特許第6959550号(P6959550)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6959550ゲーム管理装置およびゲーム管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959550
(24)【登録日】2021年10月12日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】ゲーム管理装置およびゲーム管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20211021BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20211021BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20211021BHJP
【FI】
   A63F13/79 510
   A63F13/35
   A63F13/69
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-200232(P2019-200232)
(22)【出願日】2019年11月1日
(65)【公開番号】特開2021-69885(P2021-69885A)
(43)【公開日】2021年5月6日
【審査請求日】2020年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千原 崇史
【審査官】 松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−076312(JP,A)
【文献】 特許第6197138(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるゲーム管理装置であって、
時間の経過に伴って所定の付与量のイベントポイントを各ユーザに付与するポイント付与手段と、
各前記ユーザに関連する前記イベントポイントを専有ポイントとして管理すると共に、前記専有ポイントが所定の上限値に到達するまで、前記ポイント付与手段による前記イベントポイントの付与により前記専有ポイントを増加させる専有ポイント管理手段と、
前記複数のユーザが共有するイベントポイントを共有ポイントとして管理する共有ポイント管理手段と、
前記ユーザによる前記ゲーム装置に対する操作入力により指定されたポイント量を、前記ゲーム装置から受信する指定量受信手段と、
受信した前記ポイント量に基づき、前記専有ポイントを減少させるとともに、前記共有ポイントを増加させるポイント移動手段と、
前記ユーザがゲーム内の所定のイベントをプレイすることの代償として、前記専有ポイントおよび前記共有ポイントの少なくとも一方の前記イベントポイントから、前記イベントに応じた所定のイベントプレイ量を消費するポイント消費手段と、
前記ユーザに関連したユーザ情報が所定の条件を満たしているか否かを判定する判定手段と、を備え
前記ポイント消費手段は、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしている場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費し、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしていない場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費せず、
前記ユーザ情報は、前記ポイント移動手段による前記専有ポイントの減少量を所定の期間において積算した積算値を含み、
前記所定の条件は、前記ユーザ情報に含まれる前記積算値が予め定めた設定値以上であることである、ゲーム管理装置。
【請求項2】
複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるゲーム管理装置であって、
時間の経過に伴って所定の付与量のイベントポイントを各ユーザに付与するポイント付与手段と、
各ユーザに関連する前記イベントポイントを専有ポイントとして管理すると共に、前記専有ポイントが所定の上限値に到達するまで、前記ポイント付与手段による前記イベントポイントの付与により前記専有ポイントを増加させる専有ポイント管理手段と、
前記複数のユーザが共有するイベントポイントを共有ポイントとして管理する共有ポイント管理手段と、
前記専有ポイントが前記上限値に到達した時点以降に、前記専有ポイントを増加させずに、前記ポイント付与部により時間の経過に伴って前記ユーザに付与されるまたは各前記ユーザに付与されることが予定されている前記イベントポイントに基づき、前記共有ポイントを増加させるポイント移動手段と、
前記ユーザがゲーム内の所定のイベントをプレイすることの代償として、前記専有ポイントおよび前記共有ポイントの少なくとも一方の前記イベントポイントから、前記イベントに応じた所定のイベントプレイ量を消費するポイント消費手段と、
前記ユーザに関連したユーザ情報が所定の条件を満たしているか否かを判定する判定手段と、を備え
前記ポイント消費手段は、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしている場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費し、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしていない場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費せず、
前記ユーザ情報は、前記ポイント移動手段による前記専有ポイントの減少量を所定の期間において積算した積算値を含み、
前記所定の条件は、前記ユーザ情報に含まれる前記積算値が予め定めた設定値以上であることである、ゲーム管理装置。
【請求項3】
複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるゲーム管理装置であって、
時間の経過に伴って所定の付与量のイベントポイントを各ユーザに付与するポイント付与手段と、
各前記ユーザに関連する前記イベントポイントを専有ポイントとして管理すると共に、前記専有ポイントが所定の上限値に到達するまで、前記ポイント付与手段による前記イベントポイントの付与により前記専有ポイントを増加させる専有ポイント管理手段と、
前記複数のユーザが共有するイベントポイントを共有ポイントとして管理する共有ポイント管理手段と、
前記ユーザによる前記ゲーム装置に対する操作入力により指定されたポイント量を、前記ゲーム装置から受信する指定量受信手段と、
受信した前記ポイント量に基づき、前記専有ポイントを減少させるとともに、前記共有ポイントを増加させるポイント移動手段と、
前記ユーザがゲーム内の所定のイベントをプレイすることの代償として、前記専有ポイントおよび前記共有ポイントの少なくとも一方の前記イベントポイントから、前記イベントに応じた所定のイベントプレイ量を消費するポイント消費手段と、
前記ユーザに関連したユーザ情報が所定の条件を満たしているか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記ポイント消費手段は、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしている場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費し、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしていない場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費せず、
前記ユーザ情報は、前記ユーザによる前記ゲーム装置に対する操作入力により進行した前記ゲームの進行度を含み、
前記所定の条件は、前記ユーザ情報に含まれる前記進行度が所定の基準を満たすことである、ゲーム管理装置。
【請求項4】
複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるゲーム管理装置であって、
時間の経過に伴って所定の付与量のイベントポイントを各ユーザに付与するポイント付与手段と、
