(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記記憶部は、前記ユーザーが選択する前記業務マニュアルサンプルで特定される業務情報項目毎に必要な業務情報を格納する第3のデータベースを記憶することを特徴とする請求項1に記載の業務マニュアル管理システム。
前記業務情報は、前記ユーザーの業務を表す動画または静止画を含む画像情報、前記業務を説明するドキュメント情報、顧客の応対を含む応対情報、前記業務に用いる機器の操作情報、メンテナンス情報または設定情報、前記業務における省エネルギー化を含む省エネルギー化情報、食材の在庫管理または発注支援を含む管理情報の何れかまたは2以上を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の業務マニュアル管理システム。
前記処理部は、前記業務マニュアルサンプルの改定または前記業務情報の更新により前記業務マニュアルを更新することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の業務マニュアル管理システム。
さらに、前記業務マニュアルの変更を含む操作が可能な第1のアクセス権限と、前記業務マニュアルの閲覧操作のみが可能な第2のアクセス権限を設定し、管理者に前記第1のアクセス権限および前記第2のアクセス権限を付与し、前記管理者に属する従業者に前記第2のアクセス権限のみを付与し、前記従業者からの前記第1のアクセス権限に属する操作を無効化することを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の業務マニュアル管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、飲食店の業務は店舗規模に関係なく、厨房業務、フロア業務、食材管理、人的管理など多岐に亘っている。経営者などの管理者、厨房業務やフロア業務を担当する調理係、案内係などの人的管理は無視できない。従業者には正規の従業員の他、アルバイト従業員などが含まれる。フロア業務には接客や応対など、店舗経営上、極めて重要な業務が含まれるが、これらを正規従業員だけでなく、アルバイト従業員にも拡大することは不可欠であるが、業務内容を各個人の感覚に委ねることは信用に関わることであり、取り分け、従業者によってサービスの内容がまちまちになると、来店者に対するサービスの質が問われるという課題がある。
【0005】
業務に関わる管理者、従業員、アルバイトなどの従業者が行うべき業務の内容や対応処方を記載した業務マニュアルは、業務の画一化や効率化を図る上で有効である。
しかしながら、業務の内容は業態、規模、商品などによって異なり、画一化された業務マニュアルでは業務内容を充実化することは困難であるという課題がある。飲食店などの比較的小規模な店舗では自店に適合した業務マニュアルを作成することは困難であり、実行性のある業務マニュアルを実現できないという課題がある。
【0006】
従前の電子マニュアルの作成または閲覧(たとえば、特許文献2、3)には、飲食店などの店舗特有の事情が何ら考慮されておらず、飲食店などの店舗での実用性に乏しいという課題がある。
そこで、本発明の目的は上記課題に鑑み、飲食店など各種店舗で用いられる業務マニュアルの作成または閲覧の容易化や迅速化を図り、店舗などの遂行業務の効率改善に寄与することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の業務マニュアル管理システムの一側面によれば、業務マニュアルサンプルを格納する第1のデータベースと、ユーザーの業務マニュアルを格納する第2のデータベースを記憶する記憶部と、前記第1のデータベースから
ユーザーの端末装置に提示された業務マニュアルサンプル
に対して前記端末装置から受けた選択要求を契機に、該業務マニュアルサンプルの編集に必要な業務情報を
前記端末装置に要求し、
前記端末装置を通じて取得した該業務情報と前記業務マニュアルサンプルを用いて前記ユーザーの業務マニュアルを作成して前記第2のデータベースに格納し、ユーザーの要求により前記第2のデータベースから前記ユーザーに特定された前記業務マニュアルを送出する処理部を備える。
上記業務マニュアル管理システムにおいて、さらに、前記記憶部は、前記ユーザーが選択する前記業務マニュアルサンプルで特定される業務情報項目毎に必要な業務情報を格納する第3のデータベースを格納してよい。
上記業務マニュアル管理システムにおいて、前記業務情報は、前記ユーザーの業務を表す動画または静止画を含む画像情報、前記業務を説明するドキュメント情報、顧客の応対を含む応対情報、前記業務に用いる機器の操作情報、メンテナンス情報または設定情報、前記業務における省エネルギー化を含む省エネルギー化情報、食材の在庫管理または発注支援を含む管理情報の何れかまたは2以上を含んでよい。
上記業務マニュアル管理システムにおいて、前記処理部は、前記業務マニュアルサンプルの改定または前記業務情報の更新により前記業務マニュアルを更新してよい。
上記業務マニュアル管理システムにおいて、さらに、前記処理部と無線または有線により接続されて前記業務情報またはユーザー情報を入力し、前記処理部から送出された前記業務マニュアルを提示する情報端末を備えてよい。
上記業務マニュアル管理システムにおいて、前記業務マニュアルの変更を含む操作が可能な第1のアクセス権限と、前記業務マニュアルの閲覧操作のみが可能な第2のアクセス権限を設定し、管理者に前記第1のアクセス権限および前記第2のアクセス権限を付与し、前記管理者に属する従業者に前記第2のアクセス権限のみを付与し、前記従業者からの前記第1のアクセス権限に属する操作を無効化してよい。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の業務マニュアル管理プログラムの一側面によれば、業務マニュアルサンプルを格納する第1のデータベースと、ユーザーの業務マニュアルを格納する第2のデータベースを記憶する記憶機能と、前記第1のデータベースから
