(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記再生制御部は、前記停止検出部がイベント検出後第二期間内に前記車両の停止を検出しなかった場合、前記第二期間の経過後に前記車両が停止したときに、前記記録制御部が保存した直近のイベント記録データの再生を行う、
請求項1に記載の車両用記録制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る車両用記録制御装置、車両用撮影装置、車両用記録制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る車両用撮影装置の構成例を示すブロック図である。車両用撮影装置10は、イベントを検出した場合、少なくともイベントの検出に起因した第一期間の映像データをイベント記録データとして保存するともに、イベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第一期間の映像データに加えて、車両の停止を検出するまでの期間の映像データをイベント記録データとして保存する。
【0013】
第一期間は、例えば、イベント検出の前後30秒の合計60秒程度とする。
【0014】
第二期間は、例えば、イベント検出から30秒程度とする。第二期間は、イベント発生後、適切な場所に車両を停車させるための時間的な余裕である。第二期間は、運転者の年齢、運転の熟練度、運転経験などの運転者の状態に応じて変えてもよい。例えば、第二期間は、高齢者、運転経験の少ない運転者の場合、他の運転者より短く設定してもよい。なお、運転者の状態は、例えば、運転者を識別可能な電子識別カード、運転者を識別可能な車両の電子鍵、または、車載機器の設定情報によって取得してもよい。第二期間は、夜間、視界不良時などの運転時の状況に応じて変えてもよい。例えば、第二期間は、夜間や視界不良時は、通常時より短く設定してもよい。なお、運転時の状況は、通信網を介して外部の装置から取得してもよい。
【0015】
車両用撮影装置10は、いわゆるドライブレコーダである。車両用撮影装置10は、車両に載置されているものに加えて、可搬型で車両において利用可能な装置であってもよい。車両用撮影装置10は、第一カメラ(第一撮影部)210と、第二カメラ(第二撮影部)220と、記録部230と、操作部240と、表示部250と、加速度センサ260と、GPS(Global Positioning System)受信部270と、CAN(Controller Area Network)インターフェース部280と、車両用記録制御装置100とを有する。
【0016】
第一カメラ210は、車両の周囲を撮影するカメラである。第一カメラ210は、例えば、車両の車室内前方における車両の前方を撮影可能な位置に配置されている。第一カメラ210は、エンジンが始動してから停止するまでの間、つまり車両が動作している間は、映像を常時撮影する。本実施形態では、第一カメラ210は、車両のアクセサリ電源がONである間、映像を常時撮影する。第一カメラ210は、アクセサリ電源がOFFであるとき、言い換えると、車両の駐車中、イベントが検出されると、映像の撮影を開始する。第一カメラ210は、撮影した第一映像データを車両用記録制御装置100の映像データ取得部120へ出力する。第一映像データは、例えば毎秒30フレームの画像から構成される動画像である。
【0017】
第二カメラ220は、車両の運転者を含む範囲を撮影するカメラである。第二カメラ220は、例えば、車両の車室内前方における車両の車室内を撮影可能な位置に配置されている。第二カメラ220は、エンジンが始動してから停止するまでの間、つまり車両が動作している間は、映像を常時撮影することとしてもよく、必要に応じて撮影を開始することとしてもよい。第二カメラ220は、映像を常時撮影する場合、車両のアクセサリ電源がONである間、映像を常時撮影する。第二カメラ220は、アクセサリ電源がOFFであるとき、言い換えると、車両の駐車中、イベントが検出されると、映像の撮影を開始する。第二カメラ220は、撮影した第二映像データを車両用記録制御装置100の映像データ取得部120へ出力する。第二映像データは、例えば毎秒30フレームの画像から構成される動画像である。第二カメラ220は、車両のアクセサリ電源がONである間であっても、イベントが検出されることで映像の撮影を開始することとしてもよい。
【0018】
第一映像データと第二映像データとの区別を特に要しない場合、映像データとして説明する。
【0019】
記録部230は、車両用撮影装置10におけるデータの一時記憶などに用いられる。記録部230は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、メモリカードなどの記録部である。または、図示しない通信装置を介して無線接続される外部記録部であってもよい。記録部230は、車両用記録制御装置100の記録制御部123から出力された制御信号に基づいて、イベント記録データまたはループ記録データを記録する。
