(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の円筒状壁部分の縦方向の全体は、前記主要本体の前記内部のショルダ部分の前記閉じた前端部から前記接触点までと、前記プランジャロッドの前記前方端部上の先細部と、の間に延びることを特徴とする請求項1に記載のストッパ。
前記傾斜部分は、第1の端部および第2の端部を含み、前記傾斜部分の前記第1の端部は、前記第1の円筒状の壁部分と連結し、前記傾斜部分の前記第2の端部は、前記傾斜部分の第2の端部から前記主要本体の前記開いた後方端部に向かって延びる第2の円筒状の壁部分と連結することを特徴とする請求項1に記載のストッパ。
前記ストッパの前記突出部分は、前記シリンジ外筒の出口開口部と共に押し込みシールを生み出すように適合されたプロファイルを有することを特徴とする請求項1に記載のストッパ。
前記ストッパ中央ポストは、前記突出部分と前記後部分の間に配置された中央部分を含み、前記突出部分は、前記主要本体の前記前端部を超えて延び、前記中央部分は、前記主要本体の前記閉じた前端部と相互連結されることを特徴とする請求項1に記載のストッパ。
前記主要本体は、前記主要本体の前端部から延びる少なくとも1つの前方に延びるスカートを含み、前記スカートは、前記シリンジ外筒に正圧を生み出すように適合されることを特徴とする請求項1に記載のストッパ。
前記ストッパ中央ポストの前記後部分は、その中に形成された少なくとも1つの溝を含み、前記ストッパは、前記閉じた前端部の内面と連結され、前記主要本体の内部に延びる突起部を含み、前記溝は、前記突起部および前記ストッパ中央ポストの後部分の外面の間に定義されることを特徴とする請求項1に記載のストッパ。
前記ストッパ中央ポストの後部分は、その中に形成された複数の溝を含み、前記ストッパは、前記閉じた前端部の内面と連結され、前記主要本体の内部に延びる第1の突起部および第2の突起部を含み、前記複数の溝の一つは、前記第1の突起部および前記ストッパ中央ポストの後部分の外面の間に定義され、前記複数の溝の他の一つは、前記第2の突起部および前記ストッパ中央ポストの後部分の外面の間に定義されることを特徴とする請求項8に記載のストッパ。
前記プランジャロッドの前記前方端部および前記突起部に接触する前記ストッパ中央ポストの前記後部分は、前記プランジャロッドおよび前記プランジャロッドの前記先細部がストッパの内部へと前方へ滑ることを防止し、前記ストッパ中央ポストの前記後部分にかかる圧力を減少させることを特徴とする請求項10に記載のストッパ。
前記ストッパ中央ポストの前記後部分は、その中に形成された複数の溝を含み、前記ストッパは、前記閉じた前端部の内面と連結され、前記主要本体の内部に延びる第1の突起部および第2の突起部を含み、前記複数の溝の一つは、前記第1の突起部および前記ストッパ中央ポストの後部分の外面の間に定義され、前記複数の溝の他の一つは、前記第2の突起部および前記ストッパ中央ポストの後部分の外面の間に定義されることを特徴とする請求項12に記載のストッパ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態による、プランジャロッド、ストッパ、およびシリンジ外筒の分解斜視図である。
【
図2A】本発明の第1の実施形態によるストッパの斜視図である。
【
図2B】
図2Aの2B〜2Bの線に沿って切り取られたストッパの側部断面図である。
【
図3】プランジャロッドに取り付けられ、シリンジ外筒内に配置された
図2Aのストッパの側部断面図である。
【
図4A】本発明の実施形態にしたがった、本発明の第2の実施形態によるストッパの斜視図である。
【
図4B】
図4Aの4B〜4Bの線に沿って切り取られたストッパの側部断面図である。
【
図5A】本発明の実施形態にしたがった、本発明の第3の実施形態によるストッパの側面図である。
【
図5B】
図5Aの5B〜5Bの線に沿って切り取られたストッパの断面図である。
【
図6A】本発明の実施形態にしたがった、本発明の第4の実施形態によるストッパの斜視図である。
【
図6B】
図6Aの6B〜6Bの線に沿って切り取られた
図6Aの外部設計を有し、
図2Bに示す本発明の第1の実施形態による内部設計を有するストッパの側部断面図である。
【
図6C】
図6Aの6B〜6Bの線に沿って切り取られた
図6Aの外部設計を有し、シリンジプランジャロッドの1つのタイプの取り付け部分と組み合わせた、
図4Bに示す本発明の第2の実施形態による内部設計を有するストッパの側部断面図である。
【
図6D】
図6Aの6B〜6Bの線に沿って切り取られた
図6Aの外部設計を有し、シリンジプランジャロッドの代替のタイプの取り付け部分と組み合わせた、
図6Cに示すような内部設計を有するストッパの側部断面図である。
【
図6E】本発明の実施形態による、改変されたスカートを有するストッパアセンブリの側部断面図である。
【
図6F】本発明の実施形態による、スカートが解消されているストッパアセンブリの側部断面図である。
【
図7】シリンジ外筒内に配置された
図6Bのストッパの側部断面図である。
【
図8】シリンジ外筒内に配置された
図6Cのストッパの側部断面図である。
【
図9】シリンジ外筒内に配置された
図6Dのストッパの側部断面図である。
【
図10】本発明の第1の逆流低減ステップ中の、
図2Bのストッパを利用するストッパ/プランジャ構成の側部断面図である。
【
図11】本発明の第2の逆流低減ステップ中の、
図2Bのストッパを利用するストッパ/プランジャ構成の側部断面図である。
【
図12】本発明の第3の逆流低減ステップ中の、
図2Bのストッパを利用するストッパ/プランジャ構成の側部断面図である。
【
図13】本発明の第1の逆流低減ステップ中の、
図6Cのストッパ実施形態を利用するストッパ/プランジャ構成の側部断面図である。
【
図14】本発明の第2の逆流低減ステップ中の、
図6Cのストッパ実施形態を利用するストッパ/プランジャ構成の側部断面図である。
【
図15】本発明の第3の逆流低減ステップ中の、
図6Cのストッパ実施形態を利用するストッパ/プランジャ構成の側部断面図である。
【
図17A】本発明の第1の実施形態による、
図1のプランジャロッド用取り付け部材の拡大斜視図である。
【
図18A】本発明の第2の実施形態による、プランジャロッド用取り付け部材の拡大斜視図である。
【
図19A】本発明の第3の実施形態による、プランジャロッド用取り付け部材の拡大斜視図である。
【
図20A】本発明の第4の実施形態による、プランジャロッド用取り付け部材の拡大斜視図である。
【
図21A】本発明の第5の実施形態による取り付け部材を含むプランジャロッドの斜視図である。
【
図21B】取り付け部材内に位置する補強スラグを含む、
図21Aのプランジャロッドの斜視図である。
【
図21D】補強スラグがプランジャロッドの中空部分内に配置される、
図21Aのプランジャロッドの側面図である。
【
図22A】本発明の一実施形態によるプランジャロッドの分解斜視図である。
【
図22B】22B〜22Bの線に沿って切り取られた
図21Aのプランジャロッドの断面図である。
【
図23A】本発明の第2の実施形態によるプランジャロッドの側面図である。
【
図23B】
図23Aの23B〜23Bの線に沿って切り取られたプランジャロッドの断面図である。
【
図24A】本発明の第3の実施形態によるプランジャロッドの側面図である。
【
図24B】24B〜24Bの線に沿って切り取られた
図24Aのプランジャロッドの断面図である。
【
図25】本発明の実施形態による、別個に形成され得るプランジャロッドの個々の構成要素の分解側面図である。
【
図26】本発明の第5の実施形態によるストッパおよびプランジャロッド構成の側部断面図である。
【
図27】本発明の第6の実施形態によるストッパおよびプランジャロッド構成の側部断面図である。
【
図28】本発明の第7の実施形態によるストッパおよびプランジャロッド構成の側部断面図である。
【
図29】本発明の代替の設計によるストッパおよびプランジャロッド構成の側部断面図である。
【
図30A】本発明の第8の実施形態によるストッパの側部断面図である。
【
図30C】本発明の実施形態による、プランジャロッドと組み合わされ、シリンジ外筒内に配置された
図30Aのストッパの側部断面図である。
【
図30D】プランジャロッドに前方向の力がかけられた際のストッパに対するプランジャロッドの力の印加を示す方向矢印を含む、
図30Cの側部断面図である。
【
図30E】シリンジ外筒壁によって径方向の圧縮がかけられた際のストッパ面または傾斜の長手方向の延長および角度変化を示す、
図30Aのストッパの側部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
これ以後の説明の目的で、用語「上側」、「下側」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「横方向」、「長手方向」、およびそれらの派生語は、図に方向付けられるように本発明に関連付けるものである。しかし、本発明は、明らかにその反対を明示する場合を除き、さまざまな代替の変形形態を想定できることを理解されたい。また、添付の図に示し、以下の明細書で説明する特有の装置は、本発明の例示的な実施形態にすぎないことも理解されたい。故に、本明細書において開示した実施形態に関連付けられる特有の寸法および他の物理的特性は、限定的と考えるものではない。
【0015】
次に、全体を10で示すシリンジの斜視図を示す
