【実施例】
【0014】
以下、本発明の一実施例を説明するが、本発明は、この実施例に何ら限定されるものではない。
以下では、移動体としての車両を用いて説明する。このため、「移動体」を「車両」と、「移動履歴データ」を「走行履歴データ」と、「始点」を「出発地」と、「終点」を「目的地」と、「移動経路」を「走行経路」と、「移動区間」を「道路区間」と、読み替えて説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は、本発明の一実施例に係る移動時間出力装置100を含むシステム10の構成を示すブロック図である。
システム10は、例えば、移動時間出力装置100が、出力した遅れが生じにくい移動時間を利用者あるいは運行管理者に対して提供するものである。
利用者としては、例えば、車両の運転者、運転補助者などが挙げられる。
出力した移動時間の提供手段としては、例えば、音声で出力したり、デジタルタコグラフやカーナビゲーションシステムの車載装置のディスプレイに表示するようにしてもよい。
図1に示すように、システム10は、本発明の移動時間出力装置100と、車両A、B、C、・・・にそれぞれ搭載されている端末装置200a、200b、200c、・・・を有し、ネットワーク300を介してそれぞれ通信可能に接続されている。
移動時間出力装置100は、車両A、B、C、・・・にそれぞれ搭載されている端末装置200a、200b、200c、・・・から、走行履歴データをそれぞれ取得して格納する。
【0016】
なお、端末装置200a、200b、200c、・・・は、装置の構成についてそれぞれ同様であることから、以下では「端末装置200」と称してまとめて説明する。
また、端末装置は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタルタコグラフや、カーナビゲーションシステムの車載装置などが挙げられる。
【0017】
次に、移動時間出力装置100のハードウェア構成及び機能構成についてそれぞれ説明する。
<移動時間出力装置のハードウェア構成>
図2は、移動時間出力装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、移動時間出力装置100は以下の各部を有する。各部は、バス107を介してそれぞれ接続されている。
【0018】
CPU(Central Processing Unit)101は、種々の制御や演算を行う処理装置である。CPU101は、主記憶装置102などが記憶するOS(Operating System)やプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。即ち、CPU101は、本実施例では、移動時間出力プログラムを実行することにより、後述する制御部140として機能する。
移動時間出力プログラムは、必ずしも最初から主記憶装置102、補助記憶装置103などに記憶されていなくともよい。また、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを介して移動時間出力装置100に接続される他の情報処理装置などに移動時間出力プログラムを記憶させ、移動時間出力装置100がこれらから移動時間出力プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
【0019】
また、CPU101は、移動時間出力装置100全体の動作を制御する。なお、本実施例では、移動時間出力装置100全体の動作を制御する装置をCPU101としたが、これに限ることなく、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)などとしてもよい。
【0020】
主記憶装置102は、各種プログラムを記憶し、各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。
主記憶装置102は、図示しない、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を有する。
ROMは、BIOS(Basic Input/Output System)等の各種プログラムなどを記憶している。
RAMは、ROMに記憶された各種プログラムがCPU101により実行される際に展開される作業範囲として機能する。RAMとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。RAMとしては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などが挙げられる。
【0021】
補助記憶装置103としては、各種情報を記憶できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブなどが挙げられる。また、補助記憶装置103は、CD(Compact Disc)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)ドライブなどの可搬記憶装置としてもよい。
【0022】
通信インターフェイス104は、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、無線又は有線を用いた通信デバイスなどが挙げられる。
【0023】
入力装置105は、移動時間出力装置100に対する各種要求を受け付けることができれば特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
【0024】
出力装置106は、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、ディスプレイ、スピーカーなどが挙げられる。ディスプレイとしては、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどが挙げられる。
