【実施例】
【0021】
以下、添付図面に従って実施例を挙げるが、釣り針の位置・向きを分かりやすくするために、図面では餌を省略して説明する。また、本発明はハリスを係止するための係止部材に接続しても使用できる。ここで言う係止部材には道糸や幹糸、及び道糸や幹糸に係止するための両端がリングで回転自由の金具(サルカン)・天秤と呼ばれる支持具・魚の引きを緩和するクッションゴムなどの部材が含まれる。
【0022】
図1a)の第一の実施例である釣り仕掛け構造101は、釣り針6を有し、釣り針6のハリス挿通孔7にハリス3が挿通され、釣り針6をハリス3の一端4側に配置する構成である。この構成とすることで、釣り針6はハリス3を軸に回動自在となる。
更に、釣り針6とハリス3の一端4の間に第一ストッパー1を備える。
この第一ストッパー1は、ハリス3が結束された結び目とすることで容易に構成できるが、ハリス3を結び付ける具材や、ハリス3を挟み込む具材にて構成してもよい。
すなわち、第一ストッパー1は、釣り針6がハリス3の一端4から脱落することを防止する。この時、釣り針6のハリス挿通孔7に対して、
図2a)に示す矢印25の方向からハリス3の他端5を挿通し、針先12を他端5側に向けている。
【0023】
図1b)の第二の実施例である釣り仕掛け構造102は、釣り針6のハリス挿通孔7に対して、
図2a)に示す矢印24の方向からハリス3の他端5を挿通し、針先12を第一ストッパー1側に向けている構成であり、その他の構成は
図1a)の第一の実施例と同様である。
第一の実施例及び第二の実施例に示す釣り仕掛け構造101及び102は、共に、ハリス挿通孔7に挿通したハリス3を軸として釣り針6を回動自在とする構造であり、この様な構成とすることにより、水の流れによって常に魚の口先に釣り針6の針先12を近づけることができる。
また、
図2a)及び
図2b)に示す釣り針6を使用した場合に、釣り仕掛け構造101及び102のように釣り針6の針先12の向きを2つの角度(釣り仕掛け構造101を0度とした場合、釣り仕掛け構造102は180度)で構成することができるが、釣り針6のハリス挿通孔7に対する針先12の角度が90度異なる釣り針を使用することで、水中の針先12の方向を横(90度)にすることも可能である。更にこの時の針先12の向きを0度〜90度とすることで、様々な針先12の角度を得られることが出来る。よって、本発明は釣り針の針先の角度を変えることが出来るため、狙っている魚の口の特徴に合わせ、魚の口のどの部分に針掛かりさせるのかを選択することが出来る。
【0024】
図3の第三の実施例である釣り仕掛け構造103は、釣り針6及び9の2本の釣り針を有し、この2本の釣り針のハリス挿通孔7及び10にハリス3が挿通され、釣り針9をハリス3の一端4側に、釣り針6を釣り針9よりハリス3の他端5側に配置する構成である。この構成とすることで、釣り針6及び9はハリス3を軸に回動自在となる。
更に、釣り針9とハリス3の一端4との間に第一ストッパー1を備え、更には、ハリス3上に第一ストッパー1から釣り針6及び9が離れるのを規制する第二ストッパー2を備えるので、釣り針6及び9の移動が規制されることになる。
すなわち、第一ストッパー1は、釣り針6及び9がハリス3の一端4から脱落することを防止し、第二ストッパー2は、釣り針6及び9が第一ストッパー1から大きく離れるのを規制するので、釣り針6及び9は第一ストッパー1近くに留まり、近接した状態を維持し回動できる。この第一ストッパー1及び第二ストッパー2は、ハリス3が結束された結び目とすることで容易に構成できるが、ハリス3を結び付ける具材や、ハリス3を挟み込む具材にて構成してもよい。