図1を参照する。シリンジは、ストッパ12およびプランジャロッド14を備える。ストッパ12およびプランジャロッド14は、シリンジ外筒16内で使用するように適合される。シリンジ10は、好ましくは、フラッシュ用途で使用するために事前充填され殺菌されたタイプのものである。シリンジ外筒16は、ルアー20の形態で示す、(カテーテルなどの)別個の医療装置を取り付けるための出口開口部および/または機構を含む遠位ないし前端部18と、ストッパ12およびプランジャロッド14のアセンブリを受け入れるための開いた近位または後方端部22とを含む。ここでの図は、分離したストッパおよびプランジャアセンブリを示しているが、ストッパの特徴は、プランジャロッド14と一体的に形成されてよいことが企図されたものである。
【0016】
次に、本発明のいくつかの異なる実施形態による押し込み変位ストッパ12の斜視図を示す
図2A、
図4A、および
図6Aを参照する。
図2B、
図4B、および
図6B〜6Dは、シリンジ10に対するストッパの押し込み変位の特徴の詳細を容易に見ることができる、異なるストッパの実施形態の断面図を示しており、この場合同じ要素は、これらの図の間で符号を一致させて示している。ストッパ12は、シリンジ外筒16内で使用するためにプランジャロッド14との取り付けに適合される。ストッパ12は、好ましくは、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、またはこれらの組み合わせのグループから選択されるエラストマー材料から作製される。本発明のストッパ12は、当技術分野でよく知られているような、カテーテルと連結させて使用するものなどのフラッシュシリンジで特に有用である。
【0017】
ストッパは、開いた後方端部28および閉じた前端部30を画成する主要本体26を含む。開いた後方端部28は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31を受け入れるように適合される。前部の前方端部取り付け部分31は、ストッパ12への取り付けを可能にする任意の知られている設計のものでよいが、本発明は、本発明のストッパ12で使用するように適合された、いくつかの本発明による取り付け部材を含む。これらの本発明による取り付け部材を以下でさらに詳細に論じる。
【0018】
ストッパ12は、閉じた前端部30に隣接する、主要本体26と一体的に形成された可撓性コア部材32をさらに含む。
図3に示すように、可撓性コア部材32は、自動調心式になるように適合されたプロファイルを有する突出部分34を含み、それにより、ストッパ12がシリンジ外筒16内で中心に置かれない場合でも、これは、シリンジ外筒16のルアー20の内部表面36などのシリンジ外筒16の出口開口部と共に押し込みシールを生み出す。本明細書では、用語「押し込みシール」は、ストッパ12の突出部分34が、ルアー20の内部表面36に対して完全に接触しシールするように着座することを意味する。ストッパ12が、シリンジ外筒16を通って全距離を進行して、ルアー20の前方壁または内部表面36において内面に接触すると、これと共に押し込みシールが形成され得る。一実施形態では、突出部分34は自動調心式である半球形状を有し、それにより、ストッパ12がシリンジ外筒16内で中心に置かれないときでも、これは、ストッパ12がシリンジ外筒16の底に付けられた後、出口開口部またはルアー20と共に押し込みシールを生み出す。可撓性コア部材32の突出部分34は、シリンジ外筒16の出口開口部またはルアー20に対してそれ自体が自動調心することができるほぼ円錐形、正六面体および/または任意の他の容積測定形状などの他の形状を含むことができる。このシールにより、ストッパ12がシリンジ外筒16の底に付けられた後、余分な流体がシリンジ10から強制流出されることが防止される。注射の最後に吐き出された余分な流体は、「逆流」と呼ばれる現象を引き起こす恐れがあり、このときストッパ12は形状に跳ね返って戻り、その余分な流体をシリンジ10内に引き戻す。本発明の設計では、シールはまた、ストッパ12とシリンジ外筒16の間に捕捉された流体内で圧力を蓄積することを可能にし、さらにはこの蓄積が、圧力が開放された後に流体の押し込み変位を生じさせる。逆流を防止する流体のこの押し込み変位を以下でより詳細に論じる。
【0019】
可撓性コア部材32は、前部分38と、後部分40と、前部分38と後部分40の間に位置する中央部分42とを含む。前部分38は、たとえば主要本体26の長手方向軸に沿って主要本体26から突出する。可撓性コア部材32は、可撓性コア部材32と主要本体26の間を延びる可撓性膜44を介して主要本体26と相互連結され得る。この可撓性コア部材32の後部分40は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31に接触する。自動調心式の突出部分34の本発明の設計により、少量の力がストッパ12にかけられ、ストッパ12およびシリンジ外筒16の全許容範囲を超えたとき、シールを作り出すことが可能になる。
【0020】
上記で述べたように、突出部分34上のシール表面は、
図1に示すシリンジ外筒16の前端部において円錐ルアー20の内部表面36ないし後面と接触する。ルアー20の内部表面36およびストッパ12の突出部分34は完全に同心でない可能性があるため、一実施形態では、ストッパ12の突出部分34は、ルアー20の内部表面36と完全に接触するために横方向に移動することができ得る。さらなる実施形態では、可撓性コア部材32および可撓性膜44は、突出部分34が実質的に横方向に移動することを可能にし得るものである。さらに別の実施形態では、突出部分34の部分的な球形状は、突出部分34が接触前に回転または移動しても、突出部分34とルアー20の内部表面36の間の完全な接触を保証する。
【0021】
現在のストッパは通常、円錐先端部を有し、ストッパおよび外筒が完全に同心であるときのみシールするように働くため、本発明のストッパ12の本発明による設計は、これら現在のストッパに対する改良となる。従来設計では、2つの構成要素が正確に位置合わせされない場合、ストッパにより大きい力をかけてこれを外筒のルアー先細部と共にシールする形状に変形させない限り、適正なシールは生じない。
【0022】
図2A、
図2B、および
図3に示すようなストッパ12の第1の実施形態および
図4Aおよび
図4Bに示すようなストッパ12の第2の実施形態によれば、主要本体26は、径方向に外向きに主要本体26の周囲をほぼ取り囲んで延びる少なくとも第1のリブ46を含む。この第1のリブ46は、シリンジ外筒16と共にアクティブシールを形成するように適合される。本明細書では、語句「アクティブシール」は、ユーザがプランジャロッド14にかけた力を増大させる間、ストッパの第1のリブ46とシリンジ外筒16の内側表面との間でシール圧力が増大することを意味する。一実施形態では、主要本体26は、主要本体26の周囲をほぼ取り囲んで延びる第2のリブ48を含む。第1のリブ46および第2のリブ48は、主要本体26の長さに沿って軸方向に離間して置かれ得る。
【0023】
図2A、
図2B、および
図3に示す第1の実施形態のストッパ設計の特徴は、主要本体26の閉じた前端部30から延びる前方向に延びるスカート50である。前方向に延びるスカート50の弾性および/または可撓性により、前方向に延びるスカート50は、主要本体26の外側部分52に向かって径方向に内向きに、かつそれとほぼ接触するように偏向することによって変形することができる。そのような偏向は、ストッパ12がシリンジ外筒16内に挿入された際に生じ、エアポケット53を形成してその中に空気泡を閉じ込めることができる。エアポケット53内に閉じ込められた空気泡は、以下で詳細に述べるように、本発明の抗逆流能力を補助する。ストッパ12がシリンジ外筒16に挿入された際、前方に延びるスカート50は、シリンジ外筒16内で正圧を生み出すように適合され得る。
【0024】
一実施形態では、主要本体26は、開いた後方端部28から軸方向に内向きに延びる少なくとも1つのアンダーカット部分55を含む。アンダーカット部分55は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31をストッパ12内に係止するためにプランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31と係合するように適合される。
図3に示すような一実施形態によれば、アンダーカット部分55は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31に関連する少なくとも1つの偏向アーム130と共働するように適合された逆先細部56を含むことができる。
【0025】
本発明のストッパ12はまた、中途逆流を低減および/または防止するように適合されることもできる。中途逆流は、フラッシュ溶液が完全に注入されず、ストッパが移動している間、臨床医がラインをクランプ留めしない場合に発生する。従来のシリンジ設計は、ストッパの外径上の摩擦力およびストッパ中心上のプランジャロッド力がストッパの突出部を「伸張」させるときに逆流を発生させる。ストッパ移動を引き起こすこの静摩擦および動摩擦に打ち勝つために、プランジャロッド力は摩擦力よりも大きくなければならず、この力の不均衡は、流体の背圧およびストッパの伸張によって相殺される。この違いは小さいが無視できないものである。本出願の
