(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、後述するタイピングケイデンス(typing cadence)システムの実装を用いたCNS疾患の連続モニタリングにとりわけ適用可能であり、この文脈で本開示を説明する。しかしながら、CNS疾患の連続モニタリングは、本開示の範囲に含まれるタイピングケイデンスシステムの他の実装を用いて行うこともできるので、本システム及び方法にはさらに高い実用性があると理解されるであろう。
【0008】
タイピングケイデンスを用いたCNS疾患の連続モニタリングのためのシステム及び方法は、脳の働きを整合性の面で客観的に、正確に、非常に細かく測定できるようにモニタリングを行う。システム及び方法は、非常に強い習慣であるタイピングケイデンス(TC)を使用する。調査では、我々の最も強力な習慣の1つがTCであり、習慣は脳内で構造化(hardwired)されており、脳が病魔に侵されるとこの構造が壊れ始めるが、ゆっくりと少しずつ壊れるため病院では確認できず、タイピングケイデンスを用いたCNS疾患の連続モニタリングを用いて確認できることが分かっている。TCは、多くのデータももたらし、検査ではなく自然な挙動に容易に基づくことができ、ユーザへの実施が極めて容易である。以下、CNS疾患を連続モニタするシステム及び方法の一部とすることができる、神経障害を検出してモニタするシステムの実装について説明する。
【0009】
図1に、神経障害を検出してモニタするシステム100の実装例を示す。
図1に示すシステムは、クライアントサーバアーキテクチャを用いて実装されるが、このシステムは、クラウドコンピューティングアーキテクチャ、スタンドアロンコンピュータアーキテクチャ、又は、例えばタイピングケイデンスコンポーネントを必要に応じて各コンピュータ装置にダウンロードできるサービス型ソフトウェア(SaaS)モデルとして実装することもできる。システム100は、コンピュータ装置102a、...、コンピュータ装置102nなどの1又は2以上のコンピュータ装置102を有することができ、各コンピュータ装置102は、バックエンドコンポーネント106に接続され、通信経路104を介してバックエンドコンポーネント106と通信する。各コンピュータ装置102は、コンピュータ装置を使用するユーザに関するタイピングケイデンスデータの収集、記憶及び通信を行い、タイピングケイデンスデータは、通信経路104を介してバックエンドコンポーネント106に送信され、バックエンドコンポーネント106は、タイピングケイデンスデータの受け取り、記憶及び分析を行って神経障害の兆候を検出する。
【0010】
各コンピュータ装置は、ユーザが入力装置でのタイピングを含む日常作業を行っている時にコンピュータ装置がユーザからタイピングケイデンスデータを収集できるように、何らかの入力装置を有するプロセッサベースのシステムとすることができる。例えば、各コンピュータ装置は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、Apple社のiPhone(登録商標)製品又はAndroidオペレーティングシステム(OS)ベースの装置などのスマートフォン、或いは従来の携帯電話機とすることができる。各コンピュータ装置の入力装置としては、例えば、内蔵キーボード、取り外し可能キーボード、ガラス面、タッチ画面、仮想キーボード、キーパッド、及びタッチ画面上に電子的に生成されたキーボードなどを挙げることができる。或いは、各コンピュータ装置は、ユーザのタイピングケイデンスを取り込むスタンドアロン型装置とすることもできる。各コンピュータ装置は、各コンピュータ装置上に存在できるタイピングケイデンスコンポーネント114を有することもできる。タイピングケイデンスコンポーネント114は、ハードウェア回路、1つのソフトウェアコード、一連のコンピュータコード又はアプリケーションをプログラムされたハードウェア回路とすることができる。タイピングケイデンスコンポーネント114がソフトウェアコード又はコンピュータコードを有する場合には、タイピングケイデンスコンポーネント114をコンピュータ装置のメモリに記憶し、コンピュータ装置102のプロセッサによって実行することができる。
【0011】
図1に示すように、通信経路104は、公衆インターネット接続又はプライベートネットワーク接続とすることができる。各コンピュータ装置102は、既知のプロトコルを用いて通信経路に接続した後に、バックエンドコンポーネントなどの別のシステムに接続することができ、セキュアなもの又はセキュアでないものとすることができる既知のプロトコルを用いてバックエンドコンポーネントと通信することができる。例えば、通信経路104は、コンピュータネットワーク、イーサネット(登録商標)、インターネット、デジタルデータネットワーク、及び無線デジタルデータネットワークなどとすることができる。1つの実装では、各コンピュータ装置とバックエンドコンポーネントとの間の通信経路を、標準的な(セキュア又は公衆)インターネット接続とすることができ、フロントエンドコンポーネント108とストレージユニット110との間の通信経路を、専用のプライベート接続を用いて実装することができる。
【0012】
バックエンドコンポーネント106は、1又は2以上のフロントエンドコンポーネント108と、1又は2以上のデータストア110と、1又は2以上のデータ分析コンポーネント112とを含むことができ、これらは
