(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記カッター(2700)は、さらに、凹状ボウル(2714)内で遠位縁部から内側に延びる複数の粉砕セグメント(2718)を備え、凹状ボウルは第1曲率を有し、複数の粉砕セグメントの各々は、第1曲率とは異なる第2曲率を有し、複数の粉砕セグメントは、動脈における石灰化し硬化した線維症を壊すように構成されている、請求項1に記載の粥腫切除用カテーテルデバイス。
複数の粉砕セグメント(2718)の各々は、鋸歯状の環状カッティングエッジ(2710)の凸状部分(2712)を形成している、請求項2に記載の粥腫切除用カテーテルデバイス。
鋸歯状の環状カッティングエッジ(2710)は、細長い本体の外径に対して径方向内側に2度から12度によって延在する、請求項1に記載の粥腫切除用カテーテルデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】オフセットヒンジ領域と、ブッシングと、ブッシングに係合するネック領域を有する撮像/切削アセンブリとを有する、例示的な粥腫切除デバイスの端部の側方斜視図である。
【
図1B】オフセットヒンジ領域と、ブッシングと、ブッシングに係合するネック領域を有する撮像/切削アセンブリとを有する、例示的な粥腫切除デバイスの端部の側方斜視図であり、中空の遠位先端のハウジングが取り外された状態のカテーテルを示している。
【
図1C】オフセットヒンジ領域と、ブッシングと、ブッシングに係合するネック領域を有する撮像/切削アセンブリとを有する、例示的な粥腫切除デバイスの端部の側方斜視図であり、細長い本体の外側スリーブへの近位コネクタが取り外された状態の、
図1Bのカテーテルを示し、ブッシング及び回転駆動シャフトを示している。
【
図2A】遠位先端が細長い(近位の)本体領域と直線状になっている、
図1Aから
図1Cに示すカテーテルなどの粥腫切除用カテーテルによる断面図である。
【
図2B】先端が下方に変位し始めている、
図2Aのカテーテルを示す図である。
【
図2C】先端が下方に完全に変位し、切削/撮像アセンブリのカッティングエッジを露出している、
図2Aのカテーテルを示す図である。
【
図3】切削/撮像アセンブリが遠位に向かって遠位先端領域へ延在した状態のカテーテルを示す図である。
【
図4A】粥腫切除用カテーテルの別の変形形態を示す図である。
【
図4B】粥腫切除用カテーテルの別の変形形態を示す図であり、内部部品の記述を可能にするため様々な構成部品を除去した状態の、
図4Aのカテーテルを示す図である。
【
図4C】粥腫切除用カテーテルの別の変形形態を示す図であり、内部部品の記述を可能にするため様々な構成部品を除去した状態の、
図4Aのカテーテルを示す図である。
【
図4D】粥腫切除用カテーテルの別の変形形態を示す図であり、内部部品の記述を可能にするため様々な構成部品を除去した状態の、
図4Aのカテーテルを示す図である。
【
図5】粥腫切除用カテーテル用のハンドルを示す図である。
【
図6】管壁に対してカッティングエッジを駆動させる際の機械的利点を提供するために配置され使用され得る、複数のバルーンを有する粥腫切除用カテーテルの遠位端の1つの変形形態を示す図である。
【
図7A】粥腫切除デバイス用のブッシングの斜視図である。
【
図7B】粥腫切除デバイス用のブッシングの側面図である。
【
図7C】粥腫切除デバイス用のブッシングの上面図である。
【
図7D】粥腫切除デバイス用のブッシングの正面図である。
【
図8A】
図8Bの矢印によって示すように、粥腫切除用カテーテルのノーズコーンを通る血管のパノラマOCT画像を示す図である。
【
図9A】
図9Bの矢印によって示すように、ノーズコーンが閉じられ、カッターが受動的位置にあるときに、カッティング窓(複数の場合もある)を通して粥腫切除用カテーテルによって取られた血管のパノラマOCT画像を示す図である。
【
図10A】
図10Bの矢印によって示すように、ノーズコーンが開かれたときに、カッティング窓(複数の場合もある)を通して粥腫切除用カテーテルによって取られた血管のパノラマOCT画像を示す図である。
【
図11A】カテーテルの長手方向軸に対して垂直である遠位表面と係合するカッターを有する粥腫切除用カテーテルの別の実施形態を示す図であり、カテーテルの断面図である。
【
図11B】カテーテルの長手方向軸に対して垂直な遠位表面と係合するカッターを有する粥腫切除用カテーテルの別の実施形態を示す図であり、ブッシングの側面図である。
【
図12A】カッターの遠位表面との接触点のみを提供するように、長手方向軸に対してある角度にある遠位表面と係合するカッターを有する粥腫切除用カテーテルの別の実施形態を示す図であり、カテーテルの断面図である。
【
図12B】カッターの遠位表面と接触するポイントのみを提供するように、長手方向軸に対してある角度にある遠位表面と係合するカッターを有する粥腫切除用カテーテルの別の実施形態を示す図であり、ブッシングの側面図である。
【
図13A】本明細書に記載の粥腫切除用カテーテルによって組織から切削された物質の、単一の長いストリップの除去を示す図である。
【
図14A】粥腫切除用カテーテルのノーズコーン内への組織のパッキング(packing)を補助するために、内部を通るジェットチャネル(jet channels)を有するブッシングを示す図である。
【
図14B】粥腫切除用カテーテルのノーズコーン内への組織のパッキングを補助するために、内部を通るジェットチャネルを有するブッシングを示す図である。
【
図15】三日月形状のバルーンを有する粥腫切除用カテーテルの断面図である。
【
図16A】三日月形状のバルーンを有する粥腫切除用カテーテルの図である。
【
図16B】三日月形状のバルーンを有する粥腫切除用カテーテルの図である。
【
図16C】三日月形状のバルーンを有する粥腫切除用カテーテルの図である。
【
図17A】鋸歯状のカッティングエッジを有する粥腫切除用カテーテルを示す図である。
【
図17B】
図17Aの粥腫切除用カテーテルの鋸歯状カッターの部分をクローズアップして示す図である。
【
図18A】鋸歯状のカッティングエッジ、及びカッター本体内の非対称のポケットを有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示し、カッターの等角図である。
【
図18B】鋸歯状のカッティングエッジ、及びカッター本体内の非対称のポケットを有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示し、カッターの等角図である。
【
図18C】鋸歯状のカッティングエッジ、及びカッター本体内の非対称のポケットを有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示し、カッターの側面図である。
【
図18D】鋸歯状のカッティングエッジ、及びカッター本体内の非対称のポケットを有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示し、カッターの正面図である。
【
図18E】鋸歯状のカッティングエッジ、及びカッター本体内の非対称のポケットを有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示し、カッターの断面図である。
【
図19A】鋸歯状のカッティングエッジ、及びカッター本体内の対称のポケットを有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示し、カッターの等角図である。
【
図19B】鋸歯状のカッティングエッジ、及びカッター本体内の対称のポケットを有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示し、カッターの等角図である。
【
図19C】鋸歯状のカッティングエッジ、及びカッター本体内の対称のポケットを有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示し、カッターの側面図である。
【
図19D】鋸歯状のカッティングエッジ、及びカッター本体内の対称のポケットを有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示し、カッターの正面図である。
【
図19E】鋸歯状のカッティングエッジ、及びカッター本体内の対称のポケットを有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示し、カッターの断面図である。
【
図20A】内部に非回転対称な凹部を有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの等角図である。
【
図20B】内部に非回転対称な凹部を有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの等角図である。
【
図20C】内部に非回転対称な凹部を有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、軸の外れたカッターの側面図である。
【
図20D】内部に非回転対称な凹部を有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの正面図である。
【
図20E】内部に非回転対称な凹部を有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの断面図である。
【
図21A】内部にらせん状の凹部を有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの等角図である。
【
図21B】内部にらせん状の凹部を有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの等角図である。
【
図21C】内部にらせん状の凹部を有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの側面図である。
【
図21D】内部にらせん状の凹部を有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの正面図である。
【
図21E】内部にらせん状の凹部を有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの断面図である。
【
図22A】ボウル領域内に配置された一連のポケットを有する平滑なカッティングエッジを有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの斜視図である。
【
図22B】ボウル領域内に配置された一連のポケットを有する平滑なカッティングエッジを有する粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、ボウル領域の正面図である。
【
図23A】ボウル領域の外側リムに配置された溝状のカッティングエッジを有し、この溝もカッターの外壁に沿って延在する、粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの斜視図である。
【
図23B】ボウル領域の外側リムに配置された溝状のカッティングエッジを有し、この溝もカッターの外壁に沿って延在する、粥腫切除用カテーテルを示す、ボウル領域の正面図である。
【
図24A】ボウル領域の外側リムに配置されたカッティングエッジに浅い切欠きを有し、この浅い切欠きもカッターの外壁に沿って延在する、粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの斜視図である。
【
図24B】ボウル領域の外側リムに配置されたカッティングエッジに浅い切欠きを有し、この浅い切欠きもカッターの外壁に沿って延在する、粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、ボウル領域の正面図である。
【
図25A】ボウル領域の外側リムに配置されたカッティングエッジに非対称の溝を有し、この非対称の溝もカッターの外壁に沿って延在する、粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの斜視図である。
【
図25B】ボウル領域の外側リムに配置されたカッティングエッジに非対称の溝を有し、この非対称の溝もカッターの外壁に沿って延在する、粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、ボウル領域の正面図である。
【
図26A】カッターのボウル領域の周りに配置された平滑なカッティングエッジを有し、カッターの外壁が一連の溝を有する、粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、カッターの斜視図である。
【
図26B】カッターのボウル領域の周りに配置された平滑なカッティングエッジを有し、カッターの外壁が一連の溝を有する、粥腫切除用カテーテルのカッターを示す、ボウル領域の正面図である。
【
図27A】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、セグメントの各々がカッティングエッジに凹状部分を有する平らな切り子面である、カッターの陰が付けられた斜視図である。
【
図27B】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、セグメントの各々がカッティングエッジに凹状部分を有する平らな切り子面である、カッターの線での斜視図である。
【
図27C】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、セグメントの各々がカッティングエッジに凹状部分を有する平らな切り子面である、カッターの側面図である。
