(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1コンテンツから前記第2コンテンツへ遷移する場合であって、前記表示端末がネットワークに接続されている場合に、前記表示制御部は、前記先読み部が受信した前記第1データと、前記受信部が受信した前記第2データとに基づいて、前記第2コンテンツを前記表示部に表示させ、
前記第1コンテンツから前記第2コンテンツへ遷移する場合であって、前記表示端末がネットワークに接続されていない場合に、前記表示制御部は、前記第2データを用いず、前記先読み部が受信した前記第1データに基づいて、前記第2コンテンツを前記表示部に表示させる、請求項2に記載の表示端末。
前記先読み部は、前記第2コンテンツを表示するためのテキストデータ、スタイルデータ及びスクリプトデータのうち少なくとも1つを示す前記第1データを受信する、請求項1から7のいずれか一項に記載の表示端末。
前記第1コンテンツの表示が完了した後、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントが起動される前に、前記先読み部は前記第1データを複数回受信する、請求項1から9のいずれか一項に記載の表示端末。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された方法は、1つのウェブブラウザ内における遷移を対象としているため、コンテンツを表示可能な異なるアプリケーション又はコンポーネント間における遷移のために先読みをすることができない。そのため、特許文献1に記載された方法では、あるアプリケーション又はコンポーネントを用いて表示しているコンテンツから別のアプリケーション又はコンポーネントを用いて表示するコンテンツへ遷移する際に、データを新たに受信して画面表示をするために長い時間が掛かる。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、コンテンツを表示可能な異なるアプリケーション又はコンポーネント間で遷移を行う際に画面表示に掛かる時間を短縮できる表示端末、表示方法、表示プログラム及び管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の表示端末は、表示部が表示する第1コンテンツから遷移可能な第2コンテンツを表示するための第1データを、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントが起動される前に受信する先読み部と、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントとは異なるアプリケーション又はコンポーネントを用いて、前記第1コンテンツを前記表示部に表示させるとともに、前記第1コンテンツから前記第2コンテンツへ遷移する場合に、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントを用いて、前記先読み部が受信した前記第1データに基づいて、前記第2コンテンツを前記表示部に表示させる表示制御部と、を有する。
【0007】
前記表示端末は、前記第1コンテンツから前記第2コンテンツへ遷移する場合に、前記第2コンテンツを表示するための前記第1データとは異なる第2データを受信する受信部をさらに備え、前記表示制御部は、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントを用いて、前記先読み部が受信した前記第1データと、前記受信部が受信した前記第2データとに基づいて、前記第2コンテンツを前記表示部に表示させてもよい。
【0008】
前記第1コンテンツから前記第2コンテンツへ遷移する場合であって、前記表示端末がネットワークに接続されている場合に、前記表示制御部は、前記先読み部が受信した前記第1データと、前記受信部が受信した前記第2データとに基づいて、前記第2コンテンツを前記表示部に表示させ、前記第1コンテンツから前記第2コンテンツへ遷移する場合であって、前記表示端末がネットワークに接続されていない場合に、前記表示制御部は、前記第2データを用いず、前記先読み部が受信した前記第1データに基づいて、前記第2コンテンツを前記表示部に表示させてもよい。
【0009】
前記先読み部は、第1サーバから前記第1データを受信し、前記受信部は、前記第1サーバとは異なる第2サーバから前記第2データを受信してもよい。
【0010】
前記受信部は、前記第1サーバ及び前記第2サーバとは異なる第3サーバから前記第1コンテンツを表示するためのデータを受信してもよい。
【0011】
前記受信部が前記第3サーバから前記第1コンテンツを表示するためのデータを受信した場合に、前記先読み部は前記第1サーバから前記第1データを受信してもよい。
【0012】
前記受信部は、前記第2コンテンツを表示するための画像データを示す前記第2データを受信してもよい。
【0013】
前記先読み部は、前記第2コンテンツを表示するためのテキストデータ、スタイルデータ及びスクリプトデータのうち少なくとも1つを示す前記第1データを受信してもよい。
