(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの端末が通信可能な通信エリアにおける通信コスト、及び、前記少なくとも1つの端末の位置に基づいて、前記通信コストが第1の閾値未満である第1の通信エリアにおいてアップリンクデータを送信させる第1の端末を決定する決定部と、
前記第1の端末に対して前記第1の通信エリアでのアップリンクデータの送信指示を送信し、前記第1の端末からアップリンクデータを受信する通信部と、
を具備するサーバ装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本発明に至った経緯)
V2X通信においてアップロードされる環境情報などのトラフィックは、通常のデータ通信とは異なり、通信品質の向上よりも、通信コスト(「ビットコスト」又は単に「コスト」と呼ぶこともある)の低減が優先して要求される。また、V2X通信においてアップロードされる環境情報は、緊急性が比較的低く、低遅延でのアップロードを要求されない。
【0013】
「通信コスト」は、端末においてどれくらいの通信単価にて通信が可能であるかを示す指標である。例えば、通信コストは、単位時間あたりの通信に使用されるビット単価、通信において占有されるリソース量、1送信あたりの周波数利用効率(MCS(Modulation and Coding Scheme)又はスケジューリングポリシ)の少なくとも一つに基づいて算出されてもよい。なお、通信コストの算出に用いるパラメータは、これらに限定されず、端末に課金される通信料金に関連するパラメータであればよい。
【0014】
本発明者らは、V2X通信において、端末が行うULデータ送信をより低コストで行うことができる通信方法を検討した。
【0015】
通信コストは、基地局の運用コストに依存する。また、基地局の運用コストは、端末が通信可能な通信エリア及び時間におけるピーク時の通信量に応じて決定される。すなわち、ピーク時の通信量が多いほど、基地局の運用コストが増加し、結果として、通信コストが増加してしまう。
【0016】
よって、ピーク時の通信量を減らすために、通信量が多く、リソース利用率が高い通信エリア又は時間の通信単価を上げ、通信量が少なく、リソース利用率が低い通信エリア又は時間の通信単価を下げることにより、通信単価が低い通信エリア又は時間での通信を促す運用(例えば、オフロード、ピークシフト、ボトムアップと呼ぶこともある)を行うことが今後予想される。
【0017】
V2X通信におけるアップリンクの通信では、低遅延でのアップロードが要求されず、少なくとも地理的又は時間的に通信量をオフロードする送信制御が可能であることから、上記運用が適用される場合に、端末は、通信単価が低い通信エリア又は時間でULデータを送信することにより、V2X通信での通信コストの低減要求に応えることができる。
【0018】
本発明者らは、この点に着目し、本発明に至った。具体的には、端末が通信可能な通信エリア(カバレッジ)において、通信コストが低くなるエリア、又は、通信コストが低くなる送信時間(タイミング)を特定し、端末に対して、通信コストが低くなるエリア又は送信時間でのULデータの送信を指示することに至った。
【0019】
なお、V2X通信では、環境情報をアップロードする端末を必ずしも一意に定める必要はない。例えば、V2X通信を活用したITSシステムは、各エリアでの環境情報(センシング結果)を特定の端末に報告させる必要はなく、どの端末(車両)から収集してもよい。
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
[通信システムの構成]
図1は、本実施の形態に係る通信システムの構成例を示す。
図1に示す通信システムは、少なくとも、ITSサーバ(サーバ装置)100、コアネットワークノード(コアNWノード)200、基地局(eNBと呼ばれることもある)300、及び、端末400を含む。例えば、コアNWノード200、基地局300及び端末400は、例えば、セルラネットワーク(例えば、5Gシステム等)を構成する。
【0022】
ITSサーバ100は、V2X通信を用いたITSサービスを提供するアプリケーションサーバである。ITSサーバ100は、複数の車両の各々に搭載された端末400から、基地局300がカバーする通信エリア内の道路環境に関する環境情報を収集し、収集した環境情報に基づいて、自動運転又は交通事故防止等のITSサービスに関する処理を行う。
【0023】
また、ITSサーバ100は、端末400から環境情報(ULデータ)を収集する際、基地局300の通信エリアの各々における通信コストを示す情報(以下、「コスト情報」と呼ぶ)、及び、端末400の位置を示す情報(以下、「位置情報」と呼ぶ)をコアNWノード200から取得する。
【0024】
また、コスト情報において、通信コストは、例えば、端末400が通信可能な通信エリアと当該通信エリアでの送信時間との組み合わせに関連付けられてもよい。なお、コスト情報において、通信エリア及び送信時間の何れか一方と、通信コストとが関連付けられていてもよい。また、以下では、コスト情報は、コアNWノード200において生成される場合について説明する。しかし、コスト情報は、ITSサーバ100において生成されてもよい。この場合、ITSサーバ100は、コスト情報の生成に必要なパラメータ(端末400の位置情報、課金情報など)をコアNWノード200から取得する。
【0025】
ITSサーバ100は、コスト情報及び位置情報に基づいて、ULデータの通信に要する通信コストが低い通信エリア及び送信時間において低コストを要求される通信(以下、「低コスト通信」と呼ぶ)を行う端末400を決定する。そして、ITSサーバ100は、決定した端末400に対して、低コスト通信が可能な通信エリア及び通信時間でのULデータの送信指示を送信する。さらに、ITSサーバ100は、端末400の無線品質を示す情報(以下、「品質情報」と呼ぶ)を取得して、無線品質が所定の閾値以上である端末400(無線品質が良好である端末400)に対してULデータの送信指示を送信してもよい。
【0026】
コアNWノード200は、少なくとも1つの無線アクセスネットワーク(基地局300)を収容する。コアNWノード200は、例えば、基地局300の通信エリア内における端末400の位置を登録する位置登録サーバ201(例えばMME(Mobility Management Entity))と、各端末400の課金を管理する課金サーバ202と、外部システム(例えば、ITSサーバ100)に接続するゲートウェイ(GW)203と、を含む。
【0027】
本実施の形態では、課金サーバ202は、各端末400の課金を管理する処理に加え、各基地局300の通信エリアにおけるコスト情報を管理する。課金サーバ202は、例えば、位置登録サーバ201に登録される端末400の位置と、当該位置における端末400の課金情報とを関連付けることにより、各通信エリアにおいてどれ位の通信コストで通信が行われているかをコスト情報として管理している。
【0028】
基地局300は、自局がカバーする通信エリア内に存在する端末400、又は、コアNWノード200と接続して通信を行う。また、基地局300は、端末400からのULデータのリソース割当要求(例えば、スケジューリング要求(Scheduling Request)又はBSR(Buffer Status Report))に応じて当該端末400に対してULリソースを割り当てる。
