(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クロージャが、第1のキャップ端部、第2のキャップ端部を有し、その中にキャップチャネルを画定するキャップであって、キャップチャネルの一部内に貫通可能なセルフシーリングストッパーと、第2のキャップ端部にキャップ接続部分と、を有するキャップと、
第1のアダプタ端部、第2のアダプタ端部を有し、その中にアダプタチャネルを画定するアダプタであって、第1のアダプタ端部にアダプタ接続部分を有するアダプタと、
を有し、前記キャップ接続部分はアダプタ接続部分と取り外しできるように接続可能である、請求項2に記載の生体液収集システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
同様の参照符号は、いくつかの図の中で対応している部分を示す。本明細書に記載される例示は、本開示の例示的な実施形態を示しており、そのような例示は、いかなる形でも本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0013】
以下の説明は、当業者が本発明を実施するために企図される説明された実施形態を作成および使用することを可能にするために提供される。様々な修正、等価物、変形、および代替物は、しかし、当業者に容易に明らかになるであろう。任意のおよび全てのそのような修正、変形、等価物、および代替物は、本発明の精神および範囲の中に入ることが意図される。
【0014】
以下の説明のために、「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「横」、「縦」、およびそれらの派生物は、図面の中で方向付けられているので、本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、それとは反対に明示的に特定されない限り、様々な代替的な変形を前提としてもよいことは理解されよう。また、添付の図面に示され、以下の明細書に記載される具体的なデバイスは、単に本発明の例示的な実施形態であることも理解されるべきである。そのため、本明細書に開示される実施形態に関連する具体的な寸法および他の物理的な特徴は、制限的であるとしてみなされるべきではない。
【0015】
本開示は、サンプルを受け入れ、かつ、フロースルー血液安定化技術と、ポイントオブケア検査および患者近傍検査用途のための正確なサンプル分配機能とを提供する、生体液収集システムを提供する。本開示の生体液収集システムは、血液サンプル内のサンプル安定剤の分散混合をもたらし、制御された方法で安定化されたサンプルを分配することができる。このようにして、本開示の生体液収集システムは、ポイントオブケア検査および患者近傍検査用途のための血液マイクロサンプルの管理、例えば、サンプル安定剤との受動混合および制御された分配を可能にする。
【0016】
有利なことに、本開示の生体液収集デバイスは、ポイントオブケア検査および患者近傍検査用途、採血、受動混合技術、ならびにポイントオブケアカートリッジおよび患者近傍検査受入ポートを備える標準的なルアーインターフェースへの制御された少量サンプル分配機能のための、一貫した血液サンプル管理ツールを提供する。
【0017】
本開示の生体液収集システム1は、ミキサ6と、シリンジ4を備えたクロージャ10とを利用する。シリンジ4およびクロージャ10により、ユーザーは、ルアー管、チューブホルダー、または他の採血デバイスなどの、多数の様々な採血デバイスからサンプル2を引き出すことができる。シリンジ4はまた、サンプル2の容易な吸引および安定化されたサンプルの分配を可能にする。ミキサ6の使用は、抗凝固剤などのサンプル安定剤8と、シリンジ4内に収集する前の血液サンプル2との自動的な混合を可能にする。シリンジ4はまた、血液サンプル2を引き込むための真空を提供し、安定化された血液サンプル2を検査デバイス、カートリッジ、またはベンチトップ機器に移送するための分配機構として機能する。
【0018】
図1〜6を参照すると、一実施形態において、本開示の生体液収集システム1は、血液サンプル2などの生体液サンプルの受け入れに適し、シリンジアッセンブリ4、ミキサ6、サンプル安定剤8、およびクロージャ10を含む。
