特許第6959225号(P6959225)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959225
(24)【登録日】2021年10月11日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】制御装置の診断
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/042 20060101AFI20211021BHJP
   F16H 61/00 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   G05B19/042
   F16H61/00
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-516498(P2018-516498)
(86)(22)【出願日】2016年8月30日
(65)【公表番号】特表2018-532195(P2018-532195A)
(43)【公表日】2018年11月1日
(86)【国際出願番号】EP2016070344
(87)【国際公開番号】WO2017054994
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2019年4月19日
(31)【優先権主張番号】102015218959.7
(32)【優先日】2015年9月30日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド カバニー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス マイヤー
【審査官】 影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−239103(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/049090(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/085685(WO,A2)
【文献】 特開2007−036366(JP,A)
【文献】 特開2005−212560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/042
F16H 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置(100)であって、電気的接続部(115)を有する処理ユニット(105)と;前記電気的接続部(115)と電気的に接続された診断回路(110)と;前記電気的接続部(115)を完全に電気的に絶縁するコーティング(120)と、を備え、前記診断回路(110)は、接続のために少なくとも一部が露出した他の電気的接続部(130)を有する電気的インターフェイス(125)を備え、また電気信号を前記電気的接続部(115)において感知し及び前記インターフェイス(125)を介して結果を提供するよう構成されており、
前記診断回路(110)は、前記処理ユニット(105)から独立して機能可能である
制御装置(100)。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置(100)であって、前記処理ユニット(105)及び前記診断回路(110)は、共通のハウジング内に統合され、特に、前記処理ユニット(105)及び前記診断回路(110)は、集積回路において、特にシステムベースチップにおいて統合されている制御装置(100)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の制御装置(100)であって、前記診断回路(110)は、前記処理ユニット(105)が該処理ユニット(105)の機能において不変であるように、前記電気的接続部(115)において感知を行なうよう構成されている制御装置(100)。
【請求項4】
請求項1〜の何れか一項に記載の制御装置(100)であって、前記コーティング(120)は、前記電気的接続部(115)の上に直接に塗布された合成樹脂材を備える制御装置(100)。
【請求項5】
請求項1〜の何れか一項に記載の制御装置(100)であって、前記インターフェイス(125)は、前記コーティング(120)に包囲されている制御装置(100)。
【請求項6】
請求項に記載の制御装置(100)であって、前記コーティング(120)は、前記インターフェイス(125)の領域において、選択的に取り除かれるよう構成されている制御装置(100)。
【請求項7】
請求項1〜の何れか一項に記載の制御装置(100)であって、前記診断回路(110)は、前記インターフェイス(125)と接続されたエンコーダ(205)を備え、該エンコーダ(205)は、前記インターフェイス(125)を制御するよう構成されている制御装置(100)。
【請求項8】
