(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれ異なる位置にある店舗に対して利用者が所定のプラットフォームを介して行った取引対象の注文の履歴であって、注文後に利用者が店舗に訪問した際に当該店舗から受け取る取引対象の注文の履歴を示す履歴情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された履歴情報に基づいて、前記所定のプラットフォームを介して前記利用者に提供可能な取引対象であって、所定の範囲内に位置する複数の店舗のそれぞれから提供される複数の取引対象を特定する特定部と、
前記特定部により特定された取引対象に関する情報を、前記所定のプラットフォームを介して前記利用者に提供する提供部と
を有し、
前記特定部は、
前記履歴情報から特定される前記利用者にとって不足している栄養を含み、かつ、前記履歴情報と所定のローテーションとに応じて特定される種別の取引対象を特定する
ことを特徴とする提供装置。
それぞれ異なる位置にある店舗に対して利用者が所定のプラットフォームを介して行った取引対象の注文の履歴であって、注文後に利用者が店舗に訪問した際に当該店舗から受け取る取引対象の注文の履歴を示す履歴情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された履歴情報に基づいて、前記所定のプラットフォームを介して前記利用者に提供可能な取引対象であって、所定の範囲内に位置する複数の店舗のそれぞれから提供される複数の取引対象を特定する特定手順と、
前記特定手順により特定された取引対象に関する情報を、前記所定のプラットフォームを介して前記利用者に提供する提供手順と
をコンピュータに実行させ、
前記特定手順は、
前記履歴情報から特定される前記利用者にとって不足している栄養を含み、かつ、前記履歴情報と所定のローテーションとに応じて特定される種別の取引対象を特定する
ことを特徴とする提供プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の提供装置等により実現される提供処理について説明する。
図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。なお、
図1では、本実施形態に係る提供装置の一例である決済サーバ10によって、実施形態に係る提供処理などが実現されるものとする。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る提供処理システム1は、決済サーバ10と、利用者端末100と、事業者端末200とを含む。決済サーバ10、利用者端末100及び事業者端末200は、ネットワークN(例えば、
図3参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、
図1に示した提供処理システム1には、複数台の決済サーバ10、複数台の利用者端末100及び複数台の事業者端末200が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す決済サーバ10は、実施形態に係る提供処理を実行する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、決済サーバ10は、利用者端末100を用いる電子決済に関する電子決済サービスを提供する。例えば、決済サーバ10は、取引対象の提供者(事業者)や取引対象が提供される利用者の口座を管理しており、利用者からの決済要求に従って、口座間において電子マネーの移行等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0014】
また、決済サーバ10は、飲食店向けの事前注文サービスを提供する。例えば、決済サーバ10は、利用者端末100を用いる電子決済用のアプリケーション(以下、単に「決済アプリ」と記載する場合がある)内で起動するアプリケーション(ミニアプリ)において事前注文サービスを提供する。以下、事前注文サービスを提供するアプリケーションを単に「事前注文アプリ」と記載する場合がある。
【0015】
例えば、決済サーバ10は、電子決済サービスを管理する(言い換えると、電子決済サービスに関する処理を制御する)決済管理部と、事前注文サービスを管理する(言い換えると、事前注文サービスに関する処理を制御する)注文管理部とを有する。そして、決済管理部及び注文管理部は、それぞれ共通キー(例えば、事前注文サービスを介した利用者からの注文を識別するための注文番号)を用いて利用者からの注文の内容(例えば、取引対象や、決済金額)を特定し、それぞれのサービスに関する処理を実行する。
【0016】
図1に示す利用者端末100は、利用者によって利用される情報処理装置である。利用者端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、利用者端末100は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、
図1に示す例では、利用者端末100がスマートフォンである場合を示す。
【0017】
図1に示す事業者端末200は、利用者に取引対象を提供する事業者によって利用される情報処理装置である。事業者端末200は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、携帯電話機、PDA等により実現される。また、事業者端末200は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、
図1に示す例では、事業者端末200がスマートフォンである場合を示す。
【0018】
なお、利用者端末100及び事業者端末200は、所定の情報処理を実現する制御情報を決済サーバ10から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語、Java(登録商標)等のプログラミング言語、HTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語等により記述される。なお、決済サーバ10から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0019】
〔1−1.利用者端末100を用いた決済について〕
ここで、決済サーバ10が実行する提供処理に先立ち、利用者端末100を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、店舗Aに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗Aを識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、利用者U1が利用者端末100を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者が任意の利用者端末100を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報は、QRコード(登録商標)のみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
【0020】