【0019】
本開示の生体液収集システム1は、クロージャ10を含む。
図1〜3および7〜12は、本開示のクロージャ10の例示的実施形態を図示する。一実施形態において、本開示のクロージャ10は、キャップ12およびアダプタまたはコネクタ14を含む。別の実施形態において、クロージャ10は、一体型のキャップおよびアダプタ構成を備えることができる。本開示のクロージャ10は、多数の様々な採血デバイスへの接続を可能にする。
図7を参照すると、第1の構成において、キャップ12がアダプタ14に接続された状態で、クロージャ10は、キャップ12を介して第1の採血デバイス110に接続され得る。いくつかの実施形態において、キャップ12は、アダプタ14なしで、第1の採血デバイス110に直接接続することができる。一実施形態において、第1の採血デバイス110は、チューブホルダー112を含む。第2の構成において、キャップ12がアダプタ14から取り外された状態で、クロージャ10は、アダプタ14を介して第2の採血デバイス120に接続されてもよい。
図8を参照すると、いくつかの実施形態において、クロージャ10は取り外すことができ、ミキサ6の第1のミキサ端部210を第2の採血デバイス120に接続することができる。一実施形態において、第2の採血デバイス120は、ルアーコネクタ124で終わる管122を含む。
【0020】
一実施形態において、
図1〜3および9〜12を参照すると、クロージャ10はキャップ12およびアダプタ14を含む。別の実施形態において、クロージャ10は、一体型のキャップおよびアダプタ構成を備えることができる。キャップ12は、第1のキャップ端部20、第2のキャップ端部22を含み、その中にキャップチャネル24を画定する。キャップ12は、キャップチャネル24の一部内に突き刺し可能なセルフシーリングストッパー26と、第2のキャップ端部22にキャップ接続部分28とを有する。一実施形態において、キャップ接続部分28は、第1のルアー接続部分を含む。
【0021】
図12を参照すると、一実施形態において、キャップ12は、その中に第1のキャップチャネル部分30、第2のキャップチャネル部分32、第3のキャップチャネル部分34、および第4のキャップチャネル部分36を画定する。
図12を参照すると、第1のキャップチャネル部分30は第1の直径D1を有し、第2のキャップチャネル部分32は第2の直径D2を有し、第3のキャップチャネル部分34は第3の直径D3を有し、および第4のキャップチャネル部分36は第4の直径D4を有する。一実施形態において、第1の直径D1は第2の直径D2よりも大きく、第2の直径D2は第3の直径D3よりも大きく、第3の直径D3は第4の直径D4よりも大きい。第1のキャップチャネル部分30、第2のキャップチャネル部分32、および第3のキャップチャネル部分34は、キャップ12内にストッパー26を確実に受け入れるように構成される。第4のキャップチャネル部分36は、アダプタ14の一部をしっかりと受け入れるように構成される。
【0022】
一実施形態において、キャップ12は、第1のキャップチャネル部分30と第2のキャップチャネル部分32との間に位置する第1の棚部38を画定する。また、一実施形態において、キャップ12は、第2のキャップチャネル部分32と第3のキャップチャネル部分34との間に位置する第2の棚部39を画定する。
【0023】
図12を参照すると、一実施形態において、ストッパー26は、上部40、下部42を有し、上部40と下部42との間に肩部44を画定する。
【0024】
第1のキャップチャネル部分30、第2のキャップチャネル部分32、および第3のキャップチャネル部分34は、キャップ12内にストッパー26を確実に受け入れるように構成される。例えば、一実施形態において、ストッパー26は、ストッパー26の上部40が第1のキャップチャネル部分30の中にあり、ストッパー26の下部42が第2のキャップチャネル部分32の中にあるように、キャップチャネル24の中に収容される。このようにして、ストッパー26は、ストッパー26の肩部44がキャップ12の第1の棚部38に接触し、ストッパー26の下部42がキャップ12の第2の棚部39に接触して、ストッパー26をキャップチャネル24の中に拘束するように、キャップチャネル24内にしっかりと収容される。そのような係合は、ストッパー26が穿刺された時に、ストッパー26をキャップチャネル24内に固定および拘束する。例えば、一実施形態において、チューブホルダー112の非患者用針114がストッパー26に接触して突き刺さる際、ストッパー26は、キャップ12に対する有意の相対的な移動が妨げられる。
