【文献】
Molecular cancer therapeutics,2010年,DOI:10.1158/1535-7163.MCT-09-1148
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の基準細胞担体の前記画像は、基準トレイのウェルの画像、スライドのセットの画像、およびフローサイトメトリ流体サンプルの画像のうちの1つである、請求項1に記載のシステム。
対物レンズ、1つまたは複数のフィルタ、および照明の複数の組み合わせを使用して評価されるべき前記細胞担体のそれぞれの画像を捕捉するように前記ハイコンテント撮像システムを自動的に動作させるコントローラをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
前記モデル展開モジュールは、前記複数の基準細胞担体の第1のサブセットを訓練サブセットとして、前記複数の基準細胞担体の第2のサブセットを評価サブセットとして選択し、前記モデル展開モジュールは、前記訓練サブセットの画像を前記モデルを訓練するために使用し、前記評価サブセットの画像を前記モデルの有効性を評価するために使用し、前記モデル展開モジュールは、前記訓練サブセットの画像のパラメータを選択し、前記モデルを訓練するために使用する、請求項1に記載のシステム。
前記訓練サブセットの前記複数の画像のそれぞれと関連付けられたパラメータの特性を評価するパラメータ計算モジュールをさらに含み、前記パラメータ計算モジュールは、前記訓練サブセットの前記複数の画像のそれぞれを分析し、各そのような画像内の細胞核の場所を識別する、請求項4に記載のシステム。
前記モデルは、深層学習ニューラルネットワークであり、画像がその入力ノードに提供され、前記モデルを訓練するために重要な前記画像の前記パラメータは、前記深層学習ニューラルネットワークを訓練することによって判定される、請求項4に記載のシステム。
前記モデルは、深層学習、決定木、ランダムフォレスト、遺伝的アルゴリズム、メタヒューリスティクス、k平均法、群行動、蟻コロニー最適化、および焼きなまし法のうちの1つを使用して訓練される、請求項5に記載のシステム。
前記複数の基準細胞担体の前記画像は、基準トレイのウェルの画像、スライドのセットの画像、およびフローサイトメトリ流体サンプルの画像のうちの1つである、請求項11に記載の方法。
前記評価されるべき細胞担体のそれぞれの画像を捕捉するために前記ハイコンテント撮像システムによって使用される対物レンズ、1つまたは複数のフィルタ、および照明を自動的に選択するさらなるステップを含む、請求項11に記載の方法。
前記複数の基準細胞担体の第1のサブセットを訓練サブセットとして、前記複数の基準細胞担体の第2のサブセットを評価サブセットとして選択するさらなるステップを含み、前記モデルを展開することは、前記訓練サブセットの画像を使用して前記モデルを訓練し、前記評価サブセットの画像を使用して前記モデルの有効性を評価することを含む、請求項11に記載の方法。
深層学習、決定木、ランダムフォレスト、遺伝的アルゴリズム、メタヒューリスティクス、k平均法、群行動、蟻コロニー最適化、および焼きなまし法のうちの1つを用いて前記モデルを訓練するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、当業者に明白となるであろうように、HCIS100は、X−Y段102と、1つまたはそれを上回る対物レンズ104と、1つまたはそれを上回る照明源106と、1つまたはそれを上回るフィルタ108と、画像捕捉デバイス110と、コントローラ112とを含んでもよい。HCIS100はまた、照明源106からの光を、X−Y段102上に配置され得るサンプルトレイ116に、そのようなサンプルトレイ116から、画像捕捉デバイス110に指向する、1つまたはそれを上回るミラー114を含んでもよい。典型的には、サンプルトレイ116は、複数のウェル118を含み、HCIS100によって撮像されるべきサンプル(例えば、生物学的細胞)は、各そのようなウェル118内に配置されてもよい。
【0011】
図1は、サンプルトレイ116から反射された照明源106からの光が画像捕捉デバイス110に到達することを示すが、付加的ミラー(図示せず)が、照明源106からの光がサンプルトレイ116を通して伝送され、画像捕捉デバイス110に向かって指向されるように使用されてもよいことが明白となるはずである。さらに、ある場合には、照明源106からの照明が、サンプルトレイ116内のサンプルを撮像するために必要ない場合もあることが明白となるはずである(例えば、サンプルが光を放出する場合、またはサンプルが放射性成分を含む場合)。いくつかの実施形態では、照明源からの光は、サンプルトレイ116内のサンプルを通して伝送され、サンプルが、撮像される生成物が照らされるように伝送された光を屈折および/または吸収してもよい。
【0012】
動作の間、サンプルトレイ116は、手動またはロボットのいずれで、X−Y段102上に設置されてもよい。加えて、コントローラ112は、特定の対物レンズ104、照明源106によって発生される照明、および/またはフィルタ108の組み合わせを使用するようにHCIS100を構成してもよい。例えば、コントローラ112は、位置付けデバイス(図示せず)を動作させ、選択された対物レンズ104、随意に、選択されたフィルタ108をサンプルトレイ116と画像捕捉デバイス110との間の光経路内に設置してもよい。コントローラ112はまた、照明源106を指示し、サンプルトレイ116を光の特定の波長で照明してもよい。サンプルトレイ116内のサンプルは、自然発生分子または処置に起因してサンプル内で産生または存在する分子のいずれかを蛍光化する、分子を含有してもよい。サンプルを照明する波長は、そのような蛍光分子と関連付けられた励起波長であってもよく、撮像捕捉デバイスは、そのような蛍光材料の放出スペクトルのみを捕捉するであろう。1つまたはそれを上回る波長は、連続して、または同時に使用され、同一サンプルを照明し、画像を生成してもよい。
【0013】
加えて、いくつかの実施形態では、コントローラ112は、画像捕捉デバイス110がサンプルトレイ116内に配置されるサンプルの合焦画像を取得し得るように、集束機構120を動作させてもよい。
【0014】
