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特許6959392情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6959392
(24)【登録日】2021年10月11日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20211021BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20211021BHJP
   G08B 31/00 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   G06Q50/12
   G08B21/24
   G08B31/00 B
【請求項の数】15
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2020-81539(P2020-81539)
(22)【出願日】2020年5月1日
【審査請求日】2020年5月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】益子 宗
(72)【発明者】
【氏名】牟田 将史
(72)【発明者】
【氏名】恵村 健太郎
【審査官】 阿部 陽
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−114129(JP,A)
【文献】 特開2014−189338(JP,A)
【文献】 特開2017−091008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G08B 21/24
G08B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量センサにより検知されている重量を取得する重量取得部と、
前記取得された重量の推移と、前記重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて前記重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測する予測部と、
を備え
前記予測部は、前記取得された重量の推移のうち直近の所定時間長区間における推移が、所定パターンにマッチすると、前記将来の推移を予測し、
前記重量センサは、1つの収容体に収容された物体の重量を検知するセンサであり、
前記所定パターンは、前記収容体に対する収容の開始前から完了後に対応付けられる収容パターンであり、
前記推移モデルは、前記履歴において、前記収容パターンにマッチする重量の増加があった増加時点と、前記収容体からの取り出しの開始前から完了後に対応付けられる取り出しパターンにマッチする重量の減少があった減少時点と、の間の時間長の分布により表現される
とを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
重量センサにより検知されている重量を取得する重量取得部と、
前記取得された重量の推移と、前記重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて前記重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測する予測部と、
を備え、
前記予測部は、前記取得された重量の推移のうち直近の所定時間長区間における推移が、所定パターンにマッチすると、前記将来の推移を予測し、
前記重量センサは、複数の収容体に収容された物体の総重量を検知するセンサであり、
前記所定パターンは、前記複数の収容体のいずれかに対する収容の開始前から完了後に対応付けられる収容パターンであり、
前記推移モデルは、前記履歴において、前記収容パターンにマッチする重量の増加があった増加時点と、前記履歴において、当該増加時点の後前記複数の収容体が空になるまでに、前記複数の収容体のいずれかに対する取り出しの開始前から完了後に対応付けられる取り出しパターンにマッチし、前記増加に呼応する重量の減少があった減少時点と、の間の時間長の分布により表現され、
前記予測部は、
前記収容パターンにマッチする重量の増加があると、直前までに予測された推移に、当該増加に相当する重量を前記分布に応じて増すことにより、前記将来の推移を予測する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
重量センサにより検知されている重量を取得する重量取得部と、
前記取得された重量の推移と、前記重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて前記重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測する予測部と、
前記取得された重量の推移のうち前記将来の予測がされて以後の予測後推移が、前記予測された将来の推移から逸脱しているか否かを判定する判定部と、
非重量センサにより検知された所定イベントの発生時点を取得する時点取得部と、
前記取得された発生時点と、前記判定部により逸脱していると判定された逸脱時点と、が、所定範囲内であるか否かに応じた警告情報を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
前記重量センサは、施設に設置された複数の重量センサの一つであり、
前記予測部は、
前記複数の重量センサのそれぞれにより検知されるべき重量の将来の推移を予測し、
前記複数の重量センサのそれぞれについて前記予測された将来の推移に基づいて、前記施設の将来の混雑度合を予測する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定時間長区間は、前記履歴において、前記所定時間長区間の候補となる候補時間長区間に、前記重量が一定の状態から変化して再び一定になる推移を有するサンプル数を求め、当該サンプル数が最大値をとる候補時間長区間を前記所定時間長区間とする
とを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定された結果に対する正否の入力を受け付ける入力部と、
前記受け付けられた入力と、前記予測後推移と、に基づいて、前記推移モデルを更新する更新部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記重量センサは、収容体に収容された物体の重量を検知し、
前記非重量センサは、前記収容体の扉の開閉、もしくは、前記収容体が設置された部屋の扉の開閉を検知する開閉センサであり、
前記所定イベントは、前記扉の開閉である
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記重量センサは、複数の脱衣籠を収容可能な棚の棚板の上面に設置され、前記複数の脱衣籠ならびに当該複数の脱衣籠に収容された物体の重量を検知し、
前記非重量センサは、前記棚が設置される部屋の扉の開閉を検知する開閉センサであり、
前記所定イベントは、前記扉の開閉である
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記重量センサは、ロッカーに収容された物体の重量を検知し、
前記非重量センサは、前記ロッカーの扉の開閉を検知する開閉センサであり、
前記所定イベントは、前記ロッカーの利用を終了するために前記ロッカーの扉が閉まることである
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が、
重量センサにより検知されている重量を取得し、
