特許第6959560号(P6959560)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社OSKの特許一覧

特許6959560情報処理装置,情報処理方法及び情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959560
(24)【登録日】2021年10月12日
(45)【発行日】2021年11月2日
(54)【発明の名称】情報処理装置,情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/12 20200101AFI20211021BHJP
   G06F 3/038 20130101ALI20211021BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20211021BHJP
【FI】
   G06F30/12
   G06F3/038 350
   G06F3/0481 120
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-219689(P2020-219689)
(22)【出願日】2020年12月28日
(62)【分割の表示】特願2020-75061(P2020-75061)の分割
【原出願日】2020年4月20日
(65)【公開番号】特開2021-174521(P2021-174521A)
(43)【公開日】2021年11月1日
【審査請求日】2021年4月19日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年4月20日に自社ウェブサイトにて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596166623
【氏名又は名称】株式会社OSK
(72)【発明者】
【氏名】当麻 秀樹
【審査官】 堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−068569(JP,A)
【文献】 特開平04−364583(JP,A)
【文献】 特開平05−143683(JP,A)
【文献】 特開昭61−131171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00−30/398
G06F 3/0481
G06F 3/038
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の領域で一定の範囲を占める指示要素がユーザの移動操作により変位し単数又は複数の点状又は線状の描画要素に対する重畳が開始した場合に該描画要素に関連する関連数値を特定する特定手段と、
特定された前記関連数値を前記指示要素が重畳している前記描画要素に関連付けて提示する提示手段と、
前記指示要素が新たな前記移動操作により変位し前記描画要素に対する前記重畳が終了した場合に該描画要素に関連付けて提示されている前記関連数値を消去する消去手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記特定手段が、前記指示要素が変位して1つの前記描画要素に対する前記重畳が開始した場合に該描画要素に特有の第1数値を前記関連数値として特定し、
前記提示手段が、特定された前記第1数値を前記指示要素が重畳している前記描画要素に関連付けて提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定手段が、前記指示要素が変位して2つの前記描画要素に対する前記重畳が同時期に開始した場合に2つの該描画要素に関係する第2数値を前記関連数値として特定し、
前記提示手段が、特定された前記第2数値を前記指示要素が重畳している2つの前記描画要素の双方に関連付けて提示する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提示手段が、前記関連数値を前記指示要素に重ならない位置に提示する、
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記関連数値の表示が開始したら前記指示要素の透過度が上がり該表示が終了したら該透過度が戻るように制御する制御手段をさらに備える、
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
