特許第6959162号(P6959162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6959162-移動可能なコンテナコインランドリー 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959162
(24)【登録日】2021年10月11日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】移動可能なコンテナコインランドリー
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/343 20060101AFI20211021BHJP
【FI】
   E04B1/343 Q
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-21592(P2018-21592)
(22)【出願日】2018年2月9日
(65)【公開番号】特開2019-138042(P2019-138042A)
(43)【公開日】2019年8月22日
【審査請求日】2019年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】317019948
【氏名又は名称】鈴木 俊也
(74)【代理人】
【識別番号】100083633
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊也
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−101102(JP,A)
【文献】 特開2012−046897(JP,A)
【文献】 特開2017−087782(JP,A)
【文献】 特開2008−115534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/343
E04B 1/348
E04H 1/12
B60P 1/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存の輸送用コンテナを改良したコンテナコインランドリーであると共に移動する際にコンテナ専用トレーラーで搬送され、且つ、多数回にわたって積み下ろし及び搬送が可能なものであって、そのコンテナ本体(1)の内部に、洗濯機(21)や乾燥機(22)などの洗濯用設備(2)を少なくとも配置し、前記洗濯用設備(2)の前側を隔壁(5)で仕切って洗濯室(3)を形成すると共に前記洗濯用設備(2)の後側を前記隔壁(5)で仕切ってメンテナンスルーム(4)を形成し、且つ、前記コンテナ本体(1)を地面に着脱可能に設置するための金属製のコンテナ固定手段(6)を備え、該コンテナ固定手段(6)が、前記コンテナ本体(1)の長手方向の長さに応じた基台(61)と、該基台(61)の端部に取付けると共に前記コンテナ本体(1)の底面に設けた四隅の長穴に合せた位置に配置するツイストロック機構である緊締装置(62)と、前記基台(61)を地面に固定するための固定部材(63)と、から構成されると共に、前記緊締装置(62)が、横長な略四角錐状の突起物と、その下に略長方体の支持台と、該支持台に対して突起物を回動させるためのハンドルと、から少なくとも構成されたことを特徴とする移動可能なコンテナコインランドリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機や乾燥機等の洗濯用設備を輸送用のコンテナ内に設置し、且つ、地面に固定するためのコンテナ固定手段を備えた移動可能なコンテナコインランドリーに関する。
【背景技術】
【0002】
屋外に設置される小型の建物内に洗濯機や乾燥機等の洗濯用設備を設置したコインランドリーとして、特開2010−90641号が提案されている。この構造は、乾燥機を含む洗濯用設備が小型の建物の内部に設置されたコインランドリーであって、建物の内部を洗濯用設備の前側の客室と洗濯用設備の後側の機械室とに仕切る隔壁と、洗濯用設備と隔壁との間のスペースに配置させると共に客室と機械室との差圧に応じて前記スペースを開閉する柔軟な開閉部材と、客室と機械室の外部とを連通する客室側開口部と、機械室と建物の外部とを連通する機械室側開口部と、を有するものである。
又、特開2010−90641号の目的は、乾燥機のガス燃焼用の空気を安定して供給することを可能とするものであった。
【0003】
