特許第6959248号(P6959248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミッション セラピューティクス リミティドの特許一覧

特許6959248癌治療用の4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル誘導体
<>
  • 特許6959248-癌治療用の4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル誘導体 図000090
  • 特許6959248-癌治療用の4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル誘導体 図000091
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959248
(24)【登録日】2021年10月11日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】癌治療用の4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20211021BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20211021BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20211021BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20211021BHJP
   A61K 31/4162 20060101ALI20211021BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALI20211021BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20211021BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20211021BHJP
   A61K 31/4725 20060101ALI20211021BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20211021BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20211021BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20211021BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20211021BHJP
   A61K 31/422 20060101ALI20211021BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   C07D487/04 138
   C07D487/04CSP
   A61P35/00
   A61P43/00 111
   A61P35/02
   A61K31/4162
   A61K31/4178
   A61K31/4709
   A61K31/4439
   A61K31/4725
   A61K31/496
   A61K31/454
   A61K31/5377
   A61K31/437
   A61K31/422
   C07D519/00 311
【請求項の数】16
【全頁数】89
(21)【出願番号】特願2018-548677(P2018-548677)
(86)(22)【出願日】2017年3月17日
(65)【公表番号】特表2019-508462(P2019-508462A)
(43)【公表日】2019年3月28日
(86)【国際出願番号】GB2017050755
(87)【国際公開番号】WO2017158381
(87)【国際公開日】20170921
【審査請求日】2020年1月15日
(31)【優先権主張番号】1604638.5
(32)【優先日】2016年3月18日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517299582
【氏名又は名称】ミッション セラピューティクス リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100164563
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 貴英
(72)【発明者】
【氏名】アリソン ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】マーク イアン ケンプ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン リー ストックリー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ディー.ウッドロー
【審査官】 伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−530207(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/168286(WO,A1)
【文献】 特表2013−543490(JP,A)
【文献】 特表2016−504365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
1a、R1b、R1c、及びR1dは、それぞれ独立して、水素又は場合により置換されたC1〜C6アルキルであるか、又はR1aとR1bは一緒に、C3〜C6シクロアルキル環を形成するか、又はR1cとR1dは一緒に、C3〜C6シクロアルキル環を形成し;
Aは、5員の窒素含有芳香環であり;
Aは、−Q1−B及び(−Q2−(D)mnで置換され;
mは0又は1であり;
nは0、1、又は2であり;
1は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR4−、−SO−、−SO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−C0〜C3アルキレン−C(O)NR2−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR2−C0〜C3アルキレン−、−C0〜C3アルキレン−NR2C(O)−C0〜C3アルキレン、−NR2C(O)NR3−、−SO2NR2−、NR2SO2−、−NR2SO2NR3−、−NR2C(O)O−、−NR2C(O)OR4−、場合により置換された−C1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンであり;
2及びR3は、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルであり;
4は、場合により置換されたC1〜C6アルキレンであり;
Bは、5〜10員の単環式又は二環式アリール又はヘテロアリール環であり;
Bは、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、−SR11、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q3a−R13、−Q3a−O−Q3b−R13、−Q3a−S−Q3b−R13、−Q3a−SO−Q3b−R13、−Q3a−NR11CONR1212a、−Q3a−NR11CONR12−Q3a−R13、−Q3a−NR1112、−Q3a−NR11−Q3b−R13、−Q3a−COR11、−Q3a−CO−Q3b−R13、−Q3a−NR11COR12、−Q3a−NR11CO−Q3b−R13、−Q3a−NR11C(O)OR12、−Q3a−SO211、−Q3a−SO2−Q3b−R13、Q3a−CONR1112、−Q3a−CONR11−Q3b−R13、Q3a−CO2−R11、Q3a−CO2−Q3b−R13、−Q3a−SO2NR1112、−Q3a−SO2NR11−Q3b−R13、−Q3a−NR11SO212、−Q3a−NR11SO−Q3b−R13、及び−Q3a−NR11SO2NR1212a、−Q3a−NR11SO2NR12−Q3b−R13から選択される1個以上の置換基で置換されており;
ここで、Q3a及びQ3bは、それぞれ独立して、共有結合、場合により置換されたC1〜C6アルキレン又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンを表し;
11、R12、及びR12aは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1
6アルキルを表し;
そして、R13は、場合により置換された、3〜10員環のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール、又はシクロアルキルを表し、ここで、R13は、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、SF5、C1〜C3アルキル及びC1〜C3アルコキシから独立に選択される1〜4つの置換基で置換され;
2の各々は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、OR5、−SR5、−NR56、−CONR56、−C0〜C3アルキレン−NR5COR6−、−NR5CONR66a、−COR5、−C(O)OR5、−SO25、−SO2NR56、−NR5SO26、−NR5
2NR66a、−NR5C(O)OR6、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR7−、−SO−、−SO2−、−CO−、−C(O)O−、−C0〜C3アルキレン−C(O)NR5−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5C(O)−C0〜C3アルキレン、−NR5CONR6−、−SO2NR5−、−NR5SO2−、−NR5SO2NR6−、−NR5C(O)O−、−NR5C(O)OR7−、場合により場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンであり;
5、R6、及びR6aは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルであり;
7は、場合により置換されたC1〜C6アルキレンであり;
Dの各々は、独立して、3〜10員の単環式又は二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はアリール環であり;
ここで、Dは、置換されていないか、又は、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、及び−CONR1415から選択される1〜4個以上の置換基で置換され;
14及びR15は、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルであり;
アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキレン及びアルケニレン基の任意の置換は、ハロゲン、ヒドロキシル及びシアノから選択され、アルキレンは介在するヘテロ原子を含まない。]
の化合物もしくはその互変異性体、又は当該化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩。
【請求項2】
式IIで表される、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容し得る塩:
【化2】
[式中、
【化3】
は、芳香族の結合を表し;
1a、R1b、R1c、及びR1dは、それぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキルを表すか、又はR1a及びR1bは一緒に、場合により置換されたC3〜C6シクロアルキル環を形成するか、又はR1c及びR1dは一緒に、場合により置換されたC3〜C6シクロアルキル環を形成し;
pは0又は1であり;
qは0又は1であり;
ここで、p及びqの両方が0であることはなく、p及びqの一方は1であり;
8は、水素、−Q1−B、又は−Q2−(D)mであり;
9は、水素、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ントロ又はSF5で場合により置換されたC1〜C6アルキルであり;
10は、水素、−Q1−B、又は−Q2−(D)mであり;
ここで、R8又はR10の一方は−Q1−Bであり;
1a、R1b、R1c、R1d、m、Q1、Q2、B及びDは、請求項1で定義したとおりである。]。
【請求項3】
が−Q−Bであり;そして、R10が水素又は−Q−(D)である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が水素又は−Q−(D)であり;そして、R10がQ−Bである、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
が、共有結合、CHNHC(O)、NH、CH、及びCHNHC(O)CHから選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Bは、場合により置換された、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピラゾリル、インダゾリル、イミダゾリル、イソキノリニル、及びイミダゾピリジニルから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Bは、フッ素、塩素、シアノ、メチル、プロピル、CF3、メトキシ、プロポキシ、OCF3、−C(O)NH2、−C(O)NHCH3、−C(O)N(CH32、−SO2N(CH32、−R13、メチレン−R13、−C(O)NH−R13、−C(O)NH−メチレン−R13、−NHC(O)−C2アルキレン−R13、−C(O)NH−エチレン−R13、−O−メチレン−R13、−O−R13、−C(O)−R13、−SO2NH−R13、及び−NHSO2−R13から選択される1〜4個の置換基で置換され、ここで、R13は、フェニル、ピリジニル、ピペラジニル、及びシクロプロピルから選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
の各存在は、独立して共有結合、メチル、イソプロピル、NHC(O)CH、CH、NH、及びCHNRC(O)から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
Dは、フェニル、イソキノリニル、及びピリジニルから選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
1a、R1b、R1c、及びR1dはそれぞれ水素を表す、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
以下:
1−(4−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−(4−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−(2−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
4−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミド;
1−(キノリン−3−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−(3−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−(1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−(1−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−メチル−1−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
N−ベンジル−3−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミド;
3−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)−N−(1−フェニルエチル)ベンズアミド;
3−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−
イル)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ベンズアミド;
4−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ベンズアミド;
4−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)−N−メチルベンズアミド;
4−(5−シアノ−3−メチル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミド;
1−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
5−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)−2−メトキシ−N−メチルベンズアミド;
1−(1H−インダゾール−3−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−(3−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−メチル−3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
2−メチル−3−フェニル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
1−イソプロピル−3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−ベンジル−3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−ベンジル−3−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
5−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(イソキノリン−3−イルアミノ)−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
3−(イソキノリン−3−イルアミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−ベンジル−3−(イソキノリン−3−イルアミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
4−(5−シアノ−3−(ピリジン−2−イルアミノ)−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミド;
N−((5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
N−((5−シアノ−1−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)−4−メチルベンズアミド;
N−((5−シアノ−1−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)アセトアミド;
3−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(3−シアノフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(4−フェノキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(4−シアノフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
5−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−N−メチルピコリンアミド;
3−(6−メトキシピリジン−3−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−N、N−ジメチルベンゼンスルホンアミド;
3−(5−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
N−ベンジル−4−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)ベンズアミド;
3−(6−イソプロポキシピリジン−3−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−N−シクロプロピルベンゼンスルホンアミド;
N−(3−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)フェニル)シクロプロパンスルホンアミド;
3−(3−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(4−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−1−メチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
3−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−1−メチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
3−(5−エチル−2−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
6−クロロ−N−((5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド;
3−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
3−(1−(1−メチルピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−メトキシ−4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
3−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(4−モルホリノフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(3−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(3−(2−オキソオキサゾリジン−3−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(3−(2−オキソピロリジン−1−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
N−(3−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)フェニル)シクロプロパンスルホンアミド;及び
N−ベンジル−4−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−3−フルオロベンズアミド
から選択される、請求項1に記載の式Iの化合物もしくはその互変異性体、又は当該化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物もしくはその互変異性体、又は当該化合物もしくは互変異性体の医薬的に許容し得る塩を含む、医薬組成物。
【請求項13】
癌を治療するための、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
癌は、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、結腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳腫瘍、黒色腫、骨癌、肝臓癌、軟部組織、組織器官の他の癌、血液細胞の癌、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)、マントル細胞リンパ腫、神経芽腫、結腸直腸癌、黒色腫、軟部組織肉腫、脂肪肉腫、線維芽肉腫、平滑筋肉腫、肝細胞癌、骨肉腫、食道癌、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、結腸直腸癌、及び非小細胞肺癌から選択される、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
CNS障害;神経変性疾患;パーキンソン病;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症(ALS);ハンチントン病;虚血;脳卒中;レビー小体型認知症;前頭側頭型認知症;多発性硬化症(MS)、ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、及び脳卒中様症状(MELAS)症候群;レーベル遺伝性視神経症(LHON);癌;神経障害、運動失調、色素性網膜炎−母系遺伝性ライ症侯群(NARP−MILS);ダノン病;糖尿病;糖尿病性腎症;代謝障害;心不全;心筋梗塞を引き起こす虚血性心疾患;精神医学的疾患、例えば統合失調症;複数のスルファターゼ欠損(MSD);ムコリピドーシスII(MLII);ムコリピドーシスIII(MLIII);ムコリピドーシスIV(MLIV);GM1−ガングリオシドーシス(GM1);ニューロンセロイド−リポフシノーゼ(NCL1);アルパー病;バース症候群;ベータ酸化酵素欠陥;カルニチン−アシル−カルニチン欠乏症;カルニチン欠乏;クレアチン欠乏症候群;補酵素Q10欠損;複合体I欠乏症;複合体II欠乏症;複合体III欠乏症;複合体IV欠乏症;複合体V欠乏症;COX欠損;慢性進行性外眼筋麻痺症候群(CPEO);CPTI欠損;CPTII欠損;グルタル酸性尿症II型;ケーンズ・セイヤー症候群;乳酸アシドーシス;長鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ欠損(LCHAD);リー疾患又は症候群;致死的幼児心筋症(LIC);ルフト病;グルタル酸性尿症II型;中鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ欠損(MCAD);ミオクロニー性てんかん及びぼろ赤色線維症(MERRF)症候群;ミトコンドリア細胞病;ミトコンドリア性劣性運動失調症候群;ミトコンドリアDNA枯渇症候群;筋神経胃腸管障害及び脳症;ピアソン症候群;ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損;ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損;POLG突然変異;中/短鎖3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ(M/SCHAD)欠損;及び非常に長鎖のアシル−CoAデヒドロゲナーゼ(VLCAD)欠損から選択されるミトコンドリア機能障害を伴う状態を治療するための、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項16】
1つ以上の医薬的に許容し得る賦形剤を更に含む、請求項12に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱ユビキチン化酵素(DUB)及び/又はデスモイル化酵素の阻害剤の新規化合物と製造方法とに関する。特に本発明は、ユビキチンC末端加水分解酵素7又はユビキチン特異的ペプチダーゼ7(USP7)の阻害に関する。本発明はさらに、癌の治療におけるDUB又はデスモイル化阻害剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
本明細書における先行技術文献のリスト又は議論は、必ずしも、その文書が最先端技術の一部であることを又は一般的な知識であることを認めるものではない。
【0003】
ユビキチンは、76個のアミノ酸からなる小さなタンパク質であり、細胞内のタンパク質機能の調節に重要である。ユビキチンに加えて、平行しているが異なる細胞経路で基質を修飾する構造的に関連するユビキチン様分子(UBL)の数が増えている。これらのタンパク質には、特に限定されるものではないが、小ユビキチン様修飾物質(SUMO)、インターフェロン刺激遺伝子15(ISG15)、ユビキチン関連修飾物質1(URM1)、ニューロン前駆細胞に発現された発生的にダウンレギュレートされたタンパク質8(NEDD8)、ヒト白血球抗原F結合体(FAT10)、オートファジー−8(ATG8)及び−12(ATG12)、fewユビキチン様タンパク質(FUB1)、膜アンカー型UBL(MUB)、ユビキチン折り畳み修飾因子−1(UFM1)、及びユビキチン様タンパク質−5(UBL5)が含まれる。ユビキチン及びUBLのユビキチン化及び脱ユビキチン化は、ユビキチン又はUBLが、ユビキチン化酵素及び脱ユビキチン化酵素(DUB)によって標的タンパク質に共有結合されるか又は切断される酵素的に媒介されるプロセスである。セントリン(Sentrin)特異的プロテアーゼ(SENP)を含めると、約95のDUBがヒト細胞に存在し、これらは配列相同性に基づいてサブファミリーに分類され、これらのうち最大のものは、DUB活性にとって重要なCys及びHis残基を含む共通のCys及びHisボックスを特徴とするUSPファミリーである。ユビキチン化及び脱ユビキチン化プロセスは、細胞周期の進行、アポトーシス、細胞表面受容体の修飾、DNA転写及びDNA修復の調節を含む多くの細胞機能の調節に関与している。したがって、ユビキチン系は、炎症、ウイルス感染、代謝機能不全、CNS障害、及び発癌を含む多数の病状の病因に関与している。
【0004】
