(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0003】
本書で説明する例は、仮想現実ヘッドセットを保持するための機構を提供し、該機構は、グラフィックデザイナー、プログラマー、建築家、エンジニア等が、従来のヘッドマウント又はストラップを使用して頭部にヘッドセットを物理的に取り付けることを必要とすることなく、ヘッドセットを介して仮想現実イメージ/ビデオを見ることを可能し、及び手を使用しないこと又は該機構の片手保持を可能にする。取り付けスタンドにより仮想現実ヘッドセットが所定位置に保持されるため、ユーザの片手又は両手が自由になって、コンピュータのキーボード又はタッチスクリーンで作業し続けることが可能となり、更に、ユーザが従来のコンピュータスクリーンと仮想現実ヘッドセットとの間でビューを容易に切り替えることが可能となる。該スタンドは、そのサイズが小さいため、ユーザのワークステーションで多くのスペースを占有することがなく、及び所望の利用時にユーザが容易に運ぶことが可能である。
【0004】
図1Aないし
図1Cは、一例による仮想現実ヘッドセットスタンド5及び仮想現実ヘッドセット25を示す様々な図である。この自立式スタンド5は、該スタンド5が仮想現実ヘッドセット25を所定位置に保持するように、ユーザの机上及び仮想現実ソフトウェアを実行しているユーザのコンピュータの隣に載置することが可能である。ユーザは、仮想現実イメージ/ビデオを見るようヘッドセット25に身を乗り出すが、該スタンド5又はヘッドセット25を物理的に保持する必要はない。仮想現実ヘッドセットスタンド5は、ベース10、該ベース10から延びるステム15、及び該ステム15に取り付けられたドッキングステーション20を含む。ステム15は、ベース10に向かって角度をなすことが可能である。ドッキングステーション20は、ステム15から離れるよう角度をなすことが可能である。一例によれば、ドッキングステーション20は、仮想現実ヘッドセット25を使用する前にステム15を取り外すことを必要とせず、及びユーザが下方を見た際に該ユーザの身体に干渉しないように、ステム15から離れるよう角度をなすことが可能である。一例によれば、ベース10もまた、ステム15から離れるよう角度をなしているドッキングステーション20のアンバランスを相殺するように、ステム15に向かって角度をなすことが可能である。、
ドッキングステーション20は、仮想現実ヘッドセット25を保持するための輪郭を有することが可能である。仮想現実ヘッドセット25は、当業界で使用される任意のタイプの仮想現実ヘッドセットとすることが可能であり、ストラップは典型的には仮想現実ヘッドセットのデザインに組み込まれるが、本書の例は、仮想現実ヘッドセット25がヘッドストラップを含むことを必要としない。しかし、スタンド5は、ヘッドストラップを含み又はヘッドストラップを有さない仮想現実ヘッドセット25で等しく機能する。ドッキングステーション20は、ステム15に接続されたリップ30、該リップ30に接続された本体部分35、及び該本体部分35に接続されたクリップ40であって、スタンド5が取り付けられた仮想現実ヘッドセット25と共に持ち上げられ又は移動される際に該仮想現実ヘッドセット25を所定位置に保持するよう配設されたクリップ40といった様々な取付機構を含む(但し、それらには限定されない)。
【0005】
一例では、ステム15は、仮想現実ヘッドセット25で提供されるアクションを制御するためのコントローラ機構45を含む。該コントローラ機構45は、1つ以上のボタン、ジョイスティック、又はその他の入力制御装置46,110を含むことが可能であり、
図1Aないし
図1Cには図示しないが、無線又は有線で仮想現実ヘッドセット25に電気的に接続することが可能である。一例では、入力制御装置46をコントローラ機構45の第1の側48に沿って配置し、入力制御装置110をコントローラ機構45の第2の側49に沿って配置することが可能であり、この場合、該第1の側48は該第2の側49とは反対側に位置している。
【0006】
図1Aないし
図1Cに関連して、
図2Aないし
図2Cは、仮想現実ヘッドセット25が取り付けられていない状態で仮想現実ヘッドセットスタンド5のみを示す様々な図である。一例では、ステム15は、湾曲した表面65を有することが可能である。ステム15はまた、ドッキングステーション20のリップ30に隣接して保持部材50を有することが可能である。一例では、及び図面に示すように、複数のクリップ40をドッキングステーション20に配設することが可能である。他の例では、細長い単一のクリップ40を用いることが可能である。ドッキングステーション20の本体部分35は、仮想現実ヘッドセット25と正しく位置合わせして該仮想現実ヘッドセット25を保持するための湾曲した背面33及び湾曲した正面34を含むことが可能である。ドッキングステーション20の本体部分35はまた、センサ(例えば、仮想現実ヘッドセット25上のカメラ)が覆われるのを回避するための穴(例えば、穴36)を含むことが可能である。一例によれば、本体部分35の背面33から延びる一対のクリップ38を配設することも可能である。一例では、クリップ38は、仮想現実ヘッドセット25の配線に適応し維持するために使用することも可能である。
