【文献】
Sharp,NR System Information Areas for Other SI,3GPP TSG-RAN WG2#95bis R2-166353,2016年09月30日
【文献】
Samsung (Email Rapporteur),Report of email discussion on [94#40][NR] System information,3GPP TSG-RAN WG2#95 R2-165201,2016年08月12日
【文献】
Huawei, HiSilicon,Delivery of "Other SI" in NR,3GPP TSG-RAN WG2#95bis R2-166203,2016年10月01日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セルからターゲットセルに対して前記ユーザ装置のハンドオーバを行う場合において、前記制御部は、前記ターゲットセルが提供する第2のシステム情報ブロックを含むハンドオーバコマンドを前記基地局から取得する
請求項1に記載のユーザ装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最小限システム情報以外のシステム情報(以下、「オンデマンドシステム情報」と称する)は、セルごとに異なり得る。このため、無線端末が一のセルから他のセルに移動する度に、無線端末が移動先のセルに対してオンデマンドシステム情報の提供を要求し得る。基地局は、オンデマンドシステム情報をブロードキャストで提供し得る。よって、オンデマンドのシステム情報の提供を導入することにより、システム情報の提供の効率性及び/又は即時性が却って低下する懸念がある。
【0012】
(1)第1実施形態
第1実施形態について説明する。第1実施形態に係る移動通信システムは、3GPP規格に基づく5G移動通信システムである。
【0013】
(1.1)移動通信システム
図1は、移動通信システムを示す図である。
図1に示すように、移動通信システムは、無線端末(UE:User Equipment)100、複数の基地局200(基地局200−1乃至200−3)、及びコアネットワーク(CN)300を有する。
【0014】
UE100は、移動型の通信装置である。UE100は、自身が在圏するセル(サービングセル)を管理するgNB200との無線通信を行う。
【0015】
複数の基地局200は、無線アクセスネットワーク(RAN)を構成する。各基地局200は、1又は複数のセルを管理する。各基地局200は、自セルとの接続を確立した無線端末100との無線通信を行う。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、無線端末100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられてもよい。5G移動通信システムの基地局は、gNB(next Generation Node−B)と称される。一のgNBと他のgNBとの間には基地局間インターフェイスが設けられる。各gNBは、基地局間インターフェイスを介して他のgNBとの通信を行う。
【0016】
CN300は、UE100のモビリティ管理及びユーザデータの転送制御等を行う。CN300と各gNB200との間にはRAN−CNインターフェイスが設けられる。CN300は、RAN−CNインターフェイスを介して各gNB200との通信を行う。
【0017】
図1に示す例において、gNB200−1はセルAを管理する。gNB200−2はセルBを管理する。gNB200−3はセルCを管理する。各gNB200は、さらに1以上のビーム(不図示)を管理してもよい。各gNB200は、自セルに在圏するUE100に対してシステム情報を提供する。UE100は、セルA、セルB、及びセルCの順に移動する。
【0018】
第1実施形態において、システム情報を効率的に無線端末に提供するために、システム情報を最小限システム情報(第1のシステム情報)とそれ以外のシステム情報(第2のシステム情報)とに分類する。各gNB200は、最小限システム情報を周期的にブロードキャストし、それ以外のシステム情報であるオンデマンドシステム情報をUE100からの要求に応じてオンデマンドで提供する。以下において、システム情報をシステム情報ブロック(SIB)と表記する。
【0019】