その後、コントローラ112は、ウェル118またはその一部が画像捕捉デバイス110の視野内にあるようにX−Y段102を動作させ、画像捕捉デバイス110を作動させ、ウェル118またはその一部の画像を捕捉してもよい。コントローラ112は、着目されるサンプルトレイ116のウェル118の全ての画像が捕捉されるまで、X−Y段102および画像捕捉デバイス110をこのように繰り返し動作させてもよい。さらに、コントローラ112は、同一ウェル118またはその一部のいくつかの画像を捕捉してもよく、各そのような画像は、対物レンズ104のうちの1つ、フィルタ108のうちの1つまたはそれを上回るもの、および照明源106によって発生される照明の異なる組み合わせを使用して捕捉される。
【0015】
図1−4を参照すると、応答分析システム200が、HCIS100と併用され、自動的に、サンプルトレイ116のウェル118内に配置される任意の細胞が処置に応答するかどうかを判定してもよい。基準サンプルトレイ116Aは、その各ウェル118A内に配置されるサンプル細胞の同じ集団で調製される。各ウェル118A内に配置される集団は、標的細胞のみを備える同種集団または標的細胞および非標的細胞の組み合わせである異種集団であってもよい。その後、基準サンプルトレイ116Aの選択されたウェル118Aは、処置を受けてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、基準サンプルトレイ116Aの選択されたウェル118Aは、所定の用量または処置の濃度のいずれかをそこに適用させてもよく、他のウェル118Aは、処置をそこに適用させなくてもよい。
図3に図示されるように、列1−6内のウェル118Aは、「+」文字によって示されるように、処置を受けていてもよく、列7−12内のウェル118Aは、「−」文字によって示されるように、処置を受けていなくてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、基準サンプルトレイ116Aのウェル118Aは、処置の異なる投薬量または濃度をそこに適用させてもよい。
図4に図示されるように、行A−Cおよび列1−3におけるウェル118Aは、「−」文字によって示されるように、いかなる処置もそこに適用させていない。行A−Cおよび列4−6におけるウェル118Aは、第1の濃度を有しており、例えば、「1」文字によって示されるように、1単位の処置がそこに適用されており、行A−Cおよび列7−9におけるウェル118Bは、第2の濃度を有しており、例えば、「2」文字によって示されるように、2単位の処置をそこに適用させている。
図3および4に示される本実施例では、基準サンプルトレイ116Aのウェル118Aに示される各一意の文字は、そのようなウェルに適用される処置の異なる濃度と関連付けられる。
【0018】
オペレータは、ユーザコンピュータ202を使用して、処置情報を応答分析システム200に規定し、そのような処置情報は、基準サンプルトレイ116Aの各ウェル118Aに適用される処置の濃度のインジケーションを含む。ユーザインターフェースモジュール204は、そのような基準サンプルトレイ情報を受信し、情報を処置情報データベース206内に記憶する。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースモジュール204は、オペレータが、基準サンプルトレイ116Aのウェル118A毎に、そのようなウェル118Aに適用される処置の濃度または量を規定する、ファイル、例えば、テキストファイル、スプレッドシートファイル、または他のデータファイルをアップロードすることを可能にする。他の実施形態では、ユーザインターフェースモジュール204は、ユーザコンピュータ202上に、基準サンプルトレイ116Aのウェル118Aの表現を表示し、オペレータが、ユーザコンピュータ202の入力デバイス(図示せず)を使用し、各ウェルの表現を選択し、そのような表現と関連付けられた各ウェル118Aに適用される処置の濃度を示すことを可能にする。当業者に明白な他の方法が、基準サンプルトレイ情報を応答分析システム200に供給するために使用されてもよい。
【0019】
その後、画像取得モジュール208は、HCIS100に、各ウェル118Aの複数の画像を捕捉するように指示し、各画像は、前述のように、対物レンズ104、照明源106によって発生される照明、およびフィルタ108の異なる組み合わせを用いて捕捉される。いくつかの実施形態では、そのような複数の画像は、伝送光、蛍光、微分干渉コントラスト、位相コントラスト、明視野撮像、および同等物を含む、異なるモダリティを使用して取得されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、画像取得モジュール208は、各特定の組み合わせをHCIS100のコントローラ112に伝送し、それに応答して、捕捉された画像を画像捕捉デバイス110から受信する。受信された画像は、次いで、画像データベース210内に記憶される。他の実施形態では、画像取得モジュール208は、HCIS100のコントローラ112と統合されてもよく、各組み合わせを用いてHCIS100を自動的に構成し、画像捕捉デバイス110に画像を捕捉するように指示し、画像を画像データベース210内に記憶してもよい。いくつかの実施形態では、画像を捕捉するために使用される対物レンズ、照明、およびフィルタの組み合わせは、事前に定義される。他の実施形態では、ユーザは、サンプルトレイ116A内のサンプルの特性に従ってそのような組み合わせを選択してもよい。そのような特性は、そのようなサンプル内の分子、サンプル内の着目構造のサイズ、および同等物を含んでもよい。
【0021】
画像の全てが捕捉され、画像データベース210内に記憶された後、モデル展開モジュール212は、基準サンプルトレイ116Aの記憶された画像を分析し、モデルを展開する。その後、展開されたモデルは、他のサンプルトレイ116の画像を自動的に分析し、そのようなトレイ内の細胞が処置に対して表現型応答を呈するかどうかを判定するために使用されてもよい。
【0022】
モデルを展開するために、モデル展開モジュール212は、処置情報を使用して、基準サンプルトレイ116Aのウェル118Aの訓練サブセットをランダムに選択してもよい。訓練サブセットは、処置が適用されていない1つまたはそれを上回るウェル118Aと、サンプルトレイ116Aに適用される処置の異なる濃度毎に少なくとも1つのウェル118Aとを含んでもよい。例えば、
図4に図示される基準サンプルトレイ116Aが使用される場合、訓練サブセットは、処置が適用されていない少なくとも1つのウェル118Aと、基準サンプルトレイ116Aのウェル118Aに適用される処置の異なる濃度1−7のそれぞれと関連付けられた少なくとも1つのウェル118Aとを含んでもよい。