【0014】
前記第1コンテンツの表示が完了した場合に、前記先読み部は前記第1データを受信してもよい。
【0015】
前記第1コンテンツを表示するための要求が行われた場合に、前記先読み部は前記第1データを受信してもよい。
【0016】
前記第1コンテンツの表示が完了した後、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントが起動される前に、前記先読み部は前記第1データを複数回受信してもよい。
【0017】
前記先読み部は、複数の前記第2コンテンツを表示するための前記第1データをまとめて圧縮することによって生成された圧縮データを受信してもよい。
【0018】
本発明の第2の態様の表示方法は、プロセッサが、表示部が表示する第1コンテンツから遷移可能な第2コンテンツを表示するための第1データを、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントが起動される前に受信するステップと、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントとは異なるアプリケーション又はコンポーネントを用いて、前記第1コンテンツを前記表示部に表示させるステップと、前記第1コンテンツから前記第2コンテンツへ遷移する場合に、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントを用いて、前記受信するステップが受信した前記第1データに基づいて、前記第2コンテンツを前記表示部に表示させるステップと、を実行する。
【0019】
本発明の第3の態様の表示プログラムは、コンピュータに、表示部が表示する第1コンテンツから遷移可能な第2コンテンツを表示するための第1データを、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントが起動される前に受信するステップと、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントとは異なるアプリケーション又はコンポーネントを用いて、前記第1コンテンツを前記表示部に表示させるステップと、前記第1コンテンツから前記第2コンテンツへ遷移する場合に、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントを用いて、前記受信するステップが受信した前記第1データに基づいて、前記第2コンテンツを前記表示部に表示させるステップと、を実行させる。
【0020】
本発明の第4の態様の管理装置は、表示端末が表示する第1コンテンツから遷移可能な第2コンテンツを表示するための第1データを記憶する記憶部と、前記表示端末が前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントを起動する前であって、前記第2コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントとは異なる前記第1コンテンツを表示するアプリケーション又はコンポーネントを起動した後に、前記表示端末から前記第1データの要求を受信し、前記要求を受信した場合に前記記憶部に記憶されている前記第1データを前記表示端末へ送信する通信部と、を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、コンテンツを表示可能な異なるアプリケーション又はコンポーネント間で遷移を行う際に画面表示に掛かる時間を短縮できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[表示システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る表示システムSの模式図である。表示システムSは、表示端末1と、アプリケーションサーバ2と、記事管理サーバ3と、ウェブサーバ4とを含む。表示システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0024】
表示端末1は、有線又は無線の通信を行うことが可能であり、通信によって取得した電子的なコンテンツ(以下、コンテンツという)を表示可能な通信装置である。例えば表示端末1は、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末や、パーソナルコンピュータである。コンテンツは、テキスト(文字)及び画像(静止画像又は動画像)を含む。表示端末1は、インターネット、ローカルエリアネットワーク等のネットワークNを介してコンテンツを表示するためのデータを受信して、コンテンツを表示する。
【0025】
アプリケーションサーバ2、記事管理サーバ3及びウェブサーバ4は、それぞれコンテンツを表示するためのデータを表示端末1へ送信するコンピュータである。アプリケーションサーバ2、記事管理サーバ3及びウェブサーバ4は、それぞれ表示端末1との間で通信をするための通信部を有する。アプリケーションサーバ2、記事管理サーバ3及びウェブサーバ4がそれぞれ表示端末1へ送信するデータについては後述する。