【0025】
なお、移動時間出力装置100は、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドの一部であってもよい。
【0026】
<移動時間出力装置の機能構成>
図3は、移動時間出力装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、移動時間出力装置100は、通信部110と、記憶部120と、入力部130と、制御部140と、を有する。
【0027】
通信部110は、制御部140の指示に基づき、通信インターフェイス104を用いて走行履歴データを各端末装置200から受信する。
【0028】
記憶部120は、補助記憶装置103に、走行履歴データベース121と、道路区間所要時間データベース122と、速度標準偏差データベース123と、連続運転時間データベース124と、を有する。以下、「データベース」を「DB」と称することもある。
走行履歴DB121は、通信部110が受信した走行履歴データを走行履歴データ群として記憶する。
【0029】
図4は、走行履歴DB121が記憶する走行履歴データの一例を示す図である。
図4に示すように、走行履歴データは、本実施例では「車両ID、トリップID、取得日時、位置情報(経度、緯度)、速度、出発日時、出発地(経度、緯度)、到着日時、目的地(経度、緯度)、移動距離」のデータ項目を含む。
【0030】
「車両ID」のデータ項目は、本実施例では、端末装置200が搭載されている当該車両を識別するためのデータであり、予め設定される。
「トリップID」のデータ項目は、本実施例では、目的をもってある出発地からある到着地へ移動する単位であるトリップを識別するためのデータである。
「取得日時」及び「位置情報(経度、緯度)」のデータ項目は、本実施例では、端末装置200に搭載されているGPS(Global Positioning System)ユニットにより取得される。
「速度」のデータ項目は、本実施例では、GPSユニットと同期させ、端末装置200が有する速度センサを用いて車両の車軸から計測した結果である。
「出発日時」及び「出発地(経度、緯度)」のデータ項目は、本実施例では、当該トリップの出発日時及び出発地の経度緯度である。
「到着日時」及び「目的地(経度、緯度)」のデータ項目は、本実施例では、当該トリップの到着日時及び目的地の経度緯度である。
「移動距離」のデータ項目は、出発地から現在地までの移動距離である。
【0031】
図5は、道路区間所要時間DBが記憶する道路区間所要時間データの一例を示す図である。
図5に示すように、道路区間所要時間データは、本実施例では、「時間帯、道路区間、道路区間の所要時間」のデータ項目を含む。
「時間帯」は、本実施例では、車両が走行経路の出発地を通過する際の時間帯である。
「道路区間」は、本実施例では、出発地と休憩箇所との間、休憩箇所と休憩箇所との間、休憩箇所と目的地との間である。
「道路区間の所要時間」は、本実施例では、20パーセンタイル値、中央値(50パーセンタイル値)、及び80パーセンタイル値で表す。パーセンタイル値とは、測定値の分布を小さい数字から大きい数字に並べ替え、パーセント表示することによって、小さい数字から大きな数字に並べ替えた測定値において、どこに位置するのかを示す単位である。例えば、測定値が100個ある場合、中央値(50パーセンタイル値)であれば小さい数字から数えて50番目に位置する値である。80パーセンタイル値であれば小さい数字から数えて80番目に位置する値である。
【0032】
図6は、速度標準偏差DBが記憶する速度標準偏差データの一例を示す図である。
図6に示すように、速度標準偏差データは、本実施例では、「時間帯、道路区間、速度」のデータ項目を含む。
「時間帯」、及び「道路区間」は、道路区間所要時間データと同様である。
「速度」は、道路区間毎の平均速度と標準偏差で表される。
【0033】
連続運転時間DB124は、連続運転時間を記憶する。連続移動時間とは、連続移動が可能な時間を意味し、車両の運転者が休憩をとらずに連続して運転できる時間を意味する。特に、車両が商用車である場合には、連続運転時間4時間(240分間)毎に30分間の休憩を確保することが推奨されている。したがって、連続運転時間は4時間(240分間)以下である。
【0034】
図3に戻り、入力部130は、ユーザから、出発地及び目的地の情報を受け付ける他、移動時間出力装置100に対する各種指示を受け付ける。
入力する各種指示としては、走行履歴データを抽出する際の抽出条件を含めることができる。抽出条件としては、車両の種類や時間的要素を挙げることができる。車両の種類としては、例えば、商用車、一般車、或いは、大型車、中型車、普通車などが挙げられる。時間的要素としては、例えば、年月日、曜日、及び時間帯の少なくともいずれかに対応した情報、或いは、直近の所定の時間範囲などが挙げられる。
【0035】
<<制御部>>
制御部140は、抽出部141と、出力部142と、選定部143と、割当部144と、を有する。ここで、制御部140の構成は、本発明の移動時間出力装置に該当する。制御部140を実施する処理は、本発明の移動時間出力方法に該当する。制御部140の処理をコンピュータに実行させるプログラムは、本発明の移動時間出力プログラムに該当する。
【0036】
抽出部141は、車両の走行履歴データ群から、出発地及び目的地を通過した車両についての出発地から目的地までの走行経路に含まれる道路区間毎の代表所要時間を抽出する。
抽出部141は、例えば、出発地が東京、目的地が大阪であれば、東京−大阪間の走行経路を走行した車両の走行履歴データを抽出する。あるいは、抽出部141は、東京−大阪間の走行経路に含まれる横浜−小田原間や浜松−名古屋間などの走行履歴データを組み合わせて、走行経路を抽出してもよい。
代表所要時間としては、本実施例では、道路区間毎における道路区間の所要時間の中央値(50パーセンタイル値)を用いる。
【0037】
