(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記採取位置表示画面には、前記試料データと、前記指定診断画像と、前記複数のサムネイル画像とに、前記複数の採取位置のそれぞれが特定可能な共通の識別用目印が表示されている、請求項1に記載の診断画像システム。
前記診断用情報処理装置は、前記試料データ、前記指定診断画像および前記複数のサムネイル画像のそれぞれに、前記複数の採取位置のそれぞれが特定可能な前記共通の識別用目印としての数字または記号が表示されるように構成されている、請求項2に記載の診断画像システム。
前記放射線撮影装置、前記表示画面生成装置、前記診断用情報処理装置、および、前記検体分析装置は、ネットワークにより通信可能に接続されている、請求項4に記載の診断画像システム。
前記表示画面生成装置は、前記複数の診断画像により特定された前記複数の採取位置のそれぞれが、前記複数の診断画像のうちの対応する診断画像および前記複数のサムネイル画像のうちの対応するサムネイル画像に対してユーザーにより指定されることによって前記採取位置表示画面が生成されるように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の診断画像システム。
前記診断用情報処理装置は、前記試料データに含まれる前記複数の採取位置の情報のいずれかが指定された場合に、前記複数の採取位置のうち指定された採取位置の情報に対応する前記指定診断画像を前記表示部に表示するように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の診断画像システム。
前記診断用情報処理装置は、前記複数のサムネイル画像のうちのいずれかが指定された場合に、前記複数のサムネイル画像のうち指定されたサムネイル画像に対応する前記指定診断画像を前記表示部に表示するように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に
記載の診断画像システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、非特許文献1に開示されている方法では、カルテに副腎静脈のスケッチし、採取位置を記入しておく必要があるので、医師や作業者の負担となるという不都合がある。また、特許文献1に開示されているシステムでは、X線診断装置により取得した造影血管像に基づくサンプルリストは分析装置において表示されるので、サンプルリストの持つ採取位置情報を参照しつつ、X線診断装置で造影血管像上の採取位置を把握することは極めて困難であるという不都合がある。
【0009】
さらに、副腎静脈は多数に枝分かれしており、一度の造影で副腎静脈全ての造影血管像を取得することは容易ではない。すなわち、通常、部分造影した複数の造影血管像を取得するが、部分造影した複数の造影血管像にわたって、サンプルリストの持つ採取位置情報を参照する必要があるので、診断に用いる造影血管像上の採取位置を把握することは困難であるという不都合がある。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複数の診断画像にわたって採取位置の情報を参照し、診断に用いる診断画像上において採取位置を把握することが可能な診断画像システムおよび診断用情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における診断画像システムは、
被検体から採取される複数の検体試料
のそれぞれに対応する複数の採取位置の少なくともいずれかを含む複数の診断画像を撮影する放射線撮影装置と、複数の診断画像と、複数の検体試料のそれぞれに対応する複数の採取位置の情報を含む試料データとが表示された採取位置表示画面を生成する表示画面生成装置と、採取位置表示画面の情報を取得するとともに、取得した採取位置表示画面を表示する表示部を含む診断用情報処理装置とを備え、採取位置表示画面には、試料データと、複数の診断画像のうちの指定された指定診断画像と、複数の診断画像のそれぞれに対応
し、かつ、採取位置を含む複数のサムネイル画像とが表示されている。
【0012】
この発明の第1の局面における診断画像システムでは、上記のように、指定診断画像と、複数の診断画像のそれぞれに対応する複数のサムネイル画像と、複数の採取位置の情報を含む試料データとがまとめて採取位置表示画面上に表示される。これにより、複数の採取位置が複数の診断画像によって別々に把握される場合でも、複数の診断画像に表示された複数の採取位置(診断上必要な位置)を医師などが明確に把握することができる。すなわち、表示された試料データの採取位置を複数のサムネイル画像にわたって参照することができ、指定した指定診断画像上でそれらの採取位置の関係を把握することができる。その結果、複数の診断画像にわたって採取位置の情報を参照し、診断に用いる診断画像上において採取位置を把握することができる。
【0013】
上記第1の局面による診断画像システムにおいて、好ましくは、採取位置表示画面には、試料データと、指定診断画像と、複数のサムネイル画像とに、複数の採取位置のそれぞれが特定可能な共通の識別用目印が表示されている。このように構成すれば、採取された検体試料に関し、表示部に表示された情報により、診断上必要な位置に関する情報(採取位置および試料データ)を医師などが十分に得ることができる。
【0014】
この場合、好ましくは、診断用情報処理装置は、試料データ、指定診断画像および複数のサムネイル画像のそれぞれに、複数の採取位置のそれぞれが特定可能な共通の識別用目印としての数字または記号が表示されるように構成されている。このように構成すれば、識別用目印を一般的な目印である数字または記号で表示するので、検体試料が採取された採取位置を医師などが容易に判別することができる。
【0015】
