特許第6959409号(P6959409)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6959409流体に浸漬される組織試料を保管および移送するための組立体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959409
(24)【登録日】2021年10月11日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】流体に浸漬される組織試料を保管および移送するための組立体
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/28 20060101AFI20211021BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20211021BHJP
【FI】
   G01N1/28 J
   G01N1/00 101F
【請求項の数】17
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2020-124115(P2020-124115)
(22)【出願日】2020年7月21日
(62)【分割の表示】特願2017-542403(P2017-542403)の分割
【原出願日】2016年2月17日
(65)【公開番号】特開2020-190563(P2020-190563A)
(43)【公開日】2020年11月26日
【審査請求日】2020年7月21日
(31)【優先権主張番号】62/118,878
(32)【優先日】2015年2月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/165,616
(32)【優先日】2015年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507179346
【氏名又は名称】ベンタナ メディカル システムズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】オッター,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クラム,ネイサン
【審査官】 瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0311165(US,A1)
【文献】 特開2007−225399(JP,A)
【文献】 特表2009−519439(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0213934(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00− 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定剤溶液に浸漬される生体試料を保管および移送するための組立体であって、前記組立体が、
・一定量の固定剤溶液で予め充填される第1のチャンバを備えるキャップと、
・前記生体試料を保持するための第2のチャンバを備える試料容器と、
・前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間に位置して閉構成と開構成との間で切り替わるように適合されるバルブであって、
・前記バルブが前記開構成であるときに、1つまたは複数のチャンネルが前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間に形成され、前記第1のチャンバから前記第2のチャンバまで固定剤溶液が流れるのを可能にし、また、引き換えに空気を通気するのを可能にし、
・前記バルブが前記閉構成であるときに、前記バルブが前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間にバリアを作り、前記バリアが前記第2のチャンバから前記第1のチャンバまで前記固定剤溶液が流れるのを防止し、
・前記バルブが、第1の力の適用時に前記閉構成から前記開構成へと切り替わるように構成され、
・前記バルブが、前記第1の力が取り除かれるときに初期設定の前記閉構成に戻るように構成される、
バルブと、
・非係合位置と係合位置との間で移動可能であるアクチュエータであって、
・前記非係合位置から前記係合位置までの前記アクチュエータの移動が、オペレータによる前記アクチュエータに対しての第2の力の適用を必要とし、
・前記非係合位置から前記係合位置までの前記アクチュエータの移動が、前記バルブに前記第1の力を適用し、
・前記アクチュエータから前記第2の力を取り除くことにより前記バルブから前記第1の力が解放される、
アクチュエータと
を備え、
前記アクチュエータの全体は、前記キャップ内に位置する、組立体。
【請求項2】
前記組立体が、
・前記非係合位置から前記係合位置まで前記アクチュエータが移動させられるときに前記アクチュエータに対して第3の力を適用するように位置決めされる第1の弾性機構であって、その結果、前記第2の力が取り除かれる場合には前記第3の力が前記アクチュエータを前記非係合位置まで自動で戻すようになる、第1の弾性機構
をさらに備える、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記非係合位置から前記係合位置までの前記アクチュエータの移動が前記第1の弾性機構を広げ、広がることにより前記第1の弾性機構に導入される張力が、前記アクチュエータに対して前記第3の力を適用する、請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
前記非係合位置から前記係合位置までの前記アクチュエータの移動が前記第1の弾性機構を圧縮し、圧縮により前記第1の弾性機構に導入される張力が、前記アクチュエータに対して前記第3の力を適用する、請求項2に記載の組立体。
【請求項5】
前記第1の弾性機構が前記アクチュエータに接触し、その結果、前記非係合位置から前記係合位置までの前記アクチュエータの移動により前記第1の弾性機構が曲げられ、曲げられることにより前記第1の弾性機構に導入される張力が前記アクチュエータに対して前記第3の力を適用する、請求項2に記載の組立体。
【請求項6】
・前記バルブが、固有の弾性を有する弾性材料を有し、固有の弾性を有する前記弾性材料が、前記閉構成において、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間のバリアの少なくとも一部を形成し、
・前記第1の力が、前記開構成の前記チャンネルを作るような形で前記弾性材料を変形させ、
・前記第1の力が取り除かれると、前記弾性材料の前記固有の弾性が前記バルブを前記閉構成へと自動で戻す、
請求項1から5までいずれか一項に記載の組立体。
【請求項7】
固有の弾性を有する前記弾性材料が前記バリアの外側周囲部を形成し、
・前記閉構成において、固有の弾性を有する前記弾性材料が、前記第1のチャンバの内部壁、前記第2のチャンバの内部壁、または、前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバを接続するアパーチャを画定するバルブ壁、に接触し、
・固有の弾性を有する前記弾性材料の変形が、固有の弾性を有する前記弾性材料と、前記第1のチャンバの前記内部壁、前記第2のチャンバの内部壁、または、前記バルブ壁、との間に前記チャンネルを作る
請求項6に記載の組立体。
【請求項8】
前記アクチュエータが、1つまたは複数の剛体部材および前記第1の弾性機構を備え、
・前記非係合位置から前記係合位置への前記アクチュエータの移動が前記1つまたは複数の剛体部材を、固有の弾性を有する前記弾性材料の表面に接触させ、それにより前記バルブに対して前記第1の力を作用させ、
・前記第1の弾性機構が前記アクチュエータに対して前記第3の力を適用するように構成され、その結果、前記第2の力が取り除かれるときには前記第3の力が前記1つまたは複数の剛体部材を前記バルブから離すように移動させるようになり、それにより前記バルブから前記第1の力を取り除く、
請求項2及び請求項6を引用する請求項7に記載の組立体。
【請求項9】
前記1つまたは複数の剛体部材が、固有の弾性を有する前記弾性材料の外側周囲部の周りに前記第1の力を作用させるように配列される、請求項8に記載の組立体。
【請求項10】
前記第1の力が前記バルブの前記外側周囲部に作用される、請求項9に記載の組立体。
【請求項11】
前記バルブがアンブレラバルブである、請求項6から10までのいずれか一項に記載の組立体。
【請求項12】
前記アクチュエータがプランジャを備え、前記アクチュエータが係合されることで前記プランジャが前記一定量の前記固定剤溶液を前記バルブの方に押し、それにより前記固定剤溶液が前記バルブに前記第1の力を作用させる、請求項6に記載の組立体。
【請求項13】
前記バルブがチェックバルブまたはダックビルバルブである、請求項12に記載の組立体。
【請求項14】
・前記バルブが、
・前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバを接続するアパーチャを画定するバルブ壁と、
・シールであって、前記シールが、
・前記バルブが前記閉構成であるとき、前記シールが前記アパーチャの内部にあって前記バルブ壁に接触し、それにより前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間に前記バリアを作るように、
・前記バルブに対しての前記第1の力の適用により前記シールが前記アパーチャの少なくとも部分的に外側で移動して前記チャンネルを作るように、および、
・前記第1の力が取り除かれるときに前記シールが前記閉構成に自動で戻るように、
構成される、シールと
を備える、
請求項1に記載の組立体。
【請求項15】
前記組立体が、
・前記閉構成から前記開構成へと前記シールが切り替えられるときに前記シールに対して第4の力を作用させるように構成される第2の弾性機構であって、前記バルブから前記第1の力が取り除かれるときに前記第4の力が前記バルブを前記閉構成に戻す、第2の弾性機構
をさらに備える、請求項14の組立体。
【請求項16】
前記キャップが、前記固定剤溶液を前記バルブから離して隔離するような形で前記第1のチャンバ内に配設される脆いシールをさらに備え、前記非係合位置から前記係合位置への前記アクチュエータの移動が前記脆いシールを破損し、前記バルブに対して前記第1の力を適用する、請求項1から15のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項17】
組織試料を保管、移送および/または固定するための方法であって、前記方法が、
請求項1から16のいずれか一項に記載の、固定剤溶液に浸漬される生体試料を保管および移送するための組立体を得るステップと、
前記組立体の第1のチャンバ内に前記組織試料を配置するステップと、
前記組立体を組み立てるステップと、
バルブを開位置へと切り替えるためにアクチュエータを非係合位置から係合位置へと移動させるステップであって、それにより前記固定剤溶液が第2のチャンバから前記第1のチャンバへと流れることが可能となる、ステップと、
前記組織試料が前記固定剤溶液に完全に浸漬され、前記組立体の反転位置または水平位置での配置時に前記固定剤溶液に浸漬された状態を維持するようになるまで、前記アクチュエータを前記係合位置で維持するステップと、
前記アクチュエータを解放するステップであって、前記アクチュエータが前記非係合位置に自動で戻り、前記バルブが開構成から閉構成へと自動で切り替わる、ステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2015年2月20日に出願された米国仮特許出願第62/118,878号および2015年5月22日に出願された米国仮特許出願第62/165,616号の利益が本明細書により請求され、それらの内容の全体が参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、反転保護(inversion protection)特徴部分、つまり、流体の逆流を防止するための反転保護キャップを有する、試料収集システムに関する。
【背景技術】
【0003】
外科手技によって取り出された組織を保存することは非常に重要なテーマである。被験者から組織試料を取り出した後、組織試料が、しばしば、細胞の代謝活動を一時中断する液体中に配置される。このプロセスは一般に「固定」と称され、複数の異なる種類の液体によって達成され得る。残念ながら、固定剤溶液は非常に多くの場合で有害である。例えば、最も一般に使用される固定剤は10%中性緩衝ホルマリン(NBF)である。NBFの主成分であるホルムアルデヒドは疑いのある発癌性物質である。さらに、ホルムアルデヒドのガス排出は目および粘膜を刺激する可能性があり、それにより、頭痛、喉の灼熱感、呼吸困難を引き起こし、また、喘息症状を誘発、または悪化させる可能性もある。加えて、一部の人はホルムアルデヒドに対して非常に過敏であり、重度のアレルギー反応に苦しむ可能性もある。したがって、組織標本を挿入するための開けられた湿ったホルマリン容器を取り扱うことには大きな健康上のリスクがあり、これは患者に近い場合および患者を治療する施設(patient treatment facility)に近い場合に特に顕著である。
【0004】
WO2012/040823A1が、標本容器の内部でホルマリンを気密的に密閉し、容器の閉じられている状態において標本を漬けるときのみ容器を開放する、という形により、仕事場の安全の問題に対処するという少なくとも1つの解決策を開示している。これは、標本のための汚れていない乾燥した内部チャンバと、ホルマリンで充填されるキャップ内にある密閉された内部チャンバと、の2つの内部チャンバを使用することによって達成される。容器が閉じられると、内部プランジャを作動することにより外側からシールが破損され得、標本チャンバへとおよびその逆でホルマリンを移し替えることができ、また、標本チャンバからキャップへと空気を移し替えることができる。しかし、この解決策は、標本を漬けた状態で維持することにおいて重力に依存するものである。容器が直立位置以外の向きに方向づけられると、ホルマリンがキャップの中に戻るように自由に流れることができるようになり、液体ホルマリンの標本が不足することになる。この状況は受け取り時には容易に検出され得ず、試料が完全に乾燥している場合には試料の品質を落とす可能性がある。したがって、WO2012/040823A1で説明される容器は常に直立位置を維持しなければならず、これは非常に貴重な患者試料と共に移動させるには大きなリスクがある。
【0005】
固定剤溶液に曝されることから技術者を保護すること、および、任意の向きでデバイスを保管および移送するのを可能にすること、の両方を行う、組織試料を保管および移送するための配列はまだ知られていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は固定剤溶液に浸漬される生体試料を保管および移送するための組立体に関し、