出力部142は、抽出した道路区間毎に代表所要時間の中で、偏差が所定値以上となる代表所要時間をより長い所要時間に補正して、走行経路の所要時間として出力する、
偏差としては、例えば、道路区間における速度の偏差値、道路区間における速度の平均偏差値、道路区間における速度の標準偏差などが挙げられる。なお、道路区間における所要時間の偏差、道路区間における所要時間の平均偏差値、道路区間における所要時間の標準偏差を用いることもできる。
本実施例では、偏差として、道路区間の速度の標準偏差を用いる。道路区間における速度の標準偏差が大きいと、予期せず渋滞などの発生により、道路区間の所要時間が長くかかり、移動経路において遅れが生じる恐れがある。
偏差が所定値以上としては、本実施例では、道路区間の速度の標準偏差の所定値が20以上である。道路区間の速度の標準偏差の所定値が20以上であると、道路区間における速度のバラツキが大きくなり、移動経路において遅れが生じる可能性があるため、道路区間の代表所要時間の補正が必要となる。
本実施例では、補正に用いる「代表所要時間よりも長い所要時間」として、80パーセンタイル値を用いる。
【0038】
選定部143は、移動経路における休憩候補箇所を抽出し、休憩候補箇所の中から連続運転時間が所定の時間を超えないように休憩箇所を選定する。
休憩箇所とは、例えば、車両である場合には、駐車する駐車スペースを有する施設であり、例えば、高速道路においては、サービスエリア、パーキングエリアなどが挙げられ、国道などの一般道路においては、道の駅(登録商標)などが挙げられる。また、駐車スペースとは、白線などで駐車する位置が規定されている区画である。
車両が大型トラックなどの商用車である場合には、連続運転時間が所定時間を超えないように休憩を取ることが推奨されており、連続運転時間の所定時間は、4時間(240分間)以下が好ましい。
【0039】
割当部144は、出力部142により出力した所要時間と、目標所要時間との差として算出される時間を選定した休憩箇所での休憩箇所として割り当てる。
目標所要時間とは、走行経路における目標となる時間を意味し、具体的には、目的地の到着時刻から出発地の出発時刻を引いた時間であり、休憩箇所での休憩時間を含む。
なお、出力部により出力した所要時間が目標所要時間以上となると、与えられた目標所要時間以上である旨を利用者に通知し、移動時間出力処理を終了させることができる。
【0040】
ここで、
図7及び
図8を参照して、実施例1の走行経路の移動時間を出力する処理の一例について説明する。
まず、制御部140は、出発時刻:10時30分、到着時刻:14時10分、目標所要時間:220分間の情報を受け付ける。
出発地から休憩箇所1までを道路区間1、休憩箇所1から休憩箇所2までを道路区間2、休憩箇所2から目的地までを道路区間3とする。
次に、制御部140は、道路区間所要時間DB122及び速度標準偏差DB123から、
図8に示す道路区間毎の所要時間を抽出し、道路区間の所要時間の中央値をベースとして、各道路区間の所要時間を求める。
なお、道路区間3は、
図8から、速度の標準偏差が27.0であり、速度の標準偏差が20以上の渋滞区間であるため、道路区間3の所要時間は中央値ではなく、80パーセンタイル値を用いる。
【0041】
まず、出発地を10時30分に出発すると、休憩箇所1までの道路区間1の所要時間は、
図8から、所要時間の中央値で70分間である。
次に、休憩箇所1から休憩箇所2までの道路区間2の所要時間は、
図8から、所要時間の中央値で60分間である。
次に、休憩箇所2から目的地までの道路区間3の所要時間は、
図8から、所要時間の80パーセンタイル値で90分間である。
なお、道路区間1〜3では、合計所要時間が220分間であり、連続運転時間が4時間(240分間)未満であるため、休憩箇所2は選択されない。
したがって、実施例1では、休憩をとらなくてすみ、道路区間3で渋滞等が発生したとしても、そのことを考慮して移動時間を設定しているため、目的地への到着時刻が14時10分を遅れることはない。
【0042】
次に、
図1に戻り、移動時間出力装置100にネットワーク300を介して接続されている端末装置200について説明する。端末装置200のハードウェア構成及び機能構成について、以下説明する。
【0043】
端末装置200は、走行時の車両の位置及び取得時間等の走行データを取得し、ネットワーク300を介して、移動時間出力装置100へ送信する。また、端末装置200は、移動時間出力装置100で得られた遅れが生じにくい移動時間の結果を受信し提示してもよい。
【0044】
<端末装置のハードウェア構成>
図9は、端末装置200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、端末装置200は、以下の各部を有する。各部は、バス207を介してそれぞれ接続されている。
【0045】
CPU201は、種々の制御や演算を行う処理装置である。CPU201は、主記憶装置202などが記憶するOSやプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。即ち、CPU201は、端末装置の各種プログラムを実行することにより端末装置の制御部240として機能する。
端末装置の各種プログラムは、必ずしも最初から主記憶装置202に、補助記憶装置203などに記憶されていなくともよい。また、インターネット、LAN、WANなどを介して、端末装置200に接続される他の情報処理装置などに端末装置の各種プログラムを記憶させ、端末装置200がこれらから端末装置の各種プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
また、CPU201は、端末装置200全体の動作を制御する。なお、本実施例では、端末装置200全体の動作を制御する装置をCPU201としたが、これに限ることなく、例えば、FPGAなどとしてもよい。