【0029】
端末400は、例えば、車両に搭載され、車両に備えられたセンサによって得られるセンシング結果を示すULデータ(環境情報)を、基地局300及びコアNWノード200を介してITSサーバ100へアップロードする。ULデータ送信の際、端末400は、ITSサーバ100が行う送信指示(UL送信トリガ)に従って、環境情報(つまり、ULデータ)を送信する。基地局300の通信エリア内の少なくとも1つの端末400が環境情報をアップロードすることにより、ITSサーバ100は、当該通信エリアにおける状況(例えば、道路状況)を把握できる。
【0030】
なお、端末400は、V2X通信のような低コスト通信、及び、通常のデータ通信等の低コストを要求されない通信(以下、「通常コスト通信」と呼ぶ)の双方をサポートしてもよい。以下では、要求される通信コストに応じて通信(低コスト通信及び通常コスト通信)を分類した「コストクラス」によって各通信を区別する。例えば、コストクラスは、QCI(Quality of Service Class Identifier)に応じて区別されてもよい。
【0031】
例えば、端末400は、コアNWノード200との間で、複数の論理的接続(例えば、ベアラ接続又はPDN(Packet Data Network)接続など)を行い、論理的接続毎にコストクラスの区別を行ってもよい。
【0032】
また、端末400では、所定条件(例えば、通信コスト又は通信品質に関する条件)を満たす場合に、上位レイヤ(アプリケーションレイヤ、IP(Internet Protocol)レイヤ等)から下位レイヤ(物理(PHY)レイヤ、MAC(Medium Access Control)レイヤ)へアップリンクの送信パケット(例えば、環境情報)が渡される。そして、端末400は、下位レイヤにおいて、パケット単位又は論理チャネル単位で低コスト通信と通常コスト通信とを区別し、送信パケットを送信してもよい。一方、端末400は、所定条件を満たさない場合には上位レイヤから下位レイヤへアップリンクの送信パケットを出力しない。この処理により、意図せずに高コストになってしまう通信を回避できる。
【0033】
[ITSサーバの構成]
図2は、本実施の形態に係るITSサーバ100の構成例を示す図である。
図2に示すITSサーバ100は、コスト情報取得部101と、端末情報取得部102と、決定部103と、通信部104と、を含む構成を採る。
【0034】
コスト情報取得部101は、基地局300の通信エリアの各々における通信コストを示すコスト情報を、コアNWノード200から通信部104を介して取得する。具体的には、コスト情報取得部101は、コアNWノード200に対して、コスト情報を問い合わせるためのシグナリングを通信部104を介して送信する。そして、コスト情報取得部101は、問い合わせにより取得したコスト情報を決定部103へ出力する。
【0035】
端末情報取得部102は、端末400の位置を示す位置情報と、端末400における無線品質を示す品質情報とを含む端末情報を、コアNWノード200から通信部104を介して取得する。具体的には、端末情報取得部102は、コアNWノード200又は端末400に対して、端末情報を問い合わせるためのシグナリングを通信部104を介して送信する。そして、端末情報取得部102は、問い合わせにより取得した端末情報を決定部103へ出力する。
【0036】
決定部103は、コスト情報取得部101から入力されるコスト情報、及び、端末情報取得部102から入力される端末情報(位置情報、品質情報)に基づいて、環境情報等のULデータを送信させる端末400、及び、当該端末400にULデータを送信させるエリア及び送信時間を決定する。
【0037】
例えば、決定部103は、コスト情報に含まれる通信コストのうち、低コストに分類される通信コストの通信エリア及び送信時間(例えば、通信コストが所定の閾値未満の通信エリア及び送信時間)を特定する。そして、決定部103は、低コスト通信可能な通信エリア及び送信時間でULデータを送信させる端末400(つまり、低コスト通信が可能な端末400)を決定する。
【0038】
また、決定部103は、低コスト通信が可能な端末400について、品質情報に示される無線品質が閾値以上であるか否か(無線品質が良好であるか否か)を判定する。そして、決定部103は、無線品質が良好であり、低コスト通信が可能な端末400を、ULデータを送信させる端末として決定する。
【0039】
決定部103は、ULデータを送信させると決定した端末400に対するULデータの送信指示を通信部104に出力する。また、決定部103は、ULデータを送信させると決定した端末400以外の端末400に対する制御信号として、パケットを一定期間保持させる指示(パケット保持指示)又はパケットを破棄させる指示(破棄指示)を通信部104に出力する。
【0040】
通信部104は、決定部103から出力される、送信指示、又は、パケット保持/破棄指示を、コアNWノード200(GW203)及び基地局300を介して、対象の端末400へ送信する。また、通信部104は、送信指示の送信先である端末400から、低コスト通信が可能な通信エリアから送信されたULデータ(環境情報など)をコアNWノード200(GW203)及び基地局300を介して受信し、受信したULデータを、例えばITSサービスに関連する処理部(図示せず)へ出力する。
【0041】
なお、ここでは、ITSサーバ100は、通信コストが低い通信エリア及び送信時間について、低コスト通信が可能な端末400を決定する場合について説明した。しかし、本発明では、この処理に限定されず、例えば、ITSサーバ100は、通信エリア又は送信時間の何れか一方について、低コスト通信が可能な端末400を決定してもよい。例えば、ITSサーバ100は、低コスト通信が可能な送信時間を有する基地局300を特定し、特定した基地局300において当該送信時間での通信が可能な端末400を決定してもよい。
【0042】
[端末の構成]
図3は、本実施の形態に係る端末400の構成例を示す図である。
図3に示す端末400は、位置情報生成部401と、無線品質測定部402と、通信部403と、送信制御部404と、を含む構成を採る。
【0043】
位置情報生成部401は、自機の位置を示す位置情報を生成する。例えば、位置情報生成部401は、GPS(Global Positioning System)等によって自機の位置を測位し、測位結果を示す位置情報を生成してもよい。又は、位置情報生成部401は、自機が存在する在圏エリアを示す情報(例えば、セルID、TA(Tracking Area)、TA list等)を位置情報としてもよい。又は、位置情報生成部401は、端末400が搭載された車両のカーナビゲーションシステムから、車両の走行位置(又は走行予定位置)を示す情報を取得して、位置情報としてもよい。位置情報生成部401は、位置情報を通信部403へ出力する。
【0044】
無線品質測定部402は、自機と自機が接続する基地局300との間の無線品質を測定する。無線品質の一例として、例えば、受信電力、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、RSRP(Reference Signal Received Power)、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)等が挙げられる。無線品質測定部402は、測定した無線品質を示す品質情報を通信部403へ出力する。
