(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】
図1の上のパネルAは、DOTA−MC1RL
225Ac−DOTA−MC1RLの合成スキームを示している。下のパネルBは、
225Ac−DOTA−MC1RLの放射化学合成スキームを示している。
【
図1B】
図1の上のパネルAは、DOTA−MC1RL
225Ac−DOTA−MC1RLの合成スキームを示している。下のパネルBは、
225Ac−DOTA−MC1RLの放射化学合成スキームを示している。
【
図2】
図2は、
139La−および
69Ga−DOTA−MC1RLペプチドの代表的な競合的結合アッセイからのグラフである。それぞれ、0.24、0.34および0.23nM K
iとして定量された、非標識DOTA−MC1RL、
67/69Ga−DOTA−MC1RLおよび
139La−DOTA−MC1RLの結合親和力。
【
図3】
図3は、MC1R特異的プローブのインビボでの標的化からのデータを含有している。左のマウス:異種移植片腫瘍を有するマウスに重ね合わせた、正規化した蛍光強度マップの代表的な画像。対照画像(左のマウス)により、3nmol/kgのMC1RL−800プローブを静脈内注射した4時間後に、右脇腹の腫瘍に比べて、左脇腹の腫瘍における蛍光シグナルがより低いことが示されている。ブロッキング実験(右側のマウス)は、0.25μgの非標識NDP−α−MSHと3nmol/kgのMC1RL−800プローブとを共注射(coinjection)することにより行った。一番右側のグラフのはめ込み図は、低発現腫瘍および高発現腫瘍のうちで、ならびにブロッキング実験と比較した対照実験における腫瘍のうちで、有意に変わる蛍光計数を正規化した。右側のマウス:FMT2500LXによる定量的蛍光断層撮影法インビボイメージングシステム(PerkinElmer)を使用する、3nmol/kgのMC1RL−800メージングプローブを注射した4時間後におけるB16F10異種移植片腫瘍を有するマウスの代表的な断層撮影画像。
【
図4】
図4は、本明細書において開示されている化合物の調製の概略図である。
【
図5】
図5は、本明細書において開示されている化合物の調製の概略図である。
【
図6】
図6は、
225Ac−DOTA−MC1RL放射線治療剤のMTD研究からのグラフを含んでいる。グラフAは、平均体重増加%を、グラフBは、血中尿素窒素(BUN)レベルを、グラフCは、血中クレアチニンレベルを、一定の範囲のMC1RL−DOTA−
225Ac放射活性により処置された動物の群により示している。
【
図7】
図7は、ブドウ膜細胞および皮膚細胞に播種された96ウェルプレート全体にMC1RL−DOTA−
225AcおよびPBS(対照)を一定範囲のMC1R発現値で加えたものに由来するグラフである。この作用物質と一緒に5分間にわたってインキュベートした後、このプレートを3回洗浄し、培地を添加した後、48時間インキュベートした。この後、MTTアッセイを行った。
【
図8】
図8は、腫瘍を有さないBALB/cマウスにおける、BDデータ、ならびに推定される用量およびクリアランス動態パラメータを指数関数線にあてはめたグラフである。マウスには、2.3〜3.1μCiのMC1RL−DOTA−
225Acを投与した。24、48および96時間において、BDおよび線量測定情報のために、6匹の動物の群を安楽死させて、臓器を取り出して秤量し、ガンマ線を計数してガンマスペクトルを生成した。
【
図9】
図9は、腫瘍を有するSCIDマウスにおけるBD研究からのグラフである。マウスは、右脇腹にA375/MC1R(表面に75,000MC1R)細胞を注射し、左脇腹に親A375細胞(表面に400MC1R)を注射した。マウスには、2〜3.7μCiのMC1RL−DOTA−
225Acを投与した。活性の投与後24時間、96時間、144時間および288時間において、BDおよび線量測定情報のために、5匹の動物の群を安楽死させて、臓器を取り出して秤量し、ガンマ線を計数してガンマスペクトルを生成した。
【
図10】
図10の上のパネルAは、1.9〜3.3μCiのMC1RL−DOTA−
225Ac、1.8〜2.7μCiのスクランブル化ペプチドDOTA−
225Ac、過剰の非放射性作用物質(MC1RL−DOTA−
139La)、および食塩水(saline)を、A375/MC1R腫瘍の注射を有するSCIDマウスに注射した(群あたりn=10、腫瘍の体積:57〜266mm
3)場合に由来するデータを示している。マウスが健康かどうかを毎日観察し、1週あたり2回秤量し、そしてカリパスにより腫瘍体積を測定した。腫瘍が2000mm
3(実験のエンドポイント)に到達すると、動物を安楽死させた。2000mm
3になるよりも前の安楽死は、臨床的エンドポイントによるもの、すなわち、主として腫瘍潰瘍化によるものであった。下のパネルBは、投与後22日目における、対照マウスおよび作用物質により処置されたマウスの代表的な画像である。
【
図11】
図11は、本明細書において開示されている化合物の調製の概略図である。
【
図12】
図12は、本明細書において開示されている化合物の調製の概略図である。
【
図13】
図13は、本明細書において開示されている化合物の調製の概略図である。
【
図14】
図14は、放射性−TLCおよびチェレンコフ発光イメージング(CLI)およびガンマ−カウンターによる、放射化学的純度からの結果を示している。純度は、99.8%超である。
【
図15】
図15は、放射性−HPLCによって、本明細書において開示されている化合物の放射化学収率および純度を示す一対のグラフである。
【
図16】
図16は、ガンマスペクトルを使用し、投与量を算出して、放射線線量測定(radiodosimetry)を決定することを示している。
225Acの崩壊生成物が、上のパネルに示されている。下のパネルは、組織試験片における
225Acのガンマスペクトルおよびその崩壊生成物を示している。データは、BioDex Atom Lab 500 Wipe Test Counterにより生成した。
【
図17】
図17の上のパネルは、アミノヘキサン酸(Ahx)を介して、DOTA:
152Euに連結したMC1RLを示している。結合配列は、1−フェニル酪酸−His(D)Phe−Arg−Trp−Gly−Lys(Ahx−DOTA)−CONH
2である。Euは、ランタニドをベースとする結合アッセイを行うために、コンジュゲートされているDOTAにキレートされているが、
225Ac、
68Gaまたは
111Inもキレートされ得る。真ん中のパネルは、全結合および非特異的な飽和結合を示している。20×MC1Rl−DOTAをブロッキングに使用した。下のパネルは特異的結合を示しており、この結合は、全結合から非特異的結合を減算した結果である。データは、2回の反復の結果である。K
d=0.88nM;R
2=0.42。
【
図18】
図18の上のパネルは、DOTA:
152Euに連結されているMC1RLを示している。結合配列は、1−フェニル酪酸−His(D)Phe−Arg−Trp−Gly−Lys(DOTA)−CONH
2である。Euは、ランタニドをベースとする結合アッセイを行うために、コンジュゲートされているDOTAにキレートされているが、
225Ac、
68Gaまたは
111Inもキレートされ得る。真ん中のパネルは、全結合および非特異的な飽和結合を示している。20×MC1Rl−DOTAをブロッキングに使用した。下のパネルは特異的結合を示しており、この結合は、全結合から非特異的結合を減算した結果である。データは、2回の反復の結果である。K
d=0.69nM;R
2=0.72。
【
図19】
図19の上のパネルは、D−ジ−Gluを介して、DOTA:
152Euに連結されているMC1RLを示している。結合配列は、1−フェニル酪酸−His(D)Phe−Arg−Trp−Gly−Lys(D−ジ−Glu−DOTA)−CONH
2である。Euは、ランタニドをベースとする結合アッセイを行うために、コンジュゲートされているDOTAにキレートされているが、
225Ac、
68Gaまたは
111Inもキレートされ得る。真ん中のパネルは、全結合および非特異的な飽和結合を示している。20×MC1Rl−DOTAをブロッキングに使用した。下のパネルは特異的結合を示しており、この結合は、全結合から非特異的結合を減算した結果である。データは、2回の反復の結果である。K
d=0.19nM;R
2=0.78。
【
図20】
図20の上のパネルは、Ahxを介して、DOTAに連結されているスクランブル化MC1RLを示している。結合配列は、1−フェニル酪酸−His(D)Phe−Arg−Trp−Gly−Lys(Ahx−DOTA)−CONH
2である。Euは、ランタニドをベースとする結合アッセイを行うために、コンジュゲートされているDOTAにキレートされているが、
225Ac、
68Gaまたは
111Inもキレートされ得る。真ん中のパネルは、全結合および非特異的な飽和結合を示している。20×MC1Rl−DOTAをブロッキングに使用した。下のパネルは特異的結合を示しており、この結合は、全結合から非特異的結合を減算した結果である。データは、2回の反復の結果である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
本明細書に記載されている材料、化合物、組成物および方法は、開示されている主題の具体的な態様の以下の詳細な説明およびその中に含まれている実施例を参照することにより、一層容易に理解することができる。
【0014】
本材料、化合物、組成物および方法を開示および記載する前に、以下に記載されている態様が具体的な合成方法または具体的な試薬に限定されず、したがって、当然ながら、変化し得ることを理解すべきである。本明細書において使用される用語は、特定の態様を記載するためだけのものであり、限定することを意図するものではないこともやはり理解すべきである。
【0015】
また、本明細書を通じて、様々な刊行物が参照される。開示されている主題が関係する技術水準を一層完全に記載するために、これらの刊行物の開示の全体が、本出願への参照により本明細書に援用されている。開示されている参照文献はまた、該参照文献に依拠している文章において議論されている、それらの参照文献中に含まれている材料に関して、本明細書における参照により個々にかつ具体的に援用されている。
【0016】
本明細書において、および後続する特許請求の範囲において、以下の意味を有するものと定義されることになる、いくつかの用語が参照される。
