(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6959919
(24)【登録日】2021年10月12日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】加工基板上のワイドバンドギャップデバイス集積回路アーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/8232 20060101AFI20211025BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20211025BHJP
H01L 21/20 20060101ALI20211025BHJP
H01L 33/32 20100101ALI20211025BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20211025BHJP
H01L 27/12 20060101ALI20211025BHJP
H01L 21/338 20060101ALI20211025BHJP
H01L 29/778 20060101ALI20211025BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
H01L27/06 F
H01L21/20
H01L33/32
H01L21/02 B
H01L21/02 C
H01L27/12 B
H01L29/80 H
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-528964(P2018-528964)
(86)(22)【出願日】2016年12月1日
(65)【公表番号】特表2019-505985(P2019-505985A)
(43)【公表日】2019年2月28日
(86)【国際出願番号】US2016064405
(87)【国際公開番号】WO2017096032
(87)【国際公開日】20170608
【審査請求日】2019年11月22日
(31)【優先権主張番号】62/263,462
(32)【優先日】2015年12月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518137335
【氏名又は名称】クロミス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(72)【発明者】
【氏名】オドノブリュードフ,ウラジミール
(72)【発明者】
【氏名】バセリ,セム
【審査官】
棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−071220(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0147772(US,A1)
【文献】
特開2011−129769(JP,A)
【文献】
特開2009−239115(JP,A)
【文献】
特開平11−233827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/8232
H01L 21/20
H01L 33/32
H01L 21/02
H01L 21/338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工基板上にワイドバンドギャップ(WBG)エピタキシャル層を形成するステップであって、前記WBGエピタキシャル層は、複数のエピタキシャル層グループを含み、前記加工基板は、バルク材料上に形成されている加工層を含み、前記バルク材料は、前記WBGエピタキシャル層の熱膨張係数(CTE)と一致するCTEを有する、WBGエピタキシャル層を形成するステップと、
一組の第1のメサと、前記第1のメサ内に形成された第1の内部相互接続と、それぞれが前記第1の内部相互接続に接続される第1の電極セットを形成することにより、前記複数のエピタキシャル層グループのうちの第1のエピタキシャル層グループに基づく第1のWBGデバイスを形成するステップと、
一組の第2のメサと、前記第2のメサ内に形成された第2の内部相互接続と、それぞれが前記第2の内部相互接続に接続される第2の電極セットを形成することにより、前記複数のエピタキシャル層グループのうちの第2のエピタキシャル層グループに基づく第2のWBGデバイスを形成するステップと、
集積回路を形成するために、前記第1の電極セットの少なくとも1つと、前記第2の電極セットの少なくとも1つとの間に1つまたは複数の外部相互接続を形成するステップと
を含む、集積回路を形成する方法。
【請求項2】
前記加工基板上に形成された前記WBGエピタキシャル層は、少なくとも10ミクロンの厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも150ミリメートルの直径を有する前記バルク材料上に前記加工基板を形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記WBGエピタキシャル層は窒化ガリウム(GaN)エピタキシャル層であり、前記加工基板は、窒化アルミニウム(AlN)ウェハと、酸化物、窒化物またはポリシリコンのうちの少なくとも1つからなる1つまたは複数の外層とを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のエピタキシャル層グループは、前記第1のエピタキシャル層グループの上に配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のエピタキシャル層グループの側方部分を通じて前記第1のエピタキシャル層グループまでエッチングするステップをさらに含み、前記外部相互接続は、前記第2のエピタキシャル層グループ上の前記第2の電極セットのうちのいくつかを、前記第1のエピタキシャル層グループ上の前記第1の電極セットのいくつかまで接続する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のWBGデバイスを前記第2のWBGデバイスから横方向に絶縁するために、前記WBGエピタキシャル層を通じて前記第1の電極セットと前記第2の電極セットとの間にメサを垂直にエッチングするステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のエピタキシャル層グループと前記第2のエピタキシャル層グループとの間に絶縁WBG層を形成するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のWBGデバイスが、高電子移動度トランジスタ(HEMT)を構成し、