【0045】
通信部403は、位置情報生成部401から入力される位置情報、及び、無線品質測定部402から入力される品質情報を基地局300へ送信する。また、通信部403は、ITSサーバ100からの送信指示、又は、パケット保持/破棄指示を受信し、送信制御部404へ出力する。また、通信部403は、送信制御部404から出力される、制御信号(例えば、スケジューリング要求又はBSR)又はULデータを基地局300へ送信する。また、通信部403は、基地局300からリソース割当情報を受信した場合、当該リソース割当情報に示されるリソースを用いて、送信制御部404から出力されるULデータを基地局300へ送信する。
【0046】
送信制御部404は、通信部403から入力されるITSサーバ100からの指示(送信指示、パケット保持/破棄指示)に従って、ULデータの送信を制御する。具体的には、送信制御部404は、送信指示が入力されると、基地局300に対するリソース割当要求(スケジューリング要求又はBSR)を通信部403へ出力し、ULデータを通信部403へ出力する。一方、送信制御部404は、パケット保持指示が入力されると、ULデータを一定期間保持し、一定時間経過するまでに送信指示を受け取らない場合、当該ULデータを破棄する。また、送信制御部404は、パケット破棄指示が入力されると、ULデータを破棄する。
【0047】
[通信システムの動作例]
次に、上述した通信システムの各装置が行う通信制御について詳細に説明する。
【0048】
以下では、(i)ITSサーバ100が行うコスト情報及び端末情報の取得方法、(ii)ITSサーバ100が行うULデータの送信制御方法、及び、(iii)ITSサーバ100が用いるコスト情報における、端末400の位置と通信コストとの関係について詳細に説明する。
【0049】
[(i)コスト情報及び端末情報の取得方法]
まず、ITSサーバ100が行うコスト情報及び端末情報の取得方法について説明する。
【0050】
図4は、ITSサーバ100がコスト情報及び端末情報を取得する際の通信システムの動作例を示す図である。
【0051】
図4において、ST101では、ITSサーバ100が、コアNWノード200(例えば、課金サーバ202)に対してコスト情報を問い合わせるシグナリングを送信する。
【0052】
ST102では、コアNWノード200は、ITSサーバ100からコスト情報を問い合わせるシグナリングを受信すると、保持しているコスト情報をITSサーバ100へ送信する。
【0053】
次に、ST103では、ITSサーバ100は、端末400に対して、端末400の位置情報又は品質情報を問い合わせるシグナリングを送信する。
【0054】
ST104では、端末400は、ITSサーバ100から位置情報を問い合わせるシグナリングを受信すると、端末400の位置を示す位置情報(例えば、在圏エリア又は測位結果)をコアNWノード200へ報告する。
【0055】
ST105では、端末400は、ITSサーバ100から品質情報を問い合わせるシグナリングを受信すると、端末400における無線品質を示す位置情報をコアNWノード200へ報告する。
【0056】
ST106では、コアNWノード200は、ST104及びST105で報告された、端末400の位置情報及び品質情報を含む端末情報をITSサーバ100へ送信する。
【0057】
このように、
図4では、ST104及びST105における位置情報及び品質情報の報告は、ITSサーバ100からの問い合わせに基づいて実施される。
【0058】
なお、
図4において、コスト情報の問い合わせ動作(ST101,ST102)と、端末情報の問い合わせ動作(ST103〜ST106)との時系列の順序は特に限定されない。ITSサーバ100は、端末情報、コスト情報の順に問い合わせてもよく、コスト情報及び端末情報の双方を同時に問い合わせてもよい。
【0059】
ST107では、ITSサーバ100は、ST102で取得したコスト情報、及び、ST106で取得した端末情報(位置情報、品質情報)に基づいて、低コスト通信が可能な通信エリアでULデータを送信可能な端末400が存在するか否かを判定する(位置判定)。また、コスト情報において、通信コストが通信エリア及び当該通信エリアでの送信時間の組み合わせに関連付けられている場合、ITSサーバ100は、低コスト通信が可能な通信エリア及び送信時間の組み合わせにおいて、ULデータを送信可能な端末400が存在するか否かを判定してもよい。
【0060】
また、ITSサーバ100は、ST106で取得した品質情報に基づいて、端末400の無線品質が良好であるか否かを判定する(品質判定)。
【0061】
このようにして、ITSサーバ100は、低コスト通信が可能な通信エリア又は送信時間(通信コストが閾値未満である通信エリア又は送信時間)でULデータを送信させる端末400を決定する。
【0062】
ITSサーバ100は、ULデータを送信させる端末400に対して、低コスト通信が可能な通信エリア又は送信時間でのULデータの送信を指示する(詳細は後述する)。例えば、ITSサーバ100は、端末400に対してULデータを送信させる通信エリア又は送信時間において、送信対象の端末400に対してULデータの即時送信を指示する送信指示を送信してもよい。または、ITSサーバ100は、端末400に対して送信指示を送信する際、当該端末400に対してULデータを送信させる通信エリア又は送信時間を指示してもよい。
【0063】
一方、ITSサーバ100は、無線品質が劣悪である端末400、又は、低コスト通信可能な通信エリア及び送信時間でのULデータの送信が不可能な端末400に対して、ULデータ送信の待機又はULデータの破棄を指示する(詳細は後述する)。
【0064】
このようにして、ITSサーバ100は、コスト情報、端末400の位置情報及び品質情報に基づいて、ULデータを送信する端末400、及び、ULデータを送信する端末400が通信する通信エリア及び送信時間(タイミング)を決定する。この処理により、端末400は、低コスト、かつ、良好な無線品質においてULデータを送信できる。
【0065】
また、ITSサーバ100は、例えば、端末400が将来的に移動する位置を予測し、端末400の移動先の位置に基づいて、低コスト通信が可能な通信エリアにおいてULデータを送信させる端末400を決定してもよい。例えば、ITSサーバ100は、端末400が搭載された車両のカーナビゲーションシステムにおける走行計画を位置情報として用いて端末400の将来の位置を予測してもよい。ITSサーバ100は、低コスト通信が可能な通信エリアにおいてULデータを送信可能な端末400が存在する場合には、当該端末400に対してULデータの送信機会を確保(予約)してもよい。この処理により、ITSサーバ100は、端末400の現在位置のみでなく、将来的に移動する位置を用いて、低コスト通信におけるULデータの送信制御をより柔軟に行うことができる。
【0066】
[コスト情報及び端末情報の他の取得方法]
図4では、ITSサーバ100から端末400への問い合わせに応じて位置情報及び品質情報が報告される場合について説明した。しかし、位置情報及び品質情報の報告方法はこの処理に限定されない。例えば、端末400は、ITSサーバ100からの問い合わせに依らず、位置情報及び品質情報を所定のタイミング又は周期的にコアNWノード200へ報告してもよい。