各ユーザに関連する前記イベントポイントを専有ポイントとして管理すると共に、前記専有ポイントが所定の上限値に到達するまで、前記ポイント付与手段による前記イベントポイントの付与により前記専有ポイントを増加させる専有ポイント管理手段と、
前記複数のユーザが共有するイベントポイントを共有ポイントとして管理する共有ポイント管理手段と、
前記専有ポイントが前記上限値に到達した時点以降に、前記専有ポイントを増加させずに、前記ポイント付与部により時間の経過に伴って前記ユーザに付与されるまたは各前記ユーザに付与されることが予定されている前記イベントポイントに基づき、前記共有ポイントを増加させるポイント移動手段と、
前記ユーザがゲーム内の所定のイベントをプレイすることの代償として、前記専有ポイントおよび前記共有ポイントの少なくとも一方の前記イベントポイントから、前記イベントに応じた所定のイベントプレイ量を消費するポイント消費手段と、
前記ユーザに関連したユーザ情報が所定の条件を満たしているか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記ポイント消費手段は、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしている場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費し、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしていない場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費せず、
前記ユーザ情報は、前記ユーザによる前記ゲーム装置に対する操作入力により進行した前記ゲームの進行度を含み、
前記所定の条件は、前記ユーザ情報に含まれる前記進行度が所定の基準を満たすことである、ゲーム管理装置。
【請求項5】
前記ポイント移動手段は、前記指定量受信手段が受信した前記ポイント量より少ない値だけ、前記共有ポイントを増加させる、請求項1または3に記載のゲーム管理装置。
【請求項6】
前記ポイント移動手段は、前記ポイント付与手段により時間の経過に伴って前記ユーザに付与される前記イベントポイントより少ない値だけ、前記共有ポイントを増加させる、請求項2または4に記載のゲーム管理装置。
【請求項7】
前記共有ポイント管理手段は、前記ポイント消費手段により前記共有ポイントが消費されない期間が所定の期間に達したときに、前記共有ポイントを所定量減少させる、請求項1〜のいずれか1項に記載のゲーム管理装置。
【請求項8】
複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるゲーム管理装置のコンピュータにより実行されるゲーム管理プログラムであって、
前記コンピュータを、
時間の経過に伴って所定の付与量のイベントポイントを各ユーザに付与するポイント付与手段、
各前記ユーザに関連する前記イベントポイントを専有ポイントとして管理すると共に、前記専有ポイントが所定の上限値に到達するまで、前記ポイント付与手段による前記イベントポイントの付与により前記専有ポイントを増加させる専有ポイント管理手段、
前記複数のユーザが共有するイベントポイントを共有ポイントとして管理する共有ポイント管理手段、
前記ユーザによる前記ゲーム装置に対する操作入力により指定されたポイント量を、前記ゲーム装置から受信する受信手段、
受信した前記ポイント量に基づき、前記専有ポイントを減少させるとともに、前記共有ポイントを増加させるポイント移動手段
前記ユーザがゲーム内の所定のイベントをプレイすることの代償として、前記専有ポイントおよび前記共有ポイントの少なくとも一方の前記イベントポイントから、前記イベントに応じた所定のイベントプレイ量を消費するポイント消費手段、および、
前記ユーザに関連したユーザ情報が所定の条件を満たしているか否かを判定する判定手段、として機能させ
前記ポイント消費手段は、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしている場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費し、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしていない場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費せず、
前記ユーザ情報は、前記ポイント移動手段による前記専有ポイントの減少量を所定の期間において積算した積算値を含み、
前記所定の条件は、前記ユーザ情報に含まれる前記積算値が予め定めた設定値以上であることである、ゲーム管理プログラム。
【請求項9】
複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるゲーム管理装置のコンピュータにより実行されるゲーム管理プログラムであって、
前記コンピュータを、
時間の経過に伴って所定の付与量のイベントポイントを各ユーザに付与するポイント付与手段、
各ユーザに関連する前記イベントポイントを専有ポイントとして管理すると共に、前記専有ポイントが所定の上限値に到達するまで、前記ポイント付与手段による前記イベントポイントの付与により前記専有ポイントを増加させる専有ポイント管理手段、
前記複数のユーザが共有するイベントポイントを共有ポイントとして管理する共有ポイント管理手段、
前記専有ポイントが前記上限値に到達した時点以降に、前記専有ポイントを増加させずに、前記ポイント付与部により時間の経過に伴って前記ユーザに付与されるまたは各前記ユーザに付与されることが予定されている前記イベントポイントに基づき、前記共有ポイントを増加させるポイント移動手段
前記ユーザがゲーム内の所定のイベントをプレイすることの代償として、前記専有ポイントおよび前記共有ポイントの少なくとも一方の前記イベントポイントから、前記イベントに応じた所定のイベントプレイ量を消費するポイント消費手段、および、
前記ユーザに関連したユーザ情報が所定の条件を満たしているか否かを判定する判定手段、として機能させ
前記ポイント消費手段は、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしている場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費し、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしていない場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費せず、
前記ユーザ情報は、前記ポイント移動手段による前記専有ポイントの減少量を所定の期間において積算した積算値を含み、
前記所定の条件は、前記ユーザ情報に含まれる前記積算値が予め定めた設定値以上であることである、ゲーム管理プログラム。
【請求項10】
複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるゲーム管理装置のコンピュータにより実行されるゲーム管理プログラムであって、
前記コンピュータを、
時間の経過に伴って所定の付与量のイベントポイントを各ユーザに付与するポイント付与手段、
各前記ユーザに関連する前記イベントポイントを専有ポイントとして管理すると共に、前記専有ポイントが所定の上限値に到達するまで、前記ポイント付与手段による前記イベントポイントの付与により前記専有ポイントを増加させる専有ポイント管理手段、
前記複数のユーザが共有するイベントポイントを共有ポイントとして管理する共有ポイント管理手段、
前記ユーザによる前記ゲーム装置に対する操作入力により指定されたポイント量を、前記ゲーム装置から受信する受信手段、
受信した前記ポイント量に基づき、前記専有ポイントを減少させるとともに、前記共有ポイントを増加させるポイント移動手段、
前記ユーザがゲーム内の所定のイベントをプレイすることの代償として、前記専有ポイントおよび前記共有ポイントの少なくとも一方の前記イベントポイントから、前記イベントに応じた所定のイベントプレイ量を消費するポイント消費手段、および、
前記ユーザに関連したユーザ情報が所定の条件を満たしているか否かを判定する判定手段、として機能させ、