前記第2のWBGデバイスが、発光ダイオード(LED)を構成し、
前記1つまたは複数の外部相互接続は前記HEMTを前記LEDに接続する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記加工基板上に前記WBGエピタキシャル層を形成するステップは、前記第2のエピタキシャル層グループ内に多重量子井戸(MQW)を形成するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記加工基板上に以前に形成されているエピタキシャル層グループの領域をマスキングするステップであって、前記以前に形成されているエピタキシャル層グループのマスクされた前記領域内に後続のエピタキシャル層グループが形成されるのを防止する、マスキングするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のエピタキシャル層グループを形成する前に、前記加工基板上にバッファ層を形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
窒化ガリウム(GaN)エピタキシャル層の複数のグループであって、前記複数のGaNエピタキシャル層グループを組み合わせた厚さは10ミクロンよりも大きい、複数のGaNエピタキシャル層グループと、
前記複数のGaNエピタキシャル層グループのうちの少なくともいくつかのグループ内にエッチングされているメサと、
前記メサ内に形成されている内部相互接続と、
前記内部相互接続または前記GaNエピタキシャル層の少なくとも一方の上に形成されている電極と、
複数のGaNデバイスを集積回路へと接続するために、前記電極の少なくともいくつかの上に形成された外部相互接続と
を備え、
前記メサ、前記内部相互接続、および前記電極は、前記複数のGaNエピタキシャル層グループのうちの各GaNエピタキシャル層グループを前記複数のGaNデバイスのうちの1つのGaNデバイスへと構成する、デバイス。
【請求項14】
前記複数のGaNエピタキシャル層グループは、少なくとも150ミリメートルの直径を有する加工基板上に形成される、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記複数のGaNエピタキシャル層グループの熱膨張係数(CTE)は、前記加工基板のCTEと一致する、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記複数のGaNエピタキシャル層グループのうちの第1のGaNエピタキシャル層グループがトランジスタを形成し、
前記第1のGaNエピタキシャル層グループの上に位置する、前記複数のGaNエピタキシャル層グループのうちの第2のGaNエピタキシャル層グループが発光ダイオード(LED)を形成し、
前記外部相互接続は、前記トランジスタ上に形成された電極と、前記LED上に形成された電極とを接続する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第2のGaNエピタキシャル層グループは、光を放出する多重量子井戸(MQW)を形成し、
前記第1のGaNエピタキシャル層グループは、前記MQWから放射される前記光に対して実質的に透過性を有する、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
窒化ガリウム(GaN)集積回路であって、
第1のGaN層セットと、
前記第1のGaN層セットを第1のGaNデバイスへと構成するための、第1組のメサ、前記メサ内に形成された第1組の内部相互接続、および前記内部相互接続に接続される第1組の第1内部電極と、
前記第1のGaN層セットの上に形成されている第2のGaN層セットと、
前記第2のGaN層セットを第2のGaNデバイスへと構成するための、第2組のメサ、前記メサ内に形成された第2組の内部相互接続、および前記内部相互接続に接続される第2組の第2内部電極と、
前記第1のGaNデバイスを前記第2のGaNデバイスに接続するために、前記第1組の第1内部電極のうちの少なくとも1つおよび前記第2組の第2内部電極の上に形成される第3の外部相互接続セットと
を備える、GaN集積回路。
【請求項19】
前記第1のGaN層セットおよび前記第2のGaN層セットは、少なくとも10ミクロンの合計された厚さを有する、請求項18に記載のGaN集積回路。
【請求項20】
前記第1のGaN層セットおよび前記第2のGaN層セットは、少なくとも6インチの直径を有する加工基板上に形成され、前記加工基板の熱膨張係数(CTE)と実質的に一致するCTEを有する、請求項18に記載のGaN集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2015年12月4日に出願された米国仮特許出願第62/263462号の利益を主張するものであり、その内容はあらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]ワイドバンドギャップ(WBG)半導体デバイスは高価であり、製造に時間がかかる。例えば、窒化ガリウム(GaN)材料は、堆積されるGaNとは異なる格子構造(または格子定数)を有する半導体キャリア基板上にGaNを堆積させることを含むヘテロエピタキシャル(エピ)成長プロセスによって形成することができる。GaNとキャリア基板との間の格子不整合は、デバイスの歩留まりおよび性能に悪影響を与える可能性のある欠陥、転位および歪みを生成する可能性がある。さらに、GaN層およびキャリア基板は、異なる熱膨張係数(CTE)を有し得る。