例えば、利用者U1が店舗Aにて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者U1は、利用者端末100に予めインストールされた決済アプリを起動する。そして、利用者U1は、決済アプリを介して、店舗Aに設置された店舗識別情報を撮影する。このような場合、利用者端末100は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者U1或いは店舗Aの店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、利用者端末100は、利用者U1を識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(若しくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗Aを示す情報(例えば、店舗ID))と、決済金額とを示す決済情報を決済サーバ10へと送信する。
【0021】
このような場合、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者U1の口座から、店舗識別情報が示す店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。そして、決済サーバ10は、決済が完了した旨の通知を利用者端末100へと送信する。このような場合、利用者端末100は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。
【0022】
なお、利用者端末100を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、利用者端末100を用いた決済は、店舗Aに設置された店舗端末を用いたものであってもよい。例えば、利用者端末100は、利用者U1を識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗Aに設置された店舗端末は、利用者端末100に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報(若しくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者U1を示す情報(例えば、利用者ID))と、決済金額と、店舗Aを識別する情報とを示す決済情報を決済サーバ10へと送信する。このような場合、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者U1の口座から、店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させ、店舗Aの店舗端末或いは利用者端末100に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
【0023】
また、利用者端末100を用いた決済は、利用者U1が予め電子マネーをチャージした口座から店舗Aの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者U1が予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、利用者端末100は、店舗Aの口座に対して決済金額の電子マネーを移行させるとともに、利用者U1のクレジットカードの運用会社に対し、決済金額を請求してもよい。
【0024】
〔1−2.実施形態の概要について〕
ここで、従来、利用者の健康状態を管理するサービスを提供する技術が知られている。このような技術の一例として、ユーザに係る健康管理データおよび購入履歴から解析した栄養バランスの改善策に応じた食材の購入予定情報ユーザ端末に表示させる技術が提案されている。また、このような技術の一例として、顧客がオーダした料理、数量などのオーダ受付データおよびカロリー表示欄付き勘定伝票をプリント出力する技術が提案されている。しかしながら、上記の従来技術では、購入候補とされた候補商品の商品名や、特定の店舗や商品を宣伝する広告情報を含む購入予定情報ユーザ端末に表示させているに過ぎない。また、上記の従来技術では、顧客にオーダされた料理などのカロリー、栄養価構成などを勘定伝票にプリント出力する構成が記載されているに過ぎない。このため、上記の従来技術では、取引対象の注文を受け付けるプラットフォームを介して、利用者が興味を示しうる情報を提供しているとは言えない。
【0025】
そこで、決済サーバ10は、実施形態に係る提供処理を実行する。以下、
図1を用いて、決済サーバ10が実行する情報処理について説明する。なお、以下の説明では、利用者端末100が利用者U1により利用され、事業者端末200が店舗Aを管理する事業者M1により利用される例を示す。また、以下の説明では、利用者端末100を利用者U1と同一視し、事業者端末200を事業者M1及び店舗Aと同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者U1を利用者端末100、事業者M1及び店舗Aを事業者端末200と読み替えることもできる。
【0026】
また、以下の説明では、決済サーバ10が提供する電子決済サービスを利用して利用者からの決済を受け付ける店舗A(すなわち、電子決済サービスの加盟店)が、事前注文サービスの加盟店であり、事前注文サービスを介して利用者に商品(飲食物)を提供するものとする。例えば、事業者M1は、電子決済サービスを利用して利用者に提供する取引対象の商品(例えば、テイクアウト品)に関する商品情報(取引対象情報)を決済サーバ10に登録し、事前注文サービスを介して利用者からの注文を受け付け、その後来店する利用者に商品を提供する。
【0027】
また、以下の説明において、決済サーバ10は、商品名や、価格、説明テキスト、商品画像、商品に付与可能なオプション(商品のサイズや、トッピングなど)、商品に使用される食材に関する食材情報(例えば、肉、水産物、野菜などといった食材のカテゴリや、食材が含有する栄養素)、商品のカテゴリ(例えば、和食や、洋食、中華など)などを含む商品情報の登録を事前注文サービスの加盟店の事業者等から受け付け、店舗の情報(例えば、店舗IDや、店舗名、所在地、営業時間、など)に紐付けて管理するものとする。
【0028】
まず、決済サーバ10は、事前注文アプリを起動した利用者端末100からのアクセスに応じて、利用者U1が事前注文サービスを介して行った商品の注文の履歴を示す履歴情報と、利用者U1の位置情報とを利用者端末100から取得する(ステップS1)。例えば、決済サーバ10は、利用者U1が直近の所定期間(例えば、3日、1週間)内で事前注文サービスを介して注文した商品の履歴を示す履歴情報を取得する。また、決済サーバ10は、利用者端末100が有するGPS(Global Positioning System)センサ等により測位された利用者U1の現在位置を示す位置情報を取得する。
【0029】
続いて、決済サーバ10は、事前注文サービスを介して利用者U1に提供可能な商品を特定する(ステップS2)。例えば、決済サーバ10は、位置情報が示す位置から所定の範囲内に所在する店舗が事前注文サービスを介して提供する商品の中から、履歴情報に基づいて利用者U1に情報提供を行う商品を特定する。具体的な例を挙げると、決済サーバ10は、自装置の記憶部に格納された商品情報を参照し、履歴情報が示す商品の含有量が所定の下限値(例えば、食事摂取基準に基づく値)以下である栄養素を含有する食材、若しくは、履歴情報が示す商品の含有量が所定の上限値以上である栄養素を含有しない食材を使用した商品を特定する。より具体的な例を挙げると、決済サーバ10は、利用者U1が肉類を使用した商品の注文頻度が所定の閾値(例えば、1日1回)以上である場合、野菜類を使用した商品(例えば、サラダ)を特定する。
