続された紐状部材が取り付けられる紐状部材取付部を備えている。
【0017】
上記態様によれば、紐状部材により、蓋と仮設トイレ用管継手とを連結することができる。仮設トイレの利用期間中、蓋は蓋枠から取り外されたままとなる。しかし、蓋は紐状部材により仮設トイレ用管継手と連結されているので、蓋が紛失してしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、地中に埋設された立管を、防臭弁を内蔵する仮設トイレおよび防臭弁を内蔵しない仮設トイレのいずれの汚水管としても利用可能とする仮設トイレ用管継手を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る仮設トイレ用管継手(以下、管継手と言う)の実施の一形態について説明する。
図1は管継手1の側面図である。
図2は管継手1の平面図である。
図3は管継手1の底面図である。
図4は、管継手1が地中に埋設された立管7の内部に収容されているときの縦断面図である。
【0021】
図1〜
図3に示すように、管継手1は、閉鎖板部2と、閉鎖板部2を貫通する筒部3と、筒部3に設けられた防臭弁4とを備えている。
【0022】
閉鎖板部2の形状は特に限定されないが、本実施形態では円盤状に形成されている。閉鎖板部2の下面の周縁部には、環状のシール部材5が取り付けられている(
図3参照)。シール部材5の材料は特に限定されないが、例えばゴムである。シール部材5として、例えば、ゴム製のシールリングを用いることができる。
【0023】
筒部3の形状も特に限定されないが、本実施形態では円筒状に形成されている。筒部3の上部には、受口からなる接続口3aが形成されている。ただし、接続口3aは受口に限らず、差口であってもよい。筒部3の形状は円筒状に限られない。
【0024】
閉鎖板部2と筒部3とは別体であってもよいが、一体成形されていてもよい。本実施形態では、閉鎖板部2と筒部3とは一体成形されている。閉鎖板部2および筒部3の材料は特に限定されないが、本実施形態では合成樹脂製である。
【0025】
防臭弁4は、閉鎖板部2から下方に延びるアーム4aと、弁体4bと、弁体4bをアーム4aに揺動可能に支持する支持軸4cと、錘4dとを有している。アーム4aはL型に形成されており、閉鎖板部2にボルト15により固定されている。ただし、閉鎖板部2に対するアーム4aの固定方法は何ら限定されない。
図3に示すように、錘4dは弁体4bと接続されている。錘4dは弁体4bと別体であってもよく、弁体4bと一体成形されていてもよい。本実施形態では、錘4dは弁体4bと一体成形されている。
図3に示すように、錘4dは支持軸4cの軸線4fに対して、弁体4bと反対側に配置されている。
図3において、弁体4bは軸線4fの右側に配置され、錘4dは軸線4fの左側に配置されている。錘4dの重量は弁体4bの重量よりも大きいため、弁体4bの上に汚水が溜まっていない状態では、弁体4bには軸線4f周りに上向きの力が作用する。そのため、
図1および
図4に示すように、弁体4bは閉じた状態となる。一方、弁体4bの上に汚水が溜まり、汚水および弁体4bの重量が錘4dの重量よりも大きくなると、弁体4bは軸線4f周りに下向きに回転する。その結果、
図5に示すように、弁体4bは開かれる。
【0026】
弁体4bは筒部3の下側の開口を開閉するように構成されている。筒部3の下端面には、ゴムリング6が取り付けられている(
図5参照)。弁体4bが閉じているときに、ゴムリング6は弁体4bと筒部3の下端面との間に介在する(
図4参照)。このゴムリング6により、弁体4bが閉じたときのシール性が向上する。ただし、ゴムリング6は必ずしも必要ではなく、省略することが可能である。ゴムリング6は弁体4bに取り付けられていてもよい。また、ゴムリング6以外のシール部材を用いることも可能である。
【0027】
以上が管継手1の構成である。管継手1は、地中に埋設された立管7と立管7に嵌合する蓋枠8とを備える管路10と、管路10の上方に設置される仮設トイレとを接続する部材であるが、
図4に示すように、仮設トイレを設置する前は、立管7の内部に収容されている。
【0028】