しかしながら、特開2010−90641号の「コインランドリー」を設置する場合、コンクリート基礎を敷設し、且つ、アンカーボルトの一端をコンクリートに埋設するため、コンクリートが固化するまで待たなければならなかった。固化後、アンカーボルトにナットなどを締結させると共に配管や配線等の作業を行わなければならなかった。従って、開業するまでの準備期間が必要であった。更に特開2010−90641号のものを移動させる場合は、解体するのに時間を要するため、移動に不向きであった。尚、前記コンクリート基礎の敷設や固定作業,配管や配線等の作業には、熟練技能を要すため、作業者の確保が必要であり、且つ、その手間は多く掛るものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−90641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は洗濯機や乾燥機等の洗濯用設備を輸送用のコンテナ内に設置し、且つ、地面に固定するためのコンテナ固定手段を備え、被災地、遊休地、駐車場などの空きスペースに簡単で且つ短時間に設置できる移動可能なコンテナコインランドリーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記現状に鑑みて成されたものであり、つまり、既存の輸送用コンテナを改良したものであって、そのコンテナ本体の内部に、洗濯機や乾燥機などの洗濯用設備を少なくとも配置し、洗濯用設備の前側を隔壁で仕切って洗濯室を形成すると共に洗濯用設備の後側を前記隔壁で仕切ってメンテナンスルームを形成し、且つ、コンテナ本体を地面に着脱可能に設置するための金属製のコンテナ固定手段を備え、該コンテナ固定手段を、コンテナ本体の長手方向の長さに応じた基台と、該基台の端部に取付けると共にコンテナ本体の底面に設けた四隅の長穴に合せた位置に配置するツイストロック機構である緊締装置と、基台を地面に固定するための固定部材とから構成すると共に、前記緊締装置を、横長な略四角錐状の突起物と、その下に略長方体の支持台と、該支持台に対して突起物が回動されるためのハンドルと、から少なくとも構成させる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1のように既存の輸送用コンテナを改良したものであって、そのコンテナ本体(1)の内部に、洗濯機(21)や乾燥機(22)などの洗濯用設備(2)を少なくとも配置し、洗濯用設備(2)の前側を隔壁(5)で仕切って洗濯室(3)を形成すると共に洗濯用設備(2)の後側を隔壁(5)で仕切ってメンテナンスルーム(4)を形成することにより、コインランドリーの製作が短時間で行え、且つ、大量生産が容易であると共に、輸送用のコンテナとして、中古品のコンテナ本体(1)を用いれば製作費が格安となる。又、本発明品を移動する際は、標準化された市販のコンテナ専用トレーラーが使用できるため、搬送や移動が簡単にでき、且つ、安心して積み下ろしが行えると共にコンテナ専用トレーラーの手配(レンタル)も容易となる。このため、本発明品は営業場所の変更が容易であり、特に災害により被害が予想される場合には、建物の解体が不要で、地面との固定の解除も容易で且つ短時間で行えると共に安全な場所へ簡単に移動できる。
又、コンテナ本体(1)を地面に着脱可能に設置するための金属製のコンテナ固定手段(6)を備えることにより、地面に固定する場合、従来の如きコンクリート基礎を敷設する必要がないため、短時間に設置でき、被災地、遊休地、駐車場などの空きスペースに簡単で且つスピーディに設置可能なコンテナコインランドリーとなる。しかも、営業場所を変える場合、コンテナ専用トレーラーに本発明品をクレーン車等で吊上げて乗せ、所定の場所まで搬送した後、クレーン車等で吊下げて地面に載置し、必要に応じて配管や配線等の作業を行うだけで設置作業が完了する。その後、直ぐに営業を開始することができる。尚、この時のコンテナ固定手段(6)の撤収は簡単で且つ殆どの部材が再利用できる。又、盗難防止に対して、前記コンテナ本体(1)をコンテナ固定手段(6)で地面に固定させているので、クレーン車等によって本発明品が持ち去られる恐れもなくなる。
【0008】
更にコンテナ固定手段(6)が、コンテナ本体(1)の長手方向の長さに応じた基台(61)と、基台(61)の端部に取付けると共にコンテナ本体(1)の底面に設けた四隅の長穴に合せた位置に配置するツイストロック機構である緊締装置(62)と、基台(61)を地面に固定するための固定部材(63)とから構成されることにより、本発明品の積み下ろし及び搬送が簡単であると共に特に搬送時の安定性が極めて良好である。