【0017】
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたり、語「含む(comprise)」、ならびに「含んでいる(comprising)」および「含む(comprises)」などの、上記の語の他の形態は、あるものを含むがそれに限定されないことを意味し、例えば、他の添加物、構成成分、整数またはステップを排除することを意図するものではない。
【0018】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明白に示さない限り、複数の参照物を含む。したがって、例えば、「組成物」との言及は、2つまたはそれ超のこのような組成物の混合物を包含し、「阻害剤」との言及は、2つまたはそれ超のこのような阻害剤の混合物を包含し、「キナーゼ」との言及は、2つまたはそれ超のこのような「キナーゼ」の混合物を包含する、などである。
【0019】
「必要に応じた」または「必要に応じて」は、続いて記載されている事象または状況が起こっても起こらなくてもよいこと、およびこの記載が、事象または状況が起こる場合およびこれらが起こらない場合を包含することを意味する。
【0020】
本開示の幅広い範囲を説明する数値範囲およびパラメータが概数である場合にかかわらず、具体例中に説明されている数値は、できる限り正確に報告されている。しかし、いかなる数値も、それぞれの試験測定値において見られる標準偏差に必然的に起因するある誤差を本質的に含有している。さらに、様々な範囲の数値範囲が本明細書において説明されている場合、引用されている値を含め、これらの値の任意の組合せが使用されてもよいことが企図される。さらに、範囲は、本明細書において、「約」1つの具体的な値から、および/または「約」別の具体的な値までとして表現することができる。このような範囲を表現する場合、別の態様には、1つの具体的な値から、および/または他の具体的な値までが含まれる。また、前に置かれる「約」を使用することにより、値を概数として表す場合、具体的な値が別の態様を形成すると理解されよう。範囲のそれぞれの両端点は、別の端点に関連して、および他の端点と独立して、どちらも有意であることがさらに理解される。特に明記されていない限り、用語「約」は、用語「約」によって修飾される具体的な値の5%以内(例えば、2%または1%以内)であることを意味する。
【0021】
「低減する(reduce)」、または「低減する(reducing)」もしくは「低減(reduction)」などの語である他の形態は、事象または特徴(例えば、腫瘍成長、転移)が少なくなることを意味する。これは通常、ある標準値または予想値に関してのことであること、言い換えると、それは相対的であるが、必ずしも、標準値または相対値を参照する必要はないことが理解される。例えば、「腫瘍成長を低下させる」とは、標準または対照と比べて腫瘍細胞の量が低下することを意味する。
【0022】
「予防する(prevent)」、または「予防すること(preventing)」もしくは「予防(prevention)」などのその語の他の形態は、特定の事象または特徴を停止させること、特定の事象もしくは特徴の発症または進行を安定化または遅延させること、あるいは特定の事象または特徴が起こる機会を最小化させることを意味する。予防は、通常、例えば、低減することよりも絶対的であるので、対照との比較を必要としない。本明細書で使用する場合、何かのものは低減され得るが予防され得ないが、低減される何かのものはまた、予防され得る。同様に、何かのものは予防され得るが低減され得ないが、予防される何かのものはまた、低減され得る。低減または予防が使用される場合、そうでないことが具体的に示されていない限り、他方の語の使用もやはり明確に開示されていることが理解される。
【0023】
本明細書で使用する場合、「処置」とは、有益なまたは所望の臨床的結果を得ることを指す。有益なまたは所望の臨床的結果は、以下のうちの1つまたはそれ超を包含するがそれらに限定されない:1つまたは複数の症状(腫瘍成長または転移など)の緩和、がんの程度の軽減、がんの安定化(すなわち、悪化しない)状態、がんの拡散(例えば、転移)の予防または遅延、がんの発生もしくは再発の予防または遅延、がんの進行の遅延または減速、がん状態の改善、および寛解(一部または全体のいずれか)のうちのいずれか1つまたは複数を含む。
【0024】
用語「患者」は、好ましくは、抗がん剤による処置、または任意の目的のための処置を必要としているヒト、より好ましくは、がん、または前がん状態もしくは病変を処置するためのこのような処置を必要としているヒトを指す。しかし、用語「患者」は、とりわけ、抗がん剤による処置または処置を必要としている、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジおよび非ヒト霊長類などの、非ヒト動物、好ましくは哺乳動物も指すことができる。
【0025】
本明細書の全体にわたり、識別用語(identifier)である「第1の」および「第2の」は、開示されている主題の様々な構成成分およびステップの区別を補助するために、単に使用されているに過ぎないことが理解される。識別用語「第1の」および「第2の」は、これらの用語によって修飾されている構成成分またはステップに対して、任意の特定の順序、量、優先度または重要度を暗示することを意図するものではない。
【0026】
本明細書で使用する場合、用語「組成物」は、指定量で指定成分を含む生成物、および指定量の指定成分の組合せから直接的にまたは間接的もたらされる任意の生成物を包含することが意図されている。
【0027】
本明細書および結びの特許請求の範囲において、組成物中の具体的な要素または構成成分の重量部を言う場合、重量部が表現されている組成物または物品における、要素または構成成分、および他の任意の要素もしくは構成成分の間の重量関係を表している。したがって、構成成分Xを2重量部、および構成成分Yを5重量部含有する混合物中では、XおよびYは、2:5の重量比で存在し、追加の構成成分が該混合物中に含有されているかどうかに関わらず、このような比で存在している。
【0028】
構成成分の重量%(wt.%)は、特に具体的に反対の記載がない限り、構成成分が含まれている製剤または組成物の総重量を基準としている。
【0029】
本明細書で使用する場合、用語「置換されている」は、有機化合物のすべての許容可能な置換基を包含することが企図されている。広い態様では、許容可能な置換基は、有機化合物の、非環式および環式、分岐状および非分岐状の炭素環式および複素環式、ならびに芳香族および非芳香族の置換基を包含する。例示的な置換基としては、例えば、以下に記載されているものが挙げられる。許容可能な置換基は、適切な有機化合物にとって1つまたは複数であってよく、かつ同一であってもまたは異なっていてもよい。本開示の目的として、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/またはヘテロ原子の価数を満足させる、本明細書に記載されている有機化合物の任意の許容可能な置換基を有することができる。本開示は、有機化合物の許容可能な置換基によって、限定されることを決して意図するものではない。また、用語「置換」または「により置換されている」は、このような置換が、置換されている原子および置換基の許容される価数に従うこと、およびこの置換により、安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離などによる変換を自発的に経ることがない化合物が得られるという暗黙の前提を包含する。
【0030】
化合物
メラニン形成細胞刺激ホルモン受容体(MCR)は、メラニン形成細胞の表面に発現する。MCRは、5つのG−タンパク質共役型受容体のファミリーである。MCRは、様々な組織タイプ:脳/毛/皮膚(MC1R)、腎臓/肺(MC5R)、副腎(MC2R)、視床下部/心臓(MC3R/MC4R)中で発現する。アイソフォーム1(MC1R)は、悪性、ブドウ膜および転移性の黒色腫の良好なバイオマーカーとして働く。MC1Rは、悪性黒色腫のうちの80%およびブドウ膜黒色腫のうちの94%において、mRNAとして発現する。MC1Rは、黒色腫転移物のうちの97%(50%においては、かなり過剰発現される)にタンパク質として発現され、MC1Rは、現在の黒色腫の標的化治療にとっての候補ではない、転移物のうちの40%において発現される。MC1Rの高い細胞表面発現は、それをイメージングと放射線治療剤の両方にとっての標的とする。
【0031】
ブドウ膜黒色腫は、現在の利用可能な治療による治療をほとんど受けてこなかったサブタイプである。メラノコルチン1受容体(MC1R)は、ブドウ膜黒色腫の94%に高度に発現するが、一般に、毒性が懸念される正常な組織中には発現しない。例えば、MC1Rは、正常な中枢神経系(CNS)中で発現するが、血液脳関門(BBB)を通過しない標的化剤が構築され得、MC1Rは、深刻な副作用なしに、一時的に枯渇され得る一部の免疫細胞中に発現する。患者の試料の免疫組織化学(IHC)により、MC1Rはまた、すべての黒色腫転移物のほぼ半分に、高度に発現することが示された。したがって、MC1Rを特異的に標的とする新規な治療剤は、後期段階およびブドウ膜黒色腫の処置において、大きな影響を及ぼす可能性を有する。大部分の標的治療が、がんの表現型を推進する経路の阻害に焦点を合わせてきたが、固形腫瘍の標的化放射線療法、すなわち「スマート爆弾」手法が近年成功を収めてきた。実際に、標的化足場としてのアルファ−メラニン形成細胞刺激ホルモン(α−MSH)を使用する、アルファ粒子放出性放射線治療剤である
212Pb
/212Bi合金は、メラノコルチンファミリーの受容体を非特異的に標的とする黒色腫のために開発された。しかし、この作用物質に関する問題は、この作用物質はMC1Rアイソフォームに特異的ではないこと、およびこの作用物質は毒性の懸念される臓器、例えば、心臓および腎臓において発現する他のファミリーメンバーも標的とすることである。
【0032】