【
図27D】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、セグメントの各々がカッティングエッジに凹状部分を有する平らな切り子面である、カッターの正面図である。
【
図27E】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、セグメントの各々がカッティングエッジに凹状部分を有する平らな切り子面である、カッターの断面図である。
【
図28A】別の実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの陰が付けられた斜視図である。
【
図28B】別の実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの線での斜視図である。
【
図28C】別の実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの側面図である。
【
図28D】別の実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの正面図である。
【
図28E】別の実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの断面図である。
【
図29A】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの陰が付けられた斜視図である。
【
図29B】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの線での斜視図である。
【
図29C】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの側面図である。
【
図29D】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの正面図である。
【
図29E】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの断面図である。
【
図30A】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの陰が付けられた斜視図である。
【
図30B】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの線での斜視図である。
【
図30C】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの側面図である。
【
図30D】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの正面図である。
【
図30E】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの断面図である。
【
図31A】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの陰が付けられた斜視図である。
【
図31B】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの線での斜視図である。
【
図31C】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの側面図である。
【
図31D】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの正面図である。
【
図31E】一実施形態による、鋸歯状の環状カッティングエッジ、凹状のボウル、及び複数のセグメントを有するカッターを含む粥腫切除用カテーテルデバイスの図であり、カッターの断面図である。
【
図34D】
図34Aのサイドレールクランプのサイドカムレベルアジャスタの斜視図である。
【
図36A】カテーテルコントローラマウントの斜視図である。
【
図36C】カテーテルのコントローラに結合された、
図36Aのカテーテルコントローラマウントの図である。
【
図37A】レールクランプの別の実施形態を示す図である。
【
図37B】レールクランプの別の実施形態を示す図である。
【
図38】カテーテルコントローラマウントの別の実施形態を示す図である。
【
図39A】カテーテルのコントローラに結合したカテーテルコントローラマウントの別の実施形態を示す図である。
【
図39B】カテーテルのコントローラに結合したカテーテルコントローラマウントの別の実施形態を示す図である。
【
図40A】カテーテルコントローラマウントの別の実施形態を示す図である。
【
図40B】カテーテルコントローラマウントの別の実施形態を示す図である。
【
図40C】カテーテルのコントローラに結合された、
図40Aのカテーテルコントローラマウントの図である。
【
図41A】カテーテルコントローラマウントの別の実施形態を示す図である。
【
図41B】カテーテルのコントローラに結合された、
図41Aのカテーテルコントローラマウントの図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書に記載の粥腫切除用カテーテルは、カッターを含むことができる。カッターは、例えば、カッターの遠位縁部に形成された鋸歯状の環状カッティングエッジと、環状のカッティングエッジからカッターの中心に向かって径方向内側に延びる凹状ボウルとを有することができる。凹状ボウルは、使用中にこの凹状ボウルに入った硬いプラーク又は疾患組織を粉砕することを補助するように構成された複数のセグメントをそこに含むことができる。
【0034】
本明細書に記載の粥腫切除用カテーテルは、端部に駆動シャシーを有するカテーテルシャフトをさらに含むことができる。駆動シャシーは、トルクコイルの中心において撮像素子、カッター、及び撮像用光ファイバを回転するための頑丈なトルクコイル(「撮像用トルクコイル」/駆動シャフト)を含む。撮像素子とカッターとの両方は、駆動シャフトとともに回転するヘッドの一部とすることができる。ヘッドは、単一方向(例えば、時計回り)に回転することができる。ヘッドは、さらに、トルクコイル/駆動シャフトを押すあるいは引くことによって、遠位/近位にスライドさせることができる。駆動シャフトの移動の結果として、組織を保持するように構成されたノーズコーンを移動させることができる。いくつかの実施形態では、ノーズコーンは、軸外のヒンジを使用して開閉することができる。他の実施形態では、カム部材及びカムスロットは、ノーズコーンを開閉するように使用することができる。
【0035】
図1Aから
図3は、カッターを露出させるように屈折するノーズコーンを含む粥腫切除用カテーテル100の例を示している。粥腫切除用カテーテル100は、外側シャフト111を有するカテーテル本体101と、カテーテル本体101の遠位端にあるカッター103と、カテーテル本体101の遠位端におけるノーズコーン105とを含むことができる。ノーズコーン105は、カッティング窓107をさらに含むことができ、このカッティング窓107を通して、カッター103のカッティングエッジ112を露出させることができる。ノーズコーン105は、以下にさらに記述するように、ヒンジポイント1109周りに、カテーテル本体101の長手方向軸から離れて屈折するように構成することができる。この屈折により、カッター103を、カッティング窓107を通して露出させ、かつ/又は、粥腫切除用カテーテルが挿入される管の壁内にカッター103を径方向に押圧することができる。
【0036】
図1Aから
図2Cを参照すると、カッター103は、カテーテル本体101とノーズコーン105との間にブッシング155を介して配置することができる。いくつかの実施形態では、カッター103は、鋭い遠位縁部112を有する環状のカッターとすることができる。カッター103は、カッター103を回転させるように構成された駆動シャフト113に取り付けることができる。
【0037】
さらに
図2A及び
図2Bを参照すると、粥腫切除用カテーテル100は、カッター103内で、カッター103のカッティングエッジ112に近位に、OCT撮像素子などの撮像素子192を含むことができる。撮像素子192は、OCT信号を伝達するために、駆動シャフト113を通るなど、細長い本体の中心を通り、実質的に軸上を通る光ファイバ197を含むことができる。さらに、光ファイバ197は、曲がることなく、カテーテル本体101を直線状に通ることができる。光ファイバ197は、カッター103におけるスロット177など、遠位端においてカッター103に取り付けることができる。そのスロットは、少なくともカッター103の中心に延びる長さを有することができ、それにより、光ファイバ197が、カテーテル本体101及びカッター103の長さを通して曲げられることなく、軸上に残ることを可能にする。カッター103への取り付けとは別に、光ファイバ197は、別様に、カテーテル本体又は駆動シャフト113内で浮遊させることができる。他の実施形態では、光ファイバ197は、駆動シャフト113に、この駆動シャフトの長さに沿って取り付けることができる。
【0038】
図2Aから
図2Cに示すように、撮像素子192は、鏡などの反射要素199を含むことができる。反射要素199は、カッター103のスロット177内に位置して、光ファイバ197からの光を隣接する組織に(カッターの窓107を通して)、径方向に向けることができる。反射要素199は、35度から55度の角度など、例えば45度の角度で、光ファイバ197の軸に対してある角度で配向し、光を組織へ反射させることができる。光ファイバ197の遠位端は、カッティングエッジから1mm未満など、0.5mm未満など、カッティングエッジから3mm未満の位置とすることができる。撮像素子192をカッティングエッジに近いものとすることによって、結果として得られる画像は、切削される管の部分と有利に整列させることができる。
【0039】
使用時では、外側シャフト111は、カッターの窓107、カッター103、及び/又は撮像素子192を所望の位置の方に配置するように、手動でターンさせるなど、ターンされるように構成することができる。駆動シャフト113は、カッター103及び撮像素子197を回転するように回転され得る。カッターの回転により、カッティングエッジの回転動作に起因する切削を行うことができ、また、撮像素子を介して管壁を撮像するのに必要な回転を提供する。駆動シャフトは、単一方向において約1000rpmなど、2000rpm以下で回転させることができるが、両方向、又はより高速度もしくは低速度が可能である。
【0040】
図2Aから
図2Cを参照すると、駆動シャフト113は、さらに、近位及び/又は遠位の方向において軸方向に平行移動するように構成することができる。駆動シャフト113のそのような軸方向の移動により、ヒンジポイント1109(例えば、ブッシング155におけるピン)周りにノーズコーン105を開及び/又は閉して、カッター103のカッティングエッジ112を露出させ、又は隠す及び保護することができる。例えば、ブッシング155は、径方向内側に延びる内側フランジ170を含むことができる。内側フランジ170は、ヒンジポイント1109に対して遠位に位置することができる。ブッシング155は、遠位端から近位端へ、径方向内側に角度付けられたスロープ状の外側遠位表面143をさらに含むことができる。最後に、カッター103は、近位縁部166と、駆動シャフト113からカッター103のヘッドへと狭まっている、テーパが付されたネック168とを含むことができる。これら様々な要素の相互作用により、ノーズコーン105を開閉することができる。
【0041】
一実施形態では、駆動シャフト113が近位に引っ込むことにより、ノーズコーン105を開きカッターを露出させる。例えば、駆動シャフト113が近位に引っ張られたとき、カッター103の近位縁部166は、ブッシング155のスロープ状の遠位表面143に押し進められる。スロープ状の遠位表面143は、遠位端から近位端へ、径方向内側に角度が付けされていることから、カッター103は、ブッシング155、そしてひいてはノーズコーン105を、カテーテル本体101の長手方向軸から離れて屈折させ、それにより、ノーズコーン105を開く(
図2Aから
図2B、及び、
図2Bから
図2Cへの移動を参照)。カッティング窓107は、ノーズコーン105が屈折されたときに、カッター103がノーズコーン105の外に突出することを可能にするように、カッター103及びカッティングエッジ112の直径よりも大である開口を有することができる。
【0042】
一実施形態では、駆動シャフト113が遠位に移動することにより、ノーズコーン105を閉じる。例えば、
図2Aから
図2Cに示すように、駆動シャフト113が遠位に押されたとき、カッター103のテーパが付されたネック168は、対応して遠位に移動する。テーパが付されたネック168の遠位への移動により、ブッシング155の内側フランジ170が、テーパが付されたネック168の、幅が広がっている縁部に沿って引きずられ、それにより、ブッシング155を持ち上げ、またこれに対応して、ノーズコーン105を閉じる(
図2Cから
図2B、及び、
図2Bから
図2Aの移動を参照)。ヒンジポイントが内側フランジ170に近いことから、ノーズコーンを完全に閉じることを可能にする機械的利点が達成される。
【0043】
図7Aから