【0020】
操作部240は、車両用撮影装置10に対する各種操作を受付可能である。例えば、操作部240は、撮影した映像データを記録部230に手動で保存する操作を受付可能である。例えば、操作部240は、記録部230に記録したイベント記録データまたはループ記録データを再生する操作を受付可能である。例えば、操作部240は、記録部230に記録したイベント記録データを消去する操作を受付可能である。例えば、操作部240は、ループ記録を終了する操作を受付可能である。操作部240は、操作情報を車両用記録制御装置100の操作制御部125に出力する。
【0021】
表示部250は、一例としては、車両用撮影装置10に固有の表示装置、または、ナビゲーションシステムを含む他のシステムと共用した表示装置などである。表示部250は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro−Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部250は、車両用記録制御装置100の表示制御部126から出力された映像信号に基づいて、映像を表示する。表示部250は、第一カメラ210が撮影している映像、第二カメラが撮影している映像、または、記録部230に記録された映像を表示する。
【0022】
加速度センサ260は、車両に加わる加速度を検出するセンサである。加速度センサ260は、検出結果を車両用記録制御装置100のイベント検出部127に出力する。加速度センサ260は、例えば3軸方向の加速度を検出するセンサである。3軸方向とは、車両の前後方向、左右方向、および上下方向である。3軸方向に加速度によって、車両に対する衝撃が検出可能である。
【0023】
GPS受信部270は、図示しないGPS衛星から電波を受信する。GPS受信部270は、受信した電波の信号を車両用記録制御装置100の位置情報取得部128へ出力する。
【0024】
CANインターフェース部280は、CANを介して各種車両情報を取得するためのインターフェースである。車両情報には、例えば、エンジンの動作状況や、車両の走行状況などに関する情報が含まれている。
【0025】
車両用記録制御装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。車両用記録制御装置100は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。車両用記録制御装置100には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは車両用記録制御装置100におけるデータの一時記憶などに用いられる。車両用記録制御装置100は、バス110に接続された、映像データ取得部120と、バッファメモリ121と、映像データ処理部122と、記録制御部123と、再生制御部124と、操作制御部125と、表示制御部126と、イベント検出部127と、位置情報取得部128と、停止検出部129とを有する。
【0026】
映像データ取得部120は、車両の周囲を撮影した映像データを取得する。より詳しくは、映像データ取得部120は、第一カメラ210が出力した映像データを取得する。映像データ取得部120は、車両の運転者を含む範囲を撮影する第二カメラ220が撮影した映像データをさらに取得してもよい。より詳しくは、映像データ取得部120は、第二カメラ220が出力した映像データを取得する。
【0027】
バッファメモリ121は、車両用記録制御装置100が備える内部メモリであり、映像データ取得部120が取得した一定時間分の映像データを、更新しながら一時的に記録するメモリである。
【0028】
映像データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している映像データを、例えばH.264やMPEG−4(Moving Picture Experts Group)などの任意の方式のコーデックで符号化された、例えばMP4形式などの任意のファイル形式に変換する。映像データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している映像データから、一定時間分のファイルとした映像データを生成する。具体例として、映像データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している映像データを、記録順に60秒間の映像データを1ファイルとして生成する。映像データ処理部122は、生成した映像データを記録制御部123へ出力する。また、映像データ処理部122は、生成した映像データを表示制御部126へ出力する。ファイルとして生成される映像データの期間は、一例として60秒としたが、これには限定されない。ここで言う映像データとは、映像に加えて音声が含まれたデータであってもよい。
【0029】