所定の領域で一定の範囲を占める指示要素がユーザの移動操作により変位し単数又は複数の点状又は線状の描画要素に対する重畳が開始した場合に該描画要素に関連する関連数値を特定する特定処理と、
特定された前記関連数値を前記指示要素が重畳している前記描画要素に関連付けて提示する提示処理と、
前記指示要素が新たな前記移動操作により変位し前記描画要素に対する前記重畳が終了した場合に該描画要素に関連付けて提示されている前記関連数値を消去する消去処理と、
を単数又は複数のコンピュータが実行する、情報処理方法。
【請求項7】
所定の領域で一定の範囲を占める指示要素がユーザの移動操作により変位し単数又は複数の点状又は線状の描画要素に対する重畳が開始した場合に該描画要素に関連する関連数値を特定する特定処理と、
特定された前記関連数値を前記指示要素が重畳している前記描画要素に関連付けて提示する提示処理と、
前記指示要素が新たな前記移動操作により変位し前記描画要素に対する前記重畳が終了した場合に該描画要素に関連付けて提示されている前記関連数値を消去する消去処理と、
を単数又は複数のコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置,情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画面上で所望の線要素の長さを簡単に表示させる機能を具備する設計システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のシステムは、機能ブロックが表示されているディスプレイ上でグラフィックカーソルにより指定された枠辺の長さを演算し、これを各枠辺の近傍に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−143683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムでは、ある枠線を指定するために、マウスを用いてグラフィックカーソルの指示点を画面上で移動させて当該枠線に重ねクリックする「選択操作」が必要である(図4図5図7)。すなわち、同システムは、画面上で指示点を枠線に重ねる操作をユーザに求める。
【0005】
一般に、画面上で任意の方向に移動可能な点要素を移動させて他の点要素や線要素に重ねる操作は容易でない。したがって、任意の方向に移動可能な指示点を画面上で移動させて当該画面上に表示されている点要素や線要素に重ねる上記「選択操作」は容易でない。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、画面上に表示される所望の要素に関連する数値を簡便に表示させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、所定の領域で一定の範囲を占める指示要素がユーザの移動操作により変位し単数又は複数の点状又は線状の描画要素に対する重畳が開始した場合に当該描画要素に関連する数値を提示するとともに、指示要素が新たな移動操作により変位し描画要素に対する重畳が終了した場合に当該描画要素に関連付けて提示されている数値を消去する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画面上に表示される点状又は線状の要素の中から所望の要素に関連する数値を簡便な操作で表示可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】レイヤの基本構造の説明図である。(実施形態)
図2-1】要素の基本構造の説明図である。(実施形態)
図2-2】要素の主要な属性項目の説明図である。(実施形態)
図3】簡易測定機能発動時におけるマウスカーソルの外観の説明図である。(実施形態)
図4-1】簡易測定機能の説明図である。(実施形態)
図4-2】簡易測定機能の説明図である。(実施形態)
図4-3】簡易測定機能の説明図である。(実施形態)
図4-4】簡易測定機能の説明図である。(実施形態)
図5】処理装置の電気的構成を例示するブロック図である。(実施形態)
図6】情報処理装置の範囲文字結合機能に係る機能的構成を例示するブロック図である。(実施形態)
図7】簡易測定手順を例示するフロー図である。(実施形態)
図8-1】指示要素の変形例の説明図である。(変形例1)
図8-2】指示要素の変形例の説明図である。(変形例1)
図9-1】重畳要素の変形例の説明図である。(変形例2)
図9-2】重畳要素の変形例の説明図である。(変形例2)
図9-3】重畳要素の変形例の説明図である。(変形例2)