USP7は、腫瘍への強い関連を有するDUBであり、確立された抗癌標的である。USP7を標的とすることの理論的根拠は、主に、複数の癌遺伝子、腫瘍抑制因子、ウイルスタンパク質、及びエピジェネティック制御因子[ホスファターゼ及びテンシンホモログ(PTEN)、フォークヘッドボックスタンパク質O4(FOXO4)、p53:HDM2軸、及びDNA(シトシン−5)−メチルトランスフェラーゼ1(DNMT1)を含む]の調節において、その役割が実証されていることである。USP7の阻害は、ヒト2重微小2ホモログ(Human double minute 2 homolog)(HDM2)の分解、p53の安定化、及び腫瘍細胞におけるアポトーシスの活性化を引き起こし、これは、調節解除されたHDM2発現(すべての癌の約7%)及び/又は野生型p53(すべての癌の約50%)がある場合、癌の標的候補であることを意味する。さらにUSP7阻害はまた、調節性T細胞の免疫抑制能力を低下させることも示されている。したがって、USP7阻害剤は、宿主免疫系による癌細胞の監視及び死滅を増強することによって、相乗的な抗癌効果を有する可能性がある。
【0005】
ユビキチン−プロテアソーム系は、多発性骨髄腫の治療のためのプロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブ(bortezomib)の承認後に、癌治療の標的として関心を集めている。ボルテゾミブによる長期治療は、付随する毒性及び薬剤耐性によって制限される。しかしながら、DUBなどのプロテアソームの上流のユビキチン−プロテアソーム経路の特定の局面を標的とする治療戦略は、良好に許容されると予測される。この分野において強い関心をもたれているが、DUB阻害剤はまだ市販されていない(Kemp M, Progress in Medicinal Chemistry 2016; 55:140-192)。したがって、特に限定されるものではないが癌を含む、DUB活性が認められる適応症の治療のための、USP7などのDUBを阻害する化合物及び医薬組成物に対してニーズが存在する。
【0006】
国際公開第2013044865号には、抗生物質化合物の調製方法における中間体として、化合物(4−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−d][1,2,3]トリアゾール−2(4H)−イル)−3−フルオロフェニル)カルバミン酸ベンジル及び2−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリルを記載している。これらの化合物は、添付の特許請求の範囲から除外され得る。
【発明の概要】
【0007】
(発明の要約)
本明細書には、式Iの化合物:
【化1】
【0008】
又はその医薬的に許容し得る塩が提供され、ここで
1a、R1b、R1c、及びR1dは、それぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキルを表すか、又はR1aとR1bは一緒に、場合により置換されたC3〜C6シクロアルキル環を形成するか、又はR1cとR1dは一緒に、場合により置換されC3〜C6シクロアルキル環を形成し;
Aは、5員の窒素含有芳香環であり、これは、任意のリンカーを介して結合した、少なくとも1つの場合により置換された5〜10員の単環式又は二環式ヘテロアリール又はアリール環で置換されている。
【0009】
1つの実施態様において、Aは、−Q1−B及び(−Q2−(D)mnで置換され;
mは0又は1を表し;
nは0、1、又は2を表し;
1は、共有結合、又は酸素原子、硫黄原子、−OR4−、−SO−、−SO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−C0〜C3アルキレン−C(O)NR20〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR2−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR2C(O)−C0〜C3アルキレン、−NR2C(O)NR3−、−SO2NR2−、NR2SO2−、−NR2SO2NR3−、−NR2C(O)O−、−NR2C(O)OR4−、場合により置換された−C1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンから選択されるリンカーを表し;
Bは、場合により置換された5〜10員の単環式又は二環式アリール又はヘテロアリール環を表し;
2及びR3は、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;
4は、場合により置換されたC1〜C6アルキレンを表し;
2の各存在は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR5、−NR56、−CONR56、−C0〜C3アルキレン−NR5COR6−、−NR5CONR66a、−COR5、−C(O)OR5、−SO25、−SO2NR56、−NR5SO26、−NR5SO2NR66a、−NR5C(O)OR6、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR7−、−SO−、−SO2−、−CO−、−C(O)O−、−C0〜C3アルキレン−C(O)NR5−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5C(O)−C0〜C3アルキレン、−NR5CONR6−、−SO2NR5−、−NR5SO2−、−NR5SO2NR6−、−NR5C(O)O−、−NR5C(O)OR7−、場合により場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレン表し;
Dの各存在は、独立して、場合により置換された3〜10員の単環式又は二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はアリール環を表し;
5、R6、及びR6aは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;
7は、場合により置換されたC1〜C6アルキレンを表す。
【0010】
本発明はまた、本発明の化合物と1つ以上の医薬的に許容し得る賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0011】
本発明の化合物は、癌の治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】哺乳動物細胞から精製されたFLAG−USP7の画像を提供する。FLAG精製したタンパク質又は示した濃度のBSAをSDS−PAGEで分離し、インペリアル(Imperial)タンパク質染色法(Pierce Biotechnology)で染色した。
図2】蛍光偏光アッセイを用いて測定した精製FLAG−USP7のタンパク質分解活性を示すグラフである。記載された種々の量の精製USP7を、イソペプチド結合を介してユビキチンに結合したTAMRA標識ペプチドと共にインキュベートした。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
以下の定義及び説明は、本明細書及び請求項の両方を含む全文書を通じて使用される用語に関するものである。本明細書に記載された化合物(例えば式Iの化合物)への参照は、その下位グループの実施態様を含む式I及びIIへの参照を含む。
【0014】
式Iの化合物のいずれかの基が場合により置換されるとして言及されている場合、その基は置換されていてもされていなくてもよい。置換は、同一であっても異なっていてもよい1つ以上の特定の置換基によるものでもよい。置換基の数及び性質が、立体的に望ましくない組み合わせを避けるように選択されることは理解されるであろう。
【0015】
本明細書の文脈において、特に別の指定がなければ、アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、若しくはアルキニル置換基(又はリンカー基)、又はある置換基内のアルキル、アルケニル部分 (moiety)は直鎖状でも分岐していてもよい。アルキル、アルキレン、アルケニル、及びアルケニレン鎖はまた、酸素などの介在ヘテロ原子含むこともできる。
【0016】
x〜Cyアルキルは、直鎖又は分枝鎖であってもよいx〜y個の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素基を指す。例えば、C1〜C6アルキルは、1〜6個の炭素原子を含み、C1、C2、C3、C4、C5、及びC6を含む。「分岐した」とは、基内に少なくとも1つの炭素分岐点が存在することを意味する。例えば、tert−ブチル及びイソプロピルは両方とも分岐基である。C1〜C6アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチルペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、及びn−ヘキシルが含まれる。R1a、R1b、R1c、R1d、R2、R3、R5、R6、R6a、R11、R12、R12a、R14、R15、R15a、Q2の定義内の、及びB及びDの定義内の、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルキル、及びC1〜C3アルキルは、置換されていなくても、又は本明細書に記載の置換基の1つ以上で置換されていてもよい。従って置換されたC1〜C6アルキルの例には、CF3、CH2CF3、CH2CN、CH2OH、及びCH2CH2OHが含まれる。
【0017】
x〜Cyアルキレン基又は部分は、直鎖又は分枝鎖であってもよく、上記で定義したCx〜Cyアルキルから1個少ない水素原子を有する二価の炭化水素基を指す。C1〜C6アルキレンは酸素などの介在するヘテロ原子を含むことができ、従ってアルキレンオキシ基を含む。本明細書で使用されるアルキレンオキシはまた、その又は1つの酸素原子(例えば、単一酸素原子)がアルキレン鎖(例えばCH2CH2OCH2又はCH2OCH2)内に位置する実施態様も包含する。C1〜C6アルキレン基の例には、メチレン、メチレンオキシ、エチレン、エチレンオキシ、n−プロピレン、n−プロピレンオキシ、n−ブチレン、n−ブチレンオキシ、メチルメチレン、及びジメチルが含まれる。特に別の指定がなければ、R4、R7、Q1、Q2、Q3a、Q3b、Q4a、及びQ4bの定義内のC1〜C6アルキレン、C1〜C4アルキレン、及びC1〜C3アルキレンは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0018】
2〜C6アルケニルは、少なくとも2つの炭素原子及び少なくとも1つの二重結合を含有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖基を指し、C2〜C4アルケニルを含む。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−メチル−1−プロペニル、1,2−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエニル、及び1−ヘキサジエニルが含まれる。特に別の指定がなければ、Q2の定義内及びB及びDの置換基の定義内のC2〜C6アルケニル及びC2〜C4アルケニルは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0019】
2〜C6アルケニレンは、上記で定義したC2〜C6アルケニルから1個少ない水素原子を有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素基を指す。C2〜C6アルケニレンの例には、エテニレン、プロペニレン、及びブテニレンが含まれる。特に別の指定がなければ、Q1、Q2、Q3a、Q3b、及びQ4a、Q4cの定義内のC2〜C6アルケニレン及びC2〜C4アルケニレンは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0020】
2〜C6アルキニルは、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の三重結合を含む直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖基を指す。アルケニル基の例には、エチニル、プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、及び1−ヘキシニルが含まれる。特に別の指定がなければ、B及びD定義内のC2〜C6アルキニルは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0021】
1〜C6アルコキシは、上記のCx〜Cyアルキルの定義による−O−Cx〜Cyアルキル基を有する基又は基の一部をいう。C1〜C6アルコキシは、1〜6個の炭素原子を含み、C1、C2、C3、C4、C5、及びC6を含む。C1〜C6アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、及びヘキソキシが含まれる。本明細書で使用されるアルコキシはまた、その又は1つの酸素原子(例えば、単一の酸素原子)がアルキル鎖内に位置する実施態様(例えばCH2CH2OCH3又はCH2OCH3)を包含する。従ってアルコキシは、炭素を介して分子の残部に結合していてもよく(例えば−CH2CH2OCH3)、又は代替的にアルコキシは、酸素を介して分子の残部に結合していてもよい(例えば−OC1-6アルキル)。ある例では、アルコキシは酸素を介して分子の残部に結合しているが、このアルコキシ基は別の酸素原子をさらに含む(例えば−OCH2CH2OCH3)。特に別の指定がなければ、Q2の定義内及びB及びDの置換基の定義内のC1〜C6アルコキシ及びC1〜C3アルコキシは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。置換C1〜C6アルコキシの例には、OCF3、OCHF2、OCH2CF3、CH2CH2OCH3、及びCH2CH2OCH2CH3が含まれる。
【0022】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、塩素、臭素、フッ素、又はヨウ素原子、特に塩素又はフッ素原子を指す。
【0023】
用語「オキソ」は、=Oを意味する。
【0024】
疑義を回避するために、本明細書に開示され、かつR1a、R1b、R1c、R1d、R13、R16、R12、B及びDの定義内のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール環は、不安定な環構造を含まず、ヘテロアリール及びヘテロ環系の場合には、O−O、O−S、又はS−S結合を含まないことを理解されたい。この環系は、単環式でも二環式でもよい。二環式環系には、架橋、縮合、及びスピロ環系が含まれる。置換基は存在する場合、炭素原子であってもよい任意の適切な環原子に結合していてもよく、又はヘテロアリール及びヘテロ環式環系の場合、ヘテロ原子に結合してもよい。環上の置換は、置換の位置で変化を含み得る。例えばフェニル環上の置換は、置換位置で炭素から窒素への環原子の変化を含んで、ピリジン環をもたらしてもよい。
【0025】
「シクロアルキル」は、単環式飽和の又は部分的に不飽和の非芳香環を指し、ここで環のすべては炭素原子であり、示されている数の環原子を有する。例えばC3〜C10シクロアルキルは、3〜10個の炭素原子を含む単環式又は二環式炭化水素環を指す。C3〜C10シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、及びデカヒドロナフタレニルである。二環式シクロアルキル基は、ビシクロヘプタン及びビシクロオクタンなどの架橋環系を含む。特に別の指定がなければ、R1a、R1b、R1c、R1d、R13、R16、Dの定義内のシクロアルキルは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0026】
「アリール」基/部分は、少なくとも1つの芳香族基を含み、5から10個の炭素原子の環員を有する単環式又は二環式炭化水素基を指す。アリール基の例にはフェニル及びナフチルが含まれる。二環式環は、両方の環が芳香族である縮合芳香環、例えばナフタレニルでもよい。好適なアリール基は、フェニル及びナフチルであり、より好ましくはフェニルである。特に別の指定がなければ、R13、R16、B、及びDの定義内のアリールは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0027】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」は、少なくとも1個〜最大5個のヘテロ原子、特にN、O、及びSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子は当業者に公知の安定した組み合わせの炭素原子である多価不飽和の、単環式又は二環式の5〜10員の芳香族部分を意味する。ヘテロアリール環の窒素及び硫黄原子は場合により酸化され、窒素原子は場合により四級化されている。ヘテロアリール環は、単一の芳香環であるか又は縮合二環式環であることができ、ここで二環式環系は芳香族であることができ、又は縮合環の1つが芳香族であり他方が少なくとも部分的に飽和されていてもよい、ある例において、二環式ヘテロアリールは、全体縮合環系が芳香族であるものである。二環式ヘテロアリールは、縮合環のいずれかで少なくとも1つのヘテロ原子を有することができる。例えば部分飽和環に縮合した芳香環を有する二環式環は、芳香環内又は部分飽和環内にその又は少なくとも1個のヘテロ原子を含み得る。置換基である基への二環式環の結合は、ヘテロ原子含有環又は炭素のみを含有する環を介してもよい。置換基である基へのヘテロアリールの結合点は、炭素原子又はヘテロ原子(例えば窒素)を介してもよい。ヘテロアリール環の例には、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、トリアジニル、ジヒドロフィリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、キノキサリニル、及びジヒドロベンゾキサジニルが含まれる。特に別の指定がなければ、R13、R16、B、及びDの定義内のヘテロアリールは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0028】
環を説明するときに本明細書中で使用される「ヘテロシクリル (heterocyclyl)」又は「ヘテロ環 (heterocyclic)」は、特に別の指定がなければ、単環式の飽和しているか又は部分的に不飽和の非芳香環、又は二環式の飽和しているか又は部分的に不飽和の環(ここで、この二環式環系は非芳香族である)、例えば3〜10員を有する単環式若しくは二環式環を意味し、ここで、環の少なくとも1員〜最大5員、特に1、2、又は3員は、N、O、及びSから選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は、当業者に公知の安定な組み合わせの炭素原子である。ヘテロ環窒素及び硫黄原子は場合により酸化され、窒素原子は場合により四級化される。本明細書で使用されるヘテロ環は、別の系に縮合して二環を形成する環でもよく、すなわちヘテロ環炭素の1つ又は2つは追加の環系と共通である。ヘテロシクリルが二環式環である例では、第2の環は芳香族、例えば縮合フェニル、ピリジル、ピラゾリル等であってもよい。ヘテロシクリルは、炭素又はヘテロ原子を介して分子の残りの部分に結合されてもよく、ヘテロシクリルが二環式環である場合、結合は、ヘテロ原子含有環又は縮合環を介してもよい。ヘテロシクリル基の例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、インドリニル、イソインドリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば3,4−ジヒドロピラニル、3.6−ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H−キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロピロロピリジニル、ジヒドロベンゾキサジニル、及びテトラヒドロイソキノリニルが含まれる。特に別の指定がなければ、R13、R16、B、及びDの定義内のヘテロシクリルは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。置換されたヘテロシクリル環の例には、例えば4,5−ジヒドロ−1H−マレイミド、テトラメチレンスルホキシド、及びヒダントイニルが含まれる。
【0029】
任意の基に適用される「場合により置換された (optionally substituted)」は、所望であれば、その基が、同一か又は異なり得る1つ以上の置換基(例えば、1、2、3、又は4個の置換基)で置換されていてもよいことを意味する。
【0030】
例えばR1a、R1b、R1c、R1d、R2、R3、R5、R6、R6a、R11、R12、R12a、R14、R15、R15a、Q2の定義内の、及びB及びDの置換基の定義内の、「置換された」及び「場合により置換された」C1〜C6アルキル(C1〜C4アルキル、C1〜C3アルキル、及びC1〜C2アルキルを含む)、及びC1〜C6アルコキシ(C1〜C4アルコキシ、C1〜C3アルコキシ、及びC1〜C2アルコキシを含む)、及びC2〜C6アルケニル(C2〜C4アルケニルを含む)、及びC2〜C6アルキニル(C2〜C4アルキニルを含む)、及び例えばR5、R9、R12、R15、Q1、Q2、Q3a、Q3b、Q4a、Q4b、の定義内のC1〜C6アルキレン(C1〜C3アルキレンを含む)及びC2〜C6アルケニレンには、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド (amido)、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル若しくはC1〜C3アルキル、C1〜C6アルコキシ若しくはC1〜C3アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C3〜C6シクロアルキル、C1-3アルキルアミノ、C2-6アルケニルアミノ、ジC1〜C3アルキルアミノ、C1〜C3アシルアミノ、ジC1〜C3アシルアミノ、カルボキシ、C1〜C3アルコキシカルボニル、カルボキサミジル、カルバモイル、モノC1-3カルバモイル、ジC1-3カルバモイル、が含まれか、又はヒドロカルビル部分それ自体がハロゲン、例えばフッ素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はSF5(ニトロの既知の模倣物 (mimetic))により置換された上記の任意の置換基が含まれる。特に、適切な置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、及びSF5(ニトロの既知の模倣物)、特にハロゲン(好ましくはフッ素又は塩素)、ヒドロキシル、及びシアノから選択されてよい。
【0031】
1a、R1b、R1c、R1d、R2、R6、R12、R15の定義内の全ての残りの「置換された」及び「場合により置換された」部分(シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール環を含む)の適切な置換基の例には、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、アミド、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル又はC1〜C3アルキル、C1〜C6アルコキシ又はC1〜C3アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C3〜C6シクロアルキル、C1-3アルキルアミノ、C2-6アルケニルアミノ、ジC1〜C3アルキルアミノ、C1〜C3アシルアミノ、ジC1〜C3アシルアミノ、カルボキシ、C1〜C3アルコキシカルボニル、カルボキサミジル、カルバモイル、モノC1-3カルバモイル、ジC1-3カルバモイルが含まれか、又はヒドロカルビル部分それ自体がハロゲン、例えばフッ素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、又はSF5(ニトロの既知の模倣物)により置換された上記の任意の置換基が含まれる。
【0032】
「置換された」及び「場合により置換された」環の適切な置換基の例には、特にフッ素、塩素、オキソ、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はアリールが含まれ、ここで、アルキル又はアルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、及びSF5から選択される1個以上(例えば、1、2、又は3個)の置換基で場合により置換される。
【0033】
したがって、置換された基は、例えばBr、Cl、F、CN、Me、Et、Pr、t−Bu、OMe、OEt、OPr、C(CH33、CH(CH32、CF3、OCF3、C(O)NHCH3、シクロプロピル、フェニル等を含む。アリール基の場合、置換基は、アリール環中の環炭素原子からの環の形態、例えばO−CH2−Oなどの環状アセタールであってもよい。
【0034】
酸素原子を含む置換基、例えばヒドロキシ及びアルコキシでは、酸素原子は硫黄で置換されて、チオ(SH)及びチオアルキル(S−アルキル)などの基を生成することができる。従って任意の置換基は、S−メチルなどの基を含み得る。チオアルキル基内では、硫黄原子はさらに酸化されてスルホキシド又はスルホンを生成することができ、従って任意の置換基は、S(O)−アルキル及びS(O)2−アルキルなどの基を含み得る。
【0035】
用語「治療する」又は「治療している」又は「治療」は、一時的な又は永久的に症状を改善、緩和するための、症状の原因を排除するための、又は記載の障害又は状態の症状の出現を予防するか又は遅らせるための、予防及び手段を含む。本発明の化合物は、ヒト及びヒト以外の動物の治療に有用である。
【0036】
化合物の用量は、障害の症状の発生を予防するのに有効な量、又は患者が患う障害のいくつかの症状を治療するのに有効な量である。「有効量」又は「治療有効量」又は「有効用量」は、所望の薬理学的又は治療的効果を誘発するのに充分な量、従って障害の有効な予防又は治療をもたらすのに充分な量を意味する。障害の予防は、障害の症状の出現を医学的に有意な程度まで遅らせることによって明らかになる。障害の治療は、障害に伴う症状の低下により、又は障害の症状の再発の改善によって明らかにされる。
【0037】
本発明の化合物の医薬的に許容し得る塩には、特に限定されるものではないが、付加塩(例えば、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、及びハロゲン化水素酸塩)、有機塩基(例えば、リチウム、カリウム、及びナトリウム)から誘導される塩、アミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、システイン、メチオニン、及びプロリン)の塩、無機塩基(トリエチルアミン、水酸化物、コリン、チアミン、及びN−N'−ジアセチルエチレンジアミン)の塩が含まれる。他の医薬的に許容し得る塩には、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩、及びアルミニウム塩が含まれる。さらなる医薬的に許容し得る塩には、本発明の化合物の4級アンモニウム塩が含まれる。
【0038】
塩の一般的な製造方法は、当業者に公知である。このような塩は、従来法により、例えば、ある化合物の遊離酸又は遊離塩基形態と、場合により溶媒中の又はその塩が不溶性である媒体中で、適切な酸又は塩基の1つ以上の同等物との反応により、次に標準的方法(例えば、真空中、凍結乾燥、又は濾過)を使用する前記溶媒又は前記媒体の除去により、生成することができる。塩はまた、例えば適切なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製することができる。
【0039】
本発明の化合物が異なる鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体形態で存在する場合、本発明は、光学的に純粋な形態で又は他の異性体との混合物で存在する場合でも、異性体混合物又はラセミ体で調製されるこれらの化合物に関する。鏡像異性体は、平面偏光を反対方向に等しい量だけ回転させる能力のみが異なり、それぞれ(+)/(S)又は(−)/(R)形態として示される。個々の鏡像異性体又は異性体は、例えば生成物又は中間体の光学分割のような当該技術分野で公知の方法(例えば、キラルクロマトグラフィー分離、例えばキラルHPLC、又は不斉合成アプローチ)によって調製することができる。同様に、本発明の化合物が別の互変異性体(例えばケト/エノール、アミド/イミド酸)として存在する場合、本発明は、単離されている個々の互変異性体、及びあらゆる割合の互変異性体の混合物に関する。
【0040】
同位体
本明細書に記載の化合物は、1つ以上の同位体置換を含んでよく、特定の元素への言及は、その範囲内の元素の全ての同位体を含む。例えば水素への言及は、その範囲内で1H、2H(D)、及び3H(T)を含む。同様に、炭素及び酸素への言及は、それらの範囲内で、それぞれ12C、13C、及び14C、及び16O、及び18Oを含む。同位体の例は、2H、3H、11C、13C、14C、36Cl、18F、123I、125I、13N、15N、15O、17O、18O、32P、及び35Sを含む。
【0041】
同様に、特定の官能基への言及はまた、その範囲内で、その文脈が他の意味を示さない限り、同位体変種を含む。例えば、エチル基などのアルキル基への言及は、例えば全ての5つの水素原子が重水素同位体形態であるエチル基(ペルデューテロエチル基)のように、その基内の1つ以上の水素原子が重水素又はトリチウム同位体の形態である変種を包含する。重水素は、本明細書を通して「デューテロ」と呼ばれる。
【0042】
同位体は、放射性又は非放射性であり得る。1つの実施態様において、化合物は放射性同位体を含まない。そのような化合物は治療的使用に好ましい。しかし他の実施態様では、化合物は1つ以上の放射性同位体を含むことがある。そのような放射性同位体を含む化合物は、診断的用途において有用であり得る。
【0043】
式(I)のいくつかの同位体標識化合物、例えば放射性同位体を取り込んだものは、薬物及び/又は基質の組織分布試験において有用である。放射性同位体、すなわち3H及び14Cは、その取り込みやすさと容易な検出手段の観点から、この目的のために特に有用である。より重い同位体、すなわち2Hによる置換は、例えばインビボ半減期の延長又は必要投与量の減少などの向上した代謝安定性から生じるいくつかの治療上の利点を提供し、従って、いくつかの状況では好適となり得る。11C、18F、15O、及び13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、受容体占有率を調べるための陽電子放出断層撮影(PET)試験に有用であり得る。同位体標識された式(I)の化合物は、一般に当業者に公知の従来法の教示により、又は従来使用されている非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用する付随する実施例及び調製法に記載されたものと同様のプロセスにより、調製することができる。