前記ポイント消費手段は、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしている場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費し、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしていない場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費せず、
前記ユーザ情報は、前記ユーザによる前記ゲーム装置に対する操作入力により進行した前記ゲームの進行度を含み、
前記所定の条件は、前記ユーザ情報に含まれる前記進行度が所定の基準を満たすことである、ゲーム管理プログラム。
【請求項11】
複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるゲーム管理装置のコンピュータにより実行されるゲーム管理プログラムであって、
前記コンピュータを、
時間の経過に伴って所定の付与量のイベントポイントを各ユーザに付与するポイント付与手段、
各ユーザに関連する前記イベントポイントを専有ポイントとして管理すると共に、前記専有ポイントが所定の上限値に到達するまで、前記ポイント付与手段による前記イベントポイントの付与により前記専有ポイントを増加させる専有ポイント管理手段、
前記複数のユーザが共有するイベントポイントを共有ポイントとして管理する共有ポイント管理手段、
前記専有ポイントが前記上限値に到達した時点以降に、前記専有ポイントを増加させずに、前記ポイント付与部により時間の経過に伴って前記ユーザに付与されるまたは各前記ユーザに付与されることが予定されている前記イベントポイントに基づき、前記共有ポイントを増加させるポイント移動手段、
前記ユーザがゲーム内の所定のイベントをプレイすることの代償として、前記専有ポイントおよび前記共有ポイントの少なくとも一方の前記イベントポイントから、前記イベントに応じた所定のイベントプレイ量を消費するポイント消費手段、および、
前記ユーザに関連したユーザ情報が所定の条件を満たしているか否かを判定する判定手段、として機能させ、
前記ポイント消費手段は、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしている場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費し、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしていない場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費せず、
前記ユーザ情報は、前記ユーザによる前記ゲーム装置に対する操作入力により進行した前記ゲームの進行度を含み、
前記所定の条件は、前記ユーザ情報に含まれる前記進行度が所定の基準を満たすことである、ゲーム管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム管理装置およびゲーム管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが所有するスタミナ値などのポイントを消費することで、ユーザがゲーム内のミッションやクエスト等(以下、「ゲーム内イベント」)をプレイすることを可能にするゲームシステムが知られている(例えば特許文献1)。この種のゲームシステムでは、通常、ユーザが所有できるポイントに上限値が定められている。ゲーム内イベントを実行するために消費した分のポイントは、上限値に到達するまでは時間の経過とともに増加する。ゲーム内イベントをプレイするためのポイントが不足しているときは、ユーザは、ポイントの回復を待つことで再度ゲーム内イベントをプレイすることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−23881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲーム内イベントをプレイするためのポイントは、その上限値に到達した時点以降は増加しない。このため、ポイントの増加に寄与しない時間をなくすために、ポイントが上限値に到達する前または到達した後すぐにゲームを再開しようと考えるユーザは多い。しかしながら、仕事やプライベートの用事のためにどうしてもゲームをプレイできない場合には、ポイントの増加に寄与しない時間が長くなることは避けられず、ユーザに無駄な時間が発生しているという不満を抱かせることになる。
【0005】
そこで本発明は、ゲーム内のイベントをプレイするためのポイントであって、時間の経過に伴って増加するポイントを、ユーザに有効に活用させるゲームを実現するゲーム管理装置およびゲーム管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、第1の発明は、複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるゲーム管理装置であって、時間の経過に伴って所定の付与量のイベントポイントを各ユーザに付与するポイント付与手段と、各前記ユーザに関連する前記イベントポイントを専有ポイントとして管理すると共に、前記専有ポイントが所定の上限値に到達するまで、前記ポイント付与手段による前記イベントポイントの付与により前記専有ポイントを増加させる専有ポイント管理手段と、前記複数のユーザが共有するイベントポイントを共有ポイントとして管理する共有ポイント管理手段と、前記ユーザによる前記ゲーム装置に対する操作入力により指定されたポイント量を、前記ゲーム装置から受信する指定量受信手段と、受信した前記ポイント量に基づき、前記専有ポイントを減少させるとともに、前記共有ポイントを増加させるポイント移動手段と、前記ユーザがゲーム内の所定のイベントをプレイすることの代償として、前記専有ポイントおよび前記共有ポイントの少なくとも一方の前記イベントポイントから、前記イベントに応じた所定のイベントプレイ量を消費するポイント消費手段と、を備えるゲーム管理装置である。
【0007】
前記ゲーム管理装置によれば、例えばユーザがゲームをプレイできない事情によりゲームを中断する前に、自己の専有ポイントを、他のユーザが使用可能な共有ポイントに変更できる。従って、ゲーム内イベントをプレイするためのイベントポイントをユーザに有効に活用させることができる。
【0008】
また、第2の発明は、複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるゲーム管理装置であって、時間の経過に伴って所定の付与量のイベントポイントを各ユーザに付与するポイント付与手段と、各ユーザに関連する前記イベントポイントを専有ポイントとして管理すると共に、前記専有ポイントが所定の上限値に到達するまで、前記ポイント付与手段による前記イベントポイントの付与により前記専有ポイントを増加させる専有ポイント管理手段と、前記複数のユーザが共有するイベントポイントを共有ポイントとして管理する共有ポイント管理手段と、前記専有ポイントが前記上限値に到達した時点以降に、前記専有ポイントを増加させずに、前記ポイント付与部により時間の経過に伴って前記ユーザに付与されるまたは各前記ユーザに付与されることが予定されている前記イベントポイントに基づき、前記共有ポイントを増加させるポイント移動手段と、前記ユーザがゲーム内の所定のイベントをプレイすることの代償として、前記専有ポイントおよび前記共有ポイントの少なくとも一方の前記イベントポイントから、所定のイベントプレイ量を消費するポイント消費手段と、を備えるゲーム管理装置である。
【0009】
前記ゲーム管理装置によれば、例えばユーザがゲームを中断している間に専有ポイントが上限値に到達した場合でも、それ以降に付与されるイベントポイントは、他のユーザが使用可能な共有ポイントとして蓄積される。従って、ゲーム内イベントをプレイするためのイベントポイントをユーザに有効に活用させることができる。
【0010】
また、第1の発明において、前記ユーザに関連したユーザ情報が所定の条件を満たしているか否かを判定する判定手段を更に備え、前記ポイント消費手段は、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしている場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費し、前記ユーザ情報が前記所定の条件を満たしていない場合、前記ユーザが前記イベントをプレイすることの代償として前記共有ポイントを消費しなくてもよい。前記ゲーム管理装置によれば、共有ポイントの使用条件をユーザに課すため、共有ポイントの乱用を防ぐことができる。