【0030】
続いて、決済サーバ10は、特定した商品に関する情報を利用者U1に提供する(ステップS3)。例えば、決済サーバ10は、特定した商品の価格や、説明テキスト、商品画像などといった情報を、当該商品を提供する店舗に関する情報とともに提供する。
【0031】
続いて、利用者端末100は、決済サーバ10から提供された商品に関する情報を画面に表示する(ステップS4)。例えば、利用者端末100は、事前注文アプリを起動した際の初期表示画面に商品に関する情報を表示する。ここで、
図2を用いて、上述の実施形態において利用者端末100が表示する画面の例を説明する。
図2は、実施形態に係る利用者端末の画面の一例を示す図である。
【0032】
図2に示すように、利用者端末100は、事前注文アプリを起動した際の初期表示画面である画面C1を表示する。例えば、利用者端末100は、店舗(事前注文サービスの加盟店)が所在するエリアの指定を入力するための領域AR1と、事前注文する商品のカテゴリを指定するための領域AR2と、利用者U1の履歴情報に基づいて特定された商品に関する情報を表示する領域AR3とを含む画面C1を表示する。
図2の例において、利用者端末100は、商品#1を提供する店舗Aに対応するコンテンツ(例えば、店舗の名称や、店舗の外観の画像、アイコンなど)とともに、商品#1の価格や、説明テキスト、商品画像を領域AR3に表示する。ここで、店舗Aに対応するコンテンツが選択された場合、利用者端末100は、画面C1を、店舗Aから提供される各商品の事前注文を行うための注文画面に遷移させる。また、商品#1の情報を表示する領域が選択された場合、利用者端末100は、画面C1を、商品#1の事前注文を行うための注文画面に遷移させる。
【0033】
図1に戻り、説明を続ける。
図1の例において、利用者U1が店舗Aに対する事前注文を希望したものとする。この場合、利用者端末100は、利用者U1からの操作に応じて店舗Aに対する事前注文を行うための注文画面を表示し、店舗Aに対する注文内容の入力を受け付ける(ステップS5)。例えば、利用者端末100は、店舗Aに紐付けられた商品情報を決済サーバ10から取得し、取得した商品情報を示す注文画面を表示する。そして、利用者端末100は、店舗Aにおいて提供される各商品の注文数や、各商品に付与するオプションなどの情報を示す注文内容の入力を利用者U1から受け付ける。
【0034】
続いて、利用者端末100は、入力された注文内容を決済サーバ10に送信する(ステップS6)。例えば、利用者端末100は、注文画面における注文の確定操作に応じて、各商品の注文数や各商品に付与するオプションなどを示す注文内容とともに、店舗Aを示す情報や店舗Aに対する決済金額(商品及びオプションの合計額)などを示す決済情報を決済サーバ10に送信する。そして、決済サーバ10は、決済情報が示す決済金額分の電子マネーを、利用者U1が電子決済サービスで保有する第1の口座から、利用者U1が保有する他の口座であって、利用者U1が取引に利用できない第2の口座へ移行させる。具体的な例を挙げると、決済サーバ10は、利用者U1が電子決済サービスで保有する複数の口座間で電子マネーを移行させる処理であって、上述した利用者端末100を用いた決済に利用する第1の口座から、当該決済に利用できない第2の口座に決済金額分の電子マネーを移行させる処理を実行する。
【0035】
続いて、決済サーバ10は、利用者U1からの注文内容を店舗Aに送信する(ステップS7)。例えば、決済サーバ10は、利用者U1からの注文を受け付けた旨を示す通知(例えば、プッシュ通知)を事業者端末200の画面に表示させると共に、注文内容を送信する。そして、事業者端末200は、表示された通知に対する事業者M1の選択操作に応じて、注文内容を事業者M1が確認可能な態様で表示する。
【0036】
ここで、
図1の例において、注文内容を確認した事業者M1が、利用者U1からの注文を受注すると決定したものとする。この場合、事業者端末200は、事業者M1からの操作に応じて、注文を受注する旨の通知を決済サーバ10に送信する(ステップS8)。
【0037】
続いて、決済サーバ10は、注文に対応する店舗Aからの応答を利用者U1に提供する(ステップS9)。続いて、利用者端末100は、決済サーバ10から提供される店舗Aからの応答を表示する(ステップS10)。例えば、決済サーバ10は、注文が店舗Aに受注されたことを示す情報とともに、商品が受領可能となる予定の時間(例えば、店舗Aにより設定された時間)を示す情報を利用者端末100に提供し、画面に表示させる。また、商品が提供可能である旨の通知を事業者端末200から受け付けた場合、決済サーバ10は、商品が提供可能であることを示す情報と、商品を受領するための認証情報(例えば、受け取り番号)とを利用者端末100に提供し、画面に表示させる。すなわち、利用者U1は、店舗から送信される商品準備完了通知を、決済サーバ10を介して受信する。
【0038】
続いて、決済サーバ10は、商品の受領に関する情報を利用者U1から取得する(ステップS11)。例えば、決済サーバ10は、利用者U1が店舗Aから商品を受領したか否かを示す情報を利用者端末100から取得する。
【0039】
続いて、決済サーバ10は、利用者U1の商品の受領に応じた決済処理を実行する(ステップS12)。例えば、商品を受領したことを示す情報を利用者端末100から取得した場合、決済サーバ10は、決済情報が示す決済金額分の電子マネーを、利用者U1の第2の口座から、事業者M1が電子決済サービスで保有する口座に移行させる。一方、商品を受領できなかったことを示す情報を利用者端末100から受け付けた場合、決済サーバ10は、決済情報が示す決済金額分の電子マネーを、利用者U1の第2の口座から第1の口座に移行させる。
【0040】
なお、決済サーバ10は、ステップS6において、決済情報が示す決済金額分の電子マネーを、利用者U1が電子決済サービスで保有する口座から、事前注文サービスの管理者が電子決済サービスで保有する口座へ移行させてもよい。この場合、商品を受領したことを示す情報を利用者端末100から取得した場合、決済サーバ10は、決済情報が示す決済金額分の電子マネーを、管理者が保有する口座から、事業者M1が保有する口座に移行させる。また、商品を受領できなかったことを示す情報を利用者端末100から取得した場合、決済サーバ10は、決済情報が示す決済金額分の電子マネーを、管理者が保有する口座から利用者U1の口座に移行させる。
【0041】
以上のように、実施形態に係る決済サーバ10は、肉類を使用した商品ばかりを食べている利用者に対し、野菜類を使用した商品を特定し、利用者U1が事前注文サービスを利用する際、特定した商品に関する情報を提供する。これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、事前注文サービスにおける利用者の利用傾向から、栄養バランスの良い商品のレコメンドができるため、利用者の栄養バランスが偏ってしまう事態を防ぐことができる。すなわち、実施形態に係る決済サーバ10は、取引対象の注文を受け付けるプラットフォームを介して、利用者が興味を示しうる情報を提供できる。