【0025】
一実施形態において、キャップ12はまた、第1の壁シールド部分50、第2の壁シールド部分52、半径方向リブ54、長手方向リブ56、および外面58を含む。
図12を参照すると、第2のキャップ端部22は、第2の壁シールド部分52を含む。
【0026】
図12を参照すると、第1のキャップ端部20は、ストッパー26を保護的にシールドする第1の壁シールド部分50を含む。例えば、第1の壁シールド部分50は、
図12に示されるように、ストッパー26の上部40を越えて延びる物理的障壁を提供する。このようにして、ストッパー26はキャップ12内に安全に収容され、第1の壁シールド部分50は、ストッパー26上の血液サンプルの一部がキャップ12から外部に飛散することから保護する。
【0027】
図9〜12を参照すると、キャップ12の外面58は、半径方向リブ54および長手方向リブ56を含む。リブ54、56は、ユーザーの指がクロージャ10のキャップ12を把持することを容易にする把持面を提供する。例えば、リブ54、56は、ユーザーがクロージャ10を操作し、および採血処置においてクロージャ10を使用することを助ける、人間工学的に成形された表面を提供し、ユーザーに複数の指把持位置を提供し得る。
【0028】
図7Aを参照すると、リブ54、56はまた、クロージャ10がチューブホルダー112内で適切に位置合わせされ、配置されることを確実にするタッチポイント部分59を提供する。例えば、タッチポイント部分59は、キャップ12の幅がチューブホルダー112の内径よりわずかに小さく、チューブホルダー112の内面116の一部に接触するように、外向きに延びる。これは、クロージャ10がチューブホルダー112内に挿入される際に、中心合わせおよび位置合わせ機構を提供する。このようにして、クロージャ10のキャップ12は、適切な向きでチューブホルダー112内に受け入れられる。例えば、キャップ12は、チューブホルダー112の非患者用針114がクロージャ10のストッパー26と正確に一直線になるように、チューブホルダー112内の中央に正確に配置される。
【0029】
一実施形態において、アダプタまたはコネクタ14は、第1のアダプタ端部60、第2のアダプタ端部62を含み、その中にアダプタチャネル64を画定する。アダプタ14は、第1のアダプタ端部60にアダプタ接続部分66を有する。
図11を参照すると、一実施形態において、アダプタ14は、第1の部分68、第2の部分70、および第1の部分68と第2の部分70との間のフランジ部分72を含む。一実施形態において、アダプタ接続部分66は、キャップ接続部分28の第1のルアー接続部分との嵌合接続のための第2のルアー接続部分を含む。一実施形態において、クロージャ10は、ミキサ6の第1のミキサ端部210に取り外しできるように接続可能である。例えば、第2のアダプタ端部62は、ミキサ6の第1のミキサコネクタ212と取り外しできるように接続可能なコネクタ76を含む。
【0030】
図9〜12を参照すると、一実施形態において、アダプタ14は、キャップ12に取り外しできるように接続可能である。例えば、アダプタ接続部分66は、キャップ12のキャップ接続部分28と取り外しできるように接続可能である。一実施形態において、キャップ接続部分28は、第1のルアー接続部分を含み、アダプタ接続部分66は、第1のルアー接続部分との嵌合接続のための第2のルアー接続部分を含む。一実施形態において、接続部分28、66は、ISO標準ルアーインターフェースを形成する。一実施形態において、接続部分28、66は、スピンロックルアーインターフェースを形成する。例えば、アダプタ接続部分66は、ルアーロックねじ部74を含むことができる。また別の実施形態において、接続部分28、66は、スリップロックルアーインターフェースを形成する。キャップ接続部分28およびアダプタ接続部分66は、互いにねじ込みまたはスナップ嵌めされて、しっかりした接続を形成してもよい。
【0031】