MC1Rに特異的な標的化足場であって、イメージング造影剤が足場にコンジュゲートされており、毒性の懸念のある組織に留まることなく、インビボにおいて、MC1Rを発現する腫瘍に対する高い選択性および迅速な全身性クリアランスを実証する、標的化足場が、本明細書において開示されている。開示化合物は、ペプチドHFRWGK(配列番号1)を含むMC1Rについての標的化配列(MC1R結合配列)を含む。このペプチドは、当技術分野において公知の保護基、例えば、トリチル、Fmoc、Boc、ベンジル、アセテート、4−フェニルブチリル、Ac−ホモフェニルアラニンなどにより、N末端および/またはC末端で保護することができる。開示化合物はまた、MC1R結合配列にコンジュゲートされている放射性核種またはイメージング部分を含む。放射性核種またはイメージング部分は、リジン側鎖の使用により、標的化足場にコンジュゲートすることができる。すなわち、リジン残基中のアミノ基は、放射性核種もしくはイメージング部分に直接結合することができ、または放射性核種もしくはイメージング部分に結合しているリンカーに結合することができる。
【0033】
本明細書において使用され得るさらなる標的化配列は、本明細書において開示されている通りに保護されてもよく、または保護されなくてもよい、WGHRFK(配列番号2)である。
【0034】
1,4,7,10−テトラアザシクロ−ドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)は、MC1R特異的配列(DOTA−MC1RL)にコンジュゲートされており、アルファ線放出性放射性核種
225Acおよび非放射性代替物
139La(
225Acの代替物)および
67/69Ga(
68Ga陽電子断層撮影法での放射性核種の代替物)とキレートしており、それは、37℃において血漿中で10日後に、高い結合親和力(0.3nM K
i)、97%の放射合成収率、98%の純度、および90%超の生体安定性があることを実証した。
【0035】
転移性黒色腫の標的化処置は、コンパニオンPETイメージング作用物質(agent)の使用によって情報がもたらされ得、そしてPET剤を必要としている患者は、対応する標的治療により首尾よく処置することができる。コンパニオンの標的化されたPETイメージング作用物質によるMC1RL標的化放射線治療剤が開示されている。
【0036】
特定の態様では、式Iを有する化合物
【化1】
(式中、
P
1およびP
2は、独立して、Hもしくはアミン保護基、またはアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、ヒスチジン、メチオニン、メチオニンスルホキシド、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、フェニルグリシン、ノルロイシン、ノルバリン、アルファ−アミノ酪酸、O−メチルセリン、O−エチルセリン、S−メチルシステイン、S−エチルシステイン、S−ベンジルシステイン、NH
2−CH(CH
2CHEt
2)−COOH、アルファ−アミノヘプタン酸、NH
2−CH(CH
2−シクロヘキシル)−COOH、NH
2−CH(CH
2−シクロペンチル)−COOH、NH
2−CH(CH
2−シクロブチル)−COOH、NH
2−CH(CH
2−シクロプロピル)−COOH、5,5,5−トリフルオロロイシン、α−アミノヘキサン酸、チアプロリンおよびヘキサフルオロロイシンからなる群から選択される1つまたは複数の追加のアミノ酸であり、
Lは、長さが1〜30個の炭素原子の必要に応じた連結部分であり、
A
1は、放射性核種キレート部分である)またはそのイオン化誘導体が開示される。
【0037】
保護基の追加例は、トリチル、Fmoc、Boc、ベンジル、アセテート、4−フェニルブチリル、Ac−ホモフェニルアラニンなどである。具体例では、P
1は、4−フェニルブチリルである。他の例では、P
2はHである。
【0038】
本明細書に記載されている化合物は、放射性核種キレート部分をMC1R結合配列のリジン残基に連結するリンカー(L)を含むことができる。あるいは、リンカーは存在しなくてもよく、放射性核種キレート部分は、MC1R結合配列のリジン残基に直接結合している。用語「リンカー」とは、本明細書で使用する場合、MC1R結合配列にキレート部分を共有結合により結合させるために使用することができる1つまたは複数の多官能性分子、例えば、二官能分子または三官能性分子を指す。このリンカーは、結合点が本明細書に記載されている化合物の生物活性、例えば、抗腫瘍活性を妨げない限り、MC1R結合配列の任意の部分に結合させることができる。
【0039】
リンカーは、ヘテロ原子(例えば、O、NまたはS)などの単一原子、官能基(例えば、アミン、−C(=O)−、−CH
2−)などの原子団、またはアルキレン鎖などの複数原子団(multiple groups of atoms)であり得る。適切なリンカーとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:酸素、硫黄、炭素、窒素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、エーテル、アミン、ジアミン、アミド、アルキルアミン、チオエーテル、カルボキシレート、ポリマー、それらの誘導体または組合せ。
【0040】
リンカーは、R
14、C(O)R
14C(O)、C(O)OR
14OC(O)、C(O)R
14N、C(O)OR
14NH、NHR
14NHまたはC(O)NHR
14NHC(O)、C(S)OR
14OC(S)であり得、R
14は、O、S、C
1〜C
20アルキル、C
1〜C
20ヘテロアルキル、C
1〜C
20アルキルアミン、C
1〜C
20アルコキシル、C
1〜C
20アルカノイルオキシルまたはC
1〜C
20アルキルアミドであり、それらのいずれも、ハロゲン、アルコキシル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボニル、アシル、カルボン酸(−COOH)、−C(O)R
12、−C(O)OR
12、カルボキシレート(−COO
−)、第一級アミド(例えば、−CONH
2)、第二級アミド(例えば、−CONHR
12)、−C(O)NR
12R
13、−NR
12R
13、−NR
12S(O)
2R
13、−NR
12C(O)R
13、−S(O)
2R
12、−SR
12および−S(O)
2NR
12R
13、スルフィニル基(例えば、−SOR
12)およびスルホニル基(例えば、−SOOR
12)を含めた、1つまたは複数の置換基により必要に応じて置換され得、R
12およびR
13は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシル、アリールオキシル、シクロアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルまたはジアルキルアミノカルボニルであり得る。
【0041】
一部の実施形態では、リンカーは、NR
14R
15R
16または(CH)R
14R
15R
16であり、MC1R結合部分または検出可能部分は、R
14R
15R
16の少なくとも1つに結合しており、R
14、R
15およびR
16は、それぞれ独立して、水素、C
1〜C
20アルキル、C
1〜C
20ヘテロアルキル、C
1〜C
20アルキルアミン、C
1〜C
20アルコキシ、C
1〜C
20アルカノイルオキシ、またはC
1〜C
20アルキルアミドであり、これらのいずれも、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、=O、−S(O)
2、−SO−、−S−、−S(O)
2N−、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびジアルキルアミノカルボニルからなる群から独立して選択される1つまたは複数の置換基により必要に応じて置換され得る。例えば、リンカーは、−(C(O)R
14)
3N、−(R
14)
3N、−(S(O)
2R
14)
3N、−(C(O)R
14)
3CH、−(R
14)
3CH、または−(S(O)
2R
14)
3CHである。一部の実施形態では、C
1〜20は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の炭素を含有するアルキル基を指す。一部の実施形態では、リンカーは、−(CO−R
14)
2NH、−(R
14)
2NH、−(SO
2R
14)
2NH、−(SOR
14)
2NH、−(OR
14)
2NH、−(O−CO−R
14)
2NH、−(CO−O−R
14)
2NH、−(CO−R
14)
2CH
2、−(R
14)
2CH
2、−(SO
2R
14)
2CH
2、−(SOR
14)
2CH
2、−(O−CO−R
14)
2CH
2または−(OR
14)
2CH
2である。リンカーの適切な例は、C(O)NH(CH
2)
n−(nは1〜20である)またはC(O)(CH
2O)
n(nは1〜10である)である。
【0042】
放射性核種結合部分A
1は、放射性核種とキレートする任意の環式または非環式部分であり得る。適切な放射性核種結合部分の具体例は、キレート部分として、DOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸)であり、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、DOTP(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メチレンホスホン)酸)、DOTMA(1R,4R,7R,10R)−α’α”α’’’−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸)四ナトリウム塩((1R, 4R, 7R, 10R)-α'α''α'''-Tetramethyl-1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acid) tetrasodium salt))、TETA(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸)、DOTAM(1,4,7,10−テトラキス(カルバモイルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)、CB−TE2A(1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン−4,11−二酢酸(1,4,8,11-tetraazabicyclo[6.6.2]hexadecane-4, 11-dicetic acid))およびNOTA((1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N’,N”−三酢酸)などの他のキレート部分は、MC1R結合配列のリジン側鎖に結合することができる。