【0023】
モデル展開モジュール212は、各ウェル118Aの1つまたはそれを上回る画像を分析のためにパラメータ計算モジュール214に提供してもよい。パラメータ計算モジュール214は、画像を分析し、そのような画像の種々の特性またはパラメータの値を計算する。例えば、画像は、その平均ピクセル強度値、細胞核が位置するそのような画像のピクセル座標の値、画像内の細胞の縁におけるピクセル強度変動の強さを表す値、画像内の細胞の核に対する縁の配向を表す値、異なる倍率におけるピクセル強度のテクスチャまたは変動の測定値を表す値、および同等物を判定するために分析されてもよい。さらに、テクスチャの測定は、ピクセル強度の標準偏差の計算、画像のフーリエ変換のピークと関連付けられた周波数の識別、ウェーブレートマッチ、およびガウスピーク分析のラプラシアンを含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、パラメータ計算モジュール214は、画像を区画し、そのような画像内の各細胞核と関連付けられた細胞構造を識別してもよい。例えば、細胞核と関連付けられた細胞境界が、光の異なる波長で撮影された1つまたはそれを上回る画像を使用して識別されてもよい。そのような境界によって境界される各細胞の面積が、計算されてもよい。また、モデル展開モジュール212は、そのような細胞の形状(例えば、円形、伸長、多角形等)を評価してもよい。さらに、細胞の識別された境界は、画像をマスクし、細胞と関連付けられた構造を隔離するために使用されてもよく、前述のパラメータの値もまた、そのようなマスクされた画像上で計算されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、パラメータ計算モジュール214は、ユーザインターフェースモジュール204に、画像またはその一部をユーザコンピュータ202上に表示し、オペレータから細胞および/または細胞核と関連付けられた画像(またはその一部)のピクセルの識別を得るように指示してもよい。そのようなオペレータ提供情報は、そのような細胞核と関連付けられた境界を自動的に識別し、および/または付加的細胞核を識別するために使用されてもよい。パラメータ計算モジュール214は、当業者に公知のフィルタ処理、機械学習、および画像分析技法を使用して、基準サンプルトレイ116Aのウェル118Aの画像と関連付けられた種々のパラメータの値を計算してもよいことが明白となるはずである。
【0026】
いくつかの実施形態では、パラメータ計算モジュール214は、各ウェル118Aまたは基準サンプルトレイ116A内のサンプルまたは細胞の全てのパラメータの値を計算してもよい。ウェル118Aの数が、サンプルの数と比較して、比較的に少なく、測定可能パラメータの数が比較的に多いため、全体的ウェル118A内のサンプルに関するパラメータの計算は、ウェル118Aに適用される処置がどのようにそのようなウェル118Aに関して計算されるパラメータに顕在化するかの推論の展開を促進し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、パラメータ計算モジュール214は、例えば、細胞縁から細胞核までの距離、細胞形状、細胞内の強度変動、および同等物等、ウェル118Aの画像内で識別された個々の細胞の測定値を表す、パラメータの値を計算する。さらに、パラメータ計算モジュール214は、例えば、異なる照明を使用して撮影された特定のウェル118Aのサンプル面積のいくつかの画像からの情報を使用して、ウェル118Aの特定の画像と関連付けられたパラメータの値の計算を促進してもよい。
【0028】
画像内の細胞は、種々の方法で識別され得る。一実施形態では、パラメータ計算モジュール214は、各画像内の染色された核を識別する。そのような識別は、MiniMaxによって使用されるような当業者に公知の機械学習アルゴリズムまたは強度およびサイズベースのアルゴリズムを使用してもよい。MiniMaxはまた、伝送された光を使用して無標識細胞を識別するために使用されてもよい。ウェル118Aと関連付けられたパラメータの特性を判定するために、そのようなウェル内の各細胞の正確な識別は、要求されなくてもよい。しかしながら、個々の細胞がパラメータ計算モジュール214によって識別される場合、パラメータ計算モジュール214は、ウェル118Aと関連付けられた特性パラメータに加え、ウェル118A内の個々の細胞と関連付けられたパラメータの特性を展開することを可能にし得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、ウェル118Aの画像の区分は、区分に分裂されてもよく、各そのような区分内の「細胞様」面積は、テクスチャ等の特徴または前述のような機械学習アルゴリズムのいずれかによって識別され得る。
【0030】
パラメータの値は、モデル展開モジュール212によって選択されたサブセット内のウェル118Aの画像から展開された後、モデル展開モジュール212は、ウェル118A毎に関連付けられたパラメータの値と、そのようなウェル118Aに実際に適用される処置濃度を統計的に相関させる。前述のように、ウェル118Aに実際に適用される処置濃度に関する情報は、処置情報データベース206から利用可能である。
【0031】
例えば、基準サンプルトレイ116Aが、正の処置を有する100個のウェルと、負の処置を有する100個のウェルとを含み、正に処置されたウェルのうちの80個が、比較的に高い平均画像強度を有する画像と関連付けられ、負に処置されたウェルのうちの20個のみが、比較的に高い強度を有する画像と関連付けられる場合、平均画像強度は、処置と相関されるパラメータと見なされ得、そのようなパラメータの高値は、正の処置と相関すると見なされ得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、統計的相関係数、例えば、ピアソン相関またはスピアマン相関が、ウェル118Aおよび/またはそのようなウェル118A内に配置される細胞と関連付けられた各パラメータの値と、ウェル118Aに適用される処置濃度との間で計算されてもよい。他の実施形態では、各パラメータと関連付けられた処置濃度の正しい予測の数が、判定されてもよい。当業者に明白なウェル118Aと関連付けられた画像のパラメータとそのようなウェル118Aに適用される処置との間の相関を判定するための他の方法も、使用されてもよい。さらに、そのような相関は、そのような画像内で識別された1つまたはそれを上回る細胞のために展開されてもよい。