ユーザーの端末装置に提示された業務マニュアルサンプル
に対して前記端末装置から受けた選択要求を契機に、該業務マニュアルサンプルの編集に必要な業務情報を
前記端末装置に要求し、
前記端末装置を通じて取得した該業務情報と前記業務マニュアルサンプルを用いて前記ユーザーの業務マニュアルを作成して前記第2のデータベースに格納し、ユーザーの要求により前記第2のデータベースから前記ユーザーに特定された前記業務マニュアルを送出する処理機能とを前記コンピュータにより実現させる。
上記業務マニュアル管理プログラムにおいて、さらに、前記業務マニュアルの変更を含む操作が可能な第1のアクセス権限と、前記業務マニュアルの閲覧操作のみが可能な第2のアクセス権限を設定する機能と、管理者に前記第1のアクセス権限および前記第2のアクセス権限を付与し、前記管理者に属する従業者に前記第2のアクセス権限のみを付与する機能と、前記従業者からの前記第1のアクセス権限に属する操作を無効化する機能を前記コンピュータにより実現させてよい。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の業務マニュアル管理装置の一側面によれば、業務マニュアル管理システムをコンピュータにより実現する業務マニュアル管理装置であって、業務マニュアルサンプルを格納する第1のデータベースと、ユーザーの業務マニュアルを格納する第2のデータベースを記憶する記憶部とともに、前記第1のデータベースから
ユーザーの端末装置に提示された業務マニュアルサンプル
に対して前記端末装置から受けた選択要求を契機に、該業務マニュアルサンプルの編集に必要な業務情報を
前記端末装置に要求し、
前記端末装置を通じて取得した該業務情報と前記業務マニュアルサンプルを用いて前記ユーザーの業務マニュアルを作成して前記第2のデータベースに格納し、
前記ユーザーの要求により前記第2のデータベースから前記ユーザーに特定された前記業務マニュアルを送出する処理部を備えるサーバーと有線または無線で接続される通信部を備え、前記サーバーに提供する業務マニュアル選択情報、前記業務情報またはユーザー情報を入力する入力手段と、前記サーバーから提供される前記業務マニュアルを提示する情報提示手段を備える。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の業務マニュアル管理方法の一側面によれば、業務マニュアル管理システムをコンピュータに実行させる業務マニュアル管理方法であって、記憶部に格納されている第1のデータベースから
ユーザーの端末装置に提示した業務マニュアルサンプルの選択要求を行う工程と、
前記端末装置から受けた前記選択要求を契機に、処理部から
前記端末装置に対して該業務マニュアルサンプルの編集に必要な業務情報を要求する工程と、前記処理部が
前記端末装置を通じて取得した前記業務情報と前記業務マニュアルサンプルを用いてユーザーの業務マニュアルを作成し、該業務マニュアルを前記ユーザーに関係付けて第2のデータベースに格納する工程と、ユーザーの要求により前記第2のデータベースから前記業務マニュアルを送出する工程を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 店舗の業務内容やニーズに則した業務マニュアルを容易にまたは迅速に作成して提供でき、従業者が必要に応じて閲覧し、業務マニュアルに則した業務を遂行できる。
(2) 業務マニュアルの作成には、複数の業務マニュアルサンプルから店舗やそのニーズに適する業務マニュアルサンプルの選択、ユーザーから業務情報をシステムに提供すれば、その業務情報と業務マニュアルサンプルを用いて業務マニュアルが作成されて提供を受けることができ、店舗の業務に適した業務マニュアルを得ることができる。
【0012】
(3) 提供された業務マニュアルを用いれば、店舗で就労する従業者は業務マニュアルに則した業務を遂行することが可能になる。
(4) 提供される業務マニュアルは、スマートフォンやタブレット端末などの身近な情報処理端末で容易に閲覧でき、画一的な業務案内、均一で質の高い業務管理ができ、接客や商品提供のサービスを向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、一実施の形態に係る業務マニュアル管理システム(以下、単に「管理システム」と称する)の一例を示している。
図1に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。
管理システム2には
図1に示すように、業務マニュアルの作成および格納を行うサーバー装置4が備えられる。このサーバー装置4にはユーザー側の単一または複数の情報端末6が公衆回線網としてたとえば、インターネット8を介して接続されている。
【0015】
サーバー装置4は通信機能を備えたコンピュータシステムであって、一例として処理部10および記憶部12が含まれる。処理部10と情報端末6の接続にはたとえば、インターネット8が用いられる。このインターネット8を通信媒体に用いているが、無線接続の他、有線接続であってもよい。通信媒体には無線LAN(Local Area Network)を用いてよい。イントラネットなどの通信接続媒体や、Bluetooth (登録商標)などの近距離無線通信を用いてもよい。処理部10の情報処理には、記憶部12にあるプログラムやマニュアル作成に必要な情報を用いてユーザーに特化される業務マニュアル作成などの処理が含まれる。
処理部10はプロセッサなどを含む情報処理手段である。情報端末6は、単一または複数のユーザーの一例であり、通信、表示、情報処理などの機能を備えた情報処理端末であり、たとえば、スマートフォン、通信機能を備えるタブレット端末などでよい。この情報端末6は複数のユーザーに属する情報端末6−1、6−2・・・6−Nを含む情報端末群であるが、単一のタブレットやスマートフォンなどでもよい。以下、情報端末6−1、6−2、6−3・・・6−Nから特定の情報端末を指定しない場合には単に情報端末6と称する。