記録制御部123は、映像データ処理部122でファイル化された映像データを、記録部230に記録させる制御を行う。記録制御部123は、車両のアクセサリ電源がONであるときなど、ループ記録処理を実行する期間は、映像データ処理部122でファイル化された映像データを、上書き可能な映像データとして、記録部230に記録する。より詳しくは、記録制御部123は、ループ記録処理を実行する期間は、映像データ処理部122が生成した映像データを記録部230に記録し続け、記録部230の容量が一杯になった場合、最も古い映像データに新しい映像データを上書きして記録する。
【0030】
また、記録制御部123は、イベント検出部127がイベントを検出した場合、映像データ処理部122が生成した映像データにおける所定の期間の映像データを、上書きが禁止されたイベント記録データとして記録部230に保存する。
【0031】
記録制御部123は、イベント検出部127がイベントを検出した場合、少なくともイベントの検出に起因した第一期間の映像データをイベント記録データとして保存するともに、停止検出部129がイベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第一期間の映像データに加えて、停止検出部129が車両の停止を検出するまでの期間の映像データをイベント記録データとして保存する。
【0032】
さらに、記録制御部123は、停止検出部129が車両の停止を検出するまでの期間の映像データを、例えば、少なくとも一定期間の消去を規制して保存したり、消去が規制された領域に保存したりしてもよい。
【0033】
イベントの検出に起因した第一期間の映像データとは、ループ記録処理が行われている期間においては、イベントが検出された時点の前後所定期間の映像データであり、所定期間の例としては、イベントが検出された時点の前後10秒以上、60秒以下程度の期間である。イベントの検出に起因した第一期間の映像データとは、ループ記録処理が行われず、イベントが検出されてから撮影を開始する場合は、イベントが検出され撮影が開始されてから、所定期間経過するまでの映像データであり、所定期間の例としては、例えば10秒以上、60秒以下程度の期間である。例えば10秒以上、60秒以下程度の期間である。
【0034】
記録制御部123は、第一カメラ210が撮影した映像データに加えて第二カメラ220が撮影した映像データをイベント記録データとして保存してもよい。記録制御部123は、イベント検出部127がイベントを検出してから、停止検出部129が車両の停止を検出するまでの期間を第三期間とすると、第三期間の間は、第一カメラ210が撮影した撮影データに加えて第二カメラ220が撮影した撮影データをイベント記録データとして保存してもよい。
【0035】
記録制御部123は、第一期間の撮影データと、イベント検出部127がイベントを検出してから、停止検出部129が車両の停止を検出するまでの第三期間の撮影データとを、連続したイベント記録データとして保存することが好ましい。
【0036】
再生制御部124は、選択されたイベント記録データまたはループ記録データを再生する。再生制御部124は、操作制御部125から出力された選択操作および再生操作の制御信号に基づいて、記録部230に記録されたイベント記録データまたはループ記録データを再生するよう制御する。
【0037】
再生制御部124は、イベント検出部127はイベントを検出後第二期間内に、停止検出部129が車両の停止を検出しなかった場合、第二期間の経過後に車両が停止したときに、イベント記録データの再生を行う。ここで再生されるイベント記録データは、直近に保存されたイベント記録データである。また、ここで再生されるイベント記録データは、再生されるイベント記録データのうち、第一期間を再生する。また、ここで再生されるイベント記録データに、第一カメラ210が撮影した撮影データと第二カメラ220が撮影した撮影データが含まれる場合は、第一カメラ210が撮影した撮影データを再生してもよい。
【0038】
操作制御部125は、操作部240が受け付けた操作の操作情報を取得する。例えば、操作制御部125は、映像データの手動保存操作を示す保存操作情報、映像データの選択操作を示す選択操作情報、映像データの再生操作を示す再生操作情報、または、映像データの消去操作を示す消去操作情報を取得して制御信号を出力する。例えば、操作制御部125は、ループ記録を終了する操作を示す終了操作情報を取得して制御信号を出力する。
【0039】
表示制御部126は、再生制御部124からの制御信号に基づいて、表示部250における映像データの表示を制御する。表示制御部126は、映像データを表示部250に出力させる映像信号を出力する。より詳しくは、表示制御部126は、再生制御部124が再生した第一カメラ210が撮影している映像、第二カメラ220が撮影している映像、または、記録部230に記録されたイベント記録データまたはループ記録データを表示部250に表示させる。
【0040】