主記憶装置202は、各種プログラムを記憶し、各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。
主記憶装置202は、図示しない、ROMと、RAMと、を有する。
ROMは、BIOS等の各種プログラム等を記憶している。
RAMは、ROMに記憶された各種プログラムがCPU201により実行される際に展開される作業範囲として機能する。RAMとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。RAMとしては、例えば、DRAM、SRAMなどが挙げられる。
【0046】
補助記憶装置203としては、各種情報を記憶できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブなどが挙げられる。また、補助記憶装置203は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブなどの可搬記憶装置としてもよい。
【0047】
通信インターフェイス204は、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、無線又は有線を用いた通信デバイスなどが挙げられる。
【0048】
入力装置205は、端末装置200に対する各種要求を受け付けることができれば、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、タッチパネルなどが挙げられる。
【0049】
出力装置206は、ディスプレイやスピーカーなどを用いることができる。ディスプレイとしては、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイが挙げられる。
【0050】
<端末装置の機能構成>
図10は、端末装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。
図10に示すように、端末装置200は、通信部220と、記憶部230と、制御部240と、取得部250と、出力部260と、を有する。
【0051】
通信部220は、制御部240の指示に基づき、通信インターフェイス204を用いて、走行データを移動時間出力装置100へ送信する。
また、通信部220は、移動時間出力装置100で得られた遅れが生じにくい移動時間の結果を受信してもよい。
記憶部230は、移動時間出力装置100から受信した遅れが生じにくい移動時間の結果を補助記憶装置203に記憶する。
制御部240は、本実施例では、端末装置200全体の動作を制御する機能を有する。
取得部250は、GPSユニットと、速度センサなどを有する。
取得部250は、GPSユニット及び速度センサを同期させて取得した位置の情報及び速度の情報を、同期させた時刻の情報と対応づけて走行データとする。
出力部260は、移動時間出力装置100から受信した遅れが生じにくい移動時間の結果を、ディスプレイやスピーカーで出力する。
【0052】
ここで、
図11は、実施例1の走行経路における移動時間の出力処理の流れの一例を説明するフローチャートである。以下、
図7及び
図8を参照して、実施例1の移動経路における移動時間の出力処理の流れについて説明する。
【0053】
ステップS101では、制御部140は、出発地、目的地、出発時刻、及び到着時刻の情報を受け付けると、処理をS102に移行する。
【0054】
ステップS102では、制御部140は、走行履歴DB121から、出発地及び目的地までの走行経路上の休憩可能なすべての休憩箇所を特定すると、処理をS103に移行する。
なお、制御部140の抽出部141は、出発地から目的地を結ぶ走行経路に含まれる道路区間の少なくとも1つを通過した車両の走行履歴DBから走行経路を抽出する。
【0055】
ステップS103では、制御部140は、出発地と休憩箇所との間、休憩箇所と休憩箇所との間、休憩箇所と目的地との間を道路区間と規定すると、処理をS104に移行する。
【0056】
ステップS104では、制御部140は、出発時刻、及び時間帯別所要時間推定値から道路区間毎の所要時間を抽出すると、処理をS105に移行する。
なお、出発時刻、及び時間帯別の所要時間推定値は、道路区間所要時間DB122、及び速度標準偏差DB123から読み取ることができる。
【0057】
ステップS105では、制御部140は、速度の標準偏差が所定値以上であるか否かを判定する。制御部140は、速度の標準偏差が所定値以上でないと判定すると、処理をS106に移行する。一方、制御部140は、速度の標準偏差が所定値以上であると判定すると、処理をS107に移行する。
【0058】
ステップS106では、制御部140は、道路区間の所要時間の中央値を出力すると、処理をS108に移行する。
【0059】
ステップS107では、制御部140は、道路区間の所要時間の80パーセンタイル値を出力すると、処理をS108に移行する。
【0060】
ステップS108では、制御部140は、走行経路内に未処理の道路区間があるか否かを判定する。制御部140は、未処理の道路区間があると判定すると、処理をS104に戻す。一方、制御部140は、未処理の道路区間がないと判定すると、本処理を終了する。
【0061】
(実施例2)
図12及び
図13を参照して、実施例2の走行経路の移動時間を出力する処理の一例について説明する。
まず、制御部140は、出発時刻:9時00分、到着時刻:15時00分、目標所要時間:360分間、連続運転時間:180分間の情報を受け付ける。
出発地から休憩箇所1までを道路区間1、休憩箇所1から休憩箇所2までを道路区間2、休憩箇所2から休憩箇所3までを道路区間3、休憩箇所3から目的地までを道路区間4とする。
なお、制御部140は、出発時刻から連続運転時間に到達する直前の休憩箇所を選択する。制御部140は、休憩箇所において、仮の所定時間(30分間)の休憩時間を加算する。制御部140は、次の道路区間の所要時間を算出する。制御部140は、残りの時間を休憩時間に加算し、再度所要時間を算出する。この場合、制御部140は、所要時間が到着時刻を超えると、休憩時間をマイナスし、再度所要時間を算出する。