上記第1の局面による診断画像システムにおいて、好ましくは、複数の検体試料のそれぞれに対応する複数の分析結果を生成する検体分析装置をさらに備え、表示画面生成装置が検体分析装置から複数の分析結果を取得することにより、採取位置表示画面には、複数の分析結果をさらに含む試料データが表示されている。このように構成すれば、分析結果が表示されることにより、医師などは採取位置において採取された検体試料の状態が正常か否かを容易に把握することができる。
【0016】
上記第1の局面による診断画像システムにおいて、好ましくは、表示画面生成装置からの採取位置表示画面の情報を保存するサーバをさらに備え、診断用情報処理装置は、サーバから取得した採取位置表示画面の情報に基づいて、表示部に採取位置表示画面を表示するように構成されている。このように構成すれば、表示画面生成装置において生成した採取位置表示画面をサーバに保存しておくことができるので、診断用情報処理装置において、医師などは現在の採取位置表示画面だけでなく過去の採取位置表示画面も参照することができる。
【0017】
上記検体分析装置を備える診断画像システムにおいて、好ましくは、放射線撮影装置、表示画面生成装置、診断用情報処理装置、および、検体分析装置は、ネットワークにより通信可能に接続されている。このように構成すれば、診断用情報処理装置に表示される採取位置表示画面に必要な情報をネットワークを介して容易に集めることができるので、診断用情報処理装置における採取位置表示画面の生成を容易に行なうことができる。
【0018】
上記第1の局面による診断画像システムにおいて、好ましくは、表示画面生成装置は、複数の診断画像により特定された複数の採取位置のそれぞれが、複数の診断画像のうちの対応する診断画像および複数のサムネイル画像のうちの対応するサムネイル画像に対してユーザーにより指定されることによって採取位置表示画面が生成されるように構成されている。このように構成すれば、ユーザーが複数の診断画像および複数のサムネイル画像を確認した上で、ユーザーが対応する診断画像および対応するサムネイル画像に複数の採取位置のそれぞれを指定することができる。これにより、複数の採取位置のそれぞれが精度よく特定された診断画像および複数のサムネイル画像を医師などに提供することができる。
【0019】
上記第1の局面による診断画像システムにおいて、好ましくは、診断用情報処理装置は、試料データに含まれる複数の採取位置の情報のいずれかが指定された場合に、複数の採取位置のうち指定された採取位置の情報に対応する指定診断画像を表示部に表示するように構成されている。このように構成すれば、試料データを参照した上で、医師などは、採取位置の情報をより詳しく知りたいと考えた指定診断画像を即座に参照することができるので、医師などは必要とする採取位置の情報を即座に取得することができる。
【0020】
上記第1の局面による診断画像システムにおいて、好ましくは、診断用情報処理装置は、複数のサムネイル画像のうちのいずれかが指定された場合に、複数のサムネイル画像のうち指定されたサムネイル画像に対応する指定診断画像を表示部に表示するように構成されている。このように構成すれば、複数のサムネイル画像を参照した上で、医師などが採取位置の情報をより詳しく知りたいと考えたサムネイル画像に対応する指定診断画像を即座に取得することができる。これにより、指定診断画像は、サムネイル画像よりも拡大され、かつ、採取位置が識別用目印により示されているので、医師などは必要とする採取位置の情報をより詳細に取得することができる。
【0021】
この発明の第2の局面における診断用情報処理装置は、
被検体から採取される複数の検体試料のそれぞれに対応する複数の採取位置の少なくともいずれかを含む複数の診断画像と、複数の検体試料のそれぞれに対応する複数の採取位置の情報を含む試料データとが表示された採取位置表示画面の情報を取得するとともに、取得した採取位置表示画面を表示する表示部を備え、採取位置表示画面には、試料データと、複数の診断画像のうちの指定された指定診断画像と、複数の診断画像のそれぞれに対応
し、かつ、採取位置を含む複数のサムネイル画像とが表示されている。
【0022】
この発明の第2の局面における診断用情報処理装置では、指定診断画像と、複数の診断画像のそれぞれに対応する複数のサムネイル画像と、複数の採取位置の情報を含む試料データとがまとめて採取位置表示画面上に表示される。これにより、複数の採取位置が複数の診断画像によって別々に把握される場合でも、複数の診断画像に表示された複数の採取位置(診断上必要な位置)を医師などが明確に把握することができる。すなわち、表示された試料データの採取位置を複数のサムネイル画像にわたって参照することができ、指定した指定診断画像上でそれらの採取位置の関係を把握することができる。その結果、複数の診断画像にわたって採取位置の情報を参照し、診断に用いる診断画像上において採取位置を把握することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、上記のように、複数の診断画像にわたって採取位置の情報を参照し、診断に用いる診断画像上において採取位置を把握することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1〜
図6を参照して、本実施形態による診断画像システム1の構成について説明する。診断画像システム1は、被検体Tの検体試料を採取することによって局所診断を行なうように構成されている。具体的には、診断画像システム1では、検体試料の採取のためのX線画像撮影と、採取された検体試料の分析とが行なわれている。
【0027】
(診断画像システム)
診断画像システム1を用いた局所診断の例としては、原発性アルドステロン症の診断のための副腎静脈サンプリングや、インスリノーマの診断のための選択的動脈内カルシウム注入試験、内視鏡を用いて内臓の組織片を採取して行う内視鏡下生検などがある。
【0028】