図1に示すように互いに接続される。これらのバックエンドコンポーネントのコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実装することができる。1つの実装では、コンポーネントが、少なくともプロセッサとメモリとを有する1又は2以上のサーバコンピュータ、或いは1又は2以上のクラウドコンピューティングリソースなどのコンピューティングリソースで実装される。この実装では、各コンポーネントが、
図3を参照しながら以下でさらに詳細に説明する各コンポーネントの機能を提供するように、メモリに記憶してプロセッサによって実行できる複数行のコンピュータコードを含むことができる。
【0013】
1つの実装における動作では、全てのユーザ、患者又は対照が、自身のコンピュータ装置102にタイピングケイデンスコンポーネント114をインストールする。タイピングケイデンスコンポーネント114は、オペレーティングシステムに接続し、入力装置からのデータストリームに侵入して、各キーアクション/イベントの時刻データをコピーする。各キーアクション/イベントは、キーの押下(キープレス)又はキーの解放(キーリリース)とすることができる。タイピングケイデンスコンポーネント114は、この情報をユーザのハードドライブに記憶することもできるが、好ましい実施形態では、セキュリティを大幅に強化するために、データを一時的にコンピュータ装置のRAMに記憶する。タイピングケイデンスコンポーネント114は、断続的にデータを処理し、後の処理で使用する全ての差動タイミングを計算し、バックエンドコンポーネント106に送信するファイルをパッケージにする。差動タイミングが計算されると、いくつかの実施形態では、セキュリティ対策として元々のクロックスタンプを削除し、従って文字の順番を削除してデータを原文に戻せないようにする。
【0014】
引用により本明細書に組み込入れられる付属書Aは、バックエンドコンポーネント106に送信されるキーアクションデータストリームの例を含む。付属書Aは、特定のユーザ(シリアル番号1234)のキーアクションデータストリームの一部の例を含む。付属書に示すように、データは、第1のキー識別データと第2のキー識別データとを含むことができる。
【0015】
従って、例えば「8」は、特定のキーが押下又は解放されたことを表し、「76」は、ユーザによって別のキーが押下又は解放されたことを表す。1つの実施形態では、キーを識別する各キーの値を、特定のキーのための周知のASCII値とすることができる。このデータは、キーの組み合わせ動作が行われている時間間隔中及びその後に生じる1又は2以上の時間サンプル(TS1、TS2、...、TS10など)も有する。1つの実施形態では、各時間サンプルをミリ秒単位で測定することができる。(ヘッダ行以外の)データの各行は、第1及び第2のキーアクションの特定の組み合わせと、その第1及び第2のキーアクションの特定の組み合わせに関連する時間サンプルとを表す。特定の行が各サンプル期間の値を有していなければ、その第1及び第2のキーアクションの特定の組み合わせは終了しており、この第1及び第2のキーの特定の組み合わせに関するさらなるキーアクションデータは入手不可能である。
【0016】
付属書Aのキーアクションデータでは、(1行目のように)第1及び第2のキー識別子が同じ場合、このキーアクションデータは、ユーザによるキープレスとキーリリースとの間の時間である(値「8」によって表されるキーなどの)特定のキーの滞留時間を表す。データの一部に示されるように、キーの滞留時間については多くの異なる時間サンプルが存在する。付属書Aのキーアクションデータでは、(2行目の「20」と「8」のように)第1及び第2のキー識別子が異なる場合、このキーアクションデータは、第1のキーのキープレスと第2のキーのキープレスとの間の移行時間(flight time)を表す。データの一部に示されるように、キー間の移行時間については時間サンプルが少ないことが多い。システムは、ユーザによってキーが押下又は解放されているキーイベントを検出することもできる。この結果、滞留時間を決定することができる。滞留時間は、所与のキーが押下され(ユーザが押し)てからユーザがそのキーを解放するまでの時間である。従って、システム及び方法は、移行時間及び滞留時間の両方を検出して使用することができる。従って、各コンピュータ装置(従って、そのコンピュータ装置を使用する各ユーザ)からの典型的なケイデンスデータが取り込まれて処理され、とりわけ各コンピュータ装置の各ユーザの考えられる神経障害の検出に使用される。例えば、システムは、神経障害のないユーザからのタイピングケイデンスデータを収集することもでき、従って神経障害のない人物のタイピングケイデンスデータを他のユーザと比較することができる。
【0017】
バックエンドコンポーネント106は、動作時にオーガナイザの役割を果たすことができ、各コンピュータ装置のデータファイルを解凍することができ、特定のコンピュータ装置がどのユーザに関連するかを特定のデータファイルのファイルヘッダに基づいて判断することができ、データを送信フォーマットから共通フォーマットに変換することができ、特定の患者のプロファイルデータを計算することができ、データ及びプロファイルをデータストレージ内の正しいフォルダ内に配置することができる。
【0018】
図2に、神経障害を検出してモニタするシステムの一部であるコンピュータ装置102の実装例を示す。各コンピュータ装置102は、