図9-4】重畳要素の変形例の説明図である。(変形例2)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1.実施形態]
[1−1.概要]
(1)実施形態の機能の概要
本実施形態は、設計図等の図面の作成及び編集(以下「編集等」)を支援するCAD(Computer Aided Design)機能(以下「実施形態の機能」)を有する情報処理装置に関する。編集等の作業は、画面上のレイヤ(領域)に複数の要素(描画要素)を配置し、各要素の属性項目の値を指定する過程を含む。一例として、編集等の作業は、各要素の配置位置,大きさ,配置角度,他の要素との重なり等を調整する過程を含む。
【0011】
図1は、レイヤの基本構造を示す。レイヤ100は、横幅と縦幅によりサイズが規定される矩形の平面である。レイヤ100内の位置(絶対位置)は、左下を原点とし、横方向110をx軸,縦方向120をy軸とするxy平面の座標により特定される。
【0012】
図2−1は、要素の基本構造を示す。要素の範囲200は、縦幅211と横幅212により規定される矩形である。範囲200は、1つの要素(描画要素)を含む。要素は、例えば、点(点状の要素),線分(線状の要素),閉図形(例えば、三角形,四角形,その他の多角形,円)の枠線の少なくとも一部(線状の要素)である。各要素は、範囲200に内接する。
【0013】
範囲200には、9つの点221〜229のうちいずれかが配置基準点として設定される。範囲200が基準方向231に対し配置角度232だけ傾いているとき、縦方向233及び横方向234も基準方向231に対し同様に傾いている。以下の説明において、基準方向231はレイヤ100(図1)の横方向110である。
【0014】
図2−2は、要素の主要な属性項目を示す。各要素は、「縦幅(高さ)」,「横幅」,「配置基準点」,「配置点(配置位置)」,「配置角度」等の属性項目を有する。これらの他に、各要素は、当該要素の外観を特徴付ける属性項目を有する。一例として、三角形の要素は、点221と点223を結ぶ線分上に底辺の両端点があり、点227と点229を結ぶ線分上に他の1点(頂点)がある場合に、範囲200におけるこれら3点の位置(相対位置)を示す属性項目を有する。他の一例として、平行四辺形の要素は、点221と点223を結ぶ線分上、及び、点227と点229を結ぶ線分上、にそれぞれ2点(頂点)がある場合に、範囲200におけるこれら4点の位置(相対位置)を示す属性項目を有する。
【0015】
レイヤ100上の要素は、その配置基準点を配置点に合わせ、当該配置基準点を中心として配置角度だけ回転させる手順で配置される。したがって、レイヤ100に配置される要素の位置及び範囲は、配置基準点,配置点及び配置角度と、当該要素を特徴付ける属性項目の値と、を用いて特定され得る。
【0016】
(2)簡易測定機能
編集等の作業では、特定の1つの要素に特有の数値(第1数値)や特定の2つの要素に関係する数値(第2数値)を簡便に表示させるニーズが発生し得る。特有の数値は、例えば、点の配置位置,線分の配置位置や大きさ(長さ),多角形における特定の1辺の大きさ(長さ),扇形の弧の大きさ(長さ),円の半径の大きさ(長さ)である。関係する数値は、例えば、2つの点の間の距離,点と線分の間の距離,平行な2本の線分の間の距離,交わる2本の線分がなす角の大きさ(角度),多角形の特定の内角の大きさ(角度)である。
【0017】
実施形態の機能は、寸法値を提示する機能(寸法提示機能)を有する。寸法提示機能では、レイヤ100内に配置されている1つの要素が所定の操作により指定された場合に、指定された要素の寸法値を一時的に表示する。他の寸法値を表示させるには、寸法提示機能をいったん終了させ、所定の操作により1つの要素を改めて指定する必要がある。
【0018】
実施形態の機能はさらに、マウスカーソル(指示要素)がマウス操作(移動操作)によりレイヤ100内で変位した場合に、レイヤ100内でマウスオーバー(重畳)している要素(重畳要素)に関連する数値をマウスオーバーしている間だけ当該要素に関連付けて提示する機能(以下「簡易測定機能」)を有する。簡易測定機能により、編集等の作業において、特定の1つの要素に特有の数値や特定の2つの要素に関係する数値を簡便に表示させることが可能である。
【0019】
簡易測定機能は、「簡易測定」コマンドが実行された際に発動する。「簡易測定」コマンドは、例えば、文字列メニュー,アイコンメニュー,ツールバーメニューとしてそれぞれ所定位置にあるメニューの選択により実行されるのが好適である。簡易測定機能が発動すると、所定の外観及び機能を有するマウスカーソルが強制的に表示され、マウスカーソルがマウスオーバーした要素に関連する数値が表示される。本実施形態では、これらの数値がラバーバンド表示される。簡易測定機能は、キーボードの所定キー(例えば、「ESC」キー,「Pause」キー)の押下や、他のコマンドの実行により終了する。
