特許第6959809号(P6959809)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6959809-流し込み施工用の不定形耐火物 図000004
  • 特許6959809-流し込み施工用の不定形耐火物 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959809
(24)【登録日】2021年10月12日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】流し込み施工用の不定形耐火物
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/66 20060101AFI20211025BHJP
   C21C 7/072 20060101ALI20211025BHJP
   B22D 11/10 20060101ALI20211025BHJP
   B22D 41/54 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   C04B35/66
   C21C7/072 A
   B22D11/10 310M
   B22D41/54
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-174234(P2017-174234)
(22)【出願日】2017年9月11日
(65)【公開番号】特開2019-48747(P2019-48747A)
(43)【公開日】2019年3月28日
【審査請求日】2020年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000170716
【氏名又は名称】黒崎播磨株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】特許業務法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神尾 英俊
(72)【発明者】
【氏名】辻 陽一
(72)【発明者】
【氏名】細木 亮太
【審査官】 内藤 康彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−267744(JP,A)
【文献】 特開平07−157370(JP,A)
【文献】 特開平07−187815(JP,A)
【文献】 特開2009−256176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/05−35/05
C04B 35/107
C04B 35/622−35/84
B22D 11/00−11/22
B22D 33/00−47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火原料100質量%に占める割合で、粒径1mm以上の炭化珪素原料を20質量%以上50質量%以下、粒径1μm以上10μm以下のアルミナ微粉を2質量%以上15質量%以下、粒径1μm未満のシリカ超微粉を1質量%以上8質量%以下、それぞれ含有し、
前記耐火原料100質量%に占める割合で、アルミナセメントの含有量は15質量%以下(0を含む。)、粒径1mm未満の炭化珪素原料の含有量は5質量%以下(0を含む。)である流し込み施工用の不定形耐火物。
【請求項2】
前記耐火原料100質量%に占める割合で、前記粒径1mm以上の炭化珪素原料の含有量は30質量%以上50質量%以下、前記シリカ超微粉の含有量は2質量%以上5質量%以下、前記アルミナセメントの含有量は5質量%以下(0を含む。)、前記粒径1mm未満の炭化珪素原料の含有量は2.5質量%以下(0を含む。)である請求項1に記載の流し込み施工用の不定形耐火物。
【請求項3】
前記耐火原料の残部はアルミナ原料、スピネル原料、ムライト原料及びアンダリュサイト質原料の少なくとも一つからなる請求項1又は2に記載の流し込み施工用の不定形耐火物。
【請求項4】
前記耐火原料100質量%に占める割合で、炭素原料の含有量は1質量%以下(0を含む。)である請求項1から3のいずれかに記載の流し込み施工用の不定形耐火物。
【請求項5】
前記耐火原料中の粒径1mm未満の原料で構成した耐火物の膨張量が1000℃で0.2%以下である請求項1から4のいずれかに記載の流し込み施工用の不定形耐火物。
【請求項6】
ランス、インペラー又はタンディッシュカバーに適用される請求項1から5のいずれかに記載の流し込み施工用の不定形耐火物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化珪素原料を含有する流し込み施工用の不定形耐火物に関する。なお、以下本明細書では、「流し込み施工用の不定形耐火物」ことを単に「不定形耐火物」という。
【背景技術】
【0002】