図7Dは、ブッシング155のクローズアップを示している。図示のように、ブッシング155は、ノーズコーンが開いた構成(チャネル723)及び閉じた構成(チャネル721)にあるときに、撮像サブアセンブリのネック部分168を内部に保持するように構成された2つの相互に交わるチャネル721、723を含むことができる。チャネル721は、ブッシング155の長い遠位の軸を通り近位の軸へ延在するが、チャネル723は、チャネル721に対してある角度で延在し、かつチャネル721と重なっている。ブッシング155は、旋回ポイント1109を提供するように、ブッシング155の頂部の周囲領域を通り形成されたヒンジチャネル745をさらに含むことができる。ヒンジチャネル745は、チャネル721を横断することができる。
【0044】
ノーズコーンを開閉する他の機構が可能である。例えば、
図4Aから
図4Dに示すように、一実施形態では、カテーテル200(開閉機構を除き、カテーテル100に類似の機構を有している)は、近位端から遠位端に、カッティング窓107に向かって角度が付された、ブッシング155におけるカムスロット228を含むことができる。さらに、カム部材290は、カッター103に取り付けられることができ、かつカムスロット228を通して延在するように構成することができる。したがって、駆動シャフト113、そしてカム部材290が遠位に押されると、カム部材290は、角度が付されたカムスロット180内を移動する。角度が付されたカムスロット180内におけるカム部材290の移動により、ブッシング155、そしてノーズコーン150は下がる。逆に、ノーズコーンを閉じるために、駆動シャフト113を近位に引っ張ることができ、それにより、カム部材290がカムスロット228内を進み、ブッシング155を、細長い本体101のラインに戻すように引っ張る。
【0045】
粥腫切除用カテーテル400a、400bのノーズコーンを開閉する別の機構が、
図11A及び
図11B、並びに、
図12A及び
図12Bに示されている。カテーテル400a、400bは、ブッシング455a、455bの外側遠位表面443a、443bが、
図11Bに示すように、デバイスの長手方向軸に対して垂直である(それにより、角度αが90度になる)ことができる、あるいは、
図12Bに示すように、遠位端から近位端へ、径方向外側に傾斜させることができる(それにより、角度αが90度より大であり、長手方向軸との角度が90度未満である)ことを除いて、カテーテル100と同じ機構を有することができる。
図12Aから
図12Bの実施形態において、角度が付された空間が、カッターの近位縁部166と遠位表面443bとの間に提供され、それにより、接触点が、ブッシング455bの内側径方向縁部444のみであるようになっている。カテーテル400aは、カテーテル100に関して記載したのと同様に開閉する。しかし、カテーテル500bは、駆動シャフト113が近位に引っ張られたときに、表面443全体とは逆に、最も内側の径方向縁部444がカッター103の近位縁部166と相互作用するということにおいて、わずかに異なって開く。そのような構成は、ノーズコーン105を開くときに、摩擦を有利に低減することができる。いくつかの実施形態では、近位縁部166は、カテーテルの長手方向軸に対して角度を付けることができる。そのような場合、ブッシング455の対向する表面443は、近位縁部166に対して平行か、角度を付す(鋭角又は鈍角)ことができる。
【0046】
図3に示すように、粥腫切除用カテーテル100(又は200又は400)は、駆動シャフトを軸方向に移動することなどにより、ノーズコーン内に組織をパッキング(packing)するための機構をさらに含むことができる。一実施形態では、駆動シャフト113が遠位に移動することにより、ノーズコーン105を閉じる。駆動シャフト113をさらに遠位に移動することにより、使用時に、管の望ましくない切削を避けるために、カッター103を窓107の縁部によって保護することができる受動的(passive)位置(すなわち、窓107の遠位縁部に対する)にカッター103を移動する。駆動シャフト113をさらに遠位に移動することにより、カッター103をノーズコーン105内に移動し、こうして、
図3に示すように、カッター103の遠位面に組織をパッキングする。カッター103は、組織をパッキングするように、ノーズコーン105内に、1インチよりも大か、2インチよりも大など、0.5インチよりも大きいだけ移動することができる。いくつかの実施形態では、ノーズコーン105は、OCT透過性の材料(例えば、非金属)で形成され、それにより、パノラマOCT画像を、ノーズコーン105を通して取得できるようになっている。
【0047】
図14Aから
図14Bを参照すると、いくつかの実施形態では、ブッシング1655は、上述のブッシングの特徴をすべて含むことができるが、さらに、ジェットチャネル(jet channels)1785a、1785bをさらに含むことができ、このジェットチャネルは、ブッシングの内周面に切り取られており、近位端から遠位端へ延在する。ジェットチャネル1785a、1785bは、細長い本体101内の流体ラインをノーズコーン105に接続することができる。ジェットチャネル1785a、1785bを通り流れる流体は、速度を増すことができ、それにより、切られた物質をノーズコーン内にパックし、ノーズコーン内の撮像領域をクリアにするための十分な力を提供する。さらに、ジェットチャネルは、ブッシング1655の遠位端にベンチュリ効果を生じることができ、これにより、ノーズコーン内に物質を吸引し、かつ/又は、撮像/切削ヘッド及び/又は細長い本体の遠位端領域から外に吸い出すことができる。
【0048】
一実施形態では、粥腫切除用カテーテル100(又は200又は400)は、カテーテルをガイドするのに使用するための、モノレールなど、ノーズコーン105内にガイドワイヤ管腔を含んでいる。有利には、ガイドワイヤ管腔は、撮像の際のマーカとして使用することができる。
【0049】
粥腫切除用カテーテル100、200、又は400のいくつかの実施形態では、
図1A及び
図2Aから
図2Cに示すように、ノーズコーン105において、カッティング窓107とは反対側に、1つ以上の小さい撮像窓207、307が存在し得る。これら追加の撮像窓207は、撮像の際に、180度より大きい視野を提供することができる。さらに、窓207の一方の組は、ノーズコーンが開いたときに、より近位で、カッター103及び撮像素子192と軸方向に整列するように構成することができ、窓307の他方の組は、ノーズコーンが閉じられカッター103が受動的位置に置かれたときに、より遠位で、カッター103及び撮像素子192と軸方向に整列するように構成することができる。いくつかの実施形態では、撮像窓307、207は、結果として得られるOCT画像において、カッターの位置を識別することをさらに補助するように、互いとは異なる形状を有している。
【0050】
図8Aから
図11Bを参照すると、デバイスを有するOCT画像のカテーテルは、3つの異なる構成(ノーズコーンが開いた構成、カッターが切削位置にあるノーズコーンが閉じた構成、及び、カッターがパッキング位置にあるノーズコーンが閉じた構成)において、撮像デバイスの配置に応じて変化する。したがって、ユーザは、単に撮像ディスプレイを見ることにより、ノーズコーン105が変位しているか、及び、カッター103が切削位置にあるのか、パッキング位置にあるのかを識別することができる。
【0051】
例えば、
図8Aは、
図8Bに示すように、カッター103(及び、対応して、撮像センサ)が切削位置にあるときの、取り囲んでいる管のパノラマ画像800を示している。ノーズコーン105の壁は、画像800の円形の外観808として表示される。さらに、ノーズコーン105が透明(clear)な材料で形成されていることから、管の組織806は、ノーズコーン105を通しも撮像することができる。こうして、画像800に見ることができるように、組織806の180度の視野を得ることができる。画像内の円形のアーチファクト803(及び、ここでは、径方向のライン801)は、ノーズコーン105の横に通るガイドワイヤ及び/又はガイドワイヤチャネルに対応する。
【0052】
画像800とは対照的に、
図9Aは、
図9Bに示すように、カッター103が受動的位置にあり、ノーズコーン105が閉じているときの、取り囲んでいる管のパノラマ画像900を示している。管の組織906の180度の視野が、(窓107を通して取得された)画像の右側に示されており、一方、閉じられたノーズコーン909が、(線909a、909bが、ブッシングの壁に対応している)画像の左側に示されている。画像の左側に組織906を見ることができる、線909aと線909bとの間の空間913は、ブッシングにおける追加の窓307により取得される。さらに、画像900における矢印間の距離は、遠位先端が「閉じられている」(そして、したがって、カテーテルの中間線の近位で閉じている)ことを示している。
【0053】
最後に、画像900とは対照的に、
図10Aは、
図10Bに示すように、カッター103が切削位置にあり、ノーズコーン105が開いているときの、取り囲んでいる管のパノラマ画像1000を示している。(窓107を通して取得された)管の組織1006が、画像の右側に示されており、一方、閉じられたノーズコーン1009が、(線1009a、1009bが、ブッシングの壁に対応している)画像の左側に示されている。組織1006を見ることができる、線1009aと線1009bとの間の空間1013は、窓207により取得される。
図9A及び
図10Aにおける矢印間の相対距離の比較により、カテーテル本体とノーズコーンとの間の距離が増大したことが示され、それにより、ノーズコーン105が開位置にあることが手術者に示唆される。さらに、いくつかの実施形態では、ノーズコーンが開いているあるいは閉じているとき、窓207/307からの画像は、窓207/307と撮像素子297との間の角度の変化、及び/又は、窓207/307の形状が異なることに起因して、異なって見える。
【0054】
一実施形態において、粥腫切除用カテーテル100(又は200又は400)は、カッター103の近くに洗浄(flush)ポートを含んでいる。洗浄ポートは、撮像領域に洗浄流体を搬送し、それにより、画像の品質を向上させるために使用することができる。いくつかの実施形態では、洗浄は、デバイスのハンドルにおける機構を通して作動させることができる。流体は、例えば、カテーテル本体101と駆動シャフト113との間の環状空間に流すことができる。さらに、ブッシング内にジェットチャネルを有する実施形態では、環状空間は、ジェットチャネルに接続して、このジェットチャネルに流体を提供することができる。
【0055】
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、粥腫切除用カテーテル100、200、400は、カッター103を組織内に進行させる補助をするように構成された2つ以上のバルーンをさらに含むことができる。第1バルーン333は、最も遠位のバルーンとすることができる。第1バルーン333は、ヒンジポイント1109に近位で、かつ、カッティング窓1107とは反対側に位置決めすることができる。このバルーン333は、カッター103を上方に、かつ組織内へ偏向することにより、カッター103を組織に付勢することができる。遠位のバルーン333に近位の第2バルーン335は、カテーテル100におけるカッティング窓107と同じ側にあることができ、カッター103の組織内への動作をさらに補助することができる。いくつかの実施形態では、第2バルーン335は、環状とすることができる。いくつかの実施形態では、第2バルーン335は、管を塞ぐことを補助することができる。さらに、いくつかの実施形態では、(
図6に示すように)第3バルーン337を閉塞に使用することができる。バルーン333、335、337の1つ以上は、2psi未満などのわずかな圧力で膨張するように構成することができる。低圧であることは、有利に、バルーン333、335、337が管壁を強く押すことを防止するが、それでもカッター103を組織内へ付勢するのに十分な圧力を提供する。バルーン333、335、337は、近位縁部及び遠位縁部に、テーパ付きの縁部をさらに含むことができ、これによりバルーンを管に沿ってスライドさせ、及び/又は、曲がった領域を通り抜けることを可能にする。
【0056】
図15及び
図16Aから
図16Cを参照して、別の実施形態では、粥腫切除用カテーテル100、200、400は、カッター103を組織内へ付勢すること、及び撮像を向上させるために血流を塞ぐことの両方を行うように構成された単一のバルーンを含むことができる。
図15を参照すると、バルーン1733は、三日月形状を有しており、すなわち、カッター103が露出するところを除いてカテーテル100の全周を覆うようにカテーテル100の周りを包むことができる。そのような形状のバルーン1733を使用することにより、カテーテル100と管1723との間の隙間は、実質的に低減され、有利には、血液を視野から移動させるために必要な局所的な洗浄を無にするあるいは低減する。一実施形態では、三日月形状を作製するために、バルーンは、ノーズコーン105及び細長い本体101の周りに巻き付けられた広いネックを両端に含んでおり、よってこれらのネックは、円周表面の少なくとも半分を覆う。
図16Aは、巻かれたバルーンの縁部1735を示し、一方、
図16Bは、両端で融合した広いネック1737を示している。
図16Cは、バルーン1733の長さに渡るガイドワイヤ管腔1741と共に、バルーン1733の内側に含まれた膨張ポート1739を示している。いくつかの実施形態では、バルーン1733は、駆動シャフトを近位又は遠位に移動する必要なしに、ノーズコーンを開くあるいは閉じるために使用することができる。
【0057】
図5を参照すると、ハンドル300は、カテーテル100、200、又は400に関する駆動シャフトの回転又は平行移動を制御するために使用することができる。ハンドル300は、有利には、光ファイバを近位の位置で動かす必要なしに、例えば、駆動アセンブリ内で光ファイバアセンブリの移動を必要とすることなく、光ファイバが駆動されるように、カッターと共に光ファイバを遠位及び近位に移動させることを可能にする。したがってハンドル300は、駆動シャフトの動作を完全に把握するように設計することができる。例示的な駆動シャフト管理システム555が