前記取得された重量の推移と、前記重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて前記重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測し、
前記取得された重量の推移のうち直近の所定時間長区間における推移が、所定パターンにマッチすると、前記将来の推移を予測し、
前記重量センサは、1つの収容体に収容された物体の重量を検知するセンサであり、
前記所定パターンは、前記収容体に対する収容の開始前から完了後に対応付けられる収容パターンであり、
前記推移モデルは、前記履歴において、前記収容パターンにマッチする重量の増加があった増加時点と、前記収容体からの取り出しの開始前から完了後に対応付けられる取り出しパターンにマッチする重量の減少があった減少時点と、の間の時間長の分布により表現される
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置が、
重量センサにより検知されている重量を取得し、
前記取得された重量の推移と、前記重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて前記重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測し、
前記取得された重量の推移のうち直近の所定時間長区間における推移が、所定パターンにマッチすると、前記将来の推移を予測し、
前記重量センサは、複数の収容体に収容された物体の総重量を検知するセンサであり、
前記所定パターンは、前記複数の収容体のいずれかに対する収容の開始前から完了後に対応付けられる収容パターンであり、
前記推移モデルは、前記履歴において、前記収容パターンにマッチする重量の増加があった増加時点と、前記履歴において、当該増加時点の後前記複数の収容体が空になるまでに、前記複数の収容体のいずれかに対する取り出しの開始前から完了後に対応付けられる取り出しパターンにマッチし、前記増加に呼応する重量の減少があった減少時点と、の間の時間長の分布により表現され、
前記収容パターンにマッチする重量の増加があると、直前までに予測された推移に、当該増加に相当する重量を前記分布に応じて増すことにより、前記将来の推移を予測する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
情報処理装置が、
重量センサにより検知されている重量を取得し、
前記取得された重量の推移と、前記重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて前記重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測し、
前記取得された重量の推移のうち前記将来の予測がされて以後の予測後推移が、前記予測された将来の推移から逸脱しているか否かを判定し、
非重量センサにより検知された所定イベントの発生時点を取得し、
前記取得された発生時点と、逸脱していると判定された逸脱時点と、が、所定範囲内であるか否かに応じた警告情報を出力する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータを、
重量センサにより検知されている重量を取得する重量取得部、
前記取得された重量の推移と、前記重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて前記重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測する予測部
として機能させ、
前記予測部は、前記取得された重量の推移のうち直近の所定時間長区間における推移が、所定パターンにマッチすると、前記将来の推移を予測し、
前記重量センサは、1つの収容体に収容された物体の重量を検知するセンサであり、
前記所定パターンは、前記収容体に対する収容の開始前から完了後に対応付けられる収容パターンであり、
前記推移モデルは、前記履歴において、前記収容パターンにマッチする重量の増加があった増加時点と、前記収容体からの取り出しの開始前から完了後に対応付けられる取り出しパターンにマッチする重量の減少があった減少時点と、の間の時間長の分布により表現される
ことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
重量センサにより検知されている重量を取得する重量取得部、
前記取得された重量の推移と、前記重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて前記重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測する予測部
として機能させ、
前記予測部は、前記取得された重量の推移のうち直近の所定時間長区間における推移が、所定パターンにマッチすると、前記将来の推移を予測し、
前記重量センサは、複数の収容体に収容された物体の総重量を検知するセンサであり、
前記所定パターンは、前記複数の収容体のいずれかに対する収容の開始前から完了後に対応付けられる収容パターンであり、
前記推移モデルは、前記履歴において、前記収容パターンにマッチする重量の増加があった増加時点と、前記履歴において、当該増加時点の後前記複数の収容体が空になるまでに、前記複数の収容体のいずれかに対する取り出しの開始前から完了後に対応付けられる取り出しパターンにマッチし、前記増加に呼応する重量の減少があった減少時点と、の間の時間長の分布により表現され、
前記予測部は、
前記収容パターンにマッチする重量の増加があると、直前までに予測された推移に、当該増加に相当する重量を前記分布に応じて増すことにより、前記将来の推移を予測する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
重量センサにより検知されている重量を取得する重量取得部、
前記取得された重量の推移と、前記重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて前記重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測する予測部、
前記取得された重量の推移のうち前記将来の予測がされて以後の予測後推移が、前記予測された将来の推移から逸脱しているか否かを判定する判定部、
非重量センサにより検知された所定イベントの発生時点を取得する時点取得部、
前記取得された発生時点と、前記判定部により逸脱していると判定された逸脱時点と、が、所定範囲内であるか否かに応じた警告情報を出力する出力部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関し、特に、人が利用する場所の状況をカメラやマイクによらずに予測する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある場所の状況を、その場所の撮影画像から推測する技術が知られている。例えば、特許文献1には、監視エリアを撮影した撮影画像に基づいて、監視エリアにおける動体の混雑情報を検知する混雑検知技術が開示されている。この技術によれば、監視エリアが混雑する前に報知することにより、混雑の発生を事前に監視者が把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−42049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように、撮影画像に基づいて、その場所の状況を予測する技術は、プライバシーの観点から、適用できる場所が限られる。例えば、公共宿泊施設の脱衣所や浴室は、カメラを設置することはできないから、撮影画像を取得することはできない。また、プライバシーの観点から、音声を取得するためのマイクの設置も許容されないことがある。さらに、空間的あるいは物理的な制約により、カメラ等が設置できないこともありうる。