次に、制御部140は、道路区間所要時間DB122、速度標準偏差DB123、及び連続運転時間DB124から、
図13に示す道路区間毎の所要時間を抽出し、道路区間の所要時間の中央値をベースとして、各道路区間の所要時間及び休憩箇所を求める。
なお、道路区間4は、
図13から、速度の標準偏差が27.0であり、速度の標準偏差が20以上の渋滞区間であるため、制御部140は、道路区間4の所要時間は中央値ではなく、所要時間の80パーセンタイル値を用いる。
【0062】
まず、出発地を9時00分に出発すると、休憩箇所1までの道路区間1の所要時間は、
図13から、所要時間の中央値で90分間である。
次に、休憩箇所1から休憩箇所2までの道路区間2の所要時間は、
図13から、所要時間の中央値で70分間である。
なお、道路区間1〜2では、合計所要時間が160分間であり、連続運転時間が180分間未満であるため、休憩箇所1は選択されない。
次に、休憩箇所2から休憩箇所3までの道路区間3の所要時間は、
図13から、所要時間の中央値で60分間である。
なお、道路区間1〜3では、合計所要時間が220分間であり、連続運転時間が180分間以上であるため、休憩箇所2が選択され、仮の休憩時間として30分間を入力する。
次に、休憩箇所3から目的地までの道路区間4の所要時間は、
図13から、所要時間の80パーセンタイル値で90分間である。
なお、道路区間3〜4では、合計所要時間が150分間であり、連続運転時間が180分間未満であるため、休憩箇所3は選択されない。
道路区間1〜4の合計所要時間は、休憩箇所2での休憩時間30分間を加算して340分間であり、目標所要時間360分間との差である20分間を休憩箇所2での休憩時間に加算すると、休憩箇所2の休憩時間は50分間となる。
したがって、実施例2では、道路区間4で渋滞等が発生したとしても、そのことを考慮して移動時間を設定するので、目的地への到着時刻が15時00分を遅れることはなく、休憩箇所2において50分間の休憩をとることができる。また、実施例2によれば、休憩箇所2で50分間の休憩時間をとることにより、目的地での待ち時間が生じにくい、適正な移動時間を提示することができる。
【0063】
(比較例1)
比較例1は、
図14及び
図15に示すように、実施例2において、道路区間4の所要時間を中央値である40分間とし、休憩箇所2での休憩時間を100分間とした以外は、実施例2と同様にして、走行経路における移動時間の出力処理を行った。
比較例1では、道路区間4は、
図15に示すように、速度の標準偏差が27.0であり、速度の標準偏差が20以上の渋滞区間であるため、道路区間4の所要時間として中央値ではなく80パーセンタイル値である90分間を用いるところ、中央値である40分間とした。
したがって、比較例1では、渋滞区間である道路区間4の所要時間の補正が行われていないため、休憩箇所2で休憩時間を100分間とると、道路区間4で渋滞が生じると到着時刻が15時00分から遅れてしまう可能性が高くなる。
【0064】
(実施例3)
図16及び
図17を参照して、実施例3の走行経路の移動時間を出力する処理の一例について説明する。
まず、制御部140は、出発時刻:0時00分、到着時刻:6時00分、目標所要時間:360分間、連続運転時間:180分間の情報を受け付ける。
出発地から休憩箇所1までを道路区間1、休憩箇所1から休憩箇所2までを道路区間2、休憩箇所2から休憩箇所3までを道路区間3、休憩箇所3から目的地までを道路区間4とする。
なお、制御部140は、出発時刻から連続運転時間に到達する直前の休憩箇所を選択する。制御部140は、休憩箇所において、仮の所定時間(30分間)の休憩時間を加算する。制御部140は、次の道路区間の所要時間を算出する。制御部140は、残りの時間を休憩時間に加算し、再度所要時間を算出する。この場合、制御部140は、所要時間が到着時刻を超えると、休憩時間をマイナスし、再度所要時間を算出する。
次に、制御部140は、道路区間所要時間DB122、速度標準偏差DB123、及び連続運転時間DB124から、
図17に示す道路区間毎の所要時間を抽出し、道路区間の所要時間の中央値をベースとして、各道路区間の所要時間及び休憩箇所を求める。
なお、実施例3では、
図17から、速度の標準偏差が20以上の渋滞区間がないため、所要時間の中央値を80パーセンタイル値に補正する道路区間は存在しない。
【0065】
まず、出発地を0時00分に出発すると、休憩箇所1までの道路区間1の所要時間は、
図17から、所要時間の中央値で70分間である。
次に、休憩箇所1から休憩箇所2までの道路区間2の所要時間は、
図17から、所要時間の中央値で50分間である。
なお、道路区間1〜2では、合計所要時間が120分間であり、連続運転時間が180分間未満であるため、休憩箇所1は選択されない。
次に、休憩箇所2から休憩箇所3までの道路区間3の所要時間は、
図17から、所要時間の中央値で60分間である。
なお、道路区間1〜3では、合計所要時間が180分間であり、連続運転時間が180分間以上であるため、休憩箇所2が選択され、仮の休憩時間として30分間を入力する。
次に、休憩箇所3から目的地までの道路区間4の所要時間は、
図17から、所要時間の中央値で35分間である。
なお、道路区間3〜4では、合計所要時間が95分間であり、連続運転時間が180分間未満であるため、休憩箇所3は選択されない。
道路区間1〜4の合計所要時間は、休憩箇所2での休憩時間30分間を加算して245分間であり、目標所要時間360分間との差である115分間を休憩箇所2での休憩時間に加算すると、休憩箇所2の休憩時間は145分間となる。