【0011】
また、第1または第2の発明において、前記ユーザ情報は、前記ポイント移動手段による前記専有ポイントの減少量を所定の期間において積算した積算値を含み、前記所定の条件は、前記ユーザ情報に含まれる前記積算値が予め定めた設定値以上であることであってもよい。これにより、共有ポイントの使用についてのユーザ間の公平性を高めることができる。
【0012】
前記ユーザ情報は、前記ユーザによる前記ゲーム装置に対する操作入力により進行した前記ゲームの進行度を含み、前記所定の条件は、前記ユーザ情報に含まれる前記進行度が所定の基準を満たすことであってもよい。これにより、ユーザにゲームを進行させる動機づけを与えることができる。
【0013】
また、前記ユーザ情報は、前記イベントプレイ量に対する前記専有ポイントの不足分に関する情報であり、前記所定の条件は、前記不足分または前記イベントプレイ量に対する前記不足分の割合が、所定の値以下であることであってもよい。これにより、共有ポイントの消費を抑制することができる。
【0014】
また、第1の発明において、前記ポイント移動手段は、前記指定量受信手段が受信した前記ポイント量より少ない値だけ、前記共有ポイントを増加させてもよい。これにより、専有ポイントを共有ポイントへ変更することに対するペナルティを課すことで、イベントをプレイするための専有ポイントの使用をユーザに促すことができる。
【0015】
また、第2の発明において、前記ポイント移動手段は、前記ポイント付与手段により時間の経過に伴って前記ユーザに付与される前記イベントポイントより少ない値だけ、前記共有ポイントを増加させてもよい。これにより、専有ポイントを共有ポイントへ変更することに対するペナルティを課すことで、イベントをプレイするための専有ポイントの使用をユーザに促すことができる。
【0016】
また、第1または第2の発明において、前記共有ポイント管理手段は、前記ポイント消費手段により前記共有ポイントが消費されない期間が所定の期間に達したときに、前記共有ポイントを所定量減少させてもよい。これにより、共有ポイントを消費しないことに対するペナルティを課すことで、イベントをプレイするための専有ポイントの使用をユーザに促すことができる。
【0017】
また、第3の発明は、複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるゲーム管理装置のコンピュータにより実行されるゲーム管理プログラムであって、前記コンピュータを、時間の経過に伴って所定の付与量のイベントポイントを各ユーザに付与するポイント付与手段、各前記ユーザに関連する前記イベントポイントを専有ポイントとして管理すると共に、前記専有ポイントが所定の上限値に到達するまで、前記ポイント付与手段による前記イベントポイントの付与により前記専有ポイントを増加させる専有ポイント管理手段、前記複数のユーザが共有するイベントポイントを共有ポイントとして管理する共有ポイント管理手段、前記ユーザによる前記ゲーム装置に対する操作入力により指定されたポイント量を、前記ゲーム装置から受信する受信手段、受信した前記ポイント量に基づき、前記専有ポイントを減少させるとともに、前記共有ポイントを増加させるポイント移動手段、および、前記ユーザがゲーム内の所定のイベントをプレイすることの代償として、前記専有ポイントおよび前記共有ポイントの少なくとも一方の前記イベントポイントから、前記イベントに応じた所定のイベントプレイ量を消費するポイント消費手段、として機能させる、ゲーム管理プログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ゲーム内のイベントをプレイするためのポイントであって、時間の経過に伴って増加するポイントを、ユーザに有効に活用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係るゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図2】ゲームへのログインと対戦実行の流れ示すフローチャートである。
図3】スタミナ値移動処理1を示すフローチャートである。
図4】スタミナ値移動処理2の一例を示すフローチャートである。
図5】スタミナ値移動処理3の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係るゲーム管理装置およびゲーム管理プログラムについて、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るゲーム管理装置としてのサーバ装置3を備えるゲームシステム1の構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置2と、複数のゲーム装置2とネットワーク4を介して接続されるサーバ装置3とを備えている。
【0021】
[ゲームの概要]
本実施の形態で説明されるゲームは、複数のユーザによりそれぞれ操作される複数のゲーム装置2が通信ネットワーク4を介して同期し、複数のユーザが1つのパーティを組んで共通のゲームステージにおいて協力してゲームを進行させるマルチプレイが可能なゲームである。本ゲームにおいて、パーティを組んだ複数のユーザが、複数のミッション(本発明の「イベント」に対応)から選択された1つのミッションに参加し、そのミッションの達成を目指す。ミッションが達成されると、例えばそのミッションに参加した全てのユーザに所定の報酬が付与される。
【0022】
各ユーザは、スタミナ値(本発明の「イベントポイント」に対応)を所有しており、各ミッションには、プレイするために必要な値がイベントプレイ量として設定されている。各ユーザは、所有するスタミナ値を消費することでミッションをプレイすることが可能となっている。各ユーザが所有できるスタミナ値には、例えばレベルなど各ユーザのゲーム進行状況に応じた上限値が設定されており、時間の経過に伴って上限値に到達するまで増加する。言い換えれば、あるユーザのスタミナ値が上限値にある間は、そのユーザのスタミナ値は増加しない。
【0023】
本ゲームには、複数のユーザが使用可能な仮想の貯蔵庫(以下、「共有タンク」と称する。)が登場する。共有タンクには、各ユーザが、自己の所有するスタミナ値、あるいは、自己に付与されることが予定されているスタミナ値の一部または全部を格納することができる。共有タンクに格納されたスタミナ値は、複数のユーザにより共有される。
【0024】
[ゲーム装置のハードウェア構成]
図1を参照して、ゲーム装置2のハードウェア構成について説明する。ゲーム装置2は、ユーザによる操作入力に応じてゲームを進行させるコンピュータである。ゲーム装置2は、例えば、多機能携帯電話(スマートフォン)などの携帯端末装置である。
【0025】
ゲーム装置2は、制御部20を備える。制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含み、ゲーム装置2の動作を制御する。制御部20には、バス20aを介して、タッチスクリーン21、記憶部22、音響出力部23、および通信I/F部24が、それぞれ接続されている。
【0026】
タッチスクリーン21は、ユーザによるゲームを行うための操作を受け付けるとともに、ゲーム画像を表示する。すなわち、タッチスクリーン21は、ユーザの操作に対応した操作情報を制御部20に入力する入力装置として機能するとともに、制御部20の制御に従ってゲームの画像などを表示する表示装置としても機能する。
【0027】
記憶部22は、例えば、大容量記録媒体であるHDD(Hard Disk Drive)、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAM(Random Access Memory)で構成される。記憶部22には、通信ネットワーク4などを介して外部からダウンロードしたゲームプログラムおよびゲームデータが記憶されている。
【0028】
音響出力部23は、制御部20の制御に従って、ゲームの進行に応じたゲーム音声を出力する装置である。
【0029】
通信I/F部24は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワーク4に対してゲーム装置2を接続するインタフェースである。ゲーム装置2は、通信I/F部24を介して、他のゲーム装置2との間で、およびサーバ装置3との間で、データの送受信を行う。