【0005】
したがって、カメラ、マイク等を設置できない場所であっても、その場所の状況を知りたいという要望がある。
【0006】
本発明によれば、カメラ、マイク等の装置を設置することが難しい場所において、重量からその場所の状況を予測することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係る情報処理装置は、
重量センサにより検知されている重量を取得する重量取得部と、
前記取得された重量の推移と、前記重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて前記重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測する予測部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記重量センサは、施設に設置された複数の重量センサの一つであり、
前記予測部は、
前記複数の重量センサのそれぞれにより検知されるべき重量の将来の推移を予測し、
前記複数の重量センサのそれぞれについて前記予測された将来の推移に基づいて、前記施設の将来の混雑度合を予測する
ことを特徴とする。
【0009】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記予測部は、前記取得された重量の推移のうち直近の所定時間長区間における推移が、所定パターンにマッチすると、前記将来の推移を予測する
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記所定時間長区間は、前記履歴において、前記所定時間長区間の候補となる候補時間長区間に、前記重量が一定の状態から変化して再び一定になる推移を有するサンプル数を求め、当該サンプル数が最大値をとる候補時間長区間を前記所定時間長区間とする
ことを特徴とする。
【0011】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記取得された重量の推移のうち前記将来の予測がされて以後の予測後推移が、前記予測された将来の推移から逸脱しているか否かを判定する判定部
をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記判定された結果に対する正否の入力を受け付ける入力部と、
前記受け付けられた入力と、前記予測後推移と、に基づいて、前記推移モデルを更新する更新部と、
をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記重量センサは、1つの収容体に収容された物体の重量を検知するセンサであり、
前記所定パターンは、
前記収容体に対する収容の開始前から完了後に対応付けられる収容パターンであり、
前記推移モデルは、前記履歴において、前記収容パターンにマッチする重量の増加があった増加時点と、前記収容体からの取り出しの開始前から完了後に対応付けられる取り出しパターンにマッチする重量の減少があった減少時点と、の間の時間長の分布により表現される
ことを特徴とする。
【0014】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記重量センサは、複数の収容体に収容された物体の総重量を検知するセンサであり、
前記所定パターンは、前記複数の収容体のいずれかに対する
収容の開始前から完了後に対応付けられる収容パターン
であり、
前記推移モデルは、前記履歴において、前記収容パターンにマッチする重量の増加があった増加時点と、前記履歴において、当該増加時点の後前記複数の収容体が空になるまでに、前記複数の収容体のいずれかに対する取り出しの開始前から完了後に対応付けられる取り出しパターンにマッチし、前記増加に呼応する重量の減少があった減少時点と、の間の時間長の分布により表現され、
前記予測部は、
前記収容パターンにマッチする重量の増加があると、直前までに予測された推移に、当該増加に相当する重量を前記分布に応じて増す
ことにより、将来の推移を予測する
ことを特徴とする。
【0015】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
非重量センサにより検知された所定イベントの発生時点を取得する時点取得部と、
前記取得された発生時点と、前記判定部により逸脱していると判定された逸脱時点と、が、所定範囲内であるか否かに応じた警告情報を出力する出力部と、
をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記重量センサは、収容体に収容された物体の重量を検知し、
前記非重量センサは、前記収容体の扉の開閉、もしくは、前記収容体が設置された部屋の扉の開閉を検知する開閉センサであり、
前記所定イベントは、前記扉の開閉である
ことを特徴とする。
【0017】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記重量センサは、複数の脱衣籠を収容可能な棚の棚板の上面に設置され、前記複数の脱衣籠ならびに当該複数の脱衣籠に収容された物体の重量を検知し、
前記非重量センサは、前記棚が設置される部屋の扉の開閉を検知する開閉センサであり、
前記所定イベントは、前記扉の開閉である
ことを特徴とする。
【0018】
また、上記観点に係る情報処理装置において、
前記重量センサは、ロッカーに収容された物体の重量を検知し、
前記非重量センサは、前記ロッカーの扉の開閉を検知する開閉センサであり、
前記所定イベントは、前記ロッカーの利用を終了するために前記ロッカーの扉が閉まることである
ことを特徴とする。
【0019】
本発明の第2の観点に係る情報処理方法は、
情報処理装置が、
重量センサにより検知されている重量を取得し、
前記取得された重量の推移と、前記重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて前記重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測する
ことを特徴とする。
【0020】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
重量センサにより検知されている重量を取得する重量取得部、
前記取得された重量の推移と、前記重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて前記重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測する予測部
として機能させることを特徴とする。
【0021】
上記プログラムは、非一時的な(non-transitory)記録媒体に記録されてもよい。非一時的な記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、カメラ、マイク等の装置を設置することが難しい場所において、重量からその場所の状況を知ることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置と、重量センサ及び非重量センサとの関係を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る重量センサと収容体との関係を示す図であり、(a)は、1つの脱衣籠に1つの重量センサが設置されている図、(b)は、複数の脱衣籠に1つの重量センサが設置されている図、(c)は、複数の棚のそれぞれに重量センサが設置されている図である。
図3】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
図4】実施形態1に係る情報処理装置の機能構成を示す図である。
図5】実施形態1に係る重量履歴テーブルを説明するための図である。