セルでブロードキャストされる最小限SIBは、UE100が当該セルにアクセスするために必要な情報を含む。そのような情報は、例えば物理ランダムアクセスチャネルの設定情報等を含む。最小限SIBは、UE100がオンデマンドSIBを取得するために必要な情報(例えばスケジューリング情報等)を含んでもよい。最小限SIBは、オンデマンドSIBの提供を要求する要求信号の設定情報を含んでもよい。最小限SIBは、必須SIBと称されてもよい。
【0020】
オンデマンドSIBは、最小限SIB以外のSIB(other IS)を含む。そのようなSIBは、個別機能(個別サービス)向けのSIBであってもよい。一例として、オンデマンドSIBは、端末間(D2D:Device−to−Device)通信用のSIB、ブロードキャスト/マルチキャスト通信用のSIB、PWS(Public Warning System)用のSIB等を含む。これらのSIBは、SIBの識別子により一意に識別可能であってもよい。オンデマンドSIBは、任意SIBと称されてもよい。
【0021】
オンデマンドSIBは、ブロードキャスト又はユニキャストで提供される。
図2は、ブロードキャストで提供されるオンデマンドSIBの一例を示す図である。
図2に示すように、オンデマンドSIBの送信機会が周期的に設定される。gNB200は、UE100から要求を受信した場合に、当該要求の後の送信機会においてオンデマンドSIBをブロードキャストする。gNB200は、一の送信機会とその次の送信機会との間でUE100から要求を受信しない場合には、当該次の送信機会においてオンデマンドSIBを送信しない。これにより、無線リソース及び基地局の電力等を節約することができる。
【0022】
(1.2)無線端末
図3は、UE100を示す図である。
図3に示すように、UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を有する。受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサとPU(Central Processing Unit)とを含む。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。プロセッサは、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサは、後述する各種の処理を実行する。
【0023】
第1実施形態において、受信部110は、最小限SIBをgNB200(サービングセル)から受信する。制御部130は、gNB200に要求を行うことにより、オンデマンドSIBをgNB200(サービングセル)から取得する。制御部130は、オンデマンドSIBをUE100が適用可能なエリアを示すエリア情報を、オンデマンドSIBと共にgNB200(サービングセル)から取得する。第1実施形態において、エリア情報は、オンデマンドSIBに含まれる。
【0024】
第1実施形態において、オンデマンドSIBをUE100が適用可能なエリア(以下、「適用可能エリア」と称する)は、現在のサービングセルを含む複数のセルからなる。エリア情報は、当該複数のセルの識別子のリスト(セル識別子リスト)を含む。さらに、適用可能エリアは、サービングビームを含む複数のビームから構成されてもよく、各ビームにはビームの識別子が割り当てられてもよい。当該ビーム識別子が、前記セル識別子リストに含まれていてもよい。
【0025】
第1実施形態において、制御部130は、UE100が適用可能エリア外の他セルに移動したか否かを判定する。一例として、制御部130は、UE100の移動先のセルごとに、当該セルのセル識別子を検知し、検知したセル識別子がセル識別子リスト中の何れかのセル識別子と一致するか否かを確認し、一致しない場合には当該移動先のセルが適用可能エリア外であると判定する。制御部130は、UE100が適用可能エリア外の他セルに移動したと判定したことに応じて、当該他セルのオンデマンドSIBの提供を当該他セルに要求してもよい。
【0026】
第1実施形態において、制御部130は、オンデマンドSIBに対応付けられたタグ番号をgNB200(サービングセル)から取得してもよい。制御部130は、取得したタグ番号に基づいて、適用可能エリア内の他セルから更新後のオンデマンドSIBが提供されるか否かを判定し、当該他セルから更新後のオンデマンドSIBが提供されると判定したことに応じて、当該他セルから更新後のオンデマンドSIBを取得してもよい。
【0027】
(1.3)基地局
