特許第6959493号(P6959493)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959493
(24)【登録日】2021年10月12日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】ゴミ箱
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/16 20060101AFI20211021BHJP
【FI】
   B65F1/16
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-55066(P2020-55066)
(22)【出願日】2020年3月8日
(65)【公開番号】特開2021-138539(P2021-138539A)
(43)【公開日】2021年9月16日
【審査請求日】2020年3月8日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】520105142
【氏名又は名称】平澤 大樹
(72)【発明者】
【氏名】平澤 大樹
【審査官】 東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭49−040471(JP,Y2)
【文献】 登録実用新案第3014858(JP,U)
【文献】 特開2006−111379(JP,A)
【文献】 特開平07−002303(JP,A)
【文献】 実公昭53−035980(JP,Y2)
【文献】 特開2002−128202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00 − 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部と、開口部から入ったゴミを収容する収容部とを有する本体と、
前記開口部を塞ぐ蓋と、
前記本体の底面が載置面に置かれた前記本体の起立状態において前記蓋を開くとともに、前記本体の転倒状態において前記蓋を閉じる前記蓋の開閉機構を含み、
前記開閉機構は、
前記本体の起立状態において前記載置面との当接により前記本体の内側に後退し、前記本体の転倒状態において前記本体の外側に突出する突起と、
前記突起と前記蓋とを連結するリンク機構であって、前記突起の後退に連動して前記蓋を開く張力を発生させるとともに、前記突起の突出に連動して前記張力を解放するリンク機構を含み、
前記リンク機構は、
前記突起に連結された一端と、他端とを有する第1のリンクと、
前記第1のリンクの他端と連結された一端と、前記蓋と連結された他端とを有する第2のリンクとを含み、
前記突起の後退によって、前記第1のリンクの他端が下方に傾くとともに、前記第2のリンクが下方に移動して前記蓋への張力を生じさせ、
前記突起の突出によって、前記第1のリンクの他端の下方への傾きが解除され、前記第2のリンクが上方に移動して前記蓋への張力を解放する
ゴミ箱。
【請求項2】
前記第2のリンクは、棒状部材または紐状部材である、
請求項1に記載のゴミ箱。
【請求項3】
複数の前記蓋と、各蓋に対応する複数の前記開閉機構とを含む
請求項1又は2に記載のゴミ箱。
【請求項4】
複数の前記蓋の夫々が三角形状を有し、閉じた状態において、四角錐又は三角錐の側面形状をなす
請求項3に記載のゴミ箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、足でペダルを踏むことで蓋を開くことができるペダル式ごみ箱がある。また、人体から発する赤外線を感知し、それに反応してごみ箱の蓋が開く仕組みになっている人感センサー付きのゴミ箱がある(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−9806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓋のないゴミ箱では、足などが当たってしまったとき、倒れて中に入っていたゴミが一気に流れ出てしまうということがある。ゴミが流れ出るとゴミを再び中に入れるだけでなく、ゴミによって汚れてしまった床を掃除しなければならない場合があった。ここで、従来のペダル式ゴミ箱は、ゴミを捨てる際に毎回ペダルを踏まなければならないという点と長時間開いておくことができないという欠点があった。また、人感センサー付きのゴミ箱は、人感センサーと制御装置が搭載されているためコストが高くなってしまう欠点があった。
【0005】
本発明は、ごみを入れるときに蓋を開く必要がなく、倒れたときにゴミが出てしまうのを抑えることのできるゴミ箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例の一つは、ゴミ箱である。このゴミ箱は、開口部と、開口部から入ったゴミを収容する収容部とを有するゴミ箱本体と、前記開口部を塞ぐ蓋と、前記ゴミ箱の底面が載置面に置かれた起立状態において前記蓋を開くとともに、前記ゴミ箱の転倒状態において前記蓋を閉じる前記蓋の開閉機構と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ゴミを入れるときに蓋を開く必要がなく、倒れたときにゴミが出てしまうのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1Aは、第1実施形態に係るゴミ箱の側面図であり、図1Bはカバーを取り外した状態を示す。
