特許第6959284号(P6959284)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959284
(24)【登録日】2021年10月11日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20211021BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20211021BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20211021BHJP
   F21V 29/77 20150101ALI20211021BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20211021BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20211021BHJP
【FI】
   F21S8/02 420
   F21S8/02 430
   F21V23/00 160
   F21V29/503
   F21V29/77
   F21V17/00 250
   F21Y115:10 300
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-57638(P2019-57638)
(22)【出願日】2019年3月26日
(65)【公開番号】特開2020-161260(P2020-161260A)
(43)【公開日】2020年10月1日
【審査請求日】2020年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
(72)【発明者】
【氏名】本木 直哉
(72)【発明者】
【氏名】春田 昌也
(72)【発明者】
【氏名】坂本 裕弥
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−146841(JP,A)
【文献】 特開2011−243509(JP,A)
【文献】 特開平09−320313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21V 23/00
F21V 29/503
F21V 29/77
F21V 17/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
明器具であって、
発光部が配された光源基板と、
射板とを備え、
前記反射板は、
前記発光部が露出する開口を備えた板状の基台部と、
筒状で内側に前記開口が露出する反射部とを備え、
前記反射部の内側において、前記光源基板と前記基台部とを前記取付部に共締めする、
照明器具。
【請求項2】
前記基台部は、前記光源基板に接続する配線部材を収容する配線収容部を備え
前記配線収容部の少なくとも一部は、前記反射部の内側において露出している
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記配線収容部は、前記配線部材を張力止めする張力止め部を備える
請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
前記基台部において、前記反射部の内側に露出している部分に、前記共締めのためのネジが貫通される
請求項記載の照明器具。
【請求項5】
前記取付部は、器具本体の一面である
請求項1記載の照明器具。
【請求項6】
前記取付部は、ヒートシンクにおいてフィンを立設するためのベース部である
請求項1記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射板を有する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、COB(Chip On Board)タイプのLED(Light Emitting Diode)基板と、反射板とを取付対象の一例である筐体に固定する技術が開示されている。この技術では、まずLED基板をネジで筐体に固定する。筐体には、導電体であるコネクト部を備えたコネクタが設けられており、コネクト部がLED基板上の電極に接触することでLED基板と取付対象とが電気的に接続する。そして、コネクタはネジ穴を有しており、反射板がコネクタにネジで固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−072230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の技術では、取付対象にLED基板と反射板とを固定するためにコネクタを必要とし、構成が複雑になるという問題がある。