図4は、gNB200を示す図である。
図4に示すように、gNB200は、送信部210、受信部220、及び制御部230を有する。gNB200は、バックホール通信部240を有してもよい。送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。制御部230は、gNB200における各種の制御を行う。制御部230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサとCPUとを含む。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うと、CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。プロセッサは、上述した各種の処理及び後述する各種の処理を実行する。バックホール通信部240は、RAN−CNインターフェイスを介してCN300と接続される。バックホール通信部240は、基地局間インターフェイスを介して隣接基地局(不図示)と接続されてもよい。制御部230、送信部210、受信部220のうち一部の機能が別ユニットに配置されていてもよく、この場合、当該別ユニットとgNB200の間はフロントホール通信によって接続される。
【0028】
第1実施形態において、送信部210は、UE100が自セルにアクセスするために必要な情報を含む最小限SIBを周期的にブロードキャストする。制御部230は、最小限SIB以外のSIBを含むオンデマンドSIBを、UE100からの要求に応じてUE100に提供する。制御部230は、オンデマンドSIBをUE100が適用可能な適用可能エリアを示すエリア情報を、オンデマンドSIBと共にUE100に提供する。
【0029】
第1実施形態において、送信部210が送信する最小限SIBは、最小限SIB以外の特定のSIBをgNB200が提供するか否かを示す情報及び特定のSIBに対応付けられたタグ番号のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0030】
(1.4)動作シーケンス
図5は、第1実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。以下の図面の記載において、オンデマンドSIBを「Other SIB」と表記する。ここでは、UE100が、gNB200−1のセルAでオンデマンドSIBを受信し、その後、gNB200−2のセルBに移動するシナリオを想定する。但し、セルA及びセルBが異なるgNBにより管理されるのではなく、セルA及びセルBが同一のgNBにより管理されるシナリオを想定してもよい。
【0031】
図5に示すように、ステップS101において、UE100は、オンデマンドSIB(Other SIB)を取得する必要が生じたことを検知する。一例として、UE100は、自身の上位レイヤ(例えばアプリケーションレイヤ等)が特定サービスの利用を要求することを検知する。当該特定サービスは、オンデマンドSIB(Other SIB)に関連するサービスである。
【0032】
ステップS102において、UE100は、オンデマンドSIB(Other SIB)を取得する必要が生じたことに応じて、オンデマンドSIB(Other SIB)の提供を要求する要求信号(Other SIB request)をgNB200−1に送信する。要求信号(Other SIB request)は、UE100が提供を要求するSIBの識別子を含んでもよい。
【0033】
ステップS103において、gNB200−1は、要求信号(Other SIB request)の受信に応じて、オンデマンドSIB(Other SIB)をUE100に提供する。gNB200−1は、ブロードキャスト又はユニキャストでオンデマンドSIB(Other SIB)を提供する。gNB200−1は、要求信号(Other SIB request)に含まれる識別子に対応するSIB(すなわち、UE100が要求するSIB)を含むオンデマンドSIB(Other SIB)を提供してもよい。gNB200−1は、最小限SIB以外の全ての利用可能なSIBを含むオンデマンドSIB(Other SIB)を提供してもよい。
【0034】