図1に示すように、診断画像システム1は、被検体TのX線画像Gを撮影するX線撮影装置2と、被検体Tから採取される検体試料の分析を行う検体分析装置3とを備えている。ここで、X線撮影装置2および検体分析装置3のそれぞれは、検査室R1および分析室R2に別々に設置されている。また、診断画像システム1は、X線画像Gおよび検体試料の採取位置Cに基づいて採取位置表示画面Mを作成するワークステーション4と、採取位置表示画面Mが格納されるデータベースサーバ5と、データベースサーバ5から取得された採取位置表示画面Mを閲覧する診断用情報処理装置6とを備えている。なお、X線撮影装置2、ワークステーション4およびデータベースサーバ5は、それぞれ、特許請求の範囲の「放射線撮影装置」、「表示画面生成装置」および「サーバ」の一例である。
【0029】
診断画像システム1は、被検体T内の検体試料を採取するために、X線撮影装置2によって被検体Tの外部からX線画像Gを撮影する。検体試料を採取する際、検体採取デバイス10が被検体Tの内部に導入され、撮影されたX線画像Gを手がかりに、検体採取を担当する医師が検体採取デバイス10を検体試料の採取位置C(
図5参照)まで進入させ、検体試料を採取する。
【0030】
副腎静脈サンプリングでは、検体採取デバイス10にカテーテルが用いられる。
【0031】
採取された検体試料は、検体採取デバイス10に取り込まれ、検体試料を収容するための検体容器Bに別途収容された後、検体容器Bが検体分析装置3に移送される。検体分析装置3は、医師などの操作者が検体容器Bを検体分析装置3にセットすることにより、検体分析装置3が検体試料を受け付ける。検体容器Bは、たとえば採血管である。検体分析装置3は、取得した検体試料の分析を行う。
【0032】
ここで、検体容器Bには、検体試料を特定するための試料特定情報が付されている。試料特定情報は、採取された検体試料を収容するための検体容器Bに付される識別情報Uである。識別情報Uは、たとえば検体容器Bにバーコードや2次元コードの形式で付される検体IDである。識別情報Uは、たとえばバーコードが印字されたラベルの形態で用意され、検体試料が採取される際に、操作者によって検体容器Bに貼付される。
【0033】
(X線撮影装置)
図2に示すように、X線撮影装置2は、被検体Tの外側から放射線を照射することによって、被検体T内を画像化するためのX線画像Gを撮影する装置である。
【0034】
X線撮影装置2は、被検体Tに放射線(X線)を照射する照射部21と、被検体Tを透過した放射線を検出する検出部22とを備えている。照射部21と検出部22とは、それぞれ、被検体Tが載置される天板23を挟んで対向するように配置されている。照射部21および検出部22は、移動機構24に移動可能に支持されている。天板23は、天板駆動部25により水平方向に移動可能である。被検体Tの関心領域を撮影できるように、移動機構24および天板駆動部25を介して照射部21、検出部22および天板23が移動される。関心領域は、被検体Tのうちで、検体試料の採取位置Cを含む領域である。X線撮影装置2は、移動機構24および天板駆動部25を制御する制御部26を備えている。
【0035】
照射部21は、放射線源21aを含んでいる。放射線源21aは、たとえば、所定の高電圧が印加されることによりX線を発生させるX線管である。照射部21は、制御部26に接続されている。制御部26は、予め設定された撮影条件に従って照射部21を制御し、放射線源21aからX線を発生させる。
【0036】
検出部22は、照射部21から照射され、被検体Tを透過したX線を検出し、検出したX線強度に応じた検出信号を出力する。検出部22は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)により構成されている。また、X線撮影装置2は、検出部22からX線検出信号を取得して、検出部22の検出信号に基づきX線画像Gを生成する画像処理部27を備えている。検出部22は、所定の解像度の検出信号を画像処理部27に出力する。
【0037】
画像処理部27は、たとえば、CPU(Central Processing Unit、図示せず)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory、図示せず)およびRAM(Random Access Memory、図示せず)などの記憶部(図示せず)とを含んで構成されるコンピュータであり、画像処理プログラムをプロセッサに実行させることにより画像処理部27として機能する。画像処理部27は、X線画像Gを生成するほか、X線画像Gの視認性を向上するための補正処理や、複数のX線画像Gを合成する合成処理などを行う機能を有している。また、画像処理部27は、生成したX線画像Gのサムネイル画像TH(
図5参照)を生成する処理を行なう。
【0038】
制御部26は、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)およびRAM(図示せず)などを含んで構成されたコンピュータである。制御部26は、CPUが所定の制御プログラムを実行することにより、X線撮影装置2の各部を制御する制御部26として機能する。制御部26は、照射部21および画像処理部27の制御や、移動機構24および天板駆動部25の駆動制御を行う。
【0039】
X線撮影装置2は、表示部26a、操作部26bおよび記憶部26cを備える。また、X線撮影装置2は、ネットワークNと接続するための通信部26dを備える。表示部26aは、たとえば液晶ディスプレイなどのモニタである。操作部26bは、たとえばキーボードおよびマウス、タッチパネルまたは他のコントローラーなどを含んで構成される。記憶部26cは、たとえばハードディスクドライブなどの記憶装置により構成される。制御部26は、画像処理部27により生成された画像を表示部26aに表示させる制御を行うように構成されている。また、制御部26は、操作部26bを介した入力操作を受け付けるように構成されている。記憶部26cは、X線画像Gのデータ、識別情報Uのデータおよびサムネイル画像THのデータなどを記憶するように構成されている。