この組立体が、固定剤溶液で予め充填されるキャップと、組織試料を保持するための容器との間に配設されるバルブを含む。組み立て時、バルブが、組立体が直立位置にあるときに流体がキャップから容器の中へ流れるのを可能にするように適合され、組立体が概して水平位置または反転位置にあるときはキャップと容器との間での流体の移し替えを防止する。好適には、バルブが閉位置を初期設定とするように適合され、その結果、キャップと容器との間での流体の移し替えを可能にするような開構成でバルブを保持するためには外力が必要となり、外力が取り除かれるときにバルブが自動で閉じるようになる。
【0007】
第1の実施形態では、組立体が、
・一定量の固定剤溶液で予め充填される第1のチャンバを備えるキャップと、
・生体試料を保持するための第2のチャンバを備える試料容器と、
・第1のチャンバと第2のチャンバとの間に位置して閉構成と開構成との間で切り替わるように適合されるバルブであって、ここでは、
・バルブが開構成であるときに、1つまたは複数のチャンネルが第1のチャンバと第2のチャンバとの間に形成され、第1のチャンバから第2のチャンバまで固定剤溶液が流れるのを可能にし、また、引き換えに空気を通気するのを可能にし、
・バルブが閉構成であるときに、バルブが第1のチャンバと第2のチャンバとの間にバリアを作り、このバリアが第2のチャンバから第1のチャンバまで固定剤溶液が流れるのを防止し、
・バルブが、第1の力の適用時に閉構成から開構成へと切り替わるように構成され、
・バルブが、第1の力が取り除かれるときに初期設定の閉構成に戻るように構成される、
バルブと、
・非係合位置と係合位置との間で移動可能であるアクチュエータであって、
・アクチュエータに対しての第2の力の適用がアクチュエータを非係合位置から係合位置へと移動させてアクチュエータを係合位置で保持し、それによりアクチュエータがバルブに対して第1の力を適用し、
・アクチュエータから第2の力を取り除くことによりバルブから第1の力が解放される、
アクチュエータと
を備える。
【0008】
実施例では、第1の実施形態のバルブが、第1のチャンバと第2のチャンバとの間のバリアの少なくとも一部を形成する、固有の弾性を有する材料を有する。第1の力がこの材料を変形させ、それにより第1のチャンバと第2のチャンバとの間にチャンネルを作り、このチャンネルを通って流体が流れることができる。第1の力が取り除かれると、この材料の固有の弾性が材料をその元の形状に戻し、それによりチャンネルが閉じられ、それにより、組立体の向きに関係なく第2のチャンバから第1のチャンバへの流体の逆流が防止される。この実施形態のアクチュエータが、変形させるように材料の表面に接触するように配置され得る剛体部材を有することができる。したがって、例えば、アクチュエータに対して第2の力を適用することにより、固有の弾性を有する材料に接触するように剛体部材が移動させられて材料が変形し、それによりバルブが開構成となる。また、このように材料に向かって剛体部材が移動することで、第2の力の反対に作用するような、アクチュエータに作用する第3の力を生じさせることができ、その結果、第2の力が取り除かれるときに第3の力が材料から離れるように剛体部材を移動させる。アクチュエータがこの材料に向かって移動させられるとき、例えば、アクチュエータに接触するように配置される弾性機構が、曲げられるか、圧縮されるか、広げられるか、捻じられるか、または、回転させられ、それにより弾性機構に張力を導入する。弾性機構に組み入れられる張力がアクチュエータに第3の力を作用させ、その結果、第2の力が取り除かれるときにアクチュエ
ータが材料から離れるように押され、材料がその元の形状に戻ることが可能となる。加えてまたは別法として、固有の弾性を有するこの材料により、第3の力がアクチュエータに作用されられ得る。この材料を変形させることによりこのシステムに張力が導入され、この張力がこの材料をその元の形状に戻すような傾向を有する。したがって、第2の力がアクチュエータに対して適用されて剛体部材がこの材料を変形させるとき、この材料に蓄積する張力により第3の力がアクチュエータに対して適用される。第2の力が維持される限りにおいて、張力が材料内で留保されることになる。しかし、第2の力が取り除かれると、張力が解放され、それにより材料がその元の形状に戻り、アクチュエータが材料から離れるように押される。固有の弾性を有するこのような材料を組み込むバルブの例には、例えば、アンブレラバルブおよびダックビルバルブが含まれる。
【0009】
第1の実施形態の別の実施例では、バルブが、
・第1のチャンバおよび第2のチャンバを接続するアパーチャを画定するバルブ壁と、
・シールであって、ここでは、シールが、
・バルブが閉構成であるときにシールがバルブ壁に接触し、それにより第1のチャンバと第2のチャンバとの間にバリアを作り、
・バルブに対して第1の力が適用されることで、シールがバルブ壁との接触から外れてチャンネルを作り、
・第1の力が取り除かれるときにシールが自動でバルブ壁と接触するように戻る、
ように構成される、シールと
を備える。
【0010】
シールがバルブ壁に接触するとき、シールが、キャップ内に含まれる流体に対して不浸透性であるバリアを作る。シールはアパーチャ内で以下のように配列されるべきである:アクチュエータが係合位置まで移動させられるとき、シールがバルブ壁との接触から外れ、それにより、流体がそこを通って流れることができるようなチャンネルを作る。一配列では、シールが弾性機構に接触する間においてはアパーチャ内に配置される。第1の力がバルブに適用されると、張力が弾性機構に導入され(配列に応じて、広げたり、圧縮したり、捻じったり、または、曲げたり、などすることにより)、シールが第1の位置から、アパーチャ内部の第2の位置まで移動する。アパーチャは結果として以下のようになるようにサイズ決定される:シールが第1の位置にあるとき、シールの外側縁部がアパーチャの内側周囲部全体の周りでバルブ壁と接触し、それによりアパーチャを通って流体が流れるのを防止し(この実施形態では、閉構成)、シールが第2の位置にあるとき、シールの外側縁部の少なくとも一部分とバルブ壁との間に隙間が存在し、この隙間が、第1のチャンバから第2のチャンバまで流体がそこを通って流れることができるチャンネルを作る(この実施形態では、開構成)。第1の力が取り除かれると、弾性機構の張力が解放され、それによりシールが閉構成に戻るように押される。
【0011】
第2の実施形態では、組立体が、
・一定量の固定剤溶液で予め充填される第1のチャンバを備えるキャップと、
・生体試料を保持するための第2のチャンバを備える試料容器と、
・第1のチャンバと第2のチャンバとの間に位置して閉構成と開構成との間で切り替わるように適合されるバルブであって、ここでは、
・バルブが開構成であるときに、1つまたは複数のチャンネルが第1のチャンバと第2のチャンバとの間に形成され、第1のチャンバから第2のチャンバまで固定剤溶液が流れるのを可能にし、また、引き換えに空気を通気するのを可能にし、
・バルブが閉構成であるときに、バルブが第1のチャンバと第2のチャンバとの間にバリアを作り、このバリアが第2のチャンバから第1のチャンバまで固定剤溶液が流れるのを防止し、
・バルブが、第1の力の適用時に閉構成から開構成へと切り替わるように構成され

・バルブが、第1の力が取り除かれるときに初期設定の閉構成に戻るように構成される、
バルブと、
・非係合位置と係合位置との間で移動可能であるアクチュエータであって、
・アクチュエータに対しての第2の力の適用がアクチュエータを非係合位置から係合位置へと移動させ、バルブに対して第1の力を適用し、
・係合位置から非係合位置までのアクチュエータの移動により第1の力がバルブから解放される
アクチュエータと
を備える。
【0012】
この実施形態では、係合位置から非係合位置までのアクチュエータの移動が、第2の力を取り除くときに、自動で行われ得るか(第1の実施形態で考察された構成など)、または、追加の外力の適用を必要とする可能性がある。例えば、使用者が、アクチュエータが係合位置に移動するまでアクチュエータに対して第2の力を適用することができる。この場合、アクチュエータは、バルブを閉構成へと切り替えるためにアクチュエータを係合位置から非係合位置まで戻すように移動させる追加の外力を使用者が適用するまで、使用者による外力の適用なしで係合位置を維持するように適合される(保持機構を使用することによるか、または、摩擦嵌合による、など)。
【0013】
第3の実施形態では、組立体が、
・一定量の固定剤溶液で予め充填される第1のチャンバを備えるキャップと、
・生体試料を保持するための第2のチャンバを備える試料容器と、
・第1のチャンバと第2のチャンバとの間に位置して閉構成と開構成との間で切り替わるように適合されるバルブであって、ここでは、
・バルブが開構成であるときに、1つまたは複数のチャンネルが第1のチャンバと第2のチャンバとの間に形成され、第1のチャンバから第2のチャンバまで固定剤溶液が流れるのを可能にし、また、引き換えに空気を通気するのを可能にし、
・バルブが閉構成であるときに、バルブが第1のチャンバと第2のチャンバとの間にバリアを作り、このバリアが第2のチャンバから第1のチャンバまで固定剤溶液が流れるのを防止し、
・バルブが、閾値を超える流体圧力の適用時に閉構成から開構成へと切り替わるように構成され、
・バルブが、流体圧力が低下して閾値を下回るときに初期設定の閉構成に戻るように構成される、
バルブと、
・閾値を超えるように流体圧力を増大させるように適合されるアクチュエータと
を備える。
【0014】
実施例では、アクチュエータが、キャップ内の一定量の固定剤溶液と機械的に連通(mechanical communication)するプランジャを装備することができる。アクチュエータが休止状態にあるとき、バルブに対する固定剤溶液の流体圧力が閾値を下回る。一定量の固定剤をバルブの方に流すような方向にアクチュエータが移動することにより、閾値を超えるまでバルブに対する流体圧力が増大する。増大した圧力がバルブ内のチャンネルを開け、それによりバルブを開構成にする。アクチュエータが移動を停止するかまたは流体が完全に容器内に流れると、バルブに対する流体圧力が低下し、バルブ内のチャンネルが自動で閉じ、それによりバルブが閉構成に戻る。このような配列で有用であるバルブの例には、ダックビルバルブおよびチェックバルブが含まれる。
【0015】
第4の実施形態では、生体試料を保管および/または移送するための組立体内で使用されるためのバルブ組立体が提供され、このバルブ組立体が、
・バルブ上面、バルブ底面およびバルブ周囲部を有するバルブであって、バルブが、バルブ周囲部の近くのバルブ上面に対して力を適用することによりバルブ周囲部が屈曲することで元の構成から変形するように、構築され、力が取り除かれるときにバルブが元の構成に戻る、バルブと、
・バルブの上面の上に嵌合されるようにサイズ決定されるバルブアクチュエータであって、バルブアクチュエータが、
・外側フレーム、
・支持体上面、支持体底面および少なくとも1つのアームを有する支持体構造であって、少なくとも1つのアームが、バルブ表面の頂部上にバルブアクチュエータが配設されているときに、支持体底面上に配設されてバブルの上面に向かって突出する、支持体構造、ならびに、
・外側フレームに取り付けられる第1の端部および支持体構造上に取り付けられる第2の端部を有する少なくとも1つの弾性機構
を備える、バルブアクチュエータと
を備える。
【0016】
別の実施形態では、支持体上面が、制御組立体を第1の位置から第2の位置まで移動させるように押圧され得るプランジャを有し、その結果、ばねが第1の緩み状態から圧縮され、アームがバルブ上面を押し動かして屈曲させ、それにより流体が排液アパーチャを通って流れることが可能となる。
【0017】
一実施形態では、バルブ組立体が、外側フレームを有するバルブアクチュエータと、支持体上面、支持体底面、および、支持体底面上に配設されて支持体構造から離れるように外側に突出する複数のアーム、を有する支持体構造と、を有することができる。外側フレームが少なくとも1つのフレームロックタブを備えることができ、フレームロックタブに対して相補的である少なくとも1つのハウジングロックタブを備えるバルブハウジングが提供され得る。フレームロックタブおよびハウジングロックタブが、バルブアクチュエータ屈曲部(valve actuator flexure)がバルブハウジング内で移動(つまり、回転)するのを防止する。例えば、外側フレームが、2つ、3つまたは4つのフレームロックタブを備えることができ、バルブハウジングが、2つ、3つまたは4つのハウジングロックタブを備えることができる。バルブ組立体が、第1の端部および第2の端部を有する複数のばねをさらに含むことができ、ここでは、各ばねの第1の端部が外側フレームに取り付けられ、各ばねの第2の端部が支持体構造に取り付けられる。ベースと、側壁と、複数の排液アパーチャと、複数のアームアパーチャと、ベース上に配設されるステム開口部と、を備えるバルブハウジングがさらに提供され得る。加えて、バルブ上面と、バルブ底面と、バルブステムとを備えるバルブがバルブ上面に配設され得、ここでは、バルブステムが球根状のステム端部を有する。バルブアクチュエータがバルブハウジング内部に配設され得、バルブがベース上に配設され得、その結果、バルブ上面がベース底面にインターフェース接続されるようになり、ベースがバルブアクチュエータとバルブとの間に位置決めされる。バルブステムの球根状のステム端部が支持体構造のステム開口部を通過することができ、球根状のステム端部がステム開口部に対してバルブステムを固着する。支持体構造の支持体上面がさらに支持体上面でプランジャに接触していてよく、プランジャが組立体を押圧するときに第2の位置まで移動させられ、そこで、複数のばねが圧縮され、バルブ上面がベース底面から離れるように押し動かされ、その結果、流体が排液アパーチャを通って流れることができるようになる。
【0018】
動作中、バルブ組立体が、頂部分および底部分を有する容器内に配設され、ここでは、頂部分が固定剤溶液を保管するためのものであり、底部分が生体試料を保管するためのも
のである。バルブは結果として以下のようになるようにサイズ決定される:バルブ周囲部が容器の内側表面に対してぴったり嵌合されるか、または、バルブハウジングが頂部分または底部分のいずれかにしっかり嵌合される。バルブ周囲部と容器またはバルブハウジングとの間のぴったりの嵌合により、容器の頂部分と底部分との間での流体の流れを防止するバリアが作られる。アクチュエータの使用者によって開始される作動を促進するプランジャまたは他のデバイスが、使用者とプランジャまたはデバイスとの相互作用を可能にするような配列で容器内に配設される。使用者がデバイスを起動し、支持体構造の上面に力が適用される。上面に適用される力が弾性機構に張力を導入し、バルブの上面に力を適用するような形で少なくとも1つのアームを移動させる。バルブの上面に適用される力がバルブを容器の内側表面から離すように屈曲させ、それによりバルブと容器の内側表面との間にチャンネルを作り、そのチャンネルを通って流体が流れることができる。オペレータがプランジャから力を取り除くと、弾性機構内の張力が解放され、少なくとも1つのアームがバルブの上面から離れるように移動してバルブの上面上の力を解放し、その結果、バルブ周囲部が元の構成に自動で戻り、チャンネルを閉じる。
【0019】