【0044】
結晶及び非晶質形態
式(I)の化合物は、結晶又は非晶質形態で存在することができ、結晶形態の一部は多形として存在することができ、これは本発明の範囲に含まれる。式(I)の化合物の多形形態は、特に限定されるものではないが、赤外線スペクトル、ラマンスペクトル、X線粉末回折、示差走査熱量測定、熱重量分析、及び固体核磁気共鳴を含む多くの従来の分析技術を使用して、特性決定し識別することができる。
【0045】
従って、更なる実施態様において本発明は、結晶形態の記載した任意の実施態様の化合物を提供する。この化合物は、50%〜100%結晶性であり、より詳しくは少なくとも50%結晶性、又は少なくとも60%結晶性、又は少なくとも70%結晶性、又は少なくとも80%結晶性、又は少なくとも90%結晶性、又は少なくとも95%結晶性、又は少なくとも98%結晶性、又は少なくとも99%結晶性、又は少なくとも99.5%結晶性、又は少なくとも99.9%結晶性、例えば100%結晶性であり得る。あるいは、この化合物は非晶質形態であってもよい。
【0046】
本明細書に記載の本発明は、どのように調製されたものでも開示された任意の化合物の結晶形態、溶媒和物、及び水和物に関する。本明細書に開示されたいずれかの化合物が、カルボン酸塩又はアミノ基のような酸性又は塩基性中心を有する程度に、前記化合物の全ての塩形態は本発明に含まれる。医薬的用途の場合、塩は医薬的に許容し得る塩とみなされるべきである。
【0047】
本発明は、前記化合物及びその塩の任意の溶媒和物に関する。好適な溶媒和物は、非毒性の医薬的に許容し得る溶媒分子(以下、溶媒和性溶媒と呼ぶ)を、本発明の化合物の固体構造(例えば結晶構造)に取り込むことによって形成される溶媒和物である。そのような溶媒の例には、水、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール)、及びジメチルスルホキシドが含まれる。溶媒和物は、本発明の化合物を、溶媒又は溶媒和性溶媒を含む溶媒混合物で再結晶することによって調製することができる。ある例で溶媒和物が形成されているどうかは、化合物の結晶を、熱重量分析(TGE)、示差走査熱量測定(DSC)、及びX線結晶解析などの公知の標準的技術を使用する分析に供することにより決定することができる。
【0048】
溶媒和物は、化学量論的又は非化学量論的溶媒和物であり得る。具体的な溶媒和物は水和物であってもよく、水和物の例には、半水和物、一水和物、及び二水和物が含まれる。これらを製造し性状解析するための溶媒和物及び方法のより詳細な議論については、Bryn et al., Solid-State Chemistry of Drugs, Second Edition, published by SSCI, Inc of West Lafayette, IN, USA, 1999, ISBN 0-967-06710-3.を参照されたい。
【0049】
本発明は、エステル誘導体、及び/又は本発明の関連化合物と同じ生物学的機能及び活性を有するか又は提供する誘導体を含む、本明細書に記載の化合物の薬学的に機能的な誘導体に関する。すなわち本発明の目的のために、この用語は、本明細書で定義される化合物のプロドラッグも含む。
【0050】
関連化合物の用語「プロドラッグ」は、経口投与又は非経口投与後に、インビボで代謝されて、実験的に検出可能な量で、所定の時間範囲内(6〜24時間の投与間隔内、すなわち1日1回から4回)で、その化合物を生成する任意の化合物を含む。
【0051】
化合物のプロドラッグは、そのようなプロドラッグが哺乳動物被験体に投与される場合、インビボで修飾が切断されるように、その化合物上に存在する官能基を修飾することにより調製することができる。修飾は、典型的には親化合物をプロドラッグ置換基で合成することによって達成される。プロドラッグは、化合物中のそれぞれヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、カルボキシル、又はカルボニル基が任意の基に結合されて、その基がインビボで切断されて遊離のヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、カルボキシル、又はカルボニル基を再生する化合物を含む。
【0052】
プロドラッグの例には、特に限定されるものではないが、ヒドロキシル官能基のエステル及びカルバミン酸塩、カルボキシル官能基のエステル基、N−アシル誘導体、及びN−マンニッヒ塩基が含まれる。プロドラッグに関する一般的な情報は、例えば Bundegaard, H. “Design of Prodrugs” p. 1-92, Elsevier, New York-Oxford (1985)中に見いだされる。
【0053】
本発明の化合物は、インビボで代謝され得る。式(I)の化合物の代謝物も本発明の範囲内である。用語「代謝物」は、細胞又は生物、好ましくは哺乳動物における本発明の化合物のいずれかから誘導される全ての分子を指す。好ましくはこの用語は、生理学的条件下で、そのような細胞又は生物体に存在する任意の分子とは異なる分子に関する。
【0054】
本発明に記載の治療は、単一の治療法として適用できるか、又は本発明の化合物以外に、従来の外科的治療法又は放射線療法又は化学療法を含み得る。さらに、式(I)の化合物はまた、小分子治療薬又は抗体に基づく治療薬を含む、癌に関連する状態の治療のための既存の治療薬と組み合わせて使用することができる。
【0055】
本発明の化合物は、5員の芳香環に縮合したシアノピロリジン核から形成される8員の二環式環構造を特徴とし、ここで前記芳香環は少なくとも1つの窒素ヘテロ原子を含む。
【0056】
本発明の第1の態様によれば、式Iの化合物
【化2】
【0057】
又はその医薬的に許容し得る塩が提供され、ここで
1a、R1b、R1c、及びR1dは、それぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキルを表すか、又はR1aとR1bは一緒に、場合により置換されたC3〜C6シクロアルキル環を形成するか、又はR1cとR1dは一緒に、場合により置換されC3〜C6シクロアルキル環を形成し;
Aは、5員の窒素含有芳香環であり、任意のリンカーを介して結合した少なくとも1つの場合により置換された5〜10員の単環式又は二環式ヘテロアリール又はアリール環で置換されている。
【0058】
1つの実施態様において、Aは、−Q1−B及び(−Q2−(D)mnで置換され;
mは0又は1を表し;
nは0、1、又は2を表し;
1は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR4−、−SO−、−SO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−C0〜C3アルキレン−C(O)NR2−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR2−C0〜C3アルキレン−、−C0〜C3アルキレン−NR2C(O)−C0〜C3アルキレン、−NR2C(O)NR3−、−SO2NR2−、NR2SO2−、−NR2SO2NR3−、−NR2C(O)O−、−NR2C(O)OR4−、場合により置換された−C1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンを表し;
Bは、場合により置換された5〜10員の単環式又は二環式アリール又はヘテロアリール環を表し;
2及びR3は、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;
4は、場合により置換されたC1〜C6アルキレンを表し;
2の各存在は、独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR5、−NR56、−CONR56、−C0〜C3アルキレン−NR5COR6−、−NR5CONR66a、−COR5、−C(O)OR5、−SO25、−SO2NR56、−NR5SO26、−NR5SO2NR66a、−NR5C(O)OR6、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR7−、−SO−、−SO2−、−CO−、−C(O)O−、−C0〜C3アルキレン−C(O)NR5−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5C(O)−C0〜C3アルキレン、−NR5CONR6−、−SO2NR5−、−NR5SO2−、−NR5SO2NR6−、−NR5C(O)O−、−NR5C(O)OR7−、場合により場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレン表し;
Dの各存在は、独立して、場合により置換された3〜10員の単環式又は二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はアリール環を表し;
5、R6、及びR6aは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;
7は、場合により置換されたC1〜C6アルキレンを表す。
【0059】
環Aは、1〜3個の窒素原子を含む。1つの実施態様において、環Aは1つの窒素原子を含む。1つの実施態様において、環Aは2つの窒素原子を含む。1つの実施態様において、環Aは3つの窒素原子を含む。好ましくは、環Aは2つの窒素原子を含む。
【0060】
環Aは、以下の構造及びその互変異性体から選択することができる:
【化3】
【0061】
特に、縮合芳香環は、
【化4】
(IA)、又はその互変異性体である。
【0062】
ここで、* は、8員の二環式環を形成するためにシアノピロリジン核と共有される環原子を表す。この環は、−Q1−B及び(−Q2−(D)mnで置換されてもよく、ここで、Q1、Q2、B、D、m、及びnは本明細書で定義される通りである。
【0063】
本発明の別の態様において、式IIの化合物:
【化5】
【0064】
又はその医薬的に許容し得る塩が提供され、ここで
【化6】
【0065】
は、芳香族の結合を表し;
1a、R1b、R1c、及びR1dは、それぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキルを表すか、又はR1a及びR1bは一緒に、場合により置換されたC3〜C6シクロアルキル環を形成するか、又はR1c及びR1dは一緒に、場合により置換されたC3〜C6シクロアルキル環を形成し;
pは0又は1であり;
qは0又は1であり;
ここで、p及びqの両方が0であることはなく、p及びqの一方のみが1であり;
8は、水素、−Q1−B、又は−Q2−(D)mを表し;
9は、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;
10は、水素、−Q1−B、又は−Q2−(D)mを表し;
ここで、R8又はR10の一方は−Q1−Bを表し;
1は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR4、−SO−、−SO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−C0〜C3アルキレン−C(O)NR2−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR2−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR2C(O)−C0〜C3アルキレン、−NR2C(O)NR3−、−SO2NR2−、NR2SO2−、−NR2SO2NR3−、−NR2C(O)O−、−NR2C(O)OR4、場合により置換された−C1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンを表し;
Bは、場合により置換された5〜10員の単環式又は二環式アリール又はヘテロアリール環を表し;
2及びR3は、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;
4は、場合により置換されたC1〜C6アルキレンを表し;
2は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR5、−NR56、−CONR56、−C0〜C3アルキレン−NR5COR6−、−NR5CONR66a、−COR5、−C(O)OR5、−SO25、−SO2NR56、−NR5SO26、−NR5SO2NR66a、−NR5C(O)OR6、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR7−、−SO−、−SO2−、−CO−、−C(O)O−、−C0〜C3アルキレン−C(O)NR5−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5C(O)−C0〜C3アルキレン、−NR5C(O)NR6−、−SO2NR5−、NR5SO2−、−NR5SO2NR6−、−NR5C(O)O−、−NR5C(O)OR7−、場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンを表し;
Dの各存在は、独立して、場合により置換された3〜10員の単環式又は二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はアリール環を表し;
5、R6、及びR6aは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;
7は、場合により置換されたC1〜C6アルキレンを表す。
【0066】
本明細書に記載の全ての場合に、R1a、R1b、R1c、及びR1dは、それぞれ独立して、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し得るか、又はR1a及びR1bは一緒に、場合により置換されたC3〜C6シクロアルキル環を形成するか、又はR1c及びR1dは一緒に、場合により置換されたC3〜C6シクロアルキル環を形成する。特に、R1a、R1b、R1c、及びR1dは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C3アルキル(例えばメチル又はエチル)でもよく、R1aは水素又はC1〜C3アルキルでもよく、R1bは水素でもよい。R1cは水素又はC1〜C3アルキルでもよく、R1dは水素でもよい。特に、R1a、R1b、R1c、及びR1dは、それぞれ水素を表す。R1a、R1b、R1c、及びR1dはの定義内のアルキルは、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、及びSF5から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。特に、アルキルはフッ素で場合により置換することができる。
【0067】
1aは水素を表し得る。R1aはC1〜C6アルキルを表し得る。R1aはC1〜C3アルキル、例えばメチル又はエチルを表し得る。R1aがC1〜C6アルキルを表す場合、R1b、R1c、及びR1dはそれぞれ水素を表し得る。R1aの定義内のアルキルは、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、及びSF5から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。特に、アルキルはフッ素で置換することができる。
【0068】
1bは水素を表し得る。R1bはC1〜C6アルキルを表し得る。R1bはC1〜C3アルキル、例えばメチル又はエチルを表し得る。R1bがC1〜C6アルキルを表す場合、R1a、R1c、及びR1dはそれぞれ水素を表し得る。R1bの定義内のアルキルは、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、及びSF5から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。特に、アルキルはフッ素で置換することができる。
【0069】
1cは水素を表し得る。R1cはC1〜C6アルキルを表し得る。R1cはC1〜C3アルキル、例えばメチル又はエチルを表し得る。R1cがC1〜C6アルキルを表す場合、R1a、R1b、及びR1dはそれぞれ水素を表し得る。R1cの定義内のアルキルは、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、及びSF5から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。特に、アルキルはフッ素で置換することができる。
【0070】
1dは水素を表し得る。R1dはC1〜C6アルキルを表し得る。R1dはC1〜C3アルキル、例えばメチル又はエチルを表し得る。R1dがC1〜C6アルキルを表す場合、R1a、R1b、及びR1cはそれぞれ水素を表し得る。R1dの定義内のアルキルは、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、及びSF5から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。特に、アルキルはフッ素で置換することができる。
【0071】
代替的に、R1a及びR1cは一緒にシクロアルキル環を形成し得る。さらに、又は代替的に、R1c及びR1dは一緒にシクロアルキル環を形成し得る。R1a及びR1bが一緒にシクロアルキル環を形成する場合、R1c及びR1dは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し得る。R1c及びR1dが一緒にシクロアルキル環を形成する場合、R1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し得る。R1a、R1b、R1c、及びR1dの定義内のシクロアルキル環は、3,4,5、又は6個の炭素環原子、特に3又は4個の炭素環原子を含み得る。シクロアルキル環は、スピロ環としてシアノピロリジン核に結合しており、すなわち、それらは1個の環原子を共有している。シクロアルキル環は、置換されていないか、又はC1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、及びSF5から選択される置換基で置換されていてもよく、ここで、アルキル及びアルコキシは、ハロゲンにより場合により置換されていてもよい。
【0072】
化合物は、R1a、R1b、R1c、及びR1dがそれぞれ水素である形態でもよい。そのような場合、化合物は、以下の式:
【化7】
【0073】
であるか、又はその医薬的に許容し得る塩でもよく、ここで
【化8】
【0074】
は芳香族結合を表し;
pは0又は1であり;
qは0又は1であり;
ここで、p及びqの両方が0であることはなく、p及びqの一方のみが1であってもよく;
8は水素、−Q1−B、又は−Q2−(D)mを表し;
9は、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;
10は、水素、−Q1−B、又は−Q2−(D)mを表し;
ここで、R8又はR10の一方は−Q1−Bを表し;
1は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR4、−SO−、−SO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−C0〜C3アルキレン−C(O)NR2−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR2−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR2C(O)−C0〜C3アルキレン、−NR2C(O)−NR3−、−SO2NR2−、NR2SO2−、−NR2SO2NR3−、−NR2C(O)O−、−NR2C(O)OR4−、場合により置換された−C1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンを表し;
Bは、場合により置換された5〜10員の単環式又は二環式アリール又はヘテロアリール環を表し;
2及びR3は、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;
4は、場合により置換されたC1〜C6アルキレンを表し;
2は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR5、−NR56、−CONR56、−C0〜C3アルキレン−NR5COR6−、−NR5CONR66a、−COR5、−C(O)OR5、−SO25、−SO2NR56、−NR5SO26、−NR5SO2NR66a、−NR5C(O)OR6、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR7−、−SO−、−SO2−、−CO−、−C(O)O−、−C0〜C3アルキレン−C(O)NR5−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5C(O)−C0〜C3アルキレン、−NR5CONR6−、−SO2NR5−、NR5SO2−、−NR5SO2NR6−、−NR5C(O)O−、−NR5C(O)OR7−、場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンを表し;
Dの各存在は、独立して、場合により置換された3〜10員の単環式又は二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はアリール環を表し;
5及びR6は、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;
7は場合により置換されたC1〜C6アルキレンを表す。
【0075】
本明細書に記載されるすべての場合において、pは0又は1であり、かつqは0又は1であり、ここで、p及びqの両方が0であることはなく、p及びqの一方のみが1であり、すなわちp及びqの両方が1ではあり得ない。
【0076】
1つの実施態様において、pは1であり、qは0である。
【0077】
pが1でありqが0である場合、R8は−Q1−Bでもよく、ここでQ1及びBは本明細書で定義されている通りであり、R10は水素又は−Q2−(D)mでもよく、ここでmは0又は1であり、Q2及びDは本明細書で定義される通りである。1つの実施態様において、R10は、水素又は−Q2−(D)mでもよく、ここでmは0であり、Q2は本明細書で定義される通りである。別の実施態様において、R10は、−Q2−(D)mでもよく、ここでmは1であり、Q2及びDは本明細書で定義される通りである。
【0078】
代替的に、pが1でありqが0である場合、R8は水素又は−Q2−(D)mでもよく、ここでmは0又は1であり、Q2及びDは本明細書で定義される通りであり、R10は−Q1−Bでもよく、ここでQ1及びBは本明細書で定義される通りである。1つの実施態様において、R8は水素又は−Q2−(D)mでもよく、ここでmは0であり、Q2は本明細書で定義される通りである。別の実施態様において、R8は−Q2−(D)mでもよく、ここでmは1であり、Q2及びDは本明細書で定義される通りである。
【0079】
別の実施態様において、pは0であり、qは1である。
【0080】
pが0でありqが1である場合、R9は水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し、R10は−Q1−Bを表し、ここでQ1及びBは本明細書で定義された通りである。アルキルは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、又はSF5で置換されてよい。特に、R9は水素又はメチルである。より詳しくは、R9はメチルである。
【0081】
本明細書に記載の全ての場合において、Q1は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR4−、−SO−、−SO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−C0〜C3アルキレン−C(O)NR2−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR2−C0〜C3アルキレン(例えばメチルアミノ)、−C0〜C3アルキレン−NR2C(O)−C0〜C3アルキレン、−NR2C(O)NR3−、−SO2NR2−、NR2SO2−、−NR2SO2NR3−、−NR2C(O)O−、−NR2C(O)OR4、場合により置換された−C1〜C6アルキレン(例えばメチレン又はエチレン)、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレン(例えばビニル)から選択することができる。
【0082】
2及びR3は、それぞれ独立して、水素、又はC1〜C6アルキル、C1〜C4アルキル、又はC1〜C2アルキルを表す。アルキルは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、又はSF5で場合により置換されてよい。
【0083】
4は、C1〜C6アルキレン、C1〜C4アルキレン、又はC1〜C2アルキレンを表す。アルキレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、又はSF5で場合により置換されてよい。
【0084】
特に、Q1は、共有結合、−C0〜C3アルキレン−NR2C(O)−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR2−C0〜C3アルキレン、又は場合により置換された−C1〜C6アルキレンから選択されてよく、R2は、水素又はC1〜C3アルキルを表し、ここで、アルキルは、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、及びSF5で置換されていてもよい。
【0085】
1つの実施態様において、Q1は、共有結合、C1アルキレン−NHC(O)−、−NH−、メチレン、又はメチレン−NHC(O)−メチレンから選択される。別の実施態様において、Q1は共有結合である。
【0086】
本明細書に記載の全ての場合において、Bは、場合により置換された5〜10員(例えば、5、6、7、8、9、又は10員)の単環式又は二環式アリール又はヘテロアリール環を表す。
【0087】
Bは、場合により置換された5又は6員の単環式アリール若しくはヘテロアリール環を表し得る。
【0088】
代替的にBは、場合により置換された9又は10員の二環式アリール若しくはヘテロアリール環を表し得る。
【0089】
Bは、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾキサジニル、及びジヒドロピロロピリジニルから選択することができる。
【0090】
特に、Bは、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピラゾリル、インダゾリル、イミダゾリル、及びイソキノリニルから選択される。より詳しくは、Bはフェニルである。
【0091】
pが1でありR8が−Q1−Bを表す場合、Bは、フェニル、インダゾリル、又はピラゾリルから選択されてもよい。特に、Bはインダゾリルであり得る。
【0092】
本明細書に記載の全ての場合において、Bは、置換されていないか、又は1つ以上の非環置換基及び/又は環置換基で置換されていてもよい。
【0093】
したがって、Bは、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR11、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q3a−R13、−Q3a−O−Q3b−R13、−Q3a−S−Q3b−R13、−Q3a−SO−Q3b−R13、−Q3a−NR11CONR1212a、−Q3a−NR11CONR12−Q3a−R13、−Q3a−NR1112、−Q3a−NR11−Q3b−R13、−Q3a−COR11、−Q3a−CO−Q3b−R13、−Q3a−NR11COR12、−Q3a−NR11CO−Q3b−R13、−Q3a−NR11C(O)OR12、−Q3a−NR11C(O)O−Q3b−R13、−Q3a−SO211、−Q3a−SO2−Q3b−R13、Q3a−CONR1112、−Q3a−CONR11−Q3b−R13、Q3a−CO2−R11、Q3a−CO2−Q3b−R13、−Q3a−SO2NR1112、−Q3a−SO2NR11−Q3b−R13、−Q3a−NR11SO212、−Q3a−NR11SO2−Q3b−R13、及び−Q3a−NR11SO2NR1212a、−Q3a−NR11SO2NR12−Q3b−R13から選択される1個以上(例えば1,2,3、又は4個)の置換基で置換されていてもよい。
【0094】
3a及びQ3bは、それぞれ独立して、共有結合、C1〜C6アルキレン、C1〜C4アルキレン、C1〜C2アルキレン、又はC2〜C6アルケニレン、又はC2〜C4アルケニレンを表す。アルキレン又はアルケニレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、又はSF5により置換されてよい。
【0095】
11、R12、及びR12aは、それぞれ独立して、水素、又はC1〜C6アルキル、C1〜C4アルキル、又はC1〜C2アルキルを表す。アルキルは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、又はSF5により置換されてよい。
【0096】
13は、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルを表す。
【0097】
非環置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR11、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q3a−NR11CONR1212a、−Q3a−NR1112、−Q3a−COR11、−Q3a−NR11COR12、−Q3a−NR11C(O)OR12、−Q3a−SO211、−Q3a−CONR1112、−Q3a−CO211、−Q3a−SO2NR1112、−Q3a−NR11SO212、及び−Q3a−NR11SO2NR1212aから選択することができる。
【0098】
非環置換基に加えて、又は代替的に、Bは、−Q3a−R13、−Q3a−O−Q3b−R13、−Q3a−S−Q3b−R13、−Q3a−SO−Q3b−R13、−Q3a−NR11CONR12−Q3a−R13、−Q3a−NR11−Q3b−R13、−Q3a−CO−Q3b−R13、−Q3a−NR11CO−Q3b−R13、−Q3a−NR11C(O)O−Q3b−R13、−Q3a−SO2−Q3b−R13、−Q3a−CONR11−Q3b−R13、−Q3a−CO2−Q3b−R13、−Q3a−SO2NR11−Q3b−R13、−Q3a−NR11SO2−Q3b−R13、及び−Q3a−NR11SO2NR12−Q3b−R13から選択され得る1つ以上の、特に1つのみの環置換基により置換されてもよい。