【0042】
〔2.決済サーバの構成〕
次に、
図3を用いて、決済サーバ10の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
図3に示すように、決済サーバ10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0043】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末100や、事業者端末200等との間で情報の送受信を行う。
【0044】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図3に示すように、記憶部30は、口座データベース31と、事業者情報データベース32と、利用者情報データベース33とを有する。
【0045】
(口座データベース31について)
口座データベース31は、利用者や事業者、事前注文サービスの管理者の口座に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図4を用いて、口座データベース31が記憶する情報の一例を説明する。
図4は、実施形態に係る口座データベースの一例を示す図である。
図4の例において、口座データベース31は、「口座ID」、「所有者情報」、「口座残高」といった項目を有する。
【0046】
「口座ID」は、口座を識別するための識別情報を示す。「所有者情報」は、口座を所有(保有)する所有者(利用者や事業者、事前注文サービスの管理者)に関する情報を示し、例えば、所有者を識別するための識別情報(識別子)が格納される。「口座残高」は、利用者や事業者、事前注文サービスの管理者が所有する口座の残高を示す。
【0047】
すなわち、
図4では、口座ID「AID#1」によって識別される口座の所有者の情報が「利用者#1」であり、口座残高が「7800」である例を示す。
【0048】
(事業者情報データベース32について)
事業者情報データベース32は、事業者に関する各種情報を記憶する。ここで、
図5を用いて、事業者情報データベース32が記憶する情報の一例を説明する。
図5は、実施形態に係る事業者情報データベースの一例を示す図である。
図5の例において、事業者情報データベース32は、「事業者ID」、「店舗ID」、「口座ID」、「所在地」、「評価情報」、「取引対象情報」といった項目を有する。
【0049】
「事業者ID」は、事業者を識別するための識別情報を示す。「店舗ID」は、事業者が管理する店舗を識別するための識別情報を示す。「口座ID」は、事業者が所有する口座を識別するための識別情報を示す。「所在地」は、事業者が管理する店舗の位置情報(例えば、住所)を示す。「評価情報」は、事前注文サービスにおける取引の実績(例えば、取引対象の受領の成否)に基づく情報や、利用者により投稿された評価(レビュー)に基づく情報を示す。
【0050】
「取引対象情報」は、事業者が提供する取引対象に関する情報を示し、例えば、「取引対象ID」、「価格」、「画像」、「食材情報」、「カロリー」、「カテゴリ」といった項目を有する。「取引対象ID」は、取引対象を識別するための識別情報を示す。「価格」は、取引対象の価格を示す。「画像」は、取引対象の画像を示す。「食材情報」は、取引対象に使用される食材に関する情報を示し、例えば、食材のカテゴリ(例えば、肉、水産物、野菜など)や、食材の栄養素(例えば、たんぱく質、脂質(飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロール)、炭水化物(食物繊維、糖質)、各種ミネラル(無機質)、各種ビタミン)の含有量などといった情報を格納する。「カロリー」は、取引対象のカロリーを示す。「カテゴリ」は、取引対象のカテゴリを示し、例えば、和食、洋食、中華などといったカテゴリや、商品の種別に基づくカテゴリ(例えば、カレーや、ピザ、パスタなど)、商品に使用される食材に基づくカテゴリ(例えば、肉や、魚、米、パン、麺類など)などが格納される。
【0051】
すなわち、
図5では、事業者ID「MID#1」によって識別される事業者が管理する店舗が店舗ID「SID#1」によって識別され、所在地が「所在地#1」であり、「設定時間が「設定時間#1」、履歴情報が「履歴情報#1」、当該事業者が所有する口座が口座ID「AID#2」によって識別され、当該事業者が提供する取引対象のうち、取引対象ID「TID#1」によって識別される取引対象の価格が「400円」、画像が「画像#1」、食材情報が「食材情報#1」、カロリーが「400(Kcal)」、カテゴリが「カテゴリ#1」である例を示す。
【0052】
なお、取引対象情報として事業者情報データベース32に格納される情報は、店舗の事業者等から提供された情報であってもよく、店舗の事業者等から提供された情報に基づく情報であってもよい。例えば、決済サーバ10は、取引対象の名称や説明テキストから抽出した情報や、抽出した情報に基づいて推定される情報を、「食材情報」や、「カロリー」、「カテゴリ」などといった項目の情報として事業者情報データベース32に格納してもよい。
【0053】
(利用者情報データベース33について)
利用者情報データベース33は、決済サーバ10が提供するサービスの利用者に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図6を用いて、利用者情報データベース33が記憶する情報の一例を説明する。
図6は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
図6の例において、利用者情報データベース33は、「利用者ID」、「決済履歴」、「利用履歴」、「運動情報」といった項目を有する。
【0054】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「決済履歴」は、電子決済サービスを利用して行った決済の履歴を示し、例えば、決済先(事業者)や、決済対象(取引対象)、決済金額などといった情報が格納される。「利用履歴」は、事前注文サービスや、その他の各種サービスにおける利用者の利用履歴を示し、例えば、事前注文サービスにおける注文内容を示す情報や、利用者の位置情報の履歴などが格納される。「運動情報」は、利用者の運動量に関する情報を示し、例えば、利用者端末100が有する各種センサ(例えば、加速度センサ)により検知された情報や、利用者が着用する各種のウェアラブルデバイスにより検知された情報を格納する。
【0055】
すなわち、
図6では、利用者ID「UID#1」によって識別される利用者の決済履歴が「決済履歴#1」、利用履歴が「利用履歴#1」、運動情報が「運動情報#1」である例を示す。
【0056】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、決済サーバ10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、
図3に示すように、受付部41と、取得部42と、特定部43と、付与部44と、提供部45と、決済処理部46とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0057】
(受付部41について)