図6】実施形態1に係る過去に取得された重量の推移の例を示す図である。
図7】実施形態1に係る過去に取得された重量の推移の例を示す図である。
図8】実施形態1に係る推移モデルを表現する時間長の分布を示す図である。
図9】実施形態1に係る重量の推移の例を示す図である。
図10】実施形態1に係る重量の推移の例を示す図である。
図11】実施形態1に係る重量の推移の例を示す図であり、(a)は、脱衣籠400−1における重量の推移を示す図、(b)は、脱衣籠400−2における重量の推移を示す図、(c)は、(a)の重量の推移に(b)の重量の推移を加算した図である。
図12】実施形態1に係る判定結果の例を示す図である。
図13】実施形態1に係る情報処理装置が行う情報処理を説明するためのフローチャートである。
図14】実施形態2に係る情報処理装置の機能構成を示す図である。
図15】実施形態2に係る警告情報の例を示す図である。
図16】実施形態2に係る情報処理装置が行う情報処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(1.全体構成)
本発明の実施形態1に係る情報処理装置100は、図1に示すように、ネットワーク300に接続される。ネットワーク300には、情報処理装置100の他に、重量センサ210と非重量センサ220とが接続されている。
【0025】
情報処理装置100は、重量センサ210が検知した重量に基づいて重量センサ210が設置されている場所Xの状況を示すものである。また、情報処理装置100は、重量センサ210が検知した重量と、非重量センサ220が検知した所定イベントとに基づき、警告を示すものである。以下では、例として、重量センサ210が設置されている場所Xを、宿泊施設の浴場内の脱衣所として、実施形態1,2を説明する。この場合、情報処理装置100のユーザは、宿泊施設のスタッフである。
【0026】
重量センサ210は、施設に複数設置されたセンサであり、1つの収容体に収容された物体の重量を検知するセンサ、又は、複数の収容体に収容された物体の総重量を検知するセンサである。重量センサ210と収容体との関係を図2に示す。
【0027】
図2(a),(b)は、脱衣所に置かれている脱衣籠を収容体とみなす場合の例である。図2(a)は、1つの脱衣籠410に1つの重量センサ210−Aが設置されている様子を示す。重量センサ210−Aは、脱衣籠410の底面に設置され、1つの脱衣籠410に収容された物体の重量を検知する。図2(b)は、複数の脱衣籠410−1,410−2,410−3に対し1つの重量センサ210−Bが設置されている様子を示す。重量センサ210−Bは、棚420の棚板の上面に設置され、複数の脱衣籠410に収容された物体の総重量を検知する。
【0028】
図2(c)は、脱衣所の脱衣籠が置かれる棚を収容体とした場合の例である。図2(c)は、複数の棚420−1,420−2,420−3のそれぞれに重量センサ210−Cが設置されている様子を示す。重量センサ210−Cは、棚420−1,420−2,420−3の棚板の上面に設置され、棚板に乗っている複数の脱衣籠410及び脱衣籠410に収容された物体の重量を検知する。以下では、重量センサ210−A,210−B,210−Cは、いずれかを特定する場合を除き、総称して重量センサ210と表記する。
【0029】
重量センサ210は、所定の周期で重量を検知し、所定のタイミングで検知した重量を示すデータを情報処理装置100に送信する。所定の周期及び所定のタイミングは、情報処理装置100のユーザが任意に設定することができる。重量センサ210は、例えば、24時間継続して1分毎に重量を検知し、1分毎に検知した重量のデータを、情報処理装置100に送信する。重量センサ210から所定の周期で送信された重量のデータは、情報処理装置100に格納される。
【0030】
非重量センサ220は、所定イベントを検知するものである。所定イベントは、例えば、扉の開閉であり、非重量センサ220は、収容体が設置された部屋の扉の開閉を検知する開閉センサである。非重量センサ220は、開閉を検知する度に、検知した開閉を示すデータを情報処理装置100に送信する。例えば、非重量センサ220は、脱衣所の部屋の扉の開閉を検知し、検知した開閉を示すデータを、情報処理装置100に送信する。非重量センサ220から送信された開閉を示すデータは、情報処理装置100に格納される。
【0031】
ネットワーク300は、無線又は有線による通信ネットワークである。ネットワーク300は、いかなるものであってもよく、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN(Local Area Network)、VPN(Virtual Private Network)、電話回線網等である。
【0032】
(2.情報処理装置のハードウェア構成)
図3は、情報処理装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0033】
情報処理装置100は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM13と、記録媒体14と、出力デバイス15と、通信デバイス16と、操作デバイス17と、を備える。各構成要素は、バス18により接続されている。
【0034】
CPU11は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。
【0035】
ROM12には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0036】
RAM13は、データやプログラムを一時的に記録するためのもので、記録媒体14から読み出したプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0037】
記録媒体14は、ハードディスクやフラッシュメモリ等から構成され、情報処理装置100で処理するデータを記録する。
【0038】
出力デバイス15は、LCD(Liquid Crystal Display)及びバックライト等の表示装置や、スピーカ等の音声出力装置を備える。出力デバイス15は、CPU11による制御の下、例えば、CPU11から出力されたデータを出力する。
【0039】
通信デバイス16は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網に接続するための通信インターフェースを含み、通信デバイス16を介して他の情報処理装置等とやりとりをする。
【0040】
操作デバイス17は、ボタン、キーボード、タッチパネル等の入力装置を備える。操作デバイス17は、情報処理装置100のユーザからの操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に対応する信号をCPU11に出力する。
【0041】
(3.実施形態1の情報処理装置の機能構成)
実施形態1の情報処理装置100は、重量センサ210が検知した重量に基づいて重量センサが設置されている場所の混雑状況を示すものである。
【0042】
実施形態1の情報処理装置100は、図4に示すように、機能的には、重量取得部101と、予測部102と、判定部103と、出力部104と、入力部105と、更新部106とを備える。本実施形態において、CPU11及び通信デバイス16が協働して、重量取得部101として機能し、CPU11が予測部102、判定部103及び更新部106として機能する。また、CPU11、出力デバイス15及び通信デバイス16が協働して、出力部104として機能し、CPU11及び操作デバイス17が協働して、入力部105として機能する。
【0043】
重量取得部101は、重量センサ210により検知されている重量を取得する。例えば、重量取得部101は、現在の脱衣籠に収容された物体の重量を、重量センサ210から取得する。