【0033】
パラメータが相関された後、モデル展開モジュール212は、ウェル118Aの訓練サブセットに適用される処置濃度との最高相関を有する、またはそれを最良に予測する、それらのパラメータを選択する。
【0034】
モデル展開モジュール212は、選択されたパラメータの値および機械学習技法を使用して、生成物サンプルトレイ116のウェル118内の細胞による処置に対する応答を識別および/または定量化するために使用され得る、モデルを訓練してもよい。
【0035】
一実施形態では、モデル展開モジュール212は、各入力ノードが選択されたパラメータのうちの1つと関連付けられる、人工ニューラルネットワークを訓練してもよい。訓練サブセットのウェル118Aの画像から計算される各パラメータの値は、そのようなパラメータと関連付けられた入力ノードに提供される。入力ノードにおける値は、人工ニューラルネットワークを通して伝搬され、そのようなウェル118Aに適用される処置の濃度を予測する、人工ニューラルネットワークの出力ノードにおいて値を生成する。予測される処置の濃度と実際に適用される処置の濃度との間の誤差が、計算され、ニューラルネットワークの内部ノードの加重が、例えば、誤差の後方伝搬を使用して、そのような誤差に従って調節される。人工ニューラルネットワークは、人工ニューラルネットワークの加重が収束し、訓練サブセットのウェル118Aの予測される処置濃度とそのようなウェル118Aに適用される実際の処置濃度との間の誤差が最小限にされるまで、訓練サブセットの付加的ウェル118Aの画像から計算されるパラメータの入力ノードにおける値を使用して反復されてもよい。
【0036】
他の実施形態では、複数の層化ニューラルネットワークが、展開されてもよく、深層学習方法が、そのようなネットワークを訓練するために使用されてもよい。例えば、ウェル(または細胞)の画像のパラメータの複合セットの値と関連付けられた値が、そのようなネットワークの入力ノードに提供され、ネットワークの初期可変加重を改良してもよい。いくつかの実施形態では、各ウェル118Aまたはウェル118A内に配置される細胞と関連付けられたパラメータの値が、処置をそこに適用させた訓練サブセットのそれらのウェル118Aまたはそのようなウェル118A内に配置される細胞のための処置の正のインジケーションを生成する、パラメータのセットを判定するために分析される、フォレストツリーまたはランダムツリーフォレスト技法が、使用されてもよい。
【0037】
例えば、遺伝子がパラメータと関連付けられた、遺伝子アルゴリズムであって、そのようなパラメータに関する値が、そのような遺伝子の鎖内にコード化される、メタヒューリスティクス技法が、モデルを展開するために使用されてもよい。そのような遺伝子の鎖は、訓練サブセットのウェル118Aおよび/またはそのようなウェル118A内に配置される細胞に適用される処置を予測するために使用されてもよい。正に処置されるウェル118Aおよび/または細胞を負に処置されるウェル118Aおよび/または細胞から最良に分離する鎖のフラグメントは、そのような鎖の対間の遺伝子を相互交換することによって「交配」されてもよい。そのような交配の複数回の反復にわたって、より低いスコアの鎖は、最良適合鎖のみが残るように除去されてもよい。訓練されたモデルは、残った1つのそのような最良適合(または最高スコア)鎖を備えてもよい。
【0038】
さらに他の実施形態では、モデルは、決定ツリー、サポートベクトル機械、k平均法、群行動、蟻コロニー最適化、および焼きなまし法を含む、当業者に明白な他の機械学習技法を使用して実装されてもよい。いくつかの実施形態では、当業者に明白となるであろうように、勾配降下法および類似技法が、本明細書に説明される機械学習技法の収束を加速するために使用されてもよい。
【0039】
モデル展開モジュール212によって展開されたモデルの入力を備えるパラメータは、モデルデータベース216内に記憶される。
【0040】
その後、モデル評価モジュール218は、評価サブセットを備えるウェル118Aを訓練サブセット内にない基準サンプルプレート116Aのそれらのウェル118Aから選択する。訓練サブセットのように、評価サブセットを構成するウェル118Aは、基準サンプルトレイ116Aに適用される処置の濃度のそれぞれと関連付けられた少なくとも1つのウェル118Aを有する。評価サブセット内のウェル118A毎に、モデル評価モジュール218は、画像データベース210からの画像をパラメータ計算モジュール214に提供する。パラメータ計算モジュール214は、そのような画像を分析し、処置の濃度と相関されるように、モデル展開モジュール212によって識別されるパラメータの値を計算する。モデル評価モジュール218は、次いで、計算された値をモデルデータベース216内に記憶されるモデルへの入力として使用し、そのようなモデルの出力とウェル118Aに実際に適用される処置との間の誤差を計算する。モデル評価モジュール218は、評価サブセットを備えるウェル118A毎にそのような誤差値を計算する。誤差値は、組み合わせられ、モデルデータベース216内に記憶されるモデルのための信頼度スコアを展開する。
【0041】
一実施形態では、ウェル118A毎の誤差値は、統計的に分析され、任意の処置が各ウェル118Aに適用されたかどうか、または評価サブセットの各ウェル118Aに適用された処置の量を予測するモデルの良好度を評価してもよい。異なる量の処置が、評価サブセットの各ウェル118Aに適用される場合、評価モジュール218は、実際に適用された処置の量とモデルによって予測される処置の量との間の関係(例えば、曲線)と関連付けられた誤差バーを分析してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、評価モジュール218は、以前の実験からの細胞によって呈された応答の量と展開されたモデルによって識別される処置に対する応答の量とを比較してもよい。例えば、処置が毒性物質をウェル118に添加することを含み、希釈系列がウェル118間で起動し得ると仮定する。高濃度の毒性物質に暴露されるウェル118内の細胞は全て、死滅され得る一方、低濃度の毒性物質に暴露されるウェル118内の細胞は、任意の知覚可能変化を示さない場合がある。異なる濃度の毒素に暴露される細胞の画像、各画像と関連付けられた毒素の濃度、およびそのような濃度によって死滅された細胞のパーセントを含む、実験データが、評価モジュール218に提供されてもよい。評価モジュール218は、モデルの予測とそのような実験データとを比較し、モデルが実際の実験データを予測する良好度を示す、誤差バーまたは信頼度スコアを展開してもよい。