【0099】
Bは、ハロゲン、シアノ、場合により置換されたC1〜C6アルキル、場合により置換されたC1〜C6アルコキシ、−Q3a〜R13、−Q3a−O−Q3b−R13、−Q3a−CONR1112、−Q3a−CONR11−Q3b−R12、−Q3a−NR11CO−Q3b−R13、−Q3a−SO2NR1112、−Q3a−SO2NR11−Q3b−R13、及び−Q3a−NR11SO2−Q3b−R13から選択される1つ以上の置換基により置換されてもよい。
【0100】
特に、Q3aは、共有結合又は場合により場合により置換されたC1〜C3アルキレンである。Q3aは、共有結合、メチレン、又はエチレンであってもよい。
【0101】
特に、Q3bは、共有結合、又は場合により場合により置換されたC1〜C3アルキレンである。Q3bは、共有結合、メチレン、又はエチレンであってもよい。
【0102】
特に、R11、R12、及びR12は、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C3アルキルを表す。アルキルのための任意の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、及びSF5から選択することができる。特に、任意の置換基はフッ素から選択される。
【0103】
13は、場合により置換された3〜10員の単環式又は二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はアリール環であってもよい。R13は、3〜6員環であってもよい。代替的に、R13は9又は10員環であってもよい。
【0104】
13は、直接又は連結基を介して結合された、更なる場合により置換された3〜10員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール、又はシクロアルキル環で場合により置換されてもよい。連結基は、酸素、カルボニル、又は場合により置換されたC1〜C6アルキレン鎖であってもよい。連結基は、酸素、−CO−、又はC1〜C6アルキレン基であってもよい。1つの実施態様において、連結基はカルボニル又はアルキレン鎖、例えば−CO−又はC1〜C3アルキレン基であってもよい。
【0105】
特にR13は、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、SF5、C1〜C3アルキル、又はC1〜C3アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換され、ここで、アルキル又はアルコキシは、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、又はSF5で場合により置換されていてもよく、特に置換基はC1〜C3アルキルである。1つの実施態様において、R13は置換されていない。より詳しくは、R13は、置換されていないか、又は置換された単環式の3又は6員ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はアリール環である。環は、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、SF5、C1〜C3アルキル、又はC1〜C3アルコキシで置換されていてもよく、ここで、アルキル又はアルコキシは、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、又はSF5で場合により置換されていてもよい。より詳しくは、R13は、置換されていないか、又は一置換されている。より詳しくは、R13は、置換されていないか、又はC1〜C3アルキルで置換されている。
【0106】
13は、場合により置換された3〜6員の単環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はアリール環であってもよい。R13は、フェニル、ピリジニル、ピペラジニル、及びシクロプロピルから選択されてよい。特に、R13は、フェニル又はシクロプロピルから選択されてよい。
【0107】
B、R11、R12、及びR12aの定義内のアルキル及びアルコキシのための任意の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、及びSF5から選択されてよい。特に、任意の置換基はフッ素である。
【0108】
より詳しくは、Bは、フッ素、塩素;シアノ;メチル;プロピル;CF3;メトキシ;プロポキシ;OCF3;−C(O)NH2、−C(O)NHCH3、−C(O)N(CH32[すなわち、−Q3a−C(O)R1112、ここで、Q3aは共有結合であり、R11及びR12は、それぞれ独立して水素又はメチルである];−SO2N(CH32[すなわち、−Q3a−SO2NR1112、ここで、Q3aは共有結合であり、R11及びR12は共にメチルである]。−R13、メチレン−R13[すなわち、−Q3a−R13、ここで、Q3aは、共有結合又はメチレンである];−C(O)NH−R13[すなわち、−Q3a−C(O)NR11−Q3b−R13、ここで、Q3a及びQ3bは共に共有結合を表し、R11は水素である];−C(O)NH−メチレン−R13[すなわち、−Q3a−C(O)NR11−Q3b−R13、ここでQ3aは共有結合であり、Q3bはメチレンであり、R11は水素である]、−NHC(O)−C2アルキレン−R13[すなわち、−Q3a−NR11C(O)−Q3b−R13、ここでQ3aは共有結合であり、Q3bはC2アルキレンであり、R11は水素である];−C(O)NH−エチレン−R13[すなわち、−Q3a−C(O)NR11−Q3b−R13、ここでQ3aは共有結合であり、Q3bはエチレンであり、R11は水素である];−O−メチレン−R13、−O−R13[すなわち、−Q3a−O−Q3b−R13、ここでQ3aは共有結合であり、Q3bはメチレン又は共有結合である]、−C(O)−R13[すなわち、−Q3a−C(O)−Q3b−R13、ここでQ3a及びQ3bはいずれも共有結合を表す]、−SO2NH−R13 (すなわち、−Q3a−SO2NR11−Q3b−R13、ここでQ3a及びQ3bはいずれも共有結合を表し、R11は水素である]、−NHSO2−R13[すなわち、−Q3a−NR11SO2−Q3b−R13、ここでQ3a及びQ3bはいずれも共有結合を表し、R11は水素である]から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、ここで、R13は、フェニル、ピリジニル、ピペラジニル、及びシクロプロピルから選択される。
【0109】
pが1であり、R8が−Q1−Bを表す場合、Bは、置換されていないか、又はハロゲン、C1〜C6アルコキシ、−CONR1112、又は−Q3a−R13で場合により置換されていてもよく、ここで、R11、R12、R13、及びQ3aは本明細書で定義される通りである。特にBは、フッ素、メチル、メトキシ、−C(O)NH2、−C(O)NHMe、Q3a−フェニルで置換されてもよく、ここで、Q3aは、共有結合又は−CONH−C1〜C2アルキレンである。1つの実施態様において、Bは置換されていないか、又はQ3a−フェニルで置換されていてもよく、ここで、Q3aは−CONH−C1アルキレンである。
【0110】
1つの実施態様において、Bは、置換されていないか、一置換、二置換、又は三置換されている。特にBは、置換されていないか、一置換、又は二置換されている。例えばBは、置換されていないか又は一置換されている。いくつかの実施態様において、Bは置換されていない。
【0111】
いくつかの例において、Bは、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、ノンドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ジヒドロピロロピリジニルから選択され、これは、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR11、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換されたC2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q3a−R13、−Q3a−O−Q3b−R13、−Q3a−S−Q3b−R13、−Q3a−SO−Q3b−R13、−Q3a−NR11CONR1212a、−Q3a−NR11CONR12−Q3a−R13、−Q3a−NR1112、−Q3a−NR11−Q3b−R13、−Q3a−COR11、−Q3a−CO−Q3b−R13、−Q3a−NR11COR12、−Q3a−NR11CO−Q3b−R13、−Q3a−NR11C(O)OR12、−Q3a−NR11C(O)O−Q3b−R13、−Q3a−SO211、−Q3a−SO2−Q3b−R13、Q3a−CONR1112、−Q3a−CONR11−Q3b−R13、−Q3a−CO211、−Q3a−CO2−Q3b−R13、−Q3a−SO2NR1112、−Q3a−SO2NR11−Q3b−R13、−Q3a−NR11SO212、−Q3a−NR11SO2−Q3b−R13、及び−Q3a−NR11SO2NR1212a、−Q3a−NR11SO2NR12−Q3b−R13から選択されており;ここで、Q3a及びQ3bは、それぞれ独立して、共有結合、場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンを表し;R11、R12、及びR12aは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;及びR13は、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルを表す。
【0112】
Bは、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピラゾリル、インダゾリル、イミダゾリル、及びイソキノリニルから選択される環を表してもよく、これは、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR11、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q3a−R13、−Q3a−O−Q3b−R13、−Q3a−S−Q3b−R13、−Q3a−SO−Q3b−R13、−Q3a−NR11CONR1212a、−Q3a−NR11CONR12−Q3a−R13、−Q3a−NR1112、−Q3a−NR11−Q3b−R13、−Q3a−COR11、−Q3a−CO−Q3b−R13、−Q3a−NR11COR12、−Q3a−NR11CO−Q3b−R13、−Q3a−NR11C(O)OR12、−Q3a−NR11C(O)O−Q3b−R13、−Q3a−SO211、−Q3a−SO2−Q3b−R13、Q3a−CONR1112、−Q3a−CONR11−Q3b−R13、−Q3a−CO211、−Q3a−CO2−Q3b−R13、−Q3a−SO2NR1112、−Q3a−SO2NR11−Q3b−R13、−Q3a−NR11SO212、−Q3a−NR11SO2−Q3b−R13、及び−Q3a−NR11SO2NR1212a、−Q3a−NR11SO2NR12−Q3b−R13から選択される1つ以上の置換基で置換されていてよく;ここで、Q3a及びQ3bは、それぞれ独立して、共有結合、場合により置換されたC1〜C6アルキレン又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンを表し;R11、R12、及びR12aは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;及び、R13は、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルを表す。
【0113】
Bは、キノリニル、ピリジニル、ピラゾリル、インダゾリル、イミダゾリル、及びイソキノリニルから選択される環を表してもよく、これは、置換されていないか、又はフッ素、塩素、シアノ、メチル、プロピル、CF3、メトキシ、プロポキシ、OCF3、−C(O)NH2、C(O)NHCH3、−C(O)N(CH32、−SO2N(CH32、−R13、−C(O)NH−R13、−C(O)NH−メチレン−R13、−C(O)NH−エチレン−R13、−O−メチレン−R13、−O−R13、−C(O)−R13、メチレン−R13、−SO2NH−R13、−NHSO2−R13から選択される1個以上(例えば、1、2、又は3個)の置換基で置換されていてもよく、ここで、R13は、フェニル、ピリジニル、ピペラジニル、及びシクロプロピルから選択される。
【0114】
本明細書に記載の全ての場合において、Q2は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR5、−NR56、−CONR56、−C0〜C3アルキレン−NR5COR6、−NR5CONR66a、−COR5、−C(O)OR5、−SO25、−SO2NR56、−NR5SO26、−NR5SO2NR66a、−NR5C(O)OR6、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換されたC1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR7−、−SO−、−SO2−、−CO−、−C(O)O−、−C0〜C3アルキレン−C(O)NR5−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5−C0〜C3アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5C(O)−C0〜C3アルキレン、−NR5CONR6−、−SO2NR5−、NR5SO2−、−NR5SO2NR6−、−NR5C(O)O−、−NR5C(O)OR7−,場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換された−C2〜C6アルケニレンを表し、ここで、R5、R6、及びR6aは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し、R7は場合により置換されたC1〜C6アルキレンを表す。
【0115】
特にQ2は、場合により置換されたC1〜C6アルキル、−C0〜C3アルキレン−NR5COR6、共有結合、C1〜C6アルキレン、−C0〜C3アルキレン−NR5−C0〜C3アルキレン、又は−C0〜C3アルキレン−NR5C(O)−C0〜C3アルキレンを表し、ここで、R5は水素又はC1〜C3アルキルである。
【0116】
特にQ2は、メチル、i−プロピル、−NHC(O)CH3、共有結合、メチレン、−NH−、又はメチレン−NR5C(O)−を表す。
【0117】
mが1である場合、Dは場合により置換された3〜10員の単環式又は二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はアリール環を表す(mが0の場合、Q2が存在し、Dは存在しない)。
【0118】
Dは、場合により5又は6員の単環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、又はアリール環を表し得る。
【0119】
代替的に、Dは、場合により置換された9又は10員の二環式ヘテロシクリル、ヘテロアリール、又はアリール環を表し得る。
【0120】
Dは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ジヒドロピロロピリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば、2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、インドリニル、イソインドリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば、3,4−ジヒドロピラニル、3,6−ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H−キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、及びテトラヒドロイソキノリニルから選択することができる。
【0121】
特にDは、フェニル、イソキノリニル、及びピリジニルから選択される。より詳しくは、Dはフェニルである。
【0122】
本明細書に記載の全ての場合において、Dは、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR14、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q4a−R16、−Q4a−O−Q4b−R16、−Q4a−S−Q4b−R16、−Q4a−SO−Q4b−R16、−Q4a−NR14CONR1515a、−Q4a−NR14CONR15−Q4b−R16、−Q4a−NR1415、−Q4a−NR14−Q4b−R16、−Q4a−COR14、−Q4a−CO−Q4b−R16、−Q4a−NR14COR15、−Q4a−NR14CO−Q4b−R16、−Q4a−NR14C(O)OR15、−Q4a−NR14C(O)O−Q4b−R16、−Q4a−SO214、−Q4a−SO2−Q4b−R16、Q4a−CONR1415、−Q4a−CONR14−Q4b−R16、−Q4a−CO214、−Q4a−CO2−Q4b−R16、−Q4a−SO2NR1415、−Q4a−SO2NR14−Q4b−R16、−Q4a−NR14SO215、−Q4a−NR14SO2−Q4b−R16、及び−Q4a−NR14SO2NR1515a、−Q4a−NR14SO2NR15−Q4b−R16から選択される1個以上(例えば、1,2,3、又は4個)の置換基で置換されていてもよく;ここで、
【0123】
4a及びQ4bは、独立して、共有結合、場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンを表し;
14、R15、及びR15aは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;そして
16は、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルを表す。
【0124】
16は、直接又は連結基を介して結合された、さらに場合により置換された3〜10員のヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール、又はシクロアルキル環で置換されてもよい。連結基は、酸素、カルボニル、又は場合により置換されたC1〜C6アルキレン鎖であってもよい。連結基は、酸素、−CO−、又はC1〜C6アルキレン基であってもよい。1つの実施態様において、連結基はカルボニル又はアルキレン鎖、例えば−CO−又はC1〜C6アルキレン基であってもよい。特に、R16は、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、SF5、C1〜C3アルキル、又はC1〜C3アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、ここで、アルキル又はアルコキシは、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、又はSF5で場合により置換されていてもよい。好ましくは、R16は置換されていない。
【0125】
特に、Dは、場合により置換されたC1〜C6アルキル、場合により置換されたC1〜C6アルコキシ、及び−CONR1415[すなわち、Q4a−CONR1414、ここでQ4aは共有結合である]から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、ここで、R14及びR15は上で定義した通りである。
【0126】
より詳しくは、Dは、置換されていないか、又はメチル、i−プロピル、メトキシ、又は−C(O)NH2で置換されていてもよい。
【0127】
D及びR14、R15、及びR15aの定義内のアルキル及びアルコキシのための任意の置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、アミド、ニトロ、及びSF5から選択することができる。特に、任意の置換基はフッ素である。
【0128】
1つの実施態様において、Dは、置換されていないか、一置換、二置換、又は三置換されている。特にDは、置換されていないか、一置換、又は二置換されている。例えばDは、置換されていないか又は一置換されている。いくつかの実施態様において、Dは置換されていない。
【0129】
いくつかの例において、Dは、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、ノンドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロピリジニル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ジヒドロピロロピリジニルから選択され、これは、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR14、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換されたC2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q4a−R16、−Q4a−O−Q4b−R16、−Q4a−S−Q4b−R16、−Q4a−SO−Q4b−R16、−Q4a−NR14CONR1515a、−Q4a−NR14CONR15−Q4a−R16、−Q4a−NR1415、−Q4a−NR14−Q4b−R16、−Q4a−COR14、−Q4a−CO−Q4b−R16、−Q4a−NR14COR15、−Q4a−NR14CO−Q4b−R16、−Q4a−NR14C(O)OR15、−Q4a−NR14C(O)O−Q4b−R16、−Q4a−SO214、−Q4a−SO2−Q4b−R16、Q4a−CONR1415、−Q4a−CONR14−Q4b−R16、−Q4a−CO214、−Q4a−CO2−Q4b−R16、−Q4a−SO2NR1415、−Q4a−SO2NR14−Q4b−R16、−Q4a−NR14SO215、−Q4a−NR14SO2−Q4b−R16、及び−Q4a−NR14SO2NR1515a、−Q4a−NR14SO2NR15−Q4b−R16から選択され;ここで、Q4a及びQ4bは、独立して、共有結合、場合により置換されたC1〜C6アルキレン又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンを表し;R14、R15、及びR15aは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;及びR16は、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルを表す。
【0130】
Dは、フェニル、イソキノリニル、及びピリジニルから選択される環を表し、これは、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR14、場合により置換された−C1〜C6アルキル、場合により置換された−C1〜C6アルコキシ、場合により置換された−C2〜C6アルケニル、場合により置換された−C2〜C6アルキニル、−Q4a−R16、−Q4a−O−Q4b−R16、−Q4a−S−Q4b−R16、−Q4a−SO−Q4b−R16、−Q4a−NR14CONR1515a、−Q4a−NR14CONR15−Q4b−R16、−Q4a−NR1415、−Q4a−NR14−Q4b−R16、−Q4a−COR14、−Q4a−CO−Q4b−R16、−Q4a−NR14COR15、−Q4a−NR14CO−Q4b−R16、−Q4a−NR14C(O)OR15、−Q4a−NR14C(O)O−Q4b−R16、−Q4a−SO214、−Q4a−SO2−Q4b−R16、Q4a−CONR1415、−Q4a−CONR14−Q4b−R16、−Q4a−CO214、−Q4a−CO2−Q4b−R16、−Q4a−SO2NR1415、−Q4a−SO2NR14−Q4b−R16、−Q4a−NR14SO215、−Q4a−NR14SO2−Q4b−R16、及び−Q4a−NR14SO2NR1515a、−Q4a−NR14SO2NR15−Q4b−R16から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;ここで、Q4a及びQ4bは、独立して、共有結合、場合により置換されたC1〜C6アルキレン、又は場合により置換されたC2〜C6アルケニレンを表し;R14、R15、及びR15aは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表し;そして、R16は、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルを表す。
【0131】
Dは、フェニル、イソキノリニル、及びピリジニルから選択される環を表してもよく、これは、置換されていないか、又は場合により置換されたC1〜C6アルキル、場合により置換されたC1〜C6アルコキシ、及び−CONR1415から選択される1個以上(例えば、1、2、又は3個)の置換基で置換されていてもよく、ここで、R14及びR15は、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC1〜C6アルキルを表す。
【0132】
1つの実施態様において、上記で定義した式Iの化合物又はその医薬的に許容し得る塩が提供され、ここで、前記化合物は、
【化9】
【0133】
(4−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−d][1,2,3]トリアゾール−2(4H)−イル)−3−フルオロフェニル)カルバミン酸ベンジルではない。
【0134】
1つの実施態様において、上記で定義した式Iの化合物又はその医薬的に許容し得る塩が提供され、ここで、前記化合物は、
【化10】
【0135】
2−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリルではない。
【0136】
式Iの新規化合物の例には、以下が含まれる:
1−(4−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−(4−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−(2−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
4−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミド;
1−(キノリン−3−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−(3−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−(1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−(1−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−メチル−1−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
N−ベンジル−3−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミド;
【0137】
3−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)−N−(1−フェニルエチル)ベンズアミド;
3−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ベンズアミド;
4−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ベンズアミド;
4−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)−N−メチルベンズアミド;
4−(5−シアノ−3−メチル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミド;
1−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
5−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)−2−メトキシ−N−メチルベンズアミド;
1−(1H−インダゾール−3−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−(3−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−メチル−3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
【0138】
2−メチル−3−フェニル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
1−イソプロピル−3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−ベンジル−3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
1−ベンジル−3−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
5−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(イソキノリン−3−イルアミノ)−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
3−(イソキノリン−3−イルアミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
【0139】
1−ベンジル−3−(イソキノリン−3−イルアミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
4−(5−シアノ−3−(ピリジン−2−イルアミノ)−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミド;
N−((5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
N−((5−シアノ−1−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)−4−メチルベンズアミド;