【0040】
X線撮影装置2は、
図1に示すように、採取された検体試料を収容するための検体容器Bに付される識別情報Uを読み取るための読取部28を備える。読取部28は、たとえば識別情報Uに応じたバーコードリーダー(2次元コードリーダー)であり、それぞれ検体容器Bに付される識別情報Uを読み取ることが可能である。制御部26は、検体試料が採取される際に、読取部28により読み出された識別情報UをX線画像Gに付与するように構成されている。
【0041】
(検体分析装置)
検体分析装置3は、被検体Tから採取された検体試料を取得して、診断に必要な成分の測定や細胞の検出などを行う装置である。検体分析装置3は、たとえば血中成分を分析するための血液分析装置や、血球分類装置、化学分析装置などであるが、検体分析装置3による測定または検出の対象物は、診断の目的となる疾患の種類によって異なるため、疾患の種類に応じて選択される。
【0042】
検体分析装置3の一例として、
図3に示すように、液体クロマトグラフ質量分析計からなる検体分析装置3を示す。検体分析装置3は、検体試料に含まれる目的成分の分離を行う液体クロマトグラフ部31(以下、LC部31という)と、分離された目的成分をイオン化し、目的イオンを質量数に応じて分離検出する質量分析部32(以下、MS部32という)とを備える。
【0043】
LC部31は、搬送液を収容する搬送液リザーバ(図示せず)と、搬送液を検体試料とともに送り出す送液ポンプ(図示せず)と、検体試料を導入する試料導入部(図示せず)と、搬送液中の検体試料を成分毎に分離する分離カラム(図示せず)とを主として含む。
【0044】
MS部32は、LC部31の後段に設けられ、LC部31で分離された試料成分をイオン化するイオン化部(図示せず)と、生成されたイオンを質量分離して特定イオンを通過するための質量分離器(図示せず)と、質量分離器を通過したイオンを検出するイオン検出器(図示せず)とを主として含む。MS部32により、LC部31から順次溶出する試料成分について、質量毎の検出信号が出力される。
【0045】
検体分析装置3は、MS部32の検出信号に基づいて成分分析を行うデータ処理部33を備える。データ処理部33は、質量毎の検出信号からマススペクトルを作成し、既知の検量線と対比することにより、検体試料中の所定成分(コルチゾールやアルドステロンなど)の定量分析を行う。
【0046】
検体分析装置3は、
図1に示すように、表示部33a、操作部33b、記憶部33cおよび通信部33dを備える。検体分析装置3は、さらに読取部34を備える。データ処理部33は、検体試料が分析される際に、読取部34により読み出された識別情報Uを分析結果RAに付与するように構成されている。これにより、
図4に示すように、分析結果RAとX線画像Gとが、共通の識別情報Uを介して相互に対応付けられる。
【0047】
(ワークステーション)
ワークステーション4は、
図1に示すように、採取位置表示画面Mを生成するように構成されている。具体的には、ワークステーション4は、制御部41、表示部42、操作部43および記憶部44を備える。また、ワークステーション4は、ネットワークNと接続するための通信部45を備える。
【0048】
制御部41は、X線撮影装置2から取得されたX線画像Gを表示部42に表示させるように構成されている。また、制御部41は、検体分析装置3から取得された分析結果RAを表示部42に表示させるように構成されている。また、制御部41は、操作部43を介した入力操作を受け付けるように構成されている。記憶部44は、X線画像Gのデータ、識別情報Uのデータ、検体試料の分析結果RAのデータなどを記憶するように構成されている。通信部45は、ネットワークNを介してX線撮影装置2、検体分析装置3およびデータベースサーバ5と通信可能に接続されている。
【0049】
また、ワークステーション4は、読取部46を備える。制御部41は、読取部46により識別情報Uを読み取ったことに基づいて、識別情報Uに対応付けられたX線画像GをX線撮影装置2から取得するとともに、識別情報Uに対応付けられた分析結果RAを検体分析装置3から取得するように構成されている。
【0050】
具体的には、制御部41は、通信部45によりネットワークNを介して、X線撮影装置2から複数のX線画像Gのデータと、複数のX線画像Gのデータのそれぞれに対応する識別情報Uとを取得する。また、制御部41は、通信部45によりネットワークNを介して検体分析装置3から複数の分析結果RAのデータと、複数の分析結果RAのデータのそれぞれに対応する識別情報Uとを取得する。
【0051】
また、制御部41は、X線撮影装置2から複数のX線画像Gのそれぞれに対応する複数のサムネイル画像THを取得するように構成されている。具体的には、制御部41は、通信部45によりネットワークNを介して、X線撮影装置2から複数のサムネイル画像THのデータおよび複数のサムネイル画像TH(
図5参照)のデータのそれぞれに対応する識別情報Uを取得している。制御部41は、複数の採取位置Cを取得するように構成されている。具体的には、制御部41は、取得された複数のX線画像Gを用いてユーザーにより採取位置Cが指定されたことに基づいて、複数の検体試料のそれぞれに対応する複数の採取位置Cのデータを取得している。
【0052】
そして、ワークステーション4は、X線画像Gのデータ、識別情報Uのデータ、検体試料の分析結果RAのデータ、複数の採取位置Cのデータに基づいて、採取位置表示画面M(
図5参照)を生成するように構成されている。
【0053】
(データベースサーバ)
データベースサーバ5は、ワークステーション4において生成された採取位置表示画面M(