【0016】
記憶部12には、第1のデータベースの一例として、業務マニュアルサンプルを格納するデータベース(以下、単に「マニュアルサンプルDB」と称する)14、第2のデータベースの一例として、業務マニュアルを格納するデータベース(以下、単に「業務マニュアルDB」と称する)16、第3のデータベースの一例として、業務情報を格納するデータベース(以下、単に「業務情報DB」と称する)18が構築されている。このマニュアルサンプルはユーザーが編集可能なマニュアル情報である。
マニュアルサンプルDB14には複数の業務マニュアルサンプル20−1、20−2・・・20−Nが格納される。業務マニュアルDB16にはサーバー装置4で作成された複数の業務マニュアル22−1、22−2・・・22−Nがユーザーごとに格納される。つまり、業務マニュアル22−1、22−2・・・22−Nはユーザー情報に関係付けられ、ユーザーのみに公開、閲覧が可能である。業務情報DB18にはユーザーから取得した複数の業務情報24−1、24−2・・・24−Nがユーザー情報に関係付けられて格納される。
【0017】
<処理部10の情報処理>
処理部10の情報処理には、
a.マニュアルサンプルDB14、業務マニュアルDB16および業務情報DB18の構築、格納および更新
b.業務マニュアルサンプル20−1、20−2・・・20−Nの提供
c.業務マニュアルサンプル20−1、20−2・・・20−Nからユーザーが情報端末6から要求する業務マニュアルサンプル20xの選択
d.ユーザーの情報端末6に要求し、ユーザーから取得した業務情報24−1、24−2・・・24−Nの記憶
e.ユーザー情報に関係付けられた業務マニュアル22−1、22−2・・・22−Nの作成
f.業務マニュアル22−1、22−2・・・22−Nの記憶
g.閲覧要求に対する特定の業務マニュアル22xの送出
h.その他の付随的な処理など
が含まれる。
【0018】
<サーバー装置4および情報端末6の連係処理>
図2は、この管理システム2の処理シーケンスの一例を示している。この処理シーケンスは、処理部10と情報端末6の間で情報授受などの処理が実行されるとともに、処理部10と記憶部12との間で情報の読み込みおよびその読出しが実行される。
情報端末6からサーバー装置4に対し、マニュアルサンプルの要求があると(S101)、処理部10は、
b−1)マニュアルサンプルDB14から業務マニュアルサンプル20−1、20−2・・・20−Nを読み出し(S102)
b−2)業務マニュアルサンプル20−1、20−2・・・20−Nを要求元の情報端末6へ提示(S103)
を実行する。
【0019】
情報端末6には受信した業務マニュアルサンプル20−1、20−2・・・20−Nが表示され(S104)、ユーザーは業務マニュアルサンプル20−1、20−2・・・20−Nから特定の業務マニュアルサンプル20xの選択(S105)が可能である。業務マニュアルサンプル20xの選択結果が情報端末6から処理部10に通知され(S106)、この通知を受けた処理部10には情報端末6またはユーザーIDから特定されるユーザーと、該ユーザーが選択した業務マニュアルサンプル20xが認識される。
処理部10は業務マニュアルサンプル20xを選択したユーザーの情報端末6に対し、業務マニュアルサンプル20xの選択を契機として、
【0020】
d−1)業務マニュアルの編集に必要な業務情報の要求
をする(S107)。つまり、処理部10がユーザーに要求する業務情報は、ユーザーが選択した業務マニュアルサンプル20xから編集すべき業務マニュアルに必要な業務上の情報である。
ユーザーは該要求に応じ、情報端末6から処理部10に業務情報を通知する(S108)。
【0021】
処理部10では既述の情報処理として以下の処理、
d−2)情報端末6から通知された業務情報をユーザー情報に関係付けて業務情報DB18へ格納(S109)
e)提供された業務情報とユーザーが選択した業務マニュアルサンプル20xを用いて業務マニュアルサンプル20xを編集し、ユーザーの業務情報を反映し業務マニュアル22xの作成(S110)
f)作成された業務マニュアル22xは業務マニュアルDB16に格納(S111)
g−1)業務マニュアル22xを作成した旨の報告を情報端末6へ通知(S112)
が含まれる。
【0022】
業務マニュアル22xの通知を受けることにより、情報端末6はその旨の表示を行い、ユーザーから情報端末6を通じて処理部10に対し閲覧要求を送出することができる(S113)。
【0023】
この閲覧要求により、処理部10は、
g−2)業務マニュアルDB16からユーザーに関係付けられている業務マニュアル22xの読み出し(S114)
g−3)閲覧要求が発せられた情報端末6に対し、業務マニュアル22xを含む情報の送出(S115)
が行われる。
これにより、ユーザーは情報端末6を以て、該ユーザーに特定された業務マニュアル22xを閲覧することができる(S116)。
【0024】
<一実施の形態の効果>
一実施の形態によれば次の効果が得られる。
(1) スマートフォン、タブレット端末などの情報端末6を用いた業務マニュアルの作成要求により、ユーザーが選択する業務マニュアルサンプルと、ユーザーが提供する業務情報を用いて業務マニュアルを作成できる。ユーザーの業務に適した業務マニュアルを得ることができる。
【0025】
(2) 作成された業務マニュアルはスマートフォン、タブレット端末などの情報端末6を用いて閲覧でき、ユーザーに属する従業者が業務遂行にユーザーの業務に則した業務マニュアルを利用できる。
(3) ユーザーに特化された業務マニュアルを多くの従業者が身近に携帯するスマートフォン、タブレット端末などの情報端末6を用いて容易に閲覧でき、業務マニュアルに提示された情報を以て画一的な業務案内や、均一で質の高い業務管理ができ、接客や商品提供のサービスを向上させることができる。
【実施例1】
【0026】