立管7は、地中に埋設された上下に延びる管である。立管7は、例えば、マンホール、ますの立管などである。図示は省略するが、立管7の下端部は、下水本管に接続されたマンホール、ます、または汚水管などに接続されている。立管7の材料は何ら限定されず、例えば、コンクリート、合成樹脂などである。
【0029】
図4に示すように、蓋枠8は、筒部8aと、蓋11が着脱可能に嵌め込まれる蓋嵌合部8bと、蓋嵌合部8bよりも下方にて筒部8aから径方向の内側に突出する環状部8cとを有している。
【0030】
管継手1と蓋11とは、チェーン12によって連結されている。ここでは、管継手1の閉鎖板部2に、上方に突出する取付部9が形成されている。取付部9には孔9aが形成されており、チェーン12の一端部はこの孔9aに係止している。蓋11には、下方に突出する取付部11aが形成されている。チェーン12の他端部は、取付部11aの孔11bに係止している。チェーン12は紐状部材の一例である。紐状部材は、変形が容易な長尺の部材である。ただし、紐状部材はチェーン12に限らず、ベルト、紐、ワイヤなどでもよい。なお、
図4以外の図では、取付部9およびチェーン12の図示は省略している。
【0031】
図4に示すように、蓋枠8に蓋11が嵌め込まれているときに、管継手1は蓋11の下方に配置される。管継手1は、地表面GLよりも低い位置に配置されている。管継手1は立管7の内部に収容されている。管継手1は、蓋枠8に着脱可能に支持されている。管継手1は蓋枠8に対してねじ等により固定されていてもよいが、本実施形態では、管継手1は蓋枠8に固定されておらず、閉鎖板部2が蓋枠8の環状部8cに載置されることによって蓋枠8に支持されている。閉鎖板部2を蓋枠8の環状部8cに載せるだけで、管継手1を蓋枠8に容易に装着することができる。逆に、管継手1を持ち上げるだけで、管継手1を蓋枠8から容易に取り外すことができる。
【0032】
閉鎖板部2を環状部8cに載せると、閉鎖板部2と環状部8cとの間にシール部材5が介在する。このシール部材5により、閉鎖板部2と環状部8cとの間の隙間が塞がれる。管継手1と蓋枠8との間の隙間が塞がれ、シール性が良好に保たれる。
【0033】
なお、
図4に示すように、閉鎖板部2には、蓋枠8の環状部8cの内周面に接触する外周面を有する突部2aが設けられていてもよい。閉鎖板部2には、シール部材5を介して環状部8cの上面に接触する下面部と、環状部8cの内周面に接触する(直接接触していてもよく、シール部材を介して接触していてもよい)外周面とを有する段部が設けられていてもよい。
【0034】
管継手1は立管7内に収容することができるので、立管7を施工した時に併せて設置することが可能である。例えば、立管7を施工した後、立管7の上端部に蓋枠8を嵌め込む。そして、管継手1を蓋枠8に装着し、蓋枠8に蓋11を嵌め込む。これにより、管継手1を予め立管7の内部に収容しておくことができる。管継手1を予め立管7の内部に収容しておくことにより、災害時などの仮設トイレの設置時に、管継手1を設置現場に持ち込む必要がなくなる。
【0035】
次に、仮設トイレの設置方法の例について説明する。本実施形態では、管路10に対して、防臭弁を内蔵しない仮設トイレおよび防臭弁を内蔵する仮設トイレのいずれをも接続可能である。なお、仮設トイレの構成は特に限定されない。
【0036】
まず、防臭弁を内蔵しない仮設トイレを接続する方法について説明する。仮設トイレの設置に際しては、まず、蓋枠8から蓋11を取り外す。次に、
図6に示すように、蓋枠8および立管7の上方に仮設トイレ20を設置すると共に、管継手1の接続口3aに仮設トイレ20を接続する(
図5参照)なお、ここで言う「仮設トイレ20を接続する」には、仮設トイレ20の排出部を直接接続する場合と、管または管継手などを介して間接的に接続する場合との両方が含まれる。
【0037】
図6では図示を省略しているが、蓋11はチェーン12(
図4参照)により管継手1と連結されている。蓋11は、チェーン12に繋がったまま、仮設トイレ20の近傍に留まる。そのため、仮設トイレ20の設置後に蓋11が紛失することを防ぐことができる。ただし、蓋11が邪魔であれば、チェーン12を外して、蓋11を他の場所に移動させることができる。