【0005】
本発明は、係る問題に鑑みてなされたものであり、光源基板と反射板とを簡易な構成で取付対象に固定可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る照明器具は、反射板を備える照明器具であって、取付部に固定される光源基板と、前記光源基板における発光部を除いた部分の少なくとも一部を覆う基台部を備えた反射板とを備え、前記光源基板と前記基台部とを前記取付部に共締めする。
【発明の効果】
【0007】
上述の構成により、本発明に係る照明器具は、光源基板と反射板とを簡易な構成で取付対象に固定可能な照明器具を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)本発明の一実施形態に係る照明器具を表す断面模式図、(b)図1の照明器具の平面図
図2】(a)図1の照明器具が備える反射板を表す下面斜視図、(b)同反射板の側面図、(c)同反射板の上面斜視図、(d)同反射板の張力止め部について説明するための図
図3】(a)図1の照明器具が備える光源基板を表す図、(b)光源基板と反射板とを固定した状態を説明するための底面図、(c)光源基板と配線部材との接続を示す図、(d)光源基板と反射板とを固定した状態を説明するための上面図、(e)張力止め部により、配線部材を張力止めした状態について説明するための図
図4図1(a)の部分Aの拡大図
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.第1の実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係る照明器具1について図面を参照しながら説明する。
【0010】
照明器具1は、図1(a)に示すように、器具本体2、コーン3、光源基板4、反射板5、拡散カバー6、配線部材9、取付バネ10a〜10c及びヒートシンク12を備え、天井に設ける取付穴に取り付けられるダウンライトである。光源には、一例として、LED(Light Emitting Diode)が用いられている。なお、説明の便宜上、以下、図1(a)に示すように、照明器具1が天井に配された場合に床側を下、床からみて天井側を上として説明する。
【0011】
器具本体2は、有底筒状であり、その底部分である底板部2aは、筒内側の面が一例として光源基板4及び反射板5を取り付けるための取付部となっている。また、図1(b)に示すように、底板部2aにおける外部に露出する側の面、すなわち取付部の裏側の面にはヒートシンク12が配される。
【0012】
コーン3は、底面に開口を有する有底筒状部分と、下方に向けて拡径する拡径筒状部分とを有する。コーン3は、有底筒状部分の底面にネジ7a及びネジ7bが挿通され器具本体2の取付部に固定される。また、コーン3は、拡径筒状部分の内周面は鏡面コーディングが施されており反射板の役割を果たす。
【0013】
光源基板4は、一例としてCOBであり、図3(a)に示すように、矩形の基板41の中央に発光部42が配され、基板41の四隅に、発光部42を挟んで対角に電極部43a及び電極部43b、並びにネジ穴44a及びネジ穴44bが配されている。発光部42は、例えば、直径6mmから33mmの円形である。電極部43aは一例としてアノードであり、電極部43bはカソードである。電極部43a及び電極部43bは、配線部材9を介して電源装置(図示せず)に電気的に接続され、電源装置から光源基板4に電力が供給される。配線部材9は、絶縁体である被覆部91aにより被覆された電線部92a、及び被覆部91bにより被覆された電線部92bを含む。図3(c)に示すように電線部92aの一端が電極部43aに、一例としてはんだ付け等により電気的に接続され、電線部92bの一端が電極部43bに接続される。
【0014】
反射板5は、図2(a)〜図2(d)に示すように、略矩形の板状であり中心部に開口Hを有する基台部51と、基台部51に一体的に形成され、下端に向かうにつれて拡径するドーム状の反射部53とを備える。
【0015】
基台部51は、図2(a)に示すように、下側からみると、反射部53を通して、基台部51中央の円環状の部分が露出し(下側からみて露出している部分を以下「露出部51a」という)、上側からみると、図2(c)に示すように矩形全体が見える。
【0016】
基台部51は、ネジ穴513a及びネジ穴513b、並びに配線収容部519a及び配線収容部519bを備える。