また前記緊締装置(62)が、横長な略四角錐状の突起物と、その下に略長方体の支持台と、該支持台に対して突起物を回動させるためのハンドルと、から少なくとも構成されたものを用いると、搬送や移動が簡単にでき、且つ、安心して積み下ろしが行えると共にコンテナ専用トレーラーの手配(レンタル)も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の要部を示す説明図である。
図2】本実施形態の横断面を示す説明図である。
図3】本実施形態の縦断面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を図面に基づき説明する。(1)は輸送用のコンテナを改良したコンテナ本体であり、該コンテナ本体(1)は陸上或いは海上で使用されている標準化した市販のコンテナを用いる。また前記コンテナ本体(1)の左右には出入口(11)が設けられ、正面には正面出入口(12)と窓(13)が設けられている。前記出入口(11)と正面出入口(12)には、引戸やドアなどが備えられており、ドアにはオートロックを備えておくのが好ましい。また前記窓(13)を設けておくと、内部が見えて閉塞感が薄らぎ、利用者の安心度が向上すると共に防犯にも役立つ。尚、前記出入口(11)と正面出入口(12)は必ずしも3箇所に設けなくても良く、必要に応じて設ければ良い。又、前記コンテナは、中古品が多く販売されているので、中古品を用いると製作費が格安になるので好ましい。
【0011】
(2)はコンテナ本体(1)の内部に配置された乾燥機(22)を含む洗濯用設備であり、該洗濯用設備(2)には、複数台の洗濯機(21)や乾燥機(22),両替機(23),洗面台(24)等があり、前記洗濯機(21)には、全自動洗濯機能を有したものを配置させるのが好ましい。
【0012】
(3)はコンテナ本体(1)の内部で、且つ、洗濯用設備(2)の前側に形成された洗濯室である。(4)は洗濯用設備(2)の後側に形成されたメンテナンスルームであり、該メンテナンスルーム(4)には、一方の出入口(11)側に開口部を設け、その開口部には開閉扉(41)を設けるか、或いは図示しないカーテン等で開口部を仕切ると良い。
【0013】
(5)はコンテナ本体(1)の内部を、洗濯用設備(2)の前側を洗濯室(3)に形成すると共に洗濯用設備(2)の後側をメンテナンスルーム(4)に形成するために仕切る隔壁であり、該隔壁(5)は、壁用パンチ穴付きボードを用いるのが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0014】
(6)はコンテナ本体(1)を地面に固定するための金属製のコンテナ固定手段であり、該コンテナ固定手段(6)には、コンテナ本体(1)の長手方向の長さに応じた2本の長尺な基台(61)と、コンテナ本体(1)の底面に設けた四隅の長穴の位置に対応させて、基台(61)の両端上に設けたツイストロック機構である緊締装置(62)と、基台(61)を地面に固定するための固定部材(63)と、がある。前記基台(61)としては、図1に示す長尺な板材や扁平四角パイプ材を2本用いているが、コンテナ本体(1)の底面に合せた四角状の枠体に形成したものとしても良い。また基台(61)には取付穴(61a)が複数個穿設されている。
【0015】
前記緊締装置(62)には少なくとも、横長な略四角錐状の突起物と、その下に略長方体の支持台と、該支持台に対して突起物を回動させるためのハンドルとがある。この構造は、輸送用のコンテナを専用トレーラーに固定する際に使用するものと同一の構造のものを用いるので、これ以上の詳細な説明は省略する。前記固定部材(63)は、基台(61)を地面に固定させるためのものであり、基台(61)の取付穴(61a)から打ち込んで固定するアンカーや、鍔を有した固定金具(63a)と、それに螺合して固定するための固定ネジ(63b)とから成るものを用いる(図1参照)。
【0016】
(7)は出入口(11)や正面出入口(12)の足元に設置する踏台であり、該踏台(7)としては市販されているものを用いれば良い。尚、前記踏台(7)は必ずしも必要ではない。
【0017】
次に本発明品の設置方法について説明する。設置する前に、予め工場等で市販の搬送用のコンテナを改造して、出入口(11)や正面出入口(12)及び窓(13)を設けておく。又、コンテナ本体(1)の内部には、洗濯機(21)や乾燥機(22)等を配置し、且つ、セットして洗濯用設備(2)を設置させ、且つ、コインランドリーとしての他の機能も備えて仕上げておく。そして、コンテナ専用トレーラーと、クレーン機能を有した車両或いはクレーン車を用意しておく。
【0018】