【0067】
図5は、端末400が位置情報及び品質情報を所定のタイミングにおいて報告する場合の通信システムの動作例を示す図である。
図5において、
図4と同様の処理には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
図5において、ST104a及びST105aでは、端末400は、ITSサーバ100の問い合わせとは独立して、所定のタイミングにおいて位置情報及び品質情報をコアNWノード200へ報告する。コアNWノード200は、各端末400から報告される位置情報及び品質情報を管理する。
【0069】
例えば、複数の端末400のうち、低コストが要求される端末400(コスト低減対象の端末400)は、コスト低減対象の端末400と比較して、位置情報(例えば在圏エリア)又は品質情報を狭域又は高頻度でコアNWノード200へ報告してもよい。コスト低減対象の端末400が位置情報又は品質情報を狭域で報告することにより、ITSサーバ100は、端末400のより正確な位置情報又は品質情報を取得できる。また、コスト低減対象の端末400が位置情報又は品質情報を高頻度で報告することにより、ITSサーバ100は、当該端末400の現在の状況を反映した位置情報又は品質情報を取得でき、ULデータの送信制御の精度を向上させることができる。
【0070】
ST103aでは、ITSサーバ100は、コアNWノード200に対して、端末400の位置情報又は品質情報を問い合わせるシグナリングを送信する。ST106aでは、コアNWノード200は、ITSサーバ100からの位置情報又は品質情報を問い合わせるシグナリングを受信すると、保持している位置情報又は品質情報をITSサーバ100へ送信する。
【0071】
なお、コアNWノード200は、ITSサーバ100からの問い合わせ時に限らず、所定のタイミングにおいて端末情報をITSサーバ100へ送信してもよい。例えば、コアNWノード200は、位置登録サーバ201において端末400の位置情報が登録される度に端末情報をITSサーバ100へ送信してもよく、低コスト通信の対象となる端末400の端末情報を周期的にITSサーバ100へ送信してもよい。
【0072】
[(ii)ULデータの送信制御方法]
次に、ITSサーバ100が行う、端末400に対するULデータの送信制御方法について説明する。
【0073】
ITSサーバ100は、上述したようにコスト情報及び端末情報に基づいてULデータの送信制御結果(送信指示又は送信待機/破棄指示)を、端末400の上位レイヤへ通知する。端末400は、上位レイヤにおいて、ITSサーバ100からの指示に基づいて、ULデータ(送信パケット)を下位レイヤへ渡すか否かを判定する。
【0074】
なお、ITSサーバ100からULデータの送信制御結果を通知する時、端末400は、基地局300と接続(アクセス)している状態(Connected状態)である場合と、基地局300と接続していない状態(Idle状態)である場合とが想定される。
【0075】
以下では、端末400の各接続状態における動作についてそれぞれ説明する。
【0076】
<端末400がConnected状態の場合>
まず、端末400がConnected状態の場合について説明する。
【0077】
(制御方法1)
図6A及び
図6Bは、端末400がConnected状態の場合におけるULデータの送信制御例を示す図である。なお、
図6A及び
図6Bにおいて
図4又は
図5と同様の処理には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0078】
図6Aは、ITSサーバ100において、端末400が低コスト通信可能な端末であると判定した場合(ST107の判定結果:YES)の動作例を示す。
【0079】
図6Aにおいて、ST108では、ITSサーバ100は、端末400に対してULデータの送信指示を通知する。
【0080】
ULデータの送信指示を受け取ると、端末400は、ST109においてULデータに対するスケジューリング要求を基地局300へ送信する。
【0081】
ST110では、基地局300は、端末400からのスケジューリング要求に基づいて、当該端末400に対してULリソースを割り当て、リソース割当情報を端末400へ送信する。
【0082】
ST111では、端末400は、基地局300から割り当てられたULリソースを用いて、ULデータをITSサーバ100へ送信する。
【0083】
一方、
図6Bは、ITSサーバ100において、端末400が低コスト通信可能な端末ではないと判定した場合(ST107の判定結果:NO)の動作例を示す。
【0084】
図6Bにおいて、ST151では、ITSサーバ100は、端末400に対してULデータ(パケット)の保持(待機)又は破棄の指示を通知する。
【0085】
端末400は、ITSサーバ100から、パケット保持又はパケット破棄の指示を受け取った場合、ULデータの送信処理を行わない。具体的には、端末400は、ULデータのスケジューリング要求を基地局300へ送信しない。また、端末400は、BSRの値を0に設定し、送信すべきULデータが無いことを基地局300へ報告する(ST152)。端末400は、BSRを基地局300へ報告しなくてもよい。
【0086】
また、端末400は、パケット保持を指示された場合、ULデータを一定期間保持する(送信待機する)。なお、端末400は、ULデータを保持している間(送信待機中)に送信指示を受け取った場合、
図6Aと同様にしてULデータを送信すればよい(ST109〜ST111)。
【0087】
端末400は、パケット保持を指示されてから一定期間経過した場合(例えばタイマ満了時)、又は、パケット破棄を指示された場合、ULデータ(パケット)を破棄する(ST153)。
【0088】
このように、制御方法1によれば、ITSサーバ100は、低コスト通信が可能な通信エリアに存在する端末400のみからULデータを収集でき、各端末400での通信コストの低減を図ることができる。
【0089】
(制御方法2)
制御方法1(
図6A)では、端末400は、ITSサーバ100から送信指示を受け取ると、無条件で上位レイヤから下位レイヤへパケットを渡す場合について説明した。これに対して、制御方法2では、端末400は、ITSサーバ100から送信指示を受け取ると、所定の条件を満たす場合に上位レイヤから下位レイヤへパケットを渡す。
【0090】
図7A及び
図7Bは、端末400がConnected状態の場合において送信指示を受け取った場合のULデータの送信制御例を示す図である。なお、
図7A及び
図7Bにおいて
図4、
図5又は
図6A、
図6Bと同様の処理には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0091】
また、制御方法2において、端末400がConnected状態の場合においてパケット保持/破棄指示を受け取った場合の動作は、制御方法1(
図6B)と同様であるので説明を省略する。
【0092】
図7A及び
図7Bにおいて、ST201では、端末400は、送信指示を受け取ると、所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0093】