【0044】
予測部102は、取得された重量の推移と、重量センサ210により過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて重量センサ210により検知されるべき重量の将来の推移を予測する。
【0045】
重量の履歴とは、重量センサ210より過去に所定の周期で送信された重量の時系列データである。例えば、重量センサ210は、重量の時系列データを情報処理装置100に送信し、情報処理装置100は、受信した重量のデータを、記録媒体14に格納されている重量履歴テーブルに登録する。
【0046】
図5に、重量履歴テーブルの例を示す。重量履歴テーブル100aには、重量センサ210を識別するためのセンサIDと、検知された重量の時系列データの一部を識別するためのデータIDと、重量が検知された検知時刻と、検知された重量と、重量の推移が正常か異常かを示すラベルと、が対応づけて登録されている。
【0047】
センサID“1”、“2”・・・“n”のセンサは、それぞれ、収容体1,2,・・・nの重量を検知するものとする。また、データIDは、重量センサが24時間検知した時系列データから、重量の変化があった部分を抜粋した時系列データについて付与したIDである。また、ラベルは、データIDが付与された時系列データが、正常又は異常な重量の推移を示すものかをユーザが判断して付与するものである。ラベルは、後述するように、入力部105が受け付けた入力に基づいて登録される。
【0048】
例えば、重量履歴テーブル100aの一行目は、センサID“1”のセンサが検知したデータID“1−1”の時系列データは、検知時刻“2020年2月1日17時59分”に、1.0kgの重量を検知し、データID“1−1”の時系列データは、重量の推移として、“正常”なパターンであることを示している。
【0049】
予測部102は、図5の重量履歴テーブル100aを参照して、推移モデルを生成する。推移モデルは、収容体に物体が収容されてから取り出されるまでの時間長(以下「収容時間長」という)の分布により表現される。例えば、浴場に置かれている脱衣籠410についての収容時間長は、脱衣籠410に衣類等が収容されてから、衣類等が取り出されるまでの時間長である。浴場の利用者は、脱衣籠から衣類等の荷物を取り出した後は浴場を去るのが通常であるので、収容時間長は浴場の利用時間長と見なすことができる。
【0050】
収容時間長は、過去の重量の推移のうち、収容パターンにマッチする重量の増加時点から取り出しパターンにマッチする重量の減少時点までの時間長である。ここで、収容パターンとは、収容体に対する収容の開始前から完了後に対応付けられるパターンであり、例えば、所定時間長区間において、重量が一定の状態から急に増加して、再び一定になる重量の推移のパターンである。また、取り出しパターンとは、収容体からの取り出しの開始前から完了後に対応付けられるパターンであり、例えば、所定時間長区間において、重量が一定の状態から急に減少して、再び一定になる重量の推移のパターンである。
【0051】
ここで、所定時間長区間は、情報処理装置100のユーザが任意に設定することができる。例えば、脱衣所を想定した場合、所定時間長区間は、数分程度の区間とすることができる。
【0052】
図6に、1つの収容体に収容された物体の重量を検知する重量センサ210−Aにより検知された、過去の重量の推移を示す。図6は、例えば、図2(a)に示す構成において、1つの脱衣籠410に収容された物体の重量の推移を示す。図6において、時刻t1〜t2の区間501が所定時間長区間であり、収容パターンは、区間501における重量の推移のパターンである。収容パターンにマッチする重量の増加があった増加時点とは、図6では、時刻t1である。また、図6において、時刻t3〜t4の区間502が所定時間長区間であり、取り出しパターンは、区間502における重量の推移のパターンである。取り出しパターンにマッチする重量の減少時点とは、図6では、時刻t4である。よって、収容時間長は、時刻t1〜t4の区間の時間長Tである。
【0053】
予測部102は、図5の重量履歴テーブル100aを参照して、データIDが付与されたデータについて収容時間長を算出し、収容時間長の分布を求める。
【0054】
なお、重量センサ210が複数の収容体に収容された物体の総重量を検知するセンサの場合は、次のように、収容時間長を算出する。収容時間長は、過去の重量の推移において、収容パターンにマッチする重量の増加があった増加時点と、当該増加時点の後複数の収容体が空になるまでに取り出しパターンにマッチし、増加に呼応する重量の減少があった減少時点と、の間の時間長とする。
【0055】
図7に、複数の収容体に収容された物体の総重量を検知する重量センサ210−B,210−Cにより検知された、過去の重量の推移の例を示す。図7は、例えば、図2(b)に示す構成において、3つの脱衣籠410−1,410−2,410−3に収容された物体の総重量の推移を示すものとみなす。収容パターンにマッチする重量の増加があった増加時点は、図7では、時刻t5,t6,t7である。ここで、時刻t5,t6,t7は、それぞれ脱衣籠410−1,410−2,410−3へ物体が入れられた時刻とする。時刻t5,t6,t7における重量の増加は、それぞれ、重量A,重量B,重量Cである。
【0056】
例えば、時刻t5の増加時点の後、3つの脱衣籠410が空になるまでに取り出しパターンにマッチし、時刻t5の重量の増加に呼応する重量Aの減少があった減少時点は、時刻t10である。すなわち、脱衣籠410−1についての収容時間長は、時刻t5〜t10までの時間長TAと求められる。同様に、時刻t6の増加時点の後、3つの脱衣籠410が空になるまでに取り出しパターンにマッチし、時刻t6の重量の増加に呼応する重量Bの減少があった減少時点は、時刻t8である。すなわち、脱衣籠410−2についての収容時間長は、時刻t6〜t8までの時間長TBと求められる。時刻t7の増加時点の後、3つの脱衣籠410が空になるまでに取り出しパターンにマッチし、時刻t7の重量の増加に呼応する重量Cの減少があった減少時点は、時刻t9である。すなわち、脱衣籠410−3についての収容時間長は、時刻t7〜t9までの時間長TCと求められる。
【0057】
なお、2以上の収容体において、同時に物体が収容されたり、取り出されたりした場合は、重量の呼応関係が正確に計測されないので、そのような場合に計測されたデータは、推移モデルを表現する時間長の分布に含めない。
【0058】
求めた収容時間長の分布の例を図8に示す。図8の分布は、横軸が収容時間長であり、縦軸は各階級に該当したデータ数である。
【0059】
図8の分布が正規分布に従うとすると、分布の平均μ±2×分布の標準偏差σの範囲には、収容時間長のデータの約95%が含まれる。例えば、脱衣籠の収容時間長の場合、物体の収容が開始されてから、μ+2×σの時間長の間に、収容が終了される(物体が取り出される)と考えられる。つまり、浴場の大多数の利用者は、μ+2×σの時間長までに浴場の利用を終了すると考えられる。
【0060】
ここで、予測部102は、取得された重量の推移のうち直近の所定時間長区間における推移が、所定パターンにマッチすると、将来の推移を予測する。以下、所定パターンを収容パターンとする。
【0061】
図2(a)に示すように、1つの重量センサ210−Aが、1つの収容体(脱衣籠410)に収容された物体の重量を検知する場合の予測手法について説明する。図9に、重量取得部101が取得した、1つの重量センサ210−Aにより検知されている重量の推移を示す。
【0062】
予測部102は、直近の所定時間区間503において、時刻t11〜時刻t12の収容パターンを検知すると、時刻t12以降の重量の推移を予測する。例えば、予測部102は、時刻t11から、図8の分布のμ+2σの時間長後の時刻t13に、重量が0になる、すなわち、物体が全て取り出されると予測する。