アダプタ14がキャップ12に接続された状態で、アダプタ14はキャップ12に固定される、すなわち、アダプタ14およびキャップ12は保護されるように一緒に密閉される。
図12を参照すると、アダプタ14がキャップ12に接続された状態で、キャップチャネル24は、アダプタチャネル64と流体連通している。
【0032】
図12を参照すると、キャップ12がアダプタ14に接続された状態で、キャップ12の第2の壁シールド部分52は、アダプタ14の第1のアダプタ端部60および第1の部分68を保護的にシールドする。例えば、第2の壁シールド部分52は、
図12に示されるように、アダプタ14のフランジ部分72を越えて延びる物理的障壁を提供する。このようにして、第2の壁シールド部分52およびフランジ部分72は、アダプタ14の第1のアダプタ端部60および第1の部分68を保護的にシールドする、保護的な物理的障壁を形成する。
【0033】
図1〜3を参照すると、本開示のクロージャ10は、生体液収集システム1、例えば、ミキサ6およびシリンジアッセンブリ4を保護的に密閉することができる。例えば、一実施形態において、クロージャ10は、ミキサ6の第1のミキサ端部210に取り外しできるように接続可能である。クロージャ10がミキサ6に接続された状態で、クロージャ10は、生体液収集システム1を密閉する。
【0034】
図2を参照すると、クロージャ10は、生体液収集システム1と係合し、保護的に密閉して、ミキサ6を密閉することができる。クロージャ10は、血液サンプルをミキサ6およびシリンジアッセンブリ4に安全に導入することを可能にする。
【0035】
本開示のクロージャ10は、多数の様々な採血デバイスへの接続を可能にする。例えば、一実施形態において、クロージャ10は、第1の構成では第1の採血デバイス110(
図7)への接続を可能にし、第2の構成では第2の採血デバイス120(
図8)への接続を可能にする。本開示のクロージャ10の利点は、単一のクロージャデバイスが様々な接続の選択肢に対応することを可能にすることである。
【0036】
図7を参照すると、第1の構成において、キャップ12がアダプタ14に接続された状態で、クロージャ10は、キャップ12を介して第1の採血デバイス110に接続され得る。いくつかの実施形態において、キャップ12は、アダプタ14なしで第1の採血デバイス110に直接接続することができる。一実施形態において、第1の採血デバイス110は、生体液が通過する非患者用針114を有するチューブホルダー112と、チューブの空洞118を画定する内壁または表面116とを含む。
【0037】
第2の構成において、キャップ12がアダプタ14から取り外された状態で、クロージャ10は、アダプタ14を介して第2の採血デバイス120に接続されてもよい。
図8を参照すると、いくつかの実施形態において、クロージャ10は取り外すことができ、ミキサ6の第1のミキサ端部210を第2の採血デバイス120に接続することができる。一実施形態において、第2の採血デバイス120は、ルアーコネクタ124で終わる管122を含む。
【0038】
図1〜6を参照すると、生体液収集システム1は、安定化された血液サンプル2をシリンジアッセンブリ4内に自動吸引するための、シリンジアッセンブリ4を含む。一実施形態において、シリンジアッセンブリ4は収集チャンバ136を含み、シリンジアッセンブリ4は、ミキサ6を通して収集チャンバ136内にサンプル2を引き込む真空を生成することができる。シリンジ4は、容易なサンプルの吸引および安定化されたサンプルの分配を可能にする。
【0039】
図1〜6を参照すると、一実施形態において、シリンジアッセンブリ4は、シリンジバレル112、プランジャ114、およびストッパー116を含む。