所定の条件としては、例えば、端末400の無線品質が所定の閾値以上であること(無線品質が良好であること)、端末400の位置が低コスト通信可能なエリア内であること、端末400の接続している基地局300(接続セル)が低コスト通信可能なエリアをカバーしていること、又は、これらの組み合わせが挙げられる。つまり、端末400は、送信指示を受け取ると、端末400の現在の状態が低コスト通信を可能な状態であるか否かを再度判定する。
【0094】
なお、端末400が所定の条件を満たすか否かを判定する際に使用される閾値は、ITSサーバ100から事前に配布されてもよく、基地局300から上位レイヤシグナリング(報知シグナリングを含む)によって配布されてもよい。
【0095】
所定の条件を満たす場合(
図7Aに示すST201の判定結果:YES)、端末400は、
図6Aに示す動作と同様にしてULデータを送信する(ST109〜ST111)。一方、所定の条件を満たさない場合(
図7Bに示すST201の判定結果:NO)、端末400は、
図6Bと同様にしてULデータを保持又は破棄する(ST152、ST153)。
【0096】
なお、
図7Bにおいて、端末400は、ULデータを保持している間(送信待機中)に所定の条件を満たした場合、
図7Aと同様にしてULデータを送信すればよい。
【0097】
このように、制御方法2では、端末400は、送信指示を受け取った時点において所定の条件を満たす場合にのみULデータを送信する。例えば、ITSサーバ100が端末400に対してULデータの送信指示を決定する際に用いた端末情報と、端末400の現在の端末情報とに差異が生じることが想定される。つまり、端末400がULデータの送信を低コストで実現できない状態に遷移している場合も想定される。これに対して、制御方法2によれば、端末400は、送信指示を受け取った後に所定の条件を満たすか否か(つまり、低コスト通信が可能であるか否か)を再度判定するので、意図せずに高コストの通信を行うことを防止できる。
【0098】
なお、制御方法2において端末400が所定の条件を満たすか否かを判定するタイミングは、上位レイヤから下位レイヤへパケットを渡す前に限定されず、上位レイヤから下位レイヤへパケットを渡した後でもよい。この構成により、上位レイヤから下位レイヤへパケットを渡した後に、端末400の状態が所定の条件を満たさない状態に遷移した場合でも、ULデータの送信を回避できる。この処理により、端末400では意図せずに高コストの通信を行うことを防止できる。
【0099】
<端末400がIdle状態の場合>
次に、端末400がIdle状態の場合について説明する。
【0100】
端末400がIdle状態の場合、端末400は、Connected状態に遷移してULデータの送信を行う。Idle状態からConnected状態へ遷移する条件として、端末400内の処理がトリガとなる場合(以下、端末トリガと呼ぶ)、及び、ダウンリンク(DL:Downlink)の受信処理がトリガとなる場合(以下、DL受信トリガと呼ぶ)とがある。
【0101】
(端末トリガ条件に基づくUL送信)
端末トリガによりConnected状態へ遷移する条件として、以下の方法(1)〜(4)が挙げられる。以下の条件に従って、Idle状態からConnected状態へ遷移するか否かを端末400が判定する。
【0102】
(1)端末400は、上位レイヤから下位レイヤへパケットが渡されたことをトリガとして、Idle状態からConnected状態へ遷移する。
【0103】
(2)端末400は、上位レイヤから基地局300への接続を指示されたことをトリガとして、Idle状態からConnected状態へ遷移する。
【0104】
(3)端末400は、受信品質(例えば、RSSI、RSRP、RSRQ)が所定の閾値以上の場合にRACH(Random Access Channel)送信を行うことをトリガとして、Idle状態からConnected状態へ遷移する。
【0105】
(4)端末400は、基地局300からの報知情報に基づいてIdle状態からConnected状態へ遷移するか否かを判定する。
【0106】
ここで、基地局300が行う報知情報を用いたアクセス制御は、当該基地局300への接続制御(例えば、ランダムアクセス制御)、又は、端末400内での送信パケット毎(又は論理チャネル毎)のリソース割当要求(例えば、スケジューリング要求、BSR等)を制御する。
【0107】
図8は、方法(4)における基地局300及び端末400の動作例を示す図である。
【0108】
図8において、ST301では、基地局300は、報知情報を端末400へ報知(通知)する。ここで、報知情報には、例えば、基地局300のコストクラス、又は、コストクラスに関する接続制御情報が含まれる。基地局300は、基地局300の通信環境に応じて、異なるコストクラスを端末400へ報知してもよい。つまり、端末400に報知されるコストクラスは変動する。
【0109】
ST302では、端末400において送信すべきULデータが発生し、端末400は、基地局300への接続要求を生成する。
【0110】
ST303では、端末400は、ST301において受信した報知情報(コストクラス及び接続制御情報)に従って、ST302において生成した接続要求を基地局300へ送信するか否かを判定する。例えば、端末400は、報知されたコストクラスが許容される通信コストの範囲内である場合、接続要求を送信可能と判定し(ST303:YES)、ST304において接続要求を基地局300へ送信する。
【0111】
一方、端末400は、報知されたコストクラスが許容される通信コストよりも高い場合、接続要求の送信ができないと判定し(ST303:NO)、ST305において接続要求の送信を待機する。端末400は、接続要求送信の待機中に、ST301と同様にして報知情報を受信すると、当該報知情報に示される新たなコストクラスに従って、ST302と同様にして接続要求を送信するか否かを再度判定してもよい。
【0112】
このように、方法(4)において、端末400はコストクラスに基づいて接続要求の送信可否を判定する。この処理により、端末400は、低コスト通信が可能である場合には接続要求を送信し、Connected状態へ遷移した後、通信コストが低いエリアを有する基地局300を介して、ULデータを低コストでITSサーバ100へ送信できる。
【0113】
なお、方法(4)の送信判定(ST303)において、端末400は、コストクラスの代わりに、報知情報によって設定された送信確率に基づいて、接続要求を基地局300へ送信するか否かを判定してもよい。例えば、端末400は、乱数を発生させ、乱数と送信確率とを比較することにより、接続要求の送信可否を判定してもよい。
【0114】
また、基地局300は、報知情報を用いて、コストクラス単位の接続制御情報を通知してもよい。
【0115】
また、基地局300は、既存のアクセスクラスの一部又は全てと、コストクラスとを関連付け、報知情報としてアクセスクラスを通知してもよい。端末400は、受け取ったアクセスクラスに関連付けられたコストクラスに基づいて、接続要求を送信するか否かを判定すればよい。この処理により、コストクラスを報知するためのシグナリングが不要となる。また、この場合、端末400が保持するコストクラス(アクセスクラス)は、定常的ではなく、条件(例えば、時間、端末400の位置、接続状態等)に応じて変更される。
【0116】
また、端末400では、複数のコストクラスが有効化されてもよい。また、コストクラスは、パケット、論理接続又は論理チャネルに関連付けられてもよい(マッピングされてもよい)。