【0007】
ベース10は、ステム15に接続され、及びドッキングステーション20と反対側の端部に配置される。ベース10は、スタンド5がユーザにより保持されていないときに該スタンド5を直立状態に保つための適当な支持を提供する任意の適当な態様で構成することが可能である。このため、ベース10は、スタンド5が自立して完全にハンズフリーのスタンド5として機能することを可能とし、これにより、ユーザは、スタンド5又は仮想現実ヘッドセット25を手に取ることなく該仮想現実ヘッドセット25に表示されたイメージを見ることが可能となる。ベース10はまた、
図1Aないし
図2Cに示すように、ステム15から外方に突出する一対の脚部55を含むことが可能である。
【0008】
図1Aないし
図2Cに関連して、
図3は、一例による、仮想現実ヘッドセットスタンド5及び仮想現実ヘッドセット25の概略図を示す背面から見た斜視図である。コントローラ機構45の第1の側48にある入力制御装置46の配置、及びコントローラ機構45の第2の側49にある入力制御装置110の配置は、ユーザが親指を使用して1つ以上の入力制御装置46を操作すると共に同じ手の他の指で入力制御装置110を操作することを可能とし、これにより、スタンド5又は仮想現実ヘッドセット25を操作する際に両手を使う必要がなくなる。一例では、入力制御装置110は、プッシュ/スクイーズボタンとして構成することが可能である。
【0009】
図1Bないし
図3では、コントローラ機構45は、ステム15の一部として示されている。代替的な例では、コントローラ機構45をステム15から取り外し可能とする一方で、該ステム15を機械的に完全な状態に保ち、これにより、スタンド5を依然としてヘッドセット25の支持及び保持のために使用することが可能となる。別の例では、スタンド5は、仮想現実ヘッドセット25自体に関連する複数のハンドヘルドコントローラのうちの1つに適応するよう構成することが可能である。後者の場合、ハンドヘルドコントローラがスタンド5に取り付けられたことを仮想現実システムが検出した際に、該ハンドヘルドコントローラの機能を変更することが可能である。別の例では、スタンド5は、ドッキングステーション20をステム15に取り付ける複数のジンバル(図示せず)を含むことが可能であり、これにより、ユーザが保持するスタンド5の部分に対する更なる頭部の動きが可能となる。かかる複数のジンバルに複数のセンサを取り付けることにより、スタンドの残りの部分に対する仮想現実ディスプレイ25の動きをコントローラ機構45への別の入力として使用することが可能となる。
【0010】
図1Aないし
図3に関連して、
図4は、一例による、使用時における仮想現実ヘッドセットスタンド5及び仮想現実ヘッドセット25の概略図を示している。
図4では、破線はユーザ60の潜在的な配置を表している。この例では、スタンド5は、机等の表面上に載置され、及びユーザ60が持ち上げ及び動かすことができるスティック状のスタンド5として構成されている。ベース10は、自立した位置で直立状態を維持するための(すなわち、ユーザ60がスタンド5を所定位置で直立させて保持することを必要としない)適当な支持をスタンド5に提供するための任意の適当な構成で配設することが可能である。ユーザ60は、スタンド5を手に取って仮想現実ヘッドセット25を自分の頭部に対して配置することが可能である。代替的には、ユーザ60は、単にスタンド5を机又はワークステーション等の所与の表面上に載置し、該スタンド5に保持され取り付けられた仮想現実ヘッドセット25に対して自分の頭部を配置することが可能である。一例では、ベース10及びステム15は、仮想現実ヘッドセット25がユーザ60の目の前に配置される間に該仮想現実ヘッドセット25をドッキングステーション20内の所定位置に維持するのに十分な支持力を有する。一例によれば、仮想現実ヘッドセット25は、ユーザ60の頭部にストラップを配置することを必要とすることなく、ユーザ60の目の前で所定位置に保持される。ステム15の湾曲した表面65は、仮想現実ヘッドセット25がユーザ60の目の前に配置されている間に該ユーザ60がステム15を保持してスタンド5を移動させることを可能にする。仮想現実ヘッドセット25の配線42が
図4に示されており、該配線42は、仮想現実ヘッドセット25をコンピュータ(