図5参照)を保存し、診断用情報処理装置6に取得した採取位置表示画面Mを提供するように構成されている。具体的には、データベースサーバ5は、ワークステーション4と基本的な構成は同様であり、制御部(図示せず)、表示部(図示せず)、操作部(図示せず)および記憶部(図示せず)を備える。また、データベースサーバ5は、ネットワークNと接続するための通信部(図示せず)を備える。制御部は、ワークステーション4からの指令に基づいて、通信部によりネットワークNを介して、ワークステーション4から採取位置表示画面Mのデータを取得して保存している。また、制御部は、診断用情報処理装置6からの指令に基づいて、通信部によりネットワークNを介して、診断用情報処理装置6に記憶部に格納された採取位置表示画面Mのデータを提供している。
【0054】
(診断用情報処理装置)
診断用情報処理装置6は、
図1に示すように、制御部61、表示部62、操作部63および記憶部64を備える。また、診断用情報処理装置6は、ネットワークNと接続するための通信部65を備える。
【0055】
制御部61は、ワークステーション4により生成された採取位置表示画面M(
図5参照)のデータをデータベースサーバ5から取得するように構成されている。また、制御部61は、データベースサーバ5から取得された採取位置表示画面Mを表示部62に表示させるように構成されている。また、制御部61は、操作部63を介した入力操作を受け付けるように構成されている。記憶部64は、採取位置表示画面Mのデータなどを記憶するように構成されている。通信部65は、ネットワークNを介してデータベースサーバ5と通信可能に接続されている。
【0056】
〈採取位置表示画面〉
血管造影を伴う検査では、関心領域内を部分的に造影したX線画像Gを用いて、関心領域の全ての血管が網羅されている。そして、関心領域内を部分的に造影したX線画像Gを用いて、複数の検体試料のそれぞれの採取位置Cの特定に必要な血管を突き止めていくことにより、複数の検体試料のそれぞれの採取位置Cが特定されている。しかし、複数の検体試料のそれぞれの採取位置Cが、複数のX線画像Gに分かれているため、1つのX線画像Gに複数の検体試料の全ての採取位置CがあるX線画像Gよりも、複数の採取位置Cの情報を整理することが困難になっている。
【0057】
そこで、本実施形態の診断用情報処理装置6は、試料データ、X線画像Gおよびサムネイル画像THのそれぞれの採取位置Cに共通の数字を付すことにより、採取位置Cが特定可能に表示された採取位置表示画面Mを表示部62に表示するように構成されている。以下、
図5を参照して、採取位置表示画面Mに関しての説明を行なう。
【0058】
具体的には、採取位置表示画面Mは、検査情報Eおよび解析情報ANを表示する第1表示領域F1と、採取位置Cが特定可能に表示された複数のサムネイル画像THを表示する第2表示領域F2と、採取位置Cが特定可能に表示された指定X線画像DGを表示する第3表示領域F3とを有している。採取位置表示画面Mにおいて、第1表示領域F1は左上に配置され、第2表示領域F2は右上に配置され、第3表示領域F3は下部に配置されている。なお、解析情報ANおよび指定X線画像DGは、それぞれ、特許請求の範囲の「試料データ」および「指定診断画像」の一例である。
【0059】
検査情報Eは、検査ID、検査日時、患者名、患者ID、年齢および性別といった複数の項目を有している。検査IDは、行なわれている検査特有のIDが登録される項目である。検査日時は、検査が行なわれた日時が登録される項目である。患者名は、検査を受診した患者の名前が登録される項目である。患者IDは、患者名に対応するIDが登録される項目である。年齢および性別は、患者の年齢および性別のそれぞれが登録される項目である。ここで、検査ID、検査日時、患者名、患者ID、年齢および性別といった項目は、ワークステーション4において、ユーザーにより手動で登録される。
【0060】
解析情報ANは、複数の検体試料のそれぞれの採取位置Cを含む複数の特定情報を有している。解析情報ANは、採取位置C、識別情報U、血管名、分析結果RAおよびステータスといった複数の項目を有している。解析情報ANには、複数の検体試料のうちの任意の検体試料における、採取位置C、識別情報U、血管名、分析結果RAおよびステータスといった項目に関する情報が登録される。以下、複数の検体試料のうちの任意の検体試料を、1番の数字が付された第1検体試料71として、解析情報ANの複数の項目を説明する。なお、第1検体試料71は、X線画像Gにおいて1番の数字で示された場所から採取された検体試料である。なお、1番の数字は、特許請求の範囲の「識別用目印」の一例である。
【0061】
採取位置Cは、第1検体試料71の採取位置Cの番号(1番)が登録される項目である。識別情報Uは、第1検体試料71が保存されている検体容器Bに付された識別情報Uが登録される項目である。血管名は、第1検体試料71の採取位置Cの血管名が登録される項目である。分析結果RAは、第1検体試料71を検体分析装置3において分析したことにより取得された分析結果RAが登録される項目である。ステータスは、採取位置表示画面M中の項目の登録作業の進行状況が登録される項目である。ここで、識別情報U、分析結果RAおよびステータスといった項目は、ワークステーション4により、読取部46により識別情報Uを読み取ったことに基づいて取得される分析結果RAに基づいて、自動で登録される。また、採取位置Cおよび血管名といった項目は、ワークステーション4において、ユーザーにより手動で登録される。
【0062】
なお、第1検体試料71以外の第2〜第6検体試料72〜76に関しても同様に解析情報AN内の項目が登録される。ここで、第2検体試料72は、X線画像Gにおいて2番の数字で示された場所から採取された検体試料である。第3検体試料73は、サムネイル画像THにおいて3番の数字で示された場所から採取された検体試料である。第4検体試料74は、サムネイル画像THにおいて4番の数字で示された場所から採取された検体試料である。第5検体試料75は、サムネイル画像THにおいて5番の数字で示された場所から採取された検体試料である。第6検体試料76は、サムネイル画像THにおいて6番の数字で示された場所から採取された検体試料である。なお、2〜6番の数字は、特許請求の範囲の「識別用目印」の一例である。