図3は、実施例1に係る管理システム2を示している。この管理システム2には、管理センター30、ユーザーに属する情報端末6が含まれる。管理センター30は情報端末6からの業務マニュアルサンプルの選定を契機に情報端末6から業務情報の提供を受け、業務マニュアルの作成、情報端末6からの業務マニュアルの閲覧サービスを実行する。情報端末6はパーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォンなどの高機能情報端末などであり、店舗32に設置され、または管理者34または従業者36が携行する。店舗32はたとえば、従業者が5、6人ないし30人程度の中小規模の飲食店舗である。管理者34は従業者36を管理する者であり、従業者36は店舗32における業務に従事する者である。管理者34には従業者36と異なる権限が付与される。たとえば、管理者34にはサーバー装置4に対して業務マニュアルの作成、変更、管理者34にのみ提示される情報などのアクセス権限が付与され、従業者36には業務マニュアルの閲覧権限が付与される。
【0027】
管理センター30にはサーバー装置4(
図1)が備えられる。この管理センター30の情報処理には、
ア)業務マニュアル22の作成
イ)業務マニュアル22の保存
ウ)情報端末6に業務マニュアル22の閲覧アプリの提供
エ)業務マニュアル22の閲覧許可
オ)業務マニュアル22の分析、その課題の抽出
カ)業務マニュアル22に関連する情報の提供などのオプションサービス
キ)閲覧用ID(IDentification)の発行
ク)業務マニュアルの作成
などが含まれる。
情報端末6の情報処理には管理センター30側の処理部10(
図1)と連係して業務マニュアルの作成およびその支援などが含まれる。
閲覧用IDはユーザーである管理者34または従業者36のいずれかであるかの識別に用いられる。
【0028】
<業務マニュアル22の作成または閲覧>
図4は、業務マニュアルの作成および閲覧の工程を示している。業務マニュアル22の作成には、業務マニュアルサンプル20からの選択工程(S201)、情報端末6からサーバー装置4へ業務情報24の提供工程(S202)、業務マニュアル22の作成および保存工程(S203)、業務マニュアル22の閲覧工程(S204)が含まれる。
業務マニュアルサンプル20からの選択工程(S201)では、サーバー装置4側で用意された多様な業務マニュアルサンプル20から所望の業務マニュアルサンプル20xを選択すればよい。たとえば、ユーザーが希望する業務マニュアルサンプル20からたとえば、ホール業務、厨房業務、機器設定・機器メンテ、省エネなどのマニュアルサンプルを選択すればよい。
【0029】
情報端末6からサーバー装置4へ業務情報24の提供工程(S202)ではサーバー装置4のアプリの指示に従い、業務マニュアルサンプル20xの選択を契機に動画・写真の撮影、説明の音声入力を行えばよい。動画・写真の撮影は、情報端末6の静止画撮影機能や動画撮影機能を利用し、調理の盛り付け方法や接客方法などのマナー情報を情報端末6からサーバー装置4へ提供する。
業務マニュアル22の作成および保存工程(S203)では、ユーザーが選択した業務マニュアルサンプル20xにユーザーから提供された業務情報24を嵌め込むなどの編集処理が行われ、これにより、業務マニュアル22xが作成される。この業務マニュアル22xは業務マニュアルDB16にユーザーと関係付けられ、つまり、ユーザーIDと関係付けられて格納される。ユーザーIDがなければ、閲覧することができない状態で、業務マニュアル22xが業務マニュアルDB16に保存される。
【0030】
業務マニュアル22の閲覧工程(S204)では、管理者34または従業者36が管理者34または従業者36のユーザーに属する業務マニュアル22xを閲覧することができる。自己の持つユーザーIDを以て情報端末6からサーバー装置4にアクセスが行われると、サーバー装置4は業務マニュアルDB16から管理者34または従業者36が選択する業務マニュアル22xを抽出し、情報端末6に提供する。
管理者34または従業者36は情報端末6を用いていつでも業務マニュアル22を閲覧できるが、閲覧時の操作方法は、画面上の接触入力の他、音声やジェスチャーなどの非接触入力のいずれでもよい。非接触入力は、調理者などの衛生管理に有益である。
【0031】
<オプションサービス>
既述のオプションサービスには業務マニュアル22に含まれる情報としてたとえば、
カ−1)従業者のシフト作成やその提供
カ−2)食材の発注などの支援情報の提供
カ−3)ユーザーに属する保存情報、業務マニュアル22の分析
カ−4)食材などの在庫管理
カ−5)食材の管理または出荷の予測やオペレーション指示
カ−6)エネルギー管理
が含まれる。
これらオプションサービスにおいて、カ−1)やカ−2)では、入力情報をFaxデータに変換した後、サーバー装置4に送信するなどの送信形態をとればよい。カ−4)では、発注支援のデータとキーボードなどの人的操作入力による管理が含まれる。
【0032】
<管理システム2のハードウェア>
図5は、実施例1に係る管理システム2のハードウェアの一例を示している。サーバー装置4にはサーバーコンピュータ40および記憶装置42が備えられる。
サーバーコンピュータ40は記憶装置42にあるプログラムを実行し、たとえば、インターネット8により情報端末6−1、6−2、6−3・・・6−Nと接続される通信機能を備える。情報端末6−1、6−2、6−3・・・6−Nは、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなど、サーバーコンピュータ40と通信機能や情報処理機能を持つコンピュータであればよい。
【0033】
<サーバーコンピュータ40および記憶装置42の一例>
サーバーコンピュータ40にはたとえば、