N−((5−シアノ−1−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)アセトアミド;
3−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(3−シアノフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(4−フェノキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
【0140】
3−(4−シアノフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
5−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−N−メチルピコリンアミド;
3−(6−メトキシピリジン−3−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−N、N−ジメチルベンゼンスルホンアミド;
3−(5−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
N−ベンジル−4−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)ベンズアミド。
3−(6−イソプロポキシピリジン−3−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
【0141】
3−(4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−N−シクロプロピルベンゼンスルホンアミド;
N−(3−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)フェニル)シクロプロパンスルホンアミド;
3−(3−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(4−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−1−メチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
【0142】
3−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−1−メチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
3−(5−エチル−2−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
6−クロロ−N−((5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド;
3−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
3−(1−(1−メチルピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−メトキシ−4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
3−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
【0143】
3−(4−モルホリノフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(2−フルオロ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(3−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(3−(2−オキソオキサゾリジン−3−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(3−(2−オキソピロリジン−1−イル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル;
3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル;
N−(3−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)フェニル)シクロプロパンスルホンアミド;及び
N−ベンジル−4−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−3−フルオロベンズアミド。
【0144】
上に列挙した化学化合物の各々は、本発明の特定の独立した態様を表すことに留意すべきである。
【0145】
本発明のさらなる態様によれば、式Iの化合物又はその医薬的に許容し得る塩、又は式IIの化合物又はその医薬的に許容し得る塩の調製方法であって、式III又は式IVの化合物をそれぞれ臭化シアンと反応させてN−CN化合物を形成する工程を含む方法が提供される:
【化11】
【0146】
ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、及びAは、本明細書で定義される通りである。
【化12】
【0147】
ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、R8、R9、R10、p、及びqは、本明細書で定義された通りである。
【0148】
本発明の更なる態様において、本発明の化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0149】
本発明の化合物は、DUB又は脱SUMO化阻害、特にUSP7に関連する障害及び疾患の治療に使用することができる。
【0150】
本発明の更なる態様において、治療に使用される式(I)の化合物又はその医薬組成物が提供される。特に本発明の化合物は、癌の治療に、より詳しくはDUB又は脱SUMO化活性に関連する癌の治療に使用される。本発明の化合物は、特に限定されるものではないが、USP7、USP30、USP47、SENP2、及びSENP6を含む任意のDUB又は脱SUMO化酵素に対して有用であり得る。
【0151】
本明細書に記載の化合物は、DUB又は脱SUMO化活性に関連する癌の治療のための医薬の製造に使用することができる。
【0152】
本発明の更なる態様において、USP7活性に関連する癌の治療又は予防法であって、医薬的に有効な量の本発明の化合物又はその医薬組成物を、USP7活性に関連する癌を患っている個体に投与することを含む方法が提供される。
【0153】
本明細書に開示される化合物又は組成物は、癌を治療するために使用され得る。「癌」又は「腫瘍」への言及は、特に限定されるものではないが、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、結腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳腫瘍、黒色腫、骨癌、肝臓癌、軟部組織又は組織器官の他の癌、及び血液細胞の癌、例えばリンパ腫及び白血病を含む。具体的な癌には、リンパ腫、多発性骨髄腫、CML、AML、マントル細胞リンパ腫、神経芽腫、結腸直腸癌、黒色腫、軟部組織肉腫、例えば脂肪肉腫、線維芽肉腫、及び平滑筋肉腫、肝細胞癌、骨肉腫、食道癌、及び非小細胞肺癌を含まれる。
【0154】
本明細書に開示される化合物又は組成物は、USP7活性に関連する追加の疾患を治療するために使用され得る。
【0155】
本明細書に記載の本発明の化合物又はその医薬組成物は、1つ以上の追加の薬剤と組み合わせることができる。本化合物は、1つ以上の追加の抗腫瘍治療薬、例えば化学療法剤、免疫チェックポイント阻害剤、又は他の調節タンパク質の阻害剤と組み合わせることができる。1つの実施態様において、1つ以上の抗腫瘍剤は化学療法剤である。化学療法剤は、オラパリブ、マイトマイシンC、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、電離放射線(IR)、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、テモゾロミド、タキサン、5−フルオロピリミジン、ゲムシタビン、及びドキソルビシンから選択することができる。さらなる実施態様における、追加の抗腫瘍治療薬は、BH−3模倣物である。さらなる実施態様において、BH−3模倣物は、特に限定されるものではないが、ABT−737、ABT−199、ABT−263、及びオバトクラックス(Obatoclax)のうちの1つ以上から選択され得る。
【0156】
上記のように、本発明の化合物は、USP30阻害に関連する障害及び疾患の治療に有用であり得る。したがって本発明の化合物は、ミトコンドリア機能障害に関連する成分を有する障害又は疾患の治療に有用であり得る。
【0157】
ミトコンドリアは、ATPの形でエネルギーを産生するために必要とされる特殊な細胞小器官である。ミトコンドリア機能障害の場合、細胞は十分なATPを産生することができず、細胞の障害又は死滅をもたらす。ミトコンドリアの疾患は、脳、心臓、肝臓、骨格筋、腎臓、及び内分泌系と呼吸器系のようなエネルギー要求性の高い臓器において最も頻繁に現れる。
【0158】
ミトコンドリア機能障害を伴う状態は、マイトファジー欠損を伴う状態、ミトコンドリアDNAの変異を伴う状態、ミトコンドリア酸化ストレスを伴う状態、ミトコンドリア膜電位の欠陥を伴う状態、ミトコンドリア生合成、ミトコンドリアの形又は形態の欠陥、及びリソソーム蓄積欠陥を伴う状態から選択することができる。
【0159】
特に、ミトコンドリア機能障害を伴う状態は、神経変性疾患、多発性硬化症(MS)、ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、及び脳卒中様症状(MELAS)症候群;レーベル遺伝性視神経症(LHON);癌;神経障害、運動失調、色素性網膜炎−母系遺伝性ライ症侯群(NARP−MILS);ダノン病;糖尿病;糖尿病性腎症;代謝障害;心不全;心筋梗塞を引き起こす虚血性心疾患;精神医学的疾患、例えば統合失調症;複数のスルファターゼ欠損(MSD);ムコリピドーシスII(MLII);ムコリピドーシスIII(MLIII);ムコリピドーシスIV(MLIV);GM1−ガングリオシドーシス(GM1);ニューロンセロイド−リポフシノーゼ(NCL1);アルパー病;バース症候群;ベータ酸化酵素欠陥;カルニチン−アシル−カルニチン欠乏症;カルニチン欠乏;クレアチン欠乏症候群;補酵素Q10欠損;複合体I欠乏症;複合体II欠乏症;複合体III欠乏症;複合体IV欠乏症;複合体V欠乏症;COX欠損;慢性進行性外眼筋麻痺症候群(CPEO);CPTI欠損;CPTII欠損;グルタル酸性尿症II型;ケーンズ・セイヤー症候群;乳酸アシドーシス;長鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ欠損(LCHAD);リー疾患又は症候群;致死的幼児心筋症(LIC);ルフト病;グルタル酸性尿症II型;中鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ欠損(MCAD);ミオクロニー性てんかん及びぼろ赤色線維症(MERRF)症候群;ミトコンドリア細胞病;ミトコンドリア性劣性運動失調症候群;ミトコンドリアDNA枯渇症候群;筋神経胃腸管障害及び脳症;ピアソン症候群;ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損;ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損;POLG突然変異;中/短鎖3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ(M/SCHAD)欠損;及び非常に長鎖のアシル−CoAデヒドロゲナーゼ(VLCAD)欠損から選択され得る。
【0160】
ミトコンドリア機能障害を伴う状態は、CNS障害、例えば神経変性疾患であり得る。神経変性疾患には、特に限定されるものではないが、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、虚血、脳卒中、レビー小体型認知症、及び前頭側頭型認知症が含まれる。
【0161】
剤形
本発明の医薬組成物は、経口、非経口、又は粘膜経路投与用に設計することができ、組成物の選択又は具体的な形態は投与経路に依存する。従って経口投与のために組成物は、例えば、錠剤、トローチ、糖衣錠、フィルム、粉末、エリキシル、シロップ、分散液を含む液体調製物、懸濁液、エマルジョン、溶液、噴霧剤、カシェ剤、顆粒剤、カプセル剤などの形態であってもよい。粘膜への投与のために組成物は、噴霧剤、吸入剤、分散液、懸濁液、エマルジョン、溶液、ゲル、パッチ、フィルム、軟膏、クリーム、ローション、坐薬などの形態であってもよい。非経口投与のために、組成物は、溶液、分散液、エマルジョン、又はリポソーム組成物を含む懸濁液などの液体調製物の形態である。
【0162】
非経口投与のための本発明の調製物には、滅菌水性溶液、水性有機溶液、及び有機溶液、懸濁液、及びエマルションが含まれる。
【0163】
このような剤形は、医薬製剤分野で公知の技術に従って調製される。噴霧剤又は吸入剤の形態である場合、医薬組成物は鼻内投与されてもよい。この目的のための適切な製剤は、当業者に知られている。
【0164】
本発明の医薬組成物は、注射によって投与することができ、リポソーム調製物を含む注射用の滅菌液体製剤の形態であり得る。本発明の医薬組成物は、直腸投与のための坐剤の形態であってもよい。これらは、医薬組成物が室温で固体であり、体温で液体であって、活性化合物の放出を可能にするように処方される。
【0165】
剤形は、患者の要求、治療される状態の重篤度、及び使用される化合物に依存して変わり得る。特定の状況のための適切な投与量の決定は、当業者の技術範囲内である。一般に治療は、化合物の最適用量より少ない用量で開始される。その後、その状況で最適効果に達するまで投与量を少しずつ増加させる。
【0166】
もちろん、化合物の有効用量の大きさは、治療される症状の重症度、及び具体的な化合物、そして投与経路の性質によって変化する。適切な投与量の選択は、過度の負担なしに、当業者の範囲内にある。1日の用量範囲は、ヒト及びヒト以外の動物の体重1kgあたり約10μg〜約100mgであり、用量当たり約10μg〜30mg/kg体重であり得る。上記の用量は、1日当たり1〜3回で投与することができる。
【実施例】
【0167】
合成方法
本発明の化合物は、種々の合成経路によって調製することができる。本発明の特定の化合物への例示的経路を以下に示す。本発明の代表的な化合物は、以下に記載され以下のスキームでより詳しく例示される一般的な合成方法に従って合成することができる。スキームは例示でり、本発明は、示される化学反応及び条件によって制限されると解釈されるべきではない。スキームで使用される種々の出発物質の調製は、当業者の技術の範囲内である。当業者であれば、適切な場合には、スキーム内の個々の変換を異なる順序で完了することができることを理解する。以下のスキームは、本発明の中間体や標的化合物が調製される一般的合成法を記載する。追加の代表的な化合物、及びその立体異性体、ラセミ混合物、ジアステレオ異性体及びその鏡像異性体は、一般的なスキームで調製された中間体、及び当業者に公知の他の物質、化合物、及び試薬を使用して合成することができる。全てのそのような化合物、立体異性体、ラセミ混合物、ジアステレオ異性体、及び鏡像異性体は、本発明の範囲に包含されることが意図される。
【0168】
すべての化合物は、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)及び/又は1H NMRによって性状解析された。
【0169】
略語:
AcOH 酢酸
Ar アリール
BEH エチレン架橋ハイブリッド
Boc tert−ブトキシカルボニル
br ブロード(NMRシグナル)
d 二重項(NMRシグナル)
dba ジベンジリデンアセトン
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMA−DMA N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMF−DMA N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール
DMSO ジメチルスルホキシド
Dppf 1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
ES エレクトロスプレー
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
g グラム
h 時間
HATU 1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート
m 多重項(NMRシグナル)
M モル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
ml ミリリットル
mm ミリメートル
mmol ミリモル
μm マイクロメートル
μM マイクロモル
NCS N−クロロスクシンイミド
PE 石油エーテル
Ruphos 2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',6'−ジイソプロポキシビフェニル
rt 室温
RT 保持時間
s 一重項(NMRシグナル)
t 三重項(NMRシグナル)
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0170】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【0171】
中間体A
(Z)−3−((ジメチルアミノ)メチレン)−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化13】
【0172】
1,4−ジオキサン(50ml)中の3−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(CAS番号101385−93−7、CombiBlocksから入手可能)(5.00g、27.0mmol)の溶液に、DMF−DMA(4.79g、40.0mmol)を室温で加えた。反応混合液を100℃で4時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をn−ヘキサン(25ml)と共に蒸発させた。得られた残留物をn−ヘキサン(2×5ml)で粉砕し、最後に乾燥して(Z)−3−((ジメチルアミノ)メチレン)−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(4.530g、18.87mmol)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法1、1.843分、MS:ES+ 241.23;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.21 (s, 1 H), 4.47 (d, J=9.60 Hz, 2 H), 3.59 (d, J=11.20 Hz, 2 H), 3.06 (s, 6 H), 1.42 (d, J=6.00 Hz, 9 H)。
【0173】
中間体B
(Z)−3−(1−(ジメチルアミノ)エチリデン)−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化14】
【0174】
DMF−DMA(3ml)中の1−N−Boc−3−ピロリジノン(CAS番号101385−93−7、Combi blocksから入手可能)(1.0g、5.399mmol)の溶液を、80℃で3時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、真空下で濃縮して、(Z)−3−(1−(ジメチルアミノ)エチリデン)−4−オキソ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.80g、3.137mmol)を得た。LCMS:方法1、1.720分。
【0175】
中間体C
4−ヒドラジニル−1−フェニル−1H−イミダゾール塩酸塩
【化15】
【0176】
工程a
MeOH(10ml)中の4−ブロモ−1H−イミダゾール(CAS番号2302−25−2、Combi blocksから入手可能)(5.0g、34.01mmol)の溶液に、フェニルボロン酸(10.36g、85.03mmol)、NaOH(2.04g、51.0mmol)、及び塩化銅(II)(0.55g、4.08mmol)を室温で加えた。反応混合液を酸素でパージした。得られた反応混合液を、連続的にゆっくり酸素をパージしながら65℃で3時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、水(30ml)に注ぎ、EtOAc(6×20ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中0.5%MeOH)により精製して、4−ブロモ−1−フェニル−1H−イミダゾール(2.0g、9.049mmol)を得た。LCMS:方法1、1.898分、MS:ES+ 223.1。
【0177】
工程b
1,4−ジオキサン(5ml)中の4−ブロモ−1−フェニル−1H−イミダゾール(2.0g、9.010mmol)の溶液に、ヒドラジノジカルボン酸ジ−tert−ブチル(1.84g、8.144mmol)、N,N−ジメチルエチレンジアミン(0.16g、1.809mmol)、K3PO4(7.67g、36.198mmol)、及びCuI(0.34g、1.809mmol)を室温で加えた。得られた反応混合液を100℃で3時間加熱した。得られた反応混合液を水(20ml)に注ぎ、EtOAc(4×20ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、1−(1−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)ヒドラジン−1,2−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(1.0g、2.67mmol)を得た。LCMS:方法1、2.238分、MS:ES+ 375.0。
【0178】
工程c
1−(1−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)ヒドラジン−1,2−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(1.15g、3.073mmol)を、1,4−ジオキサン(5ml)中の4M HCl中で室温で30分間攪拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮して、4−ヒドラジニル−1−フェニル−1H−イミダゾールHCl塩(1.15g、定量的)を得た。LCMS:方法1、1.507分、MS:ES+ 175.19。
【0179】
中間体D
4−ヒドラジニル−1−フェニル−1H−ピラゾール
【化16】
【0180】
工程a
MeOH(30ml)中の4−ニトロ−1H−ピラゾール(CAS番号2075−46−9、Combi Blocksから入手可能)(4.000g、35.4mmol)の溶液に、フェニルボロン酸(7.700g、63.7mmol)を加えた。TEA(1.43g、14.16mmol)を室温で反応混合液に加えた。反応混合液を酸素を用いて室温で15分間パージした。Cu2O(0.500g、3.506mmol)を反応混合液に加えた。酸素を連続的にパージしながら、反応混合液を65℃で34時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、セライト床を通して濾過し、DCM:MeOH(1:1,2×100ml)で洗浄した。合わせた濾液をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(100%DCM)により精製して、4−ニトロ−1−フェニル−1H−ピラゾール(3.400g、17.89mmol)を得た。LCMS:方法1、2.071分。質量イオンは観察されなかった。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0181】
工程b
EtOH:水(1:1,10ml)中の4−ニトロ−1−フェニル−1H−ピラゾール(0.600g、3.174mmol)の溶液に、Fe粉末(0.495g、9.52mmol)を加えた。AcOH(0.942g、15.7mmol)を室温で反応混合液に加えた。反応混合液を80℃で2時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、セライト床を通して濾過し、MeOH(2×10ml)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、1−フェニル−1H−ピラゾール−4−アミン(0.500g、3.144mmol)を得た。LCMS:方法1、1.341分、MS:ES+ 160.14。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0182】
工程c
濃HCl(5ml)中の1−フェニル−1H−ピラゾール−4−アミン(0.500g、3.144mmol)の溶液に、水(2ml)中のNaNO2(0.260g、3.768mmol)の溶液を0℃で加えた.得られた反応混合液を0℃で1時間撹拌した。濃HCl(5ml)中のSnCl2・2H2O(1.780g、9.418mmol)の溶液を0℃で上記反応混合液に加えた。得られた反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過して集め、真空下で乾燥して、4−ヒドラジニル−1−フェニル−1H−ピラゾール(1.000g、定量的)を得た。LCMS:方法1、1.339分、MS:ES+ 175.19。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0183】
中間体E
1−(3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−4−メチル−ピペラジン
【化17】
【0184】
工程a
EtOH(30ml)中の4−ブロモ−3−フルオロアニリン(CAS番号656−65−5;1.000g、5.292mmol)の溶液に、TEA(2.21ml、15.9mmol)を加え、次に塩酸クロルメチン(CAS番号55−86−7;2.037g、10.58mmol)を室温で加えた。反応混合液を100℃で18時間加熱した。反応混合液を、同じ方法で同じスケールで調製した他の1つのバッチと合わせた。得られた混合液を室温に冷却し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン中90%EtOAc、及びさらにDCM中10%MeOH)により精製して、1−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)−4−メチルピペラジン(0.680g、2.500mmol)を得た。LCMS:方法1、1.470分、MS:ES+ 273.28,275.28。
【0185】
工程b
トルエン(30ml)中の1−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)−4−メチルピペラジン(0.680g、2.50mmol)の撹拌溶液に、K2CO3(0.690g、5.00mmol)及びビスピナコラトジボロン(0.950g、3.75mmol)を室温で加えた。反応混合液を10分間脱気した後、Pd(PPh34(0.289g、0.250mmol)を室温で加えた。反応混合液を100℃で8時間加熱した。得られた混合液を室温に冷却し、真空下で濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%n−ヘキサン)で精製して、1−(3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−4−メチルピペラジン(0.980g、定量的)を得た。LCMS:方法1、1.554分、MS:ES+ 321.53。
【0186】
中間体F
3−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)オキサゾリジン−2−オン
【化18】
【0187】
1,4−ジオキサン(10ml)中の3−(3−ブロモフェニル)オキサゾリジン−2−オン(CAS番号1086221−37−5;0.600g、2.489mmol)の撹拌溶液に、KOAc(0.488g、4.98mmol)及びビスピナコラトジボロン(0.948g、3.734mmol)を室温で加えた。反応混合液を15分間脱気した後、PdCl2(dppf)(0.181g、0.248mmol)を室温で加えた。得られた反応混合液を100℃で2時間加熱した。反応混合液を、同じ方法で同じスケールで調製した他の1つのバッチと合わせた。反応混合液を室温に冷却し、水(70ml)に注いだ。得られた混合液をEtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)オキサゾリジン−2−オン(1.500g)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0188】
スキーム1
【化19】
【0189】
試薬と条件:a)Ar−NHNH2、EtOH、触媒量のAcOH;b)1,4−ジオキサン中の4M HCl;c)BrCN、K2CO3
【0190】
実施例1
1−(4−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル
【0191】
スキーム1に従って合成した。
【化20】
【0192】
工程a
EtOH(10ml)中の(Z)−3−((ジメチルアミノ)メチレン)−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(中間体A、0.3g、1.250mmol)及び(4−メトキシフェニル)ヒドラジン塩酸塩(CAS番号19501−58−7、Spectrochemから入手可能)(0.66g、3.750mmol)の溶液に、室温でAcOH(0.1ml)を加えた。反応混合液を室温で10分間撹拌し、次に80℃で4時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、水(50ml)で希釈し、EtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、1−(4−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.20g、0.634mmol)を得た。LCMS:方法1、2.314分、MS:ES+ 316.33。
【0193】