図3に示すように、隙間94が、ストッパ12の可撓性コア部材32の後部分93とプランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31の面95との間に設けられる。この隙間94および可撓性コア部材32をストッパ主要本体26に取り付ける可撓性部材44の可撓性により、可撓性コア部材32は、近位に偏向し、プランジャロッド14の力が止められるとすぐに押し込み変位の形で放出される潜在エネルギーを蓄えることができる。したがって、シリンジ10の使用中、隙間94により、プランジャロッド14は可撓性コア部材32に前方向の力を直接作用させない。その代わり、プランジャロッド14は、ストッパ12の内部の側部に前方向の力を作用し、この部分はさらに、可撓性膜44を介して可撓性コア部材32に引張り力を作用する。故に、プランジャロッドに圧力が作用している間、可撓性コア部材32は、隙間94内にわずかに後退する。前方向の力が停止された後、可撓性コア部材32はこの前方向の動作を継続させ、中途逆流を防止する。
【0026】
図2B、
図3、および
図4Bに示すような本発明の一態様によれば、主要本体26の内部分は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31上の先細部196と接触するように適合された先細部198を有する内面132を含む。これらの接触する先細部196、198は、プランジャロッド14に前方向の力がかけられた際、ストッパ12がシリンジ外筒16に径方向の力をかけてこれと共にアクティブシールを形成するように共に共働する。本発明のアクティブシールの態様を以下で詳細に論じる。
【0027】
図4Aおよび
図4Bに示すような本発明の第2の実施形態によると、可撓性膜44Aは、可撓性コア部材32から第1のリブ46Aで終端する主要本体26の側壁部分57Aまで延びることができる。一構成では、可撓性膜44A、第1のリブ46A、および側壁57Aは、一体的に形成される。さらなる構成では、第1の実施形態の前方に延びるスカート50は含まれない。
【0028】
図5Aおよび
図5Bに示すような本発明の第3の実施形態によれば、アクティブシールは、先に論じた実施形態のものと同じ結果を達成するが、油圧用途に使用されるときに一般的に「リップシール」と称される異なる機構を用いる。全体を254で示すストッパは、このリップシールを含むものである。ストッパ254の前部シール256は、可撓性アーム258の先縁上に位置している。初期シール圧力が、
図1に示すようなシリンジ外筒16の壁と可撓性アーム258が干渉することによって発生する。シリンジ外筒16内の圧力が増大するとき、この圧力は可撓性アーム258の内側259に外向きの径方向の力をかける。この外向きの力は、シール256がシリンジ外筒16の内壁を押し付ける力を増大させる。
【0029】
次に、本発明の第4の実施形態によるストッパ12を示す
図6A〜
図6Fおよび
図7〜
図9を参照する。この実施形態では、ストッパ12は、閉じた前端部30を有する主要本体26を含む。主要本体26は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31を受け入れるように適合された開いた後方端部28を含むことができる。上記で述べたように、前部の前方端部取り付け部分31は、ストッパ12に取り付けることができる。主要本体26は、
図6Bに示すような、第1の直径Dlを有する第1の本体部分60と、
図6Bに示すような、第1の本体部分60の第1の直径より大きい第2の直径D2を有する第2の本体部分62とを含む。ショルダ64が、主要本体26の第1の本体部分60の周囲を取り囲んで延在する。好ましくは、このショルダ64は、第1の本体部分60に対して径方向に外向きの方向に延在する。
【0030】
第1の実施形態の説明に関して上記で述べたように、可撓性コア部材32は、閉じた前端部30に隣接し、主要本体26と一体的に形成される。可撓性コア部材32は、シリンジ外筒16のルアー20などの、出口開口部の内部表面36と接触するように適合された、閉じた前端部30から延びる突出部分34を含む。可撓性コア部材32は可撓性材料から形成することができ、突出部分34は、シリンジ外筒16の前端部においてルアー20と共に押し込みシールを生み出す半球の自動調心式プロファイルを含むことができる。
【0031】
図6A〜
図6Eに示す第4の実施形態のストッパ12は、ストッパ12が、主要本体26の前端部30に向かって第2の本体部分62から延びる少なくとも1つの周囲スカート66を含む点において、第1の実施形態とは異なる。ストッパ12が外筒16内にそこを通って挿入および/または移動する際、この周囲スカート66はショルダ64と共働してこれらの間にエアポケットないし空気泡68を閉じ込める。このようにして、プランジャロッド14に対する前方向の力が除かれた際、シリンジ外筒16内に残る流体は、その押し込み変位によってルアー20から強制流出される。
図6B〜6Dに詳細に示すように、スカート66は、内面70および外面72を含むことができ、径方向に内向きに偏向することができる可撓性および/または弾性の材料から形成され得る。周囲スカート66の内面70は、ショルダ64に実質的に接触して少なくとも1つのエアポケット/空気泡68を閉じ込めることができる。一実施形態では、スカート66は、リップ部分74および尾部分76を含む。リップ部分74は、外向きに延びる隆起または第1のリブ77を含むことができる。第1のリブ77の外面77’は、
図1に示すシリンジ外筒16の壁の内面78と接触するように適合され得る。この第1のリブ77は、
図7〜9に示すように、周囲スカート66とシリンジ外筒16の壁の内面78との間に単一の接触線を確立する。この第1のリブ77は、尾部分76に隣接する周囲スカート66の外面69を、シリンジ外筒16の壁の内面78から所定の距離を離して配置して保つように機能する。これは、周囲スカート66とシリンジ外筒16の間の接触領域を最小限に抑えて解放力を低減し、シリンジ外筒16に対する周囲スカート66の静摩擦を低減することができる。周囲スカート66の特定の設計により、投与量設定をより明確に確認することを可能にすることができる。一実施形態では、周囲スカート66は、比較的線形の形状を有し、主要本体26の第1の本体部分60の周りを円筒状に延びる。別の実施形態によれば、周囲スカート66の内面70は、エアポケットないし室68を形成するために主要本体26と接触する必要はないが、表面張力が室68を閉じたままにし、その中に空気泡を閉じ込めるように主要本体26に十分近いものである。
【0032】
図6B〜
図6Dに示すように、ストッパ12の周囲スカート66は、ショルダ64と共働するための所定の接触領域80を有するように寸法設定される。接触領域80は、空気を閉じ込め、圧力が空気室から流体室まで連通することを可能にするのに十分な所定の隙間を形成するように適合される。
【0033】
図6Eは、第4の実施形態のストッパ12の改変を示しており、この場合スカート366は、所定の接触領域380がショルダ364の底面365と接触して空圧室368を形成するように、
図6B〜6Dの周囲スカート66の長さL2を下回り、かつショルダ64の高さHIを下回る所定の長さL1を有する。
【0034】
図6Fに示すような別の構成によれば、空圧室468は、径方向に延びるショルダ464とシリンジ外筒16の内面478との共働だけで生み出すことができる。この構成では、ショルダ464の先端部467は、空圧室468を生み出すためにシリンジ外筒16の壁の内面478と実際に接触する必要はなく、それよりもこの内面に対して空圧室468を閉じる特定の距離内に存在するだけでよい。
【0035】
再度
図6A〜
図6Fを参照すると、本発明のストッパ12の可撓性コア部材32は、主要本体26の上方を延びる前部分82と、後部分84と、前部分82と後部分84の間に配置された中央部分86とを含む。可撓性コア部材32は、可撓性コア部材32の中央部分86と主要本体26の第1の本体部分60との間を延びる可撓性膜44を介して、主要本体26、特にその第1の本体部分60と相互連結される。自動調心式の突出部分34の本発明による設計により、少量の力がストッパ12にかけられ、プランジャロッド14およびシリンジ外筒16を介してストッパ12の全許容範囲を超えたとき、突出部分34と出口開口部またはルアー20の内部表面36との間にシールを作り出すことが可能になる。第1の実施形態に関連して上記で述べたように、可撓性コア部材32の突出部分34の部分的に球形の表面形状は、突出部分34が接触前に回転または移動したときでも、突出部分34とルアー20の内部表面36との間の完全な接触を確実にする。
【0036】
可撓性膜44およびエアポケット/空気泡68は、潜在エネルギーを蓄えるように適合され、それにより、プランジャロッド14上の正圧が開放され、可撓性コア部材32の突出部分34とルアー20の内部表面36との間のシールが解除された際、この潜在エネルギーの放出により、シリンジ外筒16内の流体は、ルアー20および任意の取り付けられたカテーテルを通って強制流出される。
【0037】
本発明の第4の実施形態によれば、主要本体26は、ほぼ径方向に外向きに、かつ主要本体26の第2の本体部分62の周囲をほぼ取り囲んで延びる少なくとも第2のリブ88を含む。この第2のリブ88は、シリンジ外筒16の内面78と共にアクティブシールを形成するように適合される。少なくとも1つのエアポケット/空気泡68が、第2のリブ88に対して前方向の位置に配置される。主要本体26は第3のリブ90を含むことができ、第2のリブ88および第3のリブ90は、主要本体26の第2の本体部分62の、
図6Bに示すような外径D2の周囲を取り囲んで径方向に外向きに延び、この第2の本体部分62に沿って軸方向に離間して置かれるようになる。
【0038】
図6B〜
図6Fおよび
図7〜