gNB200−1は、オンデマンドSIB(Other SIB)と共に、当該オンデマンドSIB(Other SIB)を適用可能なセル識別子のリスト(Applicable Cell−ID list)を提供する。リスト(Applicable Cell−ID list)は、オンデマンドSIB(Other SIB)中のSIBごとに提供されてもよい。一例として、SIBxxに対応するリスト(Applicable Cell−ID list)及びSIByyに対応するリスト(Applicable Cell−ID list)が提供される。
【0035】
gNB200−1は、オンデマンドSIB(Other SIB)と共に、当該オンデマンドSIB(Other SIB)と対応付けられたタグ番号(Value Tag)を提供してもよい。タグ番号(Value Tag)は、対応するSIBの更新に応じて更新される番号である。タグ番号(Value Tag)は、オンデマンドSIB(Other SIB)中のSIBごとに提供されてもよい。一例として、SIBxxに対応するタグ番号(Value Tag)及びSIByyに対応するタグ番号(Value Tag)が提供される。
【0036】
ステップS104において、UE100は、gNB200−1から提供されたオンデマンドSIB(Other SIB)を記憶する。オンデマンドSIB(Other SIB)は、複数のSIBを含み得る。UE100は、記憶したオンデマンドSIBを用いて特定サービス(又は特定機能)を利用する。
【0037】
その後、UE100は、gNB200−1のセルAからgNB200−2のセルBに移動する。
【0038】
ステップS105において、gNB200−2は、最小限SIBをブロードキャストする。最小限SIBは、セルBのセル識別子を含んでもよい。最小限SIBは、オンデマンドSIB(Other SIB)に関する情報(Other SIB Information)を含んでもよい。当該情報(Other SIB Information)は、gNB200−2がオンデマンドSIBを提供するか否か(Available or not)及びオンデマンドSIB(Other SIB)に対応付けられたタグ番号(Value Tag)のうち少なくとも1つを含む。当該情報(Other SIB Information)は、オンデマンドSIB(Other SIB)中のSIBごとに提供されてもよい。一例として、SIBxxに対応する情報(Available or not)及びタグ番号(Value Tag)と、SIByyに対応する情報(Available or not)及びタグ番号(Value Tag)とが提供される。UE100は、gNB200−2から最小限SIBを受信する。当該情報(Other SIB Information)は、最小限SIB以外の情報又はメッセージに含まれてもよい。
【0039】
ステップS106において、UE100は、記憶しているオンデマンドSIB(Other SIB)をセルBにおいて利用可能であるか否かを判定する。具体的には、UE100は、セルBのセル識別子を、記憶している各リスト(Applicable Cell−ID list)中のセル識別子と比較し、一致するか否かを判定する。ここでは、一致すると判定した場合(ステップS106:Yes)を想定して説明を進める。
【0040】
セルBのセル識別子が何れかのリスト(Applicable Cell−ID list)中のセル識別子と一致しない場合(ステップS106:No)、UE100は、セルBにおいて受信した情報(Available or not)に基づいて、当該リストに対応するオンデマンドSIB(Other SIB)がセルBにおいて提供されるか否かを判定してもよい。当該オンデマンドSIB(Other SIB)がセルBにおいて提供されると判定した場合、UE100は、当該オンデマンドSIB(Other SIB)の提供をgNB200−2(セルB)に要求してもよい。
【0041】
ステップS107において、UE100は、記憶しているオンデマンドSIB(Other SIB)に関する情報、例えばタグ番号(Value Tag)を読み出す。
【0042】
ステップS108において、UE100は、読み出したタグ番号(Value Tag)を、セルBにおいて受信したタグ番号(Value Tag)と比較し、一致するか否かを判定する。一致する場合(ステップS108:Yes)、UE100は、セルAにおいて取得したオンデマンドSIB(Other SIB)をセルBにおいて用いることが可能であると判定する。
【0043】