【0038】
仮設トイレ20の具体的構成は何ら限定されないが、本実施形態に係る仮設トイレ20は、便器を構成するボウル21と、水を貯留する給水タンク22と、ボウル21および給水タンク22を支持するフレーム23とを備えている。
【0039】
防臭弁を内蔵しない仮設トイレ20は、防臭弁を備えていない分、構成が簡単である。また、小型化および軽量化が可能であるという利点がある。しかし、仮設トイレ20自体では、外部に臭気が漏れることを防ぐことができない。ところが、本実施形態によれば、仮設トイレ20と立管7との間に、防臭弁4を備える管継手1が介在するので、外部に臭気が漏れることを防ぐことができる。
【0040】
次に、防臭弁を内蔵する仮設トイレを接続する方法について説明する。この場合もまず、蓋枠8から蓋11を取り外す。次に、蓋枠8から管継手1を取り外す。前述の通り、本実施形態では管継手1は蓋枠8の環状部8cに載置されているだけなので、管継手1を持ち上げるだけで蓋枠8から容易に取り外すことができる。次に、
図7に示すように、蓋枠8および立管7の上方に仮設トイレ30を設置すると共に、蓋枠8または立管7に仮設トイレ30を接続する。仮設トイレ30の接続方法は何ら限定されないが、本実施形態では、貫通孔41が形成された接続部材40を用いる。まず、接続部材40を蓋枠8に嵌め、接続部材40の貫通孔41に仮設トイレ30の排出部を嵌め込む。そして、排出部と貫通孔41との隙間を接合剤で埋める。これにより、仮設トイレ30と立管7とを接続することができる。なお、接続部材40は蓋11と別部材であってよいが、蓋11に貫通孔41を形成することにより、蓋11を接続部材40として利用してもよい。
【0041】
仮設トイレ30の具体的構成は何ら限定されないが、ここでは仮設トイレ30は、便器を構成するボウル31と、ボウル31の下部に設けられた防臭弁34と、水を貯留する給水タンク32と、ボウル31および給水タンク32を支持するフレーム33とを備えている。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、防臭弁を内蔵しない仮設トイレ20および防臭弁を内蔵する仮設トイレ30のどちらを設置する場合であっても、地中に埋設された既設の立管7を仮設トイレ用の汚水管として利用することが可能となる。そのため、立管7の施工段階において、立管7をどちらの仮設トイレ20,30にも利用可能なように準備しておくことができる。
【0043】
防臭弁を内蔵しない仮設トイレ20を設置する場合、仮設トイレ20とは別に防臭弁を準備し、仮設トイレ20の設置と同時に防臭弁を後付けで取り付けることが考えられる。しかし、本実施形態によれば、管継手1は立管7の内部に収容されているので、災害時等において防臭弁を内蔵しない仮設トイレ20を設置する場合、設置現場に防臭弁を持ち運ぶ必要がない。そのため、防臭弁を内蔵しない仮設トイレ20をより容易に設置することができる。また、立管7の内部空間を管継手1の保管スペースとして有効活用することができる。
【0044】
なお、立管7は、仮設トイレ20,30の設置時には仮設トイレ用の汚水管として利用されるが、通常時は(すなわち、仮設トイレ20,30の設置前は)、下水本管に接続されたマンホール、ます、または汚水管(図示せず)を地上から点検するための管として利用される。本実施形態に係る管継手1は蓋枠8に対して着脱自在であるので、点検の際に蓋枠8から容易に取り外すことができる。よって、通常時の点検が容易である。
【0045】
また、本実施形態によれば、管継手1は、閉鎖板部2が蓋枠8の環状部8cに固定されることなく載置されることにより、蓋枠8に支持されている。そのため、閉鎖板部2を蓋枠8の環状部8cに載せるだけで、管継手1を蓋枠8に容易に取り付けることができる。本実施形態によれば、蓋枠8に対する管継手1の着脱が容易である。よって、立管7を施工した時に管継手1を容易に設置することができ、また、防臭弁を内蔵する仮設トイレ30を設置する際に、管継手1を蓋枠8から容易に取り外すことができ、仮設トイレ30を容易に設置することができる。また、通常時の点検が容易である。