【0020】
図3は、簡易測定機能発動時におけるマウスカーソルの外観を示す。マウスカーソル300は、マウス座標(指示点)を包含する矩形状のトラップボックス310(2次元の固定の範囲,指示範囲)と、当該マウス座標を通るクロスカーソル(レイヤ100(図1)の横方向110及び縦方向120に平行な直線状の線)と、により構成される。簡易測定機能では、点状又は線状の要素にマウスオーバーさせるマウス操作が簡便になるように、矩形状の範囲(トラップボックス310の外枠及び内部)を指示可能なマウスカーソル300に固定される。
【0021】
マウスカーソル300におけるトラップボックス310の形態は、ユーザが任意に変更可能であるのが好ましい。例えば、トラップボックス310のサイズが変更可能であるのが好適である。トラップボックス310のサイズは、例えば、オプションの設定メニューから変更可能である。その他、トラップボックス310の配置角度が変更可能であってもよいし、トラップボックス310の外形が変更可能であってもよい。変更可能な外形は、例えば、縦横比の相違する矩形を含む適当な多角形,円形を含む適当な閉図形である。
【0022】
図4−1乃至図4−4は、簡易測定機能の概要の説明図である。一例として、レイヤ100内に三角形410が配置されている状態において、トラップボックス310がマウス操作により位置310aから位置310bに変位して、三角形410の辺BCにマウスオーバーしている場合に(図4−1)、当該辺の長さ420(特有の数値)が辺BCに関連付けて表示される(図4−2)。トラップボックス310がさらに移動されてマウスオーバーが終了すると、長さ420の表示も終了する。
【0023】
また、一例として、レイヤ100内に三角形410が配置されている状態において、トラップボックス310がマウス操作により位置310aから位置310cに変位して、三角形410の辺AB及び辺BCに同時(同時期)にマウスオーバーしている場合に(図4−3)、辺ABと辺BCがなす角Bの大きさ430(関係する数値)が辺ABと辺BCの双方に関連付けて表示される(図4−4)。トラップボックス310がさらに移動されてマウスオーバーが終了すると、大きさ430の表示も終了する。
【0024】
長さ420や大きさ430の十分な可読性が確保されるのが好ましい。一例として、長さ420や大きさ430がトラップボックス310に重ならない位置に表示されるように制御するとよい。他の一例として、長さ420や大きさ430が表示されている間にトラップボックス310の透過性が上がるように制御してもよい。
【0025】
[1−2.構成]
[1−2−1.概要]
実施形態の機能は、汎用の処理装置(例えば、PC(Personal Computer)など)に、処理装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作する所定プログラム(制御プログラム)がそれぞれインストールされることにより実現される。本実施形態では、実施形態の機能に係る各種処理が、処理装置上で実行されることが主として想定されている。
【0026】
処理装置向けOSは、出荷当初からインストールされていてもよいし、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)等の記録媒体に記録された状態で配布され当該記録媒体から処理装置に読み込まれてもよい。
【0027】
所定プログラムは、CD,DVD,MOディスク,フラッシュメモリ等の記録媒体に記録された状態で配布され当該記録媒体から処理装置に読み込まれてもよいし、販売元のサーバ装置から通信ネットワークを介し搬送波に重畳させて処理装置に供給されてもよいし、同時起動可能なライセンス数を管理するサーバ装置から通信ネットワークを介し搬送波に重畳させて処理装置に供給されてもよい。
【0028】
[1−2−2.電気的構成]
図5は、処理装置の電気的構成を例示する。典型的な処理装置は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)を含む制御処理装置510と、RAM(Random Access Memory)を含む主記憶装置520と、HDD(Hard Disc Drive)を含む補助記憶装置530と、各種のポインティングデバイスやキーボードを含む入力装置540と、ディスプレイやスピーカを含む出力装置550と、ネットワークカード(Network Interface Card)を含む通信制御装置560と、を有する。