請求項に記載の制御装置(100)であって、前記診断回路(110)は、前記電気的接続部(115)を通る電流又は前記電気的接続部(115)における電圧に対するデジタル値を結果として提供するために、前記エンコーダ(205)と接続されたアナログ‐デジタル変換器(215)を備える制御装置(100)。
【請求項9】
請求項又はに記載の制御装置(100)であって、前記診断回路(110)は、前記エンコーダ(205)と接続されたトリガ(240)を備え、該トリガ(240)は、1つ以上の入力部を備え、恒久的に又は一時的に、クロック信号(116)を介して前記1つ以上の入力部において起動される制御装置(100)。
【請求項10】
請求項の何れか一項に記載の制御装置(100)であって、前記エンコーダ(205)は、前記処理ユニット(105)の更なるデータソースの信号(220、225、230、235)を感知し、及び前記インターフェイス(125)において提供するよう構成されている制御装置(100)。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載の制御装置(100)であって、前記診断回路(110)は、前記インターフェイス(125)及び前記電気的接続部(115)を介して、前記処理ユニット(105)との双方向通信を提供するよう構成されている制御装置(100)。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載の制御装置(100)であって、前記インターフェイス(125)は、シリアルインターフェイス又はシリアルバスを備える制御装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関する。特に本発明は、例えば故障の際の、制御装置の診断に関する。
【背景技術】
【0002】
制御装置は、事前定義された装置を制御可能とするために、処理ユニットと、任意の又更なる電気部品と、を備える。例えば制御装置は、自動車のドライブトレインに装備された変速機を制御する、又は自動車の別の機械的構成部品又は電気的構成部品を制御するよう構成されることが可能である。変速機は、たいていは複数のアクチュエータ及びセンサを備える。また制御装置は、例えば入力されたギヤ段の変更を制御するために、センサにおいて感知を行い及びアクチュエータを制御するよう構成されている。
【0003】
厳格な、開発及び製造ガイドラインにもかかわらず、制御装置が故障状態に陥り、変速機の機能を妨げる可能性がある。故障は、機械的に、電気的に、又はプログラムエラーに起因して発生する可能性がある。別の構造的に同様の制御装置において、同様に故障が発生するのを回避するためには、故障の原因のより正確な分析を試みることが可能である。そのために、特にインターフェイスを制御装置に備えることが可能である。インターフェイスを介して、内部状態、並びに制御装置の値及びパラメータを、特に外部診断装置によって読み取り可能である。
【0004】
変速機用の例示的な制御装置は、変速機と一体的に構成される、つまり、変速機のハウジングに取り付けられる、又は変速機のハウジングに包囲されるよう、構成されている。この場合制御装置は、振動、温度、及び場合によっては変速機内に存在する潤滑剤にさらされている。このような一体的構成は、例えば温度センサ又は圧力センサを、変速機のハウジングの外側へ供給ラインを導く必要を無くし、直接に制御装置と接続する必要がある際に、有利となり得る。制御装置をそうした厳しい環境条件から保護するために、制御装置は、例えば、特に合成樹脂の吹付材又は注入材として構成可能なコーティングを担持する。この場合、コーティングを貫通する通信インターフェイスは備えられていない。従って、故障の際には、コーティングを完全に取り除き、制御装置の状態又は故障の原因を解明可能な制御装置内部の電気的接続部に、電気的に接触することが必要となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、改良された診断能力を提供する制御装置を提供することである。本発明は、独立請求項に記載の特徴を有する制御装置を用いて、この課題を解決するものである。従属請求項は、好適な実施形態を反映する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
制御装置は、1つ以上の電気的接続部を有する処理ユニットと、接続部と電気的に接続された診断回路と、接続部を完全に電気的に絶縁するコーティングと、を備える。この場合診断回路は、電気的インターフェイスを備え、また1つ以上の電気信号を1つ以上の接続部において感知し及びインターフェイスを介して結果を提供するよう構成されている。以下において処理ユニットとは、特に電子演算ユニット及び電圧供給部を備え、及び電気信号を受信又は検出及び処理するよう構成された1つ以上の電子部品、と理解される。
【0007】
処理ユニットが、故障等のために、処理ユニット自体で接続部において感知を実行不能である場合、又は結果をもはや外部に提供不能である場合、接続部において感知を行なうために、診断回路を使用可能である。この場合、処理ユニットの特に重大な故障を、更に良好に、外部から診断可能である。そうした故障は、例えば、処理装置の電圧供給部又はクロック発生器に不具合がある場合に、存在する可能性がある。