図9に示すように、ストッパ12の主要本体26は、開いた後方端部28の内向きに軸方向に延びる少なくとも1つのアンダーカット部分55を含むことができる。このアンダーカット部分55は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31をストッパ12内に係止するように適合される。1つの態様によれば、アンダーカット部分55は、たとえば
図7に示すように、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31と共働するように適合された逆先細部56を含むことができる。本発明による前部の前方端部取り付け部分31のさまざまな設計を以下で詳細に論じる。
【0039】
図6Bおよび
図7に示すように、主要本体26はまた、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31上の先細部196と接触するように適合された先細部198を有する内面を含むこともできる。これらの接触する先細部196、198は、プランジャロッド14に前方向の力がかけられた際、ストッパ12がシリンジ外筒16に径方向の力をかけてこれと共にアクティブシールを形成するように共に共働する。
【0040】
図6C、
図6D、
図8、および
図9に示すように、本発明の別の態様によれば、主要本体26の内面132の先細部199は、主要本体26の側壁部分57から可撓性コア部材32までの連続的な輪郭になり得る。この連続的な輪郭の先細部199は、プランジャロッド14に前方向の力がかけられた際、ストッパ12がシリンジ外筒16に径方向の力をかけてそれと共にアクティブシールを形成するように、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31上の先細部196と共働するように適合される。
【0041】
シリンジ外筒16の内側の圧力上昇により、ストッパ12の閉じた前端部30はシリンジ外筒16の壁の内面78との間でより高い接触圧力を有するようになり、それによってストッパ12およびシリンジ外筒16のシールにおける漏出が防止される。本発明のアクティブシールは、シリンジ外筒16内に低い流体圧力が存在する場合は、ストッパ12とシリンジ外筒16の間のより低い接触圧力を用いるが、プランジャロッド14およびストッパ12がシリンジ外筒16を通って前方向に移動する間など、流体圧力が上昇するときはより高い接触圧力を用いてこの問題を解決する。
【0042】
一実施形態では、アクティブシールは、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31およびストッパ12の内側の相互作用によって達成される。
図6Bに示すような一実施形態によれば、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31は、前方向に導く表面の先細部196を含み、ストッパ12の内側の先細部198と対応する。使用中、プランジャロッド14が押さえられているとき、前方先縁は、ストッパ12の内側に力をかける。2つの表面196、198の先細形状により、プランジャロッド14は、ストッパ12をシリンジ外筒16内で前方向に押し出す力と、ほぼ径方向に外向きに押し出す力とを付与する。外向きの力は、ストッパ12を第2のリブ88の前方に、そしてシリンジ外筒16の壁内へと進ませ、それによってシール圧力を上昇させる。同様に、
図6Cおよび
図6Dに示すように、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31上の先細部196は、主要本体26の内面132の連続的な輪郭の先細部199に力を付与し、それにより、プランジャロッド14に前方向の力がかけられた際、ストッパ12はシリンジ外筒16に径方向の力をかけてこれと共にアクティブシールを形成する。大きいプランジャロッド力が、シリンジ外筒16内の高圧によって引き起こされ、それにより、それらの接触圧力は、シリンジ外筒16内の圧力が上昇するにつれて上昇することになる。
【0043】
さらなる実施形態では、ストッパ12の周囲スカート66はまた、リップシールとしても作用する。流体圧力が上昇して、エアポケット/空気泡68内の空気圧力が上昇するにつれ、ストッパ12およびシリンジ外筒16の界面におけるスカート接触圧力が上昇して、シール性能を向上させる。このアクティブシールの別の利点は、プランジャロッド14の力を前方向または第2のリブ88上のみにかけることによるものであり、この力により、注射中、後部または第3のリブ90を前方向に「引っ張る」ことが可能になる。この引張りはまた、後部または第3のリブ90の材料を伸張させ、シリンジ外筒16上の有効力を低減させ、さらに摩擦力を低減させる。
【0044】
本発明のストッパ設計は、ストッパ12がシリンジ外筒16の底に付けられて、力がプランジャロッド14から除かれた後、シリンジ外筒の前端部を出る(そして任意の取り付けられたカテーテル内に入る)流体の押し込み変位を生み出すことによって逆流を防止することが意図されたものである。この押し込み変位を生み出すように作用するストッパ12の特徴は、ストッパ12の突出部分34におけるシール、突出部分34と前方向または第2のシールするリブ88との間のストッパ12の柔軟なまたは相対的な移動、およびプランジャロッド14から力を除く前に捕捉され蓄えられた加圧状態の流体の形態の潜在エネルギーである。ストッパ12の突出部分34に対する第2のリブ88の相対移動は、外側前方向または第2のリブ88を可撓性コア部材32および突出部分34に連結する可撓性膜44によって達成される。エネルギーの蓄えは、可撓性膜44と、第2のリブ88のすぐ前方の、周囲スカート66の下方で閉じ込められた空気泡またはエアポケット68との両方によって達成される。
【0045】
本発明のストッパ12の第4の実施形態の特定の設計は、いくつかの利点を有する。たとえば、周囲スカート66は、径方向フランジを全く有さないほぼ線形になり得るため、周囲スカート66のしわが低減および/または解消される。特に、ストッパ主要本体26の第1の本体部分60上にショルダ64を設けることにより、周囲スカート66は比較的真っすぐな形状を有することが可能になり、周囲スカート66の可撓性および/または弾性により、周囲スカート66の接触領域80、周囲スカート自体を変形させることなくショルダ64に接触させる内向き方向の撓みが可能になる。この設計の別の利点は、ストッパ12の製造が簡易化されることである。モールド型の底用の成形工具プレートは1つだけ必要であるため、工具費が低減される。
【0046】
周囲スカート66上に外向きに延びる部分または隆起77を加えることにより、シリンジ16の内面78と接触する周囲スカート66の領域が最小限に抑えられる。この低減された接触領域は解放力および静摩擦を低減し、投与量設定の明確な表示ももたらす。最後に、周囲スカート66の締め代および長さの設計は、空気を閉じ込める適正な隙間を維持し、空気室から流体室までの圧力の連通を可能にするようなものである。
【0047】
シリンジ外筒16内のストッパ12のアクティブシールは、以下で説明するように、ストッパ12の特定の内部設計と組み合わせて、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31によってさらに達成することができる。前部の前方端部取り付け部分31は、本明細書に先に開示したストッパ実施形態の任意のもので使用するように適合される。本発明は、シリンジ10が事前充填され殺菌され、ストッパ12が、プランジャロッド14をストッパ12に取り付ける前にシリンジ外筒16内に挿入される状況で特に有用である。
【0048】
図16A〜
図16Cに示すように、プランジャロッド14は、
図16Bに示すように、長手方向軸AXに沿って延びる前端部126および後端部128を有する縦長部材124を含むことができる。少なくとも1つの偏向アーム130が、縦長部材124の前端部126に関連付けられ得る。偏向アーム130は、プランジャロッド14をストッパ12内に挿入する間、径方向に内向きに偏向することができ、プランジャロッド14をストッパ12内に係止するためにストッパ12内に挿入した後、
図3に示すように、ストッパ12の内面132と接触するように外向きに偏向することができる。
図16Aから
図16Cは2本の偏向アーム130を示しているが、プランジャロッド14をストッパ12内にしっかりと取り付けるために、必要に応じて任意の数の偏向アーム130を設けることができる。
【0049】
図3に戻って参照すると、プランジャロッド14がストッパ12内に挿入されるとき、プランジャロッド14上の偏向アーム130は偏向しておよび/またはストッパ12は変形して、偏向アーム130がストッパ12の内側のアンダーカット空間134内に移動することを可能にする。偏向アーム130がアンダーカット空間134に入ると、プランジャロッド14は、所定位置に係止され、ストッパ12から分離することが防止される。ユーザが吸引するためにシリンジ10を使用するとき、プランジャロッド14上の偏向アーム130は、ストッパ12のアンダーカット表面136内およびストッパ12の内側にもぐりこみ、プランジャロッド14がストッパ12から引き出されることを防止する。偏向アーム130の底面133は、ストッパ12のアンダーカット表面136の形状に対応するように先細にすることができる。偏向アーム130は、以下で詳細に論じるように、いくつかの設計にしたがって実装することができる。
【0050】
図17A〜