【0063】
図2(b)に示すように、1つの重量センサ210−Bが、複数の収容体(脱衣籠410−1,410−2,410−3)に収容された物体の総重量を検知する場合の予測手法について、図10,11を用いて説明する。まず、予測部102は、図8のヒストグラムから、データ総数で正規化した、横軸を収容時間長とする累積度数分布を求める。この累積度数分布は、その時間長に収容体から物体が取出し済である割合を示している。次に、予測部102は、1から求めた累積度数分布の値を減算した曲線を求め、求めた曲線に、検知された収容パターンの重量Wを乗じる。この曲線を、図10の曲線506に示す。図10は、時間長に対する重量の分布を示すものであり、曲線506は、重さWの収容パターンを検知すると、その後どのように重量が変化するかを示したものである。例えば、図10の曲線506は、収容パターンを検知してから、時間長taの経過後に、重量Wは重量Waまで減少することを示し、時間長tbの経過後には、重量Wは重量Wbまで減少することを示している。
【0064】
予測部102は、収容パターンにマッチする重量の増加があると、直前までに予測された推移に、当該増加に相当する重量を分布に応じて増すことにより、将来の推移を予測する。
【0065】
図11(a)は、脱衣籠410−1,410−2,410−3に何も物体が収容されていない状態から、脱衣籠410−1に、重量W1の物体が収容された場合に予測された重量の推移(分布)を示すものとする。時刻t14は、重量の推移における収容パターンの開始時刻である。また、図11(b)は、脱衣籠410−1,410−2,410−3に何も物体が収容されていない状態から、脱衣籠410−2に、重量W2の物体が収容された場合に予測された重量の推移(分布)を示すものとする。時刻t15は、重量の推移における収容パターンの開始時刻である。
【0066】
ここで、図11(a)に示す推移が予測された状態で、重量W2の収容パターンが検知されたとすると、予測部102は、図11(a)に示す重量の推移に、図11(b)に示す重量の推移を加算し、図11(c)を求める。このようにして、予測部102は、脱衣籠410−1に物体が入れられてから、脱衣籠410−2に物体が入れられた場合に予測される将来の重量の推移(図11(c))を求める。そして、予測部102は、図11(c)の推移において、重量が所定の値W0になる時刻t16を、物体が取り出される時刻と予測する。
【0067】
上記の例では、図2(b)を用いて予測手法を説明したが、図2(c)に示すように1つの重量センサ210−Cが、複数の収容体(棚420)の総重量を検知する場合の予測手法も、同様の手法が採用できる。
【0068】
次に、予測部102は、複数の重量センサ210のそれぞれにより検知されるべき重量の将来の推移を予測し、複数の重量センサ210のそれぞれについて予測された将来の推移に基づいて、施設の将来の混雑度合を予測する。
【0069】
まず、n個の収容体のそれぞれについて、収容パターンが検知されると、収容パターンが検知された収容体から物体が取り出される時刻を求めるとする。予測部102は、例えば、n個の収容体のうち、いずれかの収容体(i=1)において収容パターンが検知されると、他の収容体(i=2〜n)について予測されている重量の推移から、10分後に、n個のうち何個の収容体に物体が収容されているかを求める。例えば、n個のうち、10分後には、m個の収容体に物体が収容されているとすると、収容体が配置されている施設の混雑度合をm/nと求める。
【0070】
図4に戻って、出力部104は、予測部102により予測された混雑度合を出力する。例えば、出力部104は、情報処理装置100のディスプレイに宿泊施設の浴場の混雑度合m/nを表示する。
【0071】
また、出力部104は、混雑度合に色彩を対応付け、現在の混雑度合を示す色彩から、予測された将来の混雑度合を示す色彩に次第に変化させることを繰り返すことにより、混雑度合の推移を出力する。例えば、出力部104は、宿泊施設の各部屋に設置されているランプを用いて、宿泊客に混雑度合を通知する。混雑度合が高いほど、色相において、赤色に近づき、混雑度合が低いほど、青色に近づく。現在の混雑度合が、(m+5)/nであり、10分後には、混雑度合がm/nになると予測されたとすると、出力部104は、ランプの色を暖色系の色から寒色系の色に次第に変化させ、これを繰り返すことにより、混雑度合の変化を通知する。
【0072】
判定部103は、取得された重量の推移のうち将来の予測がされて以後の予測後推移が、予測された将来の推移から逸脱しているか否かを判定する。
【0073】
予測後推移とは、例えば、図9の場合では、時刻t12以降の重量の推移である。判定部103は、図9のように予測時間長が求められた場合であって、時刻t13を過ぎても重量が0にならなかった場合、予測後推移が予測された将来の推移から逸脱していると判定する。一方、時刻t13までに、重量が0になった場合は、判定部103は、予測後推移が予測された将来の推移から逸脱していないと判定する。
【0074】
例えば、図9において、重量の推移が時刻t13を超えても0にならない場合、時刻t13は、収容時間長の分布のμ+2σだけ経過した時刻なので、特殊な状況と考えられる。重量の推移が、μ+2σの時間長を超えても減少しない場合、例えば、脱衣籠の利用者が浴場で倒れてしまったか、脱衣籠に忘れ物をしている場合などが考えられる。また、重量センサ210が検知した重量の推移が、μ−2σの時間長よりも前に減少した場合、例えば、忘れ物を取りに来た、或いは、脱衣籠内の荷物が盗まれた場合と考えられる。
【0075】
また、図10のように重量の推移が予測された場合は、求めた曲線506を、+2σ(区間509)だけずらした曲線507と、−2σ(区間510)だけずらした曲線508と、を求める。例えば、図11(a)及び図11(b)に示す予測された重量の推移のそれぞれについて、−2σだけずらした曲線と+2σだけずらした曲線を求める。そして、−2σだけずらした曲線同士を加算し、+2σだけずらした曲線同士を加算する。重量の推移が、加算により求められた曲線が示すμ±2σの範囲内に収まっていれば、判定部103は、重量の推移が逸脱していないと判断する。
【0076】
出力部104は、判定部103により逸脱していると判定されると、判定された結果を出力する。
【0077】
例えば、出力部104は、図12に示す画像610を、情報処理装置100のディスプレイに表示する。
【0078】
入力部105は、判定された結果に対する正否の入力を受け付ける。
【0079】
例えば、入力部105は、画像610におけるボタン611,612のクリック入力を受け付ける。例えば、重量取得部101により取得された重量の時系列データが示す予測後推移が、予測された将来の推移から逸脱していると判定された場合、宿泊施設のスタッフは、浴場の利用者の一般的な入浴時間か否かを判断する。例えば、時刻t13を1分超えた時点から重量が減少し始めた時系列データの場合、一般的な入浴時間と判断し、宿泊施設のスタッフは、画像610において、ボタン611をクリックする。あるいは、時刻t13を30分超えても重量が減少しない時系列データの場合、宿泊施設のスタッフは、この時系列データのパターンを、浴場の利用者の一般的な入浴時間を逸脱していると判断し、画像610において、ボタン612をクリックする。
【0080】
更新部106は、受け付けられた入力と、予測後推移と、に基づいて、推移モデルを更新する。
【0081】
例えば、ボタン611がクリックされた場合、更新部106は、この時系列データにデータIDを付与し、ラベル“正常”を対応付けて、図5の重量履歴テーブル100aに登録する。或いは、ボタン612がクリックされた場合、更新部106は、この時系列データにデータIDを付与し、ラベル“異常”を対応付けて、図5の重量履歴テーブル100aに登録する。そして、更新部106は、図5の重量履歴テーブル100aを参照して、ラベルに“異常”が付された時系列データを除外して、収容時間長の分布を求めることにより、推移モデルの更新を行う。