【0030】
[サーバ装置のハードウェア構成]
次に、サーバ装置3のハードウェア構成について説明する。
【0031】
サーバ装置3は、各ゲーム装置2(アカウント)のゲームデータを管理する。また、各ゲーム装置2と所定のタイミングで相互に通信し、各ゲーム装置2にてユーザがプレイするゲームを進行させる。
【0032】
サーバ装置3は、制御部30を備える。制御部30は、例えばCPUを含み、サーバ装置3の動作を制御する。制御部30には、バス30aを介して記憶部31および通信I/F部32が、それぞれ接続されている。
【0033】
記憶部31は、例えば、大容量記録媒体であるHDD、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAMで構成される。記憶部31には、制御部30の制御に必要なゲームプログラムおよびゲームデータが記憶されている。本実施形態では、記憶部31には、ゲームデータとして、専有スタミナ値情報33、共有スタミナ値情報34および共有登録ユーザ情報35を含む。
【0034】
通信I/F部32は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワーク4に対してサーバ装置3を接続するインタフェースである。サーバ装置3は、通信I/F部32を介して、ゲーム装置2との間で、データの送受信を行う。
【0035】
[ゲーム装置の機能的構成]
図1には、ゲーム装置2の制御部20の機能的構成が示される。ゲーム装置2の制御部20は、記憶部22に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、ログイン要求手段41、表示制御手段42、移動設定手段43、およびミッション実行手段44として機能する。
【0036】
ログイン要求手段41は、ユーザによるタッチスクリーン21に対する操作に応じて、サーバ装置3へログイン要求を送信する。ログイン要求手段41について詳細は、後述するログイン管理手段51とともに説明する。
【0037】
表示制御手段42は、タッチスクリーン21に表示されるゲーム画面を制御する。例えば、表示制御手段42は、ユーザによるタッチスクリーン21に対する操作やゲームの進行状況に応じて、タッチスクリーン21に表示されるゲーム画像を切り替える。
【0038】
移動設定手段43は、ゲーム装置2に対するユーザの操作入力に基づいて、そのユーザが所有するスタミナ値を共有タンクへ移動させる設定に関連する処理を行う。
【0039】
ミッション実行手段44は、ゲーム装置2に対するユーザの操作入力に基づいて、すなわちユーザによるタッチスクリーン21に対する操作に基づいて、ゲーム内に設定されたミッションを実行する。また、ミッション実行手段44は、ゲーム装置2に対するユーザの操作入力に基づいて、後述するミッション実行要求やミッション実行情報をサーバ装置3へ送ったり、ミッションを協力してプレイする他ユーザの情報を受信したりする。
【0040】
[サーバ装置の機能的構成]
また、図1には、サーバ装置3の制御部30の機能的構成が示される。サーバ装置3の制御部30は、記憶部31に記憶されたゲーム管理プログラム(本発明の「ゲーム管理プログラム」に対応)を実行することにより、ログイン管理手段51、スタミナ値付与手段52(本発明の「ポイント付与手段」に対応)、専有スタミナ値管理手段53(本発明の「専有ポイント管理手段」に対応)、ミッション実行手段54、スタミナ値消費手段55(本発明の「ポイント消費手段」に対応)、共有スタミナ値管理手段56(本発明の「共有ポイント管理手段」に対応)、判定手段57、指定量受信手段58、カウント手段59およびスタミナ値移動手段60(本発明の「ポイント移動手段」に対応)として機能する。
【0041】
ログイン管理手段51は、各ユーザのログイン情報を管理する。ログイン情報は、各ユーザについて、ゲームへのログイン状態(言い換えれば、各ユーザがゲームをプレイできるよう各ゲーム装置2がサーバ装置3と通信した状態)にあるか否かを示す情報である。
【0042】
スタミナ値付与手段52は、時間の経過に伴って所定の付与量のスタミナ値を各ユーザに付与する。スタミナ値付与手段52による単位時間あたりのスタミナ値の付与量は、予め設定されている。
【0043】
専有スタミナ値管理手段53は、各ユーザに関連するスタミナ値を専有スタミナ値(本発明の「専有ポイント」に対応)として管理する。本実施形態では、専有スタミナ値管理手段53は、各ユーザが所有するまたは各ユーザに付与されることが予定されているスタミナ値を専有スタミナ値として管理する。各ユーザの専有スタミナ値に関する情報は、専有スタミナ値情報33として記憶部31に記憶されている。各ユーザの専有スタミナ値には、所定の上限値が設定されている。専有スタミナ値管理手段53は、専有スタミナ値が所定の上限値に到達するまで、スタミナ値付与手段52によるスタミナ値の付与により専有スタミナ値を増加させる。このため、専有スタミナ値情報33は、時間の経過に伴って更新され続ける。
【0044】
なお、スタミナ値付与手段52は、各ユーザがゲームにログインしているか否かに関わらず、時間の経過に伴って各ユーザにスタミナ値を付与する。このため、基本的には、ユーザがゲームにログインしていない間も、そのユーザのスタミナ値は、上限値に到達するまで増加する。
【0045】
ミッション実行手段54は、ゲーム装置2に対するユーザの操作入力に基づいて、ゲーム内に設定されたミッションを実行する。具体的には、ミッション実行手段54は、各ゲーム装置2のミッション実行手段44から送られたミッション実行要求に応じて、マッチング処理を行ったり、ミッションの進行に必要な情報を各ゲーム装置2に送ったりする。
【0046】
スタミナ値消費手段55は、ユーザがゲーム内の所定のイベントであるミッションをプレイすることの代償として、ユーザが所有する専有スタミナ値から、ミッションに応じた所定のイベントプレイ量のスタミナ値を消費する。本ゲームでは、ミッションごとに、実行するために必要なイベントプレイ量が設定されている。イベントプレイ量は、実行されるミッションに応じて異なる。
【0047】
本実施形態における、ユーザがゲームへログインしミッションを実行する際のゲーム装置2およびサーバ装置3の処理の流れを、図2を参照して説明する。
【0048】
ユーザによるゲーム装置2に対する操作により、所定のゲームプログラムが実行されると、ログイン要求手段41は、ゲーム装置2からサーバ装置3にログイン要求を送信する(ステップS1)。ログイン要求には、ゲーム装置2に付与されたアカウント情報などが含まれる。サーバ装置3のログイン管理手段51は、送信されたアカウント情報に基づいて所定の認証を行いゲームへのログインを許可する。そして、ログイン管理手段51は、ゲーム装置2にゲーム進行に必要な情報を送信する(ステップS2)。
【0049】
ステップS2でゲーム装置2に送られる情報には、例えばユーザアカウントなどのユーザ識別情報に紐づけられた、ユーザごとのゲーム進行状況などを示すセーブデータなどが含まれる。また、ステップS2でゲーム装置2に送られる情報には、専有スタミナ値情報33が含まれる。なお、専有スタミナ値情報33は、ユーザがゲームにログインしている間、ステップS2のタイミングだけでなく、時間の経過に伴って更新されるたびにサーバ装置3からゲーム装置2へ送られる。
【0050】
ステップS2の後、すなわちゲームへのログインが完了すると、ゲーム装置2側のミッション実行手段44は、ゲーム装置2に対するユーザの操作入力に基づいて、ミッション実行要求をサーバ装置3に送る(ステップS3)。
【0051】
具体的には、本ゲームにおいて、ユーザは複数のミッションの中から1のミッションを選択可能である。また、本ゲームにおいて、ユーザは、選択したミッションをプレイするゲームモードとして、一人用のゲームモードであるシングルプレイモードと、他のユーザと協力してプレイするゲームモードであるマルチプレイモードのいずれかを選択可能である。ゲーム装置2に対してユーザがミッションの選択およびゲームモードの選択を行うと、ゲーム装置2側のミッション実行手段44は、選択したミッションを選択したゲームモードで実行するためのミッション実行要求をサーバ装置3に送る。サーバ装置3には、本ゲームへログイン中の他のユーザのゲーム装置2からもミッション実行要求が送られている。
【0052】