いくつかの実施形態では、バルブ組立体が、生体試料を保管および/または移送するためのシステムの一部であり、システムが:(a)バルブ組立体と、(b)組み立て時に固定剤流体をバルブから分離する主シールを任意選択で含む、保存流体で予め充填されるキャップと、(c)試料収集容器と、を備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、バルブ組立体が試料収集容器または予め充填されたキャップを覆い、その結果、バルブが試料収集容器またはキャップの内部に配設されるようになる。例えば、バルブ組立体が容器またはキャップ上にねじ留めされるかまたはスナップ嵌合される。
【0021】
いくつかの実施形態では、キャップが、プランジャ、シールおよび流体をさらに備えることができる。キャップがバルブ組立体に取り外し可能に取り付けられ得る。シールがキャップ内部でプランジャおよび流体を密閉することができる。
【0022】
組立体が第1の位置にあるとき、ばねが緩み状態である。プランジャが支持体上面上に押圧されると、組立体が第1の位置から第2の位置まで移動させられる。組立体が第2の位置にあるとき、ばねが圧縮され、アームがバルブ上面を押し動かしてバルブを屈曲させ、その結果、流体が排液アパーチャを通って流れるようになり、容器内に配設される試料に接触するようになる。
【0023】
いくつかの実施形態では、流体が保存流体である。他の実施形態では、固定手順が、アルデヒドベースの固定剤溶液のような、架橋剤を利用する。例えば、アルデヒドベースの固定剤溶液はホルマリンである。固定剤溶液の別の例は、pH7.2〜7.6まで緩衝するようにつまりほぼ等張の溶液を提供するように配合される、リン酸ナトリウムを含む含水ホルムアルデヒド溶液であってよい。別の実施形態では、流体が、米国特許第8,658,109号に見られるような、ビス無水マレイン酸を含むことができる。他の例示の流体には、限定しないが、塩化第二水銀、ピクリン酸または硫酸亜鉛、などの凝固剤、グリオキサールまたはグルタルアルデヒドなどの非凝固剤の固定剤(noncoagulant fixative)、アセトン、酢酸、ブアン液、あるいは、他の有機溶媒、が含まれてよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、試料が収集され、試料収集容器内部に配置される。試料は、血液、尿、組織、細胞または粘液試料であってよい。例えば、試料は、生検のための異常組織の塊、または、パパニコロウ塗抹のための子宮頸部細胞、の一部分であってよい。
【0025】
好適には、試料収集システムはガス排出の危険がなく(fume−safe)であり、つまり、流体のガス(fluid fume)を放出しない。
代替的実施形態では、試料収集システムが、子宮頸部組織を集めるための試料採取デバイスなどの試料採取デバイス、血液を集めるためのシリンジ、または、組織を集めるための生検ツール、に結合され得る。例えば、試料採取デバイスが試料を収集し、次いで、試料が試料収集容器内に入れられる。別の実施例では、試料が試料採取デバイスの一部分上で収集され得、次いで、試料含有部分が容器内に配置されて試料採取デバイスから分離され、それにより試料含有部分が容器の内部に残される。例示の試料採取デバイスを米国特許出願公開第2014/01850165号で見ることができ、その開示が本明細書に組み込まれる。
【0026】
他の実施形態では、システムがカセットをさらに備える。試料がカセット内に配置され得、カセットが試料収集容器内に配設され得る。好適には、収集容器は、組織学の標準的な組織カセット(standard histology tissue cassette)を完全に挿入するのを可能にするように十分な大きさとなるようにサイズ決定される。
【0027】
いくつかの実施形態では、試料収集容器が様々な形状および寸法を有してよい。容器の例示の形状には、限定しないが、円筒形および長方形の角柱(rectangular prism)が含まれる。また、容器は、約10mlから30ml、約30mlから50ml、約50mlから70ml、または、約70mlから100mlの範囲の容量を有することができる。例えば、容器は、約2cmの直径、および、約60mlのボリュームキャパシティ(volume capacity)を有する円筒であってよい。別の実施例として、容器が、20mlのボリュームキャパシティを有する正方形または長方形チューブであってもよい。
【0028】
他の実施形態では、試料収集システムが、試料収集容器を留保または保持するように構成されるキャリア組立体と、容器がキャリア組立体内に配置されてラボラトリに移送されるときに容器内の試料または流体に関する時間情報および温度情報の一方または両方を、取得、保管または伝送するように構成される、データロギングデバイスおよび少なくとも1つのセンサを備える監視システムと、をさらに備えることができる。さらに別の実施形態では、システムが、試料収集容器と、キャリア組立体と、監視システムとを移送するための内部保持コンパートメントを備える移送容器を備える。移送容器が、試料を試験施設まで配達するのを可能にする十分な時間量で内部保持チャンバの温度を約0℃から約20℃の間の温度で維持するように構成され得る。例えば、移送容器が少なくとも1時間にわたって5℃の温度を維持することができる。
【0029】
例示の移送容器または組立体が、限定しないが、パッケージ、ボトル、バイアル、または、液体媒体および少なくとの1つの試料を保持するのに使用される他の物体を有することができる。トランスポータシステムが、試料の識別情報(sample identity)、患者情報、試料の起源(sample origin)、試料の分析過程の管理、試料を処理するための命令、試料の性質に関する情報、試料の試験結果、試料の画像、または、組織試料に付随する他の情報、に関連してよい機械可読コード(例えば、視覚的記号、磁気パターンまたは電磁パターン、あるいは、情報コンテンツを有する静電気信号)を有することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、処理された試料を含む移送組立体が第1のロケーションから第2のロケーションまで移送され得る。例えば、第1のロケーションは、医者のオフィスなどの、試験施設からオフサイトであるロケーションであってよい。この場合、移送組立体が分析のために試験施設に送られる。別の実施例では、第1のロケーションが、試料収
集室などの、試験施設のオンサイトであってよい。この場合、移送組立体が、さらなる処理のために試験施設内の別個の部屋に送られる。
【0031】
本発明の代替的実施形態が、試料収集容器上に配設される握持構成要素を特徴とすることができる。例えば、握持構成要素は容器の外部表面上に配設される。握持構成要素は、取り扱い時の容器の落下するリスクを低減することができる。さらに、握持構成要素は容器を定位置で保持することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、握持構成要素が窪み部分を備え、キャリア組立体が突出部を備え、ここでは、窪み部分および突出部がキャリア組立体内で試料収集容器を対合的にロックし、それにより、試料収集容器が変位するのを防止する。他の実施形態では、握持構成要素が突出部を備え、キャリア組立体が窪み部分を備え、ここでは、突出部および窪み部分がキャリア組立体内で試料収集容器を対合的にロックし、それにより試料収集容器が変位するのを防止する。
【0033】
好適な実施形態では、握持構成要素が、刻み目を有する表面などの、切り欠きのある表面またはパターンを有する表面を備える。刻み目を有する表面は、環状リングパターン、直線の刻み目パターン、または、ひし形の刻み目パターンであってよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、試料収集容器が、中に含まれる流体の温度を測定して監視システムに伝送するための温度センサをさらに備えることができる。他の実施形態では、試料収集容器が無線周波数識別(RFID:radio frequency identification)タグをさらに備え、監視システムがRFIDリーダをさらに備える。
【0035】
いくつかの実施形態では、バルブが、球根状のステム端部を有するバルブステムをさらに備え、ここでは、バルブステムがバルブ上面上に配設される。一実施形態では、バルブが球根状のステム端部を介してバルブハウジングに取り付けられ、ここでは、球根状のステム端部がバルブハウジングに対してバルブステムを固着する。別の実施形態では、バルブが球根状のステム端部を介してバルブアクチュエータ屈曲部の支持体構造に取り付けられ、ここでは、球根状のステム端部が支持体構造に対してバルブステムを固着する。別の実施形態では、バルブが球根状のステム端部を介してプランジャに取り付けられ、ここでは、球根状のステム端部がプランジャに対してバルブステムを固着する。
【0036】
複数のアームが支持体底面上に配設され得る。いくつかの実施形態では、複数のアームが支持体構造から離れるように外側に突出する。他の実施形態では、複数のアームが支持体構造から垂直下向きに突出する。
【0037】
いくつかの実施形態では、複数のばねの各ばねが第1の端部および第2の端部を備える。いくつかの実施形態では、各ばねの第1の端部が外側フレームに取り付けられ得る。例えば、各ばねの第1の端部が外側フレームの内側縁部に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、各ばねの第2の端部が支持体構造に取り付けられ得る。例えば、各ばねの第2の端部が支持体構造の周囲部または支持体底面に取り付けられ得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、組立体が第1の位置にあるとき、バルブが概略凹形である。他の実施形態では、組立体が第2の位置にあるとき、バルブが概略凸形である。
いくつかの実施形態では、複数のアームが複数のアームアパーチャに位置合わせされる。いくつかの実施形態では、アームの数がアームアパーチャの数に等しい。いくつかの実施形態では、複数のアームが4つのアームを含む。他の実施形態では、複数のアームが3つのアームを含む。さらに他の実施形態では、複数のアームが2つのアームを含む。
【0039】
本明細書で説明される特徴は組立体の任意の実施形態に適用可能である。
いくつかの実施形態では、バルブアクチュエータ屈曲部が可撓性材料から構築される。他の実施形態では、バルブアクチュエータ屈曲部がエラストマ材料から構築される。いくつかの実施形態では、バルブアクチュエータ屈曲部の外側フレームが概略リング形状である。他の実施形態では、バルブアクチュエータ屈曲部の外側フレームの形状が多角形であってよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、バルブが可撓性材料から構築される。他の実施形態では、バルブがエラストマ材料から構築される。いくつかの実施形態では、バルブが概略ディスク形状である。他の実施形態では、バルブがアンブレラバルブである。さらに他の実施形態では、バルブがダックビルバルブまたはチェックバルブであってもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、外側フレームが少なくとも1つのフレームロックタブをさらに備える。いくつかの実施形態では、バルブハウジングが、フレームロックタブに対して相補的である少なくとも1つのハウジングロックタブを備える。フレームロックタブおよびハウジングロックタブが、バルブアクチュエータ屈曲部がバルブハウジング内で移動(つまり、回転)するのを防止する。例えば、外側フレームが、2つ、3つまたは4つのフレームロックタブを備えることができる。例えば、バルブハウジングが、2つ、3つまたは4つのハウジングロックタブを備えることができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、複数の空気チャンネルがバルブハウジングの側壁のところまたはその近くに配設される。例えば、複数の空気チャンネルは、2つ、3つまたは4つの空気チャンネルである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの空気チャンネルがバルブハウジングの側壁のところまたはその近くに配設される。空気チャンネルが空気および流体を移し替えるのを可能にする。例えば、キャップ内の圧力が大気圧未満になるまで、流体が容器内に流れ出る。これは流体の流れを止めるものであり、空気の移し替えを必要とする。容器内の空気が空気チャンネルを通ってキャップに入ることになり、圧力を増大させ、それにより流体が再び流れることが可能となる。
【0043】
別の実施例では、キャップ内の液面が低い場合、流れ出る流体に対する重力の影響が大幅に小さくなり、したがって、空気チャンネルが空気の移し替えを必要とする。別の実施例では、容器が傾斜した向きである場合、空気チャンネルのうちのいくつかの空気チャンネルが流体によって塞がれる可能性がある。側壁の周りにいくつかの他の空気チャンネルが存在することから、それらの他の空気チャンネルが塞がれていないときは空気の移し替えが可能である。他の実施形態では、空気チャンネルが、毛細管現象による流体の吸い上がりを原因として遮断されるリスクを低減するのに十分な広さとなるように構築される。
【0044】
本発明の別の実施形態が、流体中の試料を保存または固定するなどの、試料を処理する方法を特徴とする。試料を固定することで、試料中の細胞の代謝活動を一時中断することができる。
【0045】
一実施形態では、流体中の試料を保存する方法が、本明細書で説明される試料収集容器を提供するステップと、試料収集容器からの流体の逆流を防止するための本明細書で説明される任意のバルブ組立体を提供するステップと、試料収集容器の内部に試料を配置するステップと、バルブ組立体を用いて試料収集容器を覆うステップと、本明細書で説明される任意のキャップを提供するステップと、バルブ組立体にキャップを取り付けるステップと、試料収集容器内の試料に接触させるように流体を容器内に解放するステップと、を含む。
【0046】
別の実施形態では、本発明が、試料を処理するための方法を特徴とすることができる。この方法が、本明細書で説明される任意の試料収集容器を提供するステップと、試料収集容器からの流体の逆流を防止するための本明細書で説明される任意のバルブ組立体を提供するステップと、試料収集容器の内部に試料を配置するステップと、バルブ組立体を用いて試料収集容器を覆うステップと、本明細書で説明される任意のキャップを提供するステップと、バルブ組立体にキャップを取り付けるステップと、流体を容器内に解放するステップと、試料収集容器内に含まれる試料に流体を接触させるステップと、キャリア組立体の保持壁内に試料収集容器を配置するステップと、キャリア組立体を移送組立体内に配置するステップと、第1のロケーションから第2のロケーションまで移送組立体を移送するステップと、を含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、流体の平均温度が約0℃から5℃の間である。例えば、流体の平均温度が最大で約5℃である。別の実施形態では、流体の平均温度が最大で約0℃である。
【0048】