受付部41は、利用者から事業者に対する決済に関する決済情報を受け付ける。例えば、受付部41は、利用者を識別する利用者識別情報と、決済アプリを介して撮影された店舗識別情報と、利用者或いは店舗の店員から入力された決済金額とを示す決済情報を利用者端末100から受け付ける。
【0058】
なお、受付部41は、決済情報を事業者端末200から受け付けてもよい。例えば、受付部48は、利用者端末100に表示された、利用者を識別するための利用者識別情報を、事業者端末200(店舗端末)が読み取ることで決済が行われた場合、当該決済を示す決済情報を事業者端末200から受け付ける。
【0059】
また、受付部41は、所定の店舗で提供される取引対象の注文を、所定のプラットフォームを介して利用者から受け付けてもよい。例えば、
図1の例において、受付部41は、利用者端末100にインストールされた決済アプリ内の事前注文アプリを介して、店舗Aに対する注文内容を受け付ける。
【0060】
(取得部42について)
取得部42は、所定のプラットフォームを介して取引対象の注文を受け付ける店舗に対して、利用者が当該所定のプラットフォームを介して行った取引対象の注文の履歴を示す履歴情報を取得する。例えば、
図1の例において、取得部42は、利用者U1が直近の所定期間内で事前注文サービスを介して注文した商品の履歴を示す履歴情報を取得し、利用者情報データベース33に格納する。
【0061】
また、取得部42は、所定の決済手段を提供する所定のプラットフォームを介して取引対象の注文を受け付ける店舗に対して、利用者が当該所定のプラットフォームを介して行った取引対象の注文の履歴を示す履歴情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部42は、決済アプリ内で起動する事前注文アプリを介して利用者から取引対象の注文を受け付ける店舗に対して、利用者U1が事前注文アプリを介して行った取引対象の注文の履歴を示す履歴情報を取得する。
【0062】
また、取得部42は、所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の注文を受け付けた後、来店する利用者に対し当該取引対象を提供する店舗に対して、利用者が当該所定のプラットフォームを介して行った取引対象の注文の履歴を示す履歴情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部42は、事前注文サービスを介して利用者からの注文を受け付け、その後に来店する利用者に商品を提供する店舗に対して、利用者U1が事前注文サービスを介して行った取引対象の注文の履歴を示す履歴情報を取得する。
【0063】
また、取得部42は、利用者の位置を示す位置情報をさらに取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部42は、利用者端末100が有するGPSセンサ等により測位された利用者U1の現在位置を示す位置情報を取得し、利用者情報データベース33に格納する。
【0064】
また、取得部42は、所定のプラットフォームを介して利用者の運動量を示す運動情報をさらに取得してもよい。例えば、取得部42は、利用者端末100が有する各種センサにより検知された情報や、利用者が着用する各種のウェアラブルデバイスにより検知された情報などを、利用者の運動量(例えば、歩数や、歩くスピード、歩いた距離など)を示す運動情報として取得し、利用者情報データベース33に格納する。
【0065】
なお、取得部42は、決済アプリの機能により検知された情報や、決済アプリ内で起動する所定のアプリケーション(例えば、歩数計に関する機能を提供するアプリケーション)により検知された情報を運動情報として取得してもよい。
【0066】
また、取得部42は、利用者により指定された期間を示す期間情報をさらに取得してもよい。例えば、取得部42は、利用者により指定された、食事に関する行動を行う期間(例えば、昼休み)を示す期間情報を取得する。
【0067】
(特定部43について)
特定部43は、取得部42により取得された履歴情報に基づいて、所定のプラットフォームを介して利用者に提供可能な取引対象を特定する。例えば、
図1の例において、特定部43は、事業者情報データベース32及び利用者情報データベース33を参照し、事前注文サービスを介して店舗が提供する商品の中から、履歴情報に基づいて利用者U1に情報提供を行う商品を特定する。
【0068】
また、特定部43は、履歴情報が示す取引対象に不足する栄養素を含む取引対象を特定してもよい。例えば、
図1の例において、特定部43は、履歴情報が示す商品の含有量が所定の下限値以下である栄養素を含有する食材、若しくは、履歴情報が示す商品の含有量が所定の上限値以上である栄養素を含有しない食材を使用した商品を特定する。
【0069】
ここで、履歴情報が示す利用者の摂取カロリーや、利用者の健康状態に応じて、情報提供を行う商品を特定したいといった要望が考えられる。したがって、特定部43は、履歴情報が示す取引対象のカロリーに基づいて取引対象を特定してもよい。例えば、特定部43は、履歴情報が示す商品のカロリーと、事前注文サービスやその他の各種サービスにおける利用者の利用履歴に基づく利用者の属性(例えば、年齢や、性別、身体活動レベル(職業、運動習慣の有無)など)に基づいて推定される利用者の推定エネルギー必要量とに基づいて商品を特定する。具体的な例を挙げると、履歴情報が示す商品のカロリーが、利用者の推定エネルギー必要量に基づく値を超過する場合、特定部43は、カロリーが所定の閾値以下である商品や、炭水化物(例えば、糖質)や脂質(例えば、飽和脂肪酸、コレステロール)の含有量が所定の閾値(例えば、食事摂取基準に基づく値)以下である商品を特定する。
【0070】
また、特定部43は、履歴情報及び運動情報に基づいて推定される利用者の健康状態に基づいて取引対象を特定してもよい。例えば、特定部43は、履歴情報が示す商品のカロリーと、運動情報が示す利用者の消費カロリーとに基づいて推定される利用者の健康状態に基づいて、商品を特定する。具体的な例を挙げると、履歴情報が示す商品のカロリーが、利用者の消費カロリーに基づく値を超過する場合、特定部43は、利用者の健康状態を「肥満」であるとし、カロリーが所定の閾値以下である商品や、炭水化物や脂質の含有量が所定の閾値以下である商品を特定する。
【0071】
さらに、利用者が嗜好するカテゴリの商品に関する情報を提供したいといった要望や、情報提供する商品にバリエーションをもたせたいといった要望が考えられる。したがって、特定部43は、履歴情報が示す取引対象のカテゴリに基づいて取引対象を特定してもよい。例えば、特定部43は、履歴情報に基づき利用者が嗜好すると推定されるカテゴリの商品を特定する。また、特定部43は、事前注文サービスにおいて注文した回数が所定の閾値以下であるカテゴリの商品を特定する。
【0072】
また、特定部43は、利用者が所定のプラットフォームを介して前回注文した取引対象とは異なるカテゴリに属する取引対象を特定してもよい。例えば、特定部43は、利用者が事前注文サービスを利用して前回注文した商品とは異なるカテゴリに属する商品を特定する。具体的な例を挙げると、特定部43は、所定のローテーション(例えば、「和食、中華、洋食、・・・」)で決定されるカテゴリに属する商品を特定する。
【0073】
さらに、利用者が注文する商品の価格帯に対応する商品に関する情報を提供することで、訴求効果を高めたいといった要望が考えられる。したがって、特定部43は、履歴情報が示す取引対象の価格帯に対応する取引対象を特定してもよい。例えば、特定部43は、事前注文サービスで注文した商品に対応する価格帯に属する商品を特定する。