熱処理(例えば、GaNエピタキシャル成長)は、GaNを亀裂もしくは剥離させるか、またはキャリア基板を撓ませ、場合によっては破断する可能性がある。CTEが異なることによって、基板ウェハサイズが、制限される場合があり、規模が限定され、WBGデバイスおよびソリューションの全体的な製造コストの削減を妨げる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]本発明は、一般に、加工基板を用いてWBG集積回路を製造することに関する。より詳細には、本発明は、大型の加工基板、および、エピタキシャル層の複数のグループを含む厚いWBGエピタキシャル層を使用して、高密度で低コストのWBG集積回路(例えば、GaN集積回路)を製造するのに適した方法およびシステムに関し、加工基板のCTEは、WBGエピタキシャル層のCTEと実質的に一致する。本明細書で説明するように、本発明のいくつかの実施形態は、エピタキシャル成長によって加工基板上にソリッドステートデバイスを製造するために適用されている。方法および技術は、様々な半導体処理動作に適用することができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、加工基板上に複数のエピタキシャル層グループを成長させ、次いで、エピタキシャル層をエッチングして、電気的接続および絶縁を形成するためにエピタキシャル層の各グループの少なくとも一領域を露出させることによって、加工基板上にソリッドステートデバイスを製造する方法を含む。本発明のいくつかの実施形態は、加工基板上に第1のエピタキシャル層グループを形成し、形成されたエピタキシャル層グループの少なくとも一領域をマスクし、マスクされていない第1のエピタキシャル層グループの領域の上に第2のエピタキシャル層グループを形成し、マスクされた領域内に電気的接続および絶縁を形成することによって、加工基板上にソリッドステートデバイスを製造する方法を含む。
【0004】
[0004]本発明の一実施形態によれば、集積回路を製造する方法は、WBGエピタキシャル層を加工基板上に形成するステップを含み、WBGエピタキシャル層は、複数のエピタキシャル層グループを含み、加工基板は、バルク材料上に形成される加工層を含む。バルク材料は、WBGエピタキシャル層のCTEに一致するCTEを有する。方法はまた、複数のエピタキシャル層グループの各グループ内に内部相互接続および電極を形成して、エピタキシャル層の各グループを複数のWBGデバイスのうちの1つのWBGデバイスへと構成するステップも含む。方法は、集積回路を形成するために、複数のWBGデバイスの異なるWBGデバイスの電極間に外部相互接続を形成するステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、加工基板上に形成されたWBGエピタキシャル層は、少なくとも10ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、バルク材料は、少なくとも150ミリメートルの直径を有する。
【0005】
[0005]本発明の別の実施形態によれば、デバイスは、GaNエピタキシャル層の複数のグループを含み、複数のGaNエピタキシャル層グループの合計厚さは10ミクロンよりも大きい。デバイスはまた、複数のGaNエピタキシャル層グループのうちの少なくともいくつかのグループ内にエッチングされたメサと、メサ内に形成された内部相互接続と、内部相互接続またはGaNエピタキシャル層の少なくとも1つの上に形成された電極とを含み、電極は、各GaNエピタキシャル層グループを複数のGaNデバイスのうちの1つのGaNデバイスに分割する。デバイスは、複数のGaNデバイスを集積回路に接続するために、電極の少なくともいくつかの上に形成された外部相互接続をさらに含む。いくつかの実施形態では、複数のGaNエピタキシャル層グループは、少なくとも150ミリメートルの直径を有する加工基板上に形成される。いくつかの実施形態では、複数のGaNエピタキシャル層グループのCTEは、加工基板のCTEと一致する。
【0006】
[0006]本発明のさらなる実施形態によれば、GaN集積回路は、GaN層の第1のセット、ならびに、GaN層の第1のセットを第1のGaNデバイスへと構成するためのメサ、相互接続、および電極の第1のセットを含む。GaN集積回路はまた、GaN層の第1のセットの上に形成されるGaN層の第2のセット、ならびに、GaN層の第2のセットを第2のGaNデバイスへと構成するためのメサ、相互接続、および電極の第2のセットを含む。GaN集積回路は、第1のGaNデバイスを第2のGaNデバイスに接続するために、メサ、相互接続、および電極の第1のセットからの少なくともいくつかの電極、ならびに、メサ、相互接続、および電極の第2のセットからの少なくともいくつかの電極上に形成される相互接続の第3のセットをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のGaN層セットおよび第2のGaN層セットは、少なくとも10ミクロンの合計厚さを有する。いくつかの実施形態では、第1のGaN層セットおよび第2のGaN層セットは、少なくとも6インチの直径を有する加工基板上に形成され、加工基板のCTEと実質的に一致するCTEを有する。
【0007】
[0007]従来技術にまさる多くの利点を本発明によって達成することができる。例えば、本発明の実施形態は、ソリッドステートデバイスのエピタキシャル層のCTEに実質的に一致するCTEを有する加工基板上に形成された発光ダイオード(LED)または高電子移動度トランジスタ(HEMT)などのソリッドステートデバイスを提供する。成長基板の熱膨張特性をエピタキシャル層に適合させることにより、エピタキシャル層および/または加工基板における応力が低減される。応力はいくつかのタイプの欠陥の原因となる。例えば、応力は、エピタキシャル層の電気的および光学的特性を損なう場合があるエピタキシャル層内の転位密度を増加させる可能性がある。応力はまた、エピタキシャル層または基板に残留歪みをもたらし、これは、応力亀裂、転位すべり、すべり、撓み、および反りなどの後の工程でのさらなる処理の懸念をもたらす可能性がある。基板の熱膨張によって誘発される撓みおよび反りは、自動化機器において材料の取り扱いを問題のあるものにする可能があり、装置製造に必要な追加のリソグラフィ工程を実行する能力を制限し得る。加えて、応力を受けた材料においてはデバイス性能寿命が低下する場合がある。熱的不整合に起因する、応力緩和および応力誘発性亀裂伝播、転位すべり、および他の格子の動きは、デバイス性能の低下からデバイスおよびデバイス層の破壊または剥離までの様々な様態の早期の故障をもたらす可能性がある。