配線収容部519aは、上側からみて凹状の部分であり、図3(b)及び図3(d)に示すように、基台部51が光源基板4に被せられた場合に電線部92a及び被覆部91aの一端部を収容する。配線収容部519bは、配線収容部519aと同様に、上側からみて凹状の部分であり、図3(b)及び図3(d)に示すように、基台部51が光源基板4に被せられた場合に電線部92b及び被覆部91bの一端部が収容される。配線収容部519a及び519bを備えることにより、反射板5中に配線部材を収容することができ、別途配線を配置するスペースを設ける必要がなくなるので、省スペース化を図ることができる。
【0017】
配線収容部519aには、図2(c)及び図2(d)に示すように、長辺側の両側壁に突出部515a及び突出部515bが形成されている。突出部515a及び突出部515bは、間隔が配線部材9の断面直径よりも少し狭く形成されており、配線部材9に食い込み挟みこんで張力止めする張力止め部として機能する。この張力止めにより、配線部材9に対し力が掛かった場合であっても、電極部43aと電線部92aとの接続部分に直接的に力が加わるのを避け又は緩和し、電極部43aと電線部92aとの電気的接続を外れにくくすることができる。
【0018】
また、配線収容部519bには、配線カバー部515aと同様に、長辺側の両側壁に突出部517a及び突出部517bが形成されている。突出部517a及び突出部517bは、間隔が配線部材9の径よりも少し狭く形成されており、配線部材9に食い込み挟みこんで張力止めする張力止め部として機能する。この張力止めにより、配線部材9に対し力が掛かった場合であっても、電極部43bと電線部92bとの接続部分に直接的に力が加わるのを避け又は緩和し、電極部43bと電線部92bとの電気的接続を外れにくくすることができる。また、配線収容部(519a及び519b)の長辺側の両側壁に突出部515a及び突出部515bを形成するという簡易な構成により、張力止めを実現することができる。
【0019】
基台51を下側からみると、配線収容部519a及び配線収容部519bに相当する部分が盛り上がっている(配線カバー部511a及び配線カバー部511b)。これにより、配線収容部519a及び配線収容部519bにおける配線部材を収容可能な空間を大きくとることができる。なお、基台51を下側からみて、配線収容部519a及び配線収容部519bに相当する部分については、必ずしも盛り上げる必要は無くフラットな構成としてもよい。また、基台部51は、配線部材9を収容するスペースを有し張力止めできる構成であれば足り、必ずしも配線収容部519a及び配線収容部519bのような凹状の部分を形成しなくてもよい。
【0020】
反射部53は、内周面を光軸方向および周方向に分割した複数の小領域のそれぞれにファセットリフレクタが設けられている。ファセットリフレクタは、例えば、周方向において6°ごとに60個設けられ、個々のファセットリフレクタは平面状の反射面を有する。反射部53は、下端側に拡散カバー6を把持する爪部53a〜53dを有する。
【0021】
反射板5は、基台部51のネジ穴513aと光源基板4のネジ穴44aとが重なり、ネジ穴513bと光源基板4のネジ穴44bとが重なり、図3(c)に示すように発光部42が開口Hを通して露出し、光源基板4の発光部42を除いた部分の少なくとも一部を基台部51が覆うよう配され、図1(a)及び図3(b)に示すようにネジ穴513aとネジ穴44aとを貫通するネジ8a、ネジ穴513bとネジ穴44bとを貫通するネジ8bにより器具本体2、より具体的には底板部2aに、光源基板4と共締めされて固定される。このように共締めすることで、光源基板4、反射板5及び器具本体2をより密着させ、かつ個別に固定するよりも少ないネジによって固定することができる。
【0022】
拡散カバー6は、ガラス又はポリカーボネイトで構成された拡散板である。拡散カバー6は、反射板5は、爪部53a〜53dにより、反射板5の下端側に固定される。これにより所望の光学特性を得るとともに、発光部42の表面が位置する反射板5内部への塵等の侵入も妨げることができる。
【0023】
取付バネ10a〜10cは、器具本体2に取り付けられ、照明器具1を取付対象である天井に固定するための板バネである。取付バネ10a〜10cは、それぞれ器具本体2の周囲に等角度間隔で設けられ、径方向外側へ向けて張り出している。照明器具1を天井に固定する場合には、取付バネ10a〜10cが、それぞれ、天井を構成する板(天井板)の上面に弾性接触する。そして、器具本体2のフランジ部が天井板の下面に接触し、フランジ部と取付バネ10a〜10cとの間に天井板が挟まれ、これにより、天井板に対して照明器具1が固定される。
【0024】
ヒートシンク12は、器具本体2の底板部の上面に配される、複数の放熱フィンを有する放熱部である。ヒートシンク52は、光源基板4において発生された熱を空気中に放散する。