図2図2Aは、蓋が閉じた状態のゴミ箱を示す平面図であり、図2Bは、蓋が開いた状態のゴミ箱を示す。
図3図3は、蓋の開閉機構の説明図であり、蓋が開いた状態の断面を示す。
図4図4は、蓋の開閉機構の説明図であり、蓋が閉じた状態の断面を示す。
図5図5Aは、第2実施形態に係るゴミ箱の正面を含む斜視図であり、図5Bは、ゴミ箱の背面を含む斜視図である。
図6図6Aは、第2実施形態に係るゴミ箱の底面を含む斜視図であり、図6は、ゴミ箱の蓋が開いた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
【0010】
〔第1実施形態〕
図1Aは、第1実施形態に係るゴミ箱の側面図であり、図1Bは、図1Aに示すゴミ箱からカバーを取り外した状態を示す。図2Aは、蓋が閉じた状態のゴミ箱を示す平面図であり、図2Bは、蓋が開いた状態のゴミ箱を示す。図3A及び3Bは、ゴミ箱の断面を示す。
【0011】
<ゴミ箱の構成>
図1〜4に示すように、ゴミ箱1は、幅方向(X方向)、奥行き方向(Y方向)、及び高さ方向(Z方向)を有する。ゴミ箱1は、高さ方向に上端と下端とを有し、下端を平らな場所において使用される。
【0012】
ゴミ箱1は、本体2と、蓋3と、足4とを含む。本体2は、下端(底)が閉塞され、上端が開口された円筒状に形成されている。すなわち、本体2の上端には開口部2aが形成され、その内部は、開口部から入ったゴミを収容する収容部となっている。なお、本体2の平面形状は、円以外の形状、例えば、三角形、四角形を含む多角形であってもよい。
【0013】
蓋3は、本体2の開口部2aを塞ぐものである。蓋3は、4つの蓋片3a、3b、3c、3dからなり、夫々は、二等片三角形の形状を有し、底辺部分が本体2の上端部に連結されて回動自在になっており、回動によって開口部2aを開閉する。蓋3の閉状態において、蓋片3a、3b、3c、3dの夫々の頂点が当接して、本体2の開口部2aを塞ぐ四角錐の側面形状の蓋を形成するようになっている。一方、蓋3の開状態では、蓋片3a、3b、3c、3dの夫々が回動してその頂点が上方を向き、本体2の開口部2aが開口した状態とする。なお、蓋片の数を3にして、三角錐の側面形状とすることもできる。
【0014】
足4は、本体2の下面に取り付けられている。図1Bでは2本の足4が図示されているが、足4は4本設けられている。足4は、円筒状に形成されてもよい。足4の下端がゴミ箱1の底面をなす。
【0015】
〈蓋の開閉機構〉
ゴミ箱1は、蓋3の開閉機構を有する。蓋3の開閉機構は、弾性体(バネ60)によって高さ方向(Z軸方向)に伸縮自在の突起6と、蓋片毎に設けられ、突起6と蓋片3a、3b、3c、3dの各々とを連結するリンク機構7とを有する。リンク機構7は突起6と蓋片を連結できるものであれば形状、材質は問わない。例えば、樹脂、金属、木などで形成できる。
【0016】
突起6の上部はバネ60と接続され、ばね60の上端は本体2に接続されている。また、バネ60は押しバネである。バネ60は弾性体の一例であり、弾性体はバネ以外のゴム等であってもよい。
【0017】
リンク機構7は、第1リンク71(第1のリンク)と、第2リンク72(第2のリンク)とを有する。第1リンク71の一端と突起6とはジョイント(関節)73を介して接続(連結)されている。また、第1リンク71の他端と第2リンク72とはジョイント(関節)74を介して接続されている。さらに、第2リンク72と蓋片3a、3b、3c、3dとは、ジョイント75を介して接続されている。また、本体2の下部には、ドーナツ(リング)状の当接部(障害物)8が取り付けられている。第1リンク71は、バネ60の収縮時に障害物8に当接する。
【0018】
ゴミ箱1は、カバー9を有する。カバー9は、足4の下面と接続されており、足4の下面と面一の底面を有する底壁と、底壁の外縁から立設する円筒状の側面とを有する。カバー9の材質は、プラスチックや木材等の、機構に影響を与えない程度の、硬度を有する物質であればよい。また、機構に影響を及ぼさない形状(三角形、四角形等の多角形など)であればよい。
【0019】
〈ゴミ箱の作用〉
ゴミ箱1の底面を水平面(載置面)上に置いた場合、ゴミ箱1は起立状態となる。この起立状態では、突起6が水平面によって押されることによって、ゴミ箱1の内側に後退し、バネ60が本体2と突起6によって挟まれ収縮する。そのため突起6と本体2の間隔が狭まる。それと同時に突起6とジョイント73で接続されている第1リンク71が本体2に近づき、障害物8と接触(当接)し、第1リンク71の端部(ジョイント74側)が下向きに傾く。さらに第1リンク71が傾いたことにより第2リンク72が下降し、下向きの張力が発生する。それにより第リンク72とジョイント75によって連結されている、蓋片3a、3b、3c、3dの夫々が本体2との連結部分を中心に回動し、垂直に立って蓋3が開いている状態となる。
【0020】