【0029】
主記憶装置520,補助記憶装置530,入力装置540,出力装置550及び通信制御装置560は、バスラインを介して制御処理装置510にそれぞれ接続される。制御処理装置510は、(1)補助記憶装置530に記憶されたプログラムを主記憶装置520上に読み込み、(2)プログラムの指示に従って入力装置540と補助記憶装置530と通信制御装置560との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータを補助記憶装置530と出力装置550と通信制御装置560との少なくともいずれかに提供する。
【0030】
[1−2−3.機能的構成]
図6は、情報処理装置の簡易測定機能に係る機能的構成を例示する。図6に例示されるように、情報処理装置10に実現される簡易測定機能は、受付部610,表示部620,要素配置部630,範囲特定部640,要素特定部650,数値特定部660,数値提示部670を含む。
【0031】
受付部610は、情報処理装置10の入力装置540と制御処理装置510を少なくとも含んで構成される。表示部620は、情報処理装置10の出力装置550と制御処理装置510を少なくとも含んで構成される。要素配置部630,範囲特定部640,要素特定部650,数値特定部660,数値提示部670はそれぞれ、情報処理装置10の制御処理装置510を少なくとも含んで構成される。
【0032】
受付部610は、トラップボックス310の形態を指定する操作(指定操作),トラップボックス310を移動させる操作(移動操作)及び簡易測定機能を終了させる操作(終了操作)をそれぞれ受け付ける。移動操作は、例えば、ポインティングデバイスであるマウス装置を物理的に動かす操作である。表示部620は、レイヤ100の少なくとも一部を表示する。
【0033】
要素配置部630は、トラップボックス310をレイヤ100に表示させる。特に、要素配置部630は、指定操作により指定される形態のトラップボックス310をレイヤ100に表示させる。範囲特定部640は、レイヤ100で一定の範囲を占めるトラップボックス310がユーザの移動操作に基づいて変位した場合に、レイヤ100でトラップボックス310が占める指示範囲を特定する。要素特定部650は、レイヤ100でトラップボックス310の少なくとも一部が重畳している単数又は複数の点状又は線状の要素を重畳要素として特定する。
【0034】
数値特定部660は、要素特定部650により1つの要素が重畳要素として特定された場合に、当該重畳要素に特有の数値(第1数値)を特定する。また、数値特定部660は、要素特定部650により2つの要素がそれぞれ重畳要素として同時期に特定された場合に、2つの当該重畳要素に関係する数値(第2数値)を特定する。数値提示部670は、数値特定部660により特定された特有の数値又は関係する数値を重畳要素に関連付けて提示する。
【0035】
[1−3.動作]
図7は、簡易測定手順を例示する。図7に例示される手順の各ステップの処理は、情報処理装置10が実行する。
【0036】
ステップS710では、要素配置部630が、レイヤ100にトラップボックス310を表示させる。初回にはデフォルトの形態のトラップボックス310が表示され、指定操作が受け付けられた場合には当該指定操作により指定された形態のトラップボックス310が表示される。
【0037】
ステップS720では、受付部610が、何らかの操作を受け付けた場合に、当該操作が指定操作であるか否かを判定する。指定操作であれば(S720:Yes)、ステップS710に戻る。指定操作でなければ(S720:No)、ステップS730に進む。
【0038】
ステップS730では、受付部610が、上記操作が終了操作であるか否かを判定する。終了操作であれば(S730:Yes)、簡易測定機能が終了する。終了操作でなければ(S730:No)、ステップS740に進む。
【0039】
ステップS740では、受付部610が、上記操作が移動操作であるか否かを判定する。移動操作であれば(S740:Yes)、ステップS750に進む。移動操作でなければ(S740:No)、ステップS720に戻る。
【0040】
ステップS750では、要素配置部630が、移動操作による指示点の変位に追従するようにトラップボックス310を変位させる。ステップS760では、範囲特定部640が、レイヤ100で変位後のトラップボックス310が占める範囲(指示範囲)を特定する。