【0043】
具体例では、式IAを有する化合物
【化2】
(式中、P
1、P
2、Lは、本明細書において定義されている通りである)が開示される。
【0044】
本明細書において開示されている化合物の追加例は、
【化3】
【化4】
である。
【0045】
開示化合物のイオン化誘導体も開示される。イオン化誘導体は、プロトン化されているか、または脱プロトン化されている化合物、およびそれらの塩である。
【0046】
放射性核種にキレートしている、本明細書において開示されているいずれの化合物も開示される。放射性核種は、アルファ粒子放射体またはベータ粒子放射体であり得る。β粒子に比べて、α粒子は、二次的な損傷を最小化し、放射線耐性にそれほど感受性は高くはない。α粒子は、非常に高い線エネルギー付与を有する(周囲細胞に高いエネルギーを蓄積する)、すなわち、固形腫瘍をより効率的に細胞殺傷する(細胞殺傷のために、細胞1個あたり数千個のβ粒子が必要なのに対して細胞1個あたりわずか1〜10個のα粒子の衝突しか必要としない)。α粒子はまた、非常に短い経路(細胞径のほんの数倍)を移動し、その結果、それらは、周囲の近傍正常組織への損傷が低減される。しかし、これは、標的発現の腫瘍内不均質性に対する潜在的な解決策であり、すなわち隣接細胞は、標的発現に関わらず、殺傷され得る。例えば、本明細書において開示されている式Iの化合物または具体的な化合物は、
90Y、
177Lu、
18F、
64Cu、
67Cu、
89Zr、
124I、
123I、
152Euおよび
99mTcとキレートすることができる。具体例では、開示化合物とキレートする放射性核種は、
225Ac、
68Gaまたは
111Inである。
【0047】
式IIの化合物
【化5】
(式中、P
1およびP
2は、上で定義されている通りであり、L
1は、反応性連結部分である)も開示される。そこに結合している、さらなるOH、NH
2、SH、N
3またはアルキルを有する、上で開示されている連結部分のいずれも使用することができる。これらの化合物は、様々なキレート部分を反応させるための前駆体として使用することができる。
【0048】
方法
さらに、被験体における、がんを処置または予防する方法であって、該被験体に、有効量の本明細書において開示されている化合物または組成物を投与することを含む方法が、本明細書において提供される。本方法は、例えば、抗がん剤または抗炎症剤などの、第2の化合物または組成物を投与することをさらに含むことができる。
【0049】
さらに、本方法は、被験体に有効量の電離放射線を投与することをさらに含むことができる。
【0050】
腫瘍細胞を殺傷させる方法も、本明細書において提供される。本方法は、腫瘍細胞に、有効量の本明細書において開示されている化合物または組成物を接触させることを含む。本方法は、被験体に、第2の化合物もしくは組成物(例えば、抗がん剤または抗炎症剤)を投与すること、および/または有効量の電離放射線を投与することをさらに含むことができる。
【0051】
腫瘍の放射線療法であって、被験体に、腫瘍に電離放射線を送達する本明細書において開示されている組成物を投与することを含む方法も本明細書において提供される。
【0052】
患者において、腫瘍学的障害を処置する方法も開示されている。一実施形態では、有効量の本明細書において開示されている1つまたは複数の化合物または組成物が、腫瘍学的障害を有しており、かつその処置を必要としている患者に投与される。本開示方法は、腫瘍学的障害の処置を必要としているかまたは必要とし得る患者を特定することを必要に応じて含むことができる。患者は、腫瘍学的障害を有する、ヒト、あるいは霊長類(サル、チンパンジー、類人猿など)、イヌ、ネコ、ウシ、ブタもしくはウマ、または他の動物などの他の哺乳動物であり得る。開示化合物により具体的に処置可能な腫瘍学的障害は、MC1Rを発現するもの、黒色腫などである。さらに他の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:肛門、胆管、膀胱、骨、骨髄、腸(結腸および直腸を含む)、胸部、眼、胆嚢、腎臓、口腔、喉頭、食道、胃、睾丸、子宮頸部、頭部、頸部、卵巣、肺、中皮腫、神経内分泌(neuroendocrine)、陰茎、皮膚、脊髄、甲状腺、膣、外陰部、子宮、肝臓、筋肉、膵臓、前立腺、血液細胞(リンパ球および他の免疫系細胞を含む)および脳のがんならびに/または腫瘍。処置が企図されている具体的ながんとしては、癌腫、カポジ肉腫、黒色腫、中皮腫、軟組織肉腫、膵臓がん、肺がん、白血病(急性リンパ芽球性、急性骨髄性、慢性リンパ球性、慢性骨髄性および他のもの)およびリンパ腫(ホジキンおよび非ホジキン)および多発性骨髄腫が挙げられる。
【0053】
本明細書において開示されている方法により処置することができるがんの他の例は、副腎皮質癌、副腎皮質癌、小脳星状細胞腫、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、乳がん、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、中枢神経系リンパ腫、子宮頸がん、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、胆嚢がん、胃(gastric)(胃(stomach))がん、消化管カルチノイド腫瘍、胚細胞腫瘍、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、肝細胞(肝臓)がん、下咽頭がん、視床下部および視覚路神経膠腫、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫、膵島細胞癌腫(内分泌膵臓)、喉頭がん、口唇がんおよび口腔がん、肝臓がん、髄芽腫、メルケル細胞癌、潜在性菌状息肉腫(occult mycosis fungoides)を有する扁平上皮頸部がん、骨髄形成異常症候群、骨髄性白血病、鼻腔および副鼻腔がん、上咽頭がん、神経芽細胞腫、非小細胞肺がん、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、膵臓がん、副鼻腔および鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、褐色細胞腫、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞(腎臓)がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、ユーイング肉腫、軟組織肉腫、セザリー症候群、皮膚がん、小細胞肺がん、小腸がん、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、精巣がん、胸腺癌、胸腺腫、甲状腺がん、腎盂および尿管の移行上皮がん、トロホブラスト腫瘍、尿道がん、子宮がん、膣がん、外陰部がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症およびウィルムス腫瘍である。
【0054】
一部の態様では、本明細書において開示されている少なくとも1つの化合物または組成物と、少なくとも1つのがん免疫療法剤との組合せ物を被験体に投与することによる、被験体における、腫瘍または腫瘍転移物を処置する方法が開示される。開示化合物は、単独で、またはがん免疫療法剤と組み合わせて投与され得る。被験体は、腫瘍のすべてまたは一部を除去するための外科的介入の前、その最中、またはその後に、治療組成物の投与を受けることができる。投与は、直接浸漬により、全身的または局所的に静脈内(i.v.)、腹腔内(i.p.)、皮下(s.c.)、筋肉内(i.m.)に、または腫瘍塊への直接注射、および/または適切な製剤の経口投与により達成することができる。
【0055】
本明細書において開示されている方法に使用するのに好適ながん免疫療法剤は、腫瘍関連抗原を標的とする構成成分に連結している細胞エフェクター構成成分を含む、免疫療法剤である。適切な細胞エフェクター構成成分は、細胞毒性化学物質、細胞毒性放射性同位体、およびサイトカインなどの細胞シグナル伝達剤を含むことができる。適切な腫瘍を標的とする構成成分は、受容体タンパク質鎖または免疫グロブリン鎖などの腫瘍細胞の周辺組織マトリックス上またはその中に存在している腫瘍関連抗原に結合する、ポリペプチド鎖である。
【0056】
免疫療法剤の標的として使用することができる腫瘍関連抗原としては、AFP、CA125、CEA、CD19、CD20、CD44、CD45、EGF受容体、GD[2]、GD[3]、GM1、GM2、Her−2/Neu、Ep−CAM(KSA)、IL−2受容体、Lewis−Y、Lewis−X(CD15)、黒色腫関連プロテオグリカンMCSP、PSAおよびトランスフェリン受容体からなる群から選択される腫瘍関連抗原が挙げられる。
【0057】
免疫療法剤の例は、免疫グロブリン(Ig)ポリペプチド鎖である、標的化構成成分に連結しているサイトカインポリペプチドである、エフェクター構成成分を有する。Igポリペプチド鎖は、腫瘍関連抗原に結合する可変領域を含む。前記免疫グロブリン鎖は、適切な相補鎖(すなわち、重鎖が軽鎖を相補する)と組み合わせた場合に、腫瘍関連抗原に特異的な抗体活性部位を画定することが好ましい。
【0058】
免疫療法剤の腫瘍標的化Ig部分は、免疫グロブリン鎖アミノ酸配列全体、または少なくとも、タンパク質の抗原結合特異性部分を含むその断片を含むことができる。したがって、適切なIgポリペプチド鎖は、少なくとも、腫瘍関連抗原に特異的なIg可変領域を有することになろう。
【0059】
本開示方法において使用するのに適切な、抗体およびそれに由来するポリペプチド鎖は、任意の哺乳動物起源のものであり得る、アミノ酸配列を有する。このような抗体タンパク質は、見込まれる患者と同じ起源のものではなく、F(ab’)2、Fab、Fvまたは操作されたFv一本鎖抗体タンパク質などの抗体タンパク質の断片を使用することができる。抗体タンパク質の抗原性をさらに低減させるために、抗体アミノ酸配列の改変を行い、タンパク質を患者の正常な抗体構成成分のように一層見えるようにすることによって、このような抗原性を低減することができる。例えば、抗体をヒト化するための様々なプロセスによって、モノクローナルネズミ(murine)抗体アミノ酸配列を改変して、ヒト患者に投与するために、一層ヒト抗体らしくすることができる。