図5に示されている。駆動シャフト管理システム555は、駆動シャフトが同時に高速で回転しているときに、ユーザが駆動シャフトを遠位又は近位に位置決めすることを可能にする。いくつかの実施形態では、駆動シャフトは、駆動シャフト管理システム555がその最も近位の位置に位置決めされる前に駆動シャフトが十分に引っ張られるように構成することができる。すなわち、駆動シャフト管理システム555は、駆動シャフト引張バネ556を含むことができる。このバネ556は、ユーザがスライド可能なユーザリング557(又はボタン)を近位に配置するとき、駆動シャフトが完全に引っ張られ、駆動シャフト管理システム555が近位に移動し、バネ556を圧縮させ、制御された引張荷重を駆動シャフトに印加させるように構成することができる。このファイバ管理システム555は、有利には、既定の荷重で駆動シャフトを引っ張り、カテーテルの遠位端でブッシングに対して切削及び撮像部品を適切に配置することによって、カテーテルの性能を向上させ、カテーテルの切削及び撮像を向上させる。
【0058】
駆動シャフト管理システム555は、以下にさらに記述するように、駆動アセンブリを起源とするトルクを伝達することができる。駆動アセンブリへの接続は、光学コネクタ559において行うことができる。こうして、トルクを光学コネクタ559からファイバクレードル551を通して駆動キー560へ、駆動シャフト管理システム555を通して、カテーテル駆動シャフトに直接伝達することができ、これらのすべては、接続された状態で回転することができる。ファイバクレードル551は、光ファイバの近位端を収容し、駆動シャフトシステム内でトルクを伝達する、一組の部品(すなわち、ファイバクレードル全体を形成する一対のピース)を含むことができる。ファイバクレードル部品は、設計によって薄い壁のものとすることができ、それにより、内部に中空の空間を作成する。ファイバクレードル551のこの中空の空間内では、デバイス駆動シャフトが近位にあるいは遠位に位置決めされるときに、光ファイバが挿入される、あるいは引き出されることができる。ユーザリング557が近位に位置決めされるとき、ファイバがファイバクレードル551に挿入されるように、ファイバは、遠位先端までのその長さにわたる撮像を維持しつつ、ファイバクレードル551の内部空間内で巻くことができる。逆に、ユーザリング557が遠位に位置決めされるとき、ファイバがファイバクレードル551内から引き出されるように、ファイバのコイル状のセクションは、遠位先端までのその長さにわたる撮像を維持しつつ、真っ直ぐにすることができる。この設計の特徴は、有利に、駆動シャフトシステム全体に対して、より多くのファイバの収容能力、又は「スラック」を提供して、駆動シャフトシステムが平行移動することができる範囲を増加させる。
【0059】
ハンドル300は、さらに、一方側においてバルーン膨張管腔(例えば、上述のように、カテーテルにおいてバルーンと共に使用するため)に接続し、他方側においてバルーン膨張配管553及び/又はポート554に接続するように構成されたバルーン膨張チャンバ552をさらに含むことができる。膨張流体がバルーン膨張チャンバ552を通してバルーンに移動することから、外側シャフト111は、有利には、(例えば、ノブ558を回転させることにより)バルーン膨張チャンバ552とは独立して回転することができ、外側シャフト111の回転の間、配管553及び/又はポート554を静止したままとすることができる。
【0060】
さらに、
図5に示すように、ハンドル300は、カテーテル洗浄チャンバ663、カテーテル洗浄配管664、及び/又は洗浄ポート665をさらに含むことができ、上述のように、カテーテルを通して洗浄を提供できる。
【0061】
上述の粥腫切除用カテーテルのいずれも、動脈において石灰化し硬化した線維症を除去するように設計された、鋸歯状の遠位縁部を有するカッターとともに使用することができる。石灰化及び硬化した線維症は、プラークに比べて硬度が高いことに起因して、除去が困難である場合がある。標準的なカッターは、動脈のプラークの大部分を除去するのに問題を有しないかもしれないが、場合によっては、粥腫切除用カテーテルが遭遇するプラークは、通常遭遇するプラークよりも硬く及び/又は大容量である場合がある。このことは、脂肪及びコレステロールの割合に比べ、カルシウム、フィブリン、及び他の細胞排泄物の割合がより高いプラークに起因するかもしれない。鋸歯状のカッティングエッジを有する鋸歯状又は波状のカッターは、石灰化したもの及び線維症の切削及び壊して離すことを容易にすることができる。鋸歯状の縁部は、小さい面積において大きな力を利用することによって、カルシウム内に有利に切り込み始めることができ、それにより、最も高い切削効率を提供し、硬化した疾患に係合して切り込む。
【0062】
図17A及び
図17Bは、鋸歯状のカッター1703を有する例示的な粥種切除用カテーテル1700を示している。カテーテル1700は、カテーテル本体1701と、軸外のヒンジポイント1709でカテーテル本体1701にヒンジで連結したノーズコーン1705とを含む。他の実施形態のように、ノーズコーン1709は、組織を内部に収集するように構成することができる。いくつかの実施形態では、カッター1703は、ノーズコーン内に組織をパックするために、遠位に移動することができる。ノーズコーン1705が屈折されたとき、カッター1703の鋸歯状のカッティングエッジ1710は、組織内に押し込まれ得る。バルーン1733は、膨張されたとき、組織の方へカッティングエッジ1710を移動させることを補助することができる。
【0063】
図18Aから
図31Eは、動脈において石灰化した硬い線維症を破壊するために、例えば粥腫切除用カテーテル1700により使用することができる鋸歯状カッターの様々な実施形態を示している。鋸歯状のカッティングエッジは、疾患の動脈において、硬く石灰化した線維症に係合するように構成された様々な鋸歯状の幾何学形状を有して高速で回転することができる。
【0064】
図18Aから
図18Eは、石灰化したプラークを除去するために設計された鋸歯状のカッター1800の第1の変形形態を示す。
図18Aから
図18Eが示すように、鋸歯状のカッター1800は、近位端1802及び遠位端1804を有する。近位端1802は、粥腫切除用カテーテルの駆動シャフトに取付け可能である。遠位端1804は、歯1812を含む、鋸歯状のカッター1800の周囲に沿うカッティングエッジ1810を含んでいる。歯1812は、石灰化した組織へ切り込むように構成された縁部1810に沿う鋸状の鋸歯を形成している。したがって、カッター1800が回転したとき、カッティングエッジ1810の歯1812は、沈着物の破損及び/又は除去のために、石灰化した沈着物の良好なつかみ及び把持に寄与する。
図18Eは、駆動シャフト1813に取り付けられるカッター1800の断面図を示している。
【0065】
鋸歯状のカッター1800はまた、カッティングエッジ1810からカッター1800の中心軸へ径方向内側に延びる、対称で、へこんだあるいは凹状のボウル1814を含む。非対称のキャビティ1816(すなわち、カッター1800の中心軸からずれて延在する)がボウル領域にさらに含まれている。非対称のキャビティ1816は、カッター1800のボウル領域1814の表面積の1/3と1/2との間をカバーする。非対称のキャビティ1816は、
図18Dに示すように、より硬い形態のプラークを壊すことのさらなる補助となる3つの領域を含んでいる。さらに、シーム1815は、非対称のキャビティ1816の3つの領域の輪郭を描き、非対称のキャビティ1816の壁の表面の上方に僅かに突出してもよい。ここで、シーム1815は、鋭敏であってもよく、あるいは石灰化したプラークの沈着物を把持し粉々にすることを補助する把持機構を含んでもよい。また、非対称のキャビティが3つの領域よりも多い、あるいは少ない領域を含むことも考えられる。カッター1800が回転したとき、非対称のキャビティ1816は、軸の外れた側壁及び/又はシームがボウル1814内の硬い片に当たるので、有利に、ボウル1814内のカルシウムのプラークを壊し、石灰化したプラークがそれ自体に折り返す(これは、カッターの失速に繋がり得る)ことを有利に避ける。
【0066】
カッター1800の各歯1812は、粉砕セグメント1818に隣接(borders)する。粉砕セグメント1818は、ボウル1814における凹部又はすくい部であり、ボウル1814よりも大きい曲率を有する。粉砕セグメント1818は、(
図18C及び
図18Eに見られるように)カッター1800の遠位端1804で凹状の湾曲を有している。鋸歯状のカッター1800の粉砕セグメント1818は、主に半円形の形状であり、カッター1800の周辺部周りに等距離に配置されている。粉砕セグメント1818は、カッターが回転している間、遭遇する石灰化したプラークへ、よりピンポイントの力を加えることによって石灰化したプラークにおける粉砕、切断、及び/又は把持を行うように構成された、鋭い縁部又はポイントを周囲に有することができる。他の変形形態では、カッター1800の周囲に配置された粉砕セグメント1818は、別の形状(例えば、正方形又は長方形の切欠き、三角形の切欠き、対称、非対称など)としてもよい。さらに、粉砕セグメント1818は、カッターの周辺部周りに等間隔で配置することができる、あるいはカッターの周辺部周りに、より不均等又はより不均一に配置することができる。
【0067】
図19Aから
図19Eは、石灰化したプラークの沈着物を除去するために設計された鋸歯状のカッター1900の第2の変形形態を示す。
図19Aから
図19Eに示す鋸歯状のカッター1900は、歯1912を有する鋸歯状のカッティングエッジ1910、及び、カッティングエッジ1910の周囲に沿って均等に配置された半円形の粉砕セグメント1918など、
図18Aから
図18Dに示すカッター1800と同じ多数の特徴を有している。
図18Aから
図18Eに示す設計と同様に、粉砕セグメント1918は、カッター1910の周辺部に沿って配置された、ボウル1914内の凹部であることができる。粉砕セグメント1918は、カッターが回転するときに、石灰化したプラークの把持及び粉砕を補助することができ、及び、遭遇した石灰化したプラークに目標となる力を加え、より硬いプラーク形成物をより容易に取り除くことができる。ボウル1914は、より大きなプラーク形成物を収容するために、基本的に半球形状において対称かつ凹状となっている。いくつかの変形形態では、ボウル領域1914はまた、カッターが回転するとき、石灰化したプラークを把持及び粉々にすることをさらに補助することができる追加の特徴を含んでもよい。追加の特徴には、壁に沿って対称又は非対称に配置された、突起、又はキャビティがその側壁周りに含まれ得る。突起は、鋭敏な縁部又はポイントを有してもよく、キャビティは、鋭敏な縁部を有しもよい。これら特徴は、手術の間、石灰化したプラークをつかむことを得るのに助けになる。鋸歯状のカッターが回転している間、把持及びつかみの助けになる、ボウルのベースにおける特徴もまた存在してもよい。
【0068】
石灰化したプラークをより容易に除去するための鋸歯状のカッター2000の別の変形形態が
図20Aから
図20Eに示されている。鋸歯状のカッター2000は、その周辺部に沿って配置された鋸歯状のカッティングエッジ2010を有するボウル領域2014を含む。カッティングエッジ2010は、複数の粉砕セグメント2018を間に伴って、周囲に延びる複数の歯2012を含む。粉砕セグメント2018は、鋸歯状の縁部2010に沿ってより深いすくい部分(scooped portion)を形成することができる。粉砕セグメント1218は、軸を外す、あるいはらせん状の方式で、ボウル2014の中心に向かって径方向内側に、かつ、この中心を越えて延びることができる。すくい状の粉砕セグメント2018が
図20Dに対称的なパターンで示されているが、カッター2000は回転するので、すくい領域2018は、ボウル領域2014内で非回転対称を生成し、これにより、粉砕セグメント2018の壁がプラークを把持し、プラークをすくい上げ、プラークを砕くことを可能にする。粉砕セグメント2018の歯2012と、軸を外したすくい部の切り込みとの組合せは、カッター2000が回転するとき、石灰化したプラークの切削及び粉砕を向上させる。歯2012及び/又は粉砕セグメント2018は、使用中に、石灰化したプラークのつかみをさらに補助するように、すくい領域2018の表面に対して上昇した縁部又はシーム2016をさらに含んでもよい。さらに、ボウル2014及び/又は軸を外したすくい領域はまた、カッターの使用中に遭遇するプラークの沈着物におけるカッターのつかみ(purchase)をさらに向上させることが可能である他の把持構造(gripping texture)又は機構(features)を含んでもよい。
【0069】
図21Aから
図21Eは、石灰化したプラークを除去するのに適切な鋸歯状のカッター2100の別の変形形態を示している。鋸歯状のカッター2100はまた、カッター2100の周囲に沿って鋸歯状のカッティングエッジ2110をも含んでいる。鋸歯状のカッター2100は、ボウル領域2114をも含んでいる。カッター2100は、一連の歯2112と、一連のえぐれた粉砕領域(scooped out grinding regions)2118とをさらに含んでおり、この粉砕領域は、各々が、カッティングエッジ2114を始点とし、ボウル領域2114の中心に向かって内側に延びている。えぐれた領域2118の縁部は、カッティングエッジ2110に周辺部に沿った凹状部分に対応している。カッターが回転するとき、歯2112及びすくい状の粉砕セグメント2118は、石灰化した領域のつかみ、及び、石灰化したプラークへの目標の力の提供をかなり補助する。この例では、一連のすくい状の粉砕セグメント2118は、ボウル領域2114内でらせん状のパターンにて配列されている。らせん状のカッティングパターン2118は、カッターが回転するとき、プラークの把持、及びプラークの切除を有利に補助することができる。カッター2100はまた、使用時にカッターの把持能力を増大させる、ボウル2114内のさらなる特徴2116を含んでもよい。