【0043】
前述の実施例を継続すると、提供され得る実験データはまた、特定の濃度の毒素に暴露された細胞の画像内の細胞が実際に死滅した数、および死滅したように見えたが、実際には生存していた(すなわち、偽陽性)細胞の数に関する情報を含んでもよい。いくつかの実施形態では、評価モジュール118は、そのような付加的データを使用して、偽陰性または偽陽性を予測または考慮するモデルの能力を示す、信頼度スコアを展開してもよい。いくつかの実施形態では、評価モジュール118は、サンプルの全部または大部分の細胞が連続範囲の応答を生成する状況を検討してもよい。例えば、薬物が細胞に特定のタンパク質を産生させることが既知であって、投薬時、最小限の量のタンパク質が、産生され得、投薬量が増加されるにつれて、産生されるタンパク質の量もまた増加する場合である。そのような状況では、モデル展開モジュール212は、応答を呈した細胞の数ではなく、細胞によって呈された応答の量(すなわち、産生されるタンパク質の量)に基づいて、モデルを訓練してもよい。いくつかの実施形態では、細胞は、そのDNAを修正させ、蛍光マーカ(例えば、緑色蛍光タンパク質)を薬物に応答して細胞によって発生されたタンパク質に添加してもよい。これらの場合、タンパク質の発現は、タンパク質が細胞の核の外側を移動し、および/または他のタンパク質と群化または結合するにつれて測定されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、信頼度スコアに関する高値は、より良好なモデル性能、すなわち、モデルの出力と評価サブセットを備えるウェル118Aに実際に適用される処置との間のより少ない誤差を示す。他の実施形態では、低信頼度スコアが、より良好なモデル性能と関連付けられてもよく、ゼロの信頼度スコアは、評価サブセットのウェル118Aに適用される処置の完璧な予測を示す。
【0045】
いくつかの実施形態では、信頼度スコアの高値がより良好なモデル性能を示し、信頼度スコアが所定の閾値を超える場合、モデルは、容認可能と見なされ、モデルは、生成物サンプルトレイ116を分析するために使用されてもよい。同様に、信頼度スコアの低値がより良好な性能を示し、信頼度スコアが所定の閾値未満である場合、モデルは、容認可能と見なされる。
【0046】
他の実施形態では、モデル評価モジュール218は、信頼度スコアをユーザコンピュータ202上での表示のためにユーザインターフェースモジュール204に提供する。そのような実施形態では、オペレータは、信頼度スコアと関連付けられたモデルが容認可能であるかまたは容認不可能であるかを示してもよい。
【0047】
モデルが容認不可能である場合、モデル展開モジュール212は、モデルを展開するために使用される1つまたはそれを上回るパラメータをパラメータと訓練サブセットのウェル118Aとの間の高相関を示す他のパラメータと置換することによってモデルを調整してもよい。前述のような機械学習技法が、その後、調整されたモデルを展開するために使用されてもよい。調整されたモデルは、ウェル118Aの評価サブセットに適用されると、容認可能信頼度スコアを生成するモデルが展開されるまで、評価および/またはさらに調整されてもよい。
【0048】
モデルが展開された後、モデルは、生成物サンプルトレイ116を分析するために必要とされるまで、モデルデータベース216内に記憶されてもよい。モデルは、モデルを展開するために使用されるものに類似する細胞がモデルと関連付けられた処置を用いて堆積および処置されたウェル118を伴う、生成物サンプルトレイ116と併用されてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、生成物サンプルトレイ116が、HCIS100内に配置されると、ユーザインターフェースモジュール204は、ユーザコンピュータ202上に、モデルデータベース216内に記憶されるモデルのリストを表示してもよい。その後、ユーザインターフェースモジュール204は、ユーザコンピュータ202から、モデルデータベース216内に記憶されるモデルのうちの選択された1つを受信してもよい。ユーザインターフェースモジュール204は、選択されたモデルをモデル適用モジュール220に提供する。モデル適用モジュール220は、モデルを適用するために要求されるパラメータと、そのようなパラメータの値を得るために必要な画像捕捉パラメータとを判定する。モデル適用モジュール220は、画像取得モジュール208に、生成物サンプルトレイ116の各ウェル118の必要な画像を得るように指示し、パラメータ計算モジュール214を使用して、要求されるパラメータの値を展開する。そのような展開されたパラメータの値は、次いで、入力として選択されたモデルに供給され、そのようなパラメータと関連付けられたウェル118内に配置される細胞がモデルと関連付けられた処置に応答するかどうかを判定してもよい。
【0050】
図5は、訓練されたモデルを展開するために応答分析システム200によって行われ得る、処理のフローチャート300を示す。ステップ302では、ユーザインターフェースモジュール204は、基準トレイ情報をユーザコンピュータ202から受信し、そのような情報を処置情報データベース206内に記憶する。ステップ304では、画像取得モジュール208は、基準トレイ116Aの各ウェル118Aの画像を捕捉し、そのような画像を画像データベース210内に記憶する。
【0051】
画像が記憶された後、モデル展開モジュール212は、ステップ306において、ウェル118Aの訓練サブセットを選択する。ステップ308では、モデル展開モジュール212は、分析されていない訓練サブセットのウェル118Aのうちの1つを選択し、画像データベース210内のそのようなウェル118Aと関連付けられた画像をパラメータ計算モジュール214に提供する。ステップ310では、パラメータ計算モジュール214は、そのような画像を分析し、そのような画像内で識別されたそのような画像および/または細胞の種々のパラメータの値を展開する。
【0052】