図6のAに示すように、プロセッサ44、記憶部46、入出力部48、通信部50などの機能部が備えられる。プロセッサ44は、記憶部46にあるOS(Operating System)や業務マニュアル管理プログラムなど、各種のプログラムを実行する。記憶部46は、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory )などの記憶素子が備えられる。ROMにはOSや業務マニュアル管理プログラムなどの各種のプログラムが格納される。RAMは、業務マニュアル管理プログラムを実行するワークエリアを構成する。入出力部48には図示しないディスプレィなどの情報提示装置、キーボード、タッチパネルなどの情報入力機器が接続される。
【0034】
通信部50は、無線通信機能、有線通信機能の双方を備え、インターネット8を介して情報端末6との無線接続、 Bluetoothなどの近距離の無線通信機能を備える。
記憶装置42はハードディスク装置など、サーバーコンピュータ40の外部記憶手段であり、主としてマニュアルサンプルDB14、業務マニュアルDB16、業務情報DB18など、各種のDBが格納される。この記憶装置42は、サーバーコンピュータ40の内部に設置されてもよい。
【0035】
<情報端末6の一例>
情報端末6にはたとえば、
図6のBに示すように、プロセッサ52、記憶部54、表示部56、タッチパネル部58および通信部60が備えられる。
プロセッサ52は、記憶部54にあるOSや業務マニュアル管理プログラムなどの各種のプログラムを実行し、サーバー装置4側のプロセッサ44と連繋し、業務マニュアルサンプル20xの選択、業務情報24の提供、業務マニュアル22の閲覧などの情報処理を行う。記憶部54はプロセッサ52の制御により、データの書込みおよび読出しが可能な記憶手段で構成される。この記憶部54にはROM、RAM、EEPROMなどの記憶素子を備えればよい。
【0036】
表示部56は情報提示手段の一例である。この表示部56にはたとえば、LCD(Liquid Crystal Display)が用いられ、サーバー装置4からの指示情報や業務マニュアルなどの出力情報、サーバー装置4に提供する業務情報などの入力情報などの情報が表示される。
タッチパネル部58は入力手段の一例であり、表示部56のたとえば、画面上に設置され、表示部56の表示情報に対する応答情報をタッチにより入力することが可能である。たとえば、情報端末6−1、6−2(
図5)のようにキーボードや、図示しないマウスなどの入力機器を含むユーザーインターフェイスを備えてもよく、このユーザーインターフェイスを用いて情報の入力操作や出力操作を行ってもよい。
通信部60には、公衆回線網との通信機能や、Bluetooth などの通信機能など、各種の通信機能を備える。公衆回線網を利用すれば、情報端末6とサーバー装置4との通信接続が容易に行える。
【0037】
<マニュアルサンプルDB14>
図7は、マニュアルサンプルDB14の一例を示している。このマニュアルサンプルDB14には
図7に示すように、複数の業務マニュアルサンプル20−1、20−2・・・・20−Nが含まれる。業務マニュアルサンプル20−1、20−2・・・・20−Nは、店舗が属する業種、扱う商品、規模などによりカテゴリーに分け、グループ化されてよい。
業務マニュアルサンプル20−1には一例として、ホール業務マニュアルサンプル2011、厨房業務マニュアルサンプル2012、機器設定・機器メンテナンスマニュアルサンプル2013、省エネルギー化・エコロジー対策マニュアルサンプル2014、管理マニュアルサンプル2015が含まれる。管理マニュアルサンプル2015には複数の管理マニュアルサンプル1、管理マニュアルサンプル2・・・管理マニュアルサンプルnが含まれる。
【0038】
<業務情報DB18>
図8は、業務情報DB18の一例を示している。この業務情報DB18には項目62、マニュアル・カテゴリー64および設定情報66が含まれる。項目62には、ユーザー、ホール業務、厨房業務、機器設定・機器メンテナンス、省エネルギー化を含むエコロジー対策、業務管理、トラブル対策、ヘルプ情報などが含まれる。
マニュアル・カテゴリー64には、ユーザーに対してユーザーマニュアル、ホール業務に対してホール業務マニュアル、厨房業務に対して厨房業務マニュアル、機器設定・機器メンテナンスに対して機器設定・機器メンテマニュアル、省エネルギー化を含むエコロジー対策に対して省エネ・エコ対策マニュアル、業務管理に対して業務管理マニュアル、トラブル対策に対してトラブル対策マニュアル、ヘルプ情報に対してヘルプマニュアルが分類されている。
【0039】
ユーザーマニュアルには識別情報の他、ユーザーに属する顧客情報やその趣向などの情報が格納される。
ホール業務マニュアルには、環境、接客・案内、会計などが格納され、環境には設定情報66として店内照明、空調、清掃が含まれる。接客・案内には設定情報66として応対、配膳の形態、その手順、食器の片付けなどが含まれる。このホール業務マニュアルには、設定情報66として解決手法、連絡先などを含んでよい。
【0040】
厨房業務マニュアルには、照明、空調、清掃、調理の手順、調理の盛り付け、食器の管理、洗い場の管理などが含まれる。この厨房業務マニュアルにはたとえば、後述の調理の盛り付けマニュアル(
図14)が含まれる。
機器設定・機器メンテマニュアルには、調理機器、空調機器、照明機器、会計機器、管理機器などが含まれる。
省エネ・エコ対策マニュアルにはガス使用量、電気使用量、水道使用量などが含まれる。
業務管理について、マニュアル・カテゴリー64には来店者およびその分布、調理品メニュー、オーダー、売上およびコスト、食材の仕入れおよび在庫、廃棄物、人材および勤務状況などが含まれる。
トラブル対策について、マニュアル・カテゴリー64には事象など、設定情報66には解決手法、連絡先などが含まれる。
ヘルプ情報について、マニュアル・カテゴリー64にはヘルプマニュアルの使用方法やその改定履歴などが含まれる。
【0041】
<業務マニュアルDB16>
図9は、業務マニュアルDB16の一例を示している。この業務マニュアルDB16には