【0070】
図22A及び
図22Bは、外周に沿って鋸歯状部分を有していないカッター2200を示している。カッター2200は、すでに記述した他のカッターと同様に、ボウル領域2214を含んでいる。カッター2200は、その周辺部に沿ってカッティングエッジ2210を有する。カッティングエッジ2210は、平滑で連続している。鋸歯状部分を有するよりむしろ、カッター2200は、ボウル領域2214の内周に沿って分布した一連のブレーカポケット又は粉砕セグメント2218を有している。各粉砕セグメント2218は、硬化したプラークをつかむ助けになり、遭遇した石灰化したプラークを壊し除去するのに役立つキャビティ(ボウル2214よりも大きい曲率を有する)を含んでいる。粉砕セグメント2218は、円形又は卵形の形状とすることができる。粉砕セグメント2218とボウル領域2214の領域との交差部は、硬化したプラークの把持及び破壊をさらに補助する鋭い縁部を有してもよい。カッター2200が回転するとき、粉砕セグメント2218は、プラーク構造をさらに押しつぶし、これらの取り壊したプラークをノーズコーン領域へ送ることを補助することができる。
図22A及び
図22Bに示す粉砕セグメントは、対称的でありボウル領域内に均等に分布しているが、いくつかの実施形態では、ブレーカポケットは、形状が非対称であり、すべてが同じサイズではない場合がある。
【0071】
いくつかの例では、カッターの大きい外径とカテーテルのノーズコーンの内径との間が密にフィットしていることに起因して、液圧が存在してもよい。
図23A及び
図23Bを参照すると、カッター2300は、液圧のいくらか又はすべてを軽減可能かもしれない特徴を含んでいる。既に述べたカッターの多くと同様に、カッター2300は、ボウル領域2314と、その周りに配置された鋸歯状のカッティングエッジ2310とを含んでいる。ここで、歯2312は、ボウル領域2314の周辺部周りに分布されたV形状の溝2323によって分けられている。さらに、カッター2300のV形状の溝2323は、カッター2300の外壁2320に沿って延在してもよく、その結果、V形状の溝2318が存在する場合、対応するV形状の溝2319がV形状の溝2323からカッター2300の外壁の全長に沿って延在する。カッター2300の外壁周りに間隔をあけたV形状の溝2319は、カッターが前方により深くノーズコーンにスライドするときで、次いで、カッターの回転中にカッターが後方に引かれたときに、ノーズコーンに生じるかもしれない液圧を開放する役割を果たす。
【0072】
図24A及び
図24Bを参照すると、カッター2400が示されている。カッター2400は、ボウル領域2414と、このボウル領域2414の周辺部に沿って配置された鋸歯状のカッティングエッジ2410とを含んでいる。鋸歯状のカッティングエッジ2410は、カッティングエッジ2410における浅い切欠き2423によって分けられた複数の歯2412を含んでいる。カッターのこの変形形態では、浅い切欠き2423は、カッター2400の外壁2420に沿って延在し、カッター2400の外壁2420に配置された丸みを帯びた溝2419を形成する。丸みを帯びた溝2419は、前述のV形状の溝2319と同様に、回転カッターがカテーテルのノーズコーンに押し込まれるときに増大され得る液圧を開放する役割を果たすことができる。
【0073】
図25A及び
図25Bは、カッター2500で、カッターの外壁に沿って溝を含むカッター設計の別の変形形態を示している。ここで、カッター2500は、ボウル領域2514と、このボウル領域2514の周辺部に沿って配置された鋸歯状のカッティングエッジ2510とを含んでいる。カッティングエッジ2510は、V形状の凹部2512によって分けられた歯2510によって形成されている。V形状の凹部2523は、非対称であり、その結果、非対称な凹状領域2512から形成され、カッター2500の外壁2520に沿って延在する溝2519がまた、事実上、非対称であるようになっている。カッターの外壁に沿って非対称の溝を配置することの利点は、カッターが回転するときに、ノーズコーンの内径に溝の縁部が捕らえられる可能性が低いことである。
【0074】
別の変形形態のカッター2600が、
図26A及び
図26Bに示されている。カッター2600は、ボウル領域2614と、このボウル領域2614の周辺部に沿って配置されたカッティングエッジ2610とを含んでいる。ここで、カッティングエッジ2610は、ボウル領域2614の周辺部周りに滑らかな切除表面を有している。カッター2600は、カッター2600の外壁2620周りに配置された、傾斜溝2619をさらに含んでいる。傾斜溝2619は、カッティングエッジ2610の真下のカッター2600の外壁2620を始点として、平滑なカッティングエッジ2610から離れて延在することによって、平滑なカッティングエッジ2610を保持している。カッター2600は、遭遇するプラークが硬化及び石灰化した変異形態ではなく、平滑なカッティングエッジが、遭遇するプラークをうまく除去することができる状況において使用され得る。外壁2620の周りに配置された溝は、カッターが押され、次いでカテーテルのノーズコーンから引っ張られて戻るときに、液圧の増加を最小にすることができる。
【0075】
図27Aから
図27Eは、鋸歯状の環状カッティングエッジ2710、凹状ボウル2714、及び複数の粉砕セグメント2718を有する、別の例示的実施形態の鋸歯状のカッター2700を示している。カッター2700は、環状のカッティングエッジ2710からカッター2700の中心へ径方向内側に延びる凹状ボウル2714を含むことができる。凹状ボウル2714は、カッティングエッジ2710から径方向内側に収束角度(converge angle)で延在可能である。例えば、凹状ボウルのこの収束角度は、
図27Eに示すように、90度とすることができる。
【0076】
カッター2700は、カッティングエッジ2710から径方向内側に延びる複数の粉砕セグメント2718又は凹み(dimples)をボウル2714内にさらに含むことができる。複数のセグメント2718の各々は、実質的に円形あるいは卵形の形状を有することができる。いくつかの他の実施形態では、複数のセグメント2718は、別の形状であってもよい。さらに、複数のセグメント2718の各々は、ボウル2714の曲率よりも小さい曲率を有することができる。
図27Aから
図27Dに示すように、複数の粉砕セグメント2718の各々は、平らな切り子面(すなわち、曲率がゼロであり、曲率半径が無限大であるような)とすることができる。複数の粉砕セグメント2718は、有利には、凹状ボウル271の均一性を破り、したがって、カルシウムなどの硬い物質の破壊を容易にする。セグメントの数は、2、3、4、5、6、8、12、又はこれらの間の任意の数とすることができる。例えば、カッター2700は、
図27Aから
図27Eに示すように、6つの粉砕セグメント2718を有することができる。さらに、複数の粉砕セグメント2718は、カッターの周辺部周りに等しい間隔で配置することができる、又は、カッターの周辺部周りに、より不均等もしくはより不均一に配置することができる。複数のセグメント2718は、カッティングエッジ2710の外周周りに、対称的又は非対称的に配置することができる。
【0077】
図27Aから
図27Eに示すように、複数のセグメント2718の各々は、鋸歯状の環状カッティングエッジ2710の凸状の歯2712を形成することができる。凸状の歯2712は、円形もしくは楕円形の一部分、又は他の凸形状とすることができる。凸形状の歯2712は、カッティングエッジ2710の最も遠位の外周に沿って鋭いポイントが形成されていないことから、有利であることができる。切除する組織から円弧に沿って一様な力が作用することから、凸形状の部分は、組織との接触が穏やかであり、長い切除長さを有し、よって、長時間、組織と再度係合する。複数の凸状の歯2712は、カッターが回転している間、遭遇する石灰化したプラークへピンポイントの力を加えることにより、石灰化したプラークへの粉砕及び把持を行うように構成することができる。
【0078】
図27C及び
図27Eに示すように、鋸歯状の環状カッティングエッジ2710は、カッター2710の最も外側の外周に対して(及び/又は、カッターが取り付けられるカテーテルの細長い本体に対して)、径方向内側に角度を付けることができる。遠位先端2704におけるカッターの縁部2710の外側側壁は、長手方向に沿って、カッター2700(又は、取り付けられたカテーテル本体)の最も外側の外周の側壁に対して、ある角度αとすることができる。角度αは、カッティングエッジ2710がノーズコーン自体に切り込まないようにすることが有利である。角度αは、いくつかの実施形態では、2度から12度の間とすることができる。例えば、角度αは、5度とすることができる。鋸歯状の環状カッティングエッジ2710の遠位先端2704は、細長い本体の外径に対して径方向内側に、2度から12度によって延在することができる。鋸歯状の環状カッティングエッジ2710は、径方向に傾斜し、かつ、4度と20度との間の収束角度でカッター2700の中心軸に集まることができる。例えば、この収束角度は、
図27Eに示すように、いくつかの実施形態では10度とすることができる。
【0079】
図28Aから
図28Eは、鋸歯状の環状カッティングエッジ2810、凹状ボウル2814、及び複数の粉砕セグメント2818を有する、別の実施形態における鋸歯状のカッター2800を示している。鋸歯状の環状カッティングエッジ2810は、複数の歯2812を有することができる。
図28Aから
図28Eに示すように、複数のセグメント2818の各々は、鋸歯状の環状カッティングエッジ2810の歯2812間に凹状の縁部を形成することができる。粉砕セグメント1818の曲率は、ボウル2814の曲率よりも大とすることができ、それにより、ボウル2814において凹部又はキャビティを形成する。セグメントの数は、2、3、4、5、6、8、12、又はこれらの間の任意の数とすることができる。例えば、カッター2800は、
図28Aから
図28Eに示すように、7つの凹状の粉砕セグメント2818を有することができる。さらに、複数の粉砕セグメント2818は、図示のように、カッターの周辺部周りに等しい間隔で配置することができる、又は、カッターの周辺部周りにより不均等もしくはより不均一に配置することができる。複数のセグメント2818は、カッティングエッジ2810の外周周りに、図示のように対称的、又は非対称的に配置することができる。
【0080】
図28Cに示すように、鋸歯状の環状カッティングエッジ2810は、カッター2800の外径に対して(及び/又は、カテーテルの細長い本体に対して)、径方向内側に角度を付けることができる。カッターの縁部2810の外側の側壁は、長手方向に沿って、カテーテル2800の細長い本体の側壁に対して角度βを形成する。角度βは、いくつかの実施形態では、2度から12度の間とすることができる。例えば、角度βは、5度とすることができる。鋸歯状の環状カッティングエッジ2810の遠位先端は、細長い本体の外径に対して径方向内側に、2度から12度により延在することができる。角度βは、有利には、カッティングエッジ2810がカテーテルの遠位先端又はノーズコーンに切り込まないことを確実にしている。鋸歯状の環状カッティングエッジ2810は、径方向に傾斜し、かつ、4度と20度との間の収束角度でカッター2800の中心軸に集まることができる。例えば、この収束角度は、
図28Eに示すように、いくつかの実施形態では10度とすることができる。
【0081】
図29Aから
図29Eは、歯2912を有する鋸歯状の環状カッティングエッジ2910と、凹状ボウル2914とを含むカッター2900を示している。粥腫切除用カッター2900は、カッターが7つよりむしろ5つの粉砕セグメント2918を含むことができる点を除き、カッター2800と同様とすることができる。さらに、セグメント2918の各々は、カッター2800のものよりも長くすることができ、例えば、カッティングエッジ2910の周囲に沿ってより長い距離で延在することができる。
【0082】
図30Aから
図30Eは、歯3012を有する鋸歯状の環状カッティングエッジ3010と、凹状ボウル3014とを含むカッター3000を示している。カッター3000は、カッターが10個の粉砕セグメント3018を含むことができる点を除き、カッター2800及びカッター2900と同様とすることができる。粉砕セグメント3018は、実質的に半円形状を形成することができる。
【0083】
図31Aから
図31Eは、カッター3100を示している。カッター3100は、粉砕セグメント3118が互いにより近接することができ、それにより歯3112をより短くしている点を除き、カッター3000と同様とすることができる。例えば、カッター3100の各歯3112のカッティングエッジは、各粉砕セグメント3118のカッティングエッジの長さの、約0.25など、約0.1から0.3とすることができる。対照的に、各歯3012のカッティングエッジは、各粉砕セグメント3018のカッティングエッジの長さの、約0.5など、約0.4から0.6とすることができる。いくつかの実施形態では、カッター3100は、カッター3000(例えば、8フレンチ(French)のカテーテル内に存在するように構成することができる)よりも、全体のサイズにおいて、より小さくすることができる(例えば、7フレンチのカテーテル内に存在するように構成される)。