【0074】
さらに、例えば、栄養バランスの良い組み合わせの商品であって、複数の店舗のそれぞれから提供可能な商品に関する情報を提供することで、利便性を向上させるとともに、店舗の利用機会を増やしたいといった要望が考えられる。したがって、特定部43は、複数の店舗のそれぞれから所定のプラットフォームを介して提供可能な複数の取引対象であって、互いに異なる複数の取引対象を特定してもよい。例えば、特定部43は、所定の範囲内に所在する複数の店舗のそれぞれから事前注文サービスを介して提供可能な複数の商品の組み合わせを特定する。
【0075】
また、特定部43は、含まれる栄養素が所定の条件を満たす複数の取引対象を特定してもよい。例えば、特定部43は、五大栄養素の含有量が所定の条件を満たし、カロリーが所定の閾値以下となる商品の組み合わせを特定する。
【0076】
なお、特定部43は、一の店舗から提供可能な複数の取引対象であって、含まれる栄養素が所定の条件を満たす複数の取引対象を特定してもよい。
【0077】
さらに、事前注文サービスを介して提供される商品に加え、電子商取引サービスで提供される商品に関する情報を提供したいといった要望が考えられる。したがって、特定部43は、所定のプラットフォームを介して提供される電子商取引サービスにおいて利用者に提供可能な取引対象を特定してもよい。例えば、特定部43は、決済アプリ内で起動する所定のアプリケーションにより提供される電子商取引サービス上の商品を、履歴情報に基づいて特定する。具体的な例を挙げると、特定部43は、履歴情報が示す商品の含有量が所定の閾値以下である栄養素を含有する商品(例えば、健康食品)を特定する。
【0078】
(付与部44について)
ここで、事前注文サービスの利用に応じて利用者に電子化したスタンプやバッジ等を付与し、付与されたスタンプやバッジ等に応じた利益を付与することで、事前注文サービスの積極的な利用を利用者に促したいといった要望が考えられる。したがって、付与部44は、履歴情報が所定の条件を満たす場合に、所定のプラットフォームにおいて利用可能な利益を付与する。例えば、付与部44は、事前注文サービスを利用した回数や、所定のミッションの達成(例えば、特定部43により特定された商品の注文)などに応じて、電子化したスタンプを利用者に付与する。そして、付与部44は、利用者に付与されたスタンプの種類や数などが所定の条件を満たす場合、事前注文サービスや電子決済サービスで利用可能な利益(例えば、クーポンや、ポイント、電子マネー)を利用者に付与する。
【0079】
また、付与部44は、履歴情報が示す取引対象に利用される食材が所定の条件を満たす場合に、利益を付与してもよい。例えば、付与部44は、事前注文サービスを介して利用者が注文した商品に使用される食材のカテゴリに対応するスタンプ(例えば、カテゴリ「肉」に対応する肉スタンプや、カテゴリ「野菜」に対応する野菜スタンプなど)を付与する。そして、付与部44は、利用者に付与されたスタンプの種類や数に応じて、事前注文サービスや電子決済サービスで利用可能な利益を利用者に付与する。具体的な例を挙げると、付与部44は、食材のカテゴリに対応するスタンプを全てそろえた利用者に対し、利益を付与する。
【0080】
(提供部45について)
提供部45は、特定部43により特定された取引対象に関する情報を、所定のプラットフォームを介して利用者に提供する。例えば、
図1の例において、提供部45は、特定部43により特定された商品の価格や、説明テキスト、商品画像などといった情報を、当該商品を提供する店舗に関する情報とともに事前注文サービスを介して提供する。
【0081】
また、提供部45は、位置情報が示す位置に対応する店舗が所定のプラットフォームを介して注文を受け付ける取引対象に関する情報を提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部45は、利用者U1の位置から所定の範囲内に所在する店舗Aが事前注文サービスを介して注文を受け付ける商品に関する情報を提供する。
【0082】
ここで、例えば、昼休みのように、利用者が食事をするための期間が限定される場合、当該期間内において利用者が受領し、食事を終えることが可能な商品に関する情報を提供したいといった要望が考えられる。したがって、提供部45は、期間情報が示す期間内において所定のプラットフォームを介して店舗から提供可能な取引対象に関する情報を提供してもよい。例えば、提供部45は、店舗が設定した時間であって、事前注文サービスを介して注文を受け付けてから店舗が商品を利用者に提供するための作業が完了するまでの時間と、利用者の位置(例えば、自宅や、通勤先、通学先など)から店舗までの往復の移動時間と、利用者が食事に要すると推定される時間とに基づいて、期間情報が示す期間内において利用者が来店して商品を受領し、食事を終えることが可能な店舗を特定する。そして、提供部45は、特定した店舗から提供可能な商品に関する情報を提供する。
【0083】
さらに、例えば、利用者が空腹と推定されるタイミングで商品に関する情報を提供することにより、提供する情報の訴求効果を高めたいといった要望が考えられる。したがって、提供部45は、利用者が所定のプラットフォームを介して取引対象を注文するタイミングで特定部43により特定された取引対象に関する情報を提供してもよい。例えば、提供部45は、利用者の事前注文サービスにおける利用履歴に基づいて利用者が注文を行うタイミングを推定し、推定したタイミングで商品に関する情報を提供する。また、提供部45は、利用者の電子決済サービスの利用履歴(例えば、飲食店に対する決済を行った日時)に基づいて利用者が食事を行うタイミングを推定し、推定したタイミングで商品に関する情報を提供する。また、提供部45は、利用者により指定された期間を示す期間情報に基づいて利用者が食事を行うタイミングを推定し、推定したタイミングで商品に関する情報を提供する。
【0084】
さらに、例えば、付与部44によるスタンプの付与状況が、利益が付与されるための条件を満たす目前である場合、当該条件を満たすためのスタンプを取得可能な商品に関する情報を提供することにより、利便性を向上させたいといった要望が考えられる。したがって、提供部45は、利益が付与されるための所定の条件に対応する取引対象に関する情報を提供してもよい。例えば、提供部45は、利用者に付与されているスタンプや、利益を得るために必要な残りのスタンプ、残りのスタンプを取得可能な商品に関する情報などを提供する。
【0085】
(決済処理部46について)
決済処理部46は、受付部41が受け付けた決済情報に従い、決済処理を実行する。例えば、決済処理部46は、利用者IDが示す利用者の口座から、店舗IDが示す店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0086】
また、決済処理部46は、所定のプラットフォームを介して利用者から受け付けられた注文内容に基づく処理を実行してもよい。例えば、
図1の例において、決済処理部46は、注文内容に対応する決済情報が示す決済金額分の電子マネーを、利用者U1が電子決済サービスで保有する第1の口座から、利用者U1が保有する他の口座であって、利用者U1が取引に利用できない第2の口座へ移行させる。そして、決済処理部46は、商品の受領に応じて、利用者U1の第2の口座から、事業者M1が電子決済サービスで保有する口座に移行させる。