一致しない場合(ステップS108:No)、ステップS109において、UE100は、オンデマンドSIB(Other SIB)の提供を要求する要求信号(Other SIB request)をgNB200−2(セルB)に送信する。要求信号(Other SIB request)は、UE100が提供を要求するSIBの識別子を含んでもよい。
【0044】
ステップS110において、gNB200−2は、要求信号(Other SIB request)の受信に応じて、オンデマンドSIB(Other SIB)をUE100に提供する。gNB200−2は、ブロードキャスト又はユニキャストでオンデマンドSIB(Other SIB)を提供する。gNB200−2は、要求信号(Other SIB request)に含まれる識別子に対応するSIBを含むオンデマンドSIB(Other SIB)を提供してもよい。gNB200−2は、最小限SIB以外の全ての利用可能なSIBを含むオンデマンドSIB(Other SIB)を提供してもよい。
【0045】
(1.5)変更例1
第1実施形態の変更例1において、gNB200(制御部230)は、オンデマンドSIBの適用可能エリア外の他セル(例えば隣接セル)が提供するオンデマンドSIBをUE100に提供する。以下において、他セルが提供するオンデマンドSIBを「隣接セル・オンデマンドSIB」と称する。UE100(制御部130)は、隣接セル・オンデマンドSIBをgNB200から取得する。
【0046】
gNB200(制御部230)は、隣接セル・オンデマンドSIBを、当該他セルを管理するgNBから基地局間インターフェイスを介して取得してもよい。UE100に提供される隣接セル・オンデマンドSIBは、当該他セルのセル識別子を含んでもよい。
【0047】
gNB200(制御部230)は、自セルのオンデマンドSIBの提供と同時に隣接セル・オンデマンドSIBをUE100に提供してもよいし、自セルのオンデマンドSIBの提供とは異なるタイミングで隣接セル・オンデマンドSIBをUE100に提供してもよい。別タイミングで行う場合は、その旨をUE100に通知してもよい。
【0048】
図6は、第1実施形態の変更例1の動作シーケンスの一例を示す図である。
図6において破線で示す処理は、必須ではない処理を示す。
図6において、gNB200−2のセルBが、gNB200−1のセルAの隣接セルであるシナリオを想定する。
【0049】
図6に示すように、ステップS121において、gNB200−1及びgNB200−2は、自身が有するオンデマンドSIB(Other SIB)を基地局間インターフェイス上で相互に通知してもよい。
【0050】
ステップS122において、UE100は、オンデマンドSIBの提供を要求する要求信号(Other SIB request)をgNB200−1に送信する。UE100は、UE100の移動速度を示す値(例えば、単位時間内のセル間移動回数)が閾値を上回る場合のみ、隣接セル・オンデマンドSIBの提供を要求する要求信号の送信が許可されてもよい。この場合、閾値は、gNB200−1からUE100に設定されてもよい。
【0051】
要求信号(Other SIB request)は、隣接セル・オンデマンドSIBの提供を要求する旨の識別子を含んでもよい。要求信号(Other SIB request)は、隣接セル・オンデマンドSIBの提供を要求する他セル(隣接セル)の識別子を含んでもよい。要求信号(Other SIB request)は、提供を要求するSIBの識別子を含んでもよい。隣接セル・オンデマンドSIBの提供を要求する要求信号は、サービングセルのオンデマンドSIBの提供を要求する要求信号とは別の信号(別メッセージ、別プリアンブル等)であってもよい。
【0052】
ステップS123において、gNB200−1は、UE100から要求されたオンデマンドSIB(例えば、SIBxx及びSIByy)について、gNB200−1とgNB200−2との内容が同じであるか否かを判定する。
【0053】
同じであると判定した場合(ステップS123:Yes)、ステップS124において、gNB200−1は、gNB200−2のセルBのセル識別子を、オンデマンドSIB(Other SIB)の適用可能セル識別子リストに追加してもよい。ステップS125において、gNB200−1は、自セル(セルA)のオンデマンドSIB(Other SIB)をUE100に提供する。gNB200−1は、UE100から提供を要求されたSIB(例えば、SIBxx及びSIByy)を含むオンデマンドSIB(Other SIB)をUE100に提供してもよい。