図17Bに示すような第1の実施形態によれば、縦長部材124の前端部126は、前端部126の前面144から延びるヘッド部材140を含む。ヘッド部材140は、その前面144から延びるリム部材142を含む。偏向アーム130は、リム部材142の底面146からほぼ下向きの方向に延びることができる。少なくとも第1の止め部材148が、プランジャロッド14をストッパ12内に挿入する間、偏向アーム130の偏向を抑制するために設けられ得る。この第1の止め部材148は、ヘッド部材140の後方部分150に隣接して配置することができる。
【0051】
リム部材142は、好ましくは、
図3に示すように、ストッパ12の内側表面と共にアクティブシールを形成することができるエラストマー材料から形成される。補強材料153がまた、偏向アーム130の接触領域に設けられてもよい。また、
図16A、
図16C、および
図17Aに示すように、リム部材142およびヘッド部材140は、少なくとも1つの側壁158によって画成された中空部分156を含むことができる。側壁158は、中空部分156の中心に向かって径方向に内向きに延びる複数の内向きに延びるリブ159を有する。一実施形態によれば、この中空部分156は、ストッパ12の内側の可撓性コア部材32の後部分と接触することができる。
【0052】
図18A〜
図18Bに示すような第2の実施形態によれば、少なくとも1本の偏向アーム160が、ヘッド部材140の中心部分162から径方向に外向きに延びる。この実施形態では、偏向アーム160は、ヘッド部材140の中心部分162内の開口を通り抜けて延びる連続部材になり得るものである。また、中空部材166が、この実施形態のヘッド部材140およびリム部材142内に設けられる。偏向アーム160の縁168もまた、適切な補強材料から作製されてよい。第1の止め部材170が、ヘッド部材140の後方部分150から外向きに延びる。第2の止め部材172が、リム142の底面173から後方に延びて、たとえばシリンジ10の吸引中、アームが反対方向に偏向することを抑制する。
【0053】
図19A〜
図19Bに示すような第3の実施形態によれば、少なくとも1本の偏向アームは、リム部材142の底面173から下向きにかつ径方向に外向きの方向に延びる偏向アーム174の対を含む。この実施形態では、第1の止め部材176は、ヘッド部材140の後方部分150から外向きに延びる。第2の止め部材178は、たとえば吸引中、偏向アーム174の偏向を抑制するためにリム部材142の外縁179から下方に延びる。偏向アーム174の縁180は、適切な補強材料から形成される。
【0054】
図20A〜
図20Cに示すような第4の実施形態によれば、縦長部材124の前端部126は、ヘッド部材140がそこから延びる基部表面126Aを含む。ヘッド部材140は、その前面144に沿って延びるリム部材142を含む。この実施形態では、少なくとも1本の偏向アームは、基部表面126Aからヘッド部材140に平行に延びる第1のアーム部分182と、第1のアーム部分182に対して後方にかつ外向きの方向に延びる、第1のアーム部分182の前部分186に取り付けられた第2のアーム部分184とを含む。
図20Cに示すような止め部材188が、プランジャロッド14をストッパ12内に挿入する間、第2のアーム部分184の偏向を抑制するために設けられ得る。この止め部材188は、第2のアーム部分184の内面191に隣接する場所に、第1のアーム部分182の外面190に隣接して配置される。第2のアーム部分184の部分は、必要に応じて補強部材189を含むことができる。加えて、第2のアーム部材184の底面193は、ストッパ12の合わせ面のアンダーカット部分136の形状によって、所望に応じて平坦にまたは先細にされてよい。
【0055】
これらの二重偏向アーム部分182、184は、プランジャロッド14の前端部の基部から、および前端部の幾何学的形状の基部に取り付けられたアームの上部から偏向することができる。挿入中、通常の負荷が第2のアーム部分184の外側表面上に及ぼされる。圧力が第2のアーム部分184の上部のまたは前部分186に及ぼされたとき、第1のアーム部分182は内向きに偏向する。圧力が第2のアーム部分184の表面を下るにつれて、この第2のアーム部分184は偏向し始める。アーム部分182、184の両方が最大偏向にあるときに偏向は最大になる。吸引中、圧縮および/またはねじり負荷が、アーム部分182、184上に及ぼされ、第1のアーム部分182は内向きに偏向し始め、一方で第2のアーム部分184は、
図3に示すように、アンダーカット表面136などのストッパアンダーカット表面内にもぐりこむ。しかし、偏向は、第2のアーム部分184とストッパ12の壁の内面132との間の接触によって抑制される。上記で述べたように、止め部材188は、必要な場合にアーム部分182、184の偏向を抑制することによってアーム部分182、184上の応力を低減し、挿入中ならびに止め部材188および第2のアーム部分184が互いに接触した後、表面圧力とは無関係に偏向させるために設けられ得る。
【0056】
図20A〜
図20Cに示す実施形態はまた、ヘッド部材140およびリム部材142内に開口部192を含むことができる。この開口部192は、円形の側壁194および開口部192に向かってこの円形の側壁194から内向きに延びる複数のリブ195によって画成される。
【0057】
図21A〜
図21Fに示す第5の実施形態によれば、プランジャロッド14の、全体を200で示す取り付け部分は、縦長部材124の前端部126から延びる単一の円形の偏向アームまたは複数の偏向アームを含むことができる偏向アーム204を含むことができる。この偏向アーム204は空間206を画成し、プランジャロッド14をストッパ12内に取り付ける間、偏向アーム204は、空間206に向かって内向きに偏向する。偏向アーム204が最大偏向に到達して、ストッパ12の内側のアンダーカット空間134内に収容されると、偏向アーム204を支持し、シリンジ10の使用中にこれが潰れストッパから分離することを防止するために、スラグ208をこの空間206内に挿入することができる。
図21D〜
図21Eに示す一実施形態によれば、縦長部材124は中空部分210を含み、スラグ208は、この中空部分210内に事前にモールド成形されている。プランジャロッド14をストッパ12に取り付けた後、作動力が中空部分210内に作用し、スラッグ208を空間206内に押し入れる。あるいは、スラグ208は、別個にモールド成形され、後で挿入されてもよい。
【0058】
本発明の別の態様は、
図22A〜
図22B、
図23A〜
図23B、
図24A〜
図24B、および
図25に示すように新規のプランジャ本体設計である。プランジャロッド14は、好ましくは剛性の熱可塑性材料から作製される。以下で詳細に述べるこの設計は、中空の縦長プランジャロッド本体からなり、この場合中空部分は、複数の長手方向に延びるローブによって画成され、好ましくは奇数個のローブが設けられる。従来の中実本体の4リブのプランジャ設計では、ユーザは、吸引中、リブの縁に垂直になり得る側方負荷をかけることがあり、それによって最少の側方負荷の偏向が引き起こされ、またはリブ間の領域に垂直、すなわちリブから45°になり得る側方負荷をかけることがあり、それによって最大の側方負荷の偏向が引き起こされる。本発明は、前端部236と、後端部238と、長手方向軸に沿って前端部236と後端部238の間を延びる側壁部分239とを有する縦長本体部分234を備えるプランジャ本体を導入する。側壁部分239は、内部の中空部分242を画成する複数の長手方向に延びるローブ240を備える。取り付け部材244は、前端部236に固定され、プランジャロッド14をストッパ12に取り付けるように適合される。カバー部材246は、内部の中空部分242を覆い、使用中、プランジャロッド14に力をかけるための親指押さえ領域248をもたらすために、縦長本体部分234の後端部238に固定される。
【0059】
長手方向に延びるローブ240は、好ましくは、互いに対してほぼ等間隔で離間された奇数個のローブを備えたものである。
図23A〜
図23Bに示す一実施形態によれば、複数の長手方向に延びるローブ240は、互いに対して約120°で配置された3ローブ設計250を含む。
図22A〜
図22Bに示すさらに別の実施形態によれば、5個の数で延びる複数のローブ240は、5ローブ設計261を形成し、この場合ローブ240は、互いに対してほぼ等間隔で離間される。ローブは、プランジャロッド14のほぼ均一の側方負荷偏向を形成するように互いに対して配置される。奇数個のローブ240を設けることにより、反応負荷を支持する反対側にローブを導入することによって、ローブ240間の領域に負荷がかけられたときに予想される偏向が減少する。本発明はまた、
図24A〜
図24Bに示すように、4ローブの中空の縦長プランジャ本体設計252も含む。プランジャ14の本体部分は中空部分253を含むため、上記で述べたような中空設計に関連する利点は、4ローブ設計252にも存在する。中空設計はまた、プランジャロッド14の本体部分234に追加の硬度、ならびにいくつかの改良点、たとえば製品コストの低減、製造手順の容易化、および以下で詳細に述べるものなどを与える。
【0060】
本発明のプランジャロッド14は、次のプロセスによって製造され得る。第1のプロセスでは、縦長本体部分234および前端部の取り付け部材244が、同じ材料から一体的にモールド成形される。プランジャロッド14は、射出成形中、コアピンをプランジャロッド14の中心まで押し上げることができるように内部中空部分242を有するように設計される。このため、プランジャロッド14を「直立状態」でモールド成形することが可能になり、その結果、コアピンにおける追加の冷却によってサイクル時間が短縮され、キャビティ数の増大によって生産量が増大する。親指押さえ側/領域248上のコアピン開口部または内部中空部分242を覆うために、柔らかな感触の表面ディスク249が、注射中、快適さを加えるために親指押さえ領域248上に取り付けられ得る。