マルチプレイモードが選択された場合、サーバ装置3側のミッション実行手段54は、同時期にミッション実行要求を送っているユーザ(ゲーム装置2)同士をマッチングする周知のマッチング処理を行う(ステップS4)。マッチング処理の一例について説明すると、ミッション実行手段54は、1のユーザのゲーム装置2から、ミッション実行要求としてセッション作成要求を受信することにより、サーバ装置3にセッションを形成する。そして、ミッション実行手段54は、形成したセッションに対して、ミッション実行要求としての参加要求を他のユーザのゲーム装置2から受信することにより、セッション作成要求を送ったユーザ(ホストユーザ)とそれに参加要求を送ったユーザ(ゲストユーザ)とをマッチングする。
【0053】
マッチングが完了すると、各ゲーム装置2では、ミッション実行手段44が、マッチングされたゲーム装置2同士で同期したミッションを実行する(ステップS5)。ミッションの実行が開始されると、ゲーム装置2からサーバ装置3へ、ミッションを実行したことを示すミッション実行情報が送られる。サーバ装置3では、ミッション実行情報を受信すると、スタミナ値消費手段55は、各ユーザが所有するスタミナ値である専有スタミナ値から、ミッションに応じた所定のイベントプレイ量のスタミナ値を消費する。
【0054】
本ゲームでは、スタミナ値消費手段55は、パーティを組んだ複数のユーザの各々の専有スタミナ値を、そのミッションのイベントプレイ量を人数で割った値だけ消費する。ただし、スタミナ値消費手段55は、パーティを組んだ複数のユーザのうちの一部のユーザ(例えばセッションを形成したホストユーザ)の専有スタミナ値のみ、そのミッションのイベントプレイ量だけ消費し、残りのユーザ(例えばセッションに参加したゲストユーザ)の専有スタミナ値については全く消費しなくてもよい。
【0055】
シングルプレイモードが選択された場合、ステップS4のマッチング処理は実行されず、ミッション実行手段44は、ミッション実行要求をサーバ装置3に送るとすぐに、ミッションの実行を開始する。この場合、スタミナ値消費手段55は、ゲーム装置2からミッション実行要求を受信したときに、そのユーザの専有スタミナ値から、そのミッションのイベントプレイ量を消費する。
【0056】
ステップS3〜S6を繰り返すことで、ユーザは様々なミッションをプレイできる。ユーザがゲーム装置2においてゲームを終了する操作を行うことで、ログアウト処理が実行され、ゲーム装置2とサーバ装置3との通信は切断される(ステップS7)。
【0057】
また、本ゲームでは、スタミナ値消費手段55は、ユーザがゲーム内のミッションをプレイすることの代償として、専有スタミナ値の他、共有スタミナ値管理手段56が管理する共有スタミナ値からイベントプレイ量を消費することも可能となっている。
【0058】
図1に示す共有スタミナ値管理手段56は、上述した共有タンクに貯蔵されたスタミナ値、つまり、複数のユーザが共有するスタミナ値を、共有スタミナ値(本発明の「共有ポイント」に対応)として管理する。本ゲームでは、共有スタミナ値は、ユーザに自由に使用可能なものではなく、使用するための所定の条件が設定されている。
【0059】
具体的には、図1に示す判定手段57が、ユーザに関連したユーザ情報が所定の条件を満たしているか否かを判定し、スタミナ値消費手段55は、判定手段57によりユーザ情報が所定の条件を満たしていると判定された場合に、ユーザがイベントをプレイすることの代償として共有スタミナ値を消費する。また、スタミナ値消費手段55は、判定手段57によりユーザ情報が所定の条件を満たしていると判定されなかった場合、共有スタミナ値を消費しない、つまり、そのユーザの共有スタミナ値の消費を禁止する。
【0060】
ここで、判定手段57により条件を満たしているか否かを判定される対象となっているユーザ情報は、特に限定されるものではなく、条件に応じて適宜設定され得る。
【0061】
例えばユーザ情報は、後述するスタミナ値移動手段60によるユーザが所有する専有スタミナ値の減少量を所定の期間において積算した積算値を含んでもよい。この場合、所定の条件は、積算値が予め定めた設定値以上であるというものでもよい。つまり、判定手段57は、ユーザごとに、そのユーザが自己の専有スタミナ値を共有タンクに格納した量の積算値が所定の期間において設定値以上であるか否かを判定してもよい。
【0062】
また、例えばユーザ情報は、ユーザによるゲーム装置2に対する操作入力により進行したゲームの進行度を含んでもよい。この場合、所定の条件は、ユーザ情報に含まれる進行度が所定の基準を満たすことであってもよい。例えば、判定手段57は、ユーザごとに、ゲーム内の所定のミッションをユーザがクリアしたか否かを判定してもよい。
【0063】
また、判定手段57は、ユーザ情報が所定の条件を満たしているか否かを、ミッションが実行される前に判定してもよい。この場合、例えばユーザ情報は、ミッションごとのイベントプレイ量に対する、ユーザが所有する専有スタミナ値の不足分に関する情報であってもよい。この場合、所定の条件は、イベントプレイ量に対する不足分の値、またはイベントプレイ量に対する不足分の値の割合が、所定の値以下であることであってもよい。つまり、スタミナ値消費手段55は、イベントプレイ量に対するユーザが所有する専有スタミナ値の不足分が少量である場合に、ユーザに対しミッションの実行を許可してもよい。
【0064】
また、例えばユーザ情報は、ゲームに関連してゲームの運営者に支払った金額に関する金額情報を含んでもよい。この場合、所定の条件は、金額情報が示すユーザによる課金額が一定の金額以上であることであってもよい。
【0065】
判定手段57により判定される条件は、上に例示したものの一部でもよいし、それらの組合せでもよい。また、判定手段57により条件を満たしているか否かを判定される対象は、ユーザ情報に関連しなくてもよい。
【0066】
指定量受信手段58は、ユーザによるゲーム装置2に対する操作入力により指定されたスタミナ値量を、ゲーム装置2から受信する。指定量受信手段58は、後述するスタミナ値移動処理1に関連する。
【0067】
カウント手段59は、専用スタミナ値が上限値に到達した時点以降に時間の経過に伴ってスタミナ値付与手段52によりユーザに付与されるスタミナ値をカウントする。本実施形態において、カウント手段59は、スタミナ値が上限値に到達した時点以降であって、且つユーザのゲーム装置2にてユーザがゲームを中断している間(ユーザがゲームにログインしていない間)に付与されるスタミナ値をカウントする。カウント手段59は、後述するスタミナ値移動処理3に関連する。
【0068】
スタミナ値移動手段60は、ユーザが所有するまたはユーザに付与されることが予定されている専有スタミナ値の一部または全部を、共有スタミナ値として保管可能に共有タンクに移動する。具体的には、スタミナ値移動手段60は、ユーザが所有する専有スタミナ値を減少させるように専有スタミナ値情報33を更新するとともに、共有スタミナ値を増加させるよう共有スタミナ値情報34を更新する。
【0069】
本実施形態では、ユーザの選択に応じて、サーバ装置3の機能部51〜60およびゲーム装置2の機能部41〜44により、2つのスタミナ値移動処理1およびスタミナ値移動処理2が実行可能である。スタミナ値移動処理1およびスタミナ値移動処理2の流れについて、図3および4を参照しながら説明する。
【0070】
[スタミナ値移動処理1]
まず、スタミナ値移動処理1について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態のスタミナ値移動処理1の一例を示すフローチャートである。スタミナ値移動処理1では、ユーザの手動操作により、ユーザが所有する専有スタミナ値の一部または全部が、共有タンクに移動する。
【0071】
具体的には、ゲーム装置2に対するユーザの操作入力により、そのゲーム装置2のタッチスクリーン21に、スタミナ値移動設定画面が表示される(ステップS11)。スタミナ値移動設定画面では、そのユーザが所有する専有スタミナ値のうちのどれくらいの量のスタミナ値を、共有タンクへ移動させるかを指定可能となっている。
【0072】
ゲーム装置2に対するユーザの操作入力により、移動設定手段43は、指定スタミナ量を設定する(ステップS12)。指定スタミナ量が設定された後、移動設定手段43は、ゲーム装置2に対するユーザの操作入力により、ゲーム装置2からサーバ装置3へスタミナ値移動要求を送る(ステップS13)。スタミナ値移動要求には、設定された指定スタミナ量を示す情報が含まれる。
【0073】