【0054】
一方、異なると判定した場合(ステップS123:No)、ステップS126において、gNB200−1は、gNB200−2が有するオンデマンドSIB(Other SIB)をgNB200−2から基地局間インターフェイス上で取得してもよい。そして、ステップS127において、gNB200−1は、隣接セル・オンデマンドSIBをUE100に提供する。当該隣接セル・オンデマンドSIBには、当該隣接セルのID又は隣接セルである事を示す情報(例えば、フラグ、メッセージ種別など)を含んでもよい。
【0055】
本シーケンスにおいて、隣接セル・オンデマンドSIBの提供を要求する要求信号を不要としてもよい。言い換えると、gNB200−1は、自セル(セルA)のオンデマンドSIBの提供を要求する要求信号の受信に応じて、隣接セル・オンデマンドSIBをUE100に提供してもよい。gNB200−1は、UE100が移動していると判定した場合のみ、隣接セル・オンデマンドSIBをUE100に提供してもよい。
【0056】
第1実施形態の変更例1において、gNB200−1は、隣接セル・オンデマンドSIBに加えて、又は隣接セル・オンデマンドSIBに代えて、他セル(隣接セル)の最小限SIBをUE100に提供してもよい。
【0057】
(1.6)変更例2
上述した第1実施形態の変更例1において、一のgNBが他のgNBからの要求に応じて当該一のgNBのオンデマンドSIBを基地局間インターフェイス上で他のgNBに通知する一例を説明した。
【0058】
しかしながら、一のgNB(gNB A)は、他のgNB(gNB X)から要求が無くても当該一のgNB(gNB A)のオンデマンドSIBを基地局間インターフェイス上で他のgNB(gNB X)に通知してもよい。
【0059】
一例として、一のgNB(gNB A)は、定期的に当該一のgNB(gNB A)のオンデマンドSIBを基地局間インターフェイス上で他のgNB(gNB X)に通知してもよい。一のgNB(gNB A)は、当該一のgNB(gNB A)のオンデマンドSIBが更新されたことをトリガとして、更新後のオンデマンドSIBを基地局間インターフェイス上で他のgNB(gNB X)に通知してもよい。ここで、他のgNB(gNB X)は、1つであってもよいし、複数であってもよい。複数である場合、一のgNB(gNB A)は、当該一のgNB(gNB A)のオンデマンドSIBを他のgNB(gNB X)にマルチキャストで一括して通知してもよいし、ユニキャストで個別に通知してもよい。他のgNB(gNB X)は、当該一のgNB(gNB A)のセルの隣接セルを管理するgNBであってもよい。他のgNB(gNB X)は、当該一のgNB(gNB A)のセルが属するページングエリア(RANページングエリア又はトラッキングエリア)に属する他セルを管理するgNBであってもよい。
【0060】
一のgNB(gNB A)のオンデマンドSIBを取得した他のgNB(gNB X)は、自身(gNB X)のオンデマンドSIBと当該一のgNB(gNB A)のオンデマンドSIBとを比較し、同じである場合には当該一のgNB(gNB A)のセルのセル識別子を当該オンデマンドSIBの適用可能セル識別子リストに含めるように当該リストを更新してもよい。
【0061】
(1.7)変更例3
第1実施形態の変更例3において、UE100のハンドオーバを行うシナリオを想定する。
【0062】
gNB200(制御部230)は、自セルから適用可能エリア外の他セル(隣接セル)に対してUE100のハンドオーバを行う場合、当該他セルが提供するオンデマンドSIB(すなわち、隣接セル・オンデマンドSIB)を含むハンドオーバコマンドをUE100に提供する。UE100(制御部130)は、隣接セル・オンデマンドSIBを含むハンドオーバコマンドを取得する。これにより、UE100は、ハンドオーバ時に隣接セル・オンデマンドSIBを速やかに取得することができる。
【0063】
一例として、ソースgNBは、ターゲットセル(隣接セル)に対するUE100のハンドオーバを決定し、ターゲットgNBに対してハンドオーバ要求を送信する。ハンドオーバ要求は、ソースgNBがUE100に提供済みのオンデマンドSIBを含んでもよい。ハンドオーバ要求は、UE100が提供を要求するオンデマンドSIBの識別子を含んでもよい。ハンドオーバ要求は、UE100が興味を持つオンデマンドSIBの識別子を含んでもよい(後述する第1実施形態の変更例4参照)。
【0064】