【0008】
診断回路は、処理ユニットから独立して機能可能であることが、特に好適である。そのために、特に好適には、処理ユニット及び診断回路の供給電圧及び供給信号を、可能な限り相互に分離させて備える。例えば、処理ユニット又はリセット発生器のための供給電圧を安定させることは、診断回路のために対応して処理することとは別に、実現可能である。一実施形態においては、診断回路のための供給電圧は全く処理されない。
【0009】
さらに好適には、診断回路は、処理ユニットが処理ユニットの機能において不変であるように、接続部において感知を行なうよう構成されている。言い換えれば、診断回路は、処理ユニットに対して完全に透過的に機能可能である。処理ユニットの入力信号及び出力信号は、診断回路により感知されるが、変更されることはない。これにより、処理ユニットはあたかも診断回路が存在しないかのように、作動可能である。
【0010】
一実施形態において、コーティングは、接続部上に直接に塗布された合成樹脂材を備える。制御装置の残りの構成部品が、例えば回路基板、又はリードフレーム、又は自由配線も用いて相互に接続された後に、合成樹脂材が、通常は制御装置全体に塗布される。合成樹脂材は、例えばエポキシ、ポリマー、又はポリエステルを含むことができる。合成樹脂材は、完全に制御装置を包囲することができる。通常、コーティングを貫通する供給接続部は、1つ又は少数のみ備えられる。これらの供給接続部は、例えば処理ユニットへ電力を供給する役割を果たし、及び一般的に、上述された接続部とは、直接には電気的に接続されていない。この場合、コーティングを取り除かなければ、接続部又は複数の接続部において、制御装置の内部空間で感知を行なうことが不可能である。これにより、制御装置における故障を発見又は診断することが、特に困難となる可能性がある。しかしながら、コーティングを、複数の場所で又は全く完全に取り除くためには、大きな労力が必要である。さらに、制御装置の構成部品が、除去により破損するリスクも存在する。この場合診断回路は、1つ以上の既定の接続部において感知を実行可能である。そのため、コーティングの完全な又は大部分の除去が不要となり、むしろ診断回路のインターフェイスに接触するのみで十分とすることが可能である。
【0011】
特に好適な実施形態において、インターフェイスは、制御装置の通常作動時において、コーティングに包囲されている。そのため、診断回路のインターフェイスへのアクセスを効果的に防止可能である。またインターフェイスは、特に腐食又は導電性媒体等の環境的影響に対して、保護されることが可能である。その際、診断情報へのアクセスを得るために、インターフェイスを選択的に露出可能である。インターフェイスは、通常、制御装置の内部空間において診断回路により感知を行なうことが可能な接続部よりも、少ない数の接続部を備える。例えば、インターフェイスはシリアルで構成可能である。そのためには、通常1乃至3、又は4つの接続部が必要とされる。これに対して、診断回路により感知を行なうことが可能な処理ユニットの接続部の数は、原則的には無制限である。
【0012】
有利には、コーティングは、インターフェイスの領域において、選択的に取り除かれるよう構成されている。コーティングを、インターフェイス又はインターフェイスの接続部の領域においてのみ、取り除くために、インターフェイスは、例えば、広い面積の電気的接触を備えることができる。そのため、コーティングの部分を、インターフェイスの領域において取り除いた際に、インターフェイスの全ての接続部が、少なくとも部分的に露出される可能性が高まる。更なる実施形態において、インターフェイス又はインターフェイスの接続部は、制御装置の既定の位置において、好適には相互に近接して位置することが可能である。その場合、コーティングにもかかわらず、理想的には1つのみの接続する領域を取り除くことによって接続部を選択的に露出させるために、制御装置におけるインターフェイスの領域が、外部から十分に正確に決定可能である。また更なる実施形態において、コーティングは、インターフェイスの領域に、例えば着色、印影、又は構造等によるマークを担持することが可能である。コーティングを取り除く好適な方法は、例えばレーザを用いる熱的除去である。従って、制御ユニットにおける熱に敏感な部品は、インターフェイス又はインターフェイスの接続部の領域の外側に備えることが有利である。
【0013】
診断回路は、制御装置の異なる接続部を監視できる。例えば、処理ユニットがもはや全く作動しない、又は極めて限定的にのみ作動するために、処理ユニットとの通信が不可能である場合に、診断回路の分析は、特に情報に富んだものである。
【0014】
一実施形態において、診断回路は、接続部を通る電流又は接続部における電圧に対するデジタル値を結果として提供するために、アナログ‐デジタル変換器を備える。特に、処理ユニットのエネルギ供給を、診断回路を介して非常に容易に監視可能である。
【0015】