図2に示すようなキーボードなどの入力装置200と、オペレーティングシステム202と、コンピュータ装置内のRAMなどのメモリ204と、タイピングケイデンスコンポーネント114とを含むことができる。オペレーティングシステム202は、例えばコンピュータ用のApple OSオペレーティングシステム、UNIX(登録商標)又はUNIX(登録商標)様のオペレーティングシステム、Microsoft Windowsオペレーティングシステム、Apple iOSモバイルオペレーティングシステム、Androidオペレーティングシステム、及び/又はその他のタブレット及びスマートフォンのオペレーティングシステムを含むことができる。
図2に示すような動作時には、ユーザが入力装置を用いてタイピングを行い、タイピングケイデンスコンポーネント114が(オペレーティングシステム202と協働して)、タイピングケイデンスコンポーネント114に送信されてくるユーザのタイピングに関するデータとユーザのタイピングケイデンスデータとを収集することができる。次に、タイピングケイデンスコンポーネント114は、一定期間にわたるタイピングケイデンスデータを記憶し、その後に(上述したように)クロックスタンプを削除したデータファイルをバックエンドコンポーネント106に送信することができる。タイピングケイデンスコンポーネント114は、バックエンドコンポーネント106からアップデートを受け取ることもできる。このアップデートは、例えば各コンピュータ装置上のタイピングケイデンスコンポーネントがデータファイルを送信するまでにどれだけの文字を記録するか、クライアントがデータファイルを停止して送信すべき特定の時刻、などを含むことができる。付属書Bは、ユーザが入力装置を用いて入力した文書の例を含み、付属書Aは、特定のユーザがタイプした付属書Bの文書に基づいて生成されたキーアクションデータストリームの一部の例である。
【0019】
図3に、神経障害を検出してモニタするシステムの一部であるバックエンドコンポーネント106の実装例を示す。バックエンドコンポーネント106は、1又は2以上のフロントエンドコンポーネント108と、1又は2以上のデータストア110と、1又は2以上のデータ分析コンポーネント112とを有することができ、これらは
図2に示すように互いに接続される。このバックエンドコンポーネントの実装では、1又は2以上のフロントエンドコンポーネント108が、各ユーザから到来するキーアクションデータに対して様々な動作を実行することができる。例えば、1又は2以上のフロントエンドコンポーネント108は、キーアクションデータストリームを解凍し、キーアクションデータストリームの名前を変更し、キーアクションデータストリームを指定フォルダに移動し、キーアクションデータストリームに関する一連のログファイルを更新することができる。1又は2以上のフロントエンドコンポーネント108は、1又は2以上のデスクトップコンピュータ、1又は2以上のラップトップコンピュータ、或いは1又は2以上のクラウドコンピューティングリソースとして実装することができ、例えばWindows、Perl、Java Scripts、Microsoft Office及びVisual basicを含む様々なソフトウェア/コードを実行することができる。1又は2以上のデータストア110は、様々なキーアクションデータストリームを記憶するために使用することができ、各ユーザのキーアクションデータストリームを、例えばフォルダなどの別個の記憶域に分離することができる。1又は2以上のデータストア110は、汎用コンピュータ、大容量ストレージ及び複雑なアクセスのための専用コンピュータ、或いはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実装することができ、例えばExcel及びWindows Explorerを含む様々なソフトウェア/コードを実行することができる。1又は2以上のデータ分析コンポーネント112は、各キーアクションデータファイルを共通プロファイルフォーマットに変換した後に、以下でさらに詳細に説明するようなユーザに関するいずれかの統計及びプロファイルを更新するためにこれらのファイルを処理することができる。1又は2以上のデータ分析コンポーネント112は、汎用コンピュータを用いて実装することができ、例えばExcel、並びにSPSS、R及びビッグデータ分析などのその他の統計パッケージを含む様々なソフトウェア/コードを実行することができる。
【0020】
図4に、
図1に示すシステムによって生成されるデータ400の例を示す。具体的に見ると、グラフ400は、(神経障害のない)対照被験者群と、何らかの神経障害がある患者群との整合比を示す。この整合比は、0(高整合比)〜1(低整合比)の範囲に及ぶことができる。グラフに示すように、対照被験者は、正常な認知機能を示す中心線に近いキーアクションケイデンスのデータ値を有する。対照的に、患者らは、神経学的疾患の指標である中心線よりも上方のデータ点402を有する。
図4のグラフでは、(他の箇所で説明する)キーアクションデータを用いて
図4に示す不整合値を計算することができる。例えば、分散アルゴリズム及びその他のアルゴリズムの係数を用いて不整合値を求めることができる。また、グラフ上及びそのデータ上に重なる矢印404は、認知症の進行を示すデータ値変化を示す。
【0021】