【0087】
〔3.提供処理のフロー〕
図7を用いて、実施形態に係る決済サーバ10の設定処理及び算出処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係る提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0088】
図7に示すように、決済サーバ10は、利用者が所定のプラットフォームを介して行った取引対象の注文の履歴を示す履歴情報を取得する(ステップS101)。続いて、決済サーバ10は、履歴情報に基づいて、所定のプラットフォームを介して利用者に提供可能な取引対象(例えば、事前注文サービスや所定の電子商取引サービスを介して提供される商品であって、利用者の健康増進を見据えて推奨される商品)を特定する(ステップS102)。続いて、決済サーバ10は、特定された取引対象に関する情報を、所定のプラットフォームを介して利用者に提供する(ステップS103)、処理を終了する。
【0089】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0090】
〔4−1.決済サーバ10が提供するサービスについて〕
上述の実施形態において、決済サーバ10により飲食物の事前注文サービスが提供される例を示したが、決済サーバ10が提供するサービスにおける取引対象はこのような例に限定されない。例えば、決済サーバ10は、飲食物以外の各種取引対象の事前注文サービスを提供してもよい。また、決済サーバ10は、役務の予約に関するサービスを提供してもよい。
【0091】
また、決済サーバ10は、店舗における余剰在庫(例えば、飲食物の素材)を利用者に提供するサービスを提供してもよい。この場合、決済サーバ10は、店舗において余剰在庫が発生したことを示す情報を受け付け、利用者に提供してもよい。
【0092】
また、決済サーバ10が提供するサービスは、利用者が店舗に訪問する前に取引対象の注文を受け付け、テイクアウト品が提供されるサービスに限らない。例えば、決済サーバ10は、利用者が店舗に訪問する前に取引対象の注文を受け付け、当該店舗内において利用者に取引対象が提供されるサービスを提供してもよい。
【0093】
また、決済サーバ10が提供するサービスは、利用者が店舗に訪問する前に取引対象の注文を受け付けるサービスに限らない。例えば、決済サーバ10は、利用者が店舗に訪問して店舗に設置された卓等に着席した後に、店舗に対する取引対象の注文を受け付けるサービスを提供してもよい。
【0094】
また、決済サーバ10が提供するサービスは、金銭の授受が発生するサービスに限らない。例えば、決済サーバ10は、フードバンクにより供給される食品の提供に関するサービスを提供してもよい。この場合、決済サーバ10は、フードバンクにより供給される食品の提供要求を利用者から受け付け、食品の提供の可否や、食品の提供場所などといった情報を利用者に通知し、食品が受領されたか否かを示す情報を利用者から受け付ける。
【0095】
〔4−2.取引対象のまとめ買いについて〕
事前注文サービスを利用する際、一の利用者が、自身が注文を希望する商品とともに、他の利用者が注文を希望する商品を代理で注文する場合(すなわち、まとめ買い)が想定される。このような場合、取得部42は、注文された複数の商品のうち、まとめ買いを行った利用者自身が食べたと推定される商品を示す情報を、履歴情報として取得してもよい。例えば、注文された商品の数や、商品の合計金額が所定の閾値以上である場合(すなわち、まとめ買いが行われたと推定される場合)、取得部42は、利用者が食べた商品を入力するための画面を利用者端末100に表示させ、当該画面に入力された情報を履歴情報として取得する。また、取得部42は、まとめ買いの合計金額と、まとめ買いを行った利用者に対し、所定期間内に他の利用者から電子決済サービスを利用して行われた送金の金額との差額(すなわち、まとめ買いを行った利用者の負担額)に基づいて、まとめ買いを行った利用者が食べた商品を推定し、当該商品を示す情報を履歴情報として取得する。
【0096】
これにより、取得部42は、まとめ買いを行った利用者が食べた商品を特定できるため、当該利用者の履歴情報からノイズを無くし、情報提供する商品を適切に特定できる。なお、提供部45は、まとめ買いにより利用者に付与される所定の利益(例えば、何個以上注文した場合に割引)に関する情報を提供してもよい。
【0097】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決済サーバ10は、受付部41と、取得部42と、特定部43と、付与部44と、提供部45と、決済処理部46とを有する。受付部41は、利用者から事業者に対する決済に関する決済情報を受け付ける。また、受付部41は、所定の店舗で提供される取引対象の注文を、所定のプラットフォームを介して利用者から受け付ける。取得部42は、所定のプラットフォームを介して取引対象の注文を受け付ける店舗に対して、利用者が当該所定のプラットフォームを介して行った取引対象の注文の履歴を示す履歴情報を取得する。また、取得部42は、所定の決済手段を提供する所定のプラットフォームを介して取引対象の注文を受け付ける店舗に対して、利用者が当該所定のプラットフォームを介して行った取引対象の注文の履歴を示す履歴情報を取得する。また、取得部42は、所定のプラットフォームを介して利用者から取引対象の注文を受け付けた後、来店する利用者に対し当該取引対象を提供する店舗に対して、利用者が当該所定のプラットフォームを介して行った取引対象の注文の履歴を示す履歴情報を取得する。また、取得部42は、利用者の位置を示す位置情報をさらに取得する。特定部43は、取得部42により取得された履歴情報に基づいて、所定のプラットフォームを介して利用者に提供可能な取引対象を特定する。また、特定部43は、履歴情報が示す取引対象に不足する栄養素を含む取引対象を特定する。付与部44は、履歴情報が所定の条件を満たす場合に、所定のプラットフォームにおいて利用可能な利益を付与する。また、付与部44は、履歴情報が示す取引対象に利用される食材が所定の条件を満たす場合に、利益を付与する。提供部45は、特定部43により特定された取引対象に関する情報を、所定のプラットフォームを介して利用者に提供する。また、提供部45は、位置情報が示す位置に対応する店舗が所定のプラットフォームを介して注文を受け付ける取引対象に関する情報を提供する。決済処理部46は、受付部41が受け付けた決済情報に従い、決済処理を実行する。また、決済処理部46は、所定のプラットフォームを介して利用者から受け付けられた注文内容に基づく処理を実行する。
【0098】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、事前注文サービスにおいて利用者が注文した商品が含有する栄養素の過不足に応じて商品を特定し、利用者が事前注文サービスを利用する際、特定した商品に関する情報を提供することができるため、取引対象の注文を受け付けるプラットフォームを介して、利用者が興味を示しうる情報を提供できる。また、実施形態に係る決済サーバ10は、事前注文サービスの利用に応じて利用者に電子化したスタンプやバッジ等を付与し、付与されたスタンプやバッジ等に応じた利益を付与することができるため、事前注文サービスの積極的な利用を利用者に促すことができる。