図4には図示せず)に接続することが可能である。一例では、スタンド5もまた、コンピュータに接続される配線42を含む。別の例では、スタンド5のコントローラ機構45に関連する電子機器がコンピューターに無線で接続される。
【0011】
図1Aないし
図4に関連して、
図5Aは、一例による、ボディパック95及び仮想現実ヘッドセット25に接続される仮想現実ヘッドセットスタンド105の別の例の概略図を示す斜視図である。ボディパック95は、仮想現実システム70を実行するために使用される携帯型のコンピュータを含むことが可能である。該システム70はバックパックとして使用するように構成することが可能であるが、
図5Bに示すように少なくとも1つのユーザ取付機構100で短期間の使用のためにユーザ60の身体の正面に対してシステム70を保持することが可能である。スタンド105は、ボディパック95がユーザ60の身体の正面に対して保持されているときに、ユーザ60が仮想現実ヘッドセット25に対して自分の顔を快適に押圧することが可能となるように、仮想現実ヘッドセット25を保持するよう構成されている。スタンド105は、ユーザ60が必要とするように仮想現実ヘッドセット25の高さ等を調節することを可能にする様々な調節機構(図示せず)を含むことが可能である。
図5Aにおいて、破線はユーザ60の頭部の潜在的な位置を表している。ストラップ26は、
図5Aでは仮想現実ヘッドセット25に接続されるよう図示されているが、本書で説明する例は、ユーザ60の頭部に対して仮想現実ヘッドセット25を正しく保持するために該ユーザ60が自分の頭部にストラップ26を配置することを必要としない。スタンド105は、仮想現実ヘッドセット25を保持するためのドッキングステーション120を含む。スタンド105はまた、ステム115とボディパック95に取り付けられる接続部材75とを含む。
【0012】
図1Aないし
図5Aに関連して、
図5Bは、接続部材75、該接続部材75から延びるステム115、及び該ステム115に取り付けられるドッキングステーション120を含むスタンド105を含む仮想現実システム70を示しており、該ドッキングステーション120は、仮想現実ヘッドセット25を保持するための輪郭を有している。スタンド105は、少なくとも1つのユーザ取付機構100を介してユーザ60に装着されるボディパック95上に取り付けられる。
図5Bは、一例による、一対のユーザ取付機構100を示している。スタンド105は、ユーザがヘッドストラップ26を着用する必要がないようにボディパック95により所定位置に保持されるが、必要であればユーザがヘッドストラップ26を着用することも可能である。仮想現実ヘッドセット25は、ボディパック95に取り付けられ、該ボディパック95は、ユーザにより着用された際に所定位置に保持され、ユーザ60は、仮想現実ヘッドセット25を直接保持する必要がなく、単に自分の頭部を仮想現実ヘッドセット25に対して押圧するだけでよい。この例は、ユーザ60が仮想現実ヘッドセット25を介してイメージ/ビデオを見ている間に、該ユーザ60が立ち上がり、向きを変え、及び部屋内を移動することを可能にする。ボディパック95はまた、該ボディパック95が着用されておらずデスクトップ上にドッキングされている際にユーザ60が単に自分の顔を仮想現実ヘッドセット25に対して押圧することができるように該ボディパック95を直立状態に保持するデスクトップ・ドック(図示せず)を含むことが可能である。
【0013】
図5Bにおいて、ユーザ60の形状の破線は、ユーザ60の潜在的な位置関係を表している。
図5Bは、ハンドヘルド制御装置77を使用しているユーザ60を示している。ハンドヘルド制御装置77は、仮想現実ヘッドセット25で提供されるアクションを制御するために使用することが可能である。ハンドヘルド制御装置77は、仮想現実ヘッドセット25に無線接続することが可能である。一例では、
図1Bないし
図3におけるコントローラ機構45と類似したコントローラ機構を、ボディパック95、又は該ボディパック95を把持するために使用されるユーザ60の手が容易にアクセスできるよう配置されたスタンド105に配設することが可能である。別の例では、スタンド115は、図示しない複数のジンバルを含むことが可能であり、これにより頭部の更なる動きが可能となる。これらジンバルにセンサを取り付けて、ボディパックに対する仮想現実ディスプレイの動きをコントローラ機構45への別の入力として使用することが可能である。
【0014】
プロセッサ80は(それが存在する場合には)、制御装置77及びコントローラ機構45に対して通信可能な状態で接続することが可能である。例えば、制御装置77は、一例では無線接続により、別の例では有線接続により、通信可能な状態で接続することが可能である。