したがって、実施例3では、目的地への到着時刻が6時00分を遅れることはなく、休憩箇所2において145分間の休憩をとることができる。また、実施例3によれば、休憩箇所2で145分間の休憩時間をとることにより、目的地での待ち時間が生じにくい、適正な移動時間を提示することができる。
【0066】
(実施例4)
図18及び
図19を参照して、実施例4の走行経路の移動時間を出力する処理の一例について説明する。
まず、制御部140は、出発時刻:6時00分、到着時刻:12時00分、目標所要時間:360分間、連続運転時間:180分間の情報を受け付ける。
出発地から休憩箇所1までを道路区間1、休憩箇所1から休憩箇所2までを道路区間2、休憩箇所2から休憩箇所3までを道路区間3、休憩箇所3から目的地までを道路区間4とする。
なお、制御部140は、出発時刻から連続運転時間に到達する直前の休憩箇所を選択する。制御部140は、休憩箇所において、仮の所定時間(30分間)の休憩時間を加算する。制御部140は、次の道路区間の所要時間を算出する。制御部140は、残りの時間を休憩時間に加算し、再度所要時間を算出する。この場合、制御部140は、所要時間が到着時刻を超えると、休憩時間をマイナスし、再度所要時間を算出する。
次に、制御部140は、道路区間所要時間DB122、速度標準偏差DB123、及び連続運転時間DB124から、
図19に示す道路区間毎の所要時間を抽出し、道路区間の所要時間の中央値をベースとして、各道路区間の所要時間及び休憩箇所を求める。
なお、道路区間1は、
図19から、速度の標準偏差が21.0であり、速度の標準偏差が20以上の渋滞区間であるため、制御部140は、道路区間1の所要時間は中央値ではなく、80パーセンタイル値を用いる。
【0067】
まず、出発地を6時00分に出発すると、休憩箇所1までの道路区間1の所要時間は、
図19から、所要時間の80パーセンタイル値で120分間である。
次に、休憩箇所1から休憩箇所2までの道路区間2の所要時間は、
図19から、所要時間の中央値で80分間である。
なお、道路区間1〜2では、合計所要時間が200分間であり、連続運転時間が180分間以上であるため、休憩箇所1が選択され、仮の休憩時間として30分間を入力する。
次に、休憩箇所2から休憩箇所3までの道路区間3の所要時間は、
図19から、所要時間の中央値で65分間である。
なお、道路区間2〜3では、合計所要時間は145分間であり、連続運転時間が180分間未満であるため、休憩箇所2は選択されない。
次に、休憩箇所3から目的地までの道路区間4の所要時間は、
図19から、所要時間の中央値で35分間である。
なお、道路区間2〜4では、合計所要時間が180分間であり、連続運転時間が180分間以上であるため、休憩箇所3が選択され、仮の休憩時間として30分間を入力する。
道路区間1〜4の合計所要時間は、休憩箇所1での休憩時間30分間と休憩箇所3での休憩時間30分間を加算すると、360分間であり、目標所要時間360分間との差は0分間である。このため、休憩箇所1での休憩時間は30分間、休憩箇所3での休憩時間は30分間で確定する。
したがって、実施例4では、目的地への到着時刻が12時00分を遅れることはなく、休憩箇所1において休憩時間30分間、休憩箇所3で休憩時間30分間の休憩をとることができる。また、実施例4によれば、休憩箇所1で休憩時間30分間、休憩箇所3で休憩時間30分間の休憩をとることにより、目的地での待ち時間が生じにくい、適正な移動時間を提示することができる。
【0068】
(実施例5)
図20及び
図21を参照して、実施例5の走行経路の移動時間を出力する処理の一例について説明する。
まず、制御部140は、出発時刻:12時00分、到着時刻:18時00分、目標所要時間:360分間、連続運転時間:180分間の情報を受け付ける。
出発地から休憩箇所1までを道路区間1、休憩箇所1から休憩箇所2までを道路区間2、休憩箇所2から休憩箇所3までを道路区間3、休憩箇所3から目的地までを道路区間4とする。
なお、制御部140は、出発時刻から連続運転時間に到達する直前の休憩箇所を選択する。制御部140は、休憩箇所において、仮の所定時間(30分間)の休憩時間を加算する。制御部140は、次の道路区間の所要時間を算出する。制御部140は、残りの時間を休憩時間に加算し、再度所要時間を算出する。この場合、制御部140は、所要時間が到着時刻を超えると、休憩時間をマイナスし、再度所要時間を算出する。
次に、制御部140は、道路区間所要時間DB122、速度標準偏差DB123、及び連続運転時間DB124から、
図21に示す道路区間毎の所要時間を抽出し、道路区間の所要時間の中央値をベースとして、各道路区間の所要時間及び休憩箇所を求める。
なお、道路区間4は、
図21から、速度の標準偏差が27.0であり、速度の標準偏差が20以上の渋滞区間であるため、制御部140は、道路区間4の所要時間は中央値ではなく、80パーセンタイル値を用いる。
【0069】
まず、出発地を12時00分に出発すると、休憩箇所1までの道路区間1の所要時間は、
図21から、所要時間の中央値で90分間である。
次に、休憩箇所1から休憩箇所2までの道路区間2の所要時間は、
図21から、所要時間の中央値で70分間である。
なお、道路区間1〜2では、合計所要時間が160分間であり、連続運転時間が180分間未満であるため、休憩箇所1は選択されない。
次に、休憩箇所2から休憩箇所3までの道路区間3の所要時間は、
図21から、所要時間の中央値で60分間である。
なお、道路区間1〜3では、合計所要時間が220分間であり、連続運転時間が180分間以上であるため、休憩箇所2が選択され、仮の休憩時間として30分間を入力する。
次に、休憩箇所3から目的地までの道路区間4の所要時間は、
図21から、所要時間の80パーセンタイル値で90分間である。
なお、道路区間3〜4では、合計所要時間が150分間であり、連続運転時間が180分間未満であるため、休憩箇所3は選択されない。
道路区間1〜4の合計所要時間は、休憩箇所2での休憩時間30分間を加算すると340分間であり、目標所要時間360分間との差である20分間を休憩箇所2での休憩時間に加算すると、休憩箇所2の休憩時間は50分間となる。