【0025】
以上説明したように、照明器具1では、光源基板4、反射板5及び器具本体2をより密着させ、かつ個別に固定するよりも少ないネジによって固定することができ、また、電極部(43a、43b)と電線部(92a、92b)との電気的接続を外れにくくなるように固定することができる。
<2.変形例>
以上、本発明に係る照明器具の実施形態を説明したが、例示した照明器具を以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りの照明器具に限られないことは勿論である。
【0026】
(1)上述の実施形態では、照明器具1がダウンライトである例について説明したが、これに限らず、スポットライト、施設照明など形状の全く異なる器具である場合にも本発明は適用可能である。
【0027】
(2)上述の実施形態では、ヒートシンク12を構成する各フィンを器具本体2の底板部2aの上面に取り付けることとしたが、これに限る必要はなく、各フィンが取り付けられる態様であれば足りる。例えば、ヒートシンク12は、板状のベース部を備えることとし、各フィンを板状のベース部の上面に取り付けることとしてもよい。
【0028】
これにより、ヒートシンク12を、器具本体2とは独立した部材として構成することができる。
【0029】
(3)上述の実施形態では、光源基板4及び反射板5を取り付ける取付部は器具本体2の底部分である底板部2aとしたが、これに限る必要はなく、光源基板4及び反射板5が取り付けられれば足りる。例えば、ヒートシンク12を構成する各フィンを、板状のベース部の上面に取り付けることとし、ベース部の下面を、光源基板4及び反射板5を取り付ける取付部としてもよい。
【0030】
(4)上述の実施形態では、張力止め部として、突出部515a及び515bを用いていたが、これに限らず、配線部材9に対し力が掛かった場合であっても、電極部43aと電線部92aとの接続部分に直接的に力が加わるのを避け又は緩和し、電極部43aと電線部92aとの電気的接続を外れにくくすることができる構成であれば足りる。
【0031】
例えば、配線カバー部511a及び515aそれぞれの、長辺側の両側壁の間隔を配線部材9の径よりも少し狭く形成し、両側壁で配線部材9を挟みこんで圧力を加えることとしてもよいし、更に、両側壁の表面をすべりにくいよう形状、例えば、凹凸面、やすり面などのようにしてもよい。
【0032】
(5)上述の実施形態及び各変形例を、部分的に組み合せてもよい。
<3.補足>
以下、更に本発明の一実施形態としての照明器具の構成及びその変形例と効果について説明する。
【0033】
(1)本発明の一実施形態に係る照明器具は、反射板を備える照明器具であって、取付部に固定される光源基板と、前記光源基板における発光部を除いた部分の少なくとも一部を覆う基台部を備えた反射板とを備え、前記光源基板と前記基台部とを前記取付部に共締めする。
【0034】
この構成により、光源基板と反射板とを簡易な構成で取付対象に固定可能な照明器具を実現できる。
【0035】
(2)また、前記基台部は、前記光源基板に接続する配線部材を収容する配線収容部を備えることとしてもよい。
【0036】
この構成により、反射板中に配線部材を収容することができ、別途配線を配置するスペースを設ける必要がなくなるので、省スペース化を図ることができる。
【0037】
(3)また、前記配線収容部は、前記配線部材を張力止めする張力止め部を備えることとしてもよい。
【0038】
この構成により、配線部材と光源基板との接続を外れにくくすることができる。
【0039】
(4)また、前記張力止め部は、前記配線部材を挟み込む突起部で構成されることとしてもよい。
【0040】
この構成により、張力止めを簡易な構成で実現することができる。
【0041】
(5)また、前記取付部は、器具本体の一面であることとしてもよい。
【0042】
この構成により、光源基板と反射板とを器具本体に固定する態様で照明器具を実現できる。
【0043】
(6)また、前記取付部は、ヒートシンクにおいてフィンを立設するためのベース部であることとしてもよい。
【0044】
この構成により、光源基板と反射板とをヒートシンクに固定する態様で照明器具を実現できる。
【符号の説明】
【0045】
1 照明器具
2 器具本体
2a 底板部(取付部)
3 コーン
4 光源基板
5 反射板
6 拡散カバー
7a、7b、8a、8b ネジ
9 配線部材
10a、10b、10c 取付バネ
12 ヒートシンク
41 基板
42 光源部
43a、43b 電極部
44a、44b ネジ穴
51 基台部
52 ヒートシンク
53 反射部
91a、91b 被覆部
92a、92b 電線部
図1
図2
図3
図4