図6に示す方法200を実施するためにプロセッサにより実行することが可能な命令を含むメモリ85が配設される。ディスプレイ装置90は、コンピュータによりシミュレートされたイメージ及び方法200により生成された変換されたコンピュータによりシミュレートされたイメージを表示するためにプロセッサ80に通信可能な状態で接続されている。
【0015】
図1Aないし
図5Bに関連して、
図6に示す方法200において、ブロック201は、コンピュータによりシミュレートされたイメージを格納するために提供される。ブロック203は、仮想現実ヘッドセット25により識別されたモーションイベントを格納するために提供される。ブロック205は、該モーションイベントを使用して、コンピュータによりシミュレートされたイメージを変換されたコンピュータによりシミュレートされたイメージへと変換するために提供される。ブロック207は、前記変換されたコンピュータによりシミュレートされたイメージを仮想現実イベントへと変換するために提供される。ブロック209は、該仮想現実イベントを仮想現実ヘッドセット25で提示するために提供される。
【0016】
一例では、前記命令は、プロセッサ80に、仮想現実ヘッドセット25で提示される仮想現実イベントの編集を行わせる。別の例では、制御装置77が、仮想現実ヘッドセット25で提示される仮想現実イベントを編集するよう構成される。
【0017】
図1Aないし
図6に関連して、
図7は、一例によるシステム70のブロック図を示している。システム70は、仮想現実ヘッドセット25を保持するためのドッキングステーション20,120をそれぞれ含むスタンド5,105を含む。システム70はまた、コントローラ機構45を含み、この例では、該コントローラ機構45は、仮想現実アプリケーションにおけるナビゲーションを制御するために使用される。例えば、コントローラ機構45は、仮想現実ヘッドセット25で提示される仮想現実空間内でモーションイベントを操縦するよう構成される。一例では、コンピュータ130は、コントローラ機構45及び仮想現実ヘッドセット25に対して通信可能な状態で接続可能なものであり、この場合、コンピュータ130は、プロセッサ80と、
図8に示す方法250を実施するためにプロセッサ80により実行することが可能な命令を含むメモリ85とを含む。
【0018】
図1Aないし
図7に関連して、
図8に示す方法250では、ブロック251は、仮想現実コンピュータアプリケーション140を動作させるために提供される。ブロック253は、仮想現実ヘッドセット25により識別されるモーションイベントを格納するために提供される。ブロック255は、モーションイベントを仮想現実イメージとして変換するために提供される。ブロック257は、仮想現実イメージを修正するために提供される。ブロック259は、修正された仮想現実イメージを仮想現実ヘッドセット25で提示するために提供される。
【0019】
図7を再び参照すると、仮想現実ヘッドセット25はスタンド5,105に取り付けられ、該スタンド5,105は、自立し、又は、ユーザ60が該スタンド5,105を物理的に保持することを必要としないものである。一例として、ユーザ60が、コンピュータ130のディスプレイ画面90上で3次元(3D)コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアを使用してオブジェクトのモデリングを開始した際に、プラグインユーティリティが、処理中のCADデータを取り込んで、該CADデータを仮想現実で見ることが可能な3Dデータへと自動的に変換する。ユーザ60は、仮想現実ヘッドセット25を介してイメージを見ることにより、仮想現実環境で処理中の設計を見ることが可能である。CADオペレータ(ユーザ60であってもなくてもよい)は、コンピュータ130を使用して調整を行い、及びディスプレイ90上に視覚的に描画することが可能であり、該調整されたイメージは、仮想現実ヘッドセット25で提示される仮想現実モデルで自動的に更新される。一例では、コントローラ機構45は、仮想現実ヘッドセット25において、修正された仮想現実イメージ内に表示される。
【0020】
典型的には、机上等の場所での仮想現実システムの使用は、仮想現実内にいる際にユーザ60が取り得る物理的な動きの自由を制限し得るものである。空間的要件に加えて、ケーブル長に関する制限が存在し、複数のユーザが存在する大きなオープンオフィス環境では、利用可能な光学追跡インフラストラクチャがうまく機能しない可能性がある。
【0021】
追跡インフラストラクチャを利用することができない場合には、幾分か制限されたヘッドセットの動きをスタンド5,105のセンサにより検出することが可能である。例えば、ディスプレイのドッキングステーション20,120をステム15,115に接続するジンバル上の回転センサ、又はドッキングステーション20,120内の慣性測定ユニットである。また、方向に関する情報は、典型的には、仮想現実ヘッドセット25内に含まれる磁力計及び加速度計等のセンサから取得することが可能である。各回転ポイントにおける回転エンコーダを使用してこの情報を増補することが可能である。