【0060】
がん免疫療法剤の具体例としては、イピリムマブ(Bristol−Myers Squibb)、抗PD−1および抗PDL1などのCLTA−4に特異的に結合する抗体が挙げられる。他の免疫療法剤としては、TNFαアンタゴニスト(例えば、エタネルセプト)、B細胞枯渇剤リツキシマブ、抗IL−6受容体トシリズマブが挙げられ、共刺激遮断薬であるアバタセプトが、本明細書において開示されている化合物または組成物と一緒に投与され得る。
【0061】
開示化合物はまた、toll様受容体(TLR)アゴニストと一緒に投与することができる。TLRアゴニストは、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4およびTLR9からなる群から選択されるTLRのリガンドである。例えば、TLRアゴニストは、Pam3CSK4、Pam3CSK4、ポリI:C、リボムニルおよびCpG ODNからなる群から選択されるリガンドであり得る。
【0062】
開示化合物はまた、新しい血管の形成(新血管形成)または腫瘍細胞の近傍の組織への既存の毛細血管ネットワークの拡張を阻害することができるものである、血管新生阻害剤と一緒に投与することができる。適切な血管新生阻害剤は、腫瘍関連抗原PSAなどの血管新生阻害活性を有するペプチドであり得る。他の適切な血管新生阻害剤は、VEGF関連血管新生のアンタゴニスト、例えば、細胞の表面にあるVEGF受容体のアンタゴニストであり得る。使用することができるモノクローナル抗体の1つは、LM609(ATCC HB9537)である。
【0063】
投与
開示化合物は、別個の医薬製剤または組合せた医薬製剤で、逐次または同時のどちらかで投与することができる。開示化合物の1つまたは複数が第2の治療剤と組み合わせて使用される場合、各化合物の用量は、該化合物が単独で使用される場合と同じかまたは異なるかのどちらであってもよい。適切な用量は、当業者によって容易に認識されよう。
【0064】
本明細書に記載されている化合物に関連して、用語「投与」およびその変形形態(例えば、化合物を「投与する」)は、処置を必要とする動物の系に化合物またはその化合物のプロドラッグを導入することを意味する。本明細書に記載されている化合物またはそのプロドラッグが、1つまたは複数の他の活性剤(例えば、細胞毒性剤など)と組み合わせて提供される場合、「投与」およびその変形形態は、該化合物またはそのプロドラッグ、および他の作用物質の同時および逐次の導入を含むことが、それぞれ理解される。
【0065】
開示化合物、およびそれを含有する組成物のインビボ施用は、当業者に現在または今後に公知の任意の適切な方法および技法によって達成することができる。例えば、開示化合物は、生理学的または薬学的に許容される形態で製剤化することができ、例えば、経口、経鼻、直腸、局所および非経口投与経路を含めた、当技術分野において公知の任意の適切な経路によって投与することができる。本明細書で使用する場合、非経口という用語は、注射などによる、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、腹腔内および胸骨内の投与を含む。開示化合物または組成物の投与は、単回投与、または当業者により容易に決定することができる、連続間隔もしくは別個間隔での投与とすることができる。
【0066】
本明細書において開示されている化合物、およびそれを含む組成物はまた、リポソーム技術、徐放性カプセル、埋め込み可能なポンプおよび生分解性容器を利用して投与することもできる。これらの送達方法は、有利なことには、長期間にわたる均一投与量をもたらすことができる。本化合物はまた、その塩誘導体の形態または結晶形態で投与され得る。
【0067】
本明細書において開示されている化合物は、薬学的に許容される組成物を調製するための公知の方法に従って製剤化することができる。製剤は、当業者に周知かつ当業者が容易に入手することができる、いくつかの情報源に詳述されている。例えば、E.W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Science(1995年)は、本開示方法に関連して使用することができる製剤を記載している。一般に、本明細書において開示されている化合物は、この化合物の有効な投与を促進するために、有効量のこの化合物が好適な担体と組み合わせられるよう、製剤化することができる。使用される組成物は、様々な形態にあることもできる。これらには、例えば、錠剤、丸剤、散剤、液状の液剤または懸濁剤、坐剤、注射可能および注入可能な液剤、ならびにスプレー剤などの、固体剤形、半固体剤形および液状剤形が含まれる。好ましい形態は、意図した投与形式および治療的施用に依存する。本組成物はまた、当業者に公知の従来の薬学的に許容され得る担体および賦形剤を好ましくは含む。本化合物と使用するための担体または賦形剤の例には、エタノール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、アルミナ、デンプン、食塩水、ならびに等価な担体および賦形剤が含まれる。所望の治療的処置のこのような投与量の投与を実現するために、本明細書において開示されている組成物は、有利には、担体または賦形剤を含めた組成物全体の重量を基準として、1つまたは複数の対象化合物を全体で約0.1重量%〜99重量%の間、とりわけ1〜15重量%含むことができる。
【0068】
投与に適切な製剤としては、例えば、無菌の水性注射用液剤(抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を意図したレシピエントの血液と等張にする溶質を含有することができる)、ならびに水性および非水性の滅菌懸濁剤(懸濁化剤および増粘剤を含むことができる)が挙げられる。製剤は、単回用量用容器または多回用量用容器、例えば密封アンプルおよびバイアル中で提供されることができ、使用前に、滅菌液体担体、例えば注射用水の状態しか必要としない、冷凍乾燥(凍結乾燥)状態で保管することができる。即時使用可能な注射用液剤および懸濁剤は、滅菌散剤、顆粒剤、錠剤などから調製することができる。特に上記した成分に加えて、本明細書において開示されている組成物は、問題の製剤のタイプを考慮すると、当技術分野において慣用的な他の作用物質を含むことができることを理解すべきである。
【0069】
本明細書において開示されている化合物、およびそれを含む組成物は、細胞への直接的な接触により、またはキャリア手段を介してのどちらかにより、細胞に送達することができる。細胞に化合物および組成物を送達するためのキャリア手段は、当技術分野において公知であり、例えば、リポソーム部分に該組成物をカプセル化することを含む。細胞に本明細書において開示されている化合物および組成物を送達するための別の手段は、標的細胞への送達に標的化されたタンパク質または核酸に化合物を結合させることを含む。米国特許第6,960,648号、ならびに米国特許出願公開第2003/0032594号および同第2002/0120100号は、別の組成物に結合することができ、かつ組成物が生物学的膜を通過して転座することを可能にする、アミノ酸配列を開示している。米国特許出願公開第2002/0035243号はまた、細胞内送達のための、細胞膜を通過する生物学的部分を輸送するための組成物も記載している。化合物はまた、ポリマーに取り込ませることもでき、その例には、頭蓋内腫瘍のためのポリ(D−Lラクチド−co−グリコリド)ポリマー、20:80モル比のポリ[ビス(p−カルボキシフェノキシ)プロパン:セバシン酸](GLIADEL中に使用されている通り)、コンドロイチン、キチンおよびキトサンが含まれる。
【0070】
腫瘍学的障害の処置の場合、本明細書において開示されている化合物は、処置を必要としている患者に、他の抗腫瘍物質もしくは抗がん物質、および/もしくは放射線療法および/もしくは光線力学療法と組み合わせて、ならびに/または腫瘍を除去するための外科的処置と共に投与することができる。これらの他の物質または処置は、本明細書において開示されている化合物と同時に、または異なる時間に投与され得る。例えば、本明細書において開示されている化合物は、タキソールまたはビンブラスチンなどの有糸分裂阻害剤、シクロホスファミド(cyclophosamide)またはイホスファミドなどのアルキル化剤、5−フルオロウラシルまたはヒドロキシ尿素などの代謝拮抗薬、アドリアマイシンまたはブレオマイシンなどのDNAインターカレーター、エトポシドまたはカンプトテシンなどのトポイソメラーゼ阻害剤、アンギオスタチンなどの抗血管新生剤、タモキシフェンなどの抗エストロゲン、および/または例えば、それぞれ、GLEEVEC(Novartis Pharmaceuticals Corporation)およびHERCEPTIN(Genentech,Inc.)などの他の抗がん薬もしくは抗体と組み合わせて使用することができる。
【0071】
多数の腫瘍およびがんは、腫瘍またはがん細胞中に存在するウイルスゲノムを有する。例えば、エプスタインバーウイルス(EBV)は、いくつかの哺乳動物の悪性腫瘍に関連している。本明細書において開示されている化合物はまた、単独で、または細胞形質転換を引き起こし得るウイルスに感染している患者を処置するため、および/または細胞中にウイルスゲノムの存在に関連する腫瘍もしくはがんを有する患者を処置するために、ガンシクロビル、アジドチミジン(AZT)、ラミブジン(3TC)などの抗がん剤または抗ウイルス剤と組み合わせて使用することもできる。本明細書において開示されている化合物はまた、腫瘍学的疾患のウイルスに基づく処置と組み合わせて使用することもできる。例えば、本化合物は、非小細胞肺がんの処置において、変異体の単純ヘルペスウイルスと一緒に使用することができる(Toyoizumiら、「Combined therapy with chemotherapeutic agents and herpes simplex virus type IICP34.5 mutant (HSV-1716) in human non-small cell lung cancer」、Human Gene Therapy、1999年、10巻(18号):17頁)。
【0072】