いくつかの実施形態では、キャリア組立体が少なくとも1つのデータロギングデバイスをさらに備える。いくつかの実施形態では、この方法が、キャリア組立体のデータロガーデバイス内で、試料に関連する時間情報および温度情報を検出および保管するステップをさらに含むことができる。他の実施形態では、時間情報および温度情報を検出するステップが、流体または試料の温度を測定するステップと、流体が試料に接触するときの接触時間を測定するステップと、温度・接触時間の測定値を保管するステップと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、移送組立体が第1のロケーションから第2のロケーションまで移送される間、試料に関連する時間・温度情報が検出される。
【0049】
いくつかの実施形態では、試料収集容器がバルブ組立体で覆われ、その結果、バルブが試料収集容器の内部に配設される。他の実施形態では、キャップがバルブ組立体に取り付けられ、その結果、バルブアクチュエータ屈曲部がベースとキャップとの間に位置決めされる。
【0050】
いくつかの実施形態では、プランジャを押し下げて主シールを破損し、支持体構造の支持体上面を押し動かしてばねを圧縮することにより、流体が容器内に解放される。次いで、アームがアームアパーチャ(134)を通過してバルブ上面を押し動かす。バルブが屈曲し、その結果、バルブ上面がベース底面から離れるように押し動かされ、その結果、流体が、破損したシールから流れ出て排液アパーチャを通って試料収集容器に入ることが可能となる。
【0051】
いくつかの実施形態では、試料を提供するステップが、体腔内に試料採取デバイスを挿入するステップと、試料採取デバイスを用いて体腔から試料を収集するステップと、試料採取デバイスを体腔から取り出すステップと、を含む。試料が試料採取デバイスの試料収集部分によって収集され得る。例えば、試料収集部分が、吸収性スワブ(absorbent swab)、ニードルまたは生検パンチツールであってよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、試料収集容器の内部に試料を配置するステップが、試料を有する試料収集部分を容器内に挿入するステップと、試料収集部分を試料採取デバイスから分離するステップあって、その結果、試料収集部分および試料が容器の内部に配設されることになる、ステップと、を含む。他の実施形態では、試料を有する試料収集部分を容器内に挿入して試料収集部分から試料が抽出して試料のみを容器の内部に配設するような形で、試料が容器内部に配置され得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、主シールが非反応性の可撓性材料から構築され得る。好適に
は、主シールが、プランジャによりシールを破損するのを可能にするように十分に薄い。
いくつかの実施形態では、ばねの第1の端部がバルブハウジングのベースに取り付けられる。例えば、ばねの第1の端部がベースの任意の場所に取り付けられ得る。第1の端部がベースの周囲部の近くにまたは周囲部のところに取り付けられ得る。別法として、第1の端部がベースの中心の近くにまたは中心のところに取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、ばねの第2の端部が支持体構造に取り付けられる。例えば、ばねの第2の端部が支持体構造上の任意の場所に取り付けられ得る。第2の端部が支持体構造の周囲部の近くにまたは周囲部のところに取り付けられ得る。別法として、第2の端部が支持体構造の中心の近くにまたは中心のところに取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、支持体構造が、約2つ、3つ、4つまたは5つのばねなどの、複数のばねを備えることができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、アームが支持体底面上に配設され得る。いくつかの実施形態では、アームが支持体構造から離れるように外側に突出する。別法として、支持体構造が、約2つ、3つ、4つまたは5つのアームなどの、複数のアームを備えることができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、排液アパーチャおよびアームアパーチャ(134)がベース上に配設される。いくつかの実施形態では、バルブハウジングが、約2つ、3つ、4つまたは5つの排液アパーチャなどの、複数の排液アパーチャを備えることができる。いくつかの実施形態では、バルブハウジングが、約2つ、3つ、4つまたは5つのアームアパーチャなどの、複数のアームアパーチャを備えることができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、バルブがさらにプランジャまたはアクチュエータを用いて「屈曲」させられ得るか、または、バルブが平行移動させられ得る。バルブが平行移動させられる場合、バルブは屈曲する必要がなく、それにより可能性として、バルブに対してより多くの材料を選択することが可能となる。
【0057】
任意の組み合わせに含まれる特徴が互いに矛盾しないことが、文脈、本明細書、および、当業者の知識から明らかである場合、本明細書で説明されるいかなる特徴または特徴のいかなる組み合わせも本発明の範囲に含まれる。本発明の追加の利点および態様が、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1A図1A図1Fは、種々の構成の従来の試料移送組立体を示す図である。図1Aは、完全な状態の内部シールを備える組立体を示す図である。
図1B図1Bは、シールに孔を開けられた後の、同じ容器を示す図である。
図1C図1Cは、キャップから容器へとすべての流体が排液された後の、直立構成の容器を示す図である。
図1D図1Dは、反転した直後の図1Cからの容器を示す図である。
図1E図1Eは、容器からキャップへとすべての流体が排液された後の反転構成の図1Cからの容器を示す図である。
図1F図1Fは、水平構成で保管されるときの図1Cからの容器を示す図である。
図2A図2A図2Eは、種々の構成の、本発明の試料移送組立体を示す概略図である。図2Aは、試料を追加して容器を組み立てた直後の閉構成の組立体を示す図である。
図2B図2Bは、バルブが開構成へと切り替えられた直後の同じ容器を示す図である。
図2C図2Cは、キャップから容器へとすべての流体が排液されてバルブが閉構成へと戻った後の、直立構成の容器を示す図である。
図2D図2Dは、反転して保管されるときの図2Cからの容器を示す図である。
図2E図2Eは、水平構成で保管されるときの図2Cからの容器を示す図である。
図3A図3A〜3Cは、固有の弾性を有する材料を組み込む例示のバルブ組立体を示す図である。図3Aは、閉構成のバルブを示す図である。
図3B図3Bは、開構成の3Aのバルブを示す図であり、ここでは、固有の弾性を有する材料が外側周囲部のところで変形する。
図3C図3Cは、開構成の図3Aのバルブを示す図であり、ここでは、固有の弾性を有する材料がバルブステムの一部を形成し、これが開構成において広がる。
図4A図4は、固有の弾性を有する材料を組み込む別の例示のバルブ組立体を示す図である。図4Aは、閉構成のバルブを示す図である。
図4B図4Bは、開構成の図4Aのバルブを示す図であり、ここでは、固有の弾性を有する材料が外側周囲部のところで変形する。
図5A図5は、例示のバルブ組立体を示す図であり、ここでは、バルブのシールが弾性機構に接触しており、開構成から閉構成へのバルブの切り替えを実行する。図5Aは、閉構成のバルブを示す図であり、開構成にあるときに圧縮する弾性機構を伴う。
図5B】開構成のバルブを示す図であり、開構成にあるときに圧縮する弾性機構を伴う。
図5C】閉構成のバルブを示す図であり、開構成にあるときに広がる弾性機構を伴う。
図5D】開構成のバルブを示す図であり、開構成にあるときに広がる弾性機構を伴う。
図6A図6は、別の例示のバルブ組立体を示す図であり、ここでは、バルブのシールが弾性機構に接触しており、開構成から閉構成へのバルブの切替えを実行する。図6Aは、閉構成のバルブを示す図であり、開構成にあるときに圧縮する弾性機構を伴う。
図6B】開構成のバルブを示す図であり、開構成にあるときに圧縮する弾性機構を伴う。
図6C】閉構成のバルブを示す図であり、開構成にあるときに広がる弾性機構を伴う。
図6D】開構成のバルブを示す図であり、開構成にあるときに広がる弾性機構を伴う。
図7A図7は別の例示のバルブ組立体を示す図であり、ここでは、バルブのシールが弾性機構に接触しており、開構成から閉構成へのバルブの切替えを実行する。図7Aは、閉構成のバルブを示す図であり、開構成にあるときに広がる弾性機構を伴う。
図7B】開構成のバルブを示す図であり、開構成にあるときに広がる弾性機構を伴う。
図7C】閉構成のバルブを示す図であり、開構成にあるときに圧縮する弾性機構を伴う。
図7D】開構成のバルブを示す図であり、開構成にあるときに圧縮する弾性機構を伴う。
図8A図8は、別の例示のバルブ組立体を示す図であり、ここでは、バルブのシールが弾性機構に接触しており、弾性機構が回転して開構成から閉構成へのバルブの切替えを実行する。図8Aは、閉構成のバルブを示す図であり、閉構成における、流体流れに対してのバリアを作るためにシールが内部壁に接触している構成を示す図である。
図8B】開構成へと切り替わるバルブを示す図であり、閉構成における、流体流れに対してのバリアを作るためにシールが内部壁に接触している構成を示す図である。
図8C】開構成から閉構成へと切り替わるバルブを示す図であり、閉構成における、流体流れに対してのバリアを作るためにシールが内部壁に接触している構成を示す図である。
図8D】閉構成のバルブを示す図であり、閉構成における、流体流れに対してのバリアを作るためにシールが内部壁に接触している構成を示す図である。
図8E】開構成へと切り替わるバルブを示す図であり、閉構成における、流体流れに対してのバリアを作るためにシールが内部壁に接触している構成を示す図である。
図8F】開構成から閉構成へと切り替わるバルブを示す図であり、閉構成における、流体流れに対してのバリアを作るためにシールが内部壁に接触している構成を示す図である。
図8G】閉構成のバルブを示す図であり、閉構成における、流体流れに対してのバリアを作るために、アパーチャを含む表面に対してシールが押圧されている構成を示す図である。
図8H】開構成へと切り替わるバルブを示す図であり、閉構成における、流体流れに対してのバリアを作るために、アパーチャを含む表面に対してシールが押圧されている構成を示す図である。
図8I】開構成から閉構成へと切り替わるバルブを示す図であり、閉構成における、流体流れに対してのバリアを作るために、アパーチャを含む表面に対してシールが押圧されている構成を示す図である。
図9A図9は、別の例示のバルブ組立体を示す図であり、ここでは、バルブのシールが弾性機構に接触しており、弾性機構が曲がって開構成から閉構成へのバルブの切替えを実行する。図9Aは、閉構成のバルブを示す図である。
図9B図9Bは、開構成へと切り替わるバルブを示す図である。
図9C図9Cは、開構成から閉構成へと切り替わるバルブを示す図である。
図10A図10は、本発明で有用であるフラッパバルブ組立体の実施形態を示す図である。図10Aは、閉構成のフラッパバルブを示す図である。
図10B】開構成のフラッパバルブを示す図である。
図10C】開構成から閉構成へと切り替わるフラッパバルブを示す図である。
図10D】反転位置にあるフラッパバルブを示す図であり、流体の重量に逆らって保持のための機構がいかにしてバルブを閉構成で保持するかを示している。
図11】特定の実施形態を示す分解図である。
図12】特定の実施形態を示す分解図である。
図13A図13Aは、非圧縮位置にある本発明のバルブ屈曲部を示す図である。
図13B図13Bは、圧縮位置にある本発明のバルブ屈曲部を示す図である。
図14】非圧縮位置にある本発明を示す図である。
図15】圧縮位置にある本発明を示す図である。
図16図15の断面C−Cを示す断面図である。
図17A図17Aは、図14の断面図である。
図17B図17Bは、図15の断面図である。
図18A図18Aは、非圧縮位置にある本発明を示す図である。
図18B図18Bは、圧縮位置にある本発明を示す図である。
図18C図18Cは、傾斜した向きにある本発明を示す図である。
図19A図19Aは、図18Bの断面図である。
図19B図19Bは、図18Cの断面図である。
図20A図20Aは、キャップ内にホルマリンを有する、非圧縮位置にある本発明を示す図である。
図20B図20Bは、シールに孔を開けた後の、重力ベースでホルマリンを排液する本発明を示す図である。
図20C図20Cは、本発明内での空気流れを示す図である。
図21A図21Aは、流体体積が小さいときの本発明の流体−空気の移し替えを示す図である。
図21B図21Bは、傾斜した向きにある本発明の小さい流体体積での流体−空気の移し替えを示す図である。
図22A】本発明の代替的実施形態を示す図である。
図22B】本発明の代替的実施形態を示す図である。
図22C】本発明の代替的実施形態を示す図である。
図23】本発明の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
多くの医療診断試験が固定された組織試料を使用することを必要とし、これは、大量の組織固定剤溶液の使用を必要とする。一般に使用される多くの組織固定剤溶液は有害であると疑われるようなものである。例えば、ホルマリンは発癌性があると疑われている。したがって、使用される固定剤溶液に対して検査技師を曝すのを最小にすることが重要である。
【0060】
固定剤への露出を最小にするための1つの戦略は、容器の一部分内で隔離される一定量の固定剤溶液を含む試料保管・移送容器を提供することである。このような配列が図1に示される。容器が、基本的には、組織試料を保持するための下側チャンバ(001)と、固定剤溶液(003)で予め充填される上側チャンバ(002)とを備える。脆いシール(004)が、下側チャンバ(001)内へ計量分配される準備が整うまで上側チャンバ(002)内で固定剤溶液(003)を隔離するために、上側チャンバ(002)内に配設される。組織試料(005)が下側チャンバ(002)内に配設されると、使用者が上側チャンバ(002)を下側チャンバ(001)に取り付ける(図1A)。チャンバが取り付けられると、機構が起動され、脆いシール(004)内に裂け目(006)が導入され、固定剤溶液(003)が裂け目(006)を通って下側チャンバ(001)内まで流れる(図1B)。上側チャンバが下側チャンバの上方に位置決めされる限りにおいては、組織試料(005)が下側チャンバ(001)内の固定剤溶液(004)に完全に浸漬される(図1C)。しかし、容器が反転されるか(図1Dおよび1E)または横向きに配置される(図1F)と、固定剤溶液が裂け目(006)を通って上側チャンバ(002)内に戻るように自由に流れる(008)ことができ、それにより試料が固定剤溶液の完全に外側にくるか(005a)または部分的に外側にくるようになる(005b)可能性があり、相当な時間にわたって空気に露出される可能性がある。これにより組織試料の完全性を落とす。また、固定剤溶液のこのような逆流を生じさせるような位置に容器があるのかどうかが常に明らかというわけではない。
【0061】