【0099】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、取得部42は、所定のプラットフォームを介して利用者の運動量を示す運動情報をさらに取得する。そして、特定部43は、履歴情報が示す取引対象のカロリーに基づいて取引対象を特定する。また、特定部43は、履歴情報及び運動情報に基づいて推定される利用者の健康状態に基づいて取引対象を特定する。
【0100】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、履歴情報が示す利用者の摂取カロリーや、利用者の健康状態に応じて、情報提供を行う商品を特定することができるため、利用者の栄養バランスが偏ってしまう事態を防ぐことができる。
【0101】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、特定部43は、履歴情報が示す取引対象のカテゴリに基づいて取引対象を特定する。また、特定部43は、利用者が所定のプラットフォームを介して前回注文した取引対象とは異なるカテゴリに属する取引対象を特定する。
【0102】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、利用者が嗜好するカテゴリの商品に関する情報を提供し、情報提供する商品にバリエーションをもたせることができるため、利便性を向上させることができる。
【0103】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、特定部43は、履歴情報が示す取引対象の価格帯に対応する取引対象を特定する。
【0104】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、利用者が注文する商品の価格帯に対応する商品に関する情報を提供することができるため、提供する情報の訴求効果を向上させることができる。
【0105】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、特定部43は、複数の店舗のそれぞれから所定のプラットフォームを介して提供可能な複数の取引対象であって、互いに異なる複数の取引対象を特定する。また、特定部43は、含まれる栄養素が所定の条件を満たす複数の取引対象を特定する。
【0106】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、栄養バランスの良い組み合わせの商品であって、複数の店舗のそれぞれから提供可能な商品に関する情報を提供することで、利便性を向上させるとともに、店舗の利用機会を増やすことができる。
【0107】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、特定部43は、所定のプラットフォームを介して提供される電子商取引サービスにおいて利用者に提供可能な取引対象を特定する。
【0108】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、事前注文サービスを介して提供される商品に加え、電子商取引サービスで提供される商品に関する情報を提供することができるため、利便性を向上させることができる。
【0109】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、取得部42は、利用者により指定された期間を示す期間情報をさらに取得する。そして、提供部45は、期間情報が示す期間内において所定のプラットフォームを介して店舗から提供可能な取引対象に関する情報を提供する。
【0110】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、利用者が食事をするための期間が限定される場合、当該期間内において利用者が受領し、食事を終えることが可能な商品に関する情報を提供することができるため、利便性を向上させることができる。
【0111】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、提供部45は、利用者が所定のプラットフォームを介して取引対象を注文するタイミングで特定部43により特定された取引対象に関する情報を提供する。
【0112】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、利用者が空腹と推定されるタイミングで商品に関する情報を提供することができるため、提供する情報の訴求効果を向上させることができる。
【0113】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、提供部45は、利益が付与されるための所定の条件に対応する取引対象に関する情報を提供する。
【0114】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、利益が付与されるための条件を満たす目前である場合、当該条件を満たすためのスタンプを取得可能な商品に関する情報を提供することができるため、利便性を向上させることができる。
【0115】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る決済サーバ10は、例えば、
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、決済サーバ10を例に挙げて説明する。
図8は、決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0116】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0117】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0118】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0119】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0120】
例えば、コンピュータ1000が決済サーバ10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、決済サーバ10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0121】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0122】
また、上述した決済サーバ10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0123】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【解決手段】本願に係る提供装置は、所定のプラットフォームを介して取引対象の注文を受け付ける店舗に対して、利用者が当該所定のプラットフォームを介して行った取引対象の注文の履歴を示す履歴情報を取得する取得部と、取得部により取得された履歴情報に基づいて、所定のプラットフォームを介して利用者に提供可能な取引対象を特定する特定部と、特定部により特定された取引対象に関する情報を、所定のプラットフォームを介して利用者に提供する提供部とを有することを特徴とする。