【0084】
本明細書に記述のカッターは、例えば、膝上方の粥腫切除手術に使用することができる。そのような実施形態では、カッターは、8フレンチのカテーテルにフィットするように設計することができ、このため、例えば、約0.077インチなど、0.07インチと0.9インチとの間の直径を有することができる。本明細書に記述のカッターはまた、例えば、膝の下の粥腫切除手術に使用することもできる。そのような実施形態では、カッターは、7フレンチのカテーテルにフィットするように設計することができ、例えば、約0.065インチなど、0.05インチと0.07インチとの間の直径を有することができる。本明細書に記述のカッターにおける凹状ボウルは、有利に、切除された組織又はプラークを、粥腫切除デバイスのノーズコーンにおける収集チャンバに収集し、押し込むことを補助することができる。
【0085】
記述のカッターは、遭遇するかもしれないより柔らかい形態のプラークと同様に、動脈内に見られる石灰化したプラークの沈着物をつかみ粉々に壊すのに役立つものとすることができる。石灰化したプラークは、そのより柔らかいプラークの同等物よりもかなり硬いことから、石灰化したプラークを取り除ききれいにするためのカッターの繰返し使用は、引き続いての使用の間、石灰化したプラークの把持及び取り除きの能力が低下する、カッティングエッジの切れ味が悪くなることに容易に繋がり得る。したがって、鋸歯状のカッターのいくつかの例では、カッティングエッジ、又は、カッティングエッジ及びボウルを含むカッターの領域全体でも、硬化材でコーティングされ、あるいは硬化材に浸漬される場合がある。適切な硬化コーティングには、炭化タングステン、グラフェン、などの炭素複合材料が含まれてもよい。本明細書に記述されるカッターは、特定の特徴と共に示されているが、記述されたカッターとは異なるカッターからの異なる特徴が、本明細書に明確には記述されていない特徴の組合せを有するカッターを形成するように組み合わされてもよいことが考えられる。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書に記述のカッターの鋸歯状のカッターは、手術者が使用中にカッターの侵襲性を変化させることができるように、互いに、及び/又は、鋸歯状ではないカッターと相互に交換可能であるように構成することができる。
【0087】
本明細書に記述のカッターの一つの実施形態の任意の特徴が、追加され、削除され、及び/又は、他の実施形態と合わされることができることを理解されたい。
【0088】
本明細書に記述の粥腫切除用カテーテルは、有利には、組織のストリップを除去するため、及び/又は、硬化又は石灰化した組織を除去するために、使用することができる。
図13Aは、本明細書に記述の粥腫切除用カテーテルによって組織から切除された物質の、単一の長いストリップの除去を示している。
図13B及び
図13Cは、除去された組織(70.4mgの重量)の長さを示している。
【0089】
本明細書に記述の粥腫切除用カテーテルは、以下の同時係属中の出願に記載の任意の特徴を追加的に含んでもよい。「ATHERECTOMY CATHERES WITH IMAGING」と題され、2013年3月15日に出願されたPCT出願のPCT/US2013/031901号明細書、「BALLOON ATHERECTOMY CATHERS WITH IMAGING」と題され、2013年3月15日に出願されたPCT出願のPCT/US2013/032494号明細書、及び、「ATHERECTOMY CATHETERS AND OCCLUSION CROSSING DEVICES」と題され、2017年3月16日に出願されたPCT出願のPCT/US17/22780号明細書。これら文献はすべて、その全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0090】
本明細書に記述のカテーテルは、駆動アセンブリを使用して駆動させることができる。例示的な駆動アセンブリは、以下の同時係属中の特許出願に記載されている。「ATHERECTOMY CATHETER DRIVE ASSEMBLIES」と題され、2013年3月15日に出願されたPCT出願のPCT/US13/32089号明細書、及び、「ATHERECTOMY CATHETERS AND NON-CONTACT ACTUATION MECHANISM FOR CATHETERS」と題され、2012年10月17日に出願された米国特許出願の13/654,357号明細書。これら文献は両方とも、その全体が、参照することによって組み込まれる。
【0091】
また、本明細書に記述されるものは、関連する医療処置の間に、粥腫切除用カテーテルのコントローラ又は駆動アセンブリなどの、医療用デバイス部品を維持し及び位置決めするための支持アームである。特に、この支持アームは、処置テーブル(procedure table)にごく接近した任意のレールに容易に取り付けることができ、カテーテル(例えば、粥腫切除用カテーテル)制御ユニットへの都合のよいアクセスを提供するために複数の位置を取ることができる。
【0092】
例示の支持アームアセンブリ9100が、
図32Aから
図32Cに示されている。一般的に、支持アームアセンブリ9100は、クランプ9110、支持アーム9130、及びデバイスマウント9150を含むことができる。いくつかの実施形態では、アセンブリ9100は、ケーブル保持器9170をも含むことができる。支持アーム9130は、2つの端部を有する。クランプ9110は、支持アーム9130の一方の端部に連結しており、デバイスマウント9150は、他方の端部に連結している。
【0093】
支持アーム9130は、クランプ9110に着脱可能に取り付けられてもよい。支持アーム9130は、クランプ9110に対して360度まで旋回することができる。このことは、支持アーム9130が手術又は処置テーブルの長さに沿った任意の位置に容易に位置決めされることを可能にする。支持アーム9130はまた、支持アーム9130が任意の手術又は処置テーブルの幅に達することができるように調整されてもよい。使用時には、支持アーム9130の自由端部は、デバイスマウント9150に連結される。支持アーム9130の自由端部は、連結されたデバイスマウント9150の回転自由度を許容することができ、その結果、デバイスマウント9150によって保持されているデバイス部品が処置の間、最も最適な位置に配置され得る。
【0094】
図32Bに示すように、支持アーム9130は、セグメントジョイント9135によって結合した2つのセグメント9134、9139を含むことができる。
図32Bは、セグメント9134、9139を立方体形状であるように示しているが、各セグメントは、六角形又は三角形の角柱、筒状ロッドなどの、任意の合理的な幾何学形状とすることができる。
図32Aから
図32Cに示すように、セグメントジョイント9135は、セグメント9134とセグメント9139との間にヒンジ接続を提供する。図示のように、セグメントジョイント9135は、自由度を提供し、1つの軸に沿って移動する。他の例では、セグメントジョイントは、一方のセグメントが別のセグメントに対して軸から外れて回転することができるように、より大きい自由度を提供するジョイントであってもよい。
【0095】
セグメント9134、9139の各々は、セグメント自由端部9137、9138を含むことができる。セグメント自由端部9137は、クランプアームジョイント9132である。クランプアームジョイント9132は、セグメント9134のセグメント自由端部9137と連結している。クランプ9110に連結するためのクランプ連結柱9131が、クランプアームジョイント9132に配置されている。図において、クランプ連結柱9131をセグメント9134に結合するクランプアームジョイント9132は、固定された回転軸においてクランプ連結柱9131に対するセグメント9134の移動を可能にするヒンジ接続である。他の例では、1つのセグメントをクランプ連結柱に接続する連結ジョイントは、複数の回転自由度を有することが可能である回転可能なジョイントであってもよい。
【0096】
セグメント9139をデバイスマウント9150に連結するデバイスマウントカプラ9142を、セグメント自由端部9138に配置することができる。
図32Bに示すデバイスマウントカプラ9142は、1つの軸に沿って回転するように構成されているが、他の例では、デバイスマウントカプラ9142は、複数の軸に沿って回転してもよい。デバイスマウントカプラ9142はまた、デバイスマウントアジャスタ9143をも含んでいる。デバイスマウントアジャスタ9143は、デバイスマウント9150を位置決めし、所望の位置が見つかると、デバイスマウント9150を維持するために、デバイスマウントカプラ9142を緩める、あるいは締めることができる。
【0097】
支持アーム9130はまた、摩擦アジャスタ9133、9136をも含むことができる。いくつかの実施形態では、摩擦アジャスタ9133、9136は、同一とすることができる。摩擦アジャスタ9233(摩擦アジャスタ9133及び/又は9136として使用可能である)の例示的実施形態が、
図33A及び
図33Bに示されている。摩擦アジャスタ9233は、それぞれ、調整用ノブネジ9140及び調整用ノブハンドル9141を含むことができる。調整用ノブハンドル9141は、長さが約3.5インチのロッド状の構造を有するものとして示されているが、他の例では、調整用ノブハンドルは、より短い、あるいはより長い長さとしてもよく、平らな材料片あるいは様々な断面寸法を有するロッドなどの他の適切な形状のものであってもよい。調整用ノブネジ9140は、一方の端部にネジ部分9144を含み、その反対側の端部に、調整用ノブネジステム9146によって結合したハンドルカプラ9145を含んでいる。ハンドルカプラ9145は、図示のように、調整用ノブハンドル9141が挿入され得る、ハンドル連結穴9148をさらに含む。各図は、円形の断面を有するように調整用ノブハンドル9141、及び、対応する円形の開口を有するハンドルカプラ穴9148を示しているが、調整用ノブハンドルは、任意の断面寸法を有することが可能であり、ハンドル連結穴は、調整用ノブハンドルを収容するための、対応する穴開口形状を有することが可能である。使用時には、手術者が支持アーム9130を所望の位置に位置決めすると、手術者は、調整用ノブハンドル9141を回転させ、それにより、ネジ部分9144をセグメントジョイント9135又はクランプアームジョイント9132に下げ、このセグメントを決まった位置にロックする。調整用ノブハンドル9141は、調整用ノブネジ9140のネジ部分9144がセグメントジョイント9135又はクランプアームジョイント9132に作用する力の量を解放し低減するように回転してもよい。
【0098】
図32Aから
図32Cが、支持アームの各セグメントを、ほぼ等しい長さを有するものとして示しているが、各セグメントは、異なる長さを有していてもよい。他の例では、支持アームは、2つを超えるセグメントを含んでもよく、又は、医療用デバイス部品がより容易に操作される、あるいはより正確に操作され得るように、多くのセグメントを含んでもよい。さらに他の例では、支持アームセグメントは、各セグメントが所望の位置に応じて長くなる、あるいは短くなり得るように、入れ子の能力を有してもよい。
【0099】
さらに、
図32Aから
図32Cは、支持アームセグメントを調整及び維持するためのノブタイプの調整を示しているが、他のタイプの調整ユニットもまた使用されてもよい。これらには、連結されたセグメントの本体に組み込まれる、当該技術において既知の、フリップタイプのロック機構、ラチェットシステム、又は他のタイプのロック機構が含まれてもよい。
【0100】
さらに
図32Aから
図32Cを参照すると、クランプ9110は、ベッドレール又は他の固体サポートにアセンブリ9100を連結するように構成することができる。よってクランプ9110は、処置の間、支持アーム9130と、デバイスマウント9150に連結された医療用部品との両方を安定して保持するように十分な支持及び安定性を提供するように構成することができる。このように、クランプ9110は、アーム9130が周囲に操作される際でさえも、支持アーム9130、デバイスマウント9150、及び、マウント9150内の医療用デバイスの重量に耐えるように設計することができる。いくつかの実施形態では、マウント9150内の医療用デバイスが、約20ポンドまでなどのような、5ポンドよりも大きい、10ポンドよりも大きい、又は、15ポンドよりに大きい場合に、クランプ9110は、レール又は他の固体サポートにしっかりと取り付けることができる。クランプ9110は、一つの動作によって、ユーザが、クランプ9110を、レール又は固体の表面もしくはサポートに取り付ける又は取り外すことが可能であるように、調整することが容易に可能である。いくつかの実施形態では、クランプ9110は、0.5インチと3インチとの間の、調整可能な直径を有している。
【0101】
図32A及び
図32Bに示すように、クランプ9110は、クランプ連結柱9131により支持アーム9130に連結することができる。クランプ9310(クランプ9110として使用することができる)の例示的な実施形態が
図34Aから