【0117】
以上、端末トリガによりConnected状態へ遷移する条件について説明した。
【0118】
このように、端末トリガにおいて、端末400は、コストクラスに基づいて接続要求の送信可否を判定する。この処理により、端末400は、Connected状態へ遷移した後、通信コストが低いエリアを有する基地局300を介して、ULデータを低コストでITSサーバ100へ送信できる。
【0119】
(DL受信トリガ条件に基づくUL送信)
DL受信トリガによりConnected状態へ遷移する条件として、以下の方法が挙げられる。以下の条件に従って、端末400はIdle状態からConnected状態へ遷移する。
【0120】
具体的には、複数の基地局300のうち、Pagingを送信する基地局(以下、Paging送信基地局と呼ぶ)が、端末400の位置登録エリアに加え、通信コストに基づいて選択される。具体的には、端末400に接続可能な基地局300の中から、低い通信コスト(例えば、最小の通信コスト)のエリアを有する基地局300が選択される。
【0121】
そして、Paging送信基地局は、Pagingを端末400へ送信する。端末400は、Pagingの受信をトリガとして、Idle状態からConnected状態へ遷移する。
【0122】
ここで、Paging送信基地局としてPagingを端末400へ送信する基地局300を決定する方法は、例えば、以下の方法(1)、(2)が挙げられる。
【0123】
(1):コアNWノード200が行う決定方法
図9は、決定方法(1)におけるPaging送信基地局を決定する方法を示す図である。
【0124】
図9において、ST401では、ITSサーバ100は、コアNWノード200に対して上位レイヤ(例えばIPレイヤ)のパケットを送信する。このパケットのヘッダには、複数の基地局300における通信コストに関するコスト情報が含まれる。
【0125】
ST402では、コアNWノード200は、ITSサーバ100からのパケットヘッダを確認して、端末400に接続可能な複数の基地局300のコスト情報(例えば、コストクラス)を特定する。
【0126】
ST403では、コアNWノード200は、コスト情報に基づいて、複数の基地局300の中からPaging送信基地局を選択する。例えば、コアNWノード200は、コストクラスが所定の条件を満たす(通信コストが所定の閾値未満である)基地局300をPaging送信基地局として選択してもよい。
【0127】
ST404では、コアNWノード200は、Paging送信基地局として選択した基地局300に対して、端末400へのPagingの送信を指示する。
【0128】
ST405では、Paging送信指示を受け取った基地局300(Paging送信基地局)は、端末400に対してPagingを送信する。端末400は、Pagingを受け取ると、Idle状態からConnected状態へ遷移する。
【0129】
(2):基地局300が行う決定方法
図10は、決定方法(2)におけるPaging送信基地局を決定する方法を示す図である。
【0130】
図10において、ST501では、ITSサーバ100は、コアNWノード200に対してパケットを送信する。
【0131】
ST502では、コアNWノード200は、例えば、ITSサーバ100から受け取ったパケットの送信先の端末400の位置登録エリアに基づいて、複数の基地局300の中からPaging送信基地局(候補)を選択する。
【0132】
ST503では、コアNWノード200は、Paging送信基地局として選択した基地局300に対して、端末400へのPagingの送信を指示する。
【0133】
ST504では、Paging送信指示を受け取った基地局300は、例えば、論理的接続(例えば、ベアラ又はPDN接続)毎のコストクラス又はQCI(QoS Class Identifier)等に基づいて、Pagingを端末400へ送信するか否かを判定する。例えば、基地局300は、自局のコストクラスが所定の条件を満たす(通信コストが所定の閾値未満である)場合にPagingを端末400へ送信すると判定してもよい。
【0134】
Pagingを送信すると判定した場合(ST504:YES)、ST505では、基地局300は、端末400に対してPagingを送信する。端末400は、Pagingを受け取ると、Idle状態からConnected状態へ遷移する。
【0135】
一方、Pagingを送信しないと判定した場合(ST504:NO)、ST506では、基地局300は、コアNWノード200に対して、Paging送信基地局(候補)の再選択を要求する。コアNWノード200は、Paging送信基地局の再選択要求を受け取ると、例えば、ST502と同様にしてPaging送信基地局を再選択する。
【0136】
以上、DL受信トリガによりConnected状態へ遷移する条件について説明した。
【0137】
このように、DL受信トリガにおいて、コアNWノード200又は基地局300は、コストクラスに基づいてPaging送信基地局を選択する。この処理により、端末400は、Connected状態へ遷移した後、通信コストが低いエリアを有する基地局300を介して、ULデータを低コストでITSサーバ100へ送信できる。
【0138】
なお、上記決定方法(1)及び(2)を組み合わせてもよい。
【0139】
[(iii)端末400の位置と通信コストとの関係について]
次に、ITSサーバ100が用いるコスト情報における通信コストと、端末400の位置との関係について説明する。
【0140】
具体的には、コアNWノード200内の課金サーバ202は、端末400が通信を行った位置(通信エリア)と、当該位置での端末400の通信コスト(通信料金など)とを関連付ける。また、課金サーバ202は、さらに、端末400が通信を行った時間と、当該時間での端末400の通信コストとを関連付けてもよい。
【0141】
例えば、課金サーバ202は、端末400の位置情報を以下の方法により取得する。
【0142】
(1)端末位置登録の利用
位置登録サーバ201は、端末400の位置登録エリアを課金サーバ202へ通知する。例えば、位置登録サーバ201は、端末400の位置登録エリアが更新されるタイミング又は定期的に位置登録エリアを課金サーバ202へ通知してもよい。
【0143】
(2)測位情報の利用
課金サーバ202は、端末400が測位した端末400の位置、又は、測位サーバ(図示せず)が測位した端末400の位置を取得する。例えば、課金サーバ202は、端末400の位置が更新されるタイミング又は定期的に、端末400又は測位サーバから端末400の位置情報を取得してもよい。
【0144】
これらの処理により、課金サーバ202は、端末400がULデータの通信に要した通信コストを、端末400がULデータを送信した位置(つまり、基地局300の通信エリア)又は端末400がULデータを送信した時間と関連付けて、コスト情報として管理できる。ITSサーバ100は、課金サーバ202からコスト情報を取得することにより、各基地局300における低コスト通信が可能なエリア及び低コスト通信が可能な時間を特定できる。例えば、課金サーバ202は、端末400の位置が変更した場合、又は、端末400が通信を行い課金された場合に、コスト情報として管理する通信コスト、通信エリア(端末400の位置)、通信時間を更新することにより、コスト情報の精度を向上させることができる。