【0082】
(4.実施形態1の情報処理装置の動作)
本実施形態の情報処理装置100の動作について説明する。例えば、情報処理装置100は、重量センサ210から24時間、所定の周期で重量を取得しており、情報処理装置100のユーザの指示により、図13に示す情報処理が実行される。
【0083】
予測部102は、取得された重量の推移のうち直近の所定時間長区間における推移が、所定パターンにマッチするか否かを判断する(ステップS101)。予測部102は、直近の所定時間長区間における推移が、所定パターンにマッチすると判断すると(ステップS101;YES)、将来の推移を予測する(ステップS102)。一方、予測部102は、直近の所定時間長区間における推移が、所定パターンにマッチしないと判断すると(ステップS101;NO)、そのまま待機する。例えば、予測部102は、図9に示す時刻t11〜時刻t12の収容パターンを検知すると、推移モデルを表す図8の分布を参照して、時刻t11から、図8の分布のμ+2σの時間長後の時刻t13に、物体が全て取り出されると予測する。
【0084】
次に、予測部102は、施設の将来の混雑度合を予測する(ステップS103)。例えば、収容体(i=1)において収容パターンが検知されると、他の収容体(i=2〜n)について予測されている重量の推移から、10分後に、n個のうち何個の収容体に物体が収容されているかを求める。そして、出力部104は、予測された混雑度合を出力する(ステップS104)。
【0085】
判定部103は、取得された重量の推移のうち将来の予測がされて以後の予測後推移が、予測された将来の推移から逸脱しているか否かを判定する(ステップS105)。判定部103が、予測後推移が予測された将来の推移から逸脱していると判断すると(ステップS105;YES)、出力部104は、判定された結果を出力する(ステップS106)。一方、判定部103は、予測後推移が予測された将来の推移から逸脱していないと判断すると(ステップS105;NO)、ステップS101にもどる。
【0086】
ステップS106において、判定結果が出力されると、入力部105は、判定された結果に対する正否の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS107)。入力部105が、正否の入力を受け付けたと判断すると(ステップS107;YES)、更新部106は、推移モデルを更新する(ステップS108)。一方、入力部105が、正否の入力を受け付けていないと判断すると(ステップS107;NO)、ステップS101にもどる。例えば、入力部105は、画像610におけるボタン611,612のクリック入力を受け付け、更新部106は、取得した重量の推移の時系列データに、入力されたボタン611,612に対応付けられるラベルを付与して、図5の重量履歴テーブル100aに登録し、この重量履歴テーブル100aを参照して、推移モデルを更新する。
【0087】
本実施形態によれば、浴室や脱衣場など、プライバシーの観点からカメラ及びマイク等の装置を設置することが難しい場所において、重量からその場所の状況を知ることができる。また、重力から予測したその場所の状況に基づいて、その場所の将来における混雑度合を予測することができる。例えば、脱衣場に配置された脱衣籠の重量から、現在、脱衣場が使用されているか否かを知ることができ、さらに、将来のいつごろまで使用されるか否かを予測することができる。また、将来の使用予測に基づき、浴室の混雑度合を予測することができる。
【0088】
また、本実施形態によれば、予測した混雑度合を他のデバイスに通知することができる。例えば、浴場の混雑状況を、宿泊施設の利用者に、各部屋に設置されたランプで伝えることができるので、利用客は、浴場に訪れなくても、何分後にどの程度の混雑具合なのかを知ることができる。
【0089】
(5.実施形態2の情報処理装置の機能構成)
実施形態2の情報処理装置100は、重量センサ210が検知した重量と、非重量センサ220が検知した所定イベントとに基づき、警告を示すものである。
【0090】
実施形態2の情報処理装置100は、図14に示すように、機能的には、重量取得部101と、予測部102と、判定部103と、出力部104と、入力部105と、更新部106と、時点取得部107と、を備える。本実施形態において、CPU11及び通信デバイス16が協働して、重量取得部101及び時点取得部107として機能し、CPU11が、予測部102、判定部103及び更新部106、として機能する。また、CPU11、出力デバイス15及び通信デバイス16が協働して、出力部104として機能し、CPU11及び操作デバイス17が協働して、入力部105として機能する。
【0091】
時点取得部107は、非重量センサ220により検知された所定イベントの発生時点を取得する。
【0092】
ここで、非重量センサ220は、扉の開閉を検知する開閉センサであり、所定イベントは、扉の開閉である。
【0093】
例えば、収容体が、脱衣籠、又は、複数の脱衣籠を収容可能な棚の場合、非重量センサは、脱衣籠又は棚が設置される部屋の扉の開閉を検知する開閉センサであり、所定イベントは、部屋の扉の開閉である。以下では、部屋の扉を、浴場と廊下を隔てる扉とする。
【0094】
出力部104は、取得された発生時点と、判定部103により逸脱していると判定された逸脱時点と、が、所定範囲内であるか否かに応じた警告情報を出力する。
【0095】
例えば、図9の場合において、時刻t17に扉の開閉が発生し、時刻t13を超えて重量が減少せずに、重量の推移が逸脱していると判定されたとする。出力部104は、時刻t17(発生時点)から時刻t13(逸脱時点)までの時間長504が、所定範囲内か否かを判断する。例えば、所定範囲を5分とし、時間長504が5分以内の長さの場合、浴場の利用者が、脱衣籠に荷物を置いたまま、浴場を去ってしまったと考えられる。よって、出力部104は、図15に示すように、警告情報が含まれる画像620を、情報処理装置100のディスプレイに表示する。そして、宿泊施設のスタッフは、例えば、警告情報が正しくないと判断した場合は、画像620において、ボタン621をクリックし、警告情報が正しいと判断した場合は、画像620において、ボタン622をクリックする。
【0096】
なお、図9の場合において、時刻t13から5分を超えても発生時点が取得されない場合は、浴場の利用者が倒れている可能性があるとして、出力部104は、情報処理装置100のディスプレイに、警告情報を通知してもよい。
【0097】
また、図9の場合において、時刻t18において、重量の減少が検出され、時刻t18が、時刻t11からμ−2σ以下の時点であるとすると、重量の推移が逸脱していると判定される。この後に、時刻t19に扉の開閉が発生したとすると、出力部104は、時刻t19(発生時点)から時刻t18(逸脱時点)までの時間長505が、所定範囲内か否かを判断する。例えば、所定範囲を2分とし、時間長505が2分以内の長さの場合、何者かが脱衣籠の荷物を取り、浴場を去った可能性が考えられる。このような場合、出力部104は、窃盗の可能性がある旨の警告情報を、情報処理装置100のディスプレイに表示する。
【0098】
(6.実施形態2の情報処理装置の動作)
本実施形態の情報処理装置100の動作について説明する。例えば、情報処理装置100は、重量センサ210から24時間、所定の周期で、重量を取得しており、非重量センサ220からは、開閉の検知の度に開閉があった通知を受け取り、この通知に基づき開閉の発生時点を取得しているとする。情報処理装置100のユーザの指示により、図16に示す情報処理が実行される。
【0099】