図9に示すように、複数の業務マニュアル22−1、22−2・・・・22−Nが含まれる。業務マニュアル22−1、22−2・・・・22−Nは、業務マニュアルサンプル20−1、20−2・・・・20−Nと同様に、店舗が属する業種、扱う商品、規模などによりカテゴリーに分け、グループ化されてよい。
業務マニュアル22−1には業務マニュアルサンプル20−1と同様に、ホール業務マニュアル2211、厨房業務マニュアル2212、機器設定・機器メンテナンスマニュアル2213、省エネルギー化・エコロジー対策マニュアル2214、管理マニュアル2215が含まれる。管理マニュアル2215にはマニュアルサンプルDB14に対応する複数の管理マニュアル1、管理マニュアル2・・・管理マニュアルnが含まれる。
【0042】
この例では、業務マニュアルDB16とマニュアルサンプルDB14とを共通化して明示している。ユーザーがマニュアルサンプルDB14にあるマニュアルサンプルの一部を用いて業務マニュアルDB16を作成してよい。この場合、ユーザー属性などが反映されるので、業務マニュアルDB16はユーザーごとにマニュアルサンプルDB14と異なる形態となる。
【0043】
<実施例1の効果>
この実施例1によれば、次の効果が得られる。
(1) この実施例1によれば、飲食店などの店舗側にあるスマートフォンやタブレットなどの情報端末6を用いて、サーバー装置4側に用意された業務マニュアルサンプル20からユーザー側の業務情報24を反映させた業務マニュアル22を容易かつ迅速に作成できる。管理者34または従業者36は、自己の情報端末6を用いてユーザーIDに関係付けられた業務マニュアルを閲覧でき、その編集を行うことができる。
(2) ユーザーIDを用いるので、他店に情報の漏洩を防止できる。
(3) 業務マニュアルの閲覧は、業務遂行時のみならず、休憩時にも利用でき、調理時には調理中の調理の方法を確認できるし、トラブル時には必要なマニュアルを閲覧してトラブルを容易に解決でき、業務の信頼性を高めることができる。
【0044】
(4) サーバー装置4には複数の業務マニュアルサンプル20が登録されているので、必要に応じて業務マニュアル22を作成、保存し、閲覧することができる。
(5) サーバー装置4は業務マニュアル22の作成および閲覧のアプリケーションプログラムを提供するので、情報端末6側の処理は極めて簡単であり、小規模な店舗から大規模な店舗に至るまで、幅広く活用することができる。
(6) 飲食店などの厨房で不可欠なホール業務、厨房業務、機器設定・メンテナンス、省エネルギー化などの多様な業務マニュアルサンプル20がサーバー装置4に用意されているので、サーバー装置4に無線または有線で接続した情報端末6から所望のサンプルを抽出し、その店舗に適合した業務マニュアル22を容易かつ迅速に作成でき、その店舗に属する管理者34や従業者36が容易に閲覧し、業務に利用することができる。
【0045】
(7) 情報端末6がサーバー装置4からプログラム動作によって指示を受け、必要な業務情報としてたとえば、調理や調理方法、配膳や配膳方法などを撮影した動画または静止画など写真や音声入力を提供して登録し、これを業務マニュアル22に反映することができる。この業務マニュアル22を閲覧すれば、その閲覧者は、管理者34から生の声でアドバイスを受けるのと同様の臨場感を持って業務手法を学ぶことができ、画一的な且つ統一のとれた業務遂行に寄与することができる。
(8) 調理の盛り付け方法や接客方法では、動画を多用して店舗が必要とする技能の習得を容易に行うことができる。盛り付け方法や接客方法の従業者36の個性を排し、均一な盛りつけや接客を実現できる。
【0046】
(9) 従業者36には新人の従業員のほか不慣れなアルバイトも業務マニュアル22を自己の情報端末6を以て閲覧可能であり、休憩中にも業務習得を図ることができる。
(10) 調理者は情報端末6の情報処理における音声やジェスチャーによる操作を以て、情報端末6に触れることなく、調理や盛り付けに必要な情報を容易に確認できる。
【実施例2】
【0047】
<調理の盛り付けマニュアルの作成>
既述の厨房業務マニュアルにはたとえば、調理品および盛り付け方法を示す盛り付けマニュアルが含まれる。
<調理品>
図10のAは、調理品の一例であるビーフステーキを示している。このビーフステーキ68では、ステーキ皿70に木製プレート72とともに鉄板74が備えられる。鉄板74には中央部にステーキ肉76が配置され、このステーキ肉76の上縁側に付け合わせA、B、Cとしてジャガイモ78、インゲン79および人参80が配置されている。この例では、ジャガイモ78、インゲン79および人参80に対して、これらの一部を覆うようにステーキ肉76が重ねられている。
【0048】
<盛り付けマニュアルサンプル82>
図10のBは、調理品:ビーフステーキに係る盛り付けマニュアルサンプル82の一例を示している。この盛り付けマニュアルサンプル82では、タイトル欄84−1、調理品名欄86−1、盛り付け順欄88−1、備考欄90−1、調理品イメージ表示欄92−1、部材名表示欄94−1および部材イメージ表示欄96−1などが備えられる。各欄84−1〜96−1にはユーザーが提供する任意の情報を記入することができるが、調理品イメージ表示欄92−1および部材イメージ表示欄96−1には画像を提供することが求められる。
タイトル欄84−1にはサンプルを特定する名称「盛り付けマニュアルサンプル」が明示されている。これにより、ユーザーはタイトル欄84−1から「盛り付けマニュアルサンプル」を認識できる。
調理品名欄86−1には調理品がたとえば、ビーフステーキであれば、「ビーフステーキ」と明示される。
【0049】
調理品イメージ表示欄92−1には、調理品のイメージが表示される。部材名表示欄94−1にはビーフステーキ68に必要な部材名として、木製プレート、鉄板、ステーキ肉、付け合わせA、B・・・Nが明示され、部材イメージ表示欄96−1には各部材のイメージが表示される。この表示によって、マニュアル作成の際、部材名のイメージ表示から必要な構成品を容易に認識することができる。