【0063】
このように、解析情報ANでは、採取位置C、識別情報U、血管名、分析結果RAおよびステータスといった複数の項目が、第1〜第6検体試料71〜76ごとに分けてリスト表示されている。
【0064】
第2表示領域F2に表示されるサムネイル画像THは、
図5に示すように、X線撮影装置2において撮影された複数のX線画像Gのそれぞれに対応する複数のサムネイル画像THである。複数のサムネイル画像THのそれぞれは、左端から順に、第1サムネイル画像81、第2サムネイル画像82、第3サムネイル画像83、第4サムネイル画像84および第5サムネイル画像85となっている。ここで、第1サムネイル画像81、第2サムネイル画像82、第3サムネイル画像83および第4サムネイル画像84は、それぞれ、複数(4枚)のX線画像Gを縮小した画像である。第5サムネイル画像85は、レポートの画像となっている。ここで、レポートとは、X線画像Gから読み取れる情報を医師などに伝えるためのデータである。
【0065】
複数のサムネイル画像THのそれぞれには、複数の採取位置Cのそれぞれが特定可能な数字が表示されている。第1サムネイル画像81には、第1検体試料71の採取位置Cを示す1番の数字および第2検体試料72の採取位置Cを示す2番の数字が表示されている。第2サムネイル画像82には、第3検体試料73の採取位置Cを示す3番の数字が表示されている。第3サムネイル画像83には、第4検体試料74の採取位置Cを示す4番の数字および第5検体試料75の採取位置Cを示す5番の数字が表示されている。第5サムネイル画像85には、第6検体試料76の採取位置Cを示す6番の数字が表示されている。第5サムネイル画像85には、検査情報E、複数のサムネイル画像THおよび解析情報ANが表示されている。
【0066】
第3表示領域F3に表示されるX線画像Gは、
図5に示すように、複数のX線画像Gのうちの医師などにより指定された指定X線画像DGである。ここで、医師などに指定されたとは、解析情報ANにおける第1〜第6検体試料71〜76のうちのいずれかを指定した場合および第1〜第5サムネイル画像81〜85のいずれかを指定した場合である。
【0067】
すなわち、診断用情報処理装置6は、複数の採取位置Cのそれぞれの採取位置Cを含む第1〜第6検体試料71〜76の解析情報ANのいずれかが医師などにより指定された場合に、その指定された解析情報ANに対応する指定X線画像DGを表示部62に表示するように構成されている。また、診断用情報処理装置6は、第1〜第5サムネイル画像81〜85のうちのいずれかが医師などに指定された場合に、その指定されたサムネイル画像THに対応する指定X線画像DGを表示部62に表示するように構成されている。
【0068】
図5では、医師などが第1〜第5サムネイル画像81〜85のうち第1サムネイル画像81を指定した場合が示されている。ここで、第3表示領域F3に表示されている指定X線画像DGは、第1〜第5サムネイル画像81〜85よりも大きなX線画像Gである。
【0069】
このように、第1表示領域F1の解析情報AN、第2表示領域F2の第1〜第5サムネイル画像81〜85および第3表示領域F3の指定X線画像DGには、第1〜第6検体試料71〜76のそれぞれの採取位置Cが特定可能な共通の1〜6番の数字が表示されている。
【0070】
〈採取位置表示画面の生成処理フローのフローチャート〉
図6を参照して、X線撮影装置2、検体分析装置3およびワークステーション4による、採取位置表示画面Mの生成処理フローを説明する。
【0071】
ステップS1において、X線撮影装置2がX線画像Gの撮影を開始し、表示部26aに動画像形式で被検体Tの透視画像を表示する。検体採取デバイス10が採取位置Cに配置されると、ステップS2において、制御部26は、読取部28を用いて検体容器Bの識別情報Uを取得する。すなわち、操作者が、読取部28を使用して識別情報Uが印字された任意のラベルを選択して、識別情報Uを読み取る。識別情報Uが読み取られたラベルは、操作者により、今回の検体試料を収容するための検体容器Bに貼付される。
【0072】
制御部26は、ステップS3において、検体試料が採取される際のX線画像G(静止画像)を取得する。この際、制御部26は、ステップS2で取得した識別情報UをX線画像Gに付与して記録する。
【0073】
検体試料は、検体容器B内に収容される。検体試料を収容した検体容器Bは、操作者によって、検体分析装置3が設置された分析室R2まで搬送される。
【0074】
ステップS2およびS3は、今回の副腎静脈サンプリングにおいて必要とされる全ての検体試料の採取が完了するまで、繰り返される。
【0075】
一方、検体分析装置3は、ステップS4において、検体試料を受け付ける。すなわち、検体試料を収容した検体容器Bが検体分析装置3にセットされる。ステップS5において、データ処理部33は、読取部34を用いて検体容器Bの識別情報Uを取得する。すなわち、操作者が、読取部34を使用して検体容器Bに貼付された識別情報Uを読み取る。
【0076】
ステップS6において、検体分析装置3は、受け付けた検体試料の分析を行う。ステップS7において、データ処理部33は、分析結果RAを作成する。ステップS8において、データ処理部33は、検体試料の分析結果RAに識別情報Uを付与して出力する。
【0077】
そして、ステップS9において、ワークステーション4は、X線画像Gおよび分析結果RAを取得する。すなわち、ワークステーション4は、識別情報Uが付与されたX線画像GをX線撮影装置2から取得する。そして、ワークステーション4は、識別情報Uが付与された分析結果RAを検体分析装置3から取得する。
【0078】