ゴミ箱1が倒れた場合、もしくは持ち上げた場合(バネ60の収縮が解除された場合)は、バネ60の伸長によって突起6がゴミ箱1の底面より外側に押し出され(突出し)、それによって第1リンク71と障害物8の接触も解除され、バネ60によって第2リンク72が上に移動して張力が解放され、蓋片3a、3b、3c、3dが本体2の上部で回動して閉じて、夫々の接触により四角錐を作る。これにより、開口部2aが塞がれて、収容されたゴミが外部に出ることが抑止される。
【0021】
〈第1実施形態の効果〉
第1実施形態のゴミ箱1によると、蓋3の開閉機構は、ゴミ箱1の起立状態において載置面との当接によりゴミ箱1の内側に後退し、ゴミ箱1の転倒状態においてゴミ箱1の外側に突出する突起6と、突起6と蓋3とを連結するリンク機構であって、突起6の後退に連動して蓋3を開く張力を発生させるとともに、突起6の突出に連動して張力を解放するリンク機構とを備える。リンク機構は、突起6に連結された一端と、他端とを有する第1リンク71と、第1リンク71の他端と連結された一端と、蓋3と連結された他端とを有する第2リンク72とを含み、突起6の後退によって、第1リンク71の他端が下方に傾くとともに、第2リンク72が下方に移動して蓋3への張力を生じさせ、突起6の突出によって、第1リンク71の他端の下方への傾きが解除され、第2リンク72が上方に移動して蓋3への張力を解放する。これによって、ゴミ箱1は、ゴミを入れる時に蓋を開く必要がなく、倒れたときにゴミが出るのを抑えることができる。また、カバー9によって、リンク機構7が保護されるとともに、ゴミ箱1の直径が大きくなって倒れにくくなっている。
【0022】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態について説明する。第1実施形態に係るゴミ箱は、複数の蓋及び複数のリンク機構を備えていた。第2実施形態に係るゴミ箱は、1つの蓋及びリンク機構を備える。図5Aは、第2実施形態に係るゴミ箱1Aの正面を含む斜視図であり、図5Bはゴミ箱1Aの背面を含む斜視図である。図6Aは、第2実施形態に係るゴミ箱1Aの底面を含む斜視図であり、図6Bは、ゴミ箱の蓋が開いた状態を示す。
【0023】
図5A,5B,6A,6Bに示すように、ゴミ箱1Aは、幅方向(X方向)、奥行き方向(Y方向)、及び高さ方向(Z方向)を有する。ゴミ箱1Aは、高さ方向に上端と下端とを有し、下端を平らな場所において使用される。
【0024】
ゴミ箱1Aは本体11と蓋12と足13とを含む。本体11は、下端(底)が閉塞され、上端が開口され、上端は斜めに切り落とされた開口部を有する四角柱状に形成されている。本体11の内部は、ゴミの収容部となっている。なお、本体11の平面形状は、四角形以外の形状、例えば、三角形、円形を含む形であってもよい。
【0025】
蓋12は、長方形の形状を有し、蓋12の閉状態において、蓋12が本体11の開口部を覆うようになっている。一方、蓋12の開状態では、蓋12が上方を向き、本体11の上端が開口した状態とする。
【0026】
足13は、本体11の下面に取り付けられている。図6Aからわかるように、足は4本設けられている。足13は、円筒状に形成されてもよい。
【0027】
ゴミ箱1Aは、蓋12の開閉機構を有する。開閉機構は、糸81が第2リンク72の代わりにリンク機構に用いられているということ以外は、第1実施形態と同じである。リンク機構は糸81と、第1リンク71に相当する第1リンク80とを有する。糸81の一端は、第1リンク80とジョイント83とで接続し、また、糸81の他端は、蓋12とジョイント84とで接続されている。第1実施形態で説明した第2リンク72は、棒状部材の一例である。糸81は紐状部材の一例であり、紐、ロープ、ワイヤー、又はチェーンでもよい。本明細書における「リンク機構」のリンク(節)の一部は、蓋を引っ張る張力の発生及び解除を行うことができる限りにおいて、固体(棒状部材)だけでなく、紐状部材のような柔軟性を持つものも含む。すなわち、リンク機構は紐状部材を含んでいてもよい。
【0028】
〈実施形態の作用効果〉
第2実施形態のゴミ箱1Aは、蓋の数が1であり、第2リンク72の代わりに糸81が設けられている点で、第1実施形態と異なるが、第2実施形態のリンク機構がゴミ箱1Aの起立状態において蓋12への張力を発生させて蓋12を開き、転倒状態において蓋12への張力を解放して、蓋12を閉じる点では同じである。よって、第2実施形態のゴミ箱1Aも、ごみを入れる時に蓋を開く必要がなく、倒れたときにゴミが出るのを抑えることができる。第2実施形態では、蓋が1枚である例を示したが、蓋は2枚や3枚であってもよい。また、実施形態で説明した構成は、発明の目的を逸脱しない範囲で、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0029】
1,1A・・・ゴミ箱
2・・・本体(ゴミの収容部)
3,12・・・蓋
3a,3b,3c,3d・・・蓋片
4・・・足
6・・・突起
7・・・リンク機構
8・・・当接部(リング部材)
9・・・カバー
60・・・バネ
71,80・・・第1リンク
72・・・第2リンク
73,74,75・・・ジョイント(関節)
81・・・糸
図1
図2
図3
図4
図5
図6