化合物および/またはそれを含有する組成物の治療的施用は、当業者に現在または今後に公知の任意の適切な治療的方法および技法によって達成することができる。さらに、本明細書において開示されている化合物および組成物は、他の有用な化合物および組成物を調製するための出発材料または中間体としての使用を有する。
【0073】
本明細書において開示されている化合物および組成物は、望ましくない細胞成長の部位などの1つまたは複数の解剖学的部位(腫瘍部位、または良性皮膚成長などであり、例えば、腫瘍成長もしくは皮膚成長に注射される、または局所施用される)に、必要に応じて、不活性な賦形剤などの薬学的に許容され得る担体と組み合わせて、局所投与することができる。本明細書において開示されている化合物および組成物は、必要に応じて、不活性な賦形剤または経口送達用の同化可能な可食担体などの薬学的に許容され得る担体と組み合わせて、静脈内または経口など、全身的に投与することができる。それらは、硬質または軟質シェルゼラチンカプセル中に封入することができ、圧縮して錠剤にすることができ、または患者の食事の食物に直接、取り込ませることができる。経口治療的投与の場合、活性化合物は、1つまたは複数の添加剤(excipient)と組み合わせて、摂取可能錠剤、口腔錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウェハ剤、エアゾールスプレー剤などの形態で使用することができる。
【0074】
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などは、以下を含有することもできる:トラガカントガム、アカシア、トウモロコシデンプンまたはゼラチンなどの結合剤、リン酸二カルシウムなどの添加剤、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、およびスクロース、フルクトース、ラクトースまたはアスパルテームなどの甘味剤、またはペパーミント、ウインターグリーンオイルもしくはチェリー着香剤などの着香剤が添加され得る。単位剤形がカプセル剤である場合、それは、上記のタイプの材料に加えて、植物油またはポリエチレングリコールなどの液状担体を含有することができる。様々な他の材料が、コーティング剤として、または固体単位剤形の物理形態を他の状態に改変するために、存在していてよい。例えば、錠剤、丸剤またはカプセル剤は、ゼラチン、ワックス、シェラックまたは糖などによりコーティングすることができる。シロップ剤またはエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤としてのスクロースまたはフルクトース、保存剤としてメチルパラベンおよびプロピルパラベン、色素、およびチェリーフレーバーまたはオレンジフレーバーなどの着香剤を含有することができる。当然ながら、任意の単位剤形の調製に使用されるいかなる材料も、用いられる量で、薬学的に許容され得、かつ実質的に非毒性であるべきである。さらに、活性化合物は、徐放性の調製物およびデバイスに組み込むことができる。
【0075】
本明細書において開示されている化合物および組成物は、薬学的に許容される塩、それらの水和物または類似体を含め、静脈内、筋肉内または腹腔内に注入または注射により投与することができる。活性作用物質またはその塩の溶液は、必要に応じて非毒性界面活性剤と混合して、水中で調製することができる。分散剤はまた、グリセロール、液状ポリエチレングリコール、トリアセチンおよびそれらの混合物中、ならびに油中で調製することもできる。保管および使用の通常の条件下では、これらの調製物は、微生物増殖を防止するために保存剤を含有することができる。
【0076】
注射または注入に適切な医薬品剤形としては、活性成分を含む無菌の水性液剤または分散剤または無菌の注射可能または注入可能な液剤または分散剤の即時使用可能な調製物となるように適合されている無菌散剤であって、必要に応じて、リポソーム中にカプセル化されているものを挙げることができる。最終的な剤形は、製造および保管の条件下で、無菌で、流体でかつ安定しているべきである。液体担体またはビヒクルは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液状ポリエチレングリコールなど)、植物油、非毒性のグリセリルエステル、および好適なそれらの混合物を含む溶媒または液状分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、リポソームの形成により、分散液の場合、必要な粒子サイズを維持することにより、または界面活性剤の使用により、維持することができる。必要に応じて、微生物の作用の予防は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらすことができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、緩衝剤または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射可能な組成物の延長された吸収は、吸収を遅延させる作用物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含ませることによってもたらすことができる。
【0077】
無菌注射液剤は、適切な溶媒中、上で列挙されている様々な他の成分と一緒に、本明細書において開示されている化合物および/または作用物質を必要な量で取り込ませ、必要に応じて、ろ過滅菌することにより調製される。無菌注射液剤の調製用の無菌散剤の場合、調製の好ましい方法は、真空乾燥技法および凍結乾燥技法であり、これにより、活性成分に既に滅菌ろ過されている溶液中に存在する任意の追加的な所望の成分を加えたものの粉末がもたらされる。
【0078】
局所(topical)投与の場合、本明細書において開示されている化合物および作用物質は、固体または液体として施用することができる。しかし、固体または液体とすることができる皮膚化学的に許容され得る担体と組み合わせて、上記の化合物および作用物質を組成物として、皮膚に局所的に投与することが一般に望ましい。本明細書において開示されている化合物および作用物質および組成物は、被験体の皮膚に局所的に施用されて、悪性成長または良性成長のサイズを低減する(および完全な除去を含むことができる)、または感染部位を処置することができる。本明細書において開示されている化合物および作用物質は、成長部位または感染部位に直接、施用することができる。好ましくは、化合物および作用物質は、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、液剤、チンキ剤などの製剤で、成長部位または感染部位に施用される。米国特許第5,167,649号に記載されているものなどの、皮膚病変への薬学的物質を送達するための薬物送達系も使用することができる。
【0079】
有用な固体担体としては、タルク、クレイ、微結晶セルロース、シリカ、アルミナなどの微粉砕状固体が挙げられる。有用な液体担体としては、水、アルコールもしくはグリコール、または水−アルコール/グリコールブレンドが挙げられ、この場合、本化合物は、必要に応じて非毒性界面活性剤を用いて、有効レベルで溶解または分散され得る。香料および追加的な抗微生物剤などのアジュバントを、所与の使用のための特性を最適化するために添加することができる。得られた液体組成物は、例えば、吸収性パッドから適用することができる、包帯および他のドレッシングにしみ込ませるために使用することができる、またはポンプ型もしくはエアゾール噴霧器を使用する罹患場所に噴霧することができる。
【0080】
使用者の皮膚に直接施用するため、合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩およびエステル、脂肪アルコール、修飾セルロースまたは修飾無機材料などの増粘剤もまた、液体担体と一緒に用いられて、塗布可能なペースト剤、ゲル剤、軟膏剤、石鹸剤などを形成することができる。皮膚に化合物を送達するために使用することができる有用な皮膚化学的組成物の例は、米国特許第4,608,392号、米国特許第4,992,478号、米国特許第4,559,157号、および米国特許第4,820,508号に開示されている。
【0081】
本明細書において開示されている化合物および作用物質および医薬組成物の有用な投与量は、それらのインビトロ活性と動物モデルにおけるインビボ活性とを比較することにより決定することができる。マウスおよび他の動物における有効な投与量のヒトへの外挿方法は、当技術分野に公知であり、例えば米国特許第4,938,949号を参照されたい。
【0082】
薬学的に許容され得る担体と組み合わせた、本明細書において開示されている化合物を含む、医薬組成物も開示される。ある量の化合物を含む、経口、局所または非経口投与に適合させた医薬組成物が、好ましい態様を構成する。患者、特にヒトに投与される用量は、妥当な時間枠にわたり、致死性の毒性なく、および好ましくは、副作用も罹患率も許容可能なレベル以下しか引き起こさずに、患者における治療的応答を実現するのに十分であるべきである。当業者は、被験体の状態(健康)、被験体の体重、存在する場合には併用処置の種類、処置の頻度、治療比、ならびに病理学的状態の重症度および段階を含めた、様々な因子に依存することを認識しているであろう。
【0083】