図5に、神経障害を検出してモニタするシステムの各コンピュータ装置によって実行される処理500の例を示す。ユーザが入力装置上で文字をタイプすると(502)、入力装置は、各キーイベント/アクションに関連するデータを記録する。キーイベント/アクションは、キープレスアクション(キーダウン)又はキーリリース(キーアップ)のいずれかとすることができる。入力装置は、このような各イベント/アクションについて、キー識別子、識別されたキーに対して行われている動作、及び長時間における時刻、すなわち1950年1月1日からのミリ秒単位の時間を記録する。キーイベント/アクションデータを記録したら、このキーイベントデータをOS(オペレーティングシステム)に送信することができる(504)。タイピングケイデンスコンポーネントは、この通信に接続して、送信中のデータを標準的な既知のAPIを用いて抽出する(506)。タイピングケイデンスコンポーネントによって抽出されたデータは、コンピュータ装置に記憶することができる(508)。1つの実施形態では、データをコンピュータ装置のメモリに記憶することができる。タイピングケイデンスコンポーネントは、コンピュータ装置に記憶されたキーアクションデータが(顧客が設定して遠隔的に変更できる)特定の閾値に達した場合、又は(コンピュータのシャットダウンなどの)他のイベント時にデータファイルの送信をトリガして、サーバに送信すべきデータファイルを準備することができる(510)。タイピングケイデンスコンポーネントは、キーアクションデータファイルの準備中に、抽出されたキーアクションデータに基づいて、差動時間、すなわちキーが押下されてから解放されるまでの時間(別名:滞留時間)と、1つのキーにおけるキーダウンと次のキーにおけるキーダウンとの間の時間(別名:移行時間)とを計算することができる。その後、キーアクションデータ(及び計算された差動時間)を、バックエンドコンポーネントに送信することができる(512)。いくつかの実施形態では、各コンピュータ装置からのキーアクションデータファイルをセキュリティのために暗号化することができ、従ってバックエンドコンポーネントは、キーアクションデータファイルに対して暗号解読を実行することができる。1つの実施形態では、キーアクションデータファイルが、以下を含むことができるフォーマットを有することができる。
(1)キー1の識別
(2)キー2の識別(キー1と同じ場合は滞留時間、異なる場合は移行時間)
(3)キー1−キー2のシーケンスの発生毎のデータ点である、時間1、時間2、時間3、時間4など
【0022】
このフォーマットを有するキーアクションデータファイルの例については、上記で詳細に説明した付属書Aにさらに詳細に示す。
【0023】
図6に、神経障害を検出してモニタするシステムのバックエンドコンポーネントによって実行される処理600の例を示す。バックエンドコンポーネント106は、キーアクションデータファイルを受け取り(602)、.binフォーマットとすることができるデータファイルを解凍し、Excel又は他のプロトコルで読めるように.csvフォーマット(スプレッドシートフォーマット)に変換することができる(604)。バックエンドコンポーネントは、キーアクションケイデンスデータを処理し、これを用いて整合性の尺度を含む様々な統計的特性を計算することができる(606)。
【0024】
次に、バックエンドコンポーネントは、関連するユーザのファイルに処理データを追加して総合尺度を更新することができる(608)。この総合尺度は、例えば不整合値の尺度に基づいて求められた加重平均とすることができる。その後、バックエンドコンポーネントは、総合尺度を再計算し(610)、これを用いて
図4に示すような神経障害を検出してモニタすることができる。
【0025】
上記のタイピングケイデンスシステム及び方法のさらなる詳細は、2014年6月27日に出願された「神経障害判定及びモニタリングシステム及び方法(Neurological Disorder Determining And Monitoring System And Method)」という名称の米国特許出願第14/318,477号に記載されており、この文献はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0026】
上記のシステムは、CNS疾患の連続モニタリングのためのシステム及び方法の一部とすることができる。連続モニタリングのためのシステムは、CNS疾患を早期に正確に診断する必要性に対処する。システムは、データを記録し、データをローカルに処理し、データをサーバに送信し、サーバがデータをさらに処理する方法を使用する。システム及び方法は、CNSを治療する医師及びその患者に正確で精密で継続的な認知機能の測定をもたらす必要性に対処する。患者及び医師は、わずかな時間増分を表すデータを確認できるようになることが好ましい。記録、再処理、サーバへの送信及びサーバにおける処理の方法は、
図1〜
図6を参照しながら上述したシステム実装のものと同じである。しかしながら、データを収集して処理する頻度及びデータの表示は異なる。
【0027】
図7に、システム100に組み込まれた連続モニタリングコンポーネント700の第1の実施形態を含む、神経障害を検出してモニタするシステム100を示す。この実施形態では、連続モニタリングコンポーネント700が、上述したようにサーバ108に送信されているタイピングケイデンスデータを受け取ることができる。連続モニタリングコンポーネント700は、ハードウェア又はソフトウェアで実装することができる。連続モニタリングコンポーネントは、ハードウェアで実装する際には、後述するような連続モニタリングコンポーネントの機能及び動作を実行するように動作するASIC、プログラマブル論理装置、集積回路、状態機械、又はマイクロコントローラとすることができる。連続モニタリングコンポーネントは、ソフトウェアで実装する際には、