図1〜6を参照すると、シリンジバレル112は一般に、第1の端部または遠位端132と、第2の端部または近位端134との間に延びる、バレル本体または側壁130を含む。側壁130は、シリンジバレル112の収集チャンバ、細長い開口部、または内部チャンバ136を画定する。一実施形態において、内部チャンバ136は、シリンジバレル112がその全長に沿ってカニューレ挿入されるように、シリンジバレル112の範囲に及び得る。一実施形態において、シリンジバレル112は、皮下注射器の一般的な形状として当技術分野で知られているような、細長い円筒形バレルの一般的な形態とすることができる。代替的実施形態において、シリンジバレル112は、送達するための流体を収容するための他の形態でもよく、例えば、細長い長方形バレルの一般的な形態でもよい。シリンジバレル112は、ガラスで形成されてもよく、または当業者に知られている技術に従い、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどの熱可塑性材料から射出成形されてもよいが、シリンジバレル112は、他の適切な材料から、他の適用可能な技術に従って作られてもよいことを理解されたい。特定の構成において、シリンジバレル112は、近位端134の少なくとも一部の周りに外向きに延びるフランジ140を含んでもよい。フランジ140は、医師が容易に把持できるように構成されてもよい。
【0040】
シリンジバレル112の第1の端部132は、チャンバ136と流体連通している出口開口部138を含む。一実施形態において、シリンジアッセンブリ4のバレル112は、ミキサ6の第2のミキサ端部214と取り外しできるように接続可能である。例えば、シリンジバレル112の第1の端部132は、ミキサ6の第2のミキサコネクタ216と取り外しできるように接続可能なコネクタ142を含む。
【0041】
シリンジバレル112の近位端134は、一般に開放端であるが、本明細書で論じられるように、外部環境に対して閉鎖されることが意図される。シリンジバレル112はまた、シリンジバレル112の内部チャンバ136内に含まれる流体の程度または量に関する指標を提供するために、側壁130に配置される目盛りなどの印を含み得る。そのような印は、側壁130の外面、側壁130の内面に提供されるか、一体的に形成されてもよく、そうでなければ、シリンジバレル112の側壁130内でもよい。他の実施形態において、代替として、またはそれに加えて、印はまた、最大および/または最小充填線など、当技術分野で知られているような、シリンジの容量または他の識別情報の説明を提供することもできる。
【0042】
図1〜6を参照すると、シリンジアッセンブリ4は、内部チャンバ136内に移動可能またはスライド可能に配置され、シリンジバレル112の側壁130の内側表面と密閉接触しているストッパー116を含み、それにより、内部チャンバ136を、近位端134に隣接する近位チャンバ144と、遠位端132に隣接する遠位チャンバ146とに分離する。ストッパー116は、シリンジバレル112の側壁130の内面との密閉係合を提供するように、シリンジバレル112に対してサイズが決められる。さらに、一実施形態において、ストッパー116は、ストッパー116と、シリンジバレル112の側壁130の内面との間の密閉係合を向上させるために、ストッパー116の周囲に延びる1つ以上の環状リブを含んでもよい。代替的実施形態において、単一のOリングまたは複数のOリングをストッパー116の周りに円周方向に配置して、側壁130の内面との密閉係合を向上させてもよい。
【0043】
ストッパー116は、バレル112のチャンバ136内にスライド可能に配置される。ストッパー116は、ストッパー116がバレル112の第1の端部132から第1の距離にある第1のストッパー位置(
図2)と、ストッパー116がバレル112の第1の端部から第2の距離にある第2のストッパー位置(
図3)との間を移行可能であり、第2の距離は第1の距離よりも大きい。
【0044】
図1〜6を参照すると、シリンジアッセンブリ4は、ストッパー16を後退および前進させるための機構を提供するプランジャ114をさらに含む。プランジャ114は、第1のプランジャ端部160、第2のプランジャ端部162、およびフランジ164を含む。一実施形態において、第1のプランジャ端部160の一部はストッパー116と係合しており、ここで、バレル112の第1の端部132から離れるプランジャ114の移動は、ストッパー116を第2のストッパー位置に移動させ(
図3)、これにより、ミキサ6を通してシリンジアッセンブリ4の収集チャンバ136内にサンプル2を引き出す真空を生成する。
【0045】