先ず、コインランドリーの設備を備えたコンテナ本体(1)をクレーン車等で吊上げ、コンテナ専用トレーラーに乗せ、且つ、4箇所の緊締装置のレバーを手動で回転させてコンテナ本体(1)を固定する。固定後、設置場所まで搬送する。この作業は従来の輸送用のコンテナの場合と同じである。
【0019】
そして、本発明品を設置場所まで搬送した後、先ず始めにコンテナ固定手段(6)を地面に固定する。この時の作業について説明する。先ず2本の基台(61)の先端を合せると共に各基台(61)の間隔を治具等に合せて配置し、前記コンテナ本体(1)の底面に対応させる。その後、地面(設置面)がコンクリートで堅固な場合は、基台(61)の取付穴(61a)からアンカーを複数本打ち込み、基台(61)を地面に固定させる。尚、地面が土だけで柔らかな場合は、図1に示すような鍔を有した固定金具(63a)を地面の所定位置に複数個埋設させると共にコンクリートを適宜に流し込んで抜け防止とする。そして、固定金具(63a)の位置と基台(61)の取付穴(61a)の位置を合致させるように基台(61)を並べ、基台(61)の取付穴(61a)から固定ネジ(63b)を挿入して固定金具(63a)と螺合させ、固定ネジ(63b)を締め込んで基台(61)を地面に固定する。尚、この基台(61)を地面に固定する作業は、前記コンテナ本体(1)が搬送される前に終了させておくのが好ましい。また地面が土だけで柔らかな場合に、杭などを打ち込んで固定させても良い。
【0020】
基台(61)が地面に固定された後、搬送されてきたコンテナ本体(1)の固定状態を解除し、それをクレーン車等で吊下げて、地面に固定された基台(61)の端と、コンテナ本体(1)の端とを合せ且つ四隅も合せて下す。すると、コンテナ本体(1)の四隅の長穴には、基台(61)の上に設けた4箇所の略四角錐状の突起物が自然に挿入される。挿入後、図示しない4箇所のハンドルを手動で回すと、基台(61)とコンテナ本体(1)が固定される。その後、必要に応じて配管や配線等の作業を行えば、設置作業が完了する。
【0021】
一方、本発明品を別の場所へ移動させる場合について説明する。予めコンテナ専用トレーラーとクレーン車等を用意しておく。次に4箇所の前記ハンドルを始めの状態に手動で回して戻す。すると、基台(61)とコンテナ本体(1)の固定が解除される。その後或いは固定を解除する前に、配管や配線等の撤去作業を終了させる。この時の基台(61)を地面から撤収する場合は、アンカーを打ち込んで固定しただけの場合は、複数本のアンカーを適宜な工具で引き抜く。一方、固定金具(63a)がコンクリートを流し込んで固定された場合の撤去は、先ず固定ネジ(63b)を固定金具(63a)から外し、基台(61)を撤去する。この時、固定金具(63a)を掘り起こして撤去しても良いが、該固定金具(63a)の先端が地面から突出しないように処理し、コンクリートを除去せずにそのままにしても良い。
【0022】
次に前記コンテナ本体(1)をクレーン車等で吊上げ、コンテナ専用トレーラーに乗せ、且つ、コンテナ本体(1)を専用トレーラーに固定させる。固定後、設置場所まで搬送する。この時、前記設置場所で使用したコンテナ固定手段(6)の部品も一緒に搬送して再利用すれば良い。そして、上記同様にしてコンテナ本体(1)を所定場所に設置させれば良い。
【0023】
次に本発明の使用方法について説明する。利用者は、一般的なコインランドリーと同様の使い方をすれば良い。例えば、先ず始めに出入口(11)或いは正面出入口(12)から入り、両替機(23)でコインに替える。次にコインを洗濯機(21)の所定のコイン投入口へ所定枚数のコインを投入し、洗濯物を洗濯機(21)の内部に入れてスイッチを押して作動させる。その後は洗濯機(21)によって洗濯物が洗濯され、更に脱水作業が終了するまで時間があるので、利用者は買物をしたり本を読んだりして時間を過ごす。脱水作業が終了したら、洗濯物を洗濯機(21)から取出して家に持ち帰っても良いが、乾燥機(22)を利用する場合は、乾燥機(22)の所定のコイン投入口へ所定枚数のコインを投入し、洗濯物を乾燥機(22)の内部に入れてスイッチを押して作動させる。洗濯機(21)の場合と同様に、乾燥作業が終了するまで待つ。乾燥後は洗濯物を乾燥機(22)から取出して家に持ち帰えれば良い。尚、コイン以外にICカードが使用できるように、ICカード決済端末を備えておくと良い。
【符号の説明】
【0024】
1 コンテナ本体
2 洗濯用設備
21 洗濯機
22 乾燥機
3 洗濯室
4 メンテナンスルーム
5 隔壁
6 コンテナ固定手段
61 基台
62 緊締装置
63 固定部材
図1
図2
図3