図1のバックエンドシステム106又は他のいずれかのコンピュータシステムなどのコンピュータ上に記憶してコンピュータのプロセッサによって実行できる複数行のコードとすることができ、従ってプロセッサは、後述する連続モニタリングコンポーネントの機能及び動作を実行するように構成される。
【0028】
図8に、スタンドアロンシステム800である連続モニタリングシステムの第2の実施形態を示しており、ここでは、連続モニタリングコンポーネント802が、通常のコンポーネントを有するコンピュータシステムとすることができるシステム800の一部である。この実施形態では、連続モニタリングコンポーネント802が、タイピングケイデンスデータを外部ソースから受け取ることができる。連続モニタリングコンポーネント802は、ハードウェア又はソフトウェアで実装することができる。連続モニタリングコンポーネントは、ハードウェアで実装する際には、後述するような連続モニタリングコンポーネントの機能及び動作を実行するように動作するASIC、プログラマブル論理装置、集積回路、状態機械、又はマイクロコントローラとすることができる。連続モニタリングコンポーネントは、ソフトウェアで実装する際には、
図1のバックエンドシステム106又は他のいずれかのコンピュータシステムなどのコンピュータ上に記憶してコンピュータのプロセッサによって実行できる複数行のコードとすることができ、従ってプロセッサは、後述する連続モニタリングコンポーネントの機能及び動作を実行するように構成される。
【0029】
図7及び
図8に示す各実施形態では、タイピングケイデンスデータがモニタリングコンポーネントに到達することにより、データを処理して表示できるようになる(以下で
図10を参照しながらさらに詳細に説明する)。
図7及び
図8に示す各実施形態では、連続モニタリングコンポーネントが、1日に数回又は1時間に数回など定期的にタイピングケイデンスデータを受け取り、その後に連続モニタリングタイピングケイデンスデータとして表示することができる。タイピングケイデンスデータは、わずかな増分で収集し、処理して連続モニタリングコンポーネント700、802に送信することができる。増分の規模は、用途に応じて調整可能である。例えば、システム及び方法は、基本データセットの構築では増分値を20000に設定することができ、連続モニタリングでは増分値を1000以下に設定することができる。
【0030】
連続モニタリングコンポーネント700、802は、同じわずかな増分でデータを処理し、医師、或いは1又は複数の患者が連続モニタリング出力データを見ることができるように、タイピングケイデンスデータが受け取られている特定の患者のグラフ又はチャート上の点などのデータ点表示を追加することができる。
図11に、システムによって生成されるチャートの例を示す。いくつかの実施形態では、医師、或いは1又は複数の患者の各々が、例えば
図7に示すコンピュータ装置102上で連続モニタリング出力データを見ることができる。
図8に示す実施形態は、各医師、或いは1又は複数の患者がコンピュータ装置102(図示せず)を用いてシステム800にアクセスして連続モニタリング出力データを表示できるようにする能力を有することもできる。
【0031】
いくつかの実施形態では、システム100、800が、ユーザ、医師及び患者がシステムによって既知の方法で正しく認証された時に連続モニタリング出力データを見ることができるようにする(いくつかの実施形態では、
図9に示す連続データレポートコンポーネント904が生成して読み込むことができる)ウェブサイトを含むことができる。医師が連続モニタリング出力データにアクセスする場合には、どの患者のデータを見るかを選択することができる。患者は、アクセスを適切に認証された場合でも自分のデータしか見ることができない。あらゆるユーザは、連続モニタリング出力データにアクセスする際に、どのデータ期間を見るかを選択するとともに、チャート、表又は他の形式などの表示形式を選択することができる。連続モニタリングコンポーネント700、802は、ユーザが全てのフィールドを満たしてシステム100、800に要求を送信した後に、(ユーザの要求に基づいて)関連データを集約して、例えば各コンピュータ装置102上のブラウザアプリケーションを用いてユーザに対してウェブページ上などにデータを表示する。
【0032】
図9に、
図7及び
図8の連続モニタリングコンポーネント700、802のさらなる詳細を示す。具体的に言えば、連続モニタリングコンポーネント700、802は、ログインコンポーネント900と、タイピングケイデンスデータ処理コンポーネント902と、連続データレポートコンポーネント904とを有することができる。これらの各コンポーネントは、上述したようにハードウェア又はソフトウェアで実装することができる。
【0033】
ログインコンポーネント900は、医師が連続モニタリングに登録し、連続モニタリングシステムを用いて測定したい全ての患者を招待/登録することを可能にすることができる。医師及び患者は、システムが採用するセキュアなログインを使用することができる。ログインコンポーネント900は、医師と患者の両方が予想通りの人物であることを保証する認証方法を実装することができる。
【0034】
データ処理コンポーネント902は、以下で