図2および3を参照すると、一実施形態における、シリンジバレル112のチャンバ136を安定化された血液サンプル2で満たすためのシリンジアッセンブリ4の使用がここで説明される。ストッパー116がシリンジバレル112の遠位端132に隣接する位置にあるシリンジアッセンブリ4(
図2)を用いて、ミキサ6を通してシリンジバレル112のチャンバ136に血液サンプル2を吸引または引きたい場合、ユーザーは、プランジャ114のフランジ164を、シリンジバレル112の近位端134からから離れる方向に、所望の量の安定化された血液サンプル2がシリンジバレル112のチャンバ136内に引き込まれるまで移動させる。このようにして、ストッパー116およびプランジャ114のこの方向への移動は、シリンジバレル112の遠位チャンバ146の内部に真空を作り出す。
【0046】
生体液収集システム1は、血液サンプル2がクロージャ10を通ってシリンジアッセンブリ4の収集チャンバ136に流れる際に、血液サンプル2と、サンプル安定剤8、例えば抗凝固剤、血液安定剤、または他の添加剤などとの自動的かつ受動的な混合を可能にするミキサ6を含む。一実施形態において、ミキサ6は、第1のミキサコネクタ212を有する第1のミキサ端部210、第2のミキサコネクタ216を有する第2のミキサ端部214、およびミキサ構造体218を含む。
【0047】
一実施形態において、第1のミキサ端部210は、クロージャ10に取り外しできるように接続可能であり、第2のミキサ端部214は、シリンジアッセンブリ4に取り外しできるように接続可能である。クロージャ10は、ミキサ6の第1のミキサ端部210に取り外しできるように接続可能であり、例えば、第2のアダプタ端部62は、ミキサ6の第1のミキサコネクタ212に取り外しできるように接続可能であるコネクタ76を含む。シリンジアッセンブリ4のバレル112は、ミキサ6の第2のミキサ端部214に取り外しできるように接続可能であり、例えば、シリンジバレル112の第1の端部132は、ミキサ6の第2のミキサコネクタ216に取り外しできるように接続可能であるコネクタ142を含む。いくつかの実施形態において、ミキサ6は、プレスフィットを介して、クロージャ10およびシリンジアッセンブリ4に取り外しできるように接続可能である。
【0048】
ミキサ6のミキサ構造体218は、血液サンプル2中のサンプル安定剤8の分散混合をもたらすことができる。ミキサ構造体218は、血液サンプル2がミキサ6を通ってシリンジアッセンブリ4の収集チャンバ136に入る際に、血液サンプル2と、サンプル安定剤8、例えば、抗凝固剤または他の添加剤などとの混合を提供する限り、任意の適切な構造または形状を有し得る。
【0049】
図13を参照すると、一実施形態において、ミキサ構造体218は、第1の入口端252および第1の出口端254を有する第1の湾曲壁250と、第2の入口端258および第2の出口端260を有する第2の湾曲壁256とを含む。第1の入口端252は、第2の入口端258から第1の距離D1を離されており、第1の出口端254は、第2の出口端260から第2の距離D2を離されている。一実施形態において、第2の距離D2は、第1の距離D1よりも短い。
【0050】
ミキサ構造体218は、その中にサンプル2およびサンプル安定剤8を受け入れ、サンプル2中のサンプル安定剤8の分散混合をもたらす。ミキサ構造体218は、サンプル2中のサンプル安定剤8の分散混合をもたらし、血液サンプル2のいかなる部分においても、サンプル安定剤の濃度が非常に高くなることを防止する。これは、血液サンプル2のあらゆる部分において、サンプル安定剤8が不十分な量となることを防止する。ミキサ構造体218は、ほぼ等しい量および/または濃度のサンプル安定剤8が血液サンプル2の全体に溶かされるように、例えば、血液サンプル2の前部から血液サンプル2の後部まで、ほぼ等しい量および/または濃度のサンプル安定剤8が血液サンプル2に溶かされるように、サンプル2中のサンプル安定剤8の分散混合をもたらす。
【0051】