図16のステップS201〜ステップS205、ステップS208、ステップS209の処理は、図13のステップS101〜ステップS105、ステップS107、ステップS108の処理と同じである。
【0100】
ステップS205において、判定部103が、予測後推移が予測された将来の推移から逸脱していると判断すると(ステップS205;YES)、出力部104は、取得された発生時点と、判定部103により逸脱していると判定された逸脱時点と、が、所定範囲内であるか否かを判断する(ステップS206)。一方、判定部103が、予測後推移が予測された将来の推移から逸脱していないと判断すると(ステップS205;NO)、ステップS201にもどる。例えば、出力部104は、非重量センサ220から取得した発生時点と、逸脱時点とが所定範囲内であるか否かを判断する。
【0101】
出力部104は、発生時点と逸脱時点とが、所定範囲内であると判断すると(ステップS206;YES)、警告情報を出力する(ステップS207)。一方、出力部104は、発生時点と逸脱時点とが、所定範囲外であると判断すると(ステップS206;NO)、ステップS201に戻る。例えば、出力部104は、図9の場合において、時刻t17(発生時点)から時刻t13(逸脱時点)までの時間長504が、5分以内(所定範囲内)と判断すると、図15に示すように、画像620を、情報処理装置100のディスプレイに表示する。
【0102】
本実施形態によれば、浴室や脱衣場など、プライバシーの観点からカメラ及びマイク等の装置を設置することが難しい場所において、その場所で発生している状況を推測して、ユーザに警告を通知することができる。これにより、例えば、浴場において、忘れ物がある場合や長時間入浴している利用客がいる場合に、スタッフに通知することができる。よって、監視カメラ等のデバイスが備わっていなくても、利用客に高い利便性を提供したり、利用客の安全を確保したりすることができる。
【0103】
(7.変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
【0104】
上記実施形態において、重量センサ210から送信される重量のデータは、情報処理装置100の記録媒体14に格納されるとしたが、これに限らない。重量センサ210から送信される重量のデータは、情報処理装置100以外の他の装置に格納されてもよい。この場合、予測部102は、重量のデータが格納された他の装置にアクセスして、推移モデルを生成する。
【0105】
上記実施形態において、所定時間長区間は、ユーザが任意に設定するとしたが、これに限らない。所定時間長区間は、重量の履歴に基づいて、自動調整されてもよい。以下、所定時間長区間の候補となる時間長区間を候補時間長区間という。
【0106】
例えば、候補時間長区間tを様々な値に設定し、重量の履歴において、候補時間長区間t内に重量が一定の状態から急に変化して、再び一定になるサンプル数cを求める。候補時間長区間tが0に近づくほど、一定になる状態が含まれなくなるので、サンプル数cは0に近い値をとる。一方、候補時間長区間tを長くすると、サンプル数cは、ある程度まで増加し、その後減少していく。これは、図7を例とすると、候補時間長区間tを長くすれば、重量Aの増加と、重量Bの増加とが1つのサンプルと判断されるためである。候補時間長区間tを様々な値に設定して求めたサンプル数cのうち、最もサンプル数cが大きい時の候補時間長区間tを、所定時間長区間とする。これにより、適当な所定時間長区間を設定することができる。なお、所定時間長区間は、サンプル数cが最大値を取った後、例えば、9割程度まで減少した時の候補時間長区間tの値であってもよい。
【0107】
サンプル数cの求め方は、次のようにしてもよい。候補時間長区間tにおいて始めのt/3の区間及び終わりのt/3区間の重量が一定で、始めのt/3の区間における重量の値が、終わりのt/3区間の区間における重量の値と、十分に異なるサンプル数cを求める。
【0108】
ここで、十分に異なるとみなすことができる重量の閾値は、例えば、最初に500gのように適当な値を設定し、サンプル数cが最大値をとる候補時間長区間tを所定時間長区間とする。例えば、所定時間長区間が5分20秒になったとすると、履歴において、所定時間長区間5分20秒を用いて、収容パターンと取り出しパターンを検出する。例えば、図7の場合を例とすると、重量A,B,Cに相当する重量が検出できる。このように、検出された、重量A,B,C等の重量の分布を求め、求めた分布を正規分布として、正規分布の平均μ−2×標準偏差σの重量の値を「十分に異なるとみなすことができる重量の閾値」とする。そして、この値を用いて、所定時間長区間を求め、上記閾値を算出するということを繰り返すことにより、所定時間長区間及び上記閾値ともに、妥当な値に収束させることができる。
【0109】
また、所定時間区間長を、センサが置かれている場所ごとに求めてもよい。例えば、脱衣場の例の場合、センサが男湯におかれているか女湯におかれているかによって、重量の履歴を分類し、分類された履歴に基づいて、上記のように所定時間長区間を求めてもよい。
【0110】
上記実施形態2において、収容体を、脱衣籠として説明したが、これに限らない。例えば、収容体は、ロッカーであってもよい。ロッカーは、例えば、宿泊施設の貴重品入れや、宅配ボックスのロッカーである。収容体がロッカーの場合、開閉センサは、ロッカーの扉の開閉を検知する開閉センサであり、所定イベントは、ロッカーの利用を終了するためにロッカーの扉が閉まることである。これにより、ロッカーの現在の利用状況及び将来の空き状況を知ることができる。
【0111】
また、上記実施形態2において、出力部104は、発生時点と逸脱時点とが所定範囲内か否かに応じた警告情報を出力するとしたが、これに限らない。例えば、上記実施形態1において、判定部103が逸脱していると判断した場合に、出力部104が警告情報を出力するようにしてもよい。
【0112】
上記実施形態及び変形例において、標準偏差に乗じる係数を“2”として説明したが、標準偏差に乗じる係数は、“2”以外の値としても良い。また、重量の分布を正規分布に従うとしたが、これに限らず、例えば、ポアソン分布等のほかの分布を採用して、その分布に応じた収束時間長や閾値等を定めることとしてもよい。
【0113】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、カメラ及びマイク等の装置を設置することが難しい場所において、重量からその場所の状況を知ることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0115】
100 情報処理装置
101 重量取得部
102 予測部
103 判定部
104 出力部
105 入力部
106 更新部
107 時点取得部
210,210−A,210−B,210−C 重量センサ
220 非重量センサ
300 ネットワーク
410,410−1,410−2,410−3 脱衣籠
420,420−1,420−2,420−3 棚
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記録媒体
15 出力デバイス
16 通信デバイス
17 操作デバイス
18 バス
【要約】
【課題】カメラ及びマイク等の装置を設置することが難しい場所において、重量からその場所の状況を知ることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】重量取得部101は、重量センサにより検知されている重量を取得する。予測部102は、取得された重量の推移と、重量センサにより過去に検知された重量の履歴から生成された重量の推移モデルと、に基づいて重量センサにより検知されるべき重量の将来の推移を予測する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16