サーバ装置3では、指定量受信手段58が、指定スタミナ量を含むスタミナ値移動要求を、ゲーム装置2から受信する。スタミナ値移動手段60は、指定量受信手段58が受信した指定スタミナ量に基づき、ユーザが所有する専有スタミナ値を指定スタミナ量だけ減少させるとともに、共有スタミナ値を指定スタミナ量だけ増加させる。
【0074】
[スタミナ値移動処理2]
次に、スタミナ値移動処理2について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態のスタミナ値移動処理2を示すフローチャートである。スタミナ値移動処理2では、ユーザの専用スタミナ値が上限値に到達した時点以降、自動的に、時間の経過に伴ってユーザに付与されるスタミナ値が共有タンクに移動する。
【0075】
スタミナ値移動処理2では、まずユーザによる自動移動登録により開始される。自動移動登録は、専用スタミナ値が上限値に到達した時点以降に付与されるスタミナ値を共有タンクに移動させることをユーザが承認する手続きである。具体的には、移動設定手段43が、ゲーム装置2に対するユーザの操作入力により、ゲーム装置2からサーバ装置3へ自動移動登録要求を送る(ステップS21)。自動移動登録要求は、ユーザ識別情報などを含む。
【0076】
サーバ装置3では、自動移動登録要求を受信すると、共有スタミナ値管理手段56が、自動移動登録要求を送信したゲーム装置2のユーザを、共有登録ユーザとして登録する(ステップS22)。つまり、自動移動登録要求を送信したユーザの情報が、共有登録ユーザ情報35として記憶部31に記憶される。
【0077】
その後、スタミナ値移動手段60は、共有登録ユーザの専有スタミナ値が上限値に到達したか否かを監視する(ステップS23)。
【0078】
共有登録ユーザのスタミナ値が上限値に到達した場合(ステップS23:YES)、スタミナ値移動手段60は、共有登録ユーザの上限値を超えた分のスタミナ値を、共有登録ユーザの専有スタミナ値には加算せずに、共有タンクの共有スタミナ値に加算する。すなわち、スタミナ値移動手段60は、専有スタミナ値が上限値に到達した時点以降に、専有スタミナ値を増加させずに、スタミナ値付与部52により時間の経過に伴ってユーザに付与されるスタミナ値に基づき、共有スタミナ値を増加させる(ステップS24)。つまり、スタミナ値移動手段60は、スタミナ値が上限値に到達した時点以降に時間の経過に伴って共有登録ユーザに付与されるスタミナ値(つまり、共有登録ユーザの上限値を超えた分のスタミナ値。以下、「スタミナ溢れ分」ともいう。)を、共有タンクの共有スタミナ値に加算する。
【0079】
共有登録ユーザのスタミナ値が上限値に到達していない、または共有登録ユーザのスタミナ値が消費され上限値でなくなった場合(ステップS23:NO)、スタミナ値移動手段60は、スタミナ値を譲渡しない。
【0080】
共有登録ユーザのゲーム装置2からサーバ装置3に移動解除指示が送られない限り(ステップS25:NO)、スタミナ値移動手段60は、ステップS23,24を繰り返す。このように、ユーザが自動移動登録されている間は、共有登録ユーザのスタミナ溢れ分が、自動的に、共有タンクに移動する。
【0081】
ゲーム装置2に対する共有登録ユーザの操作入力により、共有登録ユーザのゲーム装置2からサーバ装置3に移動解除指示が送られた場合(ステップS25:YES)、共有スタミナ値管理手段56が、共有登録ユーザ情報35からそのユーザの情報を削除し、自動移動登録を解除する。それ以降、スタミナ値移動手段60は、共有タンクへのスタミナ値の自動移動を実行しない。
【0082】
[スタミナ値移動処理3]
次に、前述のスタミナ値移動処理2に代替され得るスタミナ値移動処理3について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態のスタミナ値移動処理3を示すフローチャートである。
【0083】
スタミナ値移動処理3では、ユーザがゲームへログインしていない間にユーザに付与されて上限値から溢れるスタミナ溢れ分が、ユーザがログインした際にユーザの手動操作により、共有タンクに移動する。
【0084】
具体的には、ユーザがゲームからログアウトすると(ステップS31)、カウント手段59は、ユーザが所有するスタミナ値が上限値に到達したか否かを監視する(ステップS32)。カウント手段59は、ユーザが所有する専有スタミナ値が上限値に到達すると(ステップS32:YES)、その時点以降に時間の経過に伴ってユーザに付与されるスタミナ値をカウントする(ステップS33)。
【0085】
ユーザが再びゲームへログインすると、言い換えれば、ログイン要求手段41が、ゲーム装置2からサーバ装置3にログイン要求を送信すると(ステップS34)、カウント手段59は、カウントしたスタミナ値、すなわち、ユーザがゲームへログインしていない間にそのユーザに付与されて上限値から溢れるスタミナ溢れ分をゲーム装置2へ通知する(ステップS35)。
【0086】
ゲーム装置2では、ステップS35の通知を受信すると、タッチスクリーン21に、未ログイン中に生じたスタミナ溢れ分を共有タンクに移動させるか否かをユーザに確認する移動確認画面が表示される。ゲーム装置2おいて、スタミナ溢れ分を共有タンクに移動させる意思を示す操作が行われると(ステップS36:YES)、タッチスクリーン21に、移動設定手段43は、スタミナ移動要求をサーバ装置3へ送信する(ステップS37)。
【0087】
サーバ装置3では、スタミナ移動要求を受信すると、スタミナ値移動手段60は、未ログイン中に生じたスタミナ溢れ分(カウント手段59がカウントしたスタミナ値)を、ユーザが所有する専有スタミナ値には加算せずに、共有タンクの共有スタミナ値に加算する。
【0088】
こうして、未ログイン中に生じたユーザのスタミナ溢れ分について、ユーザの手動操作による共有タンクへの移動が完了する。
【0089】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲーム管理装置としてのサーバ装置3は、複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置2とネットワーク4を介して接続されるサーバ装置3(ゲーム管理装置)であって、時間の経過に伴って所定の付与量のスタミナ値(イベントスタミナ値)を各ユーザに付与するスタミナ値付与手段52(ポイント付与手段)と、各前記ユーザが所有する前記スタミナ値を専有スタミナ値として管理すると共に、前記専有スタミナ値が所定の上限値に到達するまで、前記スタミナ値付与手段による前記スタミナ値の付与により前記専有スタミナ値を増加させる専有スタミナ値管理手段53(専有ポイント管理手段)と、前記複数のユーザが共有するスタミナ値を共有スタミナ値として管理する共有スタミナ値管理手段56(共有ポイント管理手段)と、前記ユーザによる前記ゲーム装置2に対する操作入力により指定されたスタミナ値量を、前記ゲーム装置2から受信する指定量受信手段58と、受信した前記スタミナ値量に基づき、前記ユーザが所有する前記専有スタミナ値を減少させるとともに、前記共有スタミナ値を増加させるスタミナ値移動手段60(ポイント移動手段)と、前記ユーザがゲーム内の所定のイベントをプレイすることの代償として、前記専有スタミナ値および前記共有スタミナ値の少なくとも一方の前記スタミナ値から、前記イベントに応じた所定のイベントプレイ量を消費するスタミナ値消費手段55(ポイント消費手段)と、を備えるゲーム管理装置である。
【0090】
本実施形態によれば、例えばユーザがゲームをプレイできない事情によりゲームを中断する前に、自己が所有する専有スタミナ値を、他のユーザが使用可能な共有スタミナ値に変更できる。従って、ゲーム内ミッションをプレイするためのスタミナ値をユーザに有効に活用させることができる。
【0091】
また、本実施形態では、スタミナ値移動手段60(ポイント移動手段)が、前記専有ポイントが前記上限値に到達した時点以降に、前記専有ポイントを増加させずに、前記共有ポイントを増加させるポイント移動手段と、前記専有スタミナ値が前記上限値に到達した時点以降に、前記専有スタミナ値を増加させずに、前記スタミナ値付与部により時間の経過に伴って前記ユーザに付与されるまたは各前記ユーザに付与されることが予定されている前記スタミナ値に基づき、前記共有スタミナ値を増加させる。このため、例えばユーザがゲームを中断している間に専有ポイントが上限値に到達した場合でも、それ以降に付与されるスタミナ値は、他のユーザが使用可能な共有スタミナ値として蓄積される。従って、ゲーム内ミッションをプレイするためのスタミナ値をユーザに有効に活用させることができる。