工程b
1,4−ジオキサン(5ml)中の4M HCl中の1−(4−メトキシフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.15g、0.474mmol)の溶液を室温で30分間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテル(20ml)で共沸蒸留し、高真空下で乾燥して、1−(4−メトキシフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾールHCl塩(0.08g、0.318mmol)を得た。LCMS:方法1、1.416分、MS:ES+ 216.23。
【0194】
工程c
THF:MeOH(10ml+1ml)の混合液中の1−(4−メトキシフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾールHCl塩(0.075g、0.347mmol)の溶液に、K2CO3(0.14g、1.041mmol)を室温で加えた。反応混合液を室温で10分間撹拌した。臭化シアン(0.074g、0.694mmol)を室温で反応混合液に加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を飽和NaHCO3溶液(20ml)に注ぎ、EtOAc(2×30ml)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン中15%EtOAc)により精製して、標題化合物(0.025g、0.104mmol)を得た。LCMS:方法3、5.586分、MS:ES+ 241.15;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.51 - 7.54 (m, 3H), 7.054 (d, J=8.8 Hz, 2H), 4.97 (s, 2H), 4.58 (s, 2H), 3.79 (s, 3H)。
【0195】
表1の化合物は、実施例1に記載された方法と同様の方法を使用して合成した。
【化21】
【表16】
【0196】
実施例10
3−メチル−1−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル
【化22】
【0197】
実施例1に記載の手順と同様の手順を使用して、中間体Aの代わりに中間体Bを使用して合成した.LCMS:方法4、4.038分、MS:ES+ 225.05。
【0198】
スキーム2
【化23】
【0199】
試薬と条件:a)濃HCl、NaNO2、SnCl2;b)Ar−NHNH2、EtOH、触媒量のAcOH;c)R12NH、Me3Al、DIPEA、THF;d)TFA、DCM;e)BrCN、K2CO3
【0200】
実施例11
N−ベンジル−3−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミド
【0201】
スキーム2に従って合成した。
【化24】
【0202】
工程a
濃HCl(70ml)中の3−アミノ安息香酸メチル(CAS番号4518−10−9、Combi Blocksから入手可能)(8g、52.9mmol)の混合液を0℃に冷却した。水(5ml)中のNaNO2(4.38g、63.4mmol)の溶液を0℃で反応混合液に加え、30分間撹拌した。HCl(30ml)中のSnCl2(30g、158mmol)の混合液を、反応混合液に0℃で加えた。反応混合液を0〜10℃の温度で2時間撹拌した。得られた固体を真空下で濾別し、ジエチルエーテル(2×5ml)で洗浄し、最後に乾燥して、3−ヒドラジニル安息香酸メチル(30g、粗製)を得た。LCMS:方法4、2.806分、MS:ES+ 167.07。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0203】
工程b
EtOH(30ml)中の(Z)−3−((ジメチルアミノ)メチレン)−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(中間体A、6g、25mmol)の溶液に、3−ヒドラジニル安息香酸メチル(4.98g、30mmol)を室温で加えた。氷酢酸(2ml)を室温で反応混合液に加えた。反応混合液を80℃で16時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液(80ml)に注いだ。得られた混合液をEtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、1−(3−(メトキシカルボニル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(1.7g、4.95mmol)を得た。LCMS:方法1、2.423分、MS:ES+ 344.3。
【0204】
工程c
THF(10ml)中の1−(3−(メトキシカルボニル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.7g、2.04mmol)の溶液に、0℃でDIPEA(0.17ml、1.02mmol)を加えた。トリメチルアルミニウム(トルエン中2M、5.10ml、10.20mmol)を0℃で反応混合液に加え、15分間撹拌した。ベンジルアミン(0.27g、2.44mmol)を0℃で反応混合液に加えた。反応混合液を50℃で6時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、飽和NaHCO3溶液(80ml)に注ぎ、EtOAc(2×20ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中37%EtOAc)により精製して、1−(3−(ベンジルカルバモイル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.15g、0.35mmol)を得た。LCMS:方法1、2.342分、MS:ES+ 419.33。
【0205】
工程d
DCM(5ml)中の1−(3−(ベンジルカルバモイル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.15g、0.35mmol)の溶液に、0℃でTFA(1.5ml)を加えた。反応混合液を室温で4時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮して、N−ベンジル−3−(5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミドTFA塩(0.3g、定量的)を得た。LCMS:方法1、1.541分、MS:ES+ 319.23。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0206】
工程e
THF(5ml)中のN−ベンジル−3−(5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミドTFA塩(0.3g、0.69mmol)の溶液に、K2CO3(0.52g、3.77mmol)を0℃で加えた。臭化シアン(0.099g、0.94mmol)を0℃で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を水(20ml)に注ぎ、EtOAc(2×5ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中62%EtOAc)により精製して、N−ベンジル−3−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミド(0.042g、0.122mmol)を得た。LCMS:方法4、3.993分、MS:ES+ 343.9;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.24 (t, J = 6 Hz, 1 H), 8.11 (s, 1 H), 7.85 (d, J = 8 Hz, 1 H), 7.72 (dd, J = 1.2, 8 Hz, 1 H), 7.59 - 7.65 (m, 2 H), 7.31 - 7.40 (m, 4 H), 7.24 - 7.27 (m, 1 H), 5.08 (s, 2 H), 4.60 (s, 2 H), 4.51 (d, J = 5.6 Hz, 2 H)。
【0207】
表2の化合物は、実施例11について記載された手順と同様の手順を使用して、工程cで使用したアミンを変化させて合成した。
【化25】
【表17】
【0208】
表3の化合物は、実施例11について記載された手順と同様の手順を使用して、工程aにおいて4−アミノ安息香酸メチル(CAS番号619−45−4)を使用してを合成した。
【化26】
【表18】
【0209】
実施例16
4−(5−シアノ−3−メチル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミド
【化27】
【0210】
実施例11について記載された手順と同様の手順を使用して、工程aにおいて4−アミノ安息香酸エチルを、工程bにおいて中間体Bを、そして工程cにおいてメタノール性アンモニアを使用して、合成した。LCMS:方法1、1.729分、MS:ES+ 268.18。
【0211】
スキーム3
【化28】
【0212】
試薬と条件:a)濃HCl、NaNO2、SnCl2・2H2O;b)EtOH、触媒量のAcOH;c)1,4−ジオキサン中の4M HCl;d)BrCN、K2CO3
【0213】
表4の化合物は、スキーム3に従って、実施例12の工程aと同様の手順を使用して工程aを用いて、実施例1の工程a〜cについて記載された手順と同様の手順を使用して工程b〜dを用いて、合成した。
【化29】
【表19】
【0214】
スキーム4
【化30】
【0215】
試薬と条件:a)i)BnNHNH2、EtOH、触媒量のAcOH;ii)Boc2O、TEA;b)CuBr2、イソアミルニトリル、MeCN、c)ArB(OH)2、Pd(PPh34、1,4−ジオキサン、水;d)ポリメチルヒドロキシシラン 20% Pd(OH)2/C、EtOH;e)RBr、Cs2CO3、DMFf)TFA、DCM;g)BrCN、K2CO3
【0216】
実施例21
1−メチル−3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル
【0217】
スキーム4に従って合成した。
【化31】
【0218】
工程a
EtOH(50ml)中の3−シアノ−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(CAS番号175463−32−8、Combi blocksから入手可能)(5.0g、23.81mmol)及びベンジルヒドラジン二塩酸塩(CAS番号20570−96−1、Combi blocksから入手可能)(9.27g、47.62mmol)の溶液を、70℃で1時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却した。(Boc)2O(10.39g、47.62mmol)及びTEA(7.2g、71.43mmol)を、室温で反応混合液に加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を飽和NaHCO3溶液(25ml)に注ぎ、EtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中2%MeOH)により精製して、3−アミノ−1−ベンジル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(3.0g、9.55mmol)を得た。LCMS:方法1、2.126分、MS:ES+ 314.9;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.29 - 7.32 (m, 2H), 7.22 - 7.25 (m, 1H), 7.14 - 7.16 (m, 2H), 5.47 (s, 2H), 5.07 (d, J=3.2 Hz, 2H), 4.17 (s, 2H), 4.14 (d, J=6.4 Hz, 2H), 1.43 (s, 9H)。
【0219】
工程b
MeCN(10ml)中の3−アミノ−1−ベンジル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(1.0g、3.182mmol)の溶液に、CuBr2(1.06g、4.774mmol)を室温でアルゴン雰囲気下で加えた。反応混合液を室温で15分間撹拌した。亜硝酸イソアミル(0.6g、4.774mmol)を、室温で反応混合液に加えた。反応混合液を室温で3時間撹拌した。得られた反応混合液を、同じ方法で同じスケールで調製した他の2つのバッチと合わせた。得られた反応混合液を2M HCl(10ml)でクエンチし、EtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10ml)、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50%EtOAc)により精製して、1−ベンジル−3−ブロモ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(1.5g、3.978mmol)を得た。LCMS:方法1、2.760分、MS:ES+ 378.2;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.23 -7.39 (m, 5H), 5.33 (d, J=14.8 Hz, 2H), 4.50 (d, J=24.8 Hz, 2H), 4.39 (d, J=11.2 Hz, 2H), 1.52 (s, 9H)。
【0220】
工程c
1,4−ジオキサン:水(8:2)(20ml)中の1−ベンジル−3−ブロモ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(1.5g、3.978mmol)及びフェニルボロン酸(0.72g、5.967mmol)の溶液を、窒素を用いて室温で30分間脱気した。反応混合液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.91g、0.795mmol)及びK2CO3(1.14g、9.94mmol)を室温で加えた。反応混合液を90℃で6時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却した。得られた反応混合液を水(20ml)に注ぎ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、1−ベンジル−3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(1.5g、定量的)を得た。LCMS:方法1、2.840分、MS:ES+ 376.40。
【0221】
工程d
EtOH(10ml)中の1−ベンジル−3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.5g、1.3mmol)の溶液に、室温で20%Pd(OH)2(50%水分)(0.25g)を加えた。ポリ(メチルヒドロシロキサン)(0.5g)を0℃で反応混合液に加え、反応混合液を室温で24時間撹拌した。得られた反応混合液を同じ方法で同じスケールで調製した2つのバッチと合わせた。反応混合液をセライトパッドで濾過し、EtOH(5ml)で洗浄した。得られた濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中10%MeOH)により精製して、3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(1.10g、3.86mmol)を得た。LCMS:方法1、2.131分、MS:ES+ 286.63。
【0222】
工程e
DMF(5ml)中の3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.5g、1.754mmol)の溶液に、Cs2CO3(1.14g、3.508mmol)を室温で加えた。ヨウ化メチル(0.33ml、5.26mmol)を、0℃で反応混合液に滴下して加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を水(100ml)で希釈し、EtOAc(2×75ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10〜11%EtOAc)により精製して、2つの位置異性体生成物である1−メチル−3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.04g、0.133mmol)を得た。LCMS:方法1、2.355分、MS:ES+ 300.42;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.59 (t, J=6.8 Hz, 2H), 7.39 - 7.43 (m, 2H), 7.27 - 7.31 (m, 1H), 4.48 - 4.57 (m, 4H), 3.80 (d, J=2.8 Hz, 3H), 1.47 (s, 9H)、及び2−メチル−3−フェニル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボン酸tert−ブチル(0.04g、0.133mmol):LCMS:方法1、2.346分、MS:ES+ 300.42;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.23 - 7.59 (m, 5H), 4.42 (d, J=8.4 Hz, 2H), 4.37 (d, J=9.2 Hz, 2H), 3.86 (d, J=3.2 Hz, 3H), 1,45 (d, J=6 Hz, 9H)を得た。位置異性化学はNOE分析によって確認した。
【0223】
工程f
DCM(3ml)中の1−メチル−3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.035g、0.120mmol)の溶液に、TFA(0.35ml)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテル(2ml)で共沸蒸留し、ジエチルエーテル(3ml)で粉砕し、最後に高真空下で乾燥して、1−メチル−3−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾールTFA塩(0.03g、0.095mmol)を得た。LCMS:方法1、1.547分、MS:ES+ 200.77。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0224】
工程g
THF(3ml)中の1−メチル−3−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾールTFA塩(0.03g、0.095mmol)の溶液に、K2CO3(0.03g、0.210mmol)を室温で加えた。臭化シアン(0.01g、0.096mmol)を室温で反応混合液に加えた。反応混合液を室温で30分間撹拌した。得られた反応混合液を水(30ml)に注ぎ、EtOAc(2×25ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中2%MeOH)により精製して、標題化合物(0.021g、0.093mmol)を得た。LCMS:方法4、3.826分、MS:ES+ 225.01;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.58 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.40 (t, J=7.6 Hz, 2H), 7.31 (t, J=7.2 Hz, 2H), 4.79 (s, 2H), 4.69 (S, 2H), 3.79 (3H)。
【0225】
実施例22
2−メチル−3−フェニル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル
【化32】
【0226】
実施例21について記載された手順と同様の手順を使用して、2−メチル−3−フェニル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボン酸tert−ブチル(実施例21の工程a〜eに記載されたように調製した)を用いて、合成した。LCMS:方法4、3.857分、MS:ES+ 225.01;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.50 - 7.55 (m, 4H), 7.45 - 7.47 (m, 1H), 4.65 (s, 2H), 4.58 (s, 2H), 3.87 (s, 3H)。
【0227】
実施例23
1−イソプロピル−3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル
【化33】
【0228】
実施例21について記載された手順と同様の手順を使用して、工程eにおいて2−ブロモプロパンを使用して合成した。LCMS:方法4、4.515分、MS:ES+ 253.0。
【0229】
表5の化合物は、実施例21について記載された手順と同様の手順を使用して、工程eを省略して合成した。:
【化34】
【表20】
【0230】
表6の化合物は、実施例21について記載された手順と同様の手順を使用して、工程d及びeを省略して合成した。
【化35】
【表21】
【0231】
実施例28
5−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化36】
【0232】
工程a
MeOH(10ml)中の5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチル(CAS番号181585−93−3、Ark Pharmaから入手可能)(0.200g、1.168mmol)の溶液に、10%Pd/C(0.020g、10%w/w)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間水素ガスでパージした。得られた反応混合液をセライトハイフローを通して注意深く濾過した。セライト床をMeOH(2×5ml)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をペンタン(2×5ml)で洗浄し、真空下で乾燥して、5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチル(0.185g、1.312mmol)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法4、1.713分、MS:ES+ 141.88。
【0233】
工程b
濃HCl(2ml)中の5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチル(0.150g、1.063mmol)の溶液に、水(1.5ml)中のNaNO2(0.074g、1.084mmol)の溶液を0℃で加えた。得られた反応混合液を0℃で30分間撹拌した。濃HCl(3.3ml)中のSnCl2(0.403g、2.126mmol)の溶液を、0℃で上記で得られた混合液に加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮し、EtOH(2×5ml)で共蒸発させて、5−ヒドラジニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチル(0.158g、1.012mmol)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法1、0.269分、MS:ES+ 157.0。
【0234】
工程c
EtOH(4ml)中の(Z)−3−((ジメチルアミノ)メチレン)−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(中間体A、0.200g、0.835mmol)の溶液に、5−ヒドラジニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチル(0.156g、1.000mmol)を室温で加えた。ナトリウムtert−ブトキシド(0.170g、2.507mmol)を室温で反応混合液に加えた。反応混合液を80℃で8時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をn−ペンタン(2ml)で粉砕し、乾燥し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中40%EtOAc)により精製して、1−(3−(メトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−5−イル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.110g、0.330mmol)を得た。LCMS:方法1、2.040分、MS:ES+ 334.35。
【0235】
工程d〜e
これらは、実施例11の工程d〜eについて記載された手順と同様の手順を使用して行った.LCMS:方法4、1.82分、MS:ES+ 243.96。
【0236】
実施例29
3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル
【化37】
【0237】
工程a
EtOH(85ml)中の3−シアノ−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(CAS番号175463−32−8;8.00g、38.1mmol)の溶液に、NH2NH2・2HCl(4.40g、41.9mmol)を室温で加えた。反応混合液を80℃で30分間加熱した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。残留物を飽和NaHCO3溶液(400ml)に注ぎ、EtOAc(3×200ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中4〜5%MeOH)により精製して、3−アミノ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(2.600g、11.607mmol)を得た。LCMS:方法1、1.657、1.665分、MS:ES+ 225.29。
【0238】
工程b
THF(30ml)中の3−アミノ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(2.600g、11.607mmol)の溶液に、DIPEA(11.8ml、69.6mmol)を0℃で加えた。反応混合液にクロロギ酸エチル(1.11ml、11.72mmol)を0℃で滴下して加えた。反応混合液を0℃で10分間、次に室温で2時間撹拌した。反応混合液を水(60ml)に注ぎ、EtOAc(3×60ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中2〜3%MeOH)により精製して、3−アミノ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸5−tert−ブチル1−エチル(3.200g、10.81mmol)を得た。LCMS:方法1、1.986、MS:ES+ 297.43。
【0239】
工程c
DCM(35ml)中のヨウ素(3.330g、13.120mmol)の溶液に、室温で亜硝酸イソアミル(2.95ml、21.99mmol)を加えた。反応混合液に3−アミノ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸5−tert−ブチル1−エチル(3.200g、10.81mmol)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を飽和Na223水溶液(150ml)に注ぎ、DCM(3×150ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20〜30%EtOAc)により精製して、3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸5−tert−ブチル1−エチル(1.980g、4.86mmol)を得た。LCMS:方法1、2.543分、MS:ES+ 408.50。
【0240】
工程d
MeOH(16ml)中の3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸5−tert−ブチル1−エチル(1.98g、4.86mmol)の溶液に、室温でTEA(4ml)を加えた。反応混合液を室温で30分間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮して、3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(1.630g、4.865mmol)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法1、2.029分、MS:ES+ 336.20;1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 4.49 - 4.51 (m, 2 H), 4.31 - 4.34 (m, 2 H), 1.53 (s, 9 H)。
【0241】
工程e
DCM(18ml)中の3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(1.630g、4.865mmol)の溶液に、DMAP(0.891g、7.29mmol)を0℃で加えた。Boc無水物(1.27g、5.82mmol)を0℃で反応混合液に加え、10分間撹拌した。次に、反応混合液を室温で30分間撹拌した。得られた反応混合液を水(100ml)に注ぎ、DCM(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20〜30%EtOAc)により精製して、3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(1.070g、2.454mmol)を得た。LCMS:方法1、2.772分、MS:ES+ 436.50;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.69 - 4.72 (m, 2 H), 4.33 - 4.36 (m, 2 H), 1.53 - 1.65 (m, 18 H)。
【0242】
工程f