【0041】
ステップS770では、要素特定部650が、レイヤ100でトラップボックス310の少なくとも一部が重畳している単数又は複数の点状又は線状の要素(重畳要素)を特定する。重畳要素が特定された場合は(S770:Yes)、ステップS780に進む。重畳要素が特定されない場合は(S770:No)、ステップS720に戻る。
【0042】
ステップS780では、数値特定部660が、ステップS770において単数の点状又は線状の要素が重畳要素として特定された場合に、当該重畳要素に特有の数値(第1数値)を特定する。一方、数値特定部660は、ステップS770において2つの点状又は線状の要素がそれぞれ重畳要素として同時期に特定された場合に、2つの当該重畳要素に関係する数値(第2数値)を特定する。
【0043】
ステップS790では、数値提示部670が、ステップS780において特定された特有の数値を重畳要素に関連付けて提示する。また、数値提示部670は、ステップS780において特定された関係する数値を2つの重畳要素の双方に関連付けて提示する。
【0044】
[2.変形例]
[2−1.変形例1:指示要素の変形例]
上記実施形態では、簡易測定機能の発動時に、マウスカーソルを、2次元の固定の範囲(指示範囲)を指示可能なトラップボックス310(指示要素)を有するマウスカーソル300(図3)に、強制的に切り替えている。これに対し、マウスカーソルは、1次元の固定の範囲(指示範囲)を指示可能な形態であれば、平行でない線状の要素に簡便な操作でマウスオーバーさせることができる。この場合、マウスカーソルは、指示点を通る1本の線分を有していればよい。
【0045】
図8−1は、マウスカーソルの外観を示す。マウスカーソル800は、マウス座標(指示点)を通る線分810(1次元の範囲,指示範囲)と、当該マウス座標を通るクロスカーソル(レイヤ100(図1)の横方向110及び縦方向120に平行な直線状の線)と、により構成される。変形例1では、線状の要素にマウスオーバーさせるマウス操作が簡便になるように、線状の範囲(線分810上の点)を指示可能なマウスカーソル800に固定される。
【0046】
マウスカーソル800を構成する線分810の大きさ(長さ)や向きは、固定でもよいし手動で変更可能でもよい。また、線分の向きは、マウスカーソルの移動方向とほぼ平行になるように自動的に変更されてもよい。これは、レイヤ100内の線状の要素にマウスカーソル800をマウスオーバーさせる際に、線分に対するマウス座標(指示点)の入射角が0度になることはほとんどあり得ないという経験則を加味した構成である。
【0047】
図8−2は、変形例1の概要の説明図である。一例として、レイヤ100内に三角形820が配置されている状態において、マウスカーソル800を構成する線分810がマウス操作により三角形820に近づく方向に移動する場合に、線分810の向きが状態810aから移動方向とほぼ平行な状態810bに変化する。
【0048】
[2−2.変形例2:重畳要素の変形例]
上記実施形態では、レイヤ100に配置されている点状又は線状の要素(描画要素)にトラップボックス310をマウスオーバーさせる操作により、当該要素を指定させている(図4−1乃至図4−4)。これに対し、レイヤ100に予め仮想的な寸法線・角度線(線状の補助要素)を表示することにより、当該寸法線にトラップボックス310をマウスオーバーさせる操作により、当該寸法線に対応付けられている要素を指定させてもよい(図9−1乃至図9−4)。
【0049】
図9−1乃至図9−4は、重畳要素の変形例の概要の説明図である。一例として、レイヤ100内に三角形910が配置されている状態において、トラップボックス310がマウス操作により位置310aから三角形910の方向に変位したとき、三角形910の辺BCに対応付けて仮想寸法線920が表示され(図9−1)、仮想寸法線920にトラップボックス310がマウスオーバーした場合に、仮想寸法線920の長さ、すなわち仮想寸法線920が対応付けられている辺BCの長さ930(特有の数値)が仮想寸法線920(又は辺BC)に関連付けて表示される(図9−2)。トラップボックス310がさらに移動されてマウスオーバーが終了すると、仮想寸法線920や長さ930の表示も終了する。
【0050】