腫瘍学的障害の処置の場合、本明細書において開示されている化合物および作用物質および組成物は、処置を必要としている患者に、他の抗腫瘍性または抗がん性の作用物質または物質(例えば、化学療法剤、免疫療法剤、放射線治療剤、細胞毒性剤など)、および/または放射線療法、および/または腫瘍を除去するための外科的処置の前に、それらに続いて、またはそれらと組み合わせて、投与することができる。例えば、本明細書において開示されている化合物および作用物質および組成物は、がんを処置する方法において使用することができ、患者は、タキソールまたはビンブラスチンなどの有糸分裂阻害剤、シクロホスファミド(cyclophosamide)またはイホスファミドなどのアルキル化剤、5−フルオロウラシルまたはヒドロキシ尿素などの代謝拮抗薬、アドリアマイシンまたはブレオマイシンなどのDNAインターカレーター、エトポシドまたはカンプトテシンなどのトポイソメラーゼ阻害剤、アンギオスタチンなどの抗血管新生剤、タモキシフェンなどの抗エストロゲン、および/または例えば、それぞれ、GLEEVEC(Novartis Pharmaceuticals Corporation;East Hanover、NJ)およびHERCEPTIN(Genentech,Inc.;South San Francisco、CA)などの他の抗がん薬もしくは抗体により処置されることになる、これらにより処置されている、または処置された。これらの他の物質または放射線処置は、本明細書において開示されている化合物と同時にまたは異なる時間に投与することができる。他の適切な化学療法剤の例としては、以下が挙げられるがそれらに限定されない:アルトレタミン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ(VELCADE)、ブスルファン、フォリン酸カルシウム、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エトポシド、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲフィチニブ(IRESSA)、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ(GLEEVEC)、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペントスタチン、プロカルバジン、ラルチトレキセド、ストレプトゾシン、テガフール−ウラシル、テモゾロミド、チオテパ、チオグアニン(tioguanine)/チオグアニン(thioguanine)、トポテカン、トレオスルファン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビンが含まれる。例示されている実施形態では、化学療法剤は、メルファランである。適切な免疫療法剤の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:アレムツズマブ、セツキシマブ(ERBITUX)、ゲムツズマブ、ヨウ素131トシツモマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ(trastuzamab)(HERCEPTIN)が含まれる。細胞毒性剤としては、例えば、放射性同位体(例えば、I131、I125、Y90、P32など)、および細菌、真菌、植物または動物を起源とする毒素(例えば、リシン(ricin)、ボツリヌストキシン、炭疽菌毒素、アフラトキシン、クラゲ毒(例えば、ハコクラゲなど)が挙げられる。化学療法剤、免疫療法剤、放射線治療剤または放射線療法の投与の前に、それらの後に、および/またはこれらと組み合わせて、本明細書において開示されている、有効量の化合物および/または作用物質を投与することを含む、腫瘍学的障害を処置する方法も開示される。
【0084】
キット
本明細書に記載されている方法を実施するためのキットが、さらに提供される。「キット」とは、少なくとも1つの試薬(例えば、本明細書において記載されている化合物のいずれか)を含む任意の製造品(例えば、パッケージまたは容器)が意図される。キットは、本明細書に記載されている方法を実施するためのユニットとして、販売促進する、流通する、または販売することができる。さらに、本キットは、その使用のためのキットおよび方法を記載する添付文書を含有することができる。キット試薬のうちのいずれかまたはすべては、密封した容器またはパウチ中などの、外部環境からキット試薬を保護する容器に入れて提供することができる。
【0085】
所望の治療的処置のこのような投与量の投与を提供するために、一部の実施形態では、本明細書において開示されている医薬組成物は、担体または賦形剤を含めた組成物全体の重量を基準として、1つまたは複数の化合物を合計で約0.1重量%〜45重量%の間、とりわけ1〜15重量%含むことができる。例示的には、投与される活性成分の投与量レベルは、動物の重量(体重)の、静脈内に0.01〜約20mg/kg、腹腔内に0.01〜約100mg/kg、皮下に0.01〜約100mg/kg、筋肉内に0.01〜約100mg/kg、経口では0.01〜約200mg/kg、および好ましくは約1〜100mg/kg、点鼻では0.01〜約20mg/kgおよびエアゾールでは0.01〜約20mg/kgであり得る。
【0086】
本明細書において開示されている化合物を1つまたは複数の容器中に含む組成物を含むキットも開示される。開示されているキットは、薬学的に許容され得る担体および/または賦形剤を必要に応じて含むことができる。一実施形態では、キットは、本明細書に記載されている、1つまたは複数の他の構成成分、補助物またはアジュバントを含む。別の実施形態では、キットは、本明細書に記載されている作用物質などの、1つまたは複数の抗がん剤を含む。一実施形態では、キットは、キットの化合物または組成物を投与する方法を記載している指示書または包装用材料を含む。キットの容器は、任意の適切な材料、例えば、ガラス、プラスチック、金属などのものであり得、任意の適切なサイズ、形状または立体構造のものであり得る。一実施形態では、本明細書において開示されている化合物および/または作用物質は、錠剤、丸剤または散剤の形態などの固体としてキット中で提供される。別の実施形態では、本明細書において開示されている化合物および/または作用物質は、液体(liquid)または溶液(solution)としてキット中で提供される。一実施形態では、本キットは、本明細書において開示されている化合物および/または作用物質を、液体または溶液の形態で含有する、アンプルまたはシリンジを含む。
【0087】
スクリーニングの方法
MC1Rを発現する細胞と、標的化合物を接触させること、および本化合物がMC1Rに結合するかどうかを決定することを含む、推定上の抗がん化合物を特定する方法であって、MC1Rに結合する化合物が推定上の抗がん化合物として特定される、方法も本明細書において開示されている。
【実施例】
【0088】
以下の実施例は、開示されている主題による本方法および結果を例示するために以下に説明されている。これらの実施例は、本明細書に開示されている主題のすべての態様を含むことが意図されているわけではなく、むしろ、代表的な方法、組成物および結果を例示することが意図されている。これらの実施例は、当業者に明白な本発明の均等物およびバリエーションを排除することを意図するものではない。
【0089】
数字(例えば、量、温度など)に関して正確性を確実にする努力はなされているが、ある程度の誤差および偏差が、考慮されるべきである。そうでないことを示さない限り、部は重量部であり、温度は℃であるか、または周囲温度であり、圧力は大気圧またはその付近である。記載のプロセスから得られる生成物純度および収率を最適化するために使用することができる反応条件、例えば、構成成分の濃度、温度、圧力、ならびに他の反応の範囲および条件のバリエーションならびに組合せが多数、存在する。妥当かつ慣用的な実験しか、このようなプロセス条件を最適化するために必要としないであろう。
【0090】
(実施例1)
リガンドの
225Acバージョンを、高い放射化学的純度を伴って合成した。
図1のパネルBに記載されている通り、より多数の化合物を合成することができる。類似の方法が、
図11、12および13に示されている。
【0091】
139La−DOTA−MC1RLのMC1Rへの高い結合親和力(0.2nM K
i)が観察された(
図2)。放射性コンジュゲートは、同等の親和力を有することが期待される。放射性−TLC、放射性−HPLCおよびガンマ−カウンター定量(表1)により判定すると、95%超の放射化学収率および99.8%の放射化学的純度であることが分かった。
【表1】
【0092】
さらに、
225Ac−DOTA−MC1RLは、37℃におけるヒト血清中で、10日後でさえも、優れたインビトロ安定性を示した(表3)。MTD研究により、群の中で挙動が変化した兆候は示されなかった。マウスはすべて体重が増加し、健康に思われたが、体重増加は、投与した活性の増量に伴い、低下した(
図6A)。血中尿素窒素(BUN)(
図6B)および血中クレアチニン(
図6C)レベル、および心臓、肺、脳、腎臓および肝臓を含めたある範囲の組織の病理はすべて、顕著なものはなかった。これらの結果は、
225Ac−DOTA−MC1RLが、かなり良好に耐容されることを示唆している。
【0093】
(実施例2)
ある範囲のMC1R発現値で、ブドウ細胞および皮膚細胞に播種した96ウェルプレート全体に、MC1RL−DOTA−
225AcおよびPBS(対照)を加えた。作用物質と一緒に5分間にわたってインキュベートした後、このプレートを3回洗浄し、培地を添加した後、37℃で48時間インキュベートした。この後、MTTアッセイを行った(
図7)。
【0094】
(実施例3)
PKおよびBDに関しては、腫瘍を有していないBALB/cマウス(n=5/群)に、2.3〜3.1μCiの
225Ac−DOTA−MC1RLを静脈内(i.v.)投与した。血液、組織および臓器を、0、24、48および96時間の時間経過で採取した。
【0095】
(実施例4)
前もって、リガンドの赤外線コンジュゲートの腫瘍標的化をインビボで検討するために、両側への皮下異種移植片腫瘍(A375/MC1R操作細胞をヌードマウスの右脇腹に、そして比較的低いMC1R発現を有するA375親細胞をヌードマウスの左脇腹に)およびMC1RL−800プローブを静脈内注射し、蛍光蓄積を経時的にモニタリングした。低いMC1R発現を有するA375腫瘍は、注射の4時間後のA375/MC1R腫瘍と比較して、かなり低い正規化蛍光シグナルを有した(P≦0.05、n=3)。インビボでのブロッキング研究を行い、腫瘍中でのプローブ保持が特異的結合によるものであることが決定された(
図3、左のマウス)。MC1Rの内因性発現を有するマウスB16F10腫瘍異種移植片モデルにおけるプローブの蓄積が、
図3の右側のマウスに示されている。
【0096】
(実施例5)
1.9〜3.3μCiのMC1RL−DOTA−
225Ac、1.8〜2.7μCiのスクランブル化ペプチド−DOTA−
225Ac、過剰の非放射性作用物質(MC1RL−DOTA−
139La)、および食塩水を、A375/MC1R腫瘍の注射を受けたSCIDマウスに注射した(1群あたりn=10、腫瘍の体積:57〜266mm3)。マウスを健康について毎日観察し、1週間あたり2回秤量し、そしてカリパスにより腫瘍体積を測定した。腫瘍が2000mm
3(実験のエンドポイント)に到達すると、動物を安楽死させた。2000mm
3前の安楽死は、臨床的エンドポイントによるもの、すなわち、主として腫瘍潰瘍化によるものであった。