本発明は、上側チャンバと下側チャンバとの間にバルブを配置することによりこの問題に対処する。バルブが上側チャンバから下側チャンバへと流体が流れるのを可能にするように開放可能であり、容器の反転時または横向きの配置時には下側チャンバから上側チャンバへの流体の逆流を防止するように自動で閉じる。一般的な概念が図2に示される。組織試料(005)が下側チャンバ(001)内に配設され、上側チャンバ(002)が下側チャンバ(001)に取り付けられる。バルブ(009)は取り付けられるときは閉構成(009a)であり、それにより、上側チャンバ(002)から下側チャンバ(001)への固定剤溶液(003)の流れを防止する(図2A)。オペレータがアクチュエータ(図示せず)を起動し、それによりバルブが開構成(009b)となり、多数のチャンネル(010)を作り、それらを通って、固定剤溶液(003)が上側チャンバから下側チャンバ(011)へと流れることができ(図2B)、引き換えに、空気が下側チャンバ(001)から上側チャンバ(002)まで通気され得る。オペレータがアクチュエータの動作を停止すると、バルブが自動で閉構成(009a)に戻り、それにより、下側チャンバ(001)内で固定剤溶液(003)を隔離し、ここでは組織試料(005)が固定剤溶液に浸漬された状態である。容器が反転されるか(図2D)または横向きに配置される(図2E)場合でも、組織試料(005)が固定剤溶液(003)に浸漬された状態を維持する。
I. バルブ組立体
流体の流れを選択的に可能にするためのバルブ組立体が提供される。バルブ組立体が、
概して:(1)開構成と閉構成との間で移動可能であるバルブ;および、(2)バルブを閉構成から開構成へと切り替えるためにバルブに第1の力を適用するように適合されるアクチュエータ、を備える。
A. バルブ
バルブに適用される第1の力が閉構成から開構成へとバルブを切り替える。バルブは概して以下のように構成される:第1の力がないときにバルブが閉構成に自動で復帰する。
【0062】
バルブの一配列では、バルブが、第1のチャンバと第2のチャンバとの間のバリアの少なくとも一部を形成する、固有の弾性を有する材料を有する。本明細書で使用される「固有の弾性を有する材料」とは、その表面に力が適用されるときに変形する傾向を有するが、力が取り除かれるときにその元の形状に戻る傾向を有する、任意の材料である。第1の力が材料を変形させ、それにより第1のチャンバと第2のチャンバとの間にチャンネルを作り、このチャンネルを通って流体が流れることができる。第1の力が取り除かれると、材料の固有の弾性が材料をその元の形状に戻し、それによりチャンネルが閉じられ、それにより、組立体の向きに関係なく第2のチャンバから第1のチャンバへの流体の逆流が防止される。この実施形態のアクチュエータが、変形させるように材料の表面に接触するように配置され得る剛体部材を有することができる。したがって、例えば、アクチュエータに対して第2の力を適用することにより、固有の弾性を有する材料に接触するように剛体部材が移動させられ、それにより材料を変形させ、それによりバルブが開構成となる。また、このように材料に向かって剛体部材が移動することで、第2の力の反対に作用するような、アクチュエータに作用する第3の力を生じさせることができ、その結果、第2の力が取り除かれるときに第3の力が材料から離れるように剛体部材を移動させる。アクチュエータがこの材料に向かって移動させられるとき、例えば、アクチュエータに接触するように配置される弾性機構が、曲げられるか、圧縮されるか、広げられるか、捻じられるか、または、回転させられ、それにより弾性機構に張力を導入する。弾性機構に組み入れられる張力がアクチュエータに第3の力を作用させ、その結果、第2の力が取り除かれるときにアクチュエータが材料から離れるように押され、材料がその元の形状に戻ることが可能となる。加えてまたは別法として、固有の弾性を有するこの材料により、第3の力がアクチュエータに作用され得る。この材料を変形させることによりこのシステムに張力が導入され、この張力がこの材料をその元の形状に戻すような傾向を有する。したがって、第2の力がアクチュエータに適用されて剛体部材がこの材料を変形させるとき、この材料に蓄積する張力により第3の力がアクチュエータに適用される。第2の力が維持される限りにおいて、張力が材料内で留保されることになる。しかし、第2の力が取り除かれると、張力が解放され、それにより材料がその元の形状に戻り、アクチュエータが材料から離れるように押される。固有の弾性を有するこのような材料を組み込むバルブの例には、例えば、アンブレラバルブまたはダックビルバルブが含まれる。固有の弾性を有する材料を組み込むバルブの非限定の図が図3および4に示される。
【0063】
図3では、バルブ(009)が、第1のチャンバと第2のチャンバとの間に位置する表面(012)に対して固着される。表面(012)が、アクチュエータ(014)の一部分をバルブに接触させるのを可能にするための第1のアパーチャ(013)と、表面を通過して流体が流れるのを可能にするための1つまたは複数の第2のアパーチャ(015)とを有する。バルブが、上面(垂直ハッチング線で示される)および底面(斜めのハッチング線で示される)を有する弾性材料から構築され、バルブステム(016)を介して表面(012)に固定される。図3Aに示されるように、バルブステム(016)が、表面(012)に対して密に弾性材料の上面を保持し、それにより第2のアパーチャ(015)を密閉し、表面(012)を通過する流体流れを防止する。図3Bに示されるように、第2の力(017)がアクチュエータ(014)に適用されると、アクチュエータ(014)が第1のアパーチャ(013)を通って移動して弾性材料の上面に接触し、弾性材料を変形させ、弾性材料の上面をバルブステム(016)の周りの表面(012)から離れるように変形させ、それにより第2のアパーチャが開けられ、それにより流体が流れることが可能となる(破線の矢印(hatched arrow)で示される)。変形により弾性材料に張力が生じ、その結果、第2の力(017)が取り除かれてアクチュエータ(014)が弾性材料の上面から離れるように移動する場合には、張力が解放され、バルブの上面が表面(012)の方に戻るように屈曲して図3Aに示される構成となり、それにより第2のアパーチャが再び密閉される。図3Cに示されるように、固有の弾性を有する材料で作られるバルブステム(016)を備えるかまたは弾性機構を有するバルブ(009)を構築することによっても同様の効果が実現され得る。このような配列では、バルブステム(016)が広がることにより変形することになり、それにより上面を表面(012)から離すように移動させ、バルブステム(016)内に張力を導入する。第2の力(017)が取り除かれてアクチュエータ(014)が弾性材料の上面から離れるように移動すると、張力が解放され、それによりバルブステム(016)が上面を図3Aの構成に戻すように引っ張り、ここではバルブの上面が表面(012)に接触し、第2のアパーチャ(015)を再び密閉する。
【0064】
図4では、バルブ(009)が第1のチャンバと第2のチャンバとの間のポイントに配設され、バルブステム(016)によって定位置で固着される。図4Aに示される閉構成では、バルブ(009)が結果として以下のようになるように配設される:バルブ(009)の外側周囲部が、第1のチャンバから第2のチャンバまで流体がそこを通って流れることができるチャンネルを画定する内壁(018)に対してぴったり嵌合される。したがって、この構成のバルブ(009)は、第1のチャンバと第2のチャンバとの間での流体の移し替えを防止するバリアを提供する。図4Bに示されるように、第2の力(017)がアクチュエータ(014)に適用されると、アクチュエータ(014)が弾性材料に接触し、弾性材料の周囲部を内壁(018)から離すように変形させ(019)、それにより隙間を作り、その隙間を通しての流体流れを生じさせることができる(破線の矢印で示される)。変形により弾性材料内に力が生じ、その結果、第2の力(017)が取り除かれてアクチュエータ(014)が弾性材料から離れるように移動する場合には、弾性材料の力がバルブ(009)の外側周囲部を内壁(018)の方に戻すように屈曲させ、それにより図4Aの閉構成を回復し、それによりチャンネルを再び密閉する。
【0065】
別の実施形態では、バルブが:(1)シール;および、(2)シールに接続される弾性機構、を備える。閉構成では、弾性機構が、流体流れに対してのバリアを作るような位置でシールを保持する。第1の力が、そこを通って流体が流れることができるようなチャンネルを作るようにシールを移動させ、弾性機構が、シールを閉構成に戻すような傾向を有する力を発生させ、これが例えば、弾性機構を圧縮するか、伸ばすか、曲げるか、または、捻じることによって行われる。第1の力が解放されると、弾性機構によって生じた力がシールを閉構成へと戻るように移動させる。弾性機構の非限定の例には:コイルばね、平ばね、機械式ばね(machined spring)、板ばね、サーペンタインスプリング、ガススプリング、ネゲータばね、片持ちばね、Vばね、皿ばね(Belleville spring)、ウェーブスプリング、定荷重ばね、非線形特性コイルばね(progressive rate coil spring)、などのばね(引張ばね、圧縮ばね、および、ねじりばね、を含む);弾性バンド(ゴムバンド、および、弾性重合体のバンド、など);ならびに、磁気機構、などが含まれる。弾性機構は、第1の力を取り除いた後での第1のチャンバと第2のチャンバとの間の流体の移し替えを防止するような位置でシールをしっかりと保持するのに十分な弾性を有さなければならない。加えて、シールは、開構成時に、1つまたは複数のチャンネルを含むことができ、この1つまたは複数のチャンネルを通して第1のチャンバと第2のチャンバとの間で空気が移し替えられ得る。流体チャンネルおよび空気チャンネルは同じチャンネルであってもまたは異なるチャンネルであってもよい。
【0066】
シール/弾性機構の非限定の図が図5〜10に示される。図5が、流体流れ(015)のための第2のアパーチャを含む表面に接触するようにシール(020)が保持されるような非限定の実施例を示す。図5Aおよび5Bでは、弾性機構(021)が圧縮時に張力を受けるように設計される。弾性機構(021)が、第2のチャンバに近接する底面(022)とシール(020)との間に配設され、シール(020)が弾性機構(021)と第1のチャンバに近接する上面(023)との間に配設される。上面(023)が、アクチュエータ(014)の一部分をシール(020)に接触させるのを可能にするための第1のアパーチャ(013)を含み、上面(023)および底面(022)の両方が、第1のチャンバと第2のチャンバとの間での流体流れおよび/または空気の移し替えを可能にするための第2のアパーチャ(015)を含む。図5Aに示されるように、閉位置では、シール(020)が弾性機構(021)により上面(023)に対して押圧され、それにより第2のアパーチャ(015)を通る流体流れを防止する。図5Bに示されるように、第2の力(017)がアクチュエータ(014)に適用されると、アクチュエータ(014)が第1のアパーチャ(013)を通って移動してシール(020)を押圧する。弾性機構(021)が圧縮され、シールが上面(023)から離れるように移動し、それにより、第2のアパーチャ(015)の間を流体が流れることが可能となる(破線の矢印で示される)。第2の力が取り除かれると、圧縮された弾性機構(021)の力が上面(023)に対して後方でシールを押し動かし、それにより上面(023)の第2のアパーチャ(015)を通しての流体の移し替えを防止する。図5Cおよび図5Dでは、弾性機構(021)が、伸ばされるときに張力を受けるように設計される。弾性機構(021)が一方の端部のところでシール(020)に取り付けられ、もう一方の端部のところで第1のチャンバ(022)に近接する上面に取り付けられ、シール(020)が、上面(022)と第1のチャンバに近接する底面(023)との間に配設される。上面(023)が、アクチュエータ(014)の一部分をシール(020)に接触させるのを可能にするための第1のアパーチャ(013)を含み、上面(023)および底面(022)の両方が、第1のチャンバと第2のチャンバとの間での流体流れおよび/または空気の移し替えを可能にするための第2のアパーチャ(015)を含む。図5Cに示されるように、閉位置で、シール(020)が弾性機構(021)により上面(023)に対して引っ張られ、それにより、第2のアパーチャ(015)を通る流体流れを防止する。図5Dに示されるように、第2の力(017)がアクチュエータ(014)に適用されると、アクチュエータ(014)が第1のアパーチャ(013)を通って移動してシール(020)を押圧する。弾性機構(021)が広げられ、シールが上面(023)から離れるように移動し、それにより、第2のアパーチャ(015)の間を流体が流れることが可能となる(破線の矢印で示される)。第2の力が取り除かれると、広げられた弾性機構(021)の力が上面(023)に対して後方にシールを押し動かし、それにより上面(023)の第2のアパーチャ(015)を通しての流体の移し替えを防止する。
【0067】
図6および図7が、円筒(018)の内壁の間にシールが配設されるような非限定の実施例を示す。第2の力(017)の適用によりシール(020)が第1の位置から第2の位置へと移動させられ、その間、弾性機構(021)が、圧縮されるか(図6Bおよび図7B)または広げられる(図6Dおよび7D)ときに第2の位置から第1の位置へとシール(020)を戻す傾向を有する力を生じさせるように位置決めされる。円筒は結果として以下のようになるようにサイズ決定される:第1の位置においてシール(020)の外側周囲部が内壁(018)にぴったり嵌合され、第1のチャンバと第2のチャンバとの間にバリアを作り(図6A、6C、7Aおよび7Cを参照)、開位置において、内壁(018)とシール(020)との間に隙間が形成され、この隙間がチャンネルを画定し、このチャンネルを通して第1のチャンバと第2のチャンバとの間で流体が移し替えられ得る(破線の矢印で示される)(図6B、6D、7Bおよび7Dを参照)。例えば、内壁(018)が、第2の位置よりも第1の位置においてより狭くなる円錐台形の円筒を画定することができる(図6を参照)。別の実施例では、内壁(018)が、第2の円筒に嵌合される第1の円筒を画定することができ、第1の円筒が第2の円筒より狭く、その結果、シールが第1の位置から第2の位置まで移動することで、シールが第1の円筒から第2の円筒まで移動することになる(図7を参照)。この実施例では、第1の円筒が、例えば、バルブ支持体内にあるアパーチャであってよく、第2の円筒が第1または第2のチャンバであってよく、その結果、第2の力がシールを第1の円筒から第1または第2のチャンバ内まで移動させる。別法として、バルブ支持体が第1のチャンバおよび第2のチャンバの両方を含んでもよい。第2の力(017)がアクチュエータ(014)に適用されると、アクチュエータ(014)がシール(020)を押圧し、弾性機構(021)が圧縮されるか(図6Bおよび7B)または広げられ(図6Dおよび7D)、シールが第1の位置から第2の位置まで移動し、それにより第1のチャンバと第2のチャンバとの間で流体が流れるのを可能にする(破線の矢印によって示される)。第2の力が取り除かれると、広げられるかまたは圧縮された弾性機構(021)の力がシール(020)を押し動かして第1の位置に戻して内壁(018)に接触させ、それにより流体の移し替えを防止する。