【0092】
<その他の実施形態>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0093】
例えば、上記実施形態で説明した制御手段および処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0094】
また、上記実施形態では、ゲーム装置2として携帯端末装置を用いた例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、ゲーム装置2として、ゲームセンターなどに提供されるアーケードゲーム筐体を用いて本発明を実現することもできる。また、ゲーム装置2として、家庭用のゲーム装置を用いて本発明を実現することもできる。
【0095】
また、ゲーム装置2はタッチスクリーン21を備えなくてもよい。例えば、ゲーム装置2におけるユーザの操作入力を受け付ける入力部は、ボタン等の操作子が設けられたコントローラなどであってもよいし、また、ゲーム装置2におけるゲーム画面が表示される表示装置は、単体の液晶ディスプレイであってもよい。
【0096】
上記実施形態では、スタミナ値の譲渡タイミングなどが異なるスタミナ値移動処理1,2,3が説明されたが、本発明において、イベントポイントの移動は、上記実施形態で説明されたものに限定されない。例えば、スタミナ値移動処理1,2,3の各処理において、一部の処理が削除されてもよいし、スタミナ値移動処理1,2,3の他の一部の処理に置き換えられてもよい。
【0097】
例えば、スタミナ値移動処理2において、ステップS23〜S24は、自動移動登録した共有ユーザがゲームへログインしていない間にだけ実行されてもよい。
【0098】
また、例えば、スタミナ値移動処理2,3において、ユーザから共有タンクへ移動可能なユーザのスタミナ溢れ分は、一定の値に制限されてもよい。
【0099】
また、例えば、カウント手段59は、ユーザがゲームにログインしているか否かに関わらず、ユーザのスタミナ溢れ分を一定の値までカウントできてもよい。
【0100】
また、共有タンクに対して上限値が設定されてもよく、共有タンクの共有スタミナ値が上限値に到達している場合には、その共有タンクとは別の共有タンクに、ユーザの専有スタミナ値が移動されてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、スタミナ値付与手段52は、各ユーザがゲームにログインしているか否かに関わらず、時間の経過に伴って各ユーザにスタミナ値を付与したが、本発明はこれに限定されない。例えば、スタミナ値付与手段52は、ゲームにログインしていないユーザに対して、ユーザがゲームにログインしていない間スタミナ値を付与しなくてもよい。この場合、スタミナ値付与手段52は、ユーザがログインしたときに前回のログアウト時のスタミナ値と、ユーザがゲームにログインしていない間の経過時間とに基づいて、今回ログインしたときのスタミナ値を決定してもよい。
【0102】
また、ユーザがゲームにログインしていない間、ユーザのスタミナ値が増加しない場合、ユーザが次回ログインしたときに付与される予定のスタミナ値の一部または全部が共有タンクに移動されてもよい。例えば、スタミナ値移動手段60は、次回ログイン時にユーザが所有する予定のスタミナ値について、上限値に到達したか否かを監視してもよい。この場合、スタミナ値移動手段60は、次回ログイン時にユーザが所有する予定のスタミナ値を、ユーザの前回のログアウト時のスタミナ値と、ログアウト時からの経過時間と、スタミナ値付与手段52が単位時間あたりにユーザに付与するスタミナ値の付与量とに基づき算出する。
【0103】
また、スタミナ値移動手段60が専有スタミナ値の一部または全部を共有タンクへ移動させる際に、移動するスタミナ値にロスが発生してもよい。例えば、スタミナ値移動処理1において、スタミナ値移動手段60は、指定量受信手段58が受信したスタミナ値より少ない値だけ、共有スタミナ値を増加させてもよい。また、スタミナ値移動処理2において、スタミナ値移動手段60は、スタミナ値付与手段52により時間の経過に伴ってユーザに付与されるスタミナ値より少ない値だけ、共有スタミナ値を増加させてもよい。
【0104】
また、共有スタミナ値管理手段56は、スタミナ値消費手段55により共有スタミナ値が消費されない期間が所定の期間に達したときに、共有スタミナ値を所定量減少させる。
【0105】
また、共有スタミナ値を共有する複数のユーザは、ゲームをプレイする全ユーザ(ゲームをプレイするためにID登録した全ユーザ)であってもよいし、所定の条件を満たすグループに属する複数のユーザであってもよい。例えば、仮想の共有タンクは、ユーザが居住する地域ごとに存在してもよいし、ギルドなど複数のユーザが一緒につくったグループごとに存在してもよい。
【0106】
判定手段57が、ユーザに関連したユーザ情報が所定の条件を満たしているか否かを判定したが、判定手段57は、共有スタミナ値の使用条件として別の条件を判定してもよい。例えば、共有スタミナ値管理手段56が、予め定めたタイミングで(例えば、週末、月末、共有スタミナ値が所定の値に到達したタイミング、など)、全ユーザの中から1または複数のユーザを抽選する抽選イベントを実施してもよく、ユーザ情報に、抽選イベントで抽選された情報を含んでもよい。判定手段57は、抽選イベントで抽選されたか否かを判定してもよい。また、例えば、共有スタミナ値管理手段56が、予め定めたタイミングで、ユーザ同士で対戦する対戦イベントを実施してもよく、ユーザ情報に、対戦イベントにおける勝敗情報を含んでもよい。判定手段57は、対戦イベントにおける勝敗情報が所定の条件を満たしているか否かを判定してもよい。
【0107】
また、上記実施形態では、ゲーム内イベントの例として、ミッションが説明されたが、イベントはこれに限定されず、例えばイベントは、コンピュータゲームの中に含まれる短いゲーム、いわゆるミニゲームでもよい。すなわち、上記実施形態における「ミッション」は、「イベント」に読み替え可能である。また、上記実施形態では、イベントポイントの例として、スタミナ値が説明されたが、イベントポイントは、これに限定されない。イベントポイントは、時間の経過に伴って上限値に到達するまで増加し、イベントをプレイすることの代償として消費されるものであればよい。上記実施形態における「スタミナ値」は、「イベントポイント」および「ポイント」に読み替え可能である。
【0108】
イベントポイントは、ポイント付与手段が時間の経過に伴ってユーザに付与することにより増加するだけでなく、別の方法で増加してもよい。例えば、上限値到達後に時間の経過に伴って付与されるイベントポイントだけでなく、ゲーム内の所定のレベルがアップした場合やイベントポイントを有償で獲得した場合に、所有するスタミナ値が増加してもよい。本発明において、「専有ポイントが所定の上限値に到達する」ことには、専有ポイントが時間の経過以外の方法で上限値に到達することが含まれてもよい。また、時間の経過以外の方法で専有ポイントが増加する場合、ユーザは、時間の経過に伴うスタミナ増加の上限値を超えて専有ポイントを所有できてもよい。
【0109】
また、本発明が適用されるゲームの種類は、特に制限されない。例えば本発明は、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。すなわち、ユーザが所有するスタミナ値などのイベントポイントを消費することで、ユーザがゲーム内のミッションやクエスト等のゲーム内イベントをプレイすることを可能にするゲームであれば本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 :ゲームシステム
2 :ゲーム装置
3 :サーバ装置(ゲーム管理装置)
30 :制御部
31 :記憶部
41 :ログイン要求手段
42 :表示制御手段
43 :移動設定手段
44 :ミッション実行手段
51 :ログイン管理手段
52 :スタミナ値付与手段(ポイント付与手段)
53 :専有スタミナ値管理手段(専有ポイント管理手段)
54 :ミッション実行手段
55 :スタミナ値消費手段(ポイント消費手段)
56 :共有スタミナ値管理手段(共有ポイント管理手段)
57 :判定手段
58 :指定量受信手段
59 :カウント手段
60 :スタミナ値移動手段(ポイント移動手段)
図1
図2
図3
図4
図5