炭化珪素は低熱膨張率、スラグとの反応性が低いといった特徴があり、従前より不定形耐火物の原料として多く用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3502437号公報
【特許文献2】特開2002−220290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、炭化珪素原料が持つ高熱伝導率という特徴は不定形耐火物の熱伝導率を増大させるため、一定以上の断熱性能が要求される部位には使用できなかった。また、炭化珪素原料を粒径1mm以上の骨材として含む不定形耐火物は、骨材と、粒径1mm未満の原料で構成されるマトリクスとの界面の状態が不定形耐火物の熱伝導率に大きく影響するためか、製造条件や熱処理条件のわずかな違いによって不定形耐火物の熱伝導率が過大になることがあり、安定した断熱性の確保には課題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、炭化珪素原料を含有する不定形耐火物において、安定した断熱性を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために本発明者らは、粒径1mm未満の原料で構成されるマトリクスと粒径1mm以上の炭化珪素原料との関係に注目して検討を重ねた結果、本発明の不定形耐火物を想到するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の一観点によれば次の不定形耐火物が提供される。
耐火原料100質量%に占める割合で、粒径1mm以上の炭化珪素原料を20質量%以上50質量%以下、粒径1μm以上10μm以下のアルミナ微粉を2質量%以上15質量%以下、粒径1μm未満のシリカ超微粉を1質量%以上8質量%以下、それぞれ含有し、
前記耐火原料100質量%に占める割合で、アルミナセメントの含有量は15質量%以下(0を含む。)、粒径1mm未満の炭化珪素原料の含有量は5質量%以下(0を含む。)である不定形耐火物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の不定形耐火物は、マトリクスに特定量のアルミナ微粉とシリカ超微粉を含み、かつ骨材として粒径1mm以上の炭化珪素原料を含む。ここで、図1は、本発明に係る粒径1mm以上の炭化珪素原料と本発明に係るマトリクス(耐火原料中の粒径1mm未満の原料で構成した耐火物)の膨張率を示した図である。それぞれ、所定量の水を添加して混練し、所定形状の型枠に鋳込んで養生・乾燥した試験片に対してJIS R 2207−1に準拠して膨張率を測定した。図1に示すように、高温になると、粒径1mm以上の炭化珪素原料は膨張した状態であり、マトリクスは焼結過程において収縮していくのでマトリクスに微亀裂や場合によっては空隙が生じる。このため、熱伝導率の高い粒径1mm以上の炭化珪素原料を20質量%以上50質量%以下含む配合であるにもかかわらず、不定形耐火物の熱伝導率を低くすることができ、安定した断熱性を確保することができる。また、マトリクスを構成する粒径1mm未満の炭化珪素原料の含有量を制限しているので、マトリクス自体の熱伝導率も低くすることができ、この点からも安定した断熱性を確保することができる。さらに、アルミナセメントの含有量を15質量%以下に抑えているので、低融物生成により耐食性が低下するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の不定形耐火物における粒径1mm以上の炭化珪素原料とマトリクスの熱膨張挙動を示す説明図。
図2】本発明の不定形耐火物の組織写真の一例。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の不定形耐火物は、耐火原料として、粒径1mm以上の炭化珪素原料(以下「炭化珪素粗粒」という。)と、粒径1μm以上10μm以下のアルミナ微粉(以下、単に「アルミナ微粉」という。)と、粒径1μm未満のシリカ超微粉(以下、単に「シリカ超微粉」という。)とを含む。
【0011】
炭化珪素粗粒の含有量は、耐火原料100質量%に占める割合で20質量%以上50質量%以下である。炭化珪素粗粒の含有量が20質量%未満では、炭化珪素粗粒の長所である低膨張特性が十分に発揮されず、耐熱衝撃性が低下する。一方、炭化珪素粗粒の含有量が50質量%を超えると高熱伝導化が避けられず、結果として断熱性が低下する。炭化珪素粗粒の好ましい含有量は、耐火原料100質量%に占める割合で30質量%以上50質量%以下である。
【0012】
アルミナ微粉はマトリクス構成材料の一つである。アルミナ微粉の含有量は、耐火原料100質量%に占める割合で2質量%以上15質量%以下である。アルミナ微粉の含有量が2質量%未満では、マトリクスの焼結収縮量が低下し、結果として微亀裂や空隙を形成する効果(以下、マトリクスに微亀裂や空隙を形成する効果を「微亀裂効果」と総称する。)の低下に繋がり、熱伝導率抑制効果が十分に得られない。すなわち、熱伝導率が高くなり、その結果、断熱性が低下する。一方、アルミナ微粉の含有量が15質量%を超えると、マトリクスの焼結が進みすぎて過度に緻密になり、その結果、耐熱衝撃性が低下する。