イベント検出部127は、車両に対するイベントを検出する。イベント検出部127が車両に対するイベントを検出する方法は任意であるが、一例としてイベント検出部127は、加速度センサ260の検出結果に基づいて、イベントを検出する。この場合、イベント検出部127は、加速度センサ260が検出した加速度における閾値以上の加速度が検出されると、イベントとして検出する。イベント検出部127がイベントとして検出する加速度は、車両に対する衝撃が検出されるような閾値が設定される。
【0041】
位置情報取得部128は、GPS受信部270が受信した電波に基づいて、車両の現在の位置情報を公知の方法によって算出する。位置情報取得部128が算出した位置情報は、イベント検出部127がイベントを検出した場合、イベント記録データとともに保存される。
【0042】
停止検出部129は、CANインターフェース部280や車両の状態をセンシングする各種センサなどから取得した車両情報に基づいて、車両が停止しているか否かを検出する。本実施形態では、停止検出部129は、イベント検出部127がイベントを検出した後、車両の停止を取得する。車両が停止しているとは、車速がゼロの状態をいう。また、停止検出部129は、車速がゼロであり、且つ車両のエンジンなど動力などがオフの状態、ギアがパーキングの状態、パーキングブレーキが動作している状態など、車両がすぐに走行開始しない停止状態であることも検出する。
【0043】
次に、
図2を用いて、車両用記録制御装置100における処理の流れについて説明する。
図2は、第一実施形態に係る車両用記録制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、ループ記録処理を行う場合について説明する。
【0044】
車両用記録制御装置100は、イベント検出およびループ記録を開始する(ステップS101)。より詳しくは、車両用記録制御装置100は、イベント検出部127によって、加速度センサ260の検出結果に基づいて、イベントを検出する。車両用記録制御装置100は、映像データ処理部122によって、バッファメモリ121に記録された映像データから、所定期間の映像ごとのループ記録映像データを生成する。車両用記録制御装置100は、記録制御部123によって、ループ記録映像データを記録部230に記録させる。車両用記録制御装置100は、ステップS102に進む。
【0045】
車両用記録制御装置100は、イベント検出部127によって、イベントを検出したか否かを判定する(ステップS102)。より詳しくは、車両用記録制御装置100は、イベント検出部127によって、イベントが検出された場合(ステップS102でYes)、ステップS103に進む。車両用記録制御装置100は、イベント検出部127によって、イベントが検出されなかった場合(ステップS102でNo)、ステップS108に進む。
【0046】
イベントが検出された場合(ステップS102でYes)、車両用記録制御装置100は、イベント検出前後の第一期間の映像データであるイベント記録データを保存する(ステップS102)。より詳しくは、車両用記録制御装置100は、映像データ処理部122によって、記録部230に記録されたループ記録映像データから、少なくともイベントの発生時点を含む第一期間の映像データをイベント記録データとして生成する。車両用記録制御装置100は、記録制御部123によって、イベント記録データを記録部230に記録して保存する。車両用記録制御装置100は、ステップS104に進む。
【0047】
車両用記録制御装置100は、車両が停止したかを判定する(ステップS104)。より詳しくは、車両用記録制御装置100は、停止検出部129によって、車両が停止したと判定する場合(ステップS104でYes)、ステップS108へ進む。ステップS104で判定される車両の停止は、車両がすぐに走行開始しない停止状態であることの判定とすることが好ましい。この場合、イベントが検出後第二期間内に車両が停止しているので、運転者は、イベントの発生を認識して車両を停止させ、発生したイベントに対応しようとしていると推測される。車両用記録制御装置100は、停止検出部129によって、車両が停止したと判定しない場合(ステップS104でNo)、ステップS105へ進む。
【0048】
車両用記録制御装置100は、第二期間が経過したか否かを判定する(ステップS105)。より詳しくは、車両用記録制御装置100は、第二期間が経過したと判定する場合(ステップS105でYes)、ステップS106へ進む。この場合、イベントが検出後第二期間内に車両が停止していないので、運転者は、イベントの発生を認識せずに走行を継続していると推測される。車両用記録制御装置100は、第二期間が経過したと判定しない場合(ステップS105でNo)、ステップS104の処理を再度実行する。
【0049】
車両用記録制御装置100は、車両が停止したかを判定する(ステップS106)。より詳しくは、車両用記録制御装置100は、停止検出部129によって、車両が停止したと判定する場合(ステップS106でYes)、ステップS107へ進む。ステップS106で判定される車両の停止は、車速がゼロの状態であり、信号機による停止や一時停止標識による停止なども含む。車両用記録制御装置100は、停止検出部129によって、車両が停止したと判定しない場合(ステップS106でNo)、ステップS106の処理を再度実行する。