ワークステーション4は、検体容器Bに付された識別情報Uを読取部46により読み取ることにより、識別情報U、X線画像Gおよび分析結果RAを取得するように構成されている。そして、ユーザーによる手動および読取部46の読み取りにより自動で、検査情報E、解析情報ANおよび採取位置Cを採取位置表示画面Mに入力する。ステップS10において、検査情報E、解析情報ANおよび採取位置Cの必要な項目が全て入力された採取位置表示画面Mをデータベースサーバ5に出力する。これにより、採取位置表示画面Mが、診断用情報処理装置6に提供可能なようにデータベースサーバ5に保存される。
【0079】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0080】
また、本実施形態では、指定X線画像DGと、複数のX線画像Gのそれぞれに対応する第1〜第5サムネイル画像81〜85と、複数の採取位置Cの情報を含む解析情報ANとがまとめて採取位置表示画面M上に表示される。これにより、複数の採取位置Cが複数のX線画像Gによって別々に把握される場合でも、複数のX線画像Gに表示された複数の採取位置C(診断上必要な位置)を医師などが明確に把握することができる。すなわち、表示された解析情報ANの採取位置Cを第1〜第5サムネイル画像81〜85にわたって参照することができ、指定した指定X線画像DG上でそれらの採取位置Cの関係を把握することができる。この結果、複数のX線画像Gにわたって採取位置Cの情報を参照し、診断に用いるX線画像G上において採取位置Cを把握することができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、複数の採取位置Cのそれぞれが特定可能なように共通の数字により、指定X線画像DG、および、第1〜第5サムネイル画像81〜85のそれぞれの複数の採取位置C(診断上必要な位置)を医師などが明確に判別することができる。さらに、複数の採取位置Cのそれぞれに対応する解析情報ANも医師などが容易に確認することができる。これらの結果、採取された検体試料に関し、表示部62に表示された情報により、診断上必要な位置に関する情報(採取位置Cおよび解析情報AN)を医師などが十分に得ることができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、診断用情報処理装置6は、解析情報ANと、指定X線画像DGおよび第1〜第5サムネイル画像81〜85に、複数の採取位置Cのそれぞれが特定可能な数字が表示されるように構成されている。これにより、一般的な目印である数字で採取位置Cを表示するので、検体試料が採取された採取位置Cを医師などが容易に判別することが可能である。
【0083】
また、本実施形態では、上記のように、診断画像システム1は、複数の検体試料のそれぞれに対応する複数の分析結果RAを生成する検体分析装置3をさらに備えている。そして、ワークステーション4が検体分析装置3から複数の分析結果RAを取得することにより、採取位置表示画面Mには、複数の分析結果RAをさらに含む解析情報ANが表示されている。これにより、分析結果RAが表示されることにより、医師などは採取位置Cにおいて採取された第1〜第6検体試料71〜76の状態が正常か否かを容易に把握することができる。また、解析情報ANに含まれる情報がさらに充実するため、医師などが解析情報ANから取得できる情報量を大きくすることが可能である。
【0084】
また、本実施形態では、上記のように、診断画像システム1は、ワークステーション4からの採取位置表示画面Mの情報を保存するサーバを備えている。診断用情報処理装置6は、データベースサーバ5から取得した採取位置表示画面Mの情報に基づいて、表示部62に採取位置表示画面Mを表示するように構成されている。これにより、ワークステーション4において生成した採取位置表示画面Mをデータベースサーバ5に保存しておくことができるので、診断用情報処理装置6において、医師などは現在の採取位置表示画面Mだけでなく過去の採取位置表示画面Mも参照することができる。
【0085】
また、本実施形態では、上記のように、放射線撮影装置、ワークステーション4、診断用情報処理装置6、および、検体分析装置3は、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。これにより、診断用情報処理装置6に表示される採取位置表示画面Mに必要な情報をネットワークNを介して容易に集めることができるので、診断用情報処理装置6における採取位置表示画面Mの生成を容易に行なうことができる。
【0086】
また、本実施形態では、上記のように、ワークステーション4は、複数のX線画像Gにより特定された複数の採取位置Cのそれぞれが、複数のX線画像Gおよび第1〜第5サムネイル画像81〜85に対して、ユーザーに指定されることにより採取位置表示画面Mが生成されるように構成されている。これにより、ユーザーが複数のX線画像Gおよび第1〜第5サムネイル画像81〜85を確認した上で、対応するX線画像Gおよび対応する第1〜第5サムネイル画像81〜85に複数の採取位置Cのそれぞれをユーザーにより指定することができる。この結果、複数の採取位置Cのそれぞれが精度よく特定されたX線画像Gおよび第1〜第5サムネイル画像81〜85を医師などに提供することができる。また、複数の採取位置Cのそれぞれが、ユーザーによりX線画像Gおよび第1〜第5サムネイル画像81〜85のそれぞれに指定されるので、画像処理を用いて複数の採取位置Cを指定する場合よりも、ワークステーション4における制御処理の負担を軽減させることが可能である。
【0087】
また、本実施形態では、上記のように、診断用情報処理装置6は、解析情報ANと、第1〜第5サムネイル画像81〜85、および、指定X線画像DGのすべてが採取位置表示画面Mに表示されるように構成されている。これにより、解析情報ANと、第1〜第5サムネイル画像81〜85および指定X線画像DGのいずれか一方とが採取位置表示画面Mに表示される場合と異なり、医師などは、指定X線画像DGを確認しつつ、複数のX線画像Gのそれぞれに対応する複数のサムネイル画像THを確認することができる。この結果、医師などは、指定X線画像DG上で採取位置Cの詳細な位置を確認できるとともに、複数のサムネイル画像TH上で複数の採取位置Cを大まかに確認することができる。