【0013】
シリカ超微粉もマトリクス構成材料の一つである。シリカ超微粉の含有量は、耐火原料100質量%に占める割合で1質量%以上8質量%以下である。シリカ超微粉の含有量が1質量%未満では、マトリクスの焼結収縮量が低下し、結果として微亀裂効果の低下に繋がり、熱伝導率抑制効果が十分に得られない。すなわち、熱伝導率が高くなり、その結果、断熱性が低下する。一方、シリカ超微粉の含有量が8質量%を超えると、マトリクスの焼結が進みすぎて過度に緻密になり、その結果、耐熱衝撃性が低下する。また、低融物生成により耐食性も低下する。シリカ超微粉の好ましい含有量は、耐火原料100質量%に占める割合で2質量%以上5質量%以下である。
【0014】
本発明の不定形耐火物は、耐火原料として、粒径1mm未満の炭化珪素原料(以下「炭化珪素微粒」という。)を含むことができる。ただし、炭化珪素微粒の含有量は、耐火原料100質量%に占める割合で5質量%以下(0を含む。)とする。炭化珪素微粒の含有量が5質量%を超えると、マトリクスが高熱伝導化し、たとえ微亀裂効果が得られたとしても不定形耐火物の熱伝導率が増加してしまう。炭化珪素微粒の含有量は、耐火原料100質量%に占める割合で2.5質量%以下(0を含む。)であることが好ましい。
【0015】
本発明の不定形耐火物は多くの耐火物と同様に結合剤を含む。なお、本発明の不定形耐火物において結合剤は耐火原料に含まれるものとする。結合剤としては、アルミナセメント、水硬性遷移アルミナ、ポルトランドセメント、マグネシアセメント、ケイ酸塩、リン酸塩等の、不定形耐火物の結合剤として一般的に使用されているものが使用可能である。また、結合剤の一部又は全部は、粒径75μm以下のマグネシア微粉とシリカ超微粉との組み合わせにより凝集性の結合部を形成するものとしてもよい。なお、結合剤としてアルミナセメントを用いる場合、アルミナセメントの含有量は、耐火原料100質量%に占める割合で15質量%以下(0を含む。)とする。アルミナセメントの含有量が15質量%を超えると、焼結が進みすぎて過度に緻密になりその結果、耐熱衝撃性が低下する。また、低融物生成により耐食性も低下する。アルミナセメントの含有量は、耐火原料100質量%に占める割合で5質量%以下(0を含む。)であることが好ましい。
【0016】
本発明の不定形耐火物は、耐火原料として炭素原料を含むこともできるが、炭素原料は耐酸化性が低いので、炭素原料の含有量は耐火原料100質量%に占める割合で1質量%以下(0を含む。)であることが好ましい。
【0017】
以上、本発明の不定形耐火物において使用可能な耐火原料について説明したが、その残部は、アルミナ原料、スピネル原料、ムライト原料及びアンダリュサイト原料の少なくとも一つとすることができる。
【0018】
本発明の不定形耐火物は、耐火原料以外に、分散剤、硬化調整剤等の、不定形耐火物に一般的に使用されている各種添加剤を含むことができる。また、本発明の不定形耐火物は、不定形耐火物に一般的に使用されている大粗粒(粒径10〜30mm程度)を含むこともできる。なお、本発明の不定形耐火物において大粗粒は耐火原料に含まれないものとする。すなわち、本発明の不定形耐火物において大粗粒は耐火原料100質量%に対して外掛けで添加するものとする。さらに、不定形耐火物には、金属粉、金属繊維、有機繊維等の副原料を添加することがあるが、本発明の不定形耐火物においてこれらの副原料も耐火原料に含まれないものとし、耐火原料100質量%に対して外掛けで添加するものとする。
【0019】
本発明の不定形耐火物において、耐火原料中の粒径1mm未満の原料で構成した耐火物、すなわちマトリックスの膨張率は、1000℃で0.2%以下であることが好ましい。このようにマトリックスの1000℃での膨張率を低くすることで、微亀裂効果を十分に得ることができる。
【0020】
以上説明した本発明の不定形耐火物は、断熱性が重視される用途として、ランス、インペラー又はタンディッシュカバーに好適に適用される
【実施例】
【0021】
表1に本発明の実施例の原料配合と評価結果を示している。また、表2に比較例の原料配合と評価結果を示している。実施例及び比較例における評価項目と評価方法は以下のとおりである。
【0022】
<1mm未満の原料で構成した耐火物の1000℃での膨張率>
各例の耐火原料中の粒径1mm未満の原料に所定量の水及び樹脂を添加して混練し、型枠に鋳込んで20×20×80mm形状の硬化体を作製した。そして、硬化体を110℃で24hの熱処理により乾燥したものを試験片として用いた。測定の雰囲気は大気中、温度は室温から1500℃までを測定した。測定方法は、JIS R 2207−1に準拠した。表1及び表2では、1000℃での熱膨張率が0.2%以下の場合を○(良)、0.2%超の場合を×(不良)と表記した。
【0023】
<熱伝導率>