【0050】
車両用記録制御装置100は、記録制御部123によって、ステップS106で判定された車両が停止するまでのイベント記録データを保存する(ステップS107)。車両用記録制御装置100は、ステップS108へ進む。このときに保存されるイベント記録データは、第一期間の映像データに加えて、ステップS106で車両の停止が検出されるまでの期間の映像データである。
【0051】
車両用記録制御装置100は、イベント検出およびループ記録を終了するか否かを判定する(ステップS108)。より詳しくは、車両用記録制御装置100は、操作制御部125によって、終了操作情報が出力されると、イベント検出およびループ記録を終了すると判定して(ステップS108でYes)、処理を終了する。または、車両の動作や利用を終了させることで、イベント検出およびループ記録が終了する。車両用記録制御装置100は、操作制御部125によって、終了操作情報が出力されていないと、イベント検出およびループ記録を終了しないと判定して(ステップS108でNo)、ステップS102の処理を再度実行する。
【0052】
このように、イベントを検出した場合、少なくともイベントの検出に起因した第一期間の映像データをイベント記録データとして保存するともに、イベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第一期間の映像データに加えて、車両の停止を検出するまでの期間の映像データをイベント記録データとして保存する。
【0053】
上述したように、本実施形態では、少なくともイベントの検出に起因した第一期間の映像データをイベント記録データとして保存するともに、イベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第一期間の映像データに加えて、車両の停止を検出するまでの期間の映像データをイベント記録データとして保存することができる。本実施形態によれば、運転者がイベント発生に気が付かなかった場合、イベント検出後車両の停止を検出するまでの期間の映像データをイベント記録データとして保存することができる。このため、運転者がイベント発生に気付かずに走行を継続したのか、運転者がイベント発生に気付いて意図的に走行を継続したのかの判断材料となる。このように、本実施形態によれば、イベントが発生したときの映像データをイベント記録データとして適切に記録することができる。
【0054】
本実施形態は、第一カメラ210が撮影した映像データに加えて第二カメラ220が撮影した映像データをイベント記録データとして保存することができる。本実施形態によれば、イベント検出の前後の期間の運転者の状態を映像として記録することができる。これにより、例えば、運転者がイベント発生に気が付いていなかったのか、または、気が付くことが難しい状況であったのかを、または、イベント発生に気付いていたのかを、映像データから確認可能にすることができる。
【0055】
第一カメラ210が撮影した映像データに加えて第二カメラ220が撮影した映像データをイベント記録データとして保存する場合、第一期間に加えて、ステップS106で車両の停止が検出されるまでの期間、第一カメラ210が撮影した映像データおよび第二カメラ220が撮影した映像データをイベント記録データとして保存してもよい。また、第一期間に加えて、ステップS106で車両の停止が検出されるまでの期間における第一カメラが撮影した映像データ、およびイベント検出からステップS106で車両の停止が検出されるまでの期間における第二カメラが撮影した映像データを、イベント記録データとして保存してもよい。イベント検出からステップS106で車両の停止が検出されるまでの期間を第三期間とする。
【0056】
本実施形態は、第一期間の撮影データと、第三期間の撮影データとを、連続したイベント記録データとして保存することができる。本実施形態によれば、イベント検出時から、車両が停止するまでの状況をより適切に記録することができる。
[第二実施形態]
図3を参照しながら、本実施形態に係る車両用撮影装置10について説明する。
図3は、第二実施形態に係る車両用記録制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。車両用撮影装置10は、基本的な構成は第一実施形態の車両用撮影装置10と同様である。以下の説明においては、車両用撮影装置10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。車両用撮影装置10Aは、再生制御部124における処理が第一実施形態と異なる。
【0057】
再生制御部124は、記録制御部123が保存したイベント記録データの再生を行う。本実施形態では、再生制御部124は、停止検出部129がイベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第二期間の経過後に車両が停止したときに、イベント記録データの再生を行う。車両が停止したときにイベント記録データの再生を行うのは、走行中の再生による二次的なイベントにつながるおそれを低減するためである。