【0061】
図25に示すような第2のプロセスによれば、プランジャロッド14は、3つの別々の部分から製造可能である。取り付け部材244は射出成形可能であり、プランジャロッドの縦長本体部分234は押し出し成形または射出成形可能であり、カバー部材246または親指押さえディスク248は、打ち抜き成形プロセスによって製造可能である。取り付け部材244、縦長本体部分234、および親指押さえディスク248は、必要に応じた性能改善のために異なる材料から形成可能である。たとえば、前部取り付け部材244を性能を改善するようにモールド成形するために、より高価な材料が使用されてよく、親指押さえディスク248には柔らかな感触のエラストマーが使用されてよい。プランジャ14の本体部分234の押し出し成形により、追加の断面の幾何学的形状が可能になり、この断面の幾何学的形状は、均一の側方負荷偏向をもたらし、そうでなければモールド型上の分割線によって限定されるであろう人間工学的改良を可能にする。加えて、本体部分に押し出し成形プロセスを用いることにより、単一の押し出し装置から、異なる長さのシリンジ外筒16で使用する、異なる長さの本体部分の製造が可能になる。
【0062】
図17A〜
図17B、
図18A〜
図18B、
図19A〜
図19B、および
図20A〜
図20Cの取り付け構成では、これらの実施形態の各々は、前面144に沿って延びるリム部材142を有するヘッド部材140を含み、この場合リム部材は、プランジャロッド14に前方向の力がかけられた際、ストッパ12に径方向の力をかけるために、
図2Bに示すように、ストッパ12内で対応する先細部198と接触するように適合された先細部196を含む。
図21A〜
図21Fに示す構成では、偏向アーム204は、その前方端部214に、プランジャロッド14に前方向の力がかけられた際、ストッパ12に径方向の力をかけるためにストッパ12内で対応する先細部198に接触するように適合された先細部213を含む。
【0063】
本発明のストッパ設計は、ストッパ12がシリンジ外筒16内の底に付けられて、力がプランジャロッド14から除かれた後、取り付けられたカテーテル内への流体の押し込み変位を生み出すことによって逆流を防止することが意図されたものである。この押し込み変位を生み出すように作用するストッパ12の特徴は、ストッパ12の突出部分34におけるシール、突出部分34と前方のまたは第1のシールするリブ46との間のストッパ12の柔軟なまたは相対的移動、および力がプランジャロッド14から除かれる前に、加圧された流体の形態の潜在エネルギーを捕捉し蓄えることができる手段である。ストッパ12の突出部分34に対する第1のリブ46の相対的移動は、外側の第1のリブ46を可撓性コア部材32および突出部分34に連結する可撓性膜44の手段によって達成される。エネルギーの蓄えは、可撓性膜44および第1のリブ46のすぐ前方で、折り畳まれた前方に延びるスカート50の下方で閉じ込められた空気泡またはエアポケット室53の両方によって達成される。
【0064】
図10〜
図12に示すように、押し込み変位、すなわちシリンジ外筒内の逆流を防止する方法は、次のステップを含む。第1のステップは、開いた後方端部28および閉じた前端部30を画成する主要本体を有するストッパ12を提供する。開いた後方端部28は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部材31をその中に受け入れるように適合される。可撓性コア部材32は、閉じた前端部30に隣接する、主要本体26と一体的に形成された可撓性膜44を介して主要本体26と相互連結される。可撓性コア部材32は、上記で論じたように、自動調心式であり、シリンジ外筒16のルアー20の内部表面と共に押し込みシールを生み出すように適合されたプロファイルを有することが好ましい突出部分34を含む。本方法は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部材31をストッパ12の開いた後方端部28内に挿入するステップをさらに含む。プランジャロッド14に力をかけることにより、ストッパ12は、可撓性コア部材32の突出部分34がシリンジ外筒のルアー20の内部表面36と接触するまでシリンジ外筒16内で前進し、シールを形成してルアー20内へと流れる流体を閉じ込める。プランジャロッド14に追加の力をかけて突出部分34を圧縮することにより、少なくとも1つのリブ46はシリンジ外筒16内で前進し、閉じ込められた空気が圧縮されてエアポケット53内に圧力の上昇を生じさせる。本方法の最後のステップは、プランジャロッド14に対する力を除いて、突出部分34とルアー20の内部表面36との間のシールを解除することを含み、この場合摩擦力によって、リブ46をシリンジ外筒16内で前進した位置に維持し、それにより、エアポケット53内の圧力の上昇によって、すべての閉じ込められた流体がルアー20および任意の取り付けられたカテーテルを通って押し出される。
【0065】
図2A〜
図2Bおよび
図3は、ストッパ12が、主要本体26の閉じた前端部30から延びる少なくとも1つの前方に延びるスカート50を含むストッパ設計を示しており、この場合、力をかけてストッパ12をシリンジ外筒内に進めるステップにより、このスカート50はストッパ12の主要本体26に対して内向きに偏向し、その外側部分52と実質的に接触し、またはこれに対して所定の距離内となり、空気を中に閉じ込めるエアポケット53を形成する。プランジャロッド14に追加の力をかけて突出部分34を圧縮するステップにより、可撓性膜44が伸張される。それにより、プランジャロッド14に対する力を除くステップによって可撓性膜44に対する力が除かれ、すべての閉じ込められた流体が、出口開口部またはルアー20および任意の取り付けられたカテーテルを通して押し出される。
【0066】
図4Aおよび
図4Bは、空気泡を閉じ込め、すべての閉じ込められた流体をルアー20から強制流出させるためのエネルギーの蓄えを補助するのに可撓性スカートを利用しないストッパ設計を示している。そうではなく、この設計は、可撓性コア部材32をストッパ12の主要本体26に連結する膜44Aの可撓性のみを利用して圧力エネルギーを捕捉し、力がプランジャロッド14から除かれた後でこれを戻す。空気泡を閉じ込めることができる追加の特徴は、ポケットまたは長穴付きチャネルがストッパ面内にモールド成形された他の形態を含む。
【0067】
図5Aおよび
図5Bは、本発明によるストッパ254のさらに別の設計を示している。上記で詳細に述べたこの設計は、外筒に対してシールするためのリップシールを示している。ストッパ254の前部シール256は、可撓性アーム258の先縁上に位置している。初期シール圧力が、アームの外筒壁との干渉によって発生する。シリンジ外筒16内の圧力が上昇するとき、外向きの径方向の力が可撓性アーム258の内側259にかけられる。この外向きの押し出しが、シールが外筒壁を押さえ付ける力を増大させる。
【0068】
図6Cのストッパ設計を利用して流体を押し込み変位させ、シリンジ外筒内の逆流を防止する方法もまた、本発明によって提供され、これを
図13〜
図15に示している。この方法は、閉じた前端部30を有する主要本体26を備えるストッパ12を提供するステップを含む。主要本体26はまた、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部材31を中に受け入れるように適合された開いた後方端部28を含むこともできる。主要本体26は、第1の直径を有する第1の本体部分60と、第1の本体部分60の第1の直径より大きい第2の直径を有する第2の本体部分62とを含む。可撓性コア部材32は、閉じた前端部30に隣接し、主要本体26と一体的に形成される。可撓性コア部材32は、前端部から延びる突出部分34と、主要本体26の第1の本体部分60を取り囲んで延びるショルダ64と、主要本体26の前端部30に向かって第2の本体部分62から延びる少なくとも1つの周囲スカート66とを含む。周囲スカート66は、少なくとも1つのエアポケット/空気泡68を中に閉じ込めるためにショルダ64と共働する。周囲スカート66は、外面のリップ部分74に沿って、径方向に延びる隆起または第1のリブ77を含む。本方法は、主要本体26の外径部分または第2の本体部分62の周囲を取り囲んで径方向に外向きに延びる少なくとも第2のリブ88を提供するステップと、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部材31をストッパ12の開いた後方端部28内に挿入するステップと、プランジャロッド14に力をかけ、可撓性コア部材32の突出部分34がルアー20などの出口開口部の後部または内部表面36に接触するまでストッパ12をシリンジ外筒16内で前進させるステップと、シールを形成しルアー20内へと流れる流体を閉じ込めるステップと、プランジャロッド14に追加の力をかけて突出部分34を圧縮するステップと、シリンジ外筒16内で第2のリブ48を前進させるステップと、閉じ込められた空気を圧縮してエアポケット68内に圧力の上昇を生じさせるステップとをさらに含む。フラッシング作業の完了時、本方法は、プランジャロッド14に対する力を除いて突出部分34とルアー20の内部表面36との間のシールを解除するステップを含み、この場合、摩擦力によって第2のリブ48がシリンジ外筒16内の前進した位置に維持され、それにより、エアポケット68内の圧力の上昇によって、すべての閉じ込められた流体がルアー20および任意の取り付けられたカテーテルを通って押し出される。シールが失われたとき、エアポケット/空気泡68内の圧力および蓄えられたエネルギーは放出される。このエアポケット/空気泡68は膨張し、流体をストッパ12の前方から強制流出させる。圧力のこの放出は、ルアー20内で外向きに押し、流体を任意の取り付けられたカテーテルから押し出す。