【0026】
図2は、本実施形態に係る表示システムSが実行する表示方法の模式図である。まず表示端末1のユーザは、表示端末1を操作してアプリケーションAを起動する。アプリケーションAは、第1コンテンツを表示端末1の表示部に表示するためのアプリケーション又はコンポーネントである。ここで、アプリケーションは、単独で動作するプログラムである。コンポーネントは、他のプログラムに組み込まれて利用されるプログラムである。
【0027】
アプリケーションAは、コンテンツの表示態様(例えばコンテンツに含まれる要素のレイアウトや修飾)や動作(例えばコンテンツに含まれる要素の動的な変化)を示す情報を内部的に有しているため、外部のサーバからテキストデータ及び画像データを受信してコンテンツを表示する。テキストデータは、コンテンツに含まれる文字のデータである。テキストデータは、画面に表示される文字のみを含んでもよく、HTML(HyperText Markup Language)等のタグ(すなわち画面に表示されない文字)を含んでもよい。画像データは、コンテンツに含まれる静止画像又は動画像のデータである。
【0028】
表示端末1は、ユーザの操作に応じてアプリケーションAを起動した場合に、第1コンテンツを表示するためのデータの要求(
図2のアプリデータ要求)を、アプリケーションサーバ2へ送信する(a)。表示端末1は、第1コンテンツを表示するためのテキストデータ及び画像データを、アプリケーションサーバ2から受信する(b)。
【0029】
表示端末1は、アプリケーションAを用いて、アプリケーションサーバ2から受信したデータに基づいて、第1コンテンツを表示部上に表示する。アプリケーションAによって表示する第1コンテンツは、例えばニュース記事の一覧画面であり、複数の第2コンテンツへのリンク(すなわち第2コンテンツに関連付けられた要素)を含んでいる。
【0030】
ウェブブラウザBが起動される前に、表示端末1は、第1コンテンツからリンクされている複数の第2コンテンツのうち少なくとも1つについて、第2コンテンツを表示するためのデータの要求(
図2の先読みデータ要求)を、記事管理サーバ3へ送信する(c)。
【0031】
ウェブブラウザBは、第2コンテンツを表示端末1の表示部に表示するための、アプリケーションAとは異なるアプリケーション又はコンポーネントである。ウェブブラウザBは、コンテンツを表示するために表示態様や動作を指定するデータを必要とするため、外部のサーバからテキストデータ及び画像データに加えてスタイルデータ及びスクリプトデータを受信してコンテンツを表示する。スタイルデータは、コンテンツの表示態様を指定するデータであり、例えばCSS(Cascading Style Sheets)である。スクリプトデータは、コンテンツの動作を指定するデータであり、例えばJavaScript(登録商標)である。
【0032】
表示端末1は、第2コンテンツを表示するためのデータのうちテキストデータ、スタイルデータ及びスクリプトデータを、記事管理サーバ3から先読みデータ(第1データ)として受信し、記憶部に記憶させる(d)。
【0033】
ユーザは、表示端末1を操作してアプリケーションA上でいずれかの第2コンテンツへのリンクを選択する。表示端末1は、ユーザがアプリケーションA上でいずれかの第2コンテンツへのリンクを選択した場合に、ウェブブラウザBを起動する(e)。
【0034】
表示端末1は、第2コンテンツを表示するためのデータの要求(
図2のウェブデータ要求)を、ウェブサーバ4へ送信する(f)。表示端末1は、第2コンテンツを表示するためのデータのうち画像データを、ウェブサーバ4からウェブデータ(第2データ)として受信する(g)。
【0035】
表示端末1は、ウェブブラウザBを用いて、記事管理サーバ3から受信した先読みデータ及びウェブサーバ4から受信したウェブデータに基づいて、第2コンテンツを表示部上に表示する。ウェブブラウザBによって表示するコンテンツは、例えばニュース記事の詳細画面である。
【0036】
このように、表示システムSは、アプリケーションAによって表示する第1コンテンツからウェブブラウザBによって表示する第2コンテンツへ遷移する際に、予め受信した先読みデータを用いてコンテンツを表示する。そのため、異なるアプリケーション又はコンポーネント間で遷移を行う場合であっても、画面表示に掛かる時間を短縮できる。
【0037】
[表示システムSの構成]
図3は、本実施形態に係る表示システムSのブロック図である。
図3において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図3に示したもの以外のデータの流れがあってよい。
図3において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図3に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0038】