【0088】
また、本実施形態では、上記のように、診断用情報処理装置6は、解析情報ANに含まれる複数の採取位置Cの情報のいずれかが医師などにより指定された場合に、指定X線画像DGを表示部62に表示するように構成されている。これにより、解析情報ANを参照した上で、医師などは、採取位置Cの情報をより詳しく知りたいと考えた指定X線画像DGを即座に参照することができるので、医師などは必要とする採取位置Cの情報を即座に取得することができる。
【0089】
また、本実施形態では、上記のように、診断用情報処理装置6は、第1〜第5サムネイル画像81〜85のうちのいずれかが医師などにより指定された場合に、第1〜第5サムネイル画像81〜85のうち指定されたサムネイル画像THに対応する指定X線画像DGを表示部62に表示するように構成されている。これにより、第1〜第5サムネイル画像81〜85を参照した上で、医師などが採取位置Cの情報をより詳しく知りたいと考えたサムネイル画像THに対応する指定X線画像DGを即座に取得することができる。この結果、指定X線画像DGは、サムネイル画像THよりも拡大され、かつ、採取位置Cが数字により示されているので、医師などは必要とする採取位置の情報をより詳細に取得することができる。
【0090】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0091】
たとえば、上記実施形態では、採取位置表示画面Mに検査情報E、解析情報AN、サムネイル画像THおよび指定X線画像DGのすべてが表示されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図7に示す第1参考例のように、サムネイル画像THを表示させずに、検査情報E、解析情報ANおよび指定X線画像DGだけを表示させてもよい。この場合、制御部61は、第1〜第6検体試料71〜76のいずれかが医師などにより選択されたことに基づいて、対応する指定X線画像DG(選択された検体試料の採取位置Cが含まれる指定X線画像DG)に切り替えて表示部62に表示させることが可能である。また、
図8に示す第2参考例のように、指定X線画像DGを表示させずに、検査情報E、解析情報ANおよびサムネイル画像THだけを表示させてもよい。また、本発明では、
図9に示す第3参考例のように、指定X線画像DG上に検査情報Eおよび解析情報ANを表示する態様でもよい。
【0092】
なお、採取位置表示画面Mに表示する内容は、ワークステーション4においてユーザーにより適宜決定されてもよいし、診断用情報処理装置6においてユーザーにより適宜決定されてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、採取位置表示画面Mにおいて、第1表示領域F1は左上に配置され、第2表示領域F2は右上に配置され、第3表示領域F3は下部に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1表示領域を下部に示し、第2表示領域を左上に示し、第3表示領域を右上に示すような態様であってもよいし、他の態様であってもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、採取位置表示画面Mにおいて、解析情報AN、指定X線画像DGおよびサムネイル画像THのそれぞれの採取位置Cに共通の数字が表示されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、解析情報、指定X線画像およびサムネイル画像のそれぞれの採取位置に共通の記号が表示されていてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、第1〜第6検体試料71〜76の採取位置Cのそれぞれを採取位置表示画面Mに表示する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1〜第6検体試料の採取位置の数以上の複数の採取位置を採取位置表示画面に表示してもよいし、第1〜第6検体試料の採取位置の数未満の複数の採取位置を採取位置表示画面Mに表示してもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、採取位置Cは、血液の採取位置Cの例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、採取位置は、組織片の採取などの採取位置でもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、検体試料は検体容器Bに別途収容された後、検体分析装置3に移送される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、検体情報は検体分析装置に直接移送されてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、複数のサムネイル画像THは、5枚第2表示領域F2に表示されているが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数のサムネイル画像は、2〜4、または、6枚以上であってもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、X線撮影装置2、検体分析装置3およびワークステーション4の制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X線撮影装置、検体分析装置およびワークステーションの制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。