【0068】
図8が、開構成と閉構成との間を切り替えるためにシールが弾性機構の周りで回転させられるような非限定の実施例を示す。弾性機構(021)が、弾性機構(021)の周りでシール(020)を回転させるのを可能にするような配列でシール(020)に取り付けられる。アクチュエータ(014)に対して第2の力(017)を適用することにより、アクチュエータがシール(020)の縁部を押圧し、それによりシール(020)を閉位置から開位置(024)まで回転させ、それにより、そこを通って流体が流れることができる(破線の矢印で示される)チャンネルを作る。シールを回転させることで弾性機構(021)内にトルクを蓄積する(図8B、8Eおよび8Hを参照)。第2の力(017)が取り除かれると、トルクが解放され、それによりシール(020)を閉位置(025)に戻すように回転させ、それにより第1のチャンバと第2のチャンバとの間での流体流れを防止する。弾性機構(021)は、外側縁部のところで(図8A図8Cおよび図8G図8Iを参照)、または、シール(020)の中心に向かうポイントの周りで(図8D図8Fを参照)、シール(020)を回転させるように、配列され得る。シール(020)が内壁(018)にぴったり嵌合されるように位置決めされ得、その結果、シール(020)が開位置へ回転することにより内壁(018)とシール(020)との間に隙間が作られる。あるいは、シール(020)は、流体流れを可能にするための第2のアパーチャ(015)と、アクチュエータ(014)とシール(020)との間の接触を可能にするための第1のアパーチャ(013)と、を含む内側表面(022)に対してバリアを作るように構成され得る。
【0069】
図9が、弾性機構(021)が、アクチュエータ(014)への第2の力(017)の適用に反応して曲げられる剛体部材を備えるような、非限定の実施形態を示す。弾性機構(021)が、閉構成においてシール(020)を保持するような形で剛体部材をシール(020)の表面に接触させるように、配列される(図9Aを参照)。アクチュエータ(014)に対して第2の力(017)が適用されるとシール(020)が弾性機構(021)の剛体部材に対して押し動かされ、それにより剛体部材が曲がり(026)、シール(020)が、そこを通って流体がシールを通過するように流れる(破線の矢印で示される)ことができるチャンネルを作るのに十分な程度で移動することが可能となる(図9Bを参照)。曲げ(026)は剛体部材自体の中においてであってよいか、または、剛体部材が例えばねじりばねに接続されてもよい。いずれの場合も、曲げの結果として力が生じ、その結果、第2の力が取り除かれる場合には、剛体部材内の力が剛体部材を直線化し(027)、それによりシール(020)を閉位置へと戻すように押す。
【0070】
いくつかの構成では、第1の力がバルブを閉構成から開構成へと切り替えるが、バルブを開構成で維持することは要求されない。1つの例としてはフラッパバルブがあり、その非限定の実施例が図10に示される。バルブが、固定剤溶液中で浮揚性を有するような形
状の材料で構築されるシール(021)を備える。シール(021)が、閉構成において第1のチャンバと第2のチャンバとを接続するアパーチャ(015)内にぴったり嵌合されるように配設される(図10Aを参照)。アクチュエータ(014)がシール(021)の第1の端部に接続され、ヒンジ(028)がシール(021)の反対側の端部のところに配設され、その結果、アクチュエータ(014)に対して第2の力(017)が適用されることで、シール(021)がヒンジ(028)周りで回転してアパーチャ(015)から離れるようになる。この位置では、十分な量の固定剤流体がアパーチャを通って流れるまで(破線の矢印で示される)、シールの固有の浮揚性によりシールが開構成で保持されることになる(029)(図10Bを参照)。最終的に、シール(021)を開けた状態で維持するのに不十分な浮力がシール(021)上に留まることになりシール(021)がそれ自体の重量(030)により落下して閉構成に戻る(図10Cを参照)。対をなす磁石(031)などの保持機構が、反転時においても、第2の力が適用されるまではシール(021)を閉位置で維持するためにシール(021)に沿うように配設される(図10Dを参照)。保持機構は、反転時にシール(021)に対する流体の力によりシール(021)が開けられることがないように十分に堅固に定位置でシール(021)を保持しなければならないが、第2の力に反応して開くのを不都合に阻害しないくらいに十分に弱いものであり、つまり、(磁気機構(031)の場合では)シール(021)の浮力に打ち勝つことがない。このような実施形態では、バルブを開構成で維持するために第2の力がアクチュエータ上で維持されることが必要ない。正確には、浮揚性の力で十分である。
【0071】
他の実施例では、バルブがチェックバルブであり、第1の力がアクチュエータによりバルブに作用する流体圧力であり、流体圧力がバルブを開ける。流体圧力が閾値未満まで低下すると、バルブが再び閉じる。チェックバルブの例には、ダックビルバルブ、ボールチェックバルブ、および、スイングチェックバルブなどが含まれる。
【0072】
ボールチェックバルブは、流れを遮断するための可動部品である閉鎖部材が球形のボールであるような、チェックバルブである。実施例では、ばね式のボールチェックバルブが使用される。ばねが、流体圧力を増大させることなく流体流れを防止するためにボールをしっかりと保持するために張力を受ける。アクチュエータが第1のチャンバ内の流体圧力を増大させるように適合され、それによりばねに対してボールを押し込む。流体圧力がばねによって加えられる圧力を超えると、ボールが下方へ移動してチャンネルを作り、そのチャンネルを通って流体が第2のチャンバ内まで流れる。流体圧力がばねによって加えられる圧力未満まで低下すると、ばねの力がボールを閉位置へと戻すように押す。図6に示されるバルブはボールチェックバルブ配列で使用され得るが、ここでは、シールを開位置まで移動させるようなアクチュエータとシールとの間の物理的接触の代わりに、流体がシールに対して第1の力を作用させてそれによりシールを開位置まで移動させる、という点が異なる。反対の流れまたは重力がボールをシートの方に移動させてシールを作るような形でボールが配列される場合、ばねを有さないデザインも可能である。ボールチェックバルブのメインシートの内部表面は、反対の流れを止める場合にはボールをシートまで誘導してポジティブシールを形成するような、程度の差はあるが、円錐テーパ状である。
【0073】
スイングチェックバルブまたは傾斜ディスクチェックバルブは、流れを遮断するための可動部品であるディスクが、反対の流れを遮断するためにシート上まで、または、前方への流れを可能にするためにシートから離れるように、ヒンジまたはトラニオン上で旋回する。シート開口部の断面が2つのポートの間の中心線に対して垂直であるかまたは一定の角度を有することができる。この機構の一例はクラッパバルブであり、ここでは、ヒンジ付きのゲートが流入方向にのみ開いた状態を維持する。クラッパバルブは、しばしば、前方への圧力がない場合にゲートを閉鎖した状態で維持するばねをさらに有する。図8に示されるバルブはスイングチェックバルブ配列で使用され得るが、ここでは、シールを開位
置まで移動させるようなアクチュエータとシールとの間の物理的接触の代わりに、流体がシールに対して第1の力を作用させてそれによりシールを開位置まで移動させる、という点が異なる。
【0074】
ダックビルバルブは、通常、エラストマ材料(ゴムまたは合成エラストマなど)から製造され、流体流れのためのチャンネル上に嵌合されるための開端部と、端部のところにスリットを備える平らなもう一方の端部と、を備える(アヒルのくちばしに非常によく似ている)。流体がバルブを通して開端部から平らな端部まで圧送されると、平らな端部が開き、加圧流体を通過させるのを可能にする。しかし、圧力が取り除かれると、ダックビル端部がその平らな形状に戻り、逆流を防止する。バルブの開端部は、通常、供給ラインの第1のチャンバ出口と第2のチャンバ出口とを接続するチャンネル上で広げられ、ここでは、開端部が第1のチャンバの方を向いており、平らな端部が第2のチャンバの方を向く。したがって、加圧流体が第1のチャンバからバルブを通って第2のチャンバまで流れることができるが、反対方向には流れることができない。
【0075】
チェックバルブを使用する実施形態では、アクチュエータが第1のチャンバ内の流体圧力を増大させるように配列され、それによりチェックバルブを開ける。1つの具体的な配列は、シリンジ内で使用されるものに類似するプランジャである。プランジャが第1のチャンバ内に摩擦嵌合され、その結果、流体がプランジャを通って流れることができなくなる。プランジャが押し下げられると、流体がバルブの方に押され、バルブを開けるまで圧力が増大する。流体がバルブを通って流れるときに圧力が緩和されることから、十分な流体が第2のチャンバ内に流れ出るまでプランジャ上で圧力を維持しなければならない。流体が流れ出ると、プランジャから単純に圧力が解放され得、閾値未満まで低下する流体圧力によりバルブが閉じる。
【0076】
ばねを使用しないボールチェックバルブ配列では、通常、予め充填されるキャップ内に主シールが設けられる。この場合のアクチュエータは、バルブ内へとおよびバルブを通るように流体が流れるのを可能にするために、単に、主シールを解放することを必要とする(しかし、流体を加圧することが有効である可能性もある)。次いで、倒れるかまたは反転するようになるまでバルブが開位置に留まり、ここでは、流体流れおよび/または重力の力がボールを閉位置まで運ぶ。
B. アクチュエータ
アクチュエータは、通常、結果として以下のようになるように配列される:アクチュエータに対して第2の力が適用されることでアクチュエータがバルブに第1の力を適用するようになり、また、バルブを開位置で保持するために第2の力を維持することが必要であり、その結果、第2の力が取り除かれることでバルブが閉位置に自動で復帰するようになる。これを達成するための1つの手法は、第2の力の反対に作用するように構成されるアクチュエータを弾性機構に接触させて配置することである。弾性機構の非限定の例には:コイルばね、平ばね、機械式ばね、板ばね、サーペンタインスプリング、ガススプリング、ネゲータばね、片持ちばね、Vばね、皿ばね、ウェーブスプリング、定荷重ばね、非線形特性コイルばね、などのばね(引張ばね、圧縮ばね、および、ねじりばね、を含む);弾性バンド(ゴムバンド、および、弾性重合体のバンド、など);ならびに、磁気機構、などが含まれる。弾性機構は結果として以下のようになるように位置決めされる:アクチュエータが移動してバルブに対して第1の力を適用するとき、アクチュエータが弾性機構を、移動させるか、捻じるか、曲げるか、圧縮するか、または、広げ、それにより弾性機構内に復元力を生じさせる。復元力は、概して、アクチュエータに適用される第2の力の概して反対に加えられ、その結果、第2の力がアクチュエータに適用される状態を維持する限りにおいて、アクチュエータがバルブを開位置で保持し続けることになる。しかし、第2の力が取り除かれると、復元力がアクチュエータによりバルブに対しての第1の力を解放させる(バルブから離れるように移動することなどによる)。加えて、アクチュエータは、使用者によって開始されるようなアクチュエータに対しての第2の力の適用を可能にする容器の外部の機構に機械的に接続され、ここでは、組み立てられた容器の中身に対して使用者を曝す必要がない。単純な一実施形態では、ボタンが容器上に配設され、これが、使用者によって押し下げられるときにアクチュエータに対して第2の力を適用するように、配列される。
II. キャップおよび試料収集容器
上述のバルブ組立体は、特には、固定剤溶液で予め充填されるキャップと、試料移送容器とを備える試料移送システムで使用されるように適合される。
【0077】
予め充填されるキャップは、通常、下側チャンバ内へ排液される準備が整うまでキャップ内で固定剤溶液を保持するための主シールを含む。いくつかの事例では、バルブ組立体が主シールとして機能することができる。他の事例では、別個の主シールが設けられてよく、これが、計量分配される準備が整うまで固定剤溶液をバルブから隔離するように機能する。
【0078】
分析のための生体試料(特には、組織試料)を保持するのに適する任意の容器が試料移送容器として使用され得る。いくつかの実施形態では、第2のチャンバが、組織カセットなどの、生体試料を保持するための装置をさらに備える。
【0079】
キャップおよび容器が、それらのそれぞれのチャンバを分離するバルブ組立体を一体に嵌合されるようにさらに適合される。種々の構成要素間の嵌合は、バルブが開構成ではない限りは流体が構成要素間でまたは組み立てられた容器から出るように漏洩することがないように十分にぴったりとなるべきである。好適には、組立体はガス排出の危険がなく、つまり、完全に組み立てられている場合は固定剤流体のガスを放出しない。一体に3つの構成要素が嵌合され得るような任意の配列が使用され得る。一実施例では、バルブ組立体が、キャップおよび容器の各々のねじ山に嵌合されるねじ山を含む。この配列では、バルブ組立体上のねじ山が組立体全体を一体に固定することから、キャップおよび容器が互いに直接に接触する必要がない。他の実施形態では、キャップまたは容器が、バルブ組立体および残りの構成要素の両方を受け入れるためのねじ山を含む。例えば、キャップが、バルブ組立体に嵌合される雌ねじと、容器を受け入れるための雄ねじとを備えることができる。別法として、容器が、バルブ組立体を受け入れるための雌ねじと、キャップを受け入れるための雄ねじとを含むことができる。別の配列では、キャップおよび容器が、各々、ねじ嵌合を介して互いに嵌合されてもよく、また、バルブ組立体を定位置で固定するための内部隆起部を含むこともできる。当業者であれば多くの他の配列がすぐに思い付くであろう。
【0080】
キャップまたは容器のいずれかが、組み立てられた容器の中身に接触することなく使用者がアクチュエータを起動するのを可能にするユーザインタラクションデバイス(user interaction device)をさらに含む。例えば、ボタンまたはレバーがキャップまたは容器の内部で実質的に剛体である部材に接触され得、その結果、ボタンまたはレバーが起動されるときに剛体部材がアクチュエータに対して第2の力を適用するようになる。別法として、アクチュエータがキャップまたは容器の外側を延在してもよく、その結果、使用者がアクチュエータに対して第2の力を直接に適用することができる。実施例では、キャップおよびアクチュエータがシリンジプランジャの様に相互作用し、ここでは、アクチュエータが、キャップ内で液体不透過の摩擦嵌合となるように配設される。当業者であれば多くの他の配列がすぐに思い付くであろう。
III. 特定の実施例
次に図11〜21を参照すると、本発明の特定の実施形態が示されている。以下は、本明細書で参照される特定の要素に対応する要素のリストである:
100 バルブ組立体
101 試料
105 流体
110 試料収集容器
120 バルブアクチュエータ屈曲部
121 外側フレーム
122 支持体構造
123 支持体上面
124 支持体底面
125 複数のアーム
126 アンカー
127 複数のばね
128 第1の端部
129 第2の端部