図10を参照しながら説明するようなタイピングケイデンスデータ処理を実行することができる。連続データレポートコンポーネント904は、連続データレポートを準備して生成し、承認されたシステムユーザに送信することができる。連続データレポートは、様々な形式を有することができ、ウェブサイト上のウェブページとして、又は特定のデータフォーマットを有するファイルとしてユーザに配信することができる。
【0035】
別の実装では、ユーザが、医師又は患者のいずれであるかに関わらず、システムのための連続データレポートを選択することができる。連続データレポートモードでは、(患者ユーザの場合に)患者のための別のデータ点が受け取られた時、或いは(医師ユーザの場合に)医師が連続モニタリングコンポーネント700、802において患者を治療する時には、常にチャート、表、ウェブページなどのデータレポートがこの最新データで更新されてユーザに提供される。別の実装では、連続データレポートコンポーネント904によって各ユーザに示されるデータが、取り込まれたデータ内のどこに真の極値が存在するかをユーザに対して強調表示するように未加工データだけではなく移動平均を含むこともできる。
【0036】
図10に連続モニタリング方法1000を示すが、この方法は、上述した連続モニタリングコンポーネント上での動作又は連続モニタリングコンポーネントを用いた動作に限定されないので、連続モニタリングコンポーネントを用いて実施することも、或いは他の要素及びコンポーネントを用いて実施することもできる。この方法では、定期的にタイピングケイデンスデータを受け取ることができる(1002)。受け取るデータの周期性は様々とすることができるが、例えば特定の患者、或いは1又は2以上の患者を有することができる特定の医師の場合には1時間に数回とすることができる。受け取ったタイピングケイデンスデータは処理することができる(1004)。例えば、受け取った各コンピュータ装置のデータファイルからデータを解凍することができ、特定のコンピュータ装置がどのユーザに関連するかを特定のデータファイルのファイルヘッダに基づいて判断することができ、データを送信フォーマットから共通フォーマットに変換することができ、特定の患者のプロファイルデータを計算することができ、データ及びプロファイルをデータストレージ内の正しいフォルダ内に配置することができる。次に、処理されたタイピングケイデンスデータを用いて、例えば
図4に示すチャートとすることができる連続モニタリングタイピングケイデンス出力データを生成することができる(1006)。連続モニタリングタイピングケイデンス出力データは、未加工のタイピングケイデンスデータ、タイピングケイデンスデータの表、又は
図11に示す例示的なグラフとすることもできる。方法は、新たな1又は複数のタイピングケイデンスデータ受け取られると、処理1002〜1006を繰り返すことができる。
【0037】
図11に、システムが患者データに基づいて生成する、上述したシステムのユーザインターフェイス内のチャートの例を示す。このチャートでは、チャートの水平軸上に示すような様々な時点における患者に関するデータが患者に対して描画される。チャートの垂直軸は、患者の各時間データ点の値である。
【0038】
以上、特定の実施形態を参照しながら説明目的で解説を行った。しかしながら、上記の例示的な説明は、完全であることや、或いは開示した厳密な形に本開示を限定することを意図したものではない。上記の教示に照らして多くの修正及び変形が可能である。これらの実施形態は、本開示の原理及びその実際の応用を最良に説明することにより、他の当業者が検討する特定の用途に適した形で本開示及び様々な実施形態を様々に修正して最も良く利用できるように選択し説明したものである。
【0039】
本明細書で開示したシステム及び方法は、1又は2以上のコンポーネント、システム、サーバ、機器又はその他のサブコンポーネントを通じて実装することができ、或いはこのような要素間で分散することもできる。システムとして実装する場合、このようなシステムは、とりわけ汎用コンピュータで見られるソフトウェアモジュール、汎用CPU、RAMなどのコンポーネントを含み、及び/又は伴うことができる。サーバに革新性が存在する実装では、このようなサーバが、汎用コンピュータで見られるようなCPU、RAMなどのコンポーネントを含み、及び/又は伴うことができる。
【0040】
また、本明細書におけるシステム及び方法は、上述した以外の異種の又は完全に異なるソフトウェアコンポーネント、ハードウェアコンポーネント及び/又はファームウェアコンポーネントを含む実装を通じて実現することもできる。このような他のコンポーネント(例えば、ソフトウェア、処理コンポーネントなど)、及び/又は本発明に関連する又は本発明を具体化するコンピュータ可読媒体については、例えば本明細書における革新性の態様を数多くの汎用又は専用コンピュータシステム又は構成と調和させて実装することができる。本明細書における革新性との併用に適することができる様々な例示的なコンピュータシステム、環境及び/又は構成としては、以下に限定されるわけではないが、パーソナルコンピュータ、ルーティング/接続性コンポーネントなどのサーバ又はサーバコンピュータ装置、ハンドヘルド又はラップトップ装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、消費者電子装置、ネットワークPC,他の既存のコンピュータプラットフォーム、上記のシステム又は装置のうちの1つ又は2つ以上を含む分散型コンピュータ環境などの内部の、又はこれらに組み込まれたソフトウェア又はその他のコンポーネントを挙げることができる。
【0041】