したがって、実施例5では、目的地への到着時刻が18時00分を遅れることはなく、休憩箇所2において50分間の休憩をとることができる。また、実施例5によれば、休憩箇所2で50分間の休憩をとることにより、目的地での待ち時間が生じにくい、適正な移動時間を提示することができる。
【0070】
(実施例6)
図22及び
図23を参照して、実施例6の走行経路の移動時間を出力する処理の一例について説明する。
まず、制御部140は、出発時刻:18時00分、到着時刻:24時00分、目標所要時間:360分間、連続運転時間:180分間の情報を受け付ける。
出発地から休憩箇所1までを道路区間1、休憩箇所1から休憩箇所2までを道路区間2、休憩箇所2から休憩箇所3までを道路区間3、休憩箇所3から目的地までを道路区間4とする。
なお、制御部140は、出発時刻から連続運転時間に到達する直前の休憩箇所を選択する。制御部140は、休憩箇所において、仮の所定時間(30分間)の休憩時間を加算する。制御部140は、次の道路区間の所要時間を算出する。制御部140は、残りの時間を休憩時間に加算し、再度所要時間を算出する。この場合、制御部140は、所要時間が到着時刻を超えると、休憩時間をマイナスし、再度所要時間を算出する。
次に、制御部140は、道路区間所要時間DB122、速度標準偏差DB123、及び連続運転時間DB124から、
図23に示す道路区間毎の所要時間を抽出し、道路区間の所要時間の中央値をベースとして、各道路区間の所要時間及び休憩箇所を求める。
なお、実施例6では、
図23から、速度の標準偏差が20以上の渋滞区間がないため、所要時間の中央値を80パーセンタイル値に補正する道路区間は存在しない。
【0071】
まず、出発地を18時00分に出発すると、休憩箇所1までの道路区間1の所要時間は、
図23から、所要時間の中央値で75分間である。
次に、休憩箇所1から休憩箇所2までの道路区間2の所要時間は、
図23から、所要時間の中央値で50分間である。
なお、道路区間1〜2では、合計所要時間が125分間であり、連続運転時間が180分間未満であるため、休憩箇所1は選択されない。
次に、休憩箇所2から休憩箇所3までの道路区間3の所要時間は、
図23から、所要時間の中央値で65分間である。
なお、道路区間1〜3では、合計所要時間が190分間であり、連続運転時間が180分間以上であるため、休憩箇所2が選択され、仮の休憩時間として30分間を入力する。
次に、休憩箇所3から目的地までの道路区間4の所要時間は、
図23から、所要時間の中央値で40分間である。
なお、道路区間3〜4では、合計所要時間が105分間であり、連続運転時間が180分間未満であるため、休憩箇所3は選択されない。
道路区間1〜4の合計所要時間は、休憩箇所2での休憩時間30分間を加算して260分間であり、目標所要時間360分間との差である100分間を休憩箇所2での休憩時間に加算すると、休憩箇所2の休憩時間は130分間となる。
したがって、実施例6では、目的地への到着時刻が24時00分に遅れることはなく、休憩箇所2において130分間の休憩をとることができる。また、実施例6によれば、休憩箇所2で130分間の休憩をとることにより、目的地での待ち時間が生じにくい、適正な移動時間を提示することができる。
【0072】
図24は、実施例2〜6の走行経路における移動時間の出力処理の流れの一例を説明するフローチャートである。以下、
図12〜
図13、及び
図16〜
図23を参照して、実施例2〜6の走行経路における移動時間の出力処理の流れについて説明する。
なお、
図24中、「OTime」は見積り連続運転時間、「NTime」は見積り合計所要時間である。
【0073】
ステップS201では、制御部140は、出発地、目的地、出発時刻、到着時刻、及び目標所要時間の情報を受け付けると、処理をS202に移行する。
目標所要時間とは、走行経路における目標となる時間を意味し、具体的には、目的地の到着時刻から出発地の出発時刻を引いた時間であり、休憩箇所での休憩時間を含む。
【0074】
ステップS202では、制御部140は、走行履歴DB121から、走行経路及び当該経路上の休憩可能な全ての休憩箇所を特定すると、処理をS203に移行する。
【0075】
ステップS203では、制御部140は、出発地と休憩箇所との間、休憩箇所と休憩箇所との間、及び休憩箇所と目的地との間を道路区間として規定すると、処理をS204に移行する。
【0076】
ステップS204では、制御部140は、見積り連続運転時間(OTime)を0分間、及び見積り合計所要時間(NTime)を0分間に設定すると、処理をS205に移行する。
【0077】
ステップS205では、制御部140は、出発時刻、連続運転時間、及び時間帯別の所要時間推定値から、道路区間の所要時間を抽出すると、処理をS206に移行する。
なお、出発時刻、連続運転時間、及び時間帯別の所要時間推定値は、道路区間所要時間DB122、速度標準偏差DB123、及び連続運転時間DB124から読み取ることができる。
【0078】
ステップS206では、制御部140は、速度の標準偏差が所定値以上であるか否かを判定する。制御部140は、速度の標準偏差が所定値以上でないと判定すると、処理をS207に移行する。一方、制御部140は、速度の標準偏差が所定値以上であると判定すると、処理をS208に移行する。
【0079】
ステップS207では、制御部140は、所要時間の中央値を見積り連続運転時間(OTime)に加算し、所要時間の中央値を見積り合計所要時間(NTime)に加算すると、処理をS209に移行する。
【0080】
ステップS208では、制御部140は、所要時間の80パーセンタイル値を見積り連続運転時間(OTime)に加算し、所要時間の80パーセンタイル値を見積り合計所要時間(NTime)に加算すると、処理をS209に移行する。
【0081】