【0008】
[0008]本発明の実施形態は、WBGエピタキシャル層のCTEと一致するCTEを有する大きな加工基板を使用して、高密度で低コストのWBG集積回路を製造するための方法および技法を提供する。CTEが一致するため、より厚いエピタキシャル層を形成することができる。より厚いエピタキシャル層は、エピタキシャル層の格子構造の全体的な転位密度を低下させ、したがって、厚いエピタキシャル層を使用して製造される集積回路の性能および信頼性を改善し得る。さらに、より厚いエピタキシャル層は、より多くのデバイスを各単位領域内に統合することを可能にすることができ、したがって、デバイス密度を増加させ、各集積回路のサイズを縮小し、および/または、より複雑な回路を製造することを可能にすることができる。各集積回路のサイズを縮小することができ、大きな基板を使用することができるため、より多くの集積回路を1つの基板上に作成することができる。さらに、加工基板は、製造された集積回路から分離することができ、新しいエピタキシャル層を成長させるために再利用することができる。したがって、各集積回路の全体的なコストを大幅に低減することができる。
【0009】
[0009]本発明のこれらのおよび他の実施形態は、その利点および特徴の多くと共に、以下の本文および添付の図面に関連してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】加工基板上に形成されたGaNエピタキシャル層を示す図である。
【
図2】加工基板上に形成された複数のGaNデバイスを含む集積回路の側断面図である。
【
図3】加工基板上に形成された例示的な集積回路を示す図である。
【
図4】異なるGaNデバイスに使用される異なるGaN層を示す図である。
【
図5】
図4の異なるGaN層を用いて異なるGaNデバイスがどのように構成されるかを示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、加工基板を使用してWBG集積回路を製造する方法を示す簡略化されたフローチャートである。
【
図7】本発明の別の実施形態による、加工基板を使用してWBG集積回路を製造する方法を示す簡略化されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0017]本発明は、一般に、加工基板を用いてワイドバンドギャップ(WBG)集積回路を製造することに関する。より詳細には、本発明は、大型の加工基板、および、エピタキシャル層の複数のグループを含む厚いWBGエピタキシャル層を使用して、窒化ガリウム(GaN)集積回路のような、高性能、高密度で低コストのWBG集積回路を製造するための方法およびシステムに関し、加工基板の熱膨張係数(CTE)は、WBGエピタキシャル層のCTEと実質的に一致する。本明細書で説明するように、本発明のいくつかの実施形態は、エピタキシャル成長によって加工基板上にソリッドステートデバイスを製造するために適用されている。方法および技術は、様々な半導体処理動作に適用することができる。以下に説明されるいくつかの実施形態においては、GaN集積回路が例として使用されるが、他のWBG集積回路が、本明細書で開示される方法および技術を使用して作製してもよいことに留意されたい。
【0012】
[0018]加工基板上のGaNエピタキシャル層
【0013】
[0019]
図1は、加工基板(ES)110上に形成されたGaNエピタキシャル層130を示す。加工基板110の製造は、窒化アルミニウム(AlN)ウェハなどの多結晶セラミックウェハ112を用いて開始することができる。様々な実施形態において、セラミックウェハ112は、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)などの他の多結晶材料を含むことができる。
【0014】
[0020]酸化物、窒化物、およびポリシリコンの層などの一連の加工層114をセラミックウェハ112上に堆積させて、加工基板110の外層を形成することができる。加工層114は、後続のGaNエピタキシャル層のための接着、欠陥管理、および拡散障壁を提供することができる。追加の酸化物層116をセラミックウェハ112の片面に堆積させることができる。酸化物層116の一部は、化学機械平坦化(CMP)プロセスを使用して研磨されて、その後のウェハボンディングのための滑らかな表面を生成することができる。
【0015】
[0021]層転写プロセスを、シリコンウェハ120を使用して実行することができる。シリコンウェハ120は、酸化物層116に付着するためのシリコン結合層122を形成するのを助けることができる、損傷界面をSi内部に作り出すために、いくつかの要素を埋め込むことができる。例えば、ともに付着されているシリコンウェハ120および酸化物層116に圧力を加えることによって、シリコンウェハ120を酸化物層116に原子結合させることができる。
【0016】
[0022]結合プロセスの後、剥離プロセスが、シリコンウェハ120内の損傷界面を活性化し、シリコン結合層122内の埋め込まれた要素を膨張させ、したがって、シリコンウェハ120の上部を加工層114を伴うセラミックウェハ112から分割することができる。酸化物層116に結合された残りのシリコン結合層122は、約5ミクロン未満のような比較的薄いものであり得、したがって、加工基板110のCTEに大きく寄与しないものであり得る。したがって、加工基板110のCTEは、セラミックウェハ112のCTEによって主に決定される。
【0017】
[0023]シリコン以外の材料を使用して、単結晶の薄い結合層を作製してもよい。これらの単結晶材料は、SiC、GaN、AlGaN、AlN、ZnO、サファイアなどを含むことができる。