【0022】
これを超える動きのためにコントローラ機構45を使用することが可能である。例えば、コントローラ機構45は、3つの空間次元での平行移動に、ビュー・ピッチ(/仰角)及びヨー(/方位角)を加えた、少なくとも5つの自由度を提供するよう構成することが可能である。これは、
図1Bないし
図3における入力制御装置46,110の位置にあるジョイスティック、トラックボール、ディレクショナルパッド(directional pads)、サム・ホイール(thumbwheels)等の幾つかの組み合わせを介して達成することが可能である。仮想現実内での平行移動のための別の態様は、「瞬間移動(teleporting)」であり、すなわち、特定の場所をポイントして、ユーザの視点をその場所に移動させる制御をアクティブにすることである。この動作のための制御は、コントローラ機構45内に含めることが可能である。
【0023】
図1Aないし
図8に関連して、
図9A及び
図9Bは、様々な例による仮想現実イメージ147の概略図を示している。典型的には、ユーザの頭部の動きにより引き起こされない仮想現実内でのあらゆる動きは、仮想現実を病んだ状態にする可能性があり、これは、かかる動きの間に周辺の視覚的なキューを除去することにより相殺することが可能である。このため、コントローラ機構45は、その制御手段がタッチされたときを示すセンサを含むことが可能である。これが生じるとすぐに、仮想現実ヘッドセット25内でユーザー60が見ているビューが、周辺視野150内の動きを不明瞭にし又は抑制するよう変更される。仮想現実ヘッドセット25に提示される(
図7に示し及び
図8のブロック259に記載したような)修正された仮想現実イメージは、仮想現実イメージ147から周辺の視覚的なモーションキューが除去され又はマスクされた仮想現実イメージを含むことが可能である。
図7に示したようなマスキングソフトウェアモジュール125をコンピュータ130と共に使用して、
図9A及び
図9Bの周辺の視覚的なモーションキュー150を除去することが可能である。
図9Aでは、ビューは、周辺の特徴150のビューを除去するよう絞り込まれている。
図9Bでは、高コントラストの静的なシャペロン状の(chaperone-like)グリッド151が、周辺イメージ150上に重畳され、これは、該グリッド151の背後にある一層低いコントラストのイメージの動きによるモーションキューを抑制する効果を有する。
【0024】
図1Aないし
図9Bに関連して、
図10A及び
図10Bは、様々な例による、仮想現実ヘッドセット25及びそれに関連する仮想現実システムハンドヘルドコントローラ77の概略図を示している。仮想現実アプリケーションによっては、2つのハンドヘルドコントローラ(ユーザの両手に1つずつ)からの入力により利益を得るものがある。例えば、利き手でない方の手にあるコントローラは、メニューパレットを表示させるためにトリガすることが可能であり、ユーザは、利き手にあるコントローラで該メニューパレットから選択を行うことが可能である。典型的には、両方のコントローラを表すアバターが、ユーザにとって有用な基準として、ユーザの手の中の物理的な場所に対応する仮想的な場所で、仮想現実システムにより生成される。
図10A及び
図10Bにおいて、ユーザ60の形状の破線は、ユーザ60の潜在的な位置を表している。
【0025】
図10A及び
図10Bに示すように、利き手でない方の手61aが仮想現実ヘッドセットスタンド5,105を保持するために使用されている場合、該スタンド5,105内のコントローラ機構45は、利き手でない方の手の仮想現実システムコントローラで使用される制御手段を模倣するよう構成することが可能である。仮想現実システム74は、ユーザ60の利き手により保持されているハンドヘルドコントローラ77に対応するアバター177を生成して、仮想シーン62内の対応する位置に表示することが可能である。ハンドヘルドコントローラ77の第2の例として使用される場合、システム74は、コントローラ機構45が模倣している利き手でない方の手のハンドヘルドコントローラのためのアバター145を表示することが可能である。コントローラ機構45は、仮想現実ヘッドセット25を保持しているスタンド5,105に取り付けることが可能であり、このため、その位置は典型的にはユーザの仮想視野62の外部にあることになる。有用な基準をユーザ60に提供するために、アバター145は、仮想視野62内の固定位置(例えば、
図10Bに示すように、通常はユーザ60の正面で腕の長さで保持される位置と等価な位置)に表示することが可能である。コントローラアバター145の表示は、専用のスイッチ(例えば、コントローラ機構45上の入力制御装置46,110)により制御することも可能である。該アバターの位置は、仮想現実ヘッドセット25に対して固定されることになるが、依然として多数の制御機能を実施することが可能である。