ステップ312では、モデル展開モジュール212は、パラメータ計算モジュール214によって分析されていない訓練サブセットの任意のウェル118Aが存在するかどうかを判定する。該当する場合、処理は、ステップ308に進む。
【0053】
そうでなければ、ステップ314では、モデル展開モジュール212は、訓練サブセットの各ウェル118Aに供給される処置の濃度と、そのようなウェルと関連付けられた画像からのパラメータ展開の値を相関させる。モデル展開モジュール212は、ステップ316において、最高相関を有するそれらのパラメータを使用し、モデルを訓練する。
【0054】
一実施形態では、所定の値を上回る相関を有するパラメータは全て、モデルを訓練するために使用される。あまりに多くのパラメータが使用される場合、パラメータが偶然にも相関された状態となり、他のサンプルを評価するために使用されるとき、高予測値を有し得ない、過剰適合が生じ得る。パラメータの特性とウェル118Aに適用される処置との間の相関を展開するために使用されるサンプルの数の増加は、そのような過剰適合を低減させ得る。
【0055】
ステップ318では、モデル評価モジュール218は、基準サンプルトレイ116Aのウェル118Aのサブセットを評価サブセットとして選択する。ステップ320では、モデル評価モジュール218は、ステップ316において展開されたモデルを適用するために要求される各画像のパラメータを判定する。一実施形態では、各パラメータは、そのようなパラメータ自体(すなわち、他のパラメータを伴わずに)が基準サンプルトレイ116Aの各ウェル118Aに適用される処置の量と相関される良好度を判定するために評価されてもよい。他のパラメータを伴わずに高相関を呈する個々のパラメータは、モデルを訓練するために使用されてもよい。モデルが訓練された後、付加的パラメータが、モデルの正確度を改良するために追加または修正されてもよい。他の実施形態では、パラメータの所定のセットが、最初に、モデルを訓練するために使用されてもよく、次いで、付加的パラメータが、モデルを調整するために追加されてもよい。
【0056】
ステップ322では、モデル評価モジュール218は、分析されていない評価サブセットのウェル118Aのうちの1つを選択し、選択されたウェルと関連付けられた画像データベース210からの画像およびステップ320において識別されたパラメータをパラメータ計算モジュール214に提供する。ステップ324では、パラメータ計算モジュール214は、そのような画像を分析し、識別されたパラメータの値を計算し、計算された値をモデル評価モジュール218に供給する。
【0057】
ステップ326では、モデル評価モジュール218は、選択されたウェル118Aの画像から計算されたパラメータの値をモデルへの入力として使用し、評価サブセットの選択されたウェル118A内の任意の細胞が処置に対する表現型応答を有するかどうかと、該当する場合、そのような処置の濃度の予測を展開する。その後、モデル評価モジュール218は、ステップ328において、モデルから予測される応答と、処置情報データベース206内の選択されたウェル118Aと関連付けられた処置情報とを比較し、選択されたウェル118Aに関する有効性スコアを展開する。選択されたウェル118Aに関する有効性スコアは、信頼度スコアを展開するために前述のものに類似する様式で展開されてもよい。
【0058】
ステップ330では、モデル評価モジュール218は、評価サブセットの任意のウェル118Aが分析されるために残っているかどうかを判定し、該当する場合は、ステップ322に進む。そうでなければ、ステップ332では、モデル評価モジュール218は、評価サブセットのウェル118Aの全てに関する有効性スコアを集約し、モデルのための有効性スコアを展開する。
【0059】
ステップ334では、モデル評価モジュール218は、例えば、そのようなスコアと所定の閾値を比較する、またはオペレータに尋ねることによって、モデルのための有効性スコアが十分であるかどうかを判定する。モデル有効性スコアが十分である場合、モデル評価モジュール218は、モデルをモデルデータベース216内に記憶する。モデルを記憶するとき、オペレータは、ユーザインターフェースモジュール204を介して、モデルを識別するために使用され得る情報を入力するように求められてもよい。そのような情報は、例えば、モデル名、モデルと関連付けられた細胞タイプおよび処置タイプ、モデルを作成したオペレータ、および同等物を含んでもよい。そのようなオペレータ供給情報と、モデルが作成された日付およびモデルを起動するために必要なパラメータ等の自動生成情報とが、モデルデータベース216内にモデルとともに記憶される。
【0060】
モデル有効性スコアが十分ではない場合、ステップ334では、モデル展開モジュール212は、モデルの入力と関連付けられたパラメータを修正し、ステップ316に進み、調節されたモデルを訓練する。いくつかの実施形態では、モデルが収束しないことの判定が行われる前に調節されたモデルを訓練するために使用され得る訓練反復回数に関して、限界があってもよい。そのような判定は、ユーザに提示されてもよく、ユーザは、さらなる反復が使用されない、または訓練が停止されることを要求してもよい。
【0061】
モデルデータベース216内に記憶されるモデルは、その後、読み出され、生成物サンプルトレイ116を自動的に処理してもよい。
【0062】
図6は、生成物サンプルトレイ116を処理するために応答分析システム200によって行われる処理のフローチャート350を示す。ステップ352では、モデル適用モジュール220は、HCIS100のコントローラ112と通信し、生成物サンプルトレイ116がX−Y段102上に装填されたことを確認する。
【0063】
ステップ354では、モデル適用モジュール220は、モデルデータベース216内に記憶されるモデルのリストを読み出す。モデルのリストおよび各モデルと関連付けられた識別情報が、ユーザコンピュータ202上での表示のためにユーザインターフェースモジュール204に提供される。その後、オペレータは、モデルを選択するように求められる。ユーザインターフェースモジュール204は、そのような選択を受信し、また、ステップ354において、選択をモデル適用モジュール220にも提供する。
【0064】
ステップ356では、画像取得モジュール208は、HCIS100に、生成物サンプルトレイ116のウェル118の画像を捕捉するように指示し、そのような画像を画像データベース210内に記憶する。
【0065】