【0018】
[0024]GaNエピタキシャル層130(エピタキシャル層とも呼ばれる)は、複数の層または副層をエピタキシャル成長させて、加工基板110の上にエピタキシャル構造を形成することによって形成することができる。本明細書において使用される場合、用語「層」は、同じまたは異なる材料の複数の層または副層を含む構造を含むと理解されるべきである。いくつかの実施形態では、バッファ層132をシリコン結合層122上に形成することができ、GaNエピタキシャル層130(エピタキシャル層)をバッファ層132の上に形成することができる。セラミックウェハ112およびGaNエピタキシャル層130のCTEは、互いの約0.1%、0.5%、1%、2%、5%、または10%内など、広い温度範囲(例えば、約25℃〜約1200℃)にわたって実質的に一致することができる。このCTEの一致は、亀裂または反りを生じることなく、より大きなセラミックウェハ112上により高品質のエピタキシャル層を形成することを可能にする。例えば、GaNエピタキシャル層130は、6インチ、8インチ、12インチ、またはより大きい加工基板110上に形成することができる。より大きなウェハを使用すると、ウェハ当たりのデバイス数が増加し、結果としてより安価なGaNデバイスを得ることができる。
【0019】
[0025]CTEの一致はまた、加工基板110の上に大幅により厚いGaNエピタキシャル層130(例えば、数十または数百ミクロン)を形成することも可能にする。複合エピタキシャル層は、GaNエピタキシャル層130とシリコン結合層122との間の格子構造の全体的な転位密度を減少させることができる。さらに、より多数のエピタキシャル層を使用して、より幅広いGaNデバイスのアレイのためのより複雑な回路を製造することができる。
【0020】
[0026]他の例示的に加工基板および他のエピタキシャル構造は、以下の米国特許に記載されている。これらの特許はすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:米国特許第7,358,152号明細書、米国特許第7,535,100号明細書、米国特許第6,593,212号明細書、米国特許第6,497,763号明細書、米国特許第6,328,796号明細書、米国特許第6,323,108号明細書、米国特許第9,293,678号明細書、米国特許第9,082,692号明細書、米国特許第9,269,858号明細書、米国特許第9,147,803号明細書、米国特許第9,012,253号明細書、米国特許第8,436,362号明細書、米国特許第8,729,563号明細書、および米国特許第9,166,107号明細書。
【0021】
[0027]加工基板上のGaN集積回路
【0022】
[0028]
図2は、加工基板110上に形成された複数のGaNデバイス150を含む集積回路200の側断面図である。上述したように、加工基板110とGaNエピタキシャル層130との間のCTEの一致が、より大きなウェハ上でより厚いGaNデバイスの形成を可能にする。例えば、CTEの一致は、直径152が約150ミリメートル以上(すなわち、約6インチ以上)である加工基板110上にGaNデバイス150を形成することを可能にする。CTEの一致はまた、約10ミクロン以上の厚さ154を有する複合GaNエピタキシャル層を加工基板110上に形成することを可能にする。
【0023】
[0029]より大きいウェハ直径152は、同じ基板上により多くのダイを形成することを可能にする。GaNエピタキシャル層のより大きい厚さ154は、各ダイ上により複雑な集積回路を有するより多くのGaNデバイス150を垂直方向に形成することを可能にすることができる。ウェハ直径152およびGaNエピタキシャル層の厚さ154は、様々な実施形態においてより大きくても小さくてもよい。
【0024】
[0030]GaNデバイス150A〜150Nは各々、GaNエピタキシャル層156の1つまたは複数のグループを使用して形成することができる。例えば、GaNデバイス150Aのためのエピタキシャル層156Aのグループを、バッファ層132の上に形成することができる。GaNデバイス150Aのためのエピタキシャル層156Aの上に、GaNデバイス150Bのためのエピタキシャル層156Bのグループを形成することができる。エピタキシャル層156Aおよび156Bの上に、様々な数の追加のGaNデバイスのための様々な数の追加のエピタキシャル層を形成することができる。
【0025】
[0031]エピタキシャル層156の形成後、エピタキシャル層156をGaNデバイス150Aのためのエピタキシャル層156Aまでエッチングするために、第1のエッチングプロセス158Aを実行することができる。例えば、いくつかの実施形態では、マスクは、エピタキシャル層156の左側および中央部分に配置されてもよい。次いで、エピタキシャル層156N〜156Bを通じてエピタキシャル層156Aまでエッチングするために、化学的、蒸気またはレーザエッチングプロセスなどの第1のエッチングプロセス158Aを使用することができる。
【0026】
[0032]次いで、エピタキシャル層156Aのグループの1つまたは複数の層上にメサ、相互接続および電極160Aのセットを形成することができる。例えば、メサおよび相互接続は、エピタキシャル層156Aの1つまたは複数の層まで延伸することができる。その後、電極160Aを相互接続上に形成して、エピタキシャル層156AをGaNデバイス150Aへと構成することができる。
【0027】
[0033]エピタキシャル層156をGaNデバイス150Bのためのエピタキシャル層156Bのグループまでエッチングするために、第2のエッチングプロセス158Bを実行することができる。例えば、マスクは、エピタキシャル層156の左右の側方部分に配置されてもよい。その後、ウェットエッチまたはドライエッチプロセスを使用して、エピタキシャル層156をエピタキシャル層156Bまでエッチングすることができる。GaNデバイス150Aに関して上述したように、エピタキシャル層156Bの1つまたは複数の層上にメサ、相互接続、および電極160Bの第2のセットを形成して、エピタキシャル層156BをGaNデバイス150Bへと構成することができる。エピタキシャル層156の各グループに対してエッチングプロセス158(エッチングプロセス158Nなど)ならびにメサ、相互接続、および電極の形成プロセスを繰り返して、エピタキシャル層156の各グループを使用してGaNデバイス150を形成することができる。