表示端末1は、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14とを有する。制御部11は、操作受付部111と、受信部112と、表示制御部113と、先読み部114とを有する。
【0039】
表示部14は、液晶ディスプレイ等、情報を表示可能な表示装置を含む。操作部13は、キーボード、マウス等、ユーザの操作を受け付け可能な操作装置を含む。表示部14としてユーザによる接触の位置を検出可能なタッチスクリーンを用いることによって、表示部14と操作部13とを一体に構成してもよい。
【0040】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、表示端末1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部11との間でデータの授受を行ってもよい。
【0041】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、操作受付部111、受信部112、表示制御部113及び先読み部114として機能する。制御部11の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部11の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0042】
アプリケーションサーバ2、記事管理サーバ3及びウェブサーバ4は、それぞれ記憶部21、31、41を有する。記憶部21、31、41は、それぞれROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。アプリケーションサーバ2の記憶部21は、第1コンテンツを表示するためのデータを予め記憶している。
【0043】
記事管理サーバ3(管理装置)の記憶部31及びウェブサーバ4の記憶部41は、第2コンテンツを表示するためのデータ(テキストデータ、画像データ、スタイルデータ及びスクリプトデータ)を予め記憶している。記事管理サーバ3からウェブサーバ4へ第2コンテンツを表示するためのデータを送信することによって、又はウェブサーバ4から記事管理サーバ3へ第2コンテンツを表示するためのデータを送信することによって、記事管理サーバ3の記憶部31及びウェブサーバ4の記憶部41に記憶されているデータは同期(共通化)されている。
【0044】
本実施形態に係る表示システムSは、
図3に示す具体的な構成に限定されない。表示端末1は、1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。アプリケーションサーバ2、記事管理サーバ3及びウェブサーバ4のうち2つ以上が一体化されて1つの装置として構成されてもよい。
【0045】
[表示方法の説明]
図4は、表示端末1がアプリケーションサーバ2、記事管理サーバ3及びウェブサーバ4から受信するデータの模式図である。アプリケーションデータCは、表示端末1がアプリケーションサーバ2から受信する、第1コンテンツを表示するためのデータである。アプリケーションデータCは、テキストデータC1と、画像データC2とを含む。
【0046】
先読みデータDは、表示端末1がウェブブラウザBを起動する前に記事管理サーバ3から受信する、第2コンテンツを表示するためのデータである。先読みデータDは、テキストデータD1と、スタイルデータD2と、スクリプトデータD3とを含む。
【0047】
ウェブブラウザデータEは、表示端末1がウェブブラウザBを起動した後にウェブサーバ4から受信する、第2コンテンツを表示するためのデータである。表示端末1が先読みの行われた第2コンテンツを表示する場合に、ウェブブラウザデータEは、画像データE4を含む。表示端末1が先読みの行われていない第2コンテンツを表示する場合に、ウェブブラウザデータEは、画像データE4に加えて、テキストデータE1と、スタイルデータE2と、スクリプトデータE3とを含む。
【0048】
本実施形態に係る表示方法において、まず表示端末1のユーザは、操作部13を操作してアプリケーションAを起動するための操作を行う。表示端末1において、操作受付部111は、ユーザによる操作に応じて、アプリケーションAを起動する。アプリケーションAが起動した場合に、受信部112は、アプリケーションデータCの要求を、アプリケーションサーバ2へ送信する。
【0049】
アプリケーションサーバ2は、表示端末1からアプリケーションデータCの要求を受信した場合に、記憶部21からアプリケーションデータCを読み出し、表示端末1へ送信する。表示端末1において、受信部112は、アプリケーションサーバ2からアプリケーションデータCを受信する。
【0050】
表示制御部113は、アプリケーションAを用いて、アプリケーションサーバ2から受信したアプリケーションデータC(テキストデータC1及び画像データC2)に基づいて、第1コンテンツを表示部14に表示させる。
【0051】