場合によっては、システム及び方法の態様を、例えばこのようなコンポーネント又は回路に関連して実行されるプログラムモジュールを含む論理回路及び/又は論理命令を介して実現し、或いはこのような論理回路及び/又は論理命令によって実行することもできる。一般に、プログラムモジュールは、本明細書における特定のタスク又は特定の命令を実行するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むことができる。また、本発明は、通信バス、通信回路又は通信リンクを介して回路が接続された分散ソフトウェア、分散コンピュータ又は分散回路環境を背景として実施することもできる。分散環境では、メモリストレージデバイスを含むローカルコンピュータ記憶媒体及びリモートコンピュータ記憶媒体の両方から制御/命令を行うことができる。
【0042】
本明細書におけるソフトウェア、回路及びコンポーネントは、1又は2以上のタイプのコンピュータ可読媒体を含み、及び/又は利用することもできる。コンピュータ可読媒体は、このような回路及び/又はコンピュータコンポーネント上に存在する、これらに関連する、又はこれらがアクセスできるいずれかの利用可能な媒体とすることができる。一例として、限定するわけではないが、コンピュータ可読媒体としては、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を挙げることができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又はその他のデータなどの情報を記憶するためのいずれかの方法又は技術で実装された揮発性及び不揮発性の取り外し可能及び取り外し不能媒体を含む。コンピュータ記憶媒体としては、以下に限定されるわけではないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又はその他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又はその他の光学ストレージ、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶装置、或いは所望の情報を記憶するために使用できてコンピュータコンポーネントがアクセスできる他のいずれかの媒体が挙げられる。通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール及び/又はその他のコンポーネントを含むことができる。さらに、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体を含むことができるが、本明細書におけるこのようなタイプの媒体は、いずれも一時的媒体を含まない。また、上記のいずれかの組み合わせもコンピュータ記憶媒体の範囲に含まれる。
【0043】
本明細書におけるコンポーネント、モジュール、装置などの用語は、様々な形で実装できるあらゆるタイプの論理的又は機能的ソフトウェア要素、回路、ブロック及び/又は処理を意味することができる。例えば、様々な回路及び/又はブロックの機能を互いに組み合わせて他のあらゆる数のモジュールにすることができる。各モジュールは、中央処理装置に読み取られて本明細書における革新性の機能を実行できる、有形メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリメモリ、CD−ROMメモリ、ハードディスクドライブなど)に記憶されたソフトウェアプログラムとして実装することもできる。或いは、これらのモジュールは、汎用コンピュータに送信される、又は送信搬送波を介して処理/グラフィックスハードウェアに送信されるプログラミング命令を含むこともできる。また、モジュールは、本明細書における革新性が含む機能を実装するハードウェア論理回路として実装することもできる。最後に、これらのモジュールは、専用命令(SIMD命令)、フィールドプログラマブルロジックアレイ、又は所望のレベルの性能及びコストをもたらすこれらのいずれかの混合物を用いて実装することができる。
【0044】
本明細書で開示したように、本開示による機能は、コンピュータハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアを通じて実装することができる。例えば、本明細書で開示したシステム及び方法は、例えばデータベース、デジタル電子回路、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせも含むコンピュータなどのデータプロセッサを含む様々な形態で具体化することができる。さらに、開示した実装の一部では、特定のハードウェアコンポーネントについて説明しているが、本明細書における革新性によるシステム及び方法は、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアのいずれかの組み合わせを用いて実装することもできる。さらに、上述した機能及びその他の態様、並びに本明細書における革新性の原理は、様々な環境で実装することができる。このような環境及び関連する用途は、本発明による様々なルーチン、処理及び/又は動作を実行するように特別に構成することも、或いは汎用コンピュータ、又は必要な機能を提供するようにコードによって選択的に有効化又は再構成されたコンピュータプラットフォームを含むこともできる。本明細書で開示した処理は、本質的にいずれかの特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境又はその他の装置に関連するものではなく、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの好適な組み合わせによって実装することができる。例えば、本発明の教示に従って書かれたプログラムと共に様々な汎用機械を使用することができ、或いは必要な方法及び技術を実行するように特殊な装置又はシステムを構成する方が便利な場合もある。