【0028】
[0034]相互接続162は、エッチングプロセス158およびGaNデバイス150の形成の間または後に形成され得る。例えば、相互接続162が所望されない領域上にはマスクを配置することができる。その後、異なるGaNデバイス150の電極160を接続するために、露出領域の上に相互接続162を形成することができる。例えば、相互接続162Aは、GaNデバイス150Aのための電極160Aのいくつかと、GaNデバイス150Bのための電極160Bのうちのいくつかとを接続することができる。
【0029】
[0035]同じプロセスまたは異なるプロセスにおいて、GaNデバイス150Bおよび150Nの部分上に相互接続162Bを形成して、GaNデバイス150Bの電極160Bのいくつかと、GaNデバイス150Nの電極160Nのいくつかとを接続することができる。同じプロセスまたは異なるプロセスにおいて、GaNデバイス150N上の電極160Nのいくつかを、他のGaNデバイス150上の電極に接続する相互接続162Nを形成することができる。
【0030】
[0036]いくつかの実施形態では、異なるGaNデバイス150を電気的に絶縁するために相互接続(複数可)162の下に絶縁層(複数可)163を形成するためのプロセスを、相互接続(複数可)162の形成の前に実行することができる。
【0031】
[0037]エピタキシャル層156A〜156Nの各グループは、nまたはpドープ領域の異なる組み合わせを有する異なるタイプの単極または双極GaNデバイスを形成することができる。エピタキシャル層156は、電子デバイス、光電子デバイス、パワーデバイス、または高周波(RF)デバイスの様々な組み合わせを形成することができる。
【0032】
[0038]いくつかの実施形態では、「選択的エピタキシャル」プロセスを、上述のエピタキシャル後エッチングプロセス158A、158B、...、および158Nの代替として採用して、代替的なNデバイスエピタキシャル構造を形成してもよい。例えば、1つの選択的エピタキシャルプロセスにおいて、GaNデバイス150Aのエピタキシャル層の第1のグループ(epi#1)を堆積した後、ウェハの表面の領域を組織的なパターンによってマスクして、マスクされた領域上への後続のGaN堆積を防止することができる。
【0033】
[0039]ウェハがマスクされている間に、GaNデバイス150Bのエピタキシャル層の第2のグループ(epi#2)をepi#1上に堆積することができる。epi#1の表面上のマスク領域はepi#2の堆積をまったく受けない。この選択的エピタキシャル堆積プロセスは、
図2に示すエピタキシャル層のN個のグループ(epi#1、epi#2、...、およびepi#Nを含む)を有するメサ構造を生成するために反復して実行することができる。電極160、絶縁層163、および相互接続162は、反復的な選択的エピタキシャル堆積プロセスの間または完了後に形成することができる。
【0034】
[0040]例示的な集積回路およびその製造
【0035】
[0041]
図3は、
図2に示すGaNエピタキシャル層156を用いて加工基板上に形成された1つの例示的な集積回路300を示す。この例では、GaNデバイス150Aのためのエピタキシャル層のグループは、ワイドバンドギャップ(WBG)電界効果高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成することができ、GaNデバイス150Bのエピタキシャル層のグループは、発光ダイオード(LED)を形成することができる。HEMT(GaNデバイス150A)は、ソース170と、ゲート172と、ドレイン174とを含む。LED(GaNデバイス150B)は、nドープカソード178、および、HEMT(GaNデバイス150A)のドレイン174に接続されたpドープアノード176を含む。
【0036】
[0042]
図4は、
図3の集積回路300を形成するための例示的なGaNエピタキシャル層130における異なるGaNデバイスに使用される異なるGaN層を示す。ここでも、これはほんの一例に過ぎず、他のアーキテクチャもHEMT(GaNデバイス150A)およびLED(GaNデバイス150B)を形成することができる。HEMTのためのエピタキシャル層の典型的なグループは、バッファ層132上に形成された非ドープGaN層180と、GaN層180上に堆積された窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層184とを含むことができる。分極誘起伝導帯湾曲の結果として、2次元電子ガス(2DEG)がAlGaN層184の下に形成され得る。GaNキャップ層186を、AlGaN層184の上の保護層として形成することができる。
【0037】
[0043]HEMT(GaNデバイス150A)とLED(GaNデバイス150B)との間の電気的絶縁を提供するために、GaNキャップ層186の上に任意選択の絶縁GaN層188を形成することができる。絶縁GaN層188によって、HEMTのためのエピタキシャル層のグループを露出させる際のオーバーエッチングに対する保護を提供することもできる。
【0038】
[0044]LED(GaNデバイス150B)のためのGaNエピタキシャル層グループは、HEMTのためのエピタキシャル層グループの上に形成され得る。例えば、n型GaN(N−GaN)層190は、絶縁GaN層188上に形成することができる。GaNおよび窒化インジウムガリウム(InGaN)の複数の層を有する活性領域が、活性多重量子井戸(MQW)層192を形成することができる。次の動作は、MQW層192の上に電流遮断窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層194を形成し、AlGaN層194上にp型GaN(P−GaN)層196を形成することができる。
【0039】