【0026】
本書で説明した様々な例は、ハードウェア要素及びソフトウェア要素の両方を含むことが可能である。ソフトウェアで実施される例、例えば、
図6及び
図8の方法200,250は、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含むことが可能である(但し、これらには限定されない)。他の例は、予め設定された一組の命令を含むよう構成されたコンピュータプログラム製品を含むことが可能であり、該命令は、その実行時に、上述した方法に関して説明したアクションを生じさせることが可能なものである。一例では、前記予め設定された一組の命令は、ソフトウェアコードを含む有形の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体又はプログラム記憶装置に格納することが可能である。
【0027】
図1Aないし
図10Bに関連して、本書におけるソフトウェアの例を実施するための例示的なハードウェア環境が
図11に示されている。このブロック図は、本書における一例による情報操作/コンピュータシステム300のハードウェア構成を示している。該システム300は、前記プロセッサ80と通信することが可能な1つ以上のプロセッサ又は中央処理装置(CPU)310を含む。該CPU310は、システムバス312を介してRAM314及びROM316等の少なくとも1つの記憶装置309と相互接続されている。一例では、前記少なくとも1つの記憶装置309は、前記メモリ85として構成することが可能である。該少なくとも1つの記憶装置309は、プログラムコードの実際の実行時に使用されるローカルメモリ、大容量記憶装置、及び実行中に大容量記憶装置からコードを読み出さなければならない回数を削減するために少なくとも幾つかのプログラムコードの一時的な記憶を提供するキャッシュメモリを含むことが可能である。
【0028】
I/Oアダプタ318は、ディスク装置311及び記憶装置313等の周辺装置、又はシステム300により読み取ることが可能なその他のプログラム記憶装置に接続することが可能である。システム300は、バス312を、キーボード315、マウス317、スピーカ324、マイク322、及び/又はユーザ60との間でユーザ入力を収集し及び情報を表示するためのタッチスクリーン装置等のその他のユーザインタフェイス装置に接続することが可能なユーザインタフェイスアダプタ319を含む。更に、通信アダプタ320は、バス312をデータ処理ネットワーク325に接続し、ディスプレイアダプタ321は、バス312をディスプレイ装置323に接続し、該ディスプレイ装置323は、前記ディスプレイ装置90として構成可能なものであり、及びユーザ60が対話を行うためのグラフィカルユーザインタフェイス(GUI)を提供することが可能なものである。更に、送受信器326、信号比較器327、及び信号変換器328を、電気信号又は電子信号の処理、送信、受信、比較、及び変換をそれぞれ行うためにバス312に接続することが可能である。
【0029】
仮想現実の消費の大部分は専用の空間で行われるが、仮想現実のワークフローコンテンツの作成は、近い将来、デスクトップアクティビティであり続ける可能性がある。グラフィックデザインユーザーやその他のコンテンツ作成者のワークフローは、机やワークステーションを離れることなく自身の作品を仮想現実で迅速に確認することを可能とすることにより大幅に改善される。スタンド5,105は、ユーザ60が、ディスプレイ装置90から3Dコンテンツを取り込み、シームレスな態様で仮想現実ヘッドセット25を介して仮想現実内でレビューすることを可能とする。コントローラ機構45及びコントローラ77は、ユーザ60が、仮想現実内で複数のイメージを同時に見て、コンピュータ130上で実行されているCADソフトウェアでオリジナルファイルを修正することを可能とする。例えば、仮想現実ヘッドセットスタンド5は、仮想現実モデルのビューを操作するためにコントローラ機構45を使用するジョイスティック状の制御手段を組み込むことが可能であり、又は触覚によるフィードバックを利用して3Dモデルの限界やスナップを示すことが可能である。
【0030】
本開示は、上述した例示的な実施態様に関して図示し説明した。本書では特定の例を図示し説明してきたが、特許請求する主題の範囲は、特許請求の範囲及びその等価物によってのみ制限されることが明白に意図されている。しかし、特許請求の範囲で規定する本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、他の形態、詳細、及び例を実施することが可能であることを理解されたい。