ステップ358では、モデル適用モジュール220は、モデルデータベース216にクエリし、モデルを起動するために必要なパラメータを識別する。ステップ360では、モデル適用モジュール220は、生成物トレイのウェル118を選択し、そのようなウェル118と関連付けられた識別されたパラメータおよび画像をパラメータ計算モジュール214に提供する。
【0066】
ステップ362では、パラメータ計算モジュール214は、ステップ358において識別されたパラメータのそれぞれの値を計算する。ステップ364では、モデル評価モジュール218は、そのような計算された値をモデルへの入力として使用して、ステップ360において選択されたウェル118内に配置される細胞が処置に対して表現型応答を呈するかどうかと、該当する場合、そのような応答と関連付けられた処置の濃度を示す、出力を判定する。
【0067】
そのような出力は、ステップ368において、生成物サンプルトレイ116のウェル118毎のエントリを含む、結果のリストに追加され、各エントリは、モデルをそのようなウェル118と関連付けられた画像に適用する出力を含む。
【0068】
ステップ370では、モデル適用モジュール220は、生成物サンプルトレイ116のウェル118の全てがモデルを使用して処理されたかどうかを判定する。任意のウェル118が残っている場合、モデル適用モジュール220は、ステップ360に進む。そうでなければ、ステップ372では、モデル適用モジュール220は、結果をユーザコンピュータ202上での表示のためにユーザインターフェースモジュール204に提供し、オペレータによってアクセスされ、および/またはそのような結果をさらなる分析のために別のシステム(図示せず)に伝送し得るデータ記憶装置(図示せず)内に、そのような結果を記憶する。
【0069】
応答分析システム200は、細胞が異なる用量の処置にどのように応答するかを判定し、医薬品が細胞に及ぼす影響または医薬品によって影響され得る細胞のタイプを評価するために使用されてもよい。応答分析システム200は、研究者が、処置に対して応答する細胞のタイプを識別する、または特定の処置に応答する細胞における共通性を識別することを支援してもよい。加えて、応答分析システム200は、オペレータが、あるタイプの細胞(例えば、癌細胞)を死滅させるために効果的であるが、他のタイプの細胞にはそうではない、処置または処置の用量を識別することを可能にしてもよい。さらに、応答分析システム200は、特に、クローン化のために適切であり得る、実質的な細胞を識別するために使用されてもよい。応答分析システム200はまた、画像内の細胞内の細胞小器官の表現型応答を評価してもよい。
【0070】
前述のように、応答分析システム200は、サンプルトレイのウェル118内に配置される細胞の異種集団中の特定のタイプの細胞の表現型応答を評価または識別するために使用されてもよい。例えば、ニューロンの処理に対する表現型応答が、ニューロンおよびグリア細胞を含む集団内で評価されてもよい、または生細胞および死細胞を含む集団中の生細胞の表現型応答さえ評価されてもよい。
【0071】
前述のように展開された異なるモデルは、組み合わせて、サンプルトレイ116のウェル118に適用される処置に対する異なる表現型応答を識別するために使用されてもよい。例えば、細胞の処置と関連付けられた第1のモデルが、特定のサンプルトレイ116のウェル118の画像に適用され、処置に対するそのようなウェル118内の細胞の表現型応答を評価してもよい。異なる処置と関連付けられた第2のモデルが、次いで、同一サンプルトレイ116のウェル118の画像に適用され、第2の処置に対するウェル118内の細胞の表現型応答を評価してもよい。第1のモデルおよび第2のモデルは、同じタイプの細胞または異なるタイプの細胞の表現型応答を評価するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のモデルは、サンプルトレイ116のウェル118内の生細胞の表現型応答を評価するために使用されてもよく、第2のモデルは、死細胞の数を評価するために使用されてもよい。
【0072】
前述のように、展開された異なるモデルは、組み合わせて(すなわち、多重化されて)、個々の細胞の複数の応答を識別する、または個々の細胞の応答を識別するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、組み合わせられたモデルは、処置に応答する健康な細胞のパーセント、あるタンパク質を産生している細胞分割を受けている細胞の数、特定の分子を吸収している感染細胞(例えば、細菌またはウイルスに感染している)の数、および同等物を識別するために使用されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、応答分析システム200は、細胞に既知の影響を及ぼすが、医薬品として望ましくない特性も有する、薬物で処理されたウェル118の画像で訓練されたモデルを展開するために使用されてもよい。モデルは、他の薬物候補の細胞に及ぶ影響を評価するために使用されてもよい。別の用途では、応答分析システム200は、細胞が処置を通して修正された後、既知の薬剤にどのように応答するかを判定するために使用されてもよい。
【0074】
上記の応答分析システム200は、画像内の細胞を識別する文脈で説明されているが、そのようなシステムは、画像が取得され得る任意のタイプの物体の応答を識別するために使用されてもよいことが明白となるはずである。
【0075】
応答分析システム200は、トレイ116のウェル118内に堆積された細胞のサンプルに関して前述されているが、応答分析システム200は、他のタイプの担体内に提供される細胞の表現型応答を自動的に分析するために使用されてもよいことが明白となるはずである。例えば、特定の量の処置が各ウェル118に適用されたトレイ116のウェル118の代わりに、細胞は、特定の量の処置が各スライドに適用されたスライドのセット上に提供されてもよい。同様に、細胞は、フローサイトメトリシステム内の流体の離散サンプル中に提供されてもよく、流体の各そのようなサンプルは、ウェル118が上記の説明において分析されるように分析されてもよい。
【0076】
図1−6に関して説明されるモジュール、プロセス、サブプロセス、およびプロセスステップのうちの1つまたはそれを上回るものは、1つまたはそれを上回る電子またはデジタル制御式デバイス上でハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによって行われてもよいことを理解および認識されたい。ソフトウェアは、例えば、