[0045]N−GaN層190およびP−GaN層196にわたって電圧を印加することにより、キャリアをMQW層192に注入し、発光させることができる。一例では、HEMT(GaNデバイス150A)およびLED(GaNデバイス150B)を形成するエピタキシャル層のグループは各々、厚さが約5または6μmまでである。一例では、P−GaN層196、AlGaN層194、およびMQW層192の組み合わせの厚さは、約0.5μmである。
【0040】
[0046]
図5は、集積回路300の次の製造段階において、
図4の異なるGaN層を使用して異なるGaNデバイスがどのように構成されるかを示す。次の製造段階は、集積回路300の左側の横断面にわたってハードマスクを使用することができる。エッチングプロセス158Aは、LED(GaNデバイス150B)のエピタキシャル層の右側横断面を通じてGaNキャップ層186までエッチングすることができる。メサ193を、非ドープGaN層180までエッチングすることができ、埋め込みコンタクト195を、メサ193内に形成することができる。
【0041】
[0047]次の処理動作が、HEMT(GaNデバイス150A)とLED(GaNデバイス150B)との間のメサ
201を、加工基板110へと垂直にエッチングすることができる。誘電体材料が、メサ
201を被覆して、HEMT(GaNデバイス150A)とLED(GaNデバイス150B)との間で横方向の電気的絶縁を可能にすることができる。次の処理動作は、埋め込みコンタクト195上にソース電極164Aおよびドレイン電極164Cを構築し、GaNキャップ層186上にゲート電極164Bを構築することができる。
【0042】
[0048]HEMTデバイスのタイプに応じて、処理操作は、別のメサをエッチングし、ゲート電極164Bの下に別の埋め込みコンタクトをAlGaN層184まで形成することができる。金属−絶縁体−半導体(MIS)HEMTデバイスを形成するために、追加の誘電体層をゲート電極164BとGaNキャップ層186との間に堆積させることができる。
【0043】
[0049]次の処理動作は、LED(GaNデバイス150B)のためのエピタキシャル層のグループのN−GaN層190までメサ198をエッチングし、メサ198内に埋め込みn型コンタクト202を形成することができる。メサ198の側壁は、例えば酸化ケイ素などの絶縁材料によって被覆することができる。次に、埋め込みn型コンタクト202上にn型電極164E(カソード)を形成し、P−GaN層196上にp型電極164D(アノード)を形成するための処理操作を行うことができる。
【0044】
[0050]次いで、処理操作は、ルーティング層を介してp型電極164Dに接続するために、P−GaN層196の上にp型コンタクト相互接続を形成することができる。p型電極164Dおよび/またはp型コンタクト相互接続は、LEDデバイスのために選択された最終デバイスアーキテクチャに応じて、透過性であってもよく、または高反射性であってもよい。次の処理動作は、HEMT(GaNデバイス150A)のドレインをLED(GaNデバイス150B)のp型電極164D(アノード)に接続するためのドレイン電極164Cおよびp型電極164Dの上の相互接続162Aを形成することができる。様々な実施形態では、相互接続162Aの下に絶縁層163を形成するための処理操作を行うこともできる。
【0045】
[0051]相互接続162Aの形成後、HEMT(GaNデバイス150A)およびLED(GaNデバイス150B)を含む集積回路300は、例えばバッファ層132において加工基板110から分離することができ、分離された加工基板は、さらなるデバイスを製造するために後に再利用することができ、これによってデバイスの製造コストがさらに低減する。分離された集積回路300は、加工基板110が分離されている非ドープGaN層180に、または、その近傍に粗面を有することができる。蛍光体によってドープされたシリコーン材料の層を、集積回路300を封入するために粗面に被着させることができる。
【0046】
[0052]集積回路300の動作中、HEMT(GaNデバイス150A)のソース電極164AおよびLED(GaNデバイス150B)のn型電極164Eにわたってバイアス電圧を印加することができる。HEMTのゲート電極164Bに活性化電圧を印加して、ソース電極164Aからのバイアス電圧をLEDのp型電極164Dに接続し、光を放出するMQW層192内の電子を励起することができる。HEMTのためのGaNエピタキシャル層のグループは、MQW層192から放射される光に対して実質的に透過性であってもよい。光は、反転GaN層180上に形成されたシリコーン層へと直接出射するか、または高反射性のp型電極および/もしくはp型コンタクト相互接続によってシリコーン層へと反射され得る。光は、シリコーン層中の蛍光体を励起し、これによって、MQW層192から放出される光を、異なる波長でLED(GaNデバイス150B)から出力する光に変換することができる。
【0047】
[0053]別の例では、集積回路アーキテクチャは、サファイアまたはSiCなどの異なる単結晶層122を使用することができる。
【0049】
[0055]
図6は、本発明の一実施形態による、加工基板を使用してGaN集積回路のようなWBG集積回路を製造する方法600を示す簡略化されたフローチャートである。方法600は、602において、バルク材料上に加工基板を形成することを含むことができる。バルク材料は、
図1に関して上述したセラミックウェハ112のような多結晶基板を含むことができる。加工基板は、上述した加工層114など、多結晶基板を封入する1つまたは複数の外側加工層を含むことができる。
【0050】
[0056]方法600はさらに、604において、加工基板上にWBGエピタキシャル層(例えば、GaNエピタキシャル層)を形成することを含むことができる。バルク材料は、バルク材料およびWBGエピタキシャル層のCTEが、広い温度範囲(例えば、約25℃〜約1200℃)にわたって互いの約0.1%、0.5%、1%、2%、5%または10%以内になり得るように、WBGエピタキシャル層のCTEと一致するCTEを有することができる。WBGエピタキシャル層は、