【0145】
なお、課金サーバ202は、端末400がULデータ送信を行った位置と、通信コストとを関連付ける際、実際に要した通信コストそのものを関連付ける場合に限定されない。例えば、課金サーバ202は、端末400の移動経路の予測位置を、端末400が通信を行う位置として報告されるとする。この場合、当該端末400が実際に通信を行った位置と予測位置とが異なる場合、課金サーバ202は、実際の通信コストに所定値(ペナルティ)を加算した値を当該予測位置と関連付けてもよい。この処理により、この予測位置と関連付けられた通信コストが実際の通信コストよりも高くなるので、当該予測位置の信頼度が低くなり、ITSサーバ100では、当該予測位置について低コスト通信が可能なエリアと判定されにくくなる。
【0146】
[実施の形態の効果]
このように、ITSサーバ100は、少なくとも1つの端末400が通信可能な通信エリアにおける通信コスト、及び、端末400の位置に基づいて、低コスト通信が可能である通信エリア又は時間においてULデータを送信させる端末400を決定する。この処理により、各端末400は、通信コストがより低い通信エリア又は時間においてULデータを送信できる。
【0147】
よって、本実施の形態によれば、V2X通信において、端末400からのULデータの通信をより低コストで行うことができる。
【0148】
[変形例1]
ITSサーバ100は、端末400に対してULデータの送信を指示する際、ULデータの送信が可能な送信エリアを示す送信エリア情報を通知してもよい。端末400は、低コスト通信が可能なエリアのうち、送信エリア情報に示されるエリア内のみにおいてULデータを送信する。この処理により、ULデータを送信する端末400を低コスト通信が可能なエリアにおいてさらに限定し、同一エリアからのULデータ(同一の環境情報)が必要以上にアップロードされることを回避できる。
【0149】
[変形例2]
基地局300の通信エリア内の任意の端末400のみがULデータを送信してもよい。例えば、ITSサーバ100は、基地局300を介して、報知情報、マルチキャスト、又は、複数の端末間においてRNTI等が共通のPaging(Group Paging)等によって、複数の端末400に対して送信指示を送信する。各端末400は、ULデータの送信指示を取得し、所定の条件を満たす場合のみ、実際にULデータを送信する。所定の条件は、例えば、無線品質が所定の閾値以上であること、送信確率に基づくことが挙げられる。
【0150】
つまり、この処理は、上述したDL受信トリガに基づく条件を適用してULデータを送信させる端末400に送信指示を通知し、その後に、当該端末400内でも、上述した端末トリガに基づく条件を適用してULデータを送信するか否かを判定することに相当する。
【0151】
この構成により、ITSサーバ100は、端末400(車両)の詳細な位置又は無線品質を特定していない場合でも、特定のエリアにおいて、低コストで大容量の通信が可能な端末400に対してのみULデータの送信を指示できる。特に、送信ビット数を把握するために端末400の位置又は無線品質を特定する必要があるビット単価によって通信コストが表されるのではなく、基地局300においてV2X通信で占有するリソースの空き状況等のみによって定まるリソースサイズ単価によって通信コストが表される場合に好適である。
【0152】
[変形例3]
特定のエリア内に複数の端末400が存在する場合、当該エリア内の一部の端末400のみがULデータを送信してもよい。すなわち、ITSサーバ100(通信部104)は、低コスト通信が可能な通信エリア内に位置し、送信指示の送信先である複数の端末400のうち、一部の端末400のみからULデータを受信する。
【0153】
特定のエリアとして、例えば、
図11に示すD2D(Device to Device)通信(Sidelinkと呼ぶこともある)レンジでもよい。D2D通信レンジは、車両同士が直接通信可能なエリアである。この場合、ITSサーバ100からの送信指示に従ってULデータを送信した端末400(例えば、
図11の端末1)は、D2D通信レンジ内の他の端末400(
図11の端末2、端末3)に対してULデータを送信したことを通知する。ULデータが送信されたことを通知された他の端末400は、ITSサーバ100からの送信指示を無視し、ULデータの送信を行わない。
【0154】
例えば、D2D通信においてブロードキャストするデータにULデータの送信指示に関する識別子を含めることで、D2D通信の受信側の端末400は、自機が受け取った送信指示と、D2D通信の送信側の端末400が受け取った送信指示との同一性を確認することにより、ULデータを送信するか否かを判定できる。
【0155】
こうすることで、各D2D通信レンジでは、1つの端末400のみがULデータの送信を行う。この構成により、同一エリアから類似(重複)した環境情報が送信されることを回避でき、ULデータの送信を行わない端末400では通信コストを削減できる。なお、同一エリアにおいてULデータを送信する端末400の数は1つに限らず、2つ以上の一部の端末400に限定されてもよい。
【0156】
なお、上記他の端末400は、ULデータを送信したことを通知する制御信号の無線品質(例えば、受信レベル)が所定のレベル以上の場合に送信指示を無視し、送信状態の通知の無線品質が所定のレベル未満の場合に送信指示に従ってULデータを送信してもよい。または、上記他の端末400は、ULデータを送信したことを通知する制御情報の送信元の端末400からの距離が所定値以内である場合に送信指示を無視し、送信元の端末400からの距離が所定値よりも離れている場合に送信指示に従ってULデータを送信してもよい。
【0157】
これらにより、類似した環境情報を送信する可能性が高い、互いに近接した端末400であるか否かを精度良く判定できる。すなわち、特定のエリアにおいて、ULデータを送信したことを通知する制御信号を受信した場合でも、当該制御信号の無線品質が劣悪である場合、又は、制御信号の送信元の端末400との距離が一定以上離れている場合、端末400は、ULデータを送信したことを通知した端末400とは異なる環境に存在すると判定する。つまり、端末400は、ULデータを送信したことを通知した端末400とは環境情報が類似しないと判定し、ULデータを送信する。
【0158】
また、上記特定のエリアは、D2D通信に限定されない。例えば、特定のエリアは、DSRC(Dedicated Short Range Communications)を行うエリアでもよい。
【0159】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0160】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0161】