更なる実施形態において、接続部は、処理ユニットのクロック入力を備える。また診断回路は、接続部においてクロック周波数を感知するよう構成されている。この場合、クロック入力において、周波数、及び既定のレベル又は信号形状が保持されているか、の両方が分析されることが可能である。この実施形態において、接続部は通常、処理ユニットのためのクロック発生器と接続されている。このようにして、クロック発生器の正常作動を、診断回路により監視可能である。
【0016】
また更なる実施形態において、診断回路は、インターフェイス及び接続部を介して、処理ユニットとの双方向通信を提供するよう構成されている。そのため、存在する可能性のある処理ユニットの更なる通信インターフェイスを妨害することなく、処理ユニットの内部パラメータに対するアクセスが可能である。例えば、処理ユニット上で診断プログラムを開始させることが可能である。これは、制御装置の機能性をより正確に調査する助けとなる。この場合、処理ユニットの既定のコマンド又はプログラムを、外部から起動可能である。処理ユニットに別の通信インターフェイスが備えられている場合、従って既定の要求は、好適には診断回路を介してのみ作用可能である。これにより、制御装置又は処理ユニットの機能と診断との間を、より良好に分離可能である。
【0017】
さらに好適には、インターフェイスは、シリアルインターフェイス又はシリアルバスを備える。これによりインターフェイスは、接続部を少数とすることが可能であり、そのため機械的又は電気的に容易に接触されることが可能である。しかしながら、別の実施形態において、例えばパラレルインターフェイスである別のインターフェイスを備えることも可能である。
【0018】
次に本発明は、添付の図面を参照して詳説される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】例示的な制御装置の概略図である。
図2図1の制御装置のための診断回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、例示的な制御装置100の概略図である。制御装置100は、処理ユニット105及び診断回路110を備える。処理ユニット105のための電圧供給部は、図示されていない。同様に、診断回路110のための電圧供給部は、図示されていない。診断回路110のための電圧供給部は、処理ユニット105のための電圧供給部から独立して構成されている。
【0021】
処理ユニット105の電気的接続部115は、診断回路110と電気的に接続されている。制御装置100は、更にコーティング120を備える。コーティング120は、塗布後に硬化する、特に注入可能又は吹付可能な合成樹脂を含むことができる。特に制御装置100は、例えば振動の多い環境、又は高温の油もしくは別の媒体に洗われるような、厳しい環境条件のもとでの使用を目的として、装備可能である。そうした環境条件は、例えば自動車のドライブトレイン用の変速機の内部に見出すことができる。
【0022】
診断回路110は、インターフェイス125を備える。インターフェイス125は、1つ以上の電気的接続部130を備える。好適には、インターフェイス125は、シリアルインターフェイス又はシリアルバスとして構成されている。そのため、例えば1乃至3と、必要とされる接続部130が少ない。接続部130は、好適には、制御装置100の接続する幾何学的な領域135に備えられる。一実施形態において、コーティング120は領域135において中断され、1つ以上の接続部130を露出させることが可能である。またはコーティング120が、領域135において選択的に取り除かれ、インターフェイス125又はインターフェイス125の接続部130を露出させるよう構成されることが可能である。
【0023】
図示された好適な実施形態において、処理ユニット105及び診断回路110は、分離された集積回路(IC:Integrated Circuit)として備えられている。別の実施形態においては、処理ユニット105及び診断回路110も、例えばマルチチップハウジングである共通のハウジング内に備える、又は共通の集積回路の相互に独立した部分として備えることが可能である。診断回路110は、特にシステムベースチップ(SBC:System‐Basis‐Chip)に構成されることが可能である。システムベースチップとは、通常、電子モジュールの実現のために必要な複数の機能が集約された電子部品を指す。これらの機能グループは、完全に網羅しているわけではないが、電圧レギュレータ、電圧監視ユニット、リセット発生器、ウォッチドッグ、バスインターフェイス(CAN‐バス、LIN‐バス等)、ウエイクアップロジック、又はパワードライバ等とすることが可能である。しかしながら、別の実施形態、特に専用集積回路としての実施形態も、同様に可能である。この場合、診断回路110は、特に特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)又はその部分として実現されることが可能である。
【0024】