図5は、アプリケーションAを実行している表示端末1の正面図である。アプリケーションAは、第1コンテンツとして、テキストデータC1に対応する複数のテキストA1を表示しているとともに、画像データC2に対応する複数の画像A2を表示している。第1コンテンツに含まれる複数のテキストA1及び複数の画像A2は、それぞれ第1コンテンツから遷移可能な第2コンテンツにリンクされている(すなわちそれぞれ第2コンテンツに関連付けられている)。ここではアプリケーションAによって表示する第1コンテンツは、ニュース記事の一覧画面であるが、その他のコンテンツであってもよい。
【0052】
ウェブブラウザBが起動される前に、表示端末1の先読み部114は、第1コンテンツからリンクされている複数の第2コンテンツのうち少なくとも1つを、先読み対象として決定する。先読み部114は、第1コンテンツからリンクされている複数の第2コンテンツの全てを、先読み対象として決定してもよい。あるいは先読み部114は、第1コンテンツからリンクされている複数の第2コンテンツのうち上から所定個数の第2コンテンツを、先読み対象として決定してもよい。あるいは先読み部114は、第1コンテンツからリンクされている複数の第2コンテンツのうち表示部14の表示範囲に含まれる第2コンテンツを、先読み対象として決定してもよい。
【0053】
そして先読み部114は、先読み対象である第2コンテンツを識別する識別情報(例えば通し番号や、ネットワーク上のアドレス)を示す先読みデータDの要求を、記事管理サーバ3へ送信する。先読みデータDの要求の送信は、ウェブブラウザBが起動される前であって、受信部112がアプリケーションAを用いてアプリケーションデータCの要求を送信した際、又は表示制御部113がアプリケーションAを用いて第1コンテンツの表示を完了した際に行われる。
【0054】
記事管理サーバ3は、表示端末1から先読みデータDの要求を受信した場合に、記憶部31から先読みデータDを読み出し、表示端末1へ送信する。表示端末1において、先読み部114は、記事管理サーバ3から先読みデータDを受信し、記憶部12に記憶させる。先読み部114は、第1コンテンツを表示する際に、先読みデータDの要求及び受信を1回のみ行ってもよく、繰り返し行ってもよい。
【0055】
先読み部114が先読みデータDを受信した後に、第2コンテンツの内容が更新される場合がある。そのため、先読み部114は、表示制御部113が第1コンテンツの表示を完了した後に、所定の時間間隔(例えば3分ごと)で、先読みデータDの要求及び受信を複数回行ってもよい。これにより、第2コンテンツの内容と先読みデータDとの整合性を保つことができる。
【0056】
ユーザは、表示端末1を操作してアプリケーションA上でいずれかの第2コンテンツへのリンクを選択する。表示端末1において、操作受付部111は、ユーザによる操作に応じて、ウェブブラウザBを起動する。ウェブブラウザBが起動した場合に、受信部112は、表示端末1がネットワークに接続されているか否か(すなわち通信可能であるか)を判定する。
【0057】
表示端末1がネットワークに接続されていないと受信部112が判定した場合に、表示制御部113は、ウェブブラウザBを用いて、記憶部12に記憶された先読みデータDに基づいて、第2コンテンツを表示部14に表示させる。
【0058】
一方、表示端末1がネットワークに接続されていると受信部112が判定した場合に、受信部112は、ユーザによって選択された第2コンテンツを示す先読みデータDが、記憶部12に記憶されているか否かをさらに判定する。
【0059】
受信部112は、表示端末1がネットワークに接続されており、かつ先読みデータDが記憶部12に記憶されていると判定した場合に、画像データE4を含むウェブブラウザデータEの要求を、ウェブサーバ4へ送信する。
【0060】
ウェブサーバ4は、表示端末1から画像データE4を含むウェブブラウザデータEの要求を受信した場合に、記憶部41から画像データE4を読み出し、表示端末1へ送信する。表示端末1において、受信部112は、ウェブサーバ4から画像データE4を受信する。これにより、先読み対象である第2コンテンツをユーザが選択した場合には、受信部112はウェブサーバ4から第2コンテンツを表示するためのデータのうち画像データE4のみを受信するため、受信に掛かる時間を短縮できる。
【0061】
そして表示制御部113は、ウェブブラウザBを用いて、記憶部12に記憶された先読みデータDと、ウェブサーバ4から受信したウェブブラウザデータEとに基づいて、第2コンテンツを表示部14に表示させる。
【0062】
受信部112は、表示端末1がネットワークに接続されており、かつ先読みデータDが記憶部12に記憶されていないと判定した場合に、テキストデータE1、スタイルデータE2、スクリプトデータE3及び画像データE4を含むウェブブラウザデータEの要求を、ウェブサーバ4へ送信する。
【0063】