各例に所定量の水を加えて混練し、型枠に鋳込んで114×65×230mm形状の硬化体を作製した。そして、硬化体を養生し、110℃で24hの熱処理により乾燥し、その後、1400℃で5hの熱処理により焼成したものを試験片として用いた。測定はJIS R 2616に準拠した熱線法で行った。測定温度は、室温、1200℃の2点とした。
【0024】
<耐食性>
各例に所定量の水を加えて混練し、所定形状の型枠に鋳込んで所定形状の硬化体を作製した。そして、硬化体を養生した後、110℃で24hの熱処理により乾燥したものを試験片として用いた。試験片に対して転炉スラグを用いて1550℃で3hのスラグ回転浸食試験を実施し、溶損量と浸潤量を測定した。表1及び表2では、溶損浸潤量(溶損量と浸潤量の合計)が5mm以下の場合を◎(優)、5mmより大きく7mm以下の場合を○(良)、7mmより大きく11mm以下の場合を△(可)、11mmより大きい場合を×(不良)と表記した。なお、溶損浸潤量は耐食性の指標であり、溶損浸潤量が少ないほど耐食性は高いことを示す。
【0025】
<耐熱衝撃性>
各例に所定量の水を加えて混練し、型枠に鋳込んで230×114×65mm形状の硬化体を作製した。そして、硬化体を養生した後、110℃で24hの熱処理により乾燥し、その後1000℃で3hの熱処理により焼成したものを試験片として用いた。この試験片を用いて加熱と冷却を繰り返し、亀裂の発生状況を観察した。具体的には、230×65mm面をガスバーナーで1600℃に5分間で昇温し、10分間保持してから10分間放冷する操作を2回繰り返して亀裂の発生状況を観察した。表1及び表2では、亀裂の発生が軽微であった場合を○(良)、やや大きな亀裂が発生した場合を△(可)、大きな亀裂が発生した場合を×(不良)と表記した。
【0026】
<総合評価>
以下の基準により、○(良)、△(可)、×(不良)の3段階で評価した。
○(良):1mm未満の原料で構成した耐火物の1000℃での膨張率が○、室温及び1200℃での熱伝導率が6.5以下、耐食性が◎又は○、かつ耐熱衝撃性が○の場合。
△(可):総合評価が上記○以外の場合であって、下記の要件を満たす場合。
1mm未満の原料で構成した耐火物の1000℃での膨張率が○、室温又は1200℃での熱伝導率が9以下、耐食性が◎、○又は△、かつ耐熱衝撃性が○又は△。
×(不良):評価項目のいずれか一つが下記に該当する場合。
1mm未満の原料で構成した耐火物の1000℃での膨張率が×、室温及び1200℃での熱伝導率が9超、耐食性が×、耐熱衝撃性が×。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
表1に示しているように本発明の範囲内にある実施例1〜14は、室温及び1200℃での熱伝導率が7.9以下と低熱伝導化(高断熱化)が図られており、総合評価も良好であった。図2に実施例1の組織写真を例示しているように、本発明の不定形耐火物(実施例1〜14)ではマトリクスに微亀裂が形成されており、空隙が形成されているものもあった。この微亀裂ないし空隙の存在により、熱伝導率が低下し断熱性が向上したと考えられる。なお、実施例7はアルミナセメントを使用していない例である。この実施例7では、マグネシア微粉とシリカ超微粉とが結合剤としての作用を発揮する。
【0030】
比較例1は、炭化珪素粗粒の量が少ない例である。炭化珪素粗粒の長所である低膨張特性が十分に発揮されず、耐熱衝撃性が低下した。
【0031】
比較例2は、炭化珪素粗粒の含有量が多い例である。高熱伝導率材料である炭化珪素粗粒の含有量が多いので高熱伝導化が避けられず、室温及び1200℃での熱伝導率が高くなった。熱伝導率が高くなると、断熱性が低下する。
【0032】
比較例3は、炭化珪素微粒の含有量が多い例である。マトリクスが高熱伝導化し室温での熱伝導率が高くなった。
【0033】
比較例4は、アルミナ微粉の含有量が少ない例である。マトリクスの焼結収縮量が低下し、1mm未満の原料で構成した耐火物の1000℃での膨張率が高くなった。その結果、微亀裂効果が十分に得られず、熱伝導率抑制効果が十分に得られなかった。すなわち、室温及び1200℃での熱伝導率が高くなった。
【0034】
比較例5は、アルミナ微粉の含有量が多い例である。焼結が進みすぎて過度に緻密になり、その結果、耐熱衝撃性が低下した。
【0035】
比較例6は、シリカ超微粉の含有量が少ない例である。マトリクスの焼結収縮量が低下し、1mm未満の原料で構成した耐火物の1000℃での膨張率が高くなった。その結果、微亀裂効果が十分に得られず、熱伝導率抑制効果が十分に得られなかった。すなわち、室温及び1200℃での熱伝導率が高くなった。
【0036】
比較例7は、シリカ超微粉の含有量が多い例である。マトリクスの焼結が進みすぎて過度に緻密になり、その結果、耐熱衝撃性が低下した。また、低融物生成により耐食性も低下した。
【0037】
比較例8は、アルミナセメントの含有量が多い例である。焼結が進みすぎて過度に緻密になり、その結果、耐熱衝撃性が低下した。また、低融物生成により耐食性も低下した。
図1
図2