また、一例として、レイヤ100内に三角形910が配置されている状態において、トラップボックス310がマウス操作により位置310aから三角形910の方向に変位したとき、三角形910の辺AB及び辺BCに対応付けて仮想角度線940が表示され(図9−3)、仮想角度線940にトラップボックス310がマウスオーバーした場合に、仮想角度線940の大きさ、すなわち仮想寸法線940が対応付けられている角Bの大きさ950(関係する数値,第3数値)が仮想角度線940(又は辺ABと辺BCの双方)に関連付けて表示される(図9−4)。トラップボックス310がさらに移動されてマウスオーバーが終了すると、仮想角度線940や大きさ950の表示も終了する。
【0051】
複数の仮想寸法線や複数の仮想角度線を表示してもよい。そして、複数の仮想線に対し同時(同時期)にトラップボックス310がマウスオーバーしている場合に、これらにそれぞれ対応付けられている複数の数値を同時に表示してもよい。
【0052】
[3.付記1]
[3−1.概要]
本発明は、所定の領域で一定の範囲を占める要素がユーザの操作に基づいて変位した場合に、当該領域で当該要素が占める範囲の少なくとも一部が重畳している単数又は複数の点状又は線状の要素を特定する。これにより、画面上に表示される点状又は線状の要素の中から所望の要素を簡便な操作で指定可能である。
【0053】
[3−2.主要な形態]
本発明は、少なくとも下記の形態を包含する。
〔A〕所定の領域で一定の範囲を占める指示要素がユーザの移動操作に基づいて変位した場合に、該領域で該指示要素が占める指示範囲を特定する指示範囲特定手段と、前記領域で前記指示範囲の少なくとも一部が重畳している単数又は複数の点状又は線状の要素を重畳要素として特定する重畳要素特定手段と、を備える情報処理装置。
〔B〕所定の領域で一定の範囲を占める指示要素がユーザの移動操作に基づいて変位した場合に、該領域で該指示要素が占める指示範囲を特定する段階と、前記領域で前記指示範囲の少なくとも一部が重畳している単数又は複数の点状又は線状の要素を重畳要素として特定する段階と、を含む、コンピュータの制御方法。
〔C〕所定の領域で一定の範囲を占める指示要素がユーザの移動操作に基づいて変位した場合に、該領域で該指示要素が占める指示範囲を特定する機能と、前記領域で前記指示範囲の少なくとも一部が重畳している単数又は複数の点状又は線状の要素を重畳要素として特定する機能と、をコンピュータに実現させる制御プログラム。
〔D〕所定の領域で一定の範囲を占める指示要素がユーザの移動操作に基づいて変位した場合に、該領域で該指示要素が占める指示範囲を特定する機能と、前記領域で前記指示範囲の少なくとも一部が重畳している単数又は複数の点状又は線状の要素を重畳要素として特定する機能と、をコンピュータに実現させる制御プログラムを記録する記録媒体。
【0054】
[3−3.主要な限定]
上記〔A〕「情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、上記〔B〕「制御方法」,上記〔C〕「制御プログラム」及び上記〔D〕「記録媒体」にそれぞれ加えてもよい。
(1)2次元の固定の前記範囲を占める前記指示要素を前記領域に表示させる指示要素表示手段をさらに備える。
(2)前記指示要素表示手段が、前記ユーザの指定操作に基づき、該指定操作より指定される形態の前記範囲を占める前記指示要素を前記領域に表示させる。
(3)1つの線状の描画要素が前記重畳要素として特定された場合に、該重畳要素に特有の第1数値を特定する第1数値特定手段と、特定された前記第1数値を前記重畳要素に関連付けて提示する第1数値提示手段と、をさらに備える。
(4)2つの線状の描画要素がそれぞれ前記重畳要素として同時期に特定された場合に、2つの該重畳要素に関係する第2数値を特定する第2数値特定手段と、特定された前記第2数値を2つの前記重畳要素の双方に関連付けて提示する第2数値提示手段と、をさらに備える。
(5)適当な2つの描画要素を対応付ける線状の補助要素を前記領域に表示させる補助要素表示手段と、1つの前記補助要素が前記重畳要素として特定された場合に、該重畳要素に関係する第3数値を特定する第3数値特定手段と、特定された前記第3数値を前記重畳要素に関連付けて提示する第3数値提示手段と、をさらに備える。
(6)前記第3数値特定手段が、2つの前記補助要素がそれぞれ前記重畳要素として同時期に特定された場合に、第1の該重畳要素に関係する第1の前記第3数値と、第2の該重畳要素に関係する第2の前記第3数値と、をそれぞれ特定し、前記第3数値提示手段が、特定された第1の前記第3数値を第1の前記重畳要素に関連付けて提示し、特定された第2の前記第3数値を第2の前記重畳要素に関連付けて提示する。