盛り付け順欄88−1には、調理品名欄86−1に対応して盛り付けの順番を表す「盛り付け順」が明示され、調理品イメージ表示欄92−1にあるビーフステーキに対し、「完成品」と明示され、各部材については盛り付け順を表す番号が付されている。
備考欄90−1には、調理品や各部材についての留意事項などが明示され、このビーフステーキでは、ステーキ肉について、顧客が要望する焼き加減を確認することが明示される。この場合、焼き加減としてレア、ミディアムレア、ミディアム、ウェルダンなどの具体的な段階を明示し、マニュアルユーザーに対する啓蒙情報を提供することは有益である。
【0050】
<業務情報の提供>
【0051】
ユーザーが業務マニュアルサンプル20−1の厨房業務マニュアルサンプル2012(
図7)から盛り付けマニュアルサンプル82を選択すると、ユーザーが操作している情報端末6に対し、サーバー装置4から業務情報の提供が求められる。
この例では、
図10のBに示すように、盛り付けマニュアルサンプル82中の破線で示す調理品イメージ表示欄92−1および部材イメージ表示欄96−1に表示すべき画像の提供が必要である。
図11は、情報端末6を用いた業務情報の取得ないしイメージ表示の生成工程を示している。画像の提供には、
図11に示すように、ユーザーが提供する調理品の一例であるビーフステーキ68やその部材を情報端末6の撮像機能を利用して撮像し、その画像情報をサーバー装置4に提供すればよい。この画像情報には静止画のほか動画を用いてもよい。
【0052】
図12のAは、顧客に提供する調理品(完成品)であるビーフステーキ68の写真画像98を示している。
図12のBは、ステーキ皿70の一部である木製プレート72の写真画像100を示している。
図12のCは、ステーキ皿70の一部である鉄板74の写真画像102を示している。
図13のAは、ステーキ肉76の写真画像104を示している。
図13のBは、ジャガイモ78の写真画像106を示している。
図13のCは、インゲン79の写真画像108を示している。
図13のDは、人参80の写真画像110を示している。
これら写真画像98〜110は、情報端末6からサーバー装置4に編集情報として提供される。
【0053】
<盛り付けマニュアル112>
図14は、調理品:ビーフステーキに係る盛り付けマニュアル112の一例を示している。この盛り付けマニュアル112は、サーバー装置4によって実行される編集機能により、盛り付けマニュアルサンプル82(
図10のB)と業務情報(
図12のA〜Cおよび
図13のA〜D)を用いて編集される。
【0054】
盛り付けマニュアル112には盛り付けマニュアルサンプル82と同様にタイトル欄84−2、調理品名欄86−2、盛り付け順欄88−2、備考欄90−2、調理品イメージ表示欄92−2、部材名表示欄94−2および部材イメージ表示欄96−2などが備えられる。タイトル欄84−2には、盛り付けマニュアルサンプル82と異なり、確定したマニュアルであることを表す「盛り付けマニュアル」と明示されている。各欄84−2〜96−2にある各情報の変更は原則的に禁止し、管理者34のアクセス権限が必要である。
この盛り付けマニュアル112(
図14)の参照により、従業者36は顧客からビーフステーキ68のオーダーを受けた際、必要とするビーフステーキ68の形態、必要とする部材、盛り付け手順などを容易に確認することができる。
なお、ステーキ肉76(ビーフステーキ68)の焼き加減について、その状況を画像で示すことも可能であり、調理者は焼き具合の程度を色調などから確認できるように設定してもよい。
【0055】
<業務マニュアルサンプル20から業務マニュアル22の生成・提示の処理手順>
図15は、情報端末6側の処理手順の一例を示している。この処理手順は、既述のビーフステーキ68の盛り付けマニュアル112の生成過程を示している。
この処理手順の便益を受ける対象者は管理センター30に登録されているユーザーに限定される。つまり、ユーザーは特定のユーザーに属する管理者34または従業者36であり、ユーザーIDの発行を受けることが必要である。
情報端末6の起動の後、情報端末6は管理センター30のサーバー装置4に接続することが前提条件であり、サーバー装置4に管理システム2の起動を要請する。この要請を受けたサーバー装置4は、管理システム2の起動により、情報端末6に対し業務マニュアルサンプル20の提示を行う。
【0056】
情報端末6は、この業務マニュアルサンプル20から業務マニュアルサンプルの選択を行う(S301)。この例では、ユーザーが求めるビーフステーキ68の業務マニュアルの作成であるから、業務マニュアルサンプル20からビーフステーキ68の盛り付けマニュアルサンプル82を選択する。
この盛り付けマニュアルサンプル82の選択を契機にサーバー装置4からの指示に従い、情報端末6から業務情報の提供を行う(S302)。この業務情報はたとえば、既述の写真画像98〜110をサーバー装置4に提供する。この場合、説明などの文字情報を含んでもよい。
【0057】
情報端末6には、サーバー装置4から編集結果として業務マニュアル22xとして盛り付けマニュアル112が提示される(S303)。この業務マニュアル22xの提示に対し、情報端末6からその業務マニュアル22xを了承すれば(S304)、サーバー装置4側の業務マニュアルを確定させることができる(S305)。
サーバー装置4に対し、情報端末6からユーザーIDを入力し、業務マニュアル22xの閲覧要求を出力すれば(S306)、ユーザーIDの認証を経て閲覧要求に係る業務マニュアル22xを情報端末6の表示画面に表示させることができる。
管理者34または従業者36は、この業務マニュアル例であるビーフステーキ68の盛り付けマニュアル112を参照することにより、均一な調理品を提供できる。
【0058】
<サーバー装置4側の処理手順>
図16は、サーバー装置4側の処理手順の一例を示している。この処理手順は、既述のビーフステーキ68の盛り付けマニュアル112の生成過程を示している。