ステップS209では、制御部140は、見積り連続運転時間(OTime)が連続運転時間以上であるか否かを判定する。制御部140は、見積り連続運転時間(OTime)が連続運転時間以上でないと判定すると、処理をS205に戻す。一方、制御部140は、見積り連続運転時間(OTime)が連続運転時間以上であると判定すると、処理をS210に移行する。
【0082】
ステップS210では、制御部140は、連続運転時間以上となった道路区間の手前の休憩箇所を休憩箇所として選定する。制御部140は、見積り合計所要時間(NTime)に30分間を加算し、見積り連続運転時間(OTime)を0分間に設定すると、処理をS211に移行する。
【0083】
ステップS211では、制御部140は、走行経路内に未処理の道路区間があるか否かを判定する。制御部140は、未処理の道路区間があると判定すると、処理をS205に戻す。一方、制御部140は、未処理の道路区間がないと判定すると、処理をS212に移行する。
【0084】
ステップS212では、制御部140は、目標所要時間が、見積り合計所要時間(NTime)より大きいか否かを判定する。制御部140は、目標所要時間が見積り合計所要時間(NTime)より大きくないと判定すると、処理をS214に移行する。ステップS214では、制御部140は、与えられた目標所要時間以上である旨を通知すると、本処理を終了する。
一方、制御部140は、目標所要時間が見積り合計所要時間(NTime)より大きいと判定すると、処理をS213に移行する。
【0085】
ステップS213では、制御部140は、残時間が休憩時間に設定済みであるか否かを判定する。制御部140は、残時間の設定が済んでいないと判定すると、処理をS215に移行する。一方、制御部140は、残時間の設定が済んでいると判定すると、本処理を終了する。なお、残時間=目標所要時間−見積り合計所要時間(NTime)である。
【0086】
ステップS215では、制御部140は、AddTime=NTime−目標所要時間を算出すると、処理をS216に移行する。
【0087】
ステップS216では、制御部140は、残時間を休憩時間に設定する処理を行い、見積り合計所要時間(NTime)の値を「目的地直前の休憩箇所」に戻し、NTimeにAddTimeを加算すると、処理をS205に移行する。
【0088】
以上説明したように、移動時間出力装置は、利用者に、走行経路において遅れが生じにくい適正な移動時間を提供することができる。
【0089】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
始点及び終点の情報を受け付け、
前記始点及び前記終点を結ぶ移動経路に含まれる移動区間の少なくとも1つを通過した移動体の移動履歴データ群の組み合わせから、前記始点から前記終点までの移動経路に含まれる移動区間毎の代表所要時間を抽出し、
抽出した前記移動区間毎に前記代表所要時間の中で、偏差が所定値以上となる前記代表所要時間をより長い所要時間に補正して、前記移動経路の所要時間として出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする、移動時間出力プログラム。
(付記2)
抽出した前記代表所要時間が、パーセンタイル値で出力される、
ことを特徴とする、付記1に記載の移動時間出力プログラム。
(付記3)
目標所要時間の情報を更に受け付け、
前記移動経路における休憩候補箇所を抽出し、前記休憩候補箇所の中から連続運転時間が所定時間を超えないように休憩箇所を選定し、
出力した前記所要時間と、前記目標所要時間との差として算出される時間を選定した前記休憩箇所での休憩時間として割り当てる、
ことを特徴とする、付記1又は2に記載の移動時間出力プログラム。
(付記4)
始点及び終点の情報を受け付け、
前記始点及び前記終点を結ぶ移動経路に含まれる移動区間の少なくとも1つを通過した移動体の移動履歴データ群の組み合わせから、前記始点から前記終点までの移動経路に含まれる移動区間毎の代表所要時間を抽出し、
抽出した前記移動区間毎に前記代表所要時間の中で、偏差が所定値以上となる前記代表所要時間をより長い所要時間に補正して、前記移動経路の所要時間として出力する、
処理を実行する制御部を有することを特徴とする、移動時間出力装置。
(付記5)
抽出した前記代表所要時間が、パーセンタイル値で出力される、
ことを特徴とする、付記4に記載の移動時間出力装置。
(付記6)
目標所要時間の情報を更に受け付け、
前記移動経路における休憩候補箇所を抽出し、前記休憩候補箇所の中から連続運転時間が所定時間を超えないように休憩箇所を選定し、
出力した前記所要時間と、前記目標所要時間との差として算出される時間を選定した前記休憩箇所での休憩時間として割り当てる、
ことを特徴とする、付記4又は5に記載の移動時間出力装置。
(付記7)
始点及び終点の情報を受け付け、
前記始点及び前記終点を結ぶ移動経路に含まれる移動区間の少なくとも1つを通過した移動体の移動履歴データ群の組み合わせから、前記始点から前記終点までの移動経路に含まれる移動区間毎の代表所要時間を抽出し、
抽出した前記移動区間毎に前記代表所要時間の中で、偏差が所定値以上となる前記代表所要時間をより長い所要時間に補正して、前記移動経路の所要時間として出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする、移動時間出力方法。
(付記8)
抽出した前記代表所要時間が、パーセンタイル値で出力される、
ことを特徴とする、付記7に記載の移動時間出力方法。
(付記9)
目標所要時間の情報を更に受け付け、
前記移動経路における休憩候補箇所を抽出し、前記休憩候補箇所の中から連続運転時間が所定時間を超えないように休憩箇所を選定し、
出力した前記所要時間と、前記目標所要時間との差として算出される時間を選定した前記休憩箇所での休憩時間として割り当てる、
ことを特徴とする、付記7又は8に記載の移動時間出力方法。