(7)前記第1数値特定手段が、1つの前記描画要素及び1つの前記補助要素がそれぞれ第1の前記重畳要素及び第2の前記重畳要素として特定された場合に、第1の該重畳要素に特有の前記第1数値を特定し、前記第1数値提示手段が、特定された前記第1数値を第1の前記重畳要素に関連付けて提示し、前記第3数値特定手段が、第2の前記重畳要素に関係する前記第3数値を特定し、前記第3数値提示手段が、特定された前記第3数値を第2の前記重畳要素に関連付けて提示する。
【0055】
[4.付記2]
[4−1.課題]
特許文献1に記載のシステムでは、上記「選択操作」を順次繰り返すことで、複数の枠線を順次指定することができる(図6図8)。この場合、ユーザは画面上で指示点を枠線に重ねる操作を繰り返す必要がある。本発明が解決しようとする課題は、画面上に表示される所望の複数の要素を簡便な操作で一括指定させることである。特に、交点を有しない複数の要素を簡便な操作で一括指定させることである。
【0056】
[4−2.概要]
上記課題を解決するため、本発明は、所定の領域で一定の範囲を占める要素がユーザの操作に基づいて変位した場合に、当該領域で当該要素が占める範囲の少なくとも一部が重畳している複数の点状又は線状の要素を特定する。これにより、画面上に表示される所望の複数の要素を簡便な操作で一括で指定可能である。
【0057】
[4−3.主要な形態]
本発明は、少なくとも情報処理装置,コンピュータの制御方法,制御プログラム及び当該制御プログラムを記録する記録媒体を包含する。これらの発明には、上記付記1の発明と同様の技術的限定を矛盾のない範囲で加えることができる。
【0058】
[5.付記3]
[5−1.課題]
特許文献1に記載のシステムでは、開始点と終了点を指定することで、この2点を結ぶ線を対角線とする矩形状のラバーバンド領域に含まれる全ての枠線を一括指定することができる(図9)。この場合、長さを表示させる必要がない枠線も指定されてしまう場合がある。本発明が解決しようとする課題は、画面上に表示される所望の複数の要素を簡便な操作で過不足なく一括指定させることである。
【0059】
[5−2.概要]
上記課題を解決するため、本発明は、所定の領域で一定の範囲を占める要素がユーザの操作に基づいて変位した場合に、当該領域で当該要素が占める範囲の少なくとも一部が重畳している複数の点状又は線状の要素を特定する。これにより、画面上に表示される所望の複数の要素を簡便な操作で過不足なく一括で指定可能である。
【0060】
[5−3.主要な形態]
本発明は、少なくとも情報処理装置,コンピュータの制御方法,制御プログラム及び当該制御プログラムを記録する記録媒体を包含する。これらの発明には、上記付記1の発明と同様の技術的限定を矛盾のない範囲で加えることができる。
【0061】
[6.付記4]
[6−1.課題]
特許文献1に記載のシステムでは、複数の枠線が指定された場合に、各枠線の長さを演算して表示する(図8図9)。複数の枠線間の関係値を演算して表示させることは想定されていない。例えば、交わる2本の枠線がなす角の角度や平行な2本の枠線の距離は演算されない。本発明が解決しようとする課題は、画面上に表示される所望の要素群に関係する数値を簡便な操作に基づいて提示することである。
【0062】
[6−2.概要]
上記課題を解決するため、本発明は、所定の領域で一定の範囲を占める要素がユーザの操作に基づいて変位した場合に、当該領域で当該要素が占める範囲の少なくとも一部が重畳している2つの線状の要素を特定し、2つの当該要素に関係する数値を特定し、特定された数値を2つの当該要素の双方に関連付けて提示する。これにより、画面上に表示される所望の要素群に関係する数値を簡便な操作に基づいて提示可能である
【0063】
[6−3.主要な形態]
本発明は、少なくとも情報処理装置,コンピュータの制御方法,制御プログラム及び当該制御プログラムを記録する記録媒体を包含する。これらの発明には、上記付記1の発明と同様の技術的限定を矛盾のない範囲で加えることができる。
【符号の説明】
【0064】
10 情報処理装置
100 レイヤ
610 受付部
620 表示部
630 要素配置部(指示要素表示手段)
640 範囲特定部(指示範囲特定手段)
650 要素特定部(重畳要素特定手段)
660 数値特定部(第1数値特定手段,第2数値特定手段)
670 数値提示部(第1数値提示手段,第2数提示定手段)

図1
図2-1】
図2-2】
図3
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図4-4】
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
図9-1】
図9-2】
図9-3】
図9-4】