ウェブサーバ4は、表示端末1からテキストデータE1、スタイルデータE2、スクリプトデータE3及び画像データE4を含むウェブブラウザデータEの要求を受信した場合に、記憶部41からテキストデータE1、スタイルデータE2とスクリプトデータE3及び画像データE4を読み出し、表示端末1へ送信する。表示端末1において、受信部112は、ウェブサーバ4からテキストデータE1、スタイルデータE2、スクリプトデータE3及び画像データE4を受信する。これにより、先読み対象ではない第2コンテンツをユーザが選択した場合であっても、受信部112はウェブサーバ4から第2コンテンツを表示するための全てのデータを受信できる。
【0064】
そして表示制御部113は、ウェブサーバ4から受信したウェブブラウザデータEに基づいて、第2コンテンツを表示部14に表示させる。
【0065】
図6(a)、
図6(b)は、ウェブブラウザBを実行している表示端末1の正面図である。
図6(a)は表示端末1がネットワークに接続されている場合のウェブブラウザBを表しており、
図6(b)は表示端末1がネットワークに接続されていない場合のウェブブラウザBを表している。
【0066】
図6(a)の場合に、ウェブブラウザBは、第2コンテンツとして、テキストデータD1に対応するテキストB1を表示しているとともに、画像データE4に対応する画像B2を表示している。また、ウェブブラウザBは、スタイルデータD2、E2に基づいて、テキストB1及び画像B2の表示態様(例えばテキストB1の色や大きさ、画像B2の大きさ等)を設定している。また、ウェブブラウザBは、スクリプトデータD3、E3に基づいて、テキストB1及び画像B2等の動作(例えばテキストB1及び画像B2の動的な変化)を設定している。
【0067】
図6(b)の場合に、ウェブブラウザBは、第2コンテンツとして、テキストデータD1に対応するテキストB1を表示している。また、ウェブブラウザBは、スタイルデータD2、E2に基づいて、テキストB1の表示態様を設定している。また、ウェブブラウザBは、スクリプトデータD3、E3に基づいて、テキストB1等の動作を設定している。
【0068】
このように表示端末1は、第1コンテンツの表示中に先読みデータDを受信するため、第1コンテンツから第2コンテンツへ遷移する際に、短い時間で画面を表示できる。また、表示端末1は、第1コンテンツの表示中にネットワーク環境が変化した等の理由でネットワークに接続されていない場合であっても、先読みデータDを用いて第2コンテンツの少なくとも一部を表示できる。
【0069】
[表示方法のシーケンス]
図7は、本実施形態に係る表示方法のシーケンス図である。表示端末1のユーザは、操作部13を操作してアプリケーションAを起動するための操作を行う。表示端末1において、操作受付部111は、ユーザによる操作に応じて、アプリケーションAを起動する(S11)。
【0070】
アプリケーションAが起動した場合に、受信部112は、アプリケーションデータCの要求(
図7のアプリデータ要求)を、アプリケーションサーバ2(
図7のアプリサーバ)へ送信する。アプリケーションサーバ2は、表示端末1からアプリケーションデータCの要求を受信した場合に、記憶部21からアプリケーションデータCを読み出し、表示端末1へ送信する。表示端末1において、受信部112は、アプリケーションサーバ2からアプリケーションデータC(
図7のアプリデータ)を受信する。
【0071】
表示制御部113は、アプリケーションAを用いて、アプリケーションサーバ2から受信したアプリケーションデータCに基づいて、第1コンテンツを表示部14に表示させる(S12)。
【0072】
ウェブブラウザBが起動される前に、先読み部114は、第1コンテンツからリンクされている複数の第2コンテンツのうち少なくとも1つを、先読み対象として決定する。そして先読み部114は、先読み対象である第2コンテンツを識別する識別情報を示す先読みデータDの要求(
図7の先読みデータ要求)を、記事管理サーバ3へ送信する。
図7では先読み部114は、表示制御部113が第1コンテンツの表示を完了した際に先読みデータDの要求を送信しているが、受信部112がアプリケーションデータCの要求を送信した際に先読みデータDの要求を送信してもよい。
【0073】
記事管理サーバ3は、表示端末1から先読みデータDの要求を受信した場合に、記憶部31から先読みデータDを読み出し、表示端末1へ送信する。表示端末1において、先読み部114は、記事管理サーバ3から先読みデータD(
図7の先読みデータ)を受信し、記憶部12に記憶させる。
【0074】
ユーザは、表示端末1を操作してアプリケーションA上でいずれかの第2コンテンツへのリンクを選択する。表示端末1において、操作受付部111は、ユーザによる操作に応じて、ウェブブラウザBを起動する(S13)。
【0075】
ウェブブラウザBが起動した場合に、受信部112は、表示端末1がネットワークに接続されているか否かを判定する。表示端末1がネットワークに接続されていると受信部112が判定した場合に(S14のYES)、受信部112は、ウェブブラウザデータEの要求(
図7のウェブデータ要求)を、ウェブサーバ4へ送信する。
【0076】