【0058】
再生制御部124は、記録制御部123が保存したイベント記録データをそのまま再生する。つまり、保存されているイベント記録データが、第一カメラ210の映像データに基づくイベント記録データである場合は、第一カメラ210の映像データに基づくイベント記録データが再生される。同様に、保存されているイベント記録データが、第一カメラ210および第二カメラ220の映像データに基づくイベント記録データである場合は、第一カメラ210および第二カメラ220の映像データに基づくイベント記録データが再生される。
【0059】
再生制御部124は、停止検出部129がイベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第二期間の経過後に車両が停止したときに、イベント記録データの再生を行ってもよい。
【0060】
再生制御部124は、停止検出部129がイベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第二期間の経過後に車両が停止したときに、イベント記録データの再生を行ってもよい。
【0061】
次に、
図3を用いて、車両用記録制御装置100における処理の流れについて説明する。ステップS111ないしステップS117、ステップS122における処理は、
図2に示すフローチャートのステップS101ないしステップS107、ステップS108と同様の処理を行う。
【0062】
車両用記録制御装置100は、再生制御部124によって、第一期間のイベント記録データの再生を開始する(ステップS118)。車両用記録制御装置100は、ステップS119へ進む。
【0063】
車両用記録制御装置100は、操作制御部125によって、再生停止操作が検出されたか否かを判定する(ステップS119)。車両用記録制御装置100は、操作制御部125によって、再生停止操作が検出されたと判定する場合(ステップS119でYes)、ステップS121へ進む。この場合、イベントの検出と判断された加速度であっても、実際には、段差を乗り越えた際に生じた加速度でありイベントが発生していないことを、運転者が認識したような場合、再生停止操作によって再生を停止可能である。車両用記録制御装置100は、操作制御部125によって、再生停止操作が検出されたと判定しない場合(ステップS119でNo)、ステップS120へ進む。
【0064】
車両用記録制御装置100は、車両が動作を開始したかを判定する(ステップS120)。より詳しくは、車両用記録制御装置100は、車両が動作を開始したと判定する場合(ステップS120でYes)、ステップS121へ進む。車両用記録制御装置100は、車両が動作を開始したと判定しない場合(ステップS120でNo)、ステップS120の処理を再度実行する。
【0065】
車両用記録制御装置100は、第一期間のイベント記録データの再生を停止する(ステップS121)。車両用記録制御装置100は、ステップS122へ進む。
【0066】
このように、イベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第二期間の経過後に車両が停止したときに、イベント記録データの再生を行う。
【0067】
上述したように、本実施形態では、イベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第二期間の経過後に車両が停止したときに、イベント記録データの再生を行うことができる。本実施形態では、イベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第二期間の経過後に車両が停止したときに、第一期間の映像データに基づくイベント記録データの再生を行うことができる。これにより、本実施形態は、運転者がイベント発生に気が付かなかった場合、イベント検出の前後の映像データをイベント記録データとして再生することで、運転者にイベント発生を気付かせることを支援することができる。
【0068】
本実施形態によれば、イベントの検出と判断された加速度であっても、実際には、段差を乗り越えた際に生じた加速度でありイベントが発生していないことを、運転者が認識したような場合、再生停止操作によって再生を停止することができる。
[第三実施形態]
図4を参照しながら、本実施形態に係る車両用撮影装置10について説明する。
図4は、第三実施形態に係る車両用記録制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。車両用撮影装置10は、基本的な構成は第一実施形態の車両用撮影装置10と同様である。以下の説明においては、車両用撮影装置10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。車両用撮影装置10は、再生制御部124における処理が第一実施形態と異なる。