ミキサ6およびシリンジアッセンブリ4の収集チャンバ136は、第2のミキサ端部214および出口開口部138を介して流体連通した状態で接続され、提供される。ミキサ6およびシリンジアッセンブリ4の収集チャンバ136は、クロージャ10およびミキサ6を介してシリンジアッセンブリ4の収集チャンバ136に収集された生体液サンプル、例えば、血液サンプル2などが、最初にミキサ6内のサンプル安定剤8を通過し、次に血液サンプル2およびサンプル安定剤8がミキサ構造体218を通過し、続いて、その中で適切に混合されたサンプル安定剤8を有するサンプル2が、第2のミキサ端部214からシリンジアッセンブリ4の収集チャンバ内に流れ出るように配置される。このように、血液サンプル2は、血液サンプル2内のサンプル安定剤8を適切に混合するためのミキサ構造体218の通過の前に、ミキサ6内で提供される、抗凝固剤または他の添加剤などの、サンプル安定剤8と混合されてもよく、次に、安定化されたサンプルは、シリンジアッセンブリ4の収集チャンバ136内に受け入れられ、保管される。
【0052】
一実施形態において、サンプル安定剤8は、第1のミキサ端部210とミキサ構造体218との間に配置される。本開示のミキサ6は、血液サンプル2とサンプル安定剤8との受動的かつ迅速な混合を提供する。例えば、ミキサ6は、血液サンプル2がミキサ構造体218を通って流れる際に、血液サンプル2と抗凝固剤、または血液安定剤などの他の添加剤との受動的な混合を可能にする。
【0053】
サンプル安定剤8は、抗凝固剤、または血液中の特定の成分、例えば、RNA、タンパク質分析物、もしくは他の成分などを保存するために設計された物質とすることができる。一実施形態において、サンプル安定剤8は、第1のミキサ端部210とミキサ構造体218との間に配置される。他の実施形態において、サンプル安定剤8は、ミキサ6内の他の領域に配置されてもよい。
【0054】
図13〜15を参照すると、一実施形態において、ミキサ6は、第1のミキサ端部210とミキサ構造体218との間に配置される、細孔242を含む材料240と、材料240の細孔242内にある乾燥抗凝固剤粉末244とを含む。このようにして、ミキサ6は、ミキサ6の一部の上または内部に堆積した、ヘパリンまたはEDTAなどの乾燥抗凝固剤を含み得る。一実施形態において、材料240は、連続気泡発泡体の気泡内に分散した乾燥抗凝固剤を含有して、フロースルー混合および抗凝固剤の取り込みの効果を促進する、連続気泡発泡体である。一実施形態において、サンプル安定剤8は、乾燥抗凝固剤粉末244である。
【0055】
一実施形態において、連続気泡発泡体を抗凝固剤で処理して、連続気泡発泡体の細孔全体に細かく分散した乾燥抗凝固剤粉末を形成してもよい。血液サンプル2がミキサ6に入ると、血液サンプル2は連続気泡発泡体を通過し、連続気泡発泡体の内部細孔構造全体で利用可能な抗凝固剤粉末に曝される。このようにして、サンプル2は、材料240または連続気泡発泡体を通過する間に、乾燥抗凝固剤粉末244を溶解し、混合される。
【0056】
連続気泡発泡体240は、血液に対して不活性である、柔らかく、変形可能な連続気泡発泡体、例えば、BASFから商業的に入手可能なBasotect(登録商標)発泡体などのメラミン発泡体でもよく、または、ホルムアルデヒド−メラミン−重亜硫酸ナトリウムコポリマーからなるものでもよい。連続気泡発泡体240はまた、熱および有機溶媒に対して実質的に耐性がある、可撓性で親水性の連続気泡発泡体でもよい。一実施形態において、発泡体240はスポンジ材料を含んでもよい。
【0057】
抗凝固剤または他の添加剤は、発泡体を添加剤および水の溶液に浸し、続いて水を蒸発させて、発泡体240の内部構造全体に細かく分布する乾燥添加剤粉末を形成することにより、連続気泡発泡体240に導入されてもよい。
【0058】
図3〜6を参照すると、生体液収集システム1がミキサ6を使用して血液サンプル2を安定化し、安定化されたサンプル2をシリンジアッセンブリ4の収集チャンバ136に収集した後、クロージャ10およびミキサ6は取り外すことができ、安定化されたサンプル2はシリンジアッセンブリ4に残される。次に、ユーザーは、シリンジアッセンブリ4を使用して、安定化された血液サンプル2を、サンプル2を分析することを意図したデバイス、例えば、ポイントオブケア検査デバイス320(
図5および
図6)、カートリッジ試験器、または患者近傍検査デバイスなどに、医療従事者の血液サンプル2への暴露を最小限に抑えながら、分配または移送することができる。いくつかの実施形態において、安定化された血液サンプル2は、ポイントオブケアカートリッジまたはポイントオブケアベンチトップ分析器に移されてもよい。ユーザーは、分析のために、安定化されたサンプル2をコアラボに送ることもできる。