例えば、本発明の一実施の形態におけるサーバ装置、コアNWノード内の各装置、基地局(無線基地局)、及び、端末(ユーザ端末)などは、本発明の通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図12は、本発明の一実施の形態に係るサーバ装置、コアNWノード内の各装置、基地局、及び、端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のITSサーバ(サーバ装置)100、コアNWノード200、基地局300及び端末400は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0162】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ITSサーバ100、コアNWノード200、基地局300及び端末400のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0163】
ITSサーバ100、コアNWノード200、基地局300及び端末400における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、又は、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0164】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のコスト情報取得部101、端末情報取得部102、決定部103、位置情報生成部401、無線品質測定部402、送信制御部404などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0165】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ITSサーバ100の決定部103又は端末400の送信制御部404は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0166】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0167】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0168】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の通信部104,403などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0169】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0170】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0171】
また、ITSサーバ100、コアNWノード200、基地局300及び端末400は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0172】
(情報の通知、シグナリング)
また、情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0173】
(適用システム)
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、5G+(5G plus)、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0174】
(処理手順等)
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0175】
(基地局の動作)
本明細書において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)またはS−GW(Serving Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS−GW)であってもよい。
【0176】
(入出力の方向)
情報及び信号等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0177】
(入出力された情報等の扱い)
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0178】
(判定方法)
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0179】
(ソフトウェア)
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0180】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0181】
(情報、信号)
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0182】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
【0183】
(システム、ネットワーク)
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0184】
(パラメータ、チャネルの名称)
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
【0185】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0186】
(基地局)
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」、「eNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0187】
(端末)
端末は、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、UE(User Equipment)、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0188】
(用語の意味、解釈)
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0189】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0190】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0191】
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0192】
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0193】
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0194】
本開示の全体において、例えば、英語でのa, an, 及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0195】
(態様のバリエーション等)
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0196】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0197】
本特許出願は2016年9月30日に出願した日本国特許出願第2016−193759号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2016−193759号の全内容を本願に援用する。