【0069】
再生制御部124は、停止検出部129がイベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第二期間の経過後に車両が停止したときに、第一カメラ210が撮影した映像データに基づくイベント記録データの再生を行う。再生制御部124は、停止検出部129がイベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第二期間の経過後に車両が停止したときに、第一期間の映像データに基づくイベント記録データの再生を行う。より詳しくは、再生制御部124は、再生対象のイベント記録データが、第一カメラ210が撮影した映像データおよび第二カメラ220が撮影した映像データによるイベント記録データであっても、イベント記録データにおける第一カメラ210が撮影した映像データの再生を行う。言い換えると、再生制御部124は、イベント記録データのうち、車両の周囲を撮影した映像データの再生を行う。
【0070】
次に、
図4を用いて、車両用記録制御装置100における処理の流れについて説明する。ステップS131ないしステップS137、ステップS142における処理は、
図2に示すフローチャートのステップS101ないしステップS107、ステップS108と同様の処理を行う。ステップS139ないしステップS141における処理は、
図3に示すフローチャートのステップS119ないしステップS121と同様の処理を行う。
【0071】
車両用記録制御装置100は、再生制御部124によって、第一カメラ210が撮影した、第一期間のイベント記録データの再生を開始する(ステップS138)。車両用記録制御装置100は、ステップS139へ進む。
【0072】
このように、イベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第二期間の経過後に車両が停止したときに、第一カメラ210が撮影した、第一期間の映像データに基づくイベント記録データの再生を行う。
【0073】
上述したように、本実施形態では、イベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第二期間の経過後に車両が停止したときに、第一カメラ210が撮影した、第一期間の映像データに基づくイベント記録データの再生を行うことができる。これにより、本実施形態は、運転者がイベント発生に気が付かなかった場合、イベント検出の前後に、第一カメラ210が撮影した映像データをイベント記録データとして再生することで、運転者にイベント発生を気付かせることを支援することができる。
【0074】
これまで本発明に係る車両用撮影装置10について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0075】
図示した車両用撮影装置10の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0076】
車両用撮影装置10の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0077】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0078】
上記では、ループ記録処理を行う場合について説明したが、イベントが検出されてから撮影を開始する場合についても同様である。
【0079】
上記では、前方と後方とをそれぞれ撮影可能な2つのカメラとして説明したが、これに限定されず、360°の全天周を撮影可能なカメラ、または、各方向をそれぞれ撮影する複数のカメラ群であってもよい。カメラが全天周を撮影可能である場合、車両の進行方向の後方に対応する表示範囲で切り出した映像データを表示してもよい。
【0080】
上記では、イベント検出後第二期間内に車両の停止を検出しなかった場合、第二期間の経過後に車両が停止したときに、イベント記録データの再生を行うものとして説明したが、イベントが発生していたことを音声で通知するようにしてもよい。
【0081】
停止検出部129が車両の停止を検出するまでの期間の映像データは、ユーザによる消去を規制するために、例えば、外部の装置へ転送してもよい。
【0082】
上記のステップS106を実行した後、ステップS107を実行する前に、イベント検出時に検出した加速度が、イベント検出部127においてイベント検出の判定に使用する閾値より小さい第二閾値以下であるか否かを判定するステップを実行してもよい。イベント検出時に検出した加速度が第二閾値以下である場合、言い換えると、イベント検出時に検出した加速度が小さく軽微な衝突であって、イベント発生に気が付かないことがありうる場合、ステップS107の処理を実行する。イベント検出時に検出した加速度が第二閾値より大きい場合、言い換えると、イベント検出時に検出した加速度が大きく、イベント発生に気が付くと推測される場合、例えば、警察署、保険会社などの第三者に通報するようにしてもよい。