図2に関して上述したように、エピタキシャル層の複数のグループを含むことができる。
【0051】
[0057]方法600はまた、606において、複数のエピタキシャル層グループをエッチングして、複数のエピタキシャル層グループの各グループの少なくとも一領域を露出させることを含むことができる。エッチングプロセスは、例えば、N個のエピタキシャル層グループ(グループ1〜グループN)に対する反復N−1ステッププロセスであってもよい。例えば、第1の処理ステップの間に、グループ2−Nのエピタキシャル層の領域をエッチングして、グループ1のエピタキシャル層の領域を露出させることができる。第2の処理ステップの間に、グループ3−Nのエピタキシャル層の領域をエッチングして、グループ2のエピタキシャル層の領域を露出させることができる。この処理ステップを繰り返して、グループ3〜N−1の各グループのエピタキシャル層の領域を露出させることができる。
【0052】
[0058]方法600は、608において、
図2および
図5に関連して上述したように、複数のエピタキシャル層グループの各グループの露出領域内に内部相互接続および電極を形成して、エピタキシャル層の各グループを複数のWBGデバイス(例えば、GaNデバイス)のうちの1つのWBGデバイスへと構成することをさらに含むことができる。
【0053】
[0059]方法600は、610において、
図2および
図5に関して上述したように、複数のWBGデバイスの異なるWBGデバイスの電極間に外部相互接続を形成して集積回路を形成することをさらに含むことができる。
【0054】
[0060]
図6に示される特定のステップは、本発明の一実施形態による加工基板構造を処理する特定の方法を提供することが留意されるべきである。代替の実施形態によれば、他の一連のステップを実行することもできる。例えば、本発明の代替の実施形態は、上に概説したステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、
図6に示す個々のステップは、個々のステップにとって適切であるような様々なシーケンスで実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加のステップを追加することができ、かつ/または、特定のステップを削除することができる。例えば、方法600は、エピタキシャル層の複数のグループを形成する前に、加工基板上にバッファ層を形成すること、および、形成された集積回路を加工基板から分離することも含むことができる。当業者であれば、多くの変形、修正、および代替形態を認識するであろう。
【0055】
[0061]
図7は、本発明の別の実施形態による、加工基板を使用してGaN集積回路のようなWBG集積回路を製造する方法700を示す簡略化されたフローチャートである。方法700は、702において、バルク材料上に加工基板を形成することを含むことができる。バルク材料は、
図1に関して上述したセラミックウェハ112のような多結晶基板を含むことができる。加工基板は、上述した加工層114など、多結晶基板を封入する1つまたは複数の外側加工層を含むことができる。
【0056】
[0062]方法700はさらに、704において、加工基板上にWBGエピタキシャル層(例えば、GaNエピタキシャル層)を形成することを含むことができる。バルク材料は、バルク材料およびWBGエピタキシャル層の熱膨張係数(CTE)が、広い温度範囲(例えば、約25℃〜約1200℃)にわたって互いの約0.1%、0.5%、1%、2%、5%または10%以内になり得るように、WBGエピタキシャル層のCTEと一致するCTEを有することができる。WBGエピタキシャル層は、
図2に関して上述したように、エピタキシャル層の複数のグループを含むことができる。複数のエピタキシャル層グループの形成中に、加工基板上に以前に形成されている各エピタキシャル層グループの領域をマスクして、後続のエピタキシャル層グループが、以前に形成されているエピタキシャル層グループのマスクされた領域上に形成されることを防止することができる。このようにして、電気的接続を形成するために各エピタキシャル層グループの少なくとも一領域を露出させることができる。
【0057】
[0063]方法700はまた、706において、
図2および
図5に関連して上述したように、複数のエピタキシャル層グループの各グループのマスクされた領域内に内部相互接続および電極を形成して、エピタキシャル層の各グループを複数のWBGデバイス(例えば、GaNデバイス)のうちの1つのWBGデバイスへと構成することをさらに含むことができる。
【0058】
[0064]方法700は、708において、
図2および
図5に関して上述したように、複数のWBGデバイスの異なるWBGデバイスの電極間に外部相互接続を形成して集積回路を形成することをさらに含むことができる。
【0059】
[0065]
図7に示される特定のステップは、本発明の一実施形態による加工基板構造を処理する特定の方法を提供することが留意されるべきである。代替の実施形態によれば、他の一連のステップを実行することもできる。例えば、本発明の代替の実施形態は、上に概説したステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、
図7に示す個々のステップは、個々のステップにとって適切であるような様々なシーケンスで実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加のステップを追加することができ、かつ/または、特定のステップを削除することができる。例えば、方法700は、WBGエピタキシャル層の複数のグループを形成する前に、加工基板上にバッファ層を形成すること、および、形成された集積回路を加工基板から分離することも含むことができる。当業者であれば、多くの変形、修正、および代替形態を認識するであろう。
【0060】
[0066]また、本明細書に記載された実施例および実施形態は、説明の目的のみのものであり、それに照らして様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求項の範囲内に含まれるべきであることも理解される。