【0046】
ところで、本実施形態では、管継手1の少なくとも閉鎖板部2および筒部3は合成樹脂製である。閉鎖板部2および筒部3が金属製の場合に比べて、管継手1は軽量である。管継手1の重量が小さい場合、閉鎖板部2と蓋枠8の環状部8cとの間の圧力が比較的小さくなるので、管継手1と蓋枠8との間のシール性が低下し、臭気が外部に漏れるおそれがある。しかし、本実施形態に係る管継手1は、錘4dを備えている。そのため、管継手1の重量を増やすことができ、閉鎖板部2と蓋枠8の環状部8cとの間の密着性を高めることができる。よって、管継手1と蓋枠8との間のシール性を高めることができ、外部に臭気が漏れることをより確実に防止することができる。
【0047】
なお、本実施形態に係る錘4dは、本来、防臭弁4の弁体4bに閉じる方向の力を与える錘である。この錘4dにより、防臭弁4の弁体4bが開いて弁体4b上に溜まった汚水が排出された後、弁体4bは自動的に閉じられる。本実施形態によれば、シール性を向上させるための錘として、弁体4bを閉じるための錘4dを流用することができる。
【0048】
また、本実施形態では、管継手1の閉鎖板部2の下面の周縁部に、シール部材5が設けられている。このシール部材5により、閉鎖板部2と蓋枠8の環状部8cとの間の密着性を高めることができ、シール性を向上させることができる。よって、外部に臭気が漏れることをより確実に防止することができる。なお、シール部材5は弾性素材で構成することが望ましい。シール部材5をシール部材5以外の管継手1の自重で押し潰しつつ閉鎖板部2と蓋枠8の環状部8cとに密着させると、より確実に防臭を図ることができる。
【0049】
本実施形態では、管継手1は、チェーン12を取り付ける取付部9を備えている。管継手1と蓋11とは、チェーン12によって連結されている。そのため、仮設トイレ20を設置する際に蓋11は蓋枠8から取り外されるが、仮設トイレ20の利用期間中、蓋11が紛失してしまうことを防止することができる。ただし、チェーン12および取付部9は必ずしも必要ではない。管継手1と蓋11とは連結されていなくてもよい。
【0050】
以上、本発明の実施の一形態について説明したが、本発明の実施の形態が前記実施形態に限られないことは勿論である。
【0051】
前記実施形態では、防臭弁4の弁体4bは支持軸4cにより揺動可能に支持されているが、弁体4bの開閉構造は特に限定されない。防臭弁4の構造は何ら限定されない。管継手が備える防臭弁として、公知の各種の防臭弁を利用することができる。
【0052】
前記実施形態では、弁体4bの個数は1つである。しかし、弁体4bの個数は特に限定されない。また、前記実施形態では管継手が備える防臭弁の個数は1つであるが、2つ以上であってもよい。ただし、弁体の数や防臭弁の個数が多いと清掃や点検などのメンテナンスに手間が掛かりやすいが、弁体や防臭弁の個数が1つであれば、メンテナンスの手間が掛かりにくい。
【0053】
接続口3aの内周面は、平滑面であってもよく、螺旋溝を有していてもよい。すなわち、接続口3aは、管部材がスライド可能に構成されていてもよく、螺合可能に構成されていてもよい。接続口3aは、いわゆる接着受口またはゴム輪受口であってもよく、各種の差口であってもよく、螺合構造(袋ナット等)を有していてもよい。
【0054】
前記実施形態では、仮設トイレ20,30は管路10の真上に設置されるが、仮設トイレ20,30の設置位置は限定されない。仮設トイレ20,30は管路10の上方に設置されるが、ここで言う「管路10の上方に設置」とは、仮設トイレ20,30が管路10よりも高い位置に設置されることを意味する。
【0055】
シール部材5は、外部に臭気が漏れることを防止すべく、管継手1と蓋枠8との間のシール性を向上させるものであるが、その配置は特に限定されない。前記実施形態では、シール部材5は閉鎖板部2の下面の周縁部に設けられており、閉鎖板部2の下面と蓋枠8の環状部8cの上面との間に配置される。しかし、特に限定される訳ではなく、他の配置も可能である。例えば、閉鎖板部2の周縁にシール部材5を設け、閉鎖板部2の周縁と蓋枠8の筒部8aの内壁との間にシール部材5を介在させるようにしてもよい。