130 バルブハウジング
131 ベース
132 側壁
133 複数の排液アパーチャ
134 複数のアームアパーチャ
135 ステム開口部
136 ベース底面
137 チャンネル
140 バルブ
141 バルブ上面
142 バルブ底面
143 バルブステム
144 球根状のステム端部
200 プランジャ
301 フレームロックタブ
302 ハウジングロックタブ
400 空気チャンネル
500 予め充填されるキャップ
505 シール
この非限定の実施形態は、流体(105)中の試料(101)を保存するための試料収集システムを特徴とする。図11がバルブ組立体の基本的な要素を示す。バルブ組立体(100)が、バルブアクチュエータ屈曲部(120)と、バルブ(140)とを備える。バルブアクチュエータ屈曲部(120)が、外側フレーム(121)と、支持体構造(122)と、少なくとも1つのばね(127)とを備える。支持体構造(122)が、支持体上面(123)と、支持体底面(124)と、少なくとも1つのアーム(125)とを備えることができる。アーム(125)が支持体底面(124)上に配設され得、支持体構造(122)から離れるように外側に突出してよい。いくつかの実施形態では、ばね(127)が第1の端部(128)および第2の端部(129)を備える。ばね(127)の第1の端部(128)が外側フレーム(121)に取り付けられ得、ばね(127)の第2の端部(129)が支持体構造(122)に取り付けられ得る。
【0081】
図12がバルブ組立体の構成要素の詳細図を提供する。ベース(131)と、側壁(132)と、少なくとも1つの排液アパーチャ(133)と、少なくとも1つのアームアパーチャ(134)と、ステム開口部(135)と、を備えるバルブハウジング(130)が提供される。排液アパーチャ(133)、アームアパーチャ(134)およびステム開口部(135)が、ベース(131)上に配設され得る。バルブ(140)が、バルブ上面(142)およびバルブ底面(141)、ならびに、バルブステム(144)を備える
。バルブステム(144)がステム開口部(135)内に挿入され、ベース(131)の底側でバルブ(140)を定位置で保持し、ここでは、上面(142)がベース(131)の底面に接触して保持される。バルブ(140)がバルブアクチュエータ屈曲部(120)の下方に配設され、その結果、バルブ上面(141)がベース底面(136)に接触し、また、バルブアクチュエータ屈曲部(120)がバルブハウジング(130)内に配設され、ここでは、支持体上面(123)がバルブ(140)から離れる方を向き、4つのアーム(125)がバルブ上面(141)に向かって突出してアームアパーチャ(134)を越えるかまたは通過する。フレームロックタブ(301)がハウジングロックタブ(302)の間に嵌合され、それにより、バルブハウジング(130)内でバルブアクチュエータ屈曲部(120)が移動(つまり、回転)するのを防止する。バルブ(140)が固有の弾性を有する材料で構築され、その結果、バブル(140)の外側縁部に力が適用される場合にバルブが曲がるようになるが、力が取り除かれるとその元の形状に戻るようになる。図13に示されるように、バルブアクチュエータ屈曲部が非圧縮構成(上側の図)から圧縮構成(下側の図)へと移動することができる。
【0082】
動作中、第2の力が支持体構造上面(123)に適用され、支持体構造(122)を下方に押す。アーム(125)がアームアパーチャ(134)を通って移動し、アーム(125)をバルブ(140)の上面に接触させて第1の力を適用する。第1の力がバルブ(140)をベース(131)の底面から離れるように屈曲させ、それによりベース(131)とバルブ(140)との間にチャンネル(137)を作り、それにより流体が1つまたは複数の排液アパーチャ(133)を通って流れることが可能となる。また、支持体構造(122)が移動することでばね(127)が圧縮される。第2の力を解放するとばね(128)が少なくとも部分的に緩み、それによりアーム(125)を押してバルブ(140)から離れるように移動させ、それにより第1の力を解放する。バルブ(140)の固有の弾性がバルブをその元の構成に戻してベース(131)の底縁部に接触させ、それにより排液アパーチャ(133)を再び密閉する。
【0083】
図14〜17は、バルブが閉構成(図14および17A)および開構成(図15および17B)にある状態の、組み立てられたキャリアの断面図である。見られるように、バルブ組立体(100)が、予め充填されたキャップ(500)と試料収集容器(110)との間に配設される。バルブが、予め充填されたキャップ(500)の底端部または試料収集容器(110)の頂部端部に、あるいはその両方に、嵌合されるように適合され得る。嵌合の例には、ねじ嵌合、保持クリップ、摩擦嵌合、または、スプリングボールリテーナなどが含まれる。使用される嵌合に関係なく、バルブは組み立てられた容器内に以下のように嵌合されるべきである:容器を保持する向きに関係なく、バルブ組立体を通ることを除いて、流体がキャップから容器までおよびその逆で流れることができるような隙間が実質的に存在しない。予め充填されるキャップが、頂部側に可撓性ボタン機構(502)を有することができる。プランジャ機構(200)が予め充填されたキャップ(500)内に配設され、ここでは、一方の端部が可撓性ボタン機構(502)の近くにあり、支持体上面(123)に近接する側で、もう一方の端部がバルブ組立体(100)の近くにある。図16は、プランジャ(200)および支持体上面(123)の配列を示す上側から見た断面図である。見られるように、プランジャ(200)が、流体流れを実質的に阻害しないが支持体上面(123)との実質的に剛体的な相互作用を実現するように、設計される。図15および17Bに示されるように、可撓性ボタン機構(502)が押し下げられることでプランジャ(200)が下方に押し動かされる。アーム(125)がアームアパーチャ(134)を通って移動してバルブ(140)の外側縁部を押し下げ、それにより縁部をベース(131)の底縁部から離すように押し動かし、それによりチャンネル(137)を作り、このチャンネル(137)を通って流体が排液アパーチャ(133)を介してバルブ(140)を通過して流れることができる(図17Bを参照)。可撓性ボタン機構(502)が解放されると、ばね(128)が支持体上面(123)をバルブ(140)から離すように押し動かし、ここでは、アーム(125)がバルブ上面(141)を押圧しておらず、バルブ(140)が屈曲して閉構成(図14よび17Aを参照)に戻る。
【0084】
一実施形態では、例示のバルブ組立体(100)が独立する空気チャンネル(400)を含み、これが、キャップと試料収集との間での空気の移し替えを可能にする。図18〜21に示されるように、最初に、バルブが開くときに、キャップからの流体が試料収集容器内の空気を変位させる。キャップ内の流体に対しての重力の圧力が大気圧を超える限りにおいて、ベース内の同じアパーチャを通して空気/液体の移し替えが行われ得る。しかし、圧力が平衡状態になると、流体の移し替えがそれ以上は進行しない。したがって、キャップから試料収集容器へ流体を完全に排液するために、ベース(131)の全体を通る専用の空気移し替えチャンネル(400)を設けることが望ましい。
【0085】
図18は、閉構成(図18A)、直立時の開構成(図18B)、および、傾斜時の開構成(図18C)の、組立体の概略図である。図19は、開構成(図19A)、および、傾斜時の開構成(図18C)の、バルブ組立体(100)の拡大図である。複数の空気チャンネル(400)がベース(131)の周囲部を横断するように配設され、対して、排液アパーチャ(133)がベース(131)の中心に向かうように配設される(図12も参照されたい)。液面が高いと、重力下で流体が空気チャンネル(400)を通って流れることができる(図20A〜20C)。しかし、液面が低下して流体圧力が大気圧に接近すると、空気チャンネル(400)が流体を有さないチャンネルを形成し、排液アパーチャ(133)を通って流れる流体と引き換えに、この流体を有さないチャンネルを通って、空気が試料収集容器(110)からキャップ(500)まで流れることができる(図21A)。このようにして、容器が充填されるようになるか、キャップが完全に排液されるようになるか、または、バルブが移動させられて閉位置に戻るようになるか、のいずれかまで、流体が継続的に試料収集容器内へ流れ出る。さらに、複数の空気チャンネル(400)が設けられ、したがって、傾斜することの結果として空気チャンネル(400)のうちの1つの空気チャンネルが遮断される場合でも継続して流体の移し替えを可能にする(図21Bを参照)。
【0086】
図22が代替的実施形態を示し、ここでは、アクチュエータが作動することでバルブが平行移動する。この実施形態では、バルブが支持体構造(122)またはプランジャ(200)に直接に接続され、その結果、プランジャボタン(502)を押し動かすことで、バルブ(400)全体がベース(131)から離れるように押し動かされて開構成となる。図22Aが、プランジャ(200)の下方にばね(127)が配設され、バルブが支持体構造に接続されるような、実施形態を示す。図22Bがばね(127)がプランジャに取り付けられる実施形態を示しており、ばね(127)がプランジャに直接に接続される。図22Cが代替のプランジャ形状を有する22Bの実施形態を示す。
【0087】
図23が代替的実施形態を示しており、ここでは、外側フレームに取り付けられるばね機構(127)の代わりに、ばね機構(127)が支持体構造(122)の下方に配設される。
【0088】
本明細書で使用される「約」という用語は、記載される数値のプラスまたはマイナス10%を意味する。
本発明のさらなる実施形態には以下のものが含まれる:
1.流体(105)中の試料(101)を保存する方法であって、上記方法が
a.試料収集容器(110)を提供するステップと、
b.試料収集容器(110)からの流体(105)の逆流を防止するためのバルブ組立体(100)を提供するステップであって、上記組立体(100)が、
i.バルブアクチュエータ屈曲部(120)であって、このバルブアクチュエータ屈曲部(120)が、
外側フレーム(121)、
支持体上面(123)と、支持体底面(124)と、少なくとも1つのアーム(125)と、を備える支持体構造(122)であって、アーム(125)が支持体底面(124)上に配設され、アーム(125)が支持体構造(122)から離れるように外側に突出する、支持体構造(122)、および、
少なくとも1つのばね(127)であって、ばね(127)が第1の端部(128)および第2の端部(129)を備え、ばね(127)の第1の端部(128)が外側フレーム(121)に取り付けられ、ばね(127)の第2の端部(129)が支持体構造(122)に取り付けられる、少なくとも1つのばね(127)
を備える、バルブアクチュエータ屈曲部(120)、
ii.ベース(131)と、側壁(132)と、少なくとも1つの排液アパーチャ(133)と、少なくとも1つのアームアパーチャ(134)と、ステム開口部(135)と、を備えるバルブハウジング(130)であって、排液アパーチャ(133)、アームアパーチャ(134)およびステム開口部(135)が、ベース(131)上に配設される、バルブハウジング(130)、ならびに、
iii.バルブ上面(141)と、バルブ底面(142)と、バルブ上面(141)上に配設されるバルブステム(143)と、を備えるバルブ(140)であって、バルブステム(143)が、バルブステム端部のところに配設されるストッパ(144)を有し、バルブ(140)が、ステム開口部(135)を通して挿入されるストッパ(144)を介してバルブハウジング(130)に固着され、ベース(131)がバルブアクチュエータ屈曲部(120)とバルブ(140)との間に位置決めされる、バルブ(140)
を備える、ステップと、
c.試料収集容器(110)の内部に試料(101)を配置するステップと、
d.バルブ組立体(100)を用いて試料収集容器(110)を覆うステップであって、その結果、バルブ(140)が試料収集容器(110)の内部に配設される、ステップと、
e.キャップ(500)を提供するステップであって、プランジャ(200)および流体(105)がキャップ(500)内に含まれ、主シール(505)がキャップ(500)の内部でプランジャ(200)および流体(105)を密閉する、ステップと、
f.バルブ組立体(100)にキャップ(500)を取り付けるステップであって、その結果、バルブアクチュエータ屈曲部(120)がベース(131)とキャップ(500)との間に位置決めされる、ステップと、
g.プランジャ(200)を押し下げて主シール(505)を破損し、支持体構造(122)の支持体上面(123)を押し動かしてばね(127)を圧縮することにより、容器(110)内へと流体(105)を解放するステップであって、アーム(125)がアームアパーチャ(134)を通過してバルブ上面(141)を押し動かし、バルブ(140)が屈曲し、その結果、バルブ上面(141)がベース底面(136)から離れるように押し動かされ、流体(105)が破損したシール(105)から流れ出て排液アパーチャ(133)を通って試料収集容器(110)に入り、流体(105)が試料収集容器(110)内の試料(101)に接触する、ステップと、
を含む。
2.実施形態1の方法であって、バルブハウジング(130)が、試料収集容器(110)のためのキャップである。
3.実施形態1の方法であって、流体(105)が保存剤である。
4.実施形態1の方法であって、流体(105)がホルマリンである。
5.実施形態1の方法であって、バルブアクチュエータ屈曲部(120)が可撓性材料から構築される。
6.実施形態1の方法であって、バルブアクチュエータ屈曲部(120)がエラストマ材
料から構築される。
7.実施形態1の方法であって、バルブアクチュエータ屈曲部(120)の外側フレーム(121)が概略リング形状である。
8.実施形態1の方法であって、外側フレーム(121)が少なくとも1つのフレームロックタブ(301)をさらに備え、バルブハウジング(130)がフレームロックタブ(301)に対して相補的である少なくとも1つのハウジングロックタブ(302)を備え、フレームロックタブ(301)およびハウジングロックタブ(302)がバルブアクチュエータ屈曲部(120)がバルブハウジング(130)内で回転するのを防止する。
9.実施形態1の方法であって、複数の空気チャンネル(400)がバルブハウジング(130)の側壁(132)上に配設される。
10.実施形態1の方法であって、試料(101)が、血液、尿、組織物質、または、粘液である。
11.実施形態1の方法であって、試料(101)がカセット内に配置され、カセットが試料収集容器(110)内に配置される。
12.実施形態1の方法であって、バルブアクチュエータ屈曲部(120)の外側フレーム(121)の形状が多角形である。
13.実施形態1の方法であって、バルブ(140)が、アンブレラバルブ、ダックビルバルブおよびチェックバルブ、からなる群から選択される。
14.実施形態1の方法であって、バルブ(140)が概略ディスク形状である。
15.実施形態1の方法であって、試料収集容器(110)が握持構成要素を有する。
16.実施形態15の方法であって、握持構成要素が窪み部分である。