【0097】
投与後22日目における、対照マウスおよび作用物質により処置されたマウスの代表的な画像。3匹の対照マウスは、進行した腫瘍を有することに留意されたい。処置したマウスは、もはや、脇腹の剃毛場所に腫瘍を有していない。各場合において、赤い棒は、脇腹の剃毛場所を指している(
図10)。
【0098】
考察
RAFキナーゼ阻害剤は、BRAF−変異体黒色腫を有する患者における実質的な治療効果を有するが、これらの作用物質は、一部の黒色腫患者に有効であり、腫瘍が完全に縮退するのは極めて希であり、治療効果は、耐性集団の発現のためにしばしば一時的なものである。しかし、標的化治療法を組み合わせると、無病期間の延長、または治癒さえももたらし得るということが、計算研究において最近、推定された。したがって、新規の標的化治療剤は、転移性黒色腫の処置に必要とされる。特定のシグナル伝達経路に対する標的化作用物質の代替として、腫瘍細胞は、「スマート爆弾」によって標的とされ得る。スマート爆弾は、腫瘍細胞の表面に過剰発現される標的に、局部的に毒性作用物質を送達することにより作用して、標的を発現する腫瘍およびストローマならびに隣接する発現しない腫瘍およびストローマの両方を特異的に殺傷させる。このような作用物質は、迅速なクリアランスを有さなければならず、腫瘍保持に対して高い特異性を有し、治療ウインドウを効果的に増大して標的外への毒性を低下させなければならない。これは、放射性免疫療法が有望であるということであり、この療法は、特に、血液がんに有効であり、固形腫瘍に対して徐々に開発されてきたものである。α放射体は、二次的な損傷を低減しながら、標的における損傷を最大化し、放射線耐性に対してそれほど感受性が高くないので、β放射体と比べて、α放射体の使用への関心が高まっている。アルファ粒子は、非常に短い経路に沿って移動し(細胞直径で数個分程度)、非常に高い線エネルギー付与を有し、周辺に多量のエネルギーが蓄積する。特に、固形腫瘍の場合、これにより、細胞殺傷がずっと一層有効となる(ベータの場合、数千個であるのに対して、1つの細胞を殺傷するために1〜10個の粒子の衝突)。多数のα粒子放出性放射性核種が存在するが、適合不可能な半減期、製造コストおよび利用可能性の制限のために、臨床的に使用されるものがほとんどない。最も一般的に使用されているα放出性放射性核種は、
213Bi、
211At、
223Raおよび
225Acである(11)。Oak Ridge National Laboratoriesから市販されている
225Ac(t1/2=10d;Eαmax=6〜8MeV)は、標的化放射線療法に十分適している。現在、標的化
225Ac治療が、様々な悪性腫瘍に対して、多数の前臨床研究および臨床研究において、有望な結果を伴って評価されている。Congress of the European Cancer Organizations(ECCO)において最近、発表された第II相臨床結果により、標的化アルファ放射体であるアルファラジンは、生存率を向上させることができ、かつ乳がんの骨への転移に関連する疼痛を低減することができることが示された。
【0099】
転移性黒色腫を有する患者は、治療法の開始前に、コンパニオン診断剤を使用するPETイメージングにより階層化することができる。したがって、対応する標的化放射線療法に正に応答する可能性が一層高い患者が特定される。このコンパニオンイメージング作用物質により、医師は、その後に生検することなく、治療法に対する腫瘍応答を経時的に非侵襲的にアセスメントすることも可能となる。
【0100】
悪性黒色腫の80%が、高レベルのMC1Rを発現することが推定されてきた。mRNA発現マイクロアレイおよび免疫組織化学(IHC)分析によるMC1Rの発現は、黒色腫患者の試料で既に検討され、黒色腫患者においてMC1Rの発現が高いことが示された。さらに、MC1Rは、有効な処置が不足しているサブタイプの黒色腫であるブドウ膜黒色腫の94%に発現されると報告された。MC1Rは、メラニン形成細胞刺激ホルモン(MSH)および関連リガンドに結合する、5つのGタンパク質共役型メラノコルチン受容体(MC1R−MC5R)のファミリーメンバーである。アルファ−MSHに結合している
212Pb/
212Biは、黒色腫を処置するために使用されてきたが、α−MSHはまた、腎臓および肺(MC5R)、副腎(MC2R)および視床下部(MC3R/MC4R)の範囲にわたる、身体全体にわたる幅広い範囲の組織および臓器において発現されるMSH受容体ファミリーメンバーも標的とする。したがって、この非特異的な作用物質の場合、正常な組織への毒性が懸念される。
【0101】
MC4RおよびMC5Rに対する親和力がより低い、高い親和力(0.24nM K
i)のMC1R選択的リガンドが記載されており、結合を促進するための部分によりこのリガンドを改変した。近赤外蛍光(NIRF)色素もまた、このリガンドにコンジュゲートされており、MC1R発現の内因性レベルを有する腫瘍に対して、高い結合親和力(0.4±0.1nM Ki)およびインビボ特異性があることを実証した。インビボでの蛍光断層撮影および硝子体内の共焦点蛍光顕微鏡法を使用して、PK、BD、およびこれらのMC1R標的化NIRFコンジュゲートの腫瘍細胞への取り込みを特徴付けた。さらに、コンパートメント数理モデルを開発して、実験データを解釈し、全動物のPKパラメータを見積もった。
【0102】
これらの研究により、開示されているMC1R特異的標的化足場は、転移性黒色腫およびブドウ膜黒色腫を処置するための、コンパニオンPETイメージング作用物質による新規な放射線治療剤の開発についての優れた可能性を有することが実証された。
139La(アルファ粒子放射体
225Acの非放射性代替物として)および
67/69Ga(PET放射性核種
68Gaの非放射性代替物として)を有する、MC1R特異的リガンドのDOTA標識コンジュゲート(DOTA−MC1RL)を、
図1のパネルAに示されている通りに合成した。このスキームでは、alloc直交保護による標準SPPS:ステップ1〜7、Fmoc脱保護:NMP中、20%ピペリジン、2%DBU;NMP中、1時間にわたってFmoc−aa−OH(5当量)、HCTU(5当量)、NMM(15当量);ステップ8、alloc脱保護:NMM、AcOH、CHCl
3(1:2:37)中、5mol% Pd(PPh
3)
4;Fmoc−Ahx−OHおよびDOTAは、上と同じように結合した。ステップ10a、開裂カクテル(Cleavage cocktail)(2.5%H2O、2.5%TIS、95%TFA)処理を3時間、ステップ10b 3×ジエチルエーテル洗浄、凍結乾燥およびRP−HPLC精製(0.1%TFAの調節剤)。ステップ11 0.1M酢酸アンモニウム中での金属のキレート形成(GaCl
3またはLaCl
3・7H
2O、3当量)、pH8、室温で2〜4時間、インキュベートした。キレート形成は、HPLC、MALDI−TOF、LC−QTOFによりモニタリングした。RP−HPLC(0.1%TEA/AcOH、pH6)またはC18 SPEカートリッジのどちらかによって脱塩した。使用した4種の同位体はすべて化学的に類似しているので、これら4種の異なるキレートは、類似したインビボPKおよびBDプロファイルを有するであろう。
【0103】
時間分解蛍光(TRF)競合結合アッセイを行い、これらのDOTAコンジュゲートの結合親和力を決定した(
図2)。TRF方法は、ランタノイドであるユーロピウムの長い蛍光寿命を活用するものであり、マルチウェルプレート試料において、1アトモル未満を検出することができる。Hek293/MC1R細胞(MC1Rを過剰発現させるように操作されたHek293細胞)を、結合アッセイに使用した。キレートしているユーロピウムを有するバージョンのこの化合物を使用して飽和TRF結合アッセイを実施し、特異的および非特異的結合を決定した(
図17〜20)。
【0104】
その後、DOTA−MC1RLを
225Ac(
225Ac−DOTA−MC1RL)により標識し(
図1、パネルB)、CLIおよび放射性−TLCにより決定し、ガンマ−カウンターおよび放射性−HPLCにより定量化すると、高い放射標識収率(≧95%)、高い純度(99.8%)であることが実証された(表1)。
【0105】
さらに、コンジュゲートの高いインビトロ血清安定性は、50μLの
225Ac−MC1RL−DOTA(56μCi)を1mLのヒト血清に添加することにより観察された(表2)。この溶液を37℃で10日間インキュベートし、TLCスキャナー(Bioscan)により分析して、ガンマ−カウンターにより定量した。
【0106】
【表2】
【0107】
腫瘍の完全な喪失が、MC1RL−DOTA−
225Ac処置マウスの22%において観察され、これらのマウスは、単回静脈内投与後でも依然として生存している(合計9匹中2匹)(
図10)。これら2匹のマウスは、注射150日後の現在も腫瘍がない。他の7匹の処置マウスを、進行のない腫瘍潰瘍化により、平均86日で安楽死させた。一方、食塩水により処置された対照マウス、MC1RL−DOTA−
139La(非放射性代替物)により処置された対照マウスおよびスクランブル化ペプチド−DOTA−
225Acにより処置された対照マウスのエンドポイント(腫瘍>2000mm
3)までの時間の中央値は、それぞれ、注射22日後、24日後および32日後であった。
【0108】
添付の特許請求の範囲の方法および組成物は、本明細書に記載されている特定の方法および組成物によって範囲が限定されず、これらの方法および組成物は、特許請求の範囲のいくつかの態様の例示として意図されており、そして機能的に等価な任意の方法および組成物は本開示の範囲内にある。本明細書に示されている、および記載されているものに加えて、本方法および組成物の様々な修正が、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図されている。さらに、これらの方法および組成物のうちの、ある種の代表的な方法、組成物および態様しか具体的に記載されていないが、他の方法および組成物、ならびに本方法および組成物の様々な特色の組合せが、具体的に列挙されていない場合でさえも、添付の特許請求の範囲内に収まることが意図されている。したがって、ステップ、要素、構成成分または構成要素の組合せが、本明細書において明確に明記され得るが、ステップ、要素、構成成分および構成要素の他の組合せのすべてが、明確に明記されていない場合でさえも含まれる。