図1−6に図式的に描写される機能システム、コントローラ、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュールのうちの1つまたはそれを上回るもの等、好適な電子処理構成要素またはシステム内のソフトウェアメモリ(図示せず)内に常駐してもよい。ソフトウェアメモリは、論理機能(すなわち、デジタル回路またはソースコード等のデジタル形態において、またはアナログ電気、音、またはビデオ信号等のアナログ源等のアナログ形態において実装され得る、「論理」)を実装するための実行可能命令の順序付けられたリストを含んでもよい。命令は、例えば、1つまたはそれを上回るマイクロプロセッサ、汎用プロセッサ、プロセッサの組み合わせ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、処理モジュールまたはコントローラ(例えば、ユーザインターフェースモジュール204、画像取得モジュール208、モデル展開モジュール212、パラメータ計算モジュール214、モデル評価モジュール218、モデル適用モジュール220)内で実行されてもよい。さらに、概略図は、機能のアーキテクチャまたは物理的レイアウトによって限定されない物理的(ハードウェアおよび/またはソフトウェア)実装を有する、機能の論理分割を説明する。本願に説明される例示的システムは、種々の構成で実装され、単一ハードウェア/ソフトウェアユニット内において、または別個のハードウェア/ソフトウェアユニット内において、ハードウェア/ソフトウェア構成要素として動作してもよい。
【0077】
実行可能命令は、電子システムの処理モジュールによって実行されると、電子システムに、命令を実施するように指示する、その中に記憶される命令を有する、コンピュータプログラム製品として実装されてもよい。コンピュータプログラム製品は、電子コンピュータベースのシステム、プロセッサ含有システム、または命令を命令実行システム、装置、またはデバイスから選択的にフェッチし、命令を実行し得る、他のシステム等の命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれと関連して使用するための任意の非一過性コンピュータ可読記憶媒体内に選択的に具現化されてもよい。本書の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれと関連して使用するためのプログラムを記憶し得る、任意の非一過性手段である。非一過性コンピュータ可読記憶媒体は、選択的に、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体システム、装置、またはデバイスであってもよい。非一過性コンピュータ可読媒体のより具体的実施例の非包括的リストとして、1つまたはそれを上回るワイヤ(電子)を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット(磁気)、ランダムアクセス、すなわち、揮発性、メモリ(電子)、読取専用メモリ(電子)、例えば、フラッシュメモリ(電子)等の消去可能プログラマブル読取専用メモリ、例えば、CD−ROM、CD−R、CD−RW(光学)等のコンパクトディスクメモリ、およびデジタル多用途ディスクメモリ、すなわち、DVD(光学)が挙げられる。非一過性コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムが、例えば、紙または他の媒体の光学走査を介して電子的に捕捉され、次いで、必要に応じて好適な様式でコンパイル、解釈、または別様に処理され、次いで、コンピュータメモリまたは機械メモリ内に記憶され得るように、その上にプログラムが印刷される、紙または別の好適な媒体でさえあってもよいことに留意されたい。また、本書で使用されるデータの受信および伝送は、2つまたはそれを上回るシステム、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュールが、あるタイプの信号経路を経由して進行する信号を介して、相互に通信可能であることを意味することを理解されたい。信号は、情報、電力、またはエネルギーを第1のシステム、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュールから、第1および第2のシステム、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュール間の信号経路に沿って、第2のシステム、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュールに通信し得る、通信、電力、データ、またはエネルギー信号であってもよい。信号経路は、物理、電気、磁気、電磁、電気化学、光学、有線、または無線接続を含んでもよい。信号経路はまた、第1および第2のシステム、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュール間の付加的システム、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュールを含んでもよい。
(産業上の利用可能性)
【0078】
本発明を説明する文脈における(特に、以下の請求項の文脈における)、用語「a」、「an」、「the」、および類似指示対象の使用は、本明細書に別様に示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を網羅すると解釈されたい。本明細書に説明される全ての方法は、本明細書に別様に示されない限り、または別様に文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で行なわれることができる。本明細書に提供される、任意および全ての実施例または例示的用語(例えば、「such as(等)」)の使用は、単に、本開示をより明瞭にすることを意図し、別様に請求されない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。明細書中のいずれの用語も、本開示の実践に不可欠ないずれの未請求要素も示すものと解釈されるべきではない。
【0079】
本開示に対する多数の修正は、前述の説明に照らして当業者に明白となるであろう。図示される実施形態は、例示にすぎず、本開示の範囲を限定するものと捉えられるべきではないことを理解されたい。