【0069】
可撓性コア部材32の突出部分34は、シリンジ外筒16のルアー20の内部表面と共に押し込みシールを生み出すように適合されたプロファイルを有する。このコア部材32は、可撓性および/または弾性の膜44を介して主要本体26と相互連結される。プランジャロッド14に追加の力をかけて突出部分34を圧縮するステップにより、可撓性膜44は伸張し、プランジャロード14に対する力を除くステップにより、可撓性膜44上のこの力は除かれて、すべての閉じ込められた流体をルアー20および任意の取り付けられたカテーテルを通って押し出し、シリンジ外筒16内の逆流を防止する。
【0070】
本発明は、既存のプランジャロッドおよびストッパ設計に比べて数多くの利点を有する。本発明の1つの態様では、ストッパ12を最初に前進させたときに低減された解放力が存在し、それによって装置を使用する容易さが増し、ストッパが最初に解放されたときに起こる解除を低減する。本発明の設計はまた、アクティブシールによるストッパ12とシリンジ外筒16の間の干渉の低減により、ストッパ12上で持続する力を改善または低減し、それによってプランジャロッド14およびストッパ12アセンブリを幅広いシリンジポンプ用途において使用することが可能になる。本発明のアセンブリのさらに別の利点は、プランジャロッド14とストッパ12の間の連結の改良であり、特にこのときストッパ12は、プランジャロッド14がストッパ12に取り付けられる前にシリンジ外筒16内に挿入される。ねじ式連結が使用された従来の設計は、ストッパを変形させまたは中心を外してこれを押さえ付けて、漏出の機会を増大させる傾向がある。最後に、本発明の設計は、プランジャロッド14が底に付けられ、プランジャロッド14に対する力が除かれた後に流体の押し込み変位を達成する。
【0071】
次に、全体を270で示す、本発明の第5の実施形態によるストッパの断面図である
図26を参照し、この場合ストッパ270はプランジャロッド14に結合されている。この特定の実施形態は、アクティブシール角度272がより浅く、ストッパ270の全体高さH2が、ストッパ12の内部のショルダ部分274に隣接する、
図2B、
図3、
図4B、および
図6Bに示すようなアンダーカット角度265の解消によってより低くなるという点で上記で説明したストッパ設計とは異なる。再度
図26を参照すれば、コア部材32は、前部分38と、後部分40と、前部分38と後部分40の間に位置する中央部分42とを含み、この場合前部分38は、主要本体26の前端部30を超えて延び、中央部分42は、コア部材32と主要本体26の間を延びる可撓性膜44を介して主要本体26と相互連結される。主要本体26は、主要本体26の前端部から延びる少なくとも1つの前方に延びるスカート50を含む。スカート50は、その中に正圧室を生み出すように適合される。
【0072】
図26を再度参照すれば、ストッパ270は、開いた後方端部28および閉じた前端部30を画成する主要本体26を含む。開いた後方端部28は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31を受け入れるように適合される。ストッパ270はまた、閉じた前端部30に隣接する、主要本体26と一体的に形成されたコア部材32も含む。コア部材32は、シリンジ外筒(図示せず)の出口開口部(図示せず)と共に押し込みシールを生み出すように適合されたプロファイルを有する突出部分34を含む。先に定義したように、用語「押し込みシール」は、ストッパの突出部分34が出口開口部に着座し、突出部分34を変形させることなくこの開口部をシールすることを意味する。ストッパ270は、シリンジ外筒内でアクティブシールを形成するために主要本体26の周囲を取り囲んで径方向に外向きに延びる少なくとも1つのリブ46を含む。
【0073】
この構成では、傾斜部分275を有するショルダ部分274が、主要本体26の内面276上に形成される。内部のショルダ部分274は、プランジャロッド14の前方端部取り付け部分31上の対応する先細部278と接触するように適合される。プランジャロッド14の先細部278および内部のショルダ部分274の傾斜部分275は共に共働して傾斜を有するアクティブシール角度272を形成し、それにより、プランジャロッドに前方向の力がかけられた際、ストッパ270が少なくとも1つのリブ46およびシリンジ外筒16に径方向の力をかけるようになる。内部のショルダ部分274は、主要本体26の閉じた前端部30に向かって延びる第1の円筒状の壁部分280を含み、この第1の円筒状の壁部分280は、それに沿ってほぼ均一で先細にされないほぼ平坦な表面プロファイルを有する。この実施形態では、
図2B、
図3、
図4B、および
図6Bに示すアンダーカット部分265は除かれ、ストッパ270の(図に示す)全体高さH2は、先に説明した設計よりも低い。また、アンダーカット部分265を除いた結果、
図2B、
図3、
図4Bおよび
図6Bのストッパ設計に示すものを下回るまたはこれより浅い角度を有する傾斜部分275を含む内部のショルダ部分274が得られる。この設計の改変は、ストッパのモールド成形性を向上させることができ、また、プランジャロッド14の先細部278が、内部のショルダ部分274を超えてストッパ270の前壁または内面276に押し付けられるという「押し出し」事象を低減することができる。内部のショルダ部分274はまた、主要本体26の開いた後方端部28に向かって延びる第2の円筒状の壁部分282も含む。1つの構成では、傾斜部分275は、第1の壁280と第2の壁282の間を延びることができる。ほぼ平坦な表面プロファイルを有する第1の壁280を設けた結果、比較的浅い角度のアクティブシールシール角度272を有するより短いストッパを得ることができる。本明細書では、用語「アクティブシール角度」は、対応するロッドの先細部278と共働するストッパ傾斜表面275の角度または傾斜を指し示しており、この場合、プランジャロッド14上の前方向の力により、第1のリブ46は外筒壁と共に(先に規定したような)アクティブシールを形成する。
【0074】
次に、全体を290および310で示す、それぞれ本発明の第6および第7の実施形態によるストッパの断面図を示す
図27および
図28を参照し、この場合ストッパ290および310は、プランジャロッド14に結合されている。これらの実施形態によれば、コア部材32の後部分40および/または閉じた前端部30の内面276は、その中に形成された少なくとも1つの溝292、312、313を含む。
図27に示すように、単一の溝292は、コア部材32の後部分40内に設けられる。
図28に示すように、複数の溝312、313は、コア部材32の後部分40および閉じた前端部30の内面276内に設けられ、たとえば同心状に設けられる。これらの実施形態では、溝292、312、313は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部材31の前方端部296、316に向かって延びる少なくとも1つの突起部294、314によって画成される。ストッパ材料は、プランジャロッド14に矢印Fで示すように前方向の力がかけられた際、プランジャロッド14の取り付け部分31の前部の前方端部296、316と接触するように適合される。このストッパ材料294、314は、プランジャロッド14およびロッド14の先細部278がストッパ内部292A、312A内へと前方に滑ることを防止し、ストッパの後部分40および中央42ならびにコア部材32上の圧力量を低減する。
【0075】
次に、本発明の代替の設計によるストッパおよびプランジャロッド設計の断面図を示す
図29を参照する。この設計によれば、アセンブリは、長手方向軸に沿って延びる前部の取り付け端部326および後端部328を有するプランジャロッド324を備える。前部の取り付け端部326は、先細部330と、そこから延びる前部フランジ332とを含む。アセンブリはまた、全体を12で示す、開いた後方端部28と、閉じた前端部30と、閉じた前端部30に隣接する、主要本体26と一体的に形成されたコア部材32とを画成する主要本体26を有するストッパも含む。開いた後方端部28は、内側の壁表面によって画成され、プランジャロッド324の前部の取り付け端部326を受け入れ、プランジャロッド324をストッパ12内に係止するように適合される。シリンジ外筒(図示せず)と共にアクティブシールを形成するために主要本体26の周囲を取り囲んで径方向に外向き延びる少なくとも1つのリブ46が、ストッパ12上に設けられる。先細部198が主要本体26の内面上に形成される。この先細部198は、プランジャロッド324の前部の取り付け端部326上の先細部330の傾斜部分331と接触するように適合される。接触する先細部198、330は、プランジャロッド324に前方向の力がかけられた際、ストッパ12が少なくとも1つのリブ46およびシリンジ外筒に径方向の力をかけるように共に共働するアクティブシール表面を形成する。開放空間334が、主要本体26の内面336、コア部材32の一部、および主要本体26の内面336上の先細部330によってストッパ12内に画成される。プランジャロッド324の前部の取り付け端部326から延びる前部フランジ332は、この開放空間334内に延び、ストッパ12に対するプランジャロッド324の矢印L2で示す長手方向の進行を抑制する。