図34Eに示されている。クランプ9310は、クランプ頂部おさえ部9114、クランプ頂部カバー9111、クランプ底部おさえ部9120、及びクランプレバー9116を含む。おさえ部9114、9120は、デバイスをそれらの間にクランプするように、互いに向かって移動するように構成することができる。クランプ頂部カバー9111は、支持アームカプラ9112及び切欠き領域9117を含むことができ、これら両方は、クランプ頂部カバー9111の頂部表面に配置されている。支持アームカプラ9112は、クランプ連結柱9131と嵌合し得る、支持アーム連結穴9113をさらに含むことができる。支持アームカプラ9112はまた、クランプ連結柱9131と支持アームカプラ9112との間の摩擦を低減することによって、より良い回転移動を提供するために、スリーブ軸受9119を含んでもよい。スリーブ軸受9119を既定位置に保持するためネジ9333があってもよい。切欠き領域9117は、支持アームカプラ9112とは反対側に位置決めすることができる。頂部ピース切欠き領域9117は、コース調整用ノブ9118を保持するように機能することができる。
【0102】
使用時には、クランプ上部おさえ部9114とクランプ下部おさえ部9120との間の距離は、様々なサイズのレール又は表面を保持するように調整することができる。上部おさえ部9114と下部おさえ部9120との間の距離は、0.5インチから3インチの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、手術者は、コース調整用ノブ9118がクランプ9110に連結されているとき、頂部おさえ部9114と底部おさえ部9120との間の最初の距離を調整するために、コース調整用ノブ9118を回してもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、レバー9116は、クランプ下部おさえ部9120の垂直方向移動を可能にするように構成されることができる。レバー9116は、レバーハンドル9123及びレバーステム9124を含む。レバーハンドル9123を一方側から別の側にひねり、また、戻すことにより、手術者は、クランプ上部おさえ部9114とクランプ下部おさえ部9120との間の距離を調整することができる。レバー9116は、クランプ9110の上部おさえ部9114と下部おさえ部9120との間の距離を容易に調整することを可能にする形状である。レバー9116は、サイドカムレバーアジャスタ9122と嵌合するレバーステム9124を含む。レバー9116はまた、サイドカムレバーアジャスタ9122との連結を可能にする支柱又はジベル9127を保持するのに使用されてもよいレバーステム切欠き9125を含んでいる。サイドカムレバーアジャスタ9122は、レバーステム9124に連結するサイドカムレバーアジャスタ穴9126を含む。さらに、サイドカムレバーアジャスタ穴9126は、サイドカムレバーアジャスタ穴切欠き9128をさらに含んでもよく、サイドカムレバーアジャスタ穴切欠き9128は、レバー9116のレバーハンドル9123が一方側から他方側に移動したときに、ジベル9127がサイドカムレバーアジャスタ穴切欠き9128内で、クランプ底部ピース穴9121を通して移動して、底部おさえ部ピース9115を上下に移動するように、ジベル9127を仲介してレバー9116のレバーステム切欠き9125と、より正確に嵌合する役割を果たす。サイドカムレバーアジャスタ9122はまた、上部おさえ部9114及び下部おさえ部9120のピースを連結するために、サイドカムレバーアジャスタ結合穴9129を含んでもよい。サイドカムレバーアジャスタ9122を通しての底部おさえ部9115とレバー9116との結合はまた、サイドカムレバーアジャスタに対するレバーの動きを和らげる(cushioning)ためのワッシャを含んでもよい。クランプ9310はまた、サイドカムレバーアジャスタ9122によって作動されるとき、底部おさえ部9115に対するより均一な力の分配を提供するためにスプリング9331を含んでもよい。レバー9116、サイドカムレバーアジャスタ9122、及びクランプ下部おさえ部9120のアセンブルは、レバー9116が調整されるときに、クランプ下部おさえ部9120の滑らかな作動を提供するために、他のジベル、ネジ、及びピンをさらに含んでもよい。
【0104】
別の設計のクランプ9610(クランプ9110として使用することもできる)が、
図37A及び
図37Bに示されている。クランプ9610は、レール又は表面に把持するため、基本的にクランプ9210と同じ方式で機能する。クランプ9610とクランプ9210との間の主要な差異は、クランプ9610では、(下部おさえ部9620を上部おさえ部9614に近づけるように)下部おさえ部9620を作動させるレバー9616が上下方向から切り替わることができ、一方、クランプ9210は、そのレバーの側部から側部への動きでクランプを作動させる点である。
【0105】
図32Aから
図32Cに戻り参照すると、ケーブル保持器9170(又は留め金)は、ケーブルが絡まないように、医療用デバイスに給電するために使用されるケーブルを維持するために使用することができる。ケーブル保持器9170はまた、患者からケーブルを離して保持することができ、及び/又は、処置中に医療従事者の患者又は処置部位への視野をケーブルが不要に妨げることを防止することができる。
図32A及び
図32Bから見ることができるように、一連のケーブル管理用保持器9170は、セグメント9134及び9139の長さに沿って配置され得る。ケーブル管理用保持器9170は、医療用デバイスの使用に関連するケーブル(例えば、給電ケーブル、信号ケーブル、ワイヤなど)を都合良く保持するように構成することができる。ケーブル管理用保持器9170は、医療用デバイス部品に関連する必要なケーブルを、医療従事者が働いているかもしれない場所の邪魔にならないように保持することができる。
【0106】
例示的なケーブル管理用保持器9470(保持器9170として使用することができる)が
図35Aから
図35Cに示されている。ケーブル管理用保持器9470は、ケーブル管理用底部ピース9175と連結したケーブル管理用頂部カバー9171を含む。ケーブル管理用頂部カバー9171は、ピン9179を受け入れ可能なケーブル管理用頂部連結溝9172を含んでいる。ケーブル管理用頂部カバー9171はまた、トーションバネ9180と嵌合することが可能であるケーブル管理用トーションバネ溝9173を含んでいる。既定位置におかれた場合、トーションバネ9180は、ケーブル管理用頂部カバー9171が開位置に切り替わった後に、ケーブル管理用頂部カバー9171が自動的に閉位置に戻ることを可能にする。このことは、ケーブル又はワイヤが、医療処置の間に不注意にケーブル管理用保持器9470から滑り落ちることを防止し、及び、手元での医療処置を妨げることを防止する。
【0107】
ケーブル管理用底部ピース9175は、少なくとも2つのケーブル管理用底部溝9176を含み、それにより、ケーブル管理用頂部連結溝が2つのケーブル管理用底部溝9176間に取り付けられ、ピン9179が各溝を通して挿入されたとき、ケーブル管理用頂部カバー9171は、ケーブル管理用底部ピース9175と嵌合し、ケーブル管理用底部ピース9175に対して旋回可能である。ケーブル管理用底部ピース9175は、さらにケーブル管理用底部リップ9177を含む。ケーブル管理用底部リップ9177は、傾斜した外側縁部を有しており、それにより、ケーブル管理用頂部カバー9171がケーブル管理用底部ピース9175と接触しているときに、傾斜した外側縁部は、ケーブル管理用頂部カバー9171の傾斜が付された縁部の短い側部と接触する。ケーブル管理用頂部カバー9171はまた、わずかに下方にテーパを付けることもできる。この構成の利点は、ユーザが、たとえグローブを着用しているときでも、自身の指でケーブル管理用頂部カバー9171のテーパの付いた縁部のより長い側部を容易に捕らえることができ、選択したケーブルを容易に挿入又は取外しすることができる点である。ケーブル管理用底部ピース9175はまた、ケーブル管理用留め金9170が支持アーム9130又は支持アームアセンブリ9100の他の部分と連結することを可能にする、少なくとも1つのケーブル管理用底部ネジ穴9178を含む。
【0108】
図32Aから
図32Cに戻り参照すると、デバイスマウント9150は、20ポンドまでなど、5ポンドよりも大きい、10ポンドよりも大きい、又は15ポンドよりも大きい医療用デバイス部品と連結し、安定して保持するように構成することができる。例えば、デバイスマウント9150は、カテーテル(例えば、粥腫切除用カテーテル)の使用中、カテーテルデバイスコントローラを維持するように構成することができる。
【0109】
例示のデバイスマウント9550(デバイスマウント9150として使用することができる)が、
図36A及び
図36Bに示されている。デバイスマウント9550は、デバイスマウントステム9151を含む。デバイスマウントステム9151の一方の端部に、デバイスマウントベース9152が取り付けられている。デバイスマウントベース9152は、デバイスマウントステム9151から直角に離れて延在している。デバイスマウントステム9151に連結する場所とは反対側のデバイスマウントベース9152の端部には、デバイスマウントステム9151の方向に延在するデバイスマウント柱9154が配置されている。デバイスマウントステム9151は、デバイスマウントベース9152及びデバイスマウントラッチ9153に連結するための連結ピン穴9164を含んでもよい。
【0110】
デバイスマウント9550の実施形態では、デバイスマウントベース9152はまた、デバイスマウントステム9151に連結するためのデバイスマウントベースステム穴9160と、デバイスマウント柱9154に連結するデバイスマウントベース柱穴9161とを含んでいる。デバイスマウント柱9154は、支持されているデバイス部品と連結するように構成されており、それにより、デバイス部品が使用中にデバイスマウント9550から外れること、及び、不注意に患者を傷付けることを防止するようになっている。デバイスマウントベース9152はまた、デバイスマウントステム9151又はデバイスマウント柱9154に連結するために締められる、あるいは緩められ得る、連結ピン穴9164を含んでもよい。
【0111】
デバイスマウント9550はまた、デバイスマウントステム9151に沿う中間位置にて、デバイスマウントラッチ9153を含む。デバイスマウントラッチは、デバイスマウントステム9151に連結するためのデバイスマウントラッチステム穴9162を含んでいる。デバイスマウントラッチ9153は、デバイスマウントステム9151に沿って調整されてもよく、それによって、デバイスがデバイスマウント柱9154に連結されるとき、デバイスマウントラッチ9153は、デバイス部品の頂部表面と接触するように下げられ得るようになっている。この接触場所では、デバイスマウント柱9154が締められてもよく、デバイス部品をデバイスマウント9550内で安定させるために、デバイスマウントステム9151の長さに沿ったその位置をロックする。いくつかの例では、デバイスマウント柱9154を受けるための対応のキャビティを有するデバイス部品は、最適な視野角を得るために旋回されてもよい。デバイス部品の所望の向きが得られると、デバイスマウントラッチが、使用中のデバイス部品の配向を維持するために使用されてもよい。図示されていないが、デバイスマウントラッチは、デバイス部品と接触するその表面にクッション層を含んでもよい。
【0112】
支持アーム9130のデバイスマウントアジャスタ9143に連結するように構成されているデバイスマウントステム9151の端部は、デバイスマウントステムノッチ9155を含む。デバイスマウントステムノッチ9155は、デバイスマウントステム9151の周囲全体を覆う。デバイスマウントステムノッチ9155は、デバイスマウント9150がデバイスマウントカプラ9142に留められ、デバイスマウントカプラ9142内に保持されることを可能にする。デバイスマウントカプラ9142は、該カプラがデバイスマウント9150のデバイスマウントステムノッチ9155に把持することを可能にする内部機構(図示せず)を有してもよい。デバイスマウント9550は、支持アーム9130に連結されるとき、少なくとも1つの回転軸に沿って回転することができる。デバイスマウント9150は、デバイスマウントステム9151の長手方向軸周りに回転可能である。他の例では、デバイスマウントステム9151は、次のものに限定しないが、ホック、留め金、クリップなどを含む、当該技術で既知である任意の適切な手段によってデバイスマウントカプラ9142に連結されてもよい。
【0113】
図36Cは、例えば粥腫切除用カテーテル用のコントローラなどの、コントローラ9666に取り付けられたデバイスマウント9550を示している。デバイスマウント9154は、コントローラ9666におけるスロットと嵌合することができ、コントローラ9666は、ベース9152に置くことができる。デバイスマウントラッチ9153は、コントローラ9666をデバイスマウント9550内に維持することを補助することができる。デバイスマウント柱9154の高さは、約1cmから3cmまでの範囲であってもよい。デバイスマウント柱9154は、有利には、デバイス部品の回路、レイアウト、及び機能を妨げない。デバイスマウント9550は、デバイス部品に連結されたときに、その重量が支持アーム9130に合理的なカウンターウェイトを提供し、よって、クランプ9110とその支持要素(例えば、ベッドレール)との間の連結に過度のストレスを与えないように設計されている。いくつかの他の例では、デバイスマウントは、いくつかの他のタイプの連結機構を含んでもよい。例えば、デバイスマウントベースは、デバイス部品における機構と嵌合可能である1つ以上の突起又はロック機構を含んでもよい。デバイスマウントベースは、デバイス部品に把持され得る、あるいはデバイス部品に留められ得る、調整可能な付加物を含んでもよい。デバイスマウントは、デバイス部品における対応する雄カプラと嵌合可能な雌カプラ、あるいはその逆のものを含んでもよい。
【0114】