17.実施形態15の方法であって、握持構成要素が突出部である。
18.実施形態15の方法であって、握持構成要素が試料収集容器(110)の外部表面上に配設される。
19.実施形態15の方法であって、握持構成要素が刻み目を有する表面を備える。
20.実施形態19の方法であって、刻み目を有する表面が、環状リングパターン、直線の刻み目パターン、または、ひし形の刻み目パターンを有する。
21.実施形態1の方法であって、試料を提供するステップが、
a.体腔内に試料採取デバイスを挿入するステップと、
b.試料採取デバイスを用いて体腔から試料を収集するステップであって、試料が試料採取デバイスの試料収集部分によって収集される、ステップと、
c.試料採取デバイスを体腔から取り出すステップと、
を含む。
22.実施形態21の方法であって、試料収集容器(110)の内部に試料(101)を配置するステップが、試料を有する試料収集部分を容器(110)内に挿入するステップと、試料収集部分を試料採取デバイスから分離するステップと、を含む。
23.試料を処理するための方法であって、上記方法が、
a.試料収集容器(110)を提供するステップと、
b.試料収集容器(110)からの流体(105)の逆流を防止するためのバルブ組立体(100)を提供するステップであって、上記組立体(100)が、
i.バルブアクチュエータ屈曲部(120)であって、このバルブアクチュエータ屈曲部(120)が、
外側フレーム(121)、
支持体上面(123)と、支持体底面(124)と、少なくとも1つのアーム(125)と、を備える支持体構造(122)であって、アーム(125)が支持体底面(124)上に配設され、アーム(125)が支持体構造(122)から離れるように外側に突出する、支持体構造(122)、および、
少なくとも1つのばね(127)であって、ばね(127)が第1の端部(128)および第2の端部(129)を備え、ばね(127)の第1の端部(128)が外側フレーム(121)に取り付けられ、ばね(127)の第2の端部(129)が支持体
構造(122)に取り付けられる、少なくとも1つのばね(127)
を備える、バルブアクチュエータ屈曲部(120)、
ii.ベース(131)と、側壁(132)と、少なくとも1つの排液アパーチャ(133)と、少なくとも1つのアームアパーチャ(134)と、ステム開口部(135)と、を備えるバルブハウジング(130)であって、排液アパーチャ(133)、アームアパーチャ(134)およびステム開口部(135)が、ベース(131)上に配設される、バルブハウジング(130)、ならびに、
iii.バルブ上面(141)と、バルブ底面(142)と、バルブ上面(141)上に配設されるバルブステム(143)と、を備えるバルブ(140)であって、バルブステム(143)が、バルブステム端部のところに配設されるストッパ(144)を有し、バルブ(140)が、ステム開口部(135)を通して挿入されるストッパ(144)を介してバルブハウジング(130)に固着され、ベース(131)がバルブアクチュエータ屈曲部(120)とバルブ(140)との間に位置決めされる、バルブ(140)
を備える、ステップと、
c.試料収集容器(110)の内部に試料(101)を配置するステップと、
d.バルブ組立体(100)を用いて試料収集容器(110)を覆うステップであって、その結果、バルブ(140)が試料収集容器(110)の内部に配設される、ステップと、
e.キャップ(500)を提供するステップであって、プランジャ(200)および流体(105)がキャップ(500)内に含まれ、主シール(505)がキャップ(500)の内部でプランジャ(200)および流体(105)を密閉する、ステップと、
f.バルブ組立体(100)にキャップ(500)を取り付けるステップであって、その結果、バルブアクチュエータ屈曲部(120)がベース(131)とキャップ(500)との間に位置決めされる、ステップと、
g.プランジャ(200)を押し下げて主シール(505)を破損し、支持体構造(122)の支持体上面(123)を押し動かしてばね(127)を圧縮することにより、容器(110)内へと流体(105)を解放するステップであって、アーム(125)がアームアパーチャ(134)を通過してバルブ上面(141)を押し動かし、バルブ(140)が屈曲し、その結果、バルブ上面(141)がベース底面(136)から離れるように押し動かされ、流体(105)が破損したシール(105)から流れ出て排液アパーチャ(133)を通って試料収集容器(110)に入る、ステップと、
h.試料収集容器(110)内に含まれる試料(110)に流体(105)を接触させるステップと、
i.キャリア組立体の保持壁内に試料収集容器(110)を配置するステップと、
j.キャリア組立体を移送組立体内に配置するステップと、
k.第1のロケーションから第2のロケーションまで移送組立体を移送するステップとを含む。
24.実施形態21の方法であって、流体(105)の平均温度が最大で約5℃である。25.実施形態23の方法であって、キャリア組立体が少なくとも1つのデータロギングデバイスをさらに備える。
26.実施形態25の方法であって、キャリア組立体のデータロガーデバイス内で、試料(101)に関連する時間情報および温度情報を検出および保管するステップをさらに含む。
27.実施形態26の方法であって、時間情報および温度情報を検出するステップが、
a.流体(105)または試料(101)の温度を測定するステップと、
b.流体(105)が試料(101)に接触するときの接触時間を測定するステップと、
c.温度・接触時間の測定値を保管するステップと
を含む。
28.実施形態26の方法であって、移送組立体が第1のロケーションから第2のロケー
ションまで移送される間、試料(101)に関連する時間・温度情報が検出される。
29.流体(105)中の試料(101)を処理するための試料収集システムであって、上記システムが、
a.試料収集容器(110)であって、握持構成要素が試料収集容器(110)上に配設される、試料収集容器(110)と、
b.試料収集容器(110)からの流体(105)の逆流を防止するためのバルブ組立体(100)であって、上記バルブ組立体(100)が、
i.バルブアクチュエータ屈曲部(120)であって、このバルブアクチュエータ屈曲部(120)が、
外側フレーム(121)、
支持体上面(123)と、支持体底面(124)と、少なくとも1つのアーム(125)と、を備える支持体構造(122)であって、アーム(125)が支持体底面(124)上に配設され、アーム(125)が支持体構造(122)から離れるように外側に突出する、支持体構造(122)、および、
少なくとも1つのばね(127)であって、ばね(127)が第1の端部(128)および第2の端部(129)を備え、ばね(127)の第1の端部(128)が外側フレーム(121)に取り付けられ、ばね(127)の第2の端部(129)が支持体構造(122)に取り付けられる、少なくとも1つのばね(127)
を備える、バルブアクチュエータ屈曲部(120)、
ii.ベース(131)と、側壁(132)と、少なくとも1つの排液アパーチャ(133)と、少なくとも1つのアームアパーチャ(134)と、ステム開口部(135)と、を備えるバルブハウジング(130)であって、排液アパーチャ(133)、アームアパーチャ(134)およびステム開口部(135)が、ベース(131)上に配設される、バルブハウジング(130)、ならびに、
iii.バルブ上面(141)と、バルブ底面(142)と、を備えるバルブ(140)であって、バルブ(140)がバルブアクチュエータ屈曲部(120)の下方に配設され、その結果、外側フレーム(121)が支持体構造(122)とバルブ(140)との間に位置決めされる、バルブ(140)
を備える、バルブ組立体(100)と
を備え、
バルブ組立体(100)が試料収集容器(110)を覆い、バルブ(140)が試料収集容器(110)の内部に配設される。
30.プランジャ(200)と、シール(505)と、キャップ(500)内に含まれる流体(105)と、を有するキャップ(500)をさらに備える、実施形態29の試料収集システムであって、主シール(505)がキャップ(500)の内部でプランジャ(200)および流体(105)を密閉し、プランジャ(200)が支持体上面(123)上に押圧されると、組立体(100)が第1の位置から第2の位置まで移動させられ、組立体(100)が第2の位置にあるとき、ばね(127)が圧縮され、アーム(125)がバルブ上面(141)を押し動かし、バルブ(140)が屈曲し、その結果、流体(105)が排液アパーチャ(133)を通って流れて、容器(10)内に配設される試料(101)に接触する。
31.実施形態30の試料収集システムであって、試料収集システムが、
a.試料収集容器(101)を留保または保持するように構成されるキャリア組立体と、
b.容器(110)がキャリア組立体内に配置されてラボラトリに移送されるときに容器(110)内の試料(101)または流体(105)に関する時間情報および温度情報の一方または両方を、取得、保管または伝送するように構成される、データロギングデバイスおよび少なくとも1つのセンサ、を備える監視システムと
をさらに備える。
32.実施形態30の試料収集システムであって、握持構成要素が試料収集容器(110
)の外部表面上に配設される。
33.実施形態32の試料収集システムであって、握持構成要素が窪み部分を備え、キャリア組立体が突出部を備え、窪み部分および突出部がキャリア組立体内で試料収集容器(110)を対合的にロックし、それにより試料収集容器(110)が変位するのを防止する。
34.実施形態32の試料収集システムであって、握持構成要素が突出部を備え、キャリア組立体が窪み部分を備え、突出部および窪み部分がキャリア組立体内で試料収集容器(110)を対合的にロックし、それにより試料収集容器(110)が変位するのを防止する。
35.実施形態32の試料収集システムであって、握持構成要素が刻み目を有する表面を備える。
36.実施形態35の試料収集システムであって、刻み目を有する表面が、環状リングパターン、直線の刻み目パターン、または、ひし形の刻み目パターンを有する。
37.実施形態29の試料収集システムであって、試料収集容器(110)が温度センサをさらに備え、このセンサが、中に含まれる流体(105)の温度を監視システムに伝送する。
38.実施形態29の試料収集システムであって、試料収集容器(110)が無線周波数識別(RFID)タグをさらに備え、監視システムがRFIDリーダをさらに備える。
39.試料収集容器と、キャリア組立体と、監視システムとを移送するための内部保持コンパートメントを備える移送容器をさらに備える、実施形態29の試料収集システムであって、移送容器が、少なくとも1時間にわたって、内部保持チャンバの温度を約0℃から約20℃の温度で維持するように構成される。
40.実施形態29の試料収集システムであって、組立体(100)が第1の位置にあるとき、ばね(127)が緩み状態である。
41.実施形態29の試料収集システムであって、バルブ(140)が、球根状のステム端部(144)を有するバルブステム(143)をさらに備え、バルブステム(143)がバルブ上面(141)上に配設される。
42.実施形態41の試料収集システムであって、バルブ(140)が球根状のステム端部(144)を介してバルブハウジング(130)に取り付けられ、球根状のステム端部(144)がバルブハウジング(130)に対してバルブステム(143)を固着する。43.実施形態41の試料収集システムであって、バルブ(140)が球根状のステム端部(144)を介してバルブアクチュエータ屈曲部(120)の支持体構造(122)に取り付けられ、球根状のステム端部(144)が支持体構造(122)に対してバルブステム(143)を固着する。
44.実施形態41の試料収集システムであって、バルブ(140)が球根状のステム端部(144)を介してプランジャ(200)に取り付けられ、球根状のステム端部(144)がプランジャ(122)に対してバルブステム(143)を固着する。
45.実施形態29の試料収集システムであって、流体(105)がホルマリンである。46.実施形態29の試料収集システムであって、試料が試料採取デバイスによって収集されて試料収集容器(110)の内部に配置される。
47.カセットをさらに備える、実施形態29の試料収集システムであって、試料(101)がカセット内に配設され、カセットが試料収集容器(110)内に配設される。
48.実施形態29の試料収集システムであって、試料(101)が、血液、尿、組織または粘液試料である。
49.実施形態29の試料収集システムであって、バルブアクチュエータ屈曲部(120)が可撓性材料から構築される。
50.実施形態29の試料収集システムであって、バルブアクチュエータ屈曲部(120)がエラストマ材料から構築される。
51.実施形態29の試料収集システムであって、バルブアクチュエータ屈曲部(120)の外側フレーム(121)が概略リング形状である。
52.実施形態29の試料収集システムであって、バルブアクチュエータ屈曲部(120)の外側フレーム(121)の形状が多角形である。
53.実施形態29の試料収集システムであって、バルブ(140)が、アンブレラバルブ、ダックビルバルブおよびチェックバルブ、からなる群から選択される。
54.実施形態29の試料収集システムであって、バルブ(140)が概略ディスク形状である。
【0089】
上記の説明から、本明細書で説明されるものに加えて、本発明の多様な修正形態が当業者には明らかとなろう。また、このような修正形態は添付の特許請求の範囲の範囲内にあることを意図される。本出願で引用される各参考文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0090】
本発明の記述において提示および説明を行ってきたが、それらに対して、添付の特許請求の範囲の範囲を超えないような修正形態が作られ得ることが、当業者には容易に明らかとなろう。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲のみによって限定される。特許請求の範囲に記載される基準の数値は、単に、例示であり、特許局により容易に精査されるようにするためのものであり、一切限定的ではない。いくつかの実施形態では、本特許出願に提示される数字は、角度、寸法の比などを含めて、一定の縮尺で描かれている。いくつかの実施形態では、これらの数字は単に代表的なものであり、特許請求の範囲はこれらの数字の大きさによって限定されない。いくつかの実施形態では、「(備える)comprising」というフレーズを使用する本明細書で説明される本発明の記述は、「からなる(consisting of)」として説明され得るような実施形態を含み、したがって、「からなる(consisting of)」というフレーズを使用して本発明の1つまたは複数の実施形態を主張することにおける記載要件も適合することになる。
【0091】
上述の実施形態に記載される基準の数値は、単に、本出願の検査を容易にするためのものであり、例示であり、特許請求の範囲の範囲を、図面内に対応する基準の数値を有する特定の特徴のみに限定されることを一切意図されない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図22A
図22B
図22C
図23