処理ユニット105は、通常、プログラム可能なマイクロコンピュータを備える。例えばクロック発生器、ドライバ、又はバッファ等の追加部品も、処理ユニット105に関連付けることが可能である。その場合、処理ユニット105のマイクロコンピュータは、接続部115により、特に外部の構成部品のうちの1つの構成部品と接続可能である。
【0025】
好適には、診断回路110は、電気信号を接続部115において感知し及びインターフェイス125を介して結果を提供するよう構成されている。この場合、接続部115における感知が、処理ユニット105の機能に決して悪影響を与えないことが強く求められる。必要であれば、例えばアクティブハイからアクティブロー、又はその逆、又は使用電圧レベルの調整等、使用されるロジック値を対応して変換させることが可能である。これは、異なるパワードメインに亘るレベルの適合と呼ばれる。
【0026】
診断回路110は、可及的に処理ユニット105から独立して構成される。そのため、例えば電圧供給部の不具合又は通信インターフェイスの不具合のために、処理ユニット105が、大部分で又は完全に機能不全である際にも、診断回路110は、依然として機能可能であるよう保証される。
【0027】
図2は、図1の制御装置100のための診断回路を示す。可及的に例示的な実施形態が図示されている。しかしながら、同様に別の実施形態も可能である。
【0028】
診断回路110は、好適には、インターフェイス125を制御するエンコーダ205を備える。インターフェイス125がシリアルであり、及び情報がパラレル形式である場合、エンコーダ205は、例えばパラレル‐シリアル変換器として構成されることが可能である。別の実施形態において、シリアル‐パラレル、パラレル‐パラレル、又はシリアル‐シリアルのような別の変換器を、エンコーダ205として使用することも可能である。その場合、RS232、USB、I2C、又はCANのような既定の伝送プロトコルがサポートされることが可能である。好適には、エンコーダ205の電源は、診断回路110内部に、かつ処理ユニット105から独立して備えられる。電圧供給部210は、特に、電圧制限の監視、入力電圧の既定電圧領域への上昇又は下降の監視、又はリセット発生器の保護作動のような更なる保護作動を、引き受けることが可能である。一実施形態においては、診断回路110のための電圧供給部210が、全く設けられない。制御装置100の診断の際、こうした機能は、外的診断環境の側のからのように、外部から提供可能である。
【0029】
好適には、診断回路110は更に、アナログ‐デジタル変換器215を備える。アナログ‐デジタル変換器215は、1つ以上の入力部を備えることが可能である。1つ以上の入力部は、制御装置100又は処理ユニット105の1つ以上の接続部115と接続されることが可能である。更なる実施形態において、アナログ‐デジタル変換器215の入力部のうちの1つの入力部も、処理ユニット105の接続部を監視する専用の感知ユニットと接続可能である。この感知ユニットは、例えば電流センサ又は電流‐電圧変換器を備えることが可能である。アナログ‐デジタル変換器215における感知は、例えば、順次にエンコーダ205によって、インターフェイス125において外部に提供可能である。
【0030】
更なる実施形態において、エンコーダ205は、又更なる内部データソースにおいて感知を行なうことも可能であり、及び対応する値をインターフェイス125において提供可能である。例えば、電圧診断ベクトル220、電流診断ベクトル225、レジスタ‐診断ベクトル230、又は更なる診断ベクトル235を、インターフェイス125を介して伝送するために備えることが可能である。これらのベクトル220乃至235は、一実施形態において、処理ユニット105から直接に受け取り可能である。変形実施形態においては、それに対応する接続部115が備えられる。また別の変形実施形態においては、処理ユニット105及び診断回路110が相互に統合され、内部のメンテナンス状態及び処理ユニット105の中間結果に対して、診断回路110が直接にアクセス可能である。
【0031】
任意選択的に、追加的にトリガ240を備えることが可能である。トリガ240は、1つ以上の入力部を備え、及びトリガの340の入力部において、信号に応じて、エンコーダ205の機能を起動又は停止する。例えばエンコーダ205は、少なくとも1つの既定の結果が、入力部を介して感知可能とされた場合にのみ、起動されることが可能である。これらの事象は、例えば、入力部のうちの1つの入力部における、上昇エッジ、下降エッジ、高いレベル、又は低いレベルを介して感知可能である。更なる実施形態において、エンコーダ205を起動させるためには、少なくとも2つの事象が発生する必要がある。起動は、時間制御的又は事象制御的に取消し可能である。
【符号の説明】
【0032】
100 制御装置
105 処理ユニット
110 診断回路
115 接続部
120 コーティング
125 インターフェイス
130 インターフェイスの接続部
135 領域
205 エンコーダ
210 電圧供給部
215 A/D変換器
220 電圧診断ベクトル
225 電流診断ベクトル
230 レジスタ‐診断ベクトル
235 更なる診断ベクトル
240 トリガ
図1
図2