更には、第一ストッパー1と第二ストッパー2との間隔は、水の流れの乱れによって2本の釣り針が離れても、元の位置に収まりやすい距離として、50cm以下の間隔をもって配置することが適しており、特に5cm以下とすることが、釣り針の回動しやすさ・2本の釣り針を針掛かりさせる・餌の係止しやすさなどから最適である。
この第三の実施例は、1本のハリスに装着する釣り針を2本にする構成であり、釣り針に掛かる魚の引きが2本に分散でき、釣り針の軸が伸びにくくなり魚が外れない。釣り針の軸が伸びにくくなるので、魚が吸い込み易い小さい釣り針が使用できる。
また、アジなどの口が切れて釣り針が外れやすい魚の場合は、アジの口に掛かる力も2個所に分散されるのでアジの口が切れずに釣ることが出来る効果もある。
それでも、2本の釣り針の軸が伸びたり、アジの口が切れる場合は、さらに釣り針を増やすことで対応できる。複数本の釣り針の一部に擬餌針を使用することで餌が不要ともなる。別の局面である、魚が撒き餌を捕食し、空腹でなくなった時など、魚の活性が下がり、餌を係止した釣り針全体を飲み込まず、口先だけで少しくわえるようになった場合でも、釣り針が2本なので魚の口先に当たる確率も上がり、魚が口先だけでくわえた結果、1本の釣り針だけが針掛かりし、魚が逃げようと泳ぐと、回動出来る近接した2本目の釣り針も針掛かりする効果もある。また、第三の実施例においても、第一の実施例及び第二の実施例に示したように、釣り針6及び9のそれぞれの針先12の角度を任意に変えることが出来るのは当然である。
【0025】
図6の第四の実施例である胴付き仕掛け構造104は、幹糸22の一端に錘21を有し、この幹糸22上に一定の間隔を空けて3つの釣り仕掛け構造103の他端5を接続部23にてそれぞれ係止したものである。この時、胴付き仕掛け構造104の接続部23は、
図3に示す第二ストッパー2である。同様に、錘21を有しない構造である吹き流し仕掛け構造(図示せず)にも同様に適用できるが説明を省略する。
【0026】
図7の第五の実施例である釣り仕掛け構造105は、
図1a)に示す釣り仕掛け構造101の第一ストッパー1と釣り針6との間にハリス3が挿通されたリング状部材31を備えたものである。第一ストッパー1はハリス3を結束した結び目とするのが容易であるが、第一ストッパー1に凸凹が出来てしまうことがあり、第一ストッパー1と釣り針6との摩擦や引っ掛かりの原因となる。リング状部材31が第一ストッパー1と釣り針6との摩擦や引っ掛かりを軽減し、釣り針6がさらに回動しやすくなり、より魚の口先に近づき、釣り針6が針掛かりしやすい。
更には、流れのない水中では魚が餌の付いた釣り針6を捕食しようと口を開ければ、水も魚の口に吸い込まれるが、釣り針6が回動しやすいので、魚の口に吸い込まれる小さな水流でもより魚の口先に近づきやすく針掛かりしやすくなる。
また、釣り針の軸が太いものは釣り針のハリス挿通孔の径を小さく成形するのが難しくなるため、ハリスを結束した結び目の第一ストッパーでは脱落しやすくなるが、釣り針のハリス挿通孔の径が大きくても、その径がリング状部材の外径未満であれば、脱落することはない。(この時各々の径の大きさは、リング状部材の内径<第一ストッパーの直径<釣り針の挿通孔の径<リング状部材の外径となる)
ここで述べたリング状部材は、金属の線材をリング状にした部材または金属の円板でハリス挿通孔を有した部材で、且つ外径は5mm以下が適している。樹脂やガラスなどの材料でリング状部材とする場合は、強度を持たせるために厚さを厚くする必要があり、球体に近づく。その場合は、魚に対し目立ち、魚にかじられて欠損しやすいので外径3mm以下が適切であり、すなわち、釣り針のハリス挿通孔の径は3mm未満が好適である。