情報端末6から管理システム2の起動要請を受けたサーバー装置4は、管理システム2の起動により、情報端末6に対し業務マニュアルサンプル20を提示する(S401)。 情報端末6の指示により、サーバー装置4は業務マニュアルサンプル20から業務マニュアルサンプル20xを選択する(S402)。この例では、ユーザーが求めるビーフステーキ68の業務マニュアルの作成であるから、業務マニュアルサンプル20からビーフステーキ68の盛り付けマニュアルサンプル82が選択される。
【0059】
この盛り付けマニュアルサンプル82の選択を契機にサーバー装置4から情報端末6に対し、ユーザーの業務情報を要求する(S403)。この業務情報としてたとえば、既述の写真画像98〜110が情報端末6からサーバー装置4に提供される。サーバー装置4は受領した業務情報をユーザーIDに関係付けて業務情報DB18に格納し、保存する。
サーバー装置4は業務情報を受領し(S404)、ユーザーが選択している盛り付けマニュアルサンプル82を編集し、業務マニュアル22xとして盛り付けマニュアル112を作成する(S405)。サーバー装置4は、情報端末6に対し、作成途上または作成結果である業務マニュアル22xを提示し(S406)、情報端末6に対し、サーバー装置4からその了承を求める。その結果、サーバー装置4は情報端末6から業務マニュアルの了承を受領すれば(S407)、その業務マニュアルを業務マニュアルDB16に格納する(S408)。
【0060】
情報端末6からユーザーIDが入力され、サーバー装置4が業務マニュアル22xの閲覧要求を受けると、サーバー装置4はユーザーIDの認証を経て閲覧要求に係る業務マニュアルを情報端末6の表示画面に表示する(S409)。
【0061】
<実施例2の効果>
実施例2によれば、次の効果が得られる。
(1) 特定の店舗で提供される実際の調理を業務マニュアル22に反映でき、従業者36はそのマニュアルと同一の調理を顧客に提供することができる。
(2) 一例としてビーフステーキを例示しているが、同様に厨房業務やホール業務などの業務マニュアル22を作成すれば、必要な業務を選択し、閲覧することができる。厨房業務やホール業務など、作業者の動作を伴う場合には静止画に限定することなく、その動作を表す動画を反映させることにより、その業務内容を詳細に提示、閲覧させることができる。
【実施例3】
【0062】
図17は、実施例3に係る業務マニュアルサンプル20から業務マニュアル22の生成・提示にアクセス権限を付与した場合の処理手順を示している。
この処理手順では、情報端末6とサーバー装置4の接続を契機とし(S501)、サーバー装置4からユーザーIDを情報端末6に要求し(S502)、情報端末6側のアクセス権限の確認を行う(S503)。
基本的にユーザーIDがあれば、管理者34および従業者36は業務マニュアル22の閲覧が可能であるので、業務マニュアルの閲覧要求かを確認する(S504)。業務マニュアルの閲覧要求であれば(S504のYES)、その閲覧要求に応じた業務マニュアル22の提示を行う(S505)。
【0063】
業務マニュアル22の閲覧要求でなければ(S504のNO)、S505をスキップし、業務マニュアルの変更かを確認する(S506)。業務マニュアル22の変更でなければ(S506のNO)、S505に戻り、業務マニュアル22の提示を行う。
業務マニュアル22の変更であれば(S506のYES)、アクセス権限が付与された管理者34であるかを確認する(S507)。この確認処理は、ユーザーIDから自動的に確認すればよく、閲覧者に対してダイヤログによる要求事項を提示する必要はない。
管理者34であれば(S507のYES)、アクセス許可を出力し(S508)、業務マニュアルの編集処理に移行し(S509)、編集処理の後、この処理を終了する。これに対し、S507において、管理者34でなければ(S507のNO)、アクセス不可を発し(S510)、編集処理に移行することなくこの処理を終了し、業務マニュアルの改ざんを防止する。
【0064】
<実施例3の効果>
実施例3によれば、次の効果が得られる。
(1) 業務マニュアル22の変更に一定の権限を付与することができ、業務マニュアル22に開示された情報を保全でき、業務の安定化を図ることできる。
(2) 従業者36を管理する管理マニュアルの変更や閲覧に一定の権限を付与することで、店舗内の秩序を維持することができる。
【0065】
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態において、管理センター30におけるサーバー装置4にマニュアルの分析やマニュアルの課題の抽出などを行う機能を持たせ、業務マニュアル22のサンプル作成や分析支援などを行ってもよい。この場合、既述のオプションサービスには、
a シフト作成、提供
b 発注支援:入力内容をFAXデータに変換し送信
c 保存された業務マニュアルの分析
d 在庫管理:発注支援のデータ+手入力による管理
e ICタグを用いた食材管理・出荷予測・オペレーション指示
f エネルギー管理
などの機能を追加し、店舗業務の総合的なマニュアルを構築してもよい。
(2) 上記実施の形態や実施例では店舗内の業務マニュアルサンプル20や業務マニュアル22を明示したが、本発明は調理の教育実習などの教育実習マニュアルに利用してもよい。
(3) 上記実施の形態に示した業務マニュアルでは各種の業務情報を用いることができる。この業務情報には、ユーザーの業務を表す動画または静止画を含む画像情報、業務を説明するドキュメント情報、顧客の応対を含む応対情報、業務に用いる機器の操作情報、メンテナンス情報または設定情報、業務における省エネルギー化を含む省エネルギー化情報、食材の在庫管理または発注支援を含む管理情報の何れかまたは2以上を含んでよい。
【0066】
以上説明したように本発明の業務マニュアル管理のシステム、プログラム、装置および方法の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。