【0045】
本明細書で説明したロジックなどの方法及びシステムの態様は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)装置、電気的にプログラム可能なロジックなどのプログラマブルロジック装置(「PLD」)、メモリデバイス及び標準的なセルベースの装置、並びに特定用途向け集積回路を含む様々な回路のいずれかにプログラムされる機能として実装することもできる。態様を実装するための他のいくつかの可能性としては、メモリデバイス、(EEPROMなどの)メモリ付きマイクロコントローラ、内蔵マイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェアなどが挙げられる。さらに、ソフトウェアベースの回路エミュレーション、個別ロジック(順序ロジック及び組み合わせロジック)、カスタムデバイス、ファジー(ニューラル)ロジック、量子デバイス、及びこれらのデバイスタイプのいずれかの混成を有するマイクロプロセッサにおいて態様を具体化することもできる。例えば、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)技術に似た相補型金属酸化物半導体(「CMOS」)、バイポーラ技術に似たエミッタ結合型論理回路(「ECL」)、ポリマー技術(例えば、シリコン共役ポリマー及び金属共役ポリマー金属構造体)、混合アナログ及びデジタルなどの基礎デバイス技術を様々なコンポーネントタイプで提供することができる。
【0046】
また、本明細書で開示した様々なロジック及び/又は機能は、挙動特性、レジスタ転送特性、論理コンポーネント特性及び/又はその他の特性の観点から、ハードウェア、ファームウェアのあらゆる数の組み合わせを使用して、及び/又は機械可読又はコンピュータ可読媒体に具体化されたデータ及び/又は命令として有効にすることができる。このようなフォーマットデータ及び/又は命令を具体化できるコンピュータ可読媒体は、限定的な意味ではなく様々な形態の不揮発性記憶媒体(例えば、光学記憶媒体、磁気記憶媒体又は半導体記憶媒体)を含むことができるが、ここでも一時的媒体は含まない。本明細書全体を通じ、「備える(comprise、comprising)」などの用語は、文脈上明らかに他の意味を必要としない限り、排他的又は網羅的な意味の対語である包括的な意味で、すなわち「〜を含むけれどもそれに限定されない(including,but not limited to)」という意味で解釈されたい。また、単数又は複数を用いた単語は、それぞれ複数又は単数も含む。また、「本明細書において(herein)」、「本明細書に従って(hereunder)」、「上記の(above)」、「以下の(below)」、及び同様の意味の単語は、本出願のいずれかの特定の部分ではなく本出願全体を示す。2又は3以上の項目のリストへの言及において「又は(or)」という単語を使用している場合、この単語は、リスト内のいずれかの項目、リスト内の全ての項目、及びリスト内の項目のいずれかの組み合わせ、という解釈を全て含む。
【0047】
本明細書では、本発明の現在のところ好ましいいくつかの実装について具体的に説明したが、本発明に関連する当業者には、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書で図示し説明した様々な実装の変形及び変更を行えることが明らかであろう。従って、本発明は、適用される法の原則によって定められる範囲のみに限定すべきであることが意図される。
【0048】
上述したシステム及び方法は、タイピングケイデンスを用いて中枢神経系疾患のための医療診断技術を改善するという点で、別の技術又は技術分野を改善するものである。システム及び方法は、タイピングケイデンスデータを受け取り、受け取ったケイデンスデータに基づいてデータレポートを生成して患者の中枢神経系疾患の連続モニタリングを行う連続モニタリング装置を提供することによって、中枢神経系疾患の医療診断の技術分野を改善する。
【0049】
システム及び方法は、センサ/入力装置とコンピュータシステムとを用いて実装することができるが、コンピュータシステムは、一般的コンピュータ機能を実行しない。具体的に言えば、コンピュータは、タイピングケイデンスデータを受け取り、受け取ったケイデンスデータに基づいてデータレポートを生成して、一般的コンピュータ機能ではない患者の中枢神経系疾患の連続モニタリングを行う。
【0050】
システム及び方法は、物品が異なる状態に変換されるようにもする。具体的に言えば、システムは、タイピングケイデンスデータを受け取り、タイピングケイデンスデータに基づいて連続モニタリングを行う。従って、物品(タイピングケイデンスデータ)が患者の中枢神経系疾患の連続モニタリングに変換される。
【0051】
上記では、本開示の特定の実施形態について言及したが、当業者であれば、本開示の原理及び趣旨から逸脱することなく実施形態に変更を行うことができ、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によって定められると理解するであろう。