マイクロ波チューブ中で調製された1,4−ジオキサン:水(4.5:0.5、5ml)中の3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(0.500g、1.147mmol)の溶液に、フェニルボロン酸(0.419g、3.434mmol)を室温で加えた。K2CO3(0.747g、3.435mmol)を室温で反応混合液に加えた。反応混合液を10〜15分間脱気した。反応混合液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.132g、0.114mmol)を室温で加えた。チューブを密封し、反応混合液を100℃で2時間マイクロ波で加熱した。得られた混合液を室温に冷却し、水(30ml)に注ぎ、EtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中3〜4%MeOH)により精製して、3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.170g、0.440mmol)を得た。LCMS:方法1、2.165分、MS:ES+ 286.29(M−100)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.11 - 13.21 (m, 1 H), 7.59 - 7.62 (m, 2 H), 7.46 - 7.50 (m, 2 H), 7.31 - 7.41 (m, 1 H), 4.34 - 4.38 (m, 2 H), 4.21 - 4.13 (m, 2 H), 1.44 - 1.48 (m, 9H)。
【0243】
工程g
DCM(6ml)中の3−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(0.170g、0.44mmol)の溶液に、TFA(3.5ml)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で10分間撹拌した。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた反応混合液から減圧下で溶媒を留去した。残留物をDCM(2×2ml)で共蒸発させ、次にジエチルエーテル(2×2ml)で粉砕し、乾燥して、3−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾールTFA塩(0.241g、定量的)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法1、1.447分、MS:ES+ 186.07。
【0244】
工程h
THF(5ml)中の3−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾールTFA塩(0.246g、0.596mmol)の溶液に、K2CO3(0.250g、1.812mmol)を0℃で加えた。臭化シアン(0.069g、0.651mmol)を0℃で反応混合液に加えた。反応混合液を0℃で1時間撹拌した。得られた反応混合液を氷冷水(20ml)に注ぎ、EtOAc(3×20ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、分取TLCにより移動相としてDCM中の2.5%MeOHを使用して精製して、標題化合物(0.042g、0.20mmol)を得た。LCMS:方法6、3.23分、MS:ES+ 211.11;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.34 (s, 1 H), 7.58 - 7.65 (m, 3 H), 7.53 - 7.55 (m, 2 H), 7.38 - 7.49 (m, 1 H), 4.79 (d, 2 H), 4.57 (s, 2 H)。
【0245】
スキーム5
【化38】
【0246】
試薬と条件:a)RNHNH2、EtOH;b)ArCl、Ruphos、Pd2(dba)3、KtBuO、トルエン;c)TFA、DCM;d)BrCN、K2CO3
【0247】
実施例30
3−(イソキノリン−3−イルアミノ)−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル
【0248】
スキーム5に従って合成した。
【化39】
【0249】
工程a
EtOH(20ml)中の3−シアノ−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(CAS番号175463−32−8、Combi Blocksから入手可能)(2.00g、9.52mmol)の溶液に、メチルヒドラジン(0.44g、9.52mmol)を室温で加えた。反応混合液を80℃で10時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中42%EtOAc)により精製して、3−アミノ−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボン酸tert−ブチル(0.600g、2.521mmol)を得た。LCMS:方法1、2.00分、MS:ES+ 239.23;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 4.97 (s, 2 H), 4.20 (d, J=7.6 Hz, 2 H), 4.09 (d, J=10.8 Hz, 2 H), 3.18 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 1.41 (s, 9 H)。LCMS分析は、所望の異性体が優勢な約8:1の位置異性体比を示し、これはNOE分析によって確認された。
【0250】
工程b
トルエン(5ml)中の3−アミノ−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボン酸tert−ブチル(0.700g、2.944mmol)の溶液に、3−クロロイソキノリン(CAS番号19493−45−9;0.400g、2.453mmol)、カリウムtert−ブトキシド(0.549g、4.906mmol)、及びRu−Phos(0.114g、0.245mmol)を室温で加えた。反応混合液を15分間脱気した後、Pd2(dba)3(0.224g、0.245mmol)を加えた。反応混合液を110℃で2.5時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却した。反応混合液を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(4×20ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中62%EtOAc)により精製して、3−(イソキノリン−3−イルアミノ)−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボン酸tert−ブチル(0.400g、1.095mmol)を得た。LCMS:方法1、2.295分、MS:ES+ 366.33。
【0251】
工程c、d
実施例29の工程g及びhについて記載された手順と同様の手順を使用して、上記中間体から標題化合物を合成した.LCMS:方法6、3.530分、MS:ES+ 290.80。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.45 (s, 1 H), 8.99 (s, 1 H), 7.89 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.66 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.53 - 7.57 (m, 1 H), 7.38 (s, 1 H), 7.27 - 7.30 (m, 1 H), 4.64 (d, 4 H), 3.66 (s, 3 H)。
【0252】
実施例31
3−(イソキノリン−3−イルアミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル
【化40】
【0253】
工程a
EtOH(5ml)中の3−シアノ−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(CAS番号175463−32−8;0.400g、1.904mmol)の溶液に、4−メトキシベンジルヒドラジンHCl塩(CAS番号2011−48−5;0.718g、3.805mmol)を室温で加えた。得られた反応混合液を70℃で1時間加熱した。得られた反応混合液を0℃に冷却し、飽和NaHCO3溶液(15ml)で中和した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮してEtOHを除去した。残留物を水(20ml)で希釈し、EtOAc(2×20ml)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3−アミノ−1−(4−メトキシベンジル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.500g、1.453mmol)を得た。LCMS:方法1、1.962、MS:ES+ 345.50。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0254】
工程b
これは、上記中間体を用いて、実施例30の工程bに記載された手順と同様の手順により、3−(イソキノリン−3−イルアミノ)−1−(4−メトキシベンジル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチルを得た。
【0255】
工程c
TFA(2.0ml)中の3−アミノ−1−(4−メトキシベンジル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.200g、0.424mmol)の溶液を、70℃で16時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をDCM(2×5ml)で共蒸発させた。得られた残留物をジエチルエーテル(2×10ml)で粉砕し、最後に高真空下で乾燥して、N−(1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)イソキノリン−3−アミン(0.150g、0.410mmol)を得た。LCMS:方法1、1.632分、MS:ES+ 252.18。
【0256】
工程d
上記中間体を使用して、実施例29の工程hについて記載された手順と同様の手順により、標題化合物を合成した.LCMS:方法1、1.946分、MS:ES+ 277.18;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.09 - 12.32 (m, 1 H), 9.45 - 9.56 (m, 1 H), 9.00 - 9.05 (m, 1 H), 7.91 - 7.93 (m, 1 H), 7.65 - 7.75 (m, 1 H), 7.44 - 7.57 (m, 2 H), 7.30 - 7.35 (m, 1 H), 4.51 - 4.63 (m, 4 H)。
【0257】
実施例32
1−ベンジル−3−(イソキノリン−3−イルアミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル
【化41】
【0258】
実施例31について記載された手順と同様の手順を使用して、標題化合物を合成した.LCMS:方法1 RT 2.302分、MS:ES+ 367.48。
【0259】
実施例33
4−(5−シアノ−3−(ピリジン−2−イルアミノ)−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)ベンズアミド
【化42】
【0260】
工程a
これは、4−カルボキサミドフェニルヒドラジンを用いて、実施例31の工程aについて記載された手順と同様の手順により行った。
【0261】
工程b
DMSO(7mL)中の3−アミノ−1−(4−カルバモイルフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.200g、0.583mmol)の溶液に、NaH(パラフィン油中60%分散液、0.070g、2.92mmol)を15℃で少しずつ加えた。得られた反応混合液を室温で30分間撹拌した。2−ヨードピリジン(0.143g、0.70mmol)を加え、反応混合液を130℃で12時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、水(30ml)に注ぎ、EtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中10%MeOH)により精製して、1−(4−カルバモイルフェニル)−3−(ピリジン−2−イルアミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.073g、0.173mmol)を得た。LCMS:方法1、1.816分、MS:ES+ 421.70。
【0262】
工程c、d
これらを、実施例31の工程c及びdについて記載された手順と同様の手順により実施して、標題化合物を得た。LCMS:方法6、2.951分、MS:ES+ 346.62;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.22 (s, 1 H), 8.16 (d, J=4.0 Hz, 1 H), 8.06 (s, 1 H), 7.99 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 7.64 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 7.58 (t, J=7.2 Hz, 1 H), 7.45 (s, 1 H), 6.79 - 6.82 (m, 2 H), 4.60 (d, J=12.0 Hz, 4 H)。
【0263】
実施例34
N−((5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
【化43】
【0264】
工程a
DCM(1ml)中の3−フェニルピラゾール−5−カルボン酸(CAS番号5071−61−4、0.2mmol)の溶液に、HATU(0.2mmol)を加えた。反応混合液を0℃で20分間撹拌した。ピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸、3−(アミノメチル)−4,6−ジヒドロ−1,1−ジメチルエチルエステル(CAS番号1251002−81−9、Wuxiから入手可能、0.2mmol)及びDIPEA(0.6mmol)を室温で反応混合液に加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を分取TLC(PE/EtOAc)により精製した。
【0265】
工程b
EtOAc(1ml)中の工程aの生成物の溶液に、HCl/EtOAc(4M、1ml)を加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。残留物をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0266】
工程c
EtOH(2ml)中の工程bの生成物の溶液に、臭化シアン(0.2mmol)及びNaHCO3(0.6mmol)を加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取逆相HPLC(A:水中0.078%CH3COONH4、B:MeCN)により精製して、所望の化合物を得た。LCMS:方法7、RT 2.283分、MS:ES+ 334。
【0267】
実施例65
6−クロロ−N−((5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド
【化44】
【0268】
これは、実施例34について記載された手順と同様の手順を使用して、工程aにおいて6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(CAS番号182181−19−7)を使用して合成した。LCMS:方法9、2.011分、MS:ES+ 342。
【0269】
実施例35
N−((5−シアノ−1−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)−4−メチルベンズアミド
【化45】
【0270】
工程a
DMF(4ml)中の3−(アミノメチル)−4,6−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−カルボン酸tert−ブチル(200mg、0.84mmol)の溶液に、HATU(351mg、0.92mmol)、TEA(93mg、0.92mmol、0.13ml)を加え、次に4−メチル安息香酸(114mg、0.84mmol)を加え、反応混合液を室温で16時間撹拌した。反応混合液を水(20ml)で希釈し、EtOAc(20ml×2)で抽出した。合わせた有機層を水(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=10:1〜3:1)により精製して、3−[[(4−メチルベンゾイル)−アミノ]メチル]−4,6−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−カルボン酸tert−ブチル(150mg、0.42mmol、収率50%)を淡黄色油状物として得た。
【0271】
工程b
DCM(5ml)中の3−[[(4−メチルベンゾイル)−アミノ]メチル]−4,6−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−カルボン酸tert−ブチル(180mg、0.505mmol)、フェニルボロン酸(92mg、0.757mmol)の溶液に、Cu(OAc)2(138mg、0.757mmol)、ピリジン(80mg、1.01mmol、0.08ml)を加え、反応混合液を室温でO2下で16時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮して溶媒を除去した。残留物を水(40ml)で希釈し、EtOAc(30ml×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を分取TLC(SiO2、PE:EtOAc=8:1)で精製して、3−[[(4−メチルベンゾイル)アミノ]メチル]−1−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−カルボン酸tert−ブチル(20mg、46μmol、9.16%収率)を白色固体として得た。
【0272】
工程c
EtOAc(1ml)中の3−[[(4−メチルベンゾイル)アミノ]メチル]−1−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−カルボン酸tert−ブチル(20mg、46μmol)の溶液に、HCl/EtOAc(4M、1ml)を加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。残留物である4−メチル−N−((1−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)ベンズアミドを、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0273】
工程d
EtOH(2ml)中の4−メチル−N−((1−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)ベンズアミドの溶液に、臭化シアン(0.2mmol)及びNaHCO3(0.6mmol)を加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取逆相HPLC(A:水中0.078%CH3COONH4、B:MeCN)により精製して、N−((5−シアノ−1−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)−4−メチルベンズアミド(5.2mg、14.5μmol)を得た。LCMS:方法7、2.841分、MS:ES+ 358.1。
【0274】
実施例36
N−((5−シアノ−1−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)アセトアミド
【化46】
【0275】
工程a
DCM(3ml)中の3−(アセトアミドメチル)−4,6−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−カルボン酸tert−ブチル(500mg、1.78mmol、1.00当量)の溶液に、ピリジン(66mg、0.84mmol)を加え、次にDCM(1ml)に溶解した無水酢酸(43mg、0.42mmol)を0℃でゆっくり加え、反応混合液を0℃で30分間撹拌した。反応混合液を水(20ml)に注ぎ、DCM(20ml×2)で抽出し、有機相を食塩水(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、3−(アセトアミドメチル)−4,6−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−カルボン酸tert−ブチル(100mg、粗製)を白色固体として得て、粗生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した。LCMSによりその構造を確認した。MS:ES+ 281.3。
【0276】
工程b
DCM(10ml)中の3−(アセトアミドメチル)−4,6−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−カルボン酸tert−ブチル(500mg、1.78mmol)の溶液に、フェニルボロン酸(217mg、1.78mmol)、ピリジン(282mg、3.56mmol)、Cu(OAc)2(485mg、2.67mmol)を加え、反応混合液を室温で16時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(A:水中0.01%TFA、B:MeCN)で精製して、3−(アセトアミドメチル)−1−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−カルボン酸tert−ブチル(80mg、粗製)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.50-7.60 (m, 4H), 7.30-7.49 (m, 2H), 4.77 (s, 2H), 4.24-4.31 (m, 4H), 3.75 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 1.47 (s, 9H)。
【0277】
工程c
EtOAc(1ml)中の3−(アセトアミドメチル)−1−フェニル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−カルボン酸tert−ブチル(80mg、粗製)の溶液に、HCl/EtOAc(4M、1ml)で加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。残留物であるN−((1−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)アセトアミドを、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0278】
工程d
EtOH(2ml)中のN−((1−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)アセトアミドの溶液に、臭化シアン(0.2mmol)及びNaHCO3(0.6mmol)を加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取逆相HPLC(A:水中0.078%CH3COONH4、B:MeCN)により精製して、N−((5−シアノ−1−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)メチル)アセトアミド(3.6mg、12.6μmol)を得た。LCMS:方法9、1.750分、MS:ES+ 282.1;1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 7.48-7.57 (m, 4H), 7.32-7.36 (m, 1H), 4.93 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 4.57 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 4.38 (S, 2H), 2.02 (s, 3H)。
【0279】
スキーム6
【化47】
【0280】
試薬と条件:a)ヒドラジン水和物、AcOH、EtOH、85℃、16時間;b)(Boc)2O、DCM、THF、室温、16時間;c)亜硝酸イソアミル、ヨウ素、室温、1時間;d)Pd(PPh34、Cs2CO3、1,4−ジオキサン、水、100℃、16時間;e)HCl/EtOAc、室温、2時間;f)臭化シアン、NaHCO3、EtOH、室温、16時間。
【0281】
工程a
ヒドラジン水和物(951mmol)を、EtOH(800ml)中の3−シアノ−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(190mmol)及びAcOH(1.5mol)の溶液に滴下して加え、反応混合液を85℃で16時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAc(600ml)及び水(400ml)に取り、この二相混合液を固体K2CO3でpH=8に塩基性化し、層を分離し、水層をEtOAc(2×400ml)でさらに抽出した。合わせた有機抽出物を食塩水(2×300ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、3−アミノ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(178mmol)を淡黄色固体として得た。MS:ES+ 225.0。
【0282】
工程b
DCM(1.6L)中の3−アミノ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(267.6mmol)の溶液に、THF(400ml)中の(Boc)2O(294.3mmol)の溶液を滴下して加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。反応混合液を濃縮して、3−アミノ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(231.2mmol)を得た。MS:ES+ 325.0。
【0283】
工程c
DCM(80ml)中の3−アミノ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(92.5mmol)を、DCM(600ml)中のヨウ素(110.9mmol)及び亜硝酸イソアミル(184.9mmol)の溶液に加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。反応混合液を飽和Na223(150ml)溶液に注ぎ、反応混合液を分離し、水層をDCM(100ml×2)で抽出し、有機層を食塩水(150ml)で洗浄し、次にNa2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を留去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=30:1〜10:1)により精製して、3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(27.6mmol)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.40 - 1.60 (m, 2 H), 4.23 (d, J = 1.6 Hz, 2 H), 4.38 - 4.62 (m, 2 H)。
【0284】
工程d
1,4−ジオキサン(1ml)及び水(0.2ml)中の3−ヨードピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5(4H,6H)−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(0.2mmol)、化合物5(0.2mmol)、及びCs2CO3(0.6mmol、3当量)の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.2当量)を、室温、窒素下で加えた。反応混合液を100℃で16時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を分取TLC(PE/EtOAc=1:1)で精製して、化合物6を得た。
【0285】
工程e
EtOAc(1ml)中の化合物6の溶液に、HCl/EtOAc(4M、1ml)を加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。残留物化合物7を、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0286】
工程f
EtOH(2ml)中の化合物7の溶液に、臭化シアン(0.2mmol)及びNaHCO3(0.6mmol)を加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取逆相HPLC(A:水中0.078%CH3COONH4、B:MeCN)で精製して、化合物8を得た。
【0287】
表7の化合物を、スキーム6に従って合成した。
【化48】
【表22-1】
【表22-2】
【表22-3】
【表22-4】
【0288】
スキーム7
【化49】
【0289】
試薬と条件:a)ヨウ素、K2CO3、DMF;b)ArB(OH)2、Pd(PPh34、Cs2CO3、1,4−ジオキサン/水。c)TFA、DCM;d)BrCN、TEA、THF。
【0290】
実施例57
3−(3−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル
【0291】
スキーム7に従って合成した。
【化50】
【0292】
工程a