ウェブサーバ4は、表示端末1からウェブブラウザデータEの要求を受信した場合に、記憶部41からウェブブラウザデータEを読み出し、表示端末1へ送信する。表示端末1において、受信部112は、ウェブサーバ4からウェブブラウザデータE(
図7のウェブデータ)を受信する。このとき、受信部112は、先読みデータDが記憶部12に記憶されている場合には、画像データE4のみを受信し、先読みデータDが記憶部12に記憶されていない場合には、テキストデータE1、スタイルデータE2、スクリプトデータE3及び画像データE4を受信する。
【0077】
表示端末1がネットワークに接続されていないと受信部112が判定した場合に(S14のNO)、受信部112はウェブブラウザデータEの受信を行わずにステップS15へ進む。
【0078】
表示制御部113は、ウェブブラウザBを用いて、記憶部12に記憶された先読みデータDと、ウェブサーバ4から受信したウェブブラウザデータEとに基づいて、第2コンテンツを表示部14に表示させる(S15)。このとき、表示端末1がネットワークに接続されていない場合には、表示制御部113は、ウェブブラウザBを用いて、記憶部12に記憶された先読みデータDに基づいて、第2コンテンツを表示部14に表示させる。
【0079】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る表示システムSは、第1コンテンツを表示する場合に、第1コンテンツからリンクされている第2コンテンツを表示するための一部のデータを先読みデータとして受信する。そして表示システムSは、第1コンテンツから第2コンテンツへ遷移する際に残りのデータを受信して先読みデータと併せて表示するため、異なるアプリケーション又はコンポーネント間で遷移を行う場合であっても、画面表示に掛かる時間を短縮できる。
【0080】
[変形例]
先読み部114は、複数の第2コンテンツのデータをまとめた先読みデータDを受信してもよい。
図8は、表示端末1が記事管理サーバ3から受信する先読みデータDの模式図である。本変形例において、先読みデータDは、複数の第2コンテンツについて、それぞれテキストデータD1と、スタイルデータD2と、スクリプトデータD3とを含む。
図8の例は、複数の第2コンテンツとして、第1コンテンツからリンクされている第1ページ、第2ページ及び第3ページを表している。
【0081】
ウェブブラウザBが起動される前に、先読み部114は、先読み対象である複数の第2コンテンツを識別する識別情報を示す先読みデータDの要求を、記事管理サーバ3へ送信する。
【0082】
記事管理サーバ3は、表示端末1から先読みデータDの要求を受信した場合に、先読みデータDの要求が示す複数の第2コンテンツの先読みデータDを記憶部31から読み出す。次に記事管理サーバ3は、複数の第2コンテンツの先読みデータDをまとめて圧縮(符号化)し、1つの圧縮データである先読みデータDを生成する。記事管理サーバ3は、先読みデータDをまとめて圧縮するために、既知の圧縮方法(符号化方法)を用いることができる。そして記事管理サーバ3は、生成した圧縮データである先読みデータDを、表示端末1へ送信する。
【0083】
表示端末1において、先読み部114は、記事管理サーバ3から圧縮データである先読みデータDを受信する。先読み部114は、圧縮データである先読みデータDを解凍(復号)して個々の第2コンテンツの先読みデータDを生成し、記憶部12に記憶させる。
【0084】
一般的に、テキストデータ、スタイルデータ及びスクリプトデータは、画像データよりも圧縮率が高い。そのため、記事管理サーバ3は、複数の第2コンテンツの先読みデータD(テキストデータD1、スタイルデータD2及びスクリプトデータD3)をまとめて圧縮することによって、小さい容量の圧縮データを生成できる。表示端末1は、圧縮された先読みデータDを受信することによって、先読みに必要な通信容量を大きく削減することができる。
【0085】
また、特にCSS等のスタイルデータは複数のコンテンツで使い回されることが多い。そのため、複数の第2コンテンツのスタイルデータをまとめて先読みデータDとすることによって、表示端末1は同じスタイルデータを何度も送受信する必要がなくなるため、通信容量を削減することができる。
【0086】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0087】
表示端末1、アプリケーションサーバ2、記事管理サーバ3及びウェブサーバ4のプロセッサは、
図7に示す表示方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、表示端末1、アプリケーションサーバ2、記事管理サーバ3及びウェブサーバ4のプロセッサは、
図7に示す表示方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行して表示システムSの各部を制御することによって、
図7に示す表示方法を実行する。
図7に示す表示方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。