【0059】
図5および6を参照すると、シリンジバレル112内に含まれる安定化された血液サンプル2を排出することが望まれる場合、プランジャ114のフランジ164上のユーザーの親指で、およびシリンジバレル112のフランジ140の周りをつかみ、伸びているユーザーの指で、シリンジアッセンブリ4は握られる。このようにして、シリンジアッセンブリ4は、従来のシリンジの操作と同様に、周知の、よく認識されている方法で、ユーザーによって握られる。次に、ユーザーは、プランジャ114のフランジ164上の親指と、シリンジバレル112のフランジ140を握る4本の指との間で圧迫移動を行い、それにより、プランジャ114のフランジ164をシリンジバレル112の近位端134に向かう方向に移動させる。このようにして、ストッパー116のこの方向への動きは、シリンジバレル112の遠位チャンバ146内に含まれる所望の量の安定化された血液サンプル2を、強制的に出口開口部138から押し出す。すなわち、シリンジバレル112の遠位端132に向けたストッパー116の動きは、遠位チャンバ146の容積を減少させ、安定化された血液サンプル2をシリンジバレル112から押し出す。
【0060】
図5および6を参照すると、一実施形態において、検査デバイス320は、サンプル2の少なくとも一部を、シリンジアッセンブリ4から検査デバイス320に閉鎖的に移送するために、シリンジアッセンブリ4の一部を受け入れるように適合された受け入れポート322を含む。
【0061】
本開示のクロージャ10は、多数の様々な採血デバイスへの接続を可能にする。例えば、一実施形態において、クロージャ10は、第1の構成では第1の採血デバイス110(
図7)への接続を可能にし、および第2の構成では第2の採血デバイス120(
図8)への接続を可能にする。本開示のクロージャ10の利点は、単一のクロージャデバイスが様々な接続の選択肢に対応することを可能にすることである。
【0062】
図7を参照すると、第1の構成において、キャップ12がアダプタ14に接続された状態で、クロージャ10は、キャップ12を介して第1の採血デバイス110に接続され得る。いくつかの実施形態において、キャップ12は、アダプタ14なしで第1の採血デバイス110に直接接続することができる。一実施形態において、第1の採血デバイス110は、生体液が通過する非患者用針114を有するチューブホルダー112と、チューブの空洞118を画定する内壁または表面116とを含む。
【0063】
第2の構成において、キャップ12がアダプタ14から切り離された状態で、クロージャ10は、アダプタ14を介して第2の採血デバイス120に接続され得る。
図8を参照すると、いくつかの実施形態において、クロージャ10は取り外すことができ、ミキサ6の第1のミキサ端部210を第2の採血デバイス120に接続することができる。一実施形態において、第2の採血デバイス120は、ルアーコネクタ124で終わる管122を含む。
【0064】
本開示の生体液収集システム1は、ミキサ6と、シリンジ4を備えたクロージャ10とを利用する。シリンジ4およびクロージャ10により、ユーザーは、ルアー管もしくはチューブホルダーを通したいずれかから、または他の採血デバイスから、サンプル2を引き出すことができる。シリンジ4はまた、サンプルの容易な吸引および安定化されたサンプルの分配を可能にする。ミキサ6の使用により、シリンジ4内に収集する前に、抗凝固剤などのサンプル安定剤8と血液サンプル2との自動的な混合が可能になる。シリンジ4はまた、血液サンプル2を引き込むための真空を提供し、安定化された血液サンプルを検査デバイス、カートリッジ、またはベンチトップ機器に移送するための分配機構として機能する。
【0065】
本開示は例示的な設計を有するように記載されてきたが、本開示は、本開示の精神および範囲の中でさらに修正され得る。本出願は、したがって、その一般原則を用いる開示の任意の変形、使用、または翻案(adaptation)を包含するように意図される。さらに、本出願は、本開示が属する、および添付される特許請求の範囲内に入る技術分野における慣行または慣例の中に入るような本開示からの逸脱を包含することが意図される。