DMF(15ml)中の4,6−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.00g、4.78mmol)、ヨウ素(2.43g、9.57mmol)、及びK2CO3(1.32g、9.57mmol)の攪拌混合液を、窒素雰囲気下で75℃で18時間加熱した。混合液を室温に冷却し、EtOAc(50ml)で希釈し、10%Na223(50ml)で洗浄した。分離した水層をEtOAc(50ml)で抽出し、合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、溶媒を留去した。固体残留物をDCM(2×20ml)で粉砕して、3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(628mg、1.87mmol、39%)を白色固体として得た。LCMS:方法1、3.34分、MS:ES+ 336;1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 4.48 (d, J = 8.3 Hz, 2 H), 4.31 (d, J = 8.3 Hz, 2 H), 1.51 (s, 9 H)。
【0293】
工程b
1,4−ジオキサン/水(4:1,10ml)中の3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(200mg、0.60mmol)、3−フルオロベンゼンボロン酸(125mg、0.90mmol)、及びCs2CO3(487mg、1.49mmol)の混合液を、窒素バブリングにより10分間脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(104mg、0.09mmol)を加え、脱気を10分間続けた。撹拌した混合液を18時間加熱還流し、次に室温に冷却した。水(10ml)及び食塩水(5ml)を加え、混合液をEtOAc(2×50ml)及びDCM(2×15ml)で連続的に抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、溶媒を留去した。固体残留物をDCM/MeOHに部分的に溶解し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜50%EtOAc/ヘキサンの勾配)で精製して、3−(3−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(105mg、0.35mmol、58%)を白色固体として得た。LCMS:方法1、3.36分、MS:ES+ 304;1H NMR (400 MHz, CDCl3 + MeOD) δ ppm 7.40-7.46 (m, 1 H), 7.26-7.35 (m, 2 H), 7.02-7.08 (m, 1 H), 4.62 (s, 2 H), 4.48 (s, 2 H), 1.53 (s, 9 H)。
【0294】
工程c
DCM(3ml)中の3−(3−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(105mg、0.35mmol)の撹拌懸濁液に、TFA(0.5mmol、6.53mmol)を加えた。得られた黄色の溶液を室温で2時間撹拌した。混合液から溶媒を留去し、トルエン:MeCN(1:1混合液、3×20ml)と共沸させて、3−(3−フルオロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−2,2,2−トリフルオロ酢酸塩(128mg、0.40mmol、定量的)を淡黄色油状固体として得た。LCMS:方法1、0.64分、MS:ES+ 204;1H NMR (400 MHz, CDCl3 + MeOD) δ ppm 7.40-7.48 (m, 1H), 7.20-7.30 (m, 2 H), 7.02-7.08 (m, 1 H), 4.40 (s, 2 H), 3.67 (s, 1 H), 3.31 (s, 1 H)。
【0295】
工程d
THF(5ml)中の3−(3−フルオロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−2,2,2−トリフルオロ酢酸塩(128mg、0.35mmol)の撹拌懸濁液に、窒素雰囲気下でTEA(0.15ml、1.05mmol)を加えた。さらにTEA(0.15ml、1.05mmol)を加えてすべての固体を溶解させた。得られた黄色溶液を0℃に冷却し、臭化シアン(MeCN中5M、0.08ml、0.42mmol)をゆっくり加えて橙色の懸濁液を得た。撹拌を0℃で2時間続けた。水(10ml)及び食塩水(5ml)を加え、混合液をEtOAc(2×30ml)で抽出した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、溶媒を留去した。固体残留物をDCM/EtOAcに部分的に溶解し、10〜50%EtOAc/ヘキサンの勾配を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、少量のトリメチルアミン塩を含む白色固体(22mg)を得た。これをMeCN(×3)で粉砕して、3−(3−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル(20mg、0.087mmol、2工程で25%)を白色固体として得た。LCMS:方法14、3.70分、MS:ES+ 229;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.04 (1H, s), 7.61-7.64 (m, 1 H), 7.50-7.58 (m, 2 H), 7.22-7.30 (m, 1 H), 4.84 (s, 4 H)。
【0296】
表8の化合物は、実施例57について記載された手順と同様の手順を使用して合成した。
【化51】
【表23】
【0297】
実施例60
3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−1−メチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル
【化52】
【0298】
工程a、b
実施例57の工程a及びbと同様の手順に従って、工程bにおいて2−フルオロ−5−メチルベンゼンボロン酸(CAS番号166328−16−1)を用いて、3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチルを得た。
【0299】
工程c
DMF(10ml)中の3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(360mg、1.14mmol)の撹拌溶液に、NaH(油中60%w/w分散液、55mg、1.36mmol)を窒素雰囲気下で加えた。30分後、ヨードメタン(194mg、1.36mmol)を加え、溶液を室温で6時間撹拌した。水(10ml)を加え、続いて食塩水(20ml)を加え、混合液をEtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、溶媒を留去して黄色油状固体(330mg)を残した。これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、より極性の低い少量の異性体:3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−2−メチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチルを黄色油状物(38mg)として得て、LCMS:方法3、5.34分、MS:ES+ 332;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.22-7.18 (m, 1H), 7.04-7.10 (m, 2H), 4.54-4.39 (m, 4H), 3.81 (s, 3H), 2.37 (m, 3H), 1.50 (m, 9H)、及びより極性の大きい多量の異性体:3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−1−メチル−4,6−ジヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチルをオフホワイトの固体(210mg)として得た。全収率(248mg、66%)。LCMS:方法3、5.26分、MS:ES+ 332;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.75-7.70 (m, 1H), 7.10-7.04 (m, 1H), 6.98-6.95 (m, 1H), 4.60-4.50 (m, 4H), 3.88 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 1.52 (s, 9H)。
【0300】
工程d、e
標題化合物を、3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−1−メチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチルから、実施例57の工程cとdについて記載されている手順と同様の手順を使用して合成した。LCMS:方法14、5.07分、MS:ES+ 257。
【0301】
実施例61
3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル
【化53】
【0302】
実施例60について記載された手順と同様の手順を使用して、3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(実施例60の工程a〜cに記載のように調製した)を使用して合成した。LCMS:方法14、4.97分、MS:ES+ 257。
【0303】
実施例62
3−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−1−メチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボニトリル
【化54】
【0304】
実施例60/61について記載された手順と同様の手順を使用して、5−イソプロピル−2−メトキシフェニルボロン酸(CAS番号216393−63−4)を使用して合成した。LCMS:方法4、4.925分、MS:ES+ 296.91。
【0305】
実施例63
3−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2−メチル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボニトリル
【化55】
【0306】
実施例60/61について記載された手順と同様の手順を使用して、5−イソプロピル−2−メトキシフェニルボロン酸(CAS番号216393−63−4)を使用して合成した。LCMS:方法4、4.836分、MS:ES+ 296.91。
【0307】
実施例78
N−(3−(5−シアノ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)フェニル)シクロプロパンスルホンアミド
【化56】
【0308】
工程a
DMF−DMA(32.17g、270mmol)中のN−Boc−3−ピロリジノン(CAS番号101385−93−7;5.0g、27.0mmol)の溶液を、100℃で1.5時間加熱した。得られた混合液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をn−ペンタン(100ml)で粉砕した。得られた固体を高真空下で乾燥して、3−((ジメチルアミノ)メチレン)−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(4.700g、19.58mmol)を得た。LCMS:方法1、1.556分、MS:ES+ 241.43。
【0309】
工程b
EtOH(12ml)中の3−((ジメチルアミノ)メチレン)−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.250g、5.208mmol)の溶液に、3−ニトロフェニルヒドラジン塩酸塩(CAS番号636−95−3;0.987g、5.21mmol)、及びAcOH(0.5ml)を室温で加えた。反応混合液を85℃で2時間加熱した。得られた反応混合液を同じ方法で同じスケールで調製した1つのバッチと合わせた。得られた混合液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン中10%EtOAc)により精製して、1−(3−ニトロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.866g、2.624mmol)を得た。LCMS:方法1、2.336分、MS:ES+ 331.40。
【0310】
工程c
MeOH(10ml)中の1−(3−ニトロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.866g、2.624mmol)の溶液に、室温で10%乾燥Pd/C(0.130g)を加えた。得られた反応混合液をH2で3時間パージした。反応混合液をセライトパッドに通して濾過して、EtOH(4×10ml)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、1−(3−アミノフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.530g、1.766mmol)を得た。LCMS:方法1、1.927分、MS:ES+ 301.48。
【0311】
工程d
DCM(3ml)中の1−(3−アミノフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.300g、1.000mmol)の溶液に、ピリジン(0.396g、5.000mmol)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で15分間撹拌した。塩化シクロプロパンスルホニル(CAS番号139631−62−2、0.155g、1.100mmol)を0℃で反応混合液に加えた。得られた混合液を室温で3時間撹拌した。得られた反応混合液を水(10ml)に注ぎ、EtOAc(3×10ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、1−(3−(シクロプロパンスルホンアミド)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.285g、0.705mmol)を得た。LCMS:方法1、2.055分、MS:ES+ 405.38;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.01 (s, 1 H), 7.60 - 7.56 (m, 2 H), 7.47 - 7.42 (m, 1 H), 7.35 - 7.28 (m, 1 H), 7.16 (t, J=8.4 Hz, 1 H), 4.77 (s, 2 H), 4.37 (d, J=11.2 Hz, 2 H), 2.69 (t, J=5.2 Hz, 1 H), 1.47 (s, 9 H), 0.96 (d, J=8.0 Hz, 4 H)。
【0312】
工程e
DCM(3ml))中の1−(3−(シクロプロパンスルホンアミド)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.285g、0.705mmol)の溶液に、0℃でTFA(0.402g、3.527mmol)を加えた。反応混合液を室温で15分間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をDCM(4×5ml)と共蒸留した。得られた残留物を高真空下で乾燥して、N−(3−(5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)フェニル)−シクロプロパンスルホンアミドTFA塩(0.170g、0.406mmol)を得た。LCMS:方法1、1.341分、MS:ES+ 305.48。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0313】
工程f
THF(3mL)中のN−(3−(5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−イル)フェニル)−シクロプロパン−スルホンアミドTFA塩(0.150g、0.358mmol)の溶液に、0℃でK2CO3(0.099g、0.717mmol)を加えた。反応混合液を0℃で5分間撹拌した。臭化シアン(0.038g、0.358mmol)を反応混合液に0℃で加えた。反応混合液を室温で15分間撹拌した。得られた反応混合液を水(10ml)に注ぎ、EtOAc(3×10ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中の2%MeOH)により精製して、標題化合物(0.115g、0.349mmol)を得た。LCMS:方法4、3.593分、MS:ES+ 330.02;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.00 (s, 1 H), 7.61 (s, 1 H), 7.56 (t, J=2.0 Hz, 1 H), 7.44 (t, J=8.0 Hz, 1 H), 7.26 (dd, J=1.2 Hz, 1.6 Hz, 1 H), 7.18 (dd, J=1.2 Hz, 1.2 Hz, 1 H), 5.00 (t, J=2.0 Hz, 2 H), 4.59 (d, J=2.4 Hz, 2 H), 2.72 - 2.67 (m, 1 H), 0.96 (t, J=2.8 Hz, 4 H)。
【0314】
実施例79
N−ベンジル−4−(5−シアノ−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−3−フルオロベンズアミド
【化57】
【0315】
工程a
EtOH(600ml)中の3−シアノ−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(CAS番号175463−32−8;30.00g、142.7mmol)の溶液に、AcOH(57ml、1000mmol)及びヒドラジン水和物99%(35ml、714mmol)を室温で加えた。反応混合液を85℃で14時間加熱した。反応混合液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残留物をEtOAc(400ml)及び水(400ml)で希釈し、固体Na2CO3を少量ずつ加えてpHを約8に調整した。得られた混合液をEtOAc(2×400ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM中5%MeOH)により精製して、3−アミノ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(18.0g、80.357mmol)を得た。LCMS:方法1、1.707分、MS:ES+ 225.33。
【0316】
工程b
DCM:THF(4:1、50ml)中の3−アミノ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(5.000g、22.32mmol)の溶液に、室温で(Boc)2O(5.352g、24.55mmol)を加えた。得られた反応混合液を室温で18時間撹拌した。得られた反応混合液を、同じ方法で同じスケールで調製した他の1つのバッチと合わせた。得られた混合液を真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン中40〜60%EtOAc)により精製して、3−アミノ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(17.8g、定量的)を得た。LCMS:方法1、2.269分、MS:ES+ 325.43;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 6.51 (d, J=9.6 Hz, 2 H), 4.19 (d, J=5.2 Hz, 2 H), 4.13 (d, J=19.2 Hz, 2 H), 1.54 (s, 9 H), 1.43 (s, 9 H)。
【0317】
工程c
DCM(10ml)中のヨウ素(1.880g、7.407mmol)及び亜硝酸イソアミル(1.68ml、12.3mmol)の混合液に、DCM(40ml)中の3−アミノ−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(2.000g、6.165mmol)の溶液を室温で30分間かけて滴下して加えた。反応混合液を室温で14時間撹拌した。得られた反応混合液を飽和Na223溶液(20ml)に注ぎ、DCM(2×20ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中7〜10%EtOAc)により精製して、3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(0.730g、1.678mmol)を得た。LCMS:方法1、2.558分、MS:ES+ 436.38;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 4.41 (d, J=8.0 Hz, 2 H), 4.23 (d, J=15.6 Hz, 2 H), 4.39 (d, J=11.2 Hz, 2H), 1.58 (s, 9 H), 1.45 (s, 9 H)。
【0318】
工程d
DMF:水(9:1)(8ml)中の3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(0.400g、0.918mmol)、2−フルオロ−4−(メトキシカルボニル)フェニルボロン酸化合物(CAS番号603122−84−5;0.218g、1.102mmol)、及びNaHCO3(0.154g、1.837mmol)の混合液を、室温で10分間窒素を用いて脱気した後、PdCl2(dppf)DCM錯体(0.91g、0.795mmol)を加えた。反応混合液を100℃で4時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、氷冷水(20ml)に注いだ。得られた沈殿物を濾過して集め、高真空下で乾燥した。得られた固体をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中2〜3%MeOH)により精製して、3−(2−フルオロ−4−(メトキシカルボニル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.220g、0.609mmol)を得た。LCMS:方法1、2.219分、MS:ES+ 362.43。
【0319】
工程e
MeOH(5ml)中の3−(2−フルオロ−4−(メトキシカルボニル)フェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.180g、0.498mmol)の溶液に、室温でLiOH・H2O(0.837,1.994mmol)を加えた。反応混合液を85℃で12時間加熱した。反応混合液を室温に冷却し、真空下で濃縮した。得られた粗生成物を水(10ml)で希釈し、EtOAc(2×10ml)で抽出した。水層を分離し、10%クエン酸溶液を用いて約4のpHに酸性化し、EtOAc(2×10ml)で抽出した。合わせた有機相を減圧下で濃縮した。残留物をジエチルエーテル(2×5ml)を用いて粉砕することにより精製して、4−(5−(tert−ブトキシカルボニル)−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−3−フルオロ安息香酸(0.145g、0.417mmol)を得た。LCMS:方法1、1.874分、MS:ES+ 348.38。
【0320】
工程f
DMF(5ml)中の4−(5−(tert−ブトキシカルボニル)−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−3−イル)−3−フルオロ安息香酸(0.145g、0.417mmol)の溶液に、0℃でHATU(0.476g、1.253mmol)及びDIPEA(0.215ml、1.253mmol)を加えた。反応混合液を0℃で30分間撹拌した後、ベンジルアミン(0.053g、0.501mmol)を加えた。得られた反応混合液を室温で12時間撹拌した。反応混合液を水(10ml)で希釈し、EtOAc(3×10ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中3.5〜4%MeOH)により精製して、3−(4−(ベンジルカルバモイル)−2−フルオロフェニル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボン酸tert−ブチル(0.105g、0.240mmol)を得た。LCMS:方法1、2.173分、MS:ES+ 436.12。
【0321】
工程g及びhは、実施例78と同様の方法で行った.LCMS:方法4、3.867分、MS:ES+ 362.08;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.46 (s, 1 H), 9.20 (t, J=5.6 Hz, 1 H), 7.85 - 7.79 (m, 3 H), 7.34 - 7.25 (m, 5 H), 4.72 (s, 2 H), 4.61 (s, 2 H), 4.50 (d, J=5.6 Hz, 2 H)。
【0322】
本発明の化合物の生物学的活性
略語:
TAMRA カルボキシテトラメチルローダミン
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
PBS リン酸緩衝化生理食塩水
EDTA エチレンジアミン四酢酸
トリス 2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール
NP40 ノニデットP−40、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール
BSA ウシ血清アルブミン
【0323】
インビトロUSP7阻害アッセイ
USP7の発現及び精製
USP7構築物をPCR増幅し、N末端FLAGタグを有するpFLAG−CMV−6aベクター(Sigma-Aldrich)にクローニングした。HEK293T細胞を、TransIT−LT1トランスフェクション試薬(Mirus)を製造業者の説明書に従って使用して、FLAG−USP7でトランスフェクトした。トランスフェクションの40時間後に細胞を採取した。細胞をPBSで1回洗浄し、溶解緩衝液(50mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、3mM EDTA、0.5% NP40、10%グリセロール、5mMベータメルカプトエタノール、プロテアーゼ阻害剤(コンプリートミニ、Roche)及びホスファターゼ阻害剤(PhosSTOPミニ、Roche)に掻き取った。溶解物を氷上で30分間インキュベートし、4℃で4000rpmで10分間遠心分離した。可溶性上清を、低塩緩衝液(20mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、0.5mM EDTA、5mMのベータメルカプトエタノール)で平衡化したFLAG親和性樹脂(EZView Red ANTI-FLAGM2親和性ゲル、Sigma-Aldrich)に加え、4℃で3時間、回転しながらインキュベートした。樹脂を2000rpmで2分間遠心分離し、上清を除去した。樹脂を低塩緩衝液+プロテアーゼ阻害剤(コンプリートミニ、Roche)及びホスファターゼ阻害剤(PhosSTOPミニ、Roche)で2回洗浄し、高塩緩衝液(20mMトリス、pH7.5、500mM NaCl、0.5mM EDTA、5mMベータメルカプトエタノール、プロテアーゼ阻害剤(完全ミニ、Roche)及びホスファターゼ阻害剤(PhosSTOPミニ、Roche))で1回洗浄した。結合したUSP7を溶出するために、溶出緩衝液(10mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、0.5mM EDTA、10%グリセロール、0.5% NP40、5mMベータメルカプトエタノール、0.15mg/ml 3×FLAGペプチド(Sigma-Aldrich))を樹脂に加え、4℃で回転しながら2.5時間インキュベートした。樹脂を4000rpmで30秒間遠心分離し、精製FLAG−USP7を含む上清を取り出し、−80℃で保存した。
【0324】
USP7生化学的動態アッセイ
反応は、二重測定で黒色の384ウェルプレート(小容量、Greiner 784076)中で、最終反応容積21μlで行った。USP7を反応緩衝液(20mMトリス、pH7.5、100mM NaCl、0.05%ツイーン20、0.5mg/ml BSA、5mMベータメルカプトエタノール)で、0、0.0005、0.001、0.0025、及び0.005μl/ウェル相当に希釈した。緩衝液は、最適温度、pH、還元剤、塩、インキュベーション時間、及び界面活性剤について最適化された。反応は、イソペプチド結合を介してユビキチンに結合したTAMRA標識ペプチド50nMを蛍光偏光基質として添加することにより開始した。反応物を室温でインキュベートし、2分毎に120分間読み取った。読み取りは、Pherastar Plus(BMG Labtech)で行った。λ励起540nm;λ発光590nm。
【0325】
USP7生化学IC50アッセイ
希釈プレートは、96ウェルポリプロピレンV底プレート(Greiner #651201)中で50% DMSOで最終濃度の21倍で調製した(100μMの最終濃度については2100μM)。典型的な8点希釈系列は、最終濃度が100、30、10、3、1、0.3、0.1、0.03μMである。反応は、二重測定で黒色の384ウェルプレート(小容量、Greiner 784076)中で、最終反応容積21μlで行った。1μlの50%DMSO又は希釈化合物のいずれかをプレートに加えた。USP7を反応緩衝液(20mMトリス、pH7.5、100mM NaCl、0.05%ツイーン20、0.5mg/ml BSA、5mMベータメルカプトエタノール)で、0.0025μL/ウェル相当に希釈し、10μlの希釈USP7を化合物に加えた。酵素及び化合物を室温で30分間インキュベートした。反応は、イソペプチド結合を介してユビキチンに結合したTAMRA標識ペプチドの50nMを蛍光偏光基質として添加することにより開始した。基質の添加直後、及び室温で2時間のインキュベーション後に、反応を読み取った。読み取りは、Pherastar Plus(BMG Labtech)で行った。λ励起540nm;λ発光590nm。
【0326】
USP7生化学IC50アッセイにおける例示化合物の活性
範囲:
A<10μM;
10μM<B<30μM;
30μM<C<100μM。
【表24-1】
【表24-2】
図1
図2