【0076】
次に、全体を340で示す、本発明の第8の実施形態によるストッパを対象とする
図30A〜
図30Eを参照する。ストッパ340は、
図30Cに示すシリンジ筒16内で使用するためにこれもまた
図30Cに示すプランジャロッド14との取り付けに適合される。ストッパ340は、開いた後方端部28および閉じた前端部30を画成する主要本体26を備える。開いた後方端部28は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31を受け入れるように適合される。ストッパ340は、閉じた端部30に隣接する、主要本体26と一体的に形成されたコア部材342をさらに備える。コア部材342は、側壁部分385によって画成された後コア部材またはストッパ中央ポスト384を含む。一実施形態によれば、この側壁部分385は、その長さ全体に沿って、ストッパ中央ポスト384の底面387から、ストッパ中央ポスト384がストッパ先細部354と交わる交差部390まで本質的に真っすぐになり得る。この真っすぐの側壁385設計は、ストッパ340をモールド成形する工具費における低減を可能にし得る。
【0077】
コア部材342は、シリンジ外筒16の出口開口部348に入るように構成された円錐先端部346を有する突出部分344を含む。上記で述べたように、一実施形態によれば、コア部材342は、開いた後方端部28に向かってコア部材342の内部342Aから突起する、中実または中空のストッパ中央ポスト384をさらに含むことができる。中央ポスト384は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31に接触するように適合され得る。一実施形態によれば、主要本体26は、主要本体26の周囲を取り囲んで径方向に外向きに延びる少なくとも第1のリブ349を含むことができる。主要本体26はまた、主要本体26の周囲を取り囲んで径方向に外向きに延び、かつ第1のリブ349から離間して置かれた少なくとも第2のリブ350を含むこともできる。この第1のリブ349および第2のリブ350は、シリンジ外筒16と共にアクティブシール352を形成するように適合される。主要本体26はまた、第1のリブ349および第2のリブ350から離間して置かれた第3のリブ351を含むこともできる。第1のリブ349、第2のリブ350、および第3のリブ351は、主要本体26の周囲を取り囲んで径方向に外向き延び、主要本体26に沿って軸方向に離間して置かれ得る。主要本体26は、開いた後方端部28の内向きに軸方向に延びる少なくとも1つのアンダーカット部分55を含む。このアンダーカット部分55は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31をストッパ340内に係止するように適合される。アンダーカット部分55は、連続的でもセグメント化されてもよい。主要本体26は、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31上の対応する先細部354と接触するように適合された先細部353を有する内面を含む。接触する先細部353、354は、プランジャロッド14に前方向の力がかけられた際、ストッパ340がシリンジ外筒16に径方向の力をかけるように共に共働する。
図30Aおよび
図30Cに示すような一実施形態によれば、主要本体26の内面の先細部353は、主要本体26の側壁部分57からコア部材342までの湾曲部を有する連続的な輪郭になり得る。主要本体は、第1の内径の壁部分360を有するシリンジ外筒内に含まれる第1の直径を有する側壁57を含み、円錐先端部346は、第2の内径の壁部分362を有する外筒出口開口部348に接触する第2の直径を有する。ストッパ340の閉じた前端部30は、第1の外筒内径の壁部分360と第2の外筒内径の壁部分362の間を延びる先細にされた壁部分367を有する内部の外筒壁360と共働するように構成されたプロファイルを有し、それによってデッドスペースの低減を可能にしており、これを
図30Cに示している。ストッパ340の一実施形態は、外筒16の出口開口部348からシリンジ外筒16の上部の側壁部分372まで延びるシリンジ外筒16の先細にされた壁部分の第2の傾斜370よりわずかに険しい、突出部分344から第1のリブ349まで延びる第1の傾斜369を有する閉じた前端部30を含む。
【0078】
図30A〜
図30Eに示し、特に
図30Bに示す上記で説明した実施形態では、ストッパ340は、縁部分29によって画成された開いた後方端部28を含む。この縁部分29は、その外側周囲に沿った複数の突起部341で特徴付けられる。さらなる実施形態では、6個の突起部341が縁部分29の周りに均等に離間されてよい。保管および輸送中、ストッパが大量に詰められるとき、または洗浄および注油のプロセスにおいて、開いた後方端部28および外側の縁部分29が別のストッパの閉じた前端部30の上部に着座し得るという機会がある。2つのストッパは、開いた後方端部28の開放室内の真空によって、または潤滑油の付着によって、互いに固着し、下流側プロセスで不具合を起こすことがある。本発明の小さい突起部341はストッパ340間に空間を生じさせ、したがってこれらが互いに固着することを防止する。
【0079】
図30A〜
図30Eに示す上記で説明した本発明は、デッドスペースが少なく、逆流が本質的にゼロであるシリンジを対象とする。本明細書では、語句「本質的にゼロ」は、プランジャロッド14から力が除去された後の外筒内容物のルアー開口部内への変位が、本質的にゼロであり、それによって逆流を最小限に抑える、または本質的にゼロの逆流になることを意味する。逆流を防止するために、ストッパ円錐先端部346は、第2の内径の壁部分362において外筒出口開口部348と接触し、シールを形成するように設計される。ストッパ面上の狭角369は、たとえば外筒の狭角370を約1°下回るなど、外筒の狭角370より下回ることができる。
図30Dおよび
図30Eに示すように、ストッパの第1の傾斜369は、第1のリブ349、第2のリブ350、および第3のリブ351における外筒16との呼び締め代により、約2.8°険しくなるように圧迫される。ストッパ傾斜369と外筒の第2の傾斜370との間の負の差分は、ストッパおよび外筒16の両方における製品公差を考慮するものであり、それにより、ストッパの円錐先端部346は、常に外筒の出口開口部348と接触して逆流を防止し、デッドスペースは最小限に抑えられるようになる。
【0080】
図30C〜
図30Eに示すように、注射力がプランジャロッド14にかけられたとき、プランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31は、中央ポスト384に接触し、これを介して突出部分344を前方に押し出し、ストッパの円錐先端部346が外筒開口部362に接触する領域においてシールを生じさせて、プランジャロッドの力による外筒内の圧力の上昇に打ち勝つ。接触先細部354がプランジャロッド14の前部の前方端部取り付け部分31と接触し始めるとき、中央ポスト384は、
図30Cおよび
図30Dに示すような中央ポスト384の底面387と、前部の前方端部取り付け部分31との間に隙間389を形成する。ストッパの中央ポスト384とプランジャロッドの前部の前方端部取り付け部分31との間の相互作用は、プランジャロッド14にかけられた力をストッパ円錐先端部346上および接触先端部354にあるアクティブシール352上で分配することを調整する。隙間389が閉じられるまで、力は、
図30Dにおいて矢印「A」によって示すように接触先細部354にかけられ、外筒16に対してリブ349、350を少なくとも部分的に変形させることによってリブ349および350におけるシールを向上させる。力は、増大するにつれて、
図30Dにおいて矢印「B」で示すように、中央ポスト384を介して円錐先端部346にかけられる。一実施形態では、隙間は、アクティブシール352が、第1のリブ349および第2のリブ350においてシールするように常に動作し、かつ外筒内の内部圧力より大きいように、0.008”+/−0.007”になるように選択された。
【0081】
本発明は、逆流の発生および/または深刻度を最小限に抑えることができる。一実施形態では、本発明は、デッドスペースに関するISO標準を満たしながらも最小限のまたは「本質的にゼロ」の逆流を達成する。
図30A〜
図30Eの設計で示す本発明では、75μl未満、またはさらには70μl未満などの100μl未満のデッドスペースが実現されている。別の実施形態では、約48μlなどの50μl未満のデッドスペースが、実現されている。3mlシリンジの場合のデッドスペースに関するISO標準要求は70μlであり、5mlシリンジでは75μl、10mシリンジでは100μlである。したがって、48μlのデッドスペース体積が、これらの標準内で良好である。
【0082】
本発明の特有の実施形態を詳細に説明してきたが、これらの詳細に対するさまざまな改変形態および代替形態を、本開示の全体的な教示に照らして展開できることを当業者は理解するであろう。したがって、開示された特定の構成は、例示的にすぎず、付属の特許請求の範囲およびそのあらゆるすべての等価物の全容に与えられるべき本発明の範囲に関して限定するものではないことを意味する。