ターゲットgNBは、ハンドオーバ要求の受信に応じて、ハンドオーバコマンドを含むハンドオーバ応答をソースgNBに送信する。ハンドオーバコマンドは、ターゲットgNBが提供するオンデマンドSIBを含む。ハンドオーバコマンドは、UE100が要求するオンデマンドSIBを含んでもよい。オンデマンドSIB(隣接セル・オンデマンドSIB)を含むハンドオーバコマンドは、ソースgNBを介してUE100に提供される。
【0065】
第1実施形態の変更例3は、必ずしも第1実施形態に係る動作を前提としなくてもよい。すなわち、gNB200は、ターゲットセルがオンデマンドSIBの適用可能エリア外であるか否かと無関係に、第1実施形態の変更例3に係る動作を行ってもよい。
【0066】
(1.8)変更例4
第1実施形態の変更例4において、UE100(制御部130)は、オンデマンドSIB(最小限SIB以外のSIB)のうち自身がどのSIBの取得を望むかをgNB200に通知してもよい。
【0067】
このような通知(以下、「興味通知」と称する)は、オンデマンドSIBの提供を要求する要求信号(Other SIB request)に含まれてもよいし、要求信号(Other SIB request)とは別の信号であってもよい。興味通知は、UE100が取得を望むSIBの識別子を含んでもよい。興味通知の内容は、上位ネットワーク装置において蓄積及び管理されてもよい。上位ネットワーク装置は、CN300に設けられてもよい。
【0068】
(1.9)変更例5
上述した第1実施形態において、オンデマンドSIBの適用可能エリアが1又は複数のセルからなる一例を説明した。
【0069】
しかしながら、オンデマンドSIBの適用可能エリアは1又は複数のページングエリア(RANページングエリア又はトラッキングエリア等)からなるエリアであってもよい。この場合、適用可能エリアを示すリストは、1又は複数のページングエリアの識別子を含んでもよい。
【0070】
オンデマンドSIBの適用可能エリアは、1又は複数のビーム(アンテナ指向性ビーム)により形成されるエリアであってもよい。適用可能エリアを示すリストは、1又は複数のビーム識別子を含んでもよい。
【0071】
gNB200は、セル単位のリスト、ページングエリア単位のリスト、及びビーム単位のリストをUE100に個別に提供してもよい。gNB200は、セル単位のオンデマンドSIB、ページングエリア単位のオンデマンドSIB、及びビーム単位のオンデマンドSIBをUE100又は他のgNB200に提供・通知してもよい。
【0072】
(1.10)変更例6
上述した第1実施形態において、センターノードが存在するシナリオについて特に触れなかった。
【0073】
センターノードは、gNB200の一部であってもよい。一例として、gNB200のプロトコルスタックを下位レイヤと上位レイヤとで分離し、センターノードが上位レイヤを担当してもよい。センターノードは、下位レイヤを担当する複数のエンティティを制御してもよい。当該複数のエンティティは、UE100の視点では複数のセルと認識されてもよい。このような構成において、センターノードは、当該複数のエンティティのそれぞれに他のエンティティのオンデマンドSIBを通知してもよい。
【0074】
センターノードは、gNB200とは別のエンティティであってもよい。センターノードは、複数のgNB200を制御してもよい。このような構成において、センターノードは、当該複数のgNB200のそれぞれに他のgNB200のオンデマンドSIBを通知してもよい。
【0075】
(2)第2実施形態
第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。
【0076】
第2実施形態に係るUE100において、制御部130は、gNB200がユニキャスト及びブロードキャストの何れでオンデマンドSIBを提供すべきかをgNB200が判定するためのパラメータをgNB200に通知する。
【0077】
第2実施形態において、制御部130は、オンデマンドSIBの提供を要求する要求信号(Other SIB request)にパラメータを含める。パラメータは、UE100がユニキャストを望むことを示す情報、UE100がブロードキャストを望むことを示す情報、オンデマンドSIBを取得する緊急度を示す情報、及びQoS関連パラメータのうち、少なくとも1つであってもよい。1つの要求信号(Other SIB request)で複数のSIBの要求ができる場合には、提供を要求するSIBごとにパラメータを設定できるようにしてもよい。一例として、提供を要求するSIBの識別子のリストと各識別子に対応付けられたパラメータとを要求信号(Other SIB request)に含める。