図38は、別の実施形態のデバイスマウント9750を示す。デバイスマウント9550のようなデバイスマウントラッチの代わりに、デバイスマウント9750は、「C」形態であり、ここで、頂部は、デバイスマウントフラップ9253を含み、底部は、デバイスマウント支持ベース9252を有し、このデバイスマウント支持ベース9252は、単一の取付けポイントを通してデバイス部品に連結する代わりに、デバイス部品の面積を支持することが可能である。デバイスマウントフラップ9253は、デバイスマウント支持ベース9252に対する距離を調整可能であってもよい。デバイスマウントフラップ9253は、デバイスマウント支持ベース9252にヒンジで取り付けられてもよく、それにより、使用中、デバイス部品をしっかりと保持することが可能であるようになっている。デバイスマウントフラップ9253及びデバイスマウント支持ベース9252がデバイスマウント柱9254の長手方向軸周りに回転することが可能であってもよい。
【0115】
さらに、
図39A及び
図39Bは、別の実施形態のデバイスマウント9850を示している。デバイスマウント9850は、コントローラ9866が寄りかかり存在するベースを含む。デバイスマウント柱9854は、コントローラ9866の嵌合穴に回転され、あるいはねじ込まれて、この嵌合穴にデバイスマウント柱9854を保持するように構成することができる。
【0116】
図40Aから
図40Cは、さらに別の実施形態のデバイスマウント9950を示している。
図40A及び
図40Bは、取り付けられていないデバイスマウント9350を示し、
図40Cは、コントローラ9966にしっかりと取り付けられたデバイスマウント9250を示している。デバイスマウント9750と同様に、デバイスマウント9950は、支持アームに連結するためのデバイスマウント柱9354を有して「C」形状の形態を有している。デバイスマウント9350は、外側Cホルダ9357と、内側C留め金9358とを有している。内側C留め金9358は、使用中に、デバイス部品にヒンジで保持されてもよい。C留め金9358の2つの端部間の距離はまた、異なるデバイス部品の高さに適合するように調整されてもよい。
【0117】
別の例示のデバイスマウント91050が
図41A及び
図41Bに示されている。デバイスマウント91050は、支持アーム91000の旋回可能部分91092に取り付けることができる。さらに、デバイスマウント91050は、水平に座するように構成されたベース91052を含むことができ、それにより、コントローラ91066がこのベース上に置かれ得るようになっている。デバイスマウント柱91054a、91054bは、これら支柱を既定位置に保持するために、コントローラ91066における対応の穴と嵌合するように構成することができる。
【0118】
本明細書に記述のデバイスマウント、支持アームアセンブリ、及びクランプ機構は、すべて、保持されるデバイス部品の重量のバランスを取ることが可能であるように設計することができ、それにより、クランプが、クランプされるレール又は表面とのしっかりとした接触を維持することが可能であるようになっている。
【0119】
本明細書に記述のデバイスは、図示されていない追加の特徴を含んでもよい。例えば、デバイスマウントフラップ及び/又はデバイスマウント支持ベースは、デバイス部品と接触する表面にクッション材料を含んでもよい。他の例では、デバイス部品と接触するデバイスマウント部分は、より大きな摩擦を有する材料を含んでもよく、それにより、操作されている間、デバイス部品は、デバイスマウントから容易に滑らないようになっている。本明細書に記述のデバイスマウントはまた、使用中、デバイス部品における圧力を維持する助けになる、クリップ及びクランプの当該技術で既知であるスプリングを含んでもよい。
【0120】
上述のように、本明細書に記述のデバイス及び技術は、OCT撮像と共に使用することができる。例示の撮像システムは、同時係属中の以下の文献に記載されている。即ち、「OPTICAL COHERENCE TOMOGRAPHY FOR BIOLOGICAL IMAGING」と題された、2010年5月28日に出願された、公開番号US−2010−0305452−A1である、米国特許出願12/790,703号、「CATHETER-BASED OFF-AXIS OPTICAL COHERENCE TOMOGRAPHY IMAGING SYSTEM」と題された、2010年7月1日に出願された、公開番号US−2010−0021926−A1である、米国特許出願12/829,267、「OPTICAL COHERENCE TOMOGRAPHY WITH GRADED INDEX FIBER FOR BIOLOGICAL IMAGING」と題された、2013年3月15日に出願された、国際公開番号WO−2013−172972である、国際特許出願。これら文献はすべて、その全体が、参照することによって組み込まれる。
【0121】
ある特徴又は要素が本明細書において、別の特徴又は要素に対して「〜上(on)」であるものとして言及されている場合、ある特徴又は要素は、他の特徴又は要素の上に直接あることができる、あるいは、介在した特徴及び/又は要素が存在することもできる。対照的に、ある特徴又は要素が、別の特徴又は要素に対して「直接上に(directly on)」あるものとして言及されている場合、介在する特徴又は要素は存在しない。ある特徴又は要素が、別の特徴又は要素に対して「接続された」、「取り付けられた」、又は「連結(結合)した」ものであるとして言及されている場合、ある特徴又は要素は、他の特徴又は要素に直接接続、取付け、又は連結されることができる、あるいは、介在する特徴又は要素が存在することもできることも理解されたい。対照的に、ある特徴又は要素が、別の特徴又は要素に対して「直接接続された」、「直接取り付けられた」、又は「直接連結した」であるものとして言及されている場合、介在する特徴又は要素は存在しない。1つの実施形態に関して記述又は図示されている場合であっても、そのように記述又は図示された特徴及び要素は、他の実施形態に適用することができる。別の特徴に対して「隣接する」として配置された構造又は特徴に対する参照は、隣接する特徴の上に重なっているか下にある部分を有し得ることも、当業者には理解されたい。
【0122】
本明細書で使用される用語は、もっぱら特定の実施形態を記述する目的のためのものであり、本発明を限定することは意図していない。例えば、本明細書で使用される場合、単数の形態「1つの(a、an)」、及び「その(the)」は、文脈によって明確に別様に示されていない限り、複数の形態も含むことが意図されている。「備える、含む」及び/又は「備えている、含んでいる」の用語は、本明細書で使用される場合、述べられる特徴、ステップ、操作、要素、及び/又は部品を特定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、操作、要素、部品、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではないことをさらに理解されたい。本明細書で使用される場合、「及び/又は」との用語は、関連する列挙されたアイテムの1つ以上のいずれか、及びすべての組み合わせを含み、「/」として省略される場合がある。
【0123】
「下に」、「〜下」、「低い」、「上に」、「〜上」などの空間的な相対的用語は、本明細書において、1つの要素又は特徴の、図に示されている別の要素(複数の場合もある)又は特徴(複数の場合もある)に対する関係を記述するために、記載の簡略化のために使用され得る。空間的な相対的用語は、図に描写された向きに加え、使用時又は操作時のデバイスの異なる向きを含むことが意図されていることを理解されたい。例えば、図のデバイスが逆さにされた場合、他の要素又は特徴に対して「下に」又は「下」として記述された要素は、他の要素又は特徴に対して「上」の向きにあることになる。このため、「下に」との例示的用語は、上と下との両方の向きを包含し得る。本デバイスは、別様に向けられ(90度回転されるか、他の向きにある)、かつ、本明細書で使用される空間的な相対的記述語は、それに応じて解釈される。同様に、「上方に」、「下方に」、「垂直に」、「水平に」などの用語は、本明細書において、別様に明確に示されていない限り、もっぱら説明の目的のために使用される。
【0124】
「第1の」及び「第2の」の用語が、本明細書において、様々な特徴/要素(ステップを含む)を記述するために使用され得るが、これら特徴/要素は、文脈によって別様に示されていない限り、これら用語によっては限定されるものではない。これら用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために使用され得る。こうして、以下に論じる第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と称することができ、同様に、以下に論じる第2の特徴/要素は、本発明の教示から逸脱することなく、第1の特徴/要素と称することができる。
【0125】
本明細書、及び、添付の特許請求の範囲を通し、文脈によって別様に必要とされない限り、「備える/含む」との用語、並びに、「備えて/含んで」及び「備えている/含んでいる」などの変形形態は、様々な部品が、方法及び物品において、ともに結合して採用され得ることを意味している(例えば、組立及び装置がデバイス及び方法を含む)。例えば、「備えている/含んでいる」との用語は、述べられている任意の要素又はステップの包含を暗示するものと理解されるが、他の要素又はステップのいずれも除外することを暗示するとは理解されるものではない。
【0126】
本明細書及び特許請求の範囲においてここで使用されるとき、例にて使用されるものを含み、別途明確に特定されていない限り、すべての数は、明確に示されていない場合であっても、「約」又は「およそ」との用語が前置きされているかのように読むことができる。「約」又は「およそ」の用語は、記述の値及び/又は位置が合理的な予期される値及び/又は位置の範囲内にあることを示すために、大きさ及び/又は位置を記述する場合に使用され得る。例えば、数値は、述べられている値(又は値の範囲)の+/−0.1%、述べられている値(又は値の範囲)の+/−1%、述べられている値(又は値の範囲)の+/−2%、述べられている値(又は値の範囲)の+/−5%、述べられている値(又は値の範囲)の+/−10%などの値を有する場合がある。本明細書に述べられている任意の数の範囲は、その中に含まれるすべての部分的範囲を含むことを意図している。
【0127】
様々な説明的な実施形態が上に記述されているが、任意の複数の変更が、特許請求の範囲によって記述される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態に対してなされてもよい。例えば、様々な記述の方法ステップが実施される順番は、別の実施形態ではしばしば変更されてもよく、他の別の実施形態では、1つ以上の方法のステップは、完全に省略されてもよい。様々なデバイス及びシステムの実施形態の任意選択的な特徴は、いくつかの実施形態では含まれ得るが、他の実施形態では含まれない場合がある。したがって、上述の記述は、主として例示の目的のためのものであり、特許請求の範囲によって説明されるような本発明の範囲を限定するものとは解釈されるべきではない。
【0128】
本明細書に含まれる例及び説明は、説明としてであり限定ではなく、本主題が実施され得る特定の実施形態を示している。述べたように、他の実施形態が利用され、またそこから導き出されてもよく、その結果、構造的及び論理的な代用及び変更が本開示の範囲から逸脱することなく行われてもよい。発明の主題のそのような実施形態は、実際に2つ以上の発明が開示されている場合に、単に便宜的に、及び任意の単一の発明又は発明のコンセプトに本明細書の権利範囲を自発的に制限することを意図することなく、「発明」との用語によって個別に又は集合的に言及されてもよい。したがって、特定の実施形態が本明細書に図示及び記述されているが、同じ目的を達成するものと判断される任意の構成は、示された特定の実施形態と置き換えられてもよい。本開示は、様々な実施形態の任意の、及びすべての適用形態又は変形形態をカバーすることが意図されている。上述の実施形態の組合せ、及び、本明細書には明確に記述されていない他の実施形態は、上述の記述を確認することで、当業者には明らかになるであろう。
【0129】
材料及び製造技術を含み、本発明に関係するさらなる詳細は、関連する技術の当業者のレベル内のものとして用いられてもよい。同様のことが、一般的又は論理的に採用される追加の作業に関し、方法をベースとする本発明の態様に関しても言うことができる。また、記述した本発明の変形形態におけるいずれの任意選択的な特徴は、説明され得るとともに、個別に、又は本明細書に記述の1つ以上の特徴のいずれかとの組合せにおいて、請求されてもよいことが考えられる。同様に、単一の項目(item)への言及は、複数の同じ項目が存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数の形態「1つの(a、an)」、「前記」、及び「その(the)」は、文脈で別途規定されていない限り、複数の言及も含んでいる。特許請求の範囲は、いずれの選択的要素をも除くように起草されてもよいことにさらに留意されたい。このようにこの記述は、特許請求の範囲における要素の規定に関して「単に」、「のみ」などの排他的用語の使用、又は「否定的」限定の使用に関する先行記述としての機能を果たすことを意図している。本明細書に別途規定していない限り、本明細書において使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本発明の範囲は、本明細書に記述の例によって限定されるものではなく、採用される特許請求の範囲の用語の明らかな意味によってのみ限定される。