【0078】
第2実施形態に係るgNB200において、制御部230は、自身がユニキャスト及びブロードキャストの何れでオンデマンドSIBを提供すべきかを判定するためのパラメータをUE100から取得し、当該パラメータに基づいてユニキャスト及びブロードキャストの何れでオンデマンドSIBを提供すべきかを判定する。
【0079】
図7は、第2実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
【0080】
図7に示すように、ステップS201において、UE100は、オンデマンドSIB(Other SIB)を取得する必要が生じたことを検知する。一例として、UE100は、自身の上位レイヤ(アプリケーションレイヤ等)が特定サービスの利用を要求することを検知する。当該特定サービスは、オンデマンドSIB(Other SIB)に関連するサービスである。
【0081】
ステップS202において、UE100は、特定サービスについて規定時間よりも短期間でオンデマンドSIBを取得すべきか否かを判定する。規定時間は、gNB200により設定された時間、次のオンデマンドSIBの送信機会までの時間、又はアプリケーションのアクセス要求時間であってもよい。規定時間を設けず、上位レイヤ(NAS、アプリケーション)からの通知に従って判定を行ってもよい。
【0082】
ステップS202で「Yes」の場合、UE100は、ユニキャストでオンデマンドSIBが提供されるべき旨の要求信号(Other SIB request)をgNB200−1に送信する(ステップS203)。一例として、UE100は、緊急度が高いことを示す情報又はQoSが高いことを示すQoS情報を要求信号(Other SIB request)に含める。QoS情報は、QoSと関連する情報であって、例えばコアネットワークスライスID、セッションID、割り当てられたベアラID、許容待ち時間(許容レイテンシ)、QCI(QoS Class Identifier)等である。コアネットワークスライスとは、CN300に設けられる仮想的なエンティティである。ユニキャストでオンデマンドSIBが提供されるべき旨の要求信号(すなわち、高速アクセス用の要求信号)とブロードキャストでオンデマンドSIBが提供されるべき旨の要求信号(すなわち、遅延許容アクセス用の要求信号)とが別々に規定される場合、UE100は、高速アクセス用の要求信号を送信してもよい。gNB200は、ユニキャストでオンデマンドSIBが提供されるべき旨の要求信号(Other SIB request)の受信に応じて、オンデマンドSIBをユニキャストでUE100に提供する(ステップS205)。
【0083】
一方、ステップS202で「No」の場合、UE100は、ブロードキャストでオンデマンドSIBが提供されるべき旨の要求信号(Other SIB request)をgNB200−1に送信する(ステップS204)。一例として、UE100は、緊急度が低いことを示す情報又はQoSが低いことを示す情報を要求信号(Other SIB request)に含める。高速アクセス用の要求信号と遅延許容アクセス用の要求信号とが別々に規定される場合、UE100は、遅延許容アクセス用の要求信号を送信してもよい。gNB200は、ブロードキャストでオンデマンドSIBが提供されるべき旨の要求信号(Other SIB request)の受信に応じて、オンデマンドSIBをブロードキャストでUE100に提供する(ステップS206)。
【0084】
(3)その他の実施形態
上述した各実施形態を別個独立に実施する場合に限らず、2以上の実施形態を組み合わせて実施してもよい。例えば、一の実施形態に係る一部の動作を他の実施形態に追加してもよい。一の実施形態に係る一部の動作を他の実施形態の一部の動作と置換してもよい。
【0085】
上述した各実施形態において、移動通信システムとして5G移動通信システムを例示した。しかしながら、本発明は5G移動通信システムに限定されず、LTEシステムやその他のシステムに本発明を適用してもよい。
【